Functional antidiabetic drink

申请号 JP2000098434 申请日 2000-03-31 公开(公告)号 JP2001178429A 公开(公告)日 2001-07-03
申请人 Rep Korea; Chinko Sai; 大韓民国; ▲鎮▼浩 崔; 发明人 SAI CHINKO; RYU KOZEN; RI GISAN; KIN TOYU; KIN DAIEKI; BOKU SHUKEN;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a functional antibiabetic drink which can prevent the pathopoiesis of diabetes and treat complications. SOLUTION: This functional antibiabetic drink characterized by lyophilizing 5th instar 3 day silkworms, extracting the silkworms with methanol, concentrating the extract under vacuum, further lyophilizing the concentrated product, mixing 0.01 to 15.0 pts.wt. of the obtained silkworm extract(SWE) perfectly preserving the physiologically active ingredients with 0.001 to 1.0 pt.wt. of a ginger extract and 0.001 to 2.50 pts.wt. of a cinnamon extract as malodor- removing materials, 0.001 to 1.0 pt.wt. of citric acid and 0.001 to 1.0 pt.wt. of vitamin C as agents for enriching the taste and the flavor, and 0.01 to 10.0 pts.wt. of taurine an anti-fatigue agent, centrifuging the mixture at 1,000×g for 10 min, and then using the supernatant in a total volume of 100 ml.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 5齢3日のカイコを凍結乾燥し、これを更にメタノールで抽出して減圧濃縮した後、更に凍結乾燥させて得られる生理活性成分が完全に保存されたカイコ抽出物(SWE) 0.01〜15.0重量部に、異臭除去剤としてショウガ抽出物0.001〜1.0重量部及び桂皮抽出物0.001〜2.50重量部、食味及び嗜好強化剤としてクエン酸0.001〜1.0重量部、ビタミンC0.001〜1.0重量部、これに抗疲労剤としてタウリン0.01〜10.0重量部を添加・混合した後、1,000×gで10分間遠心分離して上層液を使用して全体が100mlとなる組成を有することを特徴とする機能性抗糖尿飲料。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病発病の予防と、糖尿病による合併症を防ぐことができる機能性抗糖尿飲料に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】1985年のWHO報告によれば、糖尿病は、インシュリン依存型糖尿病(Type I) 、インシュリン非依存型糖尿病(Type II)、及び栄養失調性糖尿病
    (MRDM)に分類されている。 そこで、例えば、韓国の糖尿病患者の84%がインシュリン非依存型のType II 糖尿病に罹患している(Lee,et al,1984)。 特に、Type II
    糖尿病は、40代以後の成人のうち、1)肥満型であり、2)活動量が少ない人、又は3)高血圧の合併症と、4)肝臓の機能に障害のある人、そして5)血中中性脂質の含量が高い人に、多く発病する特徴を持っている。

    【0003】一方、古くから糖尿病患者に対する民間療法として、カイコ(silkworm)の粉に効用があると伝えられている。 従来のカイコの糖尿病抑制効果に関する研究は、主に、カイコの粉末を直接又はカプセルに入れて、動物実験及び臨床実験を実施した結果、得られたカイコ粉末の糖尿病抑制効果に関するものがあるに過ぎない。

    【0004】

    【発明が達成しようとする技術的課題】ところで、上記5類形の糖尿病誘発特性をみると、全く今日の成人病(chronic degenerative disease)の発病因子と同じであることが理解できる。 一方で、糖尿病患者の多数が非インシュリン型糖尿病である事実から、インシュリン療法よりは、生理活性が高い、機能性を持つ天然物の中で、糖尿病の予防又は防御効果を有する機能性食品の要求が高く、その開発が急務である。

    【0005】本発明は、かかる課題を着眼してなされたものであり、その目的は糖尿病発病を予防し、合併症を防ぐことができる機能性抗糖尿飲料を提供することにある。

    【0006】

    【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的を達成するには、古くから民間療法として伝えられているカイコ(silkworm)の粉に着目した。 すなわち、本発明はカイコ(silkworm)の粉末からメタノールによって抽出したカイコ抽出物(MLE)を使用して機能性抗糖尿飲料に関するものであり、この飲料を飲用すると生理活性効果を得られる。

    【0007】本発明者等は、既述したごとく韓国の糖尿病患者の84%がインシュリン非依存型(Type II)糖尿病患者であることに着眼して、インシュリンより生理活性が高い機能性を有する天然物のなかで、糖尿病の予防又は防御効果をもつ機能性食品を開発することが必要であることを痛感し、最も抗糖尿効果を有する機能性飲料の開発に取り組んだ。

    【0008】本発明者等の研究結果によると、カイコは、5齢3日から数日間経過すると重量が数倍になり、
    カイコ抽出物の抽出量は増えるが、カイコ成分の薬理効果が消失するという事実に着眼した。 5齢3日のカイコを、成分の破壊を考慮して冷凍乾燥して、粉末にした後、メタノールで抽出して、更に凍結乾燥して、成分破壊が全然無い状態で、カイコの完全な成分を保有するカイコ粉末抽出物を使用ことが有効であることが確認された。

    【0009】そこで、ストレプトゾトシン(streptozot
    ocin) により4日間糖尿病を誘発したSD系ネズミ(ra
    t) に、桑の葉(mulberry leaf extract : MLE) 、カイコ抽出物(silkworm extract: SWE) 及びシルクフィブロイン(silk fibroinpowder: SFP)を毎日各30mgずつ投与されるように、0.5mlに溶解させて腹腔投与しながら、12日間抗糖尿効果を分析して評価した。

    【0010】分析結果を評価して、ストレプトゾトシン
    (streptozotocin)60mg/kgBWになるように、尾の静脈に注射して、4日間糖尿を誘発した糖尿病に罹ったSD系ネズミに、上述の中で抗糖尿効果に最も優れたカイコ抽出物(SWE) を、10mg,30m,及び60m
    gを腹腔投与するとともに、同様に糖尿を誘発した糖尿病に罹ったSD系ネズミに、現在市販されている(株)
    韓独薬品製の糖尿病治療剤ダオニル(Daonil)を糖尿病患者の一日の服用が40mg( 含む、glybenclamide 1.
    25mg) 及び80mg( 含む、glybenclamide 2.50 mg )
    になるように水に溶解させて、腹腔投与しながら、12
    日間抗糖尿効果を比較評価した。

    【0011】その結果、カイコ抽出物が、インシュリン非依存型(Type II) 糖尿病治療剤として、市販の前記ダオニルに匹敵するほど、抗糖尿作用に優れていることを立証することに成功した。 このカイコ抽出物を用いて、
    抗糖尿飲料を開発するに至った。

    【0012】すなわち、本発明は、5齢3日のカイコを凍結乾燥し、これを更にメタノールで抽出して減圧濃縮した後、更に凍結乾燥させて得られる生理活性成分が完全に保存されたカイコ抽出物(SWE) 0.01〜15.0
    重量部に、異臭除去剤としてショウガ抽出物0.001
    〜1.0重量部及び桂皮抽出物0.001〜2.50重量部、食味及び嗜好強化剤としてクエン酸0.001〜
    1.0重量部、ビタミンC0.001〜1.0重量部、
    これに抗疲労剤としてタウリン0.01〜10.0重量部を添加・混合した後、1,000×gで10分間遠心分離して上層液を使用して全体が100mlとなる組成を有することを特徴とする機能性抗糖尿飲料にある。

    【0013】栄養状態が好転し、肉食を好むことによって、中性脂質の過多摂取及び運動不足等が原因になって発病する、成人病の中でも一番治療が難しいインシュリン非依存型(Type II) 糖尿病は、韓国の糖尿病患者の8
    4%を占めている難治性成人病として知られている。

    【0014】古くから効能があるとされるカイコに関連する産物に着目し、桑の葉抽出物(MLE) 、シルクフィブロイン粉末(SFP)、カイコ抽出物(SWE) のようなカイコ関連産物の抗糖尿効果を分析・評価してみた結果、桑の葉抽出物は血糖降下効果を全く期待することが出来なかったが、シルクフィブロイン粉末(SFP) は、投与12日目に約20%の血糖降下効果が表れ、一方カイコ抽出物(SWE)は投与12日目に30%の著しい血糖降下効果が認められた。

    【0015】また、同時に前記カイコ抽出物を使用すると共に、比較のため市販中の(株)韓独薬品の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil) を使用して、双方の血糖降下効果を分析・評価した結果、カイコ抽出物SWEを30mg及び同じくカイコ抽出物SWEを60mgを投与するグループ、並びに糖尿病治療剤である前記ダニオルを40mg及び80mgを投与するグループごとに1
    2日間投与をつづけたところ、投与12日目にあって何も投与しない対照グループとの対比で各25%及び30
    %の著しい血糖降下効果を示した。 その結果、前記カイコ抽出物が市販の糖尿病治療剤であるダニオルとほぼ同じ効果が得られることが判明した。

    【0016】同じ方法でカイコ抽出物と市販中の (株)
    韓独薬品製の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)とを使用して、双方の中性脂質、過酸化脂質及び活性酸素(・OH) の抑制効果及び生体防御酵素としてSOD活性を評価してみた結果、中性脂質、過酸化脂質及び活性酸素の抑制効果は、カイコ抽出物SWE−10mg,30
    mg,60mgの投与グループは、投与12日後に対照グループの対比で各10〜15%、10〜15%、15
    〜20%の抑制効果が認められた一方、糖尿病治療剤であるDaonil−40mg,80mgの投与グループは、投与12日後、対照グループとの対比で各15〜3
    0%、約15%、5〜12%の抑制効果が認められた。

    【0017】また、生体防御酵素としてのSOD活性は、カイコ抽出物SWE−10,30,60mgの投与グループは投与12日後における対照グループとの対比はそれぞれ10〜15%の増加効果が認められた一方で、糖尿病治療剤であるDaonil−40,80の投与グループは、投与12日後の対照グループとの対比は、それぞれ20〜30%の活性増加効果が認められた。

    【0018】

    【発明の実施形態】本発明に到るまでに実施された動物実験、使用したカイコ粉末の抽出、実験材料、実験方法、及び実験結果は次のとおりである。

    【0019】1. 動物実験及び飼料造成 (1)実験動物及び動物実験 韓国化学研究所で購入したSD系ネズミ(female, 160±
    10g)を購入して、動物飼育室で2週間予備飼育した後、
    ストレプトゾトシン(STZ)により糖尿を誘発し、4日目に血糖量が300mg/ dl以上のネズミだけを実験に使用した。

    【0020】動物実験(I)における実験グループは7匹ずつ4群に分け、実験用対比グループ(control group)
    は水で服腔投与し、糖尿抑制効果を究明するために、毎日桑(mulberry Morus alba) の葉の抽出物(MLE)、カイコ(silkworm: Bombyx mori,L.) 、抽出物(SWE)及びシルクフィブロイン(silkfibroin: SF) を各30mgになるように服腔投与した。

    【0021】動物実験(II) における実験グループは7
    匹ずつ6群に分けて、実験用対比グループ(control gro
    up) は水で服腔投与し、糖尿抑制効果を究明するために、最も抗糖尿効果の優れたカイコ抽出物(SWE) を各1
    0,30,60mg及び血糖降下剤で現在市販中のインシュリン非依存型(Type II)糖尿病治療剤である(株)
    韓独薬品製ダオニル(Daonil: glybenclamide ) を1日の服用量が各40mg(glybenclamide: 1.25mg) 、80
    mg(glybenclamide: 2.50mg )となるように水0.5mg
    に溶解させて、服腔投与しながら12日間の血糖降下効果を分析して、抗糖尿効果を評価した。 動物飼育室は、
    恒温恒湿(22 ±2℃,65±2 %RH) 下で12時間サイクル(06:00〜18:00)で明暗が自動調節される。

    【0022】(2) 調整飼料の造成 本実験で使用した飼料造成は、炭水化物59.0%(ac
    orn starch:44.0 %+sucrose 15.0%)蛋白質18.0
    %(sodium-free casein),脂質15.0%(lard:10.0%
    + corn oil:5.0%) ,ビタミンと無機質(AIN-76 mixtu
    re) 各1.0%、3.5%、及び繊維質3.0%、DL-m
    ethionine 0.3% choline chloride0.2%を添加した。

    【0023】2. 実験材料 (1) 抗糖尿飲料の開発のための材料カイコ関連産物として桑葉抽出物、カイコ抽出物及びシルクフィブロイン
    (silkfibroin) は、韓国農業振興庁農業科学研究院蚕事昆虫部から貰い受けて抗糖尿効果の比較実験に使用した。 この抗糖尿効果を比較・評価するために、インシュリン非依存型(Type II)糖尿病治療剤として市販中の(株)韓独薬品製ダオニル(Daonil) を購入して比較実験に使用した。

    【0024】(2) 使用試薬 本実験に使用した試薬、即ち、実験的に糖尿を誘発するためのストレプトゾトシン(streptozotocin)、血液中の血糖であるグルコース(glucose) 測定用キット試薬、その他分析用試薬は総てSigma製特級試薬を使用した。

    【0025】3. 実験方法 (1) 実験的糖尿の誘発 糖尿誘発剤として広く使用されているストレプトゾトシン(streptozotocin)を使用してSD系ネズミに60mg
    /kgBWになるように、0.1M sodium citrate buffer
    (pH4.3) に溶いて尾の静脈を介して注射した。 糖尿が誘発されたネズミの尾静脈から0.2、4日間の血液を採取して血糖量を分析した。 4日目に血糖量が300mg
    / dl以上のネズミだけを使用し、動物実験(I) において、カイコ関連産物として桑の葉抽出物(MLE) ,カイコ抽出物(SWE) ,シルクフィブロイン(SF)を服腔投与して、12日間血糖量を分析し、比較・評価し、更に動物実験(II)では、カイコ抽出物(SWE) と市販糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil) を服腔投与しながら、12日間血糖量(glucose content) を分析し、比較・評価した。 (2) 血糖(blood glucose) の測定 尾静脈で採決した血液から分離した血清中のグルコース含量は、酵素法によるキット試薬(Sigma, Co, USA)
    で測定した。 先ず、血清及び標準溶液としてグルコース標準液(400mg/dl)を各5ulずつ入れ、これに発色試薬を1.0mlずつずつ入れて、よく混ぜて37℃で15
    分間反応させる。 蒸留水に発色試薬を入れたblank を対比グループにして、505nmで吸光度を測定して、 グルコース含量(mg/dl)=( DD検体/OD 標準 )×400 *
    *グルコース標準溶液の濃度)、 の式に従ってグルコース含量を算出した。

    【0026】(3) 脂質及び過酸化脂質の測定 インシュリン非依存型(Type II)糖尿病の原因の一つは中性脂質の蓄積である。 従って、血清中の中性脂質としてトリグリセーライド(triglyceride:TG)の含量はキット試薬(Sigma Co,USA) で測定した。 また、これら脂質は、活性酸素として知られている悪い酸素の攻撃を受けて生成されるものであることが知られている。 血清中の脂質を攻撃して生成される過酸化脂質(Lipid pe
    roxide:LPO) は、本発明者等により1991年に発表された方法により分光光度計を用いて535nmにおける吸光度を測定して定量した。

    【0027】(4) 活性酸素及び除去酵素の測定 最も強な活性酸素として知られているヒドロクシラドカル(Lydroxy radical:OH) の生成量は、反応性酸素代謝物によって、デオクシリボース(deoxyribose)が破壊されて、アルデヒド(aldehide) が生成されるという事実に着目し、反応中に生成されたアルデヒドが酸性溶液においてチオバビチュリン酸(thiobabituric acid) と反応して発色するのを利用したHalliwell 等(1981)の方法によって測定した。 生体の防御システムとしてスーパーオクシドデイスムターゼ(Superoxide dismutase:S
    OD) 活性の測定はOyanagui等(1984)の方法によって定量した。

    【0028】4. 実験結果の評価 A. 動物実験(I) の結果 (1) カイコ関連産物の血糖降下効果 動物実験(I) では、桑の葉、シルクフィブロイン及びカイコ等のカイコ関連産物の血糖降下効果を分析して比較するものである。 ストレプトゾトシン(STZ )を用いて4日間糖尿を誘発した後、血糖が300mg/dl以上のネズミを4日目から実験グループとして各7匹ずつ4
    群に分けて、対照グループ(Control group)は水をもって服腔投与し、糖尿抑制効果を究明するために、毎日、
    桑(mulberry:morus alba)の葉の抽出物(MLE)、カイコ(silkworm:Bombyx mori. L.) 抽出物(SWE) 及びシルクフィブロイン粉末(Silk fibroin powder:SFP)を各30
    mg/kgBWになるように服腔投与したときの12日間の血糖抑制効果は、図1に示すとおりであった。

    【0029】同図におけるプロット「●」は桑葉抽出物(mulberry leaf extract)、「□」はシルクフィブロイン粉末(silkfibroin powder)、「■」はカイコ抽出物(s
    ilkworm extract)を示し、類擬性検定は対照グループ対比の値* P<0.001である。

    【0030】図1に示されたように、桑葉抽出物(MLE)
    は、対照グループと較べて全然類擬的血糖降下効果が期待出来なかった。 然し、シルクフィブロイン粉末(SFP)
    とカイコ抽出物(SWE)投与グループは投与2日目から類擬的な血糖降下効果が表れ始め、投与4日目から対照グループ対比は各約10%と20%の著しい血糖降下効果が現れた。 シルクフィブロイン粉末(SFP) は投与6日目から12日目まで約20%の血糖降下効果が現れたが、
    一方カイコ抽出物(SWE) は、投与4日目から12日目まで約20〜30%の著しい血糖降下効果があった。

    【0031】B. 動物実験(II)の結果 (1) 糖尿病治療剤と血糖降下効果の比較 動物実験(I) では、血糖降下効果は、断然カイコ抽出物
    (SWE) が最も効果的であって、対照グループ対比で約2
    0〜30%の著しい血糖降下効果が認められた。 従って、実験的にストレプトゾトシン(STZ) を用いて糖尿を誘発した後、血糖300mg/dl以上のネズミを使用し、4日目から実験グループを7匹ずつ6群に分けて、
    対照グループは水で服腔投与して、血糖降下効果を究明するために毎日カイコ抽出物(SWE) を10,30,60
    mg及び市販中のインシュリン非依存型(Type II) 糖尿病治療剤である( 株)韓独薬品製ダオニル(Daonil:glyb
    enelamide ) を、40mg(glybenclamide:1.25mg),8
    0mg(giybenclamide:2.50mg)になるように水0.5m
    lで溶いて服腔投与しながら、12日間の血糖降下効果を比較したところ、表1に示す結果を得た。

    【0032】表1で理解できるように、カイコ抽出物S
    WE−10mg投与グループの血糖含量は、対照グループ対比で投与2日目から約15%の意義ある血糖降下効果が表れ始め、投与12日目には約25%以上の著しい血糖降下効果が表れ、SWE−60mg投与グループの血糖含量も対照グループ対比、投与2日目から約15%
    以上の意義ある血糖降下効果が表れ始め、投与12日目には30%以上の著しい血糖降下効果が表れた。

    【0033】

    【表1】

    【0034】更に、カイコ抽出物の血糖降下効果を評価するために、現在市販中の(株)韓独薬品製の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)の投与グループとしてD
    aonil−40mg投与グループを選択したところ、
    その血糖含量は対照グループ対比で投与2日目から約1
    5%以上の意義ある血糖降下効果を表し始め、投与12
    日目には35%以上の著しい血糖降下効果が表れた。 D
    aonil−80mg投与グループの血糖含量では、対照グループ対比で投与2日目から約25%の意義有る血糖降下効果が表れ始め、投与12日目にはDaonil
    −40mgグループと同じく35%以上の著しい血糖降下効果が表れた。

    【0035】以上の実験結果から理解できるように、カイコ抽出物(SWE)投与グループが(株)韓独薬品製の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)の薬理効果に近似する程度の血糖降下効果が現れるという顕著な事実が立証された。 カイコ抽出物のこの驚くべき抗糖尿効果からみて、カイコ抽出物は糖尿病治療剤とは異なり、食品成分であり副作用が全く無いという点で、カイコ抽出物を利用した優れた天然抗糖尿飲料として実施し得る特徴を備えている。

    【0036】(2) 脂質及び過酸化脂質の抑制効果 インシュリン非依存型(TypeII)の発病原因として肥満と中性脂質の蓄積が含まれる。 従って、血糖300mg
    /dl以上のネズミに、対照グループには水を、実験グループにはカイコ抽出物(SWE-10,30,60グループ)及び市販の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil-40mg ,
    80mgグループ)の中性脂質及び過酸化脂質の抑制効果を比較してみると表2のようになる。

    【0037】表2で中性脂質を比較してみると、カイコ抽出物投与グループはSWE−30mgグループで約1
    0%の意義ある中性脂質抑制効果が認められ、SWE−
    60mgグループでは約15%以上の意義ある中性脂質抑制効果が認められた。 また、糖尿病治療剤ダオニル投与グループは、Daonil−40mgグループで約1
    3%、Daonil−80mgグループで約30%程度の効果的中性脂質抑制効果が認められた。 従って、ダオニルとカイコ抽出物の抗糖尿効果は、中性脂質の抑制及びこれに伴う肥満の抑制に基づくものと推定される。

    【0038】更に、表2で成人病及び老化の原因成分として判明された過酸化脂質の含量も、SWE−30mg
    グループでは約10%、SWE−60mgグループでは約15%の意義ある過酸化脂質抑制効果が認められ、糖尿病治療剤であるDaonil−40mg及びDaon
    il−80mgグループも共に約15%の過酸化脂質の抑制効果が認められた。 従って、カイコ抽出物(SWE)
    も、糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)と同じく、
    過酸化脂質を効果的に抑制するという事実に基づいて使用できるものである。

    【0039】

    【表2】

    【0040】(3) 活性酸素及び除去酵素の活性評価 これまでに究明された老化の学説のうちで、酸化ストレス説(Oxidative Theory)が最も脚光を浴びているのが現状である。 従って、カイコ抽出物(SWE)及び糖尿病治療剤(Daonil)の投与がインシュリン非依存性(TypeI
    I)糖尿病に及ぼす活性酸素及び生体防御酵素として除去酵素に及ぼす影響を分析・比較してみたところ表3に示すとおりである。

    【0041】表3において、毒性酸素として成人病と老化を促進すると判明した活性酸素の中で最も毒性が強いヒドロキシラジカル( ・OH) を比較してみると、カイコ抽出物投与グループは、SWE−10mgグループにおいて、約15%の意義ある・OHラジカル抑制効果が認められ、SWE−30及びSWE−60グループに於いて、約20%の意義ある・OHラジカル抑制効果が認められた。 更に、糖尿病治療剤ダオニル投与グループは、
    Daonil−40mg及びDaonil−80mgグループにおいて、約7〜12%の・OHラジカル抑制効果が認められた。 従って、カイコ抽出物がダオニル投与よりも活性酸素を一層効果的に抑制することが判明した。

    【0042】更に、表3に示すように、生体防御酵素の中でも最も重要なスーパーオキシドディスムターゼ(SO
    D)の活性は、SWE−10mg,SWE−30mg,S
    WE−60mgの各グループにおいて、約10〜15%
    の意義あるSOD活性増加効果が認められ、糖尿病治療剤であるDaonil−40mg,Daonil−80
    mgの各グループも約20〜30%のSOD活性増加が認められた。 カイコ抽出物(SWE)も糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)と同じく、SOD活性を効果的に増加することができるので、カイコ抽出物が有効に使用できる。

    【0043】

    【表3】

    【0044】以上の研究結果を総合してみるとき、桑の葉、シルクフィブロイン、カイコ等のカイコ関連産物の中で、カイコ抽出物が抗糖尿効果が最も優れているのみならず、カイコ抽出物(SWE)を現在市販中の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)と抗糖尿効果、中性脂質と活性酸素及び過酸化脂質の抑制効果、そして生体防御酵素であるSOD活性の増加効果等を分析・比較してみた結果、カイコ抽出物(SWE)が糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)の抗糖尿効果に匹敵する程度に効果的であることが判明した。 特に、1日当り、カイコ抽出物30
    〜60mgで抗糖尿効果が効果的に認められたが、糖尿病の予防の面を考慮して0.1重量部を使用して生理活性を持つようにした機能性抗糖尿飲料がよい。

    【0045】「実施例1」5齢3日のカイコを凍結乾燥し、これを更にメタノールで抽出して、減圧濃縮した後、更に凍結乾燥した、生理活性性分が完全に保存されたカイコ抽出物(SWE) 0.1重量部に異臭除去剤としてショウガ抽出物0.05重量部及び桂皮抽出物0.05
    重量部を添加して異臭を順化し、食味及び嗜好強化剤としてクエン酸0.05重量部、ビタミンC0.05重量部を添加し、これに抗疲労剤としてタウリン(taurine)
    0.1重量部を添加・混合した後、1,000×gを1
    0分間遠心分離して上層液を用いて全体が100mlになるように調製して機能性抗糖尿飲料を製造した。 この外にも、次の表4に示された各成分の重量部のように調製して比較・実験した結果、上記製造重量部が最も優れた効果を示した。

    【0046】

    【表4】

    【図面の簡単な説明】

    【図1】成分別に示す投与期間とグルコース含有量低下の関係を示す線図である。

    ─────────────────────────────────────────────────────

    【手続補正書】

    【提出日】平成12年4月3日(2000.4.3)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】全文

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【書類名】 明細書

    【発明の名称】 機能性抗糖尿飲料

    【特許請求の範囲】

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病発病の予防と、糖尿病による合併症を防ぐことができる機能性抗糖尿飲料に関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】1985年のWHO報告によれば、糖尿病は、インシュリン依存型糖尿病(Type I) 、インシュリン非依存型糖尿病(Type II)、及び栄養失調性糖尿病
    (MRDM)に分類されている。 そこで、例えば、韓国の糖尿病患者の84%がインシュリン非依存型のType II 糖尿病に罹患している(Lee,et al,1984)。 特に、Type II
    糖尿病は、40代以後の成人のうち、1)肥満型であり、2)活動量が少ない人、又は3)高血圧の合併症と、4)肝臓の機能に障害のある人、そして5)血中中性脂質の含量が高い人に、多く発病する特徴を持っている。

    【0003】一方、古くから糖尿病患者に対する民間療法として、カイコ(silkworm)の粉に効用があると伝えられている。 従来のカイコの糖尿病抑制効果に関する研究は、主に、カイコの粉末を直接又はカプセルに入れて、動物実験及び臨床実験を実施した結果、得られたカイコ粉末の糖尿病抑制効果に関するものがあるに過ぎない。

    【0004】

    【発明が達成しようとする技術的課題】ところで、上記5類形の糖尿病誘発特性をみると、全く今日の成人病(chronic degenerative disease)の発病因子と同じであることが理解できる。 一方で、糖尿病患者の多数が非インシュリン型糖尿病である事実から、インシュリン療法よりは、生理活性が高い、機能性を持つ天然物の中で、糖尿病の予防又は防御効果を有する機能性食品の要求が高く、その開発が急務である。

    【0005】本発明は、かかる課題を着眼してなされたものであり、その目的は糖尿病発病を予防し、合併症を防ぐことができる機能性抗糖尿飲料を提供することにある。

    【0006】

    【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的を達成するには、古くから民間療法として伝えられているカイコ(silkworm)の粉に着目した。 すなわち、本発明はカイコ(silkworm)の粉末からメタノールによって抽出したカイコ抽出物(MLE)を使用して機能性抗糖尿飲料に関するものであり、この飲料を飲用すると生理活性効果を得られる。

    【0007】本発明者等は、既述したごとく韓国の糖尿病患者の84%がインシュリン非依存型(Type II)糖尿病患者であることに着眼して、インシュリンより生理活性が高い機能性を有する天然物のなかで、糖尿病の予防又は防御効果をもつ機能性食品を開発することが必要であることを痛感し、最も抗糖尿効果を有する機能性飲料の開発に取り組んだ。

    【0008】本発明者等の研究結果によると、カイコは、5齢3日から数日間経過すると重量が数倍になり、
    カイコ抽出物の抽出量は増えるが、カイコ成分の薬理効果が消失するという事実に着眼した。 5齢3日のカイコを、成分の破壊を考慮して冷凍乾燥して、粉末にした後、メタノールで抽出して、更に凍結乾燥して、成分破壊が全然無い状態で、カイコの完全な成分を保有するカイコ粉末抽出物を使用ことが有効であることが確認された。

    【0009】そこで、ストレプトゾトシン(streptozot
    ocin) により4日間糖尿病を誘発したSD系ネズミ(ra
    t) に、桑の葉(mulberry leaf extract : MLE) 、カイコ抽出物(silkworm extract: SWE) 及びシルクフィブロイン(silk fibroinpowder: SFP)を毎日各30mgずつ投与されるように、水0.5mlに溶解させて腹腔投与しながら、12日間抗糖尿効果を分析して評価した。

    【0010】分析結果を評価して、ストレプトゾトシン
    (streptozotocin)60mg/kgBWになるように、尾の静脈に注射して、4日間糖尿を誘発した糖尿病に罹ったSD系ネズミに、上述の中で抗糖尿効果に最も優れたカイコ抽出物(SWE) を、10mg,30m ,及び60
    mgを腹腔投与するとともに、同様に糖尿を誘発した糖尿病に罹ったSD系ネズミに、現在市販されている(株)韓独薬品製の糖尿病治療剤ダオニル(Daonil)を糖尿病患者の一日の服用が40mg( 含む、glybenclam
    ide 1.25mg) 及び80mg( 含む、glybenclamide 2.50
    mg )になるように水に溶解させて、腹腔投与しながら、12日間抗糖尿効果を比較評価した。

    【0011】その結果、カイコ抽出物が、インシュリン非依存型(Type II) 糖尿病治療剤として、市販の前記ダオニルに匹敵するほど、抗糖尿作用に優れていることを立証することに成功した。 このカイコ抽出物を用いて、
    抗糖尿飲料を開発するに至った。

    【0012】すなわち、本発明は、5齢3日のカイコを凍結乾燥し、これを更にメタノールで抽出して減圧濃縮した後、更に凍結乾燥させて得られる生理活性成分が完全に保存されたカイコ抽出物(SWE) 0.01〜15.0
    重量部に、異臭除去剤としてショウガ抽出物0.001
    〜1.0重量部及び桂皮抽出物0.001〜2.50重量部、食味及び嗜好強化剤としてクエン酸0.001〜
    1.0重量部、ビタミンC0.001〜1.0重量部、
    これに抗疲労剤としてタウリン0.01〜10.0重量部を添加・混合した後、1,000×gで10分間遠心分離して上層液を使用して全体が100mlとなる組成を有することを特徴とする機能性抗糖尿飲料にある。

    【0013】栄養状態が好転し、肉食を好むことによって、中性脂質の過多摂取及び運動不足等が原因になって発病する、成人病の中でも一番治療が難しいインシュリン非依存型(Type II) 糖尿病は、韓国の糖尿病患者の8
    4%を占めている難治性成人病として知られている。

    【0014】古くから効能があるとされるカイコに関連する産物に着目し、桑の葉抽出物(MLE) 、シルクフィブロイン粉末(SFP)、カイコ抽出物(SWE) のようなカイコ関連産物の抗糖尿効果を分析・評価してみた結果、桑の葉抽出物は血糖降下効果を全く期待することが出来なかったが、シルクフィブロイン粉末(SFP) は、投与12日目に約20%の血糖降下効果が表れ、一方カイコ抽出物(SWE)は投与12日目に30%の著しい血糖降下効果が認められた。

    【0015】また、同時に前記カイコ抽出物を使用すると共に、比較のため市販中の(株)韓独薬品の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil) を使用して、双方の血糖降下効果を分析・評価した結果、カイコ抽出物SWEを30mg及び同じくカイコ抽出物SWEを60mgを投与するグループ、並びに糖尿病治療剤である前記ダニオルを40mg及び80mgを投与するグループごとに1
    2日間投与をつづけたところ、投与12日目にあって何も投与しない対照グループとの対比で各25%及び30
    %の著しい血糖降下効果を示した。 その結果、前記カイコ抽出物が市販の糖尿病治療剤であるダニオルとほぼ同じ効果が得られることが判明した。

    【0016】同じ方法でカイコ抽出物と市販中の (株)
    韓独薬品製の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)とを使用して、双方の中性脂質、過酸化脂質及び活性酸素(・OH) の抑制効果及び生体防御酵素としてSOD活性を評価してみた結果、中性脂質、過酸化脂質及び活性酸素の抑制効果は、カイコ抽出物SWE−10mg,30
    mg,60mgの投与グループは、投与12日後に対照グループの対比で各10〜15%、10〜15%、15
    〜20%の抑制効果が認められた一方、糖尿病治療剤であるDaonil−40mg,80mgの投与グループは、投与12日後、対照グループとの対比で各15〜3
    0%、約15%、5〜12%の抑制効果が認められた。

    【0017】また、生体防御酵素としてのSOD活性は、カイコ抽出物SWE−10,30,60mgの投与グループは投与12日後における対照グループとの対比はそれぞれ10〜15%の増加効果が認められた一方で、糖尿病治療剤であるDaonil−40,80の投与グループは、投与12日後の対照グループとの対比は、それぞれ20〜30%の活性増加効果が認められた。

    【0018】

    【発明の実施形態】本発明に到るまでに実施された動物実験、使用したカイコ粉末の抽出、実験材料、実験方法、及び実験結果は次のとおりである。

    【0019】1. 動物実験及び飼料造成 (1)実験動物及び動物実験 韓国化学研究所で購入したSD系ネズミ(female, 160±
    10g)を購入して、動物飼育室で2週間予備飼育した後、
    ストレプトゾトシン(STZ)により糖尿を誘発し、4日目に血糖量が300mg/ dl以上のネズミだけを実験に使用した。

    【0020】動物実験(I)における実験グループは7匹ずつ4群に分け、実験用対比グループ(control group)
    は水で服腔投与し、糖尿抑制効果を究明するために、毎日桑(mulberry Morus alba) の葉の抽出物(MLE)、カイコ(silkworm: Bombyx mori,L.) 、抽出物(SWE)及びシルクフィブロイン(silkfibroin: SF) を各30mgになるように服腔投与した。

    【0021】動物実験(II) における実験グループは7
    匹ずつ6群に分けて、実験用対比グループ(control gro
    up) は水で服腔投与し、糖尿抑制効果を究明するために、最も抗糖尿効果の優れたカイコ抽出物(SWE) を各1
    0,30,60mg及び血糖降下剤で現在市販中のインシュリン非依存型(Type II)糖尿病治療剤である(株)
    韓独薬品製ダオニル(Daonil: glybenclamide ) を1日の服用量が各40mg(glybenclamide: 1.25mg) 、80
    mg(glybenclamide: 2.50mg )となるように水0.5mg
    に溶解させて、服腔投与しながら12日間の血糖降下効果を分析して、抗糖尿効果を評価した。 動物飼育室は、
    恒温恒湿(22 ±2℃,65±2 %RH) 下で12時間サイクル(06:00〜18:00)で明暗が自動調節される。

    【0022】(2) 調整飼料の造成 本実験で使用した飼料造成は、炭水化物59.0%(ac
    orn starch:44.0 %+sucrose 15.0%)蛋白質18.0
    %(sodium-free casein),脂質15.0%(lard:10.0%
    + corn oil:5.0%) ,ビタミンと無機質(AIN-76 mixtu
    re) 各1.0%、3.5%、及び繊維質3.0%、DL-m
    ethionine 0.3% choline chloride0.2%を添加した。

    【0023】2. 実験材料 (1) 抗糖尿飲料の開発のための材料カイコ関連産物として桑葉抽出物、カイコ抽出物及びシルクフィブロイン
    (silkfibroin) は、韓国農業振興庁農業科学研究院蚕事昆虫部から貰い受けて抗糖尿効果の比較実験に使用した。 この抗糖尿効果を比較・評価するために、インシュリン非依存型(Type II)糖尿病治療剤として市販中の(株)韓独薬品製ダオニル(Daonil) を購入して比較実験に使用した。

    【0024】(2) 使用試薬 本実験に使用した試薬、即ち、実験的に糖尿を誘発するためのストレプトゾトシン(streptozotocin)、血液中の血糖であるグルコース(glucose) 測定用キット試薬、その他分析用試薬は総てSigma製特級試薬を使用した。

    【0025】3. 実験方法 (1) 実験的糖尿の誘発 糖尿誘発剤として広く使用されているストレプトゾトシン(streptozotocin)を使用してSD系ネズミに60mg
    /kgBWになるように、0.1M sodium citrate buffer
    (pH4.3) に溶いて尾の静脈を介して注射した。 糖尿が誘発されたネズミの尾静脈から0.2、4日間の血液を採取して血糖量を分析した。 4日目に血糖量が300mg
    / dl以上のネズミだけを使用し、動物実験(I) において、カイコ関連産物として桑の葉抽出物(MLE) ,カイコ抽出物(SWE) ,シルクフィブロイン(SF)を服腔投与して、12日間血糖量を分析し、比較・評価し、更に動物実験(II)では、カイコ抽出物(SWE) と市販糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil) を服腔投与しながら、12日間血糖量(glucose content) を分析し、比較・評価した。

    【0026】(2) 血糖(blood glucose) の測定 尾静脈で採決した血液から分離した血清中のグルコース含量は、酵素法によるキット試薬(Sigma, Co, USA)
    で測定した。 先ず、血清及び標準溶液としてグルコース標準液(400mg/dl)を各5ulずつ入れ、これに発色試薬を1.0mlずつずつ入れて、よく混ぜて37℃で15
    分間反応させる。 蒸留水に発色試薬を入れたblank を対比グループにして、505nmで吸光度を測定して、 グルコース含量(mg/dl)=( DD検体/OD 標準 )×400 *
    *グルコース標準溶液の濃度)、 の式に従ってグルコース含量を算出した。

    【0027】(3) 脂質及び過酸化脂質の測定 インシュリン非依存型(Type II)糖尿病の原因の一つは中性脂質の蓄積である。 従って、血清中の中性脂質としてトリグリセーライド(triglyceride:TG)の含量はキット試薬(Sigma Co,USA) で測定した。 また、これら脂質は、活性酸素として知られている悪い酸素の攻撃を受けて生成されるものであることが知られている。 血清中の脂質を攻撃して生成される過酸化脂質(Lipid pe
    roxide:LPO) は、本発明者等により1991年に発表された方法により分光光度計を用いて535nmにおける吸光度を測定して定量した。

    【0028】(4) 活性酸素及び除去酵素の測定 最も強力な活性酸素として知られているヒドロシラ
    カル( h ydroxy radical:OH) の生成量は、反応性酸素代謝物によって、デオクシリボース(deoxyribose)が破壊されて、アルデヒド(aldehide) が生成されるという事実に着目し、反応中に生成されたアルデヒドが酸性溶液においてチオバビチュリン酸(thiobabituric acid) と反応して発色するのを利用したHalliwell 等(1981)の方法によって測定した。 生体の防御システムとしてスーパーオシドディスムターゼ(Superoxide dismutase:S
    OD) 活性の測定はOyanagui等(1984)の方法によって定量した。

    【0029】4. 実験結果の評価 A. 動物実験(I) の結果 (1) カイコ関連産物の血糖降下効果 動物実験(I) では、桑の葉、シルクフィブロイン及びカイコ等のカイコ関連産物の血糖降下効果を分析して比較するものである。 ストレプトゾトシン(STZ)を用いて4
    日間糖尿を誘発した後、血糖が300mg/dl以上のネズミを4日目から実験グループとして各7匹ずつ4群に分けて、対照グループ(Control group)は水をもって服腔投与し、糖尿抑制効果を究明するために、毎日、桑(mulberry:morus alba)の葉の抽出物(MLE)、カイコ(silkworm:Bombyx mori. L.) 抽出物(SWE) 及びシルクフィブロイン粉末(Silk fibroin powder:SFP)を各30
    mg/kgBWになるように服腔投与したときの12日間の血糖抑制効果は、図1に示すとおりであった。

    【0030】同図におけるプロット「●」は桑葉抽出物(mulberry leaf extract)、「□」はシルクフィブロイン粉末(silkfibroin powder)、「■」はカイコ抽出物(s
    ilkworm extract)を示し、類擬性検定は対照グループ対比の値* P<0.001である。

    【0031】図1に示されたように、桑葉抽出物(ML
    E) は、対照グループと較べて全然類擬的血糖降下効果が期待出来なかった。 然し、シルクフィブロイン粉末(S
    FP) とカイコ抽出物(SWE)投与グループは投与2日目から類擬的な血糖降下効果が表れ始め、投与4日目から対照グループ対比は各約10%と20%の著しい血糖降下効果が現れた。 シルクフィブロイン粉末(SFP) は投与6
    日目から12日目まで約20%の血糖降下効果が現れたが、一方カイコ抽出物(SWE) は、投与4日目から12日目まで約20〜30%の著しい血糖降下効果があった。

    【0032】B. 動物実験(II)の結果 (1) 糖尿病治療剤と血糖降下効果の比較 動物実験(I) では、血糖降下効果は、断然カイコ抽出物
    (SWE) が最も効果的であって、対照グループ対比で約2
    0〜30%の著しい血糖降下効果が認められた。 従って、実験的にストレプトゾトシン(STZ) を用いて糖尿を誘発した後、血糖300mg/dl以上のネズミを使用し、4日目から実験グループを7匹ずつ6群に分けて、
    対照グループは水で服腔投与して、血糖降下効果を究明するために毎日カイコ抽出物(SWE) を10,30,60
    mg及び市販中のインシュリン非依存型(Type II) 糖尿病治療剤である( 株)韓独薬品製ダオニル(Daonil:glyb
    enelamide ) を、40mg(glybenclamide:1.25mg),8
    0mg(giybenclamide:2.50mg)になるように水0.5m
    lで溶いて服腔投与しながら、12日間の血糖降下効果を比較したところ、表1に示す結果を得た。

    【0033】表1で理解できるように、カイコ抽出物S
    WE−10mg投与グループの血糖含量は、対照グループ対比で投与2日目から約15%の意義ある血糖降下効果が表れ始め、投与12日目には約25%以上の著しい血糖降下効果が表れ、SWE−60mg投与グループの血糖含量も対照グループ対比、投与2日目から約15%
    以上の意義ある血糖降下効果が表れ始め、投与12日目には30%以上の著しい血糖降下効果が表れた。

    【0034】

    【表1】

    【0035】更に、カイコ抽出物の血糖降下効果を評価するために、現在市販中の(株)韓独薬品製の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)の投与グループとしてD
    aonil−40mg投与グループを選択したところ、
    その血糖含量は対照グループ対比で投与2日目から約1
    5%以上の意義ある血糖降下効果を表し始め、投与12
    日目には35%以上の著しい血糖降下効果が表れた。 D
    aonil−80mg投与グループの血糖含量では、対照グループ対比で投与2日目から約25%の意義有る血糖降下効果が表れ始め、投与12日目にはDaonil
    −40mgグループと同じく35%以上の著しい血糖降下効果が表れた。

    【0036】以上の実験結果から理解できるように、カイコ抽出物(SWE)投与グループが(株)韓独薬品製の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)の薬理効果に近似する程度の血糖降下効果が現れるという顕著な事実が立証された。 カイコ抽出物のこの驚くべき抗糖尿効果からみて、カイコ抽出物は糖尿病治療剤とは異なり、食品成分であり副作用が全く無いという点で、カイコ抽出物を利用した優れた天然抗糖尿飲料として実施し得る特徴を備えている。

    【0037】(2) 脂質及び過酸化脂質の抑制効果 インシュリン非依存型(Type II)の発病原因として肥満と中性脂質の蓄積が含まれる。 従って、血糖300mg
    /dl以上のネズミに、対照グループには水を、実験グループにはカイコ抽出物(SWE-10,30,60グループ)及び市販の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil-40mg ,
    80mgグループ)の中性脂質及び過酸化脂質の抑制効果を比較してみると表2のようになる。

    【0038】表2で中性脂質を比較してみると、カイコ抽出物投与グループはSWE−30mgグループで約1
    0%の意義ある中性脂質抑制効果が認められ、SWE−
    60mgグループでは約15%以上の意義ある中性脂質抑制効果が認められた。 また、糖尿病治療剤ダオニル投与グループは、Daonil−40mgグループで約1
    3%、Daonil−80mgグループで約30%程度の効果的中性脂質抑制効果が認められた。 従って、ダオニルとカイコ抽出物の抗糖尿効果は、中性脂質の抑制及びこれに伴う肥満の抑制に基づくものと推定される。

    【0039】更に、表2で成人病及び老化の原因成分として判明された過酸化脂質の含量も、SWE−30mg
    グループでは約10%、SWE−60mgグループでは約15%の意義ある過酸化脂質抑制効果が認められ、糖尿病治療剤であるDaonil−40mg及びDaon
    il−80mgグループも共に約15%の過酸化脂質の抑制効果が認められた。 従って、カイコ抽出物(SWE)
    も、糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)と同じく、
    過酸化脂質を効果的に抑制するという事実に基づいて使用できるものである。

    【0040】

    【表2】

    【0041】(3) 活性酸素及び除去酵素の活性評価 これまでに究明された老化の学説のうちで、酸化ストレス説(Oxidative Theory)が最も脚光を浴びているのが現状である。 従って、カイコ抽出物(SWE)及び糖尿病治療剤(Daonil)の投与がインシュリン非依存性(Type I
    I)糖尿病に及ぼす活性酸素及び生体防御酵素として除去酵素に及ぼす影響を分析・比較してみたところ表3に示すとおりである。

    【0042】表3において、毒性酸素として成人病と老化を促進すると判明した活性酸素の中で最も毒性が強いヒドロキシラジカル( ・OH) を比較してみると、カイコ抽出物投与グループは、SWE−10mgグループにおいて、約15%の意義ある・OHラジカル抑制効果が認められ、SWE−30及びSWE−60グループに於いて、約20%の意義ある・OHラジカル抑制効果が認められた。 更に、糖尿病治療剤ダオニル投与グループは、
    Daonil−40mg及びDaonil−80mgグループにおいて、約7〜12%の・OHラジカル抑制効果が認められた。 従って、カイコ抽出物がダオニル投与よりも活性酸素を一層効果的に抑制することが判明した。

    【0043】更に、表3に示すように、生体防御酵素の中でも最も重要なスーパーオキシドディスムターゼ(SO
    D)の活性は、SWE−10mg,SWE−30mg,S
    WE−60mgの各グループにおいて、約10〜15%
    の意義あるSOD活性増加効果が認められ、糖尿病治療剤であるDaonil−40mg,Daonil−80
    mgの各グループも約20〜30%のSOD活性増加が認められた。 カイコ抽出物(SWE)も糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)と同じく、SOD活性を効果的に増加することができるので、カイコ抽出物が有効に使用できる。

    【0044】

    【表3】

    【0045】以上の研究結果を総合してみるとき、桑の葉、シルクフィブロイン、カイコ等のカイコ関連産物の中で、カイコ抽出物が抗糖尿効果が最も優れているのみならず、カイコ抽出物(SWE)を現在市販中の糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)と抗糖尿効果、中性脂質と活性酸素及び過酸化脂質の抑制効果、そして生体防御酵素であるSOD活性の増加効果等を分析・比較してみた結果、カイコ抽出物(SWE)が糖尿病治療剤であるダオニル(Daonil)の抗糖尿効果に匹敵する程度に効果的であることが判明した。 特に、1日当り、カイコ抽出物30
    〜60mgで抗糖尿効果が効果的に認められたが、糖尿病の予防の面を考慮して0.1重量部を使用して生理活性を持つようにした機能性抗糖尿飲料がよい。

    【0046】「実施例1」5齢3日のカイコを凍結乾燥し、これを更にメタノールで抽出して、減圧濃縮した後、更に凍結乾燥した、生理活性性分が完全に保存されたカイコ抽出物(SWE) 0.1重量部に異臭除去剤としてショウガ抽出物0.05重量部及び桂皮抽出物0.05
    重量部を添加して異臭を順化し、食味及び嗜好強化剤としてクエン酸0.05重量部、ビタミンC0.05重量部を添加し、これに抗疲労剤としてタウリン(taurine)
    0.1重量部を添加・混合した後、1,000×gを1
    0分間遠心分離して上層液を用いて全体が100mlになるように調製して機能性抗糖尿飲料を製造した。 この外にも、次の表4に示された各成分の重量部のように調製して比較・実験した結果、上記製造重量部が最も優れた効果を示した。

    【0047】

    【表4】

    【図面の簡単な説明】

    【図1】成分別に示す投与期間とグルコース含有量低下の関係を示す線図である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/10 (A61K 35/64 //(A61K 35/64 31:255) 31:255) A23L 2/00 F (72)発明者 柳 江善 大韓民国安山市月陂洞448番地現代アパー ト204棟704号 (72)発明者 李 義三 大韓民国京畿道水原市勧善区西屯洞27−63 番地教官アパート106号 (72)発明者 金 東右 大韓民国釜山廣域市釜山鎮区開琴3洞新住 公アパート213棟503号 (72)発明者 金 大▲益▼ 大韓民国慶北浦港市北区龍興1洞友邦タウ ン120棟401号 (72)発明者 朴 修賢 大韓民国釜山廣域市南区岩1洞120−45 番地(9/6) Fターム(参考) 4B017 LC03 LG15 LK06 LK08 LK17 LL09 LP01 LP03 LP14 4B018 MD76 ME03 MF01 MF05 MF06 4C076 AA12 BB01 CC21 DD41T DD59T EE58T FF52 4C087 AA01 AA02 BB21 CA06 MA02 MA16 MA52 NA14 ZC35 4C206 AA01 AA02 JA08 MA03 MA05 MA36 MA72 NA14 ZC35

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