メタボリックシンドローム改善・予防組成物

申请号 JP2007537744 申请日 2006-09-29 公开(公告)号 JPWO2007037438A1 公开(公告)日 2009-04-16
申请人 富士化学工業株式会社; 发明人 二郎 高橋; 二郎 高橋; ホセイン ガージ; ホセイン ガージ; 潮 三川; 潮 三川; 博三 後藤; 博三 後藤;
摘要 高コレステロール症、高トリグリセリド症、耐糖能異常、高血圧、肥満はそれぞれの症状が軽度であっても、これらが複合的に発生するメタボリックシンドロームが、大きな死亡要因の1つである循環器疾患の原因となっている。アスタキサンチン含有抽出を有効成分として含有するメタボリックシンドロームの改善・予防効果を有する組成物ならびにアスタキサンチン含有抽出を有効成分として含有するメタボリックシンドロームの飲食物や医薬品を提供する。また、アスタキサンチン含有抽出はメタボリックシンドロームの症状である高血圧、高脂血、糖尿病、肥満の改善・予防にも効果がある。
权利要求
  • アスタキサンチンを有効成分として含有するメタボリックシンドロームの改善・予防効果を有する組成物。
  • アスタキサンチン及び1種又は2種以上の活性剤を有効成分として含有するメタボリックシンドロームの予防・改善効果を有する組成物。
  • アスタキサンチンが、密閉型培養装置で培養されるヘマトコッカス藻を粉砕し、溶媒で抽出したのち、溶媒を除去して得られるアスタキサンチンである請求項1〜2の組成物。
  • 活性剤が、以下の群のいずれかの1種または2種以上である請求項2〜3の組成物:
    ビタミンA類、カロテノイド類、ビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類、トコトリエノール、グルタチオン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩;α−リポ酸、デオキシリボ核酸、リボ核酸、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グアニン、キサンチン、α−またはγ−リノレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、コハク酸、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩;アスパラグン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩;血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、胎盤抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリー;酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、霊芝抽出物� �ニンジン抽出物、センブリ抽出物、ローズマリー抽出物、オウバク抽出物、ニンニク抽出物、ヒノキチオール、セファランチン、アロエ抽出物、サルビア抽出物、アルニカ抽出物、カミツレ抽出物、シラカバ抽出物、オトギリソウ抽出物、ユーカリ抽出物、ムクロジ抽出物、センプクカ抽出物、ケイケットウ抽出物、サンペンズ抽出物、ソウハクヒ抽出物、トウキ抽出物、イブキトラノオ抽出物、クララ抽出物、サンザシ抽出物、シラユリ抽出物、ホップ抽出物、ノイバラ抽出物、ヨクイニン抽出物;D−フラクション、グリコーゲン、オクタコサノール、アリシン、コエンザイムQ10、カテキン、ポリフェノール、フラボノイド、カルノシン、カルニチン;システイン及びその誘導体並びにその塩、ペプチド;リジン、硫化アリル、ビオ チン、パントテン酸、コラーゲン、エラスチン、ケラチン及びこれらの誘導体並びにその塩類;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸;乳酸菌;鉄、モリブデン、カルシウム、亜鉛、セレン、マンガン、銅、ヨウ素などのミネラル類。
  • 請求項1〜4の組成物が医薬品である請求項1〜4の組成物。
  • 請求項1〜4の組成物が飲食物である請求項1〜4の組成物。
  • 請求項1〜4の組成物を投与することによって、メタボリックシンドロームを治療・予防する方法。



  • 说明书全文

    本発明は、アスタキサンチンを有効成分として含有するメタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有する組成物に関する。 さらに詳しくは、密閉型培養装置で培養されるヘマトコッカス藻を乾燥粉砕し、溶媒で抽出したのち、溶媒を除去して得られるアスタキサンチンを有効成分として含有するメタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有する組成物に関する。 また、アスタキサンチン及び1種又は2種以上の活性剤を有効成分として含有するメタボリックシンドロームの予防・改善効果を有する組成物に関する。

    日本国において脳血管障害や心血管障害などの循環器疾患が全死亡率の約30%を占め、癌とともに最も大きな死亡原因となっている。 また死亡とならないまでも、発病によって大きな後遺症を残すことも大きな問題となっている。 循環器疾患の原因として、これまで高脂血症、高血圧、高血糖などの症状がそれぞれ進行したことが主な原因と考えられてきた。 しかし、近年、これらも単独で原因とはなっているが、それよりも高コレステロール症、高トリグリセリド症、耐糖能異常、高血圧、肥満のそれぞれが特に症状が進行していなくても3つ以上が合併した場合の発病率が数十倍も高いことが分かってきた。 1個人にこれらの症状で軽度なものが集合しているマルチプルリスクファクター症候群をメタボリックシンドロームとよばれている。

    メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積による肥満細胞の増大が最大の原因として知られている。 肥満細胞の増大は、肥満細胞が分泌している種々の生理活性物質の異常や血中への遊離脂肪酸の放出増加をもたらす。 肥満細胞が分泌している生理活性物質としては、インスリン抵抗性に関するTNFαやレジスチン、血栓形成に関連するPAI−1、高血圧に関連するアンジオテンシンシノーゲンなどがある。

    メタボリックシンドロームを形成する個々の症状である高脂血症、高血圧、高血糖などについては、それぞれの症状の治療薬は数多く開発されている。 しかし、医薬品の場合、薬の副作用や併用(飲み合わせ)による弊害があり、長期間摂取したり、また、予防のために摂取したりするためには好ましくないものが多く、副作用や毒性がなく長期間に渡って摂取できる飲食物の形態で摂取できるメタボリックシンドロームの改善・予防用の飲食物や薬剤が望まれている。

    アスタキサンチンは、β−カロテンと同じカロテノイドの一種で、エビ、カニ等の甲殻類、サケ、タイ等の魚類、緑藻ヘマトコッカス等の藻類、赤色酵母ファフィア等の酵母類等、天然、特に海洋に広く分布しており、赤色色素として広く用いられている。 アスタキサンチンはビタミンE(α−トコフェロール)の約1000倍、β−カロテンの約40倍もの強な抗酸化作用を有することが見いだされ、現在は最も有効性のある健康食品として用いられている。

    アスタキサンチンの有する主な機能特性として、動脈硬化の防止効果を有すること(特許文献1)、高血圧の防止効果を有すること(特許文献2)、インスリン依存真性糖尿病の治療剤(特許文献3)が報告されている。 また、アスタキサンチンの有するその他の機能特性として、抗炎症作用、光傷害からの網膜保護作用、日周リズム調節作用、免疫賦活作用、抗ストレス作用、精子の質向上作用や膀胱がん誘発抑制、筋肉持続力向上作用等数多くの報告がなされている。

    アスタキサンチンが肥満細胞の代謝異常を正常化することによってメタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有することは知られてはいない。

    日本国特開平10−155459号公報

    日本国特表2004−534800号公報

    日本国特表2003−510353号公報

    本発明者らは、上記課題を解決するべく、メタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有する物質を探索した結果、アスタキサンチンがメタボリックシンドロームを改善及び/又は予防する効果があることを見出した。 本発明は、かかる知見に基づき完成されたものであり、アスタキサンチンを有効成分とするメタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有する組成物、並びにアスタキサンチンを有効成分とするメタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有する医薬品、飲食物を提供するものである。

    本発明は、アスタキサンチンを有効成分とするメタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有する組成物、並びにアスタキサンチンを有効成分とするメタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有する医薬品及び飲食物を提供することを目的とする。 本発明の組成物、医薬品および飲食物は、メタボリックシンドロームを改善及び/又は予防することにより、メタボリックシンドロームによって生じる疾病の改善及び/又は予防にも有用である。

    本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アスタキサンチンが特に優れたメタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有することを見出した。 本発明は係る知見に基づくものである。

    本発明のアスタキサンチンを有効成分として含有するメタボリックシンドロームの改善及び/又は予防効果を有する組成物を、飲食物または医薬品の形態で投与することによって、メタボリックシンドロームの改善及び/又は予防することができる。

    17週齢ラットのインスリン抵抗試験:インスリンを注射後の血中グルコース濃度を示したものである。

    本発明においてアスタキサンチンとは、天然物由来のものまたは合成により得られるものを意味する。 天然物由来のものとしては、例えば、エビ、オキアミ、カニなどの甲殻類の甲殻、卵および臓器、種々の魚介類の皮および卵、緑藻ヘマトコッカスなどの藻類、赤色酵母ファフィアなどの酵母類、海洋性細菌、福寿草および金鳳花などの種子植物から得られるものをあげることができる。 天然からの抽出物および化学合成品は市販されており、入手は容易である。

    アスタキサンチンは、例えば、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌などを、公知の方法に準拠して、適宜な培地で培養することにより得られる。 培養や抽出のしやすさ、アスタキサンチンを最も高濃度で含有することや生産性の高さから緑藻ヘマトコッカスが最も好適である。

    アスタキサンチンの使用形態としては、前記方法で得たアスタキサンチンの抽出物およびそれらを含有した粉末や溶液、または赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌などの乾燥品およびそれらの破砕品を用いることができる。

    アスタキサンチンを含むヘマトコッカス藻の培養とヘマトコッカス藻からアスタキサンチンの抽出方法について以下に具体的に説明する。
    ヘマトコッカス緑藻類の培養方法としては、異種生物の混入・繁殖がなく、その他の夾雑物の混入が少ない密閉型の培養方法が好ましく、例えば、一部解放型のドーム形状、円錐形状又は円筒形状の培養装置と装置内で移動自在のガス吐出装置を有する培養基を用いて培養する方法(国際公開第99/50384号公報)や、密閉型の培養装置に光源を入れ内部から光を照射して培養する方法、平板状の培養槽やチューブ型の培養層を用いる方法、ならびにピーク波長が約540nm以下の波長の光を照射することによって培養する方法(特開2004−147641号公報)が適している。

    本発明のヘマトコッカス藻から抽出物を得る方法としては、常法に従って、ヘマトコッカス藻を破砕し溶媒で抽出することができ、例えば、(1)ヘマトコッカスを破砕・乾燥したあと、溶媒で抽出を行い、溶媒を除去して抽出物を得る方法、(2)ヘマトコッカス(湿末)を有機溶媒に懸濁した後、粉砕機に通して細胞を粉砕して抽出し、有機溶媒を除去して抽出物を得る方法があげられる。 夾雑物が最も少ないこと工程が少なく余分な熱を加えないことから、好ましいのは(2)の粉砕抽出法である。

    上記(1)の方法は、ヘマトコッカスを破砕・乾燥したあと、溶媒で抽出を行い、溶媒を除去して抽出物を得る方法である。 粉砕方法は、湿式、乾式のどちらでもよく、ビーズミル、ロールミル、ハンマーミル、ジェットミル、ピンミルなど常法に従って行うことができる。 このとき、アスタキサンチンの酸化を抑制・防止するため、トコフェロールやトコトリエノールなど既存の酸化防止剤を添加することができる。 乾燥方法は、棚式乾燥、流動層乾燥、フラッシュ乾燥、噴霧乾燥など常法にしたがって行うことができる。 粉砕・乾燥の具体的な方法としては、本出願人が先に出願したWO2002/077105の方法によって行うことができる。 続いて、この乾燥破砕藻を溶媒で抽出する。 抽出に用いる溶媒は、例えば、アセトン、アルコール、酢酸エチル、ベンゼン、クロロホルム、二酸化炭素、アンモニアなどが適している。 抽出時の温度は溶媒が、沸騰しない温度でよく、0〜60℃が適している。 続いてこの抽出液を減圧蒸留などを行い、溶媒を除去して抽出物を得る。

    抽出溶媒として、二酸化炭素やアンモニアを用いる場合は、超臨界抽出を行う。 超臨界抽出は、常法に従って、例えば、特開2004−41147号公報に記載の方法で行うことができる。 粉砕処理したヘマトコッカス藻をペレット状に成形し、超臨界状態の二酸化炭素をまたは超臨界点近傍の状態の二酸化炭素をそのペレットを充填した層を通過させて抽出する。 減圧を行って二酸化炭素を除去して抽出物を得る。 ペレットからの抽出性を高めるために高級不飽和脂肪酸や、グリセリン、アルコール、水などを加えて良い。

    上記(2)の方法は、本出願人が先に出願した特願2004−253525の方法により行うことができる。 ヘマトコッカス藻を湿末のまま、上述の有機溶媒に懸濁させて、粉砕器で粉砕しながら同時に抽出を行う。 有機溶媒の除去の方法は上述同様に常法に従って行うことができる。

    上述の2種の製法で得られた抽出物は、所望により分離カラムやリパーゼ分解によりさらに精製することができる。 さらに溶媒を除去したい場合は、分子蒸留装置などを用いることができる。

    密閉型の培養装置を用いているため異種微生物由来の供雑物がなく、また穏和な条件でアスタキサンチン含有抽出物を得ていることから抽出物の酸化による破壊が少なく、アスタキサンチンの効果をより効果的に発揮することができる。

    アスタキサンチンは、3,3'−ジヒドロキシ−β,β−カロテン−4,4'−ジオンであり、立体異性体を有する。 具体的には、(3R,3'R)−アスタキサンチン、(3R,3'S)−アスタキサンチンおよび(3S,3'S)−アスタキサンチンの3種の立体異性体が知られている。

    本発明の記載で、特に記載がない限り、アスタキサンチンはアスタキサンチン及び/又はそのエステルを含む。 さらに、アスタキサンチンのエステルにはモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。

    アスタキサンチンは突然変異原性が観察されず、安全性が高い化合物であることが知られており、食品添加物として広く用いられている(高橋二郎ほか:ヘマトコッカス藻アスタキサンチンの毒性試験―Ames試験、ラット単回投与毒性試験、ラット90日反復経口投与性毒性試験―、臨床医薬、20:867−881、2004)。

    本発明のアスタキサンチン含有抽出物には、アスタキサンチンとして、アスタキサンチンの遊離体、モノエステル体、ジエステル体の少なくとも一種以上が含まれている。 ジエステル体は2つの水酸基がエステル結合により保護されているため物理的に遊離体やモノエステル体よりも安定性が高く飲食物中や医薬品中で酸化分解されにくい。 しかし、生体中に取り込まれると生体内酵素により速やかに遊離体のアスタキサンチンに加水分解され、効果を示すものと考えられている。

    アスタキサンチンのモノエステルとしては、低級または高級飽和脂肪酸、あるいは低級または高級不飽和脂肪酸によりエステル化されたエステル類をあげることができる。 前記低級または高級飽和脂肪酸、あるいは低級または高級不飽和脂肪酸の具体例としては、酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、へブタデカン酸、エライジン酸、リシノール酸、ベトロセリン酸、バクセン酸、エレオステアリン酸、プニシン酸、リカン酸、パリナリン酸、ガドール酸、5−エイコセン酸、5−ドコセン酸、セトール酸、エルシン酸、5,13−ドコサジエン酸、セラコール酸、デセン酸、ステリング酸、ドデセン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エイコサオペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などをあげることができる。 また、アスタキサンチンのジエステルとしては前記脂肪酸からなる群から選択される同一または異種の脂肪酸によりエステル化されたジエステル類である。

    さらに、アスタキサンチンのモノエステルとしては、グリシン、アラニンなどのアミノ酸;酢酸、クエン酸などの一価または多価カルボン酸;リン酸、硫酸などの無機酸;グルコシドなどの糖;グリセロ糖脂肪酸、スフィンゴ糖脂肪酸などの糖脂肪酸;グリセロ脂肪酸などの脂肪酸;グリセロリン酸などによりエステル化されたモノエステル類である。 前記モノエステル類の塩も含まれている。

    アスタキサンチンのジエステルとしては、前記低級飽和脂肪酸、高級飽和脂肪酸、低級不飽和脂肪酸、高級不飽和脂肪酸、アミノ酸、一価または多価カルボン酸、無機酸、糖、糖脂肪酸、脂肪酸およびグリセロリン酸からなる群から選択される同一または異種の酸によりエステル化されたジエステル類をあげることができる。 なお、考えられ得る場合は前記ジエステル類の塩も含む。 グリセロリン酸のジエステルとしては、グリセロリン酸の飽和脂肪酸エステル類、または高級不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸または飽和脂肪酸から選択される脂肪酸類を含有するグリセロリン酸エステル類などが含まれている。

    本発明の抽出法によるアスタキサンチンが、合成のアスタキサンチンや他のアスタキサンチン抽出物より、特に効果があるのは、本発明の抽出物が体内への吸収性がよいことが原因の1つと考えられている。 フリー体のアスタキサンチンでは腸壁を超えて血管への吸収が悪いのに対して、ヘマトコッカスなど植物由来のアスタキサンチンは脂肪酸など特定の誘導体が多いことがあげられる。 また、本発明の抽出物は、抽出工程中、抽出物のアスタキサンチン誘導体や不飽和脂肪酸の酸化が抑えられ、不純物が少ないこと(特願2004−253525)も原因と考えられる。 アスタキサンチンは体内への吸収向上・放出制御のため、担体への吸着やコーティング処理を行った粉末とすることができる。 噴霧乾燥法によって、適宜な担体と乳化剤を用いて粉末を調整することができる。

    本発明におけるメタボリックシンドロームとは、内蔵脂肪の増加によって、内臓肥満細胞が肥満化し、インスリン抵抗性に関するTNFαやレジスチン、血栓形成に関連するPAI−1、高血圧に関連するアンジオテンシノーゲンなどの生理活性物質の正常な分泌の変化や遊離脂肪酸の放出など生じることである。 その結果、インスリン抵抗性、肥満、高中性脂肪血症、HDLコレステロール低下、高血圧症などを2つ以上合併することである。

    本発明の組成物は、詳細は不明であるが、主要成分であるアスタキサンチンが内蔵脂肪の脂肪細胞に作用し、TNFα、レジスチン、PAI−1、アンジオテンシノーゲンなどの分泌や遊離脂肪酸の放出を健常な状態により近づけることによって、メタボリックシンドロームを改善・予防する効果があると想定される。

    本発明の組成物は、メタボリックシンドロームを改善及び/または予防する効果がある。 メタボリックシンドロームによって、インスリン抵抗性、肥満、高中性脂肪血症、高血圧症が生じ、これらが要因となっている疾患、例えば、動脈硬化、高血圧、糖尿病、ガン、高脂血症、リュウマチ、痛風、脳卒中、虚血性心疾患、気腫、胃潰瘍、胃炎、肝炎、膵炎、腎炎、その他の炎症性疾患、白内障、アルツハイマー病、アレルギー性疾患、老化、帯状発疹、糖尿病の合併症である神経障害、網膜障害、腎症、大血管障害および血液疾患に関する疾病の治療・改善・予防効果も有している。 神経障害においては、突発性の難聴、眼や顔面の異常(麻痺や痛み)、鬱病、痴呆症、起立性低血圧、発汗の異常、下痢や便秘(消化器症状)、排尿障害、四肢の痛み、知覚の異常、ED、眼精疲労、筋肉疲労、筋肉の委縮、壊疽の治療・改善・予防に効果がある。 網膜障害においては、黄斑変性症、緑内障、白内障、単純網膜症、前増殖網膜症および増殖網膜症の改善・予防に効果がある。

    本発明の組成物は、メタボリックシンドロームの改善・予防・治療の効果のみではなく、メタボリックシンドロームによって生じる疾病の予防・改善・治療にも効果があり、前述したメタボリックシンドロームによって生じる疾病にも予防・改善・治療効果がある。 本発明の組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧品、機能性食品、栄養補助剤、飲食物として使用することができる。

    本発明の組成物は、アスタキサンチンを含む組成物である。 アスタキサンチンの効果を高めるため、1種以上の活性剤を添加することができる。
    活性剤としては、例えば、ビタミンA類、カロテノイド類、ビタミンB類、ビタミンC類、ビタミンD類、ビタミンE類、トコトリエノール、グルタチオン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩;α−リポ酸、デオキシリボ核酸、リボ核酸、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、グアニン、キサンチン、α−またはγ−リノレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、コハク酸、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩;アスパラグン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩;血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、胎盤抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリー;酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィ� �ス菌抽出物、霊芝抽出物;ニンジン抽出物、センブリ抽出物、ローズマリー抽出物、オウバク抽出物、ニンニク抽出物、ヒノキチオール、セファランチン、アロエ抽出物、サルビア抽出物、アルニカ抽出物、カミツレ抽出物、シラカバ抽出物、オトギリソウ抽出物、ユーカリ抽出物、ムクロジ抽出物、センプクカ抽出物、ケイケットウ抽出物、サンペンズ抽出物、ソウハクヒ抽出物、トウキ抽出物、イブキトラノオ抽出物、クララ抽出物、サンザシ抽出物、シラユリ抽出物、ホップ抽出物、ノイバラ抽出物、ヨクイニン抽出物;D−フラクション、グリコーゲン、オクタコサノール、アリシン、コエンザイムQ10、カテキン、ポリフェノール、フラボノイド、カルノシン、カルニチン;システイン及びその誘導体並びにその塩、ペプチド; リジン、硫化アリル、ビオチン、パントテン酸、コラーゲン、エラスチン、ケラチン及びこれらの誘導体並びにその塩類;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸;乳酸菌;鉄、モリブデン、カルシウム、亜鉛、セレン、マンガン、銅、ヨウ素などのミネラル類等があげられる。
    トコフェロール、トコトリエノール、α−リポ酸、コエンザイムQ10が好ましい。

    本発明の組成物を飲食物として用いる場合は、固形状、ゲル状、液状など医薬用の錠剤同様の形状、または一般の食品への配合のいずれの形態としても用いることができる。 機能性食品の形状として一般に用いる場合は、固形製剤、ジェル剤、ドリンク剤の形状が好ましく、固形製剤としては、錠剤、ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、顆粒剤、散剤など医薬品と同様の形状で用いることができる。

    本発明の組成物の固形製剤は、一般食品特に機能性食品または製剤の製造に用いられる種々の添加剤を適当量含んでいてもよい。 このような添加剤として、例えば賦形剤、結合剤、酸味料、発泡剤、人工甘味料、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、pH調整剤、界面活性剤などが挙げられる。 賦形剤としては、例えばトウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギコデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファ−化デンプン、有孔デンプン等のデンプン類、乳糖、ショ糖、ブドウ糖などの糖、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトールなどの糖アルコール、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸などの無機化合物などがあげられる。 結合剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルランなどが挙げられる。 崩壊剤としては、例えばデンプン、寒天、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、結晶セルロースなどがあげられる。 酸味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸などがあげられる。 発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。 甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。 香料としては、例えばレモン油、オレンジ油、メントールなどが挙げられる。 滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。 着色剤としては、例えば食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素、食用レーキ色素、三二酸化鉄などが挙げられる。 安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、トコフェロール、シクロデキストリン等が挙げられる。 pH調整剤としては、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、アミノ酸塩などが挙げられる。 界面活性剤として、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガントなどがあげられる。 アスタキサンチンの吸収を良くするためには微粉状態に加工してから配合することが好ましい。

    本発明の飲食物を、シロップ、ドリンクなどの飲料の形状とするときは、有効成分を必要に応じてpH調製剤、緩衝剤、溶解剤、懸濁剤等、張化剤、安定化剤、防腐剤などの存在下、常法により飲料化することができる。 懸濁剤としては、例えば、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガントなどを挙げることができる。 溶解剤としては、例えば、ポリソルベート80、水添ポリオキシエチレンヒマシ油、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マクロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステルなどを挙げることができる。 安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。 防腐剤としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾールなどを挙げることができる。 その他の成分としてミネラル、アミノ酸及びその塩類、生薬及び生薬抽出物、甘味剤、保存剤、矯味剤、着色剤など飲料一般に使用される成分を配合することができる。

    本発明にかかる飲料は、常法により調製でき、その方法は特に制限はされないが、通常、各成分を規定量以下の精製水にて混合し、規定量に容量調整し、必要に応じて濾過、滅菌処理をすることにより得られる。 なお、脂溶性ビタミンを含むときは、通常用いられる界面活性剤又は可溶化剤により乳化又は可溶化してもよく、また分散剤を用いて懸濁させても良い。

    一般の飲食物にアスタキサンチンを配合することができ、形態例としては、マーガリン、バター、バターソース、チーズ、生クリーム、ショートニング、ラード、アイスクリーム、ヨーグルト、乳製品、ソース肉製品、魚製品、漬け物、フライドポテト、ポテトチップス、スナック菓子、かきもち、ポップコーン、ふりかけ、チューインガム、チョコレート、プリン、ゼリー、グミキャンディー、キャンディー、ドロップ、キャラメル、パン、カステラ、ケーキ、ドーナッツ、ビスケット、クッキー、クラッカー、マカロニ、パスタ、ラーメン、蕎麦、うどん、サラダ油、インスタントスープ、ドレッシング、卵、マヨネーズ、みそなど、または果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料などの炭酸系飲料または非炭酸系飲料など、茶、コーヒー、� ��コアなどの非アルコールまたはリキュール、薬用酒などのアルコール飲料などの一般食品への添加例を挙げることができる。 本発明の飲食物は、例えば健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメントなどに適用できる。

    本発明の飲食物中のアスタキサンチを配合する場合は、飲食物に配合されるその他の成分の量によって特に限定されるものではないが、飲食物の全量に対して、アスタキサンチンを0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%であり、予防または改善作用を発揮するのに必要な量だけ含まれるように調製する。 機能性食品とする場合、アスタキサンチン量は0.01〜99.9重量%、好ましくは0.1〜90重量%の量で含有させることができる。 。 アスタキサンチンの使用量は当業者が飲食物の種類に応じて適宜選択でき、成人1日摂取量あたり0.5〜100mg、好ましくは1〜20mgできるようにすればよい。

    本発明の飲食物に、アスタキサンチンと活性剤を両方配合する場合は、アスタキサンチン1重量部に対して活性剤が0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で配合することができる。 本発明の飲食物におけるアスタキサンチンと活性剤の合計の配合量は0.00001〜99.9重量%、好ましくは0.0001〜90重量%の量で含有させることができる。 機能性食品とする場合、アスタキサンチンと活性剤の合計の配合量は0.01〜99.9重量%、好ましくは0.1〜90重量%の量で含有させることができる。 活性の使用量は当業者が組成物の種類、成人1日摂取量に応じて配合量を適宜選択することができる。

    本発明のメタボリックシンドローム改善効果を有する医薬品は、経口または非経口で投与することができる。 経口用の剤形としては、例えば、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル、顆粒、細粒などの固形投薬形態、シロップおよび懸濁液のような液体投薬形態で投与される。 非経口の剤形としては、注射剤、点眼剤、点鼻剤、貼付剤、軟膏剤、坐剤の形態で投与される。 リピッド分散型の製剤は血中濃度の増加に有効である。

    本発明の医薬品は、前述の飲食物の固形製剤に用いられる各種成分を配合して固形製剤とすることができる。 シロップ、ドリンク剤、懸濁液、点眼剤、注射剤などの液剤は、前述の飲食物の飲料に用いられる各種成分を配合して液剤とすることができる。

    また、皮膚外用剤の形態には、上記成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、美白剤、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。

    本発明の医薬品に用いられるアスタキサンチンの量は、アスタキサンチン遊離体換算量で、成人では1日あたり、0.5mg〜100mg、好ましくは1mg〜20mgの服用量で経口投与または非経口投与で行う。 投与量は、投与される患者の年齢、体重、症状の程度、投与形態によって異なる。 本発明の医薬品におけるアスタキサンチン量は0.01〜99.9重量%、好ましくは0.1〜90重量%の量で含有させることができる。

    本発明の医薬品に、アスタキサンチンと活性剤を両方配合する場合は、アスタキサンチン1重量部に対して活性剤が0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で配合することができる。 本発明の医薬品におけるアスタキサンチンと活性剤の合計の配合量は0.01〜99.9重量%、好ましくは0.1〜90重量%の量で含有させることができる。 活性の使用量は当業者が組成物の種類、成人1日摂取量に応じて配合量を適宜選択することができる。

    本発明をさらに詳細に説明にするために以下に実施例をあげるが、本発明がこの実施例のみに限定されないことはいうまでもない。

    [血圧の測定]
    ラットは実験開始1週間前から装置に慣らした。 血圧(最高、最低、及び平均血圧)は、ラットを無麻酔下に軽度に拘束し、尾動脈に赤外線センサーを内蔵するカフ(THC−1;ソフトロン社製)をあて、容積脈波振動法により測定した。 血圧測定は午後に行った。

    [血糖値の測定]
    ラットを測定日前日から水のみを自由に与え餌を与えないようにした。 午後に体重1kg当たりインスリン0.5U/kgを1ml注射し、経時的に採血を行い、Antisense II (ホリバ製)を用いて血中のグルコース濃度を測定した。

    [血中の中性脂肪の測定]
    遠心分離後の上澄み液を、酵素法を用いたトリグリセライドG−テスト〔和光純薬工業(株)製〕により血中の中性脂肪濃度を測定した。

    [血中のアディポネクチンの測定]
    ラットから1mLの血液を採取し、冷却遠心後、上澄み液をとり、アディポネクチン測定用ELISAキット(大塚製薬製)を用いて血中アディポネクチン濃度を測定した。

    [アスタキサンチンの製造]
    乾燥未破砕ヘマトコッカス藻粉末1kg〔バイオリール社製 アスタキサンチン含量4.6%〕とミックスビタミンE〔理研ビタミン、E700〕25gをアセトン1.5kgに分散させ、1mm径のガラスビーズを85%充填した防爆型のビーズミル試験機〔ダイノミルKDL-PILOT、WAB社製〕を用いて、適時冷却しながら室温で、ディスク周速10m/s、流速140g/min. で破砕処理を2回行い、同時にカロテノイドを含む脂質画分を抽出した。 破砕懸濁液全量を吸引濾過により抽出濾液を回収、さらに濾過残渣を1kgのアセトンでリンス3回行い、アスタキサンチンを含む脂質成分を完全に抽出した。 得られた抽出濾液から減圧エバポレーター(温度35℃)でアセトンを留去し、さらに分子蒸留機にて微量のアセトンを除去し、アスタキサンチン含有抽出物(フリー体換算で5.6%含有)を得た。

    [試験例]
    生後5週齢の雄性のメタボリックシンドロームモデルラット(SHR/NDmcr)(三共ラボラトリーズ製)を購入し、恒温(24±1℃)、恒湿(54±5%)、12時間の明暗周期の実験動物飼育室で約1週間飼育した後、実験に使用した。 水および飼料は自由摂取させた。 実験では、各群とも1群6匹、ただし正常群としてのWistar群は5匹を使用した。 1日に1回、午後に経口から試料を投与した。
    <投与群>
    1)対照群:ラットの体重1kg当たり、オリーブオイルを1ml投与2)アスタキサンチン5mg/kg投与群:ラットの体重1kg当たり、アスタキサンチン5mgをオリーブオイル1mlに混合して投与3)アスタキサンチン50mg/kg投与群:ラットの体重1kg当たり、アスタキサンチン50mgをオリーブオイル1mlに混合して投与4)正常群:Wistarラット体重1kg当たり、オリーブオイル1ml投与した群

    以下に掲げる表1〜7では、Ax(5mg/kg)はアスタキサンチン5mg/kg投与群、Ax(50mg/kg)はアスタキサンチン50mg/kg投与群を示す。

    [表1]体重の変化

    A:p<0.05(t-test、対照群 vs 5mg/kg,50mg/kg)、単位はg

    アスタキサンチンを投与しても体重の変化がないことがわかる。

    [表2]拡張期血圧の変化

    A:p<0.05(対照群 vs 5mg/kg,50mg/kg)、単位はmmHG

    [表3]収縮期血圧の変化

    A:p<0.05(t-test、対照群 vs 5mg/kg,50mg/kg)、単位はmmHG

    本発明のアスタキサンチン飲食物を投与することによって、血圧の上昇が抑制されるのがわかる。

    [表4]空腹時血糖値の変化

    A:p<0.01(t-test、対照群 vs 5mg/kg,50mg/kg)、単位はmg/dl。 ラットを1晩空腹状態(水は自由に摂取)とし、血中グルコース濃度を測定した。

    [表5]インスリン投与後の血糖値の変化

    A:p<.05(t-test、対照群 vs 5mg/kg,50mg/kg)、単位はmg/dl。 ラットを1晩空腹状態(水は自由に摂取)とし、体重1kgあたり、0.5Uのインスリンを1ml注射し、120分後の血中グルコース濃度を測定した。

    本発明のアスタキサンチン飲食物を投与することによって、インスリンを注射したときの血中のグルコース濃度が低下しているのがわかる。 インスリン抵抗性が有意に改善されている。

    [表6]血中中性脂肪の変化

    A:p<0.001(t-test、対照群 vs 50mg/kg)、単位はmg/dl。

    アスタキサンチン投与群は、対照群よりも血中の中性脂肪が減少している。 SHR/NDmcrの血中の中性脂肪酸の経時的な増加をアスタキサンチンが抑制していることが分かる。 。

    [表7]血中アディポネクチン濃度の変化

    A:p<0.01(t-test、対照群 vs 50mg/kg)、単位はmg/ml。

    アスタキサンチンを投与することによって、血中のアディポネクチンが対照群よりも増加していることがわかる。 アディポネクチンは糖の細胞への吸収・脂肪燃焼を促進する働きがあり、アスタキサンチン血中のアディポネクチンの増加を促し、血中のグルコース濃度と中性脂肪の減少につながっていると考えられる。

    [製造例1] 錠剤下記成分を下記組成比(重量%)で均一に混合し、1粒300mgの錠剤とした。
    ヘマトコッカス抽出物 30mg
    乳糖 70mg
    でんぷん 70mg
    カゼンナトリウム 6mg
    ゼラチン 6mg
    セルロース 109mg
    二酸化ケイ素 3mg
    ショ糖脂肪酸エステル 6mg
    ヘマトコッカス抽出物はアスタキサンチンをフリー体換算で5重量%を含む。

    [製剤例2] 軟カプセル剤下記成分からなるソフトカプセル剤皮の中にヘマトコッカス抽出物(アスタキサンチンを5重量%含有)を常法により充填し、1粒300mgのソフトカプセルを得た。
    内容物 ヘマトコッカス抽出物 20mg
    食用油脂 150mg
    剤皮 ゼラチン 100mg
    グリセリン 30mg

    [製剤例3] ドリンク剤下記成分を配合し、常法に従って、水10kgを加えてドリンク剤を調製した。
    ヘマトコッカス抽出物水溶液* 25g
    液糖 4000g
    DL−酒石酸ナトリウム 1g
    クエン酸 50g
    ビタミンC 50g
    ビタミンE 150g
    シクロデキストリン 25g
    塩化カリウム 5g
    硫酸マグネシウム 2g
    *特開2001−316601の実施例の方法で調整したヘマトコッカス抽出物水溶液(アスタキサンチン1%含有)

    [製剤例4] スティック顆粒下記成分を配合し、常法に従って造粒し、5g入りスティック顆粒を製造した。
    アスタリールパウダー* 5%
    ビタミンBミックス 1%
    ニコチン酸 0.1%
    パントテン酸 0.1%
    タウリン 10%
    グルタミン酸 1%
    GABA 0.01%
    アスパラギン酸 0.05%
    BCAA 0.5%
    クエン酸 10%
    ビタミンC 10%
    γ−オリザノール粉末 0.15%
    CMCNa 適宜デキストリン 適宜 *アスタキサンチン1重量%含有ヘマトコッカス抽出物の粉末

    [製剤例5] チョコレート下記成分を配合し、常法に従ってチョコレートを製造した。
    アスタリールオイル50F 1%
    プロポリス 0.1%
    ローヤルゼリー 0.01%
    カフェイン 0.5%
    人参エキス 0.5%
    レシチン 適量 カカオマス 適量




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