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Method for extracting the extract containing a lectin from the blur, the extract, and its anti-tumor pharmaceutical composition, as well as the detection formulation and the blood type test kit of glycophorin a cell surface

申请号 JP2005090069 申请日 2005-03-25 公开(公告)号 JP4319637B2 公开(公告)日 2009-08-26
申请人 財團法人佛教慈濟総合醫院; 发明人 国梁 楊;
摘要
权利要求
  • ボケ(Chaenomeles Lagenaria)の種子と 、食塩水及びリン酸塩バッファー食塩水(PBS)とグリシンの両成分を含む混合物から選ばれる均一化剤と 混合して 混合物を形成する混合工程と、
    前記混合物を遠心操作によって顆粒物と上澄液に分離する分離工程と、
    前記上澄液を濾過する濾過工程を含む、
    グリコフォリンAのO−グリコシル結合オリゴ糖のN−アセチル−D−ガラクトサミン残基に対する特異性を有するレクチンを含有する ボケ種子エキスの抽出方法。
  • 前記混合物を分離する工程を実施する前に、前記混合物を4℃の温度下に少なくとも2時間以上放置させることを特徴とする、請求項1に記載の ボケ種子エキスの抽出方法。
  • 前記混合工程を1gのボケの種子と4mlの均一化剤の割合で実施することを特徴とする、請求項1に記載の ボケ種子エキスの抽出方法。
  • 前記リン酸バッファー食塩水とグリシン液の体積割合が1:1であることを特徴とする、請求項 1に記載の ボケ種子エキスの抽出方法。
  • 前記分離工程を3000〜5000 rpmで遠心操作することを特徴とする、請求項1に記載の ボケ種子エキスの抽出方法。
  • 前記遠心操作を少なくとも30分間で行うことを特徴とする、請求項 5に記載の ボケ種子エキスの抽出方法。
  • 前記濾過工程において、孔径が0.2μmである濾過装置を用いて濾過することを特徴とする、請求項1に記載の ボケ種子エキスの抽出方法。
  • 請求項1に記載の ボケ種子エキスの抽出方法によって得られたグリコフォリンAのO−グリコシル結合オリゴ糖のN−アセチル−D−ガラクトサミン残基に対する特異性を有するレクチンを含有する ボケ種子エキス。
  • 請求項 8に記載の ボケ種子エキスを有効成分とする抗腫瘍用医薬組成物。
  • 請求項 8に記載の ボケ種子エキスを有効成分とする細胞表面のグリコフォリンAの検出製剤。
  • 請求項 8に記載の ボケ種子エキスを有効成分とする血液型検査キット。
  • 说明书全文

    本発明は、ボケ(Chaenomeles Lagenaria)のエキスとその抽出方法に関する。 詳細には、特に腫瘍成長の抑制に有効であり、血液型の測定にも用いられるボケのエキスとその抽出方法に関する。

    人体は、多くの形態を有する細胞により構成される。 通常、これらの細胞は、人体の需要に応じて成長し、且つ分裂して更に多くの細胞を形成する。 このような順列機構により人体の健康は維持されている。 しかし、新しい細胞が必要でないのにもかかわらず、絶えず分裂を続ける細胞もあり、これらの余計な細胞は、一団の組織を形成し、通常、腫瘍と称される。 これらの腫瘍は、良性である場合もあり、悪性である可能性もある。 通常、良性腫瘍は除去してもその細胞は人体のその他の部分に移転することはなく、致命的な問題となる事は稀である。 ところが、悪性腫瘍は癌となり、これらの腫瘍細胞は異常でコントロールができず、又は無秩序な分裂を続ける。 悪性腫瘍細胞は近くの組織や器官に侵入し、これらに損害を与える。 同時に癌細胞が悪性腫瘍から離れ、血液循環系またはリンパ系に入ることもあり、これにより癌は人体のほかの部分に転移し、他の器官で新しい腫瘍が形成される。 WHOの統計によると、毎年1千万人の病患者が新たに癌患者として診断され、6百万人の死亡例を出し、世界の死亡病例の12%を占めている。 更に、2020年には、年に1500万人の癌の新病例が発生すると推定されている。

    残念ながら、今日用いられている腫瘍のコントロール又は治療方法、特に悪性腫瘍に対するコントロール又は治療方法としては、満足できる段階に至らず、例えば、手術、化学療法と放射線療法など多くの医療手段は、確実に的を射る方法とはい難く、かつ常に厳重な副作用を伴う場合が多く、その効果にも限界がある。 又、天然物を利用した治療方法は、目下使用中のものもあれば(例えば、LEE.KH 医療研究総論(1999年),19:569〜596を参照),又は臨床実験中のものもある(例えば、Leuya.A.など、抗癌研究(2000年)20:1029〜1031を参照)。 これらの治療は、特定の対象にとっては有用であっても、ほとんど全体の解決策にはならない。

    レクチン(Lectin)は、すでに多くの科学的実験に用いられている。 レクチンは赤血球の細胞膜の単一の単糖と結合し、通常、その位置は赤血球の細胞膜の糖脂肪成分と糖蛋白成分の末端にある。 レクチンと赤血球、白血球、血小板、組織細胞と腫瘍細胞における研究において、炭化合物と容易に結合することがすでに知られているが、若干のレクチンは、有糸(核)分裂原としての作用を有する。 更に、研究調査により、レクチンは若干の組織の腫瘍細胞に対し、的を絞って何らかの役割を果している。 その他、多くのレクチンは、多元性の血液型特異性を有するが、少数のレクチンは、単一血液型の決定因子に対して特異性を示す。 若干のレクチンは、単一の蛋白質を含有し、この蛋白質は、2つ又は2つ以上の赤血球の表面の受容体と交差反応を行い、更に、若干のレクチンは、各部分に分かれて、それぞれ異なる血液型特異性を示すことが知られている。

    レクチン(受容体特異性蛋白質)は、植物(通常は種子中)、無脊椎動物、若干の下等脊椎動物、藻類、真菌と細菌などに存在する蛋白質である。 生きている有機体におけるレクチンの果す役割は未明である。 Goldsteinらの提示するインビトロの生物活性試験により、レクチンは、「細胞を凝集させることと/又は糖共役体を沈澱させる非免疫源性の糖結合蛋白質又は糖蛋白質」であると定義づけている。 又、Kocourekらの提示する定義によると、レクチンとは「その結合する糖に対しては活性が無く、これらの結合する糖において、フリーの糖ヒドロキシル基を必要としない、非免疫源の糖結合蛋白質又は糖蛋白」であるという。

    ボケ(Chaenomeles Lagenaria)は、明るい赤みのオレンジ色の花を咲かす天然植物であり、日本でも栽培され、別名を日本バラとも称する。 ボケには細菌の成長を抑制する多くの有機酸類を有するので、漢方薬として用いられ、痛みの治療、特に関節痛や痙攣の内服薬と局部用薬物に供され、更に皮膚の刺激と腫脹の治療にも使用されている。 又、他の研究報告によると、ボケの果実から分離して同定されたトリテルペン系化合物、例えば、ウルソン酸(Ursolic acid,UAと略す)とオレアノール酸(Oleanolic acid,OAと略す)は、人結腸癌細胞系に対し顕著な抗腫瘍効果を有する(Li,J.,Guo WJ,Tang Q.-Y,世界胃腸学雑誌(2002年);8(3),493〜495を参照)ことが知られている。 しかし、ボケの研究に関し、レクチン又は類似物質を抽出した報告はなく、又、ボケから抽出したレクチンの治療効果に関する実質的な研究も見当らない。

    腫瘍の成長を有効に抑制し、且つ特定な赤血球の表面の受容体に結合する物質を研究開発するに際し、本発明の研究者らは、ボケからレクチンを抽出することに成功し、上記の需要を満たし且つ動物に対する副作用が非常に低い治療剤を見出し、本発明を完成するに至った。
    LEE.KH 医療研究総論(1999年),19:569〜596 Leuya.A.など、抗癌研究(2000年)20:1029〜1031 Li,J.,Guo WJ,Tang Q.-Y,世界胃腸学雑誌(2002年);8(3),493〜495

    本発明の主な目的は、細胞表面のグリコフォリン(glycophorin)Aに対する結合特異性を有するボケエキスとその抽出方法を提供することにあり、上記エキスは、腫瘍成長の抑制と血液型の検査に有効に用いられる。

    本発明の又1つの目的は、グリコフォリンAのO−グリコシル結合オリゴ糖のN−アセチル−D−ガラクトサシン残基に対する特異性を有するボケエキスとその抽出方法を提供することにある。

    本発明の更に1つの目的は、血液型検査の製剤又は細胞細胞表面のグリコフォリンAの検測製剤及び哺乳類の腫瘍の成長を有効に抑制する組成物。 上記検査のキット、検出製剤及び医薬組成物は前記本発明のボケエキスを有効成分として用いられる。

    上記及びその他の目的により、本発明は、ボケエキスを提供するが、その抽出方法として、適量の均一化剤を用い、ボケの種子を均一にした混合物を作製する。 上記混合物を4℃下で少なくと2時間保存し、次に低速で遠心分離して、上澄液と顆粒物に分ける。 上澄液を集めて濾過して、レクチンを含有するエキスを得る。 このエキスには、グリコフォリンAのO−グリコシル結合オリゴ糖のN−アセチル−D−ガラクトサミン残基に対して特異性を有するレクチンを含有する。

    ボケエキスは、本発明の抽出方法により製造される。 その方法としては、均一化剤を用いボケの種子と均一化させて混合物とする。 上記混合物は、更に次の加工処理を必要とし、4℃下で少なくとも2時間保ち、次に、3000〜5000rpmの低速度の遠心分離により混合物を顆粒物と上澄液に分ける。 濾過装置により上澄液を濾過してエキスを得るが、このエキス中にグリコフォリンAのO−グリコシル結合オリゴ糖のN−アセチル−D−ガラクトサミン残基に対する特異性を有するレクチンが含まれている。

    本発明によりボケの種子から製造されたエキスは、腫瘍細胞の成長抑制に用いられる。 これは、前にリンパ腫瘍細胞系、メラノーマ細胞系と神経芽細胞腫細胞系の非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全(NOD−SCID)のマウスにそれぞれ接種して生体内研究の結果により確認されたものである。 これらのエキスは、例えば、グリコフォリンAなどの赤血球細胞表面の糖蛋白に対する特異的活性を有することが実証されている。 グリコフォリンAは血液型抗原En aの成分である故、ボケエキスを用いて生物学的試薬を製造し、血液型試験により表面細胞にEn a抗原が存在するか否かを調べる用途に使用することができる。

    以下に具体的な実施例、実験例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

    以下に特定した具体的な実施例により、本発明を説明し、本発明の開示するところの本発明の特徴と効果をよりたやすく了解されることに努める。 本発明の精神に反しない限り、異なる観点や応用面において修飾し、その他の具体的実施例により実施することも可能である。
    以下に示す具体的実施例は、本発明を説明する示例であり、本発明の範囲を限定するものではない。

    (実施例1)ボケエキスの調製 図1によれば、本発明によりボケ抽出物が提供され、その製造方法として、混合容器内で1:4の比率でボケの種子及び均一化剤を均一化させる。 即ち、ボケ種子1gをワーリングブレンダー中、リン酸塩バッファー食塩水(PBS)2mlとグリシン試剤2mlとを均一化して混合物を得る。 次に、この混合物を4℃下で少なくとも2時間冷却し、更に低速で遠心分離を行うが、好ましくは1分間5000回転(rpm)で30分間遠心分離して、顆粒物と上澄液に分ける。 上澄液を集め、クノ濾過装置で濾過して液体エキスを得る。 しかる後、この液体エキスを幾つかに分け、更に4℃下で保存して生物安定性を保持する。 このエキスには、グリコフォリンAに対する特異性を有する受容体特異性の蛋白質が含まれ、更に好ましくは、グリコフォリンAのO−グリコシル結合オリゴ糖のN−アセチル−D−ガラクトサミン残基に対する特異性を有するレクチンが含まれる。

    (実施例2)ボケエキスの調製 腫瘍抑制活性の研究に用いられるエキスの製造方法としては、ボケ種子1gと食塩水4mlとをワーリングブレンダーで均一化させて混合物とし、4℃下で一晩冷蔵し、次に3000rpmで30分間遠心分離することで、顆粒物と上澄液に分ける。 上澄液を集め、0.2μmのミリポアフィルターを用い、濾過して液体エキスを得る。 上記の液体エキスを小分けし、使用するまで4℃で保存する。 同様にして、グリコフォリンAに対する特異性を有する受容体特異性の蛋白質を含むエキスを得る。 より好ましくは、グリコフォリンAのO−グリコシル結合オリゴ糖のN−アセチル−D−ガラクトサミン残基に対する特異性を有するレクチンを含むエキスを得る。

    (実施例3)赤血球(RBC )の調製 血液型ABO型の全ての赤血球は、献血により得たものであり、クエン酸塩リン酸塩デキストロース(CPD)中に集め、少なくとも3回PBSを用いて赤血球を洗い、PBSに懸濁した3〜5%赤血球液を得る。

    T活性化した赤血球(T-activated red cell)の製法として、赤血球の0.1mlにノイラミニダーゼ(neuroaminidase)溶液0.4mlを加え、その混合物を22℃で30分間処理する。 その後、赤血球をPBSで洗い、PBS中に懸濁して5%懸濁液を得る。 T活性化した赤血球は、抗Tレクチン試験(anti-T lectin test)に用いられ、ノイラミニダーゼの作用を確認する。

    (実施例4)グリコフォリンAの調製 グリコフォリンAは、ブタノールを用いる抽出過程を経て調製される。 先ず、O型MN赤血球20mlをCPD中に加え、0.103モル/L濃度のリン酸水素二ナトリウム50mlを用いて2回洗浄し、これにより緩衝液に溶解させる。 12,000rpmで30分間遠心分離にかけ、同じ緩衝液を用いて1回洗い、顆粒状の赤血球の分散しやすい灰色がかった黄桃色の「幽霊細胞(ghost cell)」又は空殻を得る。 この顆粒状物を同じ緩衝液で5.5mlに調整し、水冷したn−ブタノール11mlを上記溶液中に添加する。 この混合液を20秒間激しく振とうし、次に氷で15分間保持する。 注意しながら水相を除去し、4℃下で0.1ミリモル/L濃度のリン酸ナトリウム(pH7.0,2回取り替える)を用いて一夜透析し、溶液を得る。 その後、窒素中Amicon TMアミコンUM10メンブレンを用いて加圧下透析し、上記溶液を2mlまで濃縮する。

    (実施例5)腫瘍成長抑制試験(生体内実験)
    腫瘍細胞として、リンパ腫細胞(RajiとP3HR−1細胞系)、神経芽細胞腫細胞(SKN-AS細胞系)とメラノーマ細胞(Bowes細胞系)を選択使用し、生理食塩水又は等量の実施例1或いは2によって得られたボケエキス中に懸浮する。 より好ましくは、7×10 4のリンパ腫細胞を0.9%の生理食塩水1ml又はボケエキス1mlに懸浮する場合であり、同様に3×10 5の神経芽細胞腫細胞を0.9%の生理食塩水1ml又はボケエキス1mlに懸浮し、2.2×10 4のメラノーマ細胞系を0.9%の生理食塩水0.4ml又はボケエキス0.4mlに懸浮して調製される。

    次に、生理食塩水又はボケエキス中に懸浮する腫瘍細胞懸浮液(リンパ腫細胞1ml又は神経芽細胞腫細胞1ml、或いはメラノーマ細胞0.4ml)を4〜5週齢の非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全(NOD−SCID)のマウスに注射する。 本実施例においては、生理食塩水の腫瘍細胞懸浮液は、腹側部に皮下注射し、等量の腫瘍細胞ボケエキス懸浮液は、同様な方式で腹部の反対側に注射する。

    腫瘍細胞を注射した試験マウスは、4〜5週を経過した後、腹部の両側に何らかの腫瘍が発生したか否かを検査する。 腫瘍の形成は、生理食塩水またはボケエキスに腫瘍細胞を懸浮した懸浮液を注射した試験マウスの腹部切開検査により実証される。 これら腫瘍組織を集め、30%メタノール溶液に保存し、その後、顕微鏡検査により病理学的研究を行う。 又、腫瘍組織を染色し、腫瘍形成及びリンパ腫、神経芽細胞腫とメラノーマ細胞をそれぞれ図2〜4に示す。 上記の組織染色は、周知の技術であり、多くの方法があるので、ここではその詳細な説明を省略する。

    前記の試験結果は、次の通りである。 4〜5週間培養した後、リンパ腫細胞を食塩腫瘍液に懸浮した懸浮液を注射した腹部側において、不規則な成長により形成したリンパ腫細胞(RajiとP3HR-1)の腫瘍が見られ、リンパ腫細胞を食塩水に懸浮した溶液により腫瘍の成長が生じることが判る。 図2に腫瘍の細胞形態の分析結果を参考に示す。 それに対し、リンパ腫細胞をボケエキスに懸浮した場合においては、明らかに腫瘍の成長が励起されず、腹部の反対側(図中には示されていない)では全く膨脹が見られなかった。 又、神経芽細胞腫細胞を生理食塩水に懸浮した溶液を注射した腹部側では、神経芽細胞腫細胞(SKN−AS)の不規則的成長により引き起こされた腫瘍が見られ、神経芽細胞腫細胞の食塩水懸浮液により腫瘍の成長が行われることが判る。 更に腫瘍の細胞形態を分析した結果を図3に参考に示す。 それに対し、ボケエキス中に神経芽細胞腫細胞を懸浮した場合では、腹部の反対側(図中には示されていない)では全く膨脹が見られず、明らかに腫瘍の成長を引き起こさないことが判る。

    又、メラノーマ細胞を生理食塩水に懸浮した溶液を注射した腹部側では、メラノーマ細胞(Bowes)の不規則的成長により引き起こされた腫瘍が見られ、メラノーマ細胞を食塩水溶液に懸浮した場合では、腫瘍の成長が行われることが判る。 腫瘍の細胞形態を分析した結果を図4に参考に示す。 それに対し、ボケエキスにメラノーマ細胞を懸浮した場合では、腹部の反対側(図中には示されていない)では、全く膨脹が見られず、腫瘍の成長を引き起こさないことが判る。

    (実施例6)腫瘍成長抑制試験(試験管内実験)
    腫瘍細胞懸浮液(リンパ腫細胞(RajiとP3HR-1細胞系)1ml又は神経芽細胞腫細胞1ml)を生理食塩水又はボケ(Modified Eagle Medium)エキスの懸浮液を細胞培養フラスコ内で培養し、適当な細胞培地、例えば、Dulbecco's Modified Eagle Medium(DMEM)培地を補充し、細胞培養器(37℃、5% CO 2 )内で培養して、位相差顕微鏡により比較検査した。 上記の細胞培養技術は、周知の技術であるので、ここではその詳細な説明を省略する。

    又、腫瘍細胞をPBS又はボケエキスに懸浮し、その細胞数と生存率をそれぞれ測定し、数日連続して追跡調査した結果を図5A,5B,6A,6B,7A,7Bに示す。 細胞数は血球計を用いて測定した。

    リンパ腫細胞の更に多くの腫瘍形成は図5Aと6Aにより明らかにされる。 この2つの図により、リンパ腫細胞をPBSに懸浮し、培養皿で培養した第1日目から細胞数は緩やかに増加し、第3日目から第4日目にかけて更に明らかに増加することが示される。 これと比較すると、ボケエキスに懸浮したリンパ腫細胞の場合では、細胞数は明らかに変化が見られない。 図5Bと図6Bから、PBSに懸浮したリンパ腫細胞は、100%の生存率を3日間維持するが、ボケエキスの懸浮したリンパ腫細胞は、常に生存活性を喪失し、開始時の100%から3日間終了時には、約20〜30%の生存率しか残らなくなる。 これらリンパ腫細胞の生存活性の違いにより、本発明のボケエキスは、明らかに腫瘍の成長を抑制することができると言える。

    同様にして、図7AによりPBSに懸浮した神経芽細胞腫細胞は、培養皿で培養した第1日目より、神経芽細胞腫細胞は徐々に増加することがみられ、第3日目から第6日目にかけてさらに急速に増加する。 これに比べると、ボケエキスに懸浮した神経芽細胞腫細胞の数には明らかな変化が見られない。 図7Bより、6日間の培養期間、PBSに懸浮した神経芽細胞腫細胞は、100%の生存率を維持しているが、ボケエキスに懸浮した神経芽細胞腫細胞は、開始時の100%から6日目の終了時には約50%の生存率しか示さず、これらの神経芽細胞腫細胞の生存率の差異により、ボケエキスは腫瘍の成長を抑制することが判る。

    (実施例7)血液型試験 (a)血液凝固試験 実施例1或いは2に得られたボケエキス2滴と赤血球懸浮液1滴とを10×75mm培養試験管内で混合して、血液凝固試験を行なった。 試験管を3400rpmの低速で少なくとも15秒間遠心分離にかけ、その後、肉眼及び顕微鏡により血液の凝固と溶血状態を調べた。

    (b)血液凝固抑制試験 血液凝固抑制試験は、等容量のボケエキスと試験物質(N-アセチル-D-ガラクトサミン、D(+)ガラクトース、L(−)フコース、D(+)マンノース、D-グルコース、N-アセチル/イラミン酸、N-アセチル-D-グルコサミンを選ばれる糖類とグリコフォリンAと食塩水を含む)とを混合し、この混合物を22℃下で30分間培養する。 上記の混合物を22℃下で30分間培養する。 上記の混合物2滴に対し、赤血球懸浮液を1滴添加して指示剤とする。 その後、上記の混合物を3400rpmで15秒間遠心分離にかけて、その後、肉眼又は顕微鏡により血液の凝固と溶血状態を調べた。

    (c)吸収検定分析 等容量の赤血球懸浮液とボケエキスとを混合し、22℃下で30分間培養して吸収検定分析を行なう。 吸着処理した後のボケエキスを3400rpmで5分間遠心分離にかけて回収し、使用するまでは、4℃で保存する。 表1の結果から、ボケのレクチン成分により、ボケエキスは明らかに未処理の赤血球において凝固がみられ(表1に“+”で示す部分)、しかし、パパイン−システイン,パパイン−EDTA,トリプシン,ブロメリン−EDTA,フィシン−EDTAとストレプトリジン(pronase)などの任意の1つにより前処理した赤血球を凝固させることはできない(表1に“−”で示す部分)。

    この結果は、ボケのレクチンは赤血球のメンブレンの蛋白酵素の不安定部分の受容体を検出することができることを意味する。 ボケのレクチンは確かに未処理の赤血球の受容体を検出することができるが、蛋白分解酵素で処理後の赤血球の受容体を検出できないことを証明するために、前述吸着検定分析法によりレクチンを未処理の赤血球およびパパイン−システインで前処理した赤血球で吸着を行った。 しかる後、吸着されたレクチンをM,NとMN抗原を有する未処理の赤血球でそれぞれ用いて実験した。

    表2の結果により、未処理の赤血球でエキスの血液凝固活性を除去されたが、前処理後の赤血球でエキスの赤血球の血液凝固活性を除去出来ないことが明らかにされた。 これは、ボケのレクチンが作用する受容体は、赤血球のメンブレンの蛋白酵素の不安定な部分に位置することが判る。

    ボケのレクチンは、各種類の蛋白分解酵素で前処理した赤血球と反応しないので、、周知の消化系酵素に敏感な抗原(例えば、M,N,S,s,U,Fy Fy およびFy )を持った赤血球を用いて、ボケエキスのレクチンの特異性を測定した。

    表3の結果によって、ボケのレクチンは、上記の抗原に対して特異性を持たないことが判った(パパイン−システインで前処理した赤血球は、全部がボケのレクチンに対する血液凝固試験において全て陰性反応を呈して、前処理しない赤血球は全部が陽性反応を呈するからである)。

    表4の結果により、更にボケのレクチンの特異性はEn抗原であることが証明された。 検査を受けた全ての赤血球〔En抗原を持たない赤血球(En (a-)細胞)を除く〕は、全部がボケのレクチンに対する血液凝固試験がすべて陽性反応を呈するからである。

    En (a-)細胞は、蛋白質分解酵素で前処理した細胞とあたかも同様な特性を示し、シアル酸(Sialic acid)含量を40%〜50%に減少し、赤血球メンブレンのMNシアログリコプロテイン(Sialoglycoprotein)(グリコフォリンA)を完全にもたない。 グリコフォリンAが、M、N又はEn a抗原を有することがすでに知られている。

    グリコフォリンAにより抗ヒトEn a抗体を抑制することが報告されている。

    表5に列挙した結果として、グリコフォリンAと食塩水溶液により赤血球に対する抗血清とレクチンの血液凝固抑制試験が行われた。 この結果により、グリコフォリンAが血液の抗M抗体(Anti-M)、抗N抗体(Anti-N)、ヒト抗En a抗体とボケのレクチンの血液凝集活性を抑制することを発見した(表5の“-”が表示された箇所)。 生理食塩水は全ての血液の凝集を抑制しない。 その結果、ボケのレクチンの特異性がEn a抗体にあることが証明された。 又、M k ,M gとMi v細胞のシアル酸含量が低下することを発見した。 ボケのレクチンとこれらの細胞試験により、レクチンがシアル酸の濃度の低下と相関する特異性を有するか否かを調べたが、表6に示す結果によりボケのレクチンのEn a抗体特異性は、赤血球に現われるシアル酸濃度の低下とその他の抗原(M kとM g及びMi v )との相関性を排除した。

    次に1%の単純な糖溶液を用い、ボケのレクチンの血液凝固抑制試験を行った。 その結果を表7に示す。

    表7において、D(+)ガラクトース、L(-)フコース、D(+)マンノース、D(+)グルコース及びN−アセチルノイラミン酸を使用した場合は抑制作用が見られなかった。 しかし、N−アセチル−D−ガラクトサミンが、En (a+)細胞に対するレクチンの作用を完全に抑制するとを発見した。 これはグリコフォリンAのO−グリコシル結合オリゴ糖のN−アセチル−D−ガラクトサミン残基に対してボケのレクチンが特異性を有することを示すものである。

    上記により、本発明に基づいてボケの種子より製造したボケエキスは、腫瘍細胞成長に対して抑制効果があり、例えば、リンパ腫、メラノーマや神経芽細胞腫細胞系をNOD−SCIDマウスにそれぞれ接種した生体内試験により、そのことが実証される。 そして、ボケエキスを用いて腫瘍生長抑制用の組成物を製造することができる。 このエキスは、赤血球細胞表面の糖蛋白(例えば、グリコフォリンA)に対して特異的活性を有することが検証されている。 グリコフォリンAは、血液型抗原En aの成分であるので、本発明のエキスは生物学的試剤或いはキットとしても製造され、血球表面にEn a抗原が存在するか否かを調べる血液型試験の測定に用いることができる。

    本発明に係わる技術を熟知する者にとっては、前記の説明はただ本発明の具体的な実施例を挙げて説明する実施例にとどまり、本発明は、本発明の請求範囲、これらに対する発明の構成と操作などに加えられる修飾や改良なども含むものである。

    本発明の理解を更に助けるため、図面により下記に簡単に説明する。

    図1は、本発明のボケ(Chaenomeles lagenaria,CL)エキスの抽出過程を示すものでる。

    図2の写真(×400倍)は、リンパ腫細胞(Raji又はP3HR-1)をリン酸塩バッファー食塩水(PBS)に懸浮し、非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全(NOD−SCID)のマウスの腹部に注射し、その結果形成された腫瘍切開組織中のリンパ腫細胞(Raji又はP3HR-1)を示すものである。

    図3の写真(×400倍)は、神経芽細胞腫細胞をPBS中に懸浮し、NOD−SCIDマウスの腹部に注射し、その結果形成された腫瘍切開組織中の神経芽細胞腫細胞(SKN−AS)を示すものである。

    図4の写真(×400倍)は、メラノーマ細胞をPBSに懸浮し、NOD−SCIDマウスの腹部に注射し、その結果形成された腫瘍切開組織中のメラノーマ細胞(Bowes)を示すのものである。

    図5Aは、PBS又はボケ(CL)エキスに懸浮したリンパ腫細胞(Raji)を培養皿で培養した後、リンパ腫数の経時(日数)変化を示したものである。

    図5Bは、更に増殖期を経過した後、PBS又はボケ(CL)エキスに懸浮したリンパ腫細胞の生存活性を、リンパ腫細胞総数に占める残存したリンパ腫細胞数の%で表わしたものである。

    図6Aは、PBS又はボケ(CL)エキスに懸浮したリンパ腫細胞(P3HR−1)を培養皿で培養した後、リンパ腫細胞数の経時(日数)変化を示したものである。

    図6Bは、更に増殖期を経過した後、PBS又はボケ(CL)エキスに懸浮したリンパ腫細胞の生存活性を、リンパ腫細胞総数に占める残存したリンパ腫細胞数の%で表わしたものである。

    図7Aは、PBS又はボケ(CL)エキスに懸浮した神経芽細胞腫細胞(SKN−AS)を培養皿で培養した後、神経芽細胞腫細胞数の経時(日数)変化を示したものである。

    図7Bは、更に増殖期を経過した後、PBS又はボケ(CL)エキスの懸浮した神経芽細胞腫細胞の生存活性を、全ての神経芽細胞腫細胞数に占める残存した神経芽細胞腫細胞数の%で表わしたものである。

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