植物由来の悪性腫瘍治療薬

申请号 JP2008504981 申请日 2007-02-15 公开(公告)号 JPWO2007105353A1 公开(公告)日 2009-07-30
申请人 学校法人日本大学; 发明人 鈴木 孝; 孝 鈴木; 康雄 藤本; 康雄 藤本; 武人 内山; 武人 内山; 恵市 田畑; 恵市 田畑;
摘要 次の式(1)又は(2)(式中、R1及びR2はそれぞれメチル基を示すか、R1とR2が一緒になってメチレン基を形成してもよく、R3は 水 素 原子 又はメトキシ基を示す)で表される化合物を含有する悪性腫瘍治療薬。
权利要求
  • 次の式(1)又は(2)
    (式中、R 及びR はそれぞれメチル基を示すか、R とR が一緒になってメチレン基を形成してもよく、R は水素原子又はメトキシ基を示す)
    で表される化合物を含有する悪性腫瘍治療薬。
  • 次の式(1)又は(2)
    (式中、R 及びR はそれぞれメチル基を示すか、R とR が一緒になってメチレン基を形成してもよく、R は水素原子又はメトキシ基を示す)
    で表される化合物を含有するアポトーシス誘導剤。
  • 次の式(1)又は(2)
    (式中、R 及びR はそれぞれメチル基を示すか、R とR が一緒になってメチレン基を形成してもよく、R は水素原子又はメトキシ基を示す)
    で表される化合物の、悪性腫瘍治療薬製造のための使用。
  • 次の式(1)又は(2)
    (式中、R 及びR はそれぞれメチル基を示すか、R とR が一緒になってメチレン基を形成してもよく、R は水素原子又はメトキシ基を示す)
    で表される化合物の、アポトーシス誘導剤製造のための使用。
  • 次の式(1)又は(2)
    (式中、R 及びR はそれぞれメチル基を示すか、R とR が一緒になってメチレン基を形成してもよく、R は水素原子又はメトキシ基を示す)
    で表される化合物の有効量を投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療方法。
  • 次の式(1)又は(2)
    (式中、R 及びR はそれぞれメチル基を示すか、R とR が一緒になってメチレン基を形成してもよく、R は水素原子又はメトキシ基を示す)
    で表される化合物の有効量を投与することを特徴とするアポトーシス誘導方法。
  • 说明书全文

    本発明は、植物由来の成分を含有する悪性腫瘍治療薬に関する。

    植物中には数多くの生理活性物質が含まれており、植物から医薬品を抽出することは長年行なわれてきている。 植物由来の悪性腫瘍治療薬としては、イチイ科の植物からの抽出物であるタキソール;クロタキカズラ科クサミズキ、タマミズキ科カンレンボクに含まれるアルカロイドであるカンプトテシン;及びキョウチクトウ科ニチニチソウに含まれるインドールアルカロイドであるビンクリスチン、ビンブラスチン等が知られている。

    一方、植物由来の成分であるネオリグナン類の中には、種々の薬効を示す化合物が知られており、細胞傷害活性を示すネオリグナンとしては、パーシールF(Perseal F)及びリカリンA(LicarinA)が知られている(非特許文献1〜2)。
    Thai I. L. ,Chen J. H. ,Duh C. Y. ,Chen I. S. ''Cytotoxic Neolignans and Butanolides from Machilus obovatifolia''Planta Medica 2001;67:559−561 Thai I. L. ,Hsieh C. F. ,Duh C. Y. ,Chen I. S. ''Further study on the chemical constituents and their cytotoxicity from the leaves of Persea obovatifolia''The Chinese Pharmaceutical Journal 1999;51:335−345

    本発明の目的は、植物中から新規な悪性腫瘍治療薬を探索することにある。

    本発明者は、ブラジル産薬用植物であるLicaria puchury−majorの種子を原料として用い、各種溶媒抽出画物についてアポトーシス誘導能及び抗腫瘍活性を指標にスクリーニングしてきたところ、アセトン画分が腫瘍細胞に対する優れたアポトーシス誘導能を有し、その有効成分について検討したところ下記化合物であり、これらの化合物が優れた抗腫瘍活性を有することを見出し、本発明を完成した。

    すなわち、本発明は、次の式(1)又は(2)

    (式中、R 及びR はそれぞれメチル基を示すか、R とR が一緒になってメチレン基を形成してもよく、R 原子又はメトキシ基を示す)
    で表される化合物を含有する悪性腫瘍治療薬及びアポトーシス誘導剤を提供するものである。

    また、本発明は、上記化合物の、悪性腫瘍治療薬及びアポトーシス誘導剤製造のための使用を提供するものである。
    さらに本発明は、上記化合物の有効量を投与することを特徴とする悪性腫瘍の治療方法及びアポトーシス誘導方法を提供するものである。

    本発明の悪性腫瘍治療薬は、優れた抗腫瘍活性を有し、その作用は癌細胞に対するアポトーシス誘導能によるものであると考えられる。 従って、新たな悪性腫瘍治療薬として有用である。

    アセトン画分のフローサイトメトリーによるJurkat細胞に対するアポトーシス誘導能を示す図である。

    化合物(1)のIMR−32に対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(2a)のIMR−32に対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(2b)のIMR−32に対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(2c)のIMR−32に対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(1)のSK−N−SHに対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(2a)のSK−N−SHに対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(2b)のSK−N−SHに対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(2c)のSK−N−SHに対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(1)のNB−39に対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(2a)のNB−39に対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(2b)のNB−39に対する細胞傷害活性を示す図である。

    化合物(2c)のNB−39に対する細胞傷害活性を示す図である。

    本発明の悪性腫瘍治療薬及びアポトーシス誘導剤(以下、悪性腫瘍治療薬等という)は、前記式(1)又は(2)で表される化合物を有効成分とするものである。 ここで、式(2)の化合物の具体例としては、次の式(2a)〜(2c)で表される化合物が挙げられる。

    これらの式(1)及び(2)の化合物は、ブラジル産薬用植物であるLicaria puchury−majorの種子から抽出することにより得ることができる。 Licaria puchury−majorは、現地では赤痢、下痢、失禁、胃病、腰気に煎剤として、また虫毒やリウマチの治療にハップや浴剤として用いられている(ブラジル産薬用植物事典、橋本悟郎著)。

    Licaria puchury−majorの種子から、前記化合物を抽出するには、例えばまず、当該種子を粉砕してエタノール抽出し、その抽出物をn−ヘキサン及び90%メタノールにより分配抽出した時、その90%メタノール抽出画分中に前記化合物が含まれる。 さらに、当該90%メタノール画分を、合成吸着剤に吸着させた後40%メタノール、70%メタノール、100%メタノール及びアセトンで順次溶出すれば、主に100%メタノール画分及びアセトン画分、特にアセトン画分に含まれる。 従って、本発明の悪性腫瘍治療薬等には当該Licaria puchury−majorの前記100%メタノール画分又はアセトン抽出画分を用いてもよい。 さらに精製するには、前記100%メタノール画分又はアセトン画分を、カラムクロマトグラフィーに付せばよい。

    ここで、合成吸着剤としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ブロムスチレン−ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられ、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい。 合成吸着剤の市販品としては、ダイヤイオンHP20、ダイヤイオンHP21、セパビーズSP825、セパビーズSP850等が挙げられる。

    後記実施例から明らかなように、式(1)及び(2)の化合物は、白血病細胞、神経芽腫細胞等に対して優れた細胞傷害活性を有する。 また、その細胞傷害活性はアポトーシス誘導活性に基づくものである。 従って、式(1)又は(2)の化合物、あるいはこれらの化合物を含有するLicaria puchury−major抽出物は、ヒトを含む哺乳動物の悪性腫瘍治療薬として有用である。
    本発明の悪性腫瘍治療薬の対象となる悪性腫瘍には、白血病、リンパ腫などの血液や造血組織の腫瘍及び固形腫瘍が含まれる。 固形腫瘍としては、皮膚癌、癌、大腸癌、胃癌、乳癌、前立腺癌、甲状腺癌などの上皮細胞癌;及び平滑筋肉腫、骨肉腫などの肉腫が挙げられる。

    本発明の医薬は、式(1)又は(2)の化合物、あるいは前記抽出物に、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、被覆剤、乳化剤、懸濁化剤、溶剤、安定化剤、吸収助剤、軟膏基剤等の1以上の薬学的に許容される担体を適宜添加し、常法により経口投与用、注射投与用、直腸内投与用、外用などに適する剤形(医薬組成物)に製剤化することによって得られる。
    経口投与用の製剤としては、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁剤等が;注射投与用の製剤としては、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、点滴注射用の製剤などが;直腸内投与用の製剤としては、坐薬軟カプセル等が好ましい。
    本発明の医薬は上記の如き製剤として、ヒトを含む哺乳動物に投与することができる。
    本発明の医薬は、式(1)又は(2)の化合物として、1日当り約1〜500mg/kgを1〜4回投与するのが好ましい。

    次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。

    実施例1
    Licaria puchury−majorの種子を粉砕して粉砕物2.8kgを得た。 粉砕物を超音波照射下にエタノール(2.5L×3)で抽出した。 ろ過して得られたエタノール抽出物を濃縮し乾燥固形分として276.8gを得た。 次に、このエタノール抽出物をn−ヘキサン及び90%メタノールを用いて分配抽出し、90%メタノール抽出画分を濃縮し乾燥固形分として93.8gを得た。
    90%メタノール抽出物を、ダイヤイオンHP20を充填したカラムに吸着させた。 この吸着物を、40%メタノール(4L)、70%メタノール(4L)、100%メタノール(4L)、次いでアセトン(5L)で順次溶出させた。 アセトン画分6.95gについて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)及び逆相HPLC(水−メタノール)により精製し、化合物(1)31.4mg、(2a)187.8mg、(2b)71.7mg及び(2c)7.5mgをそれぞれ単離した。 これらの化合物の構造決定は、 H−NMR、 13 C−NMR、EIMSにより行なった。 なお、化合物(1)はSN−028として、化合物(2a)はSN−020として、化合物(2b)はSN−017(フェレアリンC)として、化合物(2c)はSN−047(フェレアリンG)として公知の化合物であった。

    実施例2
    実施例1により得られた各種溶媒による抽出画分について、骨髄性白血病細胞であるJurkat細胞に対するアポトーシス誘導能をフローサイトメトリーにより検出した。 すなわち、Jurkat細胞5×10 cells/2mLウェルに、各抽出画分を30μg/mL又は陽性対象としてのカンプトテシンを4×10 −7 Mとなるように加え、37℃、5%CO 条件下で24時間又は48時間インキュベーションした。 細胞をPBSで洗浄した後、アネキシンV−FITC及びヨウ化プロピジウム(PI)を加え、フローサイトメトリーを行なった。 この方法によれば、アポトーシスの初期段階の細胞はアネキシンV−FITCの蛍光のみが観察され、アポトーシスの後期段階の細胞はアネキシンVとPIの両方の蛍光が観察される。
    その結果、第一のエタノール抽出物、及びメタノール抽出画分に高濃度でアポトーシス誘導能が認められた。 また、n−ヘキサン画分にはアポトーシス誘導能は認められなかった。 さらに、合成吸着剤の溶出画分のうち、70%メタノール画分、100%メタノール画分及びアセトン画分に強いアポトーシス誘導能が認められた。 アセトン画分(SN−001)のアポトーシス誘導能の結果を図1に示す。
    図1から明らかなように、アセトン画分(SN−001)は、カンプトテシンに比べて、早期(24時間)から、後期段階へのアポトーシスを誘導した。

    実施例3
    神経芽腫細胞培養株であるIMR−32、SK−N−SH、又はNB−39を用いて、化合物(1)、(2a)、(2b)及び(2c)の抗悪性腫瘍効果をMTT法により検討した。
    すなわち、各細胞を96穴プレートに1×10 cells/ウェルとなるように播き、その24時間後に各薬物を添加した。 37℃、5%CO 条件下で48時間インキュベートした。 これにMTT溶液を加え、その3時間後に生成したブルーホルマザンをピペッティングによりほぐし、570nm(top)、655nm(bottom)で吸光度を測定し、対照群に対する細胞生存率を求めた。 この方法によれば、細胞が生存していた場合のみにミトコンドリアの活性によりブルーホルマザンの生成が観察される。

    得られた結果を図2〜図13に示す。 図2から図13から明らかなように、化合物(1)(SN−028)、(2a)(SN−020)、(2b)(SN−017)及び(2c)(SN−047)は、いずれも神経芽腫細胞に対して強い細胞傷害活性を示した。

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