专利汇可以提供下地膜形成装置、成膜装置、下地膜形成方法、及び成膜方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】成膜レートの安定した検知を可能にする技術を提供する。 【解決手段】チャンバ200内に配置され、蒸発源容器301から蒸発した成膜材料400によって下 地膜 が形成される第1の 水 晶振動子13と、チャンバ200内に配置され、下地膜の成膜レートを取得するために用いられる第2の水晶振動子13cと、第2の水晶振動子13cの共振周 波数 の変化に基づいて、下地膜の成膜レートを取得する取得部233と、蒸発源容器301を加熱する加熱源302を有し、加熱源302へ供給する電 力 を制御する加熱制御部22であって、取得部233が取得する下地膜の成膜レートに基づいて、加熱源302へ供給する電力を制御する加熱制御部22と、を備える。 【選択図】図1,下面是下地膜形成装置、成膜装置、下地膜形成方法、及び成膜方法专利的具体信息内容。
チャンバと、 前記チャンバ内に配置され、成膜材料を収容する蒸発源容器と、 前記チャンバ内に配置され、前記蒸発源容器から蒸発した前記成膜材料によって下地膜が形成される第1の水晶振動子と、 前記チャンバ内に配置され、前記下地膜の成膜レートを取得するために用いられる第2の水晶振動子と、 前記第2の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて、前記下地膜の成膜レートを取得する取得部と、 前記蒸発源容器を加熱する加熱源を有し、前記加熱源へ供給する電力を制御する加熱制御部であって、前記取得部が取得する前記下地膜の成膜レートに基づいて、前記加熱源へ供給する電力を制御する加熱制御部と、 を備えることを特徴とする下地膜形成装置。前記第1の水晶振動子は、前記下地膜が成膜された後に、前記チャンバ内に配置された成膜対象物に対する成膜材料の成膜レートを取得するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の下地膜形成装置。前記第1の水晶振動子は、前記チャンバ内に配置された成膜対象物に対する成膜材料の成膜レートをモニタするためのモニタユニットに複数備えられており、 前記モニタユニットは、複数の前記第1の水晶振動子に対して順次に前記下地膜を形成せしめるべく、前記蒸発源容器に対する複数の前記第1の水晶振動子の露出状態を変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の下地膜形成装置。成膜対象物を収容するチャンバと、 前記チャンバ内に配置され、成膜材料を収容する蒸発源容器と、 前記チャンバ内に配置され、前記成膜対象物に対する前記成膜材料の成膜レートである第1の成膜レートを取得するために用いられる第1の水晶振動子と、 前記第1の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて前記第1の成膜レートを取得する取得部と、 前記蒸発源容器を加熱する加熱源を有し、前記加熱源へ供給する電力を制御する加熱制御部であって、前記取得部が取得する前記第1の成膜レートに基づいて、前記加熱源へ供給する電力を制御する加熱制御部と、 を備え、 前記成膜対象物に前記成膜材料による膜を成膜する成膜工程と、 前記成膜工程の前に、前記第1の水晶振動子に前記成膜材料による下地膜を形成する下地膜形成工程と、 を有する成膜装置において、 前記チャンバ内に配置され、前記下地膜の成膜レートである第2の成膜レートを取得するために用いられる第2の水晶振動子を備え、 前記下地膜形成工程において、 前記取得部が、前記第2の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて、前記第2の成膜レートを取得し、 前記加熱制御部が、前記取得部が取得する前記第2の成膜レートに基づいて、前記加熱源へ供給する電力を制御することを特徴とする成膜装置。複数の前記第1の水晶振動子を支持し、前記成膜工程において前記複数の第1の水晶振動子のうちの1つを用いて前記第1の成膜レートをモニタするモニタユニットであって、前記第1の成膜レートのモニタに用いる前記第1の水晶振動子を切り換えるべく、前記蒸 発源容器に対する複数の前記第1の水晶振動子の露出状態を変化させるように構成されたモニタユニットをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の成膜装置。前記モニタユニットは、前記下地膜形成工程において、複数の前記第1の水晶振動子に対して順次に前記下地膜を形成せしめるべく、前記蒸発源容器に対する複数の前記第1の水晶振動子の露出状態を変化させることを特徴とする請求項5に記載の成膜装置。チャンバ内に配置された成膜対象物に対する成膜材料の成膜レートを取得するために用いられる第1の水晶振動子に、予め前記成膜材料による下地膜を形成する下地膜形成方法であって、 前記チャンバ内に前記第1の水晶振動子が配置された状態において、前記チャンバ内に配置された前記成膜材料を収容する蒸発源容器を加熱し、前記蒸発源容器から蒸発した前記成膜材料によって前記下地膜を前記第1の水晶振動子に形成するものであり、 前記加熱源へ供給する電力を、前記チャンバ内に配置された第2の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて取得される前記下地膜の成膜レートに基づいて、制御することを特徴とする下地膜形成方法。チャンバ内に配置された成膜材料を収容する蒸発源容器を加熱して前記蒸発源容器から前記成膜材料を蒸発させることによって、前記チャンバ内に配置された成膜対象物に前記成膜材料による膜を形成する成膜方法であって、 請求項7に記載の下地膜形成方法により、前記成膜対象物に対する前記成膜材料の成膜レートを取得するために用いられる第1の水晶振動子に、前記成膜材料による下地膜を形成する下地膜形成工程と、 前記下地形成工程によって前記下地膜が形成された前記第1の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて取得される、前記成膜対象物に対する前記成膜材料の成膜レートに基づいて、前記加熱源へ供給する電力を制御し、前記成膜対象物を成膜する成膜工程と、 を備えることを特徴とする成膜方法。前記成膜工程において、複数の前記第1の水晶振動子のうちの1つを用いて、前記成膜対象物に対する前記成膜材料の成膜レートを取得し、 前記下地膜形成工程において、複数の前記第1の水晶振動子に対して順次に前記下地膜を形成することを特徴とする請求項8に記載の成膜方法。前記下地膜形成工程は、前記成膜対象物が前記チャンバ内に収容される前に行われることを特徴とする請求項8または9に記載の成膜方法。
本発明は、真空蒸着方式により成膜対象物に薄膜を形成する成膜装置及びその制御方法に関する。
成膜対象物としての基板上に薄膜を形成する成膜装置として、真空チャンバ内において、成膜材料を収容した容器(坩堝)を加熱し、成膜材料を蒸発(昇華又は気化)させて容器外へ噴射させ、基板の表面に付着・堆積させる真空蒸着方式の成膜装置がある。かかる成膜装置において、所望の膜厚を得るべく、真空チャンバ内に配置したモニタユニットを用いて成膜レート(成膜速度)を取得し、容器の加熱制御にフィードバックする装置構成が知られている。モニタユニットには水晶振動子が備えられており、成膜レートは、成膜材料の付着による水晶振動子の固有振動数の変化に基づいて取得される。
このような成膜レートモニタ装置では、成膜レートの検知精度を高めるため、予め水晶振動子の表面をある程度の厚みの成膜材料で覆った状態としておく、下地処理(プレコート)を行う場合がある(特許文献1〜3)。例えば、水晶振動子と成膜材料との相性によっては、付着量の少ない使用初期では成膜材料が付着し難く、ある程度付着させて材料同士が付着する状態にならないと成膜レートが安定しない場合がある。したがって、下地として水晶振動子表面に成膜材料を予め付着させておき、その後の付着量の増加による固有振動数の変化に基づいて成膜レートの検知を行うことで、より正確な検知が可能となる。
ここで、下地膜の形成は、蒸発源を加熱するヒータの出力を固定して一定時間加熱することにより行われる場合がある。しかしながら、加熱量を一定にしても成膜レートは常に一定ではなく変動し、同じ加熱時間で形成される下地膜の膜厚にはばらつきが生じることが多い。したがって、水晶振動子が複数備えられて使用する水晶振動子を順次切り替えるようなモニタユニットでは、複数の水晶振動子に対して順次に下地膜を形成することになるため、下地膜の膜厚が複数の水晶振動子ごとにばらつく可能性がある。その結果、複数の水晶振動子の間で検知特性の差が大きくなり、水晶振動子を切り換える度に検知内容がばらつくことになるとともに、使用することができる期間(寿命)も水晶振動子ごとにばらつくことになる。
特開2015−219053号公報
特開2005−325400号公報
特開2008−122200号公報
本発明は、成膜レートの安定した検知を可能にする技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の下地膜形成装置は、 チャンバと、 前記チャンバ内に配置され、成膜材料を収容する蒸発源容器と、 前記チャンバ内に配置され、前記蒸発源容器から蒸発した前記成膜材料によって下地膜が形成される第1の水晶振動子と、 前記チャンバ内に配置され、前記下地膜の成膜レートを取得するために用いられる第2の水晶振動子と、 前記第2の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて、前記下地膜の成膜レートを取得する取得部と、 前記蒸発源容器を加熱する加熱源を有し、前記加熱源へ供給する電力を制御する加熱制御部であって、前記取得部が取得する前記下地膜の成膜レートに基づいて、前記加熱源へ供給する電力を制御する加熱制御部と、 を備えることを特徴とする。 上記目的を達成するため、本発明の成膜装置は、 成膜対象物を収容するチャンバと、 前記チャンバ内に配置され、成膜材料を収容する蒸発源容器と、 前記チャンバ内に配置され、前記成膜対象物に対する前記成膜材料の成膜レートである第1の成膜レートを取得するために用いられる第1の水晶振動子と、 前記第1の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて前記第1の成膜レートを取得する取得部と、 前記蒸発源容器を加熱する加熱源を有し、前記加熱源へ供給する電力を制御する加熱制御部であって、前記取得部が取得する前記第1の成膜レートに基づいて、前記加熱源へ供給する電力を制御する加熱制御部と、 を備え、 前記成膜対象物に前記成膜材料による膜を成膜する成膜工程と、 前記成膜工程の前に、前記第1の水晶振動子に前記成膜材料による下地膜を形成する下地膜形成工程と、 を有する成膜装置において、 前記チャンバ内に配置され、前記下地膜の成膜レートである第2の成膜レートを取得するために用いられる第2の水晶振動子を備え、 前記下地膜形成工程において、 前記取得部が、前記第2の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて、前記第2の成膜レートを取得し、 前記加熱制御部が、前記取得部が取得する前記第2の成膜レートに基づいて、前記加熱源へ供給する電力を制御することを特徴とする。 上記目的を達成するため、本発明の下地膜形成方法は、 チャンバ内に配置された成膜対象物に対する成膜材料の成膜レートを取得するために用いられる第1の水晶振動子に、予め前記成膜材料による下地膜を形成する下地膜形成方法であって、 前記チャンバ内に前記第1の水晶振動子が配置された状態において、前記チャンバ内に配置された前記成膜材料を収容する蒸発源容器を加熱し、前記蒸発源容器から蒸発した前記成膜材料によって前記下地膜を前記第1の水晶振動子に形成するものであり、 前記加熱源へ供給する電力を、前記チャンバ内に配置された第2の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて取得される前記下地膜の成膜レートに基づいて、制御することを特徴とする。 上記目的を達成するため、本発明の成膜方法は、 チャンバ内に配置された成膜材料を収容する蒸発源容器を加熱して前記蒸発源容器から前記成膜材料を蒸発させることによって、前記チャンバ内に配置された成膜対象物に前記成膜材料による膜を形成する成膜方法であって、 本発明の下地膜形成方法により、前記成膜対象物に対する前記成膜材料の成膜レートを取得するために用いられる第1の水晶振動子に、前記成膜材料による下地膜を形成する下地膜形成工程と、 前記下地形成工程によって前記下地膜が形成された前記第1の水晶振動子の共振周波数の変化に基づいて取得される、前記成膜対象物に対する前記成膜材料の成膜レートに基づいて、前記加熱源へ供給する電力を制御し、前記成膜対象物を成膜する成膜工程と、 を備えることを特徴とする。
本発明によれば、成膜レートの安定した検知を可能にすることができる。
本発明の実施例における成膜装置の模式的断面図
本発明の実施例における成膜レートモニタ装置の構成を示す模式図
本発明の実施例における水晶モニタヘッドと遮蔽部材の構成を示す模式図
本発明の実施例における成膜制御のフローチャート
本発明の実施例における下地膜形成処理のフローチャート
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態及び実施例を説明する。ただし、以下の実施形態及び実施例は本発明の好ましい構成を例示的に示すものにすぎず、本発明の範囲をそれらの構成に限定されない。また、以下の説明における、装置のハードウェア構成及びソフトウェア構成、処理フロー、製造条件、寸法、材質、形状などは、特に特定的な記載がないかぎりは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施例1] 図1〜図4を参照して、本発明の実施例に係る成膜装置について説明する。本実施例に係る成膜装置は、真空蒸着により基板に薄膜を成膜する成膜装置である。
本実施例に係る成膜装置は、各種半導体デバイス、磁気デバイス、電子部品などの各種電子デバイスや、光学部品などの製造において基板(基板上に積層体が形成されているものも含む)上に薄膜を堆積形成するために用いられる。より具体的には、本実施例に係る成膜装置は、発光素子や光電変換素子、タッチパネルなどの電子デバイスの製造において好ましく用いられる。なかでも、本実施例に係る成膜装置は、有機EL(Erectro Luminescence)素子などの有機発光素子や、有機薄膜太陽電池などの有機光電変換素子の製造において特に好ましく適用可能である。なお、本発明における電子デバイスは、発光素子を備えた表示装置(例えば有機EL表示装置)や照明装置(例えば有機EL照明装置)、光電変換素子を備えたセンサ(例えば有機CMOSイメージセンサ)も含むものである。本実施例に係る成膜装置は、スパッタ装置等を含む成膜システムの一部として用いることができる。
<成膜装置の概略構成> 図1は、本発明の実施例に係る成膜装置2の構成を示す模式図である。成膜装置2は、排気装置24、ガス供給装置25により、内部が真空雰囲気か窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気に維持される真空チャンバ(成膜室、蒸着室)200を有する。なお、本明細書において「真空」とは、大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態をいう。
成膜対象物である基板100は、搬送ロボット(不図示)によって真空チャンバ200内部に搬送されると真空チャンバ200内に設けられた基板保持ユニット(不図示)によって保持され、マスク220上面に載置される。マスク220は、基板100上に形成する薄膜パターンに対応する開口パターン221を有するメタルマスクであり、真空チャンバ200内部において水平面に平行に設置されている。基板100は、基板保持ユニットによってマスク220の上面に載置されことで、真空チャンバ200内部において、水平面と平行に、かつ、被処理面である下面がマスク220で覆われる態様で設置される。
真空チャンバ200内部におけるマスク220の下方には、蒸発源装置300が設けら れている。蒸発源装置300は、概略、成膜材料(蒸着材料)400を収容する蒸発源容器(坩堝)301(以下、容器301)と、容器301に収容された成膜材料400を加熱する加熱手段(加熱源)としてのヒータ302と、を備える。容器301内の成膜材料400は、ヒータ302の加熱によって容器301内で蒸発し、容器301上部に設けられたノズル303を介して容器301外へ噴出される。容器301外へ噴射した成膜材料400は、装置300上方に設置された基板100の表面に、マスク220に設けられた開口パターン221に対応して、蒸着する。
ヒータ302は、通電により発熱する一本の線状(ワイヤ状)の発熱体を容器301の筒状部外周に複数回巻き回した構成となっている。なお、複数本の発熱体を巻き回す構成であってもよい。ヒータ302としては、発熱体としてタンタル、タングステン、モリブデン等の金属発熱抵抗体を用いたものでもよいし、カーボンヒータ等でもよい。 蒸発源装置300は、その他、図示は省略しているが、ヒータ302による加熱効率を高めるためのリフレクタや伝熱部材、それらを含む蒸発源装置300の各構成全体を収容する枠体、シャッタなどが備えられる場合がある。また、蒸発源装置300は、成膜を基板100全体に一様に行うため、固定載置された基板100に対して相対移動可能に構成される場合がある。
本実施例に係る成膜装置2は、容器301から噴出する成膜材料400の蒸気量、あるいは基板100に成膜される薄膜の膜厚を検知するための手段として、成膜レートモニタ装置1を備えている。成膜レートモニタ装置1は、容器301から噴出する成膜材料400の一部を、回転体としての遮蔽部材12により間欠的に遮蔽状態と非遮蔽状態とを繰り返して、水晶モニタヘッド11に備えられた水晶振動子に付着させるように構成されている。成膜材料400が堆積することによる水晶振動子の共振周波数(固有振動数)の変化量(減少量)を検知することで、所定の制御目標温度に対応した成膜レート(蒸着レート)として、単位時間当たりの成膜材料400の付着量(堆積量)を取得することができる。この成膜レートをヒータ302の加熱制御における制御目標温度の設定にフィードバックすることで、成膜レートを任意に制御することが可能となる。したがって、成膜レートモニタ装置1によって成膜処理中に常時、成膜材料400の吐出量あるいは基板100上の膜厚をモニタすることで、精度の高い成膜が可能となる。本実施例に係る成膜装置2の制御部(演算処理装置)20は、モニタユニット10の動作の制御、成膜レートの測定、取得を行うモニタ制御部21と、蒸発源装置300の加熱制御を行う加熱制御部22と、を有する。制御部20は、さらに、後述する下地膜モニタユニット50の動作の制御、成膜レートの測定、取得を行う下地膜モニタ制御部23を有する。
<成膜レートモニタ装置> 図2は、本実施例に係る成膜レートモニタ装置1の概略構成を示す模式図である。図2に示すように、本実施例に係る成膜レートモニタ装置1は、モニタヘッド11や遮蔽部材(チョッパ)12などを備えるモニタユニット10と、モニタ制御部21と、を備える。モニタユニット10は、モニタヘッド11と、遮蔽部材12と、水晶モニタヘッド11に組み込まれた水晶ホルダ(回転支持体)14の回転駆動源としてのサーボモータ16と、遮蔽部材12の回転駆動源としてのサーボモータ15と、を備える。モニタ制御部21は、遮蔽部材12の回転駆動を制御する遮蔽部材制御部(回転制御部)212と、水晶振動子13の共振周波数(の変化量)の取得を行う成膜レート取得部213と、水晶ホルダ14の回転駆動を制御するホルダ制御部214と、を有する。
図3は、モニタヘッド11(水晶ホルダ14)と遮蔽部材12をそれぞれの回転軸線方向に沿って見たときの両者の配置関係を示す模式図である。図3に示すように、モニタヘッド11の内部には、複数の水晶振動子13(13a、13b)を円周方向に等間隔で配置して支持する水晶ホルダ14が組み込まれている。モニタヘッド11には、水晶振動子 13よりも僅かに大きいモニタ開口11aが一つ設けられており、水晶ホルダ14は、支持する水晶振動子13のうちの1つを、モニタ開口11aを介して外部(蒸発源装置300)に暴露される位置(回転位相)で支持する。
図2及び図3に示すように、水晶ホルダ14は、その中心がサーボモータ16のモータ軸16aに連結されており、サーボモータ16によって回転駆動される。これにより、モニタ開口11aを介して外部に暴露される水晶振動子13を順次切り替えることができるように構成されている。すなわち、水晶ホルダ14に支持された複数の水晶振動子13のうち、1つの水晶振動子13aがモニタ開口11aと位相が重なる位置にあり、他の水晶振動子13bは、使用済み又は交換用の水晶振動子として、モニタヘッド11の内部に隠れた位置にある。モニタ開口11aを介して外部に暴露されている水晶振動子13が、成膜材料400の付着量が所定量を超えて寿命に到達すると、水晶ホルダ14が回転して、新しい水晶振動子13を、モニタ開口11aと重なる暴露位置に移動させる。 ホルダ制御部214によるサーボモータ16の回転制御は、検出部18aと被検出部18bとからなる位相位置検出手段18が検出する水晶ホルダ14の回転位置(回転位相)に基づいて行われる。なお、位置(位相)検知手段としては、ロータリーエンコーダ等の既知の位置センサを用いてもよい。
図3に示すように、遮蔽部材12は、略円盤状の部材であり、その中心がサーボモータ15のモータ軸15aに連結されており、サーボモータ15によって回転駆動される。遮蔽部材12は、扇型の開口スリット(開口部、非遮蔽部)12aが、回転中心から離れた位置であって、その回転軌道が、モニタヘッド11のモニタ開口11aと重なる位置に設けられている。
図2及び図3に示すように、遮蔽部材12が回転することで、モニタ開口11aに対する開口スリット12aの相対位置(相対位相)が、モニタ開口11aと重なる位置(開口位置、非遮蔽位置)と、重ならない位置(非開口位置、遮蔽位置)と、に変化する。これにより、遮蔽部材12において開口スリット12aを除いた領域部分が遮蔽部12bとなり、これがモニタ開口11aと重なる(覆う)位置(位相)にあるとき、水晶振動子13aへの成膜材料400の付着が妨げられる遮蔽状態(非開口状態)となる。また、開口スリット12aがモニタ開口11aと重なる位置(位相)にあるとき、水晶振動子13aへの成膜材料400の付着が許容される非遮蔽状態(開口状態)となる。 遮蔽部材制御部212によるサーボモータ15の回転制御は、検出部17aと被検出部17bとからなる位相位置検出手段17が検出する遮蔽部材12の回転位置(回転位相)に基づいて行われる。なお、位置(位相)検知手段としては、ロータリーエンコーダ等の既知の位置センサを用いてもよい。
開口スリット12aは、本実施例では、閉じた孔となっているが、遮蔽部材12の周端で開放された切り欠き状になっていてもよい。また、設ける個数も2個以上でもよいし、スリット形状も、本実施例で示した扇型に限定されず種々の形状を採用し得るものであり。開口スリット12aを複数設ける場合には、個々に異なる形状としてもよい。
水晶振動子13aは、電極、同軸ケーブル等を介して外部共振器19に接続されている。水晶振動子13a表面に堆積した成膜材料400の薄膜と、裏面の電極との間に電圧を印加することで生成される発信信号が、水晶振動子13の共振周波数(の変化量)として、共振器19から成膜レート取得部213に伝達され、取得される。
図示を省略するが、モニタユニット10には、熱源となるモータ15、16の熱を冷却するための冷却水を流すための流路が備えられている。 なお、ここで示した成膜レートモニタ装置の構成はあくまで一例であり、これに限定さ れるものではなく、既知の種々の構成を適宜採用してよい。
<ヒータの電力供給制御> ヒータ302の発熱量は、ヒータ302に供給される電力量(電流値)が電源回路を含む加熱制御部22により制御されることで制御される。電力供給量は、例えば、不図示の温度検出手段により検出される温度が、所望の成膜レートを得るのに適した所定の制御目標温度に維持されるようにPID制御にて調整される。所定の成膜レートを維持できるヒータ302の発熱量(ヒータ302への供給電力)を、所定の時間維持することで、基板100の被成膜面に所望の膜厚の薄膜を成膜することができる(膜厚=成膜レート[Å/S]×時間[t])。
本実施例に係る成膜装置2は、ヒータ302の加熱制御における供給電力の制御方法として、レート制御と平均パワー制御とを切り替えて実行可能に構成されている。なお、電力制御方法はこれらに限定されるものではない。 レート制御では、成膜レートモニタ装置1により取得される成膜レートのモニタ値(実測値)が所望の目標レート(理論値)と一致するように制御目標温度が適時変更され、設定される制御目標温度に応じてヒータ302への供給電力量が制御される。 本実施例では、成膜レートモニタ装置1により取得される成膜レートのモニタ値(実測値)に依らずにヒータ302への供給電力量を決定する電力制御として、平均パワー制御を用いている。平均パワー制御では、供給電力の過去数サンプリングの移動平均を目標電力量として、かかる目標電力量を維持するようにヒータ302への電力供給を制御する制御方法である。なお、予め設定された電力量(目標電力量)を維持するようにヒータ302に電力供給するパワー制御を用いてもよい。これらの電力制御では、成膜レートを、成膜材料の種類や基板と蒸発源との相対速度等の成膜条件に基づいて設定される理論値を用いて膜厚を制御する。
<本実施例の特徴> <下地成膜レートモニタ装置> 本実施例に係る成膜装置2は、次に述べる下地成膜レートモニタ装置を備えることを特徴としている。下地成膜レートモニタ装置は、上述した成膜処理工程に先立って行われる、成膜レートモニタ装置1の水晶振動子13a、13bに予め成膜材料400による下地膜を形成する下地膜形成処理において、下地膜の成膜レートをモニタするために用いられる。
図1に示すように、下地成膜レートモニタ装置は、下地膜モニタユニット50と、下地膜モニタ制御部23と、を備える。下地膜モニタユニット50は、水晶振動子13cと、シャッタ51と、を備え、真空チャンバ200内において水晶振動子13cが蒸発源装置300と対向するように配置される。また、下地膜モニタ制御部23は、シャッタ51の開閉を制御するシャッタ制御部231と、水晶振動子13cの共振周波数(の変化量)の取得を行う下地成膜レート取得部233と、を備える。
第2の水晶振動子としての水晶振動子13cは、下地膜形成における下地膜レートの取得に用いられるもので、第1の水晶振動子としての水晶振動子13a、13bと同様、電極、同軸ケーブル等を介して不図示の外部共振器に接続されている。水晶振動子13c表面に堆積した成膜材料400の薄膜と、裏面の電極との間に電圧を印加することで生成される発信信号が、水晶振動子13cの共振周波数(の変化量)として、共振器から下地成膜レート取得部233に伝達され、取得される。なお、水晶振動子13cの表面には予め成膜材料400による下地膜が形成されている。その形成方法は特に限定されない。
シャッタ51は、水晶振動子13cと蒸発源装置300との間に位置する閉位置(図1 の実線位置)と、水晶振動子13cが蒸発源装置300に対して暴露(露出)される開位置(図1の破線位置)と、に移動可能に構成されている。下地膜形成処理を行う場合には、水晶振動子13cに対する成膜材料400の付着を許容すべく、シャッタ制御部231はシャッタ51を開位置に移動させる。上述した基板100に対する成膜処理を行う場合(あるいは下地膜生処理を行わない場合)には、水晶振動子13cに対する成膜材料400の付着を遮るべく、シャッタ制御部231はシャッタ51を閉位置に移動させる。
<下地膜形成処理> 図4に示すように、下地膜形成処理(下地膜形成工程)は、成膜処理(成膜工程)の実施に先立って実施される処置である。本実施例では、下地膜形成時に成膜材料400が基板100に付着することを防ぐべく、下地膜形成処理を、基板100を真空チャンバ200内に搬入する前に実施する構成としている。
図5は、本実施例における下地膜形成処理のフローチャートである。本実施例では、モニタユニット10に備えられた複数の水晶振動子13に対して順次に成膜材料400による下地膜を形成する処理を行う。以下で説明する下地膜形成処理における制御主体は、上述した制御部20であり、下地膜モニタユニット50、真空チャンバ200、蒸発源装置300等を含めて、本発明の下地膜形成装置を構成する。
下地膜形成処理では、基板100が搬入されていない真空チャンバ200の内部を、排気装置24、ガス供給装置25により、成膜処理と同様の所定の雰囲気状態とし、シャッタ51を開位置へ移動させ、ヒータ302の加熱が開始される。下地膜形成処理におけるヒータ302の加熱制御は、下地膜モニタユニット50を用いて下地成膜レート取得部233により取得される下地膜の成膜レート(第2の成膜レート)を基に、上述したレート制御により行われる(S101)。下地膜形成処理におけるレート制御の詳細は、上述した成膜処理におけるレート制御と同様であり、説明を省略する。この加熱制御により、モニタユニット10に備えられた複数の水晶振動子13のうちモニタ開口11aを介して外部に暴露されている水晶振動子13に蒸発した成膜材料400を付着・堆積させ、成膜材料400による下地膜を形成する。水晶振動子13に所望の膜厚の下地膜を形成することができたら(S102;YES、S103;NO)、モニタ開口11aを介して外部に暴露される水晶振動子13の切り替えを行う(S104)。以下同様にヒータ302の加熱制御を行い、モニタユニット10に備えられた全ての水晶振動子13に下地膜を形成する。全ての水晶振動子13の下地膜形成が完了したら(S103;YES)、下地膜生成処理が終了する。
図4に示すように、下地膜形成処理が終了すると、基板100が真空チャンバ200内に搬入され、上述した成膜処理が開始される。成膜処理では、上述した下地膜形成処理により下地膜が形成された水晶振動子13により取得される成膜レート(第1の成膜レート)に基づいて、ヒータ302の加熱が制御されることになる。
<本実施例の優れた点> 本実施例によれば、成膜処理の制御に用いられる水晶振動子13の下地膜形成において、成膜レート(成膜速度)をモニタしながらヒータ302の加熱を制御することができる。したがって、成膜処理の制御に用いられる複数の水晶振動子13にそれぞれ形成される下地膜を所望の膜厚で形成することができる。これにより、複数の水晶振動子13のそれぞれの下地膜の膜厚の均一化が可能となり、複数の水晶振動子13の間での検知特性のばらつきを小さくすることができるとともに、使用が可能な期間(寿命)の均一化を図ることができる。したがって、成膜処理における成膜レートの安定した検知が可能となる。
<その他> 本実施例では、下地膜形成処理を基板100のチャンバ内の搬入前に実施する構成としていたが、基板100搬入後に実施する構成としてもよい。その場合は、何らかの遮蔽部材(不図示)を基板100と蒸発源装置300との間に配置するなどして、下地膜形成処置中に成膜材料400が基板100に付着するのを防ぐ手段を講じるとよい。この構成によれば、チャンバ200内の調圧工程の回数を減らすことができ、製造タクトの短縮を図ることができる。
本実施例では、下地膜の成膜に、基板100の成膜材料400を用いていたが、これと異なる成膜材料を用いてもよい。水晶振動子13との密着性や成膜材料400との相性などの観点から、種々の成膜材料を用いることができる。 また、本実施例では、下地膜生成処理を行っていないときの水晶振動子13cへの成膜材料の付着を防ぐ手段として、シャッタ51を用いていたが、かかる構成に限定されるものではない。例えば、シャッタ51を設ける代わりに、下地膜モニタユニット50を真空チャンバ200内から退室させることができる機構などを設けて、下地膜生成処理を行っていないときは、下地膜モニタユニット50を真空チャンバ200の外に配置しておくようにしてもよい。
1…成膜レートモニタ装置、10…モニタユニット、11…水晶モニタヘッド、11a…モニタ開口、12…遮蔽部材(チョッパ)、12a…開口スリット(開口部、非遮蔽部)、12b…遮蔽部、13(13a、13b)…水晶振動子(第1の水晶振動子)、14…水晶ホルダ(回転支持体)、15…サーボモータ(駆動源)、15a…モータ軸、16…サーボモータ(駆動源)、16a…モータ軸16a、17(17a、17b)…位置(回転位相)検出手段、18(18a、18b)…位置(回転位相)検出手段、19…共振器、2…成膜装置、100…基板、20…制御部(取得部、加熱制御部)、200…真空チャンバ(成膜室)、300…蒸発源装置、301…蒸発源容器(坩堝)、302…ヒータ(加熱源)、303…ノズル、50…下地膜モニタユニット、51…シャッタ、13c…水晶振動子(第2の水晶振動子)、23…下地膜モニタ制御部、231…シャッタ制御部、233…下地成膜レート取得部
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