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液晶表示素子

阅读:917发布:2021-04-12

专利汇可以提供液晶表示素子专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有する 液晶 表示素子を提供する。 【解決手段】本発明の液晶表示素子1は、第1 基板 と第2基板の間に液晶層を備え、第1基板上に第1電極部40を備え、第1電極部は、少なくとも1つの基本電極部41を備え、基本電極部は、第1基本電極部42と第2基本電極部43を備え、第1基本電極部は、基 板面 に沿った第1方向Xに延在し、第1方向Xに直交する第2方向Yに離間した一対の第1導電部42Aを備え、第2基本電極部は、第1基本電極部の開口部OPの近傍から第1方向Xに延在する第3導電部43Aを備え、液晶層に含まれる液晶組成物は、第一成分として式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する。 【選択図】図3,下面是液晶表示素子专利的具体信息内容。

対向する第1基板と第2基板の間に液晶層を備え、 前記第1基板上に第1電極部を備え、 前記第1電極部は、少なくとも1つの基本電極部を備え、 前記基本電極部は、第1基本電極部と第2基本電極部を備え、 前記第1基本電極部は、 基板面に沿った第1方向に延在し、第1方向に直交する第2方向に離間した一対の第1導電部を備え、 前記第2基本電極部は、前記第1基本電極部の開口部の近傍から第1方向に延在する第3導電部を備え、 前記液晶層に含まれる液晶組成物は、第一成分として式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する液晶表示素子。 式(1)において、R1及びR2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は少なくとも1つの素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環A及び環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、又は2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Z1は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、又はカルボニルオキシであり;aは、1、2、又は3である。前記第1基本電極部は、前記一対の第1導電部のそれぞれの一端に対して接続された一対の他端を有し、前記第1導電部の延在方向とは反対方向に屈曲部を有するくの字形状の第2導電部を備えている請求項1に記載の液晶表示素子。前記第1電極部は、第1方向に複数の前記基本電極部を備え、 第1方向の任意の隣り合う前記基本電極部は、前記第2導電部の前記屈曲部と前記第3導電部の他端で接続されている請求項2に記載の液晶表示素子。前記第1電極部は、第2方向に複数の前記基本電極部を備え、 第2方向の任意の隣り合う前記基本電極部は、前記一対の第1導電部のうち前記基本電極部の間に位置することになる前記第1導電部を共有している請求項2又は請求項3に記載の液晶表示素子。末端に配置された前記第1基本電極部が、前記第2導電部の前記屈曲部から第1方向とは反対方向に延在する第4導電部を更に備えている請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の液晶表示素子。末端に配置された前記第2基本電極部の第1方向に設けられ、前記第2導電部の前記屈曲部が、末端に配置された前記第2基本電極部の前記第3導電部の他端に接続された前記第1基本電極部を更に備えている請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の液晶表示素子。絶縁層を介して前記第1電極部よりも第1基板側に設けられたベタ電極の第2電極部を備え、 前記第1電極部及び前記第2電極部の一方が画素電極であり、もう一方が共通電極である請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の液晶表示素子。対向する第1基板と第2基板の間に液晶層と、 前記第1基板上に設けられ、少なくとも1つの第1基本電極部を有する第1電極部と、 前記第1基板上に設けられ、少なくとも1つの第2基本電極部を有する第2電極部と、を備え、 前記第1基本電極部は、 基板面に沿った第1方向に延在し、第1方向に直交する第2方向に離間した一対の第1導電部を備え、 前記第2基本電極部は、前記第1基本電極部の開口部の近傍から第1方向に延在する第3導電部を備え、 前記液晶層に含まれる液晶組成物は、第一成分として式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する液晶表示素子。 式(1)において、R1及びR2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環A及び環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、又は2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Z1は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、又はカルボニルオキシであり;aは、1、2、又は3である。前記第1基本電極部は、前記一対の第1導電部のそれぞれの一端に対して接続された一対の他端を有し、第1方向とは反対方向に屈曲部を有するくの字形状の第2導電部を備えている請求項8に記載の液晶表示素子。前記第1電極部は、第2方向に複数の前記第1基本電極部を備え、 前記第2電極部は、第2方向に前記第1基本電極部に対応する複数の前記第2基本電極部を備え、 第2方向の任意の隣り合う前記第1基本電極部は、前記一対の第1導電部のうち前記第1基本電極部の間に位置することになる前記第1導電部を共有している請求項9に記載の液晶表示素子。前記第2基本電極部は、付加電極部を備え、 前記付加電極部は、 前記第3導電部の第1方向側に設けられ、第2方向に離間した一対の第4導電部と、 前記一対の第4導電部のそれぞれの一端に対して接続された一対の他端を有し、第1方向とは反対方向に前記第3導電部の他端が接続される屈曲部を有するくの字形状の第5導電部と、を備え、 前記付加電極部が、第2方向に複数ある場合、第2方向の任意の隣り合う前記付加電極部は、前記一対の第4導電部のうち前記付加電極部の間に位置することになる前記第4導電部を共有している請求項9又は請求項10に記載の液晶表示素子。前記第1基本電極部は、前記第2導電部の前記屈曲部から第1方向とは反対方向に延在する第6導電部を備えている請求項11に記載の液晶表示素子。前記第2基本電極部が間に位置するように前記第1基本電極部が第1方向に繰り返し設けられている請求項12に記載の液晶表示素子。前記第1電極部又は前記第2電極部の一方が画素電極であり、 前記第1電極部又は前記第2電極部の残る他方が共通電極である請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の液晶表示素子。第一成分として式(1−1)から式(1−13)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の液晶表示素子。 式(1−1)から式(1−13)において、R1及びR2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。第一成分の割合が10質量%から90質量%の範囲である請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の液晶表示素子。第二成分として式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の液晶表示素子。 式(2)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、又は炭素数2から12のアルケニルであり;環Cは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、又はテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;Z2は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、カルボニルオキシ、又はジフルオロメチレンオキシであり;X1及びX2は独立して、水素又はフッ素であり;Y1は、フッ素、塩素、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;bは、1、2、3、又は4である。第二成分として式(2−1)から式(2−35)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の液晶表示素子。 式(2−1)から式(2−35)において、R3は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、又は炭素数2から12のアルケニルである。第二成分の割合が10重量%から85重量%の範囲である請求項17又は請求項18に記載の液晶表示素子。第三成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有する請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の液晶表示素子。 式(3)において、R4及びR5は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は炭素数2から12のアルケニルオキシであり;環D及び環Fは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられたナフタレン−2,6−ジイル、クロマン−2,6−ジイル、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられたクロマン−2,6−ジイルであり;環Eは、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイル、3,4,5,6−テトラフルオロフルオレン−2,7−ジイル、4,6−ジフルオロジベンゾフラン−3,7−ジイル、4,6−ジフルオロジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、又は1,1,6,7−テトラフルオロインダン−2,5−ジイルであり;Z3及びZ4は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、又はカルボニルオキシであり;cは、0、1、2、又は3であり、dは、0又は1であり、そしてc及びdの和は、3以下である。第三成分として式(3−1)から式(3−35)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の液晶表示素子。 式(3−1)から式(3−35)において、R4及びR5は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は炭素数2から12のアルケニルオキシである。第三成分の割合が10質量%から90質量%の範囲である請求項20又は請求項21に記載の液晶表示素子。

说明书全文

本発明は液晶表示素子に関する。

液晶表示素子において、液晶分子の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)、FFS(fringe field switching)、FPA(field-induced photo-reactive alignment)などのモードである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PMは、スタティック(static)、マルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMは、TFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)及び多結晶シリコン(polycrystal silicon)である。後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。

液晶表示素子はネマチック相を有する液晶組成物を含有する。この液晶組成物は適切な特性を有する。この液晶組成物の特性を向上させることによって、良好な特性を有するAM素子を得ることができる。これらの特性における関連を下記の表1にまとめる。液晶組成物の特性を市販されているAM素子に基づいて更に説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は約70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は約−10℃以下である。液晶組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はより好ましい。

液晶組成物の光学異方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子のモードに応じて、大きな光学異方性又は小さな光学異方性、すなわち適切な光学異方性が必要である。液晶組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn×d)は、コントラスト比を最大にするように設計される。積の適切な値は動作モードの種類に依存する。この値は、VAモードの素子では約0.30μmから約0.40μmの範囲であり、IPSモード又はFFSモードの素子では約0.20μmから約0.30μmの範囲である。これらの場合、小さなセルギャップの素子には大きな光学異方性を有する液晶組成物が好ましい。液晶組成物における大きな誘電率異方性は、素子における低いしきい値電圧、小さな消費電と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、大きな誘電率異方性が好ましい。液晶組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比とに寄与する。したがって、初期段階において大きな比抵抗を有する液晶組成物が好ましい。長時間使用したあと、大きな比抵抗を有する液晶組成物が好ましい。紫外線や熱に対する液晶組成物の安定性は、素子の寿命に関連する。この安定性が高いとき、素子の寿命は長い。このような特性は、液晶モニター、液晶テレビなどに用いるAM素子に好ましい。

TNモードを有するAM素子においては正の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。VAモードを有するAM素子においては負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。IPSモード又はFFSモードを有するAM素子においては正又は負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。また、高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型のAM素子においては正又は負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。

液晶表示素子において、横電界型としては、IPS(In−Plane−Switching)モード(IPS方式ともいう)やFFS(Fringe Field Switching)モード(FFS方式ともいう)等があり、横電界型は、縦電界型に比べ、視野の広さや開口率(1画素領域のうち表示に有効な領域の面積率)等の点で有利である。

IPS方式及びFFS方式は、どちらも横電界型に分類されるが、IPS方式では、一般に共通電極と画素電極が同じ層に形成されて横電界が形成されるのに対し、FFS方式では、共通電極と画素電極が絶縁膜を挟んで別の層に設けられ、上層側になる電極がスリット状とされ、正確には横電界と縦電界の両成分を含む斜め電界(フリンジ電界)になっている。

そして、FFS方式の液晶表示素子では、電極構造が複雑であるという問題があったため、特許文献1では、構成を複雑にすることなく開口率の高い明るい表示を実現するFFS方式の液晶表示素子が提案されている。

特開2008−52161号公報

ところで、液晶表示素子の性能改善は、電極構造だけでなく、上述のように液晶層に用いる液晶組成物を含め、改善の余地があり、依然として、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有する液晶表示素子が求められている。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有する液晶表示素子を提供することを目的とする。

本発明の液晶表示素子は、 対向する第1基板と第2基板の間に液晶層を備え、 第1基板上に第1電極部を備え、 第1電極部は、少なくとも1つの基本電極部を備え、 基本電極部は、第1基本電極部と第2基本電極部を備え、 第1基本電極部は、 基板面に沿った第1方向に延在し、第1方向に直交する第2方向に離間した一対の第1導電部を備え、 第2基本電極部は、第1基本電極部の開口部の近傍から第1方向に延在する第3導電部を備え、 液晶層に含まれる液晶組成物は、第一成分として式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する。 式(1)において、R1及びR2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は少なくとも1つの素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環A及び環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、又は2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Z1は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、又はカルボニルオキシであり;aは、1、2、又は3である。

また、本発明の別の液晶表示素子は、 対向する第1基板と第2基板の間に液晶層と、 第1基板上に設けられ、少なくとも1つの第1基本電極部を有する第1電極部と、 第1基板上に設けられ、少なくとも1つの第2基本電極部を有する第2電極部と、を備え、 第1基本電極部は、 基板面に沿った第1方向に延在し、第1方向に直交する第2方向に離間した一対の第1導電部を備え、 第2基本電極部は、第1基本電極部の開口部の近傍から第1方向に延在する第3導電部を備え、 液晶層に含まれる液晶組成物は、第一成分として式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する。 式(1)において、R1及びR2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環A及び環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、又は2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Z1は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、又はカルボニルオキシであり;aは、1、2、又は3である。

本発明によれば、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有する液晶表示素子を提供することができる。

本発明に係る第1実施形態の液晶表示素子の一部断面図である。

本発明に係る第1実施形態の液晶表示素子の電極構造を説明するための平面図である。

本発明に係る第1実施形態の第1電極部を示す平面図である。

本発明に係る第1実施形態の第1電極部の接続導電部の変形例を示す平面図である。

図3に対応する第1電極部の平面図であり、シミュレーションの結果を示す図7から図12のグラフに用いられているパラメータ等を説明するための図である。

図7から図9の応答時間の定義を説明するための図である。

本発明に係る第1実施形態の応答時間に関するシミュレーションの結果を示す第1グラフである。

本発明に係る第1実施形態の応答時間に関するシミュレーションの結果を示す第2グラフである。

本発明に係る第1実施形態の応答時間に関するシミュレーションの結果を示す第3グラフである。

本発明に係る第1実施形態の透過率に関するシミュレーションの結果を示す第1グラフである。

本発明に係る第1実施形態の透過率に関するシミュレーションの結果を示す第2グラフである。

本発明に係る第1実施形態の透過率に関するシミュレーションの結果を示す第3グラフである。

比較用の従来のFFS方式の画素電極の一例を示す図である。

本発明に係る第1実施形態の変形例である画素電極の例を示す図である。

本発明に係る第1実施形態の第1電極部と第2電極部の間に電位差を発生させ、フリンジ電界を発生させたときの液晶分子の状態を説明するための図である。

本発明に係る第2実施形態の液晶表示素子の一部断面図である。

本発明に係る第2実施形態の液晶表示素子の電極構造を説明するための平面図である。

本発明に係る第2実施形態の第1電極部を複数の画素領域ごとの単位又は全画素領域の単位で設けた場合を模式的に示す平面図である。

本発明に係る第3実施形態の液晶表示素子の電極構造を説明するための平面図である。

以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。 なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。

(液晶組成物) 本発明の液晶表示素子の液晶層に含まれる液晶組成物について説明する。 なお、この明細書における用語の使い方は次のとおりである。「液晶組成物」及び「液晶表示素子」の用語をそれぞれ「組成物」及び「素子」と略すことがある。「液晶表示素子」は液晶表示パネル及び液晶表示モジュールの総称である。「液晶性化合物」は、ネマチック相、スメクチック相のような液晶相を有する化合物及び液晶相を有しないが、ネマチック相の温度範囲、粘度、誘電率異方性のような特性を調節する目的で組成物に混合される化合物の総称である。この化合物は、例えば1,4−シクロヘキシレンや1,4−フェニレンのような六員環を有し、その分子(液晶分子)は棒状(rod like)である。「重合性化合物」は、組成物中に重合体を生成させる目的で添加する化合物である。アルケニルを有する液晶性化合物は、その意味では重合性化合物に分類されない。

液晶組成物は、複数の液晶性化合物を混合することによって調製される。この液晶組成物に、光学活性化合物や重合性化合物のような添加物が必要に応じて添加される。液晶性化合物の割合は、添加物を添加した場合であっても、添加物を含まない液晶組成物の質量に基づいた質量百分率(質量%)で表される。添加物の割合は、添加物を含まない液晶組成物の質量に基づいた質量百分率(質量%)で表される。すなわち、液晶性化合物や添加物の割合は、液晶性化合物の全質量に基づいて算出される。

「ネマチック相の上限温度」を「上限温度」と略すことがある。「ネマチック相の下限温度」を「下限温度」と略すことがある。「誘電率異方性を上げる」の表現は、誘電率異方性が正である組成物のときは、その値が正に増加することを意味し、誘電率異方性が負である組成物のときは、その値が負に増加することを意味する。「電圧保持率が大きい」は、素子が初期段階において室温だけでなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を有し、そして長時間使用したあと室温だけでなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を有することを意味する。組成物や素子の特性が経時変化試験によって検討されることがある。

上記の化合物(1z)を例にして説明する。式(1z)において、六角形で囲んだαおよびβの記号はそれぞれ環αおよび環βに対応し、六員環、縮合環のような環を表す。添え字‘x’が2のとき、2つの環αが存在する。2つの環αが表す2つの基は、同一であってもよく、または異なってもよい。このルールは、添え字‘x’が2より大きいとき、任意の2つの環αに適用される。このルールは、結合基Zのような、他の記号にも適用される。環βの一辺を横切る斜線は、環β上の任意の水素が置換基(−Sp−P)で置き換えられてもよいことを表す。添え字‘y’は置き換えられた置換基の数を示す。添え字‘y’が0のとき、そのような置き換えはない。添え字‘y’が2以上のとき、環β上には複数の置換基(−Sp−P)が存在する。この場合にも、「同一であってもよく、または異なってもよい」のルールが適用される。なお、このルールは、Raの記号を複数の化合物に用いた場合にも適用される。

式(1z)において、例えば、「RaおよびRbは、アルキル、アルコキシ、またはアルケニルである」のような表現は、RaおよびRbが独立して、アルキル、アルコキシ、およびアルケニルの群から選択されることを意味する。ここで、Raによって表される基とRbによって表される基が同一であってもよく、または異なってもよい。このルールは、Raの記号を複数の化合物に用いた場合にも適用される。このルールは、複数のRaを1つの化合物に用いた場合にも適用される。

式(1z)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を「化合物(1z)」と略すことがある。「化合物(1z)」は、式(1z)で表される1つの化合物、2つの化合物の混合物、または3つ以上の化合物の混合物を意味する。他の式で表される化合物についても同様である。「式(1z)および式(2z)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物」の表現は、化合物(1z)および化合物(2z)の群から選択された少なくとも1つの化合物を意味する。

「少なくとも1つの‘A’」の表現は、‘A’の数は任意であることを意味する。「少なくとも1つの‘A’は、‘B’で置き換えられてもよい」の表現は、‘A’の数が1つのとき、‘A’の位置は任意であり、‘A’の数が2つ以上のときも、それらの位置は制限なく選択できる。「少なくとも1つの−CH2−は−O−で置き換えられてもよい」の表現が使われることがある。この場合、−CH2−CH2−CH2−は、隣接しない−CH2−が−O−で置き換えられることによって−O−CH2−O−に変換されてもよい。しかしながら、隣接した−CH2−が−O−で置き換えられることはない。この置き換えでは−O−O−CH2−(ペルオキシド)が生成するからである。

液晶性化合物のアルキルは、直鎖状または分岐状であり、環状アルキルを含まない。直鎖状アルキルは、分岐状アルキルよりも好ましい。これらのことは、アルコキシ、アルケニルのような末端基についても同様である。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、上限温度を上げるためにシスよりもトランスが好ましい。2−フルオロ−1,4−フェニレンは左右非対称であるから、左向き(L)および右向き(R)が存在する。 テトラヒドロピラン−2,5−ジイルのような二価基においても同様である。なお、好ましいテトラヒドロピラン−2,5−ジイルは、上限温度を上げるために右向き(R)である。カルボニルオキシのような結合基(−COO−または−OCO−)も同様である。

本発明における液晶組成物を次の順で説明する。第一に、組成物における成分化合物の構成を説明する。第二に、成分化合物の主要な特性、及びこの化合物が組成物及び素子に及ぼす主要な効果を説明する。第三に、組成物における成分の組合せ、成分の好ましい割合及びその根拠を説明する。第四に、成分化合物の好ましい形態を説明する。第五に、好ましい成分化合物を示す。第六に、組成物に添加してもよい添加物を説明する。第七に、成分化合物の合成法を説明する。最後に、組成物の用途を説明する。

第一に、組成物の構成を説明する。この組成物は、複数の液晶性化合物を含有する。この組成物は、添加物を含有してもよい。添加物は、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消光剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物などである。この組成物は、液晶性化合物の観点から組成物Aと組成物Bに分類される。組成物Aは、化合物(1)、化合物(2)及び化合物(3)から選択された液晶性化合物の他に、その他の液晶性化合物、添加物などを更に含有してもよい。「その他の液晶性化合物」は、化合物(1)、化合物(2)及び化合物(3)とは異なる液晶性化合物である。このような化合物は、特性を更に調整する目的で組成物に混合される。

組成物Bは、実質的に化合物(1)、化合物(2)及び化合物(3)から選択された液晶性化合物のみからなる。「実質的に」は、組成物Bが添加物を含有してもよいが、その他の液晶性化合物を含有しないことを意味する。組成物Bは組成物Aに比較して成分の数が少ない。コストを下げるという観点から、組成物Bは組成物Aよりも好ましい。その他の液晶性化合物を混合することによって特性を更に調整できるという観点から、組成物Aは組成物Bよりも好ましい。

−第一成分− まず、組成物の第一成分について説明する。 本発明の液晶表示素子の液晶層に含まれる液晶組成物は、第一成分として式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有するものである。 式(1)において、R1及びR2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環A及び環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、又は2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Z1は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、又はカルボニルオキシであり;aは、1、2、又は3である。

第一成分として、式(1−1)から式(1−13)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有することが好ましい。 式(1−1)から式(1−13)において、R1及びR2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。

液晶組成物中の第一成分の割合は、10質量%から90質量%の範囲であることが好ましい。

−第二成分− 次に、第二成分について説明する。 本発明における液晶組成物は、第二成分として式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有してもよい。 式(2)において、R3は炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、又は炭素数2から12のアルケニルであり;環Cは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、又はテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;Z2は、単結合、エチレン、メチレンオキシ、カルボニルオキシ、又はジフルオロメチレンオキシであり;X1及びX2は独立して、水素又はフッ素であり;Y1は、フッ素、塩素、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;bは、1、2、3、又は4である。

第二成分として式(2−1)から式(2−35)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有することが好ましい。

式(2−1)から式(2−35)において、R3は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、又は炭素数2から12のアルケニルである。

液晶組成物中の第二成分の割合は、10重量%から85重量%の範囲であることが好ましい。

−第三成分− 次に、第三成分について説明する。 本発明における液晶組成物は、第三成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有してもよい。 式(3)において、R4及びR5は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は炭素数2から12のアルケニルオキシであり;環D及び環Fは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられたナフタレン−2,6−ジイル、クロマン−2,6−ジイル、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられたクロマン−2,6−ジイルであり;環Eは、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイル、3,4,5,6−テトラフルオロフルオレン−2,7−ジイル、4,6−ジフルオロジベンゾフラン−3,7−ジイル、4,6−ジフルオロジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、又は1,1,6,7−テトラフルオロインダン−2,5−ジイルであり;Z3及びZ4は、単結合、エチレン、メチレンオキシ、又はカルボニルオキシであり;cは、0、1、2、又は3であり、dは、0又は1であり、そしてc及びdの和は、3以下である。

第三成分として式(3−1)から式(3−35)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有することが好ましい。 式(3−1)から式(3−35)において、R4及びR5は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は炭素数2から12のアルケニルオキシである。

第三成分の割合は10質量%から90質量%の範囲であることが好ましい。

第二に、成分化合物の主要な特性、及びこの化合物が組成物や素子に及ぼす主要な効果を説明する。成分化合物の主要な特性を本発明の効果に基づいて表2にまとめる。表2の記号において、Lは大きい又は高い、Mは中程度の、Sは小さい又は低い、を意味する。記号L、M、Sは、成分化合物の間の定性的な比較に基づいた分類であり、0(ゼロ)は、Sよりも小さいことを意味する。

成分化合物の主要な効果は次のとおりである。化合物(1)は、粘度を下げる、又は上限温度を上げる。化合物(2)は誘電率異方性を上げる。化合物(3)は誘電率異方性を上げ、そして下限温度を下げる。

第三に、組成物における成分の組合せ、成分化合物の好ましい割合及びその根拠を説明する。組成物における成分の好ましい組合せは、化合物(1)+化合物(2)、化合物(1)+化合物(3)、又は化合物(1)+化合物(2)+化合物(3)である。更に好ましい組合せは、化合物(1)+化合物(2)又は化合物(1)+化合物(3)である。

化合物(1)の好ましい割合は、上限温度を上げるために、又は粘度を下げるために約10質量%以上であり、誘電率異方性を上げるために約90質量%以下である。更に好ましい割合は約20質量%から約80質量%の範囲である。特に好ましい割合は約30質量%から約70質量%の範囲である。

化合物(2)の好ましい割合は、誘電率異方性を上げるために約10質量%以上であり、下限温度を下げるために、又は粘度を下げるために約85質量%以下である。更に好ましい割合は約20質量%から約80質量%の範囲である。特に好ましい割合は約30質量%から約70質量%の範囲である。

化合物(3)の好ましい割合は、誘電率異方性を上げるために約10質量%以上であり、下限温度を下げるために約90質量%以下である。更に好ましい割合は約20質量%から約80質量%の範囲である。特に好ましい割合は約30質量%から約70質量%の範囲である。

第四に、成分化合物の好ましい形態を説明する。

式(1)、式(2)、及び式(3)において、R1及びR2は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。好ましいR1又はR2は、粘度を下げるために、炭素数2から12のアルケニルであり、安定性を上げるために炭素数1から12のアルキルである。R3は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、又は炭素数2から12のアルケニルである。好ましいR3は、安定性を上げるために炭素数1から12のアルキルである。R4及びR5は、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、又は炭素数2から12のアルケニルオキシである。好ましいR4又はR5は、安定性を上げるために炭素数1から12のアルキルであり、誘電率異方性を上げるために炭素数1から12のアルコキシである。

好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、又はオクチルである。更に好ましいアルキルは、粘度を下げるためにメチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチルである。

好ましいアルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、又はヘプチルオキシである。粘度を下げるために、更に好ましいアルコキシは、メトキシ又はエトキシである。

好ましいアルケニルは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、又は5−ヘキセニルである。更に好ましいアルケニルは、粘度を下げるためにビニル、1−プロペニル、3−ブテニル、又は3−ペンテニルである。これらのアルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。粘度を下げるためなどから1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランスが好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシスが好ましい。

好ましいアルケニルオキシは、ビニルオキシ、アリルオキシ、3−ブテニルオキシ、3−ペンテニルオキシ、又は4−ペンテニルオキシである。粘度を下げるために、更に好ましいアルケニルオキシは、アリルオキシ又は3−ブテニルオキシである。

少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられたアルキルの好ましい例は、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシル、7−フルオロヘプチル、又は8−フルオロオクチルである。更に好ましい例は、誘電率異方性を上げるために2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、又は5−フルオロペンチルである。

少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられたアルケニルの好ましい例は、2,2−ジフルオロビニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、4,4−ジフルオロ−3−ブテニル、5,5−ジフルオロ−4−ペンテニル、又は6,6−ジフルオロ−5−ヘキセニルである。更に好ましい例は、粘度を下げるために2,2−ジフルオロビニル又は4,4−ジフルオロ−3−ブテニルである。

環A及び環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、又は2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。好ましい環A又は環Bは、粘度を下げるために、又は上限温度を上げるために、1,4-シクロヘキシレンであり、下限温度を下げるために1,4−フェニレンである。

環Cは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、又はテトラヒドロピラン−2,5−ジイルである。好ましい環Cは、上限温度を上げるために1,4−シクロヘキシレンであり、光学異方性を上げるために1,4−フェニレンであり、誘電率異方性を上げるために2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。テトラヒドロピラン−2,5−ジイルは、 又は であり、好ましくは である。

環D及び環Fは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられたナフタレン−2,6−ジイル、クロマン−2,6−ジイル、又は少なくとも1つの水素がフッ素又は塩素で置き換えられたクロマン−2,6−ジイルである。テトラヒドロピラン−2,5−ジイルは、 又は であり、好ましくは である。

環Eは、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイル、3,4,5,6−テトラフルオロフルオレン−2,7−ジイル(FLF4)、4,6−ジフルオロジベンゾフラン−3,7−ジイル(DBFF2)、4,6−ジフルオロジベンゾチオフェン−3,7−ジイル(DBTF2)、又は1,1,6,7−テトラフルオロインダン−2,5−ジイル(InF4)である。 好ましい環Eは、粘度を下げるために2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、光学異方性を下げるために2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレンであり、誘電率異方性を上げるために7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイルである。

Z1は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、又はカルボニルオキシである。好ましいZ1は、粘度を下げるために単結合である。Z2は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、カルボニルオキシ、又はジフルオロメチレンオキシである。好ましいZ2は、粘度を下げるために単結合であり、誘電率異方性を上げるために、ジフルオロメチレンオキシである。Z3及びZ4は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、又はカルボニルオキシである。好ましいZ3又はZ4は、粘度を下げるために単結合であり、下限温度を下げるためにエチレンであり、誘電率異方性を上げるためにメチレンオキシである。

aは、1、2、又は3である。好ましいaは粘度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2又は3である。bは、1、2、3、又は4である。好ましいbは、誘電率異方性を上げるために2又は3である。cは、0、1、2、又は3であり、dは、0又は1であり、そしてc及びdの和は、3以下である。好ましいcは粘度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2又は3である。好ましいdは粘度を下げるために0であり、下限温度を下げるために1である。

第五に、好ましい成分化合物を説明する。 好ましい化合物(1)は、上記化合物(1−1)から化合物(1−13)である。これらの化合物において、第一成分の少なくとも1つが、化合物(1−1)、化合物(1−3)、化合物(1−5)、化合物(1−6)、又は化合物(1−8)であることが好ましい。第一成分の少なくとも2つが、化合物(1−1)及び化合物(1−3)、化合物(1−1)及び化合物(1−5)、又は化合物(1−1)及び化合物(1−6)の組合せであることが好ましい。

好ましい化合物(2)は、上記化合物(2−1)から化合物(2−35)である。これらの化合物において、第二成分の少なくとも1つが、化合物(2−4)、化合物(2−12)、化合物(2−14)、化合物(2−15)、化合物(2−17)、化合物(2−18)、化合物(2−23)、化合物(2−24)、化合物(2−27)、化合物(2−29)、又は化合物(2−30)であることが好ましい。第二成分の少なくとも2つが、化合物(2−12)及び化合物(2−15)、化合物(2−14)及び化合物(2−27)、化合物(2−18)及び化合物(2−24)、化合物(2−18)及び化合物(2−29)、化合物(2−24)及び化合物(2−29)、又は化合物(2−29)及び化合物(2−30)の組合せであることが好ましい。

好ましい化合物(3)は、上記化合物(3−1)から化合物(3−35)である。これらの化合物において、第三成分の少なくとも1つが、化合物(3−1)、化合物(3−3)、化合物(3−6)、化合物(3−8)、化合物(3−10)、化合物(3−14)、又は化合物(3−16)であることが好ましい。第三成分の少なくとも2つが、化合物(3−1)及び化合物(3−8)、化合物(3−1)及び化合物(3−14)、化合物(3−3)及び化合物(3−8)、化合物(3−3)及び化合物(3−14)、化合物(3−3)及び化合物(3−16)、化合物(3−6)及び化合物(3−8)、化合物(3−6)及び化合物(3−10)、化合物(3−6)及び化合物(3−16)、化合物(3−10)及び化合物(3−16)の組合せであることが好ましい。

第六に、組成物に添加してもよい添加物を説明する。このような添加物は、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消光剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物などである。液晶分子のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性化合物が組成物に添加される。このような化合物の例は、化合物(4−1)から化合物(4−5)である。光学活性化合物の好ましい割合は約5質量%以下である。更に好ましい割合は約0.01質量%から約2質量%の範囲である。

大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するために、又は素子を長時間使用したあと、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するために、化合物(5−1)から化合物(5−3)のような酸化防止剤を組成物に更に添加してもよい。

化合物(5−2)は、揮発性が小さいので、素子を長時間使用したあと、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するのに有効である。酸化防止剤の好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、又は下限温度を上げないように約600ppm以下である。更に好ましい割合は、約100ppmから約300ppmの範囲である。

紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、トリアゾール誘導体などである。立体障害のあるアミンのような光安定剤もまた好ましい。光安定剤の好ましい例は、化合物(6−1)から化合物(6−16)などである。これらの吸収剤や安定剤における好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、又は下限温度を上げないために約10000ppm以下である。更に好ましい割合は約100ppmから約10000ppmの範囲である。

消光剤は、液晶化合物が吸収した光エネルギーを受容し、熱エネルギーに変換することにより、液晶化合物の分解を防止する化合物である。消光剤の好ましい例は、化合物(7−1)から化合物(7−7)などである。これらの消光剤における好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、下限温度を上げないために約20000ppm以下である。更に好ましい割合は約100ppmから約10000ppmの範囲である。

GH(guest host)モードの素子に適合させるために、アゾ系色素、アントラキノン系色素などのような二色性色素(dichroic dye)が組成物に添加される。色素の好ましい割合は、約0.01質量%から約10質量%の範囲である。泡立ちを防ぐために、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどの消泡剤が組成物に添加される。消泡剤の好ましい割合は、その効果を得るために約1ppm以上であり、表示不良を防ぐために約1000ppm以下である。更に好ましい割合は、約1ppmから約500ppmの範囲である。

高分子支持配向(PSA)型の素子に適合させるために重合性化合物が用いられるこのような重合性化合物の好ましい例は、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニルエーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オキセタン)、ビニルケトンなどの化合物である。更に好ましい例は、アクリレート又はメタクリレートの誘導体である。化合物(4)の好ましい割合は、重合性化合物の全質量に基づいて10質量%以上である。更に好ましい割合は、50質量%以上である。特に好ましい割合は、80質量%以上である。最も好ましい割合は、100質量%である。

重合性化合物は紫外線照射により重合する。光重合開始剤などの適切な開始剤存在下で重合させてもよい。重合のための適切な条件、開始剤の適切なタイプ、及び適切な量は、当業者には既知であり、文献に記載されている。例えば光開始剤であるIrgacure651(登録商標、BASF製)、Irgacure184(登録商標、BASF製)、又はDarocur1173(登録商標、BASF製)がラジカル重合に対して適切である。光重合開始剤の好ましい割合は、重合性化合物の全質量に基づいて約0.1質量%から約5質量%の範囲である。更に好ましい割合は約1質量%から約3質量%の範囲である。

重合性化合物を保管するとき、重合を防止するために重合禁止剤を添加してもよい。重合性化合物は、通常は重合禁止剤を除去しないまま組成物に添加される。重合禁止剤の例は、ヒドロキノン、メチルヒドロキノンのようなヒドロキノン誘導体、4−t−ブチルカテコール、4-メトキシフェノール、フェノチアジンなどである。

極性化合物は、極性をもつ有機化合物である。ここでは、イオン結合を有する化合物は含まれない。酸素、硫黄、及び窒素のような原子は、より電気的に陰性であり、部分的な負電荷をもつ傾向にある。炭素及び水素は中性であるか、又は部分的な正電荷をもつ傾向がある。極性は、化合物中の別種の原子間で部分電荷が均等に分布しないことから生じる。例えば、極性化合物は、−OH、−COOH、−SH、−NH2、>NH、>N−のような部分構造の少なくとも1つを有する。

第七に、成分化合物の合成法を説明する。これらの化合物は既知の方法によって合成できる。合成法を例示する。化合物(1−1)は、特開昭59−176221号公報に記載された方法で合成する。化合物(2−4)は、特開平10−204016に記載された方法で合成する。化合物(3−1)は、特開2000−053602号公報に記載された方法で合成する。酸化防止剤は市販されている。化合物(5−1)は、アルドリッチ(Sigma-Aldrich Corporation)から入手できる。化合物(5−2)などは、米国特許3660505号明細書に記載された方法によって合成する。

合成法を記載しなかった化合物は、オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載された方法によって合成できる。組成物は、このようにして得た化合物から公知の方法によって調製される。例えば、成分化合物を混合し、そして加熱によって互いに溶解させる。

最後に、組成物の用途を説明する。この組成物は主として、約−10℃以下の下限温度、約70℃以上の上限温度、そして約0.07から約0.20の範囲の光学異方性を有する。成分化合物の割合を制御することによって、またはその他の液晶性化合物を混合することによって、約0.08から約0.25の範囲の光学異方性を有する組成物を調製してもよい。試行錯誤によって、約0.10から約0.30の範囲の光学異方性を有する組成物を調製してもよい。この組成物を含有する素子は大きな電圧保持率を有する。この組成物はAM素子に適する。この組成物は透過型のAM素子に特に適する。この組成物は、ネマチック相を有する組成物としての使用、光学活性化合物を添加することによって光学活性な組成物としての使用が可能である。

この組成物はAM素子への使用が可能である。さらにPM素子への使用も可能である。この組成物は、PC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、FFS、VA、FPAなどのモードを有するAM素子およびPM素子への使用が可能である。TN、OCB、IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子への使用は特に好ましい。IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子において、電圧が無印加のとき、液晶分子の配列がガラス基板に対して並行であってもよく、または垂直であってもよい。これらの素子が反射型、透過型または半透過型であってもよい。透過型の素子への使用は好ましい。非結晶シリコン−TFT素子または多結晶シリコン−TFT素子への使用も可能である。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)型の素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymer dispersed)型の素子にも使用できる。

(調製例) 次に、本発明の液晶組成物の調製例について説明する。なお、液晶組成物は、以下の調製例に限定されるものではない。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。化合物、組成物、及び素子の特性は、下記に記載した方法により測定した。

NMR分析:測定には、ブルカーバイオスピン社製のDRX−500を用いた。1H−NMRの測定では、試料をCDCl3などの重水素化溶媒に溶解させ、測定は、室温で、500MHz、積算回数16回の条件で行った。テトラメチルシランを内部標準として用いた。19F−NMRの測定では、CFCl3を内部標準として用い、積算回数24回で行った。核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、quinはクインテット、sexはセクステット、mはマルチプレット、brはブロードであることを意味する。

ガスクロマト分析:測定には島津製作所製のGC−14B型ガスクロマトグラフを用いた。キャリアーガスはヘリウム(2mL/分)である。試料気化室を280℃に、検出器(FID)を300℃に設定した。成分化合物の分離には、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm;固定液相はジメチルポリシロキサン;無極性)を用いた。このカラムは、200℃で2分間保持したあと、5℃/分の割合で280℃まで昇温した。試料はアセトン溶液(0.1質量%)に調製したあと、その1μLを試料気化室に注入した。記録計は島津製作所製のC−R5A型Chromatopac、又はその同等品である。得られたガスクロマトグラムは、成分化合物に対応するピークの保持時間及びピークの面積を示した。

試料を希釈するための溶媒は、クロロホルム、ヘキサンなどを用いてもよい。成分化合物を分離するために、次のキャピラリカラムを用いてもよい。Agilent Technologies Inc.製のHP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation製のRtx−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE International Pty. Ltd.製のBP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)。化合物ピークの重なりを防ぐ目的で島津製作所製のキャピラリカラムCBP1−M50−025(長さ50m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いてもよい。

組成物に含有される液晶性化合物の割合は、次のような方法で算出してよい。液晶性化合物の混合物をガスクロマトグラフィー(FID)で分析する。ガスクロマトグラムにおけるピークの面積比は液晶性化合物の割合に相当する。上に記載したキャピラリカラムを用いたときは、各々の液晶性化合物の補正係数を1とみなしてよい。したがって、液晶性化合物の割合(質量%)は、ピークの面積比から算出することができる。

測定試料:組成物又は素子の特性を測定するときは、組成物をそのまま試料として用いた。化合物の特性を測定するときは、この化合物(15質量%)を母液晶(85質量%)に混合することによって測定用の試料を調製した。測定によって得られた値から外挿法によって化合物の特性値を算出した。(外挿値)={(試料の測定値)−0.85×(母液晶の測定値)}/0.15。この割合でスメクチック相(又は結晶)が25℃で析出するときは、化合物と母液晶の割合を10質量%:90質量%、5質量%:95質量%、1質量%:99質量%の順に変更した。この外挿法によって化合物に関する上限温度、光学異方性、粘度、及び誘電率異方性の値を求めた。

下記の母液晶を用いた。成分化合物の割合は重量%で示した。

測定方法:特性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、一般社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association;JEITAという)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載された方法、又はこれを修飾した方法であった。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。

正の誘電率異方性を有する液晶組成物においては、以下に記載する(1)から(15)の測定方法を用いた。

(1)ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。

(2)ネマチック相の下限温度(TC;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、及び−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶又はスメクチック相に変化したとき、TCを<−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。

(3)粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s):測定には東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。

(4)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s):測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995)に記載された方法に従った。ツイスト角が0度であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM. Imaiらの論文中の40頁に記載の計算式(10)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。

(5)光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行った。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。

(6)誘電率異方性(Δε;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。

(7)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。

(8)電圧保持率(VHR−1;25℃で測定;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmであった。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(1Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で166.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積であった。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。

(9)電圧保持率(VHR−2;60℃で測定;%):25℃の代わりに、60℃で測定した以外は、上記(8)と同じ手順で電圧保持率を測定した。得られた値をVHR−2で表した。

(10)電圧保持率(VHR−3;60℃で測定;%):紫外線を照射したあと、電圧保持率を測定し、紫外線に対する安定性を評価した。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは5μmであった。この素子に試料を注入し、5mW/cm2の紫外線を167分間照射した。光源はアイグラフィックス株式会社製ブラックライト、F40T10/BL(ピーク波長369nm)であり、素子と光源の間隔は5mmであった。VHR−3の測定では、166.7ミリ秒のあいだ、減衰する電圧を測定した。大きなVHR−3を有する組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。

(11)電圧保持率(VHR−4;60℃で測定;%):試料を注入したTN素子を120℃の恒温槽内で20時間加熱したあと、電圧保持率を測定し、熱に対する安定性を評価した。VHR−4の測定では、166.7ミリ秒のあいだ減衰する電圧を測定した。大きなVHR−4を有する組成物は熱に対して大きな安定性を有する。

(12)応答時間(τ;25℃で測定;ms):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。本発明の素子に試料を入れた。電圧(32Hz、矩形波)を0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させながら、この素子に印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときの透過率を100%としたとき、透過率が90%になったときの電圧をV90とした。この素子に矩形波(60Hz、V90V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が10%から90%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。

(13)弾性定数(K;25℃で測定;pN):測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量及び印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK11及びK33の値を得た。次に同171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK11及びK33の値を用いてK22を算出した。弾性定数は、このようにして求めたK11、K22、及びK33の平均値で表した。

(14)比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm):電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。

(15)短軸方向における誘電率(ε⊥;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。

負の誘電率異方性を有する液晶組成物においては、以下に記載する(16)から(28)の測定方法を用いた。

(16)ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。

(17)ネマチック相の下限温度(TC;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、及び−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶又はスメクチック相に変化したとき、TCを<−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。

(18)粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s):測定には東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。

(19)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s):測定には、株式会社東陽テクニカの回転粘性率測定システムLCM−2型を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が10μmのVA素子に試料を注入した。この素子に矩形波(55V、1ms)を印加した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値及び誘電率異方性を用いて、回転粘度の値を得た。誘電率異方性は、測定(6)に記載された方法で測定した。

(20)光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行った。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。

(21)誘電率異方性(Δε;25℃で測定):誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε‖及びε⊥)は次のように測定した。 1)誘電率(ε‖)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。 2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。

(22)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧で表した。

(23)電圧保持率(VHR−9;25℃で測定;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmであった。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(1Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で166.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積であった。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。

(24)電圧保持率(VHR−10;60℃で測定;%):25℃の代わりに、60℃で測定した以外は、上記(23)と同じ手順で電圧保持率を測定した。得られた値をVHR−10で表した。

(25)電圧保持率(VHR−11;60℃で測定;%):紫外線を照射したあと、電圧保持率を測定し、紫外線に対する安定性を評価した。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは5μmであった。この素子に試料を注入し、5mW/cm2の紫外線を167分間照射した。光源はアイグラフィックス株式会社製ブラックライト、F40T10/BL(ピーク波長369nm)であり、素子と光源の間隔は5mmであった。VHR−11の測定では、166.7ミリ秒のあいだ、減衰する電圧を測定した。大きなVHR−11を有する組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。

(26)電圧保持率(VHR−12;60℃で測定;%):試料を注入したTN素子を120℃の恒温槽内で20時間加熱したあと、電圧保持率を測定し、熱に対する安定性を評価した。VHR−12の測定では、166.7ミリ秒のあいだ減衰する電圧を測定した。大きなVHR−12を有する組成物は熱に対して大きな安定性を有する。

(27)応答時間(τ;25℃で測定;ms):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。本発明の素子に試料を入れた。電圧(32Hz、矩形波)を0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させながら、この素子に印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときの透過率を100%としたとき、透過率が90%になったときの電圧をV90とした。この素子に矩形波(60Hz、V90V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が10%から90%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。

(28)比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm):電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。

組成物における液晶性化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。表3において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。記号のあとにあるかっこ内の番号は化合物の番号に対応する。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の質量に基づいた質量百分率(質量%)である。最後に、組成物の特性値をまとめた。

以下に、組成物の調製例を示す。 [組成物M1] 3−HH−V (1−1) 22% 3−HH−V1 (1−1) 10% 5−HB−O2 (1−2) 5% 3−HHEH−3 (1−4) 3% 3−HBB−2 (1−6) 7% 5−B(F)BB−3 (1−7) 3% 5−HXB(F,F)−F (2−1) 3% 3−HHXB(F,F)−F (2−4) 6% 3−HGB(F,F)−F (2−6) 3% 3−HB(F)B(F,F)−F (2−9) 5% 3−BB(F,F)XB(F,F)−F (2−18) 6% 3−HHBB(F,F)−F (2−19) 6% 5−BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)−F (2−31) 2% 3−BB(2F,3F)XB(F,F)−F (2−32) 4% 3−HHB(F,F)XB(F,F)−F (2) 4% 3−HBB(2F,3F)XB(F,F)−F (2) 5% 3−HB−CL (2) 3% 3−HHB−OCF3 (2) 3% NI=77.2℃;Tc<−20℃;Δn=0.101;Δε=5.8;Vth=1.88V;η=13.7mPa・s;γ1=61.3mPa・s.

[組成物M2] 2−HH−5 (1−1) 8% 3−HH−V (1−1) 10% 3−HH−V1 (1−1) 7% 4−HH−V (1−1) 10% 4−HH−V1 (1−1) 8% 5−HB−O2 (1−2) 7% 4−HHEH−3 (1−4) 3% V2−BB(F)B−1 (1−8) 3% 5−HXB(F,F)−F (2−1) 6% 3−HHXB(F,F)−F (2−4) 6% V−HB(F)B(F,F)−F (2−9) 5% 3−HHB(F)B(F,F)−F (2−20) 7% 2−BB(F)B(F,F)XB(F)−F (2−28) 3% 3−BB(F)B(F,F)XB(F)−F (2−28) 3% 4−BB(F)B(F,F)XB(F)−F (2−28) 4% 5−HB−CL (2) 5% 1O1−HBBH−3 (−) 5% NI=78.5℃;Tc<−20℃;Δn=0.095;Δε=3.4;Vth=1.50V;η=8.4mPa・s;γ1=54.2mPa・s.

[組成物M3] 2−HH−3 (1−1) 8% 3−HH−V (1−1) 20% 3−HH−V1 (1−1) 7% 4−HH−V (1−1) 6% 5−HB−O2 (1−2) 5% V2−B2BB−1 (1−9) 3% 3−HHEBH−3 (1−11) 5% 3−HHEBH−5 (1−11) 5% 3−HHEB(F,F)−F (2−3) 5% 3−HHXB(F,F)−F (2−4) 7% 5−HBEB(F,F)−F (2−10) 5% 3−BB(F,F)XB(F,F)−F (2−18) 10% 2−HHB(F)B(F,F)−F (2−20) 3% 5−HHB(F,F)XB(F,F)−F (2) 6% 3−HBB(2F,3F)XB(F,F)−F (2) 5% NI=90.3℃;Tc<−20℃;Δn=0.088;Δε=5.4;Vth=1.69V;η=13.7mPa・s;γ1=60.6mPa・s.

[組成物M4] 2−HH−3 (1−1) 14% 2−HH−5 (1−1) 4% 3−HH−V (1−1) 26% 1V2−HH−3 (1−1) 5% 1V2−BB−1 (1−3) 3% 3−HB(F)HH−2 (1−10) 4% 5−HBB(F)B−2 (1−13) 6% 3−BB(2F,5F)B−3 (1) 3% 3−HGB(F,F)−F (2−6) 3% 5−GHB(F,F)−F (2−7) 4% 3−GB(F,F)XB(F,F)−F (2−14) 5% 3−BB(F)B(F,F)−CF3 (2−16) 2% 3−HHBB(F,F)−F (2−19) 4% 3−GBB(F)B(F,F)−F (2−22) 2% 2−dhBB(F,F)XB(F,F)−F (2−25) 4% 3−HGB(F,F)XB(F,F)−F (2) 5% 3−dhB(F,F)B(F,F)XB(F)B(F,F)−F (2) 3% 7−HB(F,F)−F (2) 3% NI=78.3℃;Tc<−20℃;Δn=0.094;Δε=5.9;Vth=1.25V;η=12.8mPa・s;γ1=61.9mPa・s.

[組成物M5] 3−HH−V (1−1) 30% 3−HH−V1 (1−1) 10% 1V2−HH−3 (1−1) 8% 3−HH−VFF (1−1) 8% V2−BB−1 (1−3) 2% 5−HB(F)BH−3 (1−12) 5% 5−HBBH−3 (1) 5% 3−HHB(F,F)−F (2−2) 8% 3−GB(F)B(F,F)−F (2−12) 3% 3−BB(F,F)XB(F,F)−F (2−18) 10% 3−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−27) 6% 5−GB(F,F)XB(F)B(F,F)−F (2) 5% NI=76.6℃;Tc<−20℃;Δn=0.088;Δε=5.5;Vth=1.81V;η=12.1mPa・s;γ1=60.2mPa・s.

[組成物M6] 2−HH−5 (1−1) 5% 3−HH−V (1−1) 30% 3−HH−V1 (1−1) 3% 3−HH−VFF (1−1) 10% 3−HHB−1 (1−5) 4% 3−HHB−3 (1−5) 5% 3−HHB−O1 (1−5) 3% 3−HHEBH−3 (1−11) 3% 3−HHEBH−4 (1−11) 4% 3−HHEBH−5 (1−11) 3% 3−BB(2F,5F)B−3 (1) 3% 3−BB(F,F)XB(F,F)−F (2−18) 14% 3−dhB(F,F)B(F,F)XB(F)B(F,F)−F (2) 7% 7−HB(F,F)−F (2) 6% NI=82.7℃;Tc<−20℃;Δn=0.085;Δε=5.1;Vth=1.70V;η=8.0mPa・s;γ1=53.9mPa・s.

[組成物M7] 2−HH−5 (1−1) 8% 3−HH−V (1−1) 28% 4−HH−V1 (1−1) 7% 5−HB−O2 (1−2) 2% 7−HB−1 (1−2) 5% VFF−HHB−O1 (1−5) 8% VFF−HHB−1 (1−5) 3% 3−HBB(F,F)−F (2−8) 5% 5−HBB(F,F)−F (2−8) 4% 3−BB(F)B(F,F)−F (2−15) 3% 3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−29) 3% 4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−29) 5% 3−BB(F,F)XB(F)B(F,F)−F (2−30) 3% 5−BB(F)B(F,F)XB(F)B(F,F)−F (2−31) 4% 3−HH2BB(F,F)−F (2) 3% 4−HH2BB(F,F)−F (2) 3% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 2% 2−BB(2F,3F)B−3 (3−19) 4% NI=81.9℃;Tc<−20℃;Δn=0.109;Δε=4.8;Vth=1.75V;η=13.3mPa・s;γ1=57.4mPa・s.

[組成物M8] 3−HH−5 (1−1) 4% 3−HH−V (1−1) 21% 3−HH−V1 (1−1) 3% 4−HH−V (1−1) 4% 1V2−HH−3 (1−1) 6% 5−B(F)BB−2 (1−7) 3% 5−B(F)BB−3 (1−7) 2% 3−HHEB(F,F)−F (2−3) 4% 3−HBEB(F,F)−F (2−10) 3% 5−HBEB(F,F)−F (2−10) 3% 3−BB(F)B(F,F)−F (2−15) 3% 3−HBBXB(F,F)−F (2−23) 6% 3−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−27) 5% 4−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−27) 5% 5−HHB(F,F)XB(F,F)−F (2) 3% 3−HGB(F,F)XB(F,F)−F (2) 4% 5−HEB(F,F)−F (2) 3% 5−HB−CL (2) 2% 3−HHB−OCF3 (2) 4% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 3% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 2% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 4% F3−HH−V (−) 3% NI=78.1℃;Tc<−20℃;Δn=0.100;Δε=6.6;Vth=1.50V;η=16.2mPa・s;γ1=61.8mPa・s.

[組成物M9] V−HH−V (1−1) 10% V−HH−2V (1−1) 20% 1V−HH−V (1−1) 10% 3−HH−V (1−1) 15% V2−BB−1 (1−3) 4% 1−BB(F)B−2V (1−8) 7% 2−BB(F)B−2V (1−8) 8% 3−HHEB(F,F)−F (2−3) 3% 3−HBEB(F,F)−F (2−10) 3% 3−BB(F,F)XB(F,F)−F (2−18) 4% 3−HHB(F)B(F,F)−F (2−20) 3% 3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−29) 5% 4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−29) 5% 1O1−HBBH−5 (−) 3% NI=74.3℃;Tc≦−20℃;Δn=0.111;Δε=3.0;Vth=2.39V;η=11.0mPa・s;γ1=44.5mPa・s.

[組成物M10] 3−HH−V (1−1) 11% 1−BB−3 (1−3) 6% 3−HHB−1 (1−5) 4% 3−HHB−O1 (1−5) 4% 3−HBB−2 (1−6) 4% 3−B(F)BB−2 (1−7) 4% 3−HB(2F,3F)−O4 (3−1) 6% 3−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 8% 3−H1OB(2F,3F)−O2 (3−3) 5% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 10% 2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% 5−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 4% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 7% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 6% NI=87.6℃;Tc<−20℃;Δn=0.126;Δε=−4.5;η=25.3mPa・s.

[組成物M11] 3−HH−V (1−1) 27% 3−HH−V1 (1−1) 6% V−HHB−1 (1−5) 5% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 5% 5−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 7% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 8% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 5% 5−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 4% 3−HH1OB(2F,3F)−O2 (3−10) 5% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 3% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 9% 4−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 4% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 8% 2−BB(2F,3F)B−3 (3−19) 4% NI=81.2℃;Tc<−20℃;Δn=0.107;Δε=−3.2;η=15.5mPa・s.

[組成物M12] 4−HH−V (1−1) 15% 3−HH−V1 (1−1) 6% 1−HH−2V1 (1−1) 6% 3−HH−2V1 (1−1) 4% V2−BB−1 (1−3) 5% 1V2−BB−1 (1−3) 5% 3−HHB−1 (1−5) 3% 3−HB(F)BH−3 (1−12) 4% 3−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 7% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 8% 3−HH1OB(2F,3F)−O2 (3−10) 8% 2−HchB(2F,3F)−O2 (3−12) 8% 3−HDhB(2F,3F)−O2 (3−13) 3% 5−HDhB(2F,3F)−O2 (3−13) 4% 2−BB(2F,3F)B−3 (3−19) 7% 2−BB(2F,3F)B−4 (3−19) 7% NI=88.2℃;Tc<−20℃;Δn=0.115;Δε=−2.1;η=18.3mPa・s.

[組成物M13] 2−HH−3 (1−1) 12% 1−BB−5 (1−3) 12% 3−HHB−1 (1−5) 4% 3−HHB−O1 (1−5) 3% 3−HBB−2 (1−6) 3% V2−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 8% V2−H1OB(2F,3F)−O4 (3−3) 4% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 7% 2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% 3−HH2B(2F,3F)−O2 (3−9) 7% 5−HH2B(2F,3F)−O2 (3−9) 4% V−HH2B(2F,3F)−O2 (3−9) 6% V2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% V−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% V−HBB(2F,3F)−O4 (3−14) 6% NI=89.9℃;Tc<−20℃;Δn=0.122;Δε=−4.2;η=23.4mPa・s.

[組成物M14] 3−HH−V (1−1) 27% 3−HH−V1 (1−1) 6% V−HHB−1 (1−5) 3% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 3% V−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 3% V2−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 5% 5−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 5% V2−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 3% 1V2−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 3% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 6% V−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 6% V−HHB(2F,3F)−O4 (3−8) 5% V2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 4% V−HHB(2F,3Cl)−O2 (3−11) 3% V2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% V−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 4% V−HBB(2F,3F)−O4 (3−14) 5% V2−BB(2F,3F)B−1 (3−19) 4% NI=77.1℃;Tc<−20℃;Δn=0.101;Δε=−3.0;η=13.9mPa・s.

[組成物M15] 2−HH−3 (1−1) 12% 1−BB−3 (1−3) 6% 3−HHB−1 (1−5) 3% 3−HHB−O1 (1−5) 4% 3−HBB−2 (1−6) 6% 3−B(F)BB−2 (1−7) 3% 3−HB(2F,3F)−O4 (3−1) 6% 3−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 8% 3−H1OB(2F,3F)−O2 (3−3) 4% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 7% 2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 6% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 10% 5−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 8% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 7% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% NI=93.0℃;Tc<−20℃;Δn=0.124;Δε=−4.5;η=25.0mPa・s.

[組成物M16] 3−HH−V (1−1) 15% 3−HH−V1 (1−1) 6% 2−HH−3 (1−1) 9% 3−HH−5 (1−1) 3% 1V2−HH−3 (1−1) 3% V−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 7% V2−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 10% V−HHB(2F,3F)−O1 (3−8) 7% V−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 9% V2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 8% 3−HH2B(2F,3F)−O2 (3−9) 9% V−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 8% V−HBB(2F,3F)−O4 (3−14) 6% NI=87.5℃;Tc<−20℃;Δn=0.100;Δε=−3.4;η=18.9mPa・s.

[組成物M17] 3−HH−V (1−1) 33% V−HHB−1 (1−5) 3% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 7% 5−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 7% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 8% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 4% 5−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 5% 3−HH1OB(2F,3F)−O2 (3−10) 5% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 3% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 8% 4−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 8% 2−BB(2F,3F)B−3 (3−19) 4% NI=76.4℃;Tc<−20℃;Δn=0.104;Δε=−3.2;η=15.6mPa・s.

[組成物M18] 2−HH−3 (1−1) 5% 3−HH−VFF (1−1) 30% 1−BB−3 (1−3) 5% 3−HHB−1 (1−5) 3% 3−HBB−2 (1−6) 3% 2−H1OB(2F,3F)−O2 (3−3) 6% 3−H1OB(2F,3F)−O2 (3−3) 4% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 3% 2−HH1OB(2F,3F)−O2 (3−10) 14% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 7% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 11% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 9% NI=78.3℃;Tc<−20℃;Δn=0.103;Δε=−3.2;η=17.7mPa・s.

[組成物M19] 3−HH−4 (1−1) 14% V−HHB−1 (1−5) 10% 3−HBB−2 (1−6) 7% V−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 10% V2−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 10% 2−H1OB(2F,3F)−O2 (3−3) 3% 3−H1OB(2F,3F)−O2 (3−3) 3% 2O−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 3% V2−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 8% V2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 5% V−HHB(2F,3Cl)−O2 (3−11) 7% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 3% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 3% V−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 6% V−HBB(2F,3F)−O4 (3−14) 8% NI=75.9℃;Tc<−20℃;Δn=0.114;Δε=−3.9;η=24.7mPa・s.

[組成物M20] 3−HH−V (1−1) 33% 3−HH−V1 (1−1) 5% 3−HB−O2 (1−2) 3% 1−BB−3 (1−3) 3% 3−HHB−1 (1−5) 6% 2−BB(F)B−3 (1−8) 2% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 3% 2O−B(2F)B(2F,3F)−O2 (3−7) 5% 2O−B(2F)B(2F,3F)−O4 (3−7) 12% 2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 4% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 8% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 4% 3−dhBB(2F,3F)−O2 (3−16) 8% 3−HB(2F,3F)B−2 (3−17) 4% NI=72.6℃;Tc<−20℃;Δn=0.105;Δε=−2.5;η=15.7mPa・s.

[組成物M21] 2−HH−3 (1−1) 12% 1−BB−5 (1−3) 12% 3−HHB−1 (1−5) 4% 3−HHB−O1 (1−5) 3% 3−HBB−2 (1−6) 3% 3−HB(2F,3F)−O4 (3−1) 6% 3−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 8% 3−H1OB(2F,3F)−O2 (3−3) 4% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 7% 2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% 3−HH2B(2F,3F)−O2 (3−9) 7% 5−HH2B(2F,3F)−O2 (3−9) 4% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% 4−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 6% NI=82.8℃;Tc<−20℃;Δn=0.118;Δε=−4.4;η=22.5mPa・s.

[組成物M22] 3−HH−V (1−1) 27% 3−HH−V1 (1−1) 6% V−HHB−1 (1−5) 3% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 7% 5−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 7% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 8% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 5% 5−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 4% 3−HH1OB(2F,3F)−O2 (3−10) 4% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 3% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 8% 4−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 8% 2−BB(2F,3F)B−3 (3−19) 5% NI=78.1℃;Tc<−20℃;Δn=0.107;Δε=−3.2;η=15.9mPa・s.

[組成物M23] 3−HH−4 (1−1) 14% V−HHB−1 (1−5) 10% 3−HBB−2 (1−6) 7% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 10% 5−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 10% 3−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 8% 5−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 8% 3−HDhB(2F,3F)−O2 (3−13) 5% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 6% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 8% 4−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 7% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 7% NI=88.5℃;Tc<−20℃;Δn=0.108;Δε=−3.8;η=24.6mPa・s.

[組成物M24] 3−HH−V (1−1) 42% 3−HH−V1 (1−1) 5% 1−BB−3 (1−3) 3% V−HHB−1 (1−5) 2% 2O−B(2F)B(2F,3F)−O2 (3−7) 6% 2O−B(2F)B(2F,3F)−O4 (3−7) 13% 2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 4% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 4% 3−HHB(2F,3F)−1 (3−8) 4% 3−dhBB(2F,3F)−O2 (3−16) 5% 3−HB(2F)B(2F,3F)−O2 (3−18) 7% V−H2BBB(2F,3F)−O2 (3−25) 5% NI=71.8℃;Tc<−20℃;Δn=0.103;Δε=−2.5;η=14.2mPa・s.

[組成物M25] 5−HH−V (1−1) 18% 7−HB−1 (1−2) 5% V−HHB−1 (1−5) 7% V2−HHB−1 (1−5) 7% 3−HBB(F)B−3 (1−13) 8% 3−HB(2F,3F)−O4 (3−1) 15% 3−chB(2F,3F)−O2 (3−5) 7% 2−HchB(2F,3F)−O2 (3−12) 8% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 8% 4−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 7% 3−dhBB(2F,3F)−O2 (3−16) 5% NI=98.8℃;Tc<−20℃;Δn=0.111;Δε=−3.2;η=23.9mPa・s.

[組成物M26] 3−HH−V (1−1) 11% 3−HH−VFF (1−1) 7% F3−HH−V (1−1) 10% 3−HHEH−3 (1−4) 4% 3−HB(F)HH−2 (1−10) 4% 3−HHEBH−3 (1−11) 4% 3−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 18% 5−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 17% 3−HHB(2F,3Cl)−O2 (3−11) 5% 3−HDhB(2F,3F)−O2 (3−13) 5% 3−HBB(2F,3Cl)−O2 (3−15) 8% 5−HBB(2F,3Cl)−O2 (3−15) 7% NI=77.5℃;Tc<−20℃;Δn=0.084;Δε=−2.6;η=22.8mPa・s.

[組成物M27] 3−HH−V (1−1) 11% 1−BB−5 (1−3) 5% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 8% 3−H2B(2F,3F)−O2 (3−2) 10% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 10% 2O−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 3% 2−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 4% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% 2−HHB(2F,3F)−1 (3−8) 5% 3−HDhB(2F,3F)−O2 (3−13) 6% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 4% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 7% 3−dhBB(2F,3F)−O2 (3−16) 4% 2−BB(2F,3F)B−3 (3−19) 6% 2−BB(2F,3F)B−4 (3−19) 6% 3−HH1OCro(7F,8F)−5 (3−27) 4% NI=70.6℃;Tc<−20℃;Δn=0.129;Δε=−4.3;η=27.0mPa・s.

[組成物M28] V−HH−V (1−1) 24% V−HH−V1 (1−1) 20% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 5% V2−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 8% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 6% V−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% V−HHB(2F,3F)−O4 (3−8) 4% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 2% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 6% V−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 7% V−HBB(2F,3F)−O4 (3−14) 6% 2−BB(2F,3F)B−3 (3−19) 5% NI=73.5℃;Tc<−20℃;Δn=0.106;Δε=−2.7;η=17.0mPa・s.

[組成物M29] 2−HH−3 (1−1) 19% 3−HHB−1 (1−5) 3% V−HHB−1 (1−5) 10% V2−HHB−1 (1−5) 10% 3−DhB(2F,3F)−O2 (3−4) 5% 2−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 9% 3−BB(2F,3F)−O2 (3−6) 9% 3−HH2B(2F,3F)−O2 (3−9) 6% 3−HDhB(2F,3F)−O2 (3−13) 14% 2−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 2% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 6% V−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 7% NI=86.0℃;Tc<−20℃;Δn=0.110;Δε=−3.8;η=22.9mPa・s.

[組成物M30] 3−HH−V (1−1) 40% 3−HH−V1 (1−1) 7% V−HHB−1 (1−5) 4% V2−HHB−1 (1−5) 9%3−HHXB(F,F)−F (2−4) 3% 3−HBBXB(F,F)−F (2−23) 11% 4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−29) 7% 5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (2−29) 6% 3−BB(F,F)XB(F,F)−F (2−32) 13% NI=80.2℃;Tc<−20℃;Δn=0.100;Δε=6.8;η=10.8mPa・s.

[組成物M31] 3−HH−VFF (1−1) 13% 3−HHEBH−3 (1−11) 4% V−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 8% V−HB(2F,3F)−O4 (3−1) 12% 3−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 10% 5−HB(2F,3F)−O2 (3−1) 7% 3−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 6% 5−HHB(2F,3F)−O2 (3−8) 7% 3−HDhB(2F,3F)−O2 (3−13) 10% 3−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 5% 5−HBB(2F,3F)−O2 (3−14) 6% NI=74.4℃;Tc<−20℃;Δn=0.101;Δε=5.3;η=25.3mPa・s.

上記で説明した液晶組成物を液晶表示素子の液晶層に用いることで、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有する液晶表示素子とすることができる。

ところで、液晶表示素子の電極構造でも透過光量や応答時間の向上が行えるため、好適な電極構造等を含め液晶表示素子の構成について、以下、第1実施形態から第3実施形態として詳細に説明する。

ただし、以下で示す実施形態は、好適な液晶表示素子の一例について説明するものであり、上記で説明した液晶組成物を液晶層に用いた液晶表示素子が以下で説明する第1実施形態から第3実施形態の液晶表示素子に限定されるものではない。

(第1実施形態) 図1は本発明に係る第1実施形態の液晶表示素子1の一部断面図であり、図2は本発明に係る第1実施形態の液晶表示素子1の電極構造を説明するための平面図である。

なお、図1及び図2は液晶表示素子1の画素のRGBの1つの部分に対応するサブ画素に対応する図になっており、図1は図2のA−A線に対応する位置の液晶表示素子1の断面図になっている。 また、図2では、枠線で第2電極部12の範囲を示すに留め、構成がわかるように、第2電極部12の下側に位置する部分も図示するようにしている。

そして、液晶表示素子1は、面内に図1及び図2を参照して後ほど説明する電極構造が縦方向及び横方向に多数設けられたものになっており、縦方向又は横方向に並んで形成される3つの電極構造が1つの画素に対応するものになっている。

図1に示すように、液晶表示素子1は、液晶表示装置で用いられるときに、バックライト側に位置することになる第1基板10と、第1基板10と対向して配置される第2基板20と、第1基板10と第2基板20の間に設けられる液晶層30と、を備えている。

第1基板10及び第2基板20は、バックライトからの光を透過することができる材料で形成されており、例えば、第1基板10及び第2基板20にはガラス基板を用いることができる。

また、液晶表示素子1は、液晶層30から離れた側の第1基板10上に設けられた偏光子となる第1偏光板11と、液晶層30から離れた側の第2基板20上に設けられた検光子となる第2偏光板21と、を備えている。

そして、第1編光板11は、透過軸(以下、第1透過軸ともいう。)が第1基板10及び第2基板20の平面に沿った図1及び図2に示すX軸(以下、第1方向Xともいう。)に沿って配置されている。 また、第2編光板21は、透過軸(以下、第2透過軸ともいう。)がX軸に直交する第1基板10及び第2基板20の平面に沿ったY軸(以下、第2方向Yともいう。)に沿って配置されている。 つまり、第1編光板11と第2編光板21はクロスニコルに配置されている。

ただし、第1編光板11と第2編光板21がクロスニコルに配置になっていればよく、第1編光板11の第1透過軸が第2方向Yに沿って設けられるように第1偏光板11が設けられ、第2編光板21の第2透過軸が第1方向Xに沿って設けられるように第2編光板21が設けられていてもよい。

更に、液晶表示素子1は、液晶層30側の第1基板10上に設けられた液晶層の液晶分子の配向方向を制御するための電極構造等(第1電極部40、第2電極部12、データ線13、薄膜トランジスタ14(図2参照)、ゲート線15(図2参照)及び共通電極線16(図2参照)等)を備えている。

具体的には、図1に示すように、液晶表示素子1は、第1基板10上に形成されたデータ線13、薄膜トランジスタ14(図2参照)、ゲート線15(図2参照)及び共通電極線16(図2参照)等の層と、その上に形成された保護層及び平坦化層として機能する絶縁層17と、絶縁層17上に形成されたベタ電極の第2電極部12と、第2電極部12を覆うように形成された絶縁層18と、絶縁層18上に形成された第1電極部40と、を備えている。

本実施形態では、第1電極部40が画素電極であり、絶縁層18を介して第1電極部40と絶縁するように、第1電極部40よりも第1基板10側に設けられた第2電極部12が共通電極である場合になっている。 ただし、後ほど第2実施形態として説明するように第1電極部40を共通電極として第2電極部12を画素電極とすることも可能である。

なお、本実施形態では、サブ画素に対応する領域にそれぞれベタ電極の第2電極部12を設けた場合について示しているが、第2電極部12は共通電極であるため、1画素領域ごとの単位、複数の画素領域の単位及び全画素領域の単位(この場合、第2電極部12は1つのベタ電極となる。)といったより広い範囲に形成されたベタ電極であってもよい。

このため、図2に示すように、画素電極となる第1電極部40はビアホールVHを通じて薄膜トランジスタ14のドレイン電極に電気的に接続されるとともに、ゲート線15が薄膜トランジスタ14のゲート電極に電気的に接続され、データ線13が薄膜トランジスタ14のソース電極に電気的に接続されている。 一方、共通電極となる第2電極部12は共通電極線16に電気的に接続されている。 なお、液晶表示素子1が液晶表示装置に用いられるときに、ゲート線15は液晶表示装置のゲートドライバに接続され、データ線13はデータドライバに接続される。

第1電極部40及び第2電極部12は、導電性で、かつ、光を透過する材料で形成されている。 例えば、第1電極部40及び第2電極部12を形成する材料には、ITO(酸化インジウムスズ)やIZO(酸化インジウム酸化亜鉛)等を好適に用いることができる。

また、図1に示すように、液晶表示素子1は、絶縁層18上に第1電極部40を覆うように設けられた第1配向膜19を備えており、この第1配向膜19の液晶層30側の表面には、液晶層30の液晶の配向方向が所定の方向に向くようにラビング処理が施されている。

なお、液晶層30の液晶としては、正の誘電率異方性を有する液晶組成物(以下、単にポジ型液晶ともいう。)を用いてもよく、負の誘電率異方性を有する液晶組成物(以下、単にネガ型液晶ともいう。)を用いてもよく、先に説明した液晶組成物が用いられる。しかしながら、電圧保持率の観点から、シアノ基を有する液晶性化合物を含有する液晶組成物は好ましくない。

例えば、液晶層30の液晶がポジ型液晶である場合、第1電極部40と第2電極部12の間に電位差が発生していない状態(フリンジ電界が発生していない状態)のときに、後述する第1電極部40のパターンに合わせて第1方向Xに沿って液晶分子が配向するように、ラビング処理が施される。

なお、本実施形態では、ポジ型液晶を液晶層30に用いており、図1はフリンジ電界を発生させていない状態を示しているため、液晶分子を正面から見た円形状の分子形状に図示しているが、フリンジ電界を発生させると、液晶分子がX軸とY軸で規定される平面内で回転し、Y軸に沿った棒状の形状に見えるようになる。

逆に、液晶層30の液晶がネガ型液晶である場合、フリンジ電界が発生していない状態のときに、後述する第1電極部40のパターンに合わせて第2方向Yに沿って液晶分子が配向するように、ラビング処理が施される。

一方、液晶表示素子1は、液晶層30側の第2基板20上に直接設けられた色層22(カラー層)及びブラックマトリックス23と、色層22及びブラックマトリックス23を覆うように設けられた平坦化膜24と、平坦化膜24上に設けられた第2配向膜25と、を備えている。

色層22は、RGBに対応したカラー層であり、例えば、図1及び図2に示すサブ画素に対応する部分がRGBのRに対応する場合には色層22は赤とされ、Gに対応する場合には色層22は緑とされ、Bに対応する場合には青とされる。

なお、上述したように、液晶表示素子1には、多数のサブ画素に対応する構成が設けられているので、色層22は、それぞれのサブ画素に対応するように第2基板20上にマトリックス状に設けられている。

ブラックマトリックス23は、サブ画素間のクロストークを低減するために、各サブ画素の外周に対応して設けられる格子状の枠であり、遮光性の材料で形成されている。

そして、第2配向膜25は、第1配向膜19と同様に、液晶層30側の表面に液晶層30の液晶の配向方向が所定の方向に向くようにラビング処理が施されている。

この第2配向膜25のラビング処理も第1配向膜19のラビング処理と同様であり、液晶層30の液晶がポジ型液晶である場合、フリンジ電界が発生していない状態のときに、後述する第1電極部40のパターンに合わせて第1方向Xに沿って液晶分子が配向するように、ラビング処理が施される。

逆に、液晶層30の液晶がネガ型液晶である場合には、フリンジ電界が発生していない状態のときに、後述する第1電極部40のパターンに合わせて第2方向Yに沿って液晶分子が配向するように、ラビング処理が施される。

次に、第1電極部40の平面図である図3を参照しながら、第1電極部40についてより詳細に説明する。 なお、図3に示すX軸(第1方向X)、Y軸(第2方向Y)及びZ軸は、図1及び図2に示されるものと同じである。

第1電極部40は、第1基本電極部42と第2基本電極部43を備えた基本となる電極パターンである基本電極部41を備えている。

第1基本電極部42は、第1基板10(図1参照)の基板面に沿った第1方向Xに延在し、第1方向Xに直交する第2方向Yに離間した一対の第1導電部42Aを備えている。

また、第1基本電極部42は、一対の第1導電部42Aのそれぞれの一端42AAに対して接続された一対の他端42BBを有し、第1導電部42Aの延在方向とは反対方向にくの字形状の一端となる屈曲部42BAを有するくの字形状の第2導電部42Bを備えている。

一方、第2基本電極部43は、第1基本電極部42の開き側となる開口部OPの近傍から第1方向Xに延在する第3導電部43Aを備えている。 なお、図3では、第3導電部43Aは、第3導電部43Aの一端43AAが開口部OPよりも第1方向Xに、若干、離間するように設けられているが、第3導電部43Aは、第3導電部43Aの一端43AAが開口部OPよりも、若干、開口部OP内(第1基本電極部42寄り)に位置するように設けられていてもよい。

本実施形態では、第1電極部40が、第1方向Xに複数の基本電極部41を備えるとともに、第2方向Yにも複数の基本電極部41を備えるものになっている。 具体的には、第1方向X及び第2方向Yに、それぞれ2つの基本電極部41が並ぶように設けられている。

そして、第1方向Xの任意の隣り合う基本電極部41同士について見れば、基本電極部41は、第2導電部42Bの屈曲部42BAと第3導電部43Aの他端43ABで接続されている(点線の丸囲み部分S参照)。

また、第2方向Yの任意の隣り合う基本電極部41同士について見れば、基本電極部41は、一対の第1導電部42Aのうち基本電極部41の間に位置することになる第1導電部42Aを共有している(斜めハッチング部分参照)。

更に、本実施形態では、末端に配置された第1基本電極部42(図左側の基本電極部41参照)が、第2導電部42Bの屈曲部42BAから第1方向Xとは反対方向に延在する第4導電部44を更に備えている。

加えて、本実施形態では、末端に配置された第2基本電極部43(図右側の基本電極部41参照)の第1方向Xに設けられ、第2導電部42Bの屈曲部42BAが末端に配置された第2基本電極部43(図右側の基本電極部41参照)の第3導電部43Aの他端43ABに接続された第1基本電極部42(二点鎖線の囲み部分参照)を更に備えている。

そして、第1電極部40は、外周を形成する矩形状の接続導電部45を備え、その接続導電部45が第1導電部42A、第2導電部42B、第3導電部43A及び第4導電部44で形成される導電パターンを電気的に接続している。

また、接続導電部45は、第1方向Xとは反対側に位置する一端側となる第1辺45Aから第1方向Xとは反対側に延在する接続部45Bを備えている。 そして、この接続部45Bが、先に図2を参照して説明した通り、ビアホールVHを通じて薄膜トランジスタ14のドレイン電極に電気的に接続される。

なお、第1電極部40は、少なくとも1つの基本電極部41を有していればよく、基本電極部41を第1方向X及び第2方向Yにいくつ設けるのかは、サブ画素に求められる面積に応じて決めればよい。

また、図3では、接続導電部45が矩形状の枠を形成している場合について示しているが、接続導電部45は、第1導電部42A、第2導電部42B、第3導電部43A及び第4導電部44で形成される導電パターンを電気的に接続できればよいため、図4(a)及び図4(b)に示す変形例のように、枠の形状になっていなくてもよい。

更に、接続導電部45の接続部45Bは、薄膜トランジスタ14のドレイン電極の位置との関係で設けられるものであるから、必ずしも、一端側となる第1辺45Aから第1方向Xとは反対側に延在するように設けられるものではなく、薄膜トランジスタ14のドレイン電極の位置に対応して設けられていればよい(図4(b)参照)。

次に、上記のような第1電極部40に関してシミュレーションの結果を示す図7から図12等を説明しながら第1電極部40の各部の寸法等についてより詳細に説明する。 まず、最初に、図7から図12に記載のL1、L2、L3、θ、応答時間及び透過率について、簡単な説明を行ってから、第1電極部40の各部の寸法等についての説明を行う。 図5は図3に対応する第1電極部40の平面図であり、シミュレーションの結果を示す図7から図12のグラフに用いられているパラメータ等を説明するための図である。

図7から図12のグラフに記載のL1は、図5に示す第3導電部43A及び第4導電部44の第1方向Xに沿った長さを意味し、図7から図12のグラフに記載のL2は、第1導電部42Aの第1方向Xに沿った長さを意味する。

また、図7から図12のグラフに記載のL3は、図5に示す第2導電部42Bの一端側となる屈曲部42BAから第1方向X側に位置する他端42BBまでの長さ、つまり、くの字形状の第2導電部42Bの対をなす一方の辺及び他方の辺の長さを意味する。 なお、第1導電部42A、第2導電部42Bの対をなす一方の辺及び他方の辺、第3導電部43A及び第4導電部44の幅は、いずれも2.50μmとしている。 ただし、第1導電部42A、第2導電部42Bの対をなす一方の辺及び他方の辺、第3導電部43A及び第4導電部44の幅が太くなると、第1電極部40の導電パターンが設けられていない部分の割合が少なくなり、透過率が低下するおそれがあることから、幅は1.00μmから4.00μm程度が好ましい。

更に、図7から図12のグラフに記載のθは、第2導電部42Bのくの字形状の開き角度の半分の角度を意味している。 つまり、θ=30度である場合、くの字形状の開き角度が60度になっていることを意味している。

図6は、図7から図9の応答時間の定義を説明するための図であり、縦軸は液晶表示素子1を透過する光量(正規化光量)を表し、横軸は経過時間を表している。 なお、正規化光量とは、液晶表示素子1を透過する光の光量が安定した状態(定常時光量QLのライン参照)を100%とするように正規化した光量のことである。

図6に示す液晶表示素子1を透過する光量の変化は、フリンジ電界の印加を開始して、液晶表示素子1を透過する光量が安定した状態(定常時光量QLのライン参照)に到達した後、フリンジ電界の印加を停止し、透過する光量がなくなるまでの状態を示したものになっている。

そして、一般的に応答時間は、液晶表示素子1を透過する光量が安定した状態(定常時光量QL)を基準に定常時光量QLの10%から90%の間の変化に要する時間として評価されることが多いため、図7から図9の応答時間もそれに従ったものとしている。

具体的には、図6に示すように、電界印加時の応答時間T1は、フリンジ電界の印加を開始して、液晶表示素子1を透過する光量が定常時光量QLの10%(定常時光量QLの10%ライン参照)に到達したときを動作開始点とし、定常時光量QLの90%(定常時光量QLの90%ライン参照)に到達したときを動作終了点として、動作開始点から動作終了点までの経過時間としている。

また、電界停止時の応答時間T2は、フリンジ電界の印加を停止して、液晶表示素子1を透過する光量が定常時光量QLの90%(定常時光量QLの90%ライン参照)に到達したときを動作開始点とし、定常時光量QLの10%(定常時光量QLの10%ライン参照)に到達したときを動作終了点として、動作開始点から動作終了点までの経過時間としている。

そして、図6に示すように、電界印加時の応答時間T1と電界停止時の応答時間T2は異なることから、図7から図9に記載の応答時間は、この応答時間T1と応答時間T2を合わせた応答時間(=応答時間T1+応答時間T2)としている。

一方、図10から図12の透過率は、液晶表示素子1から出射する光の出射光強度が液晶表示素子1に入射する光の入射光強度に対して何%であるのかを表している。

次に、シミュレーションの結果を示す図7から図9を参照しながら、応答時間と第1電極部40の各部の寸法等との関係について説明する。 図7は応答時間に関するシミュレーションの結果を示す第1グラフであり、L1及びL3を8.00μmに固定し、縦軸をL2/L1比とし、横軸をθとして応答時間を示したものになっている。 なお、L1=8.00μであることから縦軸はL2が変化することによるL2/L1比を示したものになっており、縦軸の一番下は0.75であり、一番上は1.25である。

図7に示すように、L2/L1比の変化にかかわらず、どのL2/L1比の位置でも、θが小さくなると応答時間が短くなる傾向があることがわかる。 例えば、図13に比較用の従来のFFS方式の画素電極の一例を示しているが、この画素電極において、くの字形状の各導電部100の幅W1を2.50μmとするとともに、導電部100間の離間距離D1を4.00μmとした場合、応答時間は26.00ms以上である。

そして、図7に示すように、L2/L1比が0.75から1.25の範囲で、θが60度以下のときには、応答時間がほぼ20.50ms以内に収まっていることから、比較用の従来のFFS方式の画素電極の場合に比べ、20%以上応答時間が改善していることがわかる。

図8は応答時間に関するシミュレーションの結果を示す第2グラフであり、L2/L1比を1.00に固定し、縦軸をL1及びL3の長さとし、横軸をθとして応答時間を示したものになっている。 なお、L2/L1比が1.00であるので、縦軸はL1、L2及びL3の長さを示しているものになっている。

図8に示すように、L1、L2及びL3の長さの変化にかかわらず、どのL1、L2及びL3の長さの位置でも、θが小さくなると応答時間が短くなる傾向があることがわかる。 また、θにかかわらず、どのθの位置でも、L1、L2及びL3の長さが小さくなると、応答時間が短くなる傾向があることが伺える。

そして、L1、L2及びL3の長さが10.00μm以下の範囲で、θが60度以下のときには、応答時間がほぼ20.00ms以内に収まっていることから、比較用の従来のFFS方式の画素電極の場合に比べ、20%以上応答時間が改善していることがわかる。

図9は応答時間に関するシミュレーションの結果を示す第3グラフであり、θを45度に固定し、縦軸をL2/L1比とし、横軸をL1及びL3の長さとして応答時間を示したものになっている。 なお、縦軸の一番下は0.75であり、一番上は1.25である。

図9に示すように、θが45度である場合、L2/L1比が0.75から1.25の範囲で、L1及びL3の長さが6.00μmから10.00μmの範囲のときには、応答時間がほぼ19.75ms以内に収まっていることから、比較用の従来のFFS方式の画素電極の場合に比べ、24%以上応答時間が改善していることがわかる。

そして、θが小さくなると応答時間が短くなる傾向があり、また、L1、L2及びL3の長さが小さくなると、応答時間が短くなる傾向があることが伺えることは、先に見たとおりである。

したがって、L2/L1比が1.25以下、L1及びL3の長さが10.00μm以下及びθが45度以下であれば、比較用の従来のFFS方式の画素電極の場合に比べ、24%以上の応答時間の改善が得られることがわかる。

これらのことから、応答時間の面で見ると、L1、L2及びL3はそれぞれ10.00μm以下が好ましく、9.50μm以下がより好ましく、更に9.00μm以下が好ましい。 また、応答時間の面で見ると、L2/L1比は、1.25以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、更に1.10以下が好ましい。 更に、応答時間の面で見ると、θは、60度以下が好ましく、45度以下がより好ましく、更に35度以下が好ましい。

次に、シミュレーションの結果を示す図10から図12を参照しながら、透過率と第1電極部40の各部の寸法等との関係について説明する。 図10は透過率に関するシミュレーションの結果を示す第1グラフであり、L1及びL3を8.00μmに固定し、縦軸をL2/L1比とし、横軸をθとして透過率を示したものになっている。 なお、L1=8.00μmであることから縦軸はL2が変化することによるL2/L1比を示したものになっており、縦軸の一番下は0.75であり、一番上は1.25である。

図10に示すように、L2/L1比の変化にかかわらず、どのL2/L1比の位置でも、θが小さくなると透過率が高くなる傾向があることがわかる。

一方、本実施形態の変形例である画素電極の例を図14に示す。 図14を見るとわかるように、この変形例の画素電極においても、先に説明した第1実施形態の第1基本電極部42が備える、第1基板10(図1参照)の基板面に沿った第1方向Xに延在し、第1方向Xに直交する第2方向Yに離間した一対の第1導電部42Aに対応する部分と、第1実施形態の第2基本電極部43が備える、第1基本電極部42の開き側となる開口部OPの近傍から第1方向Xに延在する第3導電部43Aに対応する部分と、を備えている点が同じになっている。

例えば、具体的なディメンジョンの一例として、各導電部110の幅W2(図14参照)を2.50μmとするとともに、導電部110間の離間距離D2(図14参照)を4.00μmとすると、この図14に示す変形例の画素電極においても、応答時間の面では、図13に示した比較用の従来のFFS方式の画素電極よりも短い応答時間が得られる。

ただし、図14に示すように、第1実施形態の第2導電部42Bに対応する部分が直線状になっている場合は、透過率が20%以下となるが、第1実施形態のように、くの字形状の第2導電部42Bを備えている場合には、より高い透過率が得られるため、透過率の観点からすれば、第1実施形態のように、くの字形状の第2導電部42Bを備えている方がより好ましい。

以下、具体的に第1実施形態のくの字形状の第2導電部42Bを備えている場合に、どの程度の透過率が得られるか等について説明する。 図10に示すように、L2/L1比が0.75から1.25の範囲で、θが60度以下のときには、透過率がほぼ40%以上になっており、高い透過率が得られることがわかる。

また、図11は透過率に関するシミュレーションの結果を示す第2グラフであり、L2/L1比を1.00に固定し、縦軸をL1及びL3の長さとし、横軸をθとして透過率を示したものになっている。 なお、L2/L1比が1.00であるので、縦軸はL1、L2及びL3の長さを示しているものになっている。

図11に示すように、L1、L2及びL3の長さが長く、θが小さいほうが、透過率は高くなる傾向であることがわかる。 また、図11に示されるL1、L2及びL3の長さが6.00μmから10.00μmで、θが30度から60度の範囲では、やはり、透過率がほぼ40%以上になっており、高い透過率が得られることがわかる。

さらに、図12は透過率に関するシミュレーションの結果を示す第3グラフであり、θを45度に固定し、縦軸をL2/L1比とし、横軸をL1及びL3の長さとして透過率を示したものになっている。 なお、縦軸の一番下は0.75であり、一番上は1.25である。

図12を見ると、θが45度の場合、L1及びL3の長さが8.00μmから9.50μmの範囲で、L2/L1比が1.00から1.20の範囲に透過率の高くなる範囲があることがわかる。

ただし、図11に示される透過率の傾向と合わせて考えると、θが小さくなると、この透過率の高くなる範囲がL1、L2及びL3の長さが長くなる方向にシフトするものと考えられる。

また、図12を見れば、L1及びL3が6.00μmと短く、かつ、L2/L1比が0.75と小さく、L2が4.50μm(=6.00μm×0.75)まで短くなっても、依然として、透過率が40%を超えていることが理解でき、高い透過率が得られることがわかる。

これらのことから、透過率の面で見ると、L1、L2及びL3はそれぞれ6.00μm以上が好ましく、7.00μm以上がより好ましく、更に8.00μm以上が好ましい。 ただし、図12の傾向からすると、L1及びL3が15.00μm程度になると、L1及びL3が6.00μmである場合と同様の状態になることが予想されることから、L1及びL3は15.00μm以下にするのがよいと考えられる。

また、図12の傾向からすると、L2/L1比が1.40を超えると、L2/L1比が0.75以下である場合と同様の状態になることが予想されることから、L2/L1比は1.40以下にするのがよいと考えられる。

なお、図12のL2/L1比は、L1の長さを基準にL2の長さを変化させた場合の比であり、先に図12の傾向から説明したように、L2/L1比の範囲が0.75から1.40であれば良好な結果が得られると考えられる。 そして、L2/L1比が0.75である場合、L2はL1及びL3の長さより短く、L2/L1比が1.40の場合、L2はL1及びL3の長さより長くなるが、この場合でも良好な結果が得られることを考えれば、L2は、少なくともL1及びL3で良好である長さと同じ範囲にしておけば、問題ないといえる。 したがって、L2も15.00μm以下にしておけば、十分と考えられる。

一方、θに関しては、応答時間のときと同様の傾向となっていることから、透過率の面で見ても、θは、60度以下が好ましく、45度以下がより好ましく、更に35度以下が好ましい。

以上のような第1電極部40の各部の寸法等と応答時間及び透過率との関係を考慮すると、L1、L2及びL3のそれぞれ長さの上限は、応答時間の観点で、10.00μm以下が好ましく、9.50μm以下がより好ましく、更に9.00μm以下が好ましいと考えられる。

一方、L1、L2及びL3のそれぞれ長さの下限は、透過率の観点で、6.00μm以上が好ましく、7.00μm以上がより好ましく、更に8.00μm以上が好ましいと考えられる。

また、θに関しては、応答時間及び透過率の観点の双方で同じ傾向となっており、60度以下が好ましく、45度以下がより好ましく、更に35度以下が好ましいと考えられる。 ただし、θが小さくなりすぎると、一対の第1導電部42A間の離間距離がなくなることを考えれば、下限としては、20度以上としておくのが好ましいと考えられる。

次に、フリンジ電界を印加したときに、液晶層30の液晶分子がどのように回転するのか等を踏まえて応答時間と透過率に関する説明を行う。 図15は、第1電極部40と第2電極部12の間に電位差を発生させ、フリンジ電界を発生させたときの液晶分子の状態を説明するための図である。

図15では、フリンジ電界を発生させたときの電界の状態を細い矢印f1及びf2で示しており、フリンジ電界を発生させたときに液晶層30の液晶分子がX軸及びY軸で規定される平面に沿って回転する方向を太い矢印Rで示している。 なお、矢印f1、f2及び矢印Rは一部だけに図示しているが他の部分も同様となる。

図15に示すように、第2方向Yの一対の第1導電部42Aとそれら一対の第1導電部42Aに繋がるくの字形状の第2導電部42Bで囲まれる領域では、第2導電部42Bの屈曲部42BAを通る第1方向Xに沿った直線(点線L1参照)を基準に、第2方向Y側の領域と第2方向Yと反対側の領域の液晶分子は、太い矢印Rで示すように、どちらも第2導電部42Bの屈曲部42BAを通る第1方向Xに沿った直線(点線L1参照)側に回転するように動く。 このため、相対流動方向が同じ方向となるため、液晶分子間での摩擦抵抗が小さくなっている。

また、第2方向Yの一対の第3導電部43A側について見ると、第2方向Yの一対の第3導電部43Aと、第3導電部43Aの第1方向X側に位置し、第2方向Yに隣接する第2導電部42Bの一方の辺42B1と第2導電部42Bの他方の辺42B2によって、囲まれる領域では、第2方向Y側(下側)の領域と、第2方向Yと反対側(上側)の領域で液晶分子は、やはり、太い矢印Rで示すように、相対流動方向が同じ方向となるため、液晶分子間での摩擦抵抗が小さくなっている。

このように、本実施形態では、主に液晶分子が回転する部分ごとに見ると、液晶分子間での摩擦抵抗が小さくなっているため、スムーズに液晶分子が回転でき、応答時間が短くなる。

一方、矢印f2で示す電界は、第2方向Yの一対の第1導電部42Aで発生する電界とそれら一対の第1導電部42Aに繋がるくの字形状の第2導電部42Bで発生する電界との合成によって方向が決まっており、図15に示すように、より大きく液晶分子を回転させる方向に向いている。 このため、液晶分子を大きく回転させることができるため、透過率を高くすることが可能となる。 なお、このようなくの字形状の第2導電部42Bの作用によって、液晶分子の指向性の一致度もよくすることができ、より一層透過率を高くすることが可能である。

また、第2方向Yの一対の第3導電部43A側の矢印f2で示す電界も、第2方向Yの一対の第3導電部43Aで発生する電界と、それらに繋がっている第3導電部43Aの第1方向X側に位置し、第2方向Yに隣接する第2導電部42Bの一方の辺42B1と第2導電部42Bの他方の辺42B2で発生する電界との合成によって方向が決まっており、図15に示すように、より大きく液晶分子を回転させる方向に向いている。

このため、液晶分子を大きく回転させることができるため、透過率を高くすることが可能となる。 また、第2方向Yに隣接する第2導電部42Bの一方の辺42B1と第2導電部42Bの他方の辺42B2は、第2方向Yの一対の第3導電部43Aを繋ぐ第2導電部42Bと向きが逆方向の逆くの字形状の導電部を構成するものになっており、このような逆くの字形状の導電部の作用によって、液晶分子の指向性の一致度もよくすることができ、より一層透過率を高くすることが可能である。

例えば、第2方向Yの一対の第1導電部42Aのそれぞれの一端42AAをくの字形状の第2導電部42Bではなく、第2方向Yに沿った直線で繋げた場合、矢印f2で示す電界の方向は、第1導電部42Aに対する角度δが45度程度となる。

しかし、本実施形態のように、第2方向Yの一対の第1導電部42Aのそれぞれの一端42AAをくの字形状の第2導電部42Bで繋ぐようにすると、矢印f2で示す電界の方向が45度よりも大きな角度δを有するようにできるため、大きく液晶分子を回転させることができ、高い透過率を得ることができるようになる。 なお、このことは、第2方向Yの一対の第3導電部43Aでの矢印f2で示す電界においても同じである。

そして、この角度δは、くの字形状の第2導電部42Bの開き角度が小さいほど大きくできるため、先に見たシミュレーションのようにθが小さいほど透過率を高くできるようになる。

このように、本実施形態の第1電極部40であれば、従来のFFS方式の画素電極よりも短い応答時間が得られるとともに、高い透過率を得ることができる。

[実施例] 次に、先に説明した組成物M30と組成物M31を実際に液晶層30に適用して応答時間を実測した結果を、以下、第1実施例及び第2実施例として記載する。 なお、図6を参照して説明したように、電界印加時の応答時間を応答時間T1とし、電界停止時の応答時間を応答時間T2とし、それらを合わせたものを、単に、応答時間(=応答時間T1+応答時間T2)としている。

[第1実施例] 液晶層30に組成物M30を用い、第1電極部40(図1から図3参照)を画素電極とした本実施形態の液晶表示素子1の場合、電界印加時の応答時間T1が4.25msであり、電界停止時の応答時間T2が3.46msであり、それらを合わせた応答時間(=応答時間T1+応答時間T2)が7.71msであった。

一方、比較のために、画素電極を図13に示した従来のFFS方式の画素電極に変更した以外は同様の液晶表示素子の場合、電界印加時の応答時間T1が10.84msであり、電界停止時の応答時間T2が9.53msであり、それらを合わせた応答時間(=応答時間T1+応答時間T2)が20.37msであった。

[第2実施例] 液晶層30に組成物M31を用い、第1電極部40(図1から図3参照)を画素電極とした本実施形態の液晶表示素子1の場合、電界印加時の応答時間T1が2.69msであり、電界停止時の応答時間T2が3.47msであり、それらを合わせた応答時間(=応答時間T1+応答時間T2)が6.16msであった。

一方、比較のために、画素電極を図13に示した従来のFFS方式の画素電極に変更した以外は同様の液晶表示素子の場合、電界印加時の応答時間T1が31.78msであり、電界停止時の応答時間T2が24.81msであり、それらを合わせた応答時間(=応答時間T1+応答時間T2)が56.59msであった。

そして、第1実施例及び第2実施例の結果からもわかるように、実際の実測値においても、本実施形態の液晶表示素子1の電極構造であれば、従来のFFS方式の電極構造の場合に比べ応答時間(電界印加時の応答時間T1、電界停止時の応答時間T2及びそれらを合わせた応答時間)が大幅に短くなり、性能が向上していることがわかる。

(第2実施形態) 第1実施形態では、第1電極部40が画素電極であり、第2電極部12が共通電極である場合について説明したが、第2実施形態では、第1電極部40が共通電極であり、第2電極部12が画素電極である場合について説明する。

第2実施形態においても基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様である部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明を行う。

図16は本発明に係る第2実施形態の液晶表示素子1の一部断面図であり、図1に対応する図である。 図17は本発明に係る第2実施形態の液晶表示素子1の電極構造を説明するための平面図であり、図2に対応する図である。

なお、図1及び図2と同様に、図16及び図17は液晶表示素子1の画素のRGBの1つの部分に対応するサブ画素に対応する図になっており、図16は図17のA−A線に対応する位置の液晶表示素子1の断面図になっている。

第2実施形態では、図16に示すように、第1基板10に近い側に位置する第2電極部12が画素電極とされているため、図17に示すように、第2電極部12が薄膜トランジスタ14のドレイン電極に電気的に接続されている。

そして、この場合、ビアホールVH(図2参照)を設けなくても、第2電極部12が薄膜トランジスタ14のドレイン電極に電気的に接続することが可能であるため、ビアホールVHが省略されている。

一方、第2実施形態では、図17に示すように、第1電極部40が共通電極とされ、共通電極線16に電気的に接続されるが、この場合もビアホールVHを設けることなく、電気的な接続が行える位置に共通電極線16を設ければよいため、ビアホールVHが不要である。

そして、第2実施形態のように、第1電極部40を共通電極とし、第2電極部12を画素電極とした場合でも、発生するフリンジ電界の状態は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。

ところで、第1実施形態でも述べたように、共通電極はサブ画素ごとに設ける必要はない。 したがって、第1電極部40を1画素領域ごとの単位や、図18に示すように、複数の画素領域ごとの単位又は全画素領域の単位(この場合、第1電極部40は1つとなる。)で設けるようにしてもよい。

以上のように、第1電極部40と第2電極部12が第1基板10から液晶層30側に向かうZ軸方向、つまり、液晶表示素子1の厚み方向(以下、厚み方向Zともいう。)で離間して積層されている構成においては、第1電極部40及び第2電極部の一方が画素電極であり、もう一方が共通電極であればよい。

(第3実施形態) 上記第1実施形態及び第2実施形態では、厚み方向Zに第1電極部40と第2電極部12が離間している場合について説明した。 しかし、第1電極部40と第2電極部12は厚み方向Zに離間させることに限定される必要はなく、第1方向Xに離間させるようにしてもよい。

したがって、第3実施形態では、第1電極部40と第2電極部12を第1方向Xに離間させるようにした場合について説明を行う。 なお、第3実施形態でも、全体的な構成は、第1実施形態及び第2実施形態と同様であるため、第1実施形態及び第2実施形態と同様の点に関しては説明を省略し、主に異なる点についてのみ説明を行う。

第1実施形態及び第2実施形態では、図1及び図16に示したように、絶縁層17上に第2電極部12が設けられ、その第2電極部12を覆うように絶縁層18が設けられ、その絶縁層18上に第1電極部40が設けられ、更に、第1電極部40を覆うように第1配向膜19が設けられていた。

しかし、第3実施形態では、上述のように、第1電極部40及び第2電極部12を第1方向Xに離間させて配置するため、厚み方向Zに離間させて第1電極部40と第2電極部12を配置する必要はない。

したがって、第3実施形態では、図1及び図16に示した絶縁層17上に第1電極部40及び第2電極部12が設けられるとともに、それら第1電極部40及び第2電極部12を覆うように第1配向膜19が設けられ、絶縁層18が省略された構成になる点が、厚み方向Zで見たときの違いとなる。

そして、第1電極部40及び第2電極部12を第1方向Xに並べるように配置すると、FFS方式の横電界(フリンジ電界)ではなく、IPS方式の横電界となる。

しかし、第2電極部12をベタ電極とするのではなく、第1電極部40と第2電極部12とで、少なくとも第1実施形態及び第2実施形態の基本電極部41と類似の導電パターンを形成するようにすれば、液晶層30の液晶分子にかかる電界の状態を第1実施形態及び第2実施形態と類似するものとできるため、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。 以下、具体的に第1電極部40及び第2電極部12について説明する。

図19は、本発明に係る第3実施形態の液晶表示素子1の電極構造を説明するための平面図である。 図19に示すように、第1電極部40は、少なくとも1つの第1基本電極部42を有しており、第2電極部12は、少なくとも1つの第2基本電極部43を有している。

そして、第1基本電極部42は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、第1基板10(図1及び図16参照)の基板面に沿った第1方向Xに延在し、第1方向Xに直交する第2方向Yに離間した一対の第1導電部42Aを備えている。 また、第1基本電極部42は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、一対の第1導電部42Aのそれぞれの一端42AAに対して接続された一対の他端42BBを有し、第1導電部42Aの延在方向とは反対方向にくの字形状の一端となる屈曲部42BAを有するくの字形状の第2導電部42Bを備えている。 なお、第1実施形態で述べたのと同様に第2導電部42Bは、くの字形状の方が好ましいがこれに限定されるものではない。

一方、第2基本電極部43は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、第1基本電極部42の開き側となる開口部OPの近傍から第1方向Xに延在する第3導電部43Aを備えている。

なお、図19では、第3導電部43Aは、第3導電部43Aの一端43AAが開口部OPよりも、若干、開口部OP内(第1基本電極部42寄り)に位置するように設けられているが、この点に関しては、第1実施形態で述べたように、第3導電部43Aは、第3導電部43Aの一端43AAが開口部OPよりも第1方向Xに、若干、離間するように設けられていてもよい。

また、本実施形態では、第1電極部40は、第2方向Yに複数の第1基本電極部42(具体的には3つの第1基本電極部42)を備えており、第2方向Yの任意の隣り合う第1基本電極部42は、一対の第1導電部42Aのうち第1基本電極部42の間に位置することになる第1導電部42Aを共有しており(斜めハッチング部分参照)、この点も第1実施形態及び第2実施形態と同様である。

一方、第2電極部12について見ても、本実施形態では、第2電極部12は、第2方向Yに第1基本電極部42に対応する複数の第2基本電極部43(具体的には3つの第2基本電極部43の第3導電部43A)を備えており、第1実施形態及び第2実施形態の第2基本電極部43の第3導電部43Aと同様の構成になっている。

更に、第2基本電極部43は、第1基本電極部42と同様の構成の付加電極部43ADを備えている。

具体的には、付加電極部43ADは、第3導電部43Aの第1方向X側に設けられた第1基本電極部42の第1導電部42Aと同様の第2方向Yに離間した一対の第4導電部43Bと、一対の第4導電部43Bのそれぞれの一端43BAに対して接続された一対の他端43CBを有し、第1方向Xとは反対方向に第3導電部43Aの他端43ABが接続されるくの字形状の一端となる屈曲部43CAを有する第1基本電極部42の第2導電部42Bと同様のくの字形状の第5導電部43Cと、を備えている。 なお、第5導電部43Cも、くの字形状の方が好ましいがこれに限定されるものではない。

そして、付加電極部43ADが、第2方向Yに複数ある場合(図19は3つある場合である。)、第1基本電極部42と同様に、第2方向Yの任意の隣り合う付加電極部43ADは、一対の第4導電部43Bのうち付加電極部43ADの間に位置することになる第4導電部43Bを共有している(クロスハッチング部参照)。

一方、第1電極部40について見ると、本実施形態では、第1基本電極部42が第2導電部42Bの屈曲部42BAから第1方向Xとは反対方向に延在する第1実施形態及び第2実施形態の第4導電部44と同様の第6導電部42Cを備えている。

そして、本実施形態では、第2基本電極部43が間に位置するように第1基本電極部42が第1方向Xに繰り返されるように設けられている。 なお、図19では、第1基本電極部42が1回繰り返されている場合を示しているが、この繰り返し数は、サブ画素に求められる面積に応じて決めればよい。

また、第1電極部40は、一対の第1導電部42Aと1つの第2導電部42Bを有する少なくとも1つの第1基本電極部42を有していればよく、第2電極部12は第1基本電極部42に対応した第2基本電極部43の第3導電部43Aを有していればよく、第2方向Yにいくつ設けるのかは、サブ画素に求められる面積に応じて決めればよい。 ただし、第2基本電極部43の第3導電部43Aが第2方向Yに複数ある場合には、それらの第3導電部43Aを電気的に接続するために、第5導電部43Cを設けるようにすればよい。

そして、第1電極部40は、L字形状の接続導電部45を備え、その接続導電部45が第1導電部42A、第2導電部42B及び第6導電部42Cで形成される導電パターンを電気的に接続している。 また、接続導電部45は一端側となる第1辺45Aから第1方向Xとは反対側に延在する接続部45Bを備え、この接続部45Bが薄膜トランジスタ14のドレイン電極に電気的に接続されることで、第1電極部40が画素電極であるものとされている。

一方、第2電極部12が共通電極線16に電気的に接続されることで、第2電極部12が共通電極であるものとされている。

上記のような構成の場合、第1電極部40と第2電極部12との間の電位差によって発生する横電界は、図15を参照して説明した第1実施形態の電界と類似した状態になり、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。

なお、本実施形態では、第1電極部40が画素電極で第2電極部12が共通電極である場合について示してきたが、第1電極部40を共通電極とし、第2電極部12を画素電極としても、発生する横電界の状態は本実施形態と同様であるため、第1電極部40が画素電極で第2電極部12が共通電極である場合と同様の効果を奏することができる。

したがって、第1電極部40又は第2電極部12の一方が画素電極であり、第1電極部40又は第2電極部12の残る他方が共通電極であるものとされていればよい。

以上、具体的な実施形態に基づいて、本発明の液晶表示素子1について説明してきたが、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。

1…液晶表示素子、10…第1基板、11…第1偏光板、12…第2電極部、13…データ線、14…薄膜トランジスタ、15…ゲート線、16…共通電極線、17…絶縁層、18…絶縁層、19…第1配向膜、20…第2基板、21…第2偏光板、22…色層、23…ブラックマトリックス、24…平坦化膜、25…第2配向膜、30…液晶層、40…第1電極部、41…基本電極部、42…第1基本電極部、42A…第1導電部、42AA…一端、42B…第2導電部、42B1,42B2…辺、42BA…屈曲部、42BB…他端、42C…第6導電部、43…第2基本電極部、43A…第3導電部、43AA…一端、43AB…他端、43AD…付加電極部、43B…第4導電部、43C…第5導電部、43BA…一端、43CA…屈曲部、43CB…他端、44…第4導電部、45…接続導電部、45A…第1辺、45B…接続部、100…導電部、110…導電部、OP…開口部、D1,D2…距離、L1,L2,L3…長さ、T1,T2…応答時間、VH…ビアホール、θ,δ…角度

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