ディスプレイ付き複層ガラス、ショーケース用ガラスドア及びショーケース

申请号 JP2015515844 申请日 2014-04-25 公开(公告)号 JPWO2014181712A1 公开(公告)日 2017-02-23
申请人 旭硝子株式会社; 发明人 龍弥 白河; 宏嘉 末木; 浩和 椿; 聡 新山; 建郎 馬場;
摘要 【課題】透明ディスプレイの表示画像及び透明ディスプレイ背後の視認性に優れ、薄型化されたディスプレイ付き複層ガラスを提供すること。【解決手段】周縁に設けられるスペーサを挟んで重ねられる複数のガラス板と、前記複数のガラス板の間に形成される中空層と、を備えた複層ガラスと、前記複数のガラス板のうち少なくとも1枚のガラス板の前記中空層に面した面に設けられる透明ディスプレイと、を有し、前記複層ガラスは、熱貫流率が0.8〜2.0W/(m2・K)であり、前記透明ディスプレイは、可視光透過率が15〜40%であるディスプレイ付き複層ガラス。
权利要求

周縁に設けられるスペーサを挟んで重ねられる複数のガラス板と、前記複数のガラス板の間に形成される中空層と、を備えた複層ガラスと、 前記複数のガラス板のうち少なくとも1枚のガラス板の前記中空層に面した面に設けられる透明ディスプレイと、を有し、 前記複層ガラスは、熱貫流率が0.8〜2.0W/(m2・K)であり、 前記透明ディスプレイは、可視光透過率が15〜40%である ことを特徴とするディスプレイ付き複層ガラス。前記透明ディスプレイは、前記複数のガラス板のうち視認者側ガラス板の前記中空層側の面に、表示面が接着剤を介して配される ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ付き複層ガラス。前記接着剤は、25℃におけるせん断弾性率が、103Pa〜107Paである ことを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ付き複層ガラス。前記透明ディスプレイは、前記ガラス板の略全面を覆う大きさを有する ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のディスプレイ付き複層ガラス。前記透明ディスプレイの外周縁は、前記スペーサの内周縁よりも内周側に配されている ことを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ付き複層ガラス。前記透明ディスプレイは、前記視認者側ガラス板に複数配される ことを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ付き複層ガラス。請求項1に記載のディスプレイ付き複層ガラスと、 前記複層ガラスの周縁を覆うサッシと、 を有することを特徴とするショーケース用ガラスドア。前記透明ディスプレイは、前記複数のガラス板のうち庫外側ガラス板の前記中空層側の面に、表示面が接着剤を介して配される ことを特徴とする請求項7に記載のショーケース用ガラスドア。前記複数のガラス板のうち庫内側のガラス板の前記中空層側の面に低放射膜を有することを特徴とする請求項7又は8に記載のショーケース用ガラスドア。前記複数のガラス板は、庫外側ガラス板及び庫内側ガラス板で構成され、 前記透明ディスプレイは、前記庫外側ガラス板の前記中空層側の面に設けられ、 前記低放射膜は、前記庫外側ガラス板の前記中空層側の面に設けられる ことを特徴とする請求項9に記載のショーケース用ガラスドア。前記透明ディスプレイは、前記ガラス板の略全面を覆う大きさを有する ことを特徴とする請求項7から10の何れか一項に記載のショーケース用ガラスドア。前記透明ディスプレイは、前記庫外側ガラス板に複数配される ことを特徴とする請求項8に記載のショーケース用ガラスドア。前記透明ディスプレイの外周縁は、前記スペーサの内周縁よりも内周側に配されていることを特徴とする請求項11に記載のショーケース用ガラスドア。前記透明ディスプレイの外周縁は、前記サッシの内周縁よりも内周側に配されていることを特徴とする請求項13に記載のショーケース用ガラスドア。請求項7から14の何れか一項に記載のショーケース用ガラスドアを有することを特徴とするショーケース。

说明书全文

本発明は、ディスプレイ付き複層ガラス、ショーケース用ガラスドア及びショーケースに関する。

内部の棚に陳列されている商品を閲覧することができる透明なガラスドアが前面に設けられ、消費者がガラスドア越しに商品を選択して取り出すことができるショーケースが店舗等で用いられている。

ショーケースの中には、商品の宣伝広告を行う画像等を表示する透明ディスプレイが前面のガラスドアに設けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。この様なショーケースは、消費者からは透明ディスプレイに表示される画像と、陳列される商品とが重なって見え、表示される静止画や動画等で消費者の購買意欲を増大させることができる。

特開2003−125904号公報

しかしながら、内部に冷蔵された飲料や冷凍食品等を陳列するショーケースの場合には、ガラスドア又は透明ディスプレイの表面が結露して曇り、透明ディスプレイの表示画像及びショーケース内部の視認性が低下する可能性がある。

一方、ガラスドアに複層ガラスを用いることは一般に行われている。この場合、ガラスドアの厚さが増すことでショーケースの庫内空間が減少、あるいはショーケースが大型になっている。

本発明は上記に鑑みてなされたものであって、透明ディスプレイの表示画像及び透明ディスプレイ背後の視認性に優れ、薄型化されたディスプレイ付き複層ガラスを提供することを目的とする。

本発明の一態様のディスプレイ付き複層ガラスによれば、周縁に設けられるスペーサを挟んで重ねられる複数のガラス板と、前記複数のガラス板の間に形成される中空層と、を備えた複層ガラスと、前記複数のガラス板のうち少なくとも1枚のガラス板の前記中空層に面した面に設けられる透明ディスプレイと、を有し、前記複層ガラスは、熱貫流率が0.8〜2.0W/(m2・K)であり、前記透明ディスプレイは、可視光透過率が15〜40%である。

また、本発明の一態様のショーケース用ガラスドアは、上記のディスプレイ付き複層ガラスと、前記複層ガラスの周縁を覆うサッシとを有する。

また、本発明の一態様のショーケースは、上記ショーケース用ガラスドアを有する。

本発明の実施形態によれば、透明ディスプレイの表示画像及び透明ディスプレイ背後の視認性に優れ、薄型化されたディスプレイ付き複層ガラスを提供できる。

実施形態に係るショーケースを例示する図である。

実施形態に係るショーケースのガラスドアを例示する正面図である。

実施形態に係るショーケースのガラスドアを例示する断面概略図(1)である。

実施形態に係るショーケースのガラスドア断面を拡大して例示する図である。

実施形態に係るショーケースのガラスドアを例示する断面概略図(2)である。

以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。

<ショーケース> まず、実施形態に係るショーケース100の構成について、図1に基づいて説明する。なお、以下に示す図面においてX方向はショーケース100の幅方向、Y方向は奥行き方向、Z方向は高さ方向を示している。

ショーケース100は、前面にガラスドア10、内部に例えば飲料等の商品50が陳列される棚30を有する。本実施形態に係るショーケース100は、冷蔵機能又は冷凍機能を有し、陳列される商品50を保冷する。

ガラスドア10は、外部から商品50が見える様に、ほぼ全面に透明なガラスが用いられている。ガラスドア10は、例えば引き戸式、観音開き式等で開閉自在に設けられ、消費者はガラスドア10越しに商品50を選択し、ガラスドア10を開けて商品を取り出すことができる。なお、ショーケース100に設けられるガラスドア10の数は、1つ又は2つ以上の複数であってもよい。

ガラスドア10は、画像等を表示する透明ディスプレイ70を有する。透明ディスプレイ70は、ガラスドア10の一部又は略全面に設けられて、静止画、動画等の画像を表示する。透明ディスプレイ70は透過型の表示装置であり、消費者は透明ディスプレイ70に表示される画像越しに陳列されている商品50を見ることができる。

さらに、透明ディスプレイ70はタッチセンサ付きであることが好ましい。これによって、消費者が表示部分に触れることで中の商品情報の視認などができるようになり、ガラスドア10を開けて商品を手に取らなくてもよくなる。タッチセンサはガラス板側に設けられていてもよい。

<ガラスドア> 次に、実施形態に係るガラスドア10の構成について説明する。

図2は、実施形態に係るガラスドア10を例示する正面図である。また、図3は、図2のA−A’断面を例示する概略図である。

ガラスドア10は、ショーケース100の庫外側のガラス板11、庫内側のガラス板12を含む複層ガラス、複層ガラスの周縁を覆うサッシ15、透明ディスプレイ70を有する。

(複層ガラス) 複層ガラスは、図3に示す様に、周縁に設けられるスペーサ17を挟んで重ねられる2枚のガラス板11,12で構成される。図3に示す様に、スペーサ17を挟んで重ねられるガラス板11とガラス板12との間には中空層25が形成されている。中空層25は、周囲がスペーサ17により囲まれて密閉され、外部環境とは遮断されている。中空層25には、例えば空気又は不活性ガス等が充填されている。ガラス板の厚さは、1〜6mmを例示できる。中空層の厚さは、6〜25mmを例示できる。

ガラス板11,12は、例えばソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、無アルカリガラス、有機ガラス等を用いることができるが、これらに限るものではない。また、ガラス板11及び/又はガラス板12は、化学強化処理又は物理強化処理が施されていてもよい。

ガラス板に対してこのような強化処理を実施することにより、ガラス板の強度が向上し、ガラス板11の厚さをより薄くできる。また、ガラス板11,12は、複数枚のガラスが中間膜を介して接着された合わせガラスであてもよい。

(サッシ) サッシ15は、例えば金属材料、樹脂材料等を用いて形成され、図2及び図3に示す様に、複数のガラス板の周縁部分を挟み込んで固定する。サッシ15は、例えばショーケース100のX方向に沿って開閉するためのレールや、Y方向に開閉するためのヒンジ部品、ガラスドア10を開閉するための把手等を有してもよい。

(透明ディスプレイ) 透明ディスプレイ70は、例えば液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ等の透過型のディスプレイである。透明ディスプレイ70は、透過型のディスプレイであれば上記例に限るものではない。また、透明ディスプレイ70は、ガラスドア10に複数設けられてもよい。

透明ディスプレイ70は、図3に示す様に、複数のガラス板のうちの少なくとも1枚のガラス板の中空層25に面する面に設けられる。透明ディスプレイ70は、ガラス板11,12の何れかの表面に接着固定されるが、ショーケース100の庫外側のガラス板11の中空層25側の面に、表示面を外部に向けて設けられることが好ましい。この様な構成により、消費者側から透明ディスプレイ70までの界面の数を少なくでき、透明ディスプレイ70に表示される画像を、ガラス板11を介してより鮮明に見ることが可能になる。

透明ディスプレイ70は、例えば内部に陳列されている商品50等の宣伝広告を行う静止画、動画等の画像を表示する。透明ディスプレイ70が表示する画像は、例えば不図示の記憶装置に記憶されている画像、あるいはネットワークを介して接続するサーバ等から送信される画像等である。

透明ディスプレイ70は透過型の表示装置であるため、透明ディスプレイ70に画像が表示されている間も、消費者は透明ディスプレイ70に表示されている画像越しに、背後の棚30に陳列されている商品50を見ることができる。すなわち、透明ディスプレイ70に画像が表示されている間は、消費者は透明ディスプレイ70に表示されている画像と背後の商品50とを重ねて見ることになる。

なお、透明ディスプレイ70は、ガラスドア10の一部又は略全面に設けることができるが、図3に示す様に、外周縁がスペーサ17の内周縁よりも内周側に配される様に略全面に設けられることが好ましい。この様な構成により、スペーサ17のガラス板11に対する密着性を向上できるとともに、ガラスドア全体の熱貫流率を小さくできる。ガラスドア全体の熱貫流率を小さくできる理由は、庫内側と庫外側との熱伝導がスペーサ部分を通じて生じることが支配的であり、スペーサ部分に接触するものをできるだけ軽減しているからである。さらに図2に示す様に、透明ディスプレイ70の外周縁は、サッシ15の内周縁よりも内周側に配されていることが好ましい。この様な構成により、透明ディスプレイ70の外周縁とサッシ15の内周縁との間の隙間から庫内を観察することができ、庫内の明るさを検証できる。このような検証が不要である場合には、透明ディスプレイ70の外周縁とサッシ15の内周縁との間の隙間の可視光線透過率と透明ディスプレイ70が配されている部分の可視光線透過率との違いを減少させるために、ガラス板11のこの隙間に該当する部分に印刷等による減光部を設けてもよい。

また、透明ディスプレイは、庫外側ガラス板に複数配されていてもよい。これによって、庫外側ガラス板の透明ディスプレイが配されていない部分から庫内を視認でき、透明ディスプレイを介さず商品を確認できる。このような商品の確認が必要ない場合には、上述同様、庫外側ガラス板の透明ディスプレイの配されていない部分に減光部を設けてもよい。

(ガラス板と透明ディスプレイとの接合) 透明ディスプレイ70は、例えば透明接着剤又は透明粘着剤(総称して透明接着剤という)、透明接着剤又は粘着テープ等を用いて、ガラス板11に貼り付けられる。透明接着剤及び粘着テープは、透明ディスプレイ70の全面に塗布又は貼付されてもよく、周縁部等の一部分に塗布又は貼付されてもよい。透明接着剤及び粘着テープは、透明ディスプレイ70の全面に塗布又は貼付されている場合には、ガラス板11と透明ディスプレイ70との間にエアギャップが無くなるため、表示画像が鮮明になる。透明接着剤としては、例えば透明樹脂や、液状の硬化性樹脂組成物を用いることができる。なお、これら透明接着剤等は図示を省略している。

硬化性樹脂組成物を用いる場合には、ガラス板11の中空層25側の面に未硬化の樹脂組成物を塗布し、その上に透明ディスプレイ70を配置した後、樹脂組成物を硬化させることで、ガラス板11と透明ディスプレイ70とを接合できる。

透明接着剤は、25℃におけるせん断弾性率が、103Pa〜107Paの範囲であることが好ましく、104Pa〜106Paの範囲であることがより好ましい。特に、透明接着剤の25℃におけるせん断弾性率が104Pa〜105Paの範囲である場合、ガラス板11及び表示装置170との接合の際に生じ得る空隙を、比較的容易に消失させることができる。

25℃におけるせん断弾性率が103Pa以上の場合、透明接着剤の形状を適正に維持できる。また、透明接着剤の厚さが比較的厚い場合であっても、透明接着剤全体で厚さを均一に維持することができ、ガラス板11と表示装置170を接合する際に、透明ディスプレイ70と透明接着剤との界面に、空隙が発生し難くなる。

また、透明接着剤の25℃におけるせん断弾性率が104Pa以上の場合、透明接着剤の変形を有意に抑制することができる。透明接着剤は、せん断弾性率が107Pa以下の場合に、ガラス板11と透明ディスプレイ70との接合において良好な密着性を発揮する。

透明接着剤の厚さは、0.03mm〜2mmが好ましく、0.1mm〜0.8mmがより好ましい。

透明接着剤の厚さが0.03mm以上の場合には、ガラス板11の外側から外等が加わった際に、透明接着剤が外力による衝撃を低減し、透明ディスプレイ70を保護することが可能となる。また、ガラス板11と透明ディスプレイ70との間に、透明接着剤の厚さ未満の寸法の異物が混入しても、透明接着剤の厚さが変化しないため、異物混入による光透過性能への影響を抑制できる。また、透明接着剤の厚さを2mm以下にすることで、透明接着剤により透明ディスプレイ70部分が過度に厚くなるのを抑制することができる。

なお、透明接着剤は、単一の層としてではなく、平面視中央部分の層状部と、該層状部の周囲を取り囲む堰状部とで構成されてもよい。堰状部は、例えば、ガラス板11上で、液状の硬化性樹脂組成物から透明接着剤を形成する際に、硬化性樹脂組成物が所定の範囲を超えて、外方に広がることを抑制する(すなわち、層状部用の液状の硬化性樹脂組成物の流出を堰き止める)。堰状部は、中央部分の層状部を構成する硬化性樹脂組成物とは異なる硬化性樹脂組成物を硬化させることで構成されてもよい。

(機能膜) ガラス板11又はガラス板12は、少なくとも一部に機能膜として低放射膜24が設けられてもよい。低放射膜24は、断熱効果を高めるために、ショーケース100内側のガラス板12の中空層25側の面に設けられることが好ましい。

低放射膜24としては、薄膜の積層膜で構成されたものが好ましく、銀を主成分とする膜が、亜鉛を主成分とする酸化物薄膜で挟まれた積層膜(亜鉛酸化物/銀/亜鉛酸化物)で構成されたものが好ましい。放射率を下げるためには、上記積層膜を2重にする(亜鉛酸化物/銀/亜鉛酸化物/銀/亜鉛酸化物)ことがより好ましい。この様な積層膜によれば、透過率が高く低放射であるので、ショーケース100内部の視認性を維持すると共に断熱性能も好適に保たれる。

また、ショーケース100の庫外側のガラス板11の外側表面には、反射防止膜が設けられてもよい。反射防止膜は、例えばシリケートや金属酸化物の薄膜を所定膜厚でスパッタリング法や蒸着法にてガラス板11の外側表面に直接形成される。あるいは、反射防止膜は、フッ素樹脂などの低屈折率の樹脂薄膜を、粘着層などを介してガラス板11の庫外側表面に張り合わせることで形成される。特に最外層にフッ素樹脂を有するものは、防汚性能や易清浄性を付与できるので好ましい。

ガラス板11の庫外側表面に反射防止膜を設けることで、反射が抑制されて外部から透明ディスプレイ70により表示される画像をより鮮明に見ることが可能になる。

(スペーサ) 図4は、実施形態に係るガラスドア10を例示する図であり、図2のA−A’断面の一端側の拡大図である。

図4に示す様に、スペーサ17は例えばアルミニウムを主材料とする金属材料で内部に中空を有する様に形成され、内部に例えばシリカゲル等の乾燥剤18を収納する。また、スペーサ17の中空層25側の面には貫通孔19が設けられ、貫通孔19を介して中空層25に存在した分は乾燥剤18に吸収される。

ガラス板11とガラス板12との間の中空層25は、周囲がスペーサ17により囲まれ、さらに一次シール材20、二次シール材21によって密閉される。

一次シール材20としては、例えば架橋処理されないブチルゴム、もしくは、ポリイソブチレンをベースとし、着色と補強を目的としたカーボンブラック等のフィラーが含有されたもの等が用いられる。二次シール材21としては、例えばポリサルファイド、シリコーン、ウレタン等の硬化性エラストマをベースとし、ガラスとの接着性を発現するために適当な変性を加えられたもの等が使用される。

なお、スペーサとしては図4に示した態様の他に、それ自体が密閉性・ガラスとの接着性を確保した、乾燥剤を練り込んだ樹脂製スペーサを用いることもできる。また、複層ガラスの全周のうち一部を樹脂製スペーサで、一部を1次、2次シールを用いた図4のようなスペーサで、構成することもできる。

ここで、透明ディスプレイ70は、図4に示す様に、周縁部がサッシ15の内周縁とスペーサ17の内周縁との間に設けられることが好ましい。透明ディスプレイ70が一次シール材20及び二次シール材21に接触、中空層25のシール性が確保される。また、透明ディスプレイ70の外周縁がサッシ15に隠れることで、ガラスドア10の美観が保たれる。

(熱貫流率及び可視光透過率) 本実施形態に係る複層ガラスは、JISR3107:1998に準拠して算定される熱貫流率が0.8〜2.0W/(m2・K)であり、1.0〜1.8W/(m2・K)であることが好ましい。

本実施形態に係るガラスドア10は、中空層25に透明ディスプレイ70を有することで断熱性が向上し、例えば中空層25を薄くしても断熱性を維持することができる。したがって、ガラスドア10を薄型化することができ、ショーケース100の大型化を招くことなく庫内スペースを確保することが可能になる。

また、複層ガラスを構成する各ガラス板の可視光透過率は、70〜90%であることが好ましい。なお、可視光透過率は、JISR3106:1998に準拠して測定される。

透明ディスプレイ70は、可視光透過率が15〜40%であることが好ましく、20〜30%であることがより好ましい。この場合、庫内の商品50を外部から視認しやすいような、適切な庫内光量を定めることが好ましい。こうして、庫内の視認性を充分確保できるようにしつつ、可視光透過率を15〜40%にすることで、日射による庫内の温度上昇を抑えることを、より容易に実現できる。さらに、可視光透過率が15〜40%の透明ディスプレイが設けられたガラス板は、設置状態での温度をより高い状態に保つことができるため、複層ガラスの熱貫流率を過度に小さく設定しなくてもよくなる。その結果として、複層ガラスの特に中空層の厚さを過度に大きくしなくてもよくなる。

なお、ガラス板11及びガラス板12、透明ディスプレイ70がそれぞれ上記範囲の可視光透過率を有することで、例えばガラスドア10の開閉時等においてガラス板11又はガラス板12の表面が仮に結露して曇った場合であっても、その曇り度合いが小さければ透明ディスプレイ70の表示画像及び商品50の外部からの視認性がある程度確保されることも期待できる。

ガラスドア10は、3枚以上のガラス板で構成されてもよい。図5に、3枚のガラス板11,12,13を含んで構成されるガラスドア10の断面概略図を例示する。

図5に示すガラスドア10は、ショーケース100の外側から順に、ガラス板11、ガラス板12、ガラス板13がそれぞれスペーサ17を挟んで重ねて設けられている。ガラス板11とガラス板12との間にはスペーサ17が設けられ、中空層25が形成されている。また、ガラス板12とガラス板13との間には、同様にスペーサ17が設けられ、中空層26が形成されている。

この様に複層ガラスが3枚以上のガラス板で構成される場合には、熱貫流率の値をより小さくでき、例えば0.8〜1.8W/(m2・K)を例示できる。

透明ディスプレイ70は、中空層25,26のどちらに設けられてもよいが、図5に示す様に、ショーケース100の最も庫外側のガラス板11の中空層25側の面に設けられることが好ましい。ガラスドア10が4枚以上の複数のガラス板で構成される場合であっても、同様にショーケース100の最も庫外側のガラス板の中空層側の面に設けられることが好ましい。この様な構成により、透明ディスプレイ70に表示される画像の外部からの視認性を確保することができる。

また、ガラス板11,12,13のうち何れかの領域に低放射膜24が設けられてもよく、ショーケース100の最も庫内側のガラス板13の中空層26側の面に設けられることが好ましい。ガラスドア10が4枚以上の複数のガラス板で構成される場合であっても、同様にショーケース100の最も庫内側のガラス板13の中空層26側の面に低放射膜24が設けられることが好ましい。この様な構成により、ガラスドア10の断熱効果を高めることができる。

以上で説明した様に、本実施形態に係るショーケース100に設けられるガラスドア10は、中空層に透明ディスプレイ70を有し、例えば中空層を薄くしても断熱性が維持されるため、薄型化が可能になっている。また、透明ディスプレイ70の表面が結露して曇ることがなく、透明ディスプレイ70の表示画像及び透明ディスプレイ背後の視認性に優れたガラスドア10及びガラスドア10を有するショーケース100が提供される。

なお、本実施形態に係るショーケース100として、冷蔵機能又は冷凍機能を有する例について説明したが、冷蔵機能又は冷凍機能は無くてもよい。また、ディスプレイ付き複層ガラスをショーケース100に設けられるガラスドア10に用いた例について説明したが、例えば建物や車両等の窓等であってもよい。

以上、実施形態に係るディスプレイ付き複層ガラス及びショーケースについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。

本国際出願は、2013年5月9日に出願された日本国特許出願2013−099113号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2013−099113号の全内容を本国際出願に援用する。

10 ガラスドア 11,12,13 ガラス板 15 サッシ 17 スペーサ 24 低放射膜 25,26 中空層 70 透明ディスプレイ 100 ショーケース

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