The use of secondary light emission as a novel biofilm targeting technology

申请号 JP2006534439 申请日 2004-10-08 公开(公告)号 JP2007508065A 公开(公告)日 2007-04-05
申请人 エリック ボーンステイン,; 发明人 エリック ボーンステイン,;
摘要 健常な組織に対して損傷を最小化しながら発色団 染色 バイオフィルムを標的化するための近赤外レーザー系および近赤外ファイバーの光学的および熱的放出を利用する歯周疾患の処置に有用な方法および組成物が、本明細書で提供される。 1つの実施形態において、歯周疾患を有する患者の歯周組織またはインプラント周辺組織において歯周疾患を処置するためのキットであって、以下:A. 近位端と遠位端の間に伸びる光ファイバー;B. 発色団色素を貯蔵するのに適合した容器を含む、キットが提供される。
权利要求
  • 歯周疾患を有する患者の歯周組織またはインプラント周辺組織において歯周疾患を処置するためのキットであって、以下:
    A. 近位端と遠位端の間に伸びる光ファイバーであって、該近位端は、その上に入射される近赤外スペクトル範囲における光エネルギーを受取るのに適合し、該光ファイバーは受取った光エネルギーを該遠位端に伝達するのに適合し、該遠位端はその上に入射される伝達光エネルギーに応答し、少なくとも1部の組織と接触する際に、所定のスペクトル範囲の光エネルギーを放出するのに適合する光ファイバーであって、該所定のスペクトル範囲は近赤外スペクトル範囲とは異なる光ファイバー;
    B. 発色団色素を貯蔵するのに適合した容器であって、該色素は、該所定のスペクトル範囲での吸収スペクトルにより特性づけられ、該容器は、該組織の領域へ発色団色素の選択的適用を果たすのに適合したアプリケーターアセンブリを含む、容器を含む、キット。
  • 前記所定のスペクトル範囲が、約600nm〜約700nmである、請求項1に記載の方法。
  • 前記光エネルギーが、約830nmの波長である、請求項2に記載のキット。
  • 請求項1に記載のキットであって、近赤外スペクトルにおける光エネルギーを発生する光エネルギー源および光ファイバーの近位端に光エネルギーを結合する連係結合アセンブリをさらに含む、キット。
  • 前記所定のスペクトル範囲が、約600nm〜約700nmである、請求項4に記載のキット。
  • 前記発生する光エネルギーがコヒーレントである、請求項5に記載のキット。
  • 前記光エネルギー源が約500〜1200mWで駆動するダイオードレーザーであって、約830nmの波長で光エネルギーを発生する、請求項6に記載のキット。
  • 請求項1に記載のキットであって、前記発色団色素がメチレンブルー、トルイジンブルー、コンゴレッドおよびマラカイトグリーンからなる群より選択され、該色素は該容器に配置される、キット。
  • 前記光ファイバーの前記遠位端が溶融シリカである、請求項1に記載のキット。
  • 請求項1に記載のキットであって、前記遠位端から前記近位端へ伸びている前記光ファイバーの側面の表面が、その上に入射する光照射を生じ、光ファイバーの中を該遠位端から伝播し、該側面の表面を通して屈折し、通過するのに適合した、キット。
  • 歯周疾患を有する患者の歯周組織またはインプラント周辺組織における歯周疾患の処置のための方法であって、以下:
    発色団色素組成物を前記組織に適用する工程であって、該色素組成物は約600nm〜約700nm範囲の少なくとも1つの波長を含む光エネルギーを吸収する少なくとも1つの色素を含む、工程;および 光ファイバーから発する約800nm〜約1064nmの範囲の少なくとも1つの波長を含むレーザーエネルギーで、歯周組織またはインプラント周辺組織を照射する工程を包含する、方法。
  • 前記エネルギーがコヒーレントである、請求項11に記載の方法。
  • 前記レーザーエネルギーが近赤外スペクトルに入り、かつコヒーレントである、請求項11に記載の方法。
  • 前記レーザーエネルギーが500〜1200mWで駆動するダイオードレーザーにより発生する、請求項11に記載の方法。
  • 前記レーザーエネルギーが830nmの波長を含む、請求項11に記載の方法。
  • 前記色素組成物がメチレンブルー、トルイジンブルー、コンゴレッドおよびマラカイトグリーンからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  • 前記光ファイバーが少なくとも組織の一部と接触する、請求項11に記載の方法。
  • 前記歯周組織または前記インプラント周辺組織を照射する工程が、移動パターンで治療的に有効な時間である、請求項11に記載の方法。
  • 固体の凝塊が前記組織をレーザーエネルギーで照射する際に歯周組織またはインプラント周辺組織の近傍に形成される、請求項11に記載の方法。
  • 前記組織から前記固体の凝塊を、従来の歯周スケーラーまたは超音波スケーラーにより機械的に除去する工程をさらに包含する、請求項18に記載の方法。
  • 歯周疾患を有する患者に治療的に有効な量の抗生物質を投与する工程をさらに包含する、請求項17に記載の方法。
  • 说明书全文

    (発明の分野)
    本発明は、生きているバイオフィルムを、ヒトの身体においてそれを根絶するための標的化および続く細菌熱溶解に関し、それは近赤外レーザー送達ファイバーの遠位端から、2次量子光放出または2次量子熱放出を利用する。

    (関連技術)
    今日までにヒト口腔内において、300を超える細菌の異なる種(Moore W.E.、The Bacteria of Periodontal Diseases、Periodontol.2000)が、記載されている。 殆どの細菌は、歯垢および歯肉下歯周ポケットまたはインプラント周辺ポケットで見出される。 これらの歯肉下細菌は、歯周ポケットにおいて独特の生態学的ニッチを創造する正常な宿主防御システムと戦いそして阻害するように進化してきた。

    歯肉下細菌は、歯周ポケットの歯肉溝液の中で栄養の基板を見つける。 これらの細菌は、高度に血管新生化した歯周上皮およびインプラント周辺上皮へ直接接近するが、それらは増殖および繁殖し続ける。 細菌のコロニー形成および組織への侵入(例えば、ライソゾ−ム、補体形成、ブラジキニン、トロンビン繊維素原、抗体およびリンパ球)を阻害するよう努める宿主免疫応答および炎症応答にもかかわらず(かつおそらくそれ故に)、歯肉下細菌は、独特の生態学的ニッチを提供する歯周ポケットおよび/またはインプラント周辺ポケットにおいて優勢である(例えば、非特許文献1参照)。

    歯周ポケットおよび/またはインプラント周辺ポケットならびに歯周疾患/インプラント周辺疾患を全体として、うまく処置するために、歯根に対してインタクトなバリアを再樹立する努において、局所的な炎症およびその原因を除去されなければならない。 歯根またはインプラントに結合した新しく再生した歯周靭帯または上皮バリアは、細菌の増殖に利用可能な空間を制限する。 一旦、免疫応答および炎症応答が除去されると、歯周組織は、治癒するようである。 インプラントで対応する場合、上記疾患は、殆どの市販の歯科インプラントの独特で異質な三次元構築物であって、そして粗面のために、なおさら難治性であり、除去が困難である。

    歯周ポケットの基底の丁度下にある領域に新しいコラーゲン様の上皮付着物が形成し始めると治癒が見られ得る。 これらの新しい歯周靭帯線維は、一般的に上記ポケットの中で生存している細菌に以前に曝露されていない領域においてのみ発生する。 反対に長い接合上皮(即ち、根表面への強い上皮の適合)として知られている上皮閉鎖は、一般的に歯周ポケットの生存しているバイオフィルムに曝露された領域に発生する。 インプラント(歯周靭帯が存在しないところ)に関しては、新しい骨の形成および/または長い接合上皮は、細菌増殖のための利用可能な空間を減少するよう求められている。

    (伝統的なアプローチ)
    歯周/インプラント周辺器具は、罹病歯周組織および罹病インプラント周辺組織のプラーク除去および歯石除去、ルートプレーニングならびにデブライドメントならびに除去という特定の目的のために、長年にわたり発明されおよび設計されてきた。 特に歯周スケーリング、ルートプレーニングおよび掻爬器具は、歯垢、歯石、罹病セメント質および罹病ポケット軟組織を除去するための選択の機械的アプローチである。

    多くの薬理学的アプローチは、細菌を攻撃する伝統的な機械的アプローチに対する補助剤として開発されてきた(例えば、機械的デブライドメントの後に歯周ポケットおよび/またはインプラント周辺ポケットにおける送達のための長期間放出坑菌処方物)。 しかしながらこれらの薬理学的様式は、それらが有効であるために、(a)意図された作用部位に到達し(深い3次元ポケット)、(b)適切な濃度を維持し、そして(c)十分な期間続かなければいけないという重大な制限がある。

    適切な濃度を維持し、かつ十分な時間続くために、抗菌剤の歯肉溝内送達ベクター(例えば、吸収可能なゲル、吸収可能なマイクロスフェアおよび坑菌剤浸透性チップ)は、歯周ポケットにおいて物理的空間を埋めなければならない。 これらのベクターの殆どは、機械的デブライドメントの後、歯/インプラントポケット界面において、薬物送達治療の間(3週間まで)歯周ポケットの中に留まり、従って新しい歯周付着物および長い接合上皮形成という即時の治癒プロセスを妨害する。 さらに、使用される局所的抗菌剤の主要なものが静菌剤であり、処置部位から歯周および/またはインプラント周辺病原体を完全に除去することは決してない。 長期抵抗性株が、致死以下の抗菌剤吸収に応答した歯周ポケットにおいてしばしば発生する。 驚くべきことではなくこれらの局所的薬理学的様式は、限界的成功率を有するのみであり(The Role of Controlled Drug Delivery for Periodontitis、Position Paper from AAP、2000)そして再感染および疾患の進行の継続を生じる究極的には厳しい制限を有すると報告されている。

    (最近の進展/バイオフィルムパラダイム)
    歯肉下歯垢が生きているバイオフィルムとして存在するという認識は、研究中の深層メカニズム(Periodontology 2000(上記);およびChen、J.Calif.Dent.Assoc.(2001))をいくらか解明してきた。

    Costertonら、J. of Bacteriol. (1994)は、バイオフィルムを相互におよび/または表面または界面に付着する細菌の集団の封入されたマトリックスとして記載している。 同じ研究者はまた、代謝排泄物のコロニー内での移動が容易になるようにバイオフィルムマトリックス(原始的な循環系)内で特別の栄養チャネルを有し、細菌の生存をコミュニティ全体として許容するよう進化した生態学的コミュニティとしてバイオフィルムを記載している。 歯垢および歯肉下細菌コロニーが現在、生きているバイオフィルムと見られているのであれば、有効なバイオフィルムの標的化技術の必要性(歯科医に限定されないで)は存在する。

    バイオフィルムの現在の理解は、それらにある基礎的性質を与える(Marshら、Adv.Dent.Res.(1997))。 これらは、限定されないが、異なるタイプの生物間の実際のコミュニティの共同作業、バイオフィルムマトリックス内の異なる別々のマイクロコロニー、細菌コロニー周辺の防御的マトリックス、異なるマイクロコロニー内の異なる明確なミクロ環境、原始的通信システム、ならびに抗生物質、抗菌剤からの独特な防御およびそれに対する抵抗性ならびに宿主の免疫応答および炎症応答からの防御およびそれに対する抵抗性が挙げられる。

    これまでの歯周疾患を制御する企ての殆どは、インビトロでの歯周細菌およびインプラント周辺細菌の伝統的な理解を基礎にして実施されてきた。 しかしながら生きているバイオフィルム(インビボ)として、歯肉下プラークおよび歯周細菌は、古典的な実験室モデルが予測するのとは全く異なるように作用および機能する。 生きているバイオフィルムの歯周細菌およびインプラント周辺細菌は、実験室で培養されているものより、異なり、より有害な化学品および酵素を産生する。 またバイオフィルム内では、種間の関係を通じて抗生物質抵抗性の伝播の増加がある。

    上記バイオフィルム(タンパク質様ねばねばしたマトリックス)自身は、細菌を標的化する多くの古典的治療法からの防御の効果的なバリアとして役目を果たす。 抗生物質は、それらがバイオフィルム内で抵抗性の酵素反応により中和される場合、バイオフィルムを透過し、原因細菌のところに到達し損ない得る。

    歯周疾患に潜む病因(ethiology)の新しい理解は、このように効力なく、歯周疾患および病原性細菌を匿い、防御する難治性バイオフィルムと直接的に闘う、新規なバイオフィルム標的化手順の必要性を同定した。 そのような技術を、これ以降バイオフィルム標的化技術(BTT)という。

    種々の色素および他の化合物が、口腔内で組織を消毒または滅菌する明白な目的のために提案されてきた。 細菌の熱分解を促進する口の環境の中で、細菌を発色団とともにレーザー照射の選択的標的化が提案されてきている。 具体的には、口腔内で他の外傷に加えて炎症性歯周疾患およびインプラント周辺疾患を以下:(a)組織、傷または外傷と、レドックス薬剤(色素)とを接触させる工程であって、ここで細菌自身がレーザーの非存在下で、上記化合物を取込み、そのうちに上記外因性薬剤により阻害される、工程;または(b)組織、傷または外傷と、光感受性薬剤(色素)と接触する工程であって、ここで細菌および/または組織自身が上記化合物を取り込み、光感受性発色団および標的化発色団に吸収される特定の波長におけるレーザー光(一般的には軟可視赤色レーザー)で組織または外傷を照射する工程、により処置する提案がある。
    Cimasoni、Monogr. Oral Sci. 12:III〜VII、1〜152(1983)

    口腔内組織の処置の文脈から色素とレーザー照射の使用に関する多くの文献にもかかわらず、健康な組織に対して有害性を最小化し、治癒を促進する、バイオフィルムのインビボで有効で直接的な標的化および熱分解の必要性が残っている。

    前述のことを考慮して、現在利用可能なアプローチの欠点に焦点を絞った歯周疾患およびインプラント疾患を処置するのに使用する当該分野で新しいアプローチを提供することは進歩である。 特に、歯周/インプラント周辺の3次元空間において、細菌が引き起こした炎症を、健康な歯および他の組織を害さずに、生きたバイオフィルム全体(結果として細菌)を標的化し、そして破壊することによる処置のためのアプローチを提供することは進歩である。 特に健康な組織への損傷を最小限にして発色団で染色したバイオフィルムを標的化するために近赤外ダイオードレーザー系およびファイバーの光放出および熱放出を利用する疾患組織を処置する新規な方法を提供することは進歩である。 さらに深部への効果がより少ない切開の凝固帯のよりよい制御に裏付けられた特異性の向上した疾患組織を標的化する方法および手段を同定することは、望ましい進歩である。

    (発明の要旨)
    本発明は、患者の健康な歯の構造および組織を害することなく生きたバイオフィルムを凝固し、細菌を熱的に殺す従来からの歯科用固体ダイオードレーザーおよびNd:YAGレーザーを用いる利用可能な当面の機会の治療窓を拡げる新規なアプローチおよび組成物(キットも含む)を提供する。

    レーザー(例えば、歯科用ダイオードレーザーおよびNd:YAGレーザー)でバイオフィルムの凝固および細菌の熱分解を達成するために、歯周部位およびインプラント周辺部位から生きたバイオフィルムおよび口の中の病原性細菌を除去するのに利用可能な機会の小さな治療窓が存在する。 これは上記レーザーからの光エネルギーが上記標的部位および組織において局部的な熱エネルギーに変換されるときに達成される。 この治療窓は非常に小さいので、方法は、歯科用ダイオードレーザーおよびNd:YAGレーザーの範囲を広げるよう提供され、エネルギーの熱沈着を通して生きたバイオフィルムの凝固および細菌の除去を安全でより予測可能なプロセスにする。 本発明は、歯周部位およびインプラント周辺部位において生きたバイオフィルムに発色団を標的化の局在化した送達を利用する。 これは2つのパラメータ、(1)レーザーのエネルギー出力および(2)レーザー適用の時間を低下させて安全な環境で生きたバイオフィルムの凝固および引き続く細菌の熱分解の仕事を達成することを可能にする。

    (詳細な説明)
    本発明は、近赤外ダイオードレーザーまたはNd:YAGレーザーの光ファイバーのチップが、歯周/インプラント周辺組織と接触すると直ちに炭化ホットチップになる場合、近赤外レーザー送達光ファイバーの遠位端で重要な事実に基づいた量子的相互作用が起こるという発見を活用する。 これらの量子的および熱力学的現実性は、近赤外レーザーおよび本発明で使用する光ファイバーからの2次量子放出を使用して生きた標的化バイオフィルムの熱分解を達成するために利用される。

    本発明者らは、従来の近赤外ダイオードレーザーまたはNd:YAGレーザーの送達デバイスのレーザー光ファイバー(例えばシリカファイバー)を、組織を切断および消失することができる白熱黒体放射体(図1は、異なる温度での黒体放射体の放射スペクトルを示す)に瞬時の変換を利用する、とりわけ新規な「ホットチップ」接触技術を発明した。 そのような白熱黒体放射体は、罹病歯周組織および/または罹病インプラント周辺組織の処置、とくに生きたバイオフィルムの低減に有用な量子的および熱力学的性質を有することが分かった。

    標的組織へ光子を放出する被覆していない光ファイバーチップ(図3A)が生きたバイオフィルムまたは血液のような他の生物学的材料と接触すると、それは、直ちにファイバー自身に「固着する」歯苔を集積する。 この歯苔は、直ちに光ファイバーを通して伝播する強い近赤外レーザーエネルギーを吸収し、それにより温度の増加および壊死組織の炭化を生じる(従って、用語「ホットチップ」は、これ以降黒体発熱チップおよび炭化凝塊を意味する。その温度は、近赤外レーザー光子からのエネルギーが新しく炭化されたホットチップに衝撃を与える(吸収される)限り上昇する。黒体放射体(それが白熱すればするほど、白熱する。図3Bを参照のこと)へ変換する際に、光ファイバーは2次可視光放出を発生する(図6を参照のこと)。

    本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、内容が明確に他で指示しない限り、具体的にはまた、それらがいう用語の複数形も含む。 本明細書で使用される場合、遷移フレーズまたは請求項の主体文のいずれにせよ、用語「含む」および「・・を含む、」は、制限のない意味を有するとして解釈されるべきである。 すなわちその用語は、「・・を少なくとも有する、」または「・・を少なくとも包含する、」と同義であると解釈されるべきである。 方法の文脈に使用される場合、用語「・・を含む、」は、そのプロセスが少なくとも引用した工程を包含することを意味するが、付加的な工程も包含し得る。 組成物、処方物またはキットの文脈で使用される場合、用語「・・を含む、」は、化合物または組成物が少なくとも引用した特徴または成分を包含するが、付加的な特徴または成分を包含し得る。

    本発明の方法および組成物は、従って従来の近赤外ダイオードレーザーまたはNd:YAGレーザーの1次放出と発色団染色された歯周組織またはインプラント周辺組織の処置のための本発明で使用される光レーザーからの2次量子放出とを組合わせて、生きたバイオフィルムを標的化し、従って組織(口腔内)における歯周疾患を処置する。 当業者は、本発明が歯科領域で例証されるが、実質的に如何なる組織における感染をも標的化する多くの他の分野にも適用され得ることを理解する。 従って、例えば、その組織は、臀部であり得、ここでは、発色団(例えば、1%メチレンブルー溶液)の潅注および引き続く本発明によるレーザーの使用が、身体のその領域の標的感染を凝固する。 さらに本発明は、ヒト患者において例証されるが、本発明の方法および組成物は、本発明の方法および組成物の利点を経験し得る如何なる哺乳動物への使用が意図されている。 真っ先に、そのような哺乳動物の中で、本発明はそのように限定することは意図されていないが、ヒトであり、また獣医学的使用へ適用可能である。 従って、本発明に従って、「哺乳動物」または「必要性のある哺乳動物」または「患者」とは、ヒトおよび非ヒト哺乳動物、特に飼育される動物を含み、限定無しでネコ、イヌ、およびウマが含まれる。

    赤外スペクトルにおける多くのレーザー源が、歯科および医療において病原性細菌を殺すことに使用されてきた。 この2,3年間、近赤外固体ダイオードレーザーまたはNd:YAGレーザーが、歯科分野において組織切断、焼灼、および細菌熱分解に使用されてきた。 4つの最もよく使われる歯科用近赤外の波長は、810nm、830nm、980nmおよび1064nmである。 これらの近赤外レーザーは、中で非常に低い吸収曲線を有し、下記に詳述するように非常に深い組織浸透値を有する。

    本明細書で言及される特許、公開出願および科学的文献は、当業者の知識を確証し、それにより、それぞれが参考として具体的におよび個別的に援用されたのと同じ程度にそれらの全体が参考として援用される。 本明細書で引用する参考文献と本明細書の具体的な教示との間の矛盾は、後者のほうで解決される。 同様に、言葉または「句」の当該分野の定義と本明細書で具体的に教示される言葉または句の矛盾は、後者により解決される。

    本明細書で使用される技術的および科学的用語は、他で定義されない限り、本明細書が関係する当業者により通常理解される意味を有する。 当業者に公知の種々の方法および物質について、本明細書で言及される。

    本発明の1つの局面は、歯周疾患を有する患者の歯周組織またはインプラント周辺組織における歯周疾患の処置のための新規な方法を提供する。 本発明の方法により処置される組織は、所定のスペクトル範囲で吸収する少なくとも1種の色素を含む熱受容(heat sink)部分で収縮される。 「熱受容」部分とは、照射される組織から熱を受ける、吸収するまたはそうでなければ転用することができる任意の要素である。 本発明の熱受容部分とは発色団色素(例えば、好ましくは光エネルギーを吸収する分子)として作用することが公知の化合物を含む。 用語「所定のスペクトル範囲」とは、約400nm〜約1100nmである。 特定の実施形態では、発色団色素は、約600nm〜約700nmの(そのように所定のスペクトル範囲の)吸収帯を有する。 熱受容部分は、本質的に組織に対して、非毒性である必要があり、生きたバイオフィルムを浸透する必要があり、そして最も重要なことは、患者の組織に損傷なくバイオフィルムを標的化するために生きたバイオフィルムにより選択的に吸収される必要がある。 発色団色素の代表的な非限定例としては、トルイジンブルー(約600nm〜約700nmの範囲に吸収スペクトルを有する)、メチレンブルー(MB、609nm(オレンジ)、および668nm(赤)に吸収ピ−クを有する)、コンゴレッド(近紫外領域の340nmに強い吸収帯および青−緑遷移領域近くの500nmに別の吸収帯を有する)、ならびにマラカイトグリーン(黄−赤遷移領域の近くの600nmを中心とする強い吸収帯を有し、如何なる他の組織も安全な生物学的色素)が挙げられる。 当業者は、発色団色素が、希釈剤および賦形剤を含む周知の薬学的に受容可能なキャリアを有する任意の公知の薬理学的に受容可能なビヒクルを含む組成物形態で投与され得ることを理解する(Remington's Pharmaceutical Sciences、18 th Ed.、Gennaro、Mack Publishing Co.、Easton、PA 1990およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy、Lippincott、Williams & Wilkins、1995を参照のこと)。

    用語「約」は、本明細書でほぼ(approximately)、近く(in the region of)、およそ(roughly)またはおよそ(around)という意味で使用される。 用語「約」が数値の範囲と一緒に使用される場合、数値が示す境界の上下を越える範囲で修飾される。 一般的に本明細書では、用語「約」は、20%の変動により述べられた数値の上下の値を修飾するように使用される。

    本発明の方法に従って、発色団色素(組成物)で染色された歯周/インプラント周辺組織は、近赤外スペクトル範囲の光エネルギーで照射される。

    熟練した開業医は、生きたバイオフィルムの発色団標的化および熱分解を組合わせる本発明は、生きたバイオフィルムの除去時に治癒を促進することにより伝統的なアプローチを増強するのに使用され得ることを実現する。 従って、本発明の方法および組成物は、歯周ポケットまたはインプラント周辺ポケット(図4参照)における生きたバイオフィルムを標的化し、変性したバイオフィルム(現在では歯周ポケットまたインプラント周辺ポケットにおけるそれらのマトリックス内の生きた細菌および死んだ細菌を包埋している変性した不活性の固体凝塊に減少している)およびその構成菌叢の機械的でデブライドメントをするのに使用され得る。 このアプローチにより歯周/インプラント周辺器具(例えば歯周スケーラーまたは超音波スケーラー)は、ねばねばした生きたバイオフィルムが凝固しないままでいる場合に可能であるよりもずっと上手く局部領域からその変性したバイオフィルムをスケーリングおよびデブライドメントすることが可能である。 生きたバイオフィルム発色団標的化は、従って伝統的なスケーリングおよび機械的デブラインドメントによる伝統的な細菌除去の目的を達する。 さらに生きたバイオフィルム発色団標的化は、歯周/インプラント周辺ポケット処置に関して以前では近づけない領域を探求および標的化し、同時に変性した不活性の固体凝塊として生きたバイオフィルムを殺し、そして除去する。

    同様に本方法および本組成物は、レーザー処置と共に、またはレーザー処置の後に抗生物質処置の例の文献(薬理学の一般原則を示す標準的な参考研究に関して、Goodman and Gilmans'The Pharmacological Basis of Therapeutics、 10 th Ed.、McGraw Hill Companies Inc.、New York(2001);を参照のこと;歯科における、抗生物質の使用に関する一般的な参考文献に関しては、例えば、Roseら、Periodontics:Medicine、Surgery、and Implants、June 2004を参照のこと)に見出される抗細菌剤様式を含む伝統的なアプローチと組合され得る。 従って、これ以降例証(実施例2を参照のこと)される場合、患者は、再感染を防止するためのペニシリンで処置され得る。 そのような組合わせは、レーザー処置の前に、レーザー処置(照射)に付随して、および/またはレーザー処置に続いて実施され得る。 従って、本発明の組成物の処方物は、本発明の1より多いタイプの発色団色素および処置される症状/状態の処置に有用な薬理学的に活性な他の成分を含み得る。 従って、いくつかの例では、開業医は、限定されないが抗生物質、鎮痛剤および麻酔剤を含む他の活性なまたは不活性な成分の共投与を選択し得る。 有用な抗生物質または抗細菌剤の例としては、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、テトラサイクリン、安息香酸メチル、および安息香酸プロピルが挙げられるがこれらに限定されない。 有用な麻酔剤としては、限定されないがベンゾカイン、リドカイン、テトラカイン、ブタカイン、ジクロニン、プラモキシン、ジブカイン、コカインおよび前述の塩酸塩が挙げられる。

    本明細書で使用される場合、「処置する」とは、本発明に従って処置される患者において、本発明に従って処置されなかった個体の症状と比較して、症状を軽減する、防止するおよび/または逆転することを意味する。 開業医は、本明細書に記載される化合物、組成物および方法が次の治療を決定するために熟練した開業医(医師または獣医)による連続的な臨床評価に付随して使用されるべきであることを理解する。 従って、処置に続いて開業医は、標準的な方法により疾患の処置における改善を評価する。 そのような評価は、特定の処置用量を増加、減少または続けるかについておよび投与の様式についての評価において支援および教示する。

    生きたバイオフィルム標的化およびバイオフィルムの2次放出凝固は、近くの組織、健康な歯周/インプラント周辺構築物または歯を害さないで達成され得る。 さらにこれは、抗生物質または系もしくは歯周ポケットへの吸収可能な送達ベクターを(必ずしも)導入すること無しで達成され得、そして歯周組織の即時の治癒および再付着が始まることを可能にする。

    本発明に従って標的化される細菌は、当該分野で公知の歯周感染およびインプラント周辺感染において特に関連する細菌である。 (例えば、Actinobacillis actinomycetemcomitans、Porphyromonas gingivalis、Prevotella intermedia/nigrescens、Bacteroides forsythus、Fusobacterium種、Peptostreptococcus micros、Eubacterium種、Camplobacter rectus、streptococci、およびCandida種)。 分野で公知のインプラント周辺感染性細菌(例えば、Fusobacterium spp.、Prevotella intermedia、Porphyromonas gingivalis、Actinobacillus actinomycetemcomitans、Peptostreptococcus micros、Bacteroides spp.、Capnocytophaga spp.、Prevotella spp.Spirochetes、Staphylococcus spp.、腸グラム陰性細菌、Campylobacter gracilis、Streptococcus intermedius、Streptococcus constellatus、Candida albicansおよびEikenella corrodens)もまた、企図される。

    上記エネルギーは、任意の適切なコヒーレントなエネルギー源(例えば、レーザー、処置される歯周もしくは/またはインプラント周辺へエネルギーを送達する光ファイバーまたは他の公知の光デバイスを使用することが必要または便利な場合、約500nm〜約1500nmの波長を有する光エネルギーを放出することができる)により供給され得る。 特定の実施形態では、発生する光エネルギーはコヒーレントなエネルギー(例えば、350〜1200mW、好ましくは500〜1200mW、または800〜1200mWで駆動するダイオードレーザーまたはNd:YAGレーザーのようなレーザーにより発生させられる)である。 従って、本発明に従ったレーザーは、約500〜約1500nm、好ましくは約600〜1100nmまたは約800〜約1100nmの波長を有する光エネルギーを放出するレーザーを含む。 本明細書に示される代表的な非限定例において、波長は、約800nm〜約1064nmである。

    レーザーファイバーの遠位端が透明で、よく切開されている場合近赤外レーザーの1次放出による熱発生に関する考慮すべき5つの要因が一般的には存在する(一般的な参考としてNiemz M、Laser−Tissue Interactions.Fundamentals and Applications、Berlin、Springer、pp45〜80、2002を参照のこと)。 これらの要因は:(1)レーザーの波長および光学的浸透深度;(2)曝露組織の吸収特性;(3)時間様式(パルスまたは連続);(4)曝露時間;ならびに(5)レーザービームのパワー密度、である。

    近赤外範囲のダイオードレーザーは、水の中では非常に低い吸収係数を有し、従って80%の水を含有する組織(経口粘膜、骨および歯肉を含む)において深い光学浸透を達成する。 これは、従来の歯科用ダイオード軟組織レーザーに関して、パルスあたりの浸透深度は、Niemzによると約4cmまでと推定されることを意味する。 近赤外ダイオードレーザーおよびNd:YAGレーザーのより短波長は、メラニンおよびヘモグロビンのような分子(発色団)において非常に高い吸収を示す。 これはレーザーエネルギーが水の中を最小の吸収で通過し、上記組織においてより深い熱効果を産生する(光子は、より深い組織色素により吸収されるため)。 この光生物学は、透明な切開された近赤外ダイオードレーザーファイバーの遠位端から出現する光子(エネルギーの円錐パターン)として、制御された深部軟組織塊が血液および他の組織色素により吸収されるので、より深い軟部組織の。 凝固の制御を可能にする。

    次に頭に浮かぶパラメータは、現在利用可能な近赤外系のパルス様式を基礎にして、照射される組織に対する熱効果である。 現在、歯周処置に関して近赤外レーザーが、ダイオード系に関しては連続発振(CW)、またはゲート型連続発振パルス様式のいずれかで、およびNd:YAGの系に関してはフリーランニングパルス(FRP)で、光子を放出する。 従ってレーザーの光子エネルギーに対して組織曝露の長さ(時間)が、達成される熱的組織相互作用を支配する。

    CW様式またはゲート型CW様式において、レーザー光子は、連続流において単一パワーレベルで放出される。 その流れがゲート型の場合、ビームの経路に機械的ゲートが配置されるので、ビームが間歇的に遮断され、本質的にはレーザーエネルギーをつけたり遮断したりする。 レーザーシステムのこのタイプのオンおよびオフ時間は、一般的にミリ秒(1秒の1000分の1)の桁であり、そして「パルスあたりのパワー」は、CWビームの平均パワーにとどまる。 Nd:YAGレーザー(FRP様式)は、マイクロ秒(1マイクロ秒は、秒の百万分の1)の桁で、極端に短い間隔の間レーザーエネルギー非常に大きなピークを産生し得る。 例として、100マイクロ秒のパルス時間、1秒間に10のパルス(10Hz)を有するこれらのレーザーの1つは、レーザー光子が1秒間(全時間)に1000分の1のみ組織に当たることおよびレーザーはその秒の残りはオフであることを意味する。 これは、レーザーエネルギーの次のパルスが放出される前に組織にとって重要な冷却時間を与える。 パルスの間のこれらのより長い間隔は、組織の熱的緩和時間にとって利点になる。 CW様式の駆動は、常にパルスエネルギー適用より多くの熱を発生する。

    時間パルスがあまり長すぎる(またはCWにあまりにも長く曝露する)場合、組織における熱的緩和効果が克服され、非標的化領域への不可逆的損傷が発生し得る。 付加的安全特性が、冷却されないことが無いような余裕を提供する、生存組織の周りの熱受容体として作用するメチレンブルーにより提供され、適切な曝露時間が計算間違いされる。 そこで組織とレーザーとの相互作用で到達する最終的な温度が重要であるのみならず、この温度上昇の経過時間が、望ましい組織への効果および不可逆的な組織損傷の阻害に関して重要な役割を果たす。 ナノ秒パルスおよびピコ秒パルスに関してレーザーパルスの間の熱拡散は無視し得るが、しかしながら現在利用可能な歯科用レーザーはそのようなパルスを達成し得ない。

    上記ビームのパワー密度は、レーザーにより発生されるピークパワーにより決定され、その焦点にあったビームの面積で割られる。 これは、エネルギーを送達するファイバーの直径が小さければ小さい程(200μm、400μm、600μm)(即ちより小さい「スポットサイズ」で、組織と接触はしていない)、ファイバーが組織により接近しており、パワー密度(ビームの単位平方mm当たりの放出された光子の量)がより大きくなり、そして熱的相互作用がより大きくなることを意味する。 非接触の「透明な」ファイバーチップで、2つの最も重要な考察は、ビームのスポットサイズおよびファイバーチップの組織までの距離である。

    被覆されていない「裸の」ファイバーチップが、歯周組織および/またはインプラント周辺組織と約300mW連続出力より上の流量で接触する場合、レーザーファイバーの量子放出における即時的かつ顕著な変化ならびに組織応答および光生物学における即時的かつ顕著な変化がある。 これは、単純な裸の被覆されていないファイバーを使用する全ての歯肉溝内の歯周手順の100%において、ほぼ600nm〜1000nmの波長でダイオードレーザーまたはNd:YAGレーザーのいずれにかかわらず、発生する。 被覆されていない「裸の」ファイバーチップが歯周組織および歯肉溝内流体と接触する場合、細胞性歯苔およびバイオフィルムが即座に被覆されていないチップに蓄積し、そしてその歯苔は直ちにファイバーを通して伝播する、強い赤外レーザーエネルギーを吸収し、それがそのチップを加熱し直ちに炭化する。 赤外レーザー光子からのエネルギーがこの新しく炭化したチップに吸収され続ける限り(1秒間のような短い時間内で)、チップは赤く熱くなる(726℃より上)。 得られた「ホットチップ」エネルギーの組織への2次量子放出は、歯周ポケットおよび歯周組織における異なる熱移動および光生物学的事象と関連する。 それが本発明の主な焦点である。 これは2つのパラメータ、(1)レーザーのエネルギー出力および(2)レーザー適用の時間を生きたバイオフィルム凝固を、次いでより安全な環境における細菌の熱分解の仕事を達成するために低下させることを可能にする。

    直接的な生きたバイオフィルム発色団標的化、ならびに初めてのホットチップ技術による固有の2次量子放出および発色団メチレンブルーの利用により、800nm〜1064nm歯科用レーザーの操作員は、レーザーのパワーをほぼ0.05〜1.5ワットまで下げ得、そして処置面積に必要な時間を減少し得る。 例え上記エネルギーを下げ、上記発色団熱受容体無しで必要な時間より短い時間、歯周ポケットまたはインプラント周辺ポケットを処置しても、生きたバイオフィルム相の変化は、バイオフィルム内での凝塊および細菌の熱分解を通して起こる。 これは、患者にとって安全な手順になるし、その手順の間不可逆的な熱損傷から歯周ポケット/インプラント周辺ポケットにおいてより多くのコラーゲン、骨および粘膜を保存する。

    「ホットチップ」技術で、深く浸透する1次のレーザーエネルギーを実質的に低減され、そして上記光生物学およびレーザー−組織相互作用が、1次放出近赤外光子のみを放出する非炭化ファイバーを使用する場合に見出されるものとは異なる。 「ホットチップ」を使用する安全で予測可能な歯周/インプラント周辺手順を達成するために、臨床医は、組織とチップの熱的相互作用により提供される非常に狭い治療窓を忘れないようにしなければいけない。 放射光エネルギーおよび熱エネルギーが「ホットチップ」で生物学的組織に提供される場合、接触領域の温度は直ちに上昇する。 45℃で、その組織は温熱的になる。 50℃で、細胞酵素活性の減少およびいくらかの細胞の不動がある。 60℃でタンパク質は変性し、凝塊の証拠がある。 80℃で細胞膜は透過可能になり、100℃で水および組織は蒸発を始める。

    もし温度が2〜5秒間80℃を超えて上昇すると、粘膜、骨、歯周および歯の構造に不可逆的損傷が、生じる。 これらの考察は、歯肉切除、歯肉形成、小帯切除、切開および排液、線維腫の除去ならびに歯周歯肉溝掻爬などの接触チップ手順に、直接的に重要である(例えば、Rossman、J. Periondontol.73:1231〜1239(2002)を参照のこと)。

    本発明によると、近赤外スペクトル範囲における光エネルギーを放出する光ファイバーを、先に発色団色素で染色された組織の少なくとも一部と接触させる。 本発明によると、上記組織は、治療的に有効な時間的な量の間、動くパターンで照射されるべきである。 表現「治療的に有効な時間の量」および「治療的に有効な時間窓」は、求められる治療結果を達成するのに有効な期間の処置を示すときに使用される。 求められる結果(即ちバイオフィルムからの凝塊の形成)の即時性のために、開業医は、治療有効時間を適応させ、そして視覚的に確認することができる。 従って、本発明は、特定の患者に特異的な特別の要求に投与/処置を適応させる方法を提供する。 以下の実施例に示されるように、治療有効量は、例えば実験的に、比較的短い期間に始めて、有利な効果の同時評価をしながら段階的に増加することにより、容易に決定され得る。

    本発明に先立て、歯周ポケットにおいて「ホットチップ」でレーザーを使用する場合の目的は、即時的組織蒸発、炎症性上皮歯周内層に限定される剥離、そうでなければ歯肉溝掻爬として知られている剥離を生じる、チップでの十分な熱的エネルギーを発生させることであった。 これを達成するために、上記組織は、チップの接触点において摂氏数百度まで速く加熱されなければならない。 ダイオードレーザーまたはNd:YAGレーザーは、接触様式で使用される場合、これを容易に達成し得る。 (二次黒体放射の)光エネルギーおよび熱エネルギーが直接的にチップの近房の組織に移動されるので、歯肉溝上皮のあまり制御されていない蒸発が、起こる。

    これらの手順の間に、任意の1つのスポットにおける処置接触時間を比較的短く(1秒)することは絶対に必要である。 何故なら、歯周組織(歯および骨も含む)の余計な曝露はこれらの末梢組織を損傷するからである。 熱が熱伝導により上記組織へ深く伝達され、そしてもし長い期間の接触があると組織により速く熱は分散されないので上記のことが起こる。 もし接触曝露時間が長すぎると(1つの領域に2〜3秒より長く)、組織の熱を分散する能力が無力にされて、不可逆的な損傷が非標的化組織に発生する。

    既述したように、接触様式において、近赤外光子(レーザーの1次放出)のかなりの割合が黒体チップおよび炭化凝塊により吸収される。 その結果、上記放出は、従ってレーザーから発生するこれらの1次(単一波長)赤外光子の浸透および吸収は、大きく減少する。 従って、末梢組織(歯周ポケットの周辺)への損傷は、「ホットチップ」の上記組織への曝露時間およびチップから組織への熱伝導に直接的に依存する。 炭化チップによりレーザーのこれらの大きく減少した1次放出は、Grantら、Lasers in Surgery and Medicine 21:65〜71(1997)により詳細に研究され、彼等は特に、接触レーザー手術の間の「ファイバー相互作用」に注目した。 Grantは、大量のレーザー光を吸収するファイバーのチップにおける組織沈着により、即時的な炭化が起こることを示した。 ファイバーチップの炭化は、温度の上昇(温度は900℃を超えるまで急上昇する)を生じ、これはファイバーの光学的性質に著しい損傷を与える結果となり得る。 Grantはまた、チップの炭化が1度起こると、そのチップは適切な前進光ガイド(即ちレーザーエネルギーの1次光子の限られた前進行になる)としてはもはや機能しないことも見出した。 上記レ−ザーはもはや適切に光凝固せず、むしろ上記チップにおける強い熱のために上記組織を切除しそして焼灼する。 Grantらに記載されたホットチップは、歯肉溝の中で組織に影響を与える直接的なかつ妨害されていないエネルギーを有する一方、本発明のホットチップは、(熱受容/発色団に起因する)標的バイオフィルム全体を凝固し、同時に末梢組織が保護されたままにすることができるように利用される。

    典型的な光ファイバーのシリカ部分は2つの領域、ファイバーの中心部を通るコアおよびコアを囲むクラッドから構成されることを思い出すことがまた重要である。 クラッドはコアとは異なる屈折率を有し、レーザー光がファイバーの中を伝達する間、反射させてコアに戻す鏡として作用する。 さらにより長いレージング時間およびより高いパワーは、上記ファイバーチップがますます熱誘導の損傷をこうむるので、レーザー光の前向きのパワー伝達を劇的に減少する。 360ミクロンファイバーが試験されたとき(3ワットCWの830nmダイオードレーザー、レーザーパワーメーター付き)、前向きパワー伝達の即時的30%の損失が、組織残骸からのファイバーの炭化を伴って観察されたことが見出された。 さらにパワー損失が、レージング時間が継続し、組織歯苔が蓄積するにつれて観察された。

    Willemsら、Lasers in Surgery and Medicine 28(4):324〜329(2001)は、ダイオードレーザーおよびNd:YAGレーザーを使用して、この現象をインビボで解明した。 従来のファイバーチップおよび被覆ファイバーチップをウサギの大脳組織において剥離効率について比較した。 従来のファイバーチップを用いた組織学および熱イメージングは、組織深くに有害な影響を実証した。 被覆ファイバーチップを使用した場合、彼等は、殆ど全てのレーザー光が、熱エネルギー(炭化されたチップとして)に変換され、直ちにチップ自体での剥離温度を産生したことを報告した。 さらに彼等は、剥離は比較的低いエネルギーおよびパワー(1秒間に1W)で表面構造にのみ限定された熱効果を伴って観察されたことを報告した。 レーザーのかなりの割合の1次放出が、チップにより吸収される場合、レーザー光の前向きパワー伝達が、減弱するので表面構造に対する熱効果の上記限度は、説明され得る。 結果として、上記光伝達の品質が損なわれる。 深部の組織を保護するために、彼等は、チップの遠位端を1次赤外光子の如何なる前向きの進行を完全に阻害するよう変更したが、本発明は発色団/熱受容体を、バイオフィルムの標的化および周辺組織の保護の両方に利用する。 上記ファイバーの伝達性の品質が上記チップへの損傷の結果として減少するので、上記チップから伝達されるエネルギーのエネルギー、焦点および均一性は影響を受けることも重要なことである。 チップからの前向きパワー伝達にまだ利用可能である1次エネルギーは組織浸透および光凝固にとって全く効率的ではない。 本発明者らは、これらの量子現実性を、バイオフィルム標的化技術と共に利用する新規なシステムを開発した。

    さらに、静脈内レーザー治療において、600μmファイバーを用いた静脈の内壁への熱的損傷を評価する研究(Proebstleら、Dermatol.Surg.28:596〜600(2002))は、ダイオードレーザーの3種の波長810nm、940nmおよび980nmの間で大きな差は検出されなかった。 血液と上記レーザー波長との相互作用は、全ての波長において直ちに光エネルギーを、例え新しい、未炭化のファイバーを使用しても、完全に熱に伝達した。 本質的に、Proebstleのデータが確認したことは、送達用チップの炭化が起こり(これらのレーザーで普遍的な事象と今や理解される)、そしてチップが、極端に高温発生および「ホットチップ」(全てのポケット内の歯周手順およびインプラント周辺手順)を生じるレーザーエネルギーを、好ましくは吸収する場合、近赤外800nm〜1100nmにおける如何なる微妙な波長差も実施される手順にとって、重要ではないことである。

    適当な流れ(約350mw以上)で近赤外レーザー用として(600nm〜1100nm)使用された光ファイバーチップは、口腔内組織および/または血液と接触するとほぼ直ちに熱誘導炭化を経験することが今や理解される。 上記炭化は熱的に引き起こされ、上記チップからの前向きパワー伝達能力の低下の原因になる。 というのは上記チップが、レーザーからの1次赤外光子を吸収し、発赤および白熱化するからである。 炭化の際に、このチップは、2次照射(紫外光、可視光および赤外光)の黒体エミッターとしていわれ得、透明で、未炭化で、非接触ファイバーで起こることと明確に異なる熱的相互作用および光生物学を有する。 それはもはや単色レーザーエネルギーの単一の1次エミッタ−ではない。

    全ての可視光および赤外光において、光子のエネルギーが発色団により吸収された後、標的分子内の力学的エネルギー(即ち熱)に変換される。 その伝達されたエネルギーは、損傷を生じ得る(例えば、過剰な線量測定)。 熱受容体は、「ホットチップ」黒体放射体から発生する2次量子放出を用いた近赤外レーザー歯周処置と共に理想的には調和することが分かった。 熱沈着は、組織においてレーザーからの光エネルギーの熱エネルギーへの局所的変換か、または歯周ポケットまたはインプラント周辺ポケット内の裸のまたは被覆していない光シリカ送達ファイバーのホットチップ(量子2次黒体放出)からの熱伝導に起因し得る。

    現在理解されているこれらの熱力学的現実性で、レーザーからの過剰なパワー出力、または歯科手術手順における過剰な時間は、患者および照射された組織に対して熱関連の有害な効果を誘導し得ることが容易に説明される。

    近赤外歯科用ダイオードレーザーを用いた安全かつ予測可能な歯周治療(そして細菌細胞死でのバイオフィルム凝固)を達成するために、操作員はヒト組織とのレーザー熱的相互作用により供給される非常に狭い治療窓であることを認識する必要がある。

    光熱分解(熱誘導死)および近赤外歯科用レーザーでの生きたバイオフィルム凝固を達成するために、顕著な温度上昇が、歯周ポケットの標的組織または組織領域において所定の量の時間の間に起こらなければならない。 短時間で、熟練した制御と送達のもとで、生きたバイオフィルム相の変化が起こるように、ねばねばしたタンパク質様のマトリックスから個体凝塊片変換を、達成しなければいけない周辺組織における温度の範囲は、60℃〜80℃である。 これは、近赤外歯科用レーザーが、健康な口腔内組織には過度の害を生じることなくバイオフィルム熱分解において有効でなければならない。

    上記チップが白熱し始めるとき(即ち「ホットチップ」になるとき)、それは最初赤く、次いでオレンジの可視光を放出し、それは黒体位置(図2)(600nm〜700nmの範囲)で覆われるC. I. E. 色度マップにより証明される。 この放出はメチレンブルーの吸収帯の中に正確に入る。 従って、それらで染色されたバイオフィルムは、上記ホットチップにより放出されたエネルギーを選択的に吸収する。

    本発明は、近位端と遠位端との間に伸びた光ファイバーを含む、歯周表面またはインプラント周辺表面上でのバイオフィルムおよび組織をインビボで処置するためのキットを提供する。 本発明に従って、上記近位端は、近赤外スペクトル範囲でそれに入射する光エネルギーを受け、その光ファイバーは受取った光エネルギーを、所定のスペクトル範囲で光エネルギーを放出する遠位端に伝達する。 本発明のキットにおける要素の用語および特定の特徴は、本発明の方法と関連して上に記載される通りである。 特定の実施形態では、所定のスペクトル範囲は、約600〜約700nmである。

    上記光ファイバーの上記遠位端は、シリカ、ジルコンガラスまたは「ホットチップ」を生成することができる他の適合材料(例えば溶融シリカ)で作製し得る。 各々の異なる手順および患者について、古い黒体チップは切開され、そのファイバーは新しい患者のためのファイバーを調製するために滅菌される。

    本発明のキットは、本発明の本明細書に記載される黒体放射体のスペクトルの範囲の中の吸収スペクトルを有する発色団色素を貯蔵する容器を、さらに含む。 特定の実施形態では、その容器は、歯周表面またインプラント周辺表面上のバイオフィルムおよび組織への発色団色素の選択的適用のためのアプリケーターアセンブリーを含む(例えば、小さいファイバーブラシ、またはシリンジのような、シリンジおよび0.1%MB溶液を含有する容器を例示する図5を参照のこと)。

    本発明のキットは、近赤外スペクトルの光エネルギーを発生する光エネルギー源および光ファイバーの近位端へ光エネルギーを結合させる関連結合アセンブリーをさらに含み得る。 特定の実施形態では、発生する光エネルギーはコヒーレントである。 他の実施形態では、上記光エネルギー源は、約830nmの波長を有するエネルギーを発生させる350〜1200mWで駆動するダイオードレーザーである。

    本発明のこの局面によるキットはまた、下で述べるように熱受容部分を含み得る。 従って、いくつかのキットはMBのような発色団色素を含む。 本発明の熱受容部分は、本発明の本明細書で記載される黒体放射体のスペクトル範囲の吸収スペクトルにより特徴づけられた発色団色素を貯蔵するのに適合する容器で提供され得る。 上記容器は、歯周表面またはインプラント周辺表面上でバイオフィルムの領域への発色団色素の選択的適用を果たすのに適合するアプリケーターアセンブリを、さらに含み得る。 上記発色団色素は、軽いホイルカバー付きの容器で、予め包装され得る。 いくつかの実施形態では、開業医は、処置される口腔内の領域に局所的な沈着のために、ブラシを押し、ホイルを破り、剛毛を色素(例えば、MB)で湿らせる。 これらの領域は、歯周ポケット、インプラント周辺部位、および/または本発明の処置を必要とする口腔内の任意の他の部位を含む。

    レーザーエネルギーは、接触または非接触様式において被覆していないおよび切開している遠位端を有し、直径が200μm〜1000μmの市販の外科用ファイバーを通じて送達され得る(図3A)。 レーザーエネルギーは、固体状態の連続発振もしくはパルス発振歯科用ダイオードレーザーまたはNd:YAGレーザーで、800nm〜1064nmの範囲で送達されホットチップの2次放出黒体反応およびMBの吸収ピークを利用する。 レーザーエネルギーは、2〜3秒間より長く決して静止して留まらないよう移動パターンで、1領域あたり1〜120秒送達される。 円錐状のチップファイバーの遠位端においてレーザーからのエネルギー産生は、200mW以上で4000mW以下である。

    レーザー出力パワー(W)およびビーム面積(cm )は、透明で切開されているファイバーで知られる場合、有効な処置の残りのパラメータは、正確な用量測定および有効で安全な処置のためのエネルギーの口腔内組織への送達を可能にするように計算され得る。 しかしながら、歯周ポケットにおいて、上記ファイバーチップが直ちに白熱黒体放射体になるように、正常なパワーの等式が新しい量子機序の現実性を反映しない。 2次黒体放出の発生でさえも、レーザーの出力パワーは変化せず、単にレーザーの所定の波長で放出される光子の数を言及する。

    上記ファイバーが組織に接触する前に、レーザーのパワー密度は、処置照射領域におけるレーザー光子の潜在的熱効果の尺度となる。 パワー密度は、レーザー出力パワーとビーム面積(再び、透明で切開されたファイバー)の関数であり、以下の等式で計算される:
    (1)パワー密度=(W/cm )= レーザー出力パワー
    ビーム面積(Diameter)(cm
    従って、口腔内組織に、歯科用近赤外レーザー(透明なチップが上記組織に接触する前に)により送達される全光子エネルギーは、ジュールで測定され、以下のように計算される。

    (2)全エネルギー(ジュール)=レーザー出力パワー(W)×時間(秒)
    1度、上記チップがバイオフィルムまたは組織に接触し、白熱黒体放射体になれば、ほぼ70+%のレーザーの出力パワーが局部的な熱に変換され、もはや重要な単色光を放出しない(即ち、炭化チップはそれを吸収するため)し、そして全ての方向において連続的に分布している(連続スペクトル)波長の光を今や産生する。 従って、「パワー密度」等式に利用可能な「スポットサイズ」は存在しない。 この理由により、全エネルギー等式(2)が使用される。

    いくつかの応用では、白熱光(染色されたバイオフィルムの吸収帯に入る)が放出される、例えば狭い遠位チップ単独以外の光ファイバーの領域から放出される白熱放射を生じることにより、有効な表面を広くまたは増加することは望ましいことである。 このように、白熱光の増加した量は、染色されたバイオフィルムにより吸収されるよう、より速い速度で、それにより、より効果的に処置される組織において染色されたバイオフィルムの望ましい熱分解を伴い、利用可能であり得る。

    いくつかの実施形態では、白熱光が放出される有効な表面領域における増加は、少なくともある光を染色されたバイオフィルムまたは他の標的組織に向かって光ファイバーの側面壁の中を通って遠位端から(近位端に向かって)伝播させることにより達成される。 上で説明されるように、炭化された光ファイバーチップから生成される白熱放射(または2次量子放出)の全てが標的化組織(例えば、メチレンブルーで染色されたバイオフィルム)に伝達されるわけではない。 むしろ上記ファイバーの白熱化した炭化チップから生成される白熱放射のいくらかがファイバーの光コアを通って光ファイバーの遠位端から近位端へ向かって「逆向き」に伝播する。 いくつかの実施形態では、この後ろ向き伝播する白熱放射は、下で記載されるように標的組織に向けられ得る。

    図7で示される実施形態では、白熱光が放出される有効な表面積は、光ファイバーの遠位端の形状を、後ろ向きに伝播する白熱放射の少なくともいくらかが、変換され光ファイバーの側面壁の中を通って伝達されることにより標的組織に方向転換され、再指向され得るように改変することにより増加させられる。 具体的に、光ファイバーの遠位端の少なくとも一部分の側面壁の表面形状が、例えばエッチング、粗面化、つや消しまたは当該分野で周知の他の方法により改変され、少なくとも後ろ向きに伝播する放射の少なくともいくらかが光ファイバーのコア30とクラッド35の間の境界で全部内部反射を受けずに、むしろ側面壁の中を通って軸から外れた標的組織へ向かって伝達される。 そのように伝達された光が十分なエネルギー密度を有する場合、側壁は、遠位端と同様に炭化される。 再び、十分なエネルギー密度において、炭化側面表面は白熱放射を生成し、それは染色されたバイオフィルムと相互作用し、バイオフィルムの熱分解を達成する。

    図7は、上で記載された様式で改変された光ファイバーの遠位端の一部の側面壁表面の誇張された鋸歯状の形状を示す。 図7は、縮尺で製図するように描かれたものではなく光ファイバー側面壁のエッチングされた、または他の方法で改変された表面形状の例示的な概要的な絵であり、上で説明された原理の図解である。

    周知のように、光ファイバーは、光ファイバーの一端から他端へ光を導くよう設計され、光ファイバーのコアとクラッドとの境界で全内部反射を受け、光が光ファイバーコアをファイバーの一端から他端へ導かれるようになる。 光ファイバーコアと光ファイバーとの屈折率の差は(代表的には、円筒形の)光ファイバーの滑らかな未改変の表面形状について、コアを移動する光がクラッドガラスから反射しコア内に留まり、そのファイバーのコアが伝達光の導波路として作用するようになるものである。

    図7で見られるように、一つの実施形態では、遠位端の一部分の側面壁の滑らかな表面は、その表面がもはや滑らかではなく、ぎざぎざまたは鋸歯状であるように、改変されまたはエッチングされる。 特に、光ファイバー壁の表面のエッチングまたは鋸歯状は、後ろ向き伝播光が境界に入射される入射が、臨界角より大きくなく、それにより全内部反射を受けた後方散乱光を抑制する。 このようにして、光ファイバー壁表面の改変またはエッチングされていない状態で、クラッドに当たって跳ね返ってきて、光ファイバーの近位端に向かって逆向き伝播するようにコア内で留まっている後ろ向き伝播白熱光は、もはやコア−クラッド境界面で全内部反射を受けない。 むしろ、コア−クラッド境界面に入射した後ろ向き伝播光は、屈折し、境界面に入射した後方散乱照射の少なくとも一部分は、光ファイバー壁を形成するクラッドガラスを通して伝達され染色されたフィルムに指向される。

    (実施例)
    本発明を例示するのに使用されるレーザーは、パワー出力が800mW〜1200mWの間で連続発振の駆動様式で、600μmのシリカレーザー送達ファイバーを用いた830nmのダイオードレーザーであった。 生きたヒト患者(インビボ)は全て歯周疾患もしくはインプラント周辺疾患および/または能動的な感染の、ある進行状態を示した。 以下に代表的な2人の患者のデータを紹介する。 注目すべきは、過去24ヶ月の間に50の患者に、上記手順が実施された。 この期間に、発色団メチレンブルーおよびトルイジンブルーの両方が使用され、特に歯周ポケットおよび歯周感染ならびにインプラント周辺ポケットおよびインプラント周辺感染に置いて所定のパラメータで本発明を使用したときに奏効した結果が、得られた。

    以下の実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態をさらに例示するよう意図されており、本質的に限定するものではない。 当業者は、慣用的にすぎない実験、本明細書に記載される特定の物質および手順と等価物を使用して認識し、または確認することができる。 本発明の具体的な実施形態が、これ以降に詳細に言及される。 本発明が、これらの具体的な実施形態と共に記載されるが、本発明をその具体的な実施形態に限定するように意図されたものではないことが理解される。 反対に、添付の特許請求の範囲に規定される代替物、改変物および等価物は本発明の趣旨および範囲内に入るよう意図される。 この記載において多くの具体的な詳細が、本発明の完全な理解を提供するために示される。 本発明は、これらの具体的な詳細のいくらかまたは全て無しで実施され得る。 他の例としては、周知のプロセス操作は、本発明を不必要に不明瞭にしないように詳細に記載されていない。

    (実施例1)
    (難治性の10mm歯周ポケットの処置)
    通常の歯のクリーニングとスケーリングの後、上顎犬歯(歯6番)の顔面上の難治性10mmの歯周ポケットを有する健常な24歳を紹介する。 侵襲性を最小にした手順で、その患者をキシロカインで麻酔し、歯周ポケットに、ポケットの容量に容易にはまる小さな剛毛のあるブラシを経由して0.1%MB溶液を注入した。 上記MB溶液を約2分間空気中に放置して、次いで水の表面洗浄を適用した。

    830nm歯科用ダイオードレーザー(Lumenis Technologies、Yokneam、Israelにより販売されている)に接続した600nmシリカファイバーを、その後1000mWで活性化し、そのファイバーを歯周ポケットにおくとそれは直ちにバイオフィルム、組織および血液生成物と接触する。 そのファイバーのチップは、直ちに炭化されそして白熱した。 上記ファイバー(その炭化チップから発する2次量子放出で)を、次いで早い移動で、1度で1秒間以上一方向領域に決して留まることなく、30〜45秒間の期間で、歯周ポケットの3次元領域を動かしまわした。 上記領域を、その後、伝統的なgracey歯周スケーラー(Hu−Friedy Chicago、ILにより販売されている)でスケーリングし、次いで大量の水で洗浄した。 患者に、抗生物質は与えずに、患者の椅子の脇で与えられる鎮痛剤であるイブプロフェン600mg(Wyeth、Madison、NJにより販売されている)を投与して、家に帰した。

    結果:術後8日目に、歯周ポケットは、歯周プローブから加圧下で「白くされる」存在する組織アタッチメントで完全に閉じられた。 この領域は、以前ポケット領域であった周辺で、ピンクでかつ健康的な歯肉を呈した。 6週間目およびそれから4ヶ月間その領域は、3mmのところ(歯周および歯肉の健康)でプローブするのみであり、患者は定期的に6ヵ月毎に召還された。

    (実施例2)
    (感染インプラント周辺組織の処置)
    感染チタンインプラントおよび感染物を排泄するフィステルを有する不安定型糖尿病を紹介する。 X線写真で8mmの骨損失およびインプラントの真中半分のあたりに全般的な放射線透過性を細部にわたって示した。 3種の異なる抗生物質療法は感染患者の治癒に失敗した。 その領域を従来の台形型の弁で外科的に開け、感染およびバイオフィルムの影響を受けた領域を0.1%MB溶液(Vista Dental Products、Racine、WIにより販売されている)に約2分間浸漬した。 その領域を、次いで大量の水で洗浄し上記標的化バイオフィルムを後において過剰の染色を洗い落とした。 830nm歯科用ダイオードレーザーに接続した600nmのシリカファイバーを1200mWで活性化し、そのファイバーをバイオフィルムおよび血液生成物に接触させ、直ちに炭化した。 そのファイバーを、炭化チップから発する2次量子放出で、その領域またはインプラント(1/2mm以内)の近傍で、1度に2秒間以上一方向に留まることが決してないように60〜90秒間、動かし回した。 その領域を、その後プラスチック製インプラントスケーラーでスケーリングし、大量の水で洗浄し、縫合して閉じた。 上記患者に500mgのアモキシリン(Ranbaxy Phamaceuticals、Jacksonville、FLで販売されている)を5日間療法として与えた。

    結果:術後3週間で、上記領域は、その領域周辺のピンクおよび健康な歯肉を有し、完全に感染が無くなった。 4ヶ月目で、金橋に固定された陶材をインプラントにセメント合着した。 9ヶ月で、その領域は、まだ感染していなかった。

    本発明の性質および目的の完全な理解のために、明細書に言及されるが、それは添付の図面と共に考慮されるべきものである:

    図1は、異なる温度における黒体放射体のスペクトル放射発散度を示すグラフである。 縦軸(y軸)には、種々の光学密度が示され、横軸(x軸)には、種々の波長が示される。

    図2は、本発明の代表的な発色団色素:メチレンブルーの色度マップを示す図である。

    図3Aは、本発明による黒体反応前の透明の切開された光ファイバーを示す図である。

    図3Bは、本発明による炭化レーザー送達ファイバーから発生する2次光エネルギーおよび熱エネルギーを示す図である。

    図4は、処置される組織(即ち歯周ポケット)と接触する白熱黒体放射体(本発明のホットチップ)に今や変換された光ファイバーを示す図である。

    図5は、シリンジによりメチレンブルーを歯周ポケットまたはインプラント周辺ポケットに送達する、送達システムの例としてのシリンジを示す図である。

    図6は、白熱として識別可能な本発明の「ホットチップ」に変換された光ファイバーを示す写真である。

    図7は、本発明の1つの実施形態に従って特別に適合した光ファイバーチップを示す図であって、光ファイバーのエッチングされたファイバー壁および遠位端を示す。

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