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Composition for mulching film and mulching film

阅读:191发布:2020-08-12

专利汇可以提供Composition for mulching film and mulching film专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a composition for mulching film having biodegradability both in above-ground part and underground part and decomposition rate of which being controllable, capable of preventing early decomposition of the part near the border, and made as cheap as possible, and a mulching film formed from the composition for mulching film realizing improvement of agricultural productivity, labor saving, and prevention of environmental destruction by plastic wastes, while firmly keeping the original roll of promotion of plant growth and prevention of weed generation.
SOLUTION: This composition for mulching film is prepared by compounding 10-400 pts.wt. calcium carbonate into 100 pts.wt. biodegradable polymer, and this mulching film is obtained by molding the composition for mulching film.
COPYRIGHT: (C)2001,JPO,下面是Composition for mulching film and mulching film专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 生分解性ポリマー100重量部に対し、
    炭酸カルシウム10〜400重量部を配合したことを特徴とするマルチングフィルム用組成物。
  • 【請求項2】 前記炭酸カルシウムが、平均粒径0.5
    〜10μmの重質炭酸カルシウムである請求項1に記載のマルチングフィルム用組成物。
  • 【請求項3】 請求項1又は2に記載のマルチングフィルム用組成物を成形して得られる、厚さ5〜50μmのマルチングフィルム。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】 本発明は、農業の収穫効率向上のために用いられるマルチングフィルム用組成物及びマルチングフィルムに関する。 より特定すれば、生物、及び光によって容易に分解する性質を有し、使用後に取り除くことなく土中に鋤込める、炭酸カルシウムを特定量含有する、生分解性ポリマー系のマルチングフィルム用組成物及びマルチングフィルムに関する。

    【0002】

    【従来の技術】 農業用のマルチングフィルムは、作物栽培時に播種、又は定植する部分だけに穴をあけて地面を覆うために用いられるプラスチックフィルムで、地温を上昇させ、分の蒸発を防ぐことによって、作物の生育を促進し、収穫時期を早め、収穫量を増加させ、且つ品質も向上させるといった効果をもたらす。 この農業用マルチングフィルムに、更に別の効果を付加した例として、黒色や緑色に着色して雑草発生を抑制したり、特定の虫が嫌う色に着色して虫による食害を防止する等も行われている。

    【0003】 このように農作業の効率化には欠かせない資材となっている農業用マルチングフィルムであるが、現在では農業用資材に限らず全ての製造物の課題でもある、環境への負荷を考慮し使用後の後始末を如何にするかが問題となっている。 一般に、農業用のマルチングフィルムは、農作物の種類にもよるが1〜6ヶ月程度で上記のような役目を終える。 役目を終えた後の農業用のマルチングフィルムは畑より取り外し廃棄される。 この取り外す作業には多くの人手がかかるので、老齢化、
    少人数化した農家には大きな負担となる。 又、廃棄処分の方法にも、焼却によるダイオキシンの発生等の環境問題から野焼きを禁止する自治体が増え、回収等の野焼きに代わる方法が必要となっている。 しかし、引き取り回収処分には高いコストがかかり、積み上げ放置すれば何の解決にもならない上に風に飛ばされ周辺住民に迷惑をかける等の問題がある。

    【0004】 元々、マルチングとは、作物の根を温度変化から護り雨の跳ねによって果実が汚れるのを防ぐために、畑に藁や落ち葉、或いは木片等を敷き詰めることとされ、人間が、その土地の厳しい気候の中で何とかより安定して多くの農作物を得ようとして編み出したすばらしい知恵である。 そしてマルチング用の材料も、育てようとする作物と同じ植物を資源とする物を利用し、使用後は畑に鋤込み肥料資源として還元して、土地の肥沃化に活用していた。 プラスチックフィルムにおいても、
    使用時までは充分な耐久性を有しながら、役目を終えた後には、即ち、一般には農作物の収穫後には、植物を資源としたマルチング材料と同様に、畑に鋤込みが可能で、早期に分解し自然界に還すことが出来、更には、可能ならば肥料にも成り得るマルチングフィルムとすることが要望されていた。

    【0005】 このような要望に応えて、従来より種々のマルチングフィルムが提案されてきている。 特公昭5
    2−31256号公報によれば、ポリオレフィンに炭酸カルシウムを配合した乳白色の光崩壊性マルチングフィルムが提案されている。 この光崩壊性マルチングフィルムは、破砕が容易で、且つ良好な焼却性を有するプラスチックフィルムである。 この易破砕性は、本来ポリオレフィンの持つ光による、特に紫外線による劣化性を利用し、ポリオレフィンに炭酸カルシウムを加えることで容易に破砕される性質を付与し実現されている。 即ち、ポリオレフィンと炭酸カルシウムからなる均質なフィルムが光や熱により劣化することに基づいている。

    【0006】 又、特公平4−146952号公報によれば、生分解性脂肪族ポリエステルと、炭酸カルシウム又は/及び炭酸マグネシウムから成る微生物分解性プラスチック成形品が提案され、植林用シートとしての利用も紹介されている。 この微生物分解性プラスチック成形品は、微生物分解性を有するとともに機械的強度に優れ、且つ安価に製造し得る。 微生物分解性は、ポリヒドロキシブチレート、ポリエチレンアジベート等の脂肪族ポリエステルに由来し、高価な脂肪族ポリエステル材料に、安い炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウムを含ませることで機械的強度を向上させた上でトータルコストを下げている。 又、澱粉を併用することで、その微生物分解性を更に向上させることが出来る。

    【0007】 更に、特開平8−1806号公報によれば、酸化チタン光触媒を含有した生分解性ポリマーから成る光・生分解性ポリマー成型品が提案されている。 光分解性と生分解性を兼ね備えたプラスチックフィルムで、土中に埋設しても、大気中に放置しても分解が進むため取扱が容易である。 この光・生分解性ポリマー成型品では、生分解性を持つ、完全分解型のポリ乳酸、脂肪族ポリエステル等、又は、部分分解型の澱粉及び変性ポリビニルアルコールの混合物等に、酸化チタン光触媒を混合して、光分解性を付与している。

    【0008】 しかしながら、本発明者らの知るところ、特公昭52−31256号公報のように、ポリオレフィン等の単品或いはブレンド物に炭酸カルシウムを配合したのみでフィルムを薄肉とした光崩壊性マルチングフィルムの場合は、空気中に出ているフィルムは光崩壊を受け劣化するため、鋤込み可能なマルチングフィルムではあるが、地中部に埋設されたフィルムは光が当たらないため分解せず、又微生物による分解性(生分解性)
    もないため、鋤込み後にフィルムの断片が残ってしまう問題がある。

    【0009】 又、特公平4−146952号公報のように、生分解性脂肪族ポリエステルと、炭酸カルシウム又は/及び炭酸マグネシウムから成る、微生物分解性プラスチック成形品の場合、仮に、マルチングフィルムのような薄肉成形品の用途に使用すると、地中に埋まった部分は微生物による分解が進むものの、地上に出ている部分は微生物と接していないため生分解は進まない、従って、一般的には地上部は破砕し易くなっていないため、農作物収穫後の鋤込みに支障をきたすものと考えられる。 又、地上部の分解を促進し鋤込みし易くするために、澱粉等を配合し生分解を速くすると、地中部での生分解が極端に速くなってしまう結果、地上部と地中部の境目である地際部がより早期に裂け、作物栽培中に、マルチングフィルムの役目である保温や雑草発生の防止を果たせなくなる問題点がある。

    【0010】 更に、特開平8−1806号公報の方法は、経済性の面で問題がある。 光・生分解性ポリマー成型品を成している酸化チタン光触媒、及び生分解性ポリマーはともに高価で、一般の農家が使用するまでには至っていないのが現状である。

    【0011】

    【発明が解決しようとする課題】 従って、農業用マルチングフィルムにおいては、より低コストで、展張時初期の強度が充分にあり、使用中は地際部の裂けもなく作物の生育を促進させ雑草の発生を十分に防止し、使用後は微生物及び光による分解性を有し、その結果、地中でも地上でも分解が進み、土に還すことが出来る無公害な環境適応型マルチングフィルムが求められていた。

    【0012】 本発明は、上記した従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来技術の問題を解決することにあり、より特定すれば、地上部、地中部ともに分解性を有し、尚且つ地上部と地中部の分解速度が調節可能で、地際部の早期分解が防止出来、更に低コスト化を図ったマルチングフィルム用組成物の提供、及びこのマルチングフィルム用組成物から成形されるマルチングフィルムの提供にある。 それにより、マルチングフィルムの本来の役目である作物の生育促進と雑草発生の防止を確実に行いながら、農業生産性の向上と省化、及びプラスチック廃棄物による環境破壊防止を実現することにある。

    【0013】 本発明者らは、上記の課題を解決するために、マルチングフィルム用組成物の原料等につき種々検討した結果、マルチングフィルムのような屋外で使用する薄肉成形品の場合、生分解性ポリマーに炭酸カルシウムを配合することにより、著しく光分解性が促進されることを見出した。 即ち、生分解性ポリマーに、炭酸カルシウムを配合することで微生物分解性と光分解性を兼ね備えたマルチングフィルム用組成物、及びマルチングフィルム用組成物により成形されるマルチングフィルムが得られ、上記の目的を達成出来ることを見出した。

    【0014】

    【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれば、生分解性ポリマー100重量部に対し、炭酸カルシウムを10〜400重量部を配合したマルチングフィルム用組成物が提供される。 炭酸カルシウムは、平均粒径0.5〜10μmの重質炭酸カルシウムであることが好ましい。 又、本発明によれば、このマルチングフィルム用組成物を成形して得られる、厚さ5〜50μmのマルチングフィルムが提供される。

    【0015】 この農業用のマルチングフィルムは、地中部、地上部ともに分解性を有しており、ともに土中への鋤込みが可能である。 地上部の分解性は光に因るもので、主に炭酸カルシウムを配合することにより実現され、地中部の分解性は微生物に因り、地上部と地中部の分解性の要因が異なることで地中部の分解速度だけが極端に速くならず、地際部の早期分解を防止することが出来る。 又、マルチングフィルムの寿命を農作物に合わせ調節することが出来る。 更に、炭酸カルシウムを配合することにより、夜間の保温性を持ち、且つ昼間の過度の温度上昇を抑制することが可能となる。 尚、生分解性ポリマーは高価であるが、安価な炭酸カルシウムの添加でコストダウンが実現出来る。

    【0016】

    【発明の実施の形態】 以下、本発明を具体的に説明する。 本発明のマルチングフィルム用組成物の主な構成成分の一つは、生分解性ポリマーである。 生分解性ポリマーとは微生物によって分解する性質を有するポリマーである。 主な生分解性ポリマー類を以下に掲げる。

    【0017】 第1の群として、2塩基酸を含む多価カルボン酸とジオールを含む多価アルコールの重縮合体、
    ヒドロキシ酸の重縮合体、ラクトンの開環重合体等からなる脂肪族ポリエステル及びその誘導体が挙げられる。
    具体的には、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリプロピオラクトン、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシエチレート、ポリヒドロキシブチレートが挙げられ、更に、L−乳酸重合体、D−乳酸重合体あるいはラセミ体乳酸の重合体、及びこれらの誘導体も挙げられる。 尚、これらの各種脂肪族ポリエステル類は、通常知られた方法により製造できる。

    【0018】 第2の群は、脂肪族ポリエステルのオリゴマーとカーボネート化合物を反応させて得られる脂肪族ポリエステルカーボネート類である。 具体的には上記に例示した各種脂肪族ポリエステルのオリゴマーとジフェニルカーボネート、ジトリ−ルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート化合物とを反応させて得られる重合体が挙げられる。
    これらの生分解性ポリマー類は、単独で使用できるのはもちろん、2種以上を混合して用いることもできる。 入手しやすい脂肪族ポリエステル系のポリマー製品として、例えば、昭和高分子株式会社製「ビオノーレ」(ポリブチレンサクシネート)やダイセル化学工業株式会社製「セルグリーン」(ポリカプロラクトン)等が挙げられる。

    【0019】 本発明のマルチングフィルム用組成物の別の構成成分は、炭酸カルシウムである。 炭酸カルシウムには、重質炭酸カルシウムと軽質炭酸カルシウムがあり、重質炭酸カルシウムは、一般に純度の高いカルサイト型の結晶質の石灰石を機械的に粉砕して、更に分級したものの総称をいい、又、軽質炭酸カルシウムは化学反応により湿式で製造されるものをいう。 しかるに、本発明者らの知見によれば、軽質炭酸カルシウムは平均粒径が0.3μm以下と小さすぎるため生分解ポリマーへの分散が難しい。 即ち、ポリマーに配合し混練した場合、
    2次凝集を起こし、例えば100μm以上の凝集物が多数発生するため成形品中の組成にムラが出来、強度等の性能面も悪くなる。 この影響は、フィルムのような薄肉製品の場合、特に顕著である。 従って、本発明ではフィルム中の組成を均一に出来る点で重質炭酸カルシウムが好ましく、しかもその粒径は後述する特定範囲のものが好ましい。 又、これらの炭酸カルシウムは、樹脂中への分散性を良くするため表面を脂肪酸で処理したものを用いることが好ましい。

    【0020】 炭酸カルシウムが含有されることによる効用は、主に本発明のマルチングフィルムのように屋外で使用される薄肉の成形品に対する光分解性の付与である。 この光分解性がマルチングフィルムの地上部の分解を促進し、地中部の微生物による分解速度とのバランスを取り、地上部と地中部の強度バランスが保たれて地際部の早期の裂けの防止に更に寄与する。 又、炭酸カルシウムを配合することで、マルチングフィルムを敷設した場合、夜間の保温性が高まる一方、昼間の過度の温度上昇を抑制することができる。 更には、炭酸カルシウムは生分解性ポリマーに比べて低コストであることから、本発明のマルチングフィルム用組成物及びマルチングフィルムとしてのコストが下がる。 尚、炭酸カルシウムを含んでいても、生分解性は変わることがない。

    【0021】 本発明の炭酸カルシウムは、平均粒径0.5〜10μmで、できるだけ粒径20μm以上の粗大粒子を含まないものを用いることが好ましい。 平均粒径0.5μm未満では炭酸カルシウムが他の原料中で分散し難く、互いに凝集して粗大粒ができやすい。 一方、
    平均粒径が10μmより大きいときには、組成物から成形して得られたフィルムの強度が低下し、フィッシュアイが生成する可能性が高くなる。 フィルム物性を向上させる場合には粒径の上限値を規定し、20μm以上を除去した炭酸カルシウムを使うことが好ましい。

    【0022】 この炭酸カルシウムを、生分解性ポリマー100重量部に対して、10〜400重量部、好ましくは20〜300重量部配合することによって、マルチングフィルムの光分解性、機械的強度等を向上させることが出来る。 配合量が10重量部未満では光分解による細片化と破砕性が不足し、即ち、光分解性が低下するので好ましくない。 又、400重量部を超えると、成形時に破れ易い等の問題が生じやすく、薄肉化したときに、
    使用前、使用中の充分な強度を有するフィルムとならず好ましくない。

    【0023】 マルチングフィルムの微生物分解速度を調節するには、マルチングフィルム用組成物中の生分解性ポリマーの種類や配合量を変えることにより実施できる。 例えば生分解性ポリマーとして結晶性の低い脂肪族ポリエステルを用いたり、組成物中の生分解性ポリマーの比率を高くすることによって生分解性の速度を大きくすることができる。

    【0024】 又、マルチングフィルムの光分解速度は、炭酸カルシウムの配合量を変えることによって調節できる。 例えば組成物中の炭酸カルシウムの比率を高くすることによって光分解の速度を大きくすることができる。

    【0025】 本発明のマルチングフィルム用組成物には、生分解性ポリマー、炭酸カルシウムの他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等を配合することが出来る。 マルチングフィルムの光分解速度の調節は、上記のような炭酸カルシウムの配合量を変えることの他に、酸化防止剤と、紫外線吸収剤の添加量を選択することによっても、更に又、光増感剤を用いる等の方法を適宜組み合わせることによっても、可能である。 このようにして、マルチングフィルムの光分解所要時間を調節することにより、地中部の生分解速度との調節が可能となり、地上部と地中部の分解速度のバランスを取ることが出来、地際部の裂け防止が実現される。

    【0026】 このように光分解速度、及び微生物分解速度の調節が可能であるから、地上部と地中部の分解速度のバランスを取り易く地際部の早期の裂けが防止可能であるとともに、マルチングフィルム寿命の調節や、目的とする農作物の生育期間に、地上部、地中部、両方の分解所要時間を合わせることが可能である。

    【0027】 本発明のマルチングフィルムは、例えば、以下の方法で製造される。 先ず、各成分から成る配合組成物を、押出機により均一に溶融、混練し、ペレットを作製する。 そして、このペレットをフィルム状に成形し、マルチングフィルムを得る。 ペレットを作製する工程では、各成分をコーンブレンダー、リボンブレンダー等のブレンダー、或いはヘンシェルミキサー等の混合機を用いて混合した後、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ミキシングロール等の混練機を用いて混練し、ペレットにする。 次いで、このペレットを用い、インフレーション法、Tダイ法等の成形方法によりフィルム状に成形する。

    【0028】 このようにして、厚さ5〜50μmのマルチングフィルムを製造する。 マルチングフィルムの厚さが5μm以下では、フィルムの展張作業等の際、フィルムが破損しやすく、又、厚さが50μmを超えると、
    マルチングフィルムとしての使用効果上、不必要な厚さであるばかりでなく、光分解性、及び微生物分解性による破砕性が低下する結果、一般に鋤込み性が悪化し、
    又、早期の分解を要求される用途には適合し得なくなる。

    【0029】 本発明のマルチングフィルムは、原料ポリマー成分として生分解性ポリマーを含有しているため、一般に使用前、使用時、即ち展張する際のフィルム強度と伸びのバランスに優れている。 又、本発明のマルチングフィルムは、原料組成物として炭酸カルシウムの含有量が比較的多いため、5〜50μmのフィルムに成形した場合に優れた保温性を示し、且つ作物の昼間における過度の高温化、及び夜間の低温化を防ぎ、農作物の生育を促進させ、高収量をもたらすことが出来る。

    【0030】 本発明のマルチングフィルムは、使用後に光及び微生物によって分解する分解性を有しているため、ロータリー等でそのまま農耕土に鋤込むことができ、省力化が計れて経済的である。 今後の就農者の高齢化や就農人口の低減傾向を考えた時には、非常に効果的なマルチングフィルムである。

    【0031】 本発明のマルチングフィルム用組成物を成形してられるフィルム、シートはマルチングフィルム用途以外の、屋外用の農業用資材としても優れている。

    【0032】

    【実施例】 以下、本発明を実施例により説明するが、
    本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 本発明のマルチングフィルム用組成物を成形して得たマルチングフィルムに関し、フィルムを、各々長さ20mに切断したものを圃場にて展張し評価した。 得られたフィルムの展張前、及び展張後の引張試験、展張後の地際部の裂け観察、鋤込み性、分解性を評価した。 原料組成物の製造、フィルムの成形、評価方法を以下に示す。

    【0033】(1)原料組成物の製造 各成分を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出機(東芝機械社製TEM−35B)を用い設定温度200℃、スクリュー回転数200rpm、フィード量12kg/hで混練し、コンパウンドペレットを製造した。

    【0034】(2)フィルム成形 得られたコンパウンドペレットを、シリンダー径50m
    mのインフレーション成形機(プラコー社製)と直径8
    0mmのダイス(プラコー社製)を用い、リップ間隔1
    mm、押出量30kg/h、引取速度20m/min、
    折径500mm、厚さ20μmのチューブ状フィルムに成形した。

    【0035】(3)引張試験 引張試験は、JISZ1702に準拠し、ダンベル型の試験片を用いて、引張試験機(オリエンテックコーポレーション製UCT−5T)により引張速度500mm/
    minで、MD(縦)方向、及びTD(横)方向の、破断点応力、破断点伸度を測定した。

    【0036】(4)地際部の裂け 地際部の裂けは、展張後60日経過した後、目視観察により地際部の裂けを、次のように6段階で判定した。
    0:なし、1:殆どなし、2:少ない、3:多い、4:
    非常に多い、5:全部

    【0037】(5)鋤込み性 鋤込み性は、展張後所定の日数経過した後、トラクターにロータリーを装着し鋤込みを行ない、ロータリーへのフィルムの絡みつきの有無により判定した。

    【0038】(6)分解性 分解性は、鋤込んだ後に180日経過した時点で、土壌50kgを10mmの篩にかけ、篩残にフィルムが残るか否かで判定した。

    【0039】(7)保温性 保温性は、マルチングフィルムを展張した後、夜間、及び昼間で深さ10cmの地温を測定した。

    【0040】(実施例1)ポリブチレンサクシネート(昭和高分子製ビオノーレ#1001、MFR=1.5
    g/10分)を100重量部に対して、重質炭酸カルシウム(三共精粉製エスカロン#800、平均粒径1.8
    μm)40重量部を配合した組成物ペレットを用い、上記の方法にて、厚さ20μmのマルチングフィルムを成形した。

    【0041】 このマルチングフィルムの特性は、引張強度(MD)380kg/cm 2 、引張強度(TD)3
    40kg/cm 2 、引張伸度(MD)350%、引張伸度(TD)420%であった。 こうして得られたマルチングフィルムを展張し、60日経過した後の特性は、地上部において、引張伸度(MD)10%、引張伸度(T
    D)7%で、地中部では、引張伸度(MD)3%、引張伸度(TD)3%であった。 又、60日経過した後の地際部の裂けは、目視観察により、1:殆どなし、と判定された。 60日経過した後の鋤込み性は、トラクターに装着したロータリーへのフィルムの絡みつきが無く良好であった。 鋤込んだ後に180日経過した時の分解性も、篩残にフィルムが存在せず良好であった。 マルチング特性については、下記の通りであった。 夜間保温性 1.8℃ (外気温度 −0.5℃) 昼間保温性 23.1℃ (外気温度 16.5℃) なお、これらの結果を表1に示す。

    【0042】(実施例2)ポリブチレンサクシネート(昭和高分子製ビオノーレ#1001、MFR=1.5
    g/10分)を100重量部に対して、重質炭酸カルシウム(三共精粉製エスカロン#800、平均粒径1.8
    μm)100重量部を配合した組成物を用い、その他は実施例1と同様の方法でマルチングフィルムを成形し、
    同様な評価を行った。 結果を表1に示す。

    【0043】(実施例3)生分解性ポリマーとして、ポリブチレンサクシネートの代わりにポリカプロラクトン(ダイセル化学工業製セルグリーンPHB02、MFR
    =2.7g/10分)を用いた。 その他は、実施例2と同様にしてマルチングフィルムを成形し、評価した。 結果を表1に示す。

    【0044】(比較例1)重質炭酸カルシウムを配合しないこと以外は、実施例1と同様にしてマルチングフィルムを成形し、評価した。 結果を表1に示す。

    【0045】(比較例2)重質炭酸カルシウムを配合しないこと以外は、実施例3と同様にしてマルチングフィルムを成形し、評価した。 結果を表1に示す。

    【0046】(比較例3)市販品の澱粉配合生分解性マルチングフィルムを用いて、地際部の裂け、鋤込み性、
    分解性、保温性を評価した。 結果を表1に示す。

    【0047】(比較例4)マルチングフィルムを用いないで、保温性を評価した。 結果を表1に示す。

    【0048】

    【表1】

    【0049】(考察)表1の評価結果より、次のことが確認できた。 本発明のマルチングフィルムは、展張前に充分な引張強度、及び引張伸度があり、展張作業において破れるなどの支障をきたすことはない。 本発明のマルチングフィルムは、原料組成中に炭酸カルシウムを含有していない場合と比較して、明らかに展張後60日経過した地上部の引張伸度が低下しており、地上部が太陽光で劣化し、分解していることが認められ、炭酸カルシウムにより光分解性が付与されることが分かる。 本発明のマルチングフィルムは、原料組成中に炭酸カルシウムを含有していない場合と同様に、展張後60日経過した地中部の引張伸度の低下が進んでいて、微生物に因る分解性が認められる。

    【0050】 本発明のマルチングフィルムは、上記のように、地上部、地中部ともに分解が進んでいて引張伸度に大きな差がみられない。 このため展張後60日経過した時の地際部の裂けは殆どない。 又、展張後60日経過した時の鋤込み性も良好でトラクターに装着したロータリーに絡みつくことがない。 原料組成中に炭酸カルシウムを含有していない場合は、地上部の分解が進まないため、地上部と地中部の引張伸度に大きな差がみられ、
    展張後60日経過した時の地際部の裂けは非常に多く、
    展張後60日経過した時の鋤込み性も地上部は芳しくない。 市販の澱粉配合生分解性マルチングフィルムでは展張後60日経過した時の地際部は全て裂けていて、地上部の鋤込み性は不良である。 地上部の太陽光による分解が進み難いのに比較して、地中部は微生物による分解が進みすぎているためと考えられる。

    【0051】 鋤込み後180日経過した時の分解性は、本発明のマルチングフィルムも、原料組成中に炭酸カルシウムを含有していないマルチングフィルムも、市販の澱粉配合生分解性マルチングフィルムも、全て良好で差はみられない。 即ち、炭酸カルシウムを配合しても生分解速度を低下させない。

    【0052】 本発明のマルチングフィルムは、保温性において効果を発揮している。 原料組成中に炭酸カルシウムを含有していない場合や、市販の澱粉配合生分解性マルチングフィルムに比べて、夜間の外気温度との差は1℃程度高くすることが出来、昼間の外気温度との差は2〜4℃程度低くすることが出来る。 マルチング無しの時と比べると、夜間の外気温度との差は2℃程度高くすることが出来、昼間の外気温度との差は4〜6℃程度高くなった。 夜間の温度をより高く保てることから、作物生育には本発明のマルチングフィルムがより好ましい。

    【0053】 本発明のマルチングフィルムにおいては、生分解性ポリマーは、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子製ビオノーレ#1001、MFR=1.5
    g/10分)でも、ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業製セルグリーンPHB02、MFR=2.7g/1
    0分)でも、同様の効果を得ることが出来る。

    【0054】

    【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、微生物分解性と光分解性を兼ね備え、その結果、地上部、地中部ともに分解が進むので使用後は土中に還すことが出来、尚且つ、地上部と地中部の分解速度を調節することによって地際部の早期劣化を防止し、更に、より安価な炭酸カルシウムを配合することで低コスト化も図られたマルチングフィルム用組成物が提供される。 これを成形して得るマルチングフィルムは、本来の役目である作物を適温に保つことで生育を促進し、同時に雑草の発生を防止することによって農業の生産性向上と省力化を達成し、更にはプラスチック廃棄物による環境破壊防止に寄与するといった効果を奏する。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西島 良司 千葉県佐倉市春路2−15−6 (72)発明者 磯部 正三 千葉県君津市中野2−7−6 (72)発明者 清水 徹 埼玉県浦和市別所3−18−11 Fターム(参考) 2B024 DB01 4F071 AA01 AA43 AA50 AB21 AD06 AE22 AF53 AF57 AH01 BC01 BC12 4J002 CF031 CF181 CF191 CG041 DE236 FB236 FD206 GA01

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