Java Nikkei of the extract, the extraction method, as well as proton pump down regulator, the use of it as enzyme inhibitors and mucosal protective agent

申请号 JP2013557214 申请日 2012-03-09 公开(公告)号 JP2014508774A 公开(公告)日 2014-04-10
申请人 ペルセロアン・テルバタス デキサ・メディカ; 发明人 アリフィン,ポッピー・フィルザニ; エル.ウェー.,ディージー・ディア・ドウィ; ユリアニ,ヴェロニカ; シナンベラ,ジェームズ・エム; チャンドラウィナタ,レイモンド・エル;
摘要 ジャワニッケイ(Cinnamomum burmanii)からの抽出物および/または画分(DLBS2411)は、それの抽出方法およびそれの 生物 活性に関連して、粘膜保護を付与しかつH
+ /K
+ ATPaseをダウンレギュレートすることにより、抗潰瘍剤としての活性を示す。 DLBS2411による処置は、HEK 293細胞および胃壁細胞においてH
+ /K
+ ATPase mRNAレベルを低下させる。 さらに、DLBS2411は胃の酵素H
+ /K
+ ATPaseの活性を阻害し、その際、pHがこの阻害機序に影響を及ぼす。 DLBS2411は抗 酸化 剤としての特徴も備え、これは投与量の増加に伴う還元 力 増大により示される。
【選択図】 図1
权利要求
  • 医薬製剤中における、単一有効成分としての、または組み合わせた、抗潰瘍剤として有効な量または用量の、ジャワニッケイ(Cinnamomum burmanii)を含む抽出物、および/またはそれの画分もしくはそれに由来する化合物グループ。
  • 抽出物および/または画分がH /K ATPaseプロトンポンプのダウン−レギュレーターとしての活性を有する、請求項1に記載の抽出物および/または画分。
  • 抽出物および/または画分がH /K ATPase酵素の阻害剤としての活性を有する、請求項1に記載の抽出物および/または画分。
  • 抽出物および/または画分が粘膜保護剤としての活性を有する、請求項1に記載の抽出物および/または画分。
  • 抽出物が、下記の工程:
    (a)50〜100℃の温度の熱水を用いる抽出、
    (b)水画分を得るための有機溶媒を用いる液−液抽出を含む方法により得られる、請求項1に記載の抽出物および/または画分。
  • 該方法がさらに、水画分の採集を最適化するために工程(b)を反復する工程を含む、請求項5に記載の抽出物および/または画分。
  • 工程(b)の有機溶媒(単数または複数)を、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、酢酸エチルおよびブタノールからなる群から選択する、請求項5に記載の抽出物および/または画分。
  • 単一有効成分としての、または組み合わせた、請求項1に記載の抽出物および/または画分、ならびに医薬的に許容できかつ生理的に適切なキャリヤー、賦形剤(単数または複数)または添加剤(単数または複数)を含む、医薬組成物。
  • 単一有効成分としての、または組み合わせた、請求項1に記載の抽出物および/または画分、ならびに医薬的に許容できかつ生理的に適切なキャリヤー、賦形剤(単数または複数)または添加剤(単数または複数)を含む医薬組成物であって、固体、半固体または液体の形態の無菌または非−無菌製剤(単数または複数)に調製された、医薬組成物。
  • 単一有効成分としての、または組み合わせた、請求項1に記載の抽出物および/または画分を含む、健康上の有益性を増進するための食品または飲料製品。
  • 说明书全文

    本発明はジャワニッケイ(Cinnamomum burmanii)植物からの抽出物(本発明の目的についてDLBS2411と呼ばれる)に関するものであり、抽出方法、および抗潰瘍剤としてのその抽出物の生物活性を含み、これにはプロトンポンプH /K ATPaseをダウンレギュレートすること、酵素を阻害すること、および粘膜保護を付与することが含まれる。 DLBS2411による処置は、HEK 293細胞および胃壁細胞においてH /K ATPaseのmRNAの発現を低下させることができる。 さらに、DLBS2411は胃の酵素H /K ATPaseの活性を阻害し、この阻害はpHによって影響を受ける。 そのほか、DLBS2411は抗酸化活性も備え、これは投与濃度の増大に伴う還元増大により示される。

    胃の疾患は世界的に有病率の高い疾患であり、これには消化不良、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃食道逆流性疾患(GERD)、喉頭咽頭逆流(LPR)、ゾリンガー−エリソン症候群(Zollinger-Ellison syndrome)が含まれ、また医薬の長期使用によって誘発される疾患も含まれる。 一般に、これはプロトンポンプの活性亢進により引き起こされ、これが胃酸の過剰産生を増大させ、胃の刺激をもたらす。 胃酸の分泌に際してプロトンポンプにおいて作動する酵素は、H /K ATPase酵素として知られる。 この酵素は壁細胞の頂端膜に結合している。 酸を産生する壁細胞のプロトンポンプの阻害は、mRNA発現レベルでの胃酸分泌およびH /K ATPase酵素活性の低下により示されるように、胃酸を抑制するのに有効な方法であると思われる。 H /K ATPase遺伝子は、胃壁細胞だけでなく肝臓および腸の細胞にも発現する。

    現在、プロトンポンプを阻害することにより作動する幾つかの医薬が市販されている;たとえばオメプラゾール(omeprazole)、ランソプラゾール(lansoprazole)、ラベプラゾール(rabeprazole)、およびエソメプラゾール(esomeprazole)。 しかし、低い有害事象でこのプロトンポンプを阻害するための新たな医薬を見出すことがなお求められており、ひとつの可能性は天然物、たとえばジャワニッケイから得られる。

    本発明において、DLBS2411、すなわちジャワニッケイ抽出物の、抗潰瘍剤としての作用を調べた;これには、プロトンポンプH /K ATPaseのダウンレギュレーションにおけるそれの活性および酵素阻害剤としての活性が含まれ、それはH /K ATPase遺伝子発現およびこの酵素の活性の低下により示される。 本発明以前には、本発明において特許請求するDLBS2411、すなわちジャワニッケイ抽出物を説明するいかなる研究も無かった。

    本発明により提示される目的および/または解決策を好ましい態様に述べる。 示された態様は本発明を理解する目的のためのものであり、本発明の実施により分かる変更および/または組合わせおよび/または改変した他の態様の可能性を制限しない。 本発明において教示される目的および/または解決策は、特許請求の範囲に詳述する要素および組合わせから理解されるであろう。

    それらの態様に説明しかつ本明細書に広く記載するように、解決策を達成するために本発明の目的に従って、本発明の第1観点は、単一有効成分としての、または組み合わせた、抗潰瘍剤として作用するのに有効な量または用量の、ニッケイ属、好ましくはジャワニッケイの植物抽出物、またはそれの画分(単数または複数)もしくはそれの化合物グループに関する。

    本発明の第2観点は、単一有効成分としての、または組み合わせた、H /K ATPaseのダウン−レギュレーター、酵素阻害剤および粘膜保護剤として機能する有効な量または用量の、ニッケイ属、好ましくはジャワニッケイの植物抽出物、またはそれの画分(単数または複数)もしくはそれの化合物グループに関する。

    本発明の第3観点は、下記のものを含む医薬組成物に関するものである:(1)単一有効成分としての、または組み合わせた、有効な量または用量の、ニッケイ属、好ましくはジャワニッケイの植物抽出物、またはそれの画分(単数または複数)もしくはそれの化合物グループ、および(2)医薬的に許容できかつ生理的に適切なキャリヤー、賦形剤または添加剤;この医薬組成物は抗潰瘍剤として機能するが、これに限定されない。

    本発明の第4観点は、下記のものを含む医薬組成物または製剤に関するものである:(1)単一有効成分としての、または組み合わせた、有効量の、ニッケイ属、好ましくはジャワニッケイの植物抽出物、またはそれの画分(単数または複数)もしくはそれの化合物グループ、および(2)医薬的に許容できかつ生理的に適切なキャリヤー、賦形剤または添加剤;その際、医薬組成物または製剤は固体、半固体または液体の無菌または非−無菌形態として調製され、これは抗潰瘍剤として機能するが、これに限定されない。

    本発明の第5観点は、単一有効成分としての、または組み合わせた、有効量の、ジャワニッケイの植物抽出物、またはそれの画分(単数または複数)もしくはそれの化合物グループを含む、健康を増進するための食品または飲料製品に関するものであり、これは抗潰瘍剤として機能するが、これに限定されない。

    本出願の明細書に含まれてその一部を構成する以下の図面は、本発明のひとつまたは幾つかの態様を説明する。 以下の図面は本発明により教示される原理を説明するためのものである。

    図No. 1は、DLBS2411がHEK 293細胞においてH

    /K

    ATPase遺伝子発現の低下に及ぼす作用を示す図であり、それをリアルタイムPCRの結果により示した。

    図No. 2は、DLBS2411が胃壁細胞においてH

    /K

    ATPase遺伝子発現の低下に及ぼす作用を示す図であり、それをリアルタイムPCRの結果により示した。

    図No. 3は、DLBS2411が種々のpHにおいてH

    /K

    ATPase酵素活性の低下に及ぼす作用を示す図である。

    図No. 4は、DLBS2411による処理の有無がH

    /K

    ATPase酵素の動的活性に及ぼす作用を示す図である。

    図No. 5は、DLBS2411による処理の有無がH

    /K

    ATPase酵素の動的活性に及ぼす作用を示す図である。

    図No. 6は、エタノールおよびDLBS2411の投与後のWistarラットにおける点状出血の個数を示す図である。

    図No. 7は、インドメタシン(indomethacin)およびDLBS2411の投与後のWistarラットにおける点状出血の個数を示す図である。

    図No. 8は、DLBS2411が還元電位に及ぼす作用を示す図である。

    図No. 9は、DLBS2411が、予めエタノール15%で処理したWistarラットにおいてH

    /K

    ATPase酵素活性の低下に及ぼす作用を示す図である。

    図No. 10は、DLBS2411が、予めインドメタシン30mg/kgで処理したWistarラットにおいてH

    /K

    ATPase酵素活性の低下に及ぼす作用を示す図である。

    例を挙げることにより本発明を詳細に考察するが、本発明の範囲は提示した例に限定されない。

    本発明の教示に従った抽出物および/または画分は、ジャワニッケイの樹皮から得られる。 この植物はインドネシア内外のさまざまな地域に生育し、好ましくは西スマトラのパダンに生育するものである。 本明細書に、DLBS2411の抽出方法、ならびにH /K ATPaseプロトンポンプのダウンレギュレーターおよび酵素阻害剤としての作用を記載し、これをさらにインビトロ、インビボおよびエクスビボで抗潰瘍剤および粘膜保護剤として適用して試験し、リアルタイムPCRおよび酵素活性アッセイにより分析した。

    A. 抽出方法
    抽出方法は、原料ジャワニッケイ、好ましくは樹皮を、均質になるまで粉砕することから始まる。 この均質な材料を、温度50〜100℃の熱を入れた抽出器に入れる。 この混合物を1〜2時間抽出する。 続いて、混合物を濾過してミセルを除去し、得られた濾液を真空法により回転蒸発器(ロータベーパー)を用いて蒸発させて、濃縮物を得る。

    この濃縮物を、有機溶媒(単数または複数)を用いる液−液抽出により分画して目的外の有機成分(単数または複数)を分離し、水相を採集した。 この方法に使用できる有機溶媒(単数または複数)には、濃縮物に対する特定比率の無水状態のクロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、酢酸エチルおよびブタノールが含まれるが、これらに限定されない。 好ましい比率は1:1〜2:1である。 水相を有機相から分離することにより採集する。 水相の採集を最適化するために、抽出を数回、好ましくは1〜10回行う。

    真空蒸発を行って濃縮物を調製し、これをさらに乾燥機で乾燥させると、最終的に乾燥画分が得られる。

    次いで乾燥画分を微粉末になるまで摩砕または破砕し、次いでそれを適宜なメッシュ番号のシフターによりろ過する。 この乾燥画分が以後DLBS2411と呼ばれるものである。

    実施例1:濃縮物を得るための抽出
    本発明の詳細な記載に従って、10gのジャワニッケイ樹皮を原料の重量の10倍の比率の温度70℃の熱水に浸漬することにより、小規模での抽出プロセスを行うことができる。 生成したミセルをロータベーパーにより蒸発させると、10mlの濃縮物が得られる。

    実施例2:乾燥した水画分を得るための分画
    本発明の詳細な記載に従って、10mlの濃縮物を用いて小規模での分画プロセスを行うことができる。 数種類の有機溶媒(たとえば、n−ブタノール、n−ヘキサン、酢酸エチルおよびクロロホルム)を濃縮物の1倍の体積で用いることにより液−液抽出を行う。 液−液抽出を3回行う。 水画分を採集し、ロータベーパーを用いて蒸発させる。 このプロセスで得られた収量は、80mgの量の乾燥画分である。

    B. /K ATPase遺伝子発現のダウンレギュレーターとしての DLBS2411
    /K ATPase遺伝子は、プロトンポンププロセスにおいて役割を果たす遺伝子である。 この遺伝子は、HEK 293細胞、および酸分泌を調節する胃壁細胞に発現する。

    まず、腎HEK 293細胞および胃壁細胞をWistarラットから摘出した。 腎HEK 293細胞をMEM培地、胃壁細胞をRPMI培地(10%の血清および1%の抗生物質ペニシリン/ストレプトマイシンを補充)で、6ウェルプレートにおいて培養した。 培地を37℃、5% CO で24時間インキュベートした。 次いで両方の培地を無血清培地に交換し、処理を施す前に18〜24時間インキュベートした。 ウェルプレートに入れたHEK 293細胞および胃壁細胞を種々の濃度のDLBS2411で処理した:10μg/mL;25μg/mL;および50μg/mL。 次いで、無血清培地中のDLBS2411で処理した各細胞を24時間インキュベートした。

    RNAの単離およびリアルタイムPCR
    DLBS2411投与後のH /K ATPase mRNA発現低下を同定するために、リアルタイムPCRアッセイを実施した。 総RNAをHEK 293細胞および胃壁細胞から単離した。 RNA単離生成物を分光光度計により波長260nmおよび280nmで定量し、アガロースゲル上での電気泳動により視覚化した。 次いで、特異的プライマーを用いるリアルタイムPCRプロセスにRNAを用いた。 リアルタイムPCRは、PCR機器を最適化した条件で用い、H /K ATPaseに対して特異的な下記のDNA配列をもつプライマーを用いて行われた:
    フォワード: 5' GCT GCA GCT CCA TCC TTA TC 3'
    リバース: 5' AGG CGG GTA GTC CTT CTC AT 3'
    /K ATPaseのプライマーを定量的に用いるPCRアッセイの結果から、DLBS2411投与後のHEK 293細胞および胃壁細胞にH /K ATPase mRNA発現レベル低下が示された(図1および2)。 この結果からDLBS2411が胃壁細胞と比較してHEK 293細胞においてより良好に作動することも明らかになり、これは種々の投与量の抽出物がH /K ATPase遺伝子発現を低下させる能力により示された。 その遺伝子発現は、DLBS2411の投与量が増加するのに伴って低下した。

    C. /K ATPase酵素活性の阻害剤としてのDLBS2411
    酵素活性に影響を及ぼす幾つかの要因があり、これには温度、pHおよび阻害剤が含まれる。 本発明において、阻害剤としてのDLBS2411の作用がH /K ATPase酵素活性に対してみられ、その際、アッセイはATPの加水分解から放出される無機リン酸の評価に基づいた。 このアッセイは、Enzcheckリン酸アッセイキット(Molecular Probes)を用いて、このキットから得られるマニュアルに従って行われた。 この酵素アッセイは、Wistarラットから摘出して30μg/mLのDLBS2411を添加して培養した胃壁細胞において行われ、その際、アッセイ中のpHレベルを下記のように変更した:7,4;4;および2。 そのほか、胃壁細胞におけるH /K ATPase酵素動態アッセイを、DLBS2411処理を伴う状態または伴わない状態で行った。

    胃壁細胞におけるH /K ATPase酵素活性の結果から、DLBS2411はDLBS2411の投与量の増加に伴って酵素活性を低下させる能力をもつことが分かった(図3)。 この活性低下はpHによっても影響を受けた。 この状態は、IC 50値の低下により認められた;IC 50はpH7.4では29.20μg/ml、pH4では18.70μg/mlであり、pH2ではIC 50は9.20μg/mであった。 このデータは、DLBS2411が、特に低い胃pHにおいて胃のプロトンポンプ活性の阻害に効果的に作動しうることを示した。 H /K ATPase酵素活性の低下は、先に試験したそれの遺伝子発現と連動している。 このデータは、酵素活性の阻害がDLBS2411で処理した後の遺伝子転写の低下に関係することを示す。

    さらに、酵素動態試験から、DLBS2411処理を伴わない試験では0.3075μmmol/mlに及ぶKm(ミカエリス定数)値および7.69μmmol Pi/hに及ぶVmaxが得られ、これに対しDLBS2411を用いる場合、Km値は0.4002μmmol/mlであり、Vmaxは6.67μmmol Pi/hであることが認められた(図4および5)。 Km値を用いて酵素−基質親和性を測定した。 これはE−S複合体の平衡解離定数と関係する。 小さいKm値はE−S複合体が最良の状態にあり、基質に対する酵素の親和性が高いことを意味し、逆が成り立つことも当技術分野で知られている。 図5に、DLBS2411が競合阻害による酵素活性阻害剤としての特徴をもつことを示す。 この競合阻害剤は酵素の活性部位に結合し、これにより酵素が基質に結合するのを阻止する。 本発明の教示に従った酵素動態アッセイから得られた結果は、DLBS2411がH /K ATPase酵素活性を阻害することによる競合阻害剤としてのDLBS2411の特徴を反映する。

    D. DLBS2411の潰瘍形成阻害活性のインビボアッセイ
    本発明において、Wistarラットを用いるインビボ試験により、潰瘍形成阻害におけるDLBS2411活性を調べた。

    この実験に用いた被験動物は、2か月齢および体重200〜210gの雄Wistarラット(Rattus norvegicus Wistar系統)であった。 動物を個別に、食物および飲み水を適宜摂取できる状態で収容した。 それらを、Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care(AAALAC)により承認された、被験動物の使用および飼育のガイドラインに従って、22〜23℃の温度に12時間の明暗サイクルで維持した。

    被験動物を2つの主グループに配属した;第1はエタノール処理により胃潰瘍の誘発を受ける被験動物;第2はインドメタシン処理により胃潰瘍の誘発を受ける被験動物。 動物は潰瘍形成の開始を特徴づける胃傷害を生じた。 この研究で、胃傷害の発生は、予めエタノールおよびインドメタシンにより誘発されたラットの胃における赤い点を特徴とする点状出血の形成により観察された。

    1. Wistarラットにおけるエタノールを用いる胃潰瘍誘発
    エタノール誘発による潰瘍形成は、粘膜保護剤としての植物抽出物の効果を調べる際に広く用いられている。 エタノール誘発による胃傷害は、酸化的ストレス、脂質過酸化の亢進、およびフリーラジカル発生に関連する。 本発明において、粘膜保護剤としてのDLBS2411の効力を胃傷害の阻止におけるそれの活性により示す。

    被験動物を4グループに配属した:(1)陰性対照グループ、(2)陽性対照グループ、(3)DLBS2411 20mg/kg体重で処理したグループ、(4)40mg/kg体重で処理したグループ。 陰性対照グループは、被験動物が生理食塩水による処理を受けただけのグループであった。 他のグループはエタノール80%による初期処理を受け、次いでエタノール15%で1週間誘発された。 1週間後、陽性対照グループを生理食塩水で処理し、一方、2つの処理グループを2種類の異なる投与量のDLBS2411で誘発した:20および40mg/kg体重。 処理期間の終了時に、被験動物を一夜絶食させた。 動物に断頭による安楽死を施し、次いで動物の胃を観察して潰瘍の発生を調べた。

    この処理により、被験動物に生理食塩水による処理を施した陽性対照グループでは、Wistarラットに赤い点19.67±1.53個に及ぶ点状出血の形の潰瘍形成が発生したことが認められた(図6)。 他方、DLBS2411処理を受けた被験動物では胃傷害の個数の減少がみられた;20mg/kg体重のDLBS2411を投与された被験動物には2.33±0.58個の点状出血があり、40mg/kg体重を投与された被験動物には1.33±0.58個の点状出血があった。 この状態は、点状出血の形成により観察された潰瘍の発生をDLBS2411の投与により用量依存性で抑制できることを示した。

    2. Wistarラットにおけるインドメタシンを用いる胃潰瘍誘発
    インドメタシン誘発による潰瘍形成も粘膜保護剤としての植物抽出物の効果を調べる際に広く用いられている。 インドメタシン誘発による潰瘍形成の機序には、プロスタグランジン生合成の阻害、胃粘膜血流の低下、および組織治癒の障害が含まれる。 本発明において、粘膜保護剤としてのDLBS2411の効力を胃傷害の阻止におけるそれの活性により示す。

    被験動物を4グループに配属した:(1)陰性対照グループ、(2)陽性対照グループ、(3)DLBS2411 20mg/kg体重で処理したグループ、(4)40mg/kg体重で処理したグループ。 陰性対照グループは、被験動物が生理食塩水による処理を受けただけのグループであった。 陽性対照グループには生理食塩水およびインドメタシンを投与し、第1および第2処理グループは被験動物にそれぞれ20および40mg/kg体重のDLBS2411による処理を1週間施し、次いでインドメタシン30mg/kg体重で処理した。 インドメタシン誘発は動物を一夜絶食させた後に行われた;その後に外科処理を行った。 被験動物を麻酔した後に正中線開腹した。 幽門を確認し、次いでそれをサイズ3/0の絹糸で結索した。 続いて、被験動物にインドメタシン30mg/kg体重および水を投与した。 6時間の処理後、動物に断頭による安楽死を施し、次いで動物の胃を観察して潰瘍の発生を調べた。

    30mg/kg体重のインドメタシンを投与した被験動物における潰瘍形成は、23±2.65個の点状出血にみられた(図7)。 20および40mg/kgのDLBS2411で処理したグループでは点状出血の個数が減少し、その個数はそれぞれ点状出血10.33±1.53および5.33±0.58個になった。 これらのデータは、Wistarラットの胃傷害の個数の減少により示されるように、DLBS2411が潰瘍形成阻害において効果をもっていたことを示す。 そのような状態は、粘膜保護剤としてのDLBS2411の活性を明らかにする。 WistarラットへのDLBS2411の導入は有意の副作用を引き起こさなかった。 さらに、それは腎臓、心臓、肝臓、脾臓、腸およびに異常を引き起こさないことも認められた。 それらのデータは、ラットの正常な活動を示す毒性試験によっても支持された。 さらに、顕微鏡を用いた観察も、ラットの内臓の正常な状態を示した。

    E. 抗酸化剤としてのDLBS2411の活性
    Oyaizu法(1986)を用いて還元力アッセイを行った。 DLBS2411(0〜50μg/mL)をリン酸緩衝液およびフェリシアン化カリウムと混合した。 混合物を50℃で20分間インキュベートし、次いでそれにTCA溶液を添加し、3000rpmで10分間、遠心した。 上層を採集し、蒸留水および塩化第二鉄溶液と混合した。 分光光度計を用いて700nmの波長で吸光度を測定した。 このアッセイから得られた吸光度値は、抽出物の還元力を示す。 アスコルビン酸(ビタミンC)を対照として用いた。

    その結果は、DLBS2411が還元力をもち、それはDLBS2411の投与量が増加するのに伴って増大することを示した(図8)。 潰瘍形成は大部分は過酸化プロセスによって起き、これが胃潰瘍をもたらす可能性がある。 高い還元力により、この抽出物は過酸化プロセスを抑制できると予想された。 この還元力は、DLBS2411が抗酸化剤としての可能性をもつことを示した。

    F. /K ATPase酵素活性のエクスビボアッセイ
    2つの異なる処理グループ、すなわちエタノール15%で予め処理したグループおよびインドメタシン30mg/kgで処理した他のグループからのWistarラットより摘出した胃壁細胞において、酵素アッセイを行った。 両方の処理グループに20mg/kg体重または40mg/kg体重のDLBS2411を投与した。

    酵素活性アッセイは、ATPの加水分解から放出される無機リン酸の定量に基づいた。 このアッセイは、Enzcheckリン酸アッセイキット(Molecular Probes)を用いて、このキットから得られるマニュアルに従って行われた。

    ラットの胃壁細胞におけるH /K ATPase酵素活性アッセイの結果から、エタノール15%(図9)およびインドメタシン(図10)の添加によって酵素活性アッセイが増強されることが認められ、これは潰瘍形成を引き起こす胃酸過多の指標となる。 しかし、DLBS2411で処理した後には酵素活性が低下した。 これは、抽出物に含有される化合物とH /K ATPase酵素が相互作用し、これにより酵素活性が阻害されたため起きたと思われる。 酵素活性の低下は、DLBS2411が胃酸過多を抑制して潰瘍形成の機会を減らすことができることの指標となる。

    G. 組成物、医薬製剤、および栄養補助食品
    本発明は、有効成分として有効な量または投与量のDLBS2411を含有し(単一および組合わせの両方)、医薬的に許容できかつ生理的に適切なキャリヤー、賦形剤(単数または複数)または添加剤(単数または複数)を含有する、組成物および医薬製剤を含む。

    本発明において教示される医薬組成物の調製方法では、有効成分DLBS2411を、賦形剤(単数または複数)と混合し、もしくはそれに溶解し、またはキャリヤーに含有させ、それをカプセル剤、サッシェ剤の形態にすることができる(紙、または他の包装材料)。

    医薬的に許容できる賦形剤を溶媒として用いる場合、賦形剤は固体、半固体または液体(経口および注射)の形態であってよく、それは有効成分に対するキャリヤーまたは媒体として作用する。 したがって、本発明による医薬組成物は、丸剤、カプセル剤、錠剤、散剤、サッシェ剤、液剤、シロップ剤、乳剤、懸濁液剤、発泡錠、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、およびマウスウォッシュ、マッサージオイル、坐剤、または注射剤の形態にすることができる。 そのほか、本発明によるDLBS2411を含む医薬組成物は、サプリメント、ビタミン剤として、また食品および飲料製品としても調製することもできる。

    適切な賦形剤の若干例は、微結晶性セルロース、ゼラチン、乳糖、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウムその他である。 本発明の教示に適した配合物は、滑沢剤(たとえば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、鉱油)、湿潤剤(単数または複数)、保存剤、甘味剤および着香剤を含有することもできる。

    本発明による組成物は、医薬産業において適用されている方法を用いて、患者にそのような剤形を投与した後に有効成分を直接、持続的、または制御下に放出させる配合で調製することができる。 本発明による錠剤または丸剤を積層して抽出物の半減期を延長し、これによりそれの使用頻度を減らすことができる。

    この組成物を錠剤などの固体剤形で配合する方法は、抽出物の有効成分および/またはDLBS2411の画分を賦形剤(単数または複数)と混合して、本発明による組成物から均質な混合物を含有する初期配合物を形成することにより実施できる。 初期配合物は均一に分散したDLBS2411の有効成分を含有する混合物であり、したがってそれを適正な投与量に従って分配し、たとえばカプセル剤、錠剤または丸剤などの剤形にすることができる。

    組成物または有効物質DLBS2411からの苦味を低減または隠蔽するために、本発明による錠剤または丸剤に追加の保護層を付与することができる。 同様に、本発明による半固体および液体剤形について、組成物または有効物質DLBS2411からの苦味または臭いを低減するために、所望により追加物質を添加することができる。

    本発明による有効な量または投与量のDLBS2411は、プロトンポンプを阻害することができる投与量の抽出物である。 有効量は、患者の身体状態(体重、年齢を含む)、および他の要因(細胞のタイプ、サイズおよび個数、ならびに他の標的とする病的状態を含む)に依存する。

    H. 産業上の用途
    抽出物、および/またはDLBS2411からの医薬組成物は、工業的規模で、経口投与用の抽出物、乾燥粉末抽出物、および/または医薬組成物の製造に使用でき、それらは、H /K ATPaseプロトンポンプをダウンレギュレートし、酵素を阻害し、粘膜保護を付与することによる抗潰瘍剤としてのそれの使用に際して、固体、半固体または液体、無菌または非−無菌であってもよい。

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