本発明は、毛髪処理デバイス用の化粧製品レフィルに関し、より詳細には、限定はしないが、毛髪を整形するためのデバイス用の、特に毛髪をストレートにする、カールさせる、または縮らせることを目的とする、化粧製品レフィルに関する。

本発明はまた、そのようなレフィルを設けられたデバイス、および毛髪を処理するための方法に関する。

通常、ヘアストレートナー(hair straightener)は、ヒンジを用いて互いに接続された2つのアームであって、ヒンジが前記アームの開閉を可能にする、2つのアームと、アームに配置された少なくとも1つの加熱要素とから構成される。毛髪の房をスタイリングする動作中、前記房は、開位置の2つのアームの間に差し込まれ、次いで毛髪の房の上から手動で閉じられる。次いで毛髪の房は、2つのアームが開かれ、毛髪の房が取り除かれるまで、加熱要素によって出された熱にかけられる。

出願WO 2009/078046は、ヘアスタイリング器具について記載し、このヘアスタイリング器具は、器具を開閉できるように互いに接続された2つのアームと、少なくとも1つの加熱部材と、毛髪処理デバイスを収納するための少なくとも1つのシートとを備え、毛髪処理デバイスは動作中にヘアケア製品を分配できるようにする。毛髪処理デバイスは、ヘアケア製品を含浸した、使い捨てに適した支持材料を備える。

WO 2009/015027およびUS 2009/0025247は、毛髪との接触によってヘアケア製品を塗布できるようにするヘアストレートデバイス(hair straightening device)を開示する。塗布されるヘアケア製品は、それの塗布用の取り外し可能なレフィルに含まれている。前記取り外し可能なレフィルは、ゼリー状のヘアケア製品を含んでいるリザーバと、製品を分配し、塗布するためのオリフィスとを備え、上記オリフィスは、リザーバの壁を貫通して直接作られる。レフィルは、ヘアストレートナーの2つのアームのうちの一方に配置されたハウジングに、滑らせることによって差し込まれる。

同じく出願WO 2013/045331は、毛髪にケア物質を塗布するためのアプリケータであって、アプリケータのハウジングに収容されたケア物質のカートリッジを備えるアプリケータを開示する。カートリッジは、ケア物質を含浸した多孔質支持体を含む。

出願WO 2013/090896は、毛髪処理器具に関し、詳細には、毛髪または皮膚に塗布されるように、処理剤ホルダー、特に含浸された多孔質材料を備える、ヘアスタイリング器具に関する。ホルダーは、アクセサリに固定され、アクセサリ自体は、毛髪処理器具に取り外し可能に取り付けられる。ホルダーはT字形であり、アクセサリにある相補的な溝に取り付けることができる。

WO 2009/078046

WO 2009/015027

US 2009/0025247

WO 2013/045331

WO 2013/090896

特に化粧製品が無水組成物の形態であるとき、化粧製品の適切な塗布を確実にするために、ヘアケア製品を塗布するためのデバイスをさらに改善する必要がある。

本発明の主題は、したがって、無水組成物を含浸したアプリケータ部材を含む、毛髪処理デバイス用の化粧製品レフィルであり、アプリケータ部材は、0.11〜0.25g/cm³の密度を有し、無水組成物は、100〜600センチポアズ、好ましくは100〜500センチポアズの粘度を有する。

これらの条件下で、毛髪の均質な処理が得られ、化粧品結果は最良である。

好ましくは、本発明による化粧製品レフィルは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を、単独でまたは組み合わせて有する。 - アプリケータ部材は多孔質である。 - アプリケータ部材は、0.15〜0.2g/cm³の密度を有し、無水組成物は、22℃において、100センチポアズを超える、好ましくは110センチポアズを超える、および/または120センチポアズ未満の、好ましくは115センチポアズ未満の粘度を有する。 - アプリケータ部材はフェルトであり、アプリケータ部材の繊維は、好ましくは、処理される毛髪と接触しているように意図された表面に平行または垂直に配向され、特に繊維は、処理される毛髪と接触しているように意図された表面に平行な、アプリケータ部材の長手方向に配向される。 - アプリケータ部材、特にフェルトは、適切な場合、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンとポリプロピレンの混合物から作られ、混合物は好ましくは、50%のポリエチレンおよび50%のポリプロピレンを含む。 - アプリケータ部材は、90%以下の、好ましくは80%以下の、さらに好ましくは70%以下の初期充填度で、無水組成物を含浸している。 - アプリケータ部材は、40%以上の、好ましくは50%以上の、さらに好ましくは60%以上の初期充填度で、無水組成物を含浸している。 - アプリケータ部材は、40%を超える、好ましくは50%を超える、さらに好ましくは60%を超える、および/または90%未満の、好ましくは85%未満の、さらに好ましくは80%未満の充填度で、無水組成物を含浸している。 - アプリケータ部材は、処理される毛髪に塗布される無水組成物のリザーバに固定され、リザーバは、好ましくはアプリケータ部材と同じ材料で、さらに好ましくはより低い密度を有する材料で作られる。 - アプリケータ部材およびリザーバは、適切な場合、6mlを超える、好ましくは10mlを超える、および/または14ml未満の、好ましくは11ml未満の無水組成物の量を含浸している。 - アプリケータ部材は、矩形または十字形の断面を有しており、処理される毛髪と接触しているように意図された平らな、尖った、もしくは丸い端部を有しており、および/または1つもしくは2つのベベル(bevel)を有している、細長い形状をもつ。 - 無水組成物は、1つまたは複数の天然油または合成油を含む。 - 天然油は、鉱物油から選ばれ、好ましくは、石油に由来する炭化水素系油、揮発性または不揮発性流動パラフィン、液体石油ゼリー、ポリオレフィンの混合物から選ばれる。 - 天然油は、植物油から選ばれ、好ましくは、トリグリセリド植物油から選ばれる。 - 合成油は、シリコーンオイルから選ばれ、好ましくは、直鎖状、分岐状、または環状の、揮発性または不揮発性、場合によっては有機変性(organomodified)シリコーンオイルから選ばれる。 - 無水組成物は、好ましくは、組成物の総重量に対して、重量で0.05〜99.9%の含有量で、1つまたは複数のシリコーンオイルを含む。 - 無水組成物はまた、天然または合成ワックス、陽イオン、非イオン、陰イオン、または両性の非シリコーンポリマー、UV遮断剤、着色料、界面活性剤、顔料、保存料、および香料から選ばれる1つまたは複数の成分を含む。 - レフィルは、2つの対向する壁および底部によって少なくとも部分的に形成され、開口によって外に向かって開いた空洞を画定する本体を備え、上記アプリケータ部材は上記空洞に部分的に収容され、開口を通って空洞の外に部分的に延びる。

別の態様によれば、本発明は、閉じられたパッケージと、パッケージ内の、上記で説明した少なくとも1つの化粧製品レフィルとを含む、化粧製品レフィル物品に関する。

本発明はまた、毛髪処理デバイスに関し、この毛髪処理デバイスは、 - 少なくとも1つのホルダー、好ましくはハウジングを含むアームと、 - ハウジングに取り外し可能に配置された、上記で説明した化粧製品レフィルと を備える。

好ましくは、デバイスは、少なくとも1つの加熱要素を備える。

好ましくは、デバイスは、ヘアストレートナー、特にストレートアイロンである。

好ましくは、毛髪処理デバイスは、2つのアームを備え、2つのアームは、毛髪を処理するための一緒に動かされる構成と、前記アームの間で処理される毛髪を挿入するための離間した構成との間で、互いに対して動くことができる。

1つの変形態によれば、アームの少なくとも1つが、好ましくは各アームが、処理される毛髪のための加熱要素を備える。

また別の態様によれば、本発明は、組立式の毛髪処理アセンブリに関し、この組立式の毛髪処理アセンブリは、 - 毛髪用の加熱要素を設けられた少なくとも1つのアームを備える毛髪処理デバイスであって、これらのアームの少なくとも1つに、上記で説明した化粧製品レフィルを収納するのに適した収納ハウジングを備える、毛髪処理デバイスと、 - それらのすべての組合せにおいて上記で説明した化粧製品レフィル物品と を備える。

本発明の別の態様によれば、本発明はまた、毛髪を処理するための方法に関し、この方法は、本発明によるデバイスを用いて毛髪に上記で説明した化粧製品を塗布するステップを含む。

好ましくは、処理は、毛髪の房に沿ってデバイスを動かすことによって行われ、前記デバイスのアームは、前記動きの間、一緒に動かされる構成で保たれる。

本発明は、その非限定的例示的実施形態の次の詳細な説明を読むことにより、また添付の図面を調べることにより、よりよく理解できよう。

毛髪処理デバイスの例の斜視図である。

図1の毛髪処理デバイスのII-II横断面図である。

図1の毛髪処理デバイスにおいて採用され得るアプリケータ部材の例を断面で示す図である。

異なるタイプのアプリケータ部材によって送出される化粧製品の量のテストを示す図である。

組立式の毛髪処理アセンブリを概略的に示す図である。

説明の残りにおいて、同一の要素、または同一の機能を有する要素は、同じ参照符号が記載されている。本明細書を簡明にするために、図の各々に対してそれらを説明せず、異なる例の間の違いのみを説明する。

図1および図2は、毛髪処理デバイス1の例のハンドピース2を示す。

このハンドピース2は、2つのあご3および4を有し、2つのあご3および4は、前記あごの間に毛髪の房を差し込むための離間した構成(図示せず)と、毛髪の房を処理するための一緒に動かされる構成との間で、互いに対して動くことができる。

あご3および4は、それぞれ上側アーム5および下側アーム6によって運ばれ、アームは、当該の例では関節(articulation)8によって一端が互いに結合され、したがって、ハンドピース2はトングを形成する。

上側アーム5および下側アーム6は、各々好ましくは22cm〜37cm、好ましくは31cmの全長を有し、関節8とあご3および4との間に、それぞれのハーフハンドル10および11を定め、使用者はあご3および4を互いに動かすためにハーフハンドル10および11を圧迫することができる。

あご3および4を離間した構成に戻すために、好ましくは弾性戻り部材(見えない)が設けられ、この弾性戻り部材は、たとえば、関節8のピンの周りに配置されたばねである。

本発明は、上側アーム5および下側アーム6を互いに結合する特定の方法に限定されず、あご3および4は、本発明の範囲から逸脱することなく何らかの他の方法で移動できるようにされてもよい。しかしながら、関節の存在は、それにより実現される人間工学のために大いに好ましい。

あご3および4は、それらの間に毛髪を処理するための領域を定め、前記領域は、処理される毛髪の房を受け入れるように意図され、ハンドピース2は、処理中に上記房に沿って、たとえば毛髪の根元から先端への方向に動かされる。

この例では、ハンドピース2は、本発明による化粧製品を塗布し、毛髪を蒸気によって処理し、次いで、上側アーム5および下側アーム6によってそれぞれ保持される加熱要素15および16の2つの高温表面との接触により毛髪の熱処理を行うように構成される。

図1に示す、毛髪を覆うハンドピース2の移動の方向Dは、好ましくは上側アーム5および下側アーム6に対して実質的に垂直である。

ハンドピース2は、当該の例では、処理中に固定されて、電源に接続されるベースステーション(図示せず)に、線によって接続される。

このベースステーションは、ハンドピース2に電力を提供し、蒸気を発生させるための水の供給も行い、ハンドピース2から受信される電気信号を処理するという追加の機能を行う場合もある。ハンドピース2をベースステーションに接続する線18は、したがって、様々な電気導線、および給水パイプを備えてもよい。

ハンドピース2には、たとえばそれのいくつかの構成要素を起動するというオプションを使用者に与えるために、ユーザインターフェース(図には示されていない)が存在してもよい。

本発明による化粧製品は、2つのアームのうちの一方、5または6、この場合は圧迫要素21と接触する上側アーム5によって保持されるレフィル20によって塗布される。圧迫要素21は、取り外し可能であってもよい。

レフィル20は、本体23と、処理領域に広がる毛髪と接触するように配置されたアプリケータ部材26とを備える。

レフィル20は、いずれかの手段によって、特に、図2に示すように、本体23のリブを相補的な形状をもつ溝に滑り込ませることによって、アーム5または6に固定されてもよい。

図2に示すように、本体23は、開口部31によって外側に向かって開いている空洞30を有し、これにアプリケータ部材26が挿入軸Xに沿って挿入され、レフィルは製造される。本体は、空洞30の中に延びる結合レリーフを備えてもよい。

本体23は実質的に、縦軸に沿って細長い形状を有する。断面では本体23は、図2に示すようにU字形である。

図2に示すように、アプリケータ部材26は、直方体の形態であってもよい。したがってアプリケータ部材26は、処理される毛髪と接触しているように意図されている、アプリケータ部材26の反対側の表面に平行な実質的に平らな面を有する。したがってアプリケータ部材26の寸法は、たとえば8mm×20mm×90mmであり、毛髪と接触しているように意図された面は、8mm×90mmの寸法を有する。

しかしながら、図3は、アプリケータ部材26の可能な変形態を示す。したがってアプリケータ部材26aは、十字形の断面をもち、このアプリケータ部材26aは、図2のアプリケータ部材26と比較して、2つの平行六面体の縦リブ50aおよび50bを有する。

一方、アプリケータ部材26bは、図2のアプリケータ部材26と比較して、処理される毛髪54と接触しているように意図された点52を有する。点52は、反対の向きを有する2つのベベル56a、56bによって形成される。

アプリケータ部材26cは、断面がオジーヴ形状を有し、オジーヴの丸い端部58が毛髪54の方へ配向されるように意図されている。

アプリケータ部材26dは、アプリケータ部材26bと比較して、単一のベベル56aを有する。したがってアプリケータ部材26dは、反対側の表面62に平行であって、限られた寸法を有する、毛髪54と接触しているように意図された表面60を有する。

最後に、アプリケータ部材26eは、アプリケータ部材26eの反対側の表面62に実質的に平行に延びる、毛髪54と接触しているように意図された中央部分60によって接続された2つの反対のベベル56a、56bを有する。

他のアプリケータ部材の形状もまた、特に図3の変形態を組み合わせることによって想定され得る。

アプリケータ部材は、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンとポリプロピレンの混合物から作られてもよい。混合物は、特に50%のポリエチレンおよび50%のポリプロピレンを含んでもよい。

アプリケータ部材は、フェルトから作られてもよい。

フェルトは、詳細には、天然繊維または合成繊維を接合させることによって得られる不織布材料である。

フェルトの繊維は、処理される毛髪54の房の表面に平行に配向されてもよく、好ましくは繊維は、実質的に毛髪の上を進む方向Dに向けられる。一変形態では、アプリケータ部材のフェルトの繊維は、処理される毛髪54の房の表面に垂直に、すなわち、方向Dに垂直に、およびアプリケータ部材26の長手方向に配向される。

アプリケータ部材は、異なる繊維密度および/または繊維配向を有する少なくとも2つの部分を備えてもよい。特に、より低い繊維密度を有する部分が、リザーバの役割を果たし、より高い繊維密度を有する他の部分は、処理される毛髪の房への化粧製品のより均質な塗布を可能にする。このようにして、1つの同じ房上に送出される製品の量における、房上の位置に応じたばらつきは縮小される。

アプリケータ部材は、たとえば、6mlを超える、好ましくは10mlを超える、および/または14ml未満の、好ましくは11ml未満の化粧製品の量を含浸している。アプリケータ部材は、0.11g/cm³を超えるおよび0.25g/cm³未満の密度を有する。

この場合、化粧製品は、無水組成物である。「無水組成物」は、本明細書では、組成物の総重量に対して、重量で5%未満の水、さらに好ましくは重量で1%未満の水を含む組成物であると理解される。好ましくは、無水組成物は、組成物の調製中に加えられる水を含まず、混合成分によって供給される残留水から発生する水だけが存在する。なお一層好ましくは、無水組成物には水がない。

好ましくは、無水組成物は、1つまたは複数の油を含む。

油は、天然油または合成油であってもよい。

天然油は、鉱物油または植物油であってもよい。

鉱物油は、石油に由来する炭化水素系油、揮発性または不揮発性流動パラフィン、液体石油ゼリー、ポリオレフィンの混合物から選ばれてもよい。

植物油は、好ましくは、トリグリセリド植物油から選ばれる。

合成油は、好ましくは、直鎖状、分岐鎖、または環状の、揮発性または不揮発性シリコーンから選ばれる。合成油は、有機変性であってもよい。

シリコーンは、それらの構造にケイ素の1つまたは複数の原子を含む化合物を意味すると理解される。無水組成物は、特にシリコーンの混合物を含んでもよい。

含むとき、無水組成物は、組成物の総重量に対して、重量で1〜100%、好ましくは5〜99%、さらに好ましくは10〜99%、一層良くは25〜99%、さらに一層良くは50〜99%の範囲の含有量で1つまたは複数の油を含む。

本発明による無水組成物はまた、天然または合成ワックス、陽イオン、非イオン、陰イオン、または両性の非シリコーンポリマー、UV遮断剤、着色料、界面活性剤、顔料、保存料、および香料から選ばれる1つまたは複数の成分を含んでもよい。

無水組成物の粘度は、100センチポアズを超え、かつ600センチポアズ未満、好ましくは500センチポアズ未満である。無水組成物の粘度は、1.01325 10⁵Paの圧力、22℃の温度、および1s^-1の剪断速度で測定される。この粘度は、コーン/プレート粘度計を使用して、特にHaake R600レオメーターまたは類似のデバイスを使用して測定されてもよい。

多数のテストの後、意外にも、アプリケータ部材の密度と上記で示した無水組成物の粘度の組合せは、毛髪に無水組成物の十分な化粧品効果を得るために、少なくともアプリケータ部材が処理される毛髪の房を最初に通過する間に、処理される毛髪の房に無水組成物の満足のいく量を送出することを可能にすることがわかった。これは、処理される毛髪の房でのアプリケータ部材の最初の70の通過、好ましくは最初の75の通過に当てはまり、これらの数は、頭部全体の処理に対応する。アプリケータ部材の通過は、本明細書では、処理される毛髪の房の方向にアプリケータ部材に3Nの力が加えられて、27cmの長さおよび10.5cmの幅を有する房を15sの実質的に一定の速さで通過することであると理解される。

好ましくはアプリケータ部材に存在する化粧製品の初期量は、90%以下、好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下、および40%以上、好ましくは50%以上、さらに良くは60%以上のアプリケータ部材の初期充填度に対応する。アプリケータ部材が完全に化粧製品で浸されているわけではなく、むしろ上記のような充填度を有するとき、処理される毛髪を通過するごとに送出される化粧製品の量はあまり変化しないことを示すことがわかった。本発明によるレフィルの使用によって、使用者の毛髪のすべてに、より定まった、特により均質の化粧品効果を得ることができる。当然、化粧製品の量が不変であることは、化粧製品の塗布の状態、特に通過の速度および塗布の力が、毛髪処理デバイスの使用期間全体にわたって実質的に一定に保たれることを意味する。

「初期量」は、本明細書では、処理される毛髪を最初に通過する前にアプリケータ部材に存在する化粧製品の量であると理解される。

「アプリケータ部材の充填度」は、本明細書では、アプリケータ部材に事実上存在する化粧製品の質量と、アプリケータ部材を含浸することができる化粧製品の最大質量との比であると理解される。この充填度は、1.01325 10⁵Paの大気圧および22℃の温度で測定される。

例として、図4は、3つの異なるタイプのアプリケータ部材を用いた特定の無水組成物の塗布を示す。

(実施例) 以下の組成物Aが、以下の表に示された成分から調製された。濃度は、組成物中の活物質の重量パーセントとして表されている。

この無水組成物は、22℃において113センチポアズの粘度を有する。

異なるアプリケータ部材が受けるテストは、以下のものである。 - Mondigroupが提供している75g/m² IQ Appeal(登録商標)の紙片にアプリケータ部材をそれぞれ15秒で10回通過させることを行い、各紙片は長さが27cm、幅が10.5cmであり、10枚の紙片に第1の量の無水組成物を送出するために、3Nの力がアプリケータ部材に、紙片の方向に加えられる。この第1の量は、たとえば、10回の通過の前後にアプリケータ部材の重量を量ることによって決定されてもよく、10枚の紙片に堆積された無水組成物の総量は、測定された質量間の差に対応する。 - 次いで、Mondigroupが提供している75g/m² IQ Appeal(登録商標)の新しい紙片にアプリケータ部材を15秒でさらに10回通過させることを行い、各紙片はやはり長さが27cm、幅が10.5cmであり、第2の量の無水組成物を送出するために、3Nの力がアプリケータ部材に、紙片の方向に加えられる。

本明細書では、紙片をその全長に沿って浸すことが重要であることに留意されたい。言い換えれば、アプリケータ部材は、1.8cm/sの速度で紙片にわたって動かされる。

すべての場合において、テストされるアプリケータ部材は平行六面体形状を有し、繊維は無水組成物が塗布される表面に平行な、実質的にアプリケータ部材の長手方向に配向される。アプリケータ部材は、50%のポリエチレンと50%のポリプロピレンの混合物を含むフェルトから構成される。

テストされた第1のサンプル テストされた第1のサンプルは、0.10g/cm³の密度を有し、上記の無水組成物Aを80%まで含浸したアプリケータ部材を含む。

テストされた第2のサンプル 第2のサンプルは、単にアプリケータ部材の密度によって第1とは異なる。その密度は、0.18g/cm³に等しい。

テストされた第3のサンプル 第3のサンプルは、単にアプリケータ部材の密度によって第1および第2とは異なり、その密度は0.35g/cm³に等しい。

図4の棒102、104、および106は、それぞれ0.1g/cm³、0.18g/cm³、および0.35g/cm³の密度を有するアプリケータ部材を用いて堆積される無水組成物Aの第1の量を示す。対応する値は、4.90g、0.51g、および0.12gである。

毛髪への最良の化粧品結果、特により良い化粧品感触および堆積のより良い均質性は、次の2つの基準が満たされるとき、得られたことがわかった。 - 紙片を通過するごとの無水組成物の堆積が、0.2g〜1.0gの範囲である。 - 無水組成物の第1の量と第2の量との差の絶対値が、0.2g以下である。

図4の棒108、110、および112は、それぞれ0.1g/cm³、0.18g/cm³、および0.35g/cm³の密度を有するアプリケータ部材を用いて堆積される無水組成物の第2の量を示す。対応する値は、1.54g、0.33g、および0.11gである。

0.35g/cm³の密度を有するアプリケータ部材は、第2の基準を満たすが、第1の基準を満たさないことがわかった。したがって、このアプリケータ部材は、求められている化粧品結果にふさわしくない。

0.1g/cm³の密度を有するアプリケータ部材は、上述の基準のいずれも満たさない。したがって、このアプリケータ部材もまた、求められている化粧品結果にふさわしくない。

対照的に、0.18g/cm³の密度を有するアプリケータ部材は、両方の基準を満たす。このアプリケータ部材は、事実上使用に適し、使用者の毛髪に満足のいく化粧品結果を実現できるようにすることがわかる。

本発明は、説明した例示的な実施形態に限定されず、それらの特徴は、示されていない変形態内で互いに組み合わせられる場合がある。

したがって、本発明は、たとえば、図5に概略的に示す組立式のアセンブリ200に関する。この組立式のアセンブリ200は、毛髪処理デバイス1と、化粧製品レフィル物品202とを含む。この物品は、この場合、特にアプリケータ部材から化粧製品が蒸発しないように閉じられたパッケージ204に、化粧製品レフィル20を含む。変形態では、パッケージ204は、複数の化粧製品レフィル20を含む場合がある。この場合、レフィルがパッケージから取り出されるとき、他の化粧製品レフィルが乾燥しないように、パッケージは再び閉じることができることが好ましい。変形態では、この場合、各個々のレフィルは、複数のレフィルに共通のパッケージの内部の個々のパッケージに保存される。

さらに、無水組成物の他の例は、それらの密度が100〜600センチポアズである限り、採用され得る。

1 毛髪処理デバイス 2 ハンドピース 3、4 あご 5 上側アーム 6 下側アーム 8 関節 10、11 ハーフハンドル 15、16 加熱要素 18 線 20 レフィル 21 圧迫要素 23 本体 26、26a、26b、26c、26d、26e アプリケータ部材 30 空洞 31 開口部 50a、50b 縦リブ 52 点 56a、56b 毛髪 56 ベベル 58 丸い端部 60 表面、中央部分 62 反対側の表面 102、104、106、108、110、112 棒 200 組立式のアセンブリ 202 化粧製品レフィル物品 204 パッケージ D 方向 X 挿入軸