ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む組成物

申请号 JP2005504382 申请日 2003-07-18 公开(公告)号 JPWO2005007179A1 公开(公告)日 2006-08-31
申请人 株式会社トーヨー技術研究所; 株式会社日本アレルギー応用研究所; 发明人 清 後藤; 清 後藤; 治久 和合; 治久 和合;
摘要 本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む組成物、薬剤、食品添加剤、食品に関するものである。本発明の組成物、薬剤、食品添加剤、食品は、便秘、冷え性、痔疾、 耳 鳴り、更年期障害、高血圧、生理不順の改善、治療を可能にする。
权利要求
  • ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む組成物。
  • ハスの破砕物および/または抽出物が、−30℃〜70℃の温度で乾燥または濃縮処理されたものである、請求項1記載の組成物。
  • ハスの破砕物および/または抽出物が、100℃より高い温度が適用されずに調製されたものである、請求項1または2記載の組成物。
  • ハスがレンコンである請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  • 乳酸菌が有胞子性乳酸菌である請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  • 組成物が、薬剤、食品添加剤または食品である、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
  • 組成物が、便秘改善用薬剤、便秘改善用食品添加剤または便秘改善用食品である、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
  • 说明书全文

    本発明は、ハス( Nelumbo nucifera )の破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む、組成物、薬剤、食品添加剤、食品、特に便秘改善用薬剤、便秘改善用食品添加剤、便秘改善用食品に関する。

    口から摂取する食べ物は、食道を通って胃に到達し、胃液に含まれる消化酵素の作用で消化され、十二指腸を経由して小腸へと送られる。 小腸では、生体に必要とされる栄養成分や分が吸収され、さらに大腸では小腸で吸収されなかったものから水分が吸収され、便が形成され、便は直腸を経由して肛門から排泄される。
    このような口から肛門にいたる消化器官は非常にデリケートにできており、食べ物が消化、吸収、排泄される過程は内臓を支配する自律神経系によって影響を受けている。 一般に、腸は蠕動運動と呼ばれる収縮運動によって食べ物を先送りしており、最終的な排便が円滑に行われるためには、約9メートルもあるといわれる消化器官で、この蠕動運動、消化酵素の分泌、栄養成分や水分の吸収、排便に関与する筋肉の作用などがそれぞれうまく連続的に機能することが非常に重要である。
    消化管の機能がうまく作動していれば、便が排泄できない「便秘」という不快な状態は発生しないのが一般的である。 しかし、現代社会においては、働き過ぎ、不快な人間関係などからくるストレス、疲労感を感じることも多く、また睡眠不足になることも多い。 これら、ストレス、疲労感などは、消化管の機能を調節している自律神経系に悪影響を及ぼし、特に副交感神経を弱体化させる場合がある。 そして、副交感神経の機能低下により、消化、吸収、排泄という消化管機能がうまく作動しなくなり便秘が起こる。
    便秘においては、便が排泄されないという一次的な問題だけでなく、便秘により引き起こされる二次的な弊害も問題となる。 すなわち、便秘の状態が続いていると、それ自体がストレスとなり自律神経系がバランスを失うこととなる。 この結果、交感神経の緊張が増大して、リンパ球に依存する免疫の低下や活性酸素の増加による病気(胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、痔、血行の悪化、関節痛)等が生じる場合がある。 また、便秘の状態を放置しておくと、大腸癌や大腸ポリープなど、急性のものでは腸閉塞や腸捻転など、大腸の病気に繋がる場合もある。
    便秘を治療する薬剤としては、浸透圧性下剤として、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、芒硝等が挙げられるが、これらは大量服用で稀に中毒症状が生じたり、長期および大量服用で高マグネシウム血症が生じる等の副作用の可能性がある。 また、アントラキノン系の大腸刺激性下剤として、センナ、大黄、アロエ、カスカラサクラダが主成分の便秘薬が挙げられるが、これらは、腹痛、稀に悪心、嘔吐、腹鳴りが生じるなどの副作用の可能性がある。 また、フェノールフタレイン系の大腸刺激性下剤として、フェノバリン、ビサコジル、ピコスルファートナトリウムなどが挙げられるが、これらは悪心、嘔吐、腹痛、腹鳴り、腹部膨満感等の副作用の可能性がある。
    一方で、副作用がなく安全に上記疾患を改善することを目的として、従来食されている食品から、便秘に有効なものが探索されており、乳酸菌(特許文献1参照)、ホールグレインなどに含まれる食物繊維などが知られている。

    しかし、医薬品として使用されている上述の薬剤は、上述のように副作用が生じる可能性があるという問題がある。 また、上述の薬剤による便秘の解消は、単なる対症療法にすぎず、便秘体質である人の便秘を根本的に解決することにはならない。
    また、乳酸菌、食物繊維など安全性の高い食品由来の素材もあるが、その効力は必ずしも充分なものと言えず、新たな素材が求められていた。
    本発明者らは、ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む組成物が便秘に対して顕著な効果を示すことを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。
    本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む組成物、薬剤、食品添加剤および食品を提供する。
    また、本発明は、ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む便秘改善用薬剤、便秘改善用食品添加剤および便秘改善用食品を提供する。
    本発明において、「ハス」とは、スイレン科(Nymphaeaceae)、ハス亜科(Nelumboideae)に属するNelumbo nucife raをいう。 当該ハスの地下茎は、一般に「レンコン」と称され市販されている。
    また、本発明において破砕物または抽出物とされるハスとしては、ハスの植物体の任意の部分を使用することができ、例えば、ハスの地下茎(レンコン)、茎、葉、根、実等またはこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されるものではない。 好ましくは、破砕物または抽出物として使用されるハスは、ハスの地下茎、茎、葉もしくは根、またはこれらの組み合わせであり、より好ましくはハスの地下茎、茎もしくは葉、またはこれらの組み合わせであり、さらにより好ましくはハスの地下茎である。
    ハスの破砕物は、ミキサー、破砕機をはじめとする任意の装置を用いた任意の方法で、ハスを破砕処理することにより調製することができる。 破砕処理は、水などの溶媒を添加して行っても良いし、ハスのみが破砕処理されるような態様であっても良い。 本発明におけるハスの破砕物は、ハスを破砕処理して得られるそのものであっても良いし、破砕処理の前に、破砕処理と同時にもしくは破砕処理の後に、加熱および/または脱水処理されたものであっても良い。 なお、加熱および/または脱水処理の有無は問わない。
    好ましくは、ハスの破砕物は、ハスを破砕処理した後に加熱処理し、さらに乾燥処理することにより得られるもの、ハスを乾燥処理した後に破砕処理して得られるもの、ハスを加熱処理した後に破砕処理して得られるもの、ハスを加熱および乾燥処理(この加熱と乾燥の順序は問わない)した後に破砕処理して得られるものなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 また、ハスを生のままフリーズドライまたは遠赤外線乾燥をはじめとする乾燥処理方法で乾燥した後に破砕するような態様でも良い。
    また、ハスの破砕物は、ハスの水分を部分的に除去した濃縮物であっても良く、この場合、ハスの破砕物の調製において濃縮処理が行われる態様としては、上述の乾燥処理に準じる態様が挙げられるが、これに限定されるものではない。
    また、破砕物は、ペースト、固体、粒状物、粉体、液体状(溶液、懸濁液など任意の状態を含む)など任意の形状であることができ、これらの形状を有する破砕物は、任意の公知の方法を用いて製造することができる。 例えば、ハスから直接に、破砕物がこれらの形状となるように製造しても良いし、上述のように、一旦乾燥処理して得られた乾燥状態の破砕物を、これらの形状になるように調製することも可能である。
    ハスの破砕物の調製において乾燥または濃縮処理が行われる場合には、乾燥または濃縮処理方法としては、任意の、公知の方法を使用することが可能であり、例えば、フリーズドライ法(減圧乾燥法)、減圧濃縮法、マイクロ波減圧乾燥法、マイクロ波常圧乾燥法、並びに遠赤外線乾燥、近赤外線乾燥をはじめとする加熱乾燥法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。 好ましくは、乾燥または濃縮処理方法はフリーズドライ法、減圧濃縮法または遠赤外線乾燥法である。
    また、ハスの破砕物の調製において乾燥または濃縮処理が行われる場合の処理温度は、使用される方法により異なるが、好ましくは、−50℃〜100℃であり、より好ましくは、−30℃〜70℃、さらにより好ましくは、−30℃〜60℃である。
    さらに、ハスの破砕物の調製において、乾燥または濃縮処理で行われることがある加熱の他に、目的は限定されないが、たとえば殺菌などを目的とした加熱処理が行われてもよい。 この場合の加熱温度は、好ましくは100℃以下である。 すなわち、ハスからハスの破砕物が調製される過程において、100℃より高い温度が適用されないのが好ましい。
    本発明に使用されるハスの破砕物の好ましい1態様として、1)レンコンを破砕し、得られたレンコン破砕物をフリーズドライまたは遠赤外線乾燥する工程、または2)レンコンをフリーズドライまたは遠赤外線乾燥し、続いて乾燥されたレンコンを破砕する工程、のいずれかを含む方法により調製された、フリーズドライまたは遠赤外線乾燥されたレンコン破砕物が挙げられる。
    本発明においてハスの抽出物とは、ハス中の成分を溶媒に移行させて抽出物を得るといった、いわゆる溶媒を用いた抽出処理により得られる抽出物に限定されるものではなく、ハスを圧搾して得られた絞り汁をはじめとする、ハス中の任意の成分を溶媒等を使用することなく直接的に取出して得られたものも本発明にいう抽出物である。 また、抽出物は室温で調製されても良いし、加熱下で調製されても良い。 例えば、ハスの抽出物の例としては、ハスの細切物または破砕物を圧搾して得られた絞り汁、ハスの細切物または破砕物を加熱圧搾して得られた絞り汁、ハスの細切物または破砕物を加熱下または非加熱下で溶媒抽出して得られた抽出物等が挙げられる。 溶媒抽出する場合に使用可能な溶媒としては水、エタノール、プロピレングリコール、n−ブタノール、酢酸エチルおよびクロロホルムなどの1種または2種以上の単独あるいは混合溶媒などが挙げられる。 好ましくは、抽出に使用される溶媒は水である。 また、抽出物は必要に応じて濃縮あるいは濃縮乾固することができる。 抽出物は、ペースト、固体、粒状物、粉体、液体状(溶液、懸濁液など任意の状態を含む)など任意の形状であることができ、これらの形状を有する抽出物は、任意の公知の方法を用いて製造することができる。
    ハスの抽出物の調製において乾燥または濃縮処理が行われる場合には、乾燥または濃縮処理方法としては、任意の、公知の方法を使用することが可能であり、例えば、フリーズドライ法(減圧乾燥法)、減圧濃縮法、マイクロ波減圧乾燥法、マイクロ波常圧乾燥法、並びに遠赤外線乾燥、近赤外線乾燥をはじめとする加熱乾燥法などが挙げられるが、特に限定されるものではない。 好ましくは、乾燥または濃縮処理方法はフリーズドライ法、減圧濃縮法または遠赤外線乾燥法である。
    また、ハスの抽出物の調製において乾燥または濃縮処理が行われる場合の処理温度は、使用される方法により異なるが、好ましくは、−50℃〜100℃であり、より好ましくは、−30℃〜70℃、さらにより好ましくは、−30℃〜60℃である。
    さらに、ハスの抽出物の調製において、乾燥または濃縮処理で行われることがある加熱の他に、目的は限定されないが、たとえば殺菌などを目的とした加熱処理が行われてもよい。 この場合の加熱温度は、好ましくは100℃以下である。 すなわち、ハスからハスの抽出物が調製される過程において、100℃より高い温度が適用されないのが好ましい。
    本発明に使用されるハスの抽出物の好ましい1態様として、レンコンに対して抽出操作を行い、得られたレンコン抽出物をフリーズドライまたは遠赤外線乾燥する工程を含む方法により調製された、フリーズドライまたは遠赤外線乾燥されたレンコン抽出物が挙げられる。 また、他の態様としては、レンコン抽出物を減圧濃縮する工程を含む方法により調製された、減圧濃縮されたレンコン抽出物が挙げられる。
    本発明における、組成物、薬剤、食品添加剤及び食品においては、ハスの破砕物と抽出物はそれぞれ単独で含まれていても良いし、これら両方が含まれていても良い。
    本発明において使用される乳酸菌としては、ラクトバシラス( Lactoba cillus )属、ストレプトコッカス( Streptococcus )属、ビフィドバクテリウム( Bifidobacterium )属、バシラス( Bac illus )属に属する乳酸菌が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。 経口摂取した場合に乳酸菌が生きたまま腸に到達し易いとの観点から、乳酸菌としては有胞子性乳酸菌が好ましい。 有胞子性乳酸菌は、特に限定されるものではないが、例えば、 Bacillus coagulans等が挙げられる。
    本明細書において、「便秘」とは、通常のその人の排便習慣より著しく排便回数が減少した状態をいい、限定されるものではないが、具体的な症状として、便の量が少ない、便が固い、排便しにくい、排便回数が少ない、便遺残感があるなどが挙げられる。
    また、本明細書において「便秘改善用薬剤」とは、便秘を改善、治療するための薬剤であり、「便秘改善用食品添加剤」とは、便秘の状態を改善、治療するための食品添加剤であり、「便秘改善用食品」とは、便秘の状態を改善、治療するための食品である。
    本発明の組成物は、本発明の目的に反しない限りは、任意の、公知の成分を含むことができる。
    本発明における薬剤は経口投与により投与され得る。 本発明の薬剤を製剤化するためには、製剤の技術分野における任意の通常の方法で製剤化することが可能であり、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤などの剤型が採用されうる。 また、本発明における薬剤は、ハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌に加えて、薬剤を構成する上で許容可能な薬剤構成成分を含むことができる。 許容可能な薬剤構成成分は、当業者に認識されるものであり、特に限定されるものではない。 例えば、経口用固型製剤を調製する場合は、ハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌と共に、賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを使用することができ、これらを加えた後、常法により錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤、糖衣錠剤などとすることができる。
    本発明の組成物または薬剤に含まれるハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌の量、およびこれらの含有比率は、本発明の組成物または薬剤が効果を奏する限りは特に限定されるものではない。
    本発明の組成物または薬剤のヒトに対する投与量は、ハスの破砕物および/または抽出物の乾燥重量として、経口投与で、成人、1日あたり、破砕物の場合には、好ましくは、1g〜100g、より好ましくは、2g〜40gである。 また、抽出物の場合には、好ましくは、0.5g〜50g、より好ましくは、1g〜20gである。 また、乳酸菌の菌数として、経口投与で、成人、1日あたり、好ましくは、50万〜50億個(菌数)、より好ましくは、500万〜10億個(菌数)である。
    本発明における食品添加剤とは、食品に添加されるものであれば良く、その目的は問わない。 本発明の食品添加剤を製造するためには、食品添加剤の技術分野における通常の方法で固体、顆粒、粉体、カプセル、溶液、懸濁物等の形態に製造することが可能である。 また、本発明の食品添加剤は、食品添加剤として許容可能な他の成分を含むことができ、当該他の成分については当業者が認識している事項であり、特に限定されるものではない。
    本発明の食品添加剤に含まれるハスの破砕物および/または抽出物の量、乳酸菌の量、およびこれらの含有比率は、食品に添加される当該食品添加剤の量、食品の種類などに応じて変化するものであり、特に限定されるものではない。
    本発明における食品としては、ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含んでいるのであれば特に限定されるものではない。 また、食品の種類としては、通常食品として摂取されるものであれば特に限定されるものではなく、いわゆる健康食品、サプリメント、栄養補助食品と呼ばれるような、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの形状を有する食品だけでなく、うどん、そば、パスタ、ラーメン等をはじめとする麺類、小麦粉、そば粉、片栗粉、米の粉等の粉類、菓子パン、食パンなどのパン類、ケーキ、クッキー、せんべい、あんこ、ようかん、もち、団子、ゼリーなどの菓子類、ジュース、お茶などの飲料、即席麺、即席みそ汁、即席スープなどの即席食品などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。 好ましくは、本発明の食品はハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む粉類、例えば、小麦粉、そば粉、片栗粉、米の粉等から製造されるパン、ケーキ、クッキー、せんべいなどの食品である。 より好ましくは、本発明の食品は、粉体状にされたハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含む粉類、例えば、小麦粉、そば粉、片栗粉、米の粉等から製造されるパン、ケーキ、クッキー、せんべいなどの食品である。 また、他の好ましい態様としては、本発明の食品は、ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含むヨーグルトである。 なお、ここでのヨーグルトとは、半固形状の通常のヨーグルトだけでなく、ヨーグルト飲料などのような液体状のヨーグルトも含む。 ここで、上述の本発明の食品の製造については、任意の公知の方法、材料を使用することが可能である。
    本発明の食品に含まれるハスの破砕物および/または抽出物と乳酸菌の量、およびこれらの含有比率は、本発明の食品が効果を奏する限りは特に限定されるものではない。
    本発明の食品は、ヒト成人が1日あたり、ハスの破砕物および/または抽出物の乾燥重量として、破砕物の場合には、好ましくは、1g〜100g、より好ましくは、2g〜40gを摂取することとなる食品形態のものであり、また、抽出物の場合には、好ましくは、0.5g〜50g、より好ましくは、1g〜20gを摂取することとなる食品形態のものである。 また、乳酸菌の菌数として、経口投与で、成人、1日あたり、好ましくは、50万〜50億個(菌数)、より好ましくは、500万〜10億個(菌数)を摂取することとなる食品形態のものである。
    本発明の食品は、当該食品を構成する原料に、ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを添加して製造することができ、また当該食品を構成する原料に、本発明の食品添加剤を添加して製造することも可能である。 また、食品の種類によっては、製造された食品に、本発明の食品添加剤を添加して、本発明の食品とするような態様も可能である。
    本発明の組成物、薬剤、食品添加剤、食品は、ハスの破砕物および/または抽出物と、乳酸菌とを含むことにより、便秘の改善、治療を可能にするという点で、それぞれを単独で含むものと比較して、単なる相加的な効果を超える、相乗的な有利な効果を有する。 また、本発明の組成物、薬剤、食品添加剤、食品は、冷え性、痔疾、鳴り、更年期障害、高血圧、生理不順の改善、治療も可能にするという有利な効果を有する。

    図1は、実施例1および2、並びに比較例1〜4における便通の頻度の平均値の経時変化を示すグラフである。

    以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。

    レンコン抽出物と乳酸菌を含む薬剤1)レンコン抽出物の調製方法 市販のレンコン100kgの皮をむき、水洗後5〜10mm厚さにスライスした。 水260Lを加え、水およびレンコンをニーダーに投入し98℃に昇温して撹拌した。 99℃に昇温後30分間煮沸した。 次いで、煮沸物をニーダーから取り出し、サラシでろ過して得られたろ液をフリーズドライ法により粉末にした。 この操作により、5.0kgのレンコン抽出物粉末を得た。
    2)便秘改善用薬剤の調製方法 レンコン抽出物(粉末):食品用有胞子性乳酸菌粉末(1gあたり、 Baci llus coagulansを50億個(菌数)以上含有、賦形剤として乳糖含有):麦芽糖水あめ=70:1:29の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を便秘改善用薬剤とした。
    3)便秘改善用薬剤の投与量および投与スケジュール 便秘症状を呈する被験者のプロフィールは以下の通りである。
    市販のまたは病院で入手できる便秘薬を摂取しない場合に、便通が2〜3日に1回の被験者10名(被験者番号A1〜A10);便通が4〜7日に1回の被験者10名(被験者番号AA1〜AA10)の合計20名の被験者を対象とした。
    被験者による便秘改善用薬剤の摂取は、4週間の間、1日1回、10粒を水または湯で飲用することとした。 なお、試験期間中は他の便秘薬の摂取は行わなかった。
    便秘改善の程度は、1週間ごとに、便通の頻度、その他自覚症状についての被験者の自己申告を集計することにより判断した。
    比較例1
    レンコン抽出物のみを含む薬剤 便秘改善用薬剤の組成が、実施例1で調製されたレンコン抽出物を含むが、乳酸菌を含まないことを除き、実施例1と同様に錠剤が調製された。
    すなわち、比較例1においては、実施例1で調製されたレンコン抽出物:麦芽糖水あめ=70:30の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を便秘改善用薬剤とした。
    また、被験者として、市販のまたは病院で入手できる便秘薬を摂取しない場合に、便通が2〜3日に1回の被験者10名(被験者番号B1〜B10);便通が4〜7日に1回の被験者10名の合計20名の被験者(被験者番号BB1〜BB10)を対象とした。
    試験方法、期間、評価方法は実施例1と同じである。
    比較例2
    レンコン抽出物のみを含む薬剤の2倍量摂取 比較例1で調製された、レンコン抽出物を含むが、乳酸菌を含まない便秘改善用薬剤を使用し、被験者による便秘改善用薬剤の摂取量を、1日1回、20粒と、比較例1の2倍量にした。
    被験者として、市販のまたは病院で入手できる便秘薬を摂取しない場合に、便通が2〜3日に1回の被験者10名(被験者番号b1〜b10);便通が4〜7日に1回の被験者10名(被験者番号bb1〜bb10)の合計20名の被験者を対象とした。
    試験方法、期間、評価方法は実施例1と同じである。
    比較例3
    乳酸菌のみを含む薬剤 便秘改善用薬剤の組成が、乳酸菌を含むが、レンコン抽出物を含まないことを除き、実施例1と同様に錠剤が調製された。
    すなわち、比較例3においては、食品用有胞子性乳酸菌粉末:麦芽糖水あめ=1:99の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を便秘改善用薬剤とした。
    また、被験者として、市販のまたは病院で入手できる便秘薬を摂取しない場合に、便通が2〜3日に1回の被験者10名(被験者番号C1〜C10);便通が4〜7日に1回の被験者10名(被験者番号CC1〜CC10)の合計20名の被験者を対象とした。
    試験方法、期間、評価方法は実施例1と同じである。
    比較例4
    乳酸菌のみを含む薬剤の2倍量摂取 比較例3で調製された、乳酸菌を含むが、レンコン抽出物を含まない便秘改善用薬剤を使用し、被験者による便秘改善用薬剤の摂取量を、1日1回、20粒と、比較例3の2倍量にした。
    被験者として、市販のまたは病院で入手できる便秘薬を摂取しない場合に、便通が2〜3日に1回の被験者10名(被験者番号c1〜c10);便通が4〜7日に1回の被験者10名(被験者番号cc1〜cc10)の合計20名の被験者を対象とした。
    試験方法、期間、評価方法は実施例1と同じである。

    レンコン破砕物と乳酸菌を含む薬剤 1)レンコン破砕物の調製方法 市販のレンコンの皮をむき、水洗後5〜10mm厚さにスライスした。 レトルト機を用いて加圧下で110℃で15分加熱した。 加熱処理後のレンコンを細切し、細切したレンコンを50〜60℃で15時間熱風乾燥した。 次いで、1mmのスクリーンを用いてアトマイザーで粉砕しレンコン破砕物(粉末)を得た。
    2)便秘改善用薬剤の調製方法 レンコン破砕物(粉末):食品用有胞子性乳酸菌粉末:麦芽糖水あめ=70:1:29の比率でこれらを混合し、混合物を直径8mmの丸形の錠剤(約320mg/粒)に成形し、この錠剤を便秘改善用薬剤とした。
    3)便秘改善用薬剤の投与量および投与スケジュール 便秘症状を呈する被験者のプロフィールは以下の通りである。
    市販のまたは病院で入手できる便秘薬を摂取しない場合に、便通が2〜3日に1回の被験者10名(被験者番号D1〜D10);便通が4〜7日に1回の被験者10名(被験者番号DD1〜DD10)の合計20名の被験者を対象とした。
    試験方法、期間、評価方法は実施例1と同じである。
    実施例1、比較例1〜4および実施例2の試験における、各被験者における便秘改善用薬剤投与前および投与4週目までの便通の頻度、並びにその平均値を、それぞれ表1〜6に示す。 なお、表1は実施例1の結果を、表2は比較例1の結果を、表3は比較例2の結果を、表4は比較例3の結果を、表5は比較例4の結果を、表6は実施例2の結果を示す。 便通の頻度は、1週間あたりの便通の回数で示される。 なお、表中に小数点が示されているのは、便通はあったが、便量が通常の場合と比較して少なかった場合に、これを通常の便量を「1」とした比率で自己申告することとしたためである。 例えば、便通はあったが、通常の便量の約半分の便量であった場合は、便通を「0.5」とした。
    また、4週目の便秘改善効果について(表中「4週目便秘改善効果」と表示)、4週目の便通の頻度を便秘改善用薬剤の摂取前と比較して、1週間あたり便通の回数が倍以上になった場合を「顕著な改善」として、これを表中で「○」で表わし、1週間あたり便通の回数が増加したが、便通の回数が倍以上には至らない場合を「中程度の改善」として、これを表中で「▲」で表わし、1週間あたりの便通に変化が認められない場合を変化なしとして、表中で「−」で表わした。
    また、実施例1および2、並びに比較例1〜4における便通の頻度の平均値の経時変化を示すグラフを図1に示す。

    表1に示される通り、レンコン抽出物と乳酸菌とを含む便秘改善用薬剤が投与された実施例1においては、20人の被験者中、顕著および中程度な改善を含めると、19人(95%)に便秘改善効果が認められた。 また、表6に示される通り、レンコン破砕物と乳酸菌とを含む便秘改善用薬剤が投与された実施例2においても、20人の被験者中、顕著および中程度な改善を含めると、18人(90%)に便秘改善効果が認められた。 これら便秘改善効果が認められた被験者においては、投与前と比較して便の堅さが軟化した(ただし、正常な状態よりも軟化することはなかった)。


    これに対して、表2に示される通り、実施例1と等量のレンコン抽出物のみを摂取した比較例1においては、顕著および中程度な改善を含めて、20人の被験者中、8人(40%)しか便秘改善効果が認められなかった。 また、表4に示される通り、実施例1と等量の乳酸菌のみを摂取した比較例3においても、顕著および中程度な改善を含めて、20人の被験者中、8人(40%)しか便秘改善効果が認められなかった。


    さらに、表3に示される通り、比較例1の2倍量のレンコン抽出物を摂取した比較例2においても、顕著および中程度な改善を含めて、20人の被験者中、10人(50%)しか便秘改善効果が認められなかった。 また、表5に示される通り、比較例3の2倍量の乳酸菌を摂取した比較例4においても、顕著および中程度な改善を含めて、20人の被験者中、10人(50%)しか便秘改善効果が認められなかった。


    レンコン抽出物または乳酸菌を単独で摂取した場合には、摂取量を2倍にしても、レンコン抽出物または破砕物と、乳酸菌とを同時に摂取した場合の効果には遙かに及ばなかった。 このことから、レンコン抽出物または破砕物と、乳酸菌とを含む薬剤には、これらをそれぞれ含む薬剤と比較して、これらの単なる相加的な効果を超える相乗的な便秘改善効果が認められることが明らかとなった。


    実施例1と実施例2を比較すると、実施例1の方が効果としては優れていた。


    この理由については明らかではないが、可能性の1つとして、実施例2において使用されたレンコン破砕物の調製過程が影響していることが考えられ、例えば、110℃での加熱、および/または熱風乾燥が影響している可能性が考えられる。


    表1および表6、並びに図1から明らかであるが、レンコン抽出物または破砕物と、乳酸菌とを含む薬剤を摂取した実施例1および2においては、投与1週目から顕著な便秘改善効果が認められた。 また、実施例1においては、便秘改善効果のさらなる向上が摂取4週目に認められた。 これに対して、表2〜5、並びに図1から明らかであるが、レンコン抽出物または乳酸菌のいずれか一方のみを摂取した比較例1〜4においては、便秘改善効果が認められたのは摂取開始から3週目以降であった。


    このことから、レンコン抽出物または破砕物と、乳酸菌とを含む薬剤には、これらをそれぞれ含む薬剤と比較して、便秘改善効果の程度だけでなく、効果発現の期間も著しく短縮できるという相乗的な便秘改善効果が認められることが明らかとなった。


    実施例1において、便秘改善用薬剤の摂取4週間後における、各被験者が便秘改善用薬剤の摂取前から有していた症状がどの程度改善したかが表7に示される。 改善の程度は被験者の自己申告に基づく。 また、各症状における顕著および中程度の改善が認められた比率が「改善比率」として表7に示される。


    表7に記載される通り、実施例1の便秘改善用薬剤を4週間摂取することにより、冷え性は67%、痔疾は100%、耳鳴りは100%、更年期障害は100%、高血圧は75%、生理不順は67%の割合で、それぞれ改善されることが明らかとなった。

    本発明の組成物、薬剤、食品添加剤、食品は、便秘、冷え性、痔疾、耳鳴り、更年期障害、高血圧、生理不順の改善、治療のために使用される。

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