Bioassay method of yokukansan

申请号 JP2009553318 申请日 2008-02-15 公开(公告)号 JP5434599B2 公开(公告)日 2014-03-05
申请人 株式会社ツムラ; 发明人 康 五十嵐; 恊二 関口; 潔 寺脇; 琢児 山口;
摘要
权利要求
  • セロトニン1A受容体を発現している細胞膜に対して、標識GTPと抑肝散とを作用させ、結合標識GTP量から抑肝散の受容体結合によるアゴニスト活性を測定することを特徴とする抑肝散のバイオアッセイ方法。
  • 抑肝散濃度が12.5〜200μg/mlである請求項1記載の抑肝散のバイオアッセイ方法。
  • 請求項 または 記載のバイオアッセイ法により、基準抑肝散製剤と被検抑肝散製剤の受容体結合によるアゴニスト活性を同一条件で求め、基準抑肝散製剤と被検抑肝散製剤を比較することを特徴とする抑肝散製剤の品質同等性の評価方法。
  • 说明书全文

    本発明は、抑肝散のアッセイ方法に関し、更に詳細には、セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)1A(以下、「5HT1A」という)受容体に対する作用を用い、漢方製剤である抑肝散の生理活性値(薬理活性価)を定量的に評価しうるアッセイ方法に関する。

    漢方薬は、生薬をブレンドした医薬品であり、その活性成分が全て特定されているわけではない。 また、単一の活性成分のみで効果を発揮するとは限らず、複合的に作用する場合もあるため、その品質を保証するには、漢方薬全体として評価をすることができる測定方法が必要であるとされている(特許文献1、特許文献2)。

    この測定方法中には、個別の成分を測定し、それらを総合的に評価する方法と、生物材料を用いて生理活性を評価するバイオアッセイがある。 そしてバイオアッセイには、生体内(in vivo)試験と、試験管内(in vitro)試験があるが、生体内試験の系は、試験施設、試験動物、処理能等の点で種々の制約があり、漢方薬の品質評価に用いるには困難が伴っていた。

    一方、試験管内試験の系では、特殊な施設を必要とせず、安定した試験結果が短期間に得られるため、この系でバイオアッセイ法を確立することが求められており、実際ミオスタチンについては、バイオアッセイ法が報告されている(特許文献3)。 しかし、それ自身が複数の有効成分を含む生薬を組み合わせた漢方薬については、常に適切なバイオアッセイ系が見出されているというものではなく、それらの確立が待たれている。

    例えば、漢方製剤である抑肝散は、一般的には下の組成の生薬混合物あるいはその抽出物であり、さらに必要に応じて、賦形剤等の医薬用担体や、その他の製剤上使用しうる成分を含有したものであるが、このものについても適切なバイオアッセイ系は見出されておらず、より高い品質保証を行うためには、その開発が求められている。

    特表2000−512621

    特表2001−521876

    特表2005−520486

    従って、抑肝散について、より高い品質保証を可能とする試験管内試験によるバイオアッセイ系を見出すことが本発明の課題である。

    本発明者らは、抑肝散の作用に関し鋭意検討を行っていたところ、このものは5HT1A受容体と結合活性を有し、しかもその結合活性は抑肝散の用量に依存することを知った。 そして、この知見を応用すれば、抑肝散のバイオアッセイ方法が構築できることを見出し、本発明を完成した。

    すなわち本発明は、5HT1A受容体を発現している細胞または細胞膜に対して、標識リガンドと抑肝散とを競合的に作用させ、結合標識リガンド量から抑肝散の結合活性を測定することを特徴とする抑肝散のバイオアッセイ方法である。

    また本発明は、5HT1A受容体を発現している細胞膜に対して、標識GTPと抑肝散とを作用させ、結合標識GTP量から抑肝散を測定することを特徴とする抑肝散のバイオアッセイ方法である。

    さらに、本発明者らは、抑肝散の構成生薬の一つであるチョウトウコウについても5HT1A受容体と結合活性を有し、しかもその結合活性はチョウトウコウの用量に依存することを知った。 そして、この知見を応用すれば、チョウトウコウあるいはチョウトウコウを含有する被検試料のバイオアッセイ方法が構築できることを見出し、本発明を完成した。

    ここで、チョウトウコウを含有する被検試料としては、チョウトウコウを含有する七物降下湯、釣藤散、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏等の漢方処方やチョウトウコウを含有する植物エキス製剤等があげられる。

    本発明のバイオアッセイ方法によれば、試験施設、試験動物、処理能力等の制約なく、試験管内試験により、簡便かつ安定に抑肝散、チョウトウコウ又はチョウトウコウを含有する被検試料の生理活性値(薬理活性価)を求めることが可能である。

    本発明の抑肝散のバイオアッセイ方法は、5HT1A受容体を発現している細胞または細胞膜を用い、この受容体と抑肝散の結合活性を測定することにより、抑肝散の薬理活性値を評価するというものである。

    より具体的には、5HT1A受容体を発現している細胞または細胞膜に対して、標識リガンドと抑肝散とを競合的に作用させ、結合標識リガンド量から抑肝散の結合活性を測定する方法(以下、「第一態様発明」ということがある)と、5HT1A受容体を発現している細胞膜に対して、標識GTPと抑肝散とを作用させ、結合標識GTP量から抑肝散の受容体結合によるアゴニスト活性を測定する方法(以下、「第二態様発明」ということがある)の何れかが利用できる。

    上記2つの態様の発明のうち、第一態様発明は、細胞または細胞膜に発現している5HT1A受容体で、標識リガンドと抑肝散を競合的に反応させ、標識リガンドのみの特異的結合量と競合後の標識リガンド結合量の差から抑肝散の結合活性値を測定するものである。

    本発明方法において使用される5HT1A受容体を発現している細胞としては、例えば、Newman-Tancrediらの手段(Newman-Tancredi, A. et al., 1992, High-level stable expression of recombinant 5-HT1A 5-hydroxytryptamine receptors in Chinese hamster ovary cells, Biochem.J. 285, 933-938)により、ヒト組換5−HT1A受容体発現遺伝子を導入した細胞が挙げられる。 その例として、5−HT1A受容体を発現したCHO細胞、HeLa細胞等が挙げられる。 また、5HT1A受容体を発現している細胞膜として、上記の5HT1A受容体を発現している細胞をホモジネート等の手段により破壊し、高速遠心分離等の手段により細胞膜分画を分離したものが挙げられる。 または、入手可能な5−HT1A受容体発現細胞膜分画を得るなどが挙げられる。

    また、5HT1A受容体に対する標識リガンドとして、ラジオアイソトープ、蛍光、酵素等で標識したものが挙げられ、その例としては、[ H]−8−OH−DPAT、[ H]−5HT等が挙げられる。

    第一態様発明の実施は、具体的には、5HT1A受容体を発現しているCHO細胞膜を用い、[ H]−8−OH−DPATと抑肝散との競合反応から結合活性を求めることが好ましい。 この場合の反応系は、25〜37℃程度とすることが好ましく、抑肝散の結合活性の測定は、細胞または細胞膜に標識リガンドと抑肝散を加えた後、反応時間を15〜60分程度とすればよい。 また、標識リガンドのみの特異的結合量と競合反応後のリガンド結合量の差から抑肝散の結合活性を測定することが好ましい。

    一方、第二態様発明は、細胞膜に発現している5HT1A受容体にアゴニストが結合すると、細胞膜のG蛋白質αサブユニット(以下、「Gα」と略称する)に結合されていたGDPが解離され、GTPに置き換わる作用を利用するものである。 本試験では、アゴニスト作用を持つ抑肝散が受容体に結合した際のGαに捕捉された標識GTP量から、抑肝散の5HT1A受容体結合によるアゴニスト活性を測定するものである。

    この第二態様発明で用いられる標識GTPとしては、GTPにラジオアイソトープ、蛍光、酵素等で標識したものが挙げられ、その例としては、[ 35 S]GTPγS、Europium―GTP等が挙げられる。

    この第二態様発明を実施するには、具体的には、5HT1A受容体を発現しているCHO細胞膜を用い、抑肝散の受容体結合によるアゴニスト活性シグナルにより増加する[ 35 S]GTPγSの結合量を測定することが好ましい。 この第二態様発明では、標識GTPが細胞膜の内側にあるGαと結合する必要があるため、5HT1A受容体を発現している細胞膜を用いることが必要である。 5HT1A受容体を発現している細胞を利用した場合では、標識GTPが細胞中に入ることができず、抑肝散の測定をすることができない。 また、第二態様発明の反応は、22〜30℃程度の温度とすることが好ましく、また、反応時間は20〜60分程度とすれば良い。 また、抑肝散の標識GTP結合量と5HTによる標識GTP結合量との相対値から、抑肝散の受容体アゴニスト活性を測定することが好ましい。

    上記両方法において、一般的には既知濃度の抑肝散を含む試料を同時に複数、好ましくは3点以上測定し、これから被検試料中の抑肝散の薬理活性(結合活性あるいは受容体アゴニスト活性)価を定量することが好ましいが、条件がほとんど変わらないのであれば、既知濃度の抑肝散を含む試料で既に作製された検量線を使用して測定しても良い。

    以上のようにして、被検試料中の抑肝散の薬理活性価を評価することができるが、この作用機序は、次のように考えられている。 すなわち、抑肝散またはチョウトウコウは5HT1A受容体に結合するが、第一態様発明では当該成分と標識した5HT1Aリガンドを競合反応させることにより、前記成分量に応じて5HT1A受容体に結合する標識リガンドが減少する。 この減少した標識リガンド量を測定することにより、抑肝散またはチョウトウコウの結合活性評価が可能となるというものである。 また、第二態様発明では、アゴニストが細胞膜の5HT1A受容体に結合すると、細胞膜のGαに結合しているGDPがGTPと交換されるという性質を利用するものである。 すなわち、細胞膜の5HT1A受容体に抑肝散を作用させ、細胞膜Gαに結合した標識GTPの量から、抑肝散の受容体アゴニスト活性を測定、評価するというものである。

    以上説明した本発明のバイオアッセイ法によれば、抑肝散として臨床的に薬理効果が認められた基準製剤と被検製剤を同一条件で薬理活性価を評価し、基準製剤と被検製剤を比較することにより、製剤の品質同等性を評価することができる。

    さらに、以上説明したバイオアッセイ法において、抑肝散ではなくチョウトウコウ又はチョウトウコウを含有する被検試料をもちいても、抑肝散と同様に品質の同等性を評価することが出来る。

    また、複数の製剤ロットについて本発明のバイオアッセイ法で薬理活性価の評価を行いその平均等から導き出される上下限の範囲に対し、被検試料の薬理活性価がその範囲に該当するかどうかにより品質同等性を評価することもできる。

    次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。

    実 施 例 1
    セロトニン1A受容体結合阻害試験:
    ( 各実験条件 )
    使用細胞膜:CHO細胞膜(ヒト組換5−HT1A受容体を発現)(パーキンエルマー)
    培養緩衝液:アスコルビン酸0.1%、EDTA0.5mMおよびMgSO 10mMを含む50mMTris−HCl(pH7.4)
    培養時間および温度:60分、25℃
    リガンド:1.5nMの[ H]8−OH−DPAT(NET−929、170.2Ci/mmol、パーキンエルマー)
    非特異的リガンド: 10μMのメテルゴリン(Metergoline;シグマ)
    Kd: 2nM
    Bmax:1.3pmol/mgプロテイン 特異的結合:75%

    ( 被験薬物溶液の調製 )
    約20mgの被験薬物(TJ−54または構成生薬エキス)を秤量し、100μL(TJ−54では125μL)の蒸留を加え、さらに同量のDMSOを加えて50%DMSO溶液とした。 この溶液を用いて各濃度に希釈した。

    ( 被験薬物の結合試験 )
    1mLのチューブに、32−46μgプロテイン/500μLのCHO細胞膜溶液、20μLの[ H]8−OH−DPAT(最終濃度:1.5nM)および各濃度の被験薬物溶液(vehicleでは最終濃度0.5%DMSO)5.25μLを加えて、インキュベーションした(60分、25℃)。 インキュベーション終了後、セルハーベスター(UNIFILTER−96,パーキンエルマー)でガラス繊維フィルター(Whatman 1821−915 GF/B、ワットマン)に濾過し、50mMトリス緩衝液で4回洗浄後、ガラス繊維フィルターの[ H]8−OH−DPATの放射活性を液体シンチレーションカウンター(Top Count NXT、パーキンエルマー)で測定した。 非特異的結合は、リガンド非標識の10μMメテルゴリン存在下、総結合は被験薬物非存在下(vehicle)での[ H]8−OH−DPATの放射活性から算出した。

    ( 被験薬物の結合活性は、以下の結合阻害率(%)から算出した。)
    阻害率(%) = [1−(c−a)/(b−a)]×100
    a ; 非特異結合の平均cpm
    b ; 総結合の平均cpm
    c ; 試験化合物存在下でのcpm

    ( 結 果 )
    抑肝散(TJ−54;(株)ツムラ製)200μg/mLおよび各構成生薬の7エキス(50μg/mL)の結合活性(%)を上記方法で求めた結果を図1に示す。 この結果から、抑肝散およびチョウトウコウに高い結合活性が認められた。 さらに図2に示すように両エキスには、用量依存性が認められた。

    上記の結果から、抑肝散の用量と結合活性の間に高い相関関係があること、また、抑肝散の構成生薬のうち、チョウトウコウの量と結合活性の間に高い相関関係があることがわかった。 この結果から、実施例1の方法で抑肝散の薬理活性値を測定することができることおよびこの5HT1A受容体結合活性は、抑肝散中のチョウトウコウによるものであることが理解できる。

    実 施 例 2
    35 S]GTPγS(セロトニン1A受容体)結合試験 ( 各実験条件 )
    使用細胞膜:CHO細胞膜(ヒト組換5−HT1A受容体を発現)(パーキンエルマー)
    培養緩衝液:NaCl 100mM、MgCl 10mM、DTT 1mMおよびEDTA 1mMを含む20mM HEPES(pH7.4)
    培養時間および温度:30分、30℃
    非特異的リガンド: 100μMの[ 35 S]GTPγS(SJ−1308、1033Ci/mmol、アマシャム)

    ( 被験薬物溶液の調製 )
    約20mgの被験薬物(TJ−54または構成生薬エキス)を秤量し、100μL(TJ−54では125μL)の蒸留水を加え、さらに同量のDMSOを加えて50% DMSO溶液とした。 この溶液を用いて各濃度に希釈した。

    ( [ 35 S]GTPγS結合試験 )
    96ウエルのプレートに50μLのCHO細胞膜溶液(25−30μgプロテイン/mL)、各濃度の被験薬物溶液(vehicleでは最終濃度0.4%DMSO)、0.42μLおよびGDP(10μM)溶液25μLを、HEPES(pH7.4)緩衝液中でインキュベーションした(20分、30℃)。 次に、SPAビーズ(Scintillation Proximity Assay beads;GE アマシャム)溶液25μLを加えてさらにインキュベーションした(60分、30℃)。 その後、放射活性を測定するため、[ 35 S]GTPγS(0.3nM)10μLを加えてさらにインキュベーションした(30分、30℃)。

    インキュベーション終了後、放射活性を液体シンチレーションカウンター(MicroBeta、パーキンエルマー)で測定した。 被験薬物の[ 35 S]GTPγS結合率(%)は、以下の式で算出しアゴニスト活性とした。 非特異的結合は、リガンド非標識の100μMGTPγSと[ H]8−OH−DPATとの活性から算出した。

    ( 被験薬物の[ 35 S]GTPγS結合率の算出 )
    結合率(%) = [(c−a)/(b−a)]×100
    a ; 非特異結合の平均cpm
    b ; 300nMセロトニン存在下での平均cpm
    c ; 試験化合物存在下でのcpm

    ( 結 果 )
    抑肝散(TJ−54;(株)ツムラ製)を用い、上記方法で各濃度におけるアゴニスト活性(%)を求めた。 また、抑肝散を構成する7生薬についても、同様にアゴニスト活性(%)を求めた。 これらの結果のうち、抑肝散およびチョウトウコウについてのアゴニスト活性を図3に示す。

    この結果から、12.5〜200μg/mlの範囲で抑肝散の用量とアゴニスト活性の間に高い相関関係があること、また、チョウトウコウの量とアゴニスト活性の間にも相関関係があることがわかった。

    本発明によれば、試験管内試験により、試験施設、試験動物、処理能力等の制約なく、簡単かつ安定に抑肝散の薬理活性価を求めることが可能である。

    従って、従来の含有される一定成分を分析する方法に比べ、抑肝散をより高い程度で品質保証することが可能となる。

    抑肝散の5HT1A受容体結合活性および抑肝散を構成する7生薬の5HT1A受容体結合活性を示す図面である。

    各濃度における抑肝散の5HT1A受容体結合活性およびチョウトウコウの5HT1A受容体結合活性を示す図面である。

    各濃度における抑肝散の[

    35 S]GTPγS結合活性およびチョウトウコウの[

    35 S]GTPγS結合活性を示す図面である。

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