二日酔い予防又は治療用組成物 |
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申请号 | JP2014086144 | 申请日 | 2014-04-18 | 公开(公告)号 | JP6027573B2 | 公开(公告)日 | 2016-11-16 |
申请人 | シージェイ チェイルジェダン コーポレーション; CJ CHEILJEDANG CORPORATION; | 发明人 | パク,セ ヒ; ムン,ビョン ソク; パク,ソク チュン; ソ,ヨン キ; ソン,クン ソク; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | ゲッケイジュ(Laurus nobilis)葉抽出物、オオガタホウケン(Opuntia ficus indica)抽出物、およびイザヨイバラ(Rosa roxburghii)抽出物を有効成分として含み、ゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物、イザヨイバラ抽出物の重量比が0.25〜1:0.5〜2:0.5〜2である、二日酔い予防又は治療用組成物。キバナオウギ抽出物、ハスの実抽出物、ケンポナシの実抽出物又はそれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載の二日酔い予防又は治療用組成物。前記組成物は、液剤、懸濁剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤又はエキス剤の形態である、請求項1または2に記載の二日酔い予防又は治療用組成物。ゲッケイジュ(Laurus nobilis)葉抽出物、オオガタホウケン(Opuntia ficus indica)抽出物、およびイザヨイバラ(Rosa roxburghii)抽出物を有効成分として含み、ゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物、イザヨイバラ抽出物の重量比が0.25〜1:0.5〜2:0.5〜2である、二日酔い予防又は改善用食品組成物。前記組成物は、ゼリー又は飲料の形態である、請求項4に記載の二日酔い予防又は改善用食品組成物。(a)乾燥したゲッケイジュ(Laurus nobilis)葉試料の重量の1〜100倍(v/w)の水、炭素数1〜6のアルコール、又はそれらの混合溶媒を加え、25℃〜120℃にて1時間〜8時間抽出する工程と、 (b)前記工程(a)で抽出した抽出液を濾過及び減圧濃縮してゲッケイジュ葉濃縮抽出物を製造する工程と、 (c)オオガタホウケン(Opuntia ficus indica) 濃縮抽出物を、工程(b)で得られた前記ゲッケイジュ葉濃縮抽出物に混合する工程と、 (d)イザヨイバラ(Rosa roxburghii) 濃縮抽出物を、工程(c)で得られた、前記ゲッケイジュ葉濃縮抽出物と前記オオガタホウケン濃縮抽出物の混合物に混合する工程と、 を含む、請求項1の組成物を製造する方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、ゲッケイジュ(月桂樹、Laurus nobilis)葉抽出物を有効成分として含む組成物に関し、具体的には、ゲッケイジュ葉抽出物を含む二日酔いの予防又は治療用組成物、ゲッケイジュ葉抽出物を含む二日酔いの予防又は改善用食品組成物、及び当該組成物の製造方法に関する。 アルコールは、8千年余り前から人類歴史において重要な位置を占めてきたが、1800年代に入って衛生環境と浄水方法が改善されるにつれ、食品としての価値が低下し、現在では社会的享楽のために高濃度の酒を多く消費するようになった。2005年には韓国の国民1人当たり焼酎を年間97本(アルコール8.11リットル)消費しており、これは先進化にもかかわらず毎年増加する傾向にある。 少量のアルコールは他の鎮静睡眠薬のように不安感を減少させ、安らぎを与えるが、一般に地球上で最も多く乱用される薬物であり、莫大な医療費用と社会的費用がかかるという問題がある。韓国の飲酒による社会的・経済的損失費用は既に20兆ウォンを越えているものと推定され、このような費用は国内総生産(GDP)の3%を超えるものと推定されている。 現代人は様々なストレスにさらされており、ストレス強度は次第に高まってきている。このようなストレスを解消するために、運動、睡眠、喫煙、旅行などそれぞれ異なった方法が活用されているが、飲酒(アルコール摂取)によりストレスの軽減を図ることが最も一般的な方法となっている。 特に、社会が複雑化し、組織化されるほど飲酒の機会が増し、それに伴って暴飲、深酒なども増加するようになり、それにより翌日の正常な生活に支障をきたすことが多く、長期間にわたる飲酒の習慣により、ついには健康を害することも多い。 二日酔いとは、飲酒後に現れる身体的、精神的不快感を総称するものであり、客観的な症状としては、頭痛、吐き気、嘔吐、眠気、運動能力低下、血液学的変化、ホルモンの変化などの現象をいう。二日酔いの原因は正確に解明されていないが、アルコール代謝過程で生じる代謝産物によるものであると報告されている。 体内に流入したエチルアルコール(エタノール)は、胃腸又は小腸で吸収されて血管内に入り、肝臓に運ばれる。アルコールは肝細胞に存在するアルコール脱水素酵素(ADH)によりアセトアルデヒドに酸化され、前記アセトアルデヒドは肝細胞に存在するアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により酢酸に分解されて全身の筋肉や脂肪組織に運ばれ、最終的には炭酸ガスと水に分解される。また、前記アセトアルデヒド脱水素酵素には、アセトアルデヒドが低濃度であっても酸化を開始するII型と、アセトアルデヒドが高農度にならないと作用しないI型とがあるが、東洋人は一般にII型アセトアルデヒド酵素が欠乏又は不足しているので、アセトアルデヒドの酸化が西洋人に比べて遅い。酸化されていないアセトアルデヒド及び/又はエタノールは正常な新陳代謝を妨害し、様々な二日酔い現象を引き起こす。 韓国の飲酒文化に関する社会的背景から、二日酔いを解消するための製品に対する消費者のニーズが高まっており、二日酔い軽減のために様々な研究がなされ、実際に様々な製品が市販されている。 しかし、ほとんどの製品は実際に製造された最終完成品の効能について客観的検証が十分に行われていないので、実際に二日酔い解消飲料を必要とする消費者からの信頼度は全般的に高くないのが実情である。よって、二日酔い解消効能の検証を通じて、実際に消費者が製品を飲用して効果を実感することにより消費者の信頼を得るだけでなく、実際に飲みすぎによる社会的な損失を減らし、さらに個人の健康な生活にも役立つ製品の開発が切実に求められている。 こうした背景の下、本発明者らは二日酔い解消に効果的な飲料を提供すべく鋭意努力した結果、ゲッケイジュ葉抽出物を含む組成物が血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度を急速に減少させることを確認し、また動物行動実験における二日酔いの後遺症を減少させる二日酔い解消効果を確認することにより、本発明を完成した。 本発明の目的は、ゲッケイジュ葉抽出物を有効成分として含む、二日酔い予防又は治療用組成物を提供することにある。 また、本発明の他の目的は、ゲッケイジュ葉抽出物を有効成分として含む、二日酔い予防又は解消用飲料を提供することにある。 さらに、本発明の他の目的は、本発明のゲッケイジュ葉抽出物及び組成物を製造する方法を提供することにある。 前記目的を達成するための本発明の一態様は、ゲッケイジュ葉抽出物を有効成分として含む、二日酔い予防又は治療用組成物を提供する。 本発明の組成物は、好ましくは、オオガタホウケン(大型宝剣、Opuntia ficus indica)抽出物をさらに含むゲッケイジュ葉抽出物及びオオガタホウケン抽出物を含む組成物であってもよく、また、より好ましくは、イザヨイバラ(十六夜薔薇、Rosa roxburghii)抽出物をさらに含むゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物及びイザヨイバラ抽出物を含む組成物であってもよい。最も好ましくは、ゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物、イザヨイバラ抽出物、キバナオウギ抽出物及びハス実抽出物を含む組成物であってもよい。 本発明者らは二日酔いに効能のある物質を見出すために、様々な物質を対象に血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度低下効果に関する研究を行ってきた。その結果、本発明者らは、従来のイザヨイバラ抽出物の混合物にオオガタホウケン抽出物及びゲッケイジュ葉抽出物を加えると、血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度を下げる卓越した効果があることを見出した。二日酔いの原因物質であるアルコール及びアセトアルデヒドの濃度を下げる効果が明らかにされたこれらの混合物は、二日酔い予防又は治療のための食品や医薬品として用いることができる。 本発明における「ゲッケイジュ(Laurus nobilis)」とは、クスノキ目クスノキ科の常緑高木であり、ゲッケイジュ葉は利尿作用を助け、消化を促進し、抗癌作用を有することが知られている。一般にゲッケイジュ葉の生葉や乾燥葉は各種料理に香料として用いられる。一方、ゲッケイジュ葉から得られるオイルを用いて抗菌剤、農業用殺菌剤などを作ることができ、実から得られるオイルは打撲傷や捻挫に効果があることが知られている。このようなゲッケイジュ葉が二日酔い解消に効果があるという事実は知られておらず、この用途は本発明者らにより初めて明らかにされたものである。本発明の一実施態様においては、ゲッケイジュ葉を用いてゲッケイジュ葉抽出物を製造して用いた。 本発明における「オオガタホウケン(Opuntia ficus indica)」とは、済州島に自生するウチワサボテンの実であり、食物繊維、カルシウム、鉄分などの無機質成分が豊富なことが知られている。オオガタホウケンは、解熱鎮静、気管支喘息、消化不良、胃痙攣、便泌、胸痛症、血液循環不良などに用いられ、多量のビタミンCを含有しており、最近ではポリフェノール成分を多量に含有することから高血圧抑制効果、癌発生抑制効果、老化抑制効果などがあることが知られている。 本発明における「イザヨイバラ(Rosa roxburghii)」とは、バラ科に属する植物であり、スイートチェストナットローズ(sweet chestnut rose)とも呼ばれており、東アジア、中国、ヒマラヤなどに分布し、実と種を食用とする。ビタミンなどが豊富に含まれており、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性が高く、抗酸化作用を有することが知られている。 本発明における「キバナオウギ(Engelhardtia chrysolepis HANCE)」とは、クルミ科に属する植物であり、一般にタイワンエンゲルハード(Taiwan Engelhardtia)と呼ばれる。漢方で多く用いられる薬であり、中枢神経系統の興奮作用や利尿作用も高く、腎臓炎の発生を抑制し、タンパク尿やコレステロール血症の発生も遅らせ、血圧降下作用も認められている。 本発明における「ハスの実」とは、ハス(Nelumbo nucifera)の種子であり、種皮をはがして乾燥させた薬剤を意味する。ハス実は毒性がないだけでなく、滋養強壮、不眠症、長期間の下痢、食欲促進に効果があることが知られている。 本発明における「抽出物」は、水、炭素数1〜6のアルコール、好ましくは炭素数1〜4のアルコール、又はそれらの混合溶媒を用い、前記各植物の粉砕物から抽出して製造することができ、好ましくは25℃〜120℃にて1時間〜8時間の冷浸抽出、熱水抽出、超音波抽出、還流冷却抽出、超高圧抽出又は加熱抽出法で抽出することができるが、二日酔い予防又は治療効果を有する物質を抽出する方法であれば、その種類が特に限定されるものではない。前記抽出過程を経た水が濾過、減圧濃縮及び乾燥過程を順次経て本発明の抽出物として製造されるが、特にこれに限定されるものではなく、抽出液、抽出液の希釈液又は濃縮液、抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はそれらの粗精製物又は精製物が全て含まれる。また、前記抽出物は、天然、雑種、変種植物の様々な器官から抽出される。 本発明において、ゲッケイジュ葉、オオガタホウケン、イザヨイバラ、キバナオウギ、ケンポナシの実の及びハスの実(ロータス)の抽出物としては、単独又は混合した生薬を水、エタノール、メタノール又はそれらの混合溶媒により抽出し、その後噴霧乾燥した粉末抽出物を用いることができるが、これらの抽出方法に限定されるものではない。 二日酔い解消に効果のある前記二日酔い予防又は治療用組成物は、ゲッケイジュ葉抽出物とオオガタホウケン抽出物とイザヨイバラ抽出物が0.25〜1:0.5〜2:0.5〜2の重量比で含まれると、より効果的な二日酔い予防及び治療効果を有することができる。 本発明における「二日酔い」とは、飲酒後に現れる身体的、精神的不快感を総称するものであり、客観的な症状としては、頭痛、吐き気、嘔吐、眠気、運動能力低下、血液学的変化、ホルモンの変化などの現象をいう。二日酔いの原因はまだ正確に解明されていないが、一般にはアルコール代謝過程で生じる代謝産物であるアセトアルデヒドと関連が高いということが知られている。すなわち、一般に二日酔いは、体内に残存するアセトアルデヒド濃度が高い場合に現れることが知られている。 本発明における「予防」とは、本発明による組成物を含む二日酔い予防又は治療用薬学的組成物の投与により二日酔いの発生を阻害又は遅延させるあらゆる行為を意味する。本発明における「治療」又は「改善」とは、本発明による組成物を含む二日酔い予防又は治療用薬学的組成物、若しくは二日酔い予防又は改善用食品組成物の投与により、二日酔いの症状を好転させたり、好適に変更させるあらゆる行為を意味する。 本発明の二日酔い予防又は治療用組成物は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、無菌水溶液、非水性の溶剤、凍結乾燥剤及び坐剤からなる群から選択されるいずれかの形態を有し、経口又は非経口の様々な形態であってもよい。製剤化する場合は、通常用いる充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤又は賦形剤を用いて調製される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、これらの固形製剤は、少なくとも1つの化合物に少なくとも1つの賦形剤、例えばデンプン、炭酸カルシウム、スクロース又はラクトース、ゼラチンなどを混合して調製される。また、通常の賦形剤以外に、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどのような潤滑剤も用いられる。経口用液体製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが挙げられ、通常用いられる通常の希釈剤である水、液体パラフィン以外にも種々の賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが用いられる。非経口用製剤としては、無菌水溶液、非水性の溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤、坐剤が挙げられる。非水性の溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物性油、オレイン酸エチルなどの注射可能なエステルなどが用いられる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどが用いられる。 本発明の組成物は、薬学的に有効な量で投与することができる。 本発明における「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用できる合理的な利益/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量レベルは、個体の種類及び重症度、年齢、性別、疾病の種類、薬物の活性、薬物に対する反応性、投与時間、投与経路及び排出率、治療期間、同時に用いられる薬物を含む要素、並びにその他医学分野で公知の要素により決定される。本発明の組成物は、単独で又は他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療剤と順次又は同時に投与することができる。また、単一又は多重投与することができる。前記要素を全て考慮して副作用なく最小限の量で最大限の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは当業者により容易に決定され得る。しかし、好ましい効果を得るために、本発明の薬学組成物は、1日0.001〜100μg/kg、より好ましくは0.01〜100μg/kgの範囲で非経口又は経口投与するとよい。投与は1日に1回投与することもでき、数回に分けて投与することもできる。前記投与量は、いかなる面においても本発明の範囲を限定するものではない。前記組成物は、マウス、家畜、ヒトなどの様々な哺乳動物に様々な経路で投与することができ、投与の方式は当業界の通常の方法であれば限定されるものではなく、例えば経口、直腸又は静脈、筋肉、皮下、子宮内、硬膜又は脳室内注射により投与することができる。 本発明の二日酔い予防又は治療用組成物は、前記主要成分以外にも二日酔い解消効果をより増大させるのための補組成分として、キバナオウギ抽出物、ハス実抽出物、ケンポナシの実抽出物又はそれらの混合物をさらに含んでもよい。また、好ましくは、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテンのようなビタミン、Ca、Mg又はZnなどのミネラル成分、レシチンなどのリン脂質、アラニン又はタウリンなどのアミノ酸、リンゴ酸、クエン酸、白砂糖、液状果糖、オリゴ糖、レイシ(霊芝) 又はそれらの混合物をさらに含んでもよい。 本発明の他の態様は、二日酔い症状が現れた個体又は現れる恐れのある個体に前記組成物を投与する工程を含む、二日酔い予防又は治療方法を提供する。 前記組成物及び二日酔いについては前述した通りである。 具体的には、本発明の治療方法は、前記組成物を薬学的に有効な量で二日酔い症状が現れた個体又は現れる恐れのある個体内に投与する工程を含む。前記個体とは、イヌ、ウシ、ウマ、ウサギ、マウス、ラット、ニワトリ又はヒトを含む哺乳類全体を意味するが、前記例により本発明の哺乳類が限定されるものではない。前記組成物は、非経口、皮下、腹腔内、肺内及び鼻腔内に投与することができ、局部的治療のためには、必要であれば病変内投与を含む好ましい方法により投与することができる。本発明の前記組成物の好ましい投与量は、個体の状態及び体重、疾病の程度、薬物形態、投与経路及び期間によって異なるが、当業者により適宜選択され得る。 本発明の他の態様は、ゲッケイジュ葉抽出物を有効成分として含む、二日酔い予防又は改善用食品組成物を提供する。 本発明の組成物は、好ましくは、オオガタホウケン(Opuntia ficus indica)抽出物をさらに含むゲッケイジュ葉抽出物及びオオガタホウケン抽出物を含む組成物であってもよく、また、より好ましくは、イザヨイバラ(Rosa roxburghii)抽出物をさらに含むゲッケイジュ葉抽出物であってもよい。オオガタホウケン抽出物及びイザヨイバラ抽出物を含む組成物であることがより好ましい。最も好ましくは、ゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物、イザヨイバラ抽出物、キバナオウギ抽出物及びハス実(ロータス)抽出物を含む組成物であってもよい。 前記ゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物、イザヨイバラ抽出物及び二日酔いについては前述した通りである。 具体的には、本発明の抽出物は、二日酔い予防又は改善を目的に食品組成物に添加することができる。 本発明のゲッケイジュ葉抽出物を食品添加物として用いる場合、前記抽出物又はその分画物をそのまま添加するか、他の食品又は成分と共に用いることができ、通常の方法により適切に用いることができる。有効成分の混合量は使用目的により適宜決定することができる。 また、本発明の食品の種類は特に限定されるものではない。前記ゲッケイジュ葉抽出物を添加することのできる食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディー類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類をはじめとする酪農製品、各種スープ、清涼飲料水、茶、ドリンク剤、アルコール飲料、及びビタミン複合剤などがあり、通常の意味における食品が全て含まれ、動物用の飼料として用いられる食品が含まれる。 前記以外に、本発明の食品組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含有してもよい。その他に、天然果物ジュース、果物飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含有してもよい。また、前記食品は、公知の製造方法により、錠剤、顆粒、散剤、カプセル剤、液状溶液、丸剤などの剤形に製造することもできる。本発明によるゲッケイジュ葉抽出物を有効成分として含むこと以外は、他の成分は特に限定されず、通常の様々な香味剤又は天然炭水化物などを追加成分として含んでもよい。 本発明のさらに他の態様は、前記ゲッケイジュ葉抽出物及びそれを含む組成物の製造方法を提供する。 前記ゲッケイジュ及びゲッケイジュ葉抽出物については前述した通りである。 具体的には、前記製造方法は、(a) 乾燥したゲッケイジュ葉試料の1〜100倍(v/w)の重量の水、炭素数1〜6のアルコール、又はそれらの混合溶媒を加えて25℃〜120℃にて1時間〜8時間抽出する工程と、(b) 前記工程(a)で抽出した抽出液を濾過及び減圧濃縮してゲッケイジュ葉濃縮抽出物を製造する工程とを含む。 前記工程(a)は、抽出溶媒を用いてゲッケイジュ葉から抽出する工程であり、ゲッケイジュ葉粉砕物を水、炭素数1〜6のアルコール、好ましくは炭素数1〜4のアルコール、又はそれらの混合溶媒を用いて抽出する工程である。前記抽出は、好ましくは、25℃〜120℃にて1時間〜8時間の冷浸抽出、熱水抽出、超音波抽出、還流冷却抽出、超高圧抽出又は加熱抽出法で抽出できるが、二日酔い予防又は解消の効果を有する抽出物を製造する方法であれば特にその種類が限定されるものではない。 前記工程(b)は、工程(a)で抽出した抽出液を濾過及び減圧濃縮してゲッケイジュ葉濃縮抽出物を製造する工程である。 前記工程を含む製造方法により、本発明のゲッケイジュ葉抽出物及びそれを含む組成物を製造することができる。 好ましくは、前記工程(b)のゲッケイジュ葉濃縮抽出物にオオガタホウケン(Opuntia ficus indica)濃縮抽出物を混合する工程をさらに含むことができ、より好ましくは、前記工程(b)のゲッケイジュ葉濃縮抽出物及びオオガタホウケン濃縮抽出物混合液にイザヨイバラ(Rosa roxburghii)濃縮抽出物を混合する工程をさらに含むことができる。 本発明による組成物は、ゲッケイジュ葉抽出物を含有することにより、著しく優れた血中アルコール濃度及びアセトアルデヒド濃度減少効果を有することを確認し、これらの二日酔い予防及び治療効果が行動学的にも確認されたので、二日酔い予防及び治療に効果的に用いることのできる食品、医薬品又は健康機能食品として広く用いることができる。 対照群(ゲッケイジュ葉抽出物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(ゲッケイジュ葉抽出物投与群)の処理後にアルコール処理した動物内の(A)血中アルコール濃度及び(B)血中アセトアルデヒド濃度を測定した図である(Mean±SEM,n=8/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.001)。 対照群(ゲッケイジュ葉抽出物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(ゲッケイジュ葉抽出物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を行動観察箱に入れ、(A)総移動距離(Total movement distance)、(B)総移動時間(Total movement duration)を評価して一般運動活性を測定した図である(Mean±SEM,n=8/対照群比###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001)。対照群はEtOH非投与群である正常ラットである。 対照群(ゲッケイジュ葉抽出物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(ゲッケイジュ葉抽出物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を器具に乗せ、その後RPM調整可能な回し車実験装置を用いて5分間(A)落下するまでの時間(Latency time)、(B)落下回数(Falling frequency)を測定することにより、ロータロッド上の運動活性を測定した図である(Mean±SEM,n=8/対照群比###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001)。 対照群(ゲッケイジュ葉抽出物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(ゲッケイジュ葉抽出物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を器具に乗せ、その後2分間(A)落下するまでの時間、(B)落下回数を測定することにより、ワイヤー上の運動活性を測定した図である(Mean±SEM,n=8/対照群比###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001)。 対照群(ゲッケイジュ葉抽出物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(ゲッケイジュ葉抽出物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を冷浴槽に入れ、水泳をあきらめるまでの時間を測定することにより、冷水中での水泳能力を測定した図である(Mean±SEM,n=10/EtOH投与群比*p<0.05)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物内の血中アルコール濃度を測定した図である(Mean±SEM,n=10/対照群比#p<0.05,###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.001)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を行動観察箱に入れ、(A)総移動距離、(B)総移動時間を評価して一般運動活性を測定した図である(Mean±SEM,n=10/対照群比#p<0.05,###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を器具に乗せ、その後RPM調整可能な回し車実験装置を用いて5分間(A)最初に落下するまでの時間(First latency time)、(B)落下回数、及び(C)落下するまでの平均時間(Mean latency time)を測定することにより、ロータロッド上の運動活性を測定した図である(Mean±SEM,n=10/対照群比##p<0.01,###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を器具に乗せ、その後2分間(A)最初に落下するまでの時間、(B)落下回数、及び(C)落下するまでの平均時間を測定することにより、ワイヤー上の運動活性を測定した図である(Mean±SEM,n=10/対照群比##p<0.01,###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)及び実験群(組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を冷浴槽に入れ、水泳をあきらめるまでの時間を測定することにより、冷水中での水泳能力を測定した図である(Mean±SEM,n=10/対照群比#p<0.05,###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)、実験群(実験組成物投与群)及び比較群(比較組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物内の(A)血中アルコール濃度及び(B)血中アセトアルデヒド濃度を測定した図である(Mean±SEM,n=10.*p<0.05)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)、実験群(実験組成物投与群)低用量(50%)、高用量(100%)及び比較群(比較組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を行動観察箱に入れ、(A)総移動距離、(B)総移動時間を評価して一般運動活性を測定した図である(Mean±SEM,n=10/対照群比#p<0.05,##p<0.01,###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)、実験群(実験組成物投与群)低用量(50%)、高用量(100%)及び比較群(比較組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を器具に乗せ、その後RPM調整可能な回し車実験装置を用いて(A)最初に落下するまでの時間、(B)落下回数、及び(C)落下するまでの平均時間を測定することにより、ロータロッド上の運動活性を測定した図である(Mean±SEM,n=10/対照群比##p<0.01,###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)、実験群(実験組成物投与群)低用量(50%)、高用量(100%)及び比較群(比較組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を器具に乗せ、その後(A)最初に落下するまでの時間、(B)落下回数、及び(C)落下するまでの平均時間を測定することにより、ワイヤー上の運動活性を測定した図である(Mean±SEM,n=10/対照群比##p<0.01,###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001)。 対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)、実験群(実験組成物投与群)低用量(50%)、高用量(100%)及び比較群(比較組成物投与群)の処理後にアルコール処理した動物を冷浴槽に入れ、水泳をあきらめるまでの時間を測定することにより、冷水中での水泳能力を測定した図である(Mean±SEM,n=10/対照群比###p<0.001/EtOH投与群比*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001)。
以下、実施例を挙げて本発明の構成及び効果をより詳細に説明する。これらの実施例はあくまで本発明を例示するためのものにすぎず、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1:ゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物及びイザヨイバラ抽出物の製造 1−1.ゲッケイジュ葉抽出物の製造 ゲッケイジュ葉200gを粉砕して95℃の熱水2Lを加え、攪拌して抽出した。抽出液を濾過紙で濾過し、その後上清を取った。次に減圧濃縮して濃縮液を得た。これを噴霧乾燥方法で粉末化してゲッケイジュ葉抽出物を得た。 1−2.オオガタホウケン抽出物の製造 オオガタホウケン実200gを粉砕して80℃の80%エタノール2Lを加え、6時間攪拌して抽出した。抽出液を濾過紙で濾過し、その後上清を取った。次にこれを50℃の温度で減圧濃縮して固形分50%の濃縮液を得た。 1−3.イザヨイバラ抽出物の製造 イザヨイバラ実200gに95℃の熱水2Lを加え、2時間攪拌して抽出した。抽出液を濾過紙で濾過し、その後これを12時間静置して上清を取った。次に減圧濃縮して固形分50%の濃縮液を得た。これを噴霧乾燥方法で粉末化してイザヨイバラ抽出物を得た。 実施例2:二日酔い予防及び治療用組成物の製造 実施例1で得られたゲッケイジュ葉抽出物を含む実施組成物を製造した。具体的には、ゲッケイジュ葉抽出物50mg、オオガタホウケン抽出物100mg、イザヨイバラ抽出物100mg、キバナオウギ抽出物30mg、ハス実(ロータス)抽出物20mg、ケンポナシの実抽出濃縮液130mg、タウリン340mg、アラニン34mg、ニコチンアミド9mg、BCAA34mg、ビタミンC84mg、ビタミンB1塩酸塩0.83mg、白砂糖420mg、液状果糖2,000mgを10mLの蒸留水に加えて実施組成物を製造した。 また、比較群として、ゲッケイジュ葉抽出物及びオオガタホウケン抽出物を除く他の原料を前記実施組成物と同じ重量比で含む比較組成物を製造した。 このように製造された実施組成物及び比較組成物を用いて二日酔いに関する動物実験(実験例3)を行った。 実施例3:二日酔い予防又は治療用飲料の製造 実施例2に基づいて二日酔い予防又は治療用飲料を製造した。ラット投与用量を人体投与用量(成人60kg/day)に換算して飲料を製造した。具体的には、精製水を含む1L(1000g)の混合物を基準として、ゲッケイジュ葉抽出物3g(0.3重量%)、オオガタホウケン抽出物6g(0.6重量%)、イザヨイバラ抽出物6g(0.6重量%)、キバナオウギ抽出物1.8g(0.18重量%)、ハスの実(ロータス)抽出物1.2g(0.12重量%)、ケンポナシの実抽出濃縮液7.8g(0.78重量%)、タウリン20g(2重量%)、アラニン1g(0.1重量%)、ニコチンアミド0.53g(0.053重量%)、BCAA2g(0.2重量%)、ビタミンC5g(0.5重量%)、ビタミンB1塩酸塩0.05g(0.005重量%)、白砂糖25g(2.5重量%)、液状果糖120g(12重量%)、DL−リンゴ酸1.6g(0.16重量%)、クエン酸3g(0.3重量%)、クエン酸ナトリウム0.4g(0.04重量%)及び香料(ミックスフルーツの香り,蜂蜜の香り)17g(0.17重量%)を加え、飲用に適するように精製水を加えて1Lとする。全ての組成物が完全に溶解するまで攪拌し、その後高温短時間殺菌(HTST)処理を施して残存微生物を殺菌してから容器に注入する。容器注入後に品温が80℃以上となるように後殺菌を行い、その後冷却してラベリング、包装することにより二日酔い解消用飲料(ドリンク)を製造した。 実験例1.ゲッケイジュ葉抽出物の各用量における二日酔い予防又は治療効果の検証 ゲッケイジュ葉抽出物単独の二日酔い予防及び治療効果を検証するために、各用量(25mg/kg,50mg/kg,100mg/kg)に分けて実験を行った。 1−1.血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度の測定 7週齢のSDラットを1週間安静にし、その後ゲッケイジュ葉抽出物25、50、100mg/kgの各用量で実験群に投与し、各時間における血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度を測定した。具体的には、絶食させたラットを対照群(ゲッケイジュ葉抽出物非投与群;EtOH投与群)と実験群(ゲッケイジュ葉抽出物投与群)に分け、ゲッケイジュ葉抽出物25、50、100mgをそれぞれ1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して実験群ラットに経口投与した。投与30分後に対照群及び実験群ラットの体重を基に4g/kgの量で25%エタノールを経口投与し、その1時間、2時間、4時間及び8時間後に心臓採血により1.5mlの血液を採取した。採取した血液はヘッドSペース−GC/MS(パーキンエルマー, clarus 600T)で血中アルコール濃度及びアセトアルデヒド濃度を分析した。 図1から分かるように、ゲッケイジュ葉抽出物25、50、100mg/kgを投与した実験群の全てにおいて、対照群(ゲッケイジュ葉抽出物非投与群)に比べて、血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度が有意に減少することが確認された。これにより、ゲッケイジュ葉抽出物が血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度を低下させる効果を有することが分かった。 1−2.行動学的評価 血液学的分析以外の評価方法でアルコールによる二日酔い症状である運動失調、運動機能低下、運動時の集中力低下、鎮静、筋肉弛緩、体温調節能力低下などの行動学的評価を行った。 1−2−1.一般運動活性の測定 エソビジョンシステム(EthoVision system)(ノルダス社、オランダ)のような行動観察装置及びプログラムセットを用いて、開放型の行動観察箱において自由に移動できる状況で所定時間の移動距離、移動時間、移動角度、移動経路などを調べて全ての行動評価の基本資料として活用されるモデルである。本試験のデータを運動機能失調、鎮静、興奮、衝動性増加などの評価に活用した。 試験前日に行動観察装置に1回(10分間)以上馴化させ、実験例1−1と同様に、ゲッケイジュ葉抽出物25、50、100mgをそれぞれ蒸留水1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して実験群ラットに経口投与し、投与30分後に対照群及び実験群ラットの体重を基に4g/kgの量で25%エタノールを経口投与し、その1時間、2時間、4時間及び8時間後に試験ボックスの中央にラットを置いて2分間安静にし、その後5分間の行動様相の観察及び分析を行って、総移動距離、総移動時間を評価した。 図2から分かるように、アルコール投与1時間後から一般運動活性が有意に減少した。実験群(ゲッケイジュ葉抽出物投与群)は、対照群(ゲッケイジュ葉抽出物非投与群)に比べて、総移動距離(Distance Moved; cm)及び総移動時間(Movement duration; sec.)が有意に回復することが確認された。さらに、実験群は、時間が経過するほど、対照群に比べて、ゲッケイジュ葉抽出物及びエタノールを投与しない正常群(対照群)に近づくことが分かった。 1−2−2.ロータロッド上の運動活性の測定 RPM調整可能な回し車試験装置を用いて、試験動物を器具に乗せ、その後最初に落下するまでの時間、落下回数、及び落下するまでの平均時間を測定することにより、鎮静、運動機能失調、運動時の集中力、運動持続能力の評価に活用した。 動物を1週間安静にし、試験2日前に5分間のトレーニングを2回行い、試験1日前にトレーニングを1回行った。実験例1−1と同様に、ゲッケイジュ葉抽出物25、50、100mgをそれぞれ蒸留水1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して実験群ラットに経口投与し、投与30分後に対照群及び実験群ラットの体重を基に4g/kgの量で25%エタノールを経口投与し、その1時間、2時間、4時間及び8時間後に器具に動物を乗せ、その後5分間(A)落下するまでの平均時間と(B)落下回数を測定した[落下するまでの平均時間=300(s)/落下回数+1]。 図3から分かるように、アルコールを投与すると落下するまでの時間は短くなり、落下回数は増加した。実験群は、対照群に比べて、アルコール投与により減少した運動活性が増加する傾向を示し、アルコール投与2時間後から運動活性に有意差が認められた。 1−2−3.ワイヤー上の運動活性の測定 動物が綱を渡る能力を試験するものであり、運動機能失調、運動持続能力、運動時の集中力、鎮静、筋肉弛緩などの評価に活用されるモデルであり、前述した2つの試験結果を裏付ける資料となる。本試験のデータを運動機能失調、鎮静、運動時の集中力などの評価に活用した。 動物を1週間安静にし、試験前の2日間、装置でトレーニングを2回(全3分;1回目1分,2回目2分)行った。実験例1−1と同様に、ゲッケイジュ葉抽出物25、50、100mgをそれぞれ蒸留水1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して実験群ラットに経口投与し、投与30分後に対照群及び実験群ラットの体重を基に4g/kgの量で25%エタノールを経口投与し、その1時間、2時間、4時間及び8時間後に器具に動物を乗せ、その後2分間(A)落下するまでの平均時間と(B)落下回数を測定した[落下するまでの平均時間=120(s)/落下回数+1]。 図4から分かるように、アルコールを投与すると落下するまでの時間は短くなり、落下回数は増加した。実験群は、対照群に比べて、アルコール投与により減少した運動活性が増加する傾向を示し、アルコール投与4時間後から運動活性に有意差が認められた。 1−2−4.冷水中での水泳能力試験 動物が冷水中で耐える能力を試験するものであり、ストレスに対する抵抗能力、運動持続能力、体温調節能力の評価に活用されるモデルである。 二日酔いになると、体温調節能力の減退により冷水(8±2℃)における水泳持続能力が減少するので、実験例1−1と同様に、ゲッケイジュ葉抽出物25、50、100mgをそれぞれ蒸留水1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して実験群ラットに経口投与し、投与30分後に対照群及び実験群ラットの体重を基に4g/kgの量で25%エタノールを経口投与し、その1時間、2時間、4時間及び8時間後に冷浴槽に入れ、水泳をあきらめるまでの時間(最大10分)を測定した。 図5から分かるように、アルコールを投与すると体温調節能力と運動活性が低下し、冷水中での水泳能力が有意に減少した。実験群は、対照群に比べて、冷水中での水泳能力回復効果が有意に認められ、用量依存的な効果が認められた。 実験例2.ゲッケイジュ葉抽出物の最適組成比における二日酔い予防又は治療効果の検証 ゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物及びイザヨイバラ抽出物の混合組成物の最適組成比を確認するために実験を行った。ゲッケイジュ葉抽出物の用量は、実験例1の結果に基づいて次のように設定して実験を行った。組成物Aの場合は、ゲッケイジュ葉抽出物100mg、オオガタホウケン抽出物100mg、イザヨイバラ抽出物100mg、組成物Bの場合は、ゲッケイジュ葉抽出物100mg、オオガタホウケン抽出物100mg、イザヨイバラ抽出物50mg、組成物Cの場合は、ゲッケイジュ葉抽出物50mg、オオガタホウケン抽出物100mg、イザヨイバラ抽出物100mg、組成物Dの場合は、ゲッケイジュ葉抽出物100mg、オオガタホウケン抽出物200mg、イザヨイバラ抽出物100mgとなるように準備した。これを整理すると表1の通りである。 抽出物の混合組成物の組成比
2−1.血中アルコール濃度の測定 7週齢のSDラットを1週間安静にし、その後安静にしたラットを対照群(組成物非投与群;EtOH投与群)と実験群(組成物投与群)に分け、実験群ラットに組成物A〜Dを投与し、対照群及び実験群ラットの各時間における血中アルコール濃度を測定した。具体的には、実験例1−1と同様に、ラットを実験群A、B、C、Dに分け、組成物A、B、C、Dをそれぞれ蒸留水1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して経口投与し、投与30分後にエタノールを経口投与し、その30分、1時間、2時間、4時間及び8時間後に血液を採取して血中アルコール濃度を分析した。 図6から分かるように、全ての実験群は、対照群に比べて、アルコール投与30分後から血中アルコール濃度が低くなり始め、アルコール投与1時間後から有意差が認められた。 2−2.行動学的評価 血液学的分析以外の評価方法でアルコールによる二日酔い症状である運動失調、運動機能低下、運動時の集中力低下、鎮静、筋肉弛緩、体温調節能力低下などの行動学的評価を行った。 2−2−1.一般運動活性の測定 測定方法としては、実験例1−2−1と同様に、試験前日に行動観察装置に1回(10分間)以上馴化させ、実験例2−1と同様に、ラットを実験群A、B、C、Dに分け、組成物A、B、C、Dをそれぞれ蒸留水1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して経口投与し、投与30分後にエタノールを経口投与し、その30分、1時間、2時間、4時間及び8時間後に試験ボックスの中央にラットを置いて2分間安静にし、その後5分間の行動様相の観察及び分析を行った。総移動距離、総移動時間を評価した。 図7から分かるように、アルコール投与30分後から一般運動活性が有意に減少した。全ての実験群は、対照群に比べて、総移動距離及び総移動時間が有意に増加することが確認された。 2−2−2.ロータロッド上の運動活性の測定 測定方法としては、実験例1−2−2と同様に、1週間動物を安静にし、試験2日前に5分間のトレーニングを2回行い、試験1日前にトレーニングを1回行った後、実験例2−1と同様に、ラットを実験群A、B、C、Dに分け、組成物A、B、C、Dをそれぞれ蒸留水1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して経口投与し、投与30分後にエタノールを経口投与し、その30分、1時間、2時間、4時間及び8時間後に器具に動物を乗せ、その後5分間(A)最初に落下するまでの時間、(B)落下回数、及び(C)落下するまでの平均時間を測定した[落下するまでの平均時間=300(s)/落下回数+1]。 図8から分かるように、アルコール投与後に落下するまでの時間は急激に短くなり、落下回数は急激に増加した。全ての実験群は、対照群に比べて、アルコール投与により減少した運動活性が増加する傾向を示し、アルコール投与1時間後から運動活性に有意差が認められた。 2−2−3.ワイヤー上の運動活性の測定 測定方法としては、実験例1−2−3と同様に、1週間動物を安静にし、試験前の2日間、装置でトレーニングを2回(全3分;1回目1分,2回目2分)行った後、実験例2−1と同様に、ラットを実験群A、B、C、Dに分け、組成物A、B、C、Dをそれぞれ蒸留水1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して経口投与し、投与30分後にエタノールを経口投与し、その30分、1時間、2時間、4時間及び8時間後に器具に動物を乗せ、その後2分間(A)最初に落下するまでの時間、(B)落下回数及び(C)落下するまでの平均時間を測定した。 図9から分かるように、アルコールを投与すると落下するまでの時間は短くなり、落下回数は増加した。全ての実験群は、対照群に比べて、有意に運動活性が回復することが確認された。また、組成物Cを投与した実験群Cにおいて、アルコール投与により低下した運動活性を回復させる効果が最も優れることが認められた。 2−2−4.冷水中での水泳能力試験 測定方法としては、実験例1−2−4と同様に、ラットを実験群A、B、C、Dに分け、組成物A、B、C、Dをそれぞれ蒸留水1mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して経口投与し、投与30分後にエタノールを経口投与し、その30分、1時間、2時間、4時間及び8時間後に冷浴槽に入れ、水泳をあきらめるまでの時間(最大10分)を測定した。 図10から分かるように、アルコールを投与すると体温調節能力と運動活性が低下し、有意に冷水中での水泳能力が減少した。全ての実験群は、対照群に比べて、有意な冷水中での水泳能力回復効果が認められた。 アルコール代謝を促進して血中アルコール濃度を低下させ、アルコール投与により低下した運動活性及び体温調節能力を改善する効果についての総合的判断の結果、実験群C(ゲッケイジュ葉抽出物:オオガタホウケン抽出物:イザヨイバラ抽出物=50mg/kg:100mg/kr:100mg/kr)がゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物及びイザヨイバラ抽出物の最も効果的な組成比であると判断された。 実験例3.二日酔い予防及び治療用組成物の二日酔い予防又は治療効果の検証 ゲッケイジュ葉抽出物、オオガタホウケン抽出物及びイザヨイバラ抽出物の最適組成比の確認(実験例2)結果に基づき、その他の原料を含む組成物(実施例2;実施組成物及び比較組成物)を製造して実験を行った。また、当該組成物の各投与用量における行動学的効果を検証した。 3−1.血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度の測定 7週齢のSDラットを1週間安静にし、その後安静にしたラットを実験群、比較群、対照群に分け、実施例2で製造した実施組成物及び比較組成物を製造の便宜上蒸留水10mLに溶解し、その後体重(B.W)を基に換算して投与する際に10倍(高用量(100%)投与)及び5倍(低用量(50%)投与)にした。実験群及び比較群ラットの体重を基にそれぞれ投与し、各時間における血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度を測定した。具体的には、実験例1−1と同様に行った。 図11から分かるように、アルコール経口投与4時間後に、対照群(実施組成物非投与群)に比べて、実験群(実施組成物投与群)及び比較群(比較組成物投与群)の血中アルコール量が著しく減少することが確認され、8時間後に、比較群は対照群と同程度の血中アルコール量であるが、本発明の実験群は血中アルコール量が著しく減少することが確認された(図11のA)。また、二日酔いの直接的な要因であるアセトアルデヒドの血中濃度は、対照群及び比較群に比べて、実験群において1時間後から著しく減少することが確認された(図11のB)。さらに、アルコール及びアセトアルデヒドに対する血中濃度の曲線下面積(area under curve, AUC)を比較した結果、血中アルコール及びアセトアルデヒド濃度のどちらも、対照群に比べて、実験群において統計学的に有意に低いと分析された。 3−2.行動学的評価 血液学的分析以外の評価方法でアルコールによる二日酔い症状である運動失調、運動機能低下、運動時の集中力低下、鎮静、筋肉弛緩、体温調節能力低下などの行動学的評価を行った。特に、本発明の組成物の投与用量を変えて低用量(50%)及び高用量(100%)投与群を比較することにより、本発明の組成物の効果が用量依存的な効果を有するか否かを確認した。 3−2−1.一般運動活性の測定 測定方法としては、実験例1−2−1と同様に、試験前日に行動観察装置に1回(10分間)以上馴化させ、実施例2で製造した実施組成物及び比較組成物を実験群低用量(50%)、高用量(100%)及び比較群ラットにそれぞれ投与し、ラットを実験群A、B、C、Dに分け、組成物A、B、C、Dをそれぞれ経口投与し、投与30分後にエタノールを経口投与し、その30分、1時間、2時間、4時間及び8時間後に試験ボックスの中央にラットを置いて2分間安静にし、その後5分間の行動様相の観察及び分析を行った。総移動距離、総移動時間を評価した。 図12から分かるように、アルコール投与30分後から一般運動活性が有意に減少した。実験群は、比較群に比べて、移動距離及び移動時間が増加する傾向を示し、実験群の高用量(100%)投与群は、対照群に比べて、アルコール投与2時間後から一般運動活性に有意差が認められた。 3−2−2.ロータロッド上の運動活性の測定 測定方法としては、実験例1−2−2と同様に、動物を1週間安静にし、試験の2日前に5分間のトレーニングを2回行い、試験1日前にトレーニングを1回行い、その後実施例2で製造した実施組成物及び比較組成物を実験群低用量(50%)、高用量(100%)及び比較群ラットにそれぞれ投与し、ラットを実験群A、B、C、Dに分け、組成物A、B、C、Dをそれぞれ経口投与し、投与30分後にエタノールを経口投与し、その30分、1時間、2時間、4時間と8時間器具に動物を乗せ、その後5分間(A)最初に低下するまでの時間、(B)落下回数及び(C)落下するまでの平均時間を測定した[落下するまでの平均時間=300(s)/落下回数+1]。 図13から分かるように、アルコールを投与すると落下するまでの時間は短くなり、落下回数は増加した。実験群は、比較群に比べて、アルコール投与により減少した運動活性が増加する傾向を示し、特に実験群に高用量(100%)を投与すると、対照群に比べて、運動活性の回復効果が最も大きいことが認められた。 3−2−3.ワイヤー上の運動活性の測定 測定方法としては、実験例1−2−3と同様に、動物を1週間安静にし、試験前の2日間、装置でトレーニングを2回(全3分;1回目1分,2回目2分)を行い、その後実施例2で製造した実施組成物及び比較組成物を実験群低用量(50%)、高用量(100%)及び比較群ラットにそれぞれ投与し、ラットを実験群A、B、C、Dに分け、組成物A、B、C、Dをそれぞれ経口投与し、投与30分後にエタノールを経口投与し、その30分、1時間、2時間、4時間及び8時間後に器具に動物を乗せ、その後2分間(A)最初に落下するまでの時間、(B)落下回数及び(C)落下するまでの平均時間を測定した。 図14から分かるように、アルコールを投与すると落下するまでの時間は短くなり、落下回数は増加した。実験群は、比較群に比べて、アルコール投与により減少した運動活性が増加する傾向を示し、対照群に比べて、運動活性に有意差が認められた。また、実験群に高用量(100%)を投与すると、アルコール投与により低下した運動活性を回復させる効果が最も優れることが認められた。 3−2−4.冷水中での水泳能力試験 測定方法としては、実験例1−2−4と同様に、実施例2で製造した実施組成物及び比較組成物を実験群低用量(50%)、高用量(100%)及び比較群ラットにそれぞれ投与し、ラットを実験群A、B、C、Dに分け、組成物A、B、C、Dをそれぞれ経口投与し、投与30分後にエタノールを経口投与し、その30分、1時間、2時間、4時間及び8時間後に冷浴槽に入れ、水泳をあきらめるまでの時間(最大10分)を測定した。 図15から分かるように、アルコールを投与すると体温調節能力と運動活性が低下し、有意に冷水中での水泳能力が減少した。実験群は、比較群に比べて、改善効果がより優れることが認められ、特に実験群に高用量(100%)を投与すると、対照群に比べて、アルコール投与4時間後から冷水中での水泳能力回復効果が最も大きいことが認められた。 前記結果をまとめると、ゲッケイジュ葉抽出物を含む本発明による組成物は、著しく優れた血中アルコール濃度及びアセトアルデヒド濃度低減効果を示す。また、血中アルコール及びアセトアルデヒド分析法以外に4種類の行動学的評価を行い、本発明による組成物が二日酔い解消及び予防効果を有し、前記効果は当該組成物の用量に依存することが確認された。 以上、本発明の特定態様について詳細に説明したが、これらの具体的技術は単に好ましい実施形態にすぎず、これらに本発明の範囲が限定されるものではないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は、添付の特許請求の範囲とそれらの等価物により規定される。 |