Water-dispersible nanoparticle including blood circulation promoter

申请号 JP2007272386 申请日 2007-10-19 公开(公告)号 JP2009096787A 公开(公告)日 2009-05-07
申请人 Fujifilm Corp; 富士フイルム株式会社; 发明人 KANAZAWA KATSUHIKO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a nanoparticle including a blood circulation promoter and a biodegradable polymer, excellent in dispersion stability, safe, and having high transparency and good absorbability by virtue of a small particle diameter. SOLUTION: The water-dispersible nanoparticle includes a blood circulation promoter and a biodegradable polymer, and the nanoparticle contains 0.1-100 wt.% blood circulation promoter based on the weight of the biodegradable polymer. COPYRIGHT: (C)2009,JPO&INPIT
权利要求
  • 血行促進剤、及び生分解性高分子を含む、水分散可能なナノ粒子。
  • 生分解性高分子の重量に対して0.1〜100重量%の血行促進剤を含有する、請求項1に記載のナノ粒子。
  • 平均粒子サイズが10〜1000nmである、請求項1又は2に記載のナノ粒子。
  • 血行促進剤がイオン性物質または脂溶性物質である、請求項1から3の何れかに記載のナノ粒子。
  • 血行促進剤が、化粧品用成分、機能性食品用成分、医薬部外品成分、又は医薬品成分である、請求項4に記載のナノ粒子。
  • 血行促進剤がトコフェノール誘導体、ニコチン酸誘導体、セファランチン、フィナステリド、ミノキシジル又はセンブリエキスから選択される少なくとも一種の血行促進剤である、請求項1から5の何れかに記載のナノ粒子。
  • 生分解性高分子がタンパク質である、請求項1から6の何れかに記載のナノ粒子。
  • タンパク質がコラーゲン、ゼラチン、酸処理ゼラチン、アルブミン、オバルブミン、カゼイン、カゼインナトリウム、トランスフェリン、グロブリン、フィブロイン、フィブリン、ラミニン、フィブロネクチン、及びビトロネクチンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項7に記載のナノ粒子。
  • ナノ粒子の形成中および/又は形成後にタンパク質が架橋処理されている、請求項7又は8に記載のナノ粒子。
  • トランスグルタミナーゼを用いて架橋処理を行う、請求項9に記載のナノ粒子。
  • 下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子。
    (a)カゼインをpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
    (b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の血行促進剤を添加する工程;及び(c)工程(b)で得た溶液を pH3.5〜7.5の酸性水性媒体に注入する工程:
  • 下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子。
    (a)カゼインをpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
    (b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の血行促進剤を添加する工程;及び(c)工程(b)で得た溶液を攪拌しながら、該溶液のpH を等電点からpH1以上離れたpHまで下降させる工程:
  • 請求項1から12の何れかに記載のナノ粒子を含む、薬物送達剤。
  • 経皮吸収剤、局所治療剤、経口治療剤、皮内注射剤、皮下注射剤、筋肉内注射剤、静脈内注射剤、化粧品、医薬部外品、機能性食品又はサプリメントとして使用される、請求項13に記載の薬物送達剤。
  • 说明书全文

    本発明は、分散可能なナノ粒子に関する。 より詳細には、本発明は、分散安定性に優れた血行促進剤を内包した水分散可能なナノ粒子に関する。

    微粒子材料は、バイオテクノロジーにおいて幅広い利用が期待されている。 特に近年、ナノテクノロジーの進展によって生み出されたナノ微粒子材料を食品、化粧品、医薬部外品、医薬品等に応用することが活発に検討され、研究成果も数多く報告されるようになってきている。

    例えば、化粧品においては、近年、より明確な肌効果が求められるようになってきており、ナノテクノロジーをはじめ様々な新しい技術を取り入れることにより、機能性・使用性の向上、他社品との差別化が計られている。 肌は一般的に、質層がバリアーとして存在するために薬物の皮膚への浸透性が低い。 肌効果を十分に発揮させるためには、有効成分の皮膚透過性の改善が不可欠である。 また、皮膚に対して高い有効性を持っていても、保存安定性が悪かったり、皮膚に刺激を起こしやすかったりするために製剤化が困難な成分も多い。 これらを解決すべく、経皮吸収性の改善および保存安定性の向上、皮膚刺激性の低減など目的とした、様々な微粒子材料の開発が進められている。 現在、超微細乳化やリポソームなど各種微粒子材料が研究されている(例えば、非特許文献1)。

    従来から、水性化粧品に油性成分を添加することは行われてきたが、油性成分は水に対して不溶性または難溶性のため、何らかの乳化手段を用いることで、油性成分をいわゆる乳化物として水性媒体中に混合することが一般的であった。 乳化物は、その粒子径に依存して光を散乱するため、乳化物およびそれを添加した食品や化粧品に濁りを生じ、外観上好ましくない場合が有り、光散乱が非常に小さくなるまで乳化物の粒径を微細化することが望まれていた。 また、乳化物は一般に準安定状態であり、保存中に粒子径が大きくなり、長期保存をすると分離する事も大きな問題であった。 飲料における油滴凝集物の器壁付着やネックリングは、こうした乳化物中の油滴分離現象の一つである。

    前述のように、食品や化粧品などに用いられる微粒子材料は乳化物に関するものが多い。 これに対し、近年、医薬品、化粧品では高分子ミセルへの注目が高まっている。 (例えば特許文献1)高分子ミセルの特徴として、大きな薬物容量、高い水溶性、高い構造安定性、非蓄積性、機能分離性などが挙げられる。 両親媒性高分子を用いてそのミセル構造に薬物を封入して血液中に投与する研究が行われており、臨床試験も行われている(例えば、非特許文献2)。

    乳化物は界面活性剤による静電相互作用を利用しているため、油滴分離現象のような安定性の問題がつきまとうのに対し、高分子ミセルは共有結合で構造形成していて安定性の点で有利である。 さらに、高分子ミセルを微細化(ナノ粒子化)できれば、水分散時の充分な透明性が得られる。 しかし、また、通常用いられる合成界面活性剤に比べ、生分解性高分子、中でもタンパク質などの天然高分子を用いれば安全性が高いことから、生分解性高分子を用いたナノ粒子が所望されていた。

    一方、血行促進剤は、肌荒れ、皮膚の栄養補給補助、育毛用、増毛用の成分として、ローション、クリーム、乳液等の化粧品、医薬部外品もしくは外用医薬品に広く添加されている。 種類としては、合成物、植物抽出物、ビタミン類、糖類等などが挙げられる。 しかしながら、それら抽出物はエタノールや1,3−ブチレングリコールなどの有機溶剤から抽出されるため、必ずしも水分散物に安定して添加できないことが知られている。 また、抽出物でない場合も、水への溶解性は著しく低いことが知られており、それら成分の添加を、有機溶媒の含量を20%以上100%未満にすること、もしくは界面活性剤による乳化等の対応により可能にしているが、それら有機溶媒は皮膚の脂質を必要以上に脱脂し、界面活性剤等は皮膚刺激やアレルギーなどを引き起こすことが知られていた。

    西田 光広、フレグランスジャーナル、11月、17(2005) Y.Mizumura et al., Jap.J.Cancer Res., 93, 1237(2002)

    特開2002−308728号公報

    本発明は、上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。 即ち、本発明は、分散安定性に優れ、安全、且つ、粒子径が小さいことにより透明性が高く、吸収がよいことを特徴とする、血行促進剤及び生分解性高分子を含むナノ粒子を提供することを解決すべき課題とした。

    本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、血行促進剤と生分解性高分子とを混合することによって、水分散可能なナノ粒子を調製できることを見出した。 本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。

    即ち、本発明によれば、血行促進剤、及び生分解性高分子を含む、水分散可能なナノ粒子が提供される。
    好ましくは、本発明のナノ粒子は、生分解性高分子の重量に対して0.1〜100重量%の血行促進剤を含有する。
    好ましくは、平均粒子サイズは10〜1000nmである。

    好ましくは、血行促進剤はイオン性物質または脂溶性物質である。
    好ましくは、血行促進剤は、化粧品用成分、機能性食品用成分、医薬部外品成分、又は医薬品成分である。
    好ましくは、血行促進剤はトコフェノール誘導体、ニコチン酸誘導体、セファランチン、フィナステリド、ミノキシジル又はセンブリエキスから選択される少なくとも一種の血行促進剤である。

    好ましくは、生分解性高分子はタンパク質である。
    好ましくは、タンパク質はコラーゲン、ゼラチン、酸処理ゼラチン、アルブミン、オバルブミン、カゼイン、カゼインナトリウム、トランスフェリン、グロブリン、フィブロイン、フィブリン、ラミニン、フィブロネクチン、及びビトロネクチンからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
    好ましくは、ナノ粒子の形成中および/又は形成後にタンパク質が架橋処理されている。
    好ましくは、トランスグルタミナーゼを用いて架橋処理を行う。

    本発明によればさらに、下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子が提供される。
    (a)カゼインをpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
    (b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の血行促進剤を添加する工程;及び(c)工程(b)で得た溶液を pH3.5〜7.5の酸性水性媒体に注入する工程:

    本発明によればさらに、下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子が提供される。
    (a)カゼインをpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
    (b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の血行促進剤を添加する工程;及び(c)工程(b)で得た溶液を攪拌しながら、該溶液のpH を等電点からpH1以上離れたpHまで下降させる工程:

    本発明によればさらに、上記した本発明のナノ粒子を含む、薬物送達剤が提供される。
    好ましくは、本発明の薬物送達剤は、経皮吸収剤、局所治療剤、経口治療剤、皮内注射剤、皮下注射剤、筋肉内注射剤、静脈内注射剤、化粧品、医薬部外品、機能性食品又はサプリメントとして使用される。

    本発明の血行促進剤を内包した粒子はナノ粒子であるため、吸収性が良く、透明性が高い。 本発明のナノ粒子は、タンパク質などの生分解性高分子から構成されるナノ粒子であり、構造安定性が高く、化学架橋剤や合成界面活性剤を用いることなく製造できるため、安全性が高い。 また、疎水性の血行促進剤をナノ粒子分散できるため、多量のエタノールを添加する必要がなく、皮膚へのエタノールによる刺激が少ない。

    以下、本発明の実施の形態についてさらに具体的に説明する。
    本発明の水分散可能なナノ粒子は、血行促進剤及び生分解性高分子から構成されることを特徴とする。

    本発明で用いることができる血行促進剤の具体例を以下に示すが、血行促進の効果を示すものであれば、特に限定されない。 また、血行促進とは、毛細血管の弛緩、増強、刺激および温度上昇による血管拡張などの作用による、血流量を増加させる作用をさす。 本発明で用いる血行促進剤は、イオン性物質または脂溶性物質であることが好ましい。 また、本発明で用いることができる血行促進剤としては、合成物、植物抽出物、ビタミン類、糖類等などが挙げられる。

    合成物としては、高血圧用薬剤としての効能が周知されているミノキシジル、前立腺肥大用薬剤として効能が周知されているフィナステリド、円形脱毛症用薬剤として効能が周知されている塩化カルプロニウムなどが挙げられる。

    植物抽出物として、リンドウ科植物の根茎および走根から得られるセンブリエキス、ウコギ科植物の根茎および走根から得られるニンジンエキス、マメ科植物の根茎および走根から得られるクララエキスまたは、セイヨウハッカなどの葉から得られるハッカエキスまたは、ツヅラフジ科植物のアルカノイドであるセファランチン、トウガラシから得られるトウガラシチンキまたは、生姜から得られるショウキョウチンキまたは、ニンニクから抽出される、ニンニクエキスが挙げられる。

    ビタミン類としては、ビタミンB、ビタミンE及びその誘導体が好ましい。 ビタミンE及びその誘導体として、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロールなどが挙げられ、それらは天然型のα‐トコフェロールであるほうが好ましい。 また、ビタミンB及びその誘導体として、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなどが挙げられ、親水性から疎水性物質と、幅広く存在する。

    糖類としては、ムコ多糖類が好ましく、その具体例としては血液凝固抑制能を有するヘパリンがあげられる。

    本発明で用いられる血行促進剤はトコフェノール誘導体、ニコチン酸誘導体、セファランチン、フィナステリド、ミノキシジル、センブリエキスであることが好ましい。

    本発明においては、上記した血行促進剤として、化粧品用成分、医薬部外品成分、機能性食品用成分、又は医薬品成分から選択することができる。 本発明に用いられる血行促進剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。

    本発明において、血行促進剤は、生分解性高分子のナノ粒子の形成時に添加してもよいし、ナノ粒子の作成前後に添加してもよい。

    本発明のナノ粒子は、生分解性高分子の重量に対して、0.1〜100重量%の血行促進剤を含有することが好ましく、生分解性高分子の重量に対して、0.1〜50重量%の血行促進剤を含有することがさらに好ましい。

    本発明のナノ粒子の平均粒子サイズは、通常は1〜1000nmであり、好ましくは10〜1000nmであり、より好ましくは10〜500nmであり、特に好ましくは15〜400nmである。

    本発明で用いる生分解性高分子は、タンパク質でもよいし、又は生分解性の合成高分子でもよい。

    生分解性高分子の種類は特に限定されないが、リジン残基およびグルタミン残基を有するタンパクが好ましく、分子量1万から100万程度のタンパク質を用いることが好ましい。 タンパク質の由来は特に限定されないが、ヒト由来のタンパク質を用いることが好ましい。 タンパク質として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 コラーゲン、ゼラチン、酸処理ゼラチン、アルブミン、オバルブミン、カゼイン、カゼインナトリウム、トランスフェリン、グロブリン、フィブロイン、フィブリン、ラミニン、フィブロネクチン、又はビトロネクチンからなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することができる。 また、タンパク質の由来は特に限定するものではなく、、豚、魚、および遺伝子組み換え体のいずれも用いることができる。 遺伝子組み換えゼラチンとしては、例えばEU1014176A2号、米国特許6,992,172号に記載のものを用いることができるがこれらに限定されるものではない。 その中で好ましいものは、カゼイン、酸処理ゼラチン、コラーゲン、又はアルブミンであり、最も好ましいものはカゼイン、又は酸処理ゼラチンである。 本発明でカゼインを用いる場合、カゼインの由来は特に限定されず、乳由来であっても、豆由来であってもよく、α−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインおよびそれらの混合物を使用することができる。 カゼインは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

    本発明に用いられるタンパク質は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。 また、生分解性の合成高分子としては、ポリ乳酸、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)などを挙げることができる。

    本発明では、ナノ粒子の形成中および/又は形成後にタンパク質を架橋処理することができる。 上記した架橋処理は、酵素を用いて行うことができる。 架橋処理のため用いられる酵素は、タンパクの架橋作用が知られているものであれば特に制限されず、その中で好ましいものはトランスグルタミナーゼである。

    トランスグルタミナーゼは、哺乳類由来のものであっても、生物由来のものであってもよく、遺伝子組み換え体を用いることができる。 具体的には、味の素(株)製アクティバシリーズ、試薬として発売されている哺乳類由来のトランスグルタミナーゼ、例えば、オリエンタル酵母工業(株)製、Upstate USA Inc.製、Biodesign International製などのモルモット肝臓由来トランスグルタミナーゼ、ヤギ由来トランスグルタミナーゼ、ウサギ由来トランスグルタミナーゼ、ヒト由来リコンビナントトランスグルタミナーゼなどが挙げられる。

    本発明において架橋処理のために用いられる酵素の量は、タンパク質の種類に応じて適宜設定することが出来るが、標準的には、タンパク質の重量に対して、0.1〜100重量%程度を添加することができ、好ましくは、1〜50重量%程度を添加することができる。

    酵素による架橋反応の時間は、タンパク質の種類、ナノ粒子サイズに応じて適宜設定することができるが、標準的には、1時間から72時間反応することができ、好ましくは、2時間から24時間反応することができる。

    酵素による架橋反応の温度は、タンパク質の種類、ナノ粒子サイズに応じて適宜設定することができるが、標準的には、0℃から80℃で反応することができ、好ましくは、25℃から60℃で反応することができる。

    本発明に用いられる酵素を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。

    本発明のナノ粒子は、特許文献特開平6−79168号公報、又はC.Coester著、ジャーナル・ミクロカプスレーション、2000年、17巻、p.187−193に記載の方法に準じて作製することができるが、架橋方法としてグルタルアルデヒドの代わりに酵素を用いることが好ましい。

    また、本発明においては、酵素架橋処理を有機溶媒中で行うことが好ましい。 ここで用いる有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、アセトン、THFなどの水溶性有機溶媒が好ましい。

    本発明の水分散可能なナノ粒子には、脂質(リン脂質など)、アニオン性多糖、カチオン性多糖、アニオン性タンパク質、カチオンタンパク質、又はシクロデキストリンから選択される1種以上の成分を添加することもできる。 脂質(リン脂質など)、アニオン性多糖、カチオン性多糖、アニオン性タンパク質、カチオンタンパク質、及びシクロデキストリンの添加量は特に限定されないが、一般的にはタンパク質の重量に対して0.1〜100重量%の量で添加することができる。 本発明の薬物送達剤においては、上記成分とタンパク質の比を変えることよって、徐放速度を調整することができる。

    本発明に用いることができるリン脂質として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリンなどが挙げられる。

    本発明に用いることができるアニオン性多糖とはカルボキシル基、硫酸基又はリン酸基等の酸性極性基を有する多糖類である。 以下に具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、フコイダン、アガロペクチン、ポルフィラン、カラヤガム、ジェランガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸類等が挙げられる。

    本発明に用いることができるカチオン性多糖とは、アミノ基等の塩基性極性基を有する多糖類である。 以下に具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 キチン、キトサンなどのグルコサミンやガラクトサミンを構成単糖として含むものなどが挙げられる。

    本発明に用いることができるアニオン性タンパク質とは等電点が生理的pHよりも塩基性側にあるタンパク質およびリポタンパク質である。 具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、リゾチーム、チトクロムC、リボヌクレアーゼ、トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲン、α−キモトリプシンなどが挙げられる。

    本発明に用いられるカチオンタンパク質とは等電点が生理的pHよりも酸性側にあるタンパク質およびリポタンパク質である。 具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 ポリリジン、ポリアルギニン、ヒストン、プロタミン、オバルブミンなどが挙げられる。

    本発明においては、下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子を用いることができる。
    (a)カゼインをpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
    (b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の血行促進剤を添加する工程;及び(c)工程(b)で得た溶液を pH3.5〜7.5の酸性水性媒体に注入する工程:

    さらに本発明においては、下記の工程(a)から(c)によって作製されるカゼインナノ粒子を用いることができる。
    (a)カゼインをpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる工程;
    (b)工程(a)で得た溶液に少なくとも1種の血行促進剤を添加する工程;及び(c)工程(b)で得た溶液を攪拌しながら、該溶液のpH を等電点からpH1以上離れたpHまで下降させる工程:

    本発明においては、所望のサイズのカゼインナノ粒子を作製できる。 また、疎水性の血行促進剤とカゼイン疎水性部分の相互作用を利用して、カゼインナノ粒子内に血行促進剤を内包できる。 さらに、これらの粒子は水溶液中で安定に存在することが見出された。
    また、カゼインとイオン性多糖または別種のイオン性タンパク質との混合粒子により、イオン性血行促進剤を内包することも見出された。

    本発明のカゼインナノ粒子の作製方法は、カゼインを塩基性水性媒体液に混合し、塩基性水性媒体中に注入する方法と、カゼインを塩基性水性媒体液に混合し、攪拌しながら、pHを下降させる方法が挙げられる。

    カゼインを塩基性水性媒体液に混合し、塩基性水性媒体中に注入する方法としては、シリンジによるのが簡便で好ましいが、注入速度、溶解性、温度、撹拌状態を満足する方法であれば特に限定しない。 一般的には、注入速度は、1mL/minから100mL/minで注入することができる。 塩基性水性媒体の温度は、適宜設定することができるが、標準的には、0℃から80℃にすることができ、好ましくは、25℃から70℃にすることができる。 水性媒体の温度は、適宜設定することができるが、標準的には、0℃から80℃にすることができ、好ましくは、25℃から60℃ですることができる。 攪拌速度は、適宜設定することができるが、標準的には、100rpmから3000rpmにすることができ、好ましくは、200rpmから2000rpmである。

    カゼインを塩基性水性媒体液に混合し、攪拌しながら、pHを下降させる方法としては、酸を滴下するのが簡便で好ましいが、溶解性、温度、撹拌状態を満足する方法であれば特に限定しない。 塩基性水性媒体の温度は、適宜設定することができるが、標準的には、0℃から80℃にすることができ、好ましくは、25℃から70℃にすることができる。 攪拌速度は、適宜設定することができるが、標準的には、100rpmから3000rpmにすることができ、好ましくは、200rpmから2000rpmである。

    本発明に用いる水性媒体は、有機酸または塩基、無機酸または無機塩基の水溶液、又は緩衝液を用いることができる。

    具体的には、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、カルボン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸またはフタル酸、トリフルオロ酢酸、モルホリノエタンスルホン酸、2-〔4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル〕エタンスルホン酸のような有機酸;トリス(ヒドロキシメチル)、アミノメタン、アンモニアのような有機塩基;塩酸、過塩素酸、炭酸のような無機酸;燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムのような無機塩基を用いた水溶液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

    本発明に用いる水性媒体の濃度は、約10mMから約1Mが好ましい。 より好ましくは、約20mMから約200mMである。

    本発明に用いる塩基性水性媒体のpHは8以上11未満が好ましく、より好ましくはpH10〜11である。 pHが高すぎると加水分解の懸念や取り扱い上の危険性があるため、上述の範囲が好ましい。

    本発明において、カゼインをpH8以上11未満の塩基性水性媒体に混合させる温度は、0〜90℃が好ましく、10〜80℃が好ましい。 より好ましくは、20〜70℃である。

    本発明に用いる酸性水性媒体のpHは、好ましいpHは3.5〜7.5である。 より好ましくはpHは5から6である。 前述の範囲外では、粒子サイズが大きくなる傾向が見られる。

    本発明のナノ粒子は、血行促進剤を含むが、血行促進剤が活性成分である場合は、そのような活性成分を含む本発明のナノ粒子は、疾患部位に投与して用いることができる。 即ち、本発明のナノ粒子は、薬物送達剤として有用である。

    本発明のナノ粒子の投与方法として好ましいものは、経皮・経粘膜吸収、血管・体腔内・リンパへの注射が挙げられる。 より好ましくは経皮・経粘膜吸収が挙げられる。

    本発明においては、薬物送達剤の使用は特に限定することはないが、経皮吸収剤、局所治療剤、経口治療剤、皮内注射剤、皮下注射剤、筋肉内注射剤、静脈内注射剤、化粧品、医薬部外品、機能性食品、又はサプリメントなどが挙げられる。

    本発明においては、薬物送達剤には添加物を含むことができる。 添加物としては特に限定することはないが、保湿剤、柔軟剤、抗炎症剤、経皮吸収促進剤、無痛化剤、防腐剤、酸化防止剤、色素剤、増粘剤、香料、又はpH調整剤などが挙げられる。

    本発明で用いることができる保湿剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 カンテン、ジグリセリン、ジステアリルジモニウムヘクトライト、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール、ヨクイニンエキス、ワセリン、尿素、ヒアルロン酸、セラミド、リピジュア、イソフラボン、アミノ酸、コラーゲン、ムコ多糖、フコダイン、ラクトフェリン、ソルビトール、キチン・キトサン、リンゴ酸、グルクロン酸、プラセンタエキス、海藻エキス、ボタンピエキス、アマチャエキス、オトギリソウエキス、コレウスエキス、マサキ抽出物、コウカエキス、マイカイ花エキス、チョレイエキス、サンザシエキス、ローズマリーエキス、デュークエキス、カミツレエキス、オドリコソウエキス、レイシエキス、セイヨウノコギリソウエキス、アロエエキス、マロニエエキス、アスナロエキズ、ヒバマタエキス、オスモインエキス、オーツ麦エキス、チューベロースポリサッカライド、冬虫夏草エキス、大麦エキス、オレンジ抽出物、ジオウエキス、サンショウエキス、ヨクイニンエキスなどが挙げられる。

    本発明で用いることができる柔軟剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 グリセリン、ミネラルオイル、エモリエント成分(例えば、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ポリグリセリル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、オレイン酸、オレイン酸グリセリル、カカオ脂、コレステロール、混合脂肪酸トリグリセリド、コハク酸ジオクチル、酢酸ステアリン酸スクロース、シクロペンタシロキサン、ジステアリン酸スクロース、パルミチン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ベヘン酸アラキル、ポリベヘン酸スクロース、ポリメチルシルセスキオキサン、ミリスチルアルコール、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシルなど)が挙げられる。

    本発明で用いることができる抗炎症剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 アズレン、グアイアズレン、塩酸ジフェンヒドラミン、酢酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン及びケトプロフェンから選ばれる化合物並びにそれらの誘導体並びにそれらの塩、オウゴンエキス、カワラヨモギエキス、キキョウエキス、キョウニンエキス、クチナシエキス、クマザサ抽出液、ゲンチアナエキス、コンフリーエキス、シラカバエキス、ゼニアオイエキス、トウニンエキス、桃葉エキス並びにビワ葉エキスから選ばれる植物抽出物、タンパク質、多糖類、動物抽出物等などが挙げられる

    本発明で用いることができる経皮吸収促進剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 エタノール、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸、スクワラン、オレイン酸、メントール、N-メチル-2-ピロリドン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、尿素、植物油、動物油が挙げられる。

    本発明で用いることができる無痛化剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 ベンジルアルコール、塩酸プロカイン、塩酸キシロカイン、 クロロブタノールなどが挙げられる。

    本発明で用いることができる防腐剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、過酸化水素、ギ酸、ギ酸エチル、ジ亜塩素酸ナトリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カルシウム、ペクチン分解物、ポリリジン、フェノール、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、フェノキシエタノール、レゾルシン、チモール、チラム、ティートリー油が挙げられる。

    本発明で用いることができる酸化防止剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 ビタミンA、レチノイン酸、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチニルアセテート、レチニルパルミテート、レチノイン酸トコフェリル、ビタミンCおよびその誘導体、カイネチン、β−カロテン、アスタキサンチン、ルテイン、リコピン、トレチノイン、ビタミンE、α−リポ酸、コエンザイムQ10、ポリフェノール、SOD、フィチン酸などが挙げられる。

    本発明で用いることができる色素剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 オキアミ色素、オレンジ色素、カカオ色素、カオリン、カルミン類、グンジョウ、コチニール色素、酸化クロム、酸化鉄、二酸化チタン、タール色素、クロロフィルなどが挙げられる。

    本発明で用いることができる増粘剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 クインスシード、カラギーナン、アラビアガム、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガム、タマリンドガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、ペクチン、デンプン、シクロデキストリン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。

    本発明で用いることができる香料として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 ジャコウ、アカシア油、アニス油、イランイラン油、シナモン油、ジャスミン油、スウィートオレンジ油、スペアミント油、ゼラニウム油、タイム油、ネロリ油、ハッカ油、ヒノキ油、フェンネル油、ペパーミント油、ベルガモット油、ライム油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ローズ油、ローズウッド油、アニスアルデヒド、ゲラニオール、シトラール、シベトン、ムスコン、リモネン、バニリンなどが挙げられる。

    本発明で用いることができるpH調整剤として具体例を列挙するが、本発明においてはこれらの化合物に限定されるものではない。 クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸、コハク酸が挙げられる。

    本発明のナノ粒子の投与量は、活性成分の種類及び使用量、患者の体重、疾患の状態などに応じて適宜設定することができるが、一般的には、1回の投与につき、10μg〜100mg/kg程度を投与することができ、好ましくは、20μg〜50mg/kg程度を投与することができる。 また、経皮・経粘膜で使用する場合は、1μg〜50mg/cm 2程度を投与することができ、好ましくは2.5μg〜10mg/cm 2程度を投与することができる。

    以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。

    実施例1:
    カゼインNa(乳由来・和光純薬製)10mgをpH9、50mMリン酸バッファー1mLに混合させる。 酢酸トコフェロール(和光純薬製)0.75mgをエタノール0.1mLに溶解させる。 カゼイン溶液に攪拌下、酢酸トコフェロール溶液を滴下し、この混合液を、外設40℃、800rpmの攪拌条件で、1mLをマイクロシリンジを用いて、pH5、200mMのリン酸バッファー水10mL中に滴下したところ、酢酸トコフェロールを内包したカゼインナノ粒子の水分散液が得られた。 得られたカゼイン粒子径をSysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、18.0nmであった。

    実施例2:
    酢酸トコフェロール(和光純薬製)3.75mgをエタノール0.1mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、Sysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、19.2nmであった。

    実施例3:
    ニコチン酸トコフェロール(和光純薬製)0.5mgをエタノール0.1mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、Sysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、19.2nmであった。

    実施例4:
    ニコチン酸トコフェロール(和光純薬製)2.5mgをエタノール0.1mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、Sysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、20.5nmであった。

    実施例5:
    トコフェロール(和光純薬製)0.75mgをエタノール0.1mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、Sysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、18.8nmであった。

    実施例6:
    トコフェロール(和光純薬製)3.75mgをエタノール0.1mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、Sysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、20.3nmであった。

    実施例7:
    ニコチン酸アミド(和光純薬製)0.85mgをエタノール0.2mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、Sysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、20.0nmであった。

    実施例8:
    ニコチン酸ベンジル(和光純薬製)1.1mgをエタノール0.1mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、Sysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、17.5nmであった。

    実施例9:
    セファランチン(和光純薬製)0.85mgをエタノール0.3mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、平均粒経を、光散乱光度計、ニッキソー(株)製マイクロトラックを用い測定したところ、22nmであった。

    実施例10:
    フィナステリド(LKTラホ゛ラトリーズインク製)0.85mgをエタノール0.3mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、平均粒経を、光散乱光度計、ニッキソー(株)製マイクロトラックを用い測定したところ、29nmであった。

    実施例11:
    ミノキシジル(LKTラボラトリーズインク製)1mgをエタノール0.02mLに溶解させた他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、平均粒経を、光散乱光度計、ニッキソー(株)製マイクロトラックを用い測定したところ、23.4nmであった。

    実施例12:
    センブリエキス(丸善製薬製:センブリ抽出リキッドSS)0.05mlを滴下した他は、実施例1と同様にナノ粒子を作製し、Sysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、26.3nmであった。

    実施例13:
    ニコチン酸ベンジル(和光純薬製)1.1mgをエタノール0.1mLに溶解させ、トウガラシチンキ(丸善製薬製)0.01mlを滴下した他は実施例1と同様にナノ粒子を作製し、Sysmex社製「Zetasizer Nano」にて測定し、体積平均粒径を求めたところ、27.3nmであった。

    実施例14:
    実施例1におけるカゼインをコラーゲン(新田ゼラチン製)、ゼラチン、酸処理ゼラチン、アルブミンに変更したほかは同様にしてそれぞれなの粒子を作製したところ、同様のナノ粒子が得られた。

    試験例1:
    実施例8,13と、比較例として実施例8,13のカゼインを除いたもの(それぞれ比較例8A,比較例13Aとする)を作成し、4℃16時間放置したところ、比較例8A、13Aのみが沈殿を発生し、実施例8、13は沈殿が見られなかった。 本発明のナノ粒子の安定性が優れていることが分かる。

    試験例2:
    発毛か休止期にあるC3Hマウスの背部の毛をバリカンで刈り取り、翌日シェーバーで剃毛し、一日一回剃毛部全体に実施例8、9で作製した、血行促進剤内包タンパクナノ粒子の水分散液を塗布し、マウス背部皮膚毛胞を成長期に移行させる能の多寡を調べたところ、実施例8,9それぞれの血行促進剤単独でのエタノール溶液(濃度は同じ)と比較して、育毛効果は促進され、休止期から成長期への毛周期変換活性を示した。 これにより、エタノールによる過剰な脱脂、皮膚刺激がなく、エタノール溶液よりも血行促進効果による育毛効果を示すことが明らかになった。

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