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光子保護フィルム

阅读:773发布:2021-04-12

专利汇可以提供光子保護フィルム专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】耐湿性を有し、 薄膜 化しても製膜速度を高めることができ、一般的な二軸延伸ポリエステルフィルムの製造設備で製造可能であり、さらには、QDLEDやKSF蛍光体などをバックライト 光源 として備えた新たな 液晶 表示装置に用いた場合であっても、虹ムラの発生を効果的に解消することができる、新たな偏 光子 保護フィルムを提供する。 【解決手段】ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、幅方向のリターデーション(Re)の変化量(「偏差」ともいう)が10〜400nm/mである偏光子保護フィルムであって、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有するバックライト光源を備えた画像表示装置に用いることを特徴とする偏光子保護フィルムを提案する。 【選択図】なし,下面是光子保護フィルム专利的具体信息内容。

ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、幅方向のリターデーション(Re)の変化量(「偏差」ともいう)が10〜400nm/mである偏光子保護フィルムであって、 400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有するバックライト光源を備えた画像表示装置に用いることを特徴とする偏光子保護フィルム。ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、150℃、30分の長手方向(MD)及び幅方向(TD)のいずれの加熱収縮率(%)も6.5%以上である偏光子保護フィルムであって、 400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有するバックライト光源を備えた画像表示装置に用いることを特徴とする偏光子保護フィルム。40℃、90%RHにおける透湿度が5〜50g/m2/dayである請求項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。JIS K7121−2(2006年)に基づいて測定した結晶融解エンタルピー(ΔHm)が33.0〜43.0J/gである請求項1〜3の何れかに記載の偏光子保護フィルム。幅方向のリターデーション(Re)が10〜300nmである範囲の面積が、フィルム幅方向全体の面積の50%以上である請求項1〜4の何れかに記載の偏光子保護フィルム。幅方向のリターデーション(Re)が10〜400nmである範囲の面積が、フィルム幅方向全体の面積の75%以上である請求項1〜5の何れかに記載の偏光子保護フィルム。厚みが20〜75μmである請求項1〜6の何れかに記載の偏光子保護フィルム。表裏片面側又は表裏両面側にハードコート層を備えた請求項1〜7の何れかに記載の偏光子保護フィルム。請求項1〜8の何れかに記載の偏光子保護フィルムを捲回してなる、幅1.0m以上のフィルムロール。請求項1〜8の何れかに記載の偏光子保護フィルムからなる、一辺が0.4〜2.5mの枚葉フィルム。請求項1〜8の何れかに記載の偏光子保護フィルムを用いた偏光板。請求項11に記載の偏光板を用いた画像表示装置。少なくとも偏光子、偏光子保護フィルム、およびバックライト光源を備えた画像表示装置であり、 前記バックライト光源として、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有する光源を備え、 前記偏光子保護フィルムとして、ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、幅方向のリターデーション(Re)の変化量(「偏差」ともいう)が10〜400nm/mである偏光子保護フィルムを備えることを特徴とする画像表示装置。少なくとも偏光子、偏光子保護フィルム、およびバックライト光源を備えた画像表示装置であり、 前記バックライト光源として、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有する光源を備え、 前記偏光子保護フィルムとして、ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、150℃、30分の長手方向(MD)及び幅方向(TD)のいずれの加熱収縮率(%)も6.5%以上である偏光子保護フィルムを備えることを特徴とする画像表示装置。画面の面積が0.25〜3.0m2である請求項12〜14の何れかに記載の画像表示装置。

说明书全文

本発明は、偏光板を構成する光子保護フィルムとして好適に用いることができ、中でも特定のバックライト光源を備えた画像表示装置に特に好適に用いることができる偏光子保護フィルムに関する。

テレビ、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、携帯電話等の液晶表示装置においては、光源から視認側に向かって、光源、裏面側偏光板、液晶層、表面側偏光板の順に積層されることが多い。このうちの偏光板は、傷付き防止などのために、その表面に2軸延伸ポリエステルフィルムなどからなる偏光子保護フィルム(単に「保護フィルム」とも称する)を積層することが一般的である。例えば、保護フィルム/偏光膜/保護フィルム、又は、保護フィルム/偏光膜/位相差フィルムなどの構成の偏光板が知られていた。

従来、偏光板を構成する保護フィルムには、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられてきた。しかし、TACフィルムは、厚みを薄くすると、充分な機械強度を得ることが出来ず、また透湿性が悪化するという問題を抱えていた。そこで近年、偏光板の薄層化のため、TACフィルムの代わりにポリエステルフィルムを用いることが提案されている(例えば特許文献1など参照)。

ポリエステル系フィルム、特にポリエチレンテレフタレートフィルムに代表される2軸延伸ポリエステルフィルムは、電気特性、機械的特性、熱的特性、加工性および耐薬品性が優れていることから、上記のように、各種光学部材の保護フィルムとして使用されている。

偏光板を構成する保護フィルムなどの光学用途に用いるフィルムとしては、一般的には光学的な偏りが少ない方が好ましいため、光学異方性(リターデーション)を低くすることが求められる。 しかしながら、2軸延伸ポリエステルフィルムは、複屈折性を有するため、光学異方性(リターデーション)を下げることが難しいという課題を抱えていた。 そのための対策として、例えば、ポリエステルとして共重合ポリエステルを用いることで、リターデーションを小さくする方法が提案されている(特許文献2など参照)。

特許文献3には、白色発光ダイオード(白色LED)をバックライト光源として備えた液晶表示装置に用いる偏光子保護フィルムとして、3000〜30000nmのリターデーションを有する配向ポリエステルフィルムからなる偏光子保護フィルムが開示されている。

また、特許文献4には、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの優れた寸法安定性と高い透明性を有しながら、広視野においても虹状の斑が低減された偏光子保護用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムとして、150℃における熱収縮率が6.0%以下であり、リターデーションが500nm以下であり、フィルム幅方向におけるリターデーションの変動が250nm/m以下であり、かつフィルムの面配向係数ΔPが0.160〜0.175である偏光子保護用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムが開示されている。

特開2004−219620号公報

WO2011−162198号公報

特許第5804079号公報

特許第6264408号公報

前述のように、LED光源をバックライト光源として備えた画像表示装置に用いる偏光子保護フィルムとして、TACフィルムなどの超低リターデーションフィルム、或いは、特許文献3に開示されているような高リターデーションフィルムが用いられていた。 しかし、TACフィルムなどの超低リターデーションフィルムは、耐湿性が充分でなく、偏光子保護フィルムとして高温多湿の環境下で使用すると、偏光機能や色相等の偏光板機能を低下させるという問題を抱えていた。

他方、特許文献3に開示されているような高リターデーションフィルムは、薄膜化することが困難であり、製膜速度を高めることが難しいため、生産効率を高めることが難しいという課題を抱えていた。 また、近年、新たな画像表示装置として、コロイド状量子ドット(「QD」とも称する)技術を利用したQDLEDや、Mn4+付活K2SiF6の蛍光体(「KSF蛍光体」とも称する)をバックライト光源として備えた画像表示装置の開発が進められている。 特許文献3に開示されているような高リターデーションフィルムは、白色発光ダイオード(白色LED)をバックライト光源として備えた液晶表示装置に用いた場合には、虹ムラの発生を効果的に解消することができるものの、前述のQDLEDやKSF蛍光体をバックライト光源として備えた液晶表示装置に用いた場合には、虹ムラが発生する場合があることが分かってきた。

また、特許文献4に開示されている偏光子保護フィルムは、2段階で横延伸することによって製造されているため、製造設備が限定されるという課題を抱えていた。

そこで本発明の目的は、耐湿性を有し、薄膜化しても製膜速度を高めることができ、一般的な二軸延伸ポリエステルフィルムの製造設備で製造可能であり、さらには、QDLEDやKSF蛍光体などをバックライト光源として備えた新たな液晶表示装置に用いた場合であっても、虹ムラの発生を効果的に解消することができる、新たな偏光子保護フィルムを提供することにある。

本発明は、ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、幅方向のリターデーション(Re)の変化量が10〜400nm/mである偏光子保護フィルムであって、 400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有するバックライト光源を備えた画像表示装置に用いることを特徴とする偏光子保護フィルムを提案する。

本発明はまた、ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、150℃、30分の長手方向(MD)及び幅方向(TD)のいずれの加熱収縮率(%)も6.5%以上である偏光子保護フィルムであって、 400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有するバックライト光源を備えた画像表示装置に用いることを特徴とする偏光子保護フィルムを提案する。

本発明が提案する偏光子保護フィルムは、耐湿性を有し、薄膜化しても製膜速度を高めることができ、一般的な二軸延伸ポリエステルフィルムの製造設備で製造可能であり、さらには、QDLEDやKSF蛍光体などをバックライト光源として備えた新たな液晶表示装置に用いた場合であっても、虹ムラの発生を効果的に解消することができる。

次に、本発明を実施するための形態の例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が、次に説明する実施形態に限定されるものではない。

<本偏光子保護フィルム> 本発明の実施形態の一例としての偏光子保護フィルム(「本偏光子保護フィルム」と称する)は、中間層と、2層の表層とを少なくとも有する3層以上の積層構造からなる積層フィルムである。

本偏光子保護フィルムは、当該中間層及び当該表層を有する積層構造を備えていれば、他の層を有することも可能である。例えば後述するハードコート層などを設けることも可能である。

<中間層> 中間層は、ポリエステルを主成分樹脂とする層であるのが好ましい。 ここで、「主成分樹脂」とは、中間層を構成する樹脂のうち最も含有量の高い樹脂を示す。

本偏光子保護フィルムのリターデーション(Re)の硬度を高める観点からは、中間層の主成分樹脂をなすポリエステルとして、共重合ポリエステルではなく、ポリエステル重合体を採用するのが好ましい。 他方、本偏光子保護フィルムのリターデーション(Re)をより低下させる観点からは、中間層の主成分樹脂をなすポリエステルとして、共重合ポリエステルを採用するのが好ましい。

(ポリエステル重合体) 中間層の主成分樹脂をなすポリエステル重合体としては、ジカルボン酸成分とジオール成分の縮合によって形成されたポリエステル、乳酸のようなヒドロキシカルボン酸成分の縮合によって形成されたポリエステル、ε−カプロラクトンのようなラクトン成分の開環縮合によって形成されたポリエステル等を挙げることができる。これらの中でも、ジカルボン酸成分とジオール成分の縮合によって形成されたポリエステル重合体であるのが好ましい。特に、ジカルボン酸成分又はジオール成分または両方の成分に、共重合成分が5モル%未満のポリエステル系樹脂であることが好ましい。中でも、融点が比較的高いという観点から、ホモポリエステルであるのが好ましい。

上記ポリエステル重合体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリ−ε−カプロラクトン等のポリエステル系樹脂などを挙げることができる。

中でも、中間層の主成分樹脂をなすポリエステル重合体としては、熱特性を分析する示差走査熱量測定(JIS K7121およびJIS K7122に記載されている方法に基づき)により、求められる融解熱量が15J/gより大きいポリエステル重合体、言い換えれば結晶性を有するものが好ましい。 融解熱量は、示差走査熱量測定により、30℃から300℃まで10℃/分で昇温させた際の昇温過程における融解ピーク面積から算出することができる。

(ポリエステル共重合体) 中間層の主成分樹脂として、必要に応じてポリエステル共重合体を用いてもよい。 当該ポリエステル共重合体としては、ジカルボン酸成分とジオール成分の縮合によって形成されたポリエステル、乳酸のようなヒドロキシカルボン酸成分の縮合によって形成されたポリエステル、ε−カプロラクトンのようなラクトン成分の開環縮合によって形成されたポリエステル等を挙げることができる。更には、これらの異なる縮合様式が併用されたポリエステルであってもよい。これらの中でも、ジカルボン酸成分とジオール成分の縮合によって形成されたポリエステルが好ましい。 なお、ヒドロキシカルボン酸やラクトンの縮合によって形成されるポリエステルの場合は、2種以上の原料を併用することによってポリエステル共重合体とすることができる。また、異なる縮合様式を併用して形成されたポリエステルであれば、自ずとポリエステル共重合体となる。

ポリエステル共重合体における共重合成分の含有割合は、50モル%以下であることが好ましい。中でも、共重合成分の含有割合は1モル%以上或いは40モル%以下、その中でも3モル%以上或いは30モル%以下、その中でも5モル%以上であるのがさらに好ましい。 ここで、「共重合成分の含有割合」とは、ポリエステル共重合体における「主成分以外の成分」の含有割合の合計を意味し、「主成分」とは最も多い成分をいう。

上記ポリエステル共重合体は、機械的強度の向上、および光学異方性(リターデーション)をより下げる観点から、ジカルボン酸成分又はジオール成分または両方の成分に、50モル%以下の共重合成分を含むポリエステル共重合体であるのが好ましい。 中でも、上記ポリエステル共重合体は、ジカルボン酸成分又はジオール成分または両方の成分に、1モル%以上或いは40モル%以下、その中でも5モル%以上或いは30モル%以下の共重合成分を含むポリエステル共重合体であるのがさらに好ましい。

上記ポリエステル共重合体のジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等を挙げることができる。これらは、一種でも二種以上であってもよい。ジカルボン酸成分として上記のうち2種以上を用いれば、ポリエステル共重合体とすることができる。また、ジカルボン酸成分として上記のうち1種のみを用いる場合は、後述するジオール成分を2種以上用いることにより、ポリエステル共重合体とすることができる。 ジカルボン酸成分における主成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が好ましく、中でもテレフタル酸又はナフタレンジカルボン酸が好ましい。

上記ポリエステル共重合体のジオール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングルコール、シクロヘキサンジメタノール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、メトキシポリアルキレングリコール、スピログリコール、イソソルビド、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等を挙げることができる。これらは、一種でも二種以上であってもよい。ジオール成分として上記のうち2種以上を用いれば、ポリエステル共重合体とすることができる。また、ジオール成分として上記のうち1種のみを用いる場合は、前述のジカルボン酸成分を2種以上用いることにより、ポリエステル共重合体とすることができる。 ジオール成分における主成分としては、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等が好ましく、中でもエチレングリコール又はシクロヘキサンジメタノールが好ましい。

上記ポリエステル共重合体の上記以外の共重合成分としては、酸成分では、例えばフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げることができる。 また、上記以外の共重合成分としてのアルコール成分としては、例えばグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール等の3官能以上の成分を用いてもよい。

上記ポリエステル共重合体の一例として、テレフタル酸又はイソフタル酸又はこれら両方を含むジカルボン酸成分と、エチレングリコール又は1,4−シクロヘキサンジメタノール又はこれら両方を含むジオール成分とを含むポリエステル共重合体を挙げることができる。 例えばポリエチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体やポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート・イソフタレート共重合体(PCTA)などに代表される酸成分としてイソフタル酸を有するポリエステル共重合体や、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート共重合体(PCTG)などに代表されるグリコール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを有するポリエステル共重合体、さらには、グリコール成分に脂環構造を有するポリエステル共重合体などを挙げることができる。 より具体的な一例として、テレフタル酸を主成分として含むジカルボン酸成分と、主成分としてエチレングリコール80〜60(モル比率)に対して1,4−シクロヘキサンジメタノール(「CHDM」)を20〜40(モル比率、合計100)含むグリコール成分とが重縮合してなるポリエステル共重合体、所謂「PETG」を挙げることができる。 なお、「主成分」とは最も多い成分をいう(他の場合も同様)。

なお、ホモポリエチレンテレフタレートであっても、その反応様式上、通常、数モル%以上のジエチレングリコール成分が必ず含まれている。本発明においては、ホモポリエチレンテレフタレートとして製造された場合であっても、ジエチレングリコール成分の含有割合が上記範囲である場合は、ポリエステル共重合体として扱うものとする。

中間層の主成分樹脂をなすポリエステル共重合体としては、結晶性が低く、プレス融着などの実用上頻繁に行われる熱加工を行っても、結晶化による白濁や融着不良を起こさないポリエステル共重合体、言い換えれば非晶性のものであるのが好ましい。具体的には、熱特性を分析する示差走査熱量測定(JIS K7121およびJIS K7122に記載されている方法に基づき)により、求められる融解熱量が0もしくは15J/g以下であるポリエステル共重合体が好ましい。

また、上記ポリエステル共重合体のガラス転移温度(Tg)は、耐熱性や生産性の観点から、20〜150℃であるのが好ましく、中でも40℃以上或いは140℃以下、その中でも60℃以上或いは130℃以下であるのが特に好ましい。 上記ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(JIS K7121およびJIS K7122に準拠)により、30℃から300℃まで10℃/分で昇温させた際の昇温過程において、ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度とする。

(その他の樹脂成分) 中間層は、主成分樹脂以外の樹脂を必要に応じて含有してもよい。前記樹脂の種類は特に限定されず、具体的にはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、主成分樹脂以外のポリエステル樹脂等を挙げることができる。中でも、主成分樹脂と相溶性を有する樹脂が好ましい。

(その他の成分) 中間層は実質的に粒子を含有しないことが好ましい。ここで言う実質的に含有しないとは、具体的には、粒子の含有量が150ppm以下を指す。フィルムをロール状に安定して巻き取るためには、表面層に粒子を添加すれば十分であるし、また、延伸の条件によっては粒子周囲にボイドが形成され、光透過性が低下するおそれがあるからである。

中間層は、紫外線吸収剤を含有してもよい。 その際、中間層における紫外線吸収剤の含有量は0.10〜10.0質量%の範囲であるのが好ましい。中間層における紫外線吸収剤の含有量が0.10質量%以上であれば、紫外線によりポリエステルフィルムが劣化することを抑制することができ、他方、当該含有量が10.0質量%以下であれば、表面に紫外線吸収剤がブリードアウトするのを抑制することができ、接着性が低下したり表面機能性が悪化したりするのを防ぐことができる。 かかる観点から、中間層における紫外線吸収剤の含有量は0.10〜10.0質量%の範囲であるのが好ましく、中でも0.1質量%以上或いは7.5質量%以下、その中でも0.1質量%以上或いは5.0質量%以下であるのがさらに好ましい。

紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、1,3,5−トリアジン系化合物、ベンゾオキサジノン系化合物等を挙げることができ、これら1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。色調を考慮した場合、黄色味が付きにくいベンゾオキサジノン系化合物が好適である。

(中間層の厚さ) 中間層の厚さは、7〜120μmであるのが好ましい。 中間層の厚さが7μm以上であれば、取扱い性の点から好ましく、120μm以下であれば、偏光板に組み込むことが容易であるから好ましい。 かかる観点から、前記中間層の厚さは7〜120μmであるのが好ましく、中でも12μm以上或いは95μm以下、その中でも15μm以上或いは70μm以下であるのがさらに好ましい。

(配向性) 中間層は、2軸延伸された層であって、配向性を有することが好ましい。 例えばポリエステル重合体を主成分樹脂とする中間層を2軸延伸することにより、強度及び寸法安定性を高めることができる。

<表層> 表層は、ポリエステル重合体を主成分樹脂とする層であるのが好ましい。 なお、表裏に位置する各表層の主成分樹脂は、互いに同じ樹脂であっても、異なる樹脂であってもよい。 ここで、「主成分樹脂」とは、表層を構成する樹脂のうち最も含有量の高い樹脂を示す。

表層の主成分樹脂をなすポリエステル重合体は、中間層の主成分樹脂をなすポリエステル重合体として上述したポリエステル重合体を用いることができる。但し、表層の主成分樹脂をなすポリエステル重合体と、中間層の主成分樹脂をなすポリエステル重合体は、同じ構造を備えたポリエステル重合体であっても、異なる構造を備えたポリエステル重合体であってもよい。但し、表層と中間層との密着性の観点からは、同じ構造を備えたポリエステル重合体であるのが好ましい。例えば表層の主成分樹脂も中間層の主成分樹脂もともにPETであるのが好ましい。

(その他の成分) 表層には、取り扱いを容易にするために、透明性を損なわない条件で粒子を含有させてもよい。 この際の粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。 粒子の粒径は、大き過ぎると、フィルムのヘーズが大きくなり透明性が低下する可能性があり、小さ過ぎると、表面粗度が小さくなりすぎてフィルムの取り扱いが困難になる可能性があるため、0.05μm〜5.0μmであるのが好ましく、中でも0.1μm以上或いは4.0μm以下、その中でも0.3μm以上或いは3.5μm以下であるのがさらに好ましい。 表層の粒子含有量は、多過ぎるとヘーズが大きくなる可能性があり、少な過ぎるとフィルムの取り扱いが困難になる可能性があるため、0.001〜30.0質量%であるのが好ましく、中でも0.01質量%以上或いは10.0質量%以下、その中でも0.1質量%以上或いは5.0質量%以下であるのがさらに好ましい。

(配向性) 表層は、2軸延伸された層であって、配向性を有することが好ましい。 例えばポリエステル重合体を主成分樹脂とする表層を2軸延伸することにより、強度及び寸法安定性を高めることができる。そして、2軸延伸によって配向性を有する表層を熱処理したとしても、無配向とはならない。

(表層の厚さ) 各表層の厚さはいずれも、積層ポリエステルフィルム全体の1〜10%であるのが好ましい。 各表層の厚さが十分に小さければ、透明性を損なうことなく含有させた粒子によって易滑性を付与することができる。一方、小さ過ぎると含有した粒子が脱落するなどの問題が生じる可能性がある。 かかる観点から、各表層の厚さは、積層ポリエステルフィルム全体の1〜10%であるのが好ましく、中でも2%以上或いは9%以下、その中でも3%以上或いは8%以下であるのがさらに好ましい。 また、同様の観点から、いずれの各表層も、厚さは0.2μm〜7.5μmであるのが好ましく、中でも0.4μm以上或いは6.8μm以下、その中でも0.6μm以上或いは6.0μm以下であるのがさらに好ましい。

<ハードコート層> 本偏光子保護フィルムは、画像表示装置の偏光素子が、取扱い時に傷がつかないよう硬度を付与する目的で、表裏一側又は両側の表層にハードコート層を積層してもよい。

当該ハードコート層は、使用される材料として特に限定するものではない。例えば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物等の硬化物を挙げることができる。これらのうち生産性及び硬度の両立の観点より、活性エネルギー線硬化性の(メタ)アクリレートを含む組成物の重合硬化物であることが特に好ましい。

活性エネルギー線硬化性の(メタ)アクリレートを含む組成物は特に限定されるものでない。例えば、公知の活性エネルギー線硬化性の単官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートを一種類以上混合したもの、活性エネルギー線硬化性ハードコート用樹脂材として市販されているもの、あるいはこれら以外に本実施形態の目的を損なわない範囲において、その他の成分をさらに添加したものを用いることができる。 活性エネルギー線硬化性の(メタ)アクリレートを含む組成物に含まれるその他の成分は特に限定されるものではない。例えば、無機又は有機の微粒子、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤等を挙げることができる。また、ウェットコーティング法において成膜後乾燥させる場合には、任意の量の溶媒を添加することができる。

ハードコート層の形成方法は、有機材料を用いた場合にはロールコート法、ダイコート法等の一般的なウェットコート法が採用される。形成されたハードコート層には必要に応じて加熱や紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射を施し、硬化反応を行うことができる。

<本偏光子保護フィルムの物性> 本偏光子保護フィルムは、強度及び寸法安定性が高いという観点から、2軸延伸フィルムであるのが好ましい。

(厚み) 本偏光子保護フィルムの厚みは20〜75μmであるのが好ましい。 本偏光子保護フィルムの厚みが20μm以上であれば、取扱い性の点から好ましく、75μm以下であれば、偏光板に組み込むことが容易であるから好ましい。 かかる観点から、本偏光子保護フィルムの厚みは20〜75μmであるのが好ましく、中でも25μm以上或いは70μm以下、その中でも38μm以上或いは60μm以下であるのがさらに好ましい。

(幅方向のリターデーション(Re)) 本発明の技術思想の特徴の一つについて、以下に説明する。 偏光子保護フィルムは虹ムラの発生を低減させるため、リターデーションを低くすることが知られていた。しかし、トリアセチルセルロール(TAC)などの超低リタデーションフィルムは、耐湿性が十分ないという課題を抱えていた。また、従来の偏光子保護フィルムは、トリアセチルセルロール(TAC)が一般的に用いられてきたが、透湿性、薄膜化などの観点からポリエステルに置き換えることが検討されてきた。そこで、ポリエステル、中でも2軸延伸ポリエステルフィルムを使用した偏光子保護フィルムについては、次の技術的特徴を備えているのが好ましいことが分かった。

本偏光子保護フィルムの幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値は10〜500nmの範囲内であるのが好ましい。なお、幅方向は機械方向に対する垂直方向を指す。 本偏光子保護フィルムの幅方向のリターデーション(Re)は、2軸延伸フィルムである点から10nm程度が下限であり、また、500nm以下であれば虹ムラの発生を抑制できることから好ましい。 かかる観点から、本偏光子保護フィルムの幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値は10〜500nmの範囲内であるのが好ましく、中でも15nm以上或いは450nm以下の範囲内、その中でも20nm以上或いは400nm以下の範囲内であるのがさらに好ましい。 本偏光子保護フィルムの幅方向のリターデーション(Re)を上記範囲に調性するためには、例えば、中間層及び表層の主成分樹脂をともにポリエステル重合体とし、機械方向に3.0〜4.0倍×横方向に3.5〜4.5倍の二軸延伸を行った後、150〜230℃で熱処理を行うのが好ましい。但し、かかる方法に限定するものではない。

本偏光子保護フィルムの幅方向のリターデーション(Re)の変化量(「偏差」ともいう)は10〜400nm/mであるのが好ましい。 本偏光子保護フィルムの幅方向のリターデーション(Re)の変化量は、2軸延伸フィルムである点から10nm/m程度が下限であり、400nm/m以下であれば、大画面化に対応した幅広のフィルムにおいて平面内のレターデーションが安定しており、着色の発生を抑制することができることから好ましい。 かかる観点から、本偏光子保護フィルムの幅方向のリターデーション(Re)の変化量は10〜400nm/mであるのが好ましく、中でも15nm/m以上或いは350nm/m以下、その中でも20nm/m以上或いは300nm/m以下であるのがさらに好ましい。 本偏光子保護フィルムの幅方向のリターデーション(Re)の変化量を上記範囲に調性するためには、例えば、中間層及び表層の主成分樹脂をともにポリエステル重合体とし、機械方向に3.0〜4.0倍、幅方向に3.5〜4.5倍の二軸延伸を行った後、150〜230℃で熱処理を行うのが好ましい。但し、かかる方法に限定するものではない。

本偏光子保護フィルムは、幅方向のリターデーション(Re)が10〜300nmである範囲の面積が、フィルム幅方向全体の面積の50%以上であるのが好ましく、中でも55%以上、その中でも60%以上であるのが好ましい。 幅方向のリターデーション(Re)が10〜300nmである範囲の面積が、フィルム幅方向全体の面積の50%以上或いはそれ以上であれば、大画面化に対応した幅広のフィルムにおいて平面内のレターデーションが安定しており、着色の発生を抑制することができることであるから好ましい。

さらに、本偏光子保護フィルムは、幅方向のリターデーション(Re)が10〜400nmである範囲の面積が、フィルム幅方向全体の面積の75%以上であるのが好ましく、中でも77%以上、その中でも80%以上であるのが好ましい。 幅方向のリターデーション(Re)が10〜400nmである範囲の面積が、フィルム幅方向全体の面積の75%以上或いはそれ以上であれば、大画面化に対応した幅広のフィルムにおいて平面内のレターデーションが安定しており、着色の発生を抑制することができることであるから好ましい。

このように幅方向のリターデーション(Re)が10〜300nmである範囲の面積の割合、若しくは、幅方向のリターデーション(Re)が10〜400nmである範囲の面積の割合を上記のように高めるには、例えば、中間層及び表層の主成分樹脂をともにポリエステル重合体とし、機械方向に3.0〜4.0倍、幅方向に3.5〜4.5倍の二軸延伸を行った後、150〜230℃で熱処理を行うことによって、フィルム全体のリターデーション(Re)を下げた上で、比較的リターデーション(Re)の高い両端部分を適宜幅に渡って切除するようにすればよい。但し、この方法に限定するものではない。

本偏光子保護フィルムは、150℃、30分の長手方向(MD)及び幅方向(TD)のいずれの加熱収縮率(%)も6.5%以上であるのが好ましく、中でも6.8%以上、その中でも7.0%以上であるのがさらに好ましい。 150℃、30分の加熱収縮率が6.5%以上である延伸処方を採用することで、比較的リターデーション(Re)が高くなってしまう両端部分のリターデーション(Re)を低くすることができ、フィルム幅方向の歩留りが向上して、十分な生産性を確保することができるため好ましい。

本偏光子保護フィルムは、40℃、90%RHにおける透湿度が5〜50g/m2/dayであるのが好ましく、中でも8g/m2/day以上或いは47g/m2/day以下、その中でも10g/m2/day以上或いは45g/m2/da以下であるのがさらに好ましい。 40℃、90%RHにおける透湿度が上記範囲であれば、湿度による偏光特性の変化を防ぐことができるから、好ましい。 本偏光子保護フィルムの上記透湿度を上記範囲に調性するためには、例えば中間層及び表層の主成分樹脂をともにポリエステル重合体とし、機械方向に3.0〜4.0倍、幅方向に3.5〜4.5倍の二軸延伸を行った後、150〜230℃で熱処理を行うようにすればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。

本偏光子保護フィルムは、JIS K7141−2(2006年)に基づいて測定した結晶融解エンタルピー(ΔHm)が33.0〜43.0J/gであるのが好ましい。 本偏光子保護フィルムにおける上記結晶融解エンタルピー(ΔHm)が33.0J/g以上であれば、フィルム強度や耐熱性の問題を解消することができるから好ましく、43.0J/g以下であれば虹ムラが見えにくくなるから好ましい。 かかる観点から、本偏光子保護フィルムは、JIS K7141−2(2006年)に基づいて測定した結晶融解エンタルピー(ΔHm)が33.0〜43.0J/gであるのが好ましく、中でも35.0J/g以上或いは42.5J/g以下、その中でも37.0J/g以上或いは42.0J/g以下であるのがさらに好ましい。 本偏光子保護フィルムにおいて、結晶融解エンタルピー(ΔHm)を上記範囲に調性するためには、例えば中間層及び表層の主成分樹脂をともにポリエステル重合体とし、機械方向に3.0〜4.0倍、幅方向に3.5〜4.5倍の二軸延伸を行った後、150〜230℃で熱処理を行うようにすればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。

<本偏光子保護フィルムの製造方法> 次に、本偏光子保護フィルムの製造方法の一例について説明する。但し、本偏光子保護フィルムの製造方法が次に説明する製造方法に限定されるものではない。

中間層を形成するための中間層形成原料組成物と、表側表層を形成するための表側表層形成原料組成物と、裏側表層を形成するための裏側表層形成原料組成物とを、共押出し法によって3層に共押出し、次に延伸し、熱処理して、本偏光子保護フィルムを作製することができる。

具体的には、例えば、上記原料をそれぞれ溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱溶融し、次に、溶融したポリマーをダイから3層に押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移点以下の温度になるように急固化し、未配向積層シートを得るようにすればよい。

次に、このようにして得られた未延伸シートを2軸方向に延伸すればよい。 この際、前記未延伸シートを好ましくは機械方向(縦方向)に80〜130℃で3.0〜4.0倍に延伸して縦1軸延伸フィルムとした後、幅方向(横方向)に90〜160℃で3.5〜4.5倍延伸を行うのが好ましい。 通常、ポリエステルフィルムの2軸延伸では、縦方向に2.5〜3.5倍、横方向に3.5〜6.0倍の二軸延伸を行うのが一般的である。これに対し、上記のように、縦方向に3.0〜4.0倍、横方向に3.5〜4.5倍の二軸延伸を行うことにより、ボーイングによって、幅方向のリターデーション(Re)の下限値、すなわち幅方向中央部のリターデーション(Re)をより一層低くすることができる。

そして次に、150〜230℃、中でも155℃以上或いは225℃以下、その中でも160℃以上或いは220℃以下の温度領域を5〜60秒間保持するように、フィルムの熱処理を行うのが好ましい。 このように150〜230℃で熱処理することにより、幅方向両端のリターデーション(Re)を低くすることができ、フィルム全体のリターデーション(Re)をより一層低くすることができる。

さらに、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩するのが好ましい。

なお、上記のようにハードコート層を設ける場合は、インラインコーティング或いはオフラインコーティングにより形成すればよい。 インラインコーティングの場合であれば、上記のように縦延伸後、ハードコート層をコーティングして、横延伸すればよい。 他方、オフラインコーティングの場合であれば、上記のように、熱処理した後、ハードコート層をコーティングすればよい。

さらに、上記のように形成した本偏光子保護フィルムの幅方向両端を適宜幅切除することにより、フィルム全体のリターデーション(Re)をより一層低くすることができる。すなわち、ボーイングによって、幅方向中央部のリターデーション(Re)に比べて、幅方向両端のリターデーション(Re)は高くなるため、幅方向両端を適宜幅切除することにより、フィルム全体のリターデーション(Re)をより一層低くすることができる。

本偏光子保護フィルムは、上述のような連続工程で長尺に形成されるフィルムを捲回して、例えば幅1.0m以上のフィルムロールとして製造することができる。 また、上述のような連続工程で長尺に形成されるフィルムを、一定の長さ毎にカットして、例えば一辺が0.4〜2.5mの矩形状を呈する枚葉フィルムとして製造することもできる。

<本偏光子保護フィルムの用途> 本偏光子保護フィルムは、例えばテレビ、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、携帯電話等の画像表示装置を構成する偏光板の構成材料として好適に使用することができる。例えば、本偏光子保護フィルム/偏光膜/本偏光子保護フィルム、又は、本偏光子保護フィルム/偏光膜/位相差フィルムなどのように積層として偏光板を構成することができる。

そしてこのような偏光板を用いて画像表示装置を構成することができる。中でも、本偏光子保護フィルムは、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有するバックライト光源を備えた画像表示装置、その中でも、画面の面積が0.25〜3.0m2である画像表示装置に用いるのが特に好ましい。

虹ムラは、偏光子を通ってきた透過光が楕円偏光を帯びた光線となり、フィルムを通過する間に複屈折の影響を受けて、斜め方向での光路差が生じるために生じるものと推測される。 従来のバックライト光源の発光スペクトルは、連続的で幅広い形状である。従来の偏光子保護フィルムとして、リターデーションの高いフィルムは、透過光による干渉スペクトルの形状と、バックライト光源のスペクトルと相似した形になるため、虹ムラが発生しないと考えられている。 しかしながら、本発明におけるバックライト光源の発光スペクトルは、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域に鋭いピークトップを有する。前記各波長領域において透過光の強度が大きく異なるため、従来の偏光子保護フィルムでは、透過光による干渉スペクトルの形状と、バックライト光源のスペクトルと相似した形になりにくく、虹ムラが発生するようになったと考えられる。

本偏光子保護フィルムは、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であることによって、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有するバックライト光源を備えた画像表示装置に用いる偏光子保護フィルムとして使用すると、虹ムラの発生を効果的に解消することができる。 この際、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有するバックライト光源としては、コロイド状量子ドット(「QD」とも称する)技術を利用したQDLEDや、Mn4+付活K2SiF6の蛍光体(「KSF蛍光体」とも称する)を用いたバックライト光源を挙げることができる。ただし、これらに限定するものではない。

よって、本偏光子保護フィルムを用いた画像表示装置として、少なくとも偏光子、偏光子保護フィルム、およびバックライト光源を備えた画像表示装置であり、 前記バックライト光源として、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有する光源を備え、 前記偏光子保護フィルムとして、ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、幅方向のリターデーション(Re)の変化量(「偏差」ともいう)が10〜400nm/mである偏光子保護フィルムを備えることを特徴とする画像表示装置を提供することができる。

また、本偏光子保護フィルムを用いた画像表示装置として、少なくとも偏光子、偏光子保護フィルム、およびバックライト光源を備えた画像表示装置であり、 前記バックライト光源として、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有する光源を備え、 前記偏光子保護フィルムとして、ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、150℃、30分の長手方向(MD)及び幅方向(TD)のいずれの加熱収縮率(%)も6.5%以上である偏光子保護フィルムを備えることを特徴とする画像表示装置を提供することができる。

<語句の説明> 本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。 また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。

以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいてさらに詳述する。

(1) ヘーズ、全光線透過率の測定 JIS−K7136に準じ、日本電色工業製濁度計NDH−300Aによりフィルムのヘーズ及び全光線透過率を測定した。

(2)加熱収縮率 JIS C 2318−1997 5.3.4(寸法変化)に準拠し、150℃、30分の長手方向(MD)、幅方向(TD)の加熱収縮率(%)を測定した。

(3)リターデーション、リターデーションの偏差 王子計測機器(株)製 位相差測定装置(KOBRA−21ADH)を用いた。フィルム幅方向における中央部から、フィルム幅方向に10cmの間隔で、3.5cm×3.5cmでサンプルを切り出し、フィルム幅方向が本測定装置にて定義されている角度が0°となるように装置に設置し、入射角0°設定における波長590nmの幅方向のリターデーション(Re)を測定した。 各フィルムサンプルより得られたリターデーションの最大値と最小値の差を算出し、最大値および最小値を得たフィルムサンプルにおける位置の幅方向の距離(m)でその差を除算したものを「幅方向のリターデーション(Re)の変化量(ΔRe)」(表中の「リターデーションの偏差」)として算出した。

(4)結晶融解エンタルピー(ΔHm) 示差走査熱量測定装置((株)パーキンエルマー、商品名:DSC8500)を用いて、JIS K7121−2(2006年)に則り、積層ポリエステルフィルム(サンプル)の結晶融解エンタルピーを測定した。 サンプルはJIS K7121、3(2)にしたがって調製し、用いた。結晶融解エンタルピーは30℃から300℃まで10℃/分で昇温する過程にて観測される結晶融解ピークの面積より算出し、昇温中に結晶化ピークが見られる場合はその面積を差し引いた値を融解エンタルピーとした。

(5)結晶化度 結晶化度については、フィルムの密度から算出した。すなわち、フィルムの密度をX(g/cm3)とし、結晶化度0%での密度を1.335g/cm3、結晶化度100%での密度を1.455g/cm3とし、下記計算式より結晶化度(%)を導出した。 結晶化度=(X−1.335)/(1.455−1.335)×100 なお、密度の測定は、JIS K7112に準じて測定を行った。

(6)透湿度 Lyssy社製 L80−5000型蒸気透過度計を用いて、JIS K7129の「プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法)」に準拠する方法により、40℃、90%RHにおける透湿度を測定した。

(7)380nm光線透過率 分光光度計(日立製作所製、U−3310型)を用い、空気層を標準として波長300〜500nm領域の光線透過率を測定して、波長380nmにおける光線透過率を求めた。

(8)虹ムラの評価 偏光板の片側に、実施例・比較例で得た積層ポリエステルフィルム(サンプル)を、偏光板の吸収軸とフィルムの配向主軸が垂直になるように貼り付け、ポリエステルフィルムが最外面になるようにバックライト上に設置した。この際、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有する3波長の冷陰極管(CCFL)タイプのバックライトを用いた。 そして、ポリエステルフィルムを正面および斜め45度の角度から観察し、それぞれのサンプルの外観について下記により評価をおこなった。 ◎(very good):虹斑の発生無し。 ○( good ) :極薄い虹斑が観察できる。 ×( poor ) :明確に虹斑が観察できる。

なお、QDLEDやKSF蛍光体などのバックライト光源は、3波長の冷陰極管(CCFL)タイプのバックライト光源と同様に鋭いピークトップを有することから、3波長の冷陰極管(CCFL)タイプのバックライト光源を使用した場合の虹ムラ評価は、QDLEDやKSF蛍光体などのバックライト光源を使用した場合の虹ムラ評価の代替評価として理解することができる。

[原料] ・PET−A:ホモポリエチレンテレフタレート、融解熱量(JIS K7121)29.6J/g、融点245℃、ガラス転移温度79℃ ・PET−B:ホモポリエチレンテレフタレートに、平均粒径3μmのシリカ粒子を0.7質量%配合したマスターバッチ ・PET−C:ホモポリエチレンテレフタレートに、紫外線吸収剤(サンケミカル社製、サイアソーブ3638F)を10質量%配合したマスターバッチ

[実施例1] 表層として、PET−Aを88質量%、PET−Bを12質量%の割合で混合した原料を用いた。 中間層として、PET−Aを92質量%、PET−Cを8質量%の割合で混合した原料を用いた。

表層および中間層の原料をそれぞれ別個の溶融押出機により、それぞれの押出温度は280℃で共押出をして、25℃に冷却したキャスティングドラム上で冷却固化させることで、2種3層(表層/中間層/表層)の無配向シートを得た。 次いで、ロール延伸機で機械方向に88℃で3.6倍に延伸した後、更にテンター内にて90℃で予熱した後に、幅方向に120℃で3.8倍に延伸した。最後に170℃で熱処理を行い、厚みが50μm(各表層:2.5μm、中間層:45μm)の積層ポリエステルフィルム(サンプル)を得た。評価結果を表2に示す。

[実施例2及び比較例1〜2] 下記表1に記載の組成および製造条件で行った以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示す。

[比較例3] TAC(トリアセチレンセルロース)フィルムを用いた以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示す。

[参考例1] 市販品のポリエステルフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示す。

(考察) 上記実施例及び比較例、さらには発明者がこれまで行ってきた試験結果から、ポリエステルを主成分樹脂とする層を有する延伸フィルムからなり、幅方向のリターデーション(Re)の最小値及び最大値が10〜500nmの範囲内であり、且つ、幅方向のリターデーション(Re)の変化量(偏差)が10〜400nm/mであるか、若しくは、150℃、30分の長手方向(MD)及び幅方向(TD)のいずれの加熱収縮率(%)も6.5%以上である偏光子保護フィルムは、コロイド状量子ドット(「QD」とも称する)技術を利用したQDLEDや、Mn4+付活K2SiF6の蛍光体(「KSF蛍光体」とも称する)をバックライト光源と組みわせて使用する場合であっても、虹ムラの発生を効果的に抑えることができることが分かってきた。

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