ヒートポンプシステム

申请号 JP2011547111 申请日 2009-12-28 公开(公告)号 JP5627606B2 公开(公告)日 2014-11-19
申请人 ダイキン工業株式会社; ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.Daikin Europe N.V.; ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.Daikin Europe N.V.; 发明人 雅裕 本田; 雅裕 本田;
摘要
权利要求
  • 熱源側冷媒を圧縮する熱源側圧縮機(21)と複数の熱源側熱交換器(26a、26b)とを有する熱源ユニット(2)に利用側熱交換器(51a、51b、151a、151b)を有する複数の利用ユニット(5a、5b)を接続して構成される熱源側冷媒回路(20)と、
    前記利用側熱交換器における熱源側冷媒の蒸発によって水媒体を冷却する冷却運転又は前記利用側熱交換器における熱源側冷媒の放熱によって水媒体を加熱する加熱運転が前記利用ユニットごとに設定された状態で、前記複数の利用ユニット全体の熱負荷に応じて、前記複数の熱源側熱交換器を熱源側冷媒の蒸発器又は熱源側冷媒の放熱器として機能させて、前記複数の利用ユニット全体の熱負荷にバランスさせる運転を行うことが可能な制御部(1a)とを備え、
    前記各利用ユニットは、利用側冷媒を圧縮する利用側圧縮機(55a、55b)と、利用側冷媒と水媒体との熱交換によって水媒体を加熱する冷媒−水熱交換器(57a、57b)とを接続して構成されており、前記加熱運転時に、前記冷媒−水熱交換器が利用側冷媒の放熱器として機能し、前記利用側熱交換器が利用側冷媒の蒸発器としてかつ熱源側冷媒の放熱器として機能する利用側冷媒回路(50a、50b)をさらに有しており、
    前記制御部は、外気温度(Ta)が25℃以下で、かつ、前記冷却運転と前記加熱運転とが混在して おり、前記複数の熱源側熱交換器の一部を熱源側冷媒の放熱器として機能させ、かつ、残りを熱源側冷媒の蒸発器として機能させて、前記複数の利用ユニット全体の熱負荷にバランスさせる運転を行っている場合に、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器における熱源側冷媒の飽和温度に相当する熱源側凝縮温度(Tc1)が40℃未満になるように運転を行い、
    前記利用側熱交換器は、前記加熱運転時に利用側冷媒の蒸発器としてかつ熱源側冷媒の放熱器として機能する第1利用側熱交換器(51a、51b)と、前記冷却運転時に熱源側冷媒と水媒体との熱交換によって水媒体を冷却する第2利用側熱交換器(151a、151b)とを有しており、
    前記利用側冷媒回路は、前記利用側圧縮機(55a、55b)と、前記冷媒−水熱交換器(57a、57b)と、前記第1利用側熱交換器とを接続することによって構成されており、
    前記各利用ユニットは、前記第1利用側熱交換器における熱源側冷媒の放熱及び前記利用側冷媒回路の運転によって水媒体を加熱する加熱運転と、前記第2利用側熱交換器における熱源側冷媒の蒸発によって水媒体を冷却する冷却運転とを同時に行うことが可能である、
    ヒートポンプシステム(1、101)。
  • 前記冷媒−水熱交換器(57a、57b)は、前記冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体、又は、前記冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体との熱交換によって加熱された水媒体を溜める貯湯タンク(161a、161b)に接続されており、
    前記制御部(1a)は、前記冷却運転時に前記貯湯タンクに溜められている水媒体の温度である貯湯温度(Twha、Twhb)が所定の貯湯設定温度(Twhas、Twhbs)以下になった場合に、前記加熱運転を行う、
    請求項1に記載のヒートポンプシステム(101)。
  • 前記熱源側圧縮機(21)は、容量可変型の圧縮機であり、
    前記制御部(1a)は、前記熱源側凝縮温度(Tc1)が所定の目標熱源側凝縮温度(Tc1s)になるように前記熱源側圧縮機の運転容量を制御しており、
    前記制御部は、外気温度(Ta)が25℃以下で、かつ、前記冷却運転と前記加熱運転とが混在している場合に、前記目標熱源側凝縮温度を40℃未満に設定する、
    請求項1又は2に記載のヒートポンプシステム(1、101)。
  • 前記熱源ユニット(2)は、前記複数の熱源側熱交換器(26a、26b)の冷却源又は加熱源としての空気を供給する風量可変型の熱源側ファン(36a、36b)をさらに有しており、
    前記制御部(1a)は、外気温度(Ta)が25℃以下で、かつ、前記冷却運転と前記加熱運転とが混在している場合に、前記熱源側凝縮温度(Tc1)が前記目標熱源側凝縮温度(Tc1s)になるように前記熱源側ファンの運転風量を制御する、
    請求項3に記載のヒートポンプシステム(1、101)。
  • 前記制御部(1a)は、外気温度(Ta)が10℃以下で、かつ、前記冷却運転と前記加熱運転とが混在し、かつ、熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器(26a、26b)が存在し、かつ、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器における熱源側冷媒の飽和温度に相当する熱源側蒸発温度(Te1)が所定の下限蒸発温度(Te1m)以下になった場合に、前記冷却運転を間欠的に行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム(1、101)。
  • 前記利用側熱交換器(51a、51b、151a、151b)の前記冷却運転時における熱源側冷媒の出口には、前記冷却運転を行わない時に閉止し、前記冷却運転時に開ける利用側熱交出口開閉弁(154a、154b)が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム(1、101)。
  • 前記加熱運転は、水媒体を65℃以上まで加熱することが可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒートポンプシステム(1、101)。
  • 说明书全文

    本発明は、ヒートポンプシステム、特に、複数の熱源側熱交換器を有する熱源ユニットに媒体の冷却運転又は加熱運転を行う複数の利用ユニットを接続して構成されており冷却運転及び加熱運転の同時運転が可能なヒートポンプシステムに関する。

    従来より、特許文献1(特開2006−343052号公報)に示す空気調和装置がある。 この空気調和装置(ヒートポンプシステム)は、圧縮機と第1及び第2室外熱交換器(複数の熱源側熱交換器)とを有する室外機(熱源ユニット)に、室内熱交換器(利用側熱交換器)を有する複数の室内機(利用ユニット)を接続して構成されている。 このヒートポンプシステムは、冷房運転(冷却運転)及び暖房運転(加熱運転)の同時運転が可能である。 より具体的には、このヒートポンプシステムは、冷却運転又は加熱運転が利用ユニットごとに設定された状態で、複数の利用ユニット全体の熱負荷に応じて、複数の熱源側熱交換器を冷媒の蒸発器又は冷媒の放熱器として機能させて、複数の利用ユニット全体の熱負荷にバランスさせる運転を行うことが可能である。

    上記従来のヒートポンプシステムでは、冷却運転を行う利用ユニットと加熱運転を行う利用ユニットとが混在する場合、複数の利用ユニット全体の熱負荷が小さくなる傾向にある。 このため、複数の熱源側熱交換器に要求される熱負荷が小さくなり、複数の熱源側熱交換器の一部を冷媒の放熱器として、かつ、残りを冷媒の蒸発器として機能させる必要が生じる。 しかも、加熱運転を行うためには、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器や熱源側熱交換器における冷媒の飽和温度に相当する凝縮温度を所定温度以上に維持する必要がある。 すなわち、冷却運転と加熱運転とが混在している場合には、凝縮温度を所定温度以上に維持しながら、複数の熱源側熱交換器の一部を冷媒の放熱器として、かつ、残りを冷媒の蒸発器として機能させて、複数の利用ユニット全体の熱負荷とバランスさせる必要がある。

    しかし、上記の複数の熱源側熱交換器によって複数の利用ユニット全体の熱負荷とバランスさせる運転は、複数の熱源側熱交換器に要求される熱負荷が小さいにもかかわらず、圧縮機の運転容量を増加させることになる。 このため、圧縮機の消費動が大きくなり、運転効率が低くなるという問題がある。 また、低外気の条件になると、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力が大きくなる傾向になる。 このため、複数の熱源側熱交換器によって複数の利用ユニット全体の熱負荷とバランスさせることが困難になるという問題がある。 特に、冷却運転時に冷媒と水媒体との熱交換によって冷媒の蒸発とともに水媒体を冷却し、加熱運転時に冷媒と水媒体との熱交換によって冷媒の放熱とともに水媒体を加熱する利用側熱交換器を有する利用ユニットを採用する場合には、加熱運転時における凝縮温度を50℃程度以上に維持することが必要とされる。 このため、水媒体の冷却又は加熱を行う利用側熱交換器を有する利用ユニットを採用する場合には、低外気でかつ冷却運転と加熱運転とが混在している場合において、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力が大きくなる傾向が強まり、運転効率の低下の問題がさらに顕著になる。

    本発明の課題は、複数の熱源側熱交換器を有する熱源ユニットに水媒体の冷却運転又は加熱運転を行う複数の利用ユニットを接続して構成されており冷却運転及び加熱運転の同時運転が可能なヒートポンプシステムにおいて、低外気でかつ冷却運転と加熱運転とが混在している場合であっても、効率よく運転できるようにすることにある。

    本発明の第1観点にかかるヒートポンプシステムは、熱源側冷媒回路と制御部とを有する。 熱源側冷媒回路は、熱源側冷媒を圧縮する熱源側圧縮機と複数の熱源側熱交換器とを有する熱源ユニットに、利用側熱交換器を有する複数の利用ユニットとを接続して構成される。 制御部は、利用側熱交換器における熱源側冷媒の蒸発によって水媒体を冷却する冷却運転又は利用側熱交換器における熱源側冷媒の放熱によって水媒体を加熱する加熱運転が利用ユニットごとに設定された状態で、複数の利用ユニット全体の熱負荷に応じて、複数の熱源側熱交換器を熱源側冷媒の蒸発器又は熱源側冷媒の放熱器として機能させて、複数の利用ユニット全体の熱負荷にバランスさせる運転を行うことが可能である。 そして、各利用ユニットは、利用側冷媒を圧縮する利用側圧縮機と、利用側冷媒と水媒体との熱交換によって水媒体を加熱する冷媒−水熱交換器とを接続して構成される利用側冷媒回路をさらに有している。 利用側冷媒回路は、加熱運転時に、冷媒−水熱交換器が利用側冷媒の放熱器として機能し、利用側熱交換器が利用側冷媒の蒸発器としてかつ熱源側冷媒の放熱器として機能する。 そして、制御部は、外気温度が25℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在しており、複数の熱源側熱交換器の一部を熱源側冷媒の放熱器として機能させ、かつ、残りを熱源側冷媒の蒸発器として機能させて、複数の利用ユニット全体の熱負荷にバランスさせる運転を行っている場合に、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器における熱源側冷媒の飽和温度に相当する熱源側凝縮温度が40℃未満になるように運転を行う。

    外気温度が25℃以下という低外気の条件では、熱源側凝縮温度(50℃程度以上)との温度差が25℃以上になる。 このため、冷却運転と加熱運転とが混在している場合には、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力が大きくなる傾向が非常に顕著になり、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力を制御することが困難になる。 熱源側凝縮温度を低くすれば、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力が大きくなる傾向を抑えることができて制御が容易になるが、逆に、熱源側凝縮温度を50℃程度以上に維持しにくくなり、水媒体を十分に加熱することが困難になる。

    このように、外気温度が25℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在している場合には、加熱運転のための熱源側凝縮温度の維持と、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力の制御とを両立させることが困難になる。

    そこで、このヒートポンプシステムでは、上記のように、各利用ユニットに利用側圧縮機及び冷媒−水熱交換器を設けて、各利用ユニットに利用側熱交換器が利用側冷媒の蒸発器としてかつ熱源側冷媒の放熱器として機能することが可能な利用側冷媒回路をさらに有するものとしている。

    これにより、このヒートポンプシステムでは、加熱運転時に、熱源側冷媒回路及び利用側冷媒回路による二元冷凍サイクルによって水媒体を加熱することができる。 このため、利用側熱交換器に送られる熱源側冷媒の熱源側凝縮温度が低くても、冷媒−水熱交換器において水媒体と熱交換を行う利用側冷媒の凝縮温度を高くすることができる。 すなわち、このヒートポンプシステムでは、加熱運転時に、熱源側冷媒回路及び利用側冷媒回路による二元冷凍サイクルによって水媒体を加熱するようにしているため、利用側熱交換器に送られる熱源側冷媒の熱源側凝縮温度を低くすることができる。

    このため、このヒートポンプシステムでは、外気温度が25℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在している場合であっても、熱源側凝縮温度を50℃程度以上に維持する必要がなくなり、熱源側凝縮温度を40℃未満になるように運転することができる。 そして、熱源側凝縮温度を40℃未満にすれば、外気温度(例えば、25℃)と熱源側凝縮温度(40℃未満)との温度差が15℃未満になり、熱源側凝縮温度が50℃程度の場合の温度差(25℃)に比べて、温度差を半分近くに抑えることができる。 これにより、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力を大幅に抑えることができ、所望の加熱運転を行いながら、複数の利用ユニット全体の熱負荷とバランスさせることが容易になる。 そして、熱源側圧縮機の運転容量が増加することも抑えることができるため、熱源側圧縮機の消費動力大きくなることを抑えることができ、効率よく運転を行うことができる。

    また、このヒートポンプシステムは、利用側熱交換器が、第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器とを有している。 第1利用側熱交換器は、加熱運転時に利用側冷媒の蒸発器としてかつ熱源側冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。 第2利用側熱交換器は、冷却運転時に熱源側冷媒と水媒体との熱交換によって水媒体を冷却する熱交換器である。 利用側冷媒回路は、利用側圧縮機と、冷媒−水熱交換器と、第1利用側熱交換器とを接続することによって構成されている。

    このヒートポンプシステムでは、利用側熱交換器が、加熱運転用の第1利用側熱交換器と、冷却運転用の第2利用側熱交換器とに分けられている。 このため、このヒートポンプシステムでは、例えば、利用側熱交換器として、熱源側冷媒、利用側冷媒及び水媒体を流すことが可能な利用側熱交換器の構造を採用する場合に比べて、熱交換器の構造を簡単化することができる。

    さらに、このヒートポンプシステムは、各利用ユニットが、加熱運転と冷却運転とを同時に行うことが可能である。 加熱運転は、第1利用側熱交換器における熱源側冷媒の放熱及び利用側冷媒回路の運転によって水媒体を加熱する運転である。 冷却運転は、第2利用側熱交換器における熱源側冷媒の蒸発によって水媒体を冷却する運転である。

    このヒートポンプシステムでは、各利用ユニットが、加熱運転と冷却運転とを同時に行うことが可能であるため、例えば、冷却運転による室内の冷房と、加熱運転による給湯とを同時に行うことができる。 このため、このヒートポンプシステムは、給湯と冷房とを同時に行うことがある集合住宅等に有効である。

    本発明の第2観点にかかるヒートポンプシステムは、第1観点にかかるヒートポンプシステムにおいて、冷媒−水熱交換器は、貯湯タンクに接続されている。 貯湯タンクは、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体、又は、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体との熱交換によって加熱された水媒体を溜めるタンクである。 そして、制御部は、冷却運転時に貯湯タンクに溜められている水媒体の温度である貯湯温度が所定の貯湯設定温度以下になった場合に、加熱運転を行う。

    このヒートポンプシステムでは、冷却運転時に、貯湯温度が所定の貯湯設定温度以下になった場合に、加熱運転が行われるようになっている。 このため、このヒートポンプシステムでは、冷却運転において水媒体を冷却することによって熱源側冷媒が得た熱を有効利用しながら、貯湯温度を貯湯設定温度以上に維持することができる。

    本発明の第3観点にかかるヒートポンプシステムは、第1又は第2観点にかかるヒートポンプシステムにおいて、熱源側圧縮機は、容量可変型の圧縮機である。 制御部は、熱源側凝縮温度が所定の目標熱源側凝縮温度になるように熱源側圧縮機の運転容量を制御している。 制御部は、外気温度が25℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在している場合に、目標熱源側凝縮温度を40℃未満に設定する。

    このヒートポンプシステムでは、熱源側圧縮機の運転容量の制御によって、外気温度が25℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在している場合に、熱源側凝縮温度を40℃未満にする運転を行っている。 ここで、熱源側圧縮機の運転容量は、熱源側凝縮温度が目標熱源側凝縮温度になるように制御されるため、目標熱源側凝縮温度を40℃未満に設定することによって、熱源側凝縮温度を40℃未満で安定させることができる。

    本発明の第4観点にかかるヒートポンプシステムは、第3観点にかかるヒートポンプシステムにおいて、熱源ユニットは、複数の熱源側熱交換器の冷却源又は加熱源としての空気を供給する風量可変型の熱源側ファンをさらに有している。 制御部は、外気温度が25℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在している場合に、熱源側凝縮温度が目標熱源側凝縮温度になるように熱源側ファンの運転風量を制御する。

    このヒートポンプシステムでは、外気温度が25℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在している場合に、熱源側圧縮機の運転容量の制御とともに、熱源側ファンの運転風量の制御によって、熱源側凝縮温度を40℃未満にする運転を行っている。 このため、熱源側熱交換器の放熱能力をさらに抑えることができるため、さらに効率よく運転を行うことができる。

    本発明の第5観点にかかるヒートポンプシステムは、第1〜第4観点のいずれかにかかるヒートポンプシステムにおいて、制御部は、所定の場合に、冷却運転を間欠的に行う。 所定の場合とは、外気温度が10℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在し、かつ、熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器が存在し、かつ、熱源側蒸発温度が所定の下限蒸発温度以下になった場合である。 熱源側蒸発温度は、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器における熱源側冷媒の飽和温度に相当する温度である。

    外気温度が10℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在し、かつ、熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器が存在する場合には、熱源側蒸発温度が0℃以下になるおそれがある。 これにより、冷却運転を行っている利用側熱交換器を流れる熱源側冷媒の温度も0℃以下になり、利用側熱交換器において熱源側冷媒の蒸発によって冷却される水媒体が凍結するおそれがある。 これに対して、冷却運転を行っている利用側熱交換器の熱源側冷媒の出口に熱源側冷媒の圧力の低下を防ぐために、圧力調節弁を設けることも考えられるが、この圧力調節弁の圧力損失によって、効率よく運転を行うことができなくなるおそれがある。

    そこで、このヒートポンプシステムでは、上記のように、外気温度が10℃以下で、かつ、冷却運転と加熱運転とが混在し、かつ、熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器が存在し、かつ、熱源側蒸発温度が所定の下限蒸発温度以下になった場合に、冷却運転を間欠的に行うようにしている。

    これにより、このヒートポンプシステムでは、水媒体の凍結を抑えつつ、また、効率の低下を抑えながら、冷却運転を行うことができる。

    本発明の第6観点にかかるヒートポンプシステムは、第1〜第5観点のいずれかにかかるヒートポンプシステムにおいて、利用側熱交換器の冷却運転時における熱源側冷媒の出口には、冷却運転を行わない時に閉止し、冷却運転時に開ける利用側熱交出口開閉弁が設けられている。

    低外気で、かつ、熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器が存在する場合には、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器における熱源側冷媒の飽和温度に相当する温度である熱源側蒸発温度が非常に低くなるおそれがある。 このため、冷却運転を行わない時に、利用側熱交換器内の熱源側冷媒が低温になり、水媒体が冷却されて凍結するおそれがある。

    そこで、このヒートポンプシステムでは、上記のように、利用側熱交換器の冷却運転時における熱源側冷媒の出口には、冷却運転を行わない時に閉止し、冷却運転時に開ける利用側熱交出口開閉弁を設けるようにしている。

    これにより、冷却運転を行わない時の利用側熱交換器の熱源側冷媒が低温にならないようにでき、水媒体の凍結を抑えることができる。

    本発明の第7観点にかかるヒートポンプシステムは、第1〜第6観点のいずれかにかかるヒートポンプシステムにおいて、加熱運転は、水媒体を65℃以上まで加熱することが可能である。

    このヒートポンプシステムは、ラジエータや給湯等の高温の水媒体が必要とされる用途に有効である。

    本発明の第1実施形態にかかるヒートポンプシステムの概略構成図である。

    加熱運転を熱源側冷媒回路の単元冷凍サイクルによって行った場合のサイク ル線図である。

    加熱運転を熱源側冷媒回路及び利用側冷媒回路の二元冷凍サイクルによって 行った場合のサイクル線図である。

    本発明の第2実施形態にかかるヒートポンプシステムの概略構成図である。

    第2実施形態の変形例1にかかる冷房運転から冷房給湯運転への移行処理を 示すフローチャートである。

    以下、本発明にかかるヒートポンプシステムの実施形態について、図面に基づいて説明する。

    (1)第1実施形態 <構成>
    −全体−
    図1は、本発明の第1実施形態にかかるヒートポンプシステム1の概略構成図である。 ヒートポンプシステム1は、蒸気圧縮式のヒートポンプサイクルを利用して冷房運転(冷却運転)や暖房運転(加熱運転)を行うことが可能な装置である。

    ヒートポンプシステム1は、主として、熱源ユニット2と、複数(図1では、2つ)の利用ユニット5a、5bと、吐出冷媒連絡管12と、液冷媒連絡管13と、吸入冷媒連絡管14と、水媒体冷暖房ユニット75a、75b(水媒体利用機器)と、水媒体連絡管15a、16a、15b、16bとを有している。 そして、熱源ユニット2と利用ユニット5a、5bとは、冷媒連絡管12、13、14を介して接続されることによって、熱源側冷媒回路20を構成している。 利用ユニット5a、5bは、利用側冷媒回路50a、50bを構成している。 利用ユニット5a、5bと水媒体冷暖房ユニット75a、75bとは、水媒体連絡管15a、16a、15b、16bを介して接続されることによって、水媒体回路70a、70bを構成している。 熱源側冷媒回路20には、HFC系冷媒の一種であるHFC−410Aが熱源側冷媒として封入されている。 また、利用側冷媒回路50a、50bには、HFC系冷媒の一種であるHFC−134aが利用側冷媒として封入されている。 尚、利用側冷媒としては、高温の冷凍サイクルに有利な冷媒を使用されるという観点から、飽和ガス温度65℃に相当する圧力がゲージ圧で高くとも2.8MPa以下、好ましくは、2.0MPa以下の冷媒を使用することが好ましい。 そして、HFC−134aは、このような飽和圧力特性を有する冷媒の一種である。 また、水媒体回路70a、70bには、水媒体としての水が循環するようになっている。

    −熱源ユニット−
    熱源ユニット2は、屋外(例えば、集合住宅やビルの屋上等)に設置されている。 熱源ユニット2は、冷媒連絡管12、13、14を介して利用ユニット5a、5bに接続されており、熱源側冷媒回路20の一部を構成している。

    熱源ユニット2は、主として、熱源側圧縮機21と、油分離機構22と、第1熱源側切換機構23aと、第2熱源側切換機構23bと、第1熱源側熱交換器26aと、第2熱源側熱交換器26bと、第1熱源側膨張弁28aと、第2熱源側膨張弁28bと、第1吸入戻し管29aと、第2吸入戻し管29bと、第1過冷却器31aと、第2過冷却器31bと、液側閉鎖弁33と、吸入側閉鎖弁34と、吐出側閉鎖弁35と、第3熱源側切換機構39とを有している。

    熱源側圧縮機21は、熱源側冷媒を圧縮する機構である。 ここでは、熱源側圧縮機21として、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された熱源側圧縮機モータ21aによって駆動される密閉式圧縮機が採用されている。 熱源側圧縮機モータ21aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、熱源側圧縮機21の容量制御が可能になっている。

    油分離機構22は、熱源側圧縮機21から吐出された熱源側冷媒中に含まれる冷凍機油を分離して熱源側圧縮機21の吸入に戻すための機構である。 油分離機構22は、主として、熱源側圧縮機21の熱源側吐出管21bに設けられた油分離器22aと、油分離器22aと熱源側圧縮機21の熱源側吸入管21cとを接続する油戻し管22bとを有している。 油分離器22aは、熱源側圧縮機21から吐出された熱源側冷媒中に含まれる冷凍機油を分離する機器である。 油戻し管22bは、キャピラリチューブを有しており、油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油を熱源側圧縮機21の熱源側吸入管21cに戻す冷媒管である。 また、熱源側吸入管21cには、熱源側ガス冷媒管25が接続されている。 熱源側ガス冷媒管25は、熱源ユニット2外(より具体的には、吸入冷媒連絡管14)から熱源側圧縮機21の吸入に熱源側冷媒を導入するための冷媒管である。

    第1熱源側切換機構23aは、第1熱源側熱交換器26aを熱源側冷媒の放熱器として機能させる第1熱源側放熱運転状態と第1熱源側熱交換器26aを熱源側冷媒の蒸発器として機能させる第1熱源側蒸発運転状態とを切り換え可能な四路切換弁である。 第1熱源側切換機構23aは、熱源側吐出管21bと、熱源側吸入管21cと、第1熱源側熱交換器26aのガス側に接続された第1熱源側ガス冷媒管24aとに接続されている。 そして、第1熱源側切換機構23aの4つのポートのうちの1つは、キャピラリチューブ48aを通じて熱源側吸入管21cに連通しており、これにより、第1熱源側切換機構23aは、三方切換弁として機能するようになっている。 第1熱源側切換機構23aは、熱源側吐出管21bと第1熱源側ガス冷媒管24aとを連通させる切り換え(第1熱源側放熱運転状態に対応、図1の第1熱源側切換機構23aの実線を参照)を行うことが可能である。 また、第1熱源側切換機構23aは、第1熱源側ガス冷媒管24aと熱源側吸入管21cとを連通させる切り換え(第1熱源側蒸発運転状態に対応、図1の第1熱源側切換機構23aの破線を参照)を行うことが可能である。 尚、第1熱源側切換機構23aは、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせて使用する等によって、上記と同様の熱源側冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。

    第2熱源側切換機構23bは、第2熱源側熱交換器26bを熱源側冷媒の放熱器として機能させる第2熱源側放熱運転状態と第2熱源側熱交換器26bを熱源側冷媒の蒸発器として機能させる第2熱源側蒸発運転状態とを切り換え可能な四路切換弁である。 第2熱源側切換機構23bは、熱源側吐出管21bと、熱源側吸入管21c(より具体的には、熱源側ガス冷媒管25及び熱源側吸入管21cに連通する連通管38)と、第2熱源側熱交換器26bのガス側に接続された第2熱源側ガス冷媒管24bとに接続されている。 すなわち、熱源側吐出管21bは、第1熱源側切換機構23a及び第2熱源側切換機構23bの両方に接続される分岐管になっている。 そして、第2熱源側切換機構23bの4つのポートのうちの1つは、キャピラリチューブ48bを通じて連通管38に連通しており、これにより、第2熱源側切換機構23bは、三方切換弁として機能するようになっている。 第2熱源側切換機構23bは、熱源側吐出管21bと第2熱源側ガス冷媒管24bとを連通させる切り換え(第2熱源側放熱運転状態に対応、図1の第2熱源側切換機構23bの実線を参照)を行うことが可能である。 また、第2熱源側切換機構23bは、第2熱源側ガス冷媒管24bと熱源側吸入管21cとを連通させる切り換え(第2熱源側蒸発運転状態に対応、図1の第2熱源側切換機構23bの破線を参照)を行うことが可能である。 尚、第2熱源側切換機構23bは、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせて使用する等によって、上記と同様の熱源側冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。

    第3熱源側切換機構39は、熱源側吐出管21bから分岐された熱源側吐出分岐管21dに設けられた四路切換弁である。 第3熱源側切換機構39は、熱源ユニット2を冷暖同時運転可能なヒートポンプシステムを構成するための冷暖同時運転状態と、熱源ユニット2を冷暖切換運転可能なヒートポンプシステムを構成するための冷暖切換運転状態とを切り換え可能な四路切換弁である。 第3熱源側切換機構39は、熱源側吐出分岐管21dと、熱源側吸入管21c(より具体的には、熱源側ガス冷媒管25及び熱源側吸入管21cに連通する連通管40)とに接続されている。 そして、第3熱源側切換機構39の4つのポートのうちの1つは、キャピラリチューブ39aを通じて連通管40に連通しており、これにより、第3熱源側切換機構39は、三方切換弁として機能するようになっている。 第3熱源側切換機構39は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの切り換え動作に関係なく、熱源側吐出分岐管21dを熱源側圧縮機21の吐出から熱源側冷媒を熱源ユニット2外(より具体的には、吐出冷媒連絡管12)に導出するための冷媒管として機能させる切り換え(冷暖同時運転状態に対応、図1の第3熱源側切換機構39の実線を参照)を行うことが可能である。 また、第3熱源側切換機構39は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの切り換え動作に応じて、熱源側吐出分岐管21dを熱源側圧縮機21の吐出から熱源側冷媒を熱源ユニット2外に導出する冷媒管として、また、熱源ユニット2外から熱源側圧縮機21の吸入に熱源側冷媒を導入する冷媒管として機能させる切り換え(冷暖切換運転状態に対応、図1の第3熱源側切換機構39の破線を参照)を行うことが可能である。 尚、第3熱源側切換機構39は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせて使用する等によって、上記と同様の熱源側冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。

    第1熱源側熱交換器26aは、熱源側冷媒と室外空気との熱交換を行うことで熱源側冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する熱交換器であり、その液側に第1熱源側液冷媒管27aが接続されており、そのガス側に第1熱源側ガス冷媒管24aが接続されている。 第1熱源側液冷媒管27aは、熱源側冷媒の放熱器として機能する第1熱源側熱交換器26aの出口から熱源側冷媒を熱源側液冷媒合流管27に導出するための冷媒管である。 また、第1熱源側液冷媒管27aは、熱源側液冷媒合流管27から熱源側冷媒の蒸発器として機能する第1熱源側熱交換器26aの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。 第1熱源側熱交換器26において熱源側冷媒と熱交換を行う室外空気は、第1熱源側ファンモータ37aによって駆動される第1熱源側ファン36aによって供給されるようになっている。 第1熱源側ファンモータ37aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、第1熱源側ファン36aの風量制御が可能になっている。

    第1熱源側膨張弁28aは、第1熱源側熱交換器26aを流れる熱源側冷媒の減圧等を行う電動膨張弁であり、第1熱源側液冷媒管27aに設けられている。

    第1吸入戻し管29aは、第1熱源側液冷媒管27aを流れる熱源側冷媒の一部を分岐して熱源側圧縮機21の吸入に戻す冷媒管であり、ここでは、その一端が第1熱源側液冷媒管27aに接続されており、その他端が熱源側吸入管21cに接続されている。 そして、第1吸入戻し管29aには、開度制御が可能な第1吸入戻し膨張弁30aが設けられている。 この第1吸入戻し膨張弁30aは、電動膨張弁からなる。

    第1過冷却器31aは、第1熱源側液冷媒管27aを流れる冷媒と第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒(より具体的には、第1吸入戻し膨張弁30aによって減圧された後の熱源側冷媒)との熱交換を行う熱交換器である。

    第2熱源側熱交換器26bは、熱源側冷媒と室外空気との熱交換を行うことで熱源側冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する熱交換器であり、その液側に第2熱源側液冷媒管27bが接続されており、そのガス側に第2熱源側ガス冷媒管24bが接続されている。 第2熱源側液冷媒管27bは、熱源側冷媒の放熱器として機能する第2熱源側熱交換器26bの出口から熱源側液冷媒合流管27に導出するための冷媒管である。 また、第2熱源側液冷媒管27bは、熱源側液冷媒合流管27から熱源側冷媒の蒸発器として機能する第2熱源側熱交換器26bの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。 すなわち、第1熱源側液冷媒管27a及び第2熱源側液冷媒管27bは、熱源側液冷媒合流管27から分岐された冷媒管である。 熱源側液冷媒合流管27は、第1熱源側液冷媒管27a及び第2熱源側液冷媒管27bの合流部分から熱源側冷媒を熱源ユニット2外(より具体的には、液冷媒連絡管13)に導出するための冷媒管である。 また、熱源側液冷媒合流管27は、熱源ユニット2外から第1熱源側液冷媒管27a及び第2熱源側液冷媒管27bの合流部分に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。 第2熱源側熱交換器26bにおいて熱源側冷媒と熱交換を行う室外空気は、第2熱源側ファンモータ37bによって駆動される第2熱源側ファン36bによって供給されるようになっている。 第2熱源側ファンモータ37bは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、第2熱源側ファン36bの風量制御が可能になっている。

    第2熱源側膨張弁28bは、第2熱源側熱交換器26bを流れる熱源側冷媒の減圧等を行う電動膨張弁であり、第2熱源側液冷媒管27bに設けられている。

    第2吸入戻し管29bは、第2熱源側液冷媒管27bを流れる熱源側冷媒の一部を分岐して熱源側圧縮機21の吸入に戻す冷媒管であり、ここでは、その一端が第2熱源側液冷媒管27bに接続されており、その他端が熱源側吸入管21cに接続されている。 そして、第2吸入戻し管29bには、開度制御が可能な第2吸入戻し膨張弁30bが設けられている。 この第2吸入戻し膨張弁30bは、電動膨張弁からなる。

    第2過冷却器31bは、第2熱源側液冷媒管27bを流れる冷媒と第2吸入戻し管29bを流れる熱源側冷媒(より具体的には、第2吸入戻し膨張弁30bによって減圧された後の熱源側冷媒)との熱交換を行う熱交換器である。

    液側閉鎖弁33は、熱源側液冷媒合流管27と液冷媒連絡管13との接続部に設けられた弁である。 吸入側閉鎖弁34は、熱源側ガス冷媒管25と吸入冷媒連絡管14との接続部に設けられた弁である。 吐出側閉鎖弁35は、熱源側吐出分岐管21dと吐出冷媒連絡管12との接続部に設けられた弁である。

    また、熱源ユニット2には、各種のセンサが設けられている。 具体的には、熱源ユニット2には、熱源側吸入圧力センサ41と、熱源側吐出圧力センサ42と、熱源側吸入温度センサ43と、熱源側吐出温度センサ44と、第1及び第2熱源側熱交ガス側温度センサ45a、45bと、第1及び第2熱源側熱交液側温度センサ46a、46bと、外気温度センサ47とが設けられている。 熱源側吸入圧力センサ41は、熱源側圧縮機21の吸入における熱源側冷媒の圧力である熱源側吸入圧力Ps1を検出する圧力センサである。 熱源側吐出圧力センサ42は、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の圧力である熱源側吐出圧力Pd1を検出する圧力センサである。 熱源側吸入温度センサ43は、熱源側圧縮機21の吸入における熱源側冷媒の温度である熱源側吸入温度Ts1を検出する温度センサである。 熱源側吐出温度センサ44は、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の温度である熱源側吐出温度Td1を検出する温度センサである。 第1及び第2熱源側熱交ガス側温度センサ45a、45bは、第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bのガス側における冷媒の温度である熱源側熱交ガス側温度Thg1、Thg2を検出する温度センサである。 第1及び第2熱源側熱交液側温度センサ46a、46bは、第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bの液側における熱源側冷媒の温度である熱源側熱交液側温度Thl1、Thl2を検出する温度センサである。 外気温度センサ47は、外気温度Toを検出する温度センサである。 また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部の動作を制御する熱源側制御部49を有している。 そして、熱源側制御部49は、熱源ユニット2の制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有している。 熱源側制御部49は、後述の利用ユニット5a、5bの利用側制御部69a、69bとの間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。

    −吐出冷媒連絡管−
    吐出冷媒連絡管12は、吐出側閉鎖弁35を介して熱源側吐出分岐管21dに接続されている。 吐出冷媒連絡管12は、第3熱源側切換機構39が冷暖同時運転状態である場合に、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側放熱運転状態及び熱源側蒸発運転状態のいずれにおいても、熱源側圧縮機21の吐出から熱源ユニット2外に熱源側冷媒を導出することが可能な冷媒管である。

    −液冷媒連絡管−
    液冷媒連絡管13は、液側閉鎖弁33を介して熱源側液冷媒合流管27に接続されている。 液冷媒連絡管13は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側放熱運転状態において熱源側冷媒の放熱器として機能する第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bの出口から熱源ユニット2外に熱源側冷媒を導出することが可能な冷媒管である。 また、液冷媒連絡管13は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側蒸発運転状態において熱源ユニット2外から熱源側冷媒の蒸発器として機能する第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bの入口に熱源側冷媒を導入することが可能な冷媒管でもある。

    −吸入冷媒連絡管−
    吸入冷媒連絡管14は、吸入側閉鎖弁34を介して熱源側ガス冷媒管25に接続されている。 吸入冷媒連絡管14は、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側放熱運転状態及び熱源側蒸発運転状態のいずれにおいても、熱源ユニット2外から熱源側圧縮機21の吸入に熱源側冷媒を導入することが可能な冷媒管である。

    −利用ユニット−
    利用ユニット5a、5bは、屋内(例えば、集合住宅の各戸やビルの各区画等)に設置されている。 利用ユニット5a、5bは、冷媒連絡管12、13、14を介して熱源ユニット2に接続されており、熱源側冷媒回路20の一部を構成している。 また、利用ユニット5a、5bは、利用側冷媒回路50a、50bを構成している。 さらに、利用ユニット5a、5bは、水媒体連絡管15a、16a、15b、16bを介して水媒体冷暖房ユニット75a、75bに接続されており、水媒体回路70a、70bの一部を構成している。 尚、利用ユニット5bの構成は、利用ユニット5aの構成と同様である。 このため、ここでは、利用ユニット5aの構成のみを説明し、利用ユニット5bの構成については、利用ユニット5aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに添字「b」を付して、各部の説明を省略する。

    利用ユニット5aは、主として、第1利用側熱交換器51aと、第1利用側膨張弁52aと、第2利用側熱交換器151aと、第2利用側膨張弁152aと、利用側圧縮機55aと、冷媒−水熱交換器57aと、冷媒−水熱交側膨張弁58aと、利用側アキュムレータ59aと、循環ポンプ71aとを有している。

    第1利用側熱交換器51aは、熱源側冷媒と利用側冷媒との熱交換を行うことで熱源側冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。 第1利用側熱交換器51aの熱源側冷媒が流れる流路の液側には、利用側熱交出入口接続管53aが接続されており、第1利用側熱交換器51aの熱源側冷媒が流れる流路のガス側には、第1利用側ガス冷媒管54aが接続されている。 また、第1利用側熱交換器51aの利用側冷媒が流れる流路の液側には、カスケード側液冷媒管66aが接続されており、第1利用側熱交換器51aの利用側冷媒が流れる流路のガス側には、カスケード側ガス冷媒管67aが接続されている。 利用側熱交出入口接続管53aは、熱源側冷媒の放熱器として機能する第1利用側熱交換器51aの出口から熱源側冷媒を利用ユニット5a外(より具体的には、液冷媒連絡管13)に導出するための冷媒管である。 第1利用側ガス冷媒管54aは、利用ユニット5a外(より具体的には、ガス冷媒連絡管14)から熱源側冷媒の放熱器として機能する第1利用側熱交換器51aの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管である。 カスケード側液冷媒管66aには、冷媒−水熱交換器57aが接続されており、カスケード側ガス冷媒管67aには、利用側圧縮機55aが接続されている。

    第1利用側膨張弁52aは、開度制御を行うことで第1利用側熱交換器51aを流れる熱源側冷媒の流量を可変することが可能な電動膨張弁であり、利用側熱交出入口接続管53aに設けられている。

    利用側圧縮機55aは、利用側冷媒を圧縮する機構である。 ここでは、利用側圧縮機55aとして、ケーシング(図示せず)内に収容されたロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が、同じくケーシング内に収容された利用側圧縮機モータ56aによって駆動される密閉式圧縮機が採用されている。 利用側圧縮機モータ56aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、利用側圧縮機55aの容量制御が可能になっている。 また、利用側圧縮機55aの吐出には、カスケード側吐出管60aが接続されており、利用側圧縮機55aの吸入には、カスケード側ガス冷媒管67aが接続されている。

    冷媒−水熱交換器57aは、利用側冷媒と水媒体との熱交換を行うことで利用側冷媒の放熱器として機能する熱交換器である。 冷媒−水熱交換器57aの利用側冷媒が流れる流路の液側には、カスケード側液冷媒管66aが接続されており、冷媒−水熱交換器57aの利用側冷媒が流れる流路のガス側には、カスケード側ガス冷媒管67aが接続されている。 また、冷媒−水熱交換器57aの水媒体が流れる流路の入口側には、第1利用側水入口管73aが接続されており、冷媒−水熱交換器57aの水媒体が流れる流路の出口側には、第1利用側水出口管74aが接続されている。 第1利用側水入口管73aは、利用ユニット5a外(より具体的には、水媒体連絡管15a)から水媒体の加熱器として機能する冷媒−水熱交換器57aの入口に水媒体を導入するための水媒体管である。 第1利用側水出口管74aは、水媒体の加熱器として機能する冷媒−水熱交換器57aの出口から水媒体を利用ユニット5a外(より具体的には、水媒体連絡管16a)に導出するための水媒体管である。

    冷媒−水熱交側膨張弁58aは、開度制御を行うことで冷媒−水熱交換器57aを流れる利用側冷媒の流量を可変することが可能な電動膨張弁であり、カスケード側液冷媒管66aに設けられている。

    利用側アキュムレータ59aは、カスケード側ガス冷媒管67aに設けられており、利用側冷媒回路50aを循環する利用側冷媒をカスケード側吸入管67aから利用側圧縮機55aに吸入される前に一時的に溜めるための容器である。

    このように、利用側圧縮機55a、冷媒−水熱交換器57a、冷媒−水熱交側膨張弁58a、利用側熱交換器51a及び利用側アキュムレータ59aが冷媒管60a、66aを介して接続されることによって、利用側冷媒回路50aが構成されている。

    循環ポンプ71aは、水媒体の昇圧を行う機構であり、ここでは、遠心式や容積式のポンプ要素(図示せず)が循環ポンプモータ72aによって駆動されるポンプが採用されている。 循環ポンプ71aは、第1利用側水出口管73aに設けられている。 循環ポンプモータ72aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、循環ポンプ71aの容量制御が可能になっている。

    第2利用側熱交換器151aは、熱源側冷媒と水媒体との熱交換を行うことで熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。 第2利用側熱交換器151aの熱源側冷媒が流れる流路の液側には、利用側熱交出入口接続管53aが接続されており、第2利用側熱交換器151aの熱源側冷媒が流れる流路のガス側には、第2利用側ガス冷媒管153aが接続されている。 すなわち、利用側熱交出入口接続管53aは、第1利用側熱交換器51aの熱源側冷媒の出口と第2利用側熱交換器151aの熱源側冷媒の入口とを接続する冷媒管として機能している。 このため、利用側熱交出入口接続管53aは、利用ユニット5a外(より具体的には、液冷媒連絡管13)から熱源側冷媒の放熱器として機能する第2利用側熱交換器151aの入口に熱源側冷媒を導入するための冷媒管でもある。 第2利用側ガス冷媒管153aには、開閉制御が可能な利用側熱交出口開閉弁154aが設けられている。 利用側熱交出口開閉弁154aは、電磁弁からなる。 また、第2利用側熱交換器151aの水媒体が流れる流路の入口側には、第2利用側水入口管173aが接続されており、第2利用側熱交換器151aの水媒体が流れる流路の出口側には、第2利用側水出口管174aが接続されている。 第2利用側水入口管173aは、冷温水切換機構175aを介して第1利用側水入口管73aの循環ポンプ71aよりも下流側の部分から分岐されている。 第2利用側水出口管174aは、第1利用側水出口管74aに合流している。 冷温水切換機構175aは、冷媒−水熱交換器57aにおいて加熱された水媒体、又は、第2利用側熱交換器151aにおいて冷却された水媒体を、利用ユニット5外に設けられる水媒体冷暖房ユニット75aとの間で選択的にやりとりすることを可能にするための機構である。 冷温水切換機構175aは、三方弁からなる。

    第2利用側膨張弁152aは、開度制御を行うことで第2利用側熱交換器151aを流れる熱源側冷媒の流量を可変することが可能な電動膨張弁であり、利用側熱交出入口接続管53aに設けられている。

    また、利用ユニット5aには、各種のセンサが設けられている。 具体的には、利用ユニット5aには、第1利用側熱交液側温度センサ61aと、第2利用側熱交ガス側温度センサ156aと、第2利用側液冷媒管温度センサ65aと、第2利用側熱交液側温度センサ155aと、水媒体入口温度センサ63aと、第1水媒体出口温度センサ64aと、第2水媒体出口温度センサ159aと、利用側吸入圧力センサ68aと、利用側吐出圧力センサ69aと、利用側吐出温度センサ157aと、冷媒−水熱交温度センサ158aと、カスケード側液冷媒管温度センサ160aとが設けられている。 第1利用側熱交液側温度センサ61aは、第1利用側熱交換器51aの液側における熱源側冷媒の温度である第1利用側熱交液側温度Tul1aを検出する温度センサである。 第2利用側熱交ガス側温度センサ156aは、第2利用側熱交換器151aのガス側における熱源側冷媒の温度である第2利用側熱交ガス側温度Tug2aを検出する温度センサである。 第2利用側液冷媒管温度センサ65aは、第2利用側膨張弁152aの上流側における熱源側冷媒の温度Tuv2aを検出する温度センサである。 第2利用側熱交液側温度センサ155aは、第2利用側熱交換器151aの液側における熱源側冷媒の温度である第2利用側熱交液側温度Tul2aを検出する温度センサである。 水媒体入口温度センサ63aは、冷媒−水熱交換器57aの入口や第2利用側熱交換器151aの入口における水媒体の温度である水媒体入口温度Twraを検出する温度センサである。 第1水媒体出口温度センサ64aは、冷媒−水熱交換器57aの出口における水媒体の温度である水媒体出口温度Twl1aを検出する温度センサである。 第2水媒体出口温度センサ159aは、第2利用側熱交換器151aの出口における水媒体の温度である水媒体出口温度Twl2aを検出する温度センサである。 利用側吸入圧力センサ68aは、利用側圧縮機55aの吸入における利用側冷媒の圧力である利用側吸入圧力Ps2aを検出する圧力センサである。 利用側吐出圧力センサ69aは、利用側圧縮機55aの吐出における利用側冷媒の圧力である利用側吐出圧力Pd2aを検出する圧力センサである。 利用側吐出温度センサ157aは、利用側圧縮機55aの吐出における利用側冷媒の温度である利用側吐出温度Td2aを検出する温度センサである。 冷媒−水熱交温度センサ158aは、冷媒−水熱交換器57aの液側における利用側冷媒の温度であるカスケード側冷媒温度Tpl1aを検出する温度センサである。 カスケード側液冷媒管温度センサ160aは、第1利用側熱交換器51aの液側における利用側冷媒の温度Tpl2aを検出する温度センサである。 また、利用ユニット5aは、利用ユニット5aを構成する各部の動作を制御する利用側制御部69aを有している。 そして、利用側制御部69aは、利用ユニット5aの制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有している。 利用側制御部69aは、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2の熱源側制御部49との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。

    −水媒体冷暖房ユニット−
    水媒体冷暖房ユニット75a、75b(水媒体利用機器)は、屋内(例えば、集合住宅の各戸やビルの各区画等)に設置されている。 水媒体冷暖房ユニット75a、75bは、水媒体連絡管15a、15b、16a、16bを介して利用ユニット5a、5bに接続されており、水媒体回路70a、70bの一部を構成している。 尚、水媒体冷暖房ユニット75bの構成は、水媒体冷暖房ユニット75aの構成と同様である。 このため、ここでは、水媒体冷暖房ユニット75aの構成のみを説明し、水媒体冷暖房ユニット75bの構成については、水媒体冷暖房ユニット75aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに添字「b」を付して、各部の説明を省略する。

    水媒体冷暖房ユニット75aは、主として、熱交換パネル76aを有しており、ラジエータや床冷暖房パネル等を構成している。

    熱交換パネル76aは、ラジエータの場合には、室内の壁際等に設けられ、床冷暖房パネルの場合には、室内の床下等に設けられている。 熱交換パネル76aは、水媒体回路70aを循環する水媒体の放熱器又は加熱器として機能する熱交換器であり、その入口には、水媒体連絡管16aが接続されており、その出口には、水媒体連絡管15aが接続されている。

    −水媒体連絡管−
    水媒体連絡管15a、15bは、第1利用側水入口管73a、73bに接続されている。 水媒体連絡管15a、15bは、利用ユニット5a、5b外(より具体的には、水媒体冷暖房ユニット75a、75b)から水媒体の加熱器として機能する第1利用側熱交換器51a、51bの入口、又は、水媒体の冷却器として機能する第2利用側熱交換器151a、151bの入口に水媒体を導入することが可能な水媒体管である。

    水媒体連絡管16a、16bは、第1利用側水出口管74a、74bに接続されている。 水媒体連絡管16a、16bは、水媒体の加熱器として機能する第1利用側熱交換器51a、51bの出口、又は、水媒体の冷却器として機能する第2利用側熱交換器151a、151bの出口から利用ユニット5a、5b外(より具体的には、水媒体冷暖房ユニット75a、75b)に水媒体を導出することが可能な水媒体管である。

    そして、利用側制御部69a、69bと熱源側制御部49とによって、ヒートポンプシステム1の運転制御を行う制御部1aが構成されており、以下の運転や各種制御を行うようになっている。

    <動作>
    次に、ヒートポンプシステム1の動作について説明する。

    ヒートポンプシステム1の運転としては、全暖房運転モードと冷暖同時運転モードと全冷房運転モードとがある。 全暖房運転モードは、暖房運転(加熱運転)に設定された利用ユニットだけが存在する状態で、暖房運転のみを行う運転モードである。 冷暖同時運転モードは、利用ユニット5a、5bの一方が冷房運転(冷却運転)に設定され、かつ、利用ユニット5a、5bの他方が暖房運転(加熱運転)に設定された状態で、冷房運転と暖房運転とが混在した運転を行う運転モードである。 全冷房運転モードは、冷房運転(冷却運転)に設定された利用ユニットだけが存在する状態で、冷房運転のみを行う運転モードである。 また、冷暖同時運転モードについては、利用ユニット5a、5b全体の熱負荷(冷房負荷と暖房負荷の合計)に応じて、冷暖同時運転モード(蒸発主体)と冷暖同時運転モード(放熱主体)とに分けることができる。 冷暖同時運転モード(蒸発主体)は、利用ユニット5a、5bの冷房運転と暖房運転とが混在しており、かつ、利用ユニット5a、5bから液冷媒連絡管13を通じて熱源ユニット2に熱源側冷媒が送られる状態になる運転モードである。 冷暖同時運転モード(放熱主体)は、利用ユニット5a、5bの冷房運転と暖房運転とが混在しており、かつ、熱源ユニット2から液冷媒連絡管13を通じて利用ユニット5a、5bに熱源側冷媒が送られる状態になる運転モードである。

    −全暖房運転モード−
    利用ユニット5a、5bの暖房運転のみを行う場合には、熱源側冷媒回路20において、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側蒸発運転状態(図1の第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図1の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、吸入戻し膨張弁30a、30bが閉止される。 また、第2利用側膨張弁152a、152b及び利用側熱交出口開閉弁154a、154bが閉止される。 さらに、冷温水切換機構175a、175bは、冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体を水媒体冷暖房ユニット75a、75bに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、利用ユニット5a、5bのすべてが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。

    このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。 熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。 油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。 冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、熱源側吐出分岐管21d、第3熱源側切換機構39及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット2から吐出冷媒連絡管12に送られる。

    吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット5a、5bに送られる。

    利用ユニット5a、5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54a、54bを通じて、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる。 第1利用側熱交換器51a、51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて、利用側冷媒回路50a、50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。 第1利用側熱交換器51a、51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52a、52b及び利用側熱交出入口接続管53a、53bを通じて、利用ユニット5a、5bから液冷媒連絡管13に送られて合流する。

    液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。 熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒は、液側閉鎖弁33及び熱源側液冷媒合流管27を通じて、過冷却器31a、31bに送られる。 過冷却器31a、31bに送られた熱源側冷媒は、吸入戻し管29a、29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、熱源側膨張弁28a、28bに送られる。 熱源側膨張弁28a、28bに送られた熱源側冷媒は、熱源側膨張弁28a、28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、熱源側液冷媒管27a、27bを通じて、熱源側熱交換器26a、26bに送られる。 熱源側熱交換器26a、26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源側熱交換器26a、26bにおいて、熱源側ファン36a、36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。 熱源側熱交換器26a、26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、熱源側ガス冷媒管24a、24b、熱源側切換機構23a、23b及び熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。

    一方、利用側冷媒回路50a、50bにおいては、第1利用側熱交換器51a、51bにおける熱源側冷媒の放熱によって利用側冷媒回路50a、50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒が加熱されて蒸発する。 第1利用側熱交換器51a、51bにおいて蒸発した低圧の利用側冷媒は、カスケード側ガス冷媒管67a、67bを通じて、利用側アキュムレータ59a、59bに送られる。 利用側アキュムレータ59a、59bに送られた低圧の利用側冷媒は、利用側圧縮機55a、55bに吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、カスケード側吐出管60a、60bに吐出される。 カスケード側吐出管60a、60bに吐出された高圧の利用側冷媒は、冷媒−水熱交換器57a、57bに送られる。 冷媒−水熱交換器57a、57bに送られた高圧の利用側冷媒は、冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて、循環ポンプ71a、71bによって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体と熱交換を行って放熱する。 冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて放熱した高圧の利用側冷媒は、冷媒−水熱交側膨張弁58a、58bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、カスケード側液冷媒管66a、66bを通じて、再び、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる。

    また、水媒体回路70a、70bにおいては、冷媒−水熱交換器57a、57bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が加熱される。 冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体は、循環ポンプ71a、71bによって、第1利用側水出口管74a、74bを通じて、利用ユニット5a、5bから水媒体連絡管16a、16bに送られる。 水媒体連絡管16a、16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られる。 水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76a、76bにおいて放熱し、これにより、室内の壁際等を加熱したり、室内の床を加熱する。

    このようにして、利用ユニット5a、5bの暖房運転のみを行う全暖房運転モードにおける動作が行われる。

    −冷暖同時運転モード(蒸発主体)−
    利用ユニット5a、5bの冷房運転と暖房運転とが混在している場合には、熱源側冷媒回路20において、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図1の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図1の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図1の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。 そして、利用ユニット5a、5bのうち冷房運転に設定される利用ユニットについては、第1利用側膨張弁が閉止され、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。 一方、利用ユニット5a、5bのうち暖房運転に設定される利用ユニットについては、第2利用側膨張弁及び利用側熱交出口開閉弁が閉止され、冷温水切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、第1熱源側切換機構23aが熱源側放熱運転状態に切り換えられ、第2熱源側切換機構23bが熱源側蒸発運転状態に切り換えられ、吸入戻し膨張弁30bが閉止されたものとして説明する。 また、利用ユニット5aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5bが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。

    このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。 熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。 油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。 冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、その一部が第1熱源側切換機構23a及び第1熱源側ガス冷媒管24aを通じて、第1熱源側熱交換器26aに送られ、残りが熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット2から吐出冷媒連絡管12に送られる。 第1熱源側熱交換器26aに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側熱交換器26aにおいて、第1熱源側ファン36aによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。 第1熱源側熱交換器26aにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側膨張弁28aを通じて、第1過冷却器31aに送られる。 第1過冷却器31aに送られた熱源側冷媒は、第1熱源側液冷媒管27aから第1吸入戻し管29aに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。 第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。 第1過冷却器31aにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27aを通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られる。

    吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、利用ユニット5bに送られる。

    利用ユニット5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54bを通じて、第1利用側熱交換器51bに送られる。 第1利用側熱交換器51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51bにおいて、利用側冷媒回路50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。 第1利用側熱交換器51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52b及び利用側熱交出入口接続管53bを通じて、利用ユニット5a、5bから液冷媒連絡管13に送られる。

    利用ユニット5bから液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒は、その一部が利用ユニット5aに送られ、残りが熱源ユニット2に送られる。

    液冷媒連絡管13から利用ユニット5aに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152aに送られる。 第2利用側膨張弁152aに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152aにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53aを通じて、第2利用側熱交換器151aに送られる。 第2利用側熱交換器151aに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151aにおいて、循環ポンプ71aによって水媒体回路70aを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。 第2利用側熱交換器151aにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a及び第2利用側ガス冷媒管153aを通じて、利用ユニット5aから吸入冷媒連絡管14に送られる。

    吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。 熱源ユニット2に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25に送られる。 また、液冷媒連絡管13から熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒は、液側閉鎖弁33を通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られて、第1熱源側液冷媒管27aからの熱源側冷媒と合流する。 熱源側液冷媒合流管27において合流した液冷媒は、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2過冷却器31bに送られる。 第2過冷却器31bに送られた熱源側冷媒は、第2吸入戻し管29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、第2熱源側膨張弁28bに送られる。 第2熱源側膨張弁28bに送られた熱源側冷媒は、第2熱源側膨張弁28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2熱源側熱交換器26bに送られる。 第2熱源側熱交換器26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側熱交換器26bにおいて、第2熱源側ファン36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。 第2熱源側熱交換器26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側ガス冷媒管24b、第2熱源側切換機構23b及び連通管38を通じて、熱源側ガス冷媒管25に送られて、吸入冷媒連絡管14から熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒と合流する。 熱源側ガス冷媒管25において合流した低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。

    一方、水媒体回路70aにおいては、第2利用側熱交換器151aにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70aを循環する水媒体が冷却される。 第2利用側熱交換器151aにおいて冷却された水媒体は、第2利用側水出口管174a及び第1利用側水出口管74aを通じて、利用ユニット5aから水媒体連絡管16aに送られる。 水媒体連絡管16aに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75aに送られる。 水媒体冷暖房ユニット75aに送られた水媒体は、熱交換パネル76aにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。

    また、水媒体回路70bにおいては、冷媒−水熱交換器57bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70bを循環する水媒体が加熱される。 冷媒−水熱交換器57bにおいて加熱された水媒体は、循環ポンプ71bによって、第1利用側水出口管74bを通じて、利用ユニット5bから水媒体連絡管16bに送られる。 水媒体連絡管16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75bに送られる。 水媒体冷暖房ユニット75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76bにおいて放熱し、これにより、室内の壁際等を加熱したり、室内の床を加熱する。

    このようにして、利用ユニット5a、5bの一方が冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5a、5bの他方が暖房運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(蒸発主体)における動作が行われる。

    −冷暖同時運転モード(放熱主体)−
    利用ユニット5a、5bの冷房運転と暖房運転とが混在している場合には、熱源側冷媒回路20において、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図1の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図1の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図1の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。 そして、利用ユニット5a、5bのうち冷房運転に設定される利用ユニットについては、第1利用側膨張弁が閉止され、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。 一方、利用ユニット5a、5bのうち暖房運転に設定される利用ユニットについては、第2利用側膨張弁及び利用側熱交出口開閉弁が閉止され、冷温水切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、第1熱源側切換機構23aが熱源側放熱運転状態に切り換えられ、第2熱源側切換機構23bが熱源側蒸発運転状態に切り換えられ、吸入戻し膨張弁30bが閉止されたものとして説明する。 また、利用ユニット5aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5bが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。

    このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。 熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。 油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。 冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、その一部が第1熱源側切換機構23a及び第1熱源側ガス冷媒管24aを通じて、第1熱源側熱交換器26aに送られ、残りが熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット2から吐出冷媒連絡管12に送られる。 第1熱源側熱交換器26aに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側熱交換器26aにおいて、第1熱源側ファン36aによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。 第1熱源側熱交換器26aにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側膨張弁28aを通じて、第1過冷却器31aに送られる。 第1過冷却器31aに送られた熱源側冷媒は、第1熱源側液冷媒管27aから第1吸入戻し管29aに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。 第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。 第1過冷却器31aにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27aを通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られる。 熱源側液冷媒合流管27に送られた高圧の熱源側冷媒は、その一部が液側閉鎖弁33を通じて液冷媒連絡管13に送られ、残りが第2熱源側液冷媒管27bに送られる。

    吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、利用ユニット5bに送られる。

    利用ユニット5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54bを通じて、第1利用側熱交換器51bに送られる。 第1利用側熱交換器51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51bにおいて、利用側冷媒回路50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。 第1利用側熱交換器51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52b及び利用側熱交出入口接続管53bを通じて、利用ユニット5a、5bから液冷媒連絡管13に送られて、熱源ユニット2からから液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒と合流する。

    液冷媒連絡管13において合流した熱源側冷媒は、利用ユニット5aに送られる。

    液冷媒連絡管13から利用ユニット5aに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152aに送られる。 第2利用側膨張弁152aに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152aにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53aを通じて、第2利用側熱交換器151aに送られる。 第2利用側熱交換器151aに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151aにおいて、循環ポンプ71aによって水媒体回路70aを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。 第2利用側熱交換器151aにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a及び第2利用側ガス冷媒管153aを通じて、利用ユニット5aから吸入冷媒連絡管14に送られる。

    吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。 熱源ユニット2に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25に送られる。 また、熱源側液冷媒合流管27から第2熱源側液冷媒管27bに送られた熱源側冷媒は、第2過冷却器31bに送られる。 第2過冷却器31bに送られた熱源側冷媒は、第2吸入戻し管29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、第2熱源側膨張弁28bに送られる。 第2熱源側膨張弁28bに送られた熱源側冷媒は、第2熱源側膨張弁28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2熱源側熱交換器26bに送られる。 第2熱源側熱交換器26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側熱交換器26bにおいて、第2熱源側ファン36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。 第2熱源側熱交換器26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側ガス冷媒管24b、第2熱源側切換機構23b及び連通管38を通じて、熱源側ガス冷媒管25に送られて、吸入冷媒連絡管14から熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒と合流する。 熱源側ガス冷媒管25において合流した低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。

    一方、水媒体回路70aにおいては、利用側熱交換器51aにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70aを循環する水媒体が冷却される。 利用側熱交換器51aにおいて冷却された水媒体は、利用側水出口管74aを通じて、循環ポンプ71aに吸入され、昇圧された後に、利用ユニット5aから水媒体連絡管16aに送られる。 水媒体連絡管16aに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75aに送られる。 水媒体冷暖房ユニット75aに送られた水媒体は、熱交換パネル76aにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。

    また、水媒体回路70bにおいては、利用側熱交換器51bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70bを循環する水媒体が加熱される。 利用側熱交換器51bにおいて加熱された水媒体は、利用側水出口管74bを通じて、循環ポンプ71bに吸入され、昇圧された後に、利用ユニット5bから水媒体連絡管16bに送られる。 水媒体連絡管16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75bに送られる。 水媒体冷暖房ユニット75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76bにおいて放熱し、これにより、室内の壁際等を加熱したり、室内の床を加熱する。

    このようにして、利用ユニット5a、5bの一方が冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5a、5bの他方が暖房運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(放熱主体)における動作が行われる。

    −全冷房運転モード−
    利用ユニット5a、5bの冷房運転のみを行う場合には、熱源側冷媒回路20において、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側放熱運転状態(図1の第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図1の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、第1利用側膨張弁52a、52bが閉止され、利用側熱交出口開閉弁154a、154bが開けられる。 さらに、冷温水切換機構175a、175bは、第2利用側熱交換器151a、151bにおいて冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニット75a、75bに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、利用ユニット5a、5bのすべてが冷房運転に設定された状態であるものとして説明する。

    このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。 熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。 油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。 冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、熱源側切換機構23a、23b及び熱源側ガス冷媒管24a、24bを通じて、熱源側熱交換器26a、26bに送られる。 熱源側熱交換器26a、26bに送られた高圧の熱源側冷媒は、熱源側熱交換器26a、26bにおいて、熱源側ファン36a、36bによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。 熱源側熱交換器26a、26bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、熱源側膨張弁28a、28bを通じて、過冷却器31a、31bに送られる。 過冷却器31a、31bに送られた熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27a、27bから吸入戻し管29a、29bに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。 吸入戻し管29a、29bを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。 過冷却器31a、31bにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27a、27b、熱源側液冷媒合流管27及び液側閉鎖弁33を通じて、熱源ユニット2から液冷媒連絡管13に送られる。

    液冷媒連絡管13に送られた高圧の熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット5a、5bに送られる。

    利用ユニット5a、5bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bに送られる。 第2利用側膨張弁152a、152bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53a、53bを通じて、第2利用側熱交換器151a、151bに送られる。 第2利用側熱交換器151a、151bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151a、151bにおいて、循環ポンプ71a、71bによって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。 第2利用側熱交換器151a、151bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a、154b及び第2利用側ガス冷媒管153a、153bを通じて、利用ユニット5a、5bから吸入冷媒連絡管14に送られて合流する。

    吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。 熱源ユニット2に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25及び熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。

    一方、水媒体回路70a、70bにおいては、第2利用側熱交換器151a、151bにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が冷却される。 第2利用側熱交換器151a、151bにおいて冷却された水媒体は、循環ポンプ71a、71bによって、第2利用側水出口管174a、174b及び第1利用側水出口管74a、74bを通じて、利用ユニット5a、5bから水媒体連絡管16a、16bに送られる。 水媒体連絡管16a、16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られる。 水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76a、76bにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。

    このようにして、利用ユニット5a、5bの冷房運転のみを行う全冷房運転モードにおける動作が行われる。

    −運転モードの切り換え、及び、熱負荷バランス制御−
    上記のように、ヒートポンプシステム1では、運転モードの切り換えを行うことで、冷房運転(冷却運転)又は暖房運転(加熱運転)が利用ユニット5a、5bごとに任意に設定された運転状態に対応できるようになっている。 すなわち、ヒートポンプシステム1は、冷房運転又は暖房運転が利用ユニット5a、5bごとに設定された状態で、利用ユニット5a、5b全体の熱負荷に応じて、第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bを熱源側冷媒の蒸発器又は熱源側冷媒の放熱器として機能させて、利用ユニット5a、5b全体の熱負荷にバランスさせる運転を行うことができるようになっている。

    そして、ヒートポンプシステム1において、上記の運転モードの切り換え、及び、熱負荷バランス制御は、以下のようにして行われる。

    まず、制御部1aは、利用ユニット5a、5bに対して設定された運転状態に基づいて、全暖房運転モード、冷暖同時運転モード及び全冷房運転モードであるかどうかを判定する。 すなわち、暖房運転に設定された利用ユニットだけが存在する状態である場合には、全暖房運転モードであるものと判定する。 また、冷房運転と暖房運転とが混在する状態である場合には、冷暖同時運転モードであるものと判定する。 具体的には、利用ユニット5a、5bの第1利用側膨張弁52a、52bや第2利用側膨張弁152a、152bの開閉状態等に基づいて判定する。

    そして、制御部1aは、全暖房運転モードの場合に、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の飽和温度に相当する熱源側凝縮温度Tc1が所定の目標熱源側凝縮温度Tc1sになるように、熱源側圧縮機21の運転容量を制御する。 より具体的には、制御部1aは、熱源側凝縮温度Tc1が目標熱源側凝縮温度Tc1sよりも小さい場合に、熱源側圧縮機21の回転数(すなわち、運転周波数)を大きくすることで熱源側圧縮機21の運転容量が大きくなるように制御する。 これにより、熱源側熱交換器26a、26bにおける熱源側冷媒の蒸発負荷が利用ユニット5a、5b全体の熱負荷よりも小さい状態を解消して、両負荷をバランスさせる。 また、制御部1aは、熱源側凝縮温度Tc1が目標熱源側凝縮温度Tc1sよりも大きい場合に、熱源側圧縮機21の回転数(すなわち、運転周波数)を小さくすることで熱源側圧縮機21の運転容量が小さくなるように制御する。 これにより、熱源側熱交換器26a、26bにおける熱源側冷媒の蒸発負荷が利用ユニット5a、5b全体の熱負荷よりも大きい状態を解消して、両負荷をバランスさせる。 尚、熱源側凝縮温度Tc1は、熱源側圧縮機21の吐出における熱源側冷媒の圧力である熱源側吐出圧力Pd1を、この圧力値に相当する飽和温度に換算した値である。 また、熱源側凝縮温度Tc1は、熱源側冷媒回路20の冷凍サイクルにおける高圧を飽和温度に換算した値、すなわち、第1利用側熱交換器51a、51bのうち暖房運転を行う第1利用側熱交換器における熱源側冷媒の飽和温度(凝縮温度)に相当する。

    また、制御部1aは、冷暖同時運転モードの場合にも、熱源側凝縮温度Tc1が目標熱源側凝縮温度Tc1sになるように、熱源側圧縮機21の運転容量を制御する。 しかし、利用ユニット5a、5bの冷房運転と暖房運転とが混在している場合には、利用ユニット5a、5b全体の熱負荷が小さくなる傾向にあり、熱源側熱交換器26a、26bに要求される熱負荷が小さくなる傾向にある。 そこで、冷暖同時運転モードの場合には、熱源側圧縮機21の運転容量を制御しつつ、上記のように、熱源側切換機構23a、23bの一方を熱源側放熱運転状態に切り換え、かつ、熱源側切換機構23a、23bの他方を熱源側蒸発運転状態に切り換えるようにしている。 これにより、熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器における蒸発能力を大きくして熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力と相殺させて、熱源側熱交換器26a、26b全体の熱負荷を小さくする。 そして、冷暖同時運転モードのような利用ユニット5a、5b全体の熱負荷が小さい状態に対応できるようにして、両負荷をバランスさせる。 尚、熱源側凝縮温度Tc1は、熱源側熱交換器26a、26bのうち熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器における熱源側冷媒の飽和温度(凝縮温度)に相当する。

    また、制御部1aは、全冷房運転モードの場合に、熱源側圧縮機21の吸入における熱源側冷媒の飽和温度に相当する熱源側蒸発温度Te1が所定の目標熱源側蒸発温度Te1sになるように、熱源側圧縮機21の運転容量を制御する。 より具体的には、制御部1aは、熱源側蒸発温度Te1が目標熱源側蒸発温度Te1sよりも小さい場合に、熱源側圧縮機21の回転数(すなわち、運転周波数)を小さくすることで熱源側圧縮機21の運転容量が小さくなるように制御する。 これにより、熱源側熱交換器26a、26bにおける熱源側冷媒の放熱負荷が利用ユニット5a、5b全体の熱負荷よりも大きい状態を解消して、両負荷をバランスさせる。 また、制御部1aは、熱源側蒸発温度Te1が目標熱源側蒸発温度Te1sよりも大きい場合に、熱源側圧縮機21の回転数(すなわち、運転周波数)を大きくすることで熱源側圧縮機21の運転容量が大きくなるように制御する。 これにより、熱源側熱交換器26a、26bにおける熱源側冷媒の放熱負荷が利用ユニット5a、5b全体の熱負荷よりも小さい状態を解消して、両負荷をバランスさせる。 尚、熱源側蒸発温度Te1は、熱源側圧縮機21の吸入における熱源側冷媒の圧力である熱源側吸入圧力Ps1を、この圧力値に相当する飽和温度に換算した値である。 また、熱源側蒸発温度Te1は、熱源側冷媒回路20の冷凍サイクルにおける低圧を飽和温度に換算した値、すなわち、第2利用側熱交換器151a、151bのうち冷房運転を行う利用側熱交換器における熱源側冷媒の飽和温度(蒸発温度)に相当する。

    −利用側凝縮温度の制御、及び、目標利用側凝縮温度や目標熱源側凝縮温度の設定−
    ヒートポンプシステム1では、全暖房運転モード時や冷暖同時運転モード時に、上記のように、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて、利用側冷媒回路50a、50bを循環する利用側冷媒が熱源側冷媒回路20を循環する熱源側冷媒の放熱によって加熱されるようになっている。 そして、利用側冷媒回路50a、50bは、この熱源側冷媒から得た熱を利用して、熱源側冷媒回路20における冷凍サイクルよりも高温の冷凍サイクルを得ることができる。 これにより、冷媒−水熱交換器57a、57bにおける利用側冷媒の放熱によって高温の水媒体を得ることができるようになっている。 このとき、安定的に高温の水媒体を得るためには、熱源側冷媒回路20における冷凍サイクル及び利用側冷媒回路50a、50bにおける冷凍サイクルがいずれも安定するように制御することが好ましい。

    そこで、制御部1aは、上記の熱源側圧縮機21の運転容量の制御とともに、利用側圧縮機50a、50bの吐出における利用側冷媒の飽和温度に相当する利用側凝縮温度Tc2a、Tc2bが所定の目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsになるように、利用側圧縮機55a、55bの運転容量を制御している。 より具体的には、制御部1aは、利用側凝縮温度Tc2a、Tc2bが目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsよりも小さい場合に、利用側圧縮機55a、55bの回転数(すなわち、運転周波数)を大きくすることで利用側圧縮機55a、55bの運転容量が大きくなるように制御する。 また、制御部1aは、利用側凝縮温度Tc2a、Tc2bが目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsよりも大きい場合に、利用側圧縮機55a、55bの回転数(すなわち、運転周波数)を小さくすることで利用側圧縮機55a、55bの運転容量が小さくなるように制御する。 これにより、熱源側冷媒回路20においては、利用側冷媒回路51a、51bを流れる熱源側冷媒の圧力が安定し、また、利用側冷媒回路50a、50bにおいては、冷媒−水熱交換器57a、57bを流れる利用側冷媒の圧力が安定する。 そして、冷媒回路20、50a、50bにおける冷凍サイクルの状態を安定させることができ、安定的に高温の水媒体を得ることができる。 尚、利用側凝縮温度Tc2a、Tc2bは、利用側圧縮機55a、55bの吐出における利用側冷媒の圧力である利用側吐出圧力Pd2a、Pd2bを、この圧力値に相当する飽和温度に換算した値である。 また、利用側凝縮温度Tc2a、Tc2bは、利用側冷媒回路50a、50bの冷凍サイクルにおける高圧を飽和温度に換算した値、すなわち、冷媒−水熱交換器57a、57bのうち暖房運転を行う冷媒−水熱交換器における利用側冷媒の飽和温度(凝縮温度)に相当する。

    また、このとき、各利用ユニット5a、5bにおいて要求される水媒体の設定温度を得るためには、目標熱源側凝縮温度Tc1s、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsを適切に設定することが好ましい。

    そこで、制御部1aは、利用側冷媒回路50a、50bについて、冷媒−水熱交換器57a、57bの出口における水媒体の温度の設定温度である目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsに基づいて、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsを設定している。 より具体的には、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsを目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsによって可変される値として設定するようにしている。 例えば、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsが75℃に設定される場合には、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsを85℃に設定している。 また、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsが40℃に設定される場合には、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsを50℃に設定している。 すなわち、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsは、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsが高い温度に設定されるにつれて高い温度に、しかも、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsよりも少し高い温度になるように、関数化して設定されている。 これにより、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsに基づいて、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsが適切に設定されるため、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsが得られやすく、また、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsが変更された場合であっても、応答性のよい制御を行うことができる。

    −低外気条件における冷暖同時運転モードの目標熱源側凝縮温度の設定−
    ヒートポンプシステム1では、全暖房運転モード時や冷暖同時運転モード時に、利用側冷媒回路50a、50bにおける冷凍サイクルの状態に応じて適切に熱源側冷媒回路20における冷凍サイクルを制御することができるようにすることが好ましい。 そこで、制御部1aは、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bs(すなわち、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bs)に基づいて、目標熱源側凝縮温度Tc1sが適切に設定するようにしている。 より具体的には、目標熱源側凝縮温度Tc1sを目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bs(すなわち、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bs)によって可変される値として設定するようにしている。 すなわち、目標熱源側凝縮温度Tc1sは、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bs(すなわち、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bs)が高い温度に設定されるにつれて高い温度になるように、関数化して設定されている。

    ここで、上記の冷暖同時運転モード時における熱源側熱交換器26a、26bによる熱負荷バランス制御は、熱源側熱交換器26a、26b全体に要求される熱負荷が小さいにもかかわらず、熱源側圧縮機21の運転容量を増加させることになる。 このため、熱源側圧縮機21の消費動力が大きくなり、運転効率が低くなるという問題がある。 しかも、低外気の条件になると、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力が大きくなる傾向になり、運転効率が低くなる傾向が顕著になる。

    そこで、制御部1aは、外気温度Taが25℃以下で、かつ、冷房運転(冷却運転)と暖房運転(加熱運転)とが混在している場合(すなわち、冷暖同時運転モード)に、熱源側凝縮温度Tc1が40℃未満になるように運転を行うようにしている。 ここでは、熱源側圧縮機21の運転容量の制御によって、熱源側凝縮温度Tc1が40℃未満になるように運転を行うようにしている。 すなわち、上記の熱源側圧縮機21の運転容量の制御において、目標熱源側凝縮温度Tc1sを40℃未満に設定することで、熱源側凝縮温度Tc1を40℃未満で安定させるようにしている。 ここでは、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsが85℃に設定される場合には、目標熱源側凝縮温度Tc1sを30℃〜40℃の温度範囲内に設定している。 また、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsが50℃に設定される場合には、目標水媒体出口温度Twl1as、Twl1bsが40℃に設定される場合には、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsを10〜20℃の温度範囲内に設定している。

    これにより、ヒートポンプシステム1では、外気温度Taと熱源側凝縮温度Tとの温度差が小さくなり、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力を大幅に抑えることができる。 このため、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力と相殺する熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器の蒸発能力も小さい状態にすることができ、利用ユニット5a、5b全体の熱負荷とバランスさせることが容易になる。 そして、熱源側圧縮機21の運転容量が増加することも抑えることができるため、熱源側圧縮機21の消費動力大きくなることを抑えることができ、効率よく運転を行うことができる。

    <特徴>
    ヒートポンプシステム1には、以下のような特徴がある。

    −A−
    ヒートポンプシステム1において、第1利用側熱交換器51a、51bにおける熱源側冷媒と水媒体との熱交換によって水媒体を加熱することによって、暖房運転(加熱運転)を行うように構成すると、熱源側凝縮温度Tc1を50℃程度以上にする必要がある(図2参照)。

    しかし、外気温度Taが25℃以下という低外気の条件では、熱源側凝縮温度Tc1(50℃程度以上)と外気温度Taとの温度差が25℃以上になる。 このため、冷房運転(冷却運転)と暖房運転(加熱運転)とが混在している場合(すなわち、冷暖同時運転モード)には、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力が大きくなる傾向が非常に顕著になり、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力を制御することが困難になる。 熱源側凝縮温度Tc1を低くすれば、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力が大きくなる傾向を抑えることができて制御が容易になるが、逆に、熱源側凝縮温度Tc1を50℃程度以上に維持しにくくなり、水媒体を十分に加熱することが困難になる。

    このように、外気温度Taが25℃以下で、かつ、冷房運転と暖房運転とが混在している場合には、暖房運転のための熱源側凝縮温度Tc1の維持と、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力の制御とを両立させることが困難になる。

    そこで、ヒートポンプシステム1では、各利用ユニット5a、5bに利用側圧縮機55a、55b及び冷媒−水熱交換器57a、57bを設けて、各利用ユニット5a、5bに第1利用側熱交換器51a、51bが利用側冷媒の蒸発器としてかつ熱源側冷媒の放熱器として機能することが可能な利用側冷媒回路50a、50bをさらに有するものとしている。

    これにより、ヒートポンプシステム1では、暖房運転時に、熱源側冷媒回路20及び利用側冷媒回路50a、50bによる二元冷凍サイクルによって水媒体を加熱することができる。 このため、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる熱源側冷媒の熱源側凝縮温度Tc1が低くても、冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて水媒体と熱交換を行う利用側冷媒の利用側凝縮温度Tc2a、Tc2bを高くすることができる(図3参照)。 すなわち、ヒートポンプシステム1では、暖房運転時に、熱源側冷媒回路20及び利用側冷媒回路50a、50bによる二元冷凍サイクルによって水媒体を加熱するようにしているため、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる熱源側冷媒の熱源側凝縮温度Tc1を低くすることができる。

    このため、ヒートポンプシステム1では、外気温度Taが25℃以下で、かつ、冷房運転と暖房運転とが混在している場合であっても、熱源側凝縮温度Tc1を50℃程度以上に維持する必要がなくなり、熱源側凝縮温度Tc1を40℃未満になるように運転することができる。 そして、熱源側凝縮温度Tc1を40℃未満にすれば、外気温度Ta(例えば、25℃)と熱源側凝縮温度Tc1(40℃未満)との温度差が15℃未満になり、熱源側凝縮温度Tc1が50℃程度の場合の温度差(25℃)に比べて、温度差を半分近くに抑えることができる。 これにより、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力を大幅に抑えることができ、所望の暖房運転を行いながら、複数の利用ユニット5a、5b全体の熱負荷とバランスさせることが容易になる。 そして、熱源側圧縮機21の運転容量が増加することも抑えることができるため、熱源側圧縮機21の消費動力大きくなることを抑えることができ、効率よく運転を行うことができる。

    また、ヒートポンプシステム1では、利用側冷媒として、暖房運転や給湯運転(加熱運転)において、飽和ガス温度65℃に相当する圧力がゲージ圧で高くとも2.8MPa以下の冷媒であるHFC−134aが使用されている。 そして、ヒートポンプシステム1では、水媒体を65℃以上まで加熱する運転を行うことが可能であるため、ラジエータや給湯等の高温の水媒体が必要とされる用途に有効である。

    −B−
    ヒートポンプシステム1では、熱源側圧縮機21の運転容量の制御によって、外気温度Taが25℃以下で、かつ、冷房運転(冷却運転)と暖房運転(加熱運転)とが混在している場合(すなわち、冷暖同時運転モード)に、熱源側凝縮温度Tc1を40℃未満にする運転を行っている。 ここで、熱源側圧縮機21の運転容量は、熱源側凝縮温度Tc1が目標熱源側凝縮温度Tc1sになるように制御されるため、目標熱源側凝縮温度Tc1sを40℃未満に設定することによって、熱源側凝縮温度Tc1を40℃未満で安定させることができる。

    −C−
    ヒートポンプシステム1では、利用側熱交換器が、暖房運転(加熱運転)用の第1利用側熱交換器51a、51bと、冷房運転(冷却運転)用の第2利用側熱交換器151a、151bとに分けられている。 このため、ヒートポンプシステム1では、例えば、利用側熱交換器として、熱源側冷媒、利用側冷媒及び水媒体を流すことが可能な利用側熱交換器の構造を採用する場合に比べて、熱交換器の構造を簡単化することができる。

    −D−
    低外気で、かつ、熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器26a、26bが存在する場合(冷暖同時運転モード時や全暖房運転モード時)には、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器26a、26bにおける熱源側冷媒の飽和温度に相当する温度である熱源側蒸発温度Te1が非常に低くなるおそれがある。 このため、冷房運転(冷却運転)を行わない時に、第2利用側熱交換器151a、151b内の熱源側冷媒が低温になり、水媒体が冷却されて凍結するおそれがある。

    そこで、ヒートポンプシステム1では、第2利用側熱交換器151a、151bの熱源側冷媒の出口には、冷房運転を行わない時に閉止し、冷房運転時に開ける利用側熱交出口開閉弁154a、154bを設けるようにしている。

    これにより、冷房運転を行わない時の第2利用側熱交換器151a、151bの熱源側冷媒が低温にならないようにでき、水媒体の凍結を抑えることができる。

    <変形例1>
    上記のヒートポンプシステム1(図1参照)では、熱源側圧縮機21の運転容量の制御によって、外気温度Taが25℃以下で、かつ、冷房運転(冷却運転)と暖房運転(加熱運転)とが混在している場合(すなわち、冷暖同時運転モード)に、熱源側凝縮温度Tc1を40℃未満にする運転を行っている。

    これに加えて、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力をさらに抑えるために、熱源側ファン36a、36bの運転風量の制御を加えるようにしてもよい。

    例えば、制御部1aは、冷暖同時運転モードにおいて、熱源側ファン36a、36bのうち熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器に室外空気を供給する熱源側ファンの運転風量を、熱源側圧縮機21の運転容量の制御と同様に、熱源側凝縮温度Tc1が目標熱源側凝縮温度Tc1sになるように制御する。 より具体的には、制御部1aは、熱源側凝縮温度Tc1が目標熱源側凝縮温度Tc1sよりも大きい場合に、熱源側ファンの回転数(すなわち、運転周波数)を小さくすることで熱源側ファンの運転風量が小さくなるように制御する。 これにより、熱源側冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力さらに抑えることができるため、さらに効率よく運転を行うことができる。

    <変形例2>
    上記のヒートポンプシステム1(図1参照)において、外気温度Taがさらに低下した条件で、冷暖同時運転モードにおける運転を行う必要が生じる場合がある。 すなわち、外気温度Taが10℃以下で、かつ、冷房運転(冷却運転)と暖房運転(加熱運転)とが混在し、かつ、熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器が存在する場合がある。

    この場合には、熱源側蒸発温度Te1が0℃以下になるおそれがある。 このため、冷房運転を行っている第2利用側熱交換器を流れる熱源側冷媒の温度も0℃以下になり、第2利用側熱交換器において熱源側冷媒の蒸発によって冷却される水媒体が凍結するおそれがある。

    これに対して、冷房運転を行っている第2利用側熱交換器の熱源側冷媒の出口に熱源側冷媒の圧力の低下を防ぐために、圧力調節弁を設けることも考えられるが、この圧力調節弁の圧力損失によって、効率よく運転を行うことができなくなるおそれがある。

    そこで、本変形例のヒートポンプシステム1では、外気温度Taが10℃以下で、かつ、冷房運転と暖房運転とが混在し、かつ、熱源側冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器が存在し、かつ、熱源側蒸発温度Te1が下限蒸発温度Te1m以下になった場合に、冷房運転を間欠的に行うようにしている。

    より具体的には、制御部1aは、外気温度Taが10℃以下であるかどうかを判定し、冷暖同時運転モードであるかどうかを判定し、熱源側蒸発温度Te1が下限蒸発温度Te1m以下であるかどうかを判定する。 ここで、下限蒸発温度Te1mは、第2利用側熱交換器151a、151bにおける水媒体の凍結の発生の有無を考慮して設定される値であるが、例えば、0℃に設定される。

    そして、制御部1aは、上記の判定条件を満たす場合には、冷房運転を行っている利用ユニットの第2利用側膨張弁及び利用側熱交出口開閉弁を一定時間閉止し、また、一定時間開ける制御を繰り返す。 これにより、冷房運転を間欠的に行う。

    これにより、本変形例のヒートポンプシステム1では、水媒体の凍結を抑えつつ、また、圧力調節弁を設ける場合に比べて効率の低下を抑えながら、冷房運転を行うことができる。

    (2)第2実施形態 <構成>
    −全体−
    図4は、本発明の第2実施形態にかかるヒートポンプシステム101の概略構成図である。 ヒートポンプシステム101は、蒸気圧縮式のヒートポンプサイクルを利用して冷房運転(冷却運転)、暖房運転や給湯運転(加熱運転)を行うことが可能な装置である。

    ヒートポンプシステム101は、主として、熱源ユニット2と、複数(図4では、2つ)の利用ユニット105a、105bと、吐出冷媒連絡管12と、液冷媒連絡管13と、吸入冷媒連絡管14と、水媒体冷暖房ユニット75a、75b(水媒体利用機器)と、水媒体連絡管15a、16a、15b、16bとを有している。 そして、熱源ユニット2と利用ユニット105a、105bとは、冷媒連絡管12、13、14を介して接続されることによって、熱源側冷媒回路20を構成している。 利用ユニット5a、5bは、利用側冷媒回路50a、50bを構成している。 利用ユニット5a、5bと水媒体冷暖房ユニット75a、75bとは、水媒体連絡管15a、16a、15b、16bを介して接続されることによって、水媒体回路70a、70bを構成している。 熱源側冷媒回路20には、HFC系冷媒の一種であるHFC−410Aが熱源側冷媒として封入されている。 また、利用側冷媒回路50a、50bには、HFC系冷媒の一種であるHFC−134aが利用側冷媒として封入されている。 尚、利用側冷媒としては、高温の冷凍サイクルに有利な冷媒を使用されるという観点から、飽和ガス温度65℃に相当する圧力がゲージ圧で高くとも2.8MPa以下、好ましくは、2.0MPa以下の冷媒を使用することが好ましい。 そして、HFC−134aは、このような飽和圧力特性を有する冷媒の一種である。 また、水媒体回路70a、70bには、水媒体としての水が循環するようになっている。

    −熱源ユニット−
    熱源ユニット2は、屋外(例えば、集合住宅やビルの屋上等)に設置されている。 熱源ユニット2は、冷媒連絡管12、13、14を介して利用ユニット105a、105bに接続されており、熱源側冷媒回路20の一部を構成している。 尚、熱源ユニット2の構成は、第1実施形態の熱源ユニット2の構成と同様である。 このため、ここでは、熱源ユニット2の詳細な説明を省略する。

    −吐出冷媒連絡管−
    吐出冷媒連絡管12は、第1実施形態の吐出冷媒連絡管12の構成と同様である。 このため、ここでは、吐出冷媒連絡管12の詳細な説明を省略する。

    −液冷媒連絡管−
    液冷媒連絡管13は、第1実施形態の液冷媒連絡管13の構成と同様である。 このため、ここでは、液冷媒連絡管13の詳細な説明を省略する。

    −吸入冷媒連絡管−
    吸入冷媒連絡管14は、第1実施形態の吸入冷媒連絡管14の構成と同様である。 このため、ここでは、吸入冷媒連絡管12の詳細な説明を省略する。

    −利用ユニット−
    利用ユニット105a、105bは、屋内(例えば、集合住宅の各戸やビルの各区画等)に設置されている。 利用ユニット105a、105bは、冷媒連絡管12、13、14を介して熱源ユニット2に接続されており、熱源側冷媒回路20の一部を構成している。 また、利用ユニット105a、105bは、利用側冷媒回路50a、50bを構成している。 さらに、利用ユニット105a、105bは、水媒体連絡管15a、16a、15b、16bを介して水媒体冷暖房ユニット75a、75bに接続されており、水媒体回路70a、70bの一部を構成している。 尚、利用ユニット105bの構成は、利用ユニット105aの構成と同様である。 このため、ここでは、利用ユニット105aの構成のみを説明し、利用ユニット105bの構成については、利用ユニット105aの各部を示す符号の添字「a」の代わりに添字「b」を付して、各部の説明を省略する。

    利用ユニット105aは、主として、第1利用側熱交換器51aと、第1利用側膨張弁52aと、第2利用側熱交換器151aと、第2利用側膨張弁152aと、利用側圧縮機55aと、冷媒−水熱交換器57aと、冷媒−水熱交側膨張弁58aと、利用側アキュムレータ59aと、第1循環ポンプ71aと、第2循環ポンプ171aと、貯湯タンク161aとを有している。 尚、利用ユニット105aの構成は、水媒体回路170aを除き、第1実施形態の利用ユニット5aと同じである。 このため、ここでは、水媒体回路170aのみについて説明する。

    第2循環ポンプ171aは、水媒体の昇圧を行う機構であり、ここでは、遠心式や容積式のポンプ要素(図示せず)が第2循環ポンプモータ172aによって駆動されるポンプが採用されている。 第2循環ポンプ171aは、第2利用側水出口管73aに設けられている。 第2循環ポンプモータ172aは、インバータ装置(図示せず)によって、その回転数(すなわち、運転周波数)を可変でき、これにより、第2循環ポンプ171aの容量制御が可能になっている。 第2利用側水入口管173aは、冷温水切換機構175aを介して第1利用側水入口管73aの第1循環ポンプ71aよりも上流側の部分から分岐されている。 第2利用側水出口管174aは、第1利用側水出口管74aに合流している。 冷温水切換機構175aは、冷媒−水熱交換器57aにおいて加熱された水媒体、又は、第2利用側熱交換器151aにおいて冷却された水媒体を、利用ユニット5a外に設けられる水媒体冷暖房ユニット75aとの間で選択的にやりとりすることを可能にするための機構である。 冷温水切換機構175aは、三方弁からなる。

    貯湯タンク161aは、屋内(ここでは、利用ユニット105a内)に設置されている。 貯湯タンク161aは、給湯に供される水媒体としての水を溜める容器である。 貯湯タンク161aの上部には、蛇口やシャワー等に温水となった水媒体を送るための給湯管163aが接続されており、貯湯タンク161aの下部には、給湯管163aによって消費された水媒体の補充を行うための給水管164aが接続されている。 貯湯タンク161a内には、熱交換コイル162aが設けられている。

    熱交換コイル162aは、貯湯タンク161a内に設けられている。 熱交換コイル162aは、水媒体回路70aを循環する水媒体と貯湯タンク161a内の水媒体との熱交換を行うことで貯湯タンク161a内の水媒体の加熱器として機能する熱交換器である。 熱交換コイル162aの入口には、第1利用側水出口管74aから分岐された貯湯タンク側水入口管176aが接続されている。 また、熱交換コイル162aの出口には、第1利用側水入口管73aに合流する貯湯タンク側水出口管178aが接続されている。 貯湯タンク側水入口管176aは、暖房給湯切換機構177aを介して第1利用側水出口管74aから分岐されている。 暖房給湯切換機構177aは、水媒体回路70aを循環する水媒体を貯湯タンク161a及び水媒体冷暖房ユニット75aの両方、又は、貯湯タンク161a及び水媒体冷暖房ユニット75aのいずれか一方に供給するかの切り換えを行うことが可能である。 暖房給湯切換機構177aは、三方弁からなる。 貯湯タンク側水出口管178aは、第1利用側水入口管73aの冷温水切換機構175aと第1循環ポンプ71aとの間に合流している。 これにより、貯湯タンク161aは、利用ユニット5aにおいて加熱された水媒体回路70aを循環する水媒体によって貯湯タンク161a内の水媒体を加熱して温水として溜めることが可能になっている。 尚、ここでは、貯湯タンク161aとして、利用ユニット105aにおいて加熱された水媒体との熱交換によって加熱された水媒体を溜める型式の貯湯タンクを採用しているが、利用ユニット105aにおいて加熱された水媒体を溜める型式の貯湯タンクを採用してもよい。

    また、利用ユニット105aには、各種のセンサが設けられている。 尚、利用ユニット105aに設けられているセンサは、貯湯温度センサ165aが設けられている点を除き、第1実施形態の利用ユニット5aと同じである。 このため、ここでは、貯湯温度センサ165aのみについて説明する。 貯湯温度センサ165aは、貯湯タンク161aに溜められる水媒体の温度である貯湯温度Twhaを検出する温度センサである。 また、利用ユニット105aは、利用ユニット105aを構成する各部の動作を制御する利用側制御部69aを有している。 そして、利用側制御部69aは、利用ユニット105aの制御を行うためのマイクロコンピュータやメモリ等を有している。 利用側制御部69aは、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2の熱源側制御部49との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。

    −水媒体冷暖房ユニット−
    水媒体冷暖房ユニット75a、75b(水媒体利用機器)は、第1実施形態の水媒体冷暖房ユニット75a、75bの構成と同様である。 このため、ここでは、水媒体冷暖房ユニット75a、75bの詳細な説明を省略する。

    −水媒体連絡管−
    水媒体連絡管15a、16aは、第1実施形態の水媒体連絡管15a、16aの構成と同様である。 このため、ここでは、水媒体連絡管15a、16aの詳細な説明を省略する。

    そして、利用側制御部69a、69bと熱源側制御部49とによって、ヒートポンプシステム101の運転制御を行う制御部101aが構成されており、以下の運転や各種制御を行うようになっている。

    <動作>
    次に、ヒートポンプシステム101の動作について説明する。

    ヒートポンプシステム101の運転としては、全暖房運転モードと冷暖同時運転モードと全冷房運転モードとがある。 全暖房運転モードは、暖房運転や給湯運転(加熱運転)に設定された利用ユニットだけが存在する状態で、暖房運転(及び/又は給湯運転)のみを行う運転モードである。 冷暖同時運転モードは、利用ユニット105a、105bの一方が冷房運転(冷却運転)に設定され、かつ、利用ユニット105a、105bの他方が暖房運転(加熱運転)や給湯運転(加熱運転)に設定された状態で、又は、利用ユニット105a、105bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う運転モードである。 全冷房運転モードは、冷房運転(冷却運転)に設定された利用ユニットだけが存在する状態で、冷房運転のみを行う運転モードである。 また、冷暖同時運転モードについては、利用ユニット105a、105b全体の熱負荷(冷房負荷と暖房負荷の合計)に応じて、冷暖同時運転モード(蒸発主体)と冷暖同時運転モード(放熱主体)とに分けることができる。 冷暖同時運転モード(蒸発主体)は、利用ユニット105a、105bの冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在しており、かつ、利用ユニット105a、105bから液冷媒連絡管13を通じて熱源ユニット2に熱源側冷媒が送られる状態になる運転モードである。 冷暖同時運転モード(放熱主体)は、利用ユニット105a、105bの冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在しており、かつ、熱源ユニット2から液冷媒連絡管13を通じて利用ユニット105a、105bに熱源側冷媒が送られる状態になる運転モードである。

    −全暖房運転モード−
    利用ユニット105a、105bの暖房運転(及び/又は給湯運転)のみを行う場合には、熱源側冷媒回路20において、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側蒸発運転状態(図4の第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図4の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、吸入戻し膨張弁30a、30bが閉止される。 また、第2利用側膨張弁152a、152b及び利用側熱交出口開閉弁154a、154bが閉止される。 さらに、冷温水切換機構175a、175b及び暖房給湯切換機構177a、177bは、冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体を水媒体冷暖房ユニット75a、75b及び/又は貯湯タンク161a、161bに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、利用ユニット105a、105bのすべてが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。 ここで、利用ユニット105a、105bのすべてが暖房運転に設定された状態における動作は、第1実施形態の利用ユニット5a、5bのすべてが暖房運転に設定された状態における動作と同様である。 このため、ここでは、利用ユニット105a、105bのすべてが暖房運転に設定された状態における動作の詳細な説明を省略する。

    尚、利用ユニット105a、105bの給湯運転を行う場合には、給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。 これにより、冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体は、第1循環ポンプ71a、71bによって、第1利用側水出口管74a、74b及び貯湯タンク側水入口管176a、176bを通じて、貯湯タンク161a、161bに供給される。 そして、熱交換コイル162a、162bにおいて、貯湯タンク161a、161b内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク161a、161b内の水媒体を加熱する。

    また、利用ユニット105a、105bの暖房運転と給湯運転とを同時に行う場合には、暖房運転と給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が水媒体冷暖房ユニット及び貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。

    このようにして、利用ユニット105a、105bの暖房運転(及び/又は給湯運転)のみを行う全暖房運転モードにおける動作が行われる。

    −冷暖同時運転モード(蒸発主体)−
    利用ユニット105a、105bの冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在している場合には、熱源側冷媒回路20において、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図4の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図4の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図4の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。 そして、利用ユニット105a、105bのうち冷房運転に設定される利用ユニットについては、第1利用側膨張弁が閉止され、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。 一方、利用ユニット105a、105bのうち暖房運転(及び/又は給湯運転)に設定される利用ユニットについては、第2利用側膨張弁及び利用側熱交出口開閉弁が閉止され、冷温水切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、第1熱源側切換機構23aが熱源側放熱運転状態に切り換えられ、第2熱源側切換機構23bが熱源側蒸発運転状態に切り換えられ、吸入戻し膨張弁30bが閉止されたものとして説明する。 また、利用ユニット105aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット105bが暖房運転(及び/又は給湯運転)に設定された状態であるものとして説明する。 ここで、利用ユニット105aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット105bが暖房運転に設定された状態における動作は、第1実施形態の利用ユニット5aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5bが暖房運転に設定された状態における動作と同様である。 このため、ここでは、利用ユニット105aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット105bが暖房運転に設定された状態における動作の詳細な説明を省略する。

    尚、利用ユニット105a、105bの給湯運転を行う場合には、給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。 これにより、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体は、第1循環ポンプによって、第1利用側水出口管及び貯湯タンク側水入口管を通じて、貯湯タンクに供給される。 そして、熱交換コイルにおいて、貯湯タンク内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク内の水媒体を加熱する。

    また、利用ユニット105a、105bの暖房運転と給湯運転とを同時に行う場合には、暖房運転と給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が水媒体冷暖房ユニット及び貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。

    このようにして、利用ユニット105a、105bの一方が冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット105a、105bの他方が暖房運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(蒸発主体)における動作が行われる。

    また、利用ユニット105a、105bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態にすることもできる。 この場合には、熱源側冷媒回路20については、上記と同様に、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図4の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図4の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図4の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。 そして、利用ユニット105a、105bのうち冷房給湯運転に設定される利用ユニットについては、第1及び第2利用側膨張弁が開けられ、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられ、暖房給湯切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を貯湯タンクに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、利用ユニット105a、105bのすべてが冷房給湯運転に設定された状態であるものとして説明する。

    このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。 熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。 油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。 冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、その一部が第1熱源側切換機構23a及び第1熱源側ガス冷媒管24aを通じて、第1熱源側熱交換器26aに送られ、残りが熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット2から吐出冷媒連絡管12に送られる。 第1熱源側熱交換器26aに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側熱交換器26aにおいて、第1熱源側ファン36aによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。 第1熱源側熱交換器26aにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側膨張弁28aを通じて、第1過冷却器31aに送られる。 第1過冷却器31aに送られた熱源側冷媒は、第1熱源側液冷媒管27aから第1吸入戻し管29aに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。 第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。 第1過冷却器31aにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27aを通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られる。

    吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット105a、105bに送られる。

    利用ユニット105a、105bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54a、54bを通じて、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる。 第1利用側熱交換器51a、51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて、利用側冷媒回路50a、50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。 第1利用側熱交換器51a、51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52a、52bを通じて、利用側熱交出入口接続管53a、53bに送られる。 利用側熱交出入口接続管53a、53bに送られた熱源側冷媒は、その一部が液冷媒連絡管13に送られて合流し、残りが第2利用側膨張弁152a、152bに送られる。

    液冷媒連絡管13に送られて合流した熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。

    第2利用側膨張弁152a、152bに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53a、53bを通じて、第2利用側熱交換器151a、151bに送られる。 第2利用側熱交換器151a、151bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151a、151bにおいて、第2循環ポンプ171a、171bによって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。 第2利用側熱交換器151a、151bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a、154b及び第2利用側ガス冷媒管153a、153bを通じて、利用ユニット105a、105bから吸入冷媒連絡管14に送られて合流する。

    吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。 熱源ユニット2に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25に送られる。 また、液冷媒連絡管13から熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒は、液側閉鎖弁33を通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られて、第1熱源側液冷媒管27aからの熱源側冷媒と合流する。 熱源側液冷媒合流管27において合流した液冷媒は、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2過冷却器31bに送られる。 第2過冷却器31bに送られた熱源側冷媒は、第2吸入戻し管29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、第2熱源側膨張弁28bに送られる。 第2熱源側膨張弁28bに送られた熱源側冷媒は、第2熱源側膨張弁28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2熱源側熱交換器26bに送られる。 第2熱源側熱交換器26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側熱交換器26bにおいて、第2熱源側ファン36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。 第2熱源側熱交換器26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側ガス冷媒管24b、第2熱源側切換機構23b及び連通管38を通じて、熱源側ガス冷媒管25に送られて、吸入冷媒連絡管14から熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒と合流する。 熱源側ガス冷媒管25において合流した低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。

    一方、水媒体回路70a、70bにおいては、第2利用側熱交換器151a、151bにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が冷却される。 第2利用側熱交換器151a、151bにおいて冷却された水媒体は、第2循環ポンプ171a、171bによって、第2利用側水出口管174a、174b及び第1利用側水出口管74a、74bを通じて、利用ユニット105a、105bから水媒体連絡管16a、16bに送られる。 水媒体連絡管16a、16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られる。 水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76a、76bにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。

    また、水媒体回路70a、70bにおいては、冷媒−水熱交換器57a、57bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が加熱される。 冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体は、第1循環ポンプ71a、71bによって、第1利用側水出口管74a、74b及び貯湯タンク側水入口管176a、176bを通じて、貯湯タンク161a、161bに供給される。 そして、熱交換コイル162a、162bにおいて、貯湯タンク161a、161b内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク161a、161b内の水媒体を加熱する。

    このようにして、利用ユニット105a、105bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(蒸発主体)における動作が行われる。

    −冷暖同時運転モード(放熱主体)−
    利用ユニット105a、105bの冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在している場合には、熱源側冷媒回路20において、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図4の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図4の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図4の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。 そして、利用ユニット105a、105bのうち冷房運転に設定される利用ユニットについては、第1利用側膨張弁が閉止され、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。 一方、利用ユニット105a、105bのうち暖房運転(及び/又は給湯運転)に設定される利用ユニットについては、第2利用側膨張弁及び利用側熱交出口開閉弁が閉止され、冷温水切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、第1熱源側切換機構23aが熱源側放熱運転状態に切り換えられ、第2熱源側切換機構23bが熱源側蒸発運転状態に切り換えられ、吸入戻し膨張弁30bが閉止されたものとして説明する。 また、利用ユニット5aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5bが暖房運転に設定された状態であるものとして説明する。 ここで、利用ユニット105aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット105bが暖房運転に設定された状態における動作は、第1実施形態の利用ユニット5aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット5bが暖房運転に設定された状態における動作と同様である。 このため、ここでは、利用ユニット105aが冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット105bが暖房運転に設定された状態における動作の詳細な説明を省略する。

    尚、利用ユニット105a、105bの給湯運転を行う場合には、給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。 これにより、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体は、第1循環ポンプによって、第1利用側水出口管及び貯湯タンク側水入口管を通じて、貯湯タンクに供給される。 そして、熱交換コイルにおいて、貯湯タンク内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク内の水媒体を加熱する。

    また、利用ユニット105a、105bの暖房運転と給湯運転とを同時に行う場合には、暖房運転と給湯運転を行う利用ユニットにおいて、冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体が水媒体冷暖房ユニット及び貯湯タンクに供給されるように、暖房給湯切換機構を切り換えるようにすればよい。

    このようにして、利用ユニット105a、105bの一方が冷房運転に設定され、かつ、利用ユニット105a、105bの他方が暖房運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(放熱主体)における動作が行われる。

    また、利用ユニット105a、105bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態にすることもできる。 この場合には、熱源側冷媒回路20については、上記と同様に、熱源側切換機構23a、23bの一方が熱源側放熱運転状態(図4の熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられ、熱源側切換機構23a、23bの他方が熱源側蒸発運転状態(図4の熱源側切換機構23a、23bの破線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図4の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、吸入戻し膨張弁30a、30bのうち、熱源側蒸発運転状態に切り換えられる熱源側切換機構に対応する吸入戻し膨張弁が閉止される。 そして、利用ユニット105a、105bのうち冷房給湯運転に設定される利用ユニットについては、第1及び第2利用側膨張弁が開けられ、利用側熱交出口開閉弁が開けられ、冷温水切換機構が第2利用側熱交換器において冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニットに供給する状態に切り換えられ、暖房給湯切換機構が冷媒−水熱交換器において加熱された水媒体を貯湯タンクに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、利用ユニット105a、105bのすべてが冷房給湯運転に設定された状態であるものとして説明する。

    このような状態の熱源側冷媒回路20において、冷凍サイクルにおける低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、熱源側圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧まで圧縮された後に、熱源側吐出管21bに吐出される。 熱源側吐出管21bに吐出された高圧の熱源側冷媒は、油分離器22aにおいて冷凍機油が分離される。 油分離器22aにおいて熱源側冷媒から分離された冷凍機油は、油戻し管22bを通じて、熱源側吸入管21cに戻される。 冷凍機油が分離された高圧の熱源側冷媒は、その一部が第1熱源側切換機構23a及び第1熱源側ガス冷媒管24aを通じて、第1熱源側熱交換器26aに送られ、残りが熱源側吐出分岐管21d及び吐出側閉鎖弁35を通じて、熱源ユニット2から吐出冷媒連絡管12に送られる。 第1熱源側熱交換器26aに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側熱交換器26aにおいて、第1熱源側ファン36aによって供給される室外空気と熱交換を行って放熱する。 第1熱源側熱交換器26aにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1熱源側膨張弁28aを通じて、第1過冷却器31aに送られる。 第1過冷却器31aに送られた熱源側冷媒は、第1熱源側液冷媒管27aから第1吸入戻し管29aに分岐された熱源側冷媒と熱交換を行って過冷却状態になるように冷却される。 第1吸入戻し管29aを流れる熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cに戻される。 第1過冷却器31aにおいて冷却された熱源側冷媒は、熱源側液冷媒管27aを通じて、熱源側液冷媒合流管27に送られる。 熱源側液冷媒合流管27に送られた高圧の熱源側冷媒は、その一部が液側閉鎖弁33を通じて液冷媒連絡管13に送られ、残りが第2熱源側液冷媒管27bに送られる。

    吐出冷媒連絡管12に送られた高圧の熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット105a、105bに送られる。

    吐出冷媒連絡管12から利用ユニット105a、105bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側ガス冷媒管54a、54bを通じて、第1利用側熱交換器51a、51bに送られる。 第1利用側熱交換器51a、51bに送られた高圧の熱源側冷媒は、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて、利用側冷媒回路50a、50bを循環する冷凍サイクルにおける低圧の利用側冷媒と熱交換を行って放熱する。 第1利用側熱交換器51a、51bにおいて放熱した高圧の熱源側冷媒は、第1利用側膨張弁52a、52bを通じて、利用側熱交出入口接続管53a、53bに送られる。

    液冷媒連絡管13に送られた熱源側冷媒は、2つに分岐されて、利用ユニット105a、105bに送られる。

    液冷媒連絡管13から利用ユニット105a、105bに送られた高圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出入口接続管53a、53bにおいて、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて放熱した熱源側冷媒と合流する。 利用側熱交出入口接続管53a、53bにおいて合流した熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bに送られる。 第2利用側膨張弁152a、152bに送られた熱源側冷媒は、第2利用側膨張弁152a、152bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、利用側熱交出入口接続管53a、53bを通じて、第2利用側熱交換器151a、151bに送られる。 第2利用側熱交換器151a、151bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2利用側熱交換器151a、151bにおいて、第2循環ポンプ171a、171bによって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体と熱交換を行って蒸発する。 第2利用側熱交換器151a、151bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、利用側熱交出口開閉弁154a、154b及び第2利用側ガス冷媒管153a、153bを通じて、利用ユニット105a、105bから吸入冷媒連絡管14に送られて合流する。

    吸入冷媒連絡管14に送られた低圧の熱源側冷媒は、熱源ユニット2に送られる。 熱源ユニット2に送られた低圧の熱源側冷媒は、吸入側閉鎖弁34、熱源側ガス冷媒管25に送られる。 また、熱源側液冷媒合流管27から第2熱源側液冷媒管27bに送られた熱源側冷媒は、第2過冷却器31bに送られる。 第2過冷却器31bに送られた熱源側冷媒は、第2吸入戻し管29bに熱源側冷媒が流れていないため、熱交換を行うことなく、第2熱源側膨張弁28bに送られる。 第2熱源側膨張弁28bに送られた熱源側冷媒は、第2熱源側膨張弁28bにおいて減圧されて、低圧の気液二相状態になり、第2熱源側液冷媒管27bを通じて、第2熱源側熱交換器26bに送られる。 第2熱源側熱交換器26bに送られた低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側熱交換器26bにおいて、第2熱源側ファン36bによって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。 第2熱源側熱交換器26bにおいて蒸発した低圧の熱源側冷媒は、第2熱源側ガス冷媒管24b、第2熱源側切換機構23b及び連通管38を通じて、熱源側ガス冷媒管25に送られて、吸入冷媒連絡管14から熱源ユニット2に送られた熱源側冷媒と合流する。 熱源側ガス冷媒管25において合流した低圧の熱源側冷媒は、熱源側吸入管21cを通じて、再び、熱源側圧縮機21に吸入される。

    一方、水媒体回路70a、70bにおいては、第2利用側熱交換器151a、151bにおける熱源側冷媒の蒸発によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が冷却される。 第2利用側熱交換器151a、151bにおいて冷却された水媒体は、第2循環ポンプ171a、171bによって、第2利用側水出口管174a、174b及び第1利用側水出口管74a、74bを通じて、利用ユニット105a、105bから水媒体連絡管16a、16bに送られる。 水媒体連絡管16a、16bに送られた水媒体は、水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られる。 水媒体冷暖房ユニット75a、75bに送られた水媒体は、熱交換パネル76a、76bにおいて加熱され、これにより、室内の壁際等を冷却したり、室内の床を冷却する。

    また、水媒体回路70a、70bにおいては、冷媒−水熱交換器57a、57bにおける熱源側冷媒の放熱によって水媒体回路70a、70bを循環する水媒体が加熱される。 冷媒−水熱交換器57a、57bにおいて加熱された水媒体は、第1循環ポンプ71a、71bによって、第1利用側水出口管74a、74b及び貯湯タンク側水入口管176a、176bを通じて、貯湯タンク161a、161bに供給される。 そして、熱交換コイル162a、162bにおいて、貯湯タンク161a、161b内の水媒体と熱交換を行って放熱し、貯湯タンク161a、161b内の水媒体を加熱する。

    このようにして、利用ユニット5a、5bの少なくとも一つが冷房運転と給湯運転を同時に行う冷房給湯運転に設定された状態で、冷房運転と暖房運転(及び/又は給湯運転)とが混在した運転を行う冷暖同時運転モード(放熱主体)における動作が行われる。

    −全冷房運転モード−
    利用ユニット105a、105bの冷房運転のみを行う場合には、熱源側冷媒回路20において、第1及び第2熱源側切換機構23a、23bが熱源側放熱運転状態(図4の第1及び第2熱源側切換機構23a、23bの実線で示された状態)に切り換えられる。 第3熱源側切換機構39は、冷暖同時運転状態(図4の第3熱源側切換機構39の実線で示された状態)に切り換えられる。 また、第1利用側膨張弁52a、52bが閉止され、利用側熱交出口開閉弁154a、154bが開けられる。 さらに、冷温水切換機構175a、175bは、第2利用側熱交換器151a、151bにおいて冷却された水媒体を水媒体冷暖房ユニット75a、75bに供給する状態に切り換えられる。 尚、ここでは、利用ユニット105a、105bのすべてが冷房運転に設定された状態であるものとして説明する。 ここで、利用ユニット105a、105bのすべてが冷房運転に設定された状態における動作は、第1実施形態の利用ユニット5a、5bのすべてが冷房運転に設定された状態における動作と同様である。 このため、ここでは、利用ユニット105a、105bのすべてが冷房運転に設定された状態における動作の詳細な説明を省略する。

    このようにして、利用ユニット105a、105bの冷房運転のみを行う全冷房運転モードにおける動作が行われる。

    −運転モードの切り換え、及び、熱負荷バランス制御−
    上記のように、ヒートポンプシステム101では、運転モードの切り換えを行うことで、冷房運転(冷却運転)又は暖房運転や給湯運転(加熱運転)が利用ユニット105a、105bごとに任意に設定された運転状態に対応できるようになっている。 すなわち、ヒートポンプシステム101は、冷房運転又は暖房運転(及び/又は給湯運転)が利用ユニット105a、105bごとに設定された状態で、利用ユニット105a、105b全体の熱負荷に応じて、第1及び第2熱源側熱交換器26a、26bを熱源側冷媒の蒸発器又は熱源側冷媒の放熱器として機能させて、利用ユニット105a、105b全体の熱負荷にバランスさせる運転を行うことができるようになっている。 ここで、上記の運転モードの切り換え、及び、熱負荷バランス制御は、暖房運転モードに給湯運転がある点や冷暖同時運転モードに給湯運転や冷房給湯運転がある点を除き、第1実施形態の運転モードの切り換え、及び、熱負荷バランス制御と同様である。 このため、ここでは、運転モードの切り換え、及び、熱負荷バランス制御の詳細な説明を省略する。

    −利用側凝縮温度の制御、及び、目標利用側凝縮温度や目標熱源側凝縮温度の設定−
    ヒートポンプシステム101では、全暖房運転モード時や冷暖同時運転モード時に、上記のように、第1利用側熱交換器51a、51bにおいて、利用側冷媒回路50a、50bを循環する利用側冷媒が熱源側冷媒回路20を循環する熱源側冷媒の放熱によって加熱されるようになっている。 そして、利用側冷媒回路50a、50bは、この熱源側冷媒から得た熱を利用して、熱源側冷媒回路20における冷凍サイクルよりも高温の冷凍サイクルを得ることができる。 これにより、冷媒−水熱交換器57a、57bにおける利用側冷媒の放熱によって高温の水媒体を得ることができるようになっている。 このとき、安定的に高温の水媒体を得るためには、熱源側冷媒回路20における冷凍サイクル及び利用側冷媒回路50a、50bにおける冷凍サイクルがいずれも安定するように制御することが好ましい。 そこで、制御部101aは、第1実施形態と同様の利用側凝縮温度Tc2a、Tc2bの制御を行うようにしている。

    また、このとき、各利用ユニット105a、105bにおいて要求される水媒体の設定温度を得るためには、目標熱源側凝縮温度Tc1s、目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsを適切に設定することが好ましい。 そこで、制御部101aは、第1実施形態と同様の目標利用側凝縮温度Tc2as、Tc2bsや目標熱源側凝縮温度Tc1sの設定を行うようにしている。

    −低外気条件における冷暖同時運転モードの目標熱源側凝縮温度の設定−
    ヒートポンプシステム101では、低外気の条件における冷暖同時運転モード時に、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器の放熱能力が大きくなる傾向になり、運転効率が低くなる傾向が顕著になる。 そこで、制御部101aは、第1実施形態と同様、外気温度Taが25℃以下で、かつ、冷房運転(冷却運転)と暖房運転(加熱運転)とが混在している場合(すなわち、冷暖同時運転モード)に、熱源側凝縮温度Tc1が40℃未満になるように運転を行うようにしている。

    <特徴>
    ヒートポンプシステム101には、以下のような特徴がある。

    −A−
    ヒートポンプシステム101では、第1実施形態のヒートポンプシステム1と同様の作用効果を得ることができる(第1実施形態のヒートポンプシステム1の<特徴>参照)。

    −B−
    しかも、ヒートポンプシステム101では、各利用ユニット105a、105bが、暖房運転や給湯運転(加熱運転)と冷房運転(冷却運転)とを同時に行うことが可能であるため、例えば、冷房運転による室内の冷房と、給湯運転による給湯とを同時に行うことができる。 このため、ヒートポンプシステム101は、給湯と冷房とを同時に行うことがある集合住宅等に有効である。 また、ヒートポンプシステム101では、水媒体を65℃以上まで加熱する運転を行うことが可能であるため、高温の水媒体が必要とされる給湯用途に有効である。

    <変形例1>
    上記のヒートポンプシステム101(図4参照)における冷房給湯運転をさらに効果的に利用するために、各利用ユニット105a、105bにおいて、冷房運転(冷却運転)時に貯湯タンク161a、161bに溜められている水媒体の温度である貯湯温度Twha、Twhbが所定の貯湯設定温度Twhas、Twhbs以下になった場合に、給湯運転(加熱運転)、すなわち、冷房給湯運転を行うようにしてもよい。

    例えば、図5に示すフローチャートにしたがって、冷房運転から冷房給湯運転への移行処理を行うことができる。

    まず、制御部101aは、各利用ユニット105a、105bのうち冷房運転を行っている利用ユニットが存在するかどうかを判定する(ステップS1)。

    そして、制御部101aは、冷房運転を行っている利用ユニットの貯湯タンクにおける貯湯温度(ここでは、貯湯温度Twha、及び/又は、貯湯温度Twhb)が貯湯設定温度(ここでは、貯湯設定温度Twhas、及び/又は、貯湯設定温度Twhbs)以下であるかどうかを判定する(ステップS2)。

    そして、ステップS2において、貯湯温度が貯湯設定温度以下になっている貯湯タンクが存在すると判定された場合には、制御部1aは、貯湯温度が貯湯設定温度以下になっている貯湯タンクを有する利用ユニットの冷房給湯運転を行う(ステップS3)。

    そして、制御部101aは、冷房給湯運転によって、貯湯温度が貯湯設定温度よりも上昇したかどうかを判定する(ステップS4)。

    そして、ステップS4において、貯湯温度が貯湯設定温度よりも上昇したものと判定された場合には、制御部101aは、利用ユニットの冷房運転に移行する(ステップS5)。

    これにより、本変形例のヒートポンプシステム101では、冷房運転時に、貯湯温度Twha、Twhbが貯湯設定温度Twhas、Twhbs以下になった場合に、冷房給湯運転が行われるようになっているため、冷房運転において水媒体を冷却することによって熱源側冷媒が得た熱を有効利用しながら、貯湯温度Twha、Twhbを貯湯設定温度Twhas、Twhbs以上に維持することができる。 しかも、この冷房運転から冷房給湯運転への移行処理は、利用ユニット105a、105bごとに行うことができるため、集合住宅等では、各戸ごとに、冷房運転において水媒体を冷却することによって熱源側冷媒が得た熱を有効利用して、省エネルギー化を図ることができる。

    <変形例2>
    上記のヒートポンプシステム101(図4参照)において、第1実施形態の変形例1、2と同様に、熱源側ファンの風量制御や、第2利用側熱交換器151a、151bの凍結防止のための冷房運転(冷却運転)の間欠運転制御を採用してもよい。

    (3)他の実施形態 以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。

    −A−
    上記のヒートポンプシステム1、101においては、利用側冷媒としてHFC−134aが使用されているが、これに限定されず、例えば、HFO−1234yf(2、3、3、3−テトラフルオロ−1−プロペン)等、飽和ガス温度65℃に相当する圧力がゲージ圧で高くとも2.8MPa以下、好ましくは、2.0MPa以下の冷媒であればよい。

    −B−
    上記のヒートポンプシステム1、101においては、第1利用側熱交換器51a、51b及び第2利用側熱交換器151a、151bを有する利用ユニット5a、5bが複数接続された構成が採用されているが、これに限定されず、第1利用側熱交換器51a、51b及び第2利用側熱交換器151a、151bを有する利用ユニット5a、5bと第2利用側熱交換器151a、151bを有しない利用ユニットとが複数接続された構成であってもよい。

    本発明は、複数の熱源側熱交換器を有する熱源ユニットに水媒体の冷却運転又は加熱運転を行う複数の利用ユニットを接続して構成されており冷却運転及び加熱運転の同時運転が可能なヒートポンプシステムに広く適用可能である。

    1 ヒートポンプシステム 1a 制御部 2 熱源ユニット 5a、5b 利用ユニット 20 熱源側冷媒回路 21 熱源側圧縮機 26a、26b 熱源側熱交換器 36a、36b 熱源側ファン 50a、50b 利用側冷媒回路 51a、51b 第1利用側熱交換器 55a、55b 利用側圧縮機 57a、57b 冷媒−水熱交換器 75a、75b 水媒体冷暖房ユニット(水媒体利用機器)
    151a、151b 第2利用側熱交換器 154a、154b 利用側熱交出口開閉弁 161a、161b 貯湯タンク 175a、175b 冷温水切換機構 Ta 外気温度 Tc1 熱源側凝縮温度 Tc1s、Tc1s 目標熱源側凝縮温度 Te 熱源側蒸発温度 Te1m 下限蒸発温度 Twha、Twhb 貯湯温度 Twhas、Twhbs 貯湯設定温度

    特開2006−343052号公報

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