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キナーゼ阻害剤との組み合わせで治療用T細胞を使用するための方法および組成物

阅读:723发布:2020-05-08

专利汇可以提供キナーゼ阻害剤との組み合わせで治療用T細胞を使用するための方法および組成物专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本開示は、免疫療法および標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を伴う方法、組成物、および使用に関し、該キナーゼは、IL-2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)ではなく、かつ/またはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、tecタンパク質チロシンキナーゼ(TEC)、BMX非受容体チロシンキナーゼ(Etk)、TXKチロシンキナーゼ(TXK)、および/もしくは受容体チロシンタンパク質キナーゼErbB4(ErbB4)から選択される。提供される方法、組成物、および使用は、1つまたは複数のそのような阻害剤を、別の薬剤、例えば、T細胞を標的とする免疫療法剤および/または遺伝子操作されたT細胞(例えばCAR発現T細胞)と共に投与することを含む。操作された細胞の製造方法、細胞、組成物、投与方法、核酸、製造物品、およびキットも提供される。いくつかの局面において、当該方法および細胞の特徴は、養子細胞療法用のT細胞または免疫療法剤によって動員された内因性T細胞の改善された活性、効 力 、持続性、拡大増殖、および/または増殖を提供する。,下面是キナーゼ阻害剤との組み合わせで治療用T細胞を使用するための方法および組成物专利的具体信息内容。

(a)疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原または該疾患もしくは病態の細胞上に発現されるかもしくは存在する抗原、および/あるいは該疾患または病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかまたは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかあるいはそれに特異的に結合する、工程;ならびに (b)該対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程であって、該阻害剤が、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害する、工程 を含む、処置方法であって、 該疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)該標的タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)該阻害剤に対して感受性がある形態の該標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)該阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)該阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは 該対象または該疾患もしくは病態が、該阻害剤および/またはBTKの阻害剤に対して抵抗性または不応性であり、かつ/あるいは 該タンパク質チロシンキナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない 処置方法。疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原または該疾患もしくは病態の細胞上に発現されるかもしくは存在する抗原、および/あるいは該疾患または病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかまたは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかあるいはそれに特異的に結合する、工程 を含む、処置方法であって、 該対象が、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与されたことがあり、該阻害剤が、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ 該疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)該タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)該阻害剤に対して感受性がある形態の該標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)該阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)該阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは、 該対象または該疾患もしくは病態が、該阻害剤および/またはBTKの阻害剤に対して抵抗性または不応性であり、かつ/あるいは 該タンパク質チロシンキナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない 処置方法。疾患または病態を有する対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程を含む、処置方法であって、 該阻害剤が、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、 該対象が、該疾患もしくは病態に関連する抗原または該疾患もしくは病態の細胞上に発現されるかもしくは存在する抗原、および/あるいは該疾患または病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかまたは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかあるいはそれに特異的に結合するT細胞を、投与されたことがあり、かつ 該疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)該標的タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)該阻害剤に対して感受性がある形態の該標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)該阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)該阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは、 該対象または該疾患もしくは病態が、該阻害剤および/またはBTKの阻害剤に対して抵抗性または不応性であり、かつ/あるいは TECファミリーキナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない 処置方法。前記標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。前記標的タンパク質チロシンキナーゼが、TECファミリーキナーゼである、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、式(II)の化合物、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、任意の追加のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。(1)疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかまたはそれに特異的に結合する、工程;ならびに (2)該対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程であって、該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4であり、 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する、工程 を含む、処置方法。疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかまたはそれに特異的に結合する、工程 を含む処置方法であって、 該対象が、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与されたことがあり、該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4であり、 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 処置方法。疾患または病態を有する対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程を含む、処置方法であって、 該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4であり、 該対象が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかまたはそれに特異的に結合するT細胞を、投与されたことがあり、 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 処置方法。前記疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)前記標的タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)前記阻害剤に対して感受性がある形態の該標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)該阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)該阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは 前記対象または疾患もしくは病態が、該阻害剤および/またはBTKの阻害剤に対して抵抗性または不応性であり、かつ/あるいは、 該標的キナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない 請求項8〜10のいずれか一項記載の方法。前記標的タンパク質チロシンキナーゼが、RLK/TXKである、請求項4〜11のいずれか一項記載の方法。前記標的タンパク質チロシンキナーゼがBMX/ETKであり、前記阻害剤が、任意の他のTECファミリーキナーゼおよび/もしくはITKに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50でBmx/Etkを阻害し、かつ/または1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)でBmx/Etkを阻害する、請求項4〜12のいずれか一項記載の方法。前記標的キナーゼが、ErbB4であるかまたはErbB4を含む、請求項4および7〜13のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、式(II): の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。(1)疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、に特異的に結合する組み換え抗原受容体を含む、工程;ならびに (2)該対象に、キナーゼ阻害剤または該阻害剤を含む薬学的組成物を投与する工程であって、該阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含む、工程 を含む、処置方法。疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、に特異的に結合する組み換え抗原受容体を含む、工程 を含む、処置方法であって、 該対象が、キナーゼ阻害剤または該阻害剤を含む薬学的組成物を投与されたことがあり、該阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含む 処置方法。疾患または病態を有する対象に、キナーゼ阻害剤または該阻害剤を含む薬学的組成物を投与する工程を含む処置方法であって、 該阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含み、 該対象が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、に特異的に結合する組み換え抗原受容体を含むT細胞を、投与されたことがある 処置方法。前記疾患または病態が、がんである、請求項17〜19のいずれか一項記載の方法。(i)前記対象および/または前記疾患もしくは病態が、(a)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤に対して抵抗性であり、かつ/または(b)該阻害剤による阻害に対して抵抗性である細胞の集団を含み、 (ii)該対象および/または該疾患もしくは病態が、該阻害剤によるおよび/またはイブルチニブによるBTKの阻害を軽減または防止することができる、BTKをコードする核酸における変異または破壊を含み、かつ/あるいは (iii)(1)の投与時点および(2)の投与時点で、該対象が、該阻害剤および/またはBTK阻害剤療法による処置の後での寛解の後で再発しているか、または該処置に対して不応性であるとみなされている 請求項1〜20のいずれか一項記載の方法。前記細胞の集団が、B細胞の集団であるかもしくはB細胞の集団を含み、かつ/またはT細胞を含まない、請求項21記載の方法。BTKをコードする核酸における前記変異が、C481位における置換、任意でC481SもしくはC481R、および/またはT474位における置換、任意でT474IまたはT474Mを含む、請求項21または請求項22記載の方法。前記標的タンパク質チロシンキナーゼが、前記疾患もしくは病態の細胞によって発現されず、該疾患もしくは病態が由来する細胞において通常は発現されないかもしくは発現される疑いがなく、かつ/または 該疾患もしくは病態が、前記阻害剤に対して感受性がなく、かつ/または 少なくとも複数のT細胞が、該標的タンパク質チロシンキナーゼを発現し、かつ/または 該標的タンパク質チロシンキナーゼが、T細胞において発現される 請求項1〜23のいずれか一項記載の方法。前記疾患または病態が、B細胞抗原を発現しないがんであるか、非血液がんであるか、B細胞悪性腫瘍ではないか、B細胞白血病ではないか、または固形腫瘍である、請求項1〜24のいずれか一項記載の方法。前記疾患または病態が、肉腫、がん腫、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、白血病、CLL、ALL、AML、および骨髄腫からなる群より選択されるがんである、請求項1〜25のいずれか一項記載の方法。前記疾患または病態が、膵がん、膀胱がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、腎がん、肝細胞がん、がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵がん、直腸がん、甲状腺がん、子宮がん、胃がん、食道がん、頭頚部がん、黒色腫、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、または軟組織肉腫である、請求項1〜26のいずれか一項記載の方法。前記T細胞が、ROR1、B細胞成熟抗原(BCMA)、tEGFR、Her2、Ll-CAM、CD19、CD20、CD22、メソテリン、CEAおよびB型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3または4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、カッパ軽鎖、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原(dual antigen)、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、ROR1、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原から選択される抗原を認識するかまたは標的とする、請求項1〜27のいずれか一項記載の方法。前記抗原が、B細胞抗原ではなく、かつ/または 該抗原が、CD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原ではない、 請求項1〜28のいずれか一項記載の方法。前記抗原が、CD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原ではなく、かつ/または 前記疾患もしくは病態が、CD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原ならびに/もしくはカッパ軽鎖を発現しない、 請求項29記載の方法。前記T細胞が、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含むか、または前記抗原に特異的に結合する組み換え受容体を発現する遺伝子操作されたT細胞を含む、請求項1〜30のいずれか一項記載の方法。前記T細胞が、前記抗原またはタグに特異的に結合する組み換え受容体を発現する遺伝子操作されたT細胞を含み、該受容体が、任意でキメラ抗原受容体である、請求項31記載の方法。前記組み換え受容体が、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)または機能的な非T細胞受容体である、請求項31または32記載の方法。前記組み換え受容体がキメラ受容体であり、該キメラ受容体が、任意でキメラ抗原受容体(CAR)である、請求項31〜33のいずれか一項記載の方法。前記キメラ抗原受容体(CAR)が、前記抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインと、ITAMを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、請求項34記載の方法。前記細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内ドメインを含む、請求項35記載の方法。前記キメラ抗原受容体(CAR)が、共刺激シグナル伝達領域をさらに含む、請求項35または36記載の方法。前記共刺激シグナル伝達領域が、CD28または4-1BBのシグナル伝達ドメインを含む、請求項37記載の方法。前記共刺激ドメインが、CD28のドメインである、請求項37または38記載の方法。前記阻害剤が、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である、請求項1〜39のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの活性化を不可逆的に低減もしくは消失させ、SEQ ID NO:18に示される配列の残基C481に対応するアミノ酸残基を含む該標的タンパク質チロシンキナーゼの活性部位内の結合部位に特異的に結合し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼの自己リン酸化活性を低減もしくは消失させる、請求項1〜40のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤がイブルチニブではない、請求項1〜41のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が式(II)の化合物ではない、請求項1〜41のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13ではない、請求項1〜41のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、前記T細胞を含む組成物の投与開始と同時または投与開始後に投与される、請求項1、2〜8、10〜17および19〜44のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、前記T細胞の投与開始後に投与される、請求項1、2〜8、10〜17および19〜45のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、前記T細胞の投与開始から1時間以内もしくは約1時間以内に、2時間以内もしくは約2時間以内に、6時間以内もしくは約6時間以内に、12時間以内もしくは約12時間以内に、24時間以内もしくは約24時間以内に、48時間以内もしくは約48時間以内に、72時間以内もしくは約72時間以内に、96時間以内もしくは約96時間以内に、または1週間以内もしくは約1週間以内に投与される、請求項45または46記載の方法。前記阻害剤が、 前記対象由来の血液中の検出可能な投与されたT細胞の数が、該T細胞の投与開始後の先行する時点の該対象における場合と比較して減少しているとき; 該血液中の検出可能な投与された該T細胞の数が、該T細胞の投与開始後の該対象の血液中の検出可能なT細胞療法の細胞のピーク数または最大数の1.5倍未満もしくは約1.5倍未満、2倍未満もしくは約2倍未満、3倍未満もしくは約3倍未満、4倍未満もしくは約4倍未満、5倍未満もしくは約5倍未満、10倍未満もしくは約10倍未満、50倍未満もしくは約50倍未満、100倍未満もしくは約100倍未満、またはそれより少ないとき;ならびに/または 投与されたT細胞のピークレベルまたは最大レベルが該対象の血液中で検出可能となった後において、該対象由来の血液中の検出可能なT細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、該対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%未満、5%未満、1%未満、または0.1%未満であるとき に投与される、請求項45〜47のいずれか一項記載の方法。増加または減少が、1.2倍超もしくは約1.2倍超、1.5倍超もしくは約1.5倍超、2倍超もしくは約2倍超、3倍超もしくは約3倍超、4倍超もしくは約4倍超、5倍超もしくは約5倍超、10倍超もしくは約10倍超、またはそれ以上の増加または減少である、請求項48記載の方法。前記阻害剤が、前記T細胞の投与の開始後、最大2日間、最大7日間、最大14日間、最大21日間、最大1ヵ月間、最大2ヵ月間、最大3ヵ月間、最大6ヵ月間、または最大1年間の期間にわたって投与される、請求項1〜49のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、前記T細胞の投与の開始後、最大3ヵ月間投与される、請求項1、2〜8、10〜17および19〜50のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤の投与が、少なくとも前記T細胞の投与の開始後から、 前記対象由来の血液中の検出可能な投与された該T細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、該阻害剤の投与直前の先行する時点の該対象における場合と比較して、またはT細胞療法の実施後の先行する時点と比較して、増加するまで; 該血液中の検出可能な該T細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、該T細胞の投与開始後の該対象の血液中で観察されるピーク数または最大数の2.0倍(多いまたは少ない)以内であるまで; 該対象由来の血液中の検出可能な該T細胞の細胞数が、該対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%超もしくは約10%超、15%超もしくは約15%超、20%超もしくは約20%超、30%超もしくは約30%超、40%超もしくは約40%超、50%超もしくは約50%超、または60%超もしくは約60%超であるまで;および/あるいは 該対象が、該T細胞の投与直前の時点または該阻害剤の投与直前の時点での腫瘍量と比較して、腫瘍量の減少を示すまで;および/あるいは 該対象が完全寛解または臨床的寛解を示すまで 継続される、請求項1〜51のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、経口投与、皮下投与、または静脈内投与される、請求項1〜52のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が経口投与される、請求項53記載の方法。前記阻害剤が、1日に6回、1日に5回、1日に4回、1日に3回、1日に2回、1日に1回、1日おき、1週間に3回、または1週間に少なくとも1回投与される、請求項1〜54のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、1日に1回または1日に2回投与される、請求項55記載の方法。前記阻害剤が、少なくとも50 mg/日もしくは少なくとも約50 mg/日、少なくとも100 mg/日もしくは少なくとも約100 mg/日、少なくとも150 mg/日もしくは少なくとも約150 mg/日、少なくとも175 mg/日もしくは少なくとも約175 mg/日、少なくとも200 mg/日もしくは少なくとも約200 mg/日、少なくとも250 mg/日もしくは少なくとも約250 mg/日、少なくとも300 mg/日もしくは少なくとも約300 mg/日、少なくとも350 mg/日もしくは少なくとも約350 mg/日、少なくとも400 mg/日もしくは少なくとも約400 mg/日、少なくとも450 mg/日もしくは少なくとも約450 mg/日、少なくとも500 mg/日もしくは少なくとも約500 mg/日、少なくとも600 mg/日もしくは少なくとも約600 mg/日、少なくとも700 mg/日もしくは少なくとも約700 mg/日、少なくとも800 mg/日もしくは少なくとも約800 mg/日、またはそれより多い総1日用量で投与される、請求項1〜56のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、1日あたり420 mg未満または約420 mg未満または約420 mgまたは420 mgの量で投与される、請求項1〜57のいずれか一項記載の方法。投与される前記T細胞が、CD4+またはCD8+であるT細胞を含む、請求項1〜58のいずれか一項記載の方法。投与される前記T細胞が、前記対象にとって自家である細胞を含む、請求項1〜59のいずれか一項記載の方法。投与される前記T細胞が、前記対象にとって同種であるT細胞を含む、請求項1〜60のいずれか一項記載の方法。投与される前記T細胞が、それぞれが両端の値を含む、5 x 105細胞/kg対象体重〜1 x 107細胞/kgもしくは約5 x 105細胞/kg〜約1 x 107細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜5 x 106細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜3 x 106細胞/kgもしくは約0.5 x 106細胞/kg〜約3 x 106細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜2 x 106細胞/kgもしくは約0.5 x 106細胞/kg〜約2 x 106細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜1 x 106細胞/kgもしくは約0.5 x 106細胞/kg〜約1 x 106細胞/kg、1.0 x 106細胞/kg対象体重〜5 x 106細胞/kgもしくは約1.0 x 106細胞/kg〜約5 x 106細胞/kg、1.0 x 106細胞/kg〜3 x 106細胞/kgもしくは約1.0 x 106細胞/kg〜約3 x 106細胞/kg、1.0 x 106細胞/kg〜2 x 106細胞/kgもしくは約1.0 x 106細胞/kg〜約2 x 106細胞/kg、2.0 x 106細胞/kg対象体重〜5 x 106細胞/kgもしくは約2.0 x 106細胞/kg〜約5 x 106細胞/kg、2.0 x 106細胞/kg〜3 x 106細胞/kgもしくは約2.0 x 106細胞/kg〜約3 x 106細胞/kg、または3.0 x 106細胞/kg対象体重〜5 x 106細胞/kgもしくは約3.0 x 106細胞/kg〜約5 x 106細胞/kgの細胞数を含む用量の投与を含む、請求項1〜61のいずれか一項記載の方法。投与される細胞の用量が、投与される前記T細胞が前記阻害剤の投与なしで投与される方法における用量よりも少ない、請求項1〜62のいずれか一項記載の方法。前記用量が、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍少ない、請求項63記載の方法。前記T細胞が単一用量で投与され、該単一用量が、任意で、該細胞を含む単一の薬学的組成物である、請求項1〜64のいずれか一項記載の方法。前記T細胞が分割用量で投与され、単一用量の該細胞が、合計で該用量の細胞を含む複数の組成物として、3日間以内の期間にわたって投与され、かつ/または 前記方法が、1つまたは複数のさらなる用量のT細胞を投与する工程をさらに含む 請求項1〜65のいずれか一項記載の方法。前記方法が、前記T細胞の投与前にリンパ球枯渇化学療法を実施する工程をさらに含み、かつ/または 前記対象が、該T細胞の投与前にリンパ球枯渇化学療法を受けたことがある、請求項1〜66のいずれか一項記載の方法。前記リンパ球枯渇化学療法が、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドを前記対象に投与することを含む、請求項67記載の方法。前記対象に免疫調節剤を投与する工程であって、前記細胞の投与および該免疫調節剤の投与が、同時に、別々に、もしくは単一の組成物として、またはいずれかの順序で逐次的に行われる、工程をさらに含む、請求項1〜68のいずれか一項記載の方法。前記免疫調節剤が、分子の機能または該分子が関与するシグナル伝達経路を阻害またはブロックすることができ、該分子が免疫阻害性分子であり、かつ/または該分子が免疫チェックポイント分子である、請求項69記載の方法。前記免疫チェックポイント分子または経路が、PD-1、PD-L1、PD-L2、CTLA-4、LAG-3、TIM3、VISTA、アデノシン2A受容体(A2AR)、もしくはアデノシン、または前記のいずれかが関与する経路からなる群より選択される、請求項70記載の方法。前記免疫調節剤が抗体であるかまたは抗体を含み、該抗体が、任意で、抗体フラグメント、単鎖抗体、多重特異性抗体、または免疫コンジュゲートである、請求項69〜71のいずれか一項記載の方法。前記抗体が、前記免疫チェックポイント分子またはそのリガンドもしくは受容体に特異的に結合し、かつ/あるいは 該抗体が、該免疫チェックポイント分子とそのリガンドまたは受容体との間の相互作用をブロックするかまたは弱めることができる、 請求項72記載の方法。投与される前記T細胞が、前記対象において、投与される該T細胞が前記阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して、増強されたまたは長期にわたる拡大増殖および/または持続性を示す、請求項1〜73のいずれか一項記載の方法。投与される前記T細胞が前記阻害剤の非存在下で前記対象に投与される同等の方法で観察される減少と比較して、より大きい程度にかつ/またはより長期間にわたって腫瘍負荷量を減少させる、請求項1〜74のいずれか一項記載の方法。B細胞抗原以外の抗原またはCD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原以外の抗原に結合する組み換え受容体を発現する、遺伝子操作されたT細胞;ならびに 標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤であって、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/あるいは該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、阻害剤 を含む、組み合わせ。前記抗原が、Her2、L1-CAM、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3または4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原から選択される、請求項76記載の組み合わせ。前記抗原が病原体特異的抗原であり、該病原体特異的抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原、または寄生虫抗原である、請求項76または77記載の組み合わせ。前記組み換え受容体が、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)または機能的な非T細胞受容体である、請求項76〜78のいずれか一項記載の組み合わせ。前記組み換え受容体がキメラ受容体であり、該キメラ受容体が任意でキメラ抗原受容体(CAR)である、請求項76〜79のいずれか一項記載の組み合わせ。前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍または少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/あるいはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 請求項76〜80のいずれか一項記載の組み合わせ。前記阻害剤が、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である、請求項76〜81のいずれか一項記載の組み合わせ。前記阻害剤が、式(II)の化合物、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13からなる群より選択される、請求項76〜82のいずれか一項記載の組み合わせ。前記阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む、請求項76〜83のいずれか一項記載の組み合わせ。同一の組成物として製剤化される、請求項76〜84のいずれか一項記載の組み合わせ。別々の組成物として製剤化される、請求項76〜84のいずれか一項記載の組み合わせ。請求項76〜86のいずれか一項記載の組み合わせと、疾患または病態、任意でがんを治療するために、前記遺伝子操作された細胞および前記阻害剤を対象に投与するための指示書とを含む、キット。B細胞抗原以外の抗原またはCD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原以外の抗原に結合する組み換え受容体を発現する治療有効量の遺伝子操作されたT細胞を含む、組成物;ならびに がんを治療するために、該遺伝子操作された細胞を、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤との併用療法で対象に投与するための指示書であって、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、指示書 を含む、キット。治療有効量の標的タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤を含む組成物であって、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、組成物;ならびに 疾患または病態、任意でがんを治療するために、該阻害剤を、遺伝子操作されたT細胞との併用療法で対象に投与するための指示書であって、該T細胞が、B細胞抗原以外の抗原またはCD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原以外の抗原に結合する組み換え受容体を発現する、指示書 を含む、キット。前記がんが、B細胞抗原を発現するがんではないか、非血液がんであるか、B細胞悪性腫瘍ではないか、B細胞白血病ではないか、または固形腫瘍である、請求項87〜89のいずれか一項記載のキット。前記がんが、肉腫、がん腫、またはリンパ腫であり、任意で、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、白血病、CLL、ALL、AML、および骨髄腫である、請求項87〜89のいずれか一項記載のキット。前記がんが、膵がん、膀胱がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、腎がん、肝細胞がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵がん、直腸がん、甲状腺がん、子宮がん、胃がん、食道がん、頭頚部がん、黒色腫、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、または軟組織肉腫である、請求項87〜91のいずれか一項記載のキット。(i)前記対象および/または前記疾患もしくは病態が、(a)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤に対して抵抗性であり、かつ/または(b)該阻害剤による阻害に対して抵抗性である細胞の集団を含み; (ii)該対象および/または該疾患もしくは病態が、該阻害剤によるおよび/またはイブルチニブによるBTKの阻害を軽減または防止することができる、BTKをコードする核酸における変異または破壊を含み;かつ/あるいは (iii)前記投与の時点で、該対象が、該阻害剤および/またはBTK阻害剤療法による処置の後での寛解の後で再発しているか、または該処置に対して不応性であるとみなされている 請求項87〜92のいずれか一項記載のキット。前記細胞の集団が、B細胞の集団であるかもしくはB細胞の集団を含み、かつ/またはT細胞を含まない、請求項93記載のキット。BTKをコードする核酸における前記変異が、C481位における置換、任意でC481SもしくはC481R、および/またはT474位における置換、任意でT474IまたはT474Mを含む、請求項93または94記載のキット。前記抗原が、Her2、L1-CAM、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3または4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原から選択される、請求項87〜95のいずれか一項記載のキット。前記抗原が病原体特異的抗原であり、該病原体特異的抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原、または寄生虫抗原である、請求項87〜96のいずれか一項記載のキット。前記組み換え受容体が、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)または機能的な非T細胞受容体である、請求項87〜97のいずれか一項記載のキット。前記組み換え受容体がキメラ受容体であり、該キメラ受容体が、任意で、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項87〜98のいずれか一項記載のキット。前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 請求項87〜99のいずれか一項記載のキット。前記阻害剤が、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である、請求項87〜100のいずれか一項記載のキット。前記阻害剤が、式(II)の化合物、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13からなる群より選択される、請求項87〜101のいずれか一項記載のキット。前記阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む、請求項87〜102のいずれか一項記載のキット。前記指示書が、前記T細胞を含む組成物の投与開始と同時または投与開始後に前記阻害剤を投与するためのものである、請求項87〜103のいずれか一項記載のキット。前記指示書が、前記T細胞の投与開始後に前記阻害剤を投与するためのものである、請求項87〜104のいずれか一項記載のキット。前記指示書が、前記T細胞の投与開始から1時間以内もしくは約1時間以内に、2時間以内もしくは約2時間以内に、6時間以内もしくは約6時間以内に、12時間以内もしくは約12時間以内に、24時間以内もしくは約24時間以内に、48時間以内もしくは約48時間以内に、72時間以内もしくは約72時間以内に、96時間以内もしくは約96時間以内に、または1週間以内もしくは約1週間以内に前記阻害剤を投与するためのものである、請求項104または105記載のキット。前記指示書が、 前記対象由来の血液中の検出可能なT細胞療法の細胞の数が、前記T細胞の投与開始後の先行する時点の該対象における場合と比較して減少しているとき; 該血液中の検出可能なT細胞療法の細胞の数が、該T細胞の投与開始後の該対象の血液中の検出可能なT細胞療法の細胞のピーク数もしくは最大数の1.5倍未満もしくは約1.5倍未満、2倍未満もしくは約2倍未満、3倍未満もしくは約3倍未満、4倍未満もしくは約4倍未満、5倍未満もしくは約5倍未満、10倍未満もしくは約10倍未満、50倍未満もしくは約50倍未満、100倍未満もしくは約100倍未満、またはそれより少ないとき;および/または 該T細胞療法の細胞のピークレベルまたは最大レベルが該対象の血液中で検出可能となった後において、該対象由来の血液中の検出可能なT細胞のもしくはT細胞由来の細胞の数が、該対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%未満、5%未満、1%未満、もしくは0.1%未満であるとき に前記阻害剤を投与するためのものである、請求項104〜106のいずれか一項記載のキット。増加または減少が、1.2倍超もしくは約1.2倍超、1.5倍超もしくは約1.5倍超、2倍超もしくは約2倍超、3倍超もしくは約3倍超、4倍超もしくは約4倍超、5倍超もしくは約5倍超、10倍超もしくは約10倍超、またはそれ以上の増加または減少である、請求項107記載のキット。前記指示書が、前記T細胞の投与開始後、最大2日間、最大7日間、最大14日間、最大21日間、最大1ヵ月間、最大2ヵ月間、最大3ヵ月間、最大6ヵ月間、または最大1年間の期間にわたって前記阻害剤を投与するためのものである、請求項87〜108のいずれか一項記載のキット。前記指示書が、少なくとも前記T細胞の投与開始後から、 前記対象由来の血液中の検出可能な投与された該T細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、前記阻害剤の投与直前の先行する時点の該対象における場合と比較して、またはT細胞療法の実施後の先行する時点と比較して、増加するまで; 該血液中の検出可能な該T細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、該T細胞の投与開始後の該対象の血液中で観察されるピーク数または最大数の2.0倍(多いまたは少ない)以内であるまで; 該対象由来の血液中の検出可能な該T細胞の細胞数が、該対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%超もしくは約10%超、15%超もしくは約15%超、20%超もしくは約20%超、30%超もしくは約30%超、40%超もしくは約40%超、50%超もしくは約50%超、または60%超もしくは約60%超であるまで;ならびに/あるいは 該対象が、該T細胞の投与直前の時点または該阻害剤の投与直前の時点での腫瘍量と比較して、腫瘍量の減少を示すまで;ならびに/あるいは 該対象が完全寛解または臨床的寛解を示すまで、 該阻害剤をさらに投与するためのものである、請求項87〜109のいずれか一項記載のキット。前記遺伝子操作されたT細胞が、前記対象にとって自家である細胞を含む、請求項87〜110のいずれか一項記載のキット。前記遺伝子操作されたT細胞が、前記対象にとって同種であるT細胞を含む、請求項87〜111のいずれか一項記載のキット。組み換え受容体を発現する免疫細胞を操作する方法であって、 T細胞を含む細胞集団を、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤と接触させる工程であって、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、工程;ならびに 組み換え受容体をコードする核酸を、該組み換え受容体が発現される条件下で、T細胞集団に導入する工程 を含む、方法。前記細胞集団が、T細胞、任意でCD4+またはCD8+のT細胞であるかまたは該細胞を含む、請求項113記載の方法。前記細胞集団が、対象、任意でヒト対象から単離される、請求項113または114記載の方法。前記接触させる工程が、前記導入する工程の前および/または該導入する工程の間に行われる、請求項113〜115のいずれか一項記載の方法。遺伝子操作されたT細胞を製造する方法であって、組み換え受容体をコードする核酸分子を初代T細胞に導入する工程を含み、該T細胞が、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与された対象由来であり、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、方法。前記対象が、前記核酸分子の導入前30日以内、20日以内、10日以内、9日以内、8日以内、7日以内、6日以内、5日以内、4日以内、3日以内、2日以内、または1日以内に前記阻害剤を投与されている、請求項117記載の方法。前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する、 請求項113〜118のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である、請求項113〜119のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、式(II)の化合物、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13からなる群より選択される、請求項113〜120のいずれか一項記載の方法。前記阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む、請求項113〜121のいずれか一項記載の方法。前記T細胞が、CD4+細胞またはCD8+細胞を含む、請求項113〜122のいずれか一項記載の方法。

说明书全文

関連出願の相互参照 本願は、「Methods and Compositions for Use of Therapeutic T cells in Combination with Kinase Inhibitors」を表題とする2016年12月3日に出願された米国仮出願番号62/429,732および「Methods and Compositions for Use of Therapeutic T cells in Combination with Kinase Inhibitors」を表題とする2017年11月3日に出願された米国仮出願番号62/581,644からの優先権を主張し、それらの内容の全体を参照により組み入れる。

配列表の参照による組み入れ 本願は、電子形式の配列表と共に出願される。配列表は、2017年11月29日に作成された735042008940seqlist.txtという名称のファイルとして提供され、24,225バイトのサイズである。電子形式の配列表内の情報は、その全体が参照により組み入れられる。

分野 本開示は、いくつかの局面において、調節剤(例えば標的キナーゼ(例えば標的タンパク質チロシンキナーゼ)の阻害剤)と組み合わせてまたは併せて免疫療法(例えば養子細胞療法、例えばT細胞療法)を用いる方法、組成物、および使用に関する。そのような改変された細胞、細胞群、組成物の製造方法(例えば、1つまたは複数のキナーゼ阻害剤の存在下で細胞を製造する方法)も提供される。対象への投与方法、当該方法において使用される核酸、製造物品、およびキットも提供される。

背景 免疫療法(例えば、T細胞の投与を含む養子細胞療法、例えば遺伝子操作された抗原受容体、例えばCAR)に関して、様々な戦略が利用可能である。いくつかの局面において、利用可能な方法は、全体としては満足できるものではないかもしれない。免疫療法および養子細胞療法に関するさらなる戦略、例えば、投与される細胞の持続性、活性、および/または増殖、ならびに応答を増強するための戦略、ならびにT細胞の表現型を調節するための戦略に対する要望が存在する。そのような要望を満たす方法、細胞、組成物、キット、およびシステムを提供する。

概要 免疫療法または免疫療法剤(例えば、養子細胞療法(例えばT細胞療法)用の細胞(例えばCAR発現T細胞)を含む組成物、またはT細胞誘導治療剤(例えば、1種もしくは複数種のT細胞または他の免疫細胞を動員することができる二重特異性または多重特異性の薬剤または抗体))の投与を伴う、T細胞の増殖および/または活性を増強または調節する方法が、本明細書において提供される。いくつかの局面において、そのような方法は、免疫療法または免疫療法剤と、1つまたは複数の非受容体タンパク質チロシンキナーゼ(例えばTECファミリーキナーゼ)の阻害剤との同時投与を含む。いくつかの局面において、タンパク質チロシンキナーゼは、IL-2誘導性T細胞キナーゼではなく(ITKではなく)、かつ/または前記阻害剤は、ITKを阻害しない、例えば1000 nM未満もしくは500 nM未満のIC50値ではITKを阻害しない。いくつかの局面において、標的タンパク質チロシンキナーゼは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、tecタンパク質チロシンキナーゼ(TEC)、BMX非受容体チロシンキナーゼ(Etk)、TXKチロシンキナーゼ(TXK)、および/または受容体チロシンタンパク質キナーゼErbB4(ErbB4)である。提供される方法、組成物、および使用は、別の薬剤(例えば、疾患または病態を標的とするT細胞に関連する、該T細胞を動員または誘導する免疫療法剤、例えば治療抗体(例えば、多重特異性(例えば、T細胞誘導)抗体)、および/または、免疫細胞(例えば、T細胞、例えば遺伝子操作されたT細胞、例えばキメラ抗原受容体(CAR)発現T細胞)を含む治療組成物)と併せての1つまたは複数のそのような阻害剤の投与または使用を含む併用療法のための、方法、組成物、および使用を含む。いくつかの局面において、この方法および細胞の特徴は、養子細胞療法用のT細胞または免疫療法剤によって動員される内因性T細胞の活性、効、持続性、拡大増殖および/または増殖の増強または改善を提供する。

いくつかの態様において、この方法は、概して、免疫療法または免疫療法剤(例えば、養子細胞療法(例えばT細胞療法)用の細胞(例えばCAR発現T細胞)を含む組成物またはT細胞誘導治療剤)と、IL-2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)ではなくかつ/またはブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)、tecタンパク質チロシンキナーゼ(TEC)、BMX非受容体チロシンキナーゼ(Etk)、TXKチロシンキナーゼ(TXK)、および/もしくは受容体チロシンタンパク質キナーゼErbB4(ErbB4)から選択される標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤との併用療法の実施を含む。

(a)疾患もしくは病態に関連する抗原または疾患もしくは病態の細胞上に発現されるかもしくは存在する抗原、および/あるいは、疾患または病態を特異的に標的としかつ対象に投与されたことがあるかまたは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかあるいはそれに特異的に結合するT細胞を、疾患または病態を有する対象に投与する工程;ならびに(b)対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程であって、阻害剤は、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害する工程、を含む処置方法であって、該疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)標的タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)阻害剤に対して感受性がある形態の標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは、該対象または疾患もしくは病態が、該阻害剤および/もしくはBTKの阻害剤に対して抵抗性もしくは不応性であり、かつ/あるいは、タンパク質チロシンキナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない、処置方法が、本明細書において提供される。

いくつかの局面において、疾患もしくは病態に関連する抗原または疾患もしくは病態の細胞上に発現されるかもしくは存在する抗原、および/あるいは、疾患または病態を特異的に標的としかつ対象に投与されたことがあるかまたは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかあるいはそれに特異的に結合するT細胞を、疾患または病態を有する対象に投与する工程を含む処置方法であって、該対象が、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与されたことがあり、該阻害剤が、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ該疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)阻害剤に対して感受性がある形態の標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは、該対象または疾患もしくは病態が、該阻害剤および/もしくはBTKの阻害剤に対して抵抗性もしくは不応性であり、かつ/あるいは、タンパク質チロシンキナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない、処置方法が、提供される。

疾患または病態を有する対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程を含む処置方法であって、該阻害剤が、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、該対象が、疾患もしくは病態に関連する抗原または疾患もしくは病態の細胞上に発現されるかもしくは存在する抗原、および/あるいは、疾患または病態を特異的に標的としかつ対象に投与されたことがあるかまたは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかあるいはそれに特異的に結合するT細胞を、投与されたことがあり、該疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)標的タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)阻害剤に対して感受性がある形態の標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは、該対象または疾患もしくは病態が、該阻害剤および/もしくはBTKの阻害剤に対して抵抗性もしくは不応性であり、かつ/あるいは、TECファミリーキナーゼが、疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない、処置方法が、本明細書において提供される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、標的タンパク質チロシンキナーゼは、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である。いくつかの態様において、標的タンパク質チロシンキナーゼは、TECファミリーキナーゼである。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、式(II)、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13から選択される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤である。いくつかの態様において、阻害剤は、任意の追加のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/あるいはITKおよびBTKの両方に対する阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。

(1)疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかまたは該抗原もしくは該タグに特異的に結合するT細胞を、疾患または病態を有する対象に投与する工程;ならびに(2)標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を対象に投与する工程であって、標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、工程を含む方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤である。いくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/あるいはITKおよびBTKの両方に対する阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。

疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかまたは該抗原もしくは該タグに特異的に結合するT細胞を、疾患または病態を有する対象に投与する工程を含み、対象は、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与されたことがあり、標的タンパク質チロシンキナーゼは、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、方法が本明細書において提供される。いくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤である。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/あるいはITKおよびBTKの両方に対する阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。

疾患または病態を有する対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程を含む処置方法であって、該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4であり、該対象が、疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかまたは該抗原もしくは該タグに特異的に結合するT細胞を、投与されたことがある方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤である。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/あるいはITKおよびBTKの両方に対する阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、疾患または病態は、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)標的タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)阻害剤に対して感受性がある形態の標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは、対象または疾患もしくは病態は、該阻害剤および/もしくはBTKの阻害剤に対して抵抗性もしくは不応性であり、かつ/あるいは、標的キナーゼは、疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、標的タンパク質チロシンキナーゼは、RLK/TXKである。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、標的タンパク質チロシンキナーゼは、BMX/ETKであり、阻害剤は、任意の他のTECファミリーキナーゼおよび/もしくはITKに対する阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50でBmx/Etkを阻害し、かつ/あるいは1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)でBmx/Etkを阻害する。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、標的キナーゼは、ErbB4であるかまたはErbB4を含む。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、式(II): の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含む。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む。

いくつかの局面において、(1)疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、に特異的に結合する組み換え抗原受容体を含むT細胞を、疾患または病態を有する対象に投与する工程;ならびに(2)キナーゼ阻害剤または該阻害剤を含む薬学的組成物を対象に投与する工程であって、該阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含む工程、を含む処置方法が提供される。

いくつかの局面において、疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、に特異的に結合する組み換え抗原受容体を含むT細胞を、疾患または病態を有する対象に投与する工程を含む、処置方法であって、該対象が、キナーゼ阻害剤または該阻害剤を含む薬学的組成物を投与されたことがあり、該阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含む、処置方法が提供される。

いくつかの局面において、キナーゼ阻害剤または該阻害剤を含む薬学的組成物を、疾患または病態を有する対象に投与する工程を含む、処置方法であって、該阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含み、対象が、疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、に特異的に結合する組み換え抗原を含むT細胞を、投与されたことがある、処置方法が提供される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、疾患または病態は、がんである。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、(i)対象および/または疾患もしくは病態は、(a)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤に対して抵抗性であり、かつ/または(b)該阻害剤による阻害に対して抵抗性である細胞の集団を含み、(ii)対象および/または疾患もしくは病態は、該阻害剤によるおよび/またはイブルチニブによるBTKの阻害を軽減または防止することができる、BTKをコードする核酸における変異または破壊を含み、かつ/あるいは(iii)(1)の投与時点および(2)の投与時点で、対象は、該阻害剤および/またはBTK阻害剤療法による処置の後での寛解の後で再発しているか、または該処置に対して不応性であるとみなされている。いくつかの態様において、細胞集団は、B細胞集団であるかもしくはB細胞集団を含み、かつ/またはT細胞を含まない。いくつかの態様において、BTKをコードする核酸における変異は、C481位における置換、任意でC481SもしくはC481R、および/もしくはT474位における置換、任意でT474IまたはT474Mを含む。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、標的タンパク質チロシンキナーゼは、疾患もしくは病態の細胞によって発現されず、疾患もしくは病態が由来する細胞において通常は発現されないかもしくは発現される疑いがなく、かつ/または疾患もしくは病態は、阻害剤に対して感受性がなく;かつ/あるいは少なくとも複数のT細胞が標的タンパク質チロシンキナーゼを発現し;かつ/または標的タンパク質チロシンキナーゼがT細胞において発現される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、疾患または病態は、B細胞抗原を発現しないがんであるか、非血液がんであるか、B細胞悪性腫瘍ではないか、B細胞白血病ではないか、または固形腫瘍である。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、疾患または病態は、肉腫、がん腫、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、白血病、CLL、ALL、AML、および骨髄腫から選択されるがんである。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、疾患または病態は、膵がん、膀胱がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、腎がん、肝細胞がん、がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵がん、直腸がん、甲状腺がん、子宮がん、胃がん、食道がん、頭頚部がん、黒色腫、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、または軟組織肉腫である。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、T細胞は、ROR1、B細胞成熟抗原(BCMA)、tEGFR、Her2、Ll-CAM、CD19、CD20、CD22、メソテリン、CEAおよびB型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3または4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、カッパ軽鎖、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原(dual antigen)、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、ROR1、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原から選択される抗原を認識または標的とする。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、抗原は、B細胞抗原ではなく、かつ/あるいは抗原は、CD19、CD20、CD22、およびROR1から選択されるB細胞抗原ではない。いくつかの態様において、抗原は、CD19、CD20、CD22、およびROR1から選択されるB細胞抗原ではなく、かつ/あるいは疾患もしくは病態は、CD19、CD20、CD22、およびROR1から選択されるB細胞抗原、ならびに/もしくはカッパ軽鎖を発現しない。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、T細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含むか、または前記抗原に特異的に結合する組み換え受容体を発現する遺伝子操作されたT細胞を含む。いくつかの態様において、T細胞は、前記抗原またはタグに特異的に結合する組み換え受容体を発現する遺伝子操作されたT細胞を含み、該受容体は、任意で、キメラ抗原受容体である。いくつかの態様において、組み換え受容体は、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)または機能的な非T細胞受容体である。いくつかの態様において、組み換え受容体は、キメラ受容体であり、該キメラ受容体は、任意で、キメラ抗原受容体(CAR)である。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体(CAR)は、前記抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインと、ITAMを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内ドメインを含む。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体(CAR)はさらに、共刺激シグナル伝達領域を含む。いくつかの態様において、共刺激シグナル伝達領域は、CD28または4-1BBのシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、共刺激ドメインは、CD28のドメインである。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼの活性化を不可逆的に低減もしくは消失させ、SEQ ID NO:18に示される配列の残基C481に対応するアミノ酸残基を含む標的タンパク質チロシンキナーゼの活性部位内の結合部位に特異的に結合し、および/または標的タンパク質チロシンキナーゼの自己リン酸化活性を低減もしくは消失させる。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤はイブルチニブではない。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は式(II)の化合物ではない。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13ではない。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、T細胞を含む組成物の投与開始と同時または投与開始後に、阻害剤が投与される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、T細胞の投与開始後に投与される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、T細胞の投与開始から1時間以内もしくは約1時間以内に、2時間以内もしくは約2時間以内に、6時間以内もしくは約6時間以内に、12時間以内もしくは約12時間以内に、24時間以内もしくは約24時間以内に、48時間以内もしくは約48時間以内に、72時間以内もしくは約72時間以内に、96時間以内もしくは約96時間以内に、または1週間以内もしくは約1週間以内に投与される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、対象由来の血液中の検出可能な投与されたT細胞の数が、該T細胞の投与開始後の先行する時点の対象における場合と比較して減少しているとき;血液中の検出可能な投与されたT細胞の数が、該T細胞の投与開始後の対象の血液中の検出可能なT細胞療法の細胞のピーク数または最大数の1.5倍未満もしくは約1.5倍未満、2倍未満もしくは約2倍未満、3倍未満もしくは約3倍未満、4倍未満もしくは約4倍未満、5倍未満もしくは約5倍未満、10倍未満もしくは約10倍未満、50倍未満もしくは約50倍未満、100倍未満もしくは約100倍未満、またはそれより少ないとき;ならびに/あるいは投与されたT細胞のピークレベルまたは最大レベルが対象の血液中で検出可能となった後において、対象由来の血液中の検出可能なT細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%未満、5%未満、1%未満、または0.1%未満であるときに、投与される。

いくつかの態様において、増加または減少は、1.2倍超もしくは約1.2倍超、1.5倍超もしくは約1.5倍超、2倍超もしくは約2倍超、3倍超もしくは約3倍超、4倍超もしくは約4倍超、5倍超もしくは約5倍超、10倍超もしくは約10倍超、またはそれ以上の増加または減少である。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、T細胞の投与の開始後、最大2日間、最大7日間、最大14日間、最大21日間、最大1ヵ月間、最大2ヵ月間、最大3ヵ月間、最大6ヵ月間、または最大1年間の期間にわたって投与される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、T細胞の投与の開始後、最大3ヵ月間投与される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤の投与は、少なくともT細胞の投与の開始後から、対象由来の血液中の検出可能な投与されたT細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、阻害剤の投与開始直前の先行する時点の対象における場合と比較して、またはT細胞療法の実施後の先行する時点と比較して、増加するまで;血液中の検出可能な該T細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、該T細胞の投与開始後の対象の血液中で観察されるピーク数または最大数の2.0倍(多いまたは少ない)以内であるまで;対象由来の血液中の検出可能なT細胞の細胞数が、対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%超もしくは約10%超、15%超もしくは約15%超、20%超もしくは約20%超、30%超もしくは約30%超、40%超もしくは約40%超、50%超もしくは約50%超、または60%超もしくは約60%超であるまで;および/または対象が、T細胞の投与直前の時点または阻害剤の投与直前の時点での腫瘍量との比較で腫瘍量の減少を示すまで;および/または対象が完全寛解または臨床的寛解を示すまで、継続される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、経口投与、皮下投与、または静脈内投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、経口投与される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、1日に6回、1日に5回、1日に4回、1日に3回、1日に2回、1日に1回、1日おき、1週間に3回、または1週間に少なくとも1回投与される。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、1日に1回または1日に2回投与される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、少なくとも50 mg/日もしくは少なくとも約50 mg/日、少なくとも100 mg/日もしくは少なくとも約100 mg/日、少なくとも150 mg/日もしくは少なくとも約150 mg/日、少なくとも175 mg/日もしくは少なくとも約175 mg/日、少なくとも200 mg/日もしくは少なくとも約200 mg/日、少なくとも250 mg/日もしくは少なくとも約250 mg/日、少なくとも300 mg/日もしくは少なくとも約300 mg/日、少なくとも350 mg/日もしくは少なくとも約350 mg/日、少なくとも400 mg/日もしくは少なくとも約400 mg/日、少なくとも450 mg/日もしくは少なくとも約450 mg/日、少なくとも500 mg/日もしくは少なくとも約500 mg/日、少なくとも600 mg/日もしくは少なくとも約600 mg/日、少なくとも700 mg/日もしくは少なくとも約700 mg/日、少なくとも800 mg/日もしくは少なくとも約800 mg/日、またはそれより多い総1日用量で投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、1日あたり420 mg未満または約420 mg未満または約420 mgまたは420 mgの量で投与される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、投与されるT細胞は、CD4+またはCD8+であるT細胞を含む。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、投与されるT細胞は、対象にとって自家である細胞を含む。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、投与されるT細胞は、対象にとって同種であるT細胞を含む。本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、投与されるT細胞は、それぞれが両端の値を含む、5 x 105細胞/kg対象体重〜1 x 107細胞/kgもしくは約5 x 105細胞/kg〜約1 x 107細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜5 x 106細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜3 x 106細胞/kgもしくは約0.5 x 106細胞/kg〜約3 x 106細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜2 x 106細胞/kgもしくは約0.5 x 106細胞/kg〜約2 x 106細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜1 x 106細胞/kgもしくは約0.5 x 106細胞/kg〜約1 x 106細胞/kg、1.0 x 106細胞/kg対象体重〜5 x 106細胞/kgもしくは約1.0 x 106細胞/kg〜約5 x 106細胞/kg、1.0 x 106細胞/kg〜3 x 106細胞/kgもしくは約1.0 x 106細胞/kg〜約3 x 106細胞/kg、1.0 x 106細胞/kg〜2 x 106細胞/kgもしくは約1.0 x 106細胞/kg〜約2 x 106細胞/kg、2.0 x 106細胞/kg対象体重〜5 x 106細胞/kgもしくは約2.0 x 106細胞/kg〜約5 x 106細胞/kg、2.0 x 106細胞/kg〜3 x 106細胞/kgもしくは約2.0 x 106細胞/kg〜約3 x 106細胞/kg、または3.0 x 106細胞/kg対象体重〜5 x 106細胞/kgもしくは約3.0 x 106細胞/kg〜約5 x 106細胞/kgの細胞数を含む用量の投与を含む。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、投与される細胞の用量は、投与されるT細胞が前記阻害剤の投与なしで投与される方法における用量よりも少ない。いくつかの態様において、用量は、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍少ない。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、T細胞は単一用量で投与され、該単一用量は、任意で、該細胞を含む単一の薬学的組成物である。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、T細胞は分割用量で投与され、ここで単一用量の細胞が、合計で当該用量の細胞を含む複数の組成物として、3日間以内の期間にわたって投与され、かつ/またはこの方法は、1つまたは複数のさらなる用量のT細胞を投与する工程をさらに含む。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、この方法はさらに、T細胞の投与前にリンパ球枯渇化学療法を実施する工程を含む、および/または対象は、T細胞の投与前にリンパ球枯渇化学療法を受けたことがある。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、リンパ球枯渇化学療法は、対象へのフルダラビンおよび/またはシクロホスファミドの投与を含む。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、前記方法は、対象に免疫調節剤を投与する工程をさらに含み、前記細胞の投与および該免疫調節剤の投与は、同時に、別々に、もしくは単一の組成物として、またはいずれかの順序で逐次的に行われる。いくつかの態様において、免疫調節剤は、分子の機能または該分子が関与するシグナル伝達経路を阻害またはブロックすることができ、ここで該分子は免疫阻害性分子であり、かつ/またはここで該分子は免疫チェックポイント分子である。

いくつかの態様において、免疫チェックポイント分子または経路は、PD-1、PD-L1、PD-L2、CTLA-4、LAG-3、TIM3、VISTA、アデノシン2A受容体(A2AR)、もしくはアデノシン、または前記のいずれかが関与する経路から選択される。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、免疫調節剤は抗体であるかまたは抗体を含み、該抗体は、任意で、抗体フラグメント、単鎖抗体、多重特異性抗体、または免疫コンジュゲートである。

いくつかの態様において、抗体は、免疫チェックポイント分子またはそのリガンドもしくは受容体に特異的に結合し、かつ/または抗体は、免疫チェックポイント分子とそのリガンドまたは受容体との間の相互作用をブロックするかまたは弱めることができる。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、投与されるT細胞は、対象において、投与されるT細胞が前記阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して増強されたまたは長期にわたる拡大増殖および/または持続性を示す。

本明細書において提供される任意の方法のいくつかの態様において、この方法は、投与されるT細胞が前記阻害剤の非存在下で対象に投与される同等の方法で観察される減少と比較して、より大きい程度にかつ/またはより長期間にわたって、腫瘍負荷量を減少させる。

いくつかの局面において、B細胞抗原以外の抗原またはCD19、CD20、CD22、およびROR1から選択されるB細胞抗原以外の抗原に結合する組み換え受容体を発現する遺伝子操作されたT細胞と、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤とを含む組み合わせであって、該阻害剤が、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/あるいは標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、組み合わせが提供される。

本明細書の任意の組み合わせのいくつかの態様において、抗原は、Her2、L1-CAM、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3または4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原から選択される。

本明細書の任意の組み合わせのいくつかの態様において、抗原は、病原体特異的抗原であり、該病原体特異的抗原は、ウイルス抗原、細菌抗原、または寄生虫抗原である。

本明細書の任意の組み合わせのいくつかの態様において、組み換え受容体は、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)または機能的な非T細胞受容体である。

本明細書の任意の組み合わせのいくつかの態様において、組み換え受容体は、キメラ受容体であり、該キメラ受容体は、任意で、キメラ抗原受容体(CAR)である。

本明細書の任意の組み合わせのいくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/あるいはITKおよびBTKの両方に対する阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。

本明細書の任意の組み合わせのいくつかの態様において、阻害剤は、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、式(II)、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13から選択される。

本明細書の任意の組み合わせのいくつかの態様において、阻害剤は、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む。

本明細書の任意の組み合わせのいくつかの態様において、この組み合わせは、同一の組成物として製剤化される。本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、この組み合わせは、別々の組成物として製剤化される。

請求項76〜86のいずれか一項記載の組み合わせと、遺伝子操作された細胞および阻害剤を疾患または病態(任意でがん)を治療するために対象に投与するための指示書とを含むキットが、本明細書において提供される。

B細胞抗原以外の抗原またはCD19、CD20、CD22、およびROR1から選択されるB細胞抗原以外の抗原に結合する組み換え受容体を発現する治療有効量の遺伝子操作されたT細胞を含む組成物;ならびに、がんを治療するために、該遺伝子操作された細胞を、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤との併用療法で対象に投与するための指示書であって、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/あるいは標的タンパク質チロシンキナーゼは、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、指示書、を含む、キットが、本明細書において提供される。

治療有効量の標的タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤を含む組成物であって、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/あるいは標的タンパク質チロシンキナーゼは、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、組成物;ならびに疾患または病態、任意でがんを治療するために、該阻害剤を、遺伝子操作されたT細胞との併用療法で対象に投与するための指示書であって、該T細胞が、B細胞抗原以外の抗原またはCD19、CD20、CD22、およびROR1から選択されるB細胞抗原以外の抗原に結合する組み換え受容体を発現する、指示書、を含む、キットが、本明細書において提供される。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、がんは、B細胞抗原を発現するがんではないか、非血液がんであるか、B細胞悪性腫瘍ではないか、B細胞白血病ではないか、または固形腫瘍である。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、がんは、肉腫、がん腫、またはリンパ腫であり、任意で、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、白血病、CLL、ALL、AML、および骨髄腫である。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、がんは、膵がん、膀胱がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、腎がん、肝細胞がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵がん、直腸がん、甲状腺がん、子宮がん、胃がん、食道がん、頭頚部がん、黒色腫、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、または軟組織肉腫である。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、(i)対象および/または疾患もしくは病態は、(a)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤に対して抵抗性であり、かつ/または(b)該阻害剤による阻害に対して抵抗性である細胞の集団を含み;(ii)対象および/または疾患もしくは病態は、該阻害剤によるおよび/またはイブルチニブによるBTKの阻害を軽減または妨げることができる、BTKをコードする核酸における変異または破壊を含み;かつ/あるいは(iii)投与の時点で、対象は、該阻害剤および/またはBTK阻害剤療法による処置の後での寛解の後で再発しているか、または該処置に対して不応性であるとみなされている。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、細胞集団は、B細胞の集団であるかもしくはB細胞の集団を含み、かつ/またはT細胞を含まない。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、BTKをコードする核酸における変異は、C481位における置換、任意でC481SもしくはC481R、および/またはT474位における置換、任意でT474IもしくはT474Mを含む。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、抗原は、Her2、L1-CAM、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3または4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原から選択される。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、抗原は、病原体特異的抗原であり、病原体特異的抗原は、ウイルス抗原、細菌抗原、または寄生虫抗原である。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、組み換え受容体は、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)または機能的な非T細胞受容体である。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、組み換え受容体は、キメラ受容体であり、キメラ受容体は、任意で、キメラ抗原受容体(CAR)である。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/あるいはITKおよびBTKの両方に対する阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。

本明細書の任意のキットのいくつかの態様において、阻害剤は、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である。本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、阻害剤は、式(II)、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13から選択される。

本明細書の任意のキットのいくつかの態様において、阻害剤は、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む。

本明細書の任意のキットのいくつかの態様において、指示書は、T細胞を含む組成物の投与開始と同時または投与開始後に阻害剤を投与するためのものである。本明細書の任意のキットのいくつかの態様において、指示書は、T細胞の投与開始後に阻害剤を投与するためのものである。

本明細書の任意のキットのいくつかの態様において、指示書は、T細胞の投与開始から1時間以内もしくは約1時間以内に、2時間以内もしくは約2時間以内に、6時間以内もしくは約6時間以内に、12時間以内もしくは約12時間以内に、24時間以内もしくは約24時間以内に、48時間以内もしくは約48時間以内に、72時間以内もしくは約72時間以内に、96時間以内もしくは約96時間以内に、または1週間以内もしくは約1週間以内に阻害剤を投与するためのものである。

本明細書の任意のキットのいくつかの態様において、指示書は、対象由来の血液中の検出可能なT細胞療法の細胞の数が、該T細胞の投与開始後の先行する時点の対象における場合と比較して減少しているとき;血液中の検出可能なT細胞療法の細胞の数が、該T細胞の投与開始後の対象の血液中の検出可能なT細胞療法の細胞のピーク数または最大数の1.5倍未満もしくは約1.5倍未満、2倍未満もしくは約2倍未満、3倍未満もしくは約3倍未満、4倍未満もしくは約4倍未満、5倍未満もしくは約5倍未満、10倍未満もしくは約10倍未満、50倍未満もしくは約50倍未満、100倍未満もしくは約100倍未満、またはそれより少ないとき;かつ/あるいはT細胞療法の細胞のピークレベルまたは最大レベルが対象の血液中で検出可能となった後において、対象由来の血液中の検出可能なT細胞のまたはT細胞由来の細胞の数が、対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%未満、5%未満、1%未満、または0.1%未満であるときに、阻害剤を投与するためのものである。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、増加または減少は、1.2倍超もしくは約1.2倍超、1.5倍超もしくは約1.5倍超、2倍超もしくは約2倍超、3倍超もしくは約3倍超、4倍超もしくは約4倍超、5倍超もしくは約5倍超、10倍超もしくは約10倍超、またはそれ以上の増加または減少である。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、指示書は、T細胞の投与の開始後、最大2日間、最大7日間、最大14日間、最大21日間、最大1ヵ月間、最大2ヵ月間、最大3ヵ月間、最大6ヵ月間、または最大1年間の期間にわたって阻害剤を投与するためのものである。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、指示書は、少なくともT細胞の投与の開始後から、対象由来の血液中の検出可能な投与されたT細胞のまたはT細胞由来の細胞の数が、前記阻害剤の投与直前の先行する時点の対象における場合と比較して、またはT細胞療法の実施開始後における先行する時点と比較して、増加するまで;血液中の検出可能なT細胞のまたはT細胞由来の細胞の数が、該T細胞の投与後の対象の血液中で観察されるピーク数または最大数の2.0倍(多いまたは少ない)以内であるまで;対象由来の血液中の検出可能なT細胞の細胞数が、対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%超もしくは約10%超、15%超もしくは約15%超、20%超もしくは約20%超、30%超もしくは約30%超、40%超もしくは約40%超、50%超もしくは約50%超、または60%超もしくは約60%超であるまで;および/または対象が、T細胞の投与直前の時点または阻害剤の投与直前の時点での腫瘍量との比較で腫瘍量の減少を示すまで;および/または対象が完全寛解または臨床的寛解を示すまで、該阻害剤をさらに投与するためのものである。

本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、遺伝子操作されたT細胞は、対象にとって自家である細胞を含む。本明細書の任意の態様のいくつかの態様において、遺伝子操作されたT細胞は、対象にとって同種であるT細胞を含む。

いくつかの局面において、組み換え受容体を発現する免疫細胞を操作する方法であって、T細胞を含む細胞集団を、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤と接触させる工程であって、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/あるいは標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、工程;ならびに組み換え受容体をコードする核酸を、該組み換え受容体が発現される条件下で、T細胞集団に導入する工程、を含む、方法が提供される。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、細胞集団は、T細胞、任意でCD4+またはCD8+のT細胞であるかまたは該細胞を含む。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、細胞集団は、対象、任意でヒト対象から単離される。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、接触させる工程は、導入する工程の前および/または導入する工程の間に行われる。

いくつかの局面において、遺伝子操作されたT細胞を製造する方法であって、組み換え受容体をコードする核酸分子を初代T細胞に導入する工程を含み、ここで該T細胞が、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与された対象由来であり、ここで該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/あるいは標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、方法が、提供される。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、対象は、前記核酸分子の導入前30日以内、20日以内、10日以内、9日以内、8日以内、7日以内、6日以内、5日以内、4日以内、3日以内、2日以内、または1日以内に阻害剤を投与されている。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは阻害剤は、標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/あるいはITKおよびBTKの両方に対する阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、式(II)の化合物、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13から選択される。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、阻害剤は、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む。

本明細書の任意の方法のいくつかの態様において、T細胞は、CD4+またはCD8+細胞を含む

図1Aは、CAR T細胞をイブルチニブまたは式(II)の化合物と共培養させた三連のウェルにおける標的特異的細胞溶解活性を評価する正規化された標的細胞数のグラフを示している(平均±SEM)。

図1Bは、細胞傷害性アッセイの開始時および終了時の、2.5:1のエフェクター対標的比(E:T)でCAR T細胞と共培養された標的細胞(NucLight Red K562.CD19細胞)の代表的画像を示している。

図1Cおよび図1Dは、それぞれ、イブルチニブまたは式(II)の化合物の存在下または非存在下での抗CD19 CAR T細胞の標的特異的細胞溶解活性を評価する研究の結果を示している。グラフは、3名の独立したドナーからのデータを示しており、未処理対照(100%)に対して正規化されている。その平均±SEMが示され、統計学的有意差は、P<0.00001(

****)で示される。

図2Aは、示されている濃度のイブルチニブの存在下または非存在下でのCD4+およびCD8+細胞の培養後のCD25、CD28、CD39およびCD95のCAR T細胞発現を示している。

図2Bは、示されている濃度の式(II)の化合物の存在下または非存在下でのCD4+およびCD8+細胞の培養後のCD25、CD28、CD39およびCD95のCAR T細胞発現を示している。

図2Cは、式(II)の化合物の存在下での初期刺激後4日日にわたる、TCM(CCR7+CD45RA-)およびTEM(CCR7-CD45RA-)の比率についての1名のドナー由来の細胞からのCAR T細胞の代表的結果を示している。

図2Dは、イブルチニブの存在下での初期刺激後4日日にわたる、TCM(CCR7+CD45RA-)およびTEM(CCR7-CD45RA-)の比率についての1名のドナー由来の細胞からのCAR T細胞の代表的結果を示している。

図2Eは、示されている濃度のイブルチニブの存在下または非存在下でのCD4+細胞の培養後のCD69、CD107aおよびPD-1のCAR-T細胞発現を示している。

図2Fは、示されている濃度のイブルチニブの存在下または非存在下でのCD8+細胞の培養後のCD69、CD107aおよびPD-1のCAR-T細胞発現を示している。

図2Gは、示されている濃度の式(II)の化合物の存在下または非存在下でのCD4+細胞の培養後のCD69、CD107aおよびPD-1のCAR-T細胞発現を示している。

図2Hは、示されている濃度の式(II)の化合物の存在下または非存在下でのCD8+細胞の培養後のCD69、CD107aおよびPD-1のCAR-T細胞発現を示している。

図3Aは、2.5:1のE:Tで標的細胞により刺激され、イブルチニブで処理された、1名のドナー由来の細胞からのCAR T細胞の上清からのIFN-ガンマ、IL-2、およびTNF-アルファの測定を示している。

図3Bは、2.5:1のE:Tで標的細胞により刺激され、式(II)の化合物で処理された、1名のドナー由来の細胞からのCAR T細胞の上清からのIFN-ガンマ、IL-2、およびTNF-アルファの測定を示している。

図3Cは、2回の独立したアッセイによる、3名のドナー由来の細胞における、未処理対照と比較しての、イブルチニブの存在下での2日間のCAR-T細胞の刺激後の分泌されたサイトカイン、IFN-ガンマ、IL-2、およびTNF-アルファの読み取り値の変化率を示している。

図3Dは、2回の独立したアッセイによる、3名のドナーについての、未処理対照と比較しての、式(II)の化合物の存在下での2日間のCAR-T細胞の刺激後の分泌されたサイトカイン、IFN-ガンマ、IL-2、およびTNF-アルファの読み取り値の変化率を示している。

図4Aは、50 nMまたは500 nMイブルチニブの非存在下(対照)または存在下での、連続刺激アッセイにおける個々の再刺激ラウンド後のCAR-T細胞の集団倍加数を示している。矢印は、CAR T細胞を計数し、新しい標的細胞をイブルチニブと共に添加した各再刺激の時点を示している。

図4Bは、158 nMまたは1581 nMの式(II)の化合物の非存在下(対照)または存在下での、連続刺激アッセイにおける個々の再刺激ラウンド後のCAR-T細胞の集団倍加数を示している。矢印は、CAR T細胞を計数し、新しい標的細胞を式(II)の化合物と共に添加した各再刺激の時点を示している。

図4Cは、連続刺激アッセイにおける、示されている濃度のイブルチニブの存在下または非存在下での5ラウンドの再刺激後第18日の細胞数を示している、P<0.05(

*)。

図4Dは、連続刺激アッセイにおける、示されている濃度の式(II)の化合物の存在下または非存在下での5ラウンドの再刺激後第18日の細胞数を示している、P<0.05(

*)。

図5Aは、式(II)の化合物またはイブルチニブの存在下でのT細胞の刺激後の、TH2とTH1の表現型のT細胞を区別するために使用された細胞表面マーカーの表面発現レベルを評価するフローサイトメトリー研究の結果を示している。

図5Bは、式(II)の化合物またはイブルチニブの存在下または非存在下で培養されたT細胞における、フローサイトメトリーアッセイによって測定された経時的に観察されたTH1細胞の比率を示している。

図5Cは、示されている濃度の式(II)の化合物またはイブルチニブの非存在下または存在下でのT細胞の連続再刺激後第18日における、フローサイトメトリーアッセイによって測定されたTH1細胞の比率を示している。

図5Dは、式(II)の化合物の存在下での連続刺激の第0、11、18および21日におけるCD25、CD38、CD39およびCD45RO(図5D)の発現を示している。1名のドナー由来の細胞からのCAR T細胞の代表的結果が示されている。

図5Eは、式(II)の化合物の存在下での連続刺激の第0、11、18および21日におけるCD62L、CD69、CD107aおよびPD-1(図5E)の発現を示している。1名のドナー由来の細胞からのCAR T細胞の代表的結果が示されている。

図5Fは、イブルチニブの存在下での連続刺激の第0、11、18および21日における、CD25、CD38、CD39、およびCD45ROの発現を示している。1名のドナー由来の細胞からのCAR T細胞の代表的結果が示されている。

図5Gは、イブルチニブの存在下での連続刺激の第0、11、18および21日における、CD62L、CD69、CD107a、およびPD-1の発現を示している。1名のドナー由来の細胞からのCAR T細胞の代表的結果が示されている。

図6Aは、(a)ビヒクル単独(P.O.ビヒクル)または(b)イブルチニブ(P.O.イブルチニブ)の経口投与、(iii)ビヒクル単独(ビヒクル)の経口投与または(iv)イブルチニブ単独の経口投与(イブルチニブ)と共に最適下用量のCAR+ T細胞(抗CD19 CAR)を投与した後の、播種性腫瘍異種移植マウスモデル(BTK阻害に対して抵抗性であることが確認されたモデル)における腫瘍量を経時的に評価する研究の結果を示している。

図6Bは、イブルチニブまたはビヒクル対照の存在下または非存在下での2名の異なるドナー由来の細胞からのCAR+ T細胞で処置されたマウスにおける腫瘍注射後のより多くの時点での同じ研究の結果を示している。図6Aおよび6Bの結果は、生物発光による平均放射の測定により示される経時的な腫瘍成長を示している。

図6Cは、図6Aに関連して説明されたこれらの処置グループの動物の生存率に関するカプランマイヤー曲線を示している。

図6Dは、イブルチニブまたはビヒクル対照の存在下または非存在下での2名の異なるドナー由来の細胞からのCAR+ T細胞で処置されたマウスにおける腫瘍注射後のより多くの時点での同じ研究の生存率の結果を示している。

図7Aは、2名の異なるドナーから生成されたCAR-T細胞を単独でまたは、各々飲み水を通じて投与された、イブルチニブもしくは式(II)の化合物の毎日の投与との組み合わせで投与された腫瘍保有マウスの観察された生存率を示すカプランマイヤー曲線を示している。統計学的有意差は、P<0.001(

***)で示されている。

図7Bは、2名の異なるドナーから生成されたCAR-T細胞を投与され、各々飲み水を通じて投与された、イブルチニブまたは式(II)の化合物で処置されたマウスからの生物発光による平均放射の測定により示される、経時的な腫瘍成長を示している。統計学的有意差は、二元配置ANOVA P<0.005(

*)、P<0.01(

**)で示されている。

図7Cは、イブルチニブを用いてまたは用いずに処置されたマウスの血液および骨髄中のCAR-T細胞の数を評価する研究の結果を示している。統計学的有意差は、P<0.05(

*)、P<0.001(

***)で示されている。

図7Dは、イブルチニブを用いたまたは用いなかった処置の後のCAR-T細胞移入後第19日における血液中の細胞数を示している。統計学的有意差は、P<0.05(

*)で示されている。

図7Eは、式(II)の化合物を用いてまたは用いずに処置されたマウスの血液および骨髄中のCAR-T細胞の数を評価する研究の結果を示している。統計学的有意差は、P<0.001(

***)およびP<0.0001(

****)で示されている。

図7Fは、式(II)の化合物を用いたまたは用いなかった処置の後のCAR-T細胞移入後第19日における血液中の細胞数を示している。統計学的有意差は、P<0.001(

***)で示されている。

図7Gは、CART-T細胞単独でまたはイブルチニブと共にCART-T細胞で処置されたマウスの血液および骨髄におけるCAR T移入後第7、12、19および26日における腫瘍細胞数を示している。統計学的有意差は、P<0.05(

*)、P<0.01(

**)、P<0.001(

***)およびP<0.0001(

****)で示されている。

図7Hは、CART-T細胞単独でまたは式(II)の化合物と共にCART-T細胞で処置されたマウスの血液、骨髄におけるCAR T移入後第7、12、19および26日における腫瘍細胞数を示している。統計学的有意差は、P<0.05(

*)、P<0.01(

**)、P<0.001(

***)およびP<0.0001(

****)で示されている。

図8Aは、阻害剤(対照)の非存在下またはイブルチニブもしくは式(II)の化合物の存在下のいずれかでのCAR-T細胞処置後第12日の動物の骨髄から収集されたCAR操作T細胞における表面マーカーのt分布型確率的近傍埋め込み(t-SNE)高次分析を示している。

図8Bは、阻害剤(対照)の非存在下またはイブルチニブもしくは式(II)の化合物の存在下のいずれかでのCAR-T細胞処置後第12日の動物の骨髄から収集されたCAR操作T細胞における表面マーカーのt分布型確率的近傍埋め込み(t-SNE)高次分析から得られた4つの集団を示している。結果は、グループあたり3匹のマウスからの総合分析を表している。

図8Cは、4回ゲートt-SNEからのCD4、CD8、CD62L、CD45RA、CD44およびCXCR3の個々の発現プロフィールを、総集団の発現(影付きヒストグラム)と重ねて示すヒストグラムを示している。

図8Dは、対照マウスまたはイブルチニブもしくは式(II)の化合物で処置されたマウスからの各t-SNE集団の変化率および変化倍率を示している。

図9Aは、イブルチニブの非存在下(対照)または50 nMもしくは500 nMイブルチニブの存在下で培養された細胞を用いた、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)対象から得られた細胞から生成されたCAR操作細胞の、21日間の培養期間にわたる連続刺激アッセイにおける集団倍加数を示している。矢印は、CAR T細胞を計数し、新しい標的細胞をイブルチニブと共に添加した各再刺激の時点を示している。

図9Bは、イブルチニブの存在下または非存在下での16日間の連続再刺激後のCD19発現標的細胞に対するCAR-T細胞の細胞溶解活性についてのアッセイの結果を示している。殺傷率を、未処理対照(100%)に対して正規化した。データは、複製ウェル群からの平均±SEMとして示されている。統計学的有意差は、P<0.001(

***)、P<0.0001(

****)として示されている。

図10Aは、対照との比較で、500 nMイブルチニブで処理された第18日連続刺激CAR T細胞から示差的に発現された遺伝子を示すボルケーノプロットである。右点線の右側が、有意に示差的に上方調節された遺伝子であり、左点線の左側が、有意に示差的に下方調節された遺伝子である(FDR<0.05、abslog2FC>0.5)。

図10Bは、対照との比較で、1581 nMの式(II)の化合物で処理された第18日連続刺激CAR T細胞から発現された遺伝子を示すボルケーノプロットである。右点線の右側が、有意に示差的に上方調節された遺伝子であり、左点線の左側が、有意に示差的に下方調節された遺伝子である(FDR<0.05、abslog2FC>0.5)。

図10Cは、対照グループおよび500 nMイブルチニブグループにおける、図10Aで示差的に発現された遺伝子の3名のドナー間で正規化された発現を示すヒートマップである(ドナー+条件ごとの百万あたりの平均転写物、遺伝子ごとに正規化されたzスコア)。

図11A〜11Bは、対照との比較で、50 nMまたは500 nMイブルチニブで処理された連続刺激CAR T細胞からの条件ごとのドナーおよび実験間でまとめられたGZMAおよびSELL(CD62L)の発現(TPM、百万あたりの転写物)ボックスプロットプロフィールを示している。

図12Aは、フローサイトメトリーによって測定された、18日間の連続刺激後の1名のドナー由来の細胞からのCAR T細胞におけるCD62L発現の代表的ヒストグラムである。図12Bは、フローサイトメトリーによって測定された、対照に対して正規化された、18日間の連続刺激後の1名のドナー由来の細胞からのCD62L+ CAR T細胞の比率の変化倍率を示している。データは、2回の独立した実験からのものである(平均±SEM)。

詳細な説明 免疫療法または免疫療法剤(例えば、養子細胞療法(例えばT細胞療法)用の細胞(例えばCAR発現T細胞)を含む組成物、またはT細胞誘導治療剤(例えば、1種もしくは複数種のT細胞または他の免疫細胞を動員することができる二重特異性または多重特異性の薬剤または抗体))の投与を伴う、T細胞の増殖および/または活性を増強または調節する方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、この併用療法は、IL-2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)ではなくかつ/またはブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)、tecタンパク質チロシンキナーゼ(TEC)、BMX非受容体チロシンキナーゼ(Etk)、TXKチロシンキナーゼ(TXK)、および/もしくは受容体チロシンタンパク質キナーゼErbB4(ErbB4)から選択される1つもしくは複数のタンパク質チロシンキナーゼである標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤(例えば式(II)の化合物)の投与と、免疫療法または免疫療法剤(例えば、養子細胞療法(例えばT細胞療法)用の細胞(例えばCAR発現T細胞)を含む組成物またはT細胞誘導治療剤)の投与とを含む。

特許文書、科学論文およびデータベースを含めて、本出願において参照されるすべての刊行物は、それぞれの個々の刊行物が個々に参照により組み入れられていたかのと同じ程度に、すべての目的のためにその全体での参照により組み入れられる。本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、特許出願、公開特許出願および他の刊行物において示される定義に反する場合、または、そうでなければ、該定義と一致しない場合、本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる定義に優先する。

本明細書において使用するセクション見出しは構成上の目的のためだけであり、記載される主題を限定するものとして解釈してはならない。

I. 概要 本明細書において、T細胞を含むまたはT細胞の誘導もしくは活性を調節する細胞療法または他の免疫療法剤を、阻害剤と組み合わせて投与することを伴う、併用療法が提供される。そのような薬剤は特に、T細胞療法用の薬剤、例えば操作されたT細胞(例えばCAR発現T細胞)および養子T細胞療法で使用する他の薬剤である。阻害剤は、通常、標的キナーゼ(例えば、非受容体チロシンキナーゼを含む標的タンパク質チロシンキナーゼ)の阻害剤、例えばTECファミリーのキナーゼの阻害剤である。いくつかの局面において、阻害剤は、IL-2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)ではないタンパク質チロシンキナーゼの阻害剤であり、かつ/またはITKを阻害しない。いくつかの態様において、標的タンパク質チロシンキナーゼは、ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)、tecタンパク質チロシンキナーゼ(TEC)、BMX非受容体チロシンキナーゼ(Etk)、TXKチロシンキナーゼ(TXK)、および/または受容体チロシンタンパク質キナーゼErbB4(ErbB4)のうちの1つまたは複数である。阻害剤は特に、式(II)の化合物である。

T細胞に基づく治療法、例えば、養子T細胞療法(例えば、対象となる疾患または障害について特異的なキメラ受容体(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)および/または他の組換え抗原受容体など)を発現する細胞の投与を伴う養子T細胞療法、同様にまた、他の養子免疫細胞療法および養子T細胞療法を含む)などは、がんならびに他の疾患および障害を治療することにおいて効果的であり得る。T細胞の表面における組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)など)の操作された発現により、T細胞特異性の方向を変更することができる。臨床研究において、CAR-T細胞、例えば、抗CD19 CAR-T細胞は、永続的な完全奏効を白血病患者およびリンパ腫患者の両方でもたらしている(Porter et al.(2015)Sci Transl Med., 7:303ra139; Kochenderfer(2015)J. Clin. Oncol., 33:540-9; Lee et al.(2015)Lancet, 385:517-28; Maude et al.(2014)N Engl J Med, 371:1507-17)。

ある特定の状況において、養子細胞療法に対する利用可能な取り組みは必ずしも常に完全に満足できるものではないことがある。いくつかの状況において、最適な効力は、投与された細胞が標的(例えば、標的抗原)を認識し、これに結合して、対象体内の適切な部位、腫瘍およびその環境に到達し、局在化し、そして首尾よく進入することができるかに依存し得る。いくつかの状況において、最適な効力は、投与された細胞が活性化され、拡大増殖し、細胞傷害性殺傷および様々な因子(例えば、サイトカインなど)の分泌を含めて、様々なエフェクター機能を発揮し、長期間を含めて持続し、ある特定の表現型状態(例えば、長続きするメモリー状態、低分化状態およびエフェクター状態など)に分化し、移行し、またはそのような表現型状態への再プログラミングに関わり、免疫抑制状態を疾患の局所的微小環境において回避するかまたは低下させ、効果的かつ頑健な想起応答を、クリアランスおよび標的リガンドまたは標的抗原に対する再曝露の後でもたらし、そして、消耗、アネルギー、末梢性寛容、最終分化、および/または抑制状態への分化を回避するかまたは低下させることができるかに依存し得る。

いくつかの場合において、応答を、リンパ球枯渇療法を伴う投与またはプレコンディショニングによって改善することができ、これにより、いくつかの局面においては、投与後の細胞の持続性および/または効力が、プレコンディショニングが行われない方法、または異なるリンパ球枯渇療法を使用して行われる方法と比較して増大する。リンパ球枯渇療法は通常、フルダラビンを典型的には別の化学療法または他の作用物質(例えば、シクロホスファミドなど)との組み合わせで投与することを含み、この場合、これらはいずれの順序でも逐次的または同時に投与され得る。最近の第I/II相臨床研究において、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)および慢性リンパ性白血病(CLL)の患者における完全奏効(CR)がそれぞれ、94%、47%および50%であり、かつ、無病生存率が、シクロホスファミドおよびフルダラビンによるリンパ球枯渇を受けた患者では、シクロホスファミドを受けたが、フルダラビンを受けなかった患者と比較して高くなっていた(Cameron et al.(2016)J Clin Oncol, 34(suppl; abstr 102)。しかしながら、いくつかの局面において、リンパ球枯渇療法を用いた場合でさえ、CAR-T細胞療法は必ずしも常にすべての対象において一貫して効果的であるとは限らない。

いくつかの局面において、提供される方法および使用は、例えば特定の処置対象グループにおいて、特定の別法と比較して改善されたまたはより持続性のある応答または効力を提供するまたは達成する。いくつかの態様において、この方法は、免疫療法または免疫療法剤(例えば、養子細胞療法(例えばT細胞療法)用の細胞(例えばCAR発現T細胞)を含む組成物、またはT細胞誘導治療剤(例えば、二重特異性または多重特異性の薬剤または抗体)と、IL-2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)以外の標的タンパク質チロシンキナーゼ(例えば、ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)、tecタンパク質チロシンキナーゼ(TEC)、BMX非受容体チロシンキナーゼ(Etk)、TXKチロシンキナーゼ(TXK)、および/または受容体チロシンタンパク質キナーゼErbB4(ErbB4)のうちの1つまたは複数)の活性を阻害するか、標的とするか、または低減する標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤(例えば式(II)の化合物)とを投与する点で有利である。

提供される方法は、BTK阻害剤、例えばイブルチニブおよび式(II)が、T細胞の拡大増殖、増殖、および持続性に関連する機能を含むT細胞機能を改善するという観察に基づいている。ここで、この効果ならびにこの効果の範囲および程度は、イブルチニブまたは式(II)の化合物のいずれを用いる場合も実質的に同じであることが見出された。しかし、イブルチニブおよび式(II)の化合物は、タンパク質チロシンキナーゼに対して同一の特異性を完全には示さない。イブルチニブは、ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)の活性をブロックする不可逆的低分子阻害剤(SMI)であり、ITKならびに多くの他のTECファミリーキナーゼおよび他のキナーゼに対しても活性を示す。式(II)の化合物は、イブルチニブと比較してより高い特異性および効果を有する次世代Btk阻害剤として開発された(Wu et al. (2016) J Hematol Oncol, 9:21; Byrd et al. (2016) N Engl J Med., 374:323-332)。興味深いことに、式(II)の化合物は、CD4およびCD8 T細胞の両方において高度に発現され、下流T細胞受容体シグナルに対する効果に関与すると考えられているキナーゼであるインターロイキン-2誘導性キナーゼ(ITK)に対して活性を示さない(Berg et al. (2005) Annu Rev. Immunol., 23:549-600)。したがって、この発見は、T細胞機能に対する阻害剤の効果が、ITKによって媒介されるだけでなく、これらの阻害剤により標的とされる他のキナーゼの1つまたは複数、例えば、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数の阻害剤によっても媒介されることを示している。

BTK阻害剤は、通常、B細胞悪性腫瘍の治療に使用される。例えば、イブルチニブは、再発性難治性状況下でのマントル細胞リンパ腫(MCL)およびヴァルデンストレームマクログロブリン血症における使用に関して承認されている(Davids et al. (2014) Future Oncol., 10:957-67)。いくつかの例において、B細胞受容体(BCR)シグナル伝達経路の異常な活性化が、B細胞悪性腫瘍、例えばMCLおよびCLLの根底にある主なメカニズムであり、それによって慢性的なBtkシグナルが、NF-kBおよびMAPキナーゼを通じてリン酸化カスケードを開始し、B細胞の生存および異常な活性化を促進し得る。そのため、BTK阻害剤、例えばイブルチニブを用いる現行法は、B細胞悪性腫瘍を治療するために使用されている。

提供される知見は、T細胞を伴う(例えば養子T細胞療法の実施を伴う)方法における阻害剤の併用療法が、T細胞療法の改善された機能を達成することを示している。いくつかの態様において、細胞療法(例えば、操作されたT細胞の投与)とBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数の標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤(例えば、そのようなキナーゼの選択的および/または不可逆的阻害剤)との併用は、T細胞療法の1つまたは複数の機能および/または効果(例えば、持続性、拡大増殖、細胞傷害性、および/または治療結果、例えば腫瘍もしくは他の疾患または標的細胞を死滅またはそれらの量を減少させる能力)を改善または増強する。いくつかの態様において、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数の標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤(例えば、そのようなキナーゼの選択的かつ/または不可逆的阻害剤)は、高濃度ではCAR T活性化を抑制し、低濃度では活性化を増強し得る。

いくつかの局面において、腫瘍もしくは疾患または標的細胞自体が、その阻害剤が選択的であるキナーゼを標的とする阻害剤に対して非感受性であり、かつ/またはその阻害剤によるBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4の阻害に対して抵抗性であるにもかかわらず、そのような効果が観察される。例えば、いくつかの態様において、がんは、その阻害剤に対してまたはその阻害剤による、例えば式(II)の化合物によるBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4の阻害に対して非感受性であるかまたは抵抗性となっている。いくつかの態様において、阻害剤との併用は、1つまたは複数の結果または機能的特性を改善しつつ、1つまたは複数の副作用またはT細胞の望まれない変化に影響しない、例えば、その阻害剤の非存在下であることを除いて同一の条件下で培養されたそのような細胞と比較して、例えばインビトロアッセイにおいて測定される、細胞が活性化状態になる能力、1つもしくは複数の所望のサイトカインを分泌する能力、拡大増殖する能力、および/または持続する能力を低下させない。したがって、いくつかの態様において、通常、機能、例えばCAR-T細胞機能の1つまたは複数の他の所望の特性を損なわずに、T細胞機能または表現型、例えば固有のT細胞機能および/または固有のT細胞表現型を改善する方法および組み合わせが提供される。

したがって、いくつかの態様において、提供される方法は、CAR-T細胞療法を増強し得、それによって、いくつかの局面において、他の治療に対して抵抗性もしくは不応性である、侵襲性もしくは高リスクのがんである、および/または別のタイプのがんと比較して阻害剤なしで投与されたCAR-T細胞療法に対して比較的低い応答率を示すもしくは示す可能性があるがんを有する対象の処置の結果を改善し得る。

いくつかの態様において、この方法は、B細胞悪性腫瘍または血液学的悪性腫瘍、特に免疫療法または免疫療法剤、例えば養子細胞療法、例えばT細胞療法用の細胞(例えば、CAR発現T細胞)を含む組成物またはT細胞誘導治療剤単独での処置に対する応答、例えば完全応答が、他のB細胞悪性腫瘍と比較して相対的に低い(例えば、そのように処置された対象の60%未満もしくは約60%未満、約50%未満または約45%未満におけるCR)ならびに/または対象が阻害剤単独での処置に対して非応答性である悪性腫瘍を治療するために使用され得る。いくつかの態様において、本明細書において提供される併用療法は、その対象および/またはがんがBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4の阻害剤に対して抵抗性であるかまたは阻害剤による阻害に対して抵抗性である細胞集団を含むがんを有する対象において使用される。いくつかの態様において、本明細書において提供される併用療法は、その対象および/またはがんがBTKをコードする核酸内に変異または破壊を含み、そのような変異が阻害剤(例えば式(II)の化合物)によるBTKの阻害を軽減または防止することができるがんを有する対象において使用される。

いくつかの態様において、本明細書において提供される併用療法は、免疫療法または免疫療法剤、例えば養子細胞療法、例えばT細胞療法用の細胞(例えば、CAR発現T細胞)を含む組成物またはT細胞誘導治療剤の投与時点および阻害剤の投与時点で、対象が、阻害剤によるおよび/またはBTK阻害療法による処置の後での寛解の後で再発しているか、またはその処置に対して不応性であるとみなされている、がんを有する対象において使用される。

いくつかの態様において、ある特定のがん、例えば、NHL(例えば、高リスクNHLまたは侵攻性NHL、例えば、DLBCLなど)、および/または慢性リンパ性白血病(CLL)などは、場合によっては疾患自体によって影響を受ける内在性のT細胞機能性における欠損または低下に関連し得る。例えば、多くのがん(例えば、CLLおよびNHLなど、例えば、DLBCL)の病理発生が、例えば、T細胞の免疫抑制が、例えば、腫瘍の微小環境における1つまたは複数の因子によって推し進められることに起因するなどして腫瘍成長および免疫回避の促進を引き起こす免疫不全に関連し得る。いくつかの場合において、そのような患者のがんから得られる内在的なT細胞欠損を養子細胞療法に関連しての使用のために緩和することにより、養子T細胞療法(例えば、CAR-T細胞療法)に対するより強力な応答が提供され得るであろう。

いくつかの態様において、提供される方法は、対象においてがんを治療するためのものであり、この場合、そのような対象のT細胞は、T細胞の参照集団または参照レベルもしくは閾値レベルと比較して、例えば、がんを有しないまたはがんを有する疑いがない対象からのT細胞(例えば、健康な対象または正常な対象からのT細胞など)と比較してT細胞の機能、健康状態または活性を示す因子の減少したレベルを示すかまたは示すことが認められている。いくつかの態様において、提供される方法は、高リスクNHLおよび/または侵攻性NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、T細胞/組織球に富む大細胞型B細胞リンパ腫(TCHRBCL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ならびに/あるいは濾胞性リンパ腫(FL)を有するとして特定される対象を処置するためのものである。例えば、本明細書において示されるように、例示的なBTK阻害剤のイブルチニブの存在下において、DLBCLを有する対象に由来する操作されたT細胞は、より大きいT細胞機能的活性を示しており、このことは、T細胞の機能が阻害剤の存在下では増強されることを示している。いくつかの態様において、対象はDLBCLを有する。いくつかの態様において、提供される方法は、慢性リンパ性白血病(CLL)を有する対象を処置するためのものである。そのような方法のいくつかの態様において、投与される操作されたT細胞は対象に対して自家である。

いくつかの態様において、提供される方法にはまた、がんがB細胞悪性腫瘍ではなく、B細胞白血病もしくはリンパ腫ではなく、非血液がんであるかまたは固形腫瘍であり、ならびに/あるいは抗原がB細胞抗原ではない、例えば、CD19、CD20、CD22、およびROR1などではない方法が含まれる。いくつかの態様において、併用療法は、固形腫瘍、例えば、肉腫またはがん腫などを有する対象に、1)がんに関連する、かつ/またはユニバーサルタグに存在する抗原を特異的に認識し、かつ/または標的とするT細胞と、2)ITK以外の標的タンパク質チロシンキナーゼ(例えば、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数)の阻害剤(例えば、式(II)の化合物)とを投与することを含む。いくつかの態様において、T細胞によって認識されるまたは標的とされる抗原は、Her2、L1-CAM、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3もしくは4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、Lewis Y、L1-細胞接着分子(L1-CAM)、メラノーマ関連抗原(MAGEMAGE-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メラノーマの優先的発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体-a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児性抗原、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2 O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原である。

提供される方法のいくつかの態様において、投与された遺伝子操作細胞の1つまたは複数の特性を、参照組成物の投与された細胞と比較して改善するかまたは増大させるかまたはより大きくすることが可能である(例えば、対象におけるそのような投与された細胞の増強されたまたはより長い拡大増殖および/または持続性、ならびに抗原による再刺激を行ったときの増大したより大きい想起応答など)。いくつかの態様において、増大は、参照細胞組成物を投与したときの同じ特性または特徴と比較して、そのような特性または特徴における、少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、最後には3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍の増大であり得る。いくつかの態様において、そのような特性または特徴の1つまたは複数における増大が、遺伝子操作細胞を投与した後の1ヶ月以内に、2ヶ月以内に、3ヶ月以内に、4ヶ月以内に、5ヶ月以内に、6ヶ月以内に、または12ヶ月以内に認められ得るかまたは存在する。

いくつかの態様において、参照細胞組成物は、がんを有しないまたは有する疑いがない対象の血液に由来するT細胞の組成物が可能であり、あるいはITK以外の標的タンパク質チロシンキナーゼ(例えば、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数)の阻害剤の存在下でインキュベーションされたことまたは投与されたことがないことを除いて同じ条件または実質的に同じ条件のもとで得られる、単離される、作製される、作製される、インキュベーションされるかつ/または投与されるT細胞の集団である。いくつかの態様において、参照細胞組成物は、同じ組換え受容体(例えば、CAR)の発現を含めて、実質的に同じである遺伝子操作細胞を含有する。いくつかの局面において、そのようなT細胞は、同一に、または実質的に同一に処理され、例えば、同じように作製され、同じように製剤化され、同じ投薬量またはほぼ同じ投薬量および他の類似する因子で投与されるなどする。

いくつかの態様において、持続性が増大している遺伝子操作細胞は、より良好な効力を、該細胞が投与される対象において示す。いくつかの態様において、遺伝子操作細胞(例えば、CAR発現T細胞など)が投与されると、対象におけるその持続性が、代替となる方法(例えば、参照細胞組成物の投与を伴う方法など)によって達成されるであろう持続性と比較して大きくなる。いくつかの態様において、持続性が、少なくとも1.5倍もしくは約少なくとも1.5倍、少なくとも2倍もしくは約少なくとも2倍、少なくとも3倍もしくは約少なくとも3倍、少なくとも4倍もしくは約少なくとも4倍、少なくとも5倍もしくは約少なくとも5倍、少なくとも6倍もしくは約少なくとも6倍、少なくとも7倍もしくは約少なくとも7倍、少なくとも8倍もしくは約少なくとも8倍、少なくとも9倍もしくは約少なくとも9倍、少なくとも10倍もしくは約少なくとも10倍、少なくとも20倍もしくは約少なくとも20倍、少なくとも30倍もしくは約少なくとも30倍、少なくとも50倍もしくは約少なくとも50倍、少なくとも60倍もしくは約少なくとも60倍、少なくとも70倍もしくは約少なくとも70倍、少なくとも80倍もしくは約少なくとも80倍、少なくとも90倍もしくは約少なくとも90倍、少なくとも100倍もしくは約少なくとも100倍、またはそれ以上増大する。

いくつかの態様において、投与された細胞の持続性の程度または範囲を、対象への投与の後で検出または定量化することができる。例えば、いくつかの局面において、定量的PCR(qPCR)が、組換え受容体を発現する細胞(例えば、CAR発現細胞)の量を対象の血液または血清または器官または組織(例えば、疾患部位)において評価するために使用される。いくつかの局面において、持続性が、1マイクログラムのDNAあたりの、受容体(例えば、CAR)をコードするDNAまたはプラスミドのコピー数として、あるいは、1マイクロリットルの試料(例えば、血液または血清)あたりの、または、1マイクロリットルの試料における末梢血単核細胞(PBMC)もしくは白血球もしくはT細胞の総数に対する、受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞)の数として定量化される。いくつかの態様において、受容体を発現する細胞を、一般には受容体について特異的な抗体を使用して検出するフローサイトメトリーアッセイもまた実施することができる。細胞に基づくアッセイもまた、機能的な細胞(例えば、疾患もしくは病態の細胞に結合すること、および/または疾患もしくは病態の細胞を中和すること、および/または疾患もしくは病態の細胞に対して応答(例えば、細胞傷害性応答など)を誘発すること、あるいは受容体によって認識される抗原を発現することが可能である細胞など)の数または割合を検出するために使用される場合がある。そのような態様のいずれにおいても、組換え受容体(例えば、CAR発現細胞)に関連する別のマーカーの発現の程度またはレベルを、投与された細胞を対象における内因性細胞から区別するために使用することができる。

また、例えば、提供される併用療法に従うなどして、細胞を操作するための、調製するための、および作製するための方法、細胞および/または阻害剤を含有する組成物、そして、細胞および/または阻害剤を含有するキットおよびデバイス、ならびに細胞および/または阻害剤を使用するための、製造するための、および投与するためのキットおよびデバイスが提供される。

II. 併用療法 本明細書において、1)ITKを阻害せず、かつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数を阻害する、標的タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤と、2)免疫療法または免疫療法剤、例えば、養子免疫細胞療法(例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現細胞、例えば、T細胞))、またはT細胞誘導療法もしくは免疫調節療法(例えば、多重特異性T細胞動員抗体および/またはチェックポイント阻害剤)などとの併用療法を対象に投与することを含む、疾患または障害(例えば、がんまたは増殖性疾患)を治療するための併用療法のための方法が提供される。いくつかの態様において、免疫療法は、疾患または障害(例えば、がんまたは増殖性疾患)に関連する抗原を特異的に認識しかつ/または標的とするT細胞を含む養子免疫細胞療法である。T細胞療法を含む組成物、および/または阻害剤(例えば、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤)を含む組成物を含有する組み合わせおよび製造品(例えば、キットなど)、ならびに、がんを含めて様々な疾患、病態および障害を治療するかまたは防止するためのそのような組成物および組み合わせの使用もまた提供される。そのような方法は、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)または他の療法、例えばT細胞誘導療法などの投与(例えば投与の開始)に先立って、投与と同時に、投与の期間中に、投与の経過期間中に(その経過期間中に1回および/または定期的にであることを含む)、および/または投与に引き続いて阻害剤を投与することを含むことができる。いくつかの態様において、投与は、阻害剤および/または免疫療法もしくは免疫療法剤、例えばT細胞療法の逐次的または間欠的な投与を伴うことができる。

いくつかの態様において、細胞療法は養子細胞療法である。いくつかの態様において、細胞療法は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法、トランスジェニックTCR療法、もしくは、任意でキメラ抗原受容体(CAR)発現細胞療法である組換え受容体発現細胞療法(任意でT細胞療法)であるか、またはこれらを含む。いくつかの態様において、療法はCD19を標的とするか、またはB細胞が標的とされる療法である。いくつかの態様において、細胞、および細胞を投与するための投薬計画は、下記のサブセクションAにおいて「細胞の投与」のもとで記載されるようなどれも含むことができる。

いくつかの態様において、阻害剤は、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数の標的タンパク質チロシンキナーゼを、他のタンパク質チロシンキナーゼと比較して、または他のTECファミリーキナーゼと比較して選択的に阻害する。いくつかの態様において、阻害剤は、ITKを阻害しないもしくは1000 nM超のITKに対するIC50またはKdを有し、かつ/またはITKと比較してBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数を選択的に阻害する。いくつかの態様において、阻害剤は、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数に対して、ITKと比較して少なくとも1.5倍、2.5倍、5.0倍、10.0倍、25倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、1000倍、またはそれ以上の活性を示す。いくつかの態様において、阻害剤は、TEC、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つを、BTK、ITKと比較して、ならびに/またはTEC、Etk、Txk、および/もしくはErbB4のうちの他のキナーゼと比較して選択的に阻害する、例えば、阻害剤は、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つに対して、BTK、ITKと比較して、ならびに/またはTEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの当該タンパク質チロシンキナーゼとは異なる別のキナーゼと比較して、少なくとも1.5倍、2.5倍、5.0倍、10.0倍、25倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、1000倍、またはそれ以上の活性を示す。いくつかの態様において、細胞および阻害剤を投与するための投薬計画は、以下の第B節の「阻害剤の投与」に記載されている任意のものを含み得る。

いくつかの態様において、免疫療法(例えば、T細胞療法(例えばCAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法)および阻害剤は、対象に投与するための薬学的組成物として提供される。いくつかの態様において、薬学的組成物は、併用療法のための作用物質(例えば、記載されるような、養子細胞療法のためのT細胞、および阻害剤)の一方または両方の治療有効量を含有する。いくつかの態様において、作用物質は、別個の薬学的組成物での投与のために製剤化される。いくつかの態様において、本明細書において提供される薬学的組成物のどれもが、それぞれの投与経路に適切である投薬形態物で製剤化され得る。

いくつかの態様において、併用療法は、免疫療法(例えば、操作された細胞を含むT細胞療法、例えば、CAR-T細胞療法など)および阻害剤を投与することを含むので、治療されることになる疾患もしくは病態(例えば、がん)を有するかまたはそのような疾患もしくは病態(例えば、がん)を有することの危険性がある対象または患者に投与される。いくつかの局面において、方法は、疾患または病態の治療、例えば、疾患または病態の1つまたは複数の症状の改善を、例えば、免疫療法または免疫療法剤によって認識される抗原、例えば、操作されたT細胞によって認識される抗原を発現するがんにおいて腫瘍負荷を減らすなどによってもたらす。

いくつかの態様において、治療される疾患または病態は、抗原の発現が疾患、病態、または障害の病因に関連するかつ/または関与する、例えば、そのような疾患、病態または障害を引き起こす、悪化させる、あるいは、そうでなければ、そのような疾患、病態または障害に関与するどれもが可能である。例示的な疾患および病態には、悪性腫瘍または細胞の形質転換(例えば、がん)、自己免疫疾患もしくは炎症性疾患、または感染性疾患(例えば、細菌病原体、ウイルス病原体または他の病原体によって引き起こされる感染性疾患)に関連する疾患または病態が含まれ得る。治療することができる様々な疾患および病態に関連する抗原を含めて、例示的な抗原には、本明細書において記載される抗原のどれもが含まれる。特定の態様において、キメラ抗原受容体またはトランスジェニックTCRを含めて、併用療法の操作された細胞の表面に発現される組換え受容体は、疾患または病態に関連する抗原に特異的に結合する。

いくつかの態様において、疾患または病態は、腫瘍(例えば、固形腫瘍など)、リンパ腫、白血病、血液腫瘍、転移性腫瘍、または他のがんもしくは腫瘍タイプである。

いくつかの態様において、がんまたは増殖性疾患は、B細胞悪性腫瘍または血液学的悪性腫瘍である。いくつかの態様において、がんまたは増殖性疾患は、リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、または慢性リンパ性白血病(CLL)である。いくつかの態様において、がんはCLLである。いくつかの態様において、方法は、骨髄腫、リンパ腫または白血病を治療するために使用することができる。いくつかの態様において、方法は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、急性骨髄性白血病(AML)、または骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))を治療するために使用することができる。いくつかの態様において、方法は、MMまたはDBCBLを治療するために使用することができる。がん

いくつかの態様において、疾患または障害に関連する抗原は、ROR1、およびB細胞成熟抗原(BCMA)、tEGFR、Her2、L1-CAM、CD19、CD20、CD22、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3もしくは4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、カッパ軽鎖、Lewis Y、L1-細胞接着分子(L1-CAM)、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メラノーマの優先的発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体-a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児性抗原、ROR1、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原からなる群より選択される。いくつかの態様において、抗原はユニバーサルタグに関連するか、またはユニバーサルタグである。

いくつかの態様において、がんまたは増殖性疾患は、B細胞抗原を発現するがんではない。いくつかの態様において、B細胞抗原は、CD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択される。いくつかの態様において、がんまたは増殖性疾患は非血液がんである。いくつかの態様において、がんまたは増殖性疾患は固形腫瘍である。いくつかの態様において、がんまたは増殖性疾患は、CD19、CD20、CD22またはROR1を発現しない。いくつかの態様において、提供される方法では、CD19、CD20、CD22もしくはROR1を標的としないかまたはそれらと特異的に結合しない組換え受容体発現T細胞(例えば、CAR-T細胞)が用いられる。

いくつかの態様において、方法は、非血液がん(例えば、固形腫瘍など)を治療するために使用することができる。いくつかの態様において、方法は、膀胱、肺、脳、メラノーマ(例えば、小細胞肺、メラノーマ)、乳房、子宮頸部、卵巣、結腸直腸、膵臓、子宮内膜、食道、腎臓、肝臓、前立腺、皮膚、甲状腺または子宮のがんを治療するために使用することができる。いくつかの態様において、がんまたは増殖性疾患はがんであり、膵臓がん、膀胱がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、腎臓がん、肝細胞がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵臓がん、直腸がん、甲状腺がん、子宮がん、胃がん、食道がん、頭頸部がん、メラノーマ、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、または軟部組織肉腫である。

いくつかの態様において、疾患または病態は感染性の疾患または病態であり、例えば、ウイルス感染症、レトロウイルス感染症、細菌感染症および原虫感染症、免疫不全症、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バールウイルス(EBV)、アデノウイルス、BKポリオーマウイルスなどであり、しかし、これらに限定されない。いくつかの態様において、疾患または病態は、自己免疫性または炎症性の疾患または病態であり、例えば、関節炎(例えば、関節リウマチ(RA))、I型糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患、乾癬、強皮症、自己免疫性甲状腺疾患、グレーブス病、クローン病、多発性硬化症、喘息、ならびに/あるいは移植に伴う疾患または病態などである。

疾患の予防または治療のためには、阻害剤(例えば、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数の選択的阻害剤)および/または免疫療法(例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法)の適切な投薬量は、治療されることになる疾患のタイプ、具体的な阻害剤、細胞および/または該細胞の表面に発現される組換え受容体、疾患の重篤度および経過、投与経路、阻害剤および/または免疫療法(例えば、T細胞療法)が防止目的または治療目的のために投与されるかどうか、以前の処置、投与頻度、対象の臨床履歴および細胞に対する応答、ならびに主治医の判断に依存する場合がある。組成物および細胞はいくつかの態様において、一度に、または一連の処置にわたって患者に好適に投与される。提供される併用療法のための例示的な投薬計画および投薬スケジュールが記載される。

いくつかの態様において、免疫療法(例えば、T細胞療法)および阻害剤(例えば、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数の選択的阻害剤)は、任意の順序ではあるが、別の治療的介入と同時に、または別の治療的介入に対して逐次的に投与され得るさらなる併用処置の一部として投与される。いくつかの状況において、免疫療法、例えば、操作されたT細胞(例えば、CAR発現T細胞など)は、免疫療法が1つまたは複数のさらなる治療剤の効果を増強するように時間的に十分に近接している別の治療と共投与されるか、または逆の様式での共投与が行われる。いくつかの態様において、細胞は前記1つまたは複数のさらなる治療剤に先立って投与される。いくつかの態様において、免疫療法、例えば、操作されたT細胞(例えば、CAR発現T細胞など)は、前記1つまたは複数のさらなる治療剤の後で投与される。いくつかの態様において、併用療法方法はリンパ球枯渇療法(例えば、化学療法剤の投与など)をさらに含む。いくつかの態様において、併用療法は、別の治療剤(例えば、抗がん剤、チェックポイント阻害剤または別の免疫調節剤など)を投与することをさらに含む。使用には、そのような方法および処置における併用療法の使用、ならびにそのような併用療法方法を実施するための医薬品の調製におけるそのような組成物の使用が含まれる。いくつかの態様において、方法および使用はそれにより、対象における疾患または病態または障害(例えば、がんまたは増殖性疾患など)を治療する。

免疫療法(例えば、T細胞療法、例えば、CAR-T細胞療法など)および/または阻害剤(例えば、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/またはERBB4のうちの1つまたは複数の選択的阻害剤)の投与前、投与期間中または投与後において、免疫療法の生物学的活性、例えば、操作細胞集団の生物学的活性が、いくつかの態様において、例えば、いくつかの公知方法のいずれかによって測定される。評価するためのパラメーターには、例えば、当技術分野において公知である任意の好適な方法を使用して、例えば、下記において下記のセクションIVでさらに記載されるアッセイなどを使用して測定されるなどされるような、操作された細胞が標的細胞を破壊する能力、T細胞活性の持続性および他の尺度が含まれる。いくつかの態様において、細胞(例えば、T細胞に基づく治療のために投与されるT細胞)の生物学的活性が、(例えば、抗原による再刺激を行ったときの)細胞傷害性細胞殺傷、1つまたは複数のサイトカインの発現および/または分泌、増殖、または拡大増殖をアッセイすることによって測定される。いくつかの局面において、生物学的活性が、疾患負荷および/または臨床成績(例えば、腫瘍量または腫瘍細胞量における低下など)を評価することによって測定される。いくつかの態様において、併用療法の一方または両方の作用物質の投与、ならびに/あるいは該療法の任意の反復した投与を、併用療法の一方または両方の作用物質の投与前、投与期間中、投与の経過期間中または投与後におけるアッセイの結果に基づいて決定することができる。

いくつかの態様において、細胞療法との併用での阻害剤の併用効果は、阻害剤のみ、または細胞療法による単独療法のみを伴う処置と比較して相乗的であり得る。例えば、いくつかの態様において、本明細書において提供される方法は、所望の治療効果における増大または改善、例えば、がんに伴う1つまたは複数の症状の軽減または抑制における増大または改善などをもたらす。

いくつかの態様において、阻害剤は、操作されたT細胞(例えば、CAR T細胞など)の拡大増殖または増殖を増強する。いくつかの態様において、拡大増殖または増殖における増強が、対象に投与したとき、インビボで認められる。いくつかの態様において、操作されたT細胞(例えば、CAR-T細胞)の数の増大は、1.2倍超もしくは約1.2倍超、1.5倍超もしくは約1.5倍超、2.0倍超もしくは約2.0倍超、3.0倍超もしくは約3.0倍超、4.0倍超もしくは約4.0倍超、5.0倍超もしくは約5.0倍超、6.0倍超もしくは約6.0倍超、7.0倍超もしくは約7.0倍超、8.0倍超もしくは約8.0倍超、9.0倍超もしくは約9.0倍超、10.0倍超もしくは約10.0倍超、またはそれ以上の増大である。

A.免疫療法(例えばT細胞療法またはT細胞誘導療法)の実施 本明細書で提供される方法、組成物、組み合わせ、キットおよび使用のいくつかの態様では、併用療法は、T細胞療法(例えばCAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法などの免疫療法を対象に投与することを含む。そのような療法は、記載されているように、1つまたは複数のTEKファミリーキナーゼの阻害剤の投与の前に、投与後に、投与と同時に投与することができる。

いくつかの態様では、免疫療法は、腫瘍またはがんなどの病変の表面に発現される分子を標的とする免疫細胞、例えばT細胞またはNK細胞などの細胞の投与であるかまたはそれを含む細胞療法である。いくつかの態様では、免疫細胞はT細胞受容体(TCR)または他の抗原結合受容体を発現する。いくつかの態様では、免疫細胞は、トランスジェニックTCRまたはキメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体を発現する。いくつかの態様では、細胞は対象に対して自家である。いくつかの態様では、細胞は対象に対して同種である。提供される方法で使用するためのそのような細胞療法、例えばT細胞療法の例は以下に記載されている。

1.T細胞誘導療法 いくつかの態様では、免疫療法は、T細胞上に発現される表面分子に結合することができる結合分子であるかまたはそれを含むT細胞誘導療法であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表面分子は、T細胞受容体複合体の成分などのT細胞の活性化成分である。いくつかの態様では、表面分子はCD3またはCD2である。いくつかの態様では、T細胞誘導療法は、抗体または抗原結合断片であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、T細胞誘導療法は、T細胞の活性化成分(例えばT細胞表面分子、例えばCD3またはCD2)に結合する少なくとも1つの抗原結合ドメイン、および腫瘍細胞またはがん細胞上の表面抗原、例えば本明細書に記載の列挙された抗原のいずれか、例えばCD19などの標的細胞上の表面抗原に結合する少なくとも1つの抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体である。いくつかの態様では、そのような抗体のその両方の標的への同時またはほぼ同時の結合は、標的細胞とT細胞との間に一時的な相互作用をもたらすことができ、それによってT細胞の活性化、例えば細胞傷害活性およびその後の標的細胞の溶解をもたらす。

そのような例示的な二重特異性抗体T細胞エンゲージャーの中には、柔軟なリンカーによって融合されたタンデムscFv分子を含む二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE)分子があり、これは、柔軟なリンカーによって融合されたタンデムscFv分子(例えばNagorsen and Bauerle,Exp Cell Res 317,1255-1260(2011)参照);例えば柔軟なリンカーを介して互いに融合された、安定に会合することができる第一および第二のサブユニットからなるFcドメインをさらに含むタンデムscFv分子(国際公開公報第2013026837号);ダイアボディおよびタンデムダイアボディを含むその誘導体(Holliger et al,Prot Eng 9,299-305(1996);Kipriyanov et al,J Mol Biol 293,41-66(1999));C末端ジスルフィド架橋を有するダイアボディ形式を含み得る二重親和性再標的指向性(DART)分子;または全ハイブリッドマウス/ラットIgG分子を含むトリオマブ(Seimetz et al,Cancer Treat Rev 36,458-467(2010))を含む。いくつかの態様では、T細胞誘導療法は、ブリナツモマブまたはAMG330である。そのようなT細胞エンゲージャーのいずれもが、提供される方法において使用することができる。

2.T細胞療法 いくつかの局面では、T細胞療法は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法、トランスジェニックTCR療法、または組換え受容体発現細胞療法などの遺伝子操作された細胞を含むT細胞療法であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、疾患または病態に関連するもの、例えば腫瘍またはがんの細胞に関連するかまたはその細胞上に発現されるものなどのリガンドに特異的に結合する。いくつかの態様では、T細胞療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作されたT細胞を投与することを含む。

いくつかの態様では、提供される細胞は、リガンド結合ドメインまたはその結合断片を含むもの、ならびにT細胞受容体(TCR)およびその成分、ならびに/またはキメラ抗原受容体(CAR)などの機能的非TCR抗原受容体を含む、組換え受容体などの受容体を発現するおよび/または発現するように操作されている。いくつかの態様では、組換え受容体は、抗原に特異的に結合する細胞外リガンド結合ドメインを含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインを含むCARである。いくつかの態様では、抗原などのリガンドは、細胞の表面上に発現されるタンパク質である。いくつかの態様では、CARはTCR様CARであり、抗原は、細胞内タンパク質のペプチド抗原などのプロセシングされたペプチド抗原であり、これは、TCRのように、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に関連して細胞表面上で認識される。

組換え受容体を含有する操作された細胞を含む、操作された細胞の中には、以下のIII章に記載されているものがある。CARおよび組換えTCRを含む例示的な組換え受容体、ならびに受容体を操作し、細胞内に導入するための方法は、例えば、国際公開公報第200014257号、同第2013126726号、同第2012/129514号、同第2014031687号、同第2013/166321号、同第2013/071154号、同第2013/123061号、米国特許出願公開第2002131960号、同第2013287748号、同第20130149337号、米国特許第6,451,995号、同第7,446,190号、同第8,252,592号、同第8,339,645号、同第8,398,282号、同第7,446,179号、同第6,410,319号、同第7,070,995号、同第7,265,209号、同第7,354,762号、同第7,446,191号、同第8,324,353号、および同第8,479,118号、ならびに欧州特許出願第2537416号に記載されているもの、ならびに/またはSadelain et al.,Cancer Discov.2013 April;3(4):388-398;Davila et al.(2013)PLoS ONE 8(4):e61338;Turtle et al.,Curr.Opin.Immunol.,2012 October;24(5):633-39;Wu et al.,Cancer, 2012 March 18(2):160-75によって記載されているものを含む。いくつかの局面では、遺伝子操作された抗原受容体は、米国特許第7,446,190号に記載されているCAR、および国際公開公報第2014055668A1号に記載されているものを含む。

養子細胞療法のための操作された細胞の投与方法は公知であり、提供される方法および組成物と関連して使用し得る。例えば、養子T細胞療法の方法は、例えばGruenbergらの米国特許出願公開第2003/0170238号;Rosenbergの米国特許第4,690,915号;Rosenberg(2011)Nat Rev Clin Oncol.8(10):577-85)に記載されている。例えばThemeli et al.,(2013)Nat Biotechnol.31(10):928-933;Tsukahara et al.,(2013)Biochem Biophys Res Commun 438(1):84-9;Davila et al.,(2013) PLoS ONE 8(4):e61338参照。

いくつかの態様では、細胞療法、例えば養子T細胞療法は、細胞が、細胞療法を受けることになっている対象からまたはそのような対象に由来する試料から単離されるおよび/または別の方法で調製される、自家移植によって行われる。したがって、いくつかの局面では、細胞は、治療を必要とする対象、例えば患者に由来し、単離および処理後に同じ対象に投与される。

いくつかの態様では、細胞療法、例えば養子T細胞療法は、細胞が、細胞療法を受けることになっているまたは最終的に細胞療法を受ける対象、例えば第一の対象以外の対象から単離されるおよび/または別の方法で調製される、同種移植によって行われる。そのような態様では、細胞は、次いで、同じ種の異なる対象、例えば第二の対象に投与される。いくつかの態様では、第一および第二の対象は遺伝的に同一である。いくつかの態様では、第一および第二の対象は遺伝的に類似する。いくつかの態様では、第二の対象は第一の対象と同じHLAクラスまたはスーパータイプを発現する。

細胞は任意の適切な手段によって投与することができる。細胞は、腫瘍量の減少などの治療効果を達成するための投与レジメンで投与される。投薬および投与は、一部には、TECファミリーキナーゼの阻害剤の投与スケジュールに依存し得、これは、T細胞療法の実施の開始前、開始後、および/または開始と同時に投与され得る。T細胞療法の様々な投与スケジュールには、様々な時点にわたる単回投与または複数回投与、ボーラス投与、およびパルス注入が含まれるが、これらに限定されるわけではない。

a.組成物および製剤 いくつかの態様では、組換え抗原受容体、例えばCARまたはTCRで操作された細胞を含むT細胞療法などのT細胞療法の細胞の用量は、薬学的組成物または製剤などの組成物または製剤として提供される。そのような組成物は、疾患、病態、および障害の予防または治療などにおいて、提供される方法に従って使用することができる。

いくつかの態様では、操作されたT細胞(例えばCAR T細胞)などのT細胞療法は、薬学的に許容される担体と共に製剤化される。いくつかの局面では、担体の選択は、一部には特定の細胞もしくは剤によって、および/または投与方法によって決定される。したがって、種々の適切な製剤が存在する。例えば、薬学的組成物は防腐剤を含み得る。適切な防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、および塩化ベンザルコニウムが挙げられ得る。いくつかの局面では、2つまたはそれ以上の防腐剤の混合物が使用される。防腐剤またはその混合物は、典型的には全組成物の約0.0001重量%から約2重量%の量で存在する。担体は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に記載されている。薬学的に許容される担体は一般に、用いられる投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、以下のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない:リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノールおよびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤。

いくつかの局面では、緩衝剤が組成物に含まれる。適切な緩衝剤としては、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、ならびに他の様々な酸および塩が挙げられる。いくつかの局面では、2つまたはそれ以上の緩衝剤の混合物が使用される。緩衝剤またはその混合物は、典型的には全組成物の約0.001重量%から約4重量%の量で存在する。投与可能な薬学的組成物を調製するための方法は公知である。例示的な方法は、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott Williams &Wilkins;21st ed.(May 1,2005)においてより詳細に記載されている。

製剤は水溶液を含み得る。製剤または組成物はまた、それぞれの活性が互いに悪影響を及ぼさない場合、細胞または剤で予防または治療される特定の適応症、疾患、または病態に有用な複数の活性成分を含み得る。そのような活性成分は、意図される目的に有効な量で組み合わせて適切に存在する。したがって、いくつかの態様では、薬学的組成物は、化学療法剤、例えばアスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、ビンクリスチンなどのような他の薬学的に活性な剤または薬物をさらに含む。

いくつかの態様では、薬学的組成物は、治療上有効な量または予防上有効な量などの、疾患または病態を治療または予防するために有効な量の細胞を含有する。いくつかの態様で治療または予防の有効性は、治療対象の定期的な評価によってモニタリングされる。数日間またはそれ以上にわたる反復投与については、病態に応じて、疾患の症状の所望の抑制が起こるまで、治療が繰り返される。しかしながら、他の投与レジメンも有用であり得、決定され得る。所望の投与量は、組成物の単回ボーラス投与によって、組成物の複数回ボーラス投与によって、または組成物の持続注入投与によって送達することができる。

細胞は、標準的な投与技術、製剤、および/または装置を用いて投与され得る。組成物の保存および投与のための、注射器およびバイアルなどの製剤および装置が提供される。細胞に関して、投与は自家投与または異種投与であり得る。例えば、免疫応答性細胞または前駆体は、一対象から得ることができ、同じ対象または異なる、適合性の対象に投与され得る。末梢血由来免疫応答性細胞またはそれらの子孫(例えばインビボ、エクスビボまたはインビトロ由来)は、カテーテル投与、全身注入、局所注入、静脈内注射、または非経口投与を含む局所注入によって投与することができる。治療用組成物(例えば遺伝子改変された免疫応答性細胞を含む薬学的組成物)を投与する場合、治療用組成物は一般に単位投与注射形態(溶液、懸濁液、エマルジョン)に製剤化される。

製剤には、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、肺投与、経皮投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、口腔投与、舌下投与、または坐剤投与用のものが含まれる。いくつかの態様では、剤または細胞集団は非経口投与される。本明細書で使用される「非経口」という用語は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸内投与、膣内投与、および腹腔内投与を含む。いくつかの態様では、剤または細胞集団は、静脈内、腹腔内、または皮下注射による末梢全身送達を用いて対象に投与される。

いくつかの態様では、組成物は、いくつかの局面では選択されたpHに緩衝され得る、滅菌液体製剤、例えば等張水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液、または粘性組成物として提供される。液体製剤は通常、ゲル、他の粘性組成物、および固体組成物よりも調製が容易である。さらに、液体組成物は、特に注射によって投与するのにいくぶんより便利である。他方で、粘性組成物は、特定の組織とのより長い接触期間を提供する適切な粘度範囲内に製剤化することができる。液体または粘性組成物は担体を含むことができ、担体は、例えば水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒体であり得る。

滅菌注射溶液は、適切な担体、希釈剤、または賦形剤、例えば滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどとの混合物などの溶媒中に細胞を組み込むことによって調製することができる。組成物は凍結乾燥することもできる。組成物は、所望される投与経路および製剤に依存して、湿潤剤、分散剤または乳化剤(例えばメチル細胞ロース)、pH緩衝剤、ゲル化または増粘添加剤、防腐剤、香味剤、着色剤などのような補助物質を含有し得る。いくつかの局面では、標準的なテキストを参考にして適切な製剤を調製し得る。

抗菌防腐剤、抗酸化剤、キレート剤、および緩衝剤を含む、組成物の安定性および無菌性を高める様々な添加剤を添加することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確実にすることができる。注射用医薬形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。

インビボ投与に使用される製剤は一般に無菌である。無菌性は、例えば滅菌濾過膜を通して濾過することによって容易に達成され得る。

疾患の予防または治療のために、適切な投与量は、治療される疾患の種類、1つまたは複数の剤の種類、細胞または組換え受容体の種類、疾患の重症度および経過、剤または細胞が予防目的または治療目的のいずれで投与されるか、過去の療法、対象の病歴および剤または細胞に対する応答、ならびに主治医の裁量に依存し得る。組成物は、いくつかの態様では、一度にまたは一連の治療にわたって対象に適切に投与される。

いくつかの場合には、細胞療法は、細胞を含む単一の薬学的組成物として投与される。いくつかの態様では、細胞または剤の単回ボーラス投与によって所与の用量が投与される。いくつかの態様では、所与の用量は、例えば3日間以内の期間にわたる細胞もしくは剤の複数回ボーラス投与によって、または細胞もしくは剤の持続注入投与によって、投与される。

b.投与スケジュールおよび投与 いくつかの態様では、提供される方法に従って、ある用量の細胞が対象に投与される。いくつかの態様では、用量のサイズまたはタイミングは、対象における特定の疾患または病態との関係で決定される。提供される説明を考慮して特定の疾患についての用量のサイズまたはタイミングを経験的に決定することは、当業者のレベルの範囲内である。

特定の態様では、細胞、または細胞のサブタイプの個々の集団は、約10万〜約1000億個の細胞の範囲で、および/または対象の体重1キログラム当たりその量の細胞で、例えば10万〜約500億個の細胞(例えば約5百万個の細胞、約2500万個の細胞、約5億個の細胞、約10億個の細胞、約50億個の細胞、約200億個の細胞、約300億個の細胞、約400億個の細胞、もしくは前記値のいずれか2つによって定義される範囲)、100万〜約500億個の細胞(例えば約500万個の細胞、約2500万個の細胞、約5億個の細胞、約10億個の細胞、約50億個の細胞、約200億個の細胞、約300億個の細胞、約400億個の細胞、もしくは前記値のいずれか2つによって定義される範囲)、例えば約1000万〜約1000億個の細胞(例えば約2000万個の細胞、約3000万個の細胞、約4000万個の細胞、約6000万個の細胞、約7000万個の細胞、約80000万個の細胞、約9000万個の細胞、約100億個の細胞、約250億個の細胞、約500億個の細胞、約750億個の細胞、約900億個の細胞、もしくは前記値のいずれか2つによって定義される範囲)、およびいくつかの場合には、約1億個の細胞〜約500億個の細胞(例えば約1億2000万個の細胞、約2億5000万個の細胞、約3億5000万個の細胞、約4億5000万個の細胞、約6億5000万個の細胞、約8億個の細胞、約9億個の細胞、約30億個の細胞、約300億個の細胞、約450億個の細胞)、またはこれらの範囲の間の任意の値および/または対象の体重1キログラム当たりその量の細胞で、対象に投与される。投与量は、疾患もしくは障害および/または患者および/または他の治療に特有の属性に依存して異なり得る。いくつかの態様では、そのような値は組換え受容体発現細胞の数を指し、他の態様では、それらは投与されるT細胞またはPBMCまたは全細胞の数を指す。

いくつかの態様では、細胞療法は、対象の体重1kg当たり少なくとも以下の値もしくは少なくともおよそ以下の値または以下の値もしくはおよそ以下の値:0.1×106細胞/kg、0.2×106細胞/kg、0.3×106細胞/kg、0.4×106細胞/kg、0.5×106細胞/kg、1×106細胞/kg、2.0×106細胞/kg、3×106細胞/kg、または5×106細胞/kgである細胞数を含有する用量の投与を含む。

いくつかの態様では、細胞療法は、それぞれ両端の値を含む、対象の体重1kg当たり0.1×106細胞/kg〜1.0×107細胞/kgもしくはおよそ前記値、0.5×106細胞/kg〜5×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、0.5×106細胞/kg〜3×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、0.5×106細胞/kg〜2×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、0.5×106細胞/kg〜1×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、1.0×106細胞/kg〜5×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、1.0×106細胞/kg〜3×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、約1.0×106細胞/kg〜2×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、2.0×106細胞/kg〜5×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、2.0×106細胞/kg〜3×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、または3.0×106細胞/kg〜5×106細胞/kgもしくはおよそ前記値である細胞数を含有する用量の投与を含む。

いくつかの態様では、細胞の用量は、2×105細胞/kg〜2×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、例えば4×105細胞/kg〜1×106細胞/kgもしくはおよそ前記値、または6×105細胞/kg〜8×105細胞/kgもしくはおよそ前記値を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、対象の体重1キログラム当たり(細胞/kg)2×105個以下の細胞(例えばCAR発現細胞などの抗原発現細胞)、例えば3×105細胞/kg以下もしくはおよそ前記値以下、4×105細胞/kg以下もしくはおよそ前記値以下、5×105細胞/kg以下もしくはおよそ前記値以下、6×105細胞/kg以下もしくはおよそ前記値以下、7×105細胞/kg以下もしくはおよそ前記値以下、8×105細胞/kg以下もしくはおよそ前記値以下、9×105細胞/kg以下もしくはおよそ前記値以下、1×106細胞/kg以下もしくはおよそ前記値以下、または2×106細胞/kg以下もしくはおよそ前記値以下を含む。いくつかの態様では、細胞の用量は、対象の体重1キログラム当たり(細胞/kg)2×105個の細胞(例えばCAR発現細胞などの抗原発現細胞)もしくは約2×105個の細胞、または少なくとも2×105個の細胞もしくは少なくともおよそ2×105個の細胞、例えば以下の値もしくはおよそ以下の値または少なくとも以下の値もしくは少なくともおよそ以下の値:3×105細胞/kg、4×105細胞/kg、5×105細胞/kg、6×105細胞/kg、7×105細胞/kg、8×105細胞/kg、9×105細胞/kg、1×106細胞/kg、または2×106細胞/kgを含む。

ある特定の態様において、細胞、または細胞のサブタイプの個々の集団が、約100万個〜約1000億個の細胞の範囲で、および/または1キログラムの体重あたりのそのような細胞量で対象に投与され、例えば、100万個〜約500億個の細胞の範囲(例えば、約500万個の細胞、約2500万個の細胞、約5億個の細胞、約10億個の細胞、約50億個の細胞、約200億個の細胞、約300億個の細胞、約400億個の細胞、または前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)など、例えば、約1000万個〜約1000億個の細胞の範囲(例えば、約2000万個の細胞、約3000万個の細胞、約4000万個の細胞、約6000万個の細胞、約7000万個の細胞、約8000万個の細胞、約9000万個の細胞、約100億個の細胞、約250億個の細胞、約500億個の細胞、約750億個の細胞、約900億個の細胞、または前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)、また、場合によっては約1億個の細胞〜約500億個の細胞の範囲(例えば、約12000万個の細胞、約25000万個の細胞、約35000万個の細胞、約45000万個の細胞、約65000万個の細胞、約8億個の細胞、約9億個の細胞、約30億個の細胞、約300億個の細胞、約450億個の細胞)など、もしくはこれらの範囲の間における任意の値で、および/または1キログラムの体重あたり対象に投与される。投薬量は、疾患もしくは障害および/または患者および/または他の処置に特有の属性に依存して変動する場合がある。

いくつかの態様において、細胞の用量は、細胞の用量が対象の体表面積または体重に拘束されないような、または基づかないような細胞の均一な用量または細胞の固定された用量である。

いくつかの態様において、例えば、対象がヒトである場合、用量は、約1 x 108個未満の総組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞、T細胞または末梢血単核細胞(PBMC)を含み、例えば、約1 x 106個〜1 x 108個のそのような細胞(例えば、総じて2 x 106個、5 x 106個、1 x 107個、5 x 107個、もしくは1 x 108個、またはそのような細胞など)の範囲、または前述の値のいずれか2つの間の範囲で含む。いくつかの態様において、対象がヒトである場合、用量は、約1 x 106個〜3 x 108個の間の総組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞を含み、例えば、約1 x 107個〜2 x 108個のそのような細胞(例えば、総じて1 x 107個、5 x 107個、1 x 108個、または1.5 x 108個のそのような細胞など)の範囲、または前述の値のいずれか2つの間の範囲で含む。いくつかの態様において、患者には、多数の用量が投与され、これらの用量のそれぞれが、または総用量が、前述の値のいずれかの範囲内であり得る。いくつかの態様において、細胞の用量は、それぞれが両端の値を含む1 x 105個〜5 x 108個もしくは約1 x 105個〜約5 x 108個の総組換え受容体発現T細胞もしくは総T細胞、1 x 105個〜1 x 108個の総組換え受容体発現T細胞もしくは総T細胞、5 x 105個〜1 x 107個もしくは約5 x 105個〜約1 x 107個の総組換え受容体発現T細胞もしくは総T細胞、または1 x 106個〜1 x 107個もしくは約1 x 106個〜約1 x 107個の総組換え受容体発現T細胞もしくは総T細胞を投与することを含む。

いくつかの態様において、前記用量のT細胞は、CD4+T細胞、CD8+T細胞、またはCD4+およびCD8+のT細胞を含む。

いくつかの態様において、例えば、対象がヒトである場合、CD4+およびCD8+のT細胞を含む用量においてであることを含めて、前記用量のCD8+T細胞は、約1 x 106個〜1 x 108個の間の総組換え受容体(例えば、CAR)発現CD8+細胞を含み、例えば、約5 x 106個〜1 x 108個のそのような細胞の範囲、そのような細胞、総じて1 x 107個、2.5 x 107個、5 x 107個、7.5 x 107個、もしくは1 x 108個のそのような細胞、または前述の値のいずれか2つの間の範囲で含む。いくつかの態様において、患者には、多数の用量が投与され、これらの用量のそれぞれが、または総用量が、前述の値のいずれかの範囲内であり得る。いくつかの態様において、細胞の用量は、それぞれが両端の値を含む1 x 107個〜0.75 x 108個もしくは約1 x 107個〜約0.75 x 108個の総組換え受容体発現CD8+T細胞、1 x 107個〜2.5 x 107個もしくは約1 x 107個〜約2.5 x 107個の総組換え受容体発現CD8+T細胞、1 x 107個〜0.75 x 108個もしくは約1 x 107個〜約0.75 x 108個の総組換え受容体発現CD8+T細胞を投与することを含む。いくつかの態様において、細胞の用量は、1 x 107個もしくは約1 x 107個、2.5 x 107個もしくは約2.5 x 107個、5 x 107個もしくは約5 x 107個、7.5 x 107個もしくは約7.5 x 107個、または1 x 108個もしくは約1 x 108個の総組換え受容体発現CD8+T細胞を投与することを含む。

いくつかの態様において、細胞(例えば、組換え受容体発現T細胞)の用量が単一用量として対象に投与され、または2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年もしくはそれ以上の期間内に1回だけ投与される。

養子細胞療法に関連して、所与の「用量」の細胞の投与は、単一の組成物としておよび/または単一の中断されない投与として(例えば、単回注射または持続注入として)の所与の量または数の細胞の投与を包含し、また、指定される期間(例えば、3日間以内)にわたる複数の個々の組成物または注入で提供される分割用量としての所与の量または数の細胞の投与も包含する。したがって、いくつかの状況では、用量は、ある1つの時点で与えられるかまたは開始される、指定される数の細胞の単回投与または連続投与である。しかしながら、いくつかの状況では、用量は、3日間以内の期間にわたる複数回(例えば、3日間もしくは2日間にわたって1日1回)の注射もしくは注入で、または1日の期間にわたる複数回の注入によって、投与される。

したがって、いくつかの局面では、前記用量の細胞は、単一の薬学的組成物で投与される。いくつかの態様では、前記用量の細胞は、合計で当該用量の細胞を含む複数の組成物で投与される。

いくつかの態様では、「分割用量」という用語は、1日を超えて投与されるように分割されている用量を指す。この種の投与は、本発明の方法に包含され、単一用量であると見なされる。いくつかの態様では、分割用量の細胞は、合計で当該用量の細胞を含む複数の組成物で、3日間以内の期間にわたって投与される。

したがって、細胞の用量は分割用量、例えば経時的に投与される分割用量として投与され得る。例えば、いくつかの態様では、用量は、2日間または3日間にわたって対象に投与され得る。分割投与のための例示的な方法は、1日目に用量の25%を投与し、2日目に用量の残りの75%を投与することを含む。他の態様では、1日目に用量の33%を投与し、2日目に残りの67%を投与し得る。いくつかの局面では、1日目に用量の10%を投与し、2日目に用量の30%を投与し、3日目に用量の60%を投与する。いくつかの態様では、分割用量は3日間を超えない。

いくつかの態様では、細胞の用量は一般に、疾患負荷を軽減するうえで有効であるのに十分な量である。

いくつかの態様では、細胞は所望の投与量で投与され、これは、いくつかの局面では所望の用量もしくは数の細胞もしくは細胞型および/または所望の比率の細胞型を含む。したがって、いくつかの態様では細胞の投与量は、細胞の総数(または体重1kg当たりの数)および個々の集団またはサブタイプの所望の比率、例えばCD4+対CD8+比に基づく。いくつかの態様では、細胞の投与量は、個々の集団または個々の細胞型における細胞の所望の総数(または体重1kg当たりの数)に基づく。いくつかの態様では、投与量は、個々の集団における全細胞の所望の数、所望の比率、および細胞の所望の総数などの特徴の組み合わせに基づく。

いくつかの態様では、CD8+およびCD4+T細胞などの細胞の集団またはサブタイプは、T細胞の所望の用量などの全細胞の所望の用量の許容差でまたは許容差内で投与される。いくつかの態様では、所望の用量は、細胞の所望の数または細胞が投与される対象の単位体重当たりの細胞の所望の数、例えば細胞/kgである。いくつかの局面では、所望の用量は、細胞の最小数もしくは最小数より上、または単位体重当たりの細胞の最小数もしくは最小数より上である。いくつかの局面では、所望の用量で投与される全細胞のうち、個々の集団またはサブタイプは、所望の産生比(CD4+対CD8+比など)またはそれに近い比率で、例えばそのような比のある特定の許容差内または誤差内で存在する。

いくつかの態様では、細胞は、所望の用量のCD4+細胞および/または所望の用量のCD8+細胞などの、1つまたは複数の個々の集団またはサブタイプの細胞の所望の用量の許容差でまたは許容範囲内で投与される。いくつかの局面では、所望の用量は、サブタイプまたは集団の細胞の所望の数、または細胞が投与される対象の単位体重当たりのそのような細胞の所望の数、例えば細胞/kgである。いくつかの局面では、所望の用量は、集団もしくはサブタイプの細胞の最小数もしくは最小数より上、または単位体重当たりの集団もしくはサブタイプの細胞の最小数もしくは最小数より上である。

したがって、いくつかの態様では、投与量は、全細胞の所望の固定用量および所望の比率に基づき、ならびに/または個々のサブタイプもしくは亜集団の1つもしくは複数、例えば各々の、所望の固定用量に基づく。したがって、いくつかの態様では、投与量は、T細胞の所望の固定用量もしくは最小用量およびCD4+対CD8+細胞の所望の比率に基づき、ならびに/またはCD4+および/またはCD8+細胞の所望の固定用量もしくは最小用量に基づく。

いくつかの態様では、細胞は、CD4+およびCD8+細胞またはサブタイプなどの複数の細胞集団またはサブタイプの所望の産生比の許容範囲でまたは許容範囲内で投与される。いくつかの局面では、所望の比率は特定の比率であり得るかまたは比率の範囲であり得、例えばいくつかの態様では、所望の比率(例えば、CD4+対CD8+細胞の比率)は、5:1〜5:1もしくは約5:1〜約5:1(もしくは約1:5より大きく約5:1より小さい)、または1:3〜3:1もしくは約1:3〜約3:1(もしくは約1:3より大きく約3:1より小さい)、例えば2:1〜1:5もしくは約2:1〜約1:5(もしくは約1:5より大きく約2:1より小さい、例えば5:1、4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、2.5:1、2:1、1.9:1、1.8:1、1.7:1、1.6:1、1.5:1、1.4:1、1.3:1、1.2:1、1.1:1、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、もしくは1:5、またはおよそ前記比率である。いくつかの局面では、許容差は、所望の比率の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%以内であり、これらの範囲の間の任意の値を含む。

特定の態様では、細胞の数および/または濃度は、組換え受容体(例えばCAR)発現細胞の数を指す。他の態様では、細胞の数および/または濃度は、投与されるすべての細胞、T細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)の数または濃度を指す。

いくつかの局面では、投与量のサイズは、以前の治療、例えば化学療法に対する対象の応答、対象における疾患負荷、例えば腫瘍の量、体積、大きさ、または転移の程度、範囲もしくは種類、病期、および/または毒性アウトカム、例えばCRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍溶解症候群、神経毒性を発症する対象の可能性もしくは発生率、ならびに/または投与される細胞および/もしくは組換え受容体に対する宿主の免疫応答などの、1つまたは複数の基準に基づいて決定される。

いくつかの態様において、阻害剤を細胞との組み合わせで投与することにより、細胞の拡大増殖または増殖を増強することが可能であり、いくつかの場合には有意に増強することが可能であり、したがって、より少ない用量の細胞を対象に投与することができる。いくつかの場合において、提供される方法は、そのような細胞のより少ない用量が、細胞療法が阻害剤の投与を伴うことなく投与される方法における用量と同じ効力またはより良好な効力の処置を達成するために投与されることを可能にし、例えば、細胞療法が阻害剤の投与を伴うことなく投与される方法における用量の少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍少ないなどである用量で投与されることを可能にする。

いくつかの態様において、例えば、より少ない用量は、対象の体重の1キログラムあたり約5 x 106個未満の細胞、組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞、T細胞および/またはPBMCを含有し、例えば、対象の体重の1キログラムあたり約4.5 x 106個未満、約4 x 106個未満、約3.5 x 106個未満、約3 x 106個未満、約2.5 x 106個未満、約2 x 106個未満、約1.5 x 106個未満、約1 x 106個未満、約5 x 105個未満、約2.5 x 105個未満、または約1 x 105個未満などのそのような細胞を含有する。いくつかの態様において、より少ない用量は、対象の体重の1キログラムあたり約1 x 105個未満、約2 x 105個未満、約5 x 105個未満、もしくは約1 x 106個未満のそのような細胞、または前述の値のいずれか2つの間の範囲に含まれる値を含有する。いくつかの態様において、そのような値は組換え受容体発現細胞の数を示す。他の態様においては、そのような値は、投与されるT細胞もしくはPBMCまたは総細胞の数を示す。

いくつかの態様において、細胞の1つまたは複数の後続用量を対象に投与することができる。いくつかの態様において、細胞の後続用量は、細胞の最初の用量の投与を開始した後の7日超もしくは約7日超で、14日超もしくは約14日超で、21日超もしくは約21日超で、28日超もしくは約28日超で、または35日超もしくは約35日超で投与される。細胞の後続用量は、最初の用量よりも多いこと、最初の用量とおよそ同じであること、または最初の用量よりも少ないことが可能である。いくつかの態様において、T細胞療法の実施(例えば、細胞の最初の用量および/または2回目の用量の投与など)を繰り返すことができる。

いくつかの態様において、細胞療法の実施の開始、例えば、細胞の用量、または細胞の分割用量の最初の用量などの投与の開始が、阻害剤の投与前に(投与に先立って)、投与と同時に、または投与後に(投与に続いてまたは引き続いて)投与される。

いくつかの態様において、細胞の用量、または細胞の後続用量は、阻害剤の投与を始めるのと同時に、または開始するのと同時に、あるいは始めた後で、または開始した後で投与される。いくつかの態様において、細胞の用量、または細胞の後続用量は、阻害剤の投与を始めた後または開始した後の0日〜90日で、例えば、0日〜30日、0日〜15日、0日〜6日、0時間〜96時間、0時間〜24時間、0時間〜12時間、0時間〜6時間、または0時間〜2時間、2時間〜30日、2時間〜15日、2時間〜6日、2時間〜96時間、2時間〜24時間、2時間〜12時間、2時間〜6時間、6時間〜90日、6時間〜30日、6時間〜15日、6時間〜6日、6時間〜96時間、6時間〜24時間、6時間〜12時間、12時間〜90日、12時間〜30日、12時間〜15日、12時間〜6日、12時間〜96時間、12時間〜24時間、24時間〜90日、24時間〜30日、24時間〜15日、24時間〜6日、24時間〜96時間、96時間〜90日、96時間〜30日、96時間〜15日、96時間〜6日、6日〜90日、6日〜30日、6日〜15日、15日〜90日、15日〜30日、または30日〜90日などで投与される。いくつかの態様において、細胞の用量は、阻害剤の投与を始めた後または開始した後の少なくとも1時間もしくは約少なくとも1時間もしくは約1時間で、少なくとも2時間もしくは約少なくとも2時間もしくは約2時間で、少なくとも6時間もしくは約少なくとも6時間もしくは約6時間で、少なくとも12時間もしくは約少なくとも12時間もしくは約12時間で、少なくとも24時間もしくは約少なくとも24時間もしくは約24時間で、少なくとも2日もしくは約少なくとも2日もしくは約2日で、少なくとも3日もしくは約少なくとも3日もしくは約3日で、少なくとも6日もしくは約少なくとも6日もしくは約6日で、少なくとも12日もしくは約少なくとも12日もしくは約12日で、少なくとも15日もしくは約少なくとも15日もしくは約15日で、少なくとも30日もしくは約少なくとも30日もしくは約30日で、少なくとも60日もしくは約少なくとも60日もしくは約60日で、または少なくとも90日もしくは約少なくとも90日もしくは約90日で投与される。

いくつかの態様において、細胞の用量は、阻害剤の1つまたは複数の効果が達成されたときに投与される。

いくつかの態様において、細胞の用量、または細胞の後続用量は、阻害剤の投与を始めるのに先立って、または開始するのに先立って投与される。いくつかの態様において、細胞の用量は、阻害剤を投与する前の少なくとも1時間もしくは少なくとも約1時間で、少なくとも2時間もしくは少なくとも約2時間で、少なくとも3時間もしくは少なくとも約3時間で、少なくとも6時間もしくは少なくとも約6時間で、少なくとも12時間もしくは少なくとも約12時間で、少なくとも1日もしくは少なくとも約1日で、少なくとも2日もしくは少なくとも約2日で、少なくとも3日もしくは少なくとも約3日で、少なくとも4日もしくは約少なくとも4日で、少なくとも5日もしくは少なくとも約5日で、少なくとも6日もしくは約少なくとも6日で、少なくとも7日もしくは少なくとも約7日で、少なくとも12日もしくは約少なくとも12日で、少なくとも14日もしくは少なくとも約14日で、少なくとも15日もしくは約少なくとも15日で、少なくとも21日もしくは少なくとも約21日で、少なくとも28日もしくは少なくとも約28日で、少なくとも30日もしくは約少なくとも30日で、少なくとも35日もしくは少なくとも約35日で、少なくとも42日もしくは少なくとも約42日で、少なくとも60日もしくは約少なくとも60日で、または少なくとも90日もしくは約少なくとも90日で投与される。

いくつかの態様において、阻害剤の投与は、免疫療法(例えば、T細胞療法、例えば、CAR-T細胞療法など)の前回投与が、免疫療法(例えば、T細胞療法、例えば、CAR-T細胞療法など)の開始直前の時点、または免疫療法を開始した後での先行する時点でのT細胞の機能性と比較して、T細胞の低下した機能性に関連するかまたは関連する可能性が高いときにおいてである。いくつかの態様において、方法は、T細胞療法(例えば、養子T細胞療法)の細胞の用量を投与した後で、しかし、阻害剤を投与する前において、対象由来の試料を、例えば、血中におけるレベルもしくは量、または他の表現型もしくは本明細書において記載されるような所望の成績(例えば、セクションIIIにおいて記載されるものなど)によって求められるようなT細胞の1つまたは複数の機能(例えば、細胞の拡大増殖または持続性)について評価することを伴う。併用療法の投与計画を決定するための、または評価するための様々なパラメーターがセクションIIIに記載されている。

B. 阻害剤の投与 提供される方法、組成物、組み合わせ、キットおよび使用は、ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)、tecタンパク質チロシンキナーゼ(TEC)、BMX非受容体チロシンキナーゼ(BMX/ETK)、TXKチロシンキナーゼ(TXK; RLK/TXK)および/または受容体チロシンタンパク質キナーゼErbB4(ERBB4)から選択されるタンパク質チロシンキナーゼの阻害剤の投与を含む。阻害剤は、免疫療法剤または免疫療法、例えばT細胞療法の投与、例えばキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞の投与の前に、その投与後に、その投与中に、その投与と同時もしくはほぼ同時に、その投与と連続しておよび/またはその投与の合間に、投与され得る。

いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の半数阻害濃度(IC50)でBTKを阻害する。いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の解離定数(Kd)でBTKに結合する。いくつかの態様において、BTKに対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満である。

いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の半数阻害濃度(IC50)でTECを阻害する。いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の解離定数(Kd)でTECに結合する。いくつかの態様において、TECに対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満である。

いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の半数阻害濃度(IC50)でBMX/ETKを阻害する。いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の解離定数(Kd)でBMX/ETKに結合する。いくつかの態様において、BMX/ETKに対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満である。

いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の半数阻害濃度(IC50)でRLK/TXKを阻害する。いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の解離定数(Kd)でRLK/TXKに結合する。いくつかの態様において、RLK/TXKに対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満である。

いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の半数阻害濃度(IC50)でERBB4を阻害する。いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満の解離定数(Kd)でERBB4に結合する。いくつかの態様において、ERBB4に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、700 nM未満もしくは約700 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、または100 nM未満もしくは約100 nM未満である。

いくつかの態様において、阻害剤は、IL-2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)を阻害しない。いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM超もしくは約1000 nM超、2μM超もしくは約2μM超、3μM超もしくは約3μM超、4μM超もしくは約4μM超、5μM超もしくは約5μM超、10μM超もしくは約10μM超、50μM超もしくは約50μM超、100μM超もしくは約100μM超、または1000μM超もしくは約1000μM超のITKに対する半数阻害濃度(IC50)を示す。いくつかの態様において、ITKに対する阻害剤の解離定数(Kd)は、1000 nM超もしくは約1000 nM超、2μM超もしくは約2μM超、3μM超もしくは約3μM超、4μM超もしくは約4μM超、5μM超もしくは約5μM超、10μM超もしくは約10μM超、50μM超もしくは約50μM超、100μM超もしくは約100μM超、または1000μM超もしくは約1000μM超である。

いくつかの態様において、阻害剤は、ITKのそれより少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約100,000倍、または少なくとも約1,000,000倍低い半数阻害濃度(IC50)で、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXKまたはERBB4のうちの1つまたは複数を阻害する。

いくつかの態様において、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXKまたはERBB4のうちの1つまたは複数に対する阻害剤の解離定数(Kd)は、ITKのそれより少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約100,000倍、または少なくとも約1,000,000倍低い。

いくつかの態様において、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXKまたはERBB4のうちの1つまたは複数に対する阻害剤の阻害定数(Ki)は、ITKのそれより少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約10,000倍、少なくとも約100,000倍、または少なくとも約1,000,000倍低い。

いくつかの態様において、IC50、Kdおよび/またはKiが、インビトロアッセイを使用して測定されるかまたは決定される。記載されるようなタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の活性を評価するかまたは定量化するかまたは測定するための様々なアッセイが、当技術分野において公知である。そのようなアッセイはインビトロで実施することができ、作用物質が特定の生物学的機能または生化学的機能を阻害し得るかを評価するためのアッセイが含まれる。いくつかの態様において。いくつかの態様において、キナーゼ活性研究を行うことができる。タンパク質チロシンキナーゼは、キナーゼ自体または別のタンパク質基質のチロシン残基のヒドロキシル基へのアデノシン三リン酸(ATP)からの末端リン酸基の転移を触媒する。いくつかの態様において、キナーゼ活性を、キナーゼをATPの存在下で基質(例えば、阻害剤)とインキュベーションすることによって測定することができる。いくつかの態様において、特定のキナーゼによるリン酸化基質の測定を、比色法検出、放射能検出および蛍光光度法検出を含めて、いくつかのレポーターシステムによって評価することができる(Johnson, S.A. & T. Hunter(2005)Nat. Methods 2:17)。いくつかの態様において、阻害剤を、例えば、競合リガンド結合アッセイを使用することなどによって、特定のキナーゼ(1つまたは複数)についてのその親和性について評価することができる(Ma et al., Expert Opin Drug Discov. 2008 Jun; 3(6):607-621)。これらのアッセイから、半数阻害濃度(IC50)を計算することができる。IC50は、生物学的または生化学的な応答または機能をその最大値の50%低下させる濃度である。いくつかの場合において、例えば、キナーゼ活性研究などでは、IC50は、標的キナーゼ活性を50%阻害するために要求される化合物の濃度である。いくつかの場合において、解離定数(Kd)および/または阻害定数(Ki値)が、加えてまたは代替として決定され得る。IC50およびKdを、当技術分野において公知である多くの手段によって計算することができる。阻害定数(Ki値)を、下記のCheng-Prusoffの式に従ってIC50値およびKd値から計算することができる:Ki=IC50/(1+L/Kd)、式中、Lは阻害剤の濃度である(Biochem Pharmacol 22:3099-3108, 1973)。Kiは、リガンドまたは他の競合剤の非存在下で存在する結合部位の50%が塞がれることを引き起こすであろう非標識阻害剤の濃度である。

いくつかの態様において、阻害剤は、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマーまたは核酸分子である。いくつかの態様において、阻害剤は、低分子である。

いくつかの態様において、阻害剤は、そのチロシンキナーゼの活性部位付近にアクセス可能なシステイン残基を有するチロシンタンパク質キナーゼの阻害剤である。いくつかの態様において、阻害剤は、チロシンキナーゼの活性化を不可逆的に低減または消失させる。いくつかの態様において、阻害剤は、そのタンパク質チロシンキナーゼ上のシステイン残基と共有結合を形成する。いくつかの態様において、システイン残基は、Cys 481残基である。いくつかの態様において、阻害剤は、そのチロシンキナーゼの適当なシステイン残基と共有結合を形成するマイケル受容体部分を含む。いくつかの態様において、マイケル受容体部分は、同様にアクセス可能な-SH部分を含む他の生物学的分子よりも優先的に、そのチロシンキナーゼタンパク質の適当なシステイン側鎖に結合する。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば5.1 nMもしくは約5.1 nMのIC50値で、Btkに対して阻害活性を示し;Itkに対して阻害活性を示さず、または1000 nM超もしくは約1000 nM超のIC50値で任意のそのような活性を示し;例えば93 nMもしくは約93 nMのIC50値で、Tecに対して阻害活性を示し;例えば368 nMもしくは約368 nMのIC50値で、RLK/TXKに対して阻害活性を示し;46 nMもしくは約46 nMのIC50値でBMX/ETKに対して阻害活性を示し;および/または例えば16 nMもしくは約16 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、式(II)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Byrd JC, Harrington B, O'Brien S, Jones JA, Schuh A, Devereux S, et al. The compound of Formula (II) in relapsed chronic lymphocytic leukemia. N Engl J Med. 2016; 374(4):323-32; Wu et al., “The compound of Formula (II): a selective second-generation BTK inhibitor,” Journal of Hematology & Oncology (2016) 9:21を参照のこと

いくつかの態様において、阻害剤は、例えば公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば1μMまたは約1μMのIC50値で、Btkに対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、(Wu et al., “Second-generation inhibitors of Bruton tyrosine kinase,” Journal of Hematology & Oncology (2016) 9:80 WO2016/024230に記載されている)BGB-3111またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。いくつかの態様において、阻害剤は、例えば1.9 nMもしくは約1.9 nMのIC50値で、Btkに対して阻害活性を示し;Itkに対して阻害活性を示さず、または1000 nM超もしくは約1000 nM超または4000 nM超もしくは約4000 nM超または4270 nM超もしくは約4270 nM超のIC50値で任意のそのような活性を示し、または式(II)の化合物と同程度に低い、ITKに対する阻害活性を有する。いくつかの態様において、阻害剤は、TECを阻害しないまたは1000 nM超もしくは10,000 nM超のIC50値でのみIC50に対して任意のそのような阻害活性を示す。いくつかの態様において、阻害剤は、BMXを阻害しないまたは1000 nM超または1800 nMもしくは約1800 nMもしくは1800 nM超または10,000nM超のIC50値でのみIC50に対してそのような阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、CGI-1746(Hendriks et al., “Targeting Bruton’s tyrosine kinase in B cell malignancies,” Nature, 2014, 14: 219-232; Akinleye et al., “Ibrutinib and novel BTK inhibitors in clinical development.” Journal of Hematology & Oncology 2013, 6:59; WO2016/024230; Di Paolo et al., Nat. Chem. Biol., 2011, 7(1): 41-50を参照のこと)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約4.4 nMまたは約5 nMのIC50値で、Btkに対して阻害活性を示し;Itkに対して阻害活性を示さず、または3000 nM超もしくは約3000 nM超のIC50値で任意のそのような阻害活性を示し;例えば8.2 nMもしくは約8.2 nMまたは約6.2 nMのIC50値で、Tecに対して阻害活性を示し;例えば1.9 nMもしくは約1.9 nMまたは1.4 nMもしくは約1.4 nMのIC50値で、RLK/TXKに対して阻害活性を示し;および/または1.9 nMもしくは約1.9 nMまたは0.7 nMもしくは約0.7 nMのIC50値で、BMX/ETKに対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、N-(3-(2-(3-アミノフェニルアミノ)ピリミジン-5-イルカルバモイル)-4-メチルフェニル)-2-ナフトアミド化合物もしくはN-(2-(3-(2-アクリルアミドアセトアミド)フェニルアミノ)ピリミジン-5-イル)-2-メチル-5-(3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンズアミド(Compound 31もしくは38)(Li et. al., J. Med. Chem., 2014, 57(12): 5112-28)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約50 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示し;かつItkに対して阻害活性を示さず、または10μM超または約10μM超のIC50値で任意のそのような阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、4557W(CAS ID 179248-61-4)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約5 nM〜約500 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示し;かつItkに対して阻害活性を示さず、または10μM超もしくは約10μM超のIC50値で任意のそのような阻害活性を示す。いくつかの態様において、阻害剤は、例えば約6.3 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、アファチニブ(CAS ID 439081-18-2)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Davis, et al., Nat Biotechnol, 2011; 29:1046-51を参照のこと。いくつかの態様において、阻害剤は、例えば約250 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、AG1478(CAS ID 175178-82-2)もしくはCompound 56(CAS ID 171745-13-4)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。いくつかの態様において、阻害剤は、例えば約150 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、ゲフィチニブ(Gefitnib)(CAS ID 184475-35-2)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Karaman et al., Nat Biotechnol. 2008 Jan; 26(1): 127-32を参照のこと。いくつかの局面において、阻害剤は、WHI-P154(CAS ID 211555-04-3)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。いくつかの態様において、阻害剤は、例えば約21 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、JNJ-28871063(CAS ID 944341-54-2)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Emanuel et al., Mol Pharmacol. 2008 Feb; 73(2):338-48を参照のこと。いくつかの態様において、阻害剤は、例えば約18 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、Kinome_714またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Fidanze et al., Bioorg Med Chem Lett. 2010 Apr 15; 20(8):2452-5を参照のこと。いくつかの態様において、阻害剤は、例えば約21 nMのKd値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、ペリチニブ(CAS ID 257933-82-7)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Fabian et al., Nat Biotechnol. 2005 Mar; 23(3)329-36を参照のこと。いくつかの態様において、阻害剤は、例えば約230 nMのKd値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、エルロチニブ(CAS ID 183319-69-9)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Davis, et al., Nat Biotechnol, 2011; 29:1046-51を参照のこと。いくつかの態様において、阻害剤は、例えば約345 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、ラパチニブ(CAS ID 183319-69-9)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Mirams et al., J Pharmacol Toxicol Methods, 2014; 70:246-54を参照のこと。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約250 nM未満のIC50値で、Btkに対して阻害活性を示し;Itkに対して阻害活性を示さず、または5μM超もしくは約5μM超のIC50値で任意のそのような活性を示し;および/または例えば250 nMもしくは約250 nMのIC50値で、RLK/TXKに対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、アロイシンA(CAS ID 496864-16-5)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約545 nMのIC50値で、Btkに対して阻害活性を示し;かつItkに対して阻害活性を示さず、または25μM超もしくは約25μM超のIC50値で任意のそのような活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、AMG-47a(CAS ID 882663-88-9)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。DiMauro et al., J Med Chem, 2006 Sept 21; 49(19): 5671-86を参照のこと。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約500 nM未満のIC50値で、Btkに対して阻害活性を示し;Itkに対して阻害活性を示さず、または10μM超もしくは約10μM超のIC50値で任意のそのような活性を示し;および/または例えば500 nMもしくは約500 nMのIC50値で、RLK/TXKに対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、AS601245(CAS ID 345987-15-7)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約50 nM未満のKd値で、Btkに対して阻害活性を示し;Itkに対して阻害活性を示さず、または5000 nM超もしくは約5000 nM超のIC50値で任意のそのような活性を示し;例えば50 nMもしくは約50 nMのKd値で、RLK/TXKに対して阻害活性を示し;および/または約60 nMのIC50値でErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、BMS-690514(CAS ID 859853-30-8)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Wong, et al., Clin Cancer Res. 2011 Jun 15; 17(12):4031-41を参照のこと。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約2.5 nM未満のIC50値で、Btkに対して阻害活性を示し;Itkに対して阻害活性を示さず、または1700nM超もしくは約1700nM超のKd値で任意のそのような活性を示し;例えば282 nMまたは約282 nMのIC50値で、Tecに対して阻害活性を示し;例えば40 nMまたは約40 nMのIC50値で、RLK/TXKに対して阻害活性を示し;7.9 nMまたは約7.9 nMのIC50値で、BMX/ETKに対して阻害活性を示し;および2.5 nMまたは約2.5 nMのIC50値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、ボスチニブ(CAS ID 380843-75-4)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Remsing et al., Leukemia. 2009 Mar; 23(3): 477-85を参照のこと。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約185 nMのIC50値で、Btkに対して阻害活性を示し;Itkに対して阻害活性を示さず、または5600 nM超もしくは約5600 nM超のKd値で任意のそのような活性を示し;例えば700 nMまたは約700 nMのKd値で、RLK/TXKに対して阻害活性を示し;62 nMまたは約62 nMのIC50値で、BMX/ETKに対して阻害活性を示し;および6.5 nMまたは約6.5 nMのKd値で、ErbB4に対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、カネルチニブ(CAS ID 289499-45-2)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Hur et al., Bioorg Med Chem Lett. 2008 Nov 15; 18(22):5916-9を参照のこと。

いくつかの態様において、阻害剤は、各々の例において任意で公知のインビトロアッセイおよび/または本明細書に記載されているアッセイによって測定される場合、例えば約2 nMのIC50値で、Btkに対して阻害活性を示し;Itkに対して阻害活性を示さず、または10000 nM超もしくは約10000 nM超のKd値で任意のそのような活性を示し;例えば2 nMまたは約2 nMのIC50値で、RLK/TXKに対して阻害活性を示し;および/または36 nMもしくは約36 nMのKd値で、BMX/ETKに対して阻害活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、CHEMBL249097またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Bamborough et al., Bioorg Med Chem Lett. 2007 Aug 1; 17(15):4363-8を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、CHEMBL383899(CAS ID 879127-16-9)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、CP724714(CAS ID 537705-08-1)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Karaman et al., Nat Biotechnol. 2008 Jan; 26(1): 127-32を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、ダサチニブ(CAS ID 302962-49-8)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Remsing et al., Leukemia. 2009 Mar; 23(3): 477-85を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、GSK-3阻害剤X(CAS ID 740841-15-0)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、HDS029(CAS ID 881001-19-0)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、IKK-2阻害剤IV(CAS ID 507475-17-4)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。

いくつかの局面において、阻害剤は、JNJ-10198409(CAS ID 627518-40-5)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、Ki11502(CAS ID 347155-76-4)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、Lck阻害剤(CAS ID 213743-31-8)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、MK5108(CAS ID 1010085-13-8)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Shimomura et al., Mol Cancer Ther. 2010 Jan; 9(1):157-66を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、N-ベンゾイルスタウロスポリン(CAS ID 120685-11-2)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、ネラチニブ(CAS ID 698387-09-6)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Davis, et al., Nat Biotechnol, 2011; 29:1046-51を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、NU6140(CAS ID 444723-13-1)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、パゾパニブ(CAS ID 444731-52-6)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、PD168393(CAS ID 194423-15-9)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Hur et al., Bioorg Med Chem Lett. 2008 Nov 15; 18(22):5916-9を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、PD169316(CAS ID 152121-53-4)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、PD173955(CAS ID 260415-63-2)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Davis, et al., Nat Biotechnol, 2011; 29:1046-51を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、PDK1/Akt/Flt二重経路阻害剤(CAS ID 331253-86-2)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、ポナチニブ(CAS ID 943319-70-8)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Huang et al., J Med Chem. 2010 Jun 24; 53(12):4701-19を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、PP1アナログII;1NM-PP1(CAS ID 221244-14-0)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、PP121(CAS ID 1092788-83-4)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Apsel et al., Nat Chem Biol. 2008 Nov; 4(11):691-9を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、プルバラノールA(CAS ID 212844-53-6)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、Srcキナーゼ阻害剤I(CAS ID 179248-59-0)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、SureCN7018367またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Bamborough et al., J Med Chem. 2008 Dec 25; 51(24):7898-914を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、TWS119(CAS ID 601514-19-6)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、バンデタニブ(CAS ID 443913-73-3)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Anastassiasdis et al., Nat Biotechnol. 2011 Oct 30; 29(11): 1039-45を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、BDBM50126732(2-(2,6-ジクロロ-フェニルアミノ)-7-(3-ジエチルアミノ-プロペニル)-1,6-ジメチル-1,8-ジヒドロ-イミダゾ[4,5-h]イソキノリン-9-オン)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Goldberg, et al., J Med Chem, 2003; 46:1337-49を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、BDBM50020476(CHEMBL3290148)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Li, et al., J Med Chem, 2014; 57:5112-28を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、BDBM4567(N-{4-[(3-ブロモフェニル)アミノ]キナゾリン-6-イル}プロパ-2-エンアミド)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Tsou et al., J Med Chem, 2001; 44:2719-34を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、BDBM4779(N-{4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[3-(モルホリン-4-イル)プロポキシ]キナゾリン-6-イル}プロパ-2-エンアミド)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Davis, et al., Nat Biotechnol, 2011; 29:1046-51を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、BDBM36409(PP242)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Davis, et al., Nat Biotechnol, 2011; 29:1046-51を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、BDBM50161957(HKI-272)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Klumpers et al., J Med Chem, 2005; 48:1107-31を参照のこと。

いくつかの局面において、阻害剤は、BDBM6568(PD-173955)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。Davis, et al., Nat Biotechnol, 2011; 29:1046-51を参照のこと。

いくつかの態様において、阻害剤は、Itkに対して阻害活性を示さずまたは1000 nM超もしくは約1000 nM超または4000 nM超もしくは約4000 nM超または4270 nM超もしくは約4270 nM超のIC50値で任意のそのような活性を示し、または式(II)の化合物と同程度のITKに対する阻害活性を有し;TECを阻害せずまたは1000 nM超もしくは10,000 nM超のIC50値でのみIC50に対する任意のそのような活性を示し;BMXを阻害せずまたは1000 nM超または1800 nMもしくは約1800 nMもしくは1800 nM超または10,000 nM超のIC50値でのみIC50に対する任意のそのような活性を示す。いくつかの局面において、阻害剤は、CGI-1746(Hendriks et al., “Targeting Bruton’s tyrosine kinase in B cell malignancies,” Nature, 2014, 14: 219-232; Akinleye et al., “Ibrutinib and novel BTK inhibitors in clinical development.” Journal of Hematology & Oncology 2013, 6:59; WO2016/024230; Di Paolo et. al., Nat. Chem. Biol., 2011, 7(1): 41-50)を参照のこと)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグではない。いくつかの態様において、阻害剤は、1000 nM超もしくは約1000 nM超または4000 nM超もしくは約4000 nM超または4270 nM超もしくは約4270 nM超のIC50値でITKに対して活性を示し、または式(II)の化合物と同程度に低いITKに対する阻害活性を有し;TECを阻害せずまたは1000 nM超もしくは10,000 nM超のIC50値でのみIC50に対して任意のそのような阻害活性を示し;BMXを阻害せずまたは1000 nM超または1800 nMもしくは約1800 nMもしくは1800 nM超または10,000 nM超のIC50値でのみIC50に対して任意のそのような阻害活性を示す阻害剤ではない。

いくつかの態様において、阻害剤は、式(I)の化合物: またはその薬学的に許容される塩であり、式中: Q1は、アリール1、ヘテロアリール1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルケニルまたはヘテロシクロアルケニルであり、これらのいずれも、任意で、1〜5個の独立したG1置換基によって置換され; R1は、アルキル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロビシクロアルキルであり、これらのいずれも、任意で、1つまたは複数の独立したG11置換基によって置換され; G1およびG41は、各々独立して、ハロ、オキソ、-CF3、-OCF3、-OR2、-NR2R3(R3a)jl、-C(O)R2、-CO2R2、-CONR2R3、-NO2、-CN、-S(O)jlR2、-SO2NR2R3、NR2(C=O)R3、NR2(C=O)OR3、NR2(C=O)NR2R3、NR2S(O)jlR3、-(C=S)OR2、-(C=O)SR2、-NR2(C=NR3)NR2aR3a、-NR2(C=NR3)OR2a、-NR2(C=NR3)SR3a、-O(C=O)OR2、-O(C=O)NR2R3、-O(C=O)SR2、-S(C=O)OR2、-S(C=O)NR2R3、C0-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシC1-10アルキル、C1-10アルコキシC2-10アルケニル、C1-10アルコキシC2-10アルキニル、C1-10アルキルチオC1-10アルキル、C1-10アルキルチオC2-10アルケニル、C1-10アルキルチオC2-10アルキニル、シクロC3-8アルキル、シクロC3-8アルケニル、シクロC3-8アルキルC1-10アルキル、シクロC3-8アルケニルC1-10アルキル、シクロC3-8アルキルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルキルC2-10アルキニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルキニル、ヘテロシクリル-C0-10アルキル、ヘテロシクリル-C2-10アルケニル、もしくはヘテロシクリル-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、-CF3、-OCF3、-OR222、-NR22R333(R333a)jla、-C(O)R222、-CO2R222、-CONR222R333、-NO2、-CN、-S(O)jlaR222、-SO2NR222R333、NR2 2(C=O)R333、NR222(C=O)OR333、NR222(C=O)NR222R333、NR222S(O)jlaR333、-(C=S)OR222、-(C=O)SR222、-NR222(C=NR333)NR222aR333a、-NR222(C=NR333)OR222a、-NR222(C= R333)SR333a、-O(C=O)OR222、-O(C=O)NR222R333、-O(C=O)SR222、-S(C=O)OR222、もしくは-S(C=O)NR222R333置換基で置換され;または-(X1)n-(Y1)m-R4であり;またはアリール-C0-1Oアルキル、アリールC2-10アルケニル、もしくはアリールC2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、-CF3、-OCF3、-OR222、-NR222R333(R333a)j2a、-C(O)R222、-CO2R222、-CONR222R333、-NO2、-CN、-S(O)j2aR222、-SO2NR2R333、NR222(C=O)R333、NR222(C=O)OR333、NR222(C=O)NR222R333、NR222S(O)j2aR333、-(C=S)OR222、-(C=O)SR222、-NR22(C=NR333)NR22aR333a、-NR222(C=NR333)OR222a、-NR222(C=NR333)SR333a、-O(C=O)OR222、-O(C=O)NR222R333、-O(C=O)SR222、-S(C=O)OR222、もしくは-S(C=O)NR222R333置換基で置換され;またはヘタリール-C0-10アルキル、ヘタリール-C2-10アルケニル、もしくはヘタリール-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、-CF3、-OCF3、-OR222、-NR222R333(R333a)j3a、-C(O)R222、-CO2R222、-CONR222R333、-NO2、-CN、-S(O)j3aR222、-SO2NR222R333、NR222(C=O)R333、NR222(C=O)OR333、NR222(C=O)NR222R333、NR222S(O)j3aR333、-(C=S)OR222、-(C=O)SR222、-NR222(C=NR333)NR222aR333a、-NR222(C=NR333)OR222a、-NR222(C=NR333)SR333a、-O(C=O)OR222、-O(C=O)NR222R333、-O(C=O)SR222、-S(C=O)OR222、もしくは-S(C=O)NR222R333置換基で置換され; G11は、ハロ、オキソ、-CF3、-OCF3、-OR21、-NR21R31(R3al)j4、-C(O)R21、-CO2R21、-CONR21R31、-NO2、-CN、-S(O)j4R21、-SO2NR21R31、NR21(C=O)R31、NR21(C=O)OR31、NR21(C=O)NR21R31、NR21S(O)j4R31、-(C=S)OR21、-(C=O)SR21、-NR21(C=NR31)NR2alR3al、-NR21(C=NR31)OR2al、-NR21(C=NR31)SR3al、-O(C=O)OR21、-O(C=O)NR21R31、-O(C=O)SR21、-S(C=O)OR21、-S(C=O)NR21R31、-P(O)OR21OR31、C0-10アルキル、C2-10アルケニル、C2.10アルキニル、C1-10アルコキシC1-10アルキル、C1-10アルコキシC2-10アルケニル、C1-10アルコキシC2-10アルキニル、C1-10アルキルチオC1-10アルキル、C1-10アルキルチオC2-10アルケニル、C1-10アルキルチオC2-10アルキニル、シクロC3-8アルキル、シクロC3-8アルケニル、シクロC3-8アルキルC1-10アルキル、シクロC3-8アルケニルC1-10アルキル、シクロC3-8アルキルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルキルC2-10アルキニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルキニル、ヘテロシクリル-C0-10アルキル、ヘテロシクリル-C2-10アルケニル、もしくはヘテロシクリル-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、オキソ、-CF3、-OCF3、-OR2221、-NR2221R3331(R333al)j4a、-C(O)R2221、-CO2R2221、-CONR2221R3331、-NO2、-CN、-S(O)j4aR2221、-SO2NR2221R3331、NR2221(C=O)R3331、NR2221(C=O)OR3331、NR2221(C=O)NR2221R3331、NR2221S(O)j4aR3331、-(C=S)R2221、-(CO)SR2221、-NR2221(C=NR3331)NR222alR333al、-NR2221(C=NR3331)OR222al、-NR2221(C=NR3331)SR333al、-O(C=O)OR2221、-O(C=O)NR2221R3331、-O(C=O)SR2221、-S(C=O)OR2221、-P(O)OR2221OR3331、もしくは-S(C=O)NR2221R3331置換基で置換され;またはアリール-C0-10アルキル、アリール-C2-10アルケニル、もしくはアリール-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、-CF3、-OCF3、-OR2221、-NR2221R3331(R333al)j5a、-C(O)R2221、-CO2R2221、-CONR2221R3331、-NO2、-CN、-S(O)j5aR2221、-SO2NR2221R3331、NR2221(C=O)R3331、NR2221(C=O)OR3331、NR2221(C=O)NR2221R3331、NR2221S(O)j5aR3331、-(C=S)OR2221、-(C=O)SR2221、-NR2221(C=NR3331)NR222alR333al、-NR2221(C=NR3331)OR222al、-NR2221(C=NR3331)SR333al、-O(C=O)OR2221、-O(C=O)NR2221R3331、-0(C=O)SR2221、-S(C=O)OR2221、-P(O)OR2221OR3331、もしくは-S(C=O)NR2221R3331置換基で置換され;またはヘタリール-C0-10アルキル、ヘタリール-C2-10アルケニル、もしくはヘタリール-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、-CF3、-OCF3、-OR、-NR2221R3331(R333al)j6a、-C(O)R2221、-CO2R2221、-CONR2221R3331、-NO2、-CN、-S(O)j6aR2221、-SO2NR2221R3331、NR2221(C=O)R3331、NR21(C=O)OR3331、NR2221(C=O)NR2221R3331、NR221S(O)j6aR3331、-(C=S)OR2221、-(CO)SR2221、-NR2221(C=NR3331)NR222alR333al、-NR2221(C=NR3331)OR222al、-NR2 21(C=NR3331)SR333al、-O(C=O)OR2221、-O(C=O)NR2221R3331、-O(C=O)SR2221、-S(C=O)OR2221、-P(O)OR2221OR3331、もしくは-S(C=O)NR2221R3331置換基で置換され;またはG11は、それが結合している炭素と一緒に、R5およびG111で置換される二重結合を形成し; R2、R2a、R3、R3a、R222、R222a、R333、R333a、R21、R2al、R31、R3al、R2221、R222al、R3331、およびR333 lは、各々独立して、C0-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシC1-10アルキル、C1-10アルコキシC2-10アルケニル、C1-10アルコキシC2-10アルキニル、C1-10アルキルチオC1-10アルキル、C1-10アルキルチオC2-10アルケニル、C1-10アルキルチオC2-10アルキニル、シクロC3-8アルキル、シクロC3-8アルケニル、シクロC3-8アルキルC1-10アルキル、シクロCs-sアルケニルC1-10アルキル、シクロC3-8アルキルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルキルC -10アルキニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルキニル、ヘテロシクリル-C0-10アルキル、ヘテロシクリル-C2-10アルケニル、もしくはヘテロシクリル-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数のG111置換基によって置換され;またはアリール-C0-10アルキル、アリール-C2-10アルケニル、もしくはアリール-C2-10アルキニル、ヘタリールC0-10アルキル、ヘタリールC2-10アルケニル、もしくはヘタリールC2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数のG111置換基によって置換され;または-NR2R3(R3a)jlもしくは-NR222R333(R333a)jlaもしくは-NR222R333(R333a)j2aもしくは-NR2221R3331(R333al)j3aもしくは-NR2221R3331(R333al)j4aもしくは-NR2221R3331(R333al)j5aもしくは-NR2221R3331(R333al)j6aの場合、R2およびR3もしくはR222およびR333もしくはR2221およびR3331は、それらが結合している窒素原子と一緒に3〜10員の飽和環、不飽和環、複素環式飽和環、もしくは複素環式不飽和環を形成し、ここで、該環は、任意で、1つもしくは複数のG111置換基によって置換され; X1およびY1は、各々独立して、-O-、-NR7-、-S(O)j7- -CR5R6-、 -N(C(O)OR7)-、-N(C(O)R7)-、-N(SO2R7)-、-CH2O- -CH2S- -CH2N(R7)- -CH(NR7)-、-CH2N(C(O)R7)-、-CH2N(C(O)OR7)-、-CH2N(SO2R7)-、-CH(NHR7)-、-CH(NHC(O)R7)-、-CH(NHSO2R7)-、-CH(NHC(O)OR7)-、-CH(OC(O)R7)-、-CH(OC(O)NHR7)-、-CH-CH-、-C - -、-C(=NOR7)-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(O)N(R7)-、-N(R7)C(O)-、-N(R7)S(O)-、-N(R7)S(O)2- -OC(O)N(R7)-、-N(R7)C(O)N(R7)-、-NR7C(O)O- -S(O)N(R7)-、-S(O)2N(R7)-、-N(C(O)R7)S(O)-、-N(C(O)R7)S(O)2-、-N(R7)S(O)N(R7)-、-N(R7)S(O)2N; (R7)-、-C(O)N(R7)C(O)-、-S(O)N(R7)C(O)-、-S(O)2N(R7)C(O)-、-OS(O)N(R7)-、-OS(O)2N(R7)-、-N(R7)S(O)O-、-N(R7)S(O)2O-、-N(R7)S(O)C(O)- -N(R7)S(O)2C(O)-、-SON(C(O)R7)-、-SO2N(C(O)R7)-、-N(R7)SON(R7)-、-N(R7)SO2N(R7)-、-C(O)O- -N(R7)P(OR8)O-、-N(R7)P(OR8)-、-N(R7)P(O)(OR8)O- -N(R7)P(O)(OR8)-、-N(C(O)R7)P(OR8)O- -N(C(O)R7)P(OR8)-、-N(C(O)R7)P(O)(OR8)O-、-N(C(O)R7)P(OR8)-、-CH(R7)S(O)-、-CH(R7)S(O)2- -CH(R7)N(C(O)OR7)- -CH(R7)N(C(O)R7)-、-CH(R7)N(SO2R7)-、-CH(R7)O- -CH(R7)S- -CH(R7)N(R7)-、-CH(R7)N(C(O)R7)-、-CH(R7)N(C(O)OR7)-、-CH(R7)N(SO2R7)-、-CH(R7)C(=NOR7)-、-CH(R7)C(O)-、-CH(R7)CH(OR7)-、-CH(R7)C(O)N(R7)-、-CH(R7)N(R7)C(O)-、-CH(R7)N(R7)S(O)-、-CH(R7)N(R7)S(O)2-、-CH(R7)OC(O)N(R7)-、-CH(R7)N(R7)C(O)N(R7)-、-CH(R7)NR7C(O)O-、-CH(R7)S(O)N(R7)-、-CH(R7)S(O)2N(R7)-、-CH(R7)N(C(O)R7)S(O)-、-CH(R7)N(C(O)R7)S(O)-、-CH(R7)N(R7)S(O)N(R7)-、-CH(R7)N(R7)S(O)2N(R7)-、-CH(R7)C(O)N(R7)C(O)-、-CH(R7)S(O)N(R7)C(O)-、-CH(R7)S(O)2N(R7)C(O)- -CH(R7)OS(O)N(R7)-、-CH(R7)OS(O)2N(R7)-、-CH(R7)N(R7)S(O)O-、-CH(R7)N(R7)S(O)2O-、-CH(R7)N(R7)S(O)C(O)-、-CH(R7)N(R7)S(O)2C(O)-、-CH(R7)SON(C(O)R7)-、-CH(R7)SO2N(C(O)R7)-、-CH(R7)N(R7)SON(R7)-、-CH(R7)N(R7)SO2N(R7)-、-CH(R7)C(O)O-、-CH(R7)N(R7)P(OR8)O- -CH(R7)N(R7)P(OR8)-、-CH(R7)N(R7)P(O)(OR8)O-、-CH(R7)N(R7)P(O)(OR8)-、-CH(R7)N(C(O)R7)P(OR8)O-、-CH(R7)N(C(O)R7)P(OR8)- -CH(R7)N(C(O)R7)P(O)(OR8)O-、もしくは-CH(R7)N(C(O)R7)P(OR8)-であり;または X1およびY1は、各々独立して、以下の構造式: のうちの1つによって表され; R10は、ホスフィンアミドまたはホスホンアミドと一緒なった、5、6、または7員のアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環系であり; R5、R6およびG111は、各々独立して、C0-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシC1-10アルキル、C1-10アルコキシC2-10アルケニル、C1-10アルコキシC2-10アルキニル、C1-10アルキルチオC1-10アルキル、C1-10アルキルチオC2-10アルケニル、C1-10アルキルチオC2-10アルキニル、シクロC3-8アルキル、シクロC3-8アルケニル、シクロC3-8アルキルC1-10アルキル、シクロC3-8アルケニルC1-10アルキル、シクロC3-8アルキルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルキルC2-10アルキニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルキニル、ヘテロシクリル-C0-10アルキル、ヘテロシクリル-C2-10アルケニル、もしくはヘテロシクリル-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、-CF3、-OCF3、-OR77、-NR77R87、-C(O)R77、-CO2R77、-CONR77R87、-NO2、-CN、-S(O)j5aR77、-SO2NR77R87、NR77(C=O)R87、NR77(C=O)OR87、NR77(C=O)NR78R87、NR77S(O)j5aR87、-(C=S)OR77、-(C=O)SR77、-NR77(C=NR87)NR78R88、-NR77(C=NR87)OR78、-NR77(C=NR87)SR78、-O(C=O)OR77、-O(C=O)NR77R87、-O(C=O)SR77、-S(C=O)OR77、-P(O)OR77OR87、もしくは-S(C=O)NR77R87置換基で置換され;またはアリール-C0-10アルキル、アリール-C2-10アルケニル、もしくはアリール-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、-CF3、-OCF3、-OR77、-NR77R87、-C(O)R77、-CO2R77、-CONR77R87、-NO2、-CN、-S(O)j5aR77、-SO2NR77R87、NR77(C=O)R87、NR77(C=O)OR87、NR77(C=O)NR78R87、NR77S(O)j5aR87、-(C=S)OR77、-(C=O)SR77、-NR77(C=NR87)NR78R88、-NR77(C=NR87)OR78、-NR77(C=NR87)SR78、-O(C=O)OR77、-O(C=O)NR77R87、-O(C=O)SR77、-S(C=O)OR77、-P(O)OR77OR87、もしくは-S(C=O)NR77R87置換基で置換され;またはヘタリール-C0-10アルキル、ヘタリール-C2-10アルケニル、もしくはヘタリール-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、-CF、-OCF3、-OR、-NR77R87、-C(O)R77、-CO2R77、-CONR77R87、-NO2、-CN、-S(O)j5aR77、-SO2NR77R87、NR77(C=O)R87、NR77(C=O)OR87、NR77(C=O)NR78R87、NR77S(O)j5aR87、-(C=S)OR77、-(C=O)SR77、-NR77(C=NR87)NR78R88、-NR77(C=NR87)OR78、-NR77(C=NR87)SR78、-O(C=O)OR77、-O(C=O)NR77R87、-O(C=O)SR77、-S(C=O)OR77、-P(O)OR77OR87、もしくは-S(C=O)NR77R87置換基で置換され;またはR5とR6は、それらが結合している各々の炭素原子と一緒に3〜10員の飽和もしくは不飽和環を形成し、ここで、該環は、任意で、R69で置換され;またはR5とR6は、それらが結合している各々の炭素原子と一緒に3〜10員の飽和もしくは不飽和複素環式環を形成し、ここで、該環は、任意で、R69で置換され; R7およびR8は、各々独立して、H、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルであり、これらのいずれも、任意で、1つまたは複数のG111置換基によって置換され; R4は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルケニル、またはヘテロシクロアルケニルであり、これらのいずれも、任意で、1つまたは複数のG41置換基によって置換され; R69は、ハロ、-OR78、-SH、-NR78R88、-CO2R78、-CONR78R88、-NO2、-CN、-S(O)j8R78、-SO2NR78R88、C0-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシC1-10アルキル、C1-10アルコキシC2-10アルケニル、C1-10アルコキシC2-10アルキニル、C1-10アルキルチオC1-10アルキル、C1-10アルキルチオC2-10アルケニル、C1-10アルキルチオC2-10アルキニル、シクロC3-8アルキル、シクロC3-8アルケニル、シクロC3-8アルキルC1-10アルキル、シクロC3-8アルケニルC1-10アルキル、シクロC3-8アルキルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルキルC2-10アルキニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルキニル、ヘテロシクリル-C0-10アルキル、ヘテロシクリル-C2-10アルケニル、もしくはヘテロシクリル-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、シアノ、ニトロ、-OR778、-SO2NR778R888、もしくは-NR778R888置換基で置換され;またはアリール-C0-10アルキル、アリール-C2-10アルケニル、もしくはアリール-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、シアノ、ニトロ、-OR778、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、ハロC1-10アルキル、ハロC2-10アルケニル、ハロC2-10アルキニル、-COOH、C1-4アルコキシカルボニル、-CONR778R888、-SO2NR778R888、もしくは-NR778R888置換基で置換され;またはヘタリール-C0-10アルキル、ヘタリール-C2-10アルケニル、もしくはヘタリール-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、シアノ、ニトロ、-OR778、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、ハロC1-10アルキル、ハロC2-10アルケニル、ハロC2-10アルキニル、-COOH、C1-4アルコキシカルボニル、-CONR778R888、-SO2NR778R888、もしくは-NR778R888置換基で置換され;またはモノ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、モノ(アリール)アミノC1-6アルキル、ジ(アリール)アミノC1-6アルキル、もしくは-N(C1-6アルキル)-C1-6アルキル-アリールであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、シアノ、ニトロ、-OR778、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、ハロC1-10アルキル、ハロC2-10アルケニル、ハロC2-10アルキニル、-COOH、C1-4アルコキシカルボニル、-CONR778R888、-SO2NR778R888、もしくは-NR778R888置換基で置換され;または-NR78R88の場合、R78とR88は、それらが結合している窒素原子と一緒に、3〜10員の飽和環、不飽和環、複素環式飽和環、もしくは複素環式不飽和環を形成し、ここで、該環は、任意で、1つもしくは複数のハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C1-10アルコキシ、-SO2NR778R888、もしくは-NR778R888置換基で置換され; R77、R78、R87、R88、R778、およびR888は、各々独立して、C0-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシC1-10アルキル、C1-10アルコキシC2-10アルケニル、C1-10アルコキシC2-10アルキニル、C1-10アルキルチオC1-10アルキル、C1-10アルキルチオC2-10アルケニル、C1-10アルキルチオC2-10アルキニル、シクロC3-8アルキル、シクロC3-8アルケニル、シクロC3-8アルキルC1-10アルキル、シクロC3-8アルケニルC1-10アルキル、シクロC3-8アルキルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルケニル、シクロC3-8アルキルC2-10アルキニル、シクロC3-8アルケニルC2-10アルキニル、ヘテロシクリル-C0-10アルキル、ヘテロシクリル-C2-10アルケニル、ヘテロシクリル-C2-10アルキニル、C1-10アルキルカルボニル、C2-10アルケニルカルボニル、C2-10アルキニルカルボニル、C1-10アルコキシカルボニル、C1-10アルコキシカルボニルC1-10アルキル、モノC1-6アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-6アルキルアミノカルボニル、モノ(アリール)アミノカルボニル、ジ(アリール)アミノカルボニル、もしくはC1-10アルキル(アリール)アミノカルボニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、シアノ、ニトロ、C1-10アルコキシ、-SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、もしくは-N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)置換基で置換され;またはアリール-C0-10アルキル、アリール-C2-10アルケニル、もしくはアリール-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、シアノ、ニトロ、-O(C0-4アルキル)、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、ハロC1-10アルキル、ハロC2-10アルケニル、ハロC2-10アルキニル、-COOH、C1-4アルコキシカルボニル、-CON(C0-4アルキル)(C0-10アルキル)、-SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、もしくは-N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)置換基で置換され;またはヘタリール-C0-10アルキル、ヘタリール-C2-10アルケニル、もしくはヘタリール-C2-10アルキニルであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、シアノ、ニトロ、-O(C0-4アルキル)、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、ハロC1-10アルキル、ハロC2-10アルケニル、ハロC2- 10アルキニル、-COOH、C1-4アルコキシカルボニル、-CON(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、-SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、もしくは-N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)置換基で置換され;またはモノ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル、モノ(アリール)アミノC1-6アルキル、ジ(アリール)アミノC1-6アルキル、もしくは-N(C1-6アルキル)-C1-6アルキル-アリールであり、これらのいずれも、任意で、1つもしくは複数の独立したハロ、シアノ、ニトロ、-O(C0-4アルキル)、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、ハロC1-10アルキル、ハロC2-10アルケニル、ハロC2-10アルキニル、-COOH、C1-4アルコキシカルボニル、-CON(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、-SO2N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)、もしくは-N(C0-4アルキル)(C0-4アルキル)置換基で置換され;ならびに n、m、jl、jla、j2a、j3a、j4、j4a、j5a、j6a、j7、およびj8は、各々独立して、0、1または2である。

いくつかの態様において、阻害剤は、4-{8-アミノ-3-[(2S)-1-(2-ブチノイル)-2-ピロリジニル]イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル}-N-(2-ピリジニル)ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。いくつかの態様において、阻害剤は、CAS番号1420477-60-6を有する。

いくつかの態様において、阻害剤は、式(II)の化合物: またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共共結晶体、多形体もしくはプロドラッグである。

いくつかの態様において、阻害剤は、米国特許第US7459554号およびPCT出願番号WO2005/037836に記載されている阻害剤である。

1.組成物および製剤 本明細書で提供される方法、組成物、組み合わせ、キットおよび使用のいくつかの態様では、併用療法は、1つまたは複数の組成物、例えばTECファミリーキナーゼの阻害剤、例えばBtk阻害剤、および/または細胞療法、例えばT細胞療法を含む薬学的組成物で投与することができる。

いくつかの態様では、組成物、例えばITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤を含有する薬学的組成物は、阻害剤および/または細胞と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルなどの担体を含むことができる。適切な薬学的担体の例は、E.W.Martinによる“Remington's Pharmaceutical Sciences”に記載されている。そのような組成物は、一般に精製された形態の、治療有効量のチロシンキナーゼ阻害剤、例えばBtk阻害剤を、患者への適切な投与のための形態を提供するために適切な量の担体と共に含む。そのような薬学的担体は、滅菌液体、例えば水、ならびに石油、動物、植物または合成起源のものを含む油、例えば落花生油大豆油、鉱油、およびゴマ油であり得る。生理食塩水ならびにデキストロースおよびグリセロール水溶液もまた、特に注射用溶液のための液体担体として使用することができる。薬学的組成物は、希釈剤、アジュバント、付着防止剤、結合剤、コーティング剤、充填剤、香料、着色剤、潤滑剤、流動促進剤、防腐剤、界面活性剤、吸着剤、乳化剤、薬学的賦形剤、pH緩衝剤、または甘味料、およびそれらの組み合わせのいずれか1つまたは複数を含むことができる。いくつかの態様では、薬学的組成物は、液体、固体、凍結乾燥粉末、ゲル形態、および/またはそれらの組み合わせであり得る。いくつかの態様では、担体の選択は、一部には、特定の阻害剤および/または投与方法によって決定される。

薬学的に許容される担体は一般に、用いられる投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、以下のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない:リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノールおよびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤、安定剤ならびに/または防腐剤。チロシンキナーゼの阻害剤、例えばBtk阻害剤を含有する組成物は、凍結乾燥することもできる。

いくつかの態様では、薬学的組成物は、筋肉内、静脈内、皮内、病巣内、腹腔内注射、皮下、腫瘍内、硬膜外、経鼻、経口、膣内、直腸内、外用、局所、、吸入、口腔(例えば舌下)、および経皮投与または任意の経路を含む、当業者に公知の任意の経路による投与用に製剤化することができる。いくつかの態様では、他の投与様式もまた企図される。いくつかの態様では、投与は、ボーラス注入、注射、例えば静脈内または皮下注射、眼内注射、眼周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、前房内注射、結膜下注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、眼球周囲注射、または後傍強膜送達によって行われる。いくつかの態様では、投与は、非経口投与、肺内投与、および鼻腔内投与によって、および局所治療のために所望する場合は病巣内投与によって行われる。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与が含まれる。いくつかの態様では、所与の用量は単回ボーラス投与によって投与される。いくつかの態様では、それは、例えば3日間以内の期間にわたる複数回のボーラス投与によって、または持続注入投与によって、投与される。

いくつかの態様では、投与は、治療の場所に応じて外用的、局所的または全身的であり得る。いくつかの態様では、治療を必要とする領域への局所投与は、例えば、限定されることなく、外科手術中の局所注入、例えば外科手術後の創傷被覆材と組み合わせた局所適用によって、注射によって、カテーテルを用いて、坐剤を用いて、またはインプラントを用いて達成され得る。いくつかの態様では、組成物はまた、他の生物学的に活性な作用物質と共に、連続的に、間欠的に、または同じ組成物中で投与され得る。いくつかの態様では、投与はまた、放出制御製剤およびポンプなどによる装置制御放出を含む放出制御システムを含み得る。いくつかの態様では、投与は経口投与である。

いくつかの態様では、薬学的および治療的に活性な化合物およびその誘導体は、典型的には単位投与剤形または複数回投与剤形で製剤化および投与される。各単位用量は、必要な薬学的担体、ビヒクルまたは希釈剤と共に、所望の治療効果を生じさせるのに十分な所定量の治療的に活性な化合物を含有する。いくつかの態様では、単位投与剤形には、適切な量の化合物または薬学的に許容されるその誘導体を含有する、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、滅菌非経口液剤または懸濁剤、および経口液剤または懸濁剤、および油・水乳剤が含まれるが、これらに限定されるわけではない。単位投与剤形は、封入されたアンプルおよび注射器、あるいは個別に包装された錠剤またはカプセル剤であり得る。単位投与剤形は、その分数単位または倍数単位で投与することができる。いくつかの態様では、複数回投与剤形は、分離された単位投与剤形で投与されるように単一の容器に包装された複数の同一の単位投与剤形である。複数回投与剤形の例には、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤のボトルまたはパイントもしくはガロン入りのボトルが含まれる。

2. 阻害剤の投与計画 いくつかの態様において、この方法は、対象に、治療有効量の、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤、ならびに細胞療法、例えばT細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法を投与する工程を含む。いくつかの態様において、阻害剤は、細胞療法、例えばT細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法の投与の前に、その投与後に、その投与中に、その投与の過程で、その投与と同時に、その投与とほぼ同時に、その投与と連続しておよび/またはその投与の合間に、投与される。いくつかの態様において、この方法は、T細胞療法の投与前に、阻害剤を投与する工程を含む。他の態様において、この方法は、T細胞療法の投与後に、阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの態様において、阻害剤は、T細胞療法の開始後にさらに投与されない。いくつかの態様において、投与計画は、T細胞療法の開始前および開始後の阻害剤の投与を含む。いくつかの態様において、投与計画は、T細胞療法の投与と同時の阻害剤の投与を含む。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤は、複数の分量で複数回投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、1回投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、1日6回、1日5回、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、2日ごとに、3日ごとに、週2回、週1回または細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与の開始前もしくは開始後1回のみ投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与の前、投与中、投与の過程で、および/または投与期間後に一定間隔をあけて複数回の分量で投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与前に一定間隔をあけて1回または複数回の分量で投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与後に一定間隔をあけて1回または複数回の分量で投与される。いくつかの態様において、阻害剤の1回または複数回の投与は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与と同時に行われ得る。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤の投与の用量、頻度、期間、タイミングおよび/または順番は、スクリーニング工程の結果の個々のしきい値もしくは基準および/または本明細書に記載されている処置結果の評価、例えば本明細書の第IV節に記載されているそれらに基づいて決定される。

いくつかの態様において、この方法は、治療有効量の阻害剤を以前に投与された対象に、細胞療法を投与する工程を含む。いくつかの態様において、阻害剤は、組み換え受容体を発現する細胞を対象に投与する前に対象に投与される。いくつかの態様において、阻害剤処置は、細胞の投与と同時に行われる。いくつかの態様において、阻害剤は、細胞の投与後に投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、併用療法の治療効果が増大するよう、細胞療法前に十分な期間投与される。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与前および/または投与と同時に投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の開始の0〜90日前もしくは約0〜90日前、例えば、0〜30日前もしくは約0〜30日前、0〜15日前もしくは約0〜15日前、0〜6日前もしくは約0〜6日前、0〜96時間前もしくは約0〜96時間前、0〜24時間前もしくは約0〜24時間前、0〜12時間前もしくは約0〜12時間前、0〜6時間前もしくは約0〜6時間前、または0〜2時間前もしくは約0〜2時間前、2時間前〜30日前もしくは約2時間前〜30日前、2時間前〜15日前もしくは約2時間前〜15日前、2時間前〜6日前もしくは約2時間前〜6日前、2時間前〜96時間前もしくは約2時間前〜96時間前、2時間前〜24時間前もしくは約2時間前〜24時間前、2時間前〜12時間前もしくは約2時間前〜12時間前、2時間前〜6時間前もしくは約2時間前〜6時間前、6時間前〜90日前もしくは約6時間前〜90日前、6時間前〜30日前もしくは約6時間前〜30日前、6時間前〜15日前もしくは約6時間前〜15日前、6時間前〜6日前もしくは約6時間前〜6日前、6時間前〜96時間前もしくは約6時間前〜96時間前、6時間前〜24時間前もしくは約6時間前〜24時間前、6時間前〜12時間前もしくは約6時間前〜12時間前、12時間前〜90日前もしくは約12時間前〜90日前、12時間前〜30日前もしくは約12時間前〜30日前、12時間前〜15日前もしくは約12時間前〜15日前、12時間前〜6日前もしくは約12時間前〜6日前、12時間前〜96時間前もしくは約12時間前〜96時間前、12時間前〜24時間前もしくは約12時間前〜24時間前、24時間前〜90日前もしくは約24時間前〜90日前、24時間前〜30日前もしくは約24時間前〜30日前、24時間前〜15日前もしくは約24時間前〜15日前、24時間前〜6日前もしくは約24時間前〜6日前、24時間前〜96時間前もしくは約24時間前〜96時間前、96時間前〜90日前もしくは約96時間前〜90日前、96時間前〜30日前もしくは約96時間前〜30日前、96時間前〜15日前もしくは約96時間前〜15日前、96時間前〜6日前もしくは約96時間前〜6日前、6日前〜90日前もしくは約6日前〜90日前、6日前〜30日前もしくは約6日前〜30日前、6日前〜15日前もしくは約6日前〜15日前、15日前〜90日前もしくは約15日前〜90日前、15日前〜30日前もしくは約15日前〜30日前、または30日前〜90日前もしくは約30日前〜90日前に投与される。いくつかの局面において、阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の開始の約96時間以内前、約72時間以内前、約48時間以内前、約24時間以内前、約12時間以内前、約6時間以内前、約2時間以内前、または約1時間以内前に投与される。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与の開始の少なくとも1時間もしくは少なくとも約1時間、少なくとも2時間もしくは少なくとも約2時間、少なくとも6時間もしくは少なくとも約6時間、少なくとも12時間もしくは少なくとも約12時間、少なくとも1日もしくは少なくとも約1日、少なくとも2日もしくは少なくとも約2日、少なくとも3日もしくは少なくとも約3日、少なくとも4日もしくは少なくとも約4日、少なくとも5日もしくは少なくとも約5日、少なくとも6日もしくは少なくとも約6日、少なくとも7日もしくは少なくとも約7日、少なくとも12日もしくは少なくとも約12日、少なくとも14日もしくは少なくとも約14日、少なくとも15日もしくは少なくとも約15日、少なくとも21日もしくは少なくとも約21日、少なくとも24日もしくは少なくとも約24日、少なくとも28日もしくは少なくとも約28日、少なくとも30日もしくは少なくとも約30日、少なくとも35日もしくは少なくとも約35日、または少なくとも42日もしくは少なくとも約42日、少なくとも60日もしくは少なくとも約60日、または少なくとも90日もしくは少なくとも約90日前に投与される。いくつかの態様において、TECファミリーキナーゼの阻害剤、例えばBTK阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与の開始の最大2日、最大3日、最大4日、最大5日、最大6日、最大7日、最大8日、最大12日、最大14日、最大15日、最大21日、最大24日、最大28日、最大30日、最大35日、最大42日、最大60日、または最大90日前に投与される。

ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤が細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)前に与えられる任意のそのような態様のいくつかにおいて、阻害剤の投与は、細胞療法の開始までおよび/または細胞療法の開始後の一定期間、一定間隔で継続される。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤が、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与後に投与される、またはさらに投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法)の投与の開始後、1時間以内もしくは約1時間以内、2時間以内もしくは約2時間以内、6時間以内もしくは約6時間以内、12時間以内もしくは約12時間以内、24時間以内もしくは約24時間以内、48時間以内もしくは約48時間以内、96時間以内もしくは約96時間以内、4日以内もしくは約4日以内、5日以内もしくは約5日以内、6日以内もしくは約6日以内、または7日以内もしくは約7日以内、14日以内もしくは約14日以内、15日以内もしくは約15日以内、21日以内もしくは約21日以内、24日以内もしくは約24日以内、28日以内もしくは約28日以内、30日以内もしくは約30日以内、36日以内もしくは約36日以内、42日以内もしくは約42日以内、60日以内もしくは約60日以内、72日以内もしくは約72日以内、または90日以内以内もしくは約90日以内に投与される。いくつかの態様において、提供される方法は、細胞療法の投与開始後の阻害剤の(例えば一定間隔での)継続投与を含む。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤が、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与後、最大1日間もしくは最大約1日間、最大2日間もしくは最大約2日間、最大3日間もしくは最大約3日間、最大4日間もしくは最大約4日間、最大5日間もしくは最大約5日間、最大6日間もしくは最大約6日間、最大7日間もしくは最大約7日間、最大12日間もしくは最大約12日間、最大14日間もしくは最大約14日間、最大21日間もしくは最大約21日間、最大24日間もしくは最大約24日間、最大28日間もしくは最大約28日間、最大30日間もしくは最大約30日間、最大35日間もしくは最大約35日間、最大42日間もしくは最大約42日間、最大60日間もしくは最大約60日間、または最大90日間もしくは最大約90日間、最大120日間もしくは最大約120日間、最大180日間もしくは最大約180日間、最大240日間もしくは最大約240日間、最大360日間もしくは最大約360日間、または最大720日間もしくは最大約720日間、またはそれ以上の間、投与され、例えば毎日投与される。

任意のそのような上記態様のうちのいくつかにおいて、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤は、細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の投与開始前および開始後に投与される。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤は、細胞療法の開始後に1日数回、1日2回、1日1回、2日に1回、週3回、週2回、または週1回投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、毎日投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、1日2回投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、1日3回投与される。他の態様において、阻害剤は、2日に1回投与される。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤は、7、14、21、28、35または42日のサイクルで毎日投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、7、14、21、28、35または42日のサイクルで1日2回投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、7、14、21、28、35または42日のサイクルで1日3回投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、7、14、21、28、35または42日のサイクルで2日に1回投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24サイクルで投与される。

本明細書において提供される方法のいくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤の投与、ならびに細胞療法(例えば、T細胞療法、例えばCAR-T細胞療法)の実施は、同時にまたはほぼ同時に行われる。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤は独立して、対象の体重1kgあたり0.2 mg(mg/kg)〜200 mg/kgもしくは約0.2 mg/kg〜約200 mg/kg、0.2 mg/kg〜100 mg/kgもしくは約0.2 mg/kg〜約100 mg/kg、0.2 mg/kg〜50 mg/kgもしくは約0.2 mg/kg〜約50 mg/kg、0.2 mg/kg〜10 mg/kgもしくは約0.2 mg/kg〜約10 mg/kg、0.2 mg/kg〜1.0 mg/kgもしくは約0.2 mg/kg〜約1.0 mg/kg、1.0 mg/kg〜200 mg/kgもしくは約1.0 mg/kg〜約200 mg/kg、1.0 mg/kg〜100 mg/kgもしくは約1.0 mg/kg〜約100 mg/kg、1.0 mg/kg〜50 mg/kgもしくは約1.0 mg/kg〜約50 mg/kg、1.0 mg/kg〜10 mg/kgもしくは約1.0 mg/kg〜約10 mg/kg、10 mg/kg〜200 mg/kgもしくは約10 mg/kg〜約200 mg/kg、10 mg/kg〜100 mg/kgもしくは約10 mg/kg〜約100 mg/kg、10 mg/kg〜50 mg/kgもしくは約10 mg/kg〜約50 mg/kg、50 mg/kg〜200 mg/kgもしくは約50 mg/kg〜約200 mg/kg、50 mg/kg〜100 mg/kgもしくは約50 mg/kg〜約100 mg/kg、または100 mg/kg〜200 mg/kgもしくは約100 mg/kg〜約200 mg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、対象の体重1kgあたり約0.2 mg(mg/kg)〜50 mg/kg、0.2 mg/kg〜25 mg/kg、0.2 mg/kg〜10 mg/kg、0.2 mg/kg〜5 mg/kg、0.2 mg/kg〜1.0 mg/kg、1.0 mg/kg〜50 mg/kg、1.0 mg/kg〜25 mg/kg、1.0 mg/kg〜10 mg/kg、1.0 mg/kg〜5 mg/kg、5 mg/kg〜50 mg/kg、5 mg/kg〜25 mg/kg、5 mg/kg〜10 mg/kg、または10 mg/kg〜25 mg/kgの用量で投与される。

いくつかの態様において、ITKの阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤は、それぞれが両端の値を含む、25 mg〜2000 mgもしくは約25 mg〜約2000 mg、25 mg〜1000 mgもしくは約25 mg〜約1000 mg、25 mg〜500 mgもしくは約25 mg〜約500 mg、25 mg〜200 mgもしくは約25 mg〜約200 mg、25 mg〜100 mgもしくは約25 mg〜約100 mg、25 mg〜50 mgもしくは約25 mg〜約50 mg、50 mg〜2000 mgもしくは約50 mg〜約2000 mg、50 mg〜1000 mgもしくは約50 mg〜約1000 mg、50 mg〜500 mgもしくは約50 mg〜約500 mg、50 mg〜200 mgもしくは約50 mg〜約200 mg、50 mg〜100 mgもしくは約50 mg〜約100 mg、100 mg〜2000 mgもしくは約100 mg〜約2000 mg、100 mg〜1000 mgもしくは約100 mg〜約1000 mg、100 mg〜500 mgもしくは約100 mg〜約500 mg、100 mg〜200 mgもしくは約100 mg〜約200 mg、200 mg〜2000 mgもしくは約200 mg〜約2000 mg、200 mg〜1000 mgもしくは約200 mg〜約1000 mg、200 mg〜500 mgもしくは約200 mg〜約500 mg、500 mg〜2000 mgもしくは約500 mg〜約2000 mg、500 mg〜1000 mgもしくは約500 mg〜約1000 mg、または1000 mg〜2000 mgもしくは約1000 mg〜約2000 mgの用量で独立して投与される。

いくつかの態様において、阻害剤は、式(II)の化合物であり、それぞれが両端の値を含む、50 mg〜420 mgもしくは約50 mg〜約420 mg、50 mg〜400 mgもしくは約50 mg〜約400 mg、50 mg〜380 mgもしくは約50 mg〜約380 mg、50 mg〜360 mgもしくは約50 mg〜約360 mg、50 mg〜340 mgもしくは約50 mg〜約340 mg、50 mg〜320 mgもしくは約50 mg〜約320 mg、50 mg〜300 mgもしくは約50 mg〜約300mg、50 mg〜280 mgもしくは約50 mg〜約280 mg、100 mg〜400 mgもしくは約100 mg〜約400 mg、100 mg〜380 mgもしくは約100 mg〜約380 mg、100 mg〜360 mgもしくは約100 mg〜約360 mg、100 mg〜340 mgもしくは約100 mg〜約340 mg、100 mg〜320 mgもしくは約100 mg〜約320 mg、100 mg〜300 mgもしくは約100 mg〜約300 mg、100 mg〜280 mgもしくは約100 mg〜約280 mg、100 mg〜200 mgもしくは約100 mg〜約200 mg、140 mg〜400 mgもしくは約140 mg〜約400 mg、140 mg〜380 mgもしくは約140 mg〜約380 mg、140 mg〜360 mgもしくは約140 mg〜約360 mg、140 mg〜340 mgもしくは約140 mg〜約340 mg、140 mg〜320 mgもしくは約140 mg〜約320 mg、140 mg〜300 mgもしくは約140 mg〜約300 mg、140 mg〜280 mgもしくは約140 mg〜約280 mg、140 mg〜200 mgもしくは約140 mg〜約200 mg、180 mg〜 400 mgもしくは約180 mg〜約400 mg、180 mg〜380 mgもしくは約180 mg〜約380 mg、180 mg〜360 mgもしくは約180 mg〜約360 mg、180 mg〜340 mgもしくは約180 mg〜約340 mg、180 mg〜320 mgもしくは約180 mg〜約320 mg、180 mg〜300 mgもしくは約180 mg〜約300 mg、180 mg〜280 mgもしくは約180 mg〜約280 mg、200 mg〜400 mgもしくは約200 mg〜約400 mg、200 mg〜380 mgもしくは約200 mg〜約380 mg、200 mg〜360 mgもしくは約200 mg〜約360 mg、200 mg〜340 mgもしくは約200 mg〜約340 mg、200 mg〜320 mgもしくは約200 mg〜約320 mg、200 mg〜300 mgもしくは約200 mg〜約300 mg、200 mg〜280 mgもしくは約200 mg〜約280 mg、220 mg〜400 mgもしくは約220 mg〜約400 mg、220 mg〜380 mgもしくは約220 mg〜約380 mg、220 mg〜360 mgもしくは約220 mg〜約360 mg、220 mg〜340 mgもしくは約220 mg〜約340 mg、220 mg〜320 mgもしくは約220 mg〜約320 mg、220 mg〜300 mgもしくは約220 mg〜約300 mg、220 mg〜280 mgもしくは約220 mg〜約280 mg、240 mg〜400 mgもしくは約240 mg〜約400 mg、240 mg〜380 mgもしくは約240 mg〜約380 mg、240 mg〜360 mgもしくは約240 mg〜約360 mg、240 mg〜340 mgもしくは約240 mg〜約340 mg、240 mg〜320 mgもしくは約240 mg〜約320 mg、240 mg〜300 mgもしくは約240 mg〜約300 mg、240 mg〜280 mgもしくは約240 mg〜約280 mg、280 mg〜420 mgもしくは約280 mg〜約420 mg、または300 mg〜400 mgもしくは約300 mg〜約400 mgの用量で投与される。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外のタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤ならびに/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤は、少なくとも50 mg/日もしくは少なくとも約50 mg/日、少なくとも100 mg/日もしくは少なくとも約100 mg/日、少なくとも150 mg/日もしくは少なくとも約150 mg/日、少なくとも175 mg/日もしくは少なくとも約175 mg/日、少なくとも200 mg/日もしくは少なくとも約200 mg/日、少なくとも250 mg/日もしくは少なくとも約250 mg/日、少なくとも300 mg/日もしくは少なくとも約300 mg/日、少なくとも350 mg/日もしくは少なくとも約350 mg/日、少なくとも400 mg/日もしくは少なくとも約400 mg/日、少なくとも420 mg/日もしくは少なくとも約420 mg/日、少なくとも440 mg/日もしくは少なくとも約440 mg/日、少なくとも460 mg/日もしくは少なくとも約460 mg/日、少なくとも480 mg/日もしくは少なくとも約480 mg/日、少なくとも500 mg/日もしくは少なくとも約500 mg/日、少なくとも520 mg/日もしくは少なくとも約520 mg/日、少なくとも540 mg/日もしくは少なくとも約540 mg/日、少なくとも560 mg/日もしくは少なくとも約560 mg/日、少なくとも580 mg/日もしくは少なくとも約580 mg/日、または少なくとも600 mg/日もしくは少なくとも約600 mg/日の総1日用量で投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、420 mg/日未満の量で投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、1日1回投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、1日2回投与される。

上記の態様のいずれにおいても、阻害剤、例えば式(II)の化合物は、経口投与され得る。

いくつかの態様において、投薬量(例えば、一日投薬量など)が、1つまたは複数の分割用量(例えば、2つ、3つ、または4つの用量)で、あるいは単一製剤で投与される。阻害剤は、単独での投与、薬学的に許容される担体の存在下での投与、または他の治療剤の存在下での投与を行うことができる。

当業者は、阻害剤のより大きい投薬量、またはより少ない投薬量が、例えば、特定の薬剤および投与経路に依存して使用され得るであろうことを認識するであろう。いくつかの態様において、阻害剤は単独で投与されてもよく、あるいは、化合物が1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤と混合されているかまたは混和されている薬学的組成物の形態で投与されてもよい。いくつかの態様において、阻害剤は、全身的に、または処置されることになる器官もしくは組織に対して局所的にそのどちらであっても投与される場合がある。例示的な投与経路には、局所的経路、注射(例えば、皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、腫瘍内および静脈内など)での経路、経口経路、舌下経路、直腸経路、経皮経路、鼻腔内経路、膣経路および吸入経路が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、投与経路は、経口経路、非経口経路、直腸経路、鼻経路、局所的経路または眼経路であるかあるいは吸入による経路である。いくつかの態様において、阻害剤は経口投与される。いくつかの態様において、阻害剤は、固体の投薬形態物(例えば、カプセル剤、錠剤および粉末剤など)で、または液体の投薬形態物(例えば、エリキシル剤、シロップ剤および懸濁物など)で経口投与される。

患者の疾患の改善が生じると、用量は、予防的処置または維持処置のために調節される場合がある。例えば、投薬量もしくは投与頻度または両方が、所望の治療効果または予防効果が維持されるレベルにまで症状の関数として減らされる場合がある。症状が適切なレベルにまで緩和されたならば、処置は中止される場合がある。しかしながら、いかなる再発であれ、症状が再発すると、患者は、長期的での断続的な処置を必要とする場合がある。患者はまた、長期的での長期にわたる処置を必要とする場合がある。

C.リンパ球枯渇処置 いくつかの局面において、提供される方法は、1つまたは複数のリンパ球枯渇療法を、例えば、免疫療法(例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法など)の投与の開始前または開始と同時などにおいて投与することをさらに含むことができる。いくつかの態様において、リンパ球枯渇療法は、ホスファミド(例えば、シクロホスファミドなど)を投与することを含む。いくつかの態様において、リンパ球枯渇療法は、フルダラビンを投与することを含むことができる。

いくつかの局面において、対象を免疫枯渇(例えば、リンパ球枯渇)療法によりプレコンディショニングすることは養子細胞療法(ACT)の効果を改善することができる。シクロスポリンおよびフルダラビンの組み合わせを含めて、リンパ球枯渇剤によるプレコンディショニングは、移入された細胞の応答および/または持続性を改善するためにであることを含めて、細胞療法における移入された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)細胞の効力を改善することにおいてこれまで効果的であった。例えば、Dudley et al., Science, 298, 850-54(2002); Rosenberg et al., Clin Cancer Res, 17(13):4550-4557(2011)を参照のこと。同様に、CAR+T細胞の状況において、いくつかの研究が、様々なリンパ球枯渇剤を、最も一般的にはシクロホスファミド、フルダラビン、ベンダムスチン、またはそれらの組み合わせを、時には低線量の照射を伴って組み入れている。Han et al. Journal of Hematology & Oncology, 6:47(2013); Kochenderfer et al., Blood, 119: 2709-2720(2012); Kalos et al., Sci Transl Med, 3(95):95ra73(2011); Clinical Trial Study Record Nos.: NCT02315612; NCT01822652を参照のこと。

そのようなプレコンディショニングを、治療の効力を弱め得るであろう様々な結果の1つまたは複数の危険性を減らすことを目的にして行うことができる。これらには、T細胞、B細胞、NK細胞が、恒常性、およびサイトカイン(例えば、IL-2、IL-7および/またはIL-15など)を活性化することについてTILと競合する「サイトカインシンク(cytokine sink)」として知られている現象;調節性T細胞、NK細胞、または免疫系の他の細胞によるTILの抑制;腫瘍微小環境における負の調節因子の影響が含まれる。Muranski et al., Nat Clin Pract Oncol. December; 3(12): 668-681(2006)。

したがって、いくつかの態様において、提供される方法は、リンパ球枯渇療法を対象に投与することをさらに伴う。いくつかの態様において、方法は、リンパ球枯渇療法を、細胞の用量の投与に先立って対象に投与することを伴う。いくつかの態様において、リンパ球枯渇療法は、化学療法剤(例えば、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドなど)を含有する。いくつかの態様において、細胞および/またはリンパ球枯渇療法の実施が、外来での送達により行われる。

いくつかの態様において、方法は、プレコンディショニング剤(例えば、リンパ球枯渇剤または化学療法剤など、例えば、シクロホスファミド、フルダラビンまたはそれらの組み合わせなど)を、細胞の用量の投与に先立って対象に投与することを含む。例えば、対象が、最初の用量または後続用量の少なくとも2日前に、例えば、最初の用量または後続用量の少なくとも3日前、4日前、5日前、6日前または7日前などに、プレコンディショニング剤を投与される場合がある。いくつかの態様において、対象が、細胞の用量の投与を開始する最大でも7日前に、例えば、細胞の用量の投与の最大でも6日前、5日前、4日前、3日前または2日前などに、プレコンディショニング剤を投与される。

いくつかの態様において、対象は、20 mg/kg〜100 mg/kgの間もしくはおよそ20 mg/kg〜100 mg/kgの間の用量、例えば、40 mg/kg〜80 mg/kgの間もしくはおよそ0 mg/kg〜80 mg/kgの間などの用量でのシクロホスファミドによりプレコンディショニングされる。いくつかの局面において、対象は、60 mg/kgまたは約60 mg/kgのシクロホスファミドによりプレコンディショニングされる。いくつかの態様において、フルダラビンを単一の用量で投与することができ、あるいは、例えば、毎日、1日おきに、または3日毎に与えられるなどする複数の用量で投与することができる。いくつかの態様において、シクロホスファミドは1日間または2日間にわたって1日に1回投与される。

いくつかの態様において、リンパ球枯渇剤がフルダラビンを含む場合、対象が、1 mg/m2〜100 mg/m2の間もしくはおよそ1 mg/m2〜100 mg/m2の間の用量で、例えば、10 mg/m2〜75 mg/m2の間もしくはおよそ10 mg/m2〜75 mg/m2の間、15 mg/m2〜50 mg/m2の間もしくはおよそ15 mg/m2〜50 mg/m2の間、20 mg/m2〜30 mg/m2の間もしくはおよそ20 mg/m2〜30 mg/m2の間、または24 mg/m2〜26 mg/m2の間もしくはおよそ24 mg/m2〜26 mg/m2の間などの用量で、フルダラビンを投与される。いくつかの例において、対象が、25 mg/m2のフルダラビンを投与される。いくつかの態様において、フルダラビンドは単一の用量で投与することができ、あるいは、例えば、毎日、1日おきに、または3日毎に与えられるなどする複数の用量で投与することができる。いくつかの態様において、フルダラビンは、例えば、1日間〜5日間などにわたって、例えば、3日間〜5日間にわたって毎日投与される。

いくつかの態様において、リンパ球枯渇剤は、様々な作用物質の組み合わせ(例えば、シクロホスファミドと、フルダラビンとの組み合わせなど)を含む。したがって、作用物質の組み合わせには、任意の用量または投与スケジュール(例えば、上記で記載される用量または投与スケジュールなど)でのシクロホスファミドと、任意の用量または投与スケジュール(例えば、上記で記載される用量または投与スケジュールなど)でのフルダラビンとが含まれる場合がある。例えば、いくつかの局面において、対象が、60 mg/kg(約2 g/m2)のシクロホスファミドと、25 mg/m2のフルダラビンの3つ〜5つの用量とを、細胞の用量に先立って投与される。

1つの例示的な投薬計画において、最初の用量を受ける前に、対象は、細胞の投与の1日前でのキナーゼ阻害剤と、CAR発現細胞の最初の用量の少なくとも2日前に、一般には細胞の投与の最大でも7日前に投与されるシクロホスファミドおよびフルダラビンのリンパ球枯渇プレコンディショニング化学療法(CY/FLU)とを受ける。いくつかの場合において、例えば、シクロホスファミドが、ITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の投与後の24日から27日まで投与される。プレコンディショニング処置の後、対象が、上記で記載されるようなCAR発現T細胞の用量を投与される。

いくつかの態様において、細胞の用量の注入に先立つプレコンディショニング剤の投与により、処置の成績が改善される。例えば、いくつかの局面において、プレコンディショニングは用量による処置の効力を改善するか、または対象における組換え受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞、例えば、CAR発現T細胞など)の持続性を増大させる。いくつかの態様において、プレコンディショニング処置は、無病生存率(例えば、細胞の用量の後における所与の期間の後で生存しており、かつ最小限の残存疾患または分子的に検出可能な疾患を何ら示さない対象の割合など)を増大させる。いくつかの態様において、メジアン無病生存期間までの時間が増大する。

細胞が対象(例えば、ヒト)に投与されると、操作細胞集団の生物学的活性がいくつかの局面においては、多くの公知の方法のいずれかによって測定される。評価するパラメーターには、操作されたT細胞または天然のT細胞または他の免疫細胞の、抗原に対する特異的な結合であって、インビボでは、例えば、画像化による特異的な結合、またはエクスビボでは、例えば、ELISAもしくはフローサイトメトリーによる特異的な結合が含まれる。ある特定の態様において、操作された細胞が標的細胞を破壊し得るかを、当技術分野において公知である任意の好適な方法を使用して、例えば、Kochenderfer et al., J. Immunotherapy, 32(7):689-702(2009)、およびHerman et al. J. Immunological Methods, 285(1):25-40(2004)に記載されている細胞傷害性アッセイなどを使用して測定することができる。ある特定の態様において、細胞の生物学的活性はまた、ある特定のサイトカイン(例えば、CD107a、IFNγ、IL-2およびTNFなど)の発現および/または分泌をアッセイすることによって測定することができる。いくつかの局面において、生物学的活性が、臨床成績(例えば、腫瘍量または腫瘍細胞量の減少など)を評価することによって測定される。いくつかの局面において、毒性結果、細胞の持続性、および/または拡大増殖、ならびに/あるいは宿主免疫応答の有無が評価される。

いくつかの態様において、細胞の用量の注入に先立つプレコンディショニング剤の投与は、処置の成績を、例えば、用量による処置の効力を改善するなどによって改善するか、または対象における組換え受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞、例えば、CAR発現T細胞など)の持続性を増大させる。したがって、いくつかの態様において、阻害剤および細胞療法による併用療法である方法において与えられるプレコンディショニング剤の用量は、阻害剤を伴わない方法で与えられる用量よりも大きい。

III.T細胞療法および細胞の操作 いくつかの態様では、提供される併用療法の方法に従って使用するためのT細胞療法は、疾患または病態に関連する分子を認識し、および/またはそれに特異的に結合して、そのような分子への結合時にそのような分子に対する免疫応答などの応答をもたらすように設計された組換え受容体を発現する操作された細胞を投与することを含む。受容体は、キメラ受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)、およびトランスジェニックT細胞受容体(TCR)を含む他のトランスジェニック抗原受容体を含み得る。

いくつかの態様では、細胞は、操作された受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)などの操作された抗原受容体、またはT細胞受容体(TCR)を含むか、または含むように操作されている。そのような細胞の集団、そのような細胞を含むおよび/またはそのような細胞が濃縮された組成物、例えばT細胞またはCD8+もしくはCD4+細胞などの特定の種類の細胞が濃縮または選択されている組成物も提供される。組成物の中には、養子細胞療法のためなどの、投与のための薬学的組成物および製剤がある。細胞および組成物を対象、例えば患者に投与するための治療方法も提供される。

したがって、いくつかの態様では、細胞は、遺伝子操作によって導入された1つまたは複数の核酸を含み、それによってそのような核酸の組換え産物または遺伝子操作された産物を発現する。いくつかの態様では、遺伝子導入は、例えばサイトカインまたは活性化マーカーの発現によって測定されるように、細胞を増殖、生存、および/または活性化などの応答を誘導する刺激と組み合わせることなどによって、最初に細胞を刺激し、続いて活性化した細胞に形質導入し、培養下で臨床適用に十分な数まで拡大増殖させることによって達成される。

A.組換え受容体 細胞は一般に、機能的非TCR抗原受容体を含む抗原受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)、および他の抗原結合受容体、例えばトランスジェニックT細胞受容体(TCR)などの組換え受容体を発現する。受容体の中には他のキメラ受容体もある。

1.キメラ抗原受容体(CAR) CARを含む例示的な抗原受容体、およびそのような受容体を操作し、細胞に導入するための方法は、例えば国際公開公報第2000/14257号、同第2013/126726号、同第2012/129514号、同第2014/031687号、同第2013/166321号、同第2013/071154号、同第2013/123061号、米国特許出願公開第2002131960号、同第2013287748号、同第20130149337号、米国特許第6,451,995号、同第7,446,190号、同第8,252,592号、同第8,339,645号、同第8,398,282号、同第7,446,179号、同第6,410,319号、同第7,070,995号、同第7,265,209号、同第7,354,762号、同第7,446,191号、同第8,324,353号、および同第8,479,118号、および欧州特許出願公開第2537416号に記載されているもの、ならびに/またはSadelain et al.,Cancer Discov.,3(4):388-398(2013);Davila et al.,PLoS ONE 8(4):e61338(2013);Turtle et al.,Curr.Opin.Immunol.,24(5):633-39(2012);Wu et al.,Cancer,18(2):160-75(2012)によって記載されているものを含む。いくつかの局面では、抗原受容体は、米国特許第7,446,190号に記載されているようなCAR、および国際公開公報第2014055668A1号に記載されているものを含む。CARの例としては、国際公開公報第2014031687号、米国特許第8,339,645号、同第7,446,179号、米国特許出願公開第2013/0149337号、米国特許第7,446,190号、同第8,389,282号、Kochenderfer et al.,Nature Reviews Clinical Oncology,10,267-276(2013);Wang et al.,J.Immunother.35(9):689-701(2012);およびBrentjens et al.,Sci Transl Med.5(177)(2013)などの前述の刊行物のいずれかに開示されているCARが挙げられる。国際公開公報第2014031687号、米国特許第8,339,645号、同第7,446,179号、米国特許出願公開第2013/0149337号、米国特許第7,446,190号、および米国特許第8,389,282号も参照のこと。CARなどのキメラ受容体は、一般に、抗体分子の一部などの細胞外抗原結合ドメイン、一般に抗体の可変重(VH)鎖領域および/または可変軽(VL)鎖領域、例えばscFv抗体断片を含む。

いくつかの態様では、受容体によって標的とされる抗原はポリペプチドである。いくつかの態様では、それは炭水化物または他の分子である。いくつかの態様では、抗原は、正常なまたは非標的細胞または組織と比較して、疾患または病態の細胞、例えば腫瘍または病原性細胞上に選択的に発現されるかまたは過剰発現される。他の態様では、抗原は正常細胞上に発現され、および/または操作された細胞上に発現される。

受容体に標的とされる抗原には、いくつかの態様において、オーファンチロシンキナーゼ受容体ROR1、tEGFR、Her2、L1-CAM、CD19、CD20、CD22、メソテリン、CEAおよびB型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3もしくは4、FBP、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、カッパ軽鎖、ルイスY、L1細胞接着分子、MAGE-A1、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、ROR1、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、およびMAGE A3、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、例えばサイクリンA1(CCNA1)、ならびに/またはビオチニル化分子、ならびに/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子が含まれる。

いくつかの態様では、CARは病原体特異的抗原に結合する。いくつかの態様では、CARは、ウイルス抗原(例えばHIV、HCV、HBVなど)、細菌抗原、および/または寄生虫抗原に特異的である。

いくつかの態様では、組換え受容体、例えばCARの抗体部分は、ヒンジ領域、例えばIgG4ヒンジ領域、ならびに/またはCH1/CLおよび/もしくはFc領域などの免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部をさらに含む。いくつかの態様では、定常領域またはその部分は、IgG4またはIgG1などのヒトIgGのものである。いくつかの局面では、定常領域の一部は、抗原認識成分、例えばscFvと膜貫通ドメインとの間のスペーサー領域として機能する。スペーサーは、スペーサーが存在しない場合と比較して、抗原結合後の細胞の応答性の増大をもたらす長さのものであり得る。例示的なスペーサー、例えばヒンジ領域は、国際公開公報第2014031687号に記載されているものを含む。いくつかの例では、スペーサーは、12アミノ酸もしくは約12アミノ酸の長さであるか、または12アミノ酸未満の長さである。例示的なスペーサーとしては、少なくとも約10〜229個のアミノ酸、約10〜200個のアミノ酸、約10〜175個のアミノ酸、約10〜150個のアミノ酸、約10〜125個のアミノ酸、約10〜100個のアミノ酸、約10〜75個のアミノ酸、約10〜50個のアミノ酸、約10〜40個のアミノ酸、約10〜30個のアミノ酸、約10〜20個のアミノ酸、または約10〜15個のアミノ酸を有する、および列挙された範囲のいずれかの両端の間の任意の整数個のアミノ酸を含むものが挙げられる。いくつかの態様では、スペーサー領域は、約12個もしくはそれ以下のアミノ酸、約119個もしくはそれ以下のアミノ酸、または約229個もしくはそれ以下のアミノ酸を有する。例示的なスペーサーには、IgG4ヒンジ単独、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジ、またはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジを含む。例示的なスペーサーとしては、Hudecek et al.,Clin.Cancer Res.,19:3153(2013)、国際公開公報第2014/031687号、米国特許第8,822,647号、または米国特許出願公開第2014/0271635号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。

いくつかの態様では、定常領域またはその部分は、IgG4またはIgG1などのヒトIgGのものである。いくつかの態様では、スペーサーは、配列ESKYGPPCPPCP(配列番号1に示す)を有し、配列番号2に示す配列によってコードされる。いくつかの態様では、スペーサーは、配列番号3に示す配列を有する。いくつかの態様では、スペーサーは、配列番号4に示す配列を有する。いくつかの態様では、定常領域またはその部分はIgDのものである。いくつかの態様では、スペーサーは、配列番号5に示す配列を有する。いくつかの態様では、スペーサーは、配列番号1、3、4または5のいずれかと少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を有する。

この抗原認識ドメインは一般に、CARの場合には、TCR複合体などの抗原受容体複合体を介して活性化を模倣するシグナル伝達成分、および/または別の細胞表面受容体を介するシグナルなどの、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分に連結されている。したがって、いくつかの態様では、抗原結合成分(例えば抗体)は、1つまたは複数の膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達ドメインに連結されている。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは細胞外ドメインに融合されている。一態様では、受容体、例えばCAR中のドメインの1つと天然に関連している膜貫通ドメインが使用される。いくつかの場合には、膜貫通ドメインは、同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのそのようなドメインの結合を回避して、受容体複合体の他の成員との相互作用を最小限に抑えるように選択されるかまたはアミノ酸置換によって改変される。

いくつかの態様における膜貫通ドメインは、天然の供給源または合成供給源のいずれかに由来する。供給源が天然である場合、いくつかの局面におけるドメインは、任意の膜結合または膜貫通タンパク質に由来する。膜貫通領域には、T細胞受容体、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、またはCD154のα鎖、β鎖、またはζ鎖に由来する(すなわち少なくともその膜貫通領域を含む)ものが含まれる。あるいは、いくつかの態様における膜貫通ドメインは合成である。いくつかの局面では、合成膜貫通ドメインは、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を主に含む。いくつかの局面では、フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンのトリプレットが合成膜貫通ドメインの各末端に見出される。いくつかの態様では、結合は、リンカー、スペーサー、および/または膜貫通ドメインによる。

細胞内シグナル伝達ドメインの中には、天然の抗原受容体を介するシグナル、共刺激受容体と合わせてそのような受容体を介するシグナル、および/または共刺激受容体のみを介するシグナルを模倣するまたはそれらに近似するものがある。いくつかの態様では、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えばグリシンおよびセリンを含むもの、例えばグリシン-セリンダブレットなどの2〜10アミノ酸長のリンカーが存在し、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間に結合を形成する。

受容体、例えばCARは、一般に少なくとも1つの細胞内シグナル伝達成分を含む。いくつかの態様では、受容体は、T細胞活性化および細胞毒性を媒介するTCR CD3鎖、例えばCD3ζ鎖などのTCR複合体の細胞内成分を含む。したがって、いくつかの局面では、抗原結合部分は1つまたは複数の細胞シグナル伝達モジュールに連結されている。いくつかの態様では、細胞シグナル伝達モジュールは、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/または他のCD膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、受容体、例えばCARは、Fc受容体γ、CD8、CD4、CD25またはCD16などの1つまたは複数の追加の分子の一部をさらに含む。例えば、いくつかの局面では、CARまたは他のキメラ受容体は、CD3-ゼータ(CD3ζ)またはFc受容体γとCD8、CD4、CD25またはCD16との間のキメラ分子を含む。

いくつかの態様では、CARまたは他のキメラ受容体の連結時に、受容体の細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、正常なエフェクター機能または免疫細胞、例えばCARを発現するように操作されたT細胞の応答の少なくとも1つを活性化する。例えば、いくつかの状況では、CARは、T細胞の機能、例えば細胞溶解活性またはTヘルパー活性、例えばサイトカインまたは他の因子の分泌を誘導する。いくつかの態様では、抗原受容体成分または共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインの末端切断された部分は、例えばそれがエフェクター機能シグナルを伝達する場合、無傷の免疫刺激鎖の代わりに使用される。いくつかの態様では、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列、およびいくつかの局面では、天然の状況でそのような受容体と協調的に作用して、抗原受容体結合後にシグナル伝達を開始する共受容体のものも含む。

天然のTCRに関連して、完全な活性化は一般に、TCRを介したシグナル伝達だけでなく、共刺激シグナルも必要とする。したがって、いくつかの態様では、完全な活性化を促進するために、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための成分もCARに含まれる。他の態様では、CARは共刺激シグナルを生成するための成分を含まない。いくつかの局面では、追加のCARが同じ細胞中で発現され、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための成分を提供する。

T細胞活性化は、いくつかの局面では、2つのクラスの細胞質シグナル伝達配列:TCRを介して抗原依存性の一次活性化を開始するもの(一次細胞質シグナル伝達配列)、および抗原非依存的に作用して二次または共刺激シグナルを提供するもの(二次細胞質シグナル伝達配列)によって媒介されると説明される。いくつかの局面では、CARはそのようなシグナル伝達成分の一方または両方を含む。

いくつかの局面では、CARは、TCR複合体の一次活性化を調節する一次細胞質シグナル伝達配列を含む。刺激性に作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフまたはITAMとして公知のシグナル伝達モチーフを含み得る。一次細胞質シグナル伝達配列を含むITAMの例には、TCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD8、CD22、CD79a、CD79bおよびCD66dに由来するものが含まれる。いくつかの態様では、CAR中の細胞質シグナル伝達分子は、細胞質シグナル伝達ドメイン、その一部、またはCD3ζに由来する配列を含む。

いくつかの態様では、CARは、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、およびICOSなどの共刺激受容体のシグナル伝達ドメインおよび/または膜貫通部分を含む。いくつかの局面では、同じCARが活性化成分と共刺激成分の両方を含む。

いくつかの態様では、活性化ドメインは1つのCAR内に含まれ、一方共刺激成分は、別の抗原を認識する別のCARによって提供される。いくつかの態様では、CARは、活性化または刺激性CAR、共刺激性CARを含み、両方とも同じ細胞上で発現される(国際公開公報第2014/055668号参照)。いくつかの局面では、細胞は、1つまたは複数の刺激性もしくは活性化CARおよび/または共刺激性CARを含む。いくつかの態様では、細胞は、阻害性CAR(iCAR、Fedorov et al.,Sci.Transl.Medicine,5(215)(2013)参照)、例えば疾患または病態に関連するおよび/または特異的である抗原以外の抗原を認識するCARをさらに含み、それにより、疾患を標的とするCARを介して送達される活性化シグナルが、阻害性CARのそのリガンドへの結合によって低減または阻害され、例えばオフターゲット効果を減少させる。

特定の態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3(例えばCD3ζ)細胞内ドメインに連結されたCD28膜貫通ドメインおよびシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ζ細胞内ドメインに連結された、キメラCD28およびCD137(4-1BB、TNFRSF9)共刺激ドメインを含む。

いくつかの態様では、CARは、細胞質部分に1つまたは複数、例えば2つまたはそれ以上の共刺激ドメインおよび活性化ドメイン、例えば一次活性化ドメインを包含する。例示的なCARは、CD3ζ、CD28、および4-1BBの細胞内成分を含む。

いくつかの態様では、CARもしくは他の抗原受容体はマーカーをさらに含み、および/またはCARもしくは他の抗原受容体を発現する細胞は、受容体を発現するための細胞の形質導入もしくは操作を確認するために使用し得る細胞表面マーカーなどの代理マーカー、例えば末端切断されたEGFR(tEGFR)などの短縮型の細胞表面受容体をさらに含む。いくつかの局面では、マーカー、例えば代理マーカーは、CD34、NGFR、または上皮増殖因子受容体(例えばtEGFR)の全部または一部(例えば短縮形態)を含む。いくつかの態様では、マーカーをコードする核酸は、切断可能なリンカー配列、例えばT2Aなどのリンカー配列をコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されている。例えば、マーカー、および任意でリンカー配列は、国際公開公報第2014031687号に開示されている任意のものであり得る。例えば、マーカーは、任意で、T2A切断可能リンカー配列などのリンカー配列に連結されている短縮型EGFR(tEGFR)であり得る。短縮型EGFR(例えばtEGFR)のための例示的なポリペプチドは、配列番号7に示すアミノ酸の配列、または配列番号7と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。例示的なT2Aリンカー配列は、配列番号6に示すアミノ酸の配列、または配列番号6と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。

いくつかの態様では、マーカーは、天然ではT細胞上に見出されない、または天然ではT細胞の表面上に見出されない分子、例えば細胞表面タンパク質、またはその一部である。いくつかの態様では、分子は非自己分子、例えば非自己タンパク質、すなわち細胞が養子移入される宿主の免疫系によって「自己」として認識されないものである。

いくつかの態様では、マーカーは、治療機能を果たさない、および/または遺伝子操作のため、例えば成功裏に操作された細胞を選択するためのマーカーとして使用されること以外には全く作用をもたらさない。他の態様では、マーカーは、治療分子または何らかの所望の作用を及ぼす分子、例えば、養子移入時またはリガンドとの遭遇時に細胞の応答を増強するおよび/または減弱させる共刺激分子または免疫チェックポイント分子などの、インビボで遭遇される細胞に対するリガンドであり得る。

いくつかの場合には、CARは、第一、第二、および/または第三世代のCARと称される。いくつかの局面では、第一世代のCARは、抗原結合の際にCD3鎖誘導シグナルのみを提供するものである;いくつかの局面では、第二世代のCARは、そのようなシグナルと、CD28またはCD137などの共刺激受容体由来の細胞内シグナル伝達ドメインを含むものなどの共刺激シグナルとを提供するものである;いくつかの局面では、第三世代のCARは、異なる共刺激受容体の複数の共刺激ドメインを含むものである。

いくつかの態様では、キメラ抗原受容体は、抗体または抗体断片を含む細胞外部分を含有する。いくつかの局面では、キメラ抗原受容体は、抗体または断片を含む細胞外部分と細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。いくつかの態様では、抗体または断片はscFvを含み、細胞内ドメインはITAMを含む。いくつかの局面では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖のζ鎖のシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとを連結する膜貫通ドメインを含む。いくつかの局面では、膜貫通ドメインはCD28の膜貫通部分を含む。いくつかの態様では、キメラ抗原受容体はT細胞共刺激分子の細胞内ドメインを含む。細胞外ドメインと膜貫通ドメインは直接または間接的に連結され得る。いくつかの態様では、細胞外ドメインと膜貫通ドメインは、本明細書に記載されているものなどのスペーサーによって連結されている。いくつかの態様では、受容体は、膜貫通ドメインが由来する分子の細胞外部分、例えばCD28細胞外部分を含む。いくつかの態様では、キメラ抗原受容体は、T細胞共刺激分子またはその機能的変異体に由来する細胞内ドメインを、例えば膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に含む。いくつかの局面では、T細胞共刺激分子はCD28または41BBである。

例えば、いくつかの態様では、CARは、抗体、例えば抗体断片、CD28の膜貫通部分またはその機能的変異体であるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、ならびにCD28のシグナル伝達部分またはその機能的変異体およびCD3ζのシグナル伝達部分またはその機能的変異体を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含有する。いくつかの態様では、CARは、抗体、例えば抗体断片、CD28の膜貫通部分またはその機能的変異体であるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、ならびに4-1BBのシグナル伝達部分またはその機能的変異体およびCD3ζのシグナル伝達部分またはその機能的変異体を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含有する。いくつかのそのような態様では、受容体は、ヒトIg分子などのIg分子の一部、例えばIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジを含むスペーサー、例えばヒンジのみのスペーサーをさらに含む。

いくつかの態様では、組換え受容体、例えばCARの膜貫通ドメインは、ヒトCD28の膜貫通ドメイン(例えばアクセッション番号P01747.1)またはその変異体、例えば配列番号8に示すアミノ酸の配列、または配列番号8と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む膜貫通ドメインであるかまたはそれを含む;いくつかの態様では、組換え受容体の膜貫通ドメイン含有部分は、配列番号9に示すアミノ酸の配列、または配列番号9と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上、または少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸の配列を含む。

いくつかの態様では、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達成分は、ヒトCD28の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的変異体もしくは部分、例えば天然CD28タンパク質の186〜187位にLLからGGへの置換を有するドメインを含む。例えば、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号10もしくは11に示すアミノ酸の配列、または配列番号10もしくは11と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含み得る。いくつかの態様では、細胞内ドメインは、4-1BBの細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン(例えばアクセッション番号Q07011.1)またはその機能的変異体もしくは部分、例えば配列番号12に示すアミノ酸の配列、または配列番号12と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。

いくつかの態様では、組換え受容体、例えばCARの細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ζ刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的変異体、例えばヒトCD3ζのアイソフォーム3の112アミノ酸細胞質ドメイン(アクセッション番号P20963.2)、または米国特許第7,446,190号もしくは米国特許第8,911,993号に記載されているCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。例えば、いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号13、14もしくは15に示すアミノ酸の配列、または配列番号13、14もしくは15と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。

いくつかの局面では、スペーサーは、IgGのヒンジ領域のみ、例えばIgG4またはIgG1のヒンジのみ、例えば配列番号1に示すヒンジのみのスペーサーを含む。他の態様では、スペーサーは、任意でCH2および/またはCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4由来のヒンジであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、スペーサーは、例えば配列番号4に示すような、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、例えば配列番号3に示すような、CH3ドメインのみに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、グリシン-セリンリッチ配列または他の柔軟なリンカー、例えば公知の柔軟なリンカーであるかまたはそれを含む。

例えば、いくつかの態様では、CARは、scFvを含む抗体断片などの抗体、スペーサー、例えばヒンジ領域および/または重鎖分子の1つもしくは複数の定常領域などの免疫グロブリン分子の一部を含むスペーサー、例えばIgヒンジ含有スペーサー、CD28由来の膜貫通ドメインの全部または一部を含む膜貫通ドメイン、CD28由来の細胞内シグナル伝達ドメイン、ならびにCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、CARは、抗体またはscFvなどの断片、任意のIgヒンジ含有スペーサーなどのスペーサー、CD28由来の膜貫通ドメイン、4-1BB由来の細胞内シグナル伝達ドメイン、およびCD3ζ由来のシグナル伝達ドメインを含む。

いくつかの態様では、そのようなCAR構築物をコードする核酸分子は、例えばCARをコードする配列の下流に、T2Aリボソームスキップエレメントおよび/またはtEGFR配列をコードする配列をさらに含む。いくつかの態様では、配列は、配列番号6に示すT2Aリボソームスキップエレメント、または配列番号6と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列をコードする。いくつかの態様では、抗原受容体(例えばCAR)を発現するT細胞はまた、短縮型EGFR(EGFRt)を非免疫原性選択エピトープとして発現するように生成することもでき(例えば同じ構築物から2つのタンパク質を発現するためにT2Aリボソームスイッチによって分離されたCARとEGFRtをコードする構築物の導入によって)、これはその後、そのような細胞を検出するためのマーカーとして使用することができる(例えば米国特許第8,802,374号参照)。いくつかの態様では、配列は、配列番号7に示すtEGFR配列、または配列番号7と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列をコードする。

対象に投与される細胞によって発現されるCARなどの組換え受容体は、一般に、治療されている疾患もしくは病態またはその細胞において発現される、それに関連する、および/またはそれに対して特異的な分子を認識するまたはそれに特異的に結合する。分子、例えば抗原に特異的に結合すると、受容体は一般に、ITAM形質導入シグナルなどの免疫刺激シグナルを細胞内に送達し、それによって疾患または病態を標的とする免疫応答を促進する。例えば、いくつかの態様では、細胞は、疾患もしくは病態の細胞もしくは組織によって発現されるか、または疾患もしくは病態に関連する抗原に特異的に結合するCARを発現する。

2.TCR いくつかの態様では、腫瘍の抗原、ウイルスまたは自己免疫タンパク質などの標的ポリペプチドのペプチドエピトープまたはT細胞エピトープを認識するT細胞受容体(TCR)またはその抗原結合部分を発現する、T細胞などの操作された細胞が提供される。

いくつかの態様では、「T細胞受容体」または「TCR」は、可変α鎖およびβ鎖(それぞれTCRαおよびTCRβとしても知られる)または可変γ鎖およびδ鎖(それぞれTCRαおよびTCRβとしても知られる)またはそれらの抗原結合部分を含み、MHC分子に結合したペプチドに特異的に結合することができる分子である。いくつかの態様では、TCRはαβ形態である。典型的には、αβおよびγδ形態で存在するTCRは一般に構造的に類似するが、それらを発現するT細胞は異なる解剖学的位置または機能を有し得る。TCRは、細胞の表面上にまたは可溶性形態で見出され得る。一般に、TCRは、それが一般に主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合した抗原を認識することに関与するT細胞(またはTリンパ球)の表面上に見出される。

特に明記されない限り、「TCR」という用語は、完全なTCR、ならびにその抗原結合部分または抗原結合断片を包含すると理解されるべきである。いくつかの態様では、TCRは、αβ形態またはγδ形態のTCRを含む、無傷または完全長のTCRである。いくつかの態様では、TCRは、完全長未満のTCRであるが、MHC分子に結合した特定のペプチドに結合する、例えばMHC-ペプチド複合体に結合する抗原結合部分である。いくつかの場合には、TCRの抗原結合部分または断片は、完全長または無傷のTCRの構造ドメインの一部のみを含み得るが、それでもなお、完全なTCRが結合するMHC-ペプチド複合体などのペプチドエピトープに結合することができる。いくつかの場合には、抗原結合部分は、特定のMHC-ペプチド複合体に結合するための結合部位を形成するのに十分な、TCRの可変α鎖および可変β鎖などのTCRの可変ドメインを含む。一般に、TCRの可変鎖は、ペプチド、MHCおよび/またはMHC-ペプチド複合体の認識に関与する相補性決定領域を含む。

いくつかの態様では、TCRの可変ドメインは、一般に抗原認識ならびに結合能力および特異性に対する主な寄与因子である、超可変ループまたは相補性決定領域(CDR)を含む。いくつかの態様では、TCRのCDRまたはそれらの組み合わせは、所与のTCR分子の抗原結合部位の全部または実質的に全部を形成する。TCR鎖の可変領域内の様々なCDRは、一般に、CDRと比較してTCR分子間で一般により少ない変動性を示すフレームワーク領域(FR)によって分離されている(例えばJores et al.,Proc.Nat'l Acad.Sci.U.S.A.87:9138,1990;Chothia et al.,EMBO J.7:3745,1988参照;またLefranc et al.,Dev.Comp.Immunol.27:55,2003も参照のこと)。いくつかの態様では、CDR3は、抗原結合もしくは特異性に関与する主なCDRであるか、または抗原認識および/もしくはペプチド-MHC複合体のプロセシングされたペプチド部分との相互作用のために、所与のTCR可変領域上の3つのCDRのうちで最も重要である。いくつかの状況では、α鎖のCDR1は特定の抗原ペプチドのN末端部分と相互作用することができる。いくつかの状況では、β鎖のCDR1はペプチドのC末端部分と相互作用することができる。いくつかの状況では、CDR2は、MHC-ペプチド複合体のMHC部分との相互作用またはMHC部分の認識に最も強く寄与するか、またはそれに関与する主要なCDRである。いくつかの態様では、β鎖の可変領域は、一般にスーパー抗原結合に関与し、抗原認識には関与しないさらなる超可変領域(CDR4またはHVR4)を含み得る(Kotb(1995)Clinical Microbiology Reviews,8:411-426)。

いくつかの態様では、TCRはまた、定常ドメイン、膜貫通ドメインおよび/または短い細胞質尾部を含み得る(例えばJaneway et al.,Immunobiology:The Immune System in Health and Disease,3rd Ed.,Current Biology Publications,p.4:33,1997参照)。いくつかの局面では、TCRの各々の鎖は、1つのN末端免疫グロブリン可変ドメイン、1つの免疫グロブリン定常ドメイン、膜貫通領域、およびC末端に短い細胞質尾部を有し得る。いくつかの態様では、TCRは、シグナル伝達の媒介に関与するCD3複合体のインバリアントタンパク質と会合している。

いくつかの態様では、TCR鎖は1つまたは複数の定常ドメインを含む。例えば、所与のTCR鎖(例えばα鎖またはβ鎖)の細胞外部分は、2つの免疫グロブリン様ドメイン、例えば可変ドメイン(例えばVαまたはVβ;典型的にはKabatナンバリングに基づき鎖のアミノ酸1〜116位、Kabat et al.,“Sequences of Proteins of Immunological Interest,US Dept. Health and Human Services,Public Health Service National Institutes of Health,1991,5th ed.)、および細胞膜に隣接する定常ドメイン(例えばα鎖定常ドメインもしくはCα、典型的にはKabatナンバリングに基づき鎖の117〜259位またはβ鎖定常ドメインもしくはCβ、典型的にはKabatに基づき鎖の117〜295位)を含み得る。例えば、いくつかの場合には、2本の鎖によって形成されるTCRの細胞外部分は、2つの膜近位定常ドメイン、および2つの膜遠位可変ドメインを含み、これらの可変ドメインはそれぞれCDRを含む。TCRの定常ドメインは、システイン残基がジスルフィド結合を形成し、それによってTCRの2本の鎖を連結する短い連結配列を含み得る。いくつかの態様では、TCRが定常ドメイン内に2つのジスルフィド結合を含むように、TCRは、α鎖およびβ鎖のそれぞれにさらなるシステイン残基を有し得る。

いくつかの態様では、TCR鎖は膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは正に荷電している。いくつかの場合には、TCR鎖は細胞質尾部を含む。いくつかの場合には、その構造は、TCRがCD3およびそのサブユニットのような他の分子と会合することを可能にする。例えば、膜貫通領域を有する定常ドメインを含むTCRは、タンパク質を細胞膜に固定し、CD3シグナル伝達装置または複合体のインバリアントサブユニットと会合し得る。CD3シグナル伝達サブユニット(例えばCD3γ、CD3δ、CD3εおよびCD3ζ鎖)の細胞内尾部は、TCR複合体のシグナル伝達能力に関与する1つまたは複数の免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフまたはITAMを含む。

いくつかの態様では、TCRは、2本の鎖αおよびβ(または任意でγおよびδ)のヘテロ二量体であり得るか、または一本鎖TCR構築物であり得る。いくつかの態様では、TCRは、1つまたは複数のジスルフィド結合などによって連結されている2本の別々の鎖(α鎖とβ鎖またはγ鎖とδ鎖)を含むヘテロ二量体である。

いくつかの態様では、TCRは、実質的に完全長のコード配列が容易に利用可能であるVα,β鎖の配列などの公知のTCR配列から生成することができる。細胞供給源から、V鎖配列を含む完全長TCR配列を得るための方法は周知である。いくつかの態様では、TCRをコードする核酸は、所与の1つまたは複数の細胞内のもしくは細胞から単離されたTCRコード核酸のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、または公的に入手可能なTCR DNA配列の合成などの様々な供給源から得ることができる。

いくつかの態様では、TCRは、T細胞(例えば細胞傷害性T細胞)などの細胞、T細胞ハイブリドーマまたは他の公的に入手可能な供給源などの生物学的供給源から得られる。いくつかの態様では、T細胞は、インビボで単離された細胞から得ることができる。いくつかの態様では、TCRは胸腺的に選択されたTCRである。いくつかの態様では、TCRはネオエピトープ拘束性TCRである。いくつかの態様では、T細胞は、培養されたT細胞ハイブリドーマまたはクローンであり得る。いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合部分は、TCRの配列の知識から合成的に生成することができる。

いくつかの態様では、TCRは、標的ポリペプチド抗原またはその標的T細胞エピトープに対して候補TCRのライブラリーをスクリーニングすることから同定または選択されたTCRから生成される。TCRライブラリーは、PBMC、脾臓または他のリンパ系器官に存在する細胞を含む、対象から単離されたT細胞からのVαおよびVβのレパートリの増幅によって作製することができる。いくつかの場合には、T細胞は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)から増幅することができる。いくつかの態様では、TCRライブラリーはCD4+またはCD8+細胞から作製することができる。いくつかの態様では、TCRは、正常なまたは健康な対象のT細胞供給源、すなわち正常なTCRライブラリーから増幅することができる。いくつかの態様では、TCRは、罹患対象のT細胞供給源、すなわち罹患TCRライブラリーから増幅することができる。いくつかの態様では、縮重プライマーを使用して、ヒトから得られたT細胞などの試料におけるRT-PCRなどによって、VαおよびVβの遺伝子レパートリを増幅する。いくつかの態様では、scTvライブラリーは、増幅産物がクローニングされるかまたはリンカーによって分離されるように構築されるナイーブVαおよびVβライブラリーから構築することができる。対象および細胞の供給源に依存して、ライブラリーはHLA対立遺伝子特異的であり得る。あるいは、いくつかの態様では、TCRライブラリーは、親または骨格TCR分子の突然変異誘発または多様化によって作製することができる。いくつかの局面では、TCRは、例えばα鎖またはβ鎖の突然変異誘発などによる指向性進化に供される。いくつかの局面では、TCRのCDR内の特定の残基が変更されている。いくつかの態様では、選択されたTCRを親和性成熟によって改変することができる。いくつかの態様では、ペプチドに対するCTL活性を評価するためのスクリーニングなどによって、抗原特異的T細胞を選択し得る。いくつかの局面では、TCR、例えば抗原特異的T細胞上に存在するTCRは、結合活性、例えば抗原に対する特定の親和性またはアビディティなどによって選択し得る。

いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合部分は、改変または操作されているものである。いくつかの態様では、指向性進化法を使用して、特定のMHC-ペプチド複合体に対するより高い親和性などの変更された特性を有するTCRを生成する。いくつかの態様では、指向性進化は、酵母ディスプレイ(Holler et al.,(2003)Nat Immunol,4,55-62;Holler et al.,(2000)Proc Natl Acad Sci U S A,97,5387-92)、ファージディスプレイ(Li et al.,(2005)Nat Biotechnol,23,349-54)、またはT細胞ディスプレイ(Chervin et al.,(2008)J Immunol Methods,339,175-84)を含むがこれらに限定されるわけではないディスプレイ法によって達成される。いくつかの態様では、ディスプレイアプローチは、公知のTCR、親TCR、または参照TCRを操作または改変することを含む。例えば、いくつかの場合には、野生型TCRを、CDRの1つまたは複数の残基が変異している変異誘発されたTCRを生成するための鋳型として使用することができ、所望の標的抗原に対するより高い親和性などの所望の変更された特性を有する変異体を選択する。

いくつかの態様では、関心対象のTCRを作製または生成する際に使用するための標的ポリペプチドのペプチドは、公知であるかまたは当業者によって容易に同定され得る。いくつかの態様では、TCRまたは抗原結合部分を生成する際に使用するのに適したペプチドは、関心対象の標的ポリペプチド、例えば下記の標的ポリペプチド中のHLA拘束性モチーフの存在に基づいて決定することができる。いくつかの態様では、ペプチドは、当業者に公知のコンピュータ予測モデルを用いて同定される。いくつかの態様では、MHCクラスI結合部位を予測するために、そのようなモデルとしては、ProPred1(Singh and Raghava(2001)Bioinformatics 17(12):1236-1237)およびSYFPEITHI(Schuler et al.,(2007)Immunoinformatics Methods in Molecular Biology,409(1):75-93 2007)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様では、MHC拘束性エピトープは、全白人の約39〜46%で発現されるHLA-A0201であり、したがって、TCRまたは他のMHC-ペプチド結合分子を調製するのに使用するためのMHC抗原の適切な選択である。

コンピュータ予測モデルを用いたHLA-A0201結合モチーフならびにプロテアソームおよび免疫プロテアソームの切断部位は当業者に公知である。MHCクラスI結合部位を予測するために、そのようなモデルとしては、ProPred1(Singh and Raghava,ProPred:prediction of HLA-DR binding sites. Bioinformatics 17(12):1236-1237 2001により詳細に記載されている)、およびSYFPEITHI(Schuler et al., SYFPEITHI, Database for Searching and T-Cell Epitope Prediction.in Immunoinformatics Methods in Molecular Biology, vol 409(1) :75-93 2007参照)が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。

いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合部分は、結合特性などの1つまたは複数の特性が変更されている、組換え生産された天然タンパク質またはその変異型であり得る。いくつかの態様では、TCRは、ヒト、マウス、ラット、または他の哺乳動物などの様々な動物種の1つに由来し得る。TCRは細胞結合型でも可溶型でもよい。いくつかの態様では、提供される方法の目的のために、TCRは細胞の表面に発現される細胞結合型である。

いくつかの態様では、TCRは完全長TCRである。いくつかの態様では、TCRは抗原結合部分である。いくつかの態様では、TCRは二量体TCR(dTCR)である。いくつかの態様では、TCRは一本鎖TCR(sc-TCR)である。いくつかの態様では、dTCRまたはscTCRは、国際公開公報第03/020763号、同第04/033685号、同第2011/044186号に記載されている構造を有する。

いくつかの態様では、TCRは膜貫通配列に対応する配列を含む。いくつかの態様では、TCRは細胞質配列に対応する配列を含む。いくつかの態様では、TCRはCD3とTCR複合体を形成することができる。いくつかの態様では、dTCRまたはscTCRを含む任意のTCRは、T細胞の表面上に活性TCRを生じるシグナル伝達ドメインに連結され得る。いくつかの態様では、TCRは細胞の表面上に発現される。

いくつかの態様では、dTCRは、TCRα鎖可変領域配列に対応する配列がTCRα鎖定常領域細胞外配列に対応する配列のN末端に融合している第一のポリペプチド、およびTCRβ鎖可変領域配列に対応する配列がTCRβ鎖定常領域細胞外配列に対応する配列のN末端に融合している第二のポリペプチドを含み、第一のポリペプチドと第二のポリペプチドはジスルフィド結合によって連結されている。いくつかの態様では、結合は、天然の二量体αβTCR中に存在する天然の鎖間ジスルフィド結合に対応し得る。いくつかの態様では、鎖間ジスルフィド結合は天然のTCR中には存在しない。例えば、いくつかの態様では、1つまたは複数のシステインをdTCRポリペプチド対の定常領域細胞外配列に組み込むことができる。いくつかの場合には、天然および非天然の両方のジスルフィド結合が望ましいことがあり得る。いくつかの態様では、TCRは、膜に固定するための膜貫通配列を含む。

いくつかの態様では、dTCRは、可変αドメイン、定常αドメインおよび定常αドメインのC末端に結合した第一の二量体化モチーフを含むTCRα鎖、ならびに可変βドメイン、定常βドメインおよび定常βドメインのC末端に結合した第一の二量体化モチーフを含むTCRβ鎖を含み、ここで、第一と第二の二量体化モチーフは容易に相互作用して、第一の二量体化モチーフ中のアミノ酸と第二の二量体化モチーフ中のアミノ酸との間に共有結合を形成し、TCRα鎖とTCRβ鎖を一緒に連結する。

いくつかの態様では、TCRはscTCRである。典型的には、scTCRは当業者に公知の方法を用いて生成することができる。例えばSoo Hoo,W.F.et al.,PNAS(USA)89,4759(1992);Wulfing,C.and Pluckthun,A.,J.Mol.Biol.242,655(1994);Kurucz,I.et al.,PNAS(USA)90 3830(1993);国際公開公報第96/13593号、同第96/18105号、同第99/60120号、同第99/18129号、同第03/020763号、同第2011/044186号;およびSchlueter,C.J.et al.,J.Mol.Biol.256,859(1996)参照。いくつかの態様では、scTCRは、TCR鎖の会合を容易にするために導入された非天然ジスルフィド鎖間結合を含む(例えば国際公開公報第03/020763号参照)。いくつかの態様では、scTCRは、そのC末端に融合した異種ロイシンジッパーが鎖の会合を促進する、非ジスルフィド結合短縮型TCRである(例えば国際公開公報第99/60120号参照)。いくつかの態様では、scTCRは、ペプチドリンカーを介してTCRβ可変ドメインに共有結合したTCRα可変ドメインを含む(例えば国際公開公報第99/18129号参照)。

いくつかの態様では、scTCRは、TCRα鎖可変領域に対応するアミノ酸配列によって構成される第一のセグメント、TCRβ鎖定常ドメイン細胞外配列に対応するアミノ酸配列のN末端に融合したTCRβ鎖可変領域配列に対応するアミノ酸配列によって構成される第二のセグメント、および第一のセグメントのC末端を第二のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含む。

いくつかの態様では、scTCRは、α鎖細胞外定常ドメイン配列のN末端に融合したα鎖可変領域配列によって構成される第一のセグメント、ならびにβ鎖細胞外定常配列と膜貫通配列との配列のN末端に融合したβ鎖可変領域配列およびによって構成される第二のセグメント、ならびに任意で、第一のセグメントのC末端を第二のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含む。

いくつかの態様では、scTCRは、β鎖細胞外定常ドメイン配列のN末端に融合したTCRβ鎖可変領域配列によって構成される第一のセグメント、ならびにα鎖細胞外定常配列と膜貫通配列との配列のN末端に融合したα鎖可変領域配列およびによって構成される第二のセグメント、ならびに任意で、第一のセグメントのC末端を第二のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含む。

いくつかの態様では、第一および第二のTCRセグメントを連結するscTCRのリンカーは、TCRの結合特異性を保持しながら、単一のポリペプチド鎖を形成することができる任意のリンカーであり得る。いくつかの態様では、リンカー配列は、例えば式-P-AA-P-を有してよく、式中、Pはプロリンであり、AAはアミノ酸配列を表し、アミノ酸はグリシンおよびセリンである。いくつかの態様では、第一および第二のセグメントは、その可変領域配列がそのような結合のために配向されるように対合される。したがって、いくつかの場合には、リンカーは、第一のセグメントのC末端と第二のセグメントのN末端との間、またはその逆の間の距離を橋渡しするのに十分な長さを有するが、scTCRの標的リガンドへの結合を遮断または低減するほどには長くない。いくつかの態様では、リンカーは、10〜45個のアミノ酸、例えば10〜30個のアミノ酸もしくは26〜41個のアミノ酸残基、例えば29、30、31もしくは32個のアミノ酸、またはおよそ前記個数のアミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、リンカーは、式-PGGG-(SGGGG)5-P-(配列番号16)を有し、式中、Pはプロリンであり、Gはグリシンであり、かつSはセリンである。いくつかの態様では、リンカーは、配列GSADDAKKDAAKKDGKS(配列番号17)を有する。

いくつかの態様では、scTCRは、α鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基をβ鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基に連結する共有ジスルフィド結合を含む。いくつかの態様では、天然TCR中の鎖間ジスルフィド結合は存在しない。例えば、いくつかの態様では、1つまたは複数のシステインを、scTCRポリペプチドの第一および第二のセグメントの定常領域細胞外配列に組み込むことができる。いくつかの場合には、天然および非天然の両方のジスルフィド結合が望ましいことがあり得る。

導入された鎖間ジスルフィド結合を含むdTCRまたはscTCRのいくつかの態様では、天然のジスルフィド結合は存在しない。いくつかの態様では、天然の鎖間ジスルフィド結合を形成する天然のシステインの1つまたは複数は、セリンまたはアラニンなどの別の残基に置換されている。いくつかの態様では、導入されるジスルフィド結合は、第一および第二のセグメント上の非システイン残基をシステインに変異させることによって形成することができる。TCRの例示的な非天然ジスルフィド結合は、国際公開公報第2006/000830号に記載されている。

いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合断片は、10-5〜10-12Mまたは約10-5〜10-12Mならびにその中のすべての個々の値および範囲の標的抗原に対する平衡結合定数で親和性を示す。いくつかの態様では、標的抗原はMHC-ペプチド複合体またはリガンドである。

いくつかの態様では、α鎖およびβ鎖などのTCRをコードする1つまたは複数の核酸は、PCR、クローニングまたは他の適切な手段によって増幅し、適切な1つまたは複数の発現ベクターにクローニングすることができる。発現ベクターは、任意の適切な組換え発現ベクターであり得、任意の適切な宿主を形質転換またはトランスフェクトするために使用することができる。適切なベクターには、プラスミドおよびウイルスなどの、増殖および拡大増殖のため、または発現のため、またはその両方のために設計されたものが含まれる。

いくつかの態様では、ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences)、pBluescriptシリーズ(Stratagene, LaJolla, Calif.)、pETシリーズ(Novagen, Madison, Wis.)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)、またはpEXシリーズ(Clontech, Palo Alto, Calif.)のベクターであり得る。いくつかの場合には、λG10、λGT11、λZapII(Stratagene)、λEMBL4、およびλNM1149などのバクテリオファージベクターも使用することができる。いくつかの態様では、植物発現ベクターを使用することができ、これには、pBI01、pBI101.2、pBI101.3、pBI121およびpBIN19(Clontech)が含まれる。いくつかの態様では、動物発現ベクターには、pEUK-Cl、pMAMおよびpMAMneo(Clontech)が含まれる。いくつかの態様では、レトロウイルスベクターなどのウイルスベクターが使用される。

いくつかの態様では、組換え発現ベクターは、標準的な組換えDNA技術を用いて調製することができる。いくつかの態様では、ベクターは、適宜におよびベクターがDNAベースであるかRNAベースであるかを考慮に入れて、ベクターが導入される宿主の種類(例えば細菌、真菌、植物、または動物)に特異的な転写および翻訳開始および終止コドンなどの調節配列を含み得る。いくつかの態様では、ベクターは、TCRまたは抗原結合部分(または他のMHC-ペプチド結合分子)をコードするヌクレオチド配列に機能的に連結された非天然プロモーターを含み得る。いくつかの態様では、プロモーターは、非ウイルスプロモーターまたはウイルスプロモーター、例えばサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター、およびマウス幹細胞ウイルスの長い末端反復配列中に見られるプロモーターであり得る。当業者に公知の他のプロモーターも企図される。

いくつかの態様では、TCRをコードするベクターを生成するために、関心対象のTCRを発現するT細胞クローンから単離された全cDNAからα鎖およびβ鎖をPCR増幅し、発現ベクターにクローニングする。いくつかの態様では、α鎖とβ鎖は同じベクターにクローニングされる。いくつかの態様では、α鎖とβ鎖は異なるベクターにクローニングされる。いくつかの態様では、生成されたα鎖およびβ鎖は、レトロウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターに組み込まれる。

3.マルチターゲティング いくつかの態様では、細胞および方法は、それぞれが同じかまたは異なる抗原を認識し、典型的にはそれぞれが異なる細胞内シグナル伝達成分を含む、細胞上の2つまたはそれ以上の遺伝子操作された受容体の発現などのマルチターゲティング戦略を含む。そのようなマルチターゲティング戦略は、例えば国際公開公報第2014055668A1号(例えば、オフターゲット細胞、例えば正常細胞上では個別に存在するが、治療される疾患または病態の細胞上でのみ一緒に存在する2つの異なる抗原を標的とする、活性化CARと共刺激CARとの組み合わせを記載する)、ならびにFedorov et al.,Sci.Transl.Medicine,5(215)(2013)(活性化CARが正常細胞または非罹患細胞、および治療される疾患または病態の細胞の両方で発現される1つの抗原に結合し、阻害性CARが正常細胞または治療されることが望ましくない細胞でのみ発現される別の抗原に結合するものなどの、活性化CARと阻害性CARを発現する細胞を記載する)に記載されている。

例えば、いくつかの態様では、細胞は、一般に第一の受容体によって認識される抗原、例えば第一の抗原への特異的結合時に細胞への活性化シグナルを誘導することができる第一の遺伝子操作された抗原受容体(例えばCARまたはTCR)を発現する受容体を含む。いくつかの態様では、細胞は、一般に第二の受容体によって認識される第二の抗原への特異的結合時に免疫細胞への共刺激シグナルを誘導することができる第二の遺伝子操作された抗原受容体(例えばCARまたはTCR)、例えばキメラ共刺激受容体をさらに含む。いくつかの態様では、第一の抗原と第二の抗原は同じである。いくつかの態様では、第一の抗原と第二の抗原は異なる。

いくつかの態様では、第一および/または第二の遺伝子操作された抗原受容体(例えばCARまたはTCR)は、細胞への活性化シグナルを誘導することができる。いくつかの態様では、受容体は、ITAMまたはITAM様モチーフを含有する細胞内シグナル伝達成分を含む。いくつかの態様では、第一の受容体によって誘導される活性化は、細胞内でのシグナル伝達またはタンパク質発現の変化を含み、結果として、ITAMリン酸化および/またはITAM媒介シグナル伝達カスケードの開始などの免疫応答の開始、免疫学的シナプスの形成および/または結合した受容体付近の分子(例えばCD4もしくはCD8など)のクラスター化、NF-κBおよび/またはAP-1などの1つまたは複数の転写因子の活性化、ならびに/またはサイトカインなどの因子の遺伝子発現、増殖、および/もしくは生存の誘導をもたらす。

いくつかの態様では、第一および/または第二の受容体は、CD28、CD137(4-1BB)、OX40、および/またはICOSなどの共刺激受容体の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、第一の受容体と第二の受容体は、異なる共刺激受容体の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。一態様では、第一の受容体はCD28共刺激シグナル伝達領域を含み、第二の受容体は4-1BB共刺激シグナル伝達領域を含む、またはその逆である。

いくつかの態様では、第一および/または第二の受容体は、ITAMまたはITAM様モチーフを含む細胞内シグナル伝達ドメインと共刺激受容体の細胞内シグナル伝達ドメインの両方を含む。

いくつかの態様では、第一の受容体はITAMまたはITAM様モチーフを含む細胞内シグナル伝達ドメインを含み、第二の受容体は共刺激受容体の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。同じ細胞内で誘導される活性化シグナルと組み合わせる共刺激シグナルは、免疫応答、例えば遺伝子発現の増加、サイトカインおよび他の因子の分泌、ならびに細胞殺滅などのT細胞媒介エフェクター機能のような堅固で持続的な免疫応答をもたらすものである。

いくつかの態様では、第一の受容体単独の連結または第二の受容体単独の連結のいずれもが、堅固な免疫応答を誘導しない。いくつかの局面では、1つの受容体のみが連結されている場合、細胞は、抗原に対して寛容もしくは非応答性になるか、または阻害され、および/または因子を増殖もしくは分泌するまたはエフェクター機能を実行するように誘導されない。しかしながら、いくつかのそのような態様では、第一および第二の抗原を発現する細胞の遭遇時などに複数の受容体が連結されると、例えば1つもしくは複数のサイトカインの分泌、増殖、持続性、および/または標的細胞の細胞傷害性殺滅などの免疫エフェクター機能の実行によって示されるように、完全な免疫活性化または刺激などの所望の応答が達成される。

いくつかの態様では、2つの受容体はそれぞれ、細胞への活性化シグナルおよび阻害性シグナルを誘導し、その結果、一方の受容体によるその抗原への結合は細胞を活性化するまたは応答を誘導するが、第二の阻害性受容体によるその抗原への結合はその応答を抑制または減弱させるシグナルを誘導する。例は、活性化CARと阻害性CARまたはiCARとの組み合わせである。そのような戦略は、例えば、活性化CARが、疾患または病態において発現されるが正常細胞上でも発現される抗原に結合し、阻害性受容体が、正常細胞上で発現されるが疾患または病態の細胞上では発現されない別の抗原に結合する場合に使用され得る。

いくつかの態様では、マルチターゲティング戦略は、特定の疾患または病態に関連する抗原が非罹患細胞上でおよび/または操作された細胞自体で、一過性に(例えば遺伝子操作に関連する刺激時に)または永続的に発現される場合に用いられる。そのような場合、2つの別々のおよび個別に特異的な抗原受容体の連結を必要とすることによって、特異性、選択性、および/または有効性が改善され得る。

いくつかの態様では、複数の抗原、例えば第一および第二の抗原は、がん細胞などの標的とされる細胞、組織、または疾患もしくは病態で発現される。いくつかの局面では、細胞、組織、疾患または病態は、多発性骨髄腫または多発性骨髄腫細胞である。いくつかの態様では、複数の抗原のうちの1つまたは複数は通常、正常もしくは非罹患細胞もしくは組織などの細胞療法で標的とすることが望ましくない細胞、および/または操作された細胞自体でも発現される。そのような態様では、細胞の応答を達成するために複数の受容体の連結を必要とすることによって、特異性および/または活性が達成される。

B.遺伝子操作のための細胞および細胞の調製 受容体を発現し、提供される方法によって投与される細胞の中には、操作された細胞がある。遺伝子操作は通常、レトロウイルス形質導入、トランスフェクション、または形質転換などによる、細胞を含む組成物への組換えまたは操作された成分をコードする核酸の導入を含む。

いくつかの態様では、核酸は異種であり、すなわち通常は細胞または細胞から得られる試料中には存在せず、例えば操作されている細胞中に通常は認められない別の生物もしくは細胞、またはそのような細胞が由来する生物から得られるものである。いくつかの態様では、複数の異なる細胞型からの様々なドメインをコードする核酸のキメラ組み合わせを含有するものを含む、天然には認められない核酸などの核酸は、天然には存在しない。

細胞は通常、哺乳動物細胞などの真核細胞であり、典型的にはヒト細胞である。いくつかの態様では、細胞は、血液、骨髄、リンパ、またはリンパ系器官に由来し、先天性または適応免疫の細胞などの免疫系の細胞、例えばリンパ球を含む骨髄またはリンパ系細胞、典型的にはT細胞および/またはNK細胞である。他の例示的な細胞としては、人工多能性幹細胞(iPSC)を含む多能性幹細胞などの幹細胞が挙げられる。細胞は、典型的には、対象から直接単離されたもの、および/または対象から単離されて凍結されたものなどの初代細胞である。いくつかの態様では、細胞は、T細胞または他の細胞型の1つまたは複数のサブセット、例えば全T細胞集団、CD4+細胞、CD8+細胞、およびそれらの亜集団、例えば機能、活性化状態、成熟度、分化、拡大増殖、再循環、局在化、および/もしくは持続能力についての潜在能、抗原特異性、抗原受容体の種類、特定の器官もしくは区画における存在、マーカーもしくはサイトカイン分泌プロフィール、ならびに/または分化の程度によって定義されるものを含む。治療される対象に関して、細胞は同種細胞および/または自家細胞であり得る。方法の中には、既製の方法が含まれる。既製の技術などに関するいくつかの局面では、細胞は、人工多能性幹細胞(iPSC)などの幹細胞のような多能性である。いくつかの態様では、方法は、凍結保存の前または後に、対象から細胞を単離すること、それらを調製し、処理し、培養し、および/または操作すること、ならびにそれらを同じ対象に再導入することを含む。

T細胞ならびに/またはCD4+および/もしくはCD8+T細胞のサブタイプおよび亜集団の中には、ナイーブT(TN)細胞、エフェクターT細胞(TEFF)、メモリーT細胞およびそのサブタイプ、例えば幹細胞メモリーT(TSCM)細胞、セントラルメモリーT(TCM)細胞、エフェクターメモリーT(TEM)細胞、または最終分化エフェクターメモリーT細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、未熟T細胞、成熟T細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞、自然発生および適応制御性T(Treg)細胞、ヘルパーT細胞、例えばTH1細胞、TH2細胞、TH3細胞、TH17細胞、TH9細胞、TH22細胞、濾胞性ヘルパーT細胞、α/βT細胞、およびδ/γT細胞がある。

いくつかの態様では、細胞はナチュラルキラー(NK)細胞である。いくつかの態様では、細胞は、単球または顆粒球、例えば骨髄細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球、および/または好塩基球である。

いくつかの態様では、細胞は、遺伝子操作によって導入された1つまたは複数の核酸を含み、それによってそのような核酸の組換え産物または遺伝子操作された産物を発現する。いくつかの態様では、核酸は異種であり、すなわち通常は細胞または細胞から得られる試料中には存在せず、例えば操作されている細胞中に通常は認められない別の生物もしくは細胞、またはそのような細胞が由来する生物から得られるものである。いくつかの態様では、複数の異なる細胞型からの様々なドメインをコードする核酸のキメラ組み合わせを含有するものを含む、天然には認められない核酸などの核酸は、天然には存在しない。

いくつかの態様では、操作された細胞の調製は、1つまたは複数の培養および/または調製工程を含む。CARなどのトランスジェニック受容体をコードする核酸を導入するための細胞は、生物学的試料などの試料、例えば対象から得られたまたは対象に由来するものから単離され得る。いくつかの態様では、細胞が単離される対象は、疾患もしくは病態を有するか、または細胞療法を必要とするか、または細胞療法が投与される対象である。いくつかの態様における対象は、細胞が単離、処理、および/または操作されている養子細胞療法などの特定の治療的介入を必要とするヒトである。

したがって、いくつかの態様における細胞は初代細胞、例えば初代ヒト細胞である。試料には、組織、体液、および対象から直接採取した他の試料、ならびに分離、遠心分離、遺伝子操作(例えばウイルスベクターによる形質導入)、洗浄、および/またはインキュベーションなどの1つまたは複数の処理工程から得られる試料が含まれる。生物学的試料は、生物学的供給源から直接得られた試料または処理された試料であり得る。生物学的試料には、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗などの体液、組織および臓器に由来する処理された試料を含む組織および臓器試料が含まれるが、これらに限定されるわけではない。

いくつかの局面では、細胞が由来するまたは単離される試料は、血液もしくは血液由来の試料であるか、またはアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシスの産物であるかもしくはそれに由来する。例示的な試料としては、全血、末梢血単核細胞(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検材料、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸管関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓、他のリンパ組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸、精巣、卵巣、扁桃腺、または他の臓器、および/またはそれに由来する細胞が挙げられる。試料には、細胞療法、例えば養子細胞療法に関連して、自家供給源由来および同種供給源由来の試料が含まれる。

いくつかの態様では、細胞は細胞株、例えばT細胞株に由来する。いくつかの態様における細胞は、異種供給源、例えばマウス、ラット、非ヒト霊長動物、およびブタから得られる。

いくつかの態様では、細胞の単離は、1つまたは複数の調製および/または非親和性ベースの細胞分離工程を含む。いくつかの例では、細胞は、例えば不要な成分を除去する、所望の成分を濃縮する、特定の試薬に感受性の細胞を溶解または除去するために、洗浄、遠心分離、および/または1つもしくは複数の試薬の存在下でインキュベートされる。いくつかの例では、細胞は、密度、付着特性、サイズ、感受性、および/または特定の成分に対する耐性などの1つまたは複数の特性に基づいて分離される。

いくつかの例では、対象の循環血液由来の細胞は、例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって得られる。試料は、いくつかの局面では、T細胞を含むリンパ球、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および/または血小板を含み、いくつかの局面では、赤血球および血小板以外の細胞を含む。

いくつかの態様では、対象から採集された血球を、例えば血漿画分を除去し、その後の処理工程のために細胞を適切な緩衝液または培地に入れるために洗浄する。いくつかの態様では、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で細胞を洗浄する。いくつかの態様では、洗浄溶液は、カルシウムおよび/またはマグネシウムおよび/または多くのもしくはすべての二価カチオンを含まない。いくつかの局面では、洗浄工程は、製造業者の指示に従って半自動「フロースルー」遠心分離機(例えばCobe 2991細胞プロセッサ、Baxter)によって達成される。いくつかの局面では、洗浄工程は、製造業者の指示に従って接線流ろ過(TFF)によって達成される。いくつかの態様では、細胞は、洗浄後に、例えばCa++/Mg++を含まないPBSなどの様々な生体適合性緩衝液に再懸濁される。特定の態様では、血球試料の成分を除去し、細胞を培地に直接再懸濁する。

いくつかの態様では、方法は、密度に基づく細胞分離方法、例えば赤血球を溶解することによる末梢血からの白血球の調製、およびパーコールまたはフィコール勾配による遠心分離を含む。

いくつかの態様では、単離方法は、表面マーカー、例えば表面タンパク質、細胞内マーカー、または核酸などの1つまたは複数の特定の分子の細胞における発現または存在に基づく種々の細胞型の分離を含む。いくつかの態様では、そのようなマーカーに基づく分離のための任意の公知の方法を使用し得る。いくつかの態様では、分離は、親和性または免疫親和性に基づく分離である。例えば、いくつかの局面における単離は、1つまたは複数のマーカー、典型的には細胞表面マーカーの細胞での発現または発現レベルに基づく細胞および細胞集団の分離、例えばそのようなマーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーとのインキュベーション、続いて一般に、洗浄工程および抗体または結合パートナーに結合していない細胞からの抗体または結合パートナーに結合した細胞の分離によるものを含む。

そのような分離工程は、試薬に結合した細胞をさらなる使用のために保持する陽性選択、および/または抗体もしくは結合パートナーに結合しなかった細胞を保持する陰性選択に基づき得る。いくつかの例では、両方の画分をさらなる使用のために保持する。いくつかの局面では、陰性選択は、分離が、所望の集団以外の細胞によって発現されるマーカーに基づいて最も良好に行われるように、異種集団において細胞型を特異的に同定する抗体が利用可能ではない場合に特に有用であり得る。

分離は、特定の細胞集団または特定のマーカーを発現する細胞の100%の濃縮または除去をもたらす必要はない。例えば、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陽性選択または濃縮は、そのような細胞の数または割合を増加させることを指すが、マーカーを発現しない細胞の完全な非存在をもたらす必要はない。同様に、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陰性選択、除去、または枯渇は、そのような細胞の数または割合を減少させることを指すが、そのような細胞すべての完全な除去をもたらす必要はない。

いくつかの例では、1回の工程から陽性または陰性選択された画分が、その後の陽性または陰性選択などの別の分離工程に供される、複数回の分離工程が行われる。いくつかの例では、それぞれが陰性選択の標的となるマーカーに特異的な複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベートすることなどによって、複数のマーカーを同時に発現する細胞を単一の分離工程で枯渇させることができる。同様に、様々な細胞型上に発現された複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベートすることによって、複数の細胞型を同時に陽性選択することができる。

例えば、いくつかの局面では、T細胞の特定の亜集団、例えば陽性または高レベルの1つまたは複数の表面マーカー、例えばCD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD4+、CD8+、CD45RA+、および/またはCD45RO+T細胞を発現する細胞は、陽性または陰性選択技術によって単離される。

例えばCD3+、CD28+T細胞は、CD3/CD28結合磁気ビーズ(例えばDYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28T Cell Expander)を用いて陽性選択することができる。

いくつかの態様では、単離は、陽性選択による特定の細胞集団の濃縮、または陰性選択による特定の細胞集団の枯渇によって行われる。いくつかの態様では、陽性または陰性選択は、それぞれ陽性または陰性選択された細胞上に発現される(マーカー+)または比較的高いレベルで発現される(マーカー)1つまたは複数の表面マーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体または他の結合剤と共に細胞をインキュベートすることによって達成される。

いくつかの態様では、T細胞は、B細胞、単球、またはCD14などの他の白血球のような非T細胞上に発現されるマーカーの陰性選択によってPBMC試料から分離される。いくつかの局面では、CD4+またはCD8+選択工程を用いてCD4+ヘルパーT細胞とCD8+細胞傷害性T細胞を分離する。そのようなCD4+およびCD8+集団は、1つまたは複数のナイーブT細胞、メモリーT細胞、および/またはエフェクターT細胞亜集団上に発現されるまたは比較的高い程度に発現されるマーカーについての陽性または陰性選択によって、さらに亜集団に分類することができる。

いくつかの態様では、CD8+細胞は、それぞれの亜集団に関連する表面抗原に基づく陽性選択または陰性選択などによって、ナイーブ、セントラルメモリー、エフェクターメモリー、および/またはセントラルメモリー幹細胞がさらに濃縮または枯渇される。いくつかの態様では、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、いくつかの局面ではそのような亜集団において特に堅固である、投与後の長期生存、拡大増殖、および/または生着を改善するためなどの有効性を高めるために行われる。Terakura et al.,Blood.1:72-82 (2012);Wang et al.,J Immunother.35(9):689-701(2012)参照。いくつかの態様では、TCMに富むCD8+T細胞とCD4+T細胞とを組み合わせることは、有効性をさらに増強する。

態様では、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、例えば抗CD8抗体および抗CD62L抗体を使用して、CD62L-CD8+および/またはCD62L+CD8+画分を濃縮または枯渇させることができる。

いくつかの態様では、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127の陽性または高表面発現に基づく;いくつかの局面では、それは、CD45RAおよび/またはグランザイムBを発現するかまたは高発現する細胞についての陰性選択に基づく。いくつかの局面では、TCM細胞が濃縮されたCD8+集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の枯渇、およびCD62Lを発現する細胞の陽性選択または濃縮によって行われる。一局面では、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD4発現に基づいて選択された細胞の陰性画分から出発して、これをCD14およびCD45RAの発現に基づく陰性選択、ならびにCD62Lの発現に基づく陽性選択に供して行われる。いくつかの局面ではそのような選択は同時に行われ、他の局面では連続的にどちらの順序でも行われる。いくつかの局面では、CD8+細胞集団または亜集団を調製するのに使用されるのと同じCD4発現に基づく選択工程が、任意で1つまたは複数のさらなる陽性または陰性選択工程後に、CD4に基づく分離からの陽性および陰性画分の両方が保持され、方法のその後の工程で使用されるように、CD4+細胞集団または亜集団を生成するためにも用いられる。

特定の例では、PBMCの試料または他の白血球試料を、陰性画分と陽性画分の両方が保持されるCD4+細胞の選択に供する。次いで、陰性画分を、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づく陰性選択、ならびにCD62LまたはCCR7などのセントラルメモリーT細胞に特徴的なマーカーに基づく陽性選択に供し、ここで陽性選択と陰性選択はどちらの順序でも行われる。

CD4+Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、およびエフェクター細胞に分類される。CD4+リンパ球は標準的な方法によって得ることができる。いくつかの態様では、ナイーブCD4+Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+、CD4+T細胞である。いくつかの態様では、セントラルメモリーCD4+細胞はCD62L+およびCD45RO+である。いくつかの態様では、エフェクターCD4+細胞はCD62L-およびCD45RO-である。

一例では、陰性選択によってCD4+細胞を濃縮するために、モノクローナル抗体カクテルは、典型的にはCD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対する抗体を含む。いくつかの態様では、抗体または結合パートナーは、陽性および/または陰性選択のための細胞の分離を可能にする、磁気ビーズまたは常磁性ビーズなどの固体支持体またはマトリックスに結合される。例えば、いくつかの態様では、細胞および細胞集団は、免疫磁気(または親和性磁気)分離技術(Methods in Molecular Medicine,vol.58:Metastasis Research Protocols,Vol.2:Cell Behavior In vitro and In vivo,p 17-25 Edited by:S.A.Brooks and U.Schumacher(著作権)Humana Press Inc.,Totowa,NJに総説されている)を用いて分離または単離される。

いくつかの局面では、分離される細胞の試料または組成物は、小型の磁化可能または磁気応答性材料、例えば磁気応答性粒子または微粒子、例えば常磁性ビーズ(例えばDynalbeadsまたはMACSビーズなど)と共にインキュベートされる。磁気応答性材料、例えば粒子は、一般に、分離することを所望する、例えば陰性または陽性選択することを所望する1つまたは複数の細胞、または細胞集団上に存在する分子、例えば表面マーカーに特異的に結合する結合パートナー、例えば抗体に直接または間接的に結合される。

いくつかの態様では、磁性粒子またはビーズは、抗体または他の結合パートナーなどの特異的結合成員に結合した磁気応答性材料を含む。磁気分離方法に使用される多くの周知の磁気応答性材料がある。適切な磁性粒子としては、参照により本明細書に組み入れられる、Moldayの米国特許第4,452,773号、および欧州特許第452342B号に記載されているものが挙げられる。Owenの米国特許第4,795,698号およびLibertiらの米国特許第5,200,084号に記載されているもののようなコロイドサイズの粒子が他の例である。

インキュベーションは、一般に、抗体もしくは結合パートナー、または磁性粒子もしくはビーズに付着している、そのような抗体もしくは結合パートナーに特異的に結合する二次抗体もしくは他の試薬などの分子が、試料中の細胞上に存在する場合は細胞表面分子に特異的に結合する条件下で行われる。

いくつかの局面では、試料を磁場中に置き、磁気応答性粒子または磁化可能粒子が付着している細胞を磁石に引きつけ、非標識細胞から分離する。陽性選択の場合は、磁石に引き寄せられる細胞が保持される;陰性選択の場合は、引き寄せられない細胞(非標識細胞)が保持される。いくつかの局面では、陽性選択と陰性選択の組み合わせは同じ選択工程の間に行われ、この場合は陽性画分と陰性画分が保持され、さらに処理されるかまたはさらなる分離工程に供される。

特定の態様では、磁気応答性粒子は、一次抗体または他の結合パートナー、二次抗体、レクチン、酵素、またはストレプトアビジンで被覆されている。特定の態様では、磁性粒子は、1つまたは複数のマーカーに特異的な一次抗体のコーティングを介して細胞に付着している。特定の態様では、ビーズではなく細胞を一次抗体または結合パートナーで標識し、次いで細胞型特異的二次抗体または他の結合パートナー(例えばストレプトアビジン)で被覆した磁性粒子を添加する。特定の態様では、ストレプトアビジン被覆磁性粒子を、ビオチン化一次抗体または二次抗体と組み合わせて使用する。

いくつかの態様では、磁気応答性粒子は、その後インキュベート、培養および/または操作されることになる細胞に付着したままである;いくつかの局面では、粒子は患者への投与のための細胞に付着したままである。いくつかの態様では、磁化可能粒子または磁気応答性粒子は細胞から除去される。細胞から磁化可能粒子を除去する方法は公知であり、例えば競合する非標識抗体、および磁化可能粒子または切断可能なリンカーに結合した抗体の使用を含む。いくつかの態様では、磁化可能粒子は生分解性である。

いくつかの態様では、親和性に基づく選択は、磁気活性化細胞選別(MACS)(Miltenyi Biotec,Auburn,CA)による。磁気活性化細胞選別(MACS)システムは、磁化された粒子が付着した細胞の高純度の選択が可能である。特定の態様では、MACSは、外部磁場の印加後に非標的種と標的種が連続的に溶出されるモードで動作する。すなわち、磁化粒子に付着した細胞は、付着していない種が溶出されている間、適所に保持される。次に、この最初の溶出工程が完了した後、磁場に捕捉されて溶出が妨げられていた種は、それらが溶出され、回収され得るように何らかの方法で解放される。特定の態様では、非標的細胞は標識され、細胞の不均一な集団から除去される。

特定の態様では、単離または分離は、本発明の方法の単離、細胞調製、分離、処理、インキュベーション、培養、および/または製剤化工程のうちの1つまたは複数を実行するシステム、機器、または装置を用いて実施される。いくつかの局面では、システムは、例えばエラー、使用者の取り扱い、および/または汚染を最小限に抑えるために、これらの工程のそれぞれを閉鎖環境または無菌環境で実行するために使用される。一例では、システムは、国際公開公報第2009/072003号、または米国特許出願公開第20110003380A1号に記載されているシステムである。

いくつかの態様では、システムまたは装置は、統合システムもしくは自己完結型システムで、および/または自動化されたもしくはプログラム可能な方式で、単離、処理、操作、および製剤化工程のうちの1つまたは複数、例えば全部を実行する。いくつかの局面では、システムまたは装置は、システムまたは装置に接続されたコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、これにより、使用者が処理、単離、操作および製剤化工程をプログラムする、制御する、そのアウトカムを評価する、および/またはその様々な局面を調節することが可能になる。

いくつかの局面では、分離および/または他の工程は、例えば閉鎖系および無菌系における臨床規模レベルでの細胞の自動分離のために、CliniMACSシステム(Miltenyi Biotec)を用いて行われる。構成要素には、統合マイクロコンピュータ、磁気分離ユニット、蠕動ポンプ、および様々なピンチバルブが含まれ得る。統合コンピュータは、いくつかの局面では、機器のすべての構成要素を制御し、標準化された順序で反復手順を実行するようにシステムに指示する。いくつかの局面における磁気分離ユニットは、可動永久磁石と選択カラム用のホルダとを含む。蠕動ポンプはチューブセット全体の流速を制御し、ピンチバルブと共に、システムを通る緩衝液の制御された流れおよび細胞の継続的な懸濁を確実にする。

いくつかの局面におけるCliniMACSシステムは、滅菌非発熱性溶液中で供給される抗体結合磁化可能粒子を使用する。いくつかの態様では、細胞を磁性粒子で標識した後、細胞を洗浄して過剰の粒子を除去する。続いて細胞調製バッグをチューブセットに接続し、次に緩衝剤を含むバッグおよび細胞収集バッグにチューブセットを接続する。チューブセットは、プレカラムと分離カラムを含むあらかじめ組み立てられた滅菌チューブからなり、使い捨て専用である。分離プログラムの開始後、システムは自動的に細胞試料を分離カラムに適用する。標識細胞はカラム内に保持され、非標識細胞は一連の洗浄工程によって除去される。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は標識されておらず、カラム内に保持されない。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は標識されており、カラム内に保持される。いくつかの態様では、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は、磁場の除去後にカラムから溶出され、細胞収集バッグ内に収集される。

特定の態様では、分離および/または他の工程は、CliniMACS Prodigyシステム(Miltenyi Biotec)を使用して行われる。いくつかの局面におけるCliniMACS Prodigyシステムは、遠心分離による細胞の自動洗浄および分画を可能にする細胞処理ユニットを備える。CliniMACS Prodigyシステムはまた、ソース細胞産物の巨視的層を識別することによって最適な細胞分画エンドポイントを決定する搭載カメラおよび画像認識ソフトウェアを含み得る。例えば、末梢血は自動的に赤血球、白血球および血漿層に分離される。CliniMACS Prodigyシステムはまた、例えば細胞分化および拡大増殖、抗原負荷、ならびに長期細胞培養などの細胞培養プロトコルを達成する統合細胞培養チャンバを含み得る。入力ポートは培地の無菌除去および補充を可能にし、細胞は統合顕微鏡を使用してモニタリングすることができる。例えばKlebanoff et al.,J Immunother.35(9):651-660(2012),Terakura et al.,Blood.1:72-82(2012)およびWang et al.,J Immunother.35(9):689-701(2012)参照。

いくつかの態様では、本明細書に記載の細胞集団はフローサイトメトリーによって収集および濃縮(または枯渇)され、フローサイトメトリーでは、複数の細胞表面マーカーについて染色された細胞が流体流中で運ばれる。いくつかの態様では、本明細書に記載の細胞集団は、分取規模(FACS)選別によって収集および濃縮(または枯渇)される。特定の態様では、本明細書に記載の細胞集団は、FACSに基づく検出システムと組み合わせた微小電気機械システム(MEMS)チップの使用によって収集および濃縮(または枯渇)される(例えば国際公開公報第2010/033140号、Cho et al.,Lab Chip 10,1567-1573(2010);およびGodin et al.,J Biophoton.1(5):355-376(2008)参照)。どちらの場合も、細胞を複数のマーカーで標識して、明確に定義されたT細胞サブセットを高純度で単離することができる。

いくつかの態様では、抗体または結合パートナーは、陽性選択および/または陰性選択のための分離を容易にするために、1つまたは複数の検出可能なマーカーで標識される。例えば、分離は蛍光標識抗体への結合に基づき得る。いくつかの例では、1つまたは複数の細胞表面マーカーに特異的な抗体または他の結合パートナーの結合に基づく細胞の分離は、例えばフローサイトメトリー検出システムと組み合わせた、分取規模(FACS)および/または微小電気機械システム(MEMS)チップを含む蛍光活性化細胞選別(FACS)などによって流体流中で行われる。そのような方法は、同時に複数のマーカーに基づく陽性選択および陰性選択を可能にする。

いくつかの態様では、調製方法は、単離、インキュベーション、および/または操作の前または後のいずれかに、細胞を凍結する、例えば凍結保存する工程を含む。いくつかの態様では、凍結およびその後の解凍工程は、細胞集団中の顆粒球および、ある程度まで、単球を除去する。いくつかの態様では、細胞は、例えば血漿および血小板を除去するための洗浄工程の後に、凍結溶液中に懸濁される。いくつかの局面では様々な公知の凍結溶液およびパラメーターのいずれを使用してもよい。一例は、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の適切な細胞凍結培地を使用することを含む。次にこれを培地で1:1に希釈して、DMSOおよびHSAの最終濃度がそれぞれ10%および4%になるようにする。次いで細胞を一般に毎分1°の速度で-80℃に凍結し、液体窒素貯蔵タンクの気相中で保存する。

いくつかの態様では、細胞は、遺伝子操作の前またはそれに関連してインキュベートおよび/または培養される。インキュベーション工程は、培養、刺激、活性化、および/または増殖を含み得る。インキュベーションおよび/または操作は、ユニット、チャンバ、ウェル、カラム、チューブ、チューブセット、バルブ、バイアル、培養皿、バッグ、または細胞を培養するための他の容器などの培養容器中で実施され得る。いくつかの態様では、組成物または細胞は、刺激条件または刺激物質の存在下でインキュベートされる。そのような条件には、集団中の細胞の増殖、拡大増殖、活性化、および/もしくは生存を誘導する、抗原曝露を模倣する、ならびに/または組換え抗原受容体の導入などの遺伝子操作のために細胞をプライミングするように設計されたものが含まれる。

条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化するように設計された他の任意の剤の1つまたは複数を含み得る。

いくつかの態様では、刺激条件または刺激物質は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化することができる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。いくつかの局面では、作用物質は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを作動または開始させる。そのような作用物質には、TCR成分および/または共刺激受容体に特異的なものなどの抗体、例えば抗CD3、抗CD28が含まれ得、それらは例えば、ビーズなどの固体支持体および/または1つもしくは複数のサイトカインに結合していてもよい。任意で、拡大増殖方法は、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を培地に(例えば少なくとも約0.5ng/mlの濃度で)添加する工程をさらに含み得る。いくつかの態様では、刺激物質は、IL-2および/またはIL-15(例えば、IL-2濃度は、少なくとも約10単位/mL)を含む。

いくつかの局面では、インキュベーションは、Riddellらの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al.,J Immunother.35(9):651-660(2012),Terakura et al.,Blood.1:72-82(2012),および/またはWang et al.,J Immunother.35(9):689-701(2012)に記載されているような技術に従って行われる。

いくつかの態様では、T細胞は、培養開始組成物に、非分裂末梢血単核細胞(PBMC)などのフィーダ細胞を添加すること(例えば、得られる細胞集団が、拡大増殖させるべき初期集団中の各Tリンパ球につき少なくとも約5、10、20、または40またはそれ以上のPBMCフィーダ細胞を含むように)、および培養物をインキュベートすること(例えばT細胞の数を増やすのに十分な時間)によって拡大培養される。いくつかの局面では、非分裂フィーダ細胞は、γ線照射PBMCフィーダ細胞を含み得る。いくつかの態様では、PBMCは、細胞分裂を防ぐために約3000〜3600ラドの範囲のγ線を照射される。いくつかの局面では、フィーダ細胞は、T細胞集団の添加の前に培地に添加される。

いくつかの態様では、刺激条件は、ヒトTリンパ球の増殖に適した温度、例えば少なくとも約25℃、一般に少なくとも約30℃、一般に37℃または約37℃を含む。任意で、インキュベーションは、非分裂EBV形質転換リンパ芽球様細胞(LCL)をフィーダ細胞として添加することをさらに含み得る。LCLは、約6000〜10,000ラドの範囲のγ線で照射することができる。いくつかの局面におけるLCLフィーダ細胞は、少なくとも約10:1のLCLフィーダ細胞対初期Tリンパ球の比率などの、任意の適切な量で提供される。

態様では、抗原特異的CD4+および/またはCD8+T細胞などの抗原特異的T細胞は、ナイーブまたは抗原特異的Tリンパ球を抗原で刺激することによって得られる。例えば、サイトメガロウイルス抗原に対する抗原特異的T細胞株またはクローンは、感染した対象からT細胞を単離し、同じ抗原で細胞をインビトロで刺激することによって生成することができる。

C.遺伝子操作のためのベクターおよび方法 組換え受容体をコードする核酸分子の導入は、多くの公知のベクターのいずれかを使用して行わてもよい。そのようなベクターには、レンチウイルスおよびガンマレトロウイルスのシステム、同様にまた、トランスポゾンに基づくシステム(例えば、PiggyBacまたはSleeping Beautyに基づく遺伝子移入システムなど)を含めて、ウイルスシステムおよび非ウイルスシステムが含まれる。例示的な方法には、ウイルス(例えば、レトロウイルスまたはレンチウイルス)による形質導入、トランスポゾンおよびエレクトロポレーションによる方法を含めて、受容体をコードする核酸を移入するための様々な方法が含まれる。

いくつかの態様において、遺伝子移入が、最初に細胞を刺激することによって、例えば、細胞を、例えば、サイトカインまたは活性化マーカーの発現によって測定されるような応答(例えば、増殖、生存および/または活性化など)を誘発する刺激と一緒にし、続いて、活性化された細胞への形質導入を行い、そして、培養での拡大増殖を臨床適用のために十分な数にまで行うことなどによって達成される。

いくつかの態様において、遺伝子移入の前または期間中に、細胞は、本明細書において記載されるような調節剤をどのようなものであっても含めて、ITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の存在下でインキュベーションされ、または培養される。いくつかの態様において、阻害剤が、細胞製造プロセスの期間中に、例えば、CAR-T細胞を操作する期間中に加えられる。いくつかの局面において、阻害剤の存在は、産生される細胞の集団の特性を改善することができる。いくつかの局面において、ITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤は細胞の増殖または拡大増殖を増強する場合があり、あるいは、1つまたは複数のシグナル伝達経路を変化させ、それにより、実質的な拡大増殖および/またはエフェクター機能を示すにもかかわらず、あまり分化していない、またはあまり活性化されていない表面表現型を有する細胞をもたらす場合がある。

いくつかの状況において、刺激性因子(例えば、リンホカインまたはサイトカイン)の過剰発現は対象にとって毒性である場合がある。したがって、いくつかの状況において、操作された細胞は、細胞をインビボにおいて(例えば、養子免疫療法において投与されたときなどに)陰性選択に対して感受性にする遺伝子セグメントを含む。例えば、いくつかの局面において、細胞は、該細胞が投与される患者のインビボ条件における変化の結果として排除され得るように操作される。陰性選択可能な表現型が、投与された作用物質(例えば、化合物)に対する感受性を付与する遺伝子の挿入から生じる場合がある。陰性選択可能な遺伝子には、ガンシクロビル感受性を付与する単純ヘルペスウイルスI型チミジンキナーゼ(HSV-I TK)遺伝子(Wigler et al.,Cell 2: 223,1977);細胞のヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子、細胞のアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)遺伝子、細菌のシトシンデアミナーゼ(Mullen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:33(1992))が含まれる。

いくつかの態様において、組換え核酸が、組換え感染性ウイルス粒子(例えば、シミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(AAV)に由来するベクターなど)を使用して細胞に移入される。いくつかの態様において、組換え核酸が、組換えのレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター(例えば、ガンマ-レトロウイルスベクターなど)を使用してT細胞に移入される(例えば、Koste et al.(2014)Gene Therapy 2014 Apr 3.doi:10.1038/gt.2014.25;CARlens et al.(2000)Exp Hematol 28(10):1137-46;Alonso-Camino et al.(2013)Mol Ther Nucl Acids 2,e93;Park et al.,Trends Biotechnol.2011 November 29(11):550-557を参照のこと)。

いくつかの態様において、レトロウイルスベクターは長末端反復配列(LTR)を有する(例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、脾臓フォーカス形成ウイルス(SFFV)またはアデノ関連ウイルス(AAV)に由来するレトロウイルスベクター)。ほとんどのレトロウイルスベクターがマウスレトロウイルスに由来する。いくつかの態様において、レトロウイルスには、任意の鳥類細胞供給源または哺乳動物細胞供給源に由来するレトロウイルスが含まれる。レトロウイルスは典型的には両向性であり、このことは、レトロウイルスは、ヒトを含めて数種の生物種の宿主細胞に感染することができることを意味している。1つの態様において、発現されることになる遺伝子が、レトロウイルスのgag配列、pol配列および/またはenv配列に取って代わる。いくつかの例示的なレトロウイルスシステムが記載されている(例えば、米国特許第5,219,740号、同第6,207,453号、同第5,219,740号;Miller and Rosman(1989)BioTechniques 7:980-990;Miller,A.D.(1990)Human Gene Therapy 1:5-14;Scarpa et al.(1991)Virology 180:849-852;Burns et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8033-8037;およびBoris-Lawrie and Temin(1993)Cur.Opin.Genet.Develop.3:102-109)。

レンチウイルス形質導入の方法は公知である。例示的な方法が、例えば、Wang et al.(2012)J.Immunother.35(9):689-701;Cooper et al.(2003)Blood.101:1637-1644;Verhoeyen et al.(2009)Methods Mol Biol.506:97-114;およびCavalieri et al.(2003)Blood.102(2):497-505に記載されている。

いくつかの態様において、組換え核酸がエレクトロポレーションによりT細胞に移入される(例えば、Chicaybam et al,(2013)PLoS ONE 8(3):e60298、およびVan Tedeloo et al.(2000)Gene Therapy 7(16):1431-1437を参照のこと)。いくつかの態様において、組換え核酸が転位によりT細胞に移入される(例えば、Manuri et al.(2010)Hum Gene Ther 21(4):427-437;Sharma et al.(2013)Molec Ther Nucl Acids 2,e74;およびHuang et al.(2009)Methods Mol Biol 506:115-126を参照のこと)。遺伝物質を免疫細胞において導入し、発現させる他の方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley&Sons、New York、N.Y.)に記載されているようなリン酸カルシウムトランスフェクション)、プロトプラスト融合、カチオン性リポソーム媒介のトランスフェクション、タングステン粒子によって促進される微小粒子照射(Johnston,Nature,346:776-777(1990))、およびリン酸ストロンチウムDNA共沈殿(Brash et al.,Mol.Cell Biol.,7:2031-2034(1987))が含まれる。

組換え産物をコードする核酸を移入するための他の取り組みおよびベクターが、例えば、国際特許出願公開番号WO2014055668および米国特許第7,446,190号に記載されている取り組みおよびベクターである。

いくつかの態様において、細胞、例えば、T細胞は、拡大増殖期間中または拡大増殖後のどちらかで、例えば、T細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR)によるトランスフェクションが行われる場合がある。所望の受容体の遺伝子を導入するためのこのトランスフェクションを、例えば、任意の好適なレトロウイルスベクターを用いて行うことができる。遺伝子改変された細胞集団はその後、最初の刺激(例えば、CD3/ CD28刺激)から解放し、続いて、第2のタイプの刺激により、例えば、新たに導入された受容体を介して刺激することができる。この第2のタイプの刺激には、ペプチド/MHC分子、遺伝子導入された受容体の同族(架橋性)リガンド(例えば、CARの天然リガンド)、または(例えば、受容体内の定常領域を認識することによって)新しい受容体のフレームワークの内部に直接に結合する任意のリガンド(例えば、抗体など)の形態での抗原性刺激が含まれる場合がある。例えば、Cheadle et al,“Chimeric antigen receptors for T-cell based therapy”Methods Mol Biol.2012;907:645-66、またはBarrett et al.、Chimeric Antigen Receptor Therapy for Cancer Annual Review of Medicine Vol.65:333-347(2014)を参照のこと。

いくつかの場合において、細胞(例えば、T細胞)が活性化されることを必要としないベクターが使用されることがある。いくつかのそのような例において、細胞は、選択および/または形質導入が活性化に先立って行われることがある。したがって、細胞は、該細胞を培養する前に、または培養した後で、そのうえ、いくつかの場合には該培養の少なくとも一部と同時に、またはその期間中に操作されることがある。

いくつかの局面において、細胞はさらに、サイトカインまたは他の因子の発現を促進するように操作される。さらなる核酸、例えば、導入のための遺伝子には、治療の有効性を、例えば、移入された細胞の生存性および/または機能を促進することなどによって改善するための核酸;細胞の選択および/または評価のための遺伝子マーカーを提供するための遺伝子、例えば、インビボでの生存または局在化を評価するためなどの遺伝子;安全性を、例えば、Lupton S.D. et al.,Mol.and Cell Biol.,11:6(1991)、およびRiddell et al.,Human Gene Therapy 3:319-338(1992)によって記載されるように細胞をインビボでの陰性選択に対して感受性にすることによって改善するための遺伝子が挙げられる。また、優勢な陽性選択マーカーを陰性選択マーカーと融合することから得られる二官能性の選択可能な融合遺伝子の使用を記載する、LuptonらによるPCT/US91/08442およびPCT/US94/05601の公開公報もまた参照のこと。例えば、Riddellら、米国特許第6,040,177号、第14欄〜第17欄を参照のこと。

IV. 例示的な処置成績およびその評価方法 本明細書において提供される方法、組成物、組み合わせ、キットおよび使用のいくつかの態様において、提供される併用療法は、下記において記載されるような1つまたは複数の処置成績(例えば、治療または処置に伴うパラメーターのいずれか1つまたは複数に関連する特徴など)を提供する。いくつかの態様において、併用療法は、対象を併用療法による処置のために、および/または併用療法を継続するために特定するための1つまたは複数のスクリーニング工程、ならびに/あるいは処置成績の評価および/または処置成績のモニタリングのための工程をさらに含むことができる。いくつかの態様において、処置成績を評価するための工程は、処置を評価および/またはモニターするための工程、ならびに/あるいは対象を治療のさらなる工程もしくは残りの工程の投与のためにおよび/または反復治療のために特定するための工程を含むことができる。いくつかの態様において、スクリーニング工程および/または処置成績の評価は、本明細書において提供される併用療法の用量、頻度、継続期間、時期および/または順序を決定するために使用することができる。

いくつかの態様において、本明細書において記載されるスクリーニング工程および/または成果の処置の評価のいずれもが、提供される併用療法の1つまたは複数の工程の投与に先立って、投与の期間中に、投与の経過期間中に、または投与に引き続いて、例えば、免疫療法(例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法など)ならびに/またはITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の投与に先立って、投与の期間中に、投与の経過期間中に、または投与に引き続いて使用することが可能である。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法のうちのいずれかを実施するのに先立って、実施している期間中に、実施している経過期間中に、または実施した後で、評価が行われる。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法を実施するのに先立って、評価が行われる。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法の1つまたは複数の工程を実施した後で、評価が行われる。いくつかの態様において、例えば、併用療法を受けるために適するかつ/または受けやすい患者をスクリーニングおよび特定するために、提供される併用療法の1つまたは複数の工程の投与の投与に先立って、評価が実施される。いくつかの態様において、例えば、中間または最終的な処置成績を評価して、例えば、処置の効力を判定するために、かつ/または処置を継続するかもしくは反復するかどうかを判定するために、かつ/または併用療法の残りの工程を投与するかどうかを判定するために、提供される併用療法の1つまたは複数の工程の投与の期間中に、投与の経過期間中に、または投与に引き続いて、評価が実施される。

いくつかの態様において、成果の処置には、改善された免疫機能、例えば、細胞に基づく治療のために投与されるT細胞の免疫機能、および/または体内における内因性T細胞の免疫機能が含まれる。いくつかの態様において、例示的な処置成績には、増強されたT細胞増殖、増強されたT細胞機能的活性、免疫細胞表現型マーカー発現における変化が含まれるが、これらに限定されず、例えば、そのような特徴は、対象に投与される操作されたT細胞(例えば、CAR-T細胞)に関連するなどする。いくつかの態様において、例示的な処置成績には、軽減された疾患負荷(例えば、腫瘍量)、改善された臨床成績および/または増強された治療効力が含まれる。

いくつかの態様において、スクリーニング工程および/または成果の処置の評価では、細胞に基づく治療のために投与されるT細胞の生存および/または機能を評価することが含まれる。いくつかの態様において、スクリーニング工程および/または成果の処置の評価では、サイトカインまたは増殖因子のレベルを評価することが含まれる。いくつかの態様において、スクリーニング工程および/または成果の処置の評価では、疾患負荷および/または疾患改善を評価すること、例えば、腫瘍量および/または臨床成績を評価することが含まれる。いくつかの態様において、スクリーニング工程および/または成果の処置の評価のどちらもが、本明細書において記載されるおよび/または当技術分野において公知である評価方法および/またはアッセイのいずれかを含むことができ、そして、例えば、併用療法の1つまたは複数の工程の投与に先立って、投与の期間中に、投与の経過期間中に、または投与に引き続いて1回または複数回、実施され得る。本明細書において提供される方法のいくつかの態様において評価され得る、処置成績に関連するパラメーターの例示的な様々な一組には、末梢血免疫細胞集団プロフィールおよび/または腫瘍量が含まれる。

いくつかの態様において、方法は、対象における細胞療法の効力に影響を与える。いくつかの態様において、細胞の用量を阻害剤とともに方法において投与した後での対象における組換え受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞)の持続性、拡大増殖、および/または存在が、阻害剤の投与を伴わない方法により達成される持続性、拡大増殖、および/または存在と比較してより大きい。本明細書において免疫療法(例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法など)のいくつかの態様において、パラメーターの評価では、免疫療法(例えば、T細胞療法)のための投与されたT細胞の対象における拡大増殖および/または持続性を、阻害剤の非存在下で免疫療法が対象に実施される方法と比較して、評価することが含まれる。いくつかの態様において、方法は、投与されるT細胞が、対象において、阻害剤の非存在下でT細胞療法が対象に実施される方法と比較して増強されたまたは長期にわたる拡大増殖および/または持続性を示すことをもたらす。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の投与は、組換え受容体を発現する細胞の用量が阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して、対象における疾患負荷(例えば、腫瘍量)を減少させる。いくつかの態様において、阻害剤の投与は、組換え受容体を発現する細胞の用量が阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して、対象における芽球髄(blast marrow)を減少させる。いくつかの態様において、阻害剤の投与は、組換え受容体を発現する細胞の用量が阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して、改善された臨床成績(例えば、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS))をもたらす。

いくつかの態様において、対象は、併用療法の1つまたは複数の工程の投与に先立ってスクリーニングすることができる。例えば、対象は、併用療法を実施することに対する適合性、応答性および/または感受性を判定するために、併用療法の実施に先立って、疾患および/または疾患負荷(例えば、腫瘍量)の特徴についてスクリーニングすることができる。いくつかの態様において、スクリーニング工程および/または処置成績の評価は、本明細書において提供される併用療法の用量、頻度、継続期間、時期および/または順序を決定するために使用することができる。

いくつかの態様において、対象は、併用療法の残りの工程を受けるための対象を判定および特定するために、かつ/または治療の効力をモニターするために、併用療法の工程の1つを投与した後でスクリーニングすることができる。いくつかの態様において、投与されたT細胞の数、レベル、または量、ならびに/あるいは投与されたT細胞の増殖および/または活性が、阻害剤の投与前および/または投与後に評価される。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤は、対象の血液における操作細胞の濃度もしくは数が、(i)1マイクロリットルあたり少なくとも10個もしくは少なくとも約10個の操作細胞となるまで、(ii)末梢血単核細胞(PBMC)の総数の少なくとも20%、30%、40%、もしくは50%となるまで、(iii)少なくとも1 x 105個もしくは少なくとも約1 x 105個の操作細胞となるまで、または(iv)組換え受容体をコードするDNAが1マイクログラムのDNAあたり少なくとも5,000コピーとなるまで、ならびに/あるいは、(a)における投与を開始した後の90日目において、CAR発現細胞が対象の血液または血清において検出可能になるまで、ならびに/あるいは、(a)における投与を開始した後の90日目において、対象の血液が、少なくとも20%のCAR発現細胞、1マイクロリットルあたり少なくとも10個のCAR発現細胞、または少なくとも1 x 104個のCAR発現細胞を含有するまで投与される。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤は、処置に対する臨床上の利益が認められるまで、例えば、総腫瘍体積における少なくとも50%または50%超の減少、検出可能な腫瘍が消失している完全奏効(CR)、6ヶ月超もしくは1年超またはそれ以上にわたる無憎悪生存期間または無病生存期間などが認められるまで投与される。

いくつかの態様においては、パラメーターまたは成績のレベル、値または測定値における、異なる評価時点、異なる条件、参照点および/または異なる対象での同じパラメーターまたは成績のレベル、値または測定値と比較しての変化および/または変動(例えば、増大、上昇、低下または減少)が求められるかまたは評価される。例えば、いくつかの態様において、特定のパラメーター(例えば、試料における操作T細胞の数)における、異なる条件での(例えば、阻害剤の投与前または投与後での)同じパラメーターと比較しての変化倍数(例えば、増大または低下)を求めることができる。いくつかの態様において、2つ以上のパラメーターのレベル、値または測定値が求められ、相対的レベルが比較される。いくつかの態様において、パラメーターの求められたレベル、値または測定値は、対照試料または未処理試料からのレベル、値または測定値と比較される。いくつかの態様において、パラメーターの求められたレベル、値、または測定値は、異なる時点においてであることを除いて同じ対象から得られる試料からのレベルと比較される。個々のパラメーターの定量化において得られる値は、例えば、算術演算または論理演算を、マルチパラメトリック分析を使用することにより、様々なパラメーターのレベル、値または測定値に対して組み立てることによって疾患評価という目的のために組み合わせることができる。いくつかの態様において、2つ以上の特定のパラメーターの比率を計算することができる。

A. T細胞の曝露、持続性および増殖 いくつかの態様において、スクリーニング工程ならびに/あるいは成績の処置の評価および/または処置成績のモニタリングのために評価され得るパラメーターを含む、治療または処置成績に関連するパラメーターには、T細胞、例えばT細胞に基づく治療のために投与されるT細胞の曝露、持続性、および増殖があるかあるいは含まれる。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法における細胞、例えば免疫療法、例えばT細胞療法のために投与される細胞の、増大した曝露、または長期にわたる拡大増殖および/もしくは持続性、ならびに/あるいはそれらの細胞の細胞表現型または機能的活性における変化を、T細胞の特徴をインビトロまたはエクスビボで評価することによって測定することができる。いくつかの態様において、そのようなアッセイは、本明細書において提供される併用療法の1つまたは複数の工程を投与する前または投与した後において、免疫療法、例えばT細胞療法のために使用されるT細胞の機能を判定または確認するために使用することができる。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の投与は、細胞、例えばT細胞に基づく治療のために投与されるT細胞などに対する対象の曝露を、例えば、その拡大増殖および/または持続性を経時的に促進させるなどすることによって促進させるために設計される。いくつかの態様において、T細胞療法は、対象において、阻害剤の非存在下でT細胞療法が対象に投与される方法と比較して増強されたまたは長期にわたる拡大増殖および/または持続性を示す。

いくつかの態様において、提供される方法は、投与された細胞に対する対象の曝露を増大させ(例えば、時間とともに増大した数の細胞または継続期間)、ならびに/あるいは免疫療法(例えば、T細胞療法)の効力および処置成績を改善する。いくつかの局面において、方法は、組換え受容体を発現する細胞(例えば、CAR発現細胞)に対する曝露の程度がより大きくかつ/またはより長いことにより、他の方法と比較した場合、処置成績が改善されるという点で好都合である。そのような成績には、重篤な腫瘍量を有する個体においてでさえ、患者の生存および寛解が含まれ得る。

いくつかの態様において、ITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の投与は、阻害剤の非存在下でのT細胞の単独での投与と比較した場合、対象における細胞(例えば、T細胞に基づく治療のために投与されるT細胞)に対する曝露の最大量、総量、および/または継続期間を増大させることができる。いくつかの局面において、大きい疾患負荷(したがって、より多い量の抗原)および/またはより侵攻性もしくは抵抗性のがんの状況における阻害剤の投与は、同じ状況における阻害剤の非存在下でのT細胞の単独での投与(この場合、細胞の拡大増殖および/または持続性を妨げ得る免疫抑制、アネルギーおよび/または消耗が生じることがある)と比較して、効力を高める。

いくつかの態様において、T細胞投与後、ならびに阻害剤の投与前、投与期間中および/または投与後での対象における、組換え受容体を発現する細胞(例えば、T細胞に基づく治療のために投与されるCAR発現細胞)の存在および/または量が検出される。いくつかの局面において、定量的PCR(qPCR)が、組換え受容体を発現する細胞(例えば、T細胞に基づく治療のために投与されるCAR発現細胞)の量を対象の血液試料または血清試料または器官試料または組織試料(例えば、疾患部位、例えば、腫瘍試料)において評価するために使用される。いくつかの局面において、持続性が、1マイクログラムのDNAあたりの、受容体(例えば、CAR)をコードするDNAまたはプラスミドのコピー数として、あるいは、1マイクロリットルの試料(例えば、血液または血清)あたりの、または、1マイクロリットルの試料につき末梢血単核細胞(PBMC)もしくは白血球もしくはT細胞の総数あたりの、受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞)の数として定量化される。

いくつかの態様では、細胞は、T細胞、例えばCAR発現T細胞の投与の4、14、15、27、もしくは28日後に、または少なくとも前記日数後に対象において検出される。いくつかの局面では、細胞は、T細胞、例えばCAR発現T細胞および/または阻害剤の投与の2、4、もしくは6週間後、または3、6、12、18、24、30、もしくは36ヶ月後、または1、2、3、4、5年もしくはそれ以上の年数後に、または少なくとも前記期間後に検出される。

いくつかの態様では、T細胞、例えばCAR発現T細胞ならびに/または阻害剤の投与後の、本発明の方法による対象における受容体発現細胞(例えばCAR発現細胞)の持続性は、免疫療法単独の投与、例えば該阻害剤の非存在下でのT細胞(例えばCAR発現T細胞)の投与を含む方法などの代替方法によって達成されるものと比較してより大きい。

拡大増殖および/または持続性を示す、曝露、例えば細胞数、例えばT細胞療法のために投与されるT細胞の数は、対象が曝露される細胞の最大数、検出可能な細胞または一定の数もしくは割合を超える細胞の持続期間、経時的な細胞数についての曲線下面積、および/またはそれらの組み合わせならびにそれらの指標によって表され得る。そのようなアウトカムは、腫瘍試料などの特定の試料中、例えば血液、血清、血漿または組織中の核酸またはDNAの総量と比較して、組換え受容体をコードする核酸のコピー数を検出するためのqPCR、および/または一般に受容体に特異的な抗体を使用して受容体を発現する細胞を検出するフローサイトメトリーアッセイなどの公知の方法を用いて評価し得る。細胞ベースのアッセイはまた、疾患もしくは病態の細胞または受容体によって認識される抗原を発現する細胞に対する、結合するおよび/または中和するおよび/または応答、例えば細胞毒性応答を誘導することができる細胞などの機能的細胞の数または割合を検出するためにも使用し得る。

いくつかの局面では、細胞への対象の曝露の増加は、細胞の拡大増殖の増強を含む。いくつかの態様では、受容体発現細胞、例えばCAR発現細胞は、T細胞(例えばCAR発現T細胞)の投与後、および/または阻害剤の投与後に対象において拡大増殖する。いくつかの局面では、本発明の方法は、該阻害剤の投与の非存在下でのT細胞、例えばCAR発現T細胞の投与を含むものなどの他の方法と比較して、細胞のより大きな拡大増殖をもたらす。

いくつかの局面では、この方法は、例えばフローサイトメトリーによって測定されるように、投与された細胞の高いインビボ増殖をもたらす。いくつかの局面では、高いピーク割合の細胞が検出される。例えば、いくつかの態様では、T細胞(例えばCAR発現T細胞)ならびに/または阻害剤の投与後のピークレベルまたは最大レベルにおいて、対象の血液もしくは疾患部位またはその白血球画分(例えばPBMC画分もしくはT細胞画分)中で、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の細胞が、組換え受容体(例えばCAR)を発現する。

いくつかの態様では、この方法は、対象の血液または血清または他の体液または臓器または組織において、DNA 1マイクログラム当たり少なくとも100、500、1000、1500、2000、5000、10,000もしくは15,000コピーの受容体(例えばCAR)をコードする核酸、または末梢血単核細胞(PBMC)の総数、単核細胞の総数、T細胞の総数、もしくはマイクロリットルの総数当たり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、もしくは0.9個の受容体発現、例えばCAR発現細胞の最大濃度をもたらす。いくつかの態様では、受容体を発現する細胞は、対象の血液中の全PBMCの少なくとも10、20、30、40、50、もしくは60%として、ならびに/またはT細胞、例えばCAR発現T細胞および/または阻害剤に続く少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、もしくは52週間、またはそのような投与後1、2、3、4、もしくは5年間もしくはそれ以上の年数にわたってそのようなレベルで検出される。

いくつかの局面では、方法は、例えば対象の血清、血漿、血液、または組織中、例えば腫瘍試料中のDNA 1マイクログラム当たりの、組換え受容体(例えばCAR)をコードする核酸のコピー数の少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも10倍、または少なくとも20倍の増加をもたらす。

いくつかの態様では、受容体を発現する細胞は、対象の血清、血漿、血液または組織中、例えば腫瘍試料中で、例えばqPCRまたはフローサイトメトリーに基づく検出方法などの特定の方法によって、T細胞、例えばCAR発現T細胞の投与、または阻害剤の投与の少なくとも20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60日後もしくはそれ以上の日数後に、T細胞、例えばCAR発現T細胞、ならびに/または阻害剤の投与後少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24週間、もしくはそれ以上、または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24週間、もしくはそれ以上にわたって検出可能である。

いくつかの局面では、少なくとも約1×102、少なくとも約1×103、少なくとも約1×104、少なくとも約1×105、少なくとも約1×106、少なくとも約5×106、少なくとも約1×107、少なくとも約5×107、もしくは少なくとも約1×108個の組換え受容体発現細胞、例えばCAR発現細胞、および/または1マイクロリットル当たり少なくとも10、25、50、100、200、300、400、もしくは500、もしくは1000個の受容体発現細胞、例えば1マイクロリットル当たり少なくとも10個の細胞が、対象またはその体液、血漿、血清、組織、もしくは区画において、例えば末梢血などの血液中で、または腫瘍などのその疾患部位において、検出可能であるかまたは存在する。いくつかの態様では、そのような数または濃度の細胞は、T細胞、例えばCAR発現T細胞の投与後、ならびに/または阻害剤の投与後、少なくとも約20日間、少なくとも約40日間、もしくは少なくとも約60日間、または少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12ヶ月間、または少なくとも2もしくは3年間、対象において検出可能である。そのような細胞数は、フローサイトメトリーに基づく方法または定量的PCRに基づく方法および公知の方法を用いた総細胞数への外挿によって検出される通りであり得る。例えばBrentjens et al.,Sci Transl Med.2013 5(177),Park et al,Molecular Therapy 15(4):825-833(2007),Savoldo et al.,JCI 121(5):1822-1826(2011),Davila et al.,(2013)PLoS ONE 8(4):e61338,Davila et al.,Oncoimmunology 1(9):1577-1583(2012),Lamers,Blood 2011 117:72-82,Jensen et al.,Biol Blood Marrow Transplant 2010 September;16(9):1245-1256,Brentjens et al.,Blood 2011 118(18):4817-4828参照。

いくつかの局面では、免疫組織化学、PCR、および/またはフローサイトメトリーによって測定される、例えば末梢血または骨髄または他の区画における100細胞当たりの組換え受容体をコードする核酸のコピー数、例えばベクターコピー数は、細胞、例えばCAR発現T細胞、ならびに/または阻害剤の投与の少なくとも約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、もしくは少なくとも約6週間後、または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12ヶ月後、または少なくとも2もしくは3年後に、少なくとも0.01、少なくとも0.1、少なくとも1、または少なくとも10である。いくつかの態様では、ゲノムDNA 1マイクログラム当たりの、受容体(例えばCAR)を発現するベクターのコピー数は、T細胞、例えばCAR発現T細胞、または阻害剤の投与の約1週間、約2週間、約3週間、もしくは少なくとも約4週間後の時点、またはそのような投与の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12ヶ月後、または少なくとも2もしくは3年後の時点で、少なくとも100、少なくとも1000、少なくとも5000、少なくとも10,000、少なくとも15,000または少なくとも20,000である。

いくつかの局面では、細胞によって発現される受容体、例えばCARは、細胞の投与後、例えばT細胞、例えばCAR発現T細胞の投与開始後、ならびに/または阻害剤の投与後少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、少なくとも約3年、または3年を超える時点で、対象、その血漿、血清、血液、組織および/または疾患部位、例えば腫瘍部位において、定量的PCR(qPCR)またはフローサイトメトリーによって検出可能である。

いくつかの態様では、T細胞、例えばCAR発現T細胞の投与後、ならびに/または阻害剤の投与後の経時的な対象の体液、血漿、血清、血液、組織、臓器、および/または疾患部位(例えば腫瘍部位)における受容体(例えばCAR)発現細胞の濃度についての曲線下面積(AUC)は、該阻害剤の非存在下でT細胞(例えばCAR発現T細胞)が対象に投与される代替投与レジメンによって達成されるものと比較してより大きい。

いくつかの局面では、この方法は、例えばフローサイトメトリーによって測定されるように、投与された細胞の高いインビボ増殖をもたらす。いくつかの局面では、高いピーク割合の細胞が検出される。例えば、いくつかの態様では、T細胞(例えばCAR発現T細胞)ならびに/または阻害剤の投与後のピークレベルまたは最大レベルにおいて、対象の血液、血漿、血清、組織もしくは疾患部位またはその白血球画分(例えばPBMC画分もしくはT細胞画分)中で、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の細胞が、組換え受容体(例えばCAR)を発現する。

いくつかの局面では、阻害剤を投与された対象における当該用量の細胞の増強されたまたは長期にわたる拡大増殖および/または持続性は、対象の腫瘍関連アウトカムにおける利益に関連する。いくつかの態様では、腫瘍関連アウトカムは、対象における腫瘍量の減少または骨髄芽球の減少を含む。いくつかの態様では、腫瘍量は、本発明の方法の投与後に10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100パーセント、または少なくとも前記割合だけもしくは少なくともおよそ前記割合だけ減少する。いくつかの態様では、疾患負荷、腫瘍サイズ、腫瘍体積、腫瘍質量、および/または腫瘍負荷もしくは嵩は、細胞の投与後に、ITK阻害剤以外でありかつ/または、BTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の投与を含まない方法で治療された対象と比較して、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、もしくはそれ以上、または少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、もしくはそれ以上減少する。

B.T細胞の機能的活性 いくつかの態様では、スクリーニング工程および/または治療アウトカムの評価および/または治療アウトカムのモニタリングのために評価することができるパラメーターを含む、療法または治療アウトカムに関連するパラメーターは、T細胞の活性、表現型、増殖または機能の1つまたは複数を含む。いくつかの態様では、T細胞、例えばT細胞療法のために投与されるT細胞の活性、表現型、増殖および/または機能を評価するための当技術分野で公知のアッセイのいずれかを使用することができる。細胞ならびに/または阻害剤の投与の前および/または後に、いくつかの態様では、操作された細胞集団の生物学的活性が、例えば多くの公知の方法のいずれかによって測定される。評価するパラメーターには、インビボで、例えばイメージングによって、またはエクスビボで、例えばELISAもしくはフローサイトメトリーによって、操作されたもしくは天然のT細胞または他の免疫細胞の抗原への特異的結合が含まれる。特定の態様では、操作された細胞が標的細胞を破壊する能力は、例えばKochenderfer et al.,J.Immunotherapy,32(7):689-702(2009)、およびHerman et al.,J.Immunological Methods,285(1):25-40(2004)に記載されている細胞毒性アッセイなどの、当技術分野で公知の任意の適切な方法を用いて測定することができる。特定の態様では、細胞の生物学的活性は、CD107a、IFNγ、IL-2、GM-CSFおよびTNFαなどの1つもしくは複数のサイトカインの発現および/もしくは分泌を検定することによって、ならびに/または細胞溶解活性を評価することによって測定される。

いくつかの態様では、T細胞、例えばT細胞療法のために投与されるT細胞の活性、表現型、増殖および/または機能についてのアッセイとしては、ELISPOT、ELISA、細胞増殖、細胞傷害性リンパ球(CTL)アッセイ、T細胞エピトープ、抗原もしくはリガンドへの結合、または細胞内サイトカイン染色、増殖アッセイ、リンホカイン分泌アッセイ、直接細胞毒性アッセイ、および限界希釈アッセイが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様では、T細胞の増殖応答は、カルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFSE)、CellTrace Violet、または膜染料PKH26などの染料を用いて、例えば3H-チミジン、BrdU(5-ブロモ-2'-デオキシウリジン)または2'-デオキシ-5-エチニルウリジン(EdU)のそれらのDNAへの組み込みまたは染料希釈アッセイによって測定することができる。

いくつかの態様では、T細胞、例えばT細胞療法のために投与されるT細胞の活性、表現型、増殖および/または機能を評価することは、T細胞からのサイトカイン産生を測定すること、および/または対象由来の生物学的試料、例えば血漿、血清、血液、および/または組織試料、例えば腫瘍試料におけるサイトカイン産生を測定することを含む。いくつかの場合には、そのような測定されるサイトカインには、限定されることなく、インターロイキン2(IL-2)、インターフェロン-ガンマ(IFNγ)、インターロイキン4(IL-4)、TNF-アルファ(TNFα)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン10(IL-10)、インターロイキン12(IL-12)、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、CD107a、および/またはTGF-ベータ(TGFβ)が含まれ得る。サイトカインを測定するためのアッセイは当技術分野において周知であり、ELISA、細胞内サイトカイン染色、サイトメトリビーズアレイ、RT-PCR、ELISPOT、フローサイトメトリー、および関連サイトカインに応答性の細胞を試験試料の存在下で応答性(例えば増殖)について試験するバイオアッセイが含まれるが、これらに限定されるわけではない。

いくつかの態様では、T細胞、例えばT細胞療法のために投与されるT細胞の活性、表現型、増殖および/または機能を評価することは、細胞表現型、例えば特定の細胞表面マーカーの発現を評価することを含む。いくつかの態様では、T細胞、例えばT細胞療法のために投与されるT細胞は、T細胞活性化マーカー、T細胞枯渇マーカー、および/またはT細胞分化マーカーの発現について評価される。いくつかの態様では、細胞表現型は投与前に評価される。いくつかの態様では、細胞表現型は投与後に評価される。評価のためのT細胞活性化マーカー、T細胞枯渇マーカー、および/またはT細胞分化マーカーには、T細胞の特定のサブセットについての当技術分野で公知の任意のマーカー、例えばCD25、CD38、ヒト白血球抗原-DR(HLA-DR)、CD69、CD44、CD137、KLRG1、CD62Llow、CCR7low、CD71、CD2、CD54、CD58、CD244、CD160、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG-3)、T細胞免疫グロブリンドメインおよびムチンドメインタンパク質3(TIM-3)、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)、バンドTリンパ球アテニュエータ(BTLA)および/またはT細胞免疫グロブリンおよび免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフドメイン(TIGIT)が含まれる(例えばLiu et al.,Cell Death and Disease(2015)6,e1792参照)。いくつかの態様では、評価される細胞表面マーカーはCD25、PD-1および/またはTIM-3である。いくつかの態様では、評価される細胞表面マーカーはCD25である。

いくつかの局面では、発現レベルを検出することは、インビトロアッセイを実施することを含む。いくつかの態様では、インビトロアッセイは、イムノアッセイ、アプタマーベースのアッセイ、組織学的もしくは細胞学的アッセイ、またはmRNA発現レベルアッセイである。いくつかの態様では、1つまたは複数の因子、エフェクター、酵素および/または表面マーカーのそれぞれの1つまたは複数についての1つまたは複数のパラメーターは、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、免疫ブロット法、免疫沈降法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫染色、フローサイトメトリーアッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR)、化学発光アッセイ、ラテラルフローイムノアッセイ、阻害アッセイまたはアビディティ活性アッセイによって検出される。いくつかの態様では、サイトカインおよび/または表面マーカーの検出は、少なくとも1つのバイオマーカーに特異的に結合する結合試薬を用いて決定される。いくつかの場合には、結合試薬は抗体もしくはその抗原結合断片、アプタマーまたは核酸プローブである。

いくつかの態様において、阻害剤の投与は循環CAR T細胞のレベルを増大させる。いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤による処置はT細胞の発達をTh1免疫表現型に向かわせる。いくつかの態様において、イブルチニブまたは式(II)の化合物による処置は、CAR T細胞を、増大したCAR Tインビボ持続性が伴っているよりメモリー様の表現型に向かわせる場合がある(Busch, D.H., et al.(2016)Semin Immunol, 28(1):28-34)。

C.疾患負荷、応答、効力および生存 いくつかの態様において、スクリーニング工程ならびに/あるいは成績の処置の評価および/または処置成績のモニタリングのために評価され得るパラメーターを含む、治療または処置成績に関連するパラメーターには、腫瘍負荷または疾患負荷が含まれる。免疫療法(例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法など)および/またはTECファミリーキナーゼの阻害剤の投与は、対象における疾患または病態の拡大または負荷を軽減させるかまたは防止することができる。例えば、疾患または病態が腫瘍である場合、方法は一般には、腫瘍の大きさ、嵩、転移、骨髄における芽球の割合、または分子的に検出可能ながんを減少させるか、かつ/あるいは予後もしくは生存または腫瘍量に関連する他の症状を改善する。

いくつかの態様において、提供される方法は、処置された対象において、免疫療法(例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法など)が阻害剤の投与を伴うことなく与えられる代替方法と比較して減少した腫瘍量をもたらす。腫瘍量が、併用療法を受けるすべての対象において実際に軽減されることは必要ではなく、しかし、腫瘍量は、例えば、そのような併用療法により処置される対象の大多数が腫瘍量の減少を示す(例えば、併用療法により処置される対象の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上などが腫瘍量の減少を示す)臨床データに基づくなどして、処置された対象において平均して軽減されることが必要である。

疾患負荷は、対象におけるかあるいは対象の器官、組織または体液、例えば、腫瘍場所または別の場所(例えば、転移を示しているであろう場所)の器官または組織などにおける疾患の総細胞数を包含し得る。例えば、腫瘍細胞が、ある特定の血液学的悪性腫瘍の状況では、血液、リンパ液または骨髄において検出および/または定量化される場合がある。疾患負荷はいくつかの態様において、腫瘍の塊、転移の数または範囲および/または骨髄に存在する芽細胞の割合を含むことができる。

いくつかの態様において、対象は、骨髄腫、リンパ腫または白血病を有する。いくつかの態様において、対象は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)または骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫(MM))を有する。いくつかの態様において、対象はMMまたはDBCBLを有する。

いくつかの態様において、対象は固形腫瘍を有する。

MMの場合、疾患負荷の程度を評価するための例示的なパラメーターには、クローン形質細胞の数(例えば、骨髄生検で10%超、または他の組織からの生検物における任意の量で;形質細胞腫)、血清または尿のどちらかにおけるモノクローナルタンパク質(パラプロテイン)の存在、形質細胞障害に関連づけられると思われる末端器官障害(例えば、高カルシウム血症(2.75 mmol/l超の補正カルシウム)、骨髄腫に起因すると考えられる腎機能不全、貧血(10 g/dl未満のヘモグロビン)、および/または骨病変(圧迫骨折を伴う溶解性病変または骨粗鬆症))の証拠のようなパラメーターが含まれる。

DLBCLの場合、疾患負荷の程度を評価するための例示的なパラメーターには、細胞形態学(例えば、中心芽球性細胞、免疫芽球性細胞および未分化細胞)、遺伝子発現、miRNA発現およびタンパク質発現(例えば、BCL2、BCL6、MUM1、LMO2、MYCおよびp21の発現)のようなパラメーターが含まれる。

白血病の場合、疾患負荷の程度を血液または骨髄における残存白血病の評価によって判定することができる。いくつかの態様において、例えば、光学顕微鏡法によって検出されるように、5%以上の芽球が骨髄において認められるならば、対象は形態学的疾患を示す。いくつかの態様において、5%未満の芽球が骨髄において認められるならば、対象は完全寛解または臨床的寛解を示す。

いくつかの態様において、白血病の場合、対象は、完全な緩解を示し得るが、少量の形態学的に(光学顕微鏡技術によって)検出不可能な残存白血病細胞が存在する。対象は、骨髄において5%未満のブラストを示し、分子的に検出可能ながんを示す場合、微小残存疾患(MRD)を示すと言われる。いくつかの態様において、分子的に検出可能ながんは、少数の細胞の高感度検出を可能にする任意の様々な分子技術を用いて評価され得る。いくつかの局面において、そのような技術は、特有のIg/T細胞受容体遺伝子再配置または染色体転座によって生じる融合転写物を決定することができるPCRアッセイを含む。いくつかの態様において、白血病特異的免疫表現型に基づきがん細胞を同定するためにフローサイトメトリーが使用され得る。いくつかの態様において、がんの分子的検出は、100,000個の正常細胞中のわずか1個の白血病細胞を検出することができる。いくつかの態様において、対象は、例えばPCRまたはフローサイトメトリーによって、100,000個の細胞中少なくとも1個または2個以上の白血病細胞が検出される場合、分子的に検出可能であるMRDを示す。いくつかの態様において、対象の疾病負荷は、いくつかの例において、PCRまたはフローサイトメトリー技術を用いて対象において白血病細胞が検出できない程、分子的に検出不可能またはMRD-である。

いくつかの態様において、方法、ならびに/あるいは免疫療法(例えば、T細胞療法(例えば、CAR発現T細胞)またはT細胞誘導療法など)および/または阻害剤の投与は、免疫療法(例えば、T細胞療法)および/または阻害剤の投与の直前の時点における疾患負荷と比較して、疾患負荷を軽減させる。

いくつかの局面において、免疫療法(例えば、T細胞療法)および/または阻害剤の投与は、疾患負荷の増大を防止する場合があり、このことが、疾患負荷における変化がないことによって立証され得る場合がある。

いくつかの態様において、方法は、疾患または病態の負荷、例えば、腫瘍細胞の数、腫瘍の大きさ、患者の生存または無事象生存の継続期間を、代替療法を使用する同等の方法(例えば、対象が免疫療法(例えば、単独でのT細胞療法)を阻害剤の投与の非存在下で受ける療法など)により認められるであろう軽減と比較して、より大きい程度におよび/またはより長い期間にわたって低下させる。いくつかの態様において、疾患負荷が、免疫療法(例えば、T細胞療法)および阻害剤の投与の併用療法の後では、これらの作用因のそれぞれを単独で投与する、例えば、免疫療法(例えば、T細胞療法)を受けたことがない対象に阻害剤を投与するか、または阻害剤を受けたことがない対象に免疫療法(例えば、T細胞療法)を投与することによって達成されるであろう軽減と比較して、より大きい程度にまたはより大きい継続期間にわたって軽減される。

いくつかの態様において、対象における疾患または病態の負荷が検出され、評価され、または測定される。疾患負荷が、対象におけるかあるいは対象の器官、組織または体液(例えば、血液または血清など)における疾患細胞または疾患関連細胞(例えば、腫瘍細胞)の総数を検出することによっていくつかの局面では検出される場合がある。いくつかの態様において、疾患負荷(例えば、腫瘍量)が、固形腫瘍の塊および/または転移の数もしくは程度を測定することによって評価される。いくつかの局面において、対象の生存、一定期間内の生存、生存の程度、無事象生存もしくは無症状生存または無再発生存の存在または継続期間が評価される。いくつかの態様において、疾患または病態の任意の症状が評価される。いくつかの態様において、疾患または病態の負荷の測定基準が規定される。いくつかの態様において、判定のための例示的なパラメーターには、疾患または病態(例えば、腫瘍)における回復または改善を示す特定の臨床成績が含まれる。そのようなパラメーターには、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)または安定疾患(SD)(例えば、固形がん効果判定基準(Response Evaluation Criteria In Solid Tumors)(RECIST)ガイドラインを参照のこと)を含めて、疾患抑制の継続期間、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)が含まれる。これらのパラメーターについての具体的な閾値を、本明細書において提供される併用療法の方法の効力を判定するために設定することができる。

いくつかの局面では、疾患負荷は、免疫療法、例えばT細胞療法の実施前に、免疫療法、例えばT細胞療法の実施後であるが阻害剤の投与前に、阻害剤の投与後であるが免疫療法、例えばT細胞療法の実施前に、ならびに/または免疫療法、例えばT細胞療法ならびに阻害剤の両方の投与後に、測定または検出される。併用療法の1つまたは複数の工程の複数回投与の状況では、いくつかの態様における疾患負荷は、任意の工程、用量および/もしくは投与サイクルの投与の前もしくは後に、または任意の工程、用量および/もしくは投与サイクルの投与の間の時点に測定され得る。

いくつかの態様では、負荷は、提供される方法によって、阻害剤および免疫療法、例えばT細胞療法の実施直前と比較して、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100パーセント、または少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100パーセント減少する。いくつかの態様では、疾患負荷、腫瘍サイズ、腫瘍体積、腫瘍質量、および/または腫瘍負荷もしくは嵩は、免疫療法、例えばT細胞療法ならびに/または阻害剤の投与後に、免疫療法、例えばT細胞療法および/または該阻害剤の投与の直前のものと比較して、少なくとも0、20、30、40、50、60、70、80、90%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90%、もしくはそれ以上低減される。

いくつかの態様では、本発明の方法による疾患負荷の低減は、例えば併用療法の実施、例えば開始後、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、または3ヶ月を超えて評価される、形態学的完全寛解の誘導を含む。

いくつかの局面では、例えばマルチパラメーターフローサイトメトリーによって測定されるような、最小残存疾患についてのアッセイは陰性であるか、または最小残存疾患のレベルは約0.3%未満、約0.2%未満、約0.1%未満、または約0.05%未満である。

いくつかの態様では、対象の無事象生存率または全生存率は、他の方法と比較して、本発明の方法によって改善される。例えば、いくつかの態様では、本明細書で提供される併用療法の方法の6ヶ月後に、本発明の方法によって治療された対象の無事象生存率または確率は、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、または約95%超である。いくつかの態様では、全生存率は、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、または約95%超である。いくつかの態様では、本発明の方法で治療された対象は、無事象生存、無再発生存、または少なくとも6ヶ月まで、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10年までの生存を示す。いくつかの態様では、進行までの時間は、例えば6ヶ月超もしくは約6ヶ月超、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10年を超える、進行までの時間のように、改善される。

いくつかの態様では、本発明の方法による治療後、他の方法と比較して再発の可能性が低下する。例えば、いくつかの態様では、併用療法の方法の6ヶ月後の再発の可能性は、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、または約10%未満である。

V.製造品およびキット ITK阻害剤以外でありかつ/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、式(II)の化合物)と、免疫療法のための構成成分(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)またはT細胞療法(例えば、操作された細胞)ならびに/あるいはその組成物とを含有する製造品もまた提供される。製造品は、容器と、容器表面の、または容器に付随するラベルまたは添付文書とを含む場合がある。好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、IV溶液バッグなどが含まれる。容器は様々な材料(例えば、ガラスまたはプラスチックなど)から形成されてもよい。容器はいくつかの態様において、単独での組成物、あるいは前記病態の治療、予防、および/または診断のために効果的な別々の組成物と組み合わされる組成物を保持する。いくつかの態様において、容器は無菌アクセスポートを有する。例示的な容器には、注射用ニードルによって突き刺すことができる栓を有するものを含めて、静脈内溶液バッグ、バイアル、あるいは、経口投与剤のためのボトルまたはバイアルが含まれる。ラベルまたは添付文書は、組成物を、疾患または病態を治療するために使用することを示す場合がある。

製造品は、(a)免疫療法(例えば、T細胞療法)のために使用される抗体または操作された細胞を含む組成物が含有される第1の容器と、(b)第2の作用物質(例えば、ITK阻害剤以外でありかつ/またはBTK、TEC、BMX/ETK、RLK/TXK、および/もしくはERBB4のうちの1つもしくは複数の阻害剤であるタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤)などを含む組成物が含有される第2の容器とを含む場合がある。製造品はさらに、組成物が、特定の病態を治療するために使用され得ることを示す添付文書を含む場合がある。代替において、または加えて、製造品はさらに、薬学的に許容され得る緩衝液を含む別の容器または同じ容器を含む場合がある。製造品はさらに、他の材料、例えば、他の緩衝剤、希釈剤、フィルター、ニードルおよび/またはシリンジなどを含む場合がある。

VI.定義 別途定義される場合を除き、本明細書において使用するすべての専門用語、表記法、ならびに他の技術用語および科学用語または用語法は、請求項に記載された主題が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。いくつかの場合には、一般に理解されている意味を有する用語が、明快さのために、かつ/または即座の参照のために本明細書において定義されており、そして、そのような定義が本明細書に含まれることは、当技術分野において一般に理解されていることを超える実質的な違いを表すように必ずしも解釈されなければならないことはない。

本明細書において使用する場合、「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒトまたは他の動物などであり、典型的にはヒトである。いくつかの態様において、免疫調節剤ポリペプチド、操作された細胞、または組成物が投与される対象(例えば、患者)は哺乳動物であり、典型的には霊長類であり、例えば、ヒトなどである。いくつかの態様において、霊長類はサルまたは類人猿である。対象は雄性または雌性であることが可能であり、乳幼児期、若年期、青年期、成体期および老齢期の対象を含めて任意の好適な年齢であることが可能である。いくつかの態様において、対象は霊長類以外の哺乳動物であり、例えば、齧歯類などである。

本明細書において使用する場合、「治療」(およびその文法上の変形、例えば、「治療する(treat)」または「治療する(treating)」など)は、疾患もしくは病態もしくは障害、あるいはそれに伴う症状、有害な影響もしくは結果、または表現型の完全または部分的な改善または軽減を示す。治療の望ましい影響には、疾患の発生または再発を防止すること、症状の軽減、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的結果を軽減すること、転移を防止すること、疾患進行の速度を低下させること、疾患状態の改善または緩和、ならびに寛解または改善された予後が含まれるが、これらに限定されない。これらの用語は、疾患を完全に治癒させること、あるいは、任意の症状、またはすべての症状もしくは結果に対する影響を完全に排除することを暗示していない。

本明細書において使用する場合、「疾患の発症を遅らせる」とは、疾患(例えば、がん)の発症を先延ばしすること、妨げること、遅くすること、遅延させること、安定させること、抑制すること、および/または延期させることを意味する。この遅れは、疾患歴および/または治療されている個体に依存して、様々な長さの期間であることが可能である。当業者には明白であるように、十分な遅れまたは著しい遅れは、個体が疾患を発症させないという点で、実際には防止を包含し得る。例えば、後期段階のがん(例えば、転移の発生など)が遅らされる場合がある。

「予防する」は、本明細書において使用する場合、疾患に対する素因を有するかもしれないが、該疾患が未だ診断されていない対象における該疾患の発生または再発に関して予防を提供することを包含する。いくつかの態様において、提供される細胞および組成物は、疾患の発症を遅らせるために、または疾患の進行を遅くするために使用される。

本明細書において使用する場合、機能または活性を「抑制する」ことは、対象となる条件またはパラメーターを除いて他の点では同じ条件と比較したとき、あるいは代替では別の条件と比較して、この機能または活性を低下させることである。例えば、腫瘍成長を抑制する細胞は、該細胞の非存在下での腫瘍の成長速度と比較して腫瘍の成長速度を低下させる。

作用物質(例えば、薬学的製剤、細胞または組成物)の「有効量」は投与との関連において、所望された結果(例えば、治療結果または予防結果など)を達成するために、そのような達成のために必要な投薬量/量において、かつ必要な期間にわたって効果的な量を示す。

作用物質(例えば、薬学的製剤または操作された細胞)の「治療有効量」は、所望の治療結果、例えば、疾患、病態または障害の治療などについて所望の治療結果、および/または処置の薬物動態学的もしくは薬力学的な効果を達成するために、そのような達成のために必要な投薬量において、かつ必要な期間にわたって効果的である量を示す。治療有効量は、様々な因子、例えば、対象の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに投与される免疫調節ポリペプチドまたは操作された細胞などに応じて変動する場合がある。いくつかの態様において、提供される方法は、有効量(例えば、治療有効量)の、免疫調節ポリペプチド、操作された細胞、または組成物を投与する工程を伴う。

「予防有効量」は、所望の予防的結果を達成するために、そのような達成のために必要な投薬量において、かつ必要な期間にわたって効果的である量を示す。典型的には、しかし、必ずしもそうであるとは限らないが、予防的用量が、疾患に先立って、または疾患のより初期の段階で対象において使用されるので、予防有効量は治療有効量より少ないであろう。

用語「薬学的製剤」は、調製物であって、該調製物に含有される有効成分の生物学的活性が効果的であることを可能にするような形態であり、かつ、製剤が投与されるであろう対象に対して許容できないほどに毒性であるさらなる成分を何ら含有しない調製物を示す。

「薬学的に許容される担体」は、対象にとって非毒性である、有効成分以外の薬学的製剤における成分を示す。薬学的に許容される担体には、緩衝液、賦形剤、安定剤または保存剤が含まれるが、それらに限定されない。

本明細書において使用する場合、ヌクレオチド位置またはアミノ酸位置が、開示された配列(例えば、配列表に示される配列など)におけるヌクレオチド位置またはアミノ酸位置「に対応する」という言及は、標準的なアライメントアルゴリズム(例えば、GAPアルゴリズムなど)を使用して同一性を最大とするように、開示された配列とアラインメントしたときに特定されるヌクレオチド位置またはアミノ酸位置を示す。配列をアライメントすることにより、当業者は、例えば、保存されたアミノ酸残基および同一のアミノ酸残基をガイドとして使用して、対応する残基を特定することができる。通常は、対応する位置を特定するために、アミノ酸の配列は、最も高水準の一致が得られるようにアライメントされる(例えば、Computational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M. and Griffin, H.G., eds., Humana Press, New. Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987;およびSequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M Stockton Press, New York, 1991; Carrillo et al.(1988)SIAM J Applied Math 48:1073を参照のこと)。

用語「ベクター」は、本明細書において使用する場合、連結される別の核酸を増やすことができる核酸分子を示す。この用語には、自己複製する核酸構造物としてのベクター、同様にまた、導入されている宿主細胞のゲノムに組み込まれるベクターが含まれる。ある種のベクターは、機能的に連結される核酸の発現を導くことができる。そのようなベクターは本明細書において「発現ベクター」として示される。ベクターには、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクター(例えば、ガンマレトロウイルスベクターおよびレンチウイルスベクター)などが挙げられる。

用語「宿主細胞」、用語「宿主細胞株」および用語「宿主細胞培養物」は交換可能に使用され、外因性核酸が導入されている細胞を、そのような細胞の子孫を含めて示す。宿主細胞には、「形質転換体」および「形質転換(された)細胞」が含まれ、これらには、初代形質転換細胞、および、継代数に関係なく、初代形質転換細胞に由来する子孫が含まれる。子孫は、核酸の内容において親細胞と完全に同一でなくてもよく、変異を含有する場合がある。最初に形質転換された細胞においてスクリーニングされた、または選択されたのと同じ機能または生物学的活性を有する変異子孫が本明細書において含まれる。

本明細書において使用する場合、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陽性」であると述べられることは、特定のマーカー(典型的には表面マーカー)が細胞表面または細胞において検出可能に存在していることを示す。表面マーカーが言及されるとき、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体を用いて染色し、前記抗体を検出することによって検出されるような表面発現の存在を示し、この場合、染色が、イソタイプの一致する対照を、それ以外の点では同一の条件のもとで用いる、同じ手順を行って検出される染色を実質的に超えるレベルでフローサイトメトリーによって検出可能であり、かつ/またはマーカーについて陽性であることが知られている細胞についてのレベルと実質的に類似するレベルであり、かつ/またはマーカーについて陰性であることが知られている細胞についてのレベルよりも実質的に高いレベルである。

本明細書において使用する場合、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陰性」であると述べられることは、特定のマーカー(典型的には表面マーカー)が細胞表面または細胞において実質的に検出可能に存在していることが認められないことを示す。表面マーカーが言及されるとき、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体を用いて染色し、前記抗体を検出することによって検出されるような表面発現の非存在を示し、この場合、染色が、イソタイプの一致する対照を、それ以外の点では同一の条件のもとで用いる、同じ手順を行って検出される染色を実質的に超えるレベルでフローサイトメトリーによって検出されず、かつ/またはマーカーについて陽性であることが知られている細胞についてのレベルよりも実質的に低いレベルであり、かつ/またはマーカーについて陰性であることが知られている細胞についてのレベルと比較して実質的に類似するレベルである。

本明細書において使用する場合、「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」および「同一性パーセント」は、アミノ酸配列(参照ポリペプチド配列)に関して使用するときには、最大の配列同一性パーセントを達成するように配列をアライメントし、必要ならば、ギャップを導入した後、かつ、どのような保存的置換も配列同一性の一部として考慮せずに、参照ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である候補配列(例えば、対象となる抗体またはフラグメント)におけるアミノ酸残基の百分率として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアライメントを、当技術分野における技量の範囲内にある様々な方法で、例えば、公開されているコンピュータソフトウェア(例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)のソフトウェアなど)を使用して達成することができる。当業者は、最大のアライメントを比較されている配列の全長にわたって達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含めて、配列をアライメントするための適切なパラメーターを決定することができる。

本明細書において使用する場合、単数形である「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈がそうではないことを明確に示す場合を除き、複数形の言及物を包含する。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。本明細書において記載される様々な局面および変形は、様々な局面および変形「からなる」こと、ならびに/あるいは様々な局面および変形「から本質的になる」ことを包含することが理解される。

本開示の全体を通して、請求項に記載されている主題の様々な局面が範囲形式で示される。範囲形式での記載は単に便宜および簡潔性のためであり、請求項に記載されている主題の範囲に関して柔軟性のない限定として解釈してはならないことを理解しなければならない。したがって、範囲の記載は、可能な部分範囲、同様にまた、その範囲に含まれる個々の数値をすべて具体的に開示していると見なされなければならない。例えば、値の範囲が与えられる場合、その範囲の上限と、下限との間におけるそれぞれの中間の値、およびその指定された範囲における任意の他の指定された値または中間の値が、請求項に記載されている主題の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限がこれらのより小さい範囲に独立して含まれてもよく、これらもまた、指定された範囲における任意の具体的に除外された限界点に従うことを条件にして、請求項に記載されている主題の範囲内に包含される。指定された範囲が限界点の一方または両方を含む場合、そのような含まれた限界点のどちらかまたは両方を除外する範囲もまた、請求項に記載されている主題の範囲内に含まれる。このことは、範囲の広さにかかわらず、当てはまる。

用語「約」は、本明細書において使用する場合、この技術分野における当業者には容易に理解されるそれぞれの値についての通常の誤差範囲を示す。「約」を伴って値またはパラメーターが本明細書において示される場合、その値またはパラメーターそのものに向けられる態様が含まれる(記載される)。例えば、「約X」が示される記載では、「X」の記載が含まれる。

本明細書において使用する場合、組成物は、細胞を含めて、2つ以上の製造物、物質または化合物の混合物をどのようなものであっても示す。組成物は、溶液、懸濁物、液体、粉末、ペースト、水性、非水性、またはそれらの任意の組合せであり得る。

VII.例示的な態様 以下の態様が提供される。 1.(a)疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原または該疾患もしくは病態の細胞上に発現されるかもしくは存在する抗原、および/あるいは該疾患または病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかまたは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかあるいはそれに特異的に結合する、工程;ならびに (b)該対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程であって、該阻害剤が、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害する、工程 を含む、処置方法であって、 該疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)該標的タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)該阻害剤に対して感受性がある形態の該標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)該阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)該阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは 該対象または該疾患もしくは病態が、該阻害剤および/またはBTKの阻害剤に対して抵抗性または不応性であり、かつ/あるいは 該タンパク質チロシンキナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない 処置方法。 2. 疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原または該疾患もしくは病態の細胞上に発現されるかもしくは存在する抗原、および/あるいは該疾患または病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかまたは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかあるいはそれに特異的に結合する、工程 を含む、処置方法であって、 該対象が、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与されたことがあり、該阻害剤が、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ 該疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)該タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)該阻害剤に対して感受性がある形態の該標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)該阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)該阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは、 該対象または該疾患もしくは病態が、該阻害剤および/またはBTKの阻害剤に対して抵抗性または不応性であり、かつ/あるいは 該タンパク質チロシンキナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない 処置方法。 3. 疾患または病態を有する対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程を含む、処置方法であって、 該阻害剤が、ITKを阻害せず、かつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、 該対象が、該疾患もしくは病態に関連する抗原または該疾患もしくは病態の細胞上に発現されるかもしくは存在する抗原、および/あるいは該疾患または病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかまたは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかあるいはそれに特異的に結合するT細胞を、投与されたことがあり、かつ 該疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)該標的タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)該阻害剤に対して感受性がある形態の該標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)該阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)該阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは、 該対象または該疾患もしくは病態が、該阻害剤および/またはBTKの阻害剤に対して抵抗性または不応性であり、かつ/あるいは TECファミリーキナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない 処置方法。 4. 前記標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、態様1〜3のいずれかの方法。 5. 前記標的タンパク質チロシンキナーゼが、TECファミリーキナーゼである、態様1〜4のいずれかの方法。 6. 前記阻害剤が、式(II)の化合物、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13からなる群より選択される、態様1〜5のいずれかの方法。 7. 前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、任意の追加のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 態様1〜6のいずれかの方法。 8. (1)疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかまたはそれに特異的に結合する、工程;ならびに (2)該対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程であって、該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4であり、 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する、工程 を含む、処置方法。 9. 疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかまたはそれに特異的に結合する、工程 を含む処置方法であって、 該対象が、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与されたことがあり、該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4であり、 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 処置方法。 10. 疾患または病態を有する対象に、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与する工程を含む、処置方法であって、 該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4であり、 該対象が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、を特異的に認識するかまたはそれに特異的に結合するT細胞を、投与されたことがあり、 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 処置方法。 11. 前記疾患または病態が、(i)B細胞由来の疾患もしくは病態ではなく、(ii)CD19、CD22、もしくはCD20の発現に関連せず、(iii)前記標的タンパク質チロシンキナーゼを発現せず、(iv)前記阻害剤に対して感受性がある形態の該標的タンパク質チロシンキナーゼを含まず、(v)該阻害剤に対して感受性があるキナーゼを含まず、かつ/または(vi)該阻害剤による阻害に対して感受性がなく、かつ/あるいは 前記対象または疾患もしくは病態が、該阻害剤および/またはBTKの阻害剤に対して抵抗性または不応性であり、かつ/あるいは、 該標的キナーゼが、該疾患または病態が由来する細胞において通常は発現されないかまたは発現される疑いがない 態様8〜10のいずれかの方法。 12. 前記標的タンパク質チロシンキナーゼが、RLK/TXKである、態様4〜11のいずれかの方法。 13. 前記標的タンパク質チロシンキナーゼがBMX/ETKであり、前記阻害剤が、任意の他のTECファミリーキナーゼおよび/もしくはITKに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50でBmx/Etkを阻害し、かつ/または1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)でBmx/Etkを阻害する、態様4〜12のいずれかの方法。 14. 前記標的キナーゼが、ErbB4であるかまたはErbB4を含む、態様4および7〜13のいずれかの方法。 15. 前記阻害剤が、式(II): の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含む、態様1〜13のいずれかの方法。 16. 前記阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む、態様1〜15のいずれかの方法。 17.(1)疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、に特異的に結合する組み換え抗原受容体を含む、工程;ならびに (2)該対象に、キナーゼ阻害剤または該阻害剤を含む薬学的組成物を投与する工程であって、該阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含む、工程 を含む、処置方法。 18. 疾患または病態を有する対象にT細胞を投与する工程であって、該T細胞が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、に特異的に結合する組み換え抗原受容体を含む、工程 を含む、処置方法であって、 該対象が、キナーゼ阻害剤または該阻害剤を含む薬学的組成物を投与されたことがあり、該阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含む 処置方法。 19. 疾患または病態を有する対象に、キナーゼ阻害剤または該阻害剤を含む薬学的組成物を投与する工程を含む処置方法であって、 該阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグを含み、 該対象が、該疾患もしくは病態に関連する抗原、および/または該疾患もしくは病態を特異的に標的としかつ該対象に投与されたことがあるかもしくは投与されることになる治療剤に含まれるタグ、に特異的に結合する組み換え抗原受容体を含むT細胞を、投与されたことがある 処置方法。 20. 前記疾患または病態が、がんである、態様17〜19のいずれかの方法。 21.(i)前記対象および/または前記疾患もしくは病態が、(a)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤に対して抵抗性であり、かつ/または(b)該阻害剤による阻害に対して抵抗性である細胞の集団を含み、 (ii)該対象および/または該疾患もしくは病態が、該阻害剤によるおよび/またはイブルチニブによるBTKの阻害を軽減または防止することができる、BTKをコードする核酸における変異または破壊を含み、かつ/あるいは (iii)(1)の投与時点および(2)の投与時点で、該対象が、該阻害剤および/またはBTK阻害剤療法による処置の後での寛解の後で再発しているか、または該処置に対して不応性であるとみなされている 態様1〜20のいずれかの方法。 22. 前記細胞の集団が、B細胞の集団であるかもしくはB細胞の集団を含み、かつ/またはT細胞を含まない、態様21の方法。 23. BTKをコードする核酸における前記変異が、C481位における置換、任意でC481SもしくはC481R、および/またはT474位における置換、任意でT474IまたはT474Mを含む、態様21または態様22の方法。 24. 前記標的タンパク質チロシンキナーゼが、前記疾患もしくは病態の細胞によって発現されず、該疾患もしくは病態が由来する細胞において通常は発現されないかもしくは発現される疑いがなく、かつ/または 該疾患もしくは病態が、前記阻害剤に対して感受性がなく、かつ/または 少なくとも複数のT細胞が、該標的タンパク質チロシンキナーゼを発現し、かつ/または 該標的タンパク質チロシンキナーゼが、T細胞において発現される 態様1〜23のいずれかの方法。 25. 前記疾患または病態が、B細胞抗原を発現しないがんであるか、非血液がんであるか、B細胞悪性腫瘍ではないか、B細胞白血病ではないか、または固形腫瘍である、態様1〜24のいずれかの方法。 26. 前記疾患または病態が、肉腫、がん腫、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、白血病、CLL、ALL、AML、および骨髄腫からなる群より選択されるがんである、態様1〜25のいずれかの方法。 27. 前記疾患または病態が、膵がん、膀胱がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、腎がん、肝細胞がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵がん、直腸がん、甲状腺がん、子宮がん、胃がん、食道がん、頭頚部がん、黒色腫、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、または軟組織肉腫である、態様1〜26のいずれかの方法。 28. 前記T細胞が、ROR1、B細胞成熟抗原(BCMA)、tEGFR、Her2、Ll-CAM、CD19、CD20、CD22、メソテリン、CEAおよびB型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3または4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、カッパ軽鎖、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原(dual antigen)、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、ROR1、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原から選択される抗原を認識するかまたは標的とする、態様1〜27のいずれかの方法。 29. 前記抗原が、B細胞抗原ではなく、かつ/または 該抗原が、CD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原ではない、 態様1〜28のいずれかの方法。 30. 前記抗原が、CD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原ではなく、かつ/または 前記疾患もしくは病態が、CD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原ならびに/もしくはカッパ軽鎖を発現しない、 態様29の方法。 31. 前記T細胞が、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含むか、または前記抗原に特異的に結合する組み換え受容体を発現する遺伝子操作されたT細胞を含む、態様1〜30のいずれかの方法。 32. 前記T細胞が、前記抗原またはタグに特異的に結合する組み換え受容体を発現する遺伝子操作されたT細胞を含み、該受容体が、任意でキメラ抗原受容体である、態様31の方法。 33. 前記組み換え受容体が、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)または機能的な非T細胞受容体である、態様31または32の方法。 34. 前記組み換え受容体がキメラ受容体であり、該キメラ受容体が、任意でキメラ抗原受容体(CAR)である、態様31〜33のいずれかの方法。 35. 前記キメラ抗原受容体(CAR)が、前記抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインと、ITAMを含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、態様34の方法。 36. 前記細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内ドメインを含む、態様35の方法。 37. 前記キメラ抗原受容体(CAR)が、共刺激シグナル伝達領域をさらに含む、態様35または36の方法。 38. 前記共刺激シグナル伝達領域が、CD28または4-1BBのシグナル伝達ドメインを含む、態様37の方法。 39. 前記共刺激ドメインが、CD28のドメインである、態様37または38の方法。 40. 前記阻害剤が、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である、態様1〜39のいずれかの方法。 41. 前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの活性化を不可逆的に低減もしくは消失させ、SEQ ID NO:18に示される配列の残基C481に対応するアミノ酸残基を含む該標的タンパク質チロシンキナーゼの活性部位内の結合部位に特異的に結合し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼの自己リン酸化活性を低減もしくは消失させる、態様1〜40のいずれかの方法。 42. 前記阻害剤がイブルチニブではない、態様1〜41のいずれかの方法。 43. 前記阻害剤が式(II)の化合物ではない、態様1〜41のいずれかの方法。 44. 前記阻害剤が、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13ではない、態様1〜41のいずれかの方法。 45. 前記阻害剤が、前記T細胞を含む組成物の投与開始と同時または投与開始後に投与される、態様1、2〜8、10〜17および19〜44のいずれかの方法。 46. 前記阻害剤が、前記T細胞の投与開始後に投与される、態様1、2〜8、10〜17および19〜45のいずれかの方法。 47. 前記阻害剤が、前記T細胞の投与開始から1時間以内もしくは約1時間以内に、2時間以内もしくは約2時間以内に、6時間以内もしくは約6時間以内に、12時間以内もしくは約12時間以内に、24時間以内もしくは約24時間以内に、48時間以内もしくは約48時間以内に、72時間以内もしくは約72時間以内に、96時間以内もしくは約96時間以内に、または1週間以内もしくは約1週間以内に投与される、態様45または46の方法。 48. 前記阻害剤が、 前記対象由来の血液中の検出可能な投与されたT細胞の数が、該T細胞の投与開始後の先行する時点の該対象における場合と比較して減少しているとき; 該血液中の検出可能な投与された該T細胞の数が、該T細胞の投与開始後の該対象の血液中の検出可能なT細胞療法の細胞のピーク数または最大数の1.5倍未満もしくは約1.5倍未満、2倍未満もしくは約2倍未満、3倍未満もしくは約3倍未満、4倍未満もしくは約4倍未満、5倍未満もしくは約5倍未満、10倍未満もしくは約10倍未満、50倍未満もしくは約50倍未満、100倍未満もしくは約100倍未満、またはそれより少ないとき;ならびに/または 投与されたT細胞のピークレベルまたは最大レベルが該対象の血液中で検出可能となった後において、該対象由来の血液中の検出可能なT細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、該対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%未満、5%未満、1%未満、または0.1%未満であるとき に投与される、態様45〜47のいずれかの方法。 49. 増加または減少が、1.2倍超もしくは約1.2倍超、1.5倍超もしくは約1.5倍超、2倍超もしくは約2倍超、3倍超もしくは約3倍超、4倍超もしくは約4倍超、5倍超もしくは約5倍超、10倍超もしくは約10倍超、またはそれ以上の増加または減少である、態様48の方法。 50. 前記阻害剤が、前記T細胞の投与の開始後、最大2日間、最大7日間、最大14日間、最大21日間、最大1ヵ月間、最大2ヵ月間、最大3ヵ月間、最大6ヵ月間、または最大1年間の期間にわたって投与される、態様1〜49のいずれかの方法。 51. 前記阻害剤が、前記T細胞の投与の開始後、最大3ヵ月間投与される、態様1、2〜8、10〜17および19〜50のいずれかの方法。 52. 前記阻害剤の投与が、少なくとも前記T細胞の投与の開始後から、 前記対象由来の血液中の検出可能な投与された該T細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、該阻害剤の投与直前の先行する時点の該対象における場合と比較して、またはT細胞療法の実施後の先行する時点と比較して、増加するまで; 該血液中の検出可能な該T細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、該T細胞の投与開始後の該対象の血液中で観察されるピーク数または最大数の2.0倍(多いまたは少ない)以内であるまで; 該対象由来の血液中の検出可能な該T細胞の細胞数が、該対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%超もしくは約10%超、15%超もしくは約15%超、20%超もしくは約20%超、30%超もしくは約30%超、40%超もしくは約40%超、50%超もしくは約50%超、または60%超もしくは約60%超であるまで;および/あるいは 該対象が、該T細胞の投与直前の時点または該阻害剤の投与直前の時点での腫瘍量と比較して、腫瘍量の減少を示すまで;および/あるいは 該対象が完全寛解または臨床的寛解を示すまで 継続される、態様1〜51のいずれかの方法。 53. 前記阻害剤が、経口投与、皮下投与、または静脈内投与される、態様1〜52のいずれかの方法。 54. 前記阻害剤が経口投与される、態様53の方法。 55. 前記阻害剤が、1日に6回、1日に5回、1日に4回、1日に3回、1日に2回、1日に1回、1日おき、1週間に3回、または1週間に少なくとも1回投与される、態様1〜54のいずれかの方法。 56. 前記阻害剤が、1日に1回または1日に2回投与される、態様55の方法。 57. 前記阻害剤が、少なくとも50 mg/日もしくは少なくとも約50 mg/日、少なくとも100 mg/日もしくは少なくとも約100 mg/日、少なくとも150 mg/日もしくは少なくとも約150 mg/日、少なくとも175 mg/日もしくは少なくとも約175 mg/日、少なくとも200 mg/日もしくは少なくとも約200 mg/日、少なくとも250 mg/日もしくは少なくとも約250 mg/日、少なくとも300 mg/日もしくは少なくとも約300 mg/日、少なくとも350 mg/日もしくは少なくとも約350 mg/日、少なくとも400 mg/日もしくは少なくとも約400 mg/日、少なくとも450 mg/日もしくは少なくとも約450 mg/日、少なくとも500 mg/日もしくは少なくとも約500 mg/日、少なくとも600 mg/日もしくは少なくとも約600 mg/日、少なくとも700 mg/日もしくは少なくとも約700 mg/日、少なくとも800 mg/日もしくは少なくとも約800 mg/日、またはそれより多い総1日用量で投与される、態様1〜56のいずれかの方法。 58. 前記阻害剤が、1日あたり420 mg未満または約420 mg未満または約420 mgまたは420 mgの量で投与される、態様1〜57のいずれかの方法。 59. 投与される前記T細胞が、CD4+またはCD8+であるT細胞を含む、態様1〜58のいずれかの方法。 60. 投与される前記T細胞が、前記対象にとって自家である細胞を含む、態様1〜59のいずれかの方法。 61. 投与される前記T細胞が、前記対象にとって同種であるT細胞を含む、態様1〜60のいずれかの方法。 62. 投与される前記T細胞が、それぞれが両端の値を含む、5 x 105細胞/kg対象体重〜1 x 107細胞/kgもしくは約5 x 105細胞/kg〜約1 x 107細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜5 x 106細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜3 x 106細胞/kgもしくは約0.5 x 106細胞/kg〜約3 x 106細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜2 x 106細胞/kgもしくは約0.5 x 106細胞/kg〜約2 x 106細胞/kg、0.5 x 106細胞/kg〜1 x 106細胞/kgもしくは約0.5 x 106細胞/kg〜約1 x 106細胞/kg、1.0 x 106細胞/kg対象体重〜5 x 106細胞/kgもしくは約1.0 x 106細胞/kg〜約5 x 106細胞/kg、1.0 x 106細胞/kg〜3 x 106細胞/kgもしくは約1.0 x 106細胞/kg〜約3 x 106細胞/kg、1.0 x 106細胞/kg〜2 x 106細胞/kgもしくは約1.0 x 106細胞/kg〜約2 x 106細胞/kg、2.0 x 106細胞/kg対象体重〜5 x 106細胞/kgもしくは約2.0 x 106細胞/kg〜約5 x 106細胞/kg、2.0 x 106細胞/kg〜3 x 106細胞/kgもしくは約2.0 x 106細胞/kg〜約3 x 106細胞/kg、または3.0 x 106細胞/kg対象体重〜5 x 106細胞/kgもしくは約3.0 x 106細胞/kg〜約5 x 106細胞/kgの細胞数を含む用量の投与を含む、態様1〜61のいずれかの方法。 63. 投与される細胞の用量が、投与される前記T細胞が前記阻害剤の投与なしで投与される方法における用量よりも少ない、態様1〜62のいずれかの方法。 64. 前記用量が、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、または10倍少ない、態様63の方法。 65. 前記T細胞が単一用量で投与され、該単一用量が、任意で、該細胞を含む単一の薬学的組成物である、態様1〜64のいずれかの方法。 66. 前記T細胞が分割用量で投与され、単一用量の該細胞が、合計で該用量の細胞を含む複数の組成物として、3日間以内の期間にわたって投与され、かつ/または 前記方法が、1つまたは複数のさらなる用量のT細胞を投与する工程をさらに含む 態様1〜65のいずれかの方法。 67. 前記方法が、前記T細胞の投与前にリンパ球枯渇化学療法を実施する工程をさらに含み、かつ/または 前記対象が、該T細胞の投与前にリンパ球枯渇化学療法を受けたことがある、態様1〜66のいずれかの方法。 68. 前記リンパ球枯渇化学療法が、フルダラビンおよび/またはシクロホスファミドを前記対象に投与することを含む、態様67の方法。 69. 前記対象に免疫調節剤を投与する工程であって、前記細胞の投与および該免疫調節剤の投与が、同時に、別々に、もしくは単一の組成物として、またはいずれかの順序で逐次的に行われる、工程をさらに含む、態様1〜68のいずれかの方法。 70. 前記免疫調節剤が、分子の機能または該分子が関与するシグナル伝達経路を阻害またはブロックすることができ、該分子が免疫阻害性分子であり、かつ/または該分子が免疫チェックポイント分子である、態様69の方法。 71. 前記免疫チェックポイント分子または経路が、PD-1、PD-L1、PD-L2、CTLA-4、LAG-3、TIM3、VISTA、アデノシン2A受容体(A2AR)、もしくはアデノシン、または前記のいずれかが関与する経路からなる群より選択される、態様70の方法。 72. 前記免疫調節剤が抗体であるかまたは抗体を含み、該抗体が、任意で、抗体フラグメント、単鎖抗体、多重特異性抗体、または免疫コンジュゲートである、態様69〜71のいずれかの方法。 73. 前記抗体が、前記免疫チェックポイント分子またはそのリガンドもしくは受容体に特異的に結合し、かつ/あるいは 該抗体が、該免疫チェックポイント分子とそのリガンドまたは受容体との間の相互作用をブロックするかまたは弱めることができる、 態様72の方法。 74. 投与される前記T細胞が、前記対象において、投与される該T細胞が前記阻害剤の非存在下で対象に投与される方法と比較して、増強されたまたは長期にわたる拡大増殖および/または持続性を示す、態様1〜73のいずれかの方法。 75. 投与される前記T細胞が前記阻害剤の非存在下で前記対象に投与される同等の方法で観察される減少と比較して、より大きい程度にかつ/またはより長期間にわたって腫瘍負荷量を減少させる、態様1〜74のいずれかの方法。 76. B細胞抗原以外の抗原またはCD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原以外の抗原に結合する組み換え受容体を発現する、遺伝子操作されたT細胞;ならびに 標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤であって、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/あるいは該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、阻害剤 を含む、組み合わせ。 77. 前記抗原が、Her2、L1-CAM、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3または4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原から選択される、態様76の組み合わせ。 78. 前記抗原が病原体特異的抗原であり、該病原体特異的抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原、または寄生虫抗原である、態様76または77の組み合わせ。 79. 前記組み換え受容体が、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)または機能的な非T細胞受容体である、態様76〜78のいずれかの組み合わせ。 80. 前記組み換え受容体がキメラ受容体であり、該キメラ受容体が任意でキメラ抗原受容体(CAR)である、態様76〜79のいずれかの組み合わせ。 81. 前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍または少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/あるいはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 態様76〜80のいずれかの組み合わせ。 82. 前記阻害剤が、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である、態様76〜81のいずれかの組み合わせ。 83. 前記阻害剤が、式(II)の化合物、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13からなる群より選択される、態様76〜82のいずれかの組み合わせ。 84. 前記阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む、態様76〜83のいずれかの組み合わせ。 85. 同一の組成物として製剤化される、態様76〜84のいずれかの組み合わせ。 86. 別々の組成物として製剤化される、態様76〜84のいずれかの組み合わせ。 87. 態様76〜86のいずれかの組み合わせと、疾患または病態、任意でがんを治療するために、前記遺伝子操作された細胞および前記阻害剤を対象に投与するための指示書とを含む、キット。 88. B細胞抗原以外の抗原またはCD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原以外の抗原に結合する組み換え受容体を発現する治療有効量の遺伝子操作されたT細胞を含む、組成物;ならびに がんを治療するために、該遺伝子操作された細胞を、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤との併用療法で対象に投与するための指示書であって、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、指示書 を含む、キット。 89. 治療有効量の標的タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤を含む組成物であって、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、組成物;ならびに 疾患または病態、任意でがんを治療するために、該阻害剤を、遺伝子操作されたT細胞との併用療法で対象に投与するための指示書であって、該T細胞が、B細胞抗原以外の抗原またはCD19、CD20、CD22、およびROR1からなる群より選択されるB細胞抗原以外の抗原に結合する組み換え受容体を発現する、指示書 を含む、キット。 90. 前記がんが、B細胞抗原を発現するがんではないか、非血液がんであるか、B細胞悪性腫瘍ではないか、B細胞白血病ではないか、または固形腫瘍である、態様87〜89のいずれかのキット。 91. 前記がんが、肉腫、がん腫、またはリンパ腫であり、任意で、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、白血病、CLL、ALL、AML、および骨髄腫である、態様87〜89のいずれかのキット。 92. 前記がんが、膵がん、膀胱がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、腎がん、肝細胞がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、膵がん、直腸がん、甲状腺がん、子宮がん、胃がん、食道がん、頭頚部がん、黒色腫、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、または軟組織肉腫である、態様87〜91のいずれかのキット。 93.(i)前記対象および/または前記疾患もしくは病態が、(a)ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤に対して抵抗性であり、かつ/または(b)該阻害剤による阻害に対して抵抗性である細胞の集団を含み; (ii)該対象および/または該疾患もしくは病態が、該阻害剤によるおよび/またはイブルチニブによるBTKの阻害を軽減または防止することができる、BTKをコードする核酸における変異または破壊を含み;かつ/あるいは (iii)前記投与の時点で、該対象が、該阻害剤および/またはBTK阻害剤療法による処置の後での寛解の後で再発しているか、または該処置に対して不応性であるとみなされている 態様87〜92のいずれかのキット。 94. 前記細胞の集団が、B細胞の集団であるかもしくはB細胞の集団を含み、かつ/またはT細胞を含まない、態様93のキット。 95. BTKをコードする核酸における前記変異が、C481位における置換、任意でC481SもしくはC481R、および/またはT474位における置換、任意でT474IまたはT474Mを含む、態様93または94のキット。 96. 前記抗原が、Her2、L1-CAM、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD23、CD24、CD38、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、3または4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリンe受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、ルイスY、L1細胞接着分子(L1-CAM)、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、GD3、HMW-MAA、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、CD44v6、二重抗原、およびユニバーサルタグに関連する抗原、がん精巣抗原、メソテリン、MUC1、MUC16、PSCA、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児抗原、TAG72、VEGF-R2、がん胎児性抗原(CEA)、前立腺特異的抗原、PSMA、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、CD138、ならびに病原体特異的抗原から選択される、態様87〜95のいずれかのキット。 97. 前記抗原が病原体特異的抗原であり、該病原体特異的抗原が、ウイルス抗原、細菌抗原、または寄生虫抗原である、態様87〜96のいずれかのキット。 98. 前記組み換え受容体が、トランスジェニックT細胞受容体(TCR)または機能的な非T細胞受容体である、態様87〜97のいずれかのキット。 99. 前記組み換え受容体がキメラ受容体であり、該キメラ受容体が、任意で、キメラ抗原受容体(CAR)である、態様87〜98のいずれかのキット。 100. 前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する 態様87〜99のいずれかのキット。 101. 前記阻害剤が、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である、態様87〜100のいずれかのキット。 102. 前記阻害剤が、式(II)の化合物、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13からなる群より選択される、態様87〜101のいずれかのキット。 103. 前記阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む、態様87〜102のいずれかのキット。 104. 前記指示書が、前記T細胞を含む組成物の投与開始と同時または投与開始後に前記阻害剤を投与するためのものである、態様87〜103のいずれかのキット。 105. 前記指示書が、前記T細胞の投与開始後に前記阻害剤を投与するためのものである、態様87〜104のいずれかのキット。 106. 前記指示書が、前記T細胞の投与開始から1時間以内もしくは約1時間以内に、2時間以内もしくは約2時間以内に、6時間以内もしくは約6時間以内に、12時間以内もしくは約12時間以内に、24時間以内もしくは約24時間以内に、48時間以内もしくは約48時間以内に、72時間以内もしくは約72時間以内に、96時間以内もしくは約96時間以内に、または1週間以内もしくは約1週間以内に前記阻害剤を投与するためのものである、態様104または105のキット。 107. 前記指示書が、 前記対象由来の血液中の検出可能なT細胞療法の細胞の数が、前記T細胞の投与開始後の先行する時点の該対象における場合と比較して減少しているとき; 該血液中の検出可能なT細胞療法の細胞の数が、該T細胞の投与開始後の該対象の血液中の検出可能なT細胞療法の細胞のピーク数もしくは最大数の1.5倍未満もしくは約1.5倍未満、2倍未満もしくは約2倍未満、3倍未満もしくは約3倍未満、4倍未満もしくは約4倍未満、5倍未満もしくは約5倍未満、10倍未満もしくは約10倍未満、50倍未満もしくは約50倍未満、100倍未満もしくは約100倍未満、またはそれより少ないとき;および/または 該T細胞療法の細胞のピークレベルまたは最大レベルが該対象の血液中で検出可能となった後において、該対象由来の血液中の検出可能なT細胞のもしくはT細胞由来の細胞の数が、該対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%未満、5%未満、1%未満、もしくは0.1%未満であるとき に前記阻害剤を投与するためのものである、態様104〜106のいずれかのキット。 108. 増加または減少が、1.2倍超もしくは約1.2倍超、1.5倍超もしくは約1.5倍超、2倍超もしくは約2倍超、3倍超もしくは約3倍超、4倍超もしくは約4倍超、5倍超もしくは約5倍超、10倍超もしくは約10倍超、またはそれ以上の増加または減少である、態様107のキット。 109. 前記指示書が、前記T細胞の投与開始後、最大2日間、最大7日間、最大14日間、最大21日間、最大1ヵ月間、最大2ヵ月間、最大3ヵ月間、最大6ヵ月間、または最大1年間の期間にわたって前記阻害剤を投与するためのものである、態様87〜108のいずれかのキット。 110. 前記指示書が、少なくとも前記T細胞の投与開始後から、 前記対象由来の血液中の検出可能な投与された該T細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、前記阻害剤の投与直前の先行する時点の該対象における場合と比較して、またはT細胞療法の実施後の先行する時点と比較して、増加するまで; 該血液中の検出可能な該T細胞のまたは該T細胞由来の細胞の数が、該T細胞の投与開始後の該対象の血液中で観察されるピーク数または最大数の2.0倍(多いまたは少ない)以内であるまで; 該対象由来の血液中の検出可能な該T細胞の細胞数が、該対象の血液中の総末梢血単核細胞(PBMC)の10%超もしくは約10%超、15%超もしくは約15%超、20%超もしくは約20%超、30%超もしくは約30%超、40%超もしくは約40%超、50%超もしくは約50%超、または60%超もしくは約60%超であるまで;ならびに/あるいは 該対象が、該T細胞の投与直前の時点または該阻害剤の投与直前の時点での腫瘍量と比較して、腫瘍量の減少を示すまで;ならびに/あるいは 該対象が完全寛解または臨床的寛解を示すまで、 該阻害剤をさらに投与するためのものである、態様87〜109のいずれかのキット。 111. 前記遺伝子操作されたT細胞が、前記対象にとって自家である細胞を含む、態様87〜110のいずれかのキット。 112. 前記遺伝子操作されたT細胞が、前記対象にとって同種であるT細胞を含む、態様87〜111のいずれかのキット。 113. 組み換え受容体を発現する免疫細胞を操作する方法であって、 T細胞を含む細胞集団を、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤と接触させる工程であって、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、工程;ならびに 組み換え受容体をコードする核酸を、該組み換え受容体が発現される条件下で、T細胞集団に導入する工程 を含む、方法。 114. 前記細胞集団が、T細胞、任意でCD4+またはCD8+のT細胞であるかまたは該細胞を含む、態様113の方法。 115. 前記細胞集団が、対象、任意でヒト対象から単離される、態様113または114の方法。 116. 前記接触させる工程が、前記導入する工程の前および/または該導入する工程の間に行われる、態様113〜115のいずれかの方法。 117. 遺伝子操作されたT細胞を製造する方法であって、組み換え受容体をコードする核酸分子を初代T細胞に導入する工程を含み、該T細胞が、標的タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤を投与された対象由来であり、該阻害剤が、ITKを阻害せずかつ/または1000 nM超もしくは約1000 nM超の半数阻害濃度(IC50)でITKを阻害し、かつ/または該標的タンパク質チロシンキナーゼが、肝細胞がんにおいて発現されるチロシンキナーゼ(TEC)、静止リンパ球キナーゼ(RLK/TXK)、BMX/ETK、またはERBB4である、方法。 118. 前記対象が、前記核酸分子の導入前30日以内、20日以内、10日以内、9日以内、8日以内、7日以内、6日以内、5日以内、4日以内、3日以内、2日以内、または1日以内に前記阻害剤を投与されている、態様117の方法。 119. 前記阻害剤が、前記標的タンパク質チロシンキナーゼの選択的阻害剤であり;かつ/あるいは 該阻害剤が、該標的タンパク質チロシンキナーゼとは異なる任意のタンパク質チロシンキナーゼもしくはTECファミリーキナーゼに対する該阻害剤の半数阻害濃度(IC50)よりも少なくとも10倍もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し、かつ/またはITKおよびBTKの両方に対する該阻害剤のIC50値よりも少なくとも2倍、少なくとも10倍、もしくは少なくとも100倍低いIC50で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害し;かつ/あるいは 該阻害剤が、1000 nM未満もしくは約1000 nM未満、900 nM未満もしくは約900 nM未満、800 nM未満もしくは約800 nM未満、600 nM未満もしくは約600 nM未満、500 nM未満もしくは約500 nM未満、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、またはそれより低い半数阻害濃度(IC50)で該標的タンパク質チロシンキナーゼを阻害する、 態様113〜118のいずれかの方法。 120. 前記阻害剤が、低分子、ペプチド、タンパク質、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、抗体模倣体、アプタマー、または核酸分子である、態様113〜119のいずれかの方法。 121. 前記阻害剤が、式(II)の化合物、ONO/GS-4059、化合物30または化合物38、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13からなる群より選択される、態様113〜120のいずれかの方法。 122. 前記阻害剤が、式(II)の化合物、またはその光学異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶体、多形体、もしくはプロドラッグ、またはそれらのうちのいずれかを含む薬学的組成物を含む、態様113〜121のいずれかの方法。 123. 前記T細胞が、CD4+細胞またはCD8+細胞を含む、態様113〜122のいずれかの方法。

VIII. 実施例 以下の実施例は、例示を目的として含まれるにすぎず、本発明の範囲を限定することは意図されていない。

実施例1:TECファミリーの阻害剤の存在下でのCAR発現T細胞の表現型および機能の評価 TECファミリーキナーゼの阻害剤、イブルチニブ、または式(II)の化合物の存在下でのCAR発現T細胞の特性を、インビトロ研究において評価した。

CAR発現T細胞を作製するため、3名の健常なヒトドナー対象から免疫親和性ベースの濃縮によってT細胞を単離し、各ドナー由来の細胞を活性化させ、抗CD19 CARをコードするウイルスベクターを用いて形質導入した。CARは、抗CD19 scFv、Ig由来スペーサー、ヒトCD28由来膜貫通ドメイン、ヒト4-1BB由来細胞内シグナル伝達ドメイン、およびヒトCD3ゼータ由来シグナル伝達ドメインを含んだ。このCARをコードする核酸構築物はまた、自己切断性T2A配列によってCAR配列から隔てられた、形質導入マーカーとして使用されるための短縮EGFR(tEGFR)配列を含んだ。

ドナーごとに個別にCAR発現CD4+およびCD8+細胞を1:1混合し、ドナーごとにプールした細胞を、様々な条件下でインビトロで評価した。

A. 細胞溶解活性 上記のようにして作製したCAR T細胞を、三連で、ポリ-D-リジンプレート上に播種し、次いで2.5:1のエフェクター対標的(E:T)比で、イブルチニブに対して抵抗性のCD19発現標的細胞(CD19を発現するよう形質導入されたK562細胞、K562-CD19)と共培養した。顕微鏡法による標的細胞の追跡を可能にするよう、標的細胞をNucLight Red(NLR)で標識した。イブルチニブを、(超生理学的(500 nM)およびCmax(227 nM)であることが観察された用量を網羅する用量範囲を反映する)5000、500、50、5、および0.5 nMの濃度で培養物に添加した。式(II)の化合物を、(超生理学的(5000 nM)およびCmax(1.8μM)であることが観察された用量を網羅する用量範囲を反映する)5000、500、50、5、および0.5 nmの濃度で培養物に添加した。標的細胞の存在下、阻害剤の非存在下でインキュベートしたCAR-T細胞を、「未処理」対照として使用した。細胞溶解活性は、(IncuCyte(登録商標)Live Cell Analysis System, Essen Bioscienceを用いた)赤色蛍光シグナルにより決定される、4日間の期間にわたる生きた標的細胞の消失を測定することによって評価した。標的殺傷の比率(%)は、時間に対する正規化された標的細胞数の曲線下面積(AUC)を測定し、0%値(標的細胞単独)および100%値(ビヒクル対照中で標的細胞と共培養されたCAR+ T細胞)を定義することによりAUCの逆数(1/AUC)値を正規化することによって評価した。

顕微鏡法により示されるように、標的細胞増殖の初期期間の後、すべてのドナー由来の抗CD19 CAR T細胞は、4日間の期間にわたり、標的細胞数を減少させることができ、これによりこのアッセイにおいて効果的な殺傷が実証された(図1A)。細胞傷害アッセイの開始時および終了時のCAR T細胞と共培養された標的細胞の代表的画像が、図1Bに示されている。

一定範囲の用量のイブルチニブまたは式(II)の化合物の存在下または非存在下での、標的細胞に対するCAR-T細胞による標的特異的細胞溶解活性を、未処理対照の結果に対して正規化した。図1Cに示されるように、2名のドナーにおいて、イブルチニブは、その濃度を超生理学的レベル(500 nM)に増加させた場合でさえも、細胞溶解活性に有意に影響しなかった。共培養中の試験されたすべての濃度でのイブルチニブの添加は、抗CD19 CAR T細胞の細胞溶解機能を阻害しなかった。しかし、イブルチニブで処理された1名のドナーにおいて、標的細胞殺傷のゆるやかな増加が観察された(P<0.0001)(図1C)。図1Dもまた、超生理学的(5000 nM)であることが観察された用量および観察されたCmax(1.8μM)を含む範囲である、50〜5000 nMの濃度の式(II)の化合物で処理された場合に同じ3名のドナーの各々由来の細胞において同様の結果が観察されたことを示している。したがって、両方の阻害剤は、評価されたCmaxまたは超生理学的用量を網羅する用量範囲で、CAR-T細胞の細胞溶解機能に対して負の影響を有さないことが観察された。

B. CAR-T細胞表面マーカーの発現 イブルチニブまたは式(II)の化合物の存在下で培養された抗CD19 CAR T細胞の様々な表現型マーカーを評価するため、(3名のドナー由来の)CAR+、CD4+およびCD8+細胞における活性化マーカーのパネルを、そのCD19同種抗原を発現する照射したK562標的細胞を用いた刺激後4日間にわたり追跡した。上記のようにして作製したCAR-T細胞を、96ウェルのポリ-D-リジンコーティングされたプレート上に100,000細胞/ウェルで播種した。照射したK562-CD19標的細胞を、2.5:1のエフェクター対標的比で添加した。細胞を、その培養の期間中、阻害剤の非存在下またはイブルチニブの存在下(5000、500、50、5および0.5 nMの濃度)もしくは式(II)の化合物の存在下(5000、1582、500、158および50 nMの濃度)で最大4日間培養した。細胞を、第1、2、3および4日に収集し、T細胞活性化および分化表面マーカーCD69、CD107a、PD-1、CD25、CD38、CD39、CD95、CD62L、CCR7、CD45ROについておよびEGFRt(CAR形質導入細胞についての代理マーカー)について、フローサイトメトリーによって分析した。

3名の異なる抗CD19 CAR T細胞ドナー間で、5000、500、50、5および0.5 nMの濃度のイブルチニブは、EGFRt代理マーカーの発現に対して、または活性化マーカーCD25、CD38、CD39、CD95もしくはCD62Lのいずれかに対して、またはこの研究で評価されたT細胞表現型マーカー(CCR7、CD62LおよびCD45RO)に対して、有意な効果を有さず、これは、イブルチニブがこのアッセイにおいてT細胞の活性化状態および/または分化サブタイプに有意に影響しかなったという結論と一致する。同様の結果が、式(II)の化合物の存在下での培養において観察された。図2Aおよび2Bは、例示的なマーカーについての結果を示している。図2Cおよび2Dの結果は、イブルチニブまたは式(II)の化合物による処理が、それぞれ、CCR7およびCD45RAの発現により評価されるように、セントラル(TCM)またはエフェクター(TEM)メモリーサブセットとしての細胞の表現型に影響しなかったことを示している。図2Eおよび2Fに示されるように、CD4+またはCD8+細胞のそれぞれをイブルチニブの存在下で培養したとき、CD69、CD107aまたはPD-1の発現レベルがわずかに減少した。同様の結果が、式(II)の化合物の存在下での培養で観察された(図2Gおよび2H)。一定のドナー変動性が、経時的および規模的に観察された。

C. サイトカイン産生 イブルチニブまたは式(II)の化合物の存在下または非存在下で培養された抗CD19 CAR T細胞によるサイトカインの産生を、CAR-T細胞および照射したK562-CD19標的細胞の共培養物の上清においてサイトカインレベルを評価することによって評価した。上記のようにして作製したCAR-T細胞を、96ウェルのポリ-D-リジンコーティングされたプレート上に100,000細胞/ウェルで播種した。照射した標的細胞(K562-CD19)を、2.5:1のエフェクター対標的比で添加した。細胞を、阻害剤の非存在下、50、150、500、1500もしくは5000 nMの濃度の式(II)の化合物の存在下、または0.5、5、50もしくは500 nMの濃度のイブルチニブの存在下で最大4日間培養した。培養上清を、第2、3または4日に収集し、Meso Scale Discovery (MSD)製のサイトカインキットを用いて培養上清からIFNγ、IL-2およびTNFaを測定した。イブルチニブまたは式(II)の化合物の存在下での照射したK562.CD19標的細胞との共培養後の3名の健常なドナー由来の抗CD19 CAR T細胞ロットから経時的に分泌されたIFNγ、IL-2およびTNFαが、それぞれ、図3Aおよび図3Bに示されている。各々2回の独立した実験における(平均±SEM)、イブルチニブ(図3C)または式(II)の化合物(図3D)で処理された細胞におけるドナー2から生成されたCAR-T細胞の、刺激から2日後の、サイトカイン産生における絶対的変化を決定した。図3Cおよび3Dに示されるように、イブルチニブおよび式(II)の化合物のそれぞれの生理学的濃度は、サイトカイン濃縮を有意に阻害しなかった。応答の大きさはドナー間で異なるものの、イブルチニブまたは式(II)の化合物は全体として抗原特異的K562.CD19細胞を用いた刺激後のCAR Tサイトカイン産生を阻害しなかった。式(II)の化合物は、一部のドナーにおいてサイトカイン産生をやや増加させ、同様の効果が50 nMのイブルチニブを用いた場合に観察された。対照的に、19.6%または1200 pg/mLのIL-2の平均減少が、500 nMイブルチニブを用いた場合に観察された(P<0.05)(図3C)。同様の結果が、IL-4およびIL-10を測定した場合に得られた。

D. 連続再刺激 反復刺激後にエクスビボで拡大増殖する細胞の能力は、いくつかの局面において、(例えば、初期活性化後に)CAR-T細胞が持続する能力を示し得る、ならびに/またはインビボでの機能および/もしくは適応性を示す(Zhao et al. (2015) Cancer Cell, 28:415-28)。上記のようにして作製した抗CD19 CAR-T細胞を、96ウェルのポリ-D-リジンコーティングされたプレート上に三連で100,000細胞/ウェルで播種し、照射した標的細胞(K562-CD19)を、2.5:1のエフェクター対標的比で添加した。細胞を、500および50 nMイブルチニブまたは1581および158 nMの式(II)の化合物の存在下で刺激し、3〜4日ごとに収集および計数し、そして各ラウンドで細胞数を初期播種密度に再設定した後に同じ培養条件およびイブルチニブまたは式(II)の化合物の添加濃度を用いて新しい標的細胞で再刺激するために培養した。25日間の培養期間の間に合計7ラウンドの刺激を行った。

各刺激ラウンドにおいて、細胞数の変化倍率および倍加数を決定した。イブルチニブおよび式(II)の化合物についての、集団倍加の結果が、それぞれ、図4Aおよび4Bに示されている。この研究において、いずれの阻害剤についても、CAR+ T細胞の初期増殖への影響が観察されなかった。拡大増殖動態は、変化倍率および集団倍加数によって観察されるように、3ラウンドの刺激後(第11日)にすべての処理グループにおいて同様であった。しかし、第18日までに、この研究における3名のドナーのうちの2名から生成されたCAR+ T細胞について、複数ラウンドの再刺激後に、(集団倍加によって測定される)拡大増殖が、細胞数の増大および集団倍加数の増加によって示される各阻害剤について評価された濃度の各々でのイブルチニブまたは式(II)の化合物の存在によって増強されることが観察された。これらの差異が通常他のドナー由来のそれらとの比較で観察される2名のドナー由来の細胞は、いずれかの阻害剤の非存在下での連続再刺激アッセイにおいて低い性能を示した。

図4Cおよび4Dは、それぞれ、イブルチニブまたは式(II)の化合物の存在下での3名のドナーに対する刺激後第18日(5ラウンドの再刺激)における培養物中の細胞数の結果をまとめたものである。示されているように、18日間の連続刺激アッセイ後に統計学的に有意な細胞数の増加が観察された。特に、5ラウンドの刺激後(第18日)に、最高濃度のイブルチニブまたは式(II)の化合物のいずれかで処理された、ドナー2由来のCAR T細胞は、対照細胞に対する細胞数の有意な(P<0.05)増加を示した。試験した最高濃度のイブルチニブまたは式(II)の化合物で処理された、ドナー3由来の細胞についても、有意ではないが増加した細胞数が観察された。対照条件で細胞数を評価すると、ドナー2および3由来の細胞は、このアッセイにおいてドナー1細胞よりも優れた性能を示した。また、これらの差異が通常他のドナー由来のそれらと比較して観察される2名のドナー由来の細胞は、いずれかの阻害剤の非存在下での連続再刺激アッセイにおいて低い性能を示した。注目すべきは、すぐれた性能を示したこれらのドナーは、このアッセイにおいてイブルチニブまたは式(II)の化合物を用いた処理からの恩恵を受けたことである。これらの結果は、T細胞の機能、生存および/または増殖能に影響する1つまたは複数の要因により損なわれたT細胞の機能、生存および/または拡大増殖を改善するイブルチニブもしくは式(II)の化合物またはItkを阻害しない選択的阻害剤を含む他のBtk(もしくは他のTECファミリーキナーゼ)阻害剤の有用性と一致する。例えば、そのような組み合わせは、Itkを特異的に阻害することができないキナーゼ阻害剤の場合でさえも、抗原遭遇後のT細胞機能および/または持続性を改善し得る。

E. TH1表現型 イブルチニブまたは式(II)の化合物の存在下で培養したときの抗CD19 CAR T細胞のTH1表現型への偏向を評価するため、アッセイを実施した。イブルチニブは、ITKの阻害を通じてTh2 CD4 T細胞の活性化および増殖を制限することが観察されている(Honda, F., et al. (2012) Nat Immunol, 13(4): 369-78)。上記のようにして連続再刺激アッセイを行い、細胞を様々な時点で収集し、フローサイトメトリーによって、TH1表現型(CD4+CXCR3+CRTH2-で評価される)T細胞またはTH2表現型(CD4+CXCR3-CRTH2+で評価される)の比率を評価するよう分析した。示されている濃度のイブルチニブまたは式(II)の化合物と共におよびそれらを伴わずに培養された細胞の代表的なプロットが図5Aに示されており、連続再刺激の間の、および様々な濃度のイブルチニブまたは式(II)の化合物の下での培養後のTH1細胞の比率が、それぞれ、図5Bおよび5Cに示されている。

イブルチニブの存在は、このアッセイにおいて、連続刺激後に、TH1表現型を示すことが観察されたCAR+ T細胞の比率を増加させることが観察され、その効果はイブルチニブの濃度の増加と共に大きくなることが観察されたが、式(II)の化合物ではそれが観察されなかった。18日間の連続刺激期間の間、CAR T TH1細胞の比率は、対照条件下で3名すべてのドナーにおいて増加した(図5B)。500 nMイブルチニブは、TH1細胞の比率をさらに増大させた(P<0.01)が、式(II)の化合物による処理では有意な効果が観察されなかった(図C)。式(II)の化合物は、イブルチニブと比較して>200倍低いITKに対する親和性を有することが報告されており(Byrd, J.C., et al. (2016) N Engl J Med, 374(4): 323-32)、このことは、イブルチニブを通じたTH1偏向が標的外(off target)ITK活性により影響され得ることを示している。

連続刺激アッセイから単離されたCAR T細胞において、さらなるCAR T活性化またはメモリーマーカーに対するいずれの阻害剤の有意な効果も観察されなかった(図5Dおよび5E、式(II)の化合物;ならびに図5Fおよび5G、イブルチニブ)。

実施例2:TECファミリーキナーゼの阻害剤の存在下でのCAR発現T細胞の抗腫瘍活性の増強 BTK阻害に対して抵抗性であることが確認されているCD19+ Nalm-6播種性腫瘍株の細胞をNOD/Scid/gc-/-(NSG)マウスに注射することによって、播種性腫瘍異種移植マウスモデルを作製した。

第ゼロ(0)日に、NSGマウスに、ホタルルシフェラーゼを発現する5 x 105個のNalm-6細胞を静脈内注射した。第4日から開始して研究期間中毎日、マウスを、各々の例において25 mg/kg q.d.の毎日の経口強制投与(P.O)により、ビヒクル対照で処置するかまたはイブルチニブで処置した。阻害剤との併用療法の効果の評価を行うため、2名の異なるドナー由来の最適未満用量の抗CD19 CAR T細胞を、第5日に5x105/マウスで、マウスにi.v.注射した。対照として、マウスにビヒクル対照またはCAR-T細胞の投与を伴わずにイブルチニブを投与した。グループあたり8匹(N=8)のマウスを観察した。

上記の処置後に、腫瘍の経時的成長を、生物発光画像化によって測定し、その平均放射(p/s/cm2/sr)を測定した。結果が、イブルチニブおよびCAR T細胞で処置されたマウスからの腫瘍の経時的成長に関して、図6Aに示されている。2名の異なるドナーから腫瘍注射後のより多くの時点での腫瘍成長を観察する同じ研究からの結果の分析が、図6Bに示されている。示されているように、イブルチニブ処置単独は、ビヒクル処置と比較して、このイブルチニブ抵抗性モデルにおいて腫瘍量に対する効果を有さなかった。これに対して、CAR-T細胞およびイブルチニブを投与されたマウスは、CAR-T細胞およびビヒクル対照で処置されたマウスと比較して、有意に減少した腫瘍成長を示した(P<0.001、***)。

CAR Tおよびイブルチニブの併用投与はまた、イブルチニブおよびCAR T細胞で処置された腫瘍保有マウスの生存率を示すカプランマイヤー曲線によって示されるように、CAR Tおよびビヒクルの条件と比較して有意に高い生存率をもたらすことが観察された。図6Cに示されるように、CAR-T細胞およびイブルチニブで処置されたマウスは、最適未満の抗CD19 CAR T細胞用量+ビヒクルを投与されたグループと比較して、高い生存率中央値を示した。2名の異なるドナーから腫瘍注射後のより多くの時点での生存率を観察する同じ研究からの結果の分析が図6Dに示されており、これは、CAR T細胞およびイブルチニブの併用投与がまた、CAR Tおよびビヒクルの条件と比較して有意に高い生存率をもたらす(P<0.001、***)ことが観察されたことを示している。

実施例3:インビボ、TECファミリーキナーゼの阻害剤の存在下でのCAR発現T細胞の表現型、機能、および抗腫瘍活性の評価 第0日に、実施例2に記載されているNSGマウスに、ホタルルシフェラーゼを発現する5 x 105個のNalm-6細胞を静脈内注射した。第4日から開始して研究期間中毎日、マウスを、ビヒクル対照で処置するか、または25 mg/kg/日の飲料水(D.W.)中のTECファミリーキナーゼの阻害剤、イブルチニブもしくは式(II)の化合物のいずれかで毎日処置した。ブリッジング実験は、飲料水によるイブルチニブの投与が経口強制投与と同等であることを確認した(データ示さず)。阻害剤との併用療法の効果の評価を行うため、最適未満用量の抗CD19 CAR T細胞を、第5日に5x105/マウスで、マウスにi.v.注射した。対照として、マウスに、CAR-T細胞または阻害剤の投与を伴わずにビヒクル対照を投与した。

上記の処置後に、腫瘍の成長および処置されたマウスの生存率を決定した。図7Aに示されるように、抗CD19 CAR-T細胞およびイブルチニブまたは式(II)の化合物のいずれかで処置されたマウスは、最適未満の抗CD19 CAR T細胞用量+ビヒクルを投与されたグループと比較して高い生存率中央値を示した(p<0.001)。CAR Tと共に投与された、式(II)の化合物またはイブルチニブはまた、ビヒクル単独と共に投与されたCAR Tと比較して、腫瘍成長を有意に(P<0.001)減少させた(図7B)。2名の異なるドナー由来のT細胞を改変することによって生成された抗CD19 CAR-T細胞を用いた結果も同様であった。

CAR+ T細胞の薬物動態分析を、1名のドナー由来の細胞からの抗CD19 CAR+ T細胞を投与され、ビヒクル、イブルチニブまたは式(II)の化合物で処置されたマウス(グループあたり3匹)の血液および骨髄において分析した。サンプルを、CAR+ T細胞移入後第7、12、19および26日におけるEGFRt+ CAR T細胞および/または腫瘍細胞の存在およびレベルを評価するよう分析した。図7Cおよび7Eに示されるように、CAR+ T細胞およびビヒクルで処置されたマウスと比較して、イブルチニブおよび式(II)の化合物のそれぞれで処置されたマウスにおいて、循環中のCAR+ T細胞の有意な増加が観察され、これは、阻害剤の存在下での血液中でのCAR-T細胞のより大きな拡大増殖と一致した。CAR-T細胞移入後第19日に、血液中の細胞数の有意な増加が、イブルチニブ(図7D;*p<0.05)および式(II)の化合物(図7E;***p<0.001)のそれぞれで処置された後に観察された。図7Gおよび7Hに示されるように、CAR+細胞処置がイブルチニブまたは式(II)の化合物のそれぞれを用いた処置と併用されたマウスの血液または骨髄中において、ビヒクル単独と比較して、有意に少数の細胞が検出された。

CAR+ T細胞を与えられ、ビヒクル、イブルチニブまたは式(II)の化合物で処置されたマウス(n=グループあたり3匹のマウス)のCAR T後第12日に骨髄から収集されたCAR+ T細胞において、エクスビボ免疫表現型タイピングも行った。細胞を、フローサイトメトリーによって表面マーカーCD44、CD45RA、CD62L、CD154、CXCR3、CXCR4、PD-1について評価し、FlowJoソフトウェアを用いてt分布型確率的近傍埋め込み(t-SNE)高次分析を行った。図8Aに示されるように、イブルチニブまたは式(II)の化合物と組み合わせてCAR-Tを投与された動物の骨髄から単離されたCAR+ T細胞では、ビヒクル単独(対照)との比較で、変化が観察された。グループあたり3匹のマウスから蓄積された分析に基づく多変数t-SNE FACS分析を用いて、4つの別々の集団クラスターを特定した(図8B)。総集団の発現(影付き)と重ねられた、図8Aの4回ゲートt-SNEからのCD4、CD8、CD62L、CD45RA、CD44およびCXCR3の個々の発現プロフィールを示すFACsヒストグラムが図8Cに示されている。対照マウスまたはイブルチニブもしくは式(II)の化合物で処置されたマウスにおける各t-SNEの比率および変化倍率が図8Dに示されている。統計学的有意差は、P<0.95(*)、P<0.01(**)、P<0.001(***)、P<0.0001(****)で示されている。

CAR T移入後第12日に、対照マウスと比較して、イブルチニブまたは式(II)の化合物も投与されたCAR T処置マウスの骨髄において、CD8+ CD44hi CXCR3hi CD45RAlo CD62Lhi(集団2)およびCD4+ CD44hi CXCR3int CD45RAhi CD62Lhi(集団4)の増加が観察された(図8B〜8C)。式(II)の化合物で処置されたマウスは、イブルチニブ処置動物において観察されたものと比較して、より大きな集団2への密集を示し(集団2および4が、これらのマウスにおけるCAR-T細胞の、それぞれ、29.2%および8.4%を表す)、一方、より大きな集団4への密集が、イブルチニブ処置動物において観察された(CAR-T細胞の4.4%に対して15.2%)(図8D)。

実施例4:TECファミリーキナーゼの阻害剤の存在下でのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者から作製されたCAR発現T細胞の細胞溶解機能の増強 抗CD19 CAR-T細胞を、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する2名の例示的な患者からT細胞を単離したことを除いて実質的に実施例1に記載されているようにして作製した。実施例1.Dに記載されているように、CAR+ T細胞を、2.5:1のエフェクター対標的比でK562-CD19標的と、かつ500および50 nMのイブルチニブの存在下で共培養し、細胞を3〜4日ごとに収集し、細胞数の再設定後に同じ条件下で再刺激することによって、細胞を連続再刺激に供した。細胞を、21日間の培養期間にわたって連続再刺激に供し、細胞拡大増殖および細胞溶解活性について観察した。

図9Aに示されるように、細胞倍加数により決定される細胞拡大増殖が、21日間の培養期間の間に、各々個々の対象由来の細胞から観察された。イブルチニブは、いずれの患者由来のCAR T細胞の増殖も阻害せず(図9A)、この観察は、健常ドナー由来のCAR T細胞からの以前のデータと一致する。各々個々の対象由来の細胞から作製されたCAR+ T細胞は、16日間の連続再刺激後に、500 nMイブルチニブの存在下で細胞溶解機能の向上を示した(P<0.001)(図9B)。1名の患者由来の細胞において、50 nMイブルチニブを用いた場合に、16日間の連続再刺激後に細胞溶解活性の向上が観察された(P<0.01)(図9B)。この細胞溶解活性の向上は、健常ドナー細胞からの結果と一致する(図1C、D)。

実施例5:イブルチニブで処理されたCAR発現T細胞のRNA-Seqによる分子指標の評価 イブルチニブ(50 nM、500 nM)、式(II)の化合物(1581 nM)または対照(0 nM)の存在下での連続刺激アッセイにおいて18日間処理された、3名の異なるドナー由来の個々のCAR発現細胞からRNAを単離した。RNAの単離は、RNEasy Micro Kit(Qiagen)を用いて行った。サンプルを配列決定し、RNASeqの読み取り結果をヒトゲノム(GRCh38)にマップし、GENCODEリリース24遺伝子モデルと整列させた。RNAseq品質測定基準を生成し、サンプル間の整合性を確認するよう評価した。示差的に発現された遺伝子を、0.5のlog2変化倍率カットオフおよび0.05のベンジャミン・ホッホバーグ調整偽発見率(FDR)カットオフを課すことによって特定した。

図10Aのボルケーノプロットに示されるように、500 nMイブルチニブは、41個のタンパク質コード遺伝子の発現を有意に(FDR<0.05、absLog2FC>0.5)変化させた。図10Cは、図10Aで特定された遺伝子についての遺伝子発現変化のヒートマップを示している。同様の培養条件下での別の実験において、3個の遺伝子のみが、式(II)の化合物(1581 nM)による処理の下で有意に変化した(FDR<0.05、absLog2FC>0.5)。図10Bは、対照との比較で、1581 nMの式(II)の化合物で処理された第18日連続刺激CAR T細胞から発現された遺伝子のボルケーノプロットを示している。

異なる濃度の阻害剤(50 nMまたは500 nM)または対照による処理の後での2つの例示的な遺伝子についての遺伝子発現のボックスプロットを、図11A〜図11Bに示す。グランザイムA(図11A)などの遺伝子における低下、そしてSELL/CD62Lにおける増大(図11A)は、メモリー発達に関連する遺伝子を増強しながら、終末エフェクター様遺伝子(terminal-effector-like gene)を抑制するイブルチニブの影響と一致している。さらに、RNA-Seqにより、TH1分化を促進させることに関連する遺伝子が、TH2プログラミングを抑制することが知られているMSCのアップレギュレーション(Wu, C., et al.(2017)Nat Immunol, 18(3):344-353)、ならびに、TH1発達を阻害することが確認されるATRA/レチノイン酸シグナル伝達経路に関連するHES6、HIC1、LZTFL1、NRIP1、CD38およびRARRES3のダウンレギュレーション(Britschgi, C., et al.(2008)Br J Haematol, 141(2): 179-87; Jiang, H., et al.(2016)J Immunol, 196(3):1081-90; Heim, K.C., et al.(2007)Mol Cancer, 6:57; Nijhof, I.S., et al.(2015)Leukemia, 29(10):2039-49; Zirn, B., et al.(2005)Oncogene, 24(33):5246-51)を含めて、イブルチニブによって変化させられることが明らかにされた(図11E-B-D)。RNA-Seqの結果を支持して、CD62L発現における有意な増大が、ドナー2およびドナー3において18日間の連続刺激の後でフローサイトメトリーによって認められた(図12Aおよび図12B)。まとめると、これらの結果は、長期間のイブルチニブ処理が、CAR Tにおける増大したTH1かつメモリー様の表現型もたらし得ることを裏づけている。

本発明は、例えば、本発明の様々な局面を例示するために提供される特定の開示された態様に範囲が限定されることは意図されない。記載される組成物および方法に対する様々な改変が本明細書における説明および教示から明らかになるであろう。そのような変形は、本開示の真の範囲および精神から逸脱することなく実施されてよく、本開示の範囲内に含まれることが意図される。

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