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Cleaning sheet and manufacturing method thereof for a printing press cylinder

申请号 JP2001101792 申请日 2001-03-30 公开(公告)号 JP3553025B2 公开(公告)日 2004-08-11
申请人 株式会社加貫ローラ製作所; 阿波製紙株式会社; 发明人 義紹 濱; 田中  誠; 忠男 茂原; 俊明 酒井;
摘要
权利要求
  • 湿式抄紙法で繊維を立体的に集合して製造されてなる印刷機シリンダ用の洗浄シートであって、
    洗浄シートを構成している繊維はバインダー繊維として熱融着繊維を含み、かつ、バインダー繊維である熱融着繊維を融着する温度でクレープして表面に無数の凹凸を設けてなる印刷機シリンダの洗浄シート。
  • 洗浄シートがウォータージェットで繊維を絡ませてなる請求項1に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シート。
  • ウォータージェットによる凹凸の方向と、クレープによる凹凸の方向とが互いに交差する方向とする請求項2に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シート。
  • バインダー繊維である熱融着繊維の配合率が5〜50重量%である請求項1に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シート。
  • バインダー繊維である熱融着繊維がポリオレフィン繊維とPVAバインダー繊維のいずれか又は両方でである請求項1に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シート。
  • 湿式抄紙法で繊維を立体的に集合して印刷機シリンダ用の洗浄シートを製造する方法であって、
    洗浄シートを構成する繊維にバインダー繊維として熱融着繊維を添加すると共に、バインダー繊維である熱融着繊維を融着する温度で洗浄シートをクレープして表面に無数の凹凸を設ける印刷機シリンダ用の洗浄シートの製造方法。
  • 円筒ドライヤーの入口側でクレープする請求項6に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シートの製造方法。
  • 円筒ドライヤーの出口側でクレープする請求項6に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シートの製造方法。
  • ウォータージェットで繊維を絡ませてなる洗浄シートをクレープする請求項6に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シートの製造方法。
  • ウォータージェットによる凹凸の方向と、クレープによる凹凸の方向とが互いに交差する方向とする請求項9に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シートの製造方法。
  • 熱融着繊維の配合率を5〜50重量%とする請求項6に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シートの製造方法。
  • 傾斜金網抄紙機又は円網サクションフォーマを使用して湿式抄紙法で洗浄シートを製造する 請求項6に記載される印刷機シリンダ用の洗浄シートの製造方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、オフセット印刷機のブランケット胴、圧胴などのシリンダを洗浄する洗浄シートに関するものであり、とくに、洗浄時に洗浄シートから脱落する繊維を大幅に減少させながら、インキ及び紙粉等の拭き取り性を向上させた洗浄シートとその製造法に関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    オフセット印刷機は、とインキとの本質的な反発を応用した印刷方式である。 この印刷機は、印刷工程において、刷版で形成された画線を一旦ブランケットに転移させ、圧胴により、加圧しながら印刷用紙に転移させるものである。 その際、ブランケット及び圧胴等のシリンダ周面には印刷作業においてインキカスや紙粉及びコーンスターチ等を主成分とする裏付き防止剤などの異物が付着推積して、印刷物の品質を徐々に低下させる。 最近の印刷機には、これらの異物を除去するための自動洗浄装置を備えたものが多い。 洗浄装置は、ブラシローラ、あるいはゴムローラで掻き落とすもの、また、最も一般的なものとしては、不織布製の洗浄ウェブで拭き取るものなどがある。
    【0003】
    シリンダの洗浄は、不織布素材の洗浄ウェブを使用して拭き取るタイプが圧倒的に多く用いられる。 この用途の不織布として、乾式パルプ不織布、メルトブロン不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布がある。 特にオフセット印刷機シリンダの自動洗浄には、木材パルプ、ポリエステル、レーヨン等の繊維をウォータージェットで絡ませて製造しているスパンレース不織布が多く使用される。 この不織布は、布に似た外観や感触、さらには強度、吸液性に優れ、また、低コストであることなど数多くの長所を有し、シリンダ洗浄シートに好んで利用されている。
    【0004】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら、印刷機が高速度化されるにつれ、高効率化、つまり、段取り時間のさらなる短縮化が大きく望まれているのが現状である。 スパンレース不織布は、比較的なめらかな表面性を有しているため、洗浄時のブランケットシリンダとの摩擦が小さく、かき取り能力が不十分であるためにシリンダ洗浄には多くの時間を必要とし、段取り時間の短縮を難しくする原因となっている。
    【0005】
    また、スパンレース不織布である洗浄シートは、その繊維組成および製法上、洗浄時に不織布から脱落する繊維くずが多く発生する欠点がある。 この繊維くずは、洗浄後にブランケット表面に残ったり、あるいはブランケット尻部に推積して印刷に悪影響を与える。 ブランケット表面や尻部に付着した繊維くずは、洗浄後の印刷品質に悪影響を与えるため、印刷業者が手洗いによって除去しなくてはならない。 このため、この作業に著しく手間がかかる問題が発生する。 さにら、自動化を取り入れた現在の印刷作業においては、手洗い作業が頻雑になるばかりでなく、回転体に直接またはウエスを介して手を触れることになるため、巻き込まれ、挟まれなどの可能性が高く非常に危険な作業と認識されている。
    【0006】
    また、スパンレース不織布からなる洗浄シートは、湿式抄紙法で連続的に製作されるシートに、ウォータージェットで高圧水を多数のノズルから噴射して製造されるので、繊維がシートの移送方向に並び易く、またウォータージェットによって移送方向に伸びる多数の凹部ができる。 この構造のスパンレース不織布である洗浄シートは、スプレーバーから噴射される洗浄液の浸透に方向性を有し、洗浄シートの移送方向に沿って浸透するため、幅方向つまり、移送に対する垂直方向(以下幅方向とする)に濡れが広がり難い性質がある。 また、ウォータージェットによって縦方向に伸びる凹部が平行にできる。 この形状の洗浄シートは、移送方向に連続する凹部によって、接触状態が不均一になり、むらなく洗浄するのを難しくする。
    【0007】
    幅方向への濡れの広がりが悪い洗浄シートは、少ない噴射液を幅方向に一様に広がらせることができず、ブランケット胴表面への液供給に偏りが生じる。 その結果、洗浄性に不具合を生じさせる弊害が発生する。 この弊害を避けるために、液量を多くすると、幅方向への濡れ広がりは問題なく行われるが、ブランケットに対する液量供給そのものが過剰となり、インキの拭き取り性への悪影響、及び過剰な洗浄液あるいは溶解したインキを含んだ洗浄液がブランケット表面から垂れ落ちたり、刷版にまで回り込むケースがある。
    【0008】
    洗浄液が刷版まで回り込んだ場合、印刷開始時に刷版に対して接する給水着けローラあるいはインキ着けローラを介し、ローラ群全体にまで広がる。 洗浄剤を含んだインキは設定印刷濃度を低下させ、また本来親水性を維持しなければならない給水ローラにあっては親油成分である洗浄液により、ローラ表面の親水性が損なわれ最適な給水性能が維持できなくなるほど多大な悪影響を及ぼすことになる。
    【0009】
    本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。 本発明の重要な目的は、繊維くずの発生を少なくすると共に、洗浄液の幅方向の広がりをスムーズにし、しかも、無数の凹部面でもって印刷機シリンダーを均一に綺麗に洗浄できる洗浄シートとその製造方法を提供することにある。
    【0010】
    【課題を解決するための手段】
    本発明の印刷機シリンダ用の洗浄シートは、湿式抄紙法で繊維を立体的に集合して製造される。 この洗浄シートは、バインダー繊維として熱融着繊維を含み、かつ、バインダー繊維である熱融着繊維を融着する温度でクレープして表面に無数の凹凸を設けている。
    【0011】
    さらに、洗浄シートは、好ましくはウォータージェットで繊維を絡ませて製作される。 ウォータージェットによる凹凸の方向と、クレープによる凹凸の方向とは、好ましくは互いに交差する方向とする。 バインダー繊維である熱融着繊維の配合率は5〜50重量%とする。 熱融着繊維の添加量が少なすぎると、繊維くずの発生が多くなる。 反対に熱融着繊維の添加量が多すぎると、洗浄液の保液性が低下すると共に、洗浄能力も低下する。 バインダー繊維である熱融着繊維には、好ましくは、ポリオレフィン繊維を使用する。
    【0012】
    本発明の製造方法は、湿式抄紙法で繊維を立体的に集合して、印刷機シリンダ用の洗浄シートを製造する。 この方法は、洗浄シートを構成する繊維にバインダー繊維として熱融着繊維を添加する。 さらに、バインダー繊維である熱融着繊維を融着する温度で、洗浄シートをクレープして表面に無数の凹凸を設ける。
    【0013】
    洗浄シートは、円筒ドライヤーの入口側でクレープすることができ、また、円筒ドライヤーの出口側でクレープすることもできる。 さらに、洗浄シートは、好ましくは、ウォータージェットで繊維を絡ませて製作される。 ウォータージェットによる凹凸の方向は、好ましくは、クレープによる凹凸の方向と互いに交差する方向とする。
    【0014】
    さらに、本発明の洗浄シートの製造方法は、好ましくは、傾斜金網抄紙機又は円網サクションフォーマを使用して湿式抄紙法で洗浄シートを製造する。
    【0015】
    【発明の実施の形態】
    以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための洗浄シートとその製造方法を例示するものであって、本発明は洗浄シートとその製造方法を下記のものに特定しない。
    【0016】
    さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。 ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
    【0017】
    本発明の印刷機シリンダ用の洗浄シートは、バインダー繊維として熱融着繊維を5〜50重量%配合した混合物を、熱融着繊維を融着する温度で横方向にクレープを施している。 バインダー繊維である熱融着繊維は、配合率を5〜40重量%とすると、洗浄シートの保液性を最適な状態にすることができる。 この洗浄シートは、ブランケットシリンダを洗浄する時に、クレープした形状でもって、良好な拭き取りができる。 また、湿式抄紙法で製作されたシートを、加熱状態でクレープしている洗浄シートは、バインダー繊維である熱融着繊維で繊維の交点を融着しながらシートを凹凸にクレープしているので、繊維くずの発生を低減できる。 また、幅方向に延長されるクレープの凹凸によって、洗浄液を幅方向へも広げることができる。 このため、洗浄シートの全体を均一に濡れさせることができ、また、保液量も必要充分であるため、従来の洗浄シートに問題となっていた洗浄性に関する不具合を解消するものである。
    【0018】
    以下に実施例により、本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に特定しない。 試作し実施例の物性は次のようにして求めた。 また、本明細書において、%は特に断らない限り、重量%を意味する。
    坪 量:JIS P 8124に従って測定した。
    厚 さ:JIS P 8118に従って測定した。
    引張強度:JIS P 8113に従って測定した。
    湿潤引張強度:JIS P 8115に従って測定した。
    吸 水 度:JIS P 8141に従って測定した。
    含 水 率:これは独自の測定であるため、下記のように測定した。
    10cm×20cmの絶乾した試片を水に6〜10秒浸漬後、吸水性のあるシートで軽く拭き取り、次の計算式で求めた。
    含水率(%)=[(B−A)÷A]×100
    A:浸漬前の重量(g)
    B:浸漬後の重量(g)
    表面強度:TAPPI T 459に従って測定した。
    縦横比:上記で測定した引張強度の縦横の測定値より算出した。
    この時、横の引張強度の比を1とする。
    縦横比=縦引張強度÷横引張強度:1(横引張強度比)
    【0019】
    [実施例1]
    下記の▲1▼〜▲4▼の繊維を混合し、混合した繊維に湿潤紙力増強剤と定着剤を添加してパルプスラリーとし、このパルプスラリーを湿式抄紙法でもって洗浄シートを製作する。 湿潤紙力増強剤には、ポリアミドエピクロルヒドリンを使用する。 湿潤紙力増強剤の添加量は繊維重量の2%とする。 定着剤には硫酸アルミニウムを使用する。 定着剤の添加添加量は繊維重量の1%とする。
    ▲1▼ バインダー繊維5%
    この繊維は繊度1.1デシテックス、繊維長3mmのPVAバインダー繊維▲2▼ ポリエステル繊維10%
    この繊維は繊度1.5デシテックス、繊維長5mm
    ▲3▼ 麻パルプ20%
    ▲4▼ 針葉樹晒しクラフトパルプ65%
    【0020】
    以上の繊維を配合して、最終濃度0.07%のスラリーを傾斜金網抄紙機で抄造する。 抄造中において、金網の上を通過する湿紙にウォータージェットで繊維を絡ませた後、円筒ドライヤーであるヤンキ−ドライヤーの入口側のウェットパートで横方向のクレープを施す。 ヤンキ−ドライヤーは表面温度を100℃に設定する。
    【0021】
    [実施例2]
    下記の▲1▼〜▲4▼の繊維を混合し、混合した繊維に湿潤紙力増強剤と定着剤を添加してパルプスラリーとし、このパルプスラリーを湿式抄紙法でもって洗浄シートを製作する。 湿潤紙力増強剤には、メラミン樹脂を使用する。 湿潤紙力増強剤の添加量は繊維重量の2%とする。 定着剤には硫酸アルミニウムを使用する。 定着剤の添加添加量は繊維重量の1%とする。
    ▲1▼ バインダー繊維5%
    この繊維は、繊度1.1デシテックス、繊維長3mmのPVAバインダー繊維である。
    ▲2▼ レーヨン繊維10%
    この繊維の繊度は0.8デシテックス、繊維長は7mm
    ▲3▼ 麻パルプ20%
    ▲4▼ 針葉樹晒しクラフトパルプ65%
    【0022】
    以上の繊維を配合して、最終濃度0.07%のスラリーを傾斜金網抄紙機で抄造する。 抄造中において、金網の上を通過する湿紙にウォータージェットで繊維を絡ませた後、円筒ドライヤーであるヤンキ−ドライヤーの入口側のウェットパートで横方向のクレープを施す。 ヤンキ−ドライヤーは表面温度を100℃に設定する。
    【0023】
    [実施例3]
    下記の▲1▼〜 ▲3▼の繊維を混合し、混合した繊維を水に分散してパルプスラリーとし、このパルプスラリーを湿式抄紙法でもって洗浄シートを製作する。
    ▲1▼ バインダー繊維1を25%
    この繊維は、繊度2.2デシテックス、繊維 10mmで、芯をポリプロピレン、鞘をポリエチレンとするポリオレフィン繊維▲2▼ バインダー繊維2を5%
    この繊維は、繊度1.1デシテックス、繊維長3mmとするPVAバインダー繊維▲3▼ 針葉樹晒しクラフトパルプを70%
    【0024】
    以上の繊維を配合して、最終濃度0.07%のスラリーを傾斜金網抄紙機で抄造する。 抄造中において、金網の上を通過する湿紙にウォータージェットで繊維を絡ませた後、円筒ドライヤーであるヤンキ−ドライヤーの入口側のウェットパートで横方向のクレープを施す。 ヤンキ−ドライヤーは表面温度を135℃に設定する。
    【0025】
    [実施例4]
    下記の▲1▼〜 ▲3▼の繊維を混合し、混合した繊維に湿潤紙力増強剤と定着剤を添加してパルプスラリーとし、このパルプスラリーを湿式抄紙法でもって洗浄シートを製作する。 湿潤紙力増強剤には、ポリアミドエピクロルヒドリンを使用する。 湿潤紙力増強剤の添加量は繊維重量の1%とする。 定着剤には硫酸アルミニウムを使用する。 定着剤の添加添加量は繊維重量の1%とする。
    ▲1▼ バインダー繊維1を35%
    この繊維は、繊度2.2デシテックス、繊維 10mmで、芯をポリプロピレン、鞘をポリエチレンとするポリオレフィン繊維▲2▼ バインダー繊維2を5%
    この繊維は、繊度1.1デシテックス、繊維長3mmとするPVAバインダー繊維▲3▼ 針葉樹晒しクラフトパルプ60%
    【0026】
    以上の繊維を配合して、最終濃度0.07%のスラリーを傾斜金網抄紙機で抄造する。 抄造中において、金網の上を通過する湿紙にウォータージェットで繊維を絡ませた後、円筒ドライヤーであるヤンキ−ドライヤーの出口側のドライヤーパートで横方向のクレープを施す。 ヤンキ−ドライヤーは表面温度を130℃に設定する。
    【0027】
    [実施例5]
    下記の▲1▼〜▲4▼の繊維を混合し、混合した繊維を原料として湿式抄紙法で洗浄シートを製作する。
    ▲1▼ バインダー繊維1を35%
    この繊維は繊度2.2デシテックス、繊維 10mmで、芯をポリプロピレン、鞘をポリエチレンとするポリオレフィン繊維▲2▼ バインダー繊維2を5%
    この繊維は繊度1.1デシテックス、繊維長3mmとするPVAバインダー繊維▲3▼ 麻パルプ10%
    ▲4▼ 針葉樹晒しクラフトパルプ50%
    【0028】
    以上の繊維を配合して、最終濃度0.07%のスラリーを傾斜金網抄紙機で抄造する。 抄造中において、金網の上を通過する湿紙にウォータージェットで繊維を絡ませた後、円筒ドライヤーであるヤンキ−ドライヤーの出口側のドライヤーパートで横方向のクレープを施す。 ヤンキ−ドライヤーは表面温度を130℃に設定する。
    【0029】
    [実施例6]
    下記の▲1▼〜▲3▼の繊維を混合し、混合した繊維に湿潤紙力増強剤と定着剤を添加してパルプスラリーとし、このパルプスラリーを湿式抄紙法でもって洗浄シートを製作する。 湿潤紙力増強剤には、メラミン樹脂を使用する。 湿潤紙力増強剤の添加量は繊維重量の1%とする。 定着剤には硫酸アルミニウムを使用する。 定着剤の添加添加量は繊維重量の1%とする。
    ▲1▼ バインダー繊維1を30%
    この繊維は、繊度1.7デシテックス、繊維長1 0mmで、芯をポリプロピレン、鞘をポリエチレンとするポリオレフィン繊維▲2▼ バインダー繊維2を5%
    この繊維の繊度は1.1デシテックス、繊維長は3mmとするPVAバインダー繊維▲3▼ 針葉樹晒しクラフトパルプを65%
    【0030】
    以上の繊維を配合して、最終濃度0.07%のスラリーを傾斜金網抄紙機で抄造する。 抄造中において、金網の上を通過する湿紙にウォータージェットで繊維を絡ませた後、円筒ドライヤーであるヤンキ−ドライヤーの出口側のドライヤーパートで横方向のクレープを施す。 ヤンキ−ドライヤーは表面温度を132℃に設定する。
    【0031】
    以上の実施例1〜6で製造された洗浄シートは、シートの移送方向にウォータージェットの凹部が延長され、クレープによる凹凸は幅方向に延長される。 したがって、ウォータージェットの凹凸とクレープの凹凸は、互いに直交する方向となる。 ウォータージェットは移送方向に対して傾斜して設けることもできるので、この方法で製造された洗浄シートは、ウォータージェットの凹凸とクレープの凹凸とが傾斜する方向で交差する。
    【0032】
    表1に上記の実施例においての目標物性を示す。
    また、実施例で得られた洗浄シートの物性と、従来品のスパンレース不織布製の洗浄シートの物性を表2と表4に示し、表3と表5に洗浄シートの評価を示す。
    【0033】
    【表1】

    【0034】


    【表2】


    【0035】


    【表3】


    【0036】


    【表4】


    【0037】


    【表5】


    【0038】


    実施例1と2の洗浄シートは、湿潤強度及び表面強度が強く、洗浄時のシート破断がなく、繊維くずの発生が少なかった。 実施例3の洗浄シートは湿潤強度が適正であるため、洗浄時のシート破断はなく、インキ等の掻き取り性は向上していた。


    実施例4、5、6の洗浄シートは表面強度が強く、このため繊維くずの発生状態含め、すべての特性が適正であり、洗浄シートとして実用可能である。


    【0039】


    従来品のスパンレース不織布は表面強度が弱く、このため、繊維くずが多く発生し、作業性が著しく悪い結果を示した。


    【0040】


    実施例1〜2の洗浄シートは、ヤンキ−ドライヤーの入口側のウェットパートで繊維の交点を融着し、さらに、実施例3〜4の洗浄シートは、ヤンキ−ドライヤーの入口側または出口側において、バインダー繊維であるポリオレフィン繊維を融着させているため、保液時にクレープの形状を崩すことなく保持し、かつ繊維くずの発生が少なく、安定した洗浄性が得られることが判明した。 特に実施例4〜6で得た印刷機シリンダ用洗浄シートはクレープの保形性が極めてよく、拭き取り性の高い印刷機シリンダ用洗浄シートが得られることが判った。


    【0041】


    実施例1〜6の洗浄シートは、傾斜金網抄紙機を使用して製造されるので、繊維の方向が縦横に均一に分散する。 このため、洗浄シートの縦横比が、横1に対し、縦が1.6〜2.1と接近する。 このことは、従来のスパンレース不織布の欠点であった、洗浄液の横の広がり難さを解消することに効果がある。 したがって、傾斜金網抄紙機で製作された本発明の洗浄シートは、洗浄液を均一に分散して拡散できる特長がある。 洗浄シートは、円網サクションフォーマを使用して湿式抄紙法で洗浄シートを製造することもできる。 円網サクションフォーマも繊維を縦横に均一に並べてなる洗浄シートを製造できる。 したがって、この方法で製造された洗浄シートも、洗浄液を幅方向に速やかに拡散できる特長がある。


    【0042】


    【発明の効果】


    本発明は、バインダー繊維として熱融着繊維を混合し、この熱融着繊維を融着する温度に加熱してクレープを施すので、洗浄液が供給されて濡れる状態においてもクレープの形状が崩れることがなく、安定して優れた洗浄効果を実現し、さらに、繊維くずが極めて少なくなる特長がある。 さらに、本発明は、バインダー繊維である熱融着繊維を融着する温度としてクレープさせるので、紙質の強度が向上して洗浄シートに適度なコシを与え、すなわち適度な剛性を与えることができる。 このことは、優れた洗浄効果を実現することに加えて、洗浄シートの取り替え作業を簡単にできる特長も実現する。


    【0043】


    さらに、バインダー繊維である熱融着繊維を融着してクレープし、クレープによって幅方向に延長する凹凸を設けているので、繊維配向の縦横比を接近させると共に、洗浄液の幅方向への濡れ広がり特性を改善する。 このため、洗浄液を洗浄シートの全体に均一に拡散することができ、洗浄液の拡散方向が縦方向に特定されない。 本発明の以上の優れた特性は、従来の洗浄シートで問題となっていた数々の洗浄性に関する不具合を解消する。 以上説明した通り、本発明は近年の高速度化された印刷機における高効率化、つまり、さらなる段取り時間の短縮化に大きく寄与するものである。

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