シンナムアルデヒドを使用したエネルギー消費を増大するための方法及び組成物 |
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申请号 | JP2016537463 | 申请日 | 2014-12-12 | 公开(公告)号 | JP2017500301A | 公开(公告)日 | 2017-01-05 |
申请人 | ネステク ソシエテ アノニム; ネステク ソシエテ アノニム; | 发明人 | ゴンザレス, ステファニー ミクリグ; ゴンザレス, ステファニー ミクリグ; クトル, ヨハネス ル; クトル, ヨハネス ル; | ||||
摘要 | 組成物は、経口的に耐容可能な量であり、したがって不快な 口腔 感覚を避け、胃腸管においても耐容可能である量のシンナムアルデヒドを含む。シンナムアルデヒドの量は、エネルギー消費、交感神経系活性、又は脂肪 酸化 のうちの少なくとも1つを、シンナムアルデヒドを含まないこと以外は同一の組成物と比べて、増大するのに有効である。シンナムアルデヒドを含む組成物は、体重管理を支援又は体重減少を促進する方法、肥満又は体重過多を予防する方法、及び肥満又は体重過多を治療する方法に使用できる。一実施形態において、シンナムアルデヒドを含む組成物をヒトに投与する。シンナムアルデヒドを含む組成物は、薬剤、食料製品、又は食料製品に対する栄養補助剤であってもよい。【選択図】なし | ||||||
权利要求 | 体重維持の方法であって、それを必要とする哺乳類にシンナムアルデヒドを含む組成物を投与する工程を含む、方法。前記シンナムアルデヒドは、約1.25mg/kg体重/日の量で投与される、請求項1に記載の方法。前記シンナムアルデヒドは、17.48ppm〜6191.0ppmの濃度で前記組成物中に存在する、請求項1に記載の方法。前記シンナムアルデヒドを含む組成物は、1日1回投与される、請求項1に記載の方法。前記組成物は、前記シンナムアルデヒドの少なくとも一部をもたらすシナモン精油抽出物を含む、請求項1に記載の方法。前記シンナムアルデヒドの少なくとも一部は、単離シンナムアルデヒド及び合成シンナムアルデヒドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。体重減少を促進する方法であって、それを必要とする哺乳類にシンナムアルデヒドを含む組成物を投与する工程を含む、方法。肥満又は体重過多を予防する方法であって、そのリスクのある哺乳類にシンナムアルデヒドを含む組成物を投与する工程を含む、方法。肥満又は体重過多を治療する方法であって、それを必要とする哺乳類にシンナムアルデヒドを含む組成物を投与する工程を含む、方法。シンナムアルデヒドを、経口的に耐容可能な量であって、エネルギー消費、交感神経系活性、及び脂肪酸化からなる群から選択される少なくとも1つの特徴を増大するのに有効な量で含む組成物。前記組成物は、前記シンナムアルデヒドが17.48ppm〜6191.0ppmの濃度でその中に存在する食料製品である、請求項10に記載の組成物。前記組成物は、タンパク質、炭水化物、脂肪、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む食料製品である、請求項10に記載の組成物。前記組成物は、薬剤、食料製品、及び食料製品に対する栄養補助剤からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。前記組成物は、追加成分を、体重維持又は体重減少を促進するために治療的に有効な量で更に含む、請求項10に記載の組成物。減量プログラムを実施中の個体にシンナムアルデヒドを含む組成物を投与する工程を含む、体重減少を促進する方法。 |
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说明书全文 | [0001]本開示は、概して、エネルギー消費を増大するための方法及び組成物に関する。より具体的には、本開示は、経口での消費に好適でありながら、エネルギー消費及び脂肪酸化を増大する量のシンナムアルデヒドを含む組成物に関する。 [0002]辛味刺激性感覚の基礎をなす分子機構の研究は、2つのカチオンチャネルである、口腔を刺激する体性感覚繊維内に発現するTRPV1(一過性受容体電位V1)及びTRPA1(一過性受容体電位A1)の存在を明らかにした。TRPV1は、トウガラシの辛味化合物である、カプサイシン等の温熱感及び灼熱感の受容体である。TRPA1は、低温及び辛味刺激性化合物に応答する。 [0003]過去数十年の間に、肥満の羅患率は世界中で増加しており、蔓延に至っている。世界中で約10億人が、死亡率、移動性及び経済コストが増加する状態である、体重過多又は肥満となっている。肥満はエネルギー摂取がエネルギー消費よりも大きい場合に進行し、超過したエネルギーは主に、脂肪として脂肪組織に蓄えられる。体重減少、及び体重増加防止は、エネルギー摂取若しくは生物学的利用能を低下させること、エネルギー消費を増加させること、及び/又は脂肪としての貯蔵を低下させることにより達成することができる。 [0004]TRPV1アゴニストのカプサイシンは、エネルギー消費及び脂肪酸化を増大することが周知であるが、有効用量は中程度〜大量(20mg以上)である。例えば、Ludy et al,「The effects of hedonically acceptable red pepper doses on thermogenesis and appetite,」Physiol.Behav.,Mar.1,102(3−4):251〜8(2011)参照。更に、カプサイシンは、特に辛味刺激性で毒性の化合物である。カプサイシンの経口投与に関係する生理作用としては、舌の中央部から喉に至る灼熱感、息切れ、失神、悪心、及び自己誘発性嘔吐が挙げられる。結果として、少量のカプサイシンしか、個体に不快感をもたらすことなく投与できない。カプサイシンを含有する食料製品は、かかる製品が非常に不快な口腔感覚をもたらすため、多くの場合、消費者に受け入れられない。特に、灼熱効果は非常に不快と考えられ、食料製品の消費に影響を与える。 [0005]これまでに、ヒトの代謝への影響を示した唯一の辛味料由来成分は、カプサイシンである。例えば、カラシ、西洋ワサビ、黒コショウ及びショウガがヒトのエネルギー収支及び食品摂取に及ぼす影響を調査した研究では、上記の生香辛料のいかなる影響も特定されなかった。Gregersen et al.,「Acute effects of mustard,horseradish,black pepper and ginger on energy expenditure,appetite,ad libitum energy intake and energy balance in human subjects,」Br.J.Nutr.,5:1〜8(2012年7月)。しかしながら、有効用量のカプサイシンは、食料製品に含めるには辛味が強すぎる、又は摂取するには胃腸不耐性が強すぎる。 [0006]シンナムアルデヒドは、TRPA1を活性化するが、TRPV1又はTRPM8は活性化しないα,β−不飽和アルデヒドであり、EC50は約60μMである。シンナムアルデヒドは共有結合でTRPA1と相互作用する。本発明者らは、意外かつ予想外に、シンナムアルデヒドが、カプサイシンよりも強度が有意に低いと判定された香味付与レベルのシンナムアルデヒドで、カプサイシンと比べて、エネルギー消費及び交感神経系活性に対して有意に高い影響を有し、脂肪酸化に対して等価の影響を有することを見出した。その結果、辛味成分カプサイシンと異なり、シンナムアルデヒドは、香味/食味において、並びに胃腸管においての両方で耐容可能な食品中濃度で、エネルギー消費、交感神経系活性、及び脂肪酸化に影響を及ぼし得る。 [0007]したがって、一般的実施形態において、本開示は体重維持のための方法を提供する。上記方法は、それを必要とする哺乳類にシンナムアルデヒドを含む組成物を投与する工程を含む。 [0008]一実施形態において、シンナムアルデヒドは、約1.25mg/kg体重/日の量で投与される。 [0009]一実施形態において、シンナムアルデヒドは、17.48ppm〜6191.0ppmの量で組成物中に存在する。 [0010]一実施形態において、シンナムアルデヒドを含む組成物は、1日1回投与される。 [0011]一実施形態において、組成物は、シンナムアルデヒドの少なくとも一部をもたらすシナモン精油抽出物を含む。 [0012]一実施形態において、シンナムアルデヒドの少なくとも一部は、単離シンナムアルデヒド及び合成シンナムアルデヒドからなる群から選択される。 [0013]別の実施形態において、本開示は体重減少を促進するための方法を提供する。上記方法は、それを必要とするシンナムアルデヒドを含む組成物を哺乳類に投与する工程を含む。 [0014]別の実施形態において、本開示は、肥満又は体重過多を予防するための方法を提供する。上記方法は、そのリスクがある哺乳類にシンナムアルデヒドを含む組成物を投与する工程を含む。 [0015]別の実施形態において、本開示は、肥満又は体重過多を治療するための方法を提供する。上記方法は、それを必要とする哺乳類にシンナムアルデヒドを含む組成物を投与する工程を含む。 [0016]別の実施形態において、本開示は、シンナムアルデヒドを含む組成物を、経口的に耐容可能な量であり、エネルギー消費、交感神経系活性、又は脂肪酸化のうちの少なくとも1つを増大するのに有効である量でもたらす。 [0017]一実施形態において、組成物は、シンナムアルデヒドが17.48ppm〜6191.0ppmの量で存在する食料製品である。 [0018]一実施形態において、組成物は、タンパク質、炭水化物、脂質及びこれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む食料製品である。 [0019]一実施形態において、組成物は、薬剤、食料製品、及び食料製品に対する栄養補助剤からなる群から選択される。 [0020]一実施形態において、組成物は、追加成分を、体重維持又は体重減少を促進するために治療的に有効な量で更に含む。 [0021]別の実施形態において、本開示は、体重減少を促進するための方法を提供する。上記方法は、減量プログラムを実施中の個体にシンナムアルデヒドを含む組成物を投与する工程を含む。 [0022]本開示の利点は、エネルギー消費を増大することである。 [0023]本開示の別の利点は、交感神経系活性を増大することである。 [0024]本開示の更に別の利点は、脂肪酸化を増大することである。 [0025]本開示の更に別の利点は、食料製品に容易かつ安全に使用できる化合物で、エネルギー消費、交感神経系活性、及び脂肪酸化を増大することである。 [0026]本開示の更なる利点は、香辛料中に存在し得る天然化合物で、エネルギー消費、交感神経系活性、及び脂肪酸化を増大することである。 [0027]本開示の別の利点は、耐容可能な副作用で、又は副作用なしで、エネルギー消費、交感神経系活性、及び脂肪酸化を増大することである。 [0028]本開示の更に別の利点は、体重管理を支援し、体重減少を促進し、及び/又は肥満若しくは体重過多を治療若しくは予防することである。 [0029]本開示の更に別の利点は、カプサイシンと比較して増大した受容性、低下した辛味刺激性、及び改善された胃腸管内耐容性を有する化合物により、エネルギー消費、交感神経系活性、及び脂肪酸化を増大することである。 [0030]追加の特徴及び利点を本明細書に記載する。これらは、以下の発明の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。 シンナムアルデヒドの化学構造を示す。 シンナムアルデヒドがエネルギー消費、交感神経系活性、及び脂肪酸化を増大し得る機構の案を示す。 エネルギー消費を、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフである。 種々の化合物の摂取後のAUCに基づくエネルギー消費を示すグラフである。 食後脂肪酸化を、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフである。 種々の化合物の摂取後のAUCに基づく食後脂肪酸化を示すグラフである。 種々の化合物の摂取後に経験された鼻温度上昇を示すグラフである。 顎温度を、ベースラインを基準にして、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフ及び表である。 4.88ppmのカプサイシンと350ppmのシンナムアルデヒドとを比較した味覚試験結果を示す。
[0040]本明細書に記載の全ての百分率は、別途記載のない限り組成物の合計重量に基づくものである。pHについての参照がなされるとき、値は標準的な装置により25℃にて測定されるpHに相当する。本開示及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈において明記されている場合を除き複数形を包含する。本明細書で使用するとき、「約」は、ある数の範囲の数字、例えば、参照された数字の−10%〜+10%の範囲の数字を指す。更に、本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。本明細書に開示される組成物は、本明細書にて具体的に開示されない任意の要素を欠く場合がある。したがって、用語「含む」を用いて提示される実施形態の開示は、特定された成分「から本質的になる」及び「からなる」実施形態の開示を含む。 [0041]「予防」は、状態又は疾患のリスク及び/又は重症度の低減を含む。用語「治療」「治療する」及び「緩和する」は、(標的とする病態若しくは疾患の進行を予防する、及び/又は遅延させる)予防(prophylactic)又は予防(preventive)治療、並びに治癒的、治療的又は疾患改変治療の両方を含み、診断された病態又は疾患の治癒、減速、症状の減少、及び/又は進行を停止する治療手段、並びに疾患に冒される危険がある、又は疾患に冒されたことが疑われる患者、加えて病気であるか、又は疾病状態若しくは医学的状態を患っていると診断されている患者の治療を含む。この用語は、対象者が完全に回復するまで治療されることを、必ずしも意味するものではない。用語「治療」及び「治療する」はまた、疾患を患ってはいないが、不健康な状態を起こしやすい個体の健康維持及び/又は促進も意味する。用語「治療」「治療する」及び「緩和する」はまた、1つ以上の主たる予防又は治療手段の相乗作用、又はそうでない場合強化を含むことも目的としている。用語「治療」「治療する」及び「緩和する」は更に、疾患若しくは状態における食事療法、又は疾患若しくは状態の予防(prophylaxis)若しくは予防(prevention)のための食事療法を含むことも目的としている。治療は患者に関連するか、又は医者に関連するものとすることができる。 [0042]「体重過多」は、25〜30のBMIを有するヒトと定義される。「肥満」とは、30を超えるBMIを有するヒトと定義される。「体重減少」は、全体重の減少である。体重減少は、例えば、体力、健康、及び/又は外観を改善するための取組みにおける全体重の減少を表し得る。「体重管理」又は「体重維持」は、全体重の維持を指す。例えば、体重管理は、BMIを正常とみなされる18.5〜25の範囲に維持することに関し得る。 [0043]本明細書で使用する場合、「治療的に有効な量」とは、欠乏を防ぐ、個体の疾患若しくは医学的状態を治療する、又はより一般的には、個体に対して、症状を軽減する、疾患の進行を管理する、若しくは栄養学的、生理学的若しくは医学的利益を提供する量である。 [0044]「動物」としては、齧歯類、水生哺乳類、イヌ及びネコ等の飼育動物、ヒツジ、ブタ、ウシ及びウマ等の家畜、並びにヒトを含むがこれらに限定されない哺乳類が挙げられるが、これらに限定されない。「動物」、「哺乳類」、又はこれらの複数形が用いられる場合、これらの用語は、本節の文脈により効果が示されるか、又は示されるように意図されることができる動物にも当てはまる。本明細書で使用する場合、用語「患者」は、本明細書において定義されるような治療を受けるか、又は受けることを意図している、動物、特に哺乳類、更に具体的にはヒトを含むと理解される。用語「個体」及び「患者」は本明細書において多くの場合、ヒトを指して用いられるが、本開示はそのように限定されない。したがって、「個体」及び「患者」という用語は、治療が有益となり得る任意の動物、哺乳類又はヒトを指す。 [0045]上記のように、本発明者らは、意外かつ予想外に、シンナムアルデヒドが、カプサイシンよりも強度が有意に低いと判定された香味付与レベルのシンナムアルデヒドで、カプサイシンと比べて、エネルギー消費及び交感神経系活性に対して有意に高い影響を有し、脂肪酸化に対して等価の影響を有することを見出した。その結果、辛味成分カプサイシンと異なり、シンナムアルデヒドは、香味/食味及び胃腸管の両方で耐容可能な食品中濃度で、エネルギー消費、交感神経系活性、及び脂肪酸化に影響を及ぼすことができる。 [0046]本発明者の所見は、香味付与範囲の低用量(1.25mg/kg体重/日)のシンナムアルデヒドが、1回の摂取後に効果をもたらし得る点で特に意外であった。発明者による前臨床試験において、シンナムアルデヒドの用量は約250mg/kg体重/日、長期摂取(体重増加及びインスリン感受性への影響)であった。前臨床試験において、発明者らは、シンナムアルデヒドの単回投与(250mg/kg体重)は、TRPA1活性化により胃内容排出を遅延し、短時間の食品摂取を低減することを見出した。食品に含まれるシンナムアルデヒドの長期摂取(約250mg/kg体重/日に相当する0.2%)は、肥満マウスの食品摂取に影響することなく体重増加を低減し、そのインスリン感受性を改善する。脂肪質量増加は、非脂肪量増加に影響することなく、減少傾向であった(p0.06)。 [0047]理論に束縛されるものではないが、発明者らは、シンナムアルデヒドが交感神経系を刺激し、結果として、カテコールアミン分泌を刺激すると考える。カテコールアミン分泌の増大は、β−アドレナリン刺激による熱産生及び基質酸化を増強する。図2を参照されたい。 [0048]したがって、本開示によってもたらされる組成物は、経口的に耐容可能な量であって(例えば、不快な口腔感覚を生じない)、シンナムアルデヒドを含まないこと以外は同一の組成物と比べて、エネルギー消費、交感神経系活性、又は脂肪酸化のうちの少なくとも1つを増大するのに有効な量のシンナムアルデヒドを含む。一実施形態において、シンナムアルデヒドの濃度は17.48ppm〜6191.0ppm、好ましくは約350ppmである。 [0049]シンナムアルデヒドは商業的に入手可能である。組成物中のシンナムアルデヒドは、シナモン精油抽出物、例えば、ケイ皮油の蒸気蒸留からの抽出物で提供されてもよく;単離されたシンナムアルデヒド、例えば、シナモン精油から単離されたシンナムアルデヒドでもよく;又は、合成シンナムアルデヒド、例えば、ベンズアルデヒドとアセトアルデヒドとのアルドール縮合の生成物であってもよい。 [0050]一実施形態において、シンナムアルデヒドを含む組成物は、体重管理支援又は体重減少促進のための方法に使用できる。例えば、組成物を、その体重を管理している、又は減量食(例えば、低脂肪食、低炭水化物食、低カロリー食、及び超低カロリー食)等の減量プログラム及び/若しくは減量トレーニング法(例えば、持久力及び/又は筋力トレーニング)を実施している哺乳類に投与することができる。別の実施形態において、シンナムアルデヒドを含む組成物を、そのリスクがある哺乳類に投与することによって、肥満又は体重過多を予防するための方法に使用できる。更に別の実施形態において、シンナムアルデヒドを含む組成物を、その必要がある哺乳類に投与することによって、肥満又は体重過多を治療するための方法に使用できる。一実施形態においては、シンナムアルデヒドを含む組成物をヒトに投与する。シンナムアルデヒドを含む組成物は、複数投与も本開示に包含されるが、約1.25mg/kg体重/日の量で単回投与できる。組成物は、追加の体重減少成分も含むことができる。 [0051]シンナムアルデヒドを含む組成物は、薬剤、食料製品、医療食、経口栄養補助剤、栄養組成物、経口化粧品又は食料製品に対する栄養補助剤であってもよく、好ましくは経口投与される。医療用食料製品は、疾患又は医学的状態の食事管理(例えば、疾患又は望ましくない医学的状態の予防又は治療)を目的として特別に配合される。医療用食料製品は、臨床栄養を提供し、例えば、医学的状態を有する患者又はその他の特殊な栄養的必要性を有する人の特殊な栄養的必要性を満足することができる。医療用食品製品は、完全な食事、食事の一部、食品添加物、又は溶解用粉末の形態をとることができる。 [0052]食料製品、医療用食品又は栄養組成物は、例えば1種以上のタンパク質、炭水化物、脂肪、酸味料、増粘剤、pH調節用緩衝液若しくはpH調節剤、キレート剤、着色剤、乳化剤、賦形剤、着香料、ミネラル、浸透剤、医薬的に許容される担体、防腐剤、安定剤、糖、甘味料、調質剤並びに/又はビタミン類等の従来の食品添加物を含む、任意の数の任意の添加成分を含む。任意の成分は、任意の好適な量で添加することができる。 [0053]食料製品、医療用食品又は栄養組成物は、任意の経口栄養形態であることができ、例えば、健康飲料として、市販飲料として、任意選択的には、ジュース、ミルクセーキ、ヨーグルトドリンク、スムージー又は大豆ベース飲料等のソフトドリンクとして、棒状で、又は任意の種類の食品、例えば、ベーク製品、シリアルバー、乳製品バー、スナック食品、スープ、朝食用シリアル、ミューズリー、キャンディ、タブレット(tabs)、クッキー、ビスケット、クラッカー(ライスクラッカー等)、及び乳製品等に分散されてもよい。 [0054]栄養補助剤は、例えば、錠剤、カプセル剤、トローチ、又は液体の形態であってもよい。栄養補助剤は、保護親水コロイド(ガム、タンパク質、加工デンプン等)、結合剤、フィルム形成剤、封入剤/材料、皮膜/殻材料、マトリックス化合物、コーティング、乳化剤、界面活性剤、可溶化剤(油、脂質、ワックス、レシチン等)、吸着剤、キャリア、充填剤、共化合物、分散剤、湿潤剤、加工助剤(溶媒)、流動剤、矯味剤、増量剤、ゼリー化剤、及びゲル形成剤を更に含有してもよい。栄養補助剤は、従来の医薬品添加物及び補助剤、賦形剤及び希釈剤も含有してもよく、限定するものではないが、例としては、水、任意の由来のゼラチン、植物ガム、リグニンスルホン酸塩、タルク、糖類、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコール、着香料、防腐剤、安定化剤、乳化剤、緩衝液、潤滑剤、着色剤、湿潤剤、充填剤等が挙げられる。 [0055]栄養補助剤は、消費者に、それぞれ摂取可能なキャリア又は支持体として許容可能な製品に、加えることができる。このようなキャリア又は支持体の非限定例は、医薬組成物、食品組成物及びペットフード組成物である。食品及びペットフード組成物の非限定例は、乳、ヨーグルト、カード、チーズ、発酵乳、乳ベースの発酵製品、発酵シリアルベースの製品、乳ベースの粉末、ヒトの乳、早産児用調製粉乳、乳児用調製粉乳、経口補給剤、及び経管栄養である。 [0056] [0057]以下の非限定的実施例は、シンナムアルデヒドを投与して、許容できない味覚又は胃腸作用を与えることなく、エネルギー消費、交感神経系活性、又は脂肪酸化のうちの少なくとも1つを増大するという概念を発展及び支持する臨床科学的データを示す。 [0058]実施例1 [0059]ヒト被験者に、プラシーボ、清涼香味剤、カプサイシン又はシンナムアルデヒドを投与した。エネルギー消費を、摂取後80分間測定した。図3は、エネルギー消費を、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフである。図4は、種々の化合物の摂取後のAUCに基づくエネルギー消費を示すグラフである。図3及び4は、シンナムアルデヒド摂取後に、プラシーボと比較して、エネルギー消費が増大することを示す。 [0060]食後脂肪酸化を、種々の化合物の摂取後90分間測定した。図5は、食後脂肪酸化を、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフである。図6は、種々の化合物の摂取後のAUCに基づく食後脂肪酸化を示すグラフである。図5及び6は、シンナムアルデヒド摂取後に、プラシーボと比較して、食後脂肪酸化がより高レベルで維持されることを実証する。 [0061]被験者の鼻温度を、種々の化合物の摂取後15分間分析した。図7は、種々の化合物の摂取後に経験された鼻温度上昇を示すグラフである。図7は、カプサイシン及びシンナムアルデヒドは摂取後15分間鼻温度を上昇させることを実証し、同じ自律性体温調節経路の刺激を示唆する。 [0062]被験者の顎温度を、種々の化合物の摂取後80分間分析した。図8は、顎温度を、ベースラインを基準にして、種々の化合物の摂取後の経過時間の関数として示すグラフ及び表である。図8は、シンナムアルデヒドは摂取後長時間にわたって顎温度を上昇することを実証し、これは、おそらくは交感神経作用を反映する、血流の増大を示唆している。 [0063]上記の結果は、カプサイシン及びシンナムアルデヒドが、鼻の毛細管に血管拡張反射を誘発することによって、同じ短期自律性体温調節応答を誘発し得ることを示す。顔面温度(顎の血流増大)を測定することによって識別される交感神経作用の増大は、間接熱量測定によって測定されるエネルギー消費の増大を説明し得る。 [0064]実施例2 [0065]ヒト被験者に、4.8ppmのカプサイシン又は350ppmのシンナムアルデヒドを含む組成物を投与した。図9は、比較味覚試験結果のグラフを示す。参加者の87.9%が、カプサイシン強度を非常に強いと判定したのに対し、シンナムアルデヒドに関しては、わずか20.5%であった。カプサイシン及びシンナムアルデヒドの脂肪酸化に対する類似の効果を達成するため、カプサイシンの用量は、香味剤として使用できる最大量(Fenaroli’s Handbookにより、7ppm)の約1.5分の1であり、シンナムアルデヒドの用量は、香味剤として使用できる最大量(Fenaroli’s Handbookにより、6191.0ppm)の約17.5分の1である。 [0066]本明細書中に記載される好適な実施形態に対する種々の変更及び修正は当業者には明らかであることは理解されるべきである。このような変更及び修正は、本発明の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なうことなく行うことができる。そのため、そのような変更及び修正は添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。 |