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Microbicidal activated carbon fiber and its production

阅读:651发布:2021-09-16

专利汇可以提供Microbicidal activated carbon fiber and its production专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a microbicidal activated carbon fiber excellent in sustainability and microbicidal properties, and effective for the use of a water cleaning device, etc., by stably dispersing very fine particles of metallic silver having ≤1μm diameter into the inside of the fiber.
SOLUTION: This microbicidal activated carbon fiber dispersed with very fine particles of metallic silver having ≤1μm diameter in its inside is obtained by using a pitch containing silver as a raw material for spinning (B) obtained by adding a silver compound to a coal-based or a petroleum-based heavy oil (A), oxidizing, and then polymerizing. The method for producing the fiber is to add the silver compound to the heavy oil (A) having ≤500 poise viscosity at 100°C, oxidize (nitrate) and then polymerize the oil at 250-350°C to form a pitch for spinning (B) containing ≤1wt.% of silver and having 220-350°C softening point, then form a pitch fiber, make an infusible fiber, and further activate the infusible fiber. A water cleaning device is obtained by using the microbicidal activated carbon fiber.
COPYRIGHT: (C)1997,JPO,下面是Microbicidal activated carbon fiber and its production专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 石炭系又は石油系の重質油(A)に銀化合物を添加並びに酸化処理を実施した後、重合処理を実施することにより得られる銀含有の紡糸用ピッチ(B)
    を原料とし、且つ、直径1μm以下の微細粒子状金属銀が繊維内部に分散していることを特徴とする抗菌性活性炭素繊維。
  • 【請求項2】 100℃の温度における粘度が500ポイズ以下である石炭系又は石油系の重質油(A)に銀化合物を添加並びに酸化処理を実施した後、250℃以上400℃以下の温度で重合処理して銀含有量1重量%以下で、軟化点220℃以上350℃以下の紡糸用ピッチ(B)を製造し、次いで該ピッチを紡糸してピッチ繊維を製造し、次いで該ピッチ繊維を不融化して不融化繊維とし、更に賦活処理することを特徴とする請求項1記載の抗菌性活性炭素繊維の製造方法。
  • 【請求項3】 紡糸用ピッチ(B)が重質油(A)をニトロ化酸化処理して得られることを特徴とする請求項2
    記載の抗菌性活性炭素繊維の製造方法。
  • 【請求項4】 請求項1記載の抗菌性活性炭素繊維を用いることを特徴とする浄水装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、浄装置等に使用される抗菌性に優れ、且つ長寿命な活性炭素繊維及びその製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】昨今の飲料水の水質の劣化に伴い、水道に浄水器を取付けて残留塩素やカビ臭の除去し、更にトリハロメタン等の有害物質の除去が行われることが多くなってきた。 ところが、水道水中にも微量の細菌又はその胞子が含まれ、本来殺菌用のため添加されている塩素が浄水器によって除去されるため、浄化された水は殺菌を失い、そのために微量に残存する細菌の繁殖が活発になる。 特に、浄水器中に水を滞留させたまま長時間放置するとこの影響は大きくなり、衛生的見地から問題となる。

    【0003】このような問題を解決するために、古くから知られている銀イオンの持つ殺菌力を利用し、飲料水中に含まれる各種有害物質を吸着除去すると共に、細菌等の増殖を抑えるために活性炭に銀を添着させ浄水用途に用いることが行われている。 例えば、特開昭59−1
    93134号公報、特公昭52−38666号公報はその代表的なものである。 これらはいずれも予め製造された活性炭に銀又は銀化合物を含浸、散布により直接添着させる方法である。

    【0004】さらに、吸着速度が早く活性炭に比べてトリハロメタン等の有害物質の吸着性能に優れた繊維状の活性炭、いわゆる活性炭素繊維においても、同様に抗菌性を持たせるために銀を添加させる方法が試みられているが(特開昭58−131187号公報、特開平7−1
    63640号公報)、均一に添着できないという問題がある。

    【0005】また、「PETROTECH」第19巻、
    第1号(1996年)33〜37頁には、フェノール樹脂を原料として、硝酸銀とメタノール溶媒を使用し、練り込み法により製造された銀粒子担持の抗菌性活性炭素繊維の報告がなされているが、流水試験において比表面積が大きくなると、浸漬期間とともに銀含有率の低下が大幅に見られること、つまり初期の段階で細孔から銀粒子が脱落するという問題がある。 また、メタノール等溶媒を使用するため、その除去も含めた工程の煩雑さやコストアップの要因ともなる。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有害物質等の吸着除去に優れ、且つ長期に亘って抗菌性にも優れた安価な銀含有活性炭素繊維及びその製造方法に関するものである。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題について鋭意検討を重ねた結果、原料及び製造方法を特定し、且つ紡糸用ピッチの前駆体原料の段階で銀化合物を添加させることで、活性炭素繊維内に銀を均一に、また、賦活処理時に、活性炭素繊維の表面・内部の細孔形成を実質的に阻害しないように微細粒子状に分散でき、
    有害物質等の吸着除去に優れ、また銀の脱落が少なく長期に亘って抗菌性に優れた安価な活性炭素繊維を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。

    【0008】すなわち、本発明は: 石炭系又は石油系の重質油(A)に銀化合物を添加並びに酸化処理を実施した後、重合処理を実施することにより得られる銀含有の紡糸用ピッチ(B)を原料とし、
    且つ、直径1μm以下の微細粒子状金属銀が繊維内部に分散している、抗菌性活性炭素繊維を提供する。 また、 100℃の温度における粘度が500ポイズ以下である石炭系又は石油系の重質油(A)に銀化合物を添加並びに酸化処理を実施した後、250℃以上の温度で重合処理を実施して銀含有量1重量%以下の軟化点220℃
    以上350℃以下の紡糸用ピッチ(B)を製造し、次いで該ピッチ原料を紡糸してピッチ繊維を製造し、次いで該ピッチ繊維を不融化して不融化繊維とし、更に賦活処理する抗菌性活性炭素繊維の製造方法を提供する。 また、 紡糸用ピッチ(B)が重質油(A)をニトロ化酸化処理して得られること点にも特徴を有する。 また、 記載の抗菌性活性炭素繊維を用いる浄水装置を提供する。

    【0009】以下、本発明を詳細に説明する。 (I)抗菌性活性炭素繊維 本発明の抗菌性活性炭素繊維は、石炭系又は石油系の重質油(A)に銀化合物を添加並びに酸化処理を実施した後、重合処理を施すことにより得られる銀含有の紡糸用ピッチ(B)を原料とした、直径1μm以下の微細粒子状金属銀が繊維内部に(比較的に均一に)分散している点に特徴を有する。

    【0010】(i)金属銀について: 1)銀化合物の種類:本発明の重質油に添加する銀化合物としては、重質油に分散できるものならその種類に特に制限はなく、水溶性の銀化合物、有機溶媒可溶性の銀化合物等を使用することができる。

    【0011】しかし、水や有機溶媒に難又は不溶性の銀化合物では、重質油中に均一に分散させることが難しく、乳化剤、分散・懸濁剤などを加えて強制的に分散させる必要が生じ、これら添加剤が、その後の紡糸、不融化、熱処理等に悪影響を与える原因にもなり好ましくない。 このため、硝酸銀、硫酸銀、リン酸銀等の水溶性の銀化合物を使用することが好ましい。 このような銀化合物は、重質油に添加された後、重合処理、紡糸、不融化、賦活等の加熱処理等を順次行うことにより、最終的に活性炭素繊維の内部に金属銀の状態で分散される。 この際、銀化合物の状態で活性炭素繊維の内部に残存することもありうるが、本発明においては、極微少であり活性炭素繊維の性能に影響を与えるまでに至らない。

    【0012】2)金属銀の粒子径:本発明の金属銀は、
    賦活時に、細孔の形成を実質的に阻害しないように、繊維の内部に分散されていることが必要である。 従って、
    繊維内部に分散されている金属銀は、1.0μm以下、
    好ましくは0.1〜0.8μm、より好ましくは0.1
    〜0.5μmの粒子径を持つ微細粒子状とすることが要求される。 金属銀の粒子径が1.0μmを越えて大きいと活性炭素繊維の細孔形成を阻害し、その浄化作用を妨げる傾向が生じて望ましくなく、また0.1μm未満と極端に微細状粒子になると、活性炭素繊維内部での坦持状態が不安定となり易く、浄水器として使用した時に金属銀粒子の脱落が生じ効果が持続せず好ましくない。

    【0013】金属銀の粒子径は、熱処理温度に依存して変化し、熱処理温度が高くなるほど生成される金属銀粒子同士が凝集するために、熱処理温度が低いほうが粒子径は小さくなる傾向があり、粒子径を上記範囲とするためには、熱処理温度を200℃以上1400℃以下とすることが望ましい。 このため、賦活における熱処理温度を、要求される比表面積等の活性炭素繊維の性能を勘案し、適宜選択する必要がある。 なお、本発明の場合、賦活における熱処理温度が、以下に詳述するように700
    ℃から1100℃の範囲であり、金属銀の粒子径は、概ね上記範囲に調整される。

    【0014】3) 金属銀の含有量:活性炭素繊維に対する金属銀の含有量は、銀に換算して10.0重量%以下、好ましくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.5〜2.0重量%である。 活性炭素繊維に対する金属銀の含有量が、0.1重量%未満と少ないと、抗菌性効果が低下し、10.0重量%を越えると、抗菌性効果に有意差がなくなると同時にコストが高くなりなり望ましくない。 本発明の場合、原料の重質油の段階で銀化合物を添加するため、上記金属銀の含有量は、この時点で調整される。 このため、重質油に添加する銀化合物の量は、紡糸用ピッチの収率及び、要求される活性炭素繊維の性能により大幅に変化する賦活収率を勘案し決定する必要がある。 なお、活性炭素繊維の賦活収率は、要求される比表面積に依存し、数%から90%と大幅に変化する。

    【0015】また、銀化合物を紡糸用ピッチに対し銀換算で1重量%を超えて添加した場合、ピッチ化において銀鏡反応等により銀が析出する傾向が見られ、均一な分散が困難であり、また紡糸の際、断糸等の不具合が生じやすい。 これらより、原料の重質油に対し紡糸用ピッチの段階で、銀換算で1重量%以下となるように、紡糸用ピッチの収率を勘案の上、銀化合物を添加することが、
    ピッチ化及びピッチの繊維化等に支障もなく、また活性炭素繊維に対する金属銀の含有量も上記の適切な範囲に保持することができ望ましい。

    【0016】(ii)紡糸用ピッチ(B)について: (a) 重質油(A) 重質油(A)としては、酸化処理、熱処理することにより一定の粘度(軟化点)を与える縮合多環芳香族化合物を主成分とする炭化水素類であれば特に制限されないが、例えば原油蒸留残渣油、流動接触分解(FCC)重質油、ナフサ分解残渣油等の石油系重質油、コールタール、石炭液化油等の石炭系重質油を挙げることができる。 また、重質油の粘度は、銀化合物を均一に分散させるためには低いほど望ましく、100℃において500
    ポイズ以下、好ましくは100ポイズ以下、より好ましくは20ポイズ以下とする必要がある。

    【0017】(b)紡糸用ピッチ(B) 上記重質油(A)を必要に応じ濾過、水添、接触分解、
    蒸留等を行い、更に銀化合物の添加・混合、酸化処理、
    重合処理、蒸留等を行うことにより、活性炭素繊維の製造に適したほぼ光学的等方性の銀含有の紡糸用ピッチを得ることができる。 本発明において銀化合物は、重合処理の前であればいつ添加しても良いが、操作性と分散性を良くする上で、以下に記述する酸化処理に合わせ添加することが好ましい。 本発明において重質油(A)の酸化処理は、重質油を円滑にピッチ化するために熱重合処理前に実施することを要する。 この酸化方法としてエアブローン等種々の方法があるが、本発明においては、ニトロ化酸化処理を行うことが、高性能な活性炭素繊維が得られる点、光学的等方性ピッチが高収率で得られる点、及び銀化合物を均一に分散させる点で好ましい。

    【0018】重質油のニトロ化酸化処理は、硫酸、リン酸等の酸触媒と硝酸あるいは有機ニトロ化合物等のニトロ化試薬の水溶液を用いてエマルジョン状態で行うことが望ましい。 例えば、水溶液中でのニトロ化試薬及び酸触媒の濃度は、一般にそれぞれ2〜10規定(2〜10
    モル/L)の範囲で選ばれる。 該ニトロ化試薬の濃度が2規定未満ではニトロ化等の反応が充分に行われない。
    また、10規定を越えてもニトロ化反応の進行がほとんど変わらないのでコスト的にみて不利になる。 また、この操作の時に、添加された銀化合物を均一に混合することも含め、撹拌機等により充分に撹拌することが望ましい。

    【0019】ニトロ化反応は一般に10〜100℃程度の低い温度で、0.5〜5時間、好ましくは0.5〜2
    時間程度の反応時間で行うのが望ましい。 このように、
    ニトロ化酸化処理された紡糸用ピッチを原料とするピッチ繊維は、含窒素の官能基を含むため、この官能基が賦活に際して脱離し、更に該官能基と賦活ガスとの反応によっても賦活反応が促進され、微細孔が活性炭素繊維全体に形成されるので、高性能な活性炭素繊維を得ることができる。 なお、ニトロ化酸化後の重質油は、未反応なニトロ化試薬、酸触媒、乳化剤、水分等不純物を含むため、常圧蒸留等の手段で分別し除去する必要がある。

    【0020】このようにして得られた銀化合物含有のニトロ化酸化された重質油は、紡糸に適した紡糸用ピッチを得るため、及び重質油に添加された銀化合物を金属銀等として紡糸用ピッチに分散させるため、さらに250
    ℃以上400℃以下に加熱され重合処理される。 加熱温度は、本発明において比較的に低粘度の重質油を用いるため、250℃未満では、重合が長時間となり好ましくない。 また、400℃を超えるとコーキングが発生するので好ましくない。 また、引き続き減圧蒸留し軽質分を除去することで、軟化点は220℃以上350℃以下に調整される。

    【0021】得られる紡糸用ピッチの軟化点が220℃
    未満では、不融化に長時間を要し好ましくなく、350
    ℃を超えると紡糸温度がピッチを変質させるほど高くなり好ましくない。 さらに、このような軟化点を有する紡糸用ピッチを紡糸して得たピッチ繊維は、後述の不融化処理の温度範囲150℃から400℃で比較的短時間で円滑に不融化が進行する。 また、活性炭素繊維の製造及び性能の面から、原料ピッチが光学的等方性ピッチのほうが、光学的異方性ピッチより好ましく、本発明の紡糸用ピッチは、ほぼ光学的等方性ピッチとして得られることより、この面でも好適である。 なお、賦活等製造面に支障がなければ、多少の光学的異方性ピッチの混入は、
    活性炭素繊維の性能面で大きな影響を与えない。

    【0022】(iii)活性炭素繊維の製造工程について 1)ピッチ繊維の製造 このようにして得られた紡糸用ピッチは、銀化合物の添加が紡糸に適するように制限されており、常法に従ってピッチ繊維を製造することができる。 即ち、ピッチの溶融紡糸に慣用されている方法を用いることができる。 例えば、スパンボンド法、メルトブロー法、メルトスピニング法、遠心紡糸法等を用いることができる。 特にメルトブロー法が生産性の面で好ましい。

    【0023】2)不融化繊維の製造 ピッチ繊維の不融化処理は、通常、酸素、酸素リッチガス、空気、NO 2等の酸化性ガス雰囲気下で150℃から400℃の温度範囲で、好ましくは200℃から35
    0℃の温度範囲で酸化処理することにより行うことができる。

    【0024】3)賦活処理について 賦活処理は、常法に従って行うことができる。 例えば、
    水蒸気、二酸化炭素、酸素等の賦活ガス雰囲気下に、7
    00〜1100℃、好ましくは850〜1000℃の温度で10〜150分間程度処理することにより賦活を行うことができる。 この賦活処理において、不融化繊維が含窒素の官能基を含むため、この官能基が賦活に際して脱離し、更に該官能基と賦活ガスとの反応によっても賦活反応が促進されるので、微細孔が活性炭素繊維の全体に形成され、高性能の活性炭素繊維を提供できる。

    【0025】(iv)本発明の抗菌性活性炭素繊維を含む浄水装置 本発明の抗菌性活性炭素繊維は、その効力を損なわない範囲で従来の活性炭素繊維と混合して使用しても良く、
    且つそれ単独の層で或いはポリエチレン、ポリプロピレン等の微多孔膜層と組み合わせて浄水装置の充填材、特にカートリッジとして用いることができる。

    【0026】

    【作用】 本発明の抗菌性活性炭素繊維は、該活性炭素繊維の内部に金属銀が微細粒子状で分散しているので、賦活処理時に細孔形成を実質的に阻害しないために、吸着による浄化作用を妨げることなく銀の抗菌作用を発揮できる。 さらに、銀化合物を紡糸用ピッチの製造段階で添加しているので、従来の銀含有の活性炭や繊維状活性炭に比して、金属銀が表面から剥離する恐れが少なく、また、内部にも比較的に均一に分散されているので、その抗菌性作用が安定的に、且つ長期に持続する。

    【0027】なお本発明の各種測定は以下の方法による。 軟化点:ASTM D−3104に準拠して測定した。 活性炭素繊維中の金属銀含量の分析:JIS K01
    21の原子吸光分析法により測定した。 トリハロメタン濃度(ppb):JIS K0125
    のヘッドスペース法により測定した。 遊離残留塩素濃度(ppm):JIS K0101の残留塩素測定法により測定した。 一般細菌数:JIS K0101の細菌試験法に準じて測定した。

    【0028】また、銀粒子の分散状態は、活性炭素繊維の薄膜断片を作製し(約2000〜2500Å膜厚に設定)、透過型電子顕微鏡(TEM)写真(図1参照)上で観察し分析した。

    【実施例】本発明を下記の実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はそれらにより制限されない。

    【0029】(実施例1) (a) 紡糸用ピッチの製造 重質油として、100℃での粘度が9cStの接触分解油を使用し、20重量%の硝酸銀水溶液を該重質油に対して、銀換算で0.2重量%の割合となるように添加し、更に40重量%(8規定)の硝酸水溶液を該重質油に対して20重量%の割合で60分の時間をかけて徐々に添加し、攪拌機を用い乳化混合させたエマルジョン状態で、50℃の温度で1時間ニトロ化酸化処理し、その後、120℃で3時間常圧蒸留して未反応の硝酸及び水分を分別除去しニトロ化酸化重質油を得た。 次いで、該ニトロ化酸化重質油を350℃で5時間加熱重合化処理して、軟化点90℃のピッチを得た。 引き続き、300
    ℃で5torrで減圧蒸留して、軟化点285℃の光学的等方性紡糸用ピッチを収率40%で得た。 紡糸用ピッチの銀含有量は0.5重量%であった。

    【0030】(b) 活性炭素繊維の製造 該紡糸用ピッチを、メルトブロー法により、紡糸温度3
    35℃で、幅1.5mmのスリットの中に直径0.2m
    mφの紡糸孔を一列に400個有する口金を用い、スリットから加熱空気を噴出させ溶融ピッチを牽引して平均直径13μmのピッチ繊維を得た。 該ピッチ繊維を空気雰囲気下に、3℃/分の昇温温度で昇温し、320℃で10分間熱処理して不融化した後、水蒸気により950
    ℃で20分間賦活処理して比表面積1560m 2 /gの活性炭素繊維を収率46%で得た。 該活性炭素繊維の金属銀含有量を測定したところ1.1重量%であった。

    【0031】(c) 活性炭素繊維の抗菌性 該活性炭素繊維を未滅菌のイオン交換水中で6時間及び24時間浸漬した後、浸漬水を採取し、標準寒天平板培養法(35℃、2日間)により一般細菌数を測定した。
    その結果を表1に示した。

    【表1】

    【0032】該活性炭素繊維は、以下に記述する比較例1と比較し、著しい抗菌作用を有することが分かった。
    また、該活性炭素繊維のX線回折測定を実施した結果、
    金属銀の回折線が得られた。 更に、該活性炭素繊維の薄断片(約2000〜2500Å厚、繊維径約12μm)
    を作製し、その断面を透過電子顕微鏡で観測した写真を図1に示した。 この写真により、径がほぼ0.1〜0.
    5μmの範囲の金属銀(写真上の微粒状の黒点が、金属銀の存在を表し、やや大きめの白い空隙が、サンプル作製時に金属銀が脱落した箇所と判断される)が活性炭素繊維の内部に比較的に均一に分散していることが分かる。

    【0033】(比較例1)実施例1と同様の原料油を用い、硝酸銀水溶液を添加しないこと以外同様にして、ニトロ化酸化、加熱重合処理等を行い、実施例1とほぼ同様の軟化点287℃の光学的等方性紡糸用ピッチを収率38%で得た。 該紡糸用ピッチを使用し、実施例1と同様にして、比表面積1580m 2 /gの活性炭素繊維を収率45%で得た。 該活性炭素繊維を用い実施例1と同様に一般細菌数を測定した結果を実施例1と合わせ表1
    に示した。

    【0034】(実施例2、3、比較例2、3)実施例1
    と同様の原料油を用い、硝酸銀水溶液の添加量を表2に示すように変化させたこと以外は同様にして、ニトロ化酸化、加熱重合処理等を行い、銀の含有量等が表2にしめすようなの紡糸用ピッチを4種類得た。 比較例2及び3のように、紡糸用ピッチの銀の含有量が1重量%を超えて多くなると、銀鏡反応等で銀の析出が生じるためか、銀の分散状態が極端に悪くなり、銀化合物の添加量に比して、分散状態の良い場所での銀含有量が極端に低くなる傾向が見られた。 また比較例2及び3の紡糸用ピッチを使用し、実施例1と同様にして、紡糸を試みたが、断糸が多く活性炭素繊維の製造に不適なものであった。

    【0035】一方、実施例2及び3の紡糸用ピッチを用い、実施例1と同様にして、表2に示すように実施例1
    とほぼ同様の比表面積を持つ活性炭素繊維を2種得た。
    該活性炭素繊維の金属銀含有量を実施例1と同様に測定したところ、表2に示すように、銀化合物の添加量に見合ったものであった。 また、該活性炭素を用い、実施例1と同様に一般細菌数の測定を行った結果、実施例1と同様に一般細菌数は、30個/ml未満であった。

    【表2】

    【0036】(実施例4)実施例1で得られた金属銀を含有する抗菌性活性炭素繊維4gと比表面積2000m
    2 /gの標準活性炭素繊維11gを均一に混合した後、
    簡易浄水器に装着しSV約1000で12時間連続通水した。 通水開始10時間後の処理水のトリハロメタン濃度及び遊離残留塩素濃度の測定を行った。 その結果を表3に示した。

    【表3】

    また、停水後24時間放置した後、浄水器内に滞留した水を用い、実施例1と同様にして抗菌性評価の測定を行った。 その結果、一般細菌数は実施例1と同様に30個/ml未満であった。

    【0037】

    【発明の効果】本発明の抗菌性活性炭素繊維は、直径1
    μm以下の微細粒子状金属銀が繊維内部に安定的に分散しているので、浄水装置等に使用される時に、持続して長期間にわたって抗菌性に優れた効果を有する。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明(実施例1)の金属銀含有活性炭素繊維の薄膜断面を透過電子顕微鏡により観察した写真(×1
    0,000倍)である。

    フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/28 C02F 1/28 F 1/50 510 1/50 510A 520 520B 531 531E 540 540F 560 560B D01F 1/10 D01F 1/10

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