口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物

申请号 JP2002578985 申请日 2002-04-02 公开(公告)号 JPWO2002080946A1 公开(公告)日 2004-07-29
申请人 わかもと製薬株式会社; 发明人 行則 太田; 行則 太田; 松山 恵理子; 恵理子 松山; 直美 小久保; 直美 小久保; 徹 薗部; 徹 薗部;
摘要 生きた乳酸菌、該乳酸菌含有物、該乳酸菌培養ろ液、及びその処理物からなる群から選ばれた少なくとも1種と、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、パラチノース、還元乳糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、エゾウコギ抽出物、ドクダミ抽出物、紅麹、ウコン色素、カリン抽出物、霊芝抽出物、サンザシ抽出物、シイタケ抽出物、月桃抽出物、ステビア抽出物、ハス胚芽抽出物、ラカンカ抽出物、緑茶抽出物、マリアアザミ抽出物、紫玄米抽出物、酵素分解甘草、黄杞葉抽出物、イチョウ抽出物、ルイボス茶抽出物、ヨモギ抽出物、グリチルリチン、ギムネマ抽出物、及び刺梨抽出物からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含有する 口腔 内疾患の予防及び/又は治療用組成物。
权利要求
  • 生きた乳酸菌、該乳酸菌含有物、該乳酸菌培養ろ液、及びその処理物からなる群から選ばれた少なくとも1種と、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、パラチノース、還元乳糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、エゾウコギ抽出物、ドクダミ抽出物、紅麹、ウコン色素、カリン抽出物、霊芝抽出物、サンザシ抽出物、シイタケ抽出物、月桃葉抽出物、ステビア抽出物、ハス胚芽抽出物、ラカンカ抽出物、緑茶抽出物、マリアアザミ抽出物、紫玄米抽出物、酵素分解甘草、黄杞葉抽出物、イチョウ抽出物、ルイボス茶抽出物、ヨモギ抽出物、グリチルリチン、ギムネマ抽出物、及び刺梨抽出物からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含有する口腔内疾� ��の予防及び/又は治療用組成物。
  • 乳酸菌がラクトバチルス属に属する乳酸菌である請求項1記載の組成物。
  • ラクトバチルス属に属する乳酸菌がラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバシルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ガッセリ、ラクトバチルス・ラムノーサス及びラクトバチルス・ジョンソニーからなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の組成物。
  • 口腔内疾患が虫歯又は歯周病である請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  • 食品又は口腔用組成物の形態にある請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  • チューインガム、キャンデー、チョコレート、チュアブル錠、又は歯磨きの形態にある請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  • 生きた乳酸菌、該乳酸菌含有物、該乳酸菌培養ろ液、及びその処理物からなる群から選ばれた少なくとも1種と、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、パラチノース、還元乳糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、エゾウコギ抽出物、ドクダミ抽出物、紅麹、ウコン色素、カリン抽出物、霊芝抽出物、サンザシ抽出物、シイタケ抽出物、月桃葉抽出物、ステビア抽出物、ハス胚芽抽出物、ラカンカ抽出物、緑茶抽出物、マリアアザミ抽出物、紫玄米抽出物、酵素分解甘草、黄杞葉抽出物、イチョウ抽出物、ルイボス茶抽出物、ヨモギ抽出物、グリチルリチン、ギムネマ抽出物、及び刺梨抽出物からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含有する虫歯菌及� ��/又は歯周病菌の増殖抑制用組成物。
  • 虫歯菌及び/又は歯周病菌が、ストレプトコッカス・ミュータンス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、フソバクテリウム・ヌクレアタム及びプレポテラ・インターメディアからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項7記載の組成物。
  • 说明书全文

    技術分野本発明は、口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物に関する。
    背景技術乳酸菌が人の健康に有用であることは広く知られた事実であり、特に消化管内において、有害菌の増殖を抑制するなどの作用を有することから整腸薬として医薬品にも配合されている。 近年、整腸作用とは別に乳酸菌の有用性が明らかにされつつある。 その中で、虫歯、歯周病等の口腔内疾患に対する有用性を示すデータも公開されている。 特開昭61−91126号公報には各種乳酸菌の滅菌菌体あるいは抽出物の歯周病等の代表的原因菌であるバクテロイデス(Bacteroides)属細菌に対する有効性が示されているが、これは滅菌菌体を用いたものであり、生きた乳酸菌の口腔内疾患への応用は示されていない。
    また、WO99/07826によれば、ある種の特定の乳酸菌が虫歯、歯周病等の口腔内疾患に有効であるとのデータが開示されているが、虫歯、歯周病等の口腔内疾患に対する効率的な利用形態や実施方法に関する技術は未だ解決されていない。 例えば、虫歯、歯周病等の口腔内疾患に対する利用形態として、菌液あるいは乳酸菌粉末の塗布をするなどの方法が考えられるが、人が容易にこの方法を実施するには、時間帯、場所において制限がある。 また、このような手段では、期待される効果は一時的であり、効率的な利用形態としては充分とはいえない。 また、キシリトールが虫歯の発生に抑制的に働くことは広く知られた事実であり、キシリトール入りチューインガムなどの口腔用組成物が多く市販されているが、その虫歯抑制効果は充分とはいえない。
    発明の開示従って、本発明の目的は、口腔内疾患の予防、治療に、殺菌剤などの塗布などに比較して安全であり、何時でも手軽に利用でき、かつ、有効成分が口腔内で持続的に溶出される口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物を提供することである。
    本発明の他の目的は、従来のキシリトール含有組成物と比較して、口腔内疾患の予防、治療に、より有効な口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物を提供することである。
    本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、生きた乳酸菌、該乳酸菌含有物、該乳酸菌培養ろ液、又はその処理物が、虫歯の原因とされるストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)等の虫歯菌や、歯周病の原因とされるポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)等の歯周病菌の増殖に対し、抑制効果を示すこと、さらにまた、� �くべきことに、ストレプトコッカス・ミュータンスやポルフィロモナス・ジンジバリス、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、フソバクテリウム・ヌクレアタム、プレボテラ・インターメディアの増殖に対し、キシリトール等の甘味料や砂糖等の糖類、各種植物抽出物は単独ではほとんど影響しないが、生きた乳酸菌、該乳酸菌含有物、該乳酸菌培養ろ液、又はその処理物にこれらの甘味料や糖類、各種植物抽出物を配合することで、生きた乳酸菌、該乳酸菌含有物、該乳酸菌培養ろ液、又はその処理物単独よりも際だった、これら口腔病原菌の増殖抑制効果を示すことを発見した。 本発明はこれらの発見に基づいて完成されたものである。
    すなわち本発明は、生きた乳酸菌、該乳酸菌含有物、該乳酸菌培養ろ液、及びその処理物からなる群から選ばれた少なくとも1種(以下、これらの成分を「乳酸菌成分」又は単に「乳酸菌」と呼ぶこともある)と、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、パラチノース、還元乳糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、エゾウコギ抽出物、ドクダミ抽出物、紅麹、ウコン色素、カリン抽出物、霊芝抽出物、サンザシ抽出物、シイタケ抽出物、月桃葉抽出物、ステビア抽出物、ハス胚芽抽出物、ラカンカ抽出物、緑茶抽出物、マリアアザミ抽出物、紫玄米抽出物、酵素分解甘草、黄杞葉抽出物、イチョウ抽出物、ルイボス茶抽出物、ヨモギ抽出物、グリチルリチ� ��、ギムネマ抽出物、及び刺梨抽出物からなる群から選ばれた少なくとも1種(以下、これらの成分を「添加物質」又は「添加物」と呼ぶこともある)とを含有する口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物を提供するものである。
    本発明に使用される抽出物は、水、含水アルコール(特にエタノール)、アルコール(特にエタノール)により、室温〜溶媒の沸騰温度までの温度で抽出された抽出物である。
    発明を実施するための最良の形態本発明に用いる乳酸菌としては特に制限はないが、ラクトバチルス(Lactobacillus)属の乳酸菌、特にヒト口腔内常在菌であるラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、腸管内常在菌であるラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophillus)、ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)及びラクトバチルス・ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)などが安全性の面でも好適であり、より好ましくは口腔内常在菌であるラクトバチルス・サリバリウスで� �る。 これら乳酸菌は、本発明の口腔用組成物の一日摂取量あたり、乳酸菌数で、好ましくは100万個から1000億個、より好ましくは1億個から1000億個、最も好ましくは10億個から1000億個を配合することが望ましい。
    生きた乳酸菌としては、生菌体、湿潤菌、乾燥菌等が適宜使用可能である。 乳酸菌含有物としては、乳酸菌懸濁液;乳酸菌培養物(菌体、培養上清液、培地成分を含む);乳酸菌飲料、酸乳、ヨーグルト等乳酸菌発酵した飲食品からなる乳酸菌発酵乳;等が挙げられる。 乳酸菌培養ろ液としては、乳酸菌培養物から乳酸菌を除去した培養ろ液が挙げられる。 処理物としては、乳酸菌、乳酸菌含有物、乳酸菌培養ろ液の濃縮物、ペースト化物、乾燥物(噴霧乾燥物、凍結乾燥物、真空乾燥物、ドラム乾燥物等)、液状物、希釈物等が挙げられる。
    本発明の組成物中の乳酸菌成分の配合量は、任意でよいが、使用目的(予防又は治療)に応じて適宜定めればよく、通常、0.0001〜90質量%、好ましくは0.001〜20質量%、さらに好ましくは0.01〜10質量%の範囲が適当である。 しかしながら、長期間に亘って保健上ないし健康維持の目的で摂取する場合には、上記範囲よりも少量であってもよいし、また本有効成分は、安全性について問題がないので、上記範囲よりも多量に使用しても一向にさしつかえない。
    本発明の口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物の形態は、乳酸菌成分の少なくとも1種と、添加物質の少なくとも1種を含有するものであれば特に限定されないが、例えば、チューインガム、キャンデー、チョコレート、チュアブル錠、歯磨き等の食品又は口腔用組成物の形態が好ましい例として挙げられる。
    本発明の組成物中の添加物質の量は、乾燥乳酸菌を使う場合、目的に応じて、少し倍散した濃厚菌末を少量添加して好ましい菌数にしたり、多めに倍散したうすい菌末を多量添加して好ましい菌数にしたりできるので、幅が広い。 例えば、キシリトールの場合、好ましくは0.1〜95.0質量%、さらに好ましくは1〜90.0質量%、最も好ましくは10〜65質量%である。
    また、本発明の組成物中の乳酸菌成分と添加物質の質量比率は、例えば、乳酸菌とキシリトールの場合、好ましくは1:5〜1000である。
    食品や口腔用組成物、例えばチューインガムやチョコレートへの生きた菌体の配合には、凍結乾燥した菌体又はその倍散物が利用できる。 凍結乾燥菌体の倍散物を調製するには、例えばデンプン、乳糖、白糖などが利用できる。 好ましくはデンプンや乳糖で、1g当たりの生菌数を100億個から2000億個に希釈したもの(乳酸菌倍散物)が配合操作の面で適している。
    チューインガムへの配合には、ガムベースに、例えばキシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、砂糖、ブドウ糖、アスパルテーム等の甘味料やオリゴ糖、デキストリン等で上記乳酸菌倍散物を希釈したものを加えれば良く、甘味料等の添加物をガムベースに加えた後、乳酸菌倍散物を加えても良い。 甘味料としては、特に虫歯に対する有用性が知られているキシリトールとの配合が効果の面で相乗効果が期待でき、より好ましい。 また、必要に応じて香料等を加えても何ら問題はない。 これらの混合物を練合する温度は、好ましくは40から80℃、より好ましくは40から60℃、最も好ましくは50から60℃が適している。
    ガムベース、乳酸菌倍散物、甘味料等をこのように練合したものは、通常の方法により、板ガム、粒ガム等に成型して供することができる。 このように調製した乳酸菌入りチューインガム組成物は、配合時の生菌数に対して50%程度の高い生菌回収率を示し、かつ、溶出試験において良好な徐放性を示す。
    チョコレートへの配合には、カカオマス及びココアバターの混合物を40から60℃で液化させた後、例えばキシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、砂糖、ブドウ糖、アスパルテーム等の甘味料やオリゴ糖、デキストリン等で上記乳酸菌倍散物を希釈したものを加えれば良く、甘味料等の添加物を、液化させたカカオマス及びココアバターの混合物に加えた後、乳酸菌倍散物を加えても良い。 甘味料としては、特に虫歯に対する有用性が知られているキシリトールとの配合が効果の面で相乗効果が期待でき、より好ましい。 また、必要に応じて香料等を加えても何ら問題はない。 このように調製した乳酸菌入りチョコレート組成物は、配合時の生菌数に対して100%近い生菌回収率を示す。
    本発明の口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物を適用するのに好適な口腔内疾患の例としては、虫歯、歯周病が挙げられる。
    以下に実施例、試験例を示し、より詳細に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されないことは言うまでもない。 なおこの明細書中「%」は、他に明記しない限り「質量%」である。
    使用した乳酸菌株は以下の通りである。
    Ls:ラクトバチルス・サリバリウスWB21株(FERM P−17991号(=FERM BP−7792)、ラクトバシラス・サリバリウスWB21株は、FERM BP−7792(寄託日:平成12年8月14日)として〒305−8566茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。
    La:ラクトバチルス・アシドフィルスWB2001株(わかもと整腸薬配合菌株)
    GG:ラクトバチルス・ラムノーサスGG株(ATCC53103)
    La1:ラクトバチルス・ジョンソニーLa1株(CNCM I−1225)
    実施例1 チューインガム組成物1の製造恒温槽で30分間60℃に加温したガムベース7gにキシリトール(東和化成製)9gおよびマンニトール(東和化成製)4gを加え2分間練合し、再び60℃にて10分間加温した。 これにラクトバチルス・アシドフィルス菌倍散物(1gあたり1.3×10 11個の生菌を含む)0.08gを加え2分間練合した後、再び60℃にて10分間加温した。 その後、同操作(2分間練合、10分間加温)を4回繰り返し充分に練合した。 得られた練合物を放冷する過程で、分割、圧延して厚さ約1mmの板状に成型し組成物1を得た。
    実施例2 チューインガム組成物2の製造ラクトバチルス・アシドフィルス菌倍散物の代わりにラクトバチルス・サリバリウス菌倍散物(1gあたり3.16×10 10個の生菌を含む)0.35gを用い、実施例1と同様に操作し組成物2を得た。
    実施例3 チューインガム組成物3の製造マンニトールの代わりにソルビトール4gを用い、実施例2と同様に操作し組成物3を得た。
    実施例4 チューインガム組成物1の生菌数測定本発明の組成物の生菌数測定法は以下の通りである。
    1.5%の細菌培養用寒天(和光純薬)を含むラクトバシリMRS培地(ディフコ)を滅菌後45から48℃に冷却し、約20mlずつ3枚のシャーレに分注し寒天平板を作製した。 作製した寒天平板に、適当に希釈した試験溶液を0.1mlずつ加え、コンラージ棒で一様に塗布した後、37℃で48から72時間嫌気培養した。 各平板に出現したコロニー数を計測し、平均コロニー数を算出後、試料1g中の生菌数を以下の式により求めた。
    試料1g中の生菌数=平均コロニー数×10×希釈倍率/試料採取量(g)
    実施例1で製造したチューインガム組成物1を幅約1mm、長さ15mm以内に細切し、測定用試料とした。 これを約1g正確に秤量し、20mlの試験管に入れ、希釈液1)を正確に10ml加え、以下に示す2種の抽出法により乳酸菌の抽出を行なった。
    抽出法1;試験管ミキサーで1分間混合後5分間静置した。 この操作を8回繰り返し抽出液を得た。
    抽出法2;試験管ミキサーで1分間混合後5分間静置した。 この操作を5回繰り返した後、更にスパーテルで15分間練合し抽出液を得た。
    抽出法1及び抽出法2で得られた抽出液の上清を各々正確に1ml量り希釈液を加え正確に10倍希釈した。 この10倍希釈操作を更に4回繰り返し試験溶液とし、試験例に記載した方法により生菌数を求めた。 また、求められた生菌数と添加時の乳酸菌理論量から生菌回収率(歩留まり)を求めた。 結果を表1に示した。
    希釈液1)の組成;1%ペプトン(ベクトンディッキンソン)、0.2%ツイーン80(関東化学)0.8%塩化ナトリウム、0.02%塩化カリウムを含む0.01Mリン酸緩衝液(pH7.5)

    実施例5 チューインガム組成物2の生菌数測定実施例2で製造したチューインガム組成物2を幅約1mm、長さ15mm以内に細切し、測定用試料とした。


    これを約1g正確に秤量し、20mlの試験管に入れ、希釈液

    1)を正確に10ml加え、以下に示す3種の抽出法により乳酸菌の抽出を行なった。


    抽出法1;試験管ミキサーで1分間混合後5分間静置した。 この操作を8回繰り返し抽出液を得た。


    抽出法2;試験管ミキサーで1分間混合後5分間静置した。 この操作を5回繰り返した後、更にスパーテルで15分間練合し抽出液を得た。


    抽出法3;試験管ミキサーで1分間混合後5分間静置した。 この操作を5回繰り返した後、更に乳鉢と乳棒で15分間練合し抽出液を得た。


    抽出法1、抽出法2及び抽出法3で得られた抽出液について実施例4と同様に操作し生菌数と生菌回収率(歩留まり)を求めた。 結果を表2に示した。


    実施例6 チューインガム組成物3の生菌数測定実施例3で製造したチューインガム組成物3を幅約1mm、長さ15mm以内に細切し、測定用試料とした。


    これを約1g正確に秤量し、20mlの試験管に入れ、希釈液

    1)を正確に10ml加え、以下に示す抽出法により乳酸菌の抽出を行なった。


    抽出法1;試験管ミキサーで1分間混合後5分間静置した。 この操作を5回繰り返した後、更にスパーテルで15分間練合し抽出液を得た。


    抽出法1で得られた抽出液について実施例4と同様に操作し生菌数を求めた。 結果を表3に示した。


    実施例7 乳酸菌添加時の練合条件(温度、時間)による残存生菌数ガムベース7g、キシリトール9g、マンニトール4g及びラクトバチルス・サリバリウス菌倍散物0.35gを用い、実施例1の製造法に準じ、以下に示す条件にてチューインガム組成物を調製した。


    チューインガム組成物7−1;練合温度50℃、練合時間1時間チューインガム組成物7−2;練合温度50℃、練合時間3時間チューインガム組成物7−3;練合温度60℃、練合時間1時間チューインガム組成物7−4;練合温度60℃、練合時間3時間チューインガム組成物7−5;練合温度80℃、練合時間1時間チューインガム組成物7−6;練合温度80℃、練合時間3時間これら6種のチューインガム組成物につき各々実施例5記載の抽出法3に従い抽出液を得、生菌数と回収率を求めた。 結果を表4に示した。


    実施例8 チューインガム組成物からの乳酸菌の持続的溶出の確認実施例2に示した製造法により得られたチューインガム組成物2を幅約1mm、長さ15mm以内に細切し、約1g正確に秤量し、20mlの試験管に入れ、予め37℃に加温した希釈液

    1)を10ml加えた。 この試験管について37℃水浴中で5分間静置後、試験管ミキサーで1分間攪拌する操作を150分間繰り返した。 この間、経時的(試験開始30分、45分、60分、90分、120分、150分後)に抽出液を0.5ml採取し、希釈液

    1)で希釈し試験溶液を得、実施例4に従い生菌数を求めた。


    実施例3に示した製造法により得られたチューインガム組成物3についても同様に試験した。 結果を表5に示した。


    試験例1 ストレプトコッカス・ミュータンスの増殖に対する乳酸菌、乳酸菌及びキシリトールの混合物の効果この試験には、ストレプトコッカス・ミュータンス(JCM5705株、以下Sm)及びLs、GG、La1の乳酸菌株を用いた。 また、用いた培地は以下の通りである。


    培地A:グルコースを1%となるように添加したGAM培地(日水製薬)


    培地B:キシリトールを1%となるように添加した培地A


    乳酸菌生菌数測定培地:変法LBS寒天培地(光岡知足編、腸内細菌学、477頁、朝倉書店、1990年)


    Sm生菌数測定培地:バシトラシンを10μg/ml、グルコースを1%となるように添加したGAM寒天培地乳酸菌、Smを各々培地Aで37℃、一晩前培養し各菌液を得た。 この菌液50μlを50mlの培地A及び培地Bに接種し、37℃で乳酸菌及びSmの単独培養及び混合培養を行い、経時的に培養液を採取した。 採取した培養液50μlを適当に希釈し、乳酸菌生菌数測定培地及びSm生菌数測定培地に塗布し、37℃で3日間嫌気培養した。 生じたコロニー数を計測し、生菌数を求めた。 結果を表6から表8に示した。


    表6から表8に示したように、Smの増殖に対し、乳酸菌は強い増殖抑制を示したが、キシリトールはほとんど影響しなかった。 乳酸菌にキシリトールを同時に作用させた場合、乳酸菌のSm増殖抑制効果はさらに著しく高まることが明らかとなった。


    試験例2 ポルフィロモナス・ジンジバリスの増殖に対する乳酸菌、乳酸菌及びキシリトールの混合物の効果この試験では、ポルフィロモナス・ジンジバリス(JCM8525株、以下Pg)及び試験例1に示した乳酸菌株を用いた。 また、用いた培地は以下の通りである。


    培地A:グルコースを1%となるように添加したGAM培地(日水製薬)


    培地B:キシリトールを1%となるように添加した培地A


    Pg生菌数測定培地:硫酸ゲンタマイシンを10μg/mlとなるように添加したEG寒天培地(光岡知足編、腸内細菌学、475頁、朝倉書店、1990年)


    乳酸菌、Pgを各々培地Aで37℃、一晩前培養し各菌液を得た。 この菌液50μlを50mlの培地A及び培地Bに接種し、37℃でPgの単独培養及び乳酸菌との混合培養を行い、経時的に培養液を採取した。 採取した培養液50μlを適当に希釈し、Pg生菌数測定培地に塗布し、37℃で3日間嫌気培養した。 生じたコロニー数を計測し、生菌数を求めた。 結果を表9から表11に示した。


    表9から表11に示したように、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg)の増殖に対し、乳酸菌は強い増殖抑制を示したが、キシリトールはほとんど影響しなかった。 乳酸菌にキシリトールを同時に作用させた場合、乳酸菌のPg増殖抑制効果はさらに著しく高まることが明らかとなった。


    実施例9 チョコレート組成物1の製造カカオマス40g、ココアバター20gを50℃の恒温槽中で10分間加温しながら、混合、溶解した。 キシリトール30gを加えて1分間かき混ぜた後、ラクトバチルス・サリバリウス菌倍散物(1gあたり1.3×10

    10個生菌を含む)10gを加えて、さらに1分間混合した。 シャーレに分注して室温まで冷やした後、5℃で3時間冷却固化して、チョコレート組成物1を得た。 同じ製造法により3ロット製造した。


    実施例10 チョコレート組成物1の生菌数測定製造したチョコレート組成物1を幅約1mm長さ15mm以内に細切し、測定用試料とした。


    約1gを正確に秤量し、20mlの試験管に入れ、希釈液

    1)を正確に10ml加え、試験管ミキサーで攪拌しながら50℃の恒温槽で5分間加温して、溶解した。 この1mlを正確に量り、希釈液を加え正確に10倍希釈した。 この10倍希釈操作を更に4回繰り返し試験溶液とし、試験例1に記載した方法により生菌数を求めた。 また求められた生菌数と添加時の乳酸菌理論量から生菌回収率(歩留まり)を求めた。 結果を表12に示した。


    実施例11 チュアブル錠の製造キシリトール(東和化成製)150g、レシス(東和化成製)54g、メチルセルロース(信越化学製)6g、部分α化デンプン(旭化成工業製)45g、ポリデキストロース(和光純薬製)30g、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ製)6g、カスターワックス(日本油脂製)6g、軽質無水ケイ酸(フロイント産業製)3g、ラクトバチルス・サリバリウス菌倍散物(1gあたり1.3×1011個の生菌を含む)15gをビニール袋中でよく混合した後、打錠機(6B−2、菊水製作所製)を用いて打錠し、直径15mm、重量1000mgのチュアブル錠を得た。


    実施例12 徐放性口腔内挿入錠の製造キシリトール(東和化成製)150g、粉末還元麦芽糖(東和化成製)54g、デキストリン(松谷化学工業製)60g、グルテン(和光純薬製)15g、メチルセルロース(信越化学製)6gを転動流動層造粒機(ニューマルメライザーNQ−Labo、不二パウダル製)を用いて80%エタノール溶液を噴霧し造粒した。 造粒物を60℃で16時間通風乾燥した後に、18メッシュ篩で整粒し打錠用顆粒を得た。 打錠用顆粒270gにラクトバチルス・サリバリウス菌倍散物(1gあたり1.3×10

    11の生菌を含む)15gとカスターワックス(日本油脂製)15gを加えよく混合した後、打錠機(RT−F9、菊水製作所製)を用いて打錠し、直径6mm、重量100mgの徐放性口腔内挿入錠を得た。


    試験例3 ストレプトコッカス・ミュータンス(Sm)の不溶性グルカン産生に対する乳酸菌、乳酸菌及びキシリトールの混合物の効果乳酸菌はLsを用いた。 また、用いた培地は以下のとおりである。


    培地A:ショ糖を2%となるように添加したGAM培地(日水製薬)


    培地B:キシリトールを1%となるように添加した培地A


    Sm、Lsを各々培地Aで37℃、一晩前培養し各菌液を得た。 この菌液0.1mlを10mlの培地A及び培地Bに接種し、Sm及びLsの単独培養及び混合培養を37℃で24時間行った。 培養液を遠心分離(8000rpm、20分)して沈殿(菌体+不溶性グルカン)を回収し、10mlのリン酸緩衝生理液(以下、PBS)で3回洗浄した。 0.1N NaOH 5mlを加えて、不溶性グルカンを溶解し、遠心分離(8000rpm、20分)して、上清を回収した。 この上清中の糖濃度をフェノール硫酸法により測定し、不溶性グルカン産生量を調べた。 上清0.2mlに5%フェノール0.2ml、濃硫酸1mlを加えて、10分間静置後、混和して、さらに20分間静置した。 反応液の492nmの吸光度を測定し、グルコース溶液を用いて作成した検量線に基づき、不溶性グルカン濃度を算出した。 結果を表13に示した。


    表13に示したように、ストレプトコッカス・ミュータンス(Sm)の不溶性グルカン産生に対し、乳酸菌(Ls)は強い増殖抑制を示したが、キシリトールはほとんど影響しなかった。 Lsにキシリトールを同時に作用させた場合、Lsの不溶性グルカン産生抑制効果はさらに著しく高まることが明らかとなった。


    試験例4 乳酸菌培養液によるポルフィロモナス・ジンジバリスの増殖抑制効果を増強する物質の探索(1)


    キシリトールのように、乳酸菌によるポルフィロモナス・ジンジバリス(Pg)の増殖抑制効果を増強する物質の探索を行った。 用いた乳酸菌はLsであり、培地は以下のとおりである。


    培地A:グルコースを1%となるように添加したGAM培地(日水製薬)


    培地B:Lsの培養ろ液を30%となるように添加した培地A


    Lsの培養ろ液は、培地Aで37℃、24時間培養したLsの培養液を遠心分離(8000rpm、20分)して上清を回収し、さらに無菌ろ過して調製したもの。


    Pg生菌数測定培地:硫酸ゲンタマイシンを10μg/mlとなるように添加したEG寒天培地(光岡知足編、腸内細菌学、475頁、朝倉書店、1990年)


    Pgを培地Aで37℃、一晩培養した前培養液100μlを10mlの培地B及び10%の各種物質を添加した培地Bに接種し、37℃で24時間培養を行った。 培養液を適当に希釈し、Pg生菌数測定培地に塗布し、37℃で3日間嫌気培養した。 生じたコロニー数を計測し生菌数を求めた。 結果を表14に示した。


    表14に示したように、Pgの増殖に対し、ソルビトール、エリスリトール、トレハロースは、キシリトールと同様、Lsの培養ろ液の増殖抑制効果を著しく増強する作用を示した。 また、マルチトール、マンニトールもまた、Pg増殖抑制効果を増強する作用を有することが明らかとなった。


    試験例5 アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンスの増殖に対する乳酸菌培養液及びキシリトールの効果アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(JCM8577株、以下Aa)を用いた。 本試験例に用いた乳酸菌はLsであり、培地は以下の通りである。


    培地A:ブレインハートインヒュージョン液体培地(ベクトンディッキンソン)


    培地B:Lsの培養ろ液を25%となるように添加した培地A


    Lsの培養ろ液は、グルコースを1%となるように添加したGAM培地で37℃、24時間培養したLsの培養液を遠心分離(8000rpm、20分)して上清を回収し、さらに無菌ろ過して調製したもの。


    Aa生菌数測定培地:ブレインハートインヒュージョン寒天培地(ベクトンディッキンソン)


    Aaを培地Aで37℃、一晩培養した前培養液を生菌数約10

    /mlとなるように10mlの各培地(培地A、培地B、3%、7%のキシリトールを添加した培地A及び3%、7%のキシリトールを添加した培地B)に接種し、37℃で48時間微好気培養を行った。 培養液を適当に希釈し、Aa生菌数測定培地に塗布し、37℃で3日間嫌気培養した。 生じたコロニー数を計測し、生菌数を求めた。 結果を表15に示した。


    表15に示したように、Aaの増殖に対し、乳酸菌の培養ろ液は強い増殖抑制を示したが、キシリトールは影響しなかった。 乳酸菌の培養ろ液にキシリトールを同時に作用させた場合、乳酸菌のAa増殖抑制効果はさらに著しく高まることが明らかとなった。


    試験例6 フソバクテリウム・ヌクレアタムの増殖に対する乳酸菌培養液及びキシリトールの効果フソバクテリウム・ヌクレアタム(JCM8532T株、以下Fn)を用いた。 本試験例に用いた乳酸菌はLsであり、培地は以下の通りである。


    培地A:グルコースを1%となるように添加したGAM培地(日水製薬)


    培地B:Lsの培養ろ液を50%となるように添加した培地A


    Lsの培養ろ液は、試験例5と同様の方法により調製したもの。


    Fn生菌数測定培地:ブレインハートインヒュージョン寒天培地(ベクトンディッキンソン)


    Fnを培地Aで37℃、一晩培養した前培養液を生菌数約10

    /mlとなるように10mlの各培地(培地A、培地B、3%、10%のキシリトールを添加した培地A及び3%、10%のキシリトールを添加した培地B)に接種し、37℃で24時間嫌気培養を行った。 培養液を適当に希釈し、Fn生菌数測定培地に塗布し、37℃で3日間嫌気培養した。 生じたコロニー数を計測し、生菌数を求めた。 結果を表16に示した。


    表16に示したように、Fnの増殖に対し、乳酸菌の培養ろ液は強い増殖抑制を示したが、キシリトールはほとんど影響しなかった。 乳酸菌の培養ろ液にキシリトールを同時に作用させた場合、乳酸菌のFn増殖抑制効果はさらに著しく高まることが明らかとなった。


    試験例7 ポルフィロモナス・ジンジバリスの口腔細胞への付着に対する乳酸菌培養液およびキシリトールの抑制効果乳酸菌はLsを用いた。 Lsの培養ろ液は、グルコースを1%となるように添加したGAM培地で37℃、24時間培養したLsの培養液を遠心分離(8000rpm、20分)して上清を回収し、さらに無菌ろ過後、1N水酸化ナトリウムで中和したもの。


    Pgをグルコースが1%となるように添加したGAM培地で37℃、一晩培養した。 PBSで洗浄し、生菌数が10

    /mlになるように以下の各培地(培地A、培地B、2.5%、5%、10%のキシリトールを添加した培地A及び2.5%、5%、10%のキシリトールを添加した培地B)に懸濁し、細胞付着用のPg懸濁液を調製した。


    培地A:DMEM/F−12培地(キブコ)


    培地B:Lsの培養ろ液を25%となるように添加した培地A


    口腔細胞は、ヒト口腔培養細胞HO1−u−1(JCRB0828株)を用いた。 細胞は、4×10

    cells/wellになるように24穴プレートに播種し、37℃、5%CO

    条件下で一晩培養し単層を形成させた。 PBSで3回洗浄後、細胞付着用のPg懸濁液を1ml添加し、37℃、5%CO

    条件下で1.5時間静置した。 細胞をPBSで3回洗浄した後、滅菌水1mlを加え、10分間室温に静置して、細胞を剥離した。 PBSで適宜希釈した後、細胞に付着したPgの生菌数を測定した。 測定には5%ウマ脱繊血を含むEG寒天培地を用い、37℃、嫌気条件下で3日間培養した。 結果を表17に示した。


    表17に示したように、Pgの口腔細胞への付着に対し、Lsの培養ろ液は抑制作用を示したが、キシリトールは影響しなかった。 さらに乳酸菌の培養ろ液にキシリトールを同時に作用させた場合、キシリトールの添加濃度に依存して付着抑制作用が高まった。 特にキシリトール5%、10%添加では対照および乳酸菌培養ろ液単独添加に対して有意な抑制が認められた。


    試験例8 乳酸菌培養液によるポルフィロモナス・ジンジバリスの増殖抑制効果を増強する物質の探索(2)


    キシリトールのように、乳酸菌によるポルフィロモナス・ジンジバリスの増殖抑制効果を増強する物質の探索を行った。 本試験例に用いた乳酸菌はLsであり、培地は以下の通りである。


    培地A:グルコースを1%となるように添加したGAM培地(日水製薬)


    培地B:Lsの培養ろ液を25%となるように添加した培地A


    Lsの培養ろ液は、培地Aで37℃、24時間培養したLsの培養液を遠心分離(8000rpm、20分)して上清を回収し、さらに無菌ろ過して調製したもの。


    Pg生菌数測定培地:硫酸ゲンタマイシンを10μg/mlとなるように添加したEG寒天培地Pgを培地Aで37℃、一晩培養した前培養液100μlを10mlの培地B及び0.2〜10%の各種物質を添加した培地Bに接種し、37℃で9時間培養を行った。 培養液を適当に希釈し、Pg生菌数測定培地に塗布し、37℃で3日間嫌気培養した。 生じたコロニー数を計測し、生菌数を求めた。 結果を表18、表19に示した。 なお表18、表19に示す実験は独立に行ったため、表18の添加物質無添加の場合のPg生菌数と、表19の添加物質無添加の場合のPg生菌数の数値は異なっている。


    各種植物抽出物、紅麹、ウコン色素、酵素分解甘草、グリチルリチンは丸善製薬社製のものを用いた。


    表18、表19に示したように、Pgの増殖に対し、パラチノース、還元乳糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、エゾウコギ抽出物、ドクダミ抽出物、紅麹、ウコン色素、カリン抽出物、霊芝抽出物、サンザシ抽出物、シイタケ抽出物、月桃葉抽出物、ステビア抽出物、ハス胚芽抽出物、ラカンカ抽出物、緑茶抽出物、マリアアザミ抽出物、紫玄米抽出物、酵素分解甘草、黄杞葉抽出物、イチョウ抽出物、ルイボス茶抽出物、ヨモギ抽出物、グリチルリチン、ギムネマ抽出物、刺梨抽出物は、キシリトールと同様、Lsの培養ろ液の増殖抑制効果を著しく増強する作用を示した。


    試験例9 ポルフィロモナス・ジンジバリスの増殖に対する乳酸菌(ビフィズス菌)培養液及びキシリトールの効果本試験例に用いた乳酸菌はビフィズス菌の2菌種ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum WB1001株(FERM P−12610)、以下Bl)及びビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum WB1003株(FERM P−12612)、以下Bb)であり、培地は以下の通りである。


    培地A:グルコースを1%となるように添加したGAM培地(日水製薬)


    培地B:Blの培養ろ液を20%となるように添加した培地A


    培地C:Bbの培養ろ液を35%となるように添加した培地A


    Bl及びBbの培養ろ液は、各菌株を、培地Aで37℃20時間培養した培養液を遠心分離(8000rpm、20分)して上清を回収し、さらに無菌ろ過して調製したもの。


    Pg生菌数測定培地:硫酸ゲンタマイシンを10μg/mlとなるように添加したEG寒天培地Pgを培地Aで37℃、一晩培養した前培養液100μlを10mlの培地B、培地C、10%のキシリトールを添加した培地B及び10%のキシリトールを添加した培地Cに接種し、37℃で9時間培養を行った。 培養液を適当に希釈し、Pg生菌数測定培地に塗布し、37℃で3日間嫌気培養した。 生じたコロニー数を計測し、生菌数を求めた。 結果を表20に示した。


    表20に示したように、Pgの増殖に対し、Blの培養ろ液、Bbの培養ろ液、及びキシリトールはほとんど影響しなかった。 ビフィズス菌の培養ろ液にキシリトールを同時に作用させた場合、Pg増殖抑制効果はさらに著しく高まることが明らかとなった。


    試験例10 プレボテラ・インターメディアの増殖に対する乳酸菌培養液及びキシリトールの効果プレボテラ・インターメディア(JCM7365株、以下Pi)を用いた。 本試験例に用いた乳酸菌はLsであり、培地は以下の通りである。


    培地A:グルコースを1%となるように添加したGAM培地(日水製薬)


    培地B:Lsの培養ろ液を50%となるように添加した培地A


    Lsの培養ろ液は、試験例5と同様の方法により調製したもの。


    Pi生菌数測定培地:5%ウマ脱繊血を含むEG寒天培地Piを培地Aで37℃、一晩培養した前培養液を生菌数約107/mlとなるように10mlの各培地(培地A、培地B、10%のキシリトールを添加した培地A及び10%のキシリトールを添加した培地B)に接種し、37℃で24時間嫌気培養を行った。 培養液を適当に希釈し、Pi生菌数測定培地に塗布し、37℃で3日間嫌気培養した。 生じたコロニー数を計測し、生菌数を求めた。 結果を表21に示した。


    表21に示したように、Piの増殖に対し、乳酸菌の培養ろ液は強い増殖抑制を示したが、キシリトールは影響しなかった。 乳酸菌の培養ろ液にキシリトールを同時に作用させた場合、乳酸菌のPi増殖抑制効果はさらに著しく高まることが明らかとなった。


    産業上の利用可能性本発明の生きた乳酸菌、該乳酸菌含有物、該乳酸菌培養ろ液、及びその処理物からなる群から選ばれた少なくとも1種と、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、パラチノース、還元乳糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖、フラクトオリゴ糖、アスパルテーム、エゾウコギ抽出物、ドクダミ抽出物、紅麹、ウコン色素、カリン抽出物、霊芝抽出物、サンザシ抽出物、シイタケ抽出物、月桃葉抽出物、ステビア抽出物、ハス胚芽抽出物、ラカンカ抽出物、緑茶抽出物、マリアアザミ抽出物、紫玄米抽出物、酵素分解甘草、黄杞葉抽出物、イチョウ抽出物、ルイボス茶抽出物、ヨモギ抽出物、グリチルリチン、ギムネマ抽出物、及び刺梨抽出物からなる群から選ばれた少なくと� ��1種とを含有する口腔内疾患の予防及び/又は治療用組成物、特にチューインガム組成物は良好な徐放性により、口腔内に持続的に乳酸菌を滞留させることができ、安全で、簡便で、効率的な口腔内疾患の予防と治療に用いることができる。

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