リンパ管の安定化剤

申请号 JP2010517947 申请日 2009-06-17 公开(公告)号 JPWO2009154237A1 公开(公告)日 2011-12-01
申请人 株式会社 資生堂; 株式会社 資生堂; 发明人 健太朗 加治屋; 健太朗 加治屋; 大田 正弘; 正弘 大田;
摘要 Tie2活性化剤からなる、リンパ管の安定化剤を提供する。Tie2活性化剤は、好ましくはアンジオポエチン1(Ang-1)、ニッケイ(Cinnamomum)属 植物 の抽出物、シベリアニンジン(Siberian Ginseng)抽出物及びシリンガレシノールからなる群から選択される少なくとも1種である。
权利要求
  • Tie2(tyrosine kinase with Ig and EGF homology domain 2)活性化剤からなる、リンパ管の安定化剤。
  • 前記Tie2活性化剤が、アンジオポエチン1(Ang-1)、ニッケイ(Cinnamomum)属植物の抽出物、シベリアニンジン(Siberian Ginseng)抽出物及びシリンガレシノールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1記載のリンパ管の安定化剤。
  • 前記抽出物がケイ種植物(Cinnamomum cassia Blume)由来である、請求項2記載のリンパ管の安定化剤。
  • 前記抽出物がケイシ又はケイヒ由来である、請求項2記載のリンパ管の安定化剤。
  • 前記抽出物が水抽出物である、請求項2〜4のいずれか1項記載のリンパ管の安定化剤。
  • 請求項1〜5のいずれか1項記載のリンパ管の安定化剤を適用することからなる、むくみを改善又は予防するための美容学的方法。
  • 说明书全文

    本発明はTie2活性化(リン酸化)剤からなる、リンパ管の安定化剤を提供する。

    血液は、心臓から送り込まれて毛細血管・静脈を経て心臓へもどる。 この血管系とは別個に組織液の排路を形成するものがリンパ管である。 リンパ管は、末梢組織で血管から漏出した間質液、タンパク質、脂肪、細胞などを血管系へと環流することにより血液量を一定に保ち、閉鎖循環系を維持する。 皮膚に存在する毛細血管では、内皮細胞の外側を基底膜が取り囲み、さらに周皮細胞が付着している。 一方、毛細リンパ管では、内皮細胞の外には基底膜がほとんどなく、周皮細胞の付着もない。 この構造が、効率よく間質から体液や細胞を取り込むために役立っている(非特許文献1)。 これまでに、チロシナーゼ型受容体VEGFR(vascular endothelial growth factor receptor)-3がリンパ管内皮細胞に特異的に発現することが示され、そのリガンドであるVEGF-CおよびVEGF-Dがリンパ管の新生を誘導することが示された。 また、VEGF-Aはリンパ管内皮細胞に発現するVEGFR2を介してリンパ管新生を誘導していることが明らかになった(非特許文献2)。 さらに、リンパ管の機能に関しては、以下の報告がある。 VEGF-Aを発現するアデノウイルスを感染させたマウスでは、顕著なリンパ管新生が見られたが、構造的な異常とともに、コロイダルカーボンを耳に注入した実験から、リンパ管の回収機能も顕著に阻害されていることが明らかになった(非特許文献3)。 つまり、リンパ管の機能にはリンパ管内皮細胞が適切に配置して裏打ちされていることが必要であると考えられる。 これをわれわれは“リンパ管の安定化”と定義する。

    皮膚に対する物理的あるいは化学的刺激は血管新生やVEGF-Aなどによる血管透過性を誘導して、この結果組織液の貯留と浮腫が生じる。 一方で、これらの刺激は直接的にリンパ管の新生・拡張を誘導することも知られている。 これまでに、紫外線炎症によってリンパ管の拡張が観測され、染料を注入した実験からリンパ管の機能が障害されていることが明らかになった。 血管拡張に伴う水分の真皮内への漏出にともない、リンパ管は拡張して間質液を回収しようとしていると考えられる。 しかしながら、過剰なリンパ管の拡張はその回収機能を逆に低下させ浮腫を遅延していると考えられた(非特許文献4)。 つまり、組織間液の速やかな回収には、リンパ管の過剰な拡張を誘導しないような“リンパ管の安定化”が必要であると考えられる。

    これまでに、リンパ管の機能不全が関与する病態としては、先天性リンパ浮腫とともに、フィラリア、手術、悪性腫瘍、炎症にともなう二次性のリンパ浮腫、が知られている。 先天性のリンパ浮腫としてはMilroy病、Meige病、lymphedema-distichiasis症候群がある。 Milroy病ではリンパ管の無形成や低形成が報告され、一方でlymphedema-distichiasis症候群ではリンパ管の過形成が報告されている。 これらからも、リンパ管の新生だけではなくリンパ管の安定化によって回収機能を保持することが必要であると考えられる(非特許文献5)。

    実験医学 Vol. 24, No. 18 (2006), pp. 133-138 Jussila L and Alitalo K, (2006) Vascular growth factors and lymphangiogenesis. Phisiol Rev 82:673-700 Nagy et al., (2002) Vascular permeability factor/ vascular endothelial growth factor induces lymphangiogenesis as well as angiogenesis. J Exp Med 196: 1497-1506 Kajiya K., Hirakawa S., and Detmar M., (2006) VEGF-A mediates UVB-induced impairment of lymphatic vessel function. Am J Pathol 169: 1496-1503 実験医学 Vol. 24, No. 18 (2006), pp. 139-143 Kajiya K., et al., (2005) Hepatocyte growth factor promotes lymphatic vessel formation and function. EMBO J 24:2885-95 実験医学 Vol. 20, No.8 (2002), pp. 52-57

    本発明の課題は、リンパ管の安定化を図り、リンパ管の回収機能を維持・亢進するのに有効な薬剤の提供にある。

    VEGFが分子クローニングされたのを皮切りに血管形成に特異的に作用する因子としてVEGFファミリーとアンジオポエチン(angiopoietin;Ang)ファミリーの分子が次々に同定されてきた。 VEGFとその受容体は脈管形成とよばれる血管の初期発生からその後の血管新生に至るまで非常に広い範囲の血管形成に関与する。 一方、Angは脈管形成後、血管内皮細胞による発芽、分枝、嵌入、退縮などの細胞現象を伴った管腔形成において機能する。 Angは血管内皮細胞に発現する受容体型チロシンキナーゼTie(tyrosine kinase with Ig and EGF homology domain)-2を介し、血管内皮細胞と、周皮細胞(ペリサイト)や血管平滑筋細胞のような血管壁細胞との接着を制御し、血管の構造的安定化に機能していることまでは理解されているが(非特許文献7)、Tie2とリンパ管との関係については十分には解明されていない。

    本発明者はAng-1と、リンパ管内皮細胞に発現するTie2との関係に注目して調べたところ、Ang-1がTie2の活性化を介してリンパ管の回収機能を促進することを見出し、以下の発明を完成するに至った:
    (1)Tie2活性化剤からなる、リンパ管の安定化剤。
    (2)前記Tie2活性化剤が、アンジオポエチン1(Ang-1)、ニッケイ(Cinnamomum)属植物の抽出物、シベリアニンジン(Siberian Ginseng)抽出物及びシリンガレシノールからなる群から選択される少なくとも1種である、(1)のリンパ管の安定化剤。
    (3)前記抽出物がケイ種植物(Cinnamomum cassia Blume)由来である、(2)のリンパ管の安定化剤。
    (4)前記抽出物がケイシ又はケイヒ由来である、(2)のリンパ管の安定化剤。
    (5)前記抽出物が水抽出物である、(2)〜(4)のいずれかのリンパ管の安定化剤。
    (6)(1)〜(5)のいずれかのリンパ管の安定化剤を適用することからなる、むくみを改善又は予防するための美容学的方法。

    本発明に係るリンパ管の安定化剤を使用することにより、むくみ等の改善・予防が可能となる。

    Ang-1によるリンパ管における回収機能の変化を視感判定スコアにより数値化した図。

    ケイヒ抽出物によるTie2リン酸化の結果を示す。

    シベリアニンジン抽出物によるTie2リン酸化の結果を示す。

    Tie2の活性化剤は特に限定されるものではないが、アンジオポエチン1など、Tie2を活性化する活性を有することが周知のものや、ニッケイ(Cinnamomum)属植物由来の抽出物、シベリアニンジン(Siberian Ginseng)抽出物あるいはシリンガレシノール、といった、本発明者がその活性を有することを新たに見出したものが挙げられる。 なお、ここでいうTie2の活性化とはTie2をリン酸化することでその活性体(リン酸化Tie2)に変換できる能をいう。

    ニッケイ属はクスノキ目(Lauraceae)、クスノキ科(Lauraceae)の植物であり、300以上の種が存在し、例えばケイ(Cinnamomum cassia Blume)、クスノキ(C. camphora)、マルバニッケイ(C. daphnoides)シバニッケイ(C. doederleinii)、ヤブニッケイ(C. japonicum)、オガサワラヤブニッケイ(C. pseudo-pedunculatum)、ニッケイ(C. sieboldii)、シバヤブニッケイ セイロンニッケイ(C. verum)、シナモン(C. zeylanicum)が知られる。 本発明におけるTie2活性化剤として好ましくはケイ(Cinnamomum cassia Blume)、特にケイの若枝であるケイシ(桂枝)又はケイヒ(桂皮)由来の抽出物が使用される。 ケイの樹皮であるケイヒに由来する抽出物は例えば育毛剤の有効成分として有用であることは知られるが(特開平10-265350号公報)、それがリンパ管の安定化活性を有することは全く知られていない。

    シベリアニンジン(Siberian Ginseng)抽出物は伝統的に滋養強壮にいいといわれる。 脆弱、極度の疲労、集中力低下などの精神・身体能力の低下、病後の回復において優れた効能を示す。 米国ではダイエットサプリメントとして使用されている。

    上記抽出物は常法により得ることができ、例えばその起源となる植物を抽出溶媒とともに常温又は加熱して浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得ることができる。 抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水性溶媒、例えば水、生理食塩水、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、あるいは有機溶媒、例えばエタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。 好ましくは、溶媒として水が使用される。 上記溶媒で抽出して得られた抽出物をそのまま、あるいは例えば凍結乾燥などにより濃縮したエキスを使用でき、また必要であれば吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、所望の溶媒で溶出し、さらに濃縮したものも使用することができる。

    シリンガレシノールは植物に特有の抗酸化物質リグナン類化合物であり、高血圧症の改善効果やピロリ菌抑制効果を有することから、食品、飲料や医薬品に利用されている(例えば、特開平8-268887号公報、特開2004-352652号公報など)。 シリンガレシノールは以下の化学構造を有する:

    シリンガレシノールは公知の化合物であり、クスノキ目(Laurales)、クスノキ科(Lauraceae)のケイ(Cinnamomum cassia Blume)、特にその若枝(ケイシ)あるいは樹皮(ケイヒ)に含有される。 リンパ管の安定化やTie2活性化などの効果を有することなどは全く知られていない。 シリンガレシノールはケイシまたはケイヒなどの天然起源から抽出されたものであっても、あるいは合成されたものであってもよい。

    シリンガレシノールは無機塩又は有機塩であってもよい。 塩としては、特に限定されないが、例えば、無機塩としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。 有機塩としては、酢酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、アミノ酸塩等が挙げられる。

    本発明に係るリンパ管安定化剤はリンパ管の構造の不安定化を原因とするリンパ液の漏出による様々な皮膚疾患、例えば浮腫(むくみ)の治療・予防に有効な医薬品または化粧品として利用できる。 浮腫には、例えば紫外線照射、フィラリア、手術、悪性腫瘍、炎症にともなう二次性のリンパ浮腫や、先天性リンパ浮腫、例えばMilroy病、Meige病、lymphedema-distichiasis症候群がある。

    本発明に係るリンパ管安定化剤はまた、むくみや目袋の軽減・予防のための美容学的方法にも利用される。 この美容学的方法は、例えば本発明に係るリンパ管安定化剤をむくみなどのある部位に適用し、そのまま放置するか又は例えばリンパ管の流れの方向に即してマッサージなどを施し、リンパ管液の流れを促進するなどして行うことができる。 この方法の適用箇所には顔面、首、手足、など、全身のあらゆる部位が挙げられる。

    本発明に係るリンパ管安定化剤は、その使用目的に合わせて用量、用法、剤型を適宜決定することが可能である。 例えば、本発明のリンパ管安定化剤の投与形態は特に制限されるものではなく、経口、非経口、外用等であってよいが。 好ましくは外用剤である。 剤型としては、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等の外用剤、注射剤、点滴剤、若しくは坐剤等の非経口投与剤、又は錠剤、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、エキス剤、シロップ剤等の経口投与剤を挙げることができる。 更に、本発明に係るリンパ管安定化剤について、機能性食品等としての用途も挙げることができる。

    本発明のリンパ管安定化剤中のTie2活性化剤の配合量は、用途に応じて適宜決定できるが、一般には剤全量中、0.0001〜20.0モル%、好ましくは0.0001〜10.0モル%である。

    また、本発明のリンパ管安定化剤には、Tie2活性化剤以外に、例えば、通常の食品や医薬品に使用される賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料等、化粧品等に通常用いられる美白剤、保湿剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。

    さらに、本発明のリンパ管安定化剤を皮膚外用剤として使用する場合、皮膚外用剤に慣用の助剤、例えばエデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、カリンの果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール� ��のビタミンA類なども適宜配合することができる。

    次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。 なお、本発明はこれにより限定されるものではない。 配合量は質量%である。

    実験方法リンパドレナージュアッセイ
    8週齢のマウスの耳介部にHamiltonシリンジ(Hamilton, Reno, NV)で、マウス由来アンジオポイエチン-1(Ang-1)遺伝子をAdenoXベクターに組み込んだアデノウイルスを感染させた(1x10 9 ifu/mouse)。 コントロールとしてAdenoXベクターのみを組みこんだアデノウイルスを感染させた。 感染4週間後、耳介部末端より、1ulのコロイドカーボン溶液(Kamei Co., Ltd, Japan)をHamiltonシリンジで注入してリンパの流れの経時変化を解析した。 その結果、Ang1高発現マウス耳ではリンパ管の回収機能が促進されることが認められた(データーは示さない)。 また、リンパ管における回収機能の変化は視感判定を行い、5段階で数値化(5:インクがすべてリンパ管にとどまった状態、1:インクがすべて回収されてリンパ管からなくなった状態)して比較し、その結果を図2に示す。 この図から、Tie2の活性化剤であるAng-1の発現により、コントロールと比較して、リンパ管の回収機能の顕著な亢進が認められ、Tie2の活性化によりリンパ管の安定化が図れることがわかる。

    また、麻酔による安楽死後、同時に耳部を回収し、液体窒素中で粉砕、タンパク質をPhosphosafe Extraction Reagent(Novagen, Madison, WI) で抽出した。 総タンパク量をRC DC Protein Assay Kit(BIO-RAD, Hercules, CA) にて定量し、以下のようにウエスタンブロッティングして検出した。 等量の総タンパク量を15%アクリルアミドゲル(NPU-7.5L, ATTO, Japan)でSDS−PAGEを行い、Ang-1のタンパク質発現は、Ang-1抗体(Santa Cruz Biotechnology, Santa Cruz, CA)を用いて、ECL Kitにより発色させることで確認した。

    リンパ管内皮細胞のウエスタンブロッティング
    リンパ管内皮細胞は、ヒト新生児包皮よりCD31陽性CD34陰性CD45陰性細胞として単離した(非特許文献6)。 リンパ管内皮細胞は添加因子を加えたEBM-2(Cambrex; Verviers, Belgium)で培養し、各種薬剤(Ang-1、ケイヒ抽出物、シベリアニンジン抽出物及びシリンガレシノール)存在下でタンパク質をPhosphosafe Extraction Reagent(Novagen, Madison, WI)で抽出した。 コントロールとしてDMSOを添加した細胞も調整した。
    なお、ケイヒ抽出物及びシリンガレシノールは以降に示すとおりにして調製した。 シベリアニンジン抽出物(アスク薬品)はシベリアニンジンの根を30%エタノールで抽出したものを使用した。 この抽出物にはシリンガレシノールを1.01質量%含有されることがHPLCで確認された。 この抽出物をDMSOにて溶解し、各試験試料とした。 総タンパク量をRC DC Protein Assay Kit(BIO-RAD, Hercules, CA)にて定量し、以下のようにウエスタンブロッティングして検出した。 等量の総タンパク量を7.5%アクリルアミドゲル(NPU-7.5L, ATTO, Japan)でSDS−PAGEを行い、Tie2およびリン酸化Tie2のタンパク質発現は、Ang-1抗体(Santa Cruz Biotechnology, Santa Cruz, CA)を用いて、ECL Kitにより発色した。 図2はケイヒ抽出物がAng-1と同様にTie2をリン酸化、即ち活性化することを示す。 図3はシベリアニンジン抽出物がAng-1と同様にTie2をリン酸化、即ち活性化することを示す。 なお、シリンガレシノールについても、データーは示さないが、Ang-1と同様にTie2を活性することが確認された。

    ケイシ熱水抽出乾燥残分の調製 ケイシ(Cinnamomum cassia Blume)400.7gに水2Lを加え、3時間加熱抽出を行い、ろ過した。 得られた残渣に水2Lを加え、同様の操作を繰り返し、加熱抽出をさらに2回行った。 得られたろ液を凍結乾燥し、39.7gの熱水抽出乾燥残分を得た。

    熱水抽出乾燥残分の分画および単離 熱水抽出乾燥残分 31.0gをSephadex LH-20 (Amersham Pharmacia Biotech AB)を用いて粗分画を行った。 水溶出画分(2.7g)、50%メタノール溶出画分(8.5g)、メタノール溶出画分(4.9g)、アセトン溶出画分(0.5g)、および未溶出画分(7.4g)を得た。 メタノール溶出画分についてアンバーライトXAD2(オルガノ(株))カラムにより分画し、次いでHPLC分取(カラム:Capcell Pak C18 AQ(株)資生堂製, 検出: UV210nm, 移動層: CH 3 CN/H 2 O混合系)によりシリンガレシノール(2.08mg)を単離した。

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