【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、肌荒れやかさつきを改善する効果が高く、乾燥肌や敏感肌等の肌質を改善する効果を有する浴用剤組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】肌荒れやかさつきなどに対するスキンケア方法としては、各種の保湿成分を配合した皮膚外用剤が用いられている。 しかしながら、クリームやローションなどの皮膚外用剤を塗布する場合、全身の広い範囲に渡って十分に皮膚外用剤を塗布することは、塗布作業に多大な労力を要し、特に高齢者にとっては全身のすみずみまで塗布することは、困難である。 そこで、浴用剤に油分や保湿剤を配合し肌の保湿効果、かさつき改善効果を高めることが試みられている(特開平2−11511 7号)。 【0003】しかし、乾燥肌や敏感肌の人またアトピー性皮膚炎の人の場合においては、特に肌が敏感であるために、単純な刺激に対してもかゆみや湿しんなどが発生し、ダニ抗原や食物などによるアレルギー反応や精神的なストレスなどが悪化因子として働き、皮膚トラブルを起こしやすいため、前記の浴用剤の使用では、一時的に肌のしっとり感は得られるものの根本的な予防及び改善効果は十分ではなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乾燥肌や敏感肌においても肌荒れやかさつきを改善する効果及びアトピー性皮膚炎の予防及び改善効果が高く、更に、皮膚トラブルを起こしやすい肌質を改善する効果のある浴用剤組成物を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の芳香成分を配合することにより、乾燥肌、敏感肌並びにアトピー性皮膚炎の人においても肌荒れやかさつき、湿疹などの症状を改善する効果が高く、皮膚トラブルを起こしやすい肌質を改善する効果の高い浴用剤組成物が得られることを見出した。 【0006】すなわち、本発明は、セドロール、セドレノール、ファルネソール、パチョリアルコール、ベチベロール及びα−ダマスコーンから選ばれる1種以上を含有する浴用剤組成物を提供するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明には、セドロール、セドレノール、ファルネソール、パチョリアルコール、ベチベロール及びα−ダマスコーンの中から1種以上を用いることができ、このうちセドロール、セドレノール、パチョリアルコール、ファルネソール及びベチベロールがより肌質改善効果が高まるので好ましく、更にこれらの2 種以上を組合わせて用いるのが好ましい。 これらの成分の浴用剤組成物への配合量は、全成分中に10ppm以上、特に0.01〜20重量%、更に1〜10重量%配合するのが好ましく、浴湯中の濃度が0.01ppm 以上、特に0.1〜1000ppm 、更に5.0〜1000 ppm となるように1回使用量を設定するのが好ましい。 【0008】また、本発明においては、これらの成分を含有する植物の抽出物、水蒸気蒸留物又は圧搾物等を使用することもできる。 このような植物としては、例えばセダー、パチョリ、ベチバー等が挙げられる。 これらの植物は、常法により抽出、水蒸気蒸留、圧搾等すれば良く、更にこれら留分を分画して用いたり、更に精製した精油を用いることもできる。 【0009】本発明浴用剤組成物には、前記成分に加えて角質層含有脂質又はその類似物質を配合するのが、肌荒れやかさつきを改善する効果がより高められるため、 特に好ましい。 【0010】本発明で用いる角質層含有脂質又はその類似物質としては、天然セラミド、セラミド類似物質、ステロイド類、ステロイド類の脂肪酸エステル、脂肪酸及びトリグリセリドといった角質層細胞間脂質、並びに、 セレブロシドやリン脂質等が挙げられる。 これらのうち、天然セラミド、セラミド類似物質、リン脂質、ステロイド類の脂肪酸エステルが好ましい。 天然セラミドとしては、人皮脂中に存在する公知のタイプI〜タイプVI I (皮膚臨床35、1147〜1161(1993); Angew. Chem. Int. Ed.,38巻、1532〜1568 (1999)等)の1種以上を用いるのが好ましい。 【0011】セラミド類似物質としては、例えば次の一般式(1)〜(4)で表わされ、特開昭63-216812号(一般式(1))、特開平8-319263号(一般式(2))、特開平3-193754号(一般式(3))、特開平 4-282304号(一般式(4))等に記載されているものが挙げられる。 【0012】 【化1】 【0013】(式中、R 1は炭素数10〜26のの炭化水素基を示し、R 2は炭素数9〜25の炭化水素基を示し、nは2〜6の数を示す) 式中、R 1としては、炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、特に炭素数10〜18のアルキル基が好ましい。 R 2としては、 炭素数9〜25の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、特に炭素数9〜21のアルキル基が好ましい。 【0014】 【化2】 【0015】(式中、R 3及びR 4は同一又は異なって、炭素数1〜40のヒドロキシル化されていてもよい炭化水素基を示し、R 5は炭素数1〜6のアルキレン基又は単結合を示し、R 6は水素原子、炭素数1〜12のアルコキシ基又は2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基を示す。ただし、R 5が単結合のときは、R 6は水素原子である) 【0016】式中、R 3としては、炭素数8〜26の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、特に炭素数12〜22のアルキル基が好ましい。 R 4としては、炭素数9〜25の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、特に炭素数11〜2 1のアルキル基が好ましい。 R 5としては、炭素数1〜 6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、特に炭素数1〜3のものが好ましい。 R 6としては、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、 2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基が好ましい。 【0017】 【化3】 【0018】(式中、R 7は炭素数11〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、R 8は炭素数3〜30の炭化水素基を示す) 式中、R 7としては、炭素数13〜17のアルキル基が好ましく、R 8としては、炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。 【0019】 【化4】 【0020】〔R 9は炭素数1〜49のヒドロキシル化、リン酸化若しくは硫酸化されていてもよい脂肪族炭化水素基、又はサブ置換基−(C a H b )−O−Y(Yは水素原子又は次式 【0021】 【化5】 【0022】(Zは−OH、−OP 1 、−OSO 3 - 、又はエポキシ酸素を示し、xは12〜20の数を示し、yは20〜 40の数を示し、zは0〜4の数を示す)で表わされる炭素数14〜22の脂肪酸残基を示し、aは7〜49の数、bは10〜98の数を示す)を示し;R 10は炭素数1〜28のヒドロキシル化、リン酸化若しくは硫酸化されていてもよい脂肪族炭化水素基を示し;R 11は水素原子、糖残基、硫酸残基又はリン酸残基P 1 (P 1は基: 【0023】 【化6】 を示す)を示し;R12は水素原子又はサブ置換基 【0024】 【化7】 【0025】(X 1 、X 2及びX 3はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜5のヒドロキシル化されていてもよいアルキル基を示し、cは0〜4の数を示し、dは0又は1 を示し、R 11は前記と同じ意味を示す)を示し;l及びmは0又は1を示し、R 9が炭素数9〜49の場合には、l+mは1又は2である〕 【0026】式中、R 9としては、炭素数6〜32の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、特に炭素数10〜20のアルキル基が好ましい。 R 10としては、炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、特に炭素数10〜2 0のアルキル基が好ましい。 R 11としては、水素原子が好ましく、R 12としては、ヒドロキシエチル基が好ましい。 【0027】これらのうち、特に一般式(1)又は(2)で表されるセラミド類似物質が好ましい。 【0028】リン脂質としては、例えば特開平3−66 604号公報等に記載されているもので、次の一般式(5)で表されるものが挙げられる。 【0029】 【化8】 【0030】また、ステロイド類の脂肪酸エステルとしては、次式(6) 【0031】 【化9】 【0032】(式中、R 15は炭素数1〜25のヒドロキシル基が置換していてもよい炭化水素基を示す)で表されるコレステロール脂肪酸エステルが好ましい。 【0033】角質層含有脂質又はその類似物質は、1種以上を用いることができ、全成分中に0.001〜60 重量%、特に0.01〜20重量%配合するのが好ましく、浴湯中の濃度が0.01ppm 以上、特に0.1〜1 000ppm となるように1回使用量を設定するのが、使用感に優れるので好ましい。 【0034】本発明の浴用剤組成物には、他の油性成分と界面活性剤を配合することもでき、これにより浴湯を白濁させ、使用感の良好な自己乳化型の浴用剤組成物とすることができる。 ここで用いられる油性成分としては、グリセリン脂肪酸エステル、油脂類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類及びシリコーン油から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。 このうちグリセリン脂肪酸エステルとしては、ジ脂肪酸グリセリンエステル類が好ましく、特にジ脂肪酸グリセリンエステル、例えば2−エチルヘキサン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸の1種又は2種のジグリセリンエステルが好ましい。 油脂類としては、大豆油、ヌカ油、ホボハ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸トリグリセリド等の合成トリグリセリド等が挙げられる。 ロウ類としては、カルナバロウ、鯨ロウ、ミツロウ等が挙げられる。 炭化水素類としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、ブリスタン等が挙げられる。 高級脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。 高級アルコール類としては、 ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、 2−ヘキシルデカノール等が挙げられる。 エステル類としては、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル等が挙げられる。 シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、各種変性シリコーン等が挙げられる。 これらの油性成分は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜99重量%、特に50〜95重量%配合するのが好ましい。 【0035】また、界面活性剤としては、非イオン性、 陽イオン性、陰イオン性、両性の天然又は合成のいずれのものも用いることができる。 非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノール等が挙げられ、陽イオン性界面活性剤としては、代表的なものとして第4級アンモニウム塩が挙げられる。 第4級アンモニウム塩は通常身体に用いられるものであれば、いずれも好ましく用いられるが、特に特開昭61−267505号公報に記載の分岐鎖第4 級アンモニウム塩を含有するのが好ましい。 陰イオン性界面活性剤としては、アルキル又はアルケニル硫酸塩、 エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩エステル、アミノ酸型界面活性剤、リン酸エステル型界面活性剤、スルホコハク酸型界面活性剤、タウリン型界面活性剤、アマイドエーテルサルフェート型界面活性剤等が挙げられ、 両性界面活性剤としてはスルホン酸型両性界面活性剤、 ベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。 これらの界面活性剤は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜90重量%、特に5〜20重量%配合するのが好ましい。 【0036】本発明の浴用剤組成物には、更に通常の浴用剤組成物に用いられる成分、例えば無機塩類、有機酸類、生薬類、他の精油、他の香料類、色素類、ビタミン類、多価アルコール類、微粉体、硫黄、湯の華、殺菌剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合できる。 【0037】本発明の浴用剤組成物には、0.01〜9 0重量%の範囲で適当量の水を加えて製剤の安定性を増したり、製剤を乳化させた形態とすることもできる。 【0038】本発明の浴用剤組成物は、常法により製造でき、粉体、顆粒、錠剤、カプセル剤、液体、乳化物等任意の剤形とすることができる。 また、本発明浴用剤組成物の1回使用量は、任意の量とすることができ、一般的な家庭用の風呂150〜200Lに対し1〜300g が好ましく、特に5〜100gが好ましい。 【0039】本発明の浴用剤組成物が肌荒れやかさつきを改善し、アトピー性皮膚炎の予防及び治療作用等を有する機序は明らかではないが、前記の成分がインターロイキン−4(IL−4)産生抑制効果を有することからこれにより、アレルギー反応の抑制作用、抗炎症作用などが生起するためと考えられる。 【0040】 【実施例】参考例1 IL−4産生抑制能の測定 4mg/mLのKLH(PIERCE社製Keyhole Limpet Hemocyan in)溶液と完全フロイントアジュバントFCA(DIFCO社製Bacto Adjuvant Complete Freund)を1:1の容量比で混合乳化し、これをBalb/cマウス(雌、8〜1 2週齢)前肢及び後肢足蹠に、200μL/headで皮下注射し感作した。 約7日後に腋窩、膝窩リンパ節を摘出し、PBS中で洗浄後、磨りガラスを用いてRPM I Medium(BRL社製RPMI1640 Medium にカナマイシンとβ−メルカプトエタノールをそれぞれ最終濃度100μg/mL、100μMとなるように添加したもの)中でゆるくほぐして、リンパ細胞の懸濁液を調製した。 このリンパ細胞懸濁液を遠心洗浄(1000rpm、5mi n、2回)後、10%FCS加上記RPMI Medi um中に懸濁した。 リンパ細胞を96穴プレートに1we llあたり4×10 5個ずつまいた。 10%FCS加RP MI Mediumを用いて種々の濃度に調製した各化合物を、これに最終濃度0.1〜50μg/mLの範囲で添加して、37℃、5%CO 2存在下で約30分間インキュベートした後、KLHを最終濃度10μg/mLとなるように添加した。 37℃、5%CO 2存在下で3日間培養後、上清中のIL−4をELISA法により定量した。 ELISA法による定量にはマウス用IL−4 E LISA Kit (Amersham社製)を用いた。 添付プロトコールに従い、リコンビナントサイトカインを標準物質として定量した。 各化合物のそれぞれの濃度におけるIL−4産生抑制率(100−(サンプルを加えた時のIL−4産生量/培養液のみ加えたコントロールのIL −4産生量)×100)を算出し、これから「IC 50値」(IL−4産生量を50%阻害する濃度)を求めた。 結果を表1に示す。 その結果、化合物は比較品(トシル酸スプラタスト)と比べて顕著に低濃度でIL−4 産生を抑制することが判明した。 【0041】 【表1】 【0042】参考例2 ダニ抗原アレルギーに対する効果 剃毛したBalb/c系マウス(雌)の腹部にセロファンテープ(ニチバン社製)で8回テープストリッピングを施した。 ダニ抗原(鳥居薬品製アレルゲンスクラッチエキス「ダニ」を透析後、限外濾過で10倍に濃縮したもの)をその腹部に50μL塗布して感作した。 1日後、4日後、5日後、6日後にセドロール(濃度は0. 01%(w/v)、0.1%(w/v)、1%(w/ v)。 70%エタノール溶液に溶解して調製。 )20μ Lをマウスの片側の耳介に塗布し、もう一方の耳介に溶媒コントロール(70%エタノール溶液)を同量塗布した。 感作7日後に上記ダニ抗原を耳介の背側に10μL 皮内注射して惹起した。 ダニ抗原による非特異的刺激に由来する耳介腫脹を測定する場合は、未感作マウスの片側の耳介に上記ダニ抗原を10μL皮内注射した。 惹起3時間後と20時間後に、40℃の精製水を含浸させたペーパータオルで、麻酔したマウスの耳介を10分間覆った後、上記化合物20μLを片側の耳介に塗布し、もう一方の耳介に溶媒コントロールを同量塗布した。 惹起24時間後、耳介厚を厚みゲージで測定し、惹起前の耳介厚との差をもって耳介の腫脹とした。 耳介腫脹抑制率(%)は、〔耳介腫脹(溶媒コントロール)−耳介腫脹(サンプル)〕/〔耳介腫脹(溶媒コントロール)−耳介腫脹(非特異的ダニ抗原刺激)〕×100で求めた。 溶媒コントロール塗布耳介に対するサンプル塗布耳介の腫脹の差についてt−test法で検定し、危険率5% 以下を有意とした。 結果を表2に示す。 その結果、いずれの濃度でもダニ抗原アレルギーに対する抑制効果を示した。 中でも、0.1%と1.0%の効果が顕著(ともに危険率1%で統計的に有意)であった。 【0043】 【表2】 【0044】製造例1 セダーウッドオイルの製造 テキサス産のセダー(Juniperus mexicana Scheide)の心材部分1kgを水蒸気蒸留して20gの精油を得た。 精油中のセドロール含量をガスクロマトグラフィーにより分析したところ24%であった。 【0045】製造例2 セラミド調製物の製造 特開昭63−192703号公報の参考例1に記載の方法に従って製造された下記化合物(a)、(b)及び(c)を使用した。 化合物(a):N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド〔式(9)においてR 4 =C 16 H 33 , R 5 =C 15 H 31のもの〕 化合物(b):N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルデカナミド〔式(9)においてR 4 =C 16 H 33 ,R 5 =C 9 H 1 3のもの〕 化合物(c):N−(2−ヒドロキシ−3−テトラデシロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルデカナミド〔式(9)においてR 4 =C 14 H 29 ,R 5 =C 9 H 1 9のもの〕 【0046】化合物(a)と化合物(b)と化合物(c)の1:1:1の混合物を50%、コレステリルヘミコハク酸エステルを50%となるように計量する。 約80℃に加温し化合物(a)、(b)及び(c)とコレステリルヘミコハク酸エステルを完全に溶解する。 尚、 化合物(a)と化合物(b)と化合物(c)混合物の配合比率はこれに限定したものではなく、任意に配合比率を変えることができることはいうまでもない。 【0047】実施例1 表3に示す組成の液体浴用剤を常法により製造し、肌荒れ・かさつき改善効果、及び肌質改善効果を評価した。 結果を表3に併せて示す。 【0048】(評価方法) (1)肌荒れ・かさつき改善度:肌荒れやかさつきのよくある女性(20〜30歳)10名のパネラーにより、 各浴用剤を家庭用の浴槽(40℃,150〜200L) に溶解した後10分間入浴させた。 1日1回1週間使用したとき、肌荒れやかさつきの状態を使用前と比較して、以下の基準で評価した。 結果を平均値として示した。 5;使用前より著しく良くなった。 4;使用前よりかなり良くなった。 3;使用前よりやや良くなった。 2;使用前とあまり変わらなかった。 1;使用前と全然変わらなかった。 0;悪化した。 【0049】(2)肌質改善度:肌が敏感であるという自覚のある女性(20〜30歳)10名のパネラーにより、各浴用剤を上記と同様の方法で1日1回1ヶ月間使用したとき、日常の生活の中での肌荒れやかさつきの起こりやすさを、使用前と比較して、以下の基準で評価した。 結果を平均値として示した。 5;使用前より著しく肌荒れやかさつきが起こりにくい。 4;使用前よりかなり肌荒れやかさつきが起こりにくい。 3;使用前よりやや肌荒れやかさつきが起こりにくい。 2;使用前とあまり変わらず、肌荒れやかさつきが時々起こる。 1;使用前と変わらず、肌荒れやかさつきが良く起こる。 0;使用前より肌荒れやかさつきが起こりやすくなった。 【0050】 【表3】 【0051】実施例2 表3に示した本発明品5と、比較品1について、アトピー性皮膚炎と診断され、皮膚科に通院している人25名(本発明品13名,比較品12名)に1ケ月間使用させ、皮膚診断の熟練者が使用前と比べた皮膚症状を以下の基準で評価した。 また、この使用試験は、2重盲検法とし、パネラー及び皮膚診断者には、使用した入浴剤の配合成分などに関する情報がわからないようにした。 <基準> 3;よくなった。 2;かわらない。 1;悪化した。 結果を表4に示す。 【0052】 【表4】 【0053】本発明品3は、約85%のパネラーにおいて、皮膚症状の改善を認め、比較品より改善効果が高かった。 なお、本発明品5使用群(13名)と比較品1使用群(12名)において、年令、性別、重症度、併用薬剤に関しては有意な差がなかった。 【0054】実施例3 以下に示す組成の粉末タイプ入浴剤を常法により製造した。 【0055】 【表5】 【0056】実施例4 以下に示す組成の錠剤タイプ入浴剤を常法により製造した。 【0057】 【表6】 【0058】 【発明の効果】本発明の浴用剤組成物は、肌荒れやかさつきを改善する効果が高く、乾燥肌や敏感肌の肌質を改善する効果を有するものである。 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 A61P 17/00 37/08 37/08 (72)発明者 佐藤 広隆 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 堀 公彦 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 野々村 真美 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4C083 AB312 AB352 AB382 AC022 AC182 AC292 AC482 AC541 AC542 AC641 AC642 BB51 CC25 DD17 DD23 EE42 4C206 FA03 GA04 GA25 HA22 MA01 MA36 MA63 NA14 NA20 ZA91 |