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ガス混合物中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を検出するための方法及び装置、並びに、当該方法を実施するためのコンピュータプログラム及び電子制御装置、並びに、当該コンピュータプログラムが記憶された電子記憶媒体

阅读:139发布:2021-01-17

专利汇可以提供ガス混合物中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を検出するための方法及び装置、並びに、当該方法を実施するためのコンピュータプログラム及び電子制御装置、並びに、当該コンピュータプログラムが記憶された電子記憶媒体专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且,下面是ガス混合物中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を検出するための方法及び装置、並びに、当該方法を実施するためのコンピュータプログラム及び電子制御装置、並びに、当該コンピュータプログラムが記憶された電子記憶媒体专利的具体信息内容。

少なくとも1つの第1ポンプセル(112)と、少なくとも1つの基準セル(130)と、少なくとも1つの第2ポンプセル(140)とを有する装置にて、被測定ガス室(126)内のガス混合物中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を、分子状酸素の存在下で、結合酸素を有する前記被測定ガス成分の還元によって発生した酸素の比率を求めることによって検出するための方法であって、 a)前記被測定ガス室(126)と前記装置(110)の周囲環境との間で第1比率の酸素イオンの移動が実施されるように、前記第1ポンプセル(112)内で第1ポンプ電流(120)を形成するステップと、 b)第2比率の酸素イオンが基準ガス室(136)内に移動させられるように、前記基準セル(130)に基準ポンプ電流(138)を印加するステップと、 c)結合酸素を有する前記被測定ガス成分を、前記第2ポンプセル(140)の電極における触媒によって分解して、当該被測定ガス成分から別の分子状酸素を形成するステップと、 d)前記別の分子状酸素から形成される別の酸素イオンの比率が前記基準ガス室(136)内に移動させられるように、前記第2ポンプセル(140)に第2ポンプ電流(146)を印加するステップと、 を含む方法において、 e)前記基準ポンプ電流(138)と前記第2ポンプ電流(146)とから形成される電流の合計を一定に維持する、 ことを特徴とする方法。前記電流の合計が一定に維持されるように、前記基準ポンプ電流(138)の値を設定し、 前記第2ポンプ電流(146)の値から、前記ガス混合物中における結合酸素を有する前記被測定ガス成分の比率を特定する、 請求項1に記載の方法。結合酸素を有する前記被測定ガス成分の前記分解を、前記第2ポンプセル(140)に当接する電極(142,144)の触媒作用によって実施する、 請求項1又は2に記載の方法。前記基準ガス室(136)内に規定された比率の酸素イオンが発生するように、前記基準ポンプ電流(138)の値を設定する、 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。前記ガス混合物は、内燃機関の排ガスである、 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するために構成された、コンピュータプログラム。請求項6に記載のコンピュータプログラムが記憶された、電子記憶媒体。請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するために、請求項6に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成された電子制御装置(124)であって、 前記第1ポンプ電流(120)の値、前記基準ポンプ電流(138)の値、及び、前記第2ポンプ電流(146)の値をそれぞれ、検出するため、設定するため、及び、制御するための少なくとも1つのデバイスを有する、電子制御装置(124)。請求項7に記載の電子記憶媒体を含む、 請求項8に記載の電子制御装置(124)。前記基準ポンプ電流(138)の値を検出するための測定抵抗が設けられており、 前記測定抵抗は、 ・前記基準ポンプ電流(138)を特定するための抵抗(188)、 ・前記第2ポンプ電流(146)を特定するための抵抗(194)、 ・前記電子制御装置(124)によって前記基準セル(130)の基準電極(134)に接続される抵抗(202)、又は、 ・前記電子制御装置(124)内に設けられたアナログデジタル変換器(162)の内部抵抗(164)、 のうちから選択されている、 請求項8又は9に記載の電子制御装置(124)。前記基準ポンプ電流(138)の値を設定するために、少なくとも1つの可変電流源(158)が設けられている、 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の電子制御装置(124)。前記可変電流源(158)は、電圧制御式又は電流制御式である、 請求項11に記載の電子制御装置(124)。前記可変電流源(158)は、2つの別個の電流制御式の電流源(220,220’)を備えており、前記2つの別個の電流制御式の電流源(220,220’)は、互いに正反対の電位基準を有するように相互接続されている、 請求項11又は12に記載の電子制御装置(124)。前記基準ポンプ電流(138)の値を制御するために、少なくとも1つの制御ユニット(160)が設けられており、 前記制御ユニット(160)は、少なくとも2つの入量(176,178)を受信し、少なくとも1つの操作量(172)を出力するために構成されており、 前記入力量(176,178)は、前記基準ポンプ電流(138)の値と、前記制御ユニット(160)のための基準値(180)とを含み、 前記操作量(172)は、入力信号(170)として前記可変電流源(158)に出力可能である、 請求項11乃至13のいずれか一項に記載の電子制御装置(124)。少なくとも1つの第1ポンプセル(112)と、少なくとも1つの基準セル(130)と、少なくとも1つのポンプセル(140)と、請求項8乃至14のいずれか一項に記載の電子制御装置(124)とを含む装置(110)にて、被測定ガス室(126)内のガス混合物中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を、分子状酸素の存在下で、結合酸素を有する前記被測定ガス成分の還元によって発生した酸素の比率を求めることによって検出するための装置(110)。前記ガス混合物は、内燃機関の排ガスである、 請求項15に記載の装置(110)。

说明书全文

従来技術 本発明は、被測定ガス室内のガス混合物中、特に内燃機関の排ガス中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を、分子状酸素の存在下で、結合酸素を有する被測定ガス成分の還元によって発生した酸素の比率を求めることによって検出するための方法及び装置に関する。本発明は、さらに、上述した方法のステップを実施するために構成されたコンピュータプログラムと、このようなコンピュータプログラムが記憶された電子記憶媒体と、特にこのような電子記憶媒体を有する電子制御装置とに関する。

従来技術から、ガス混合物中のガスの少なくとも一種類の比率を検出するための方法及び装置が公知である。以下では実質的に、ガス混合物におけるガスの少なくとも一種類の比率、特に分圧及び/又は体積分率及び/又は質量分率を、定量的及び/又は定性的に検出するために使用される装置を参照しながら、本発明について説明することとする。但し、その他に考えられる実施形態が制限されるわけではない。例えばガスは、特に自動車分野における内燃機関の排ガスとすることができる。ガス比率を検出するためのセンサとして、特にO2(ラムダ)センサが挙げられる。O2(ラムダ)センサは、例えばKonrad Reif, Hrsg.著の「Sensoren im Kraftfahrzeug」,第2版,2012年,第160乃至165頁に記載されている。

O2(ラムダ)センサ、特にユニバーサル(汎用)型のO2(ラムダ)センサは、装置外部のガス室又は装置内部の中空室とされ得る2つの室の間において、2つの物質流、特に酸素流の均衡を図る。一方の物質流は、拡散障壁を介した濃度差によって駆動される。他方の物質流は、固体電解質と2つの電極、特に2つのポンプ電極とにより、ポンプ電流の印加による制御下で駆動される。このポンプ電流は、好ましくは、中空室内に非常に低い一定の酸素濃度が設定されるように制御される。拡散障壁を介した濃度分布は、中空室内の一定の制御点、特に所定の酸素濃度を生じさせる一定の目標電圧と、排ガス側の酸素濃度とによって一義的に決定されている。この一義的な濃度分布に応じて、被測定ガス室から中空室への酸素分子の流入が発生し、この流入量は、調整されたポンプ電流に即している。従って、このポンプ電流を、被測定ガス室内の酸素濃度の測定値として、特に排ガス側に存在する酸素濃度の測定値として使用することが可能である。

さらには、ガス混合物中、特に内燃機関の排ガス中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を、分子状酸素の存在下で、結合酸素を有する被測定ガス成分の還元によって発生した酸素の比率を求めることによって検出する方法及び装置が公知である。欧州特許出願公開第0769693号明細書(EP0769693A1)は、結合酸素を有する被測定ガス成分、特に窒素酸化物NOxの少なくとも一種類の比率を、分子状酸素の存在下で、結合酸素を有する被測定ガス成分の還元によって発生した酸素の比率を求めることによって、特にこの目的に適した触媒を用いた窒素酸化物NOxの還元によって発生した酸素の比率を求めることによって、検出する方法及び装置が開示されている。同明細書に記載された装置は、被測定ガス室に接続された第1中空室に当接している第1ポンプセルを含む。この第1ポンプセルは、第1中空室から酸素を移動させるために使用され、この移動によって第1中空室内には、比較的低い酸素分圧が発生する。上記の装置はさらに、基準ガス室に当接している基準セルを含む。この基準セルは、第2中空室から酸素を移動させるために使用され、この移動によって、第2中空室内の雰囲気中の酸素分圧を調整して、この酸素分圧を、被測定ガス成分の比率の検出に実質的に影響を与えないような値にすることができる。上記の装置は、最後に、第2中空室に当接する第2ポンプセルを含む。第2中空室に当接している電極は、特にこのために当該電極に設けられた触媒によって、第2中空室に導入された雰囲気中における結合酸素を有する被測定ガス成分、特に窒素酸化物NOxを還元又は分解するために構成されている。第2中空室内の被測定ガス成分の還元又は分解によって発生した酸素、好ましくは窒素酸化物NOxの還元に由来する酸素は、第2ポンプ電流を用いて基準ガス室内に移動させられ、この第2ポンプ電流の調節設定されたその値によって、被測定ガス成分の比率が検出される。このようにして、相前後して配置された少なくとも2つのポンプセルのカスケード接続構造によって、被測定ガス室内における、窒素酸化物NOxの他に酸素も含有しているガス混合物中の窒素酸化物NOxの比率を特定することが可能となる。

従来技術からはさらに、自動車のオンボード診断(OBD)のための装置が公知である。このOBDによれば、特に自動車の内燃機関の排ガスの特性に対して影響を与える、内燃機関のコンポーネントを監視することができる。OBDにより、排ガスの特性に関連して発生したエラーが検出され、例えば警告灯を介して車両の運転者に表示され、そして、対応する制御装置に持続的に記憶される。OBDは、排ガス基準は自動車の登録時だけではなく自動車の寿命に亘って保証されるべきであるとの背景を前にして、1988年にカリフォルニア州大気資源局(CARB)によって最初に導入された。従って、自己監視(CARB−OBD II)のための車両固有の電子システムの、現在稼働中の第2世代の開発の枠内において、特に—公知の電子制御装置とは異なり—排ガス関連のシステムの機能エラーを正確に特定することができるように、且つ、その位置を特定することができるようにすることも要求されており、これに関して「ピンポインティング」なる用語も使用されている。

この関連において、30%以上の許容誤差を有し得る、複数の電流源の出電流のばらつきが、特に重要な役割を果たしている。電流源に使用されている構成素子の製造に起因する許容誤差は、特に構成素子の経年劣化及び/又は構成素子に加わる温度に起因する追加的な影響と共に、電流源の出力電流をその公称値から著しく相違させるおそれがある。これにより引き起こされる基準ポンプ電流のばらつきは、被測定ガス室内の被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を検出するための装置の特性及び機能に対して、極めて著しい影響を与える可能性がある。なぜなら上述したように、基準セル内の酸素分圧は、基準ポンプ電流の大きさに比例しているからである。このように基準ポンプ電流が、規定された目標値と相違する場合には、ガス比率を検出するための公知のセンサの精度が格段に制限されてしまう可能性がある。

欧州特許出願公開第0769693号明細書

Konrad Reif, Hrsg.著の「Sensoren im Kraftfahrzeug」,第2版,2012年,第160乃至165頁

発明の開示 本発明は、従来技術から公知の欠点を少なくとも部分的に改善することが可能な、独立請求項に記載された特徴を有する、少なくとも1つの第1ポンプセルと、少なくとも1つの基準セルと、少なくとも1つの第2ポンプセルとを有する装置にて、被測定ガス室内のガス混合物中、特に内燃機関の排ガス中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を、分子状酸素の存在下で、結合酸素を有する被測定ガス成分の還元によって発生した酸素の比率を求めることによって検出するための方法及び装置と、上述した方法のステップを実施するように構成されたコンピュータプログラムと、このようなコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体と、特にこのような記憶媒体を有する電子制御装置とを提案することである。このために各従属請求項は、それぞれ好ましい実施形態を記載する。

本発明の基礎となる事実によれば、結合酸素、特に化学的結合酸素を有する被測定ガス成分、好ましくは窒素酸化物NOx、硫黄化合物SOx、及び/又は、炭素酸化物COxの、従来技術に基づいた検出方法は、基準ガス室内に含まれた酸素の比率は、検出すべき被測定ガス成分、特に窒素酸化物NOx、硫黄化合物SOx、及び/又は、炭素酸化物COxの還元にほぼ完全に由来するものである、という仮定に基づいている。すなわち、この第2ポンプ電流の調節設定されたその値が、検出すべき被測定ガス成分、特に窒素酸化物NOx、硫黄化合物SOx、及び/又は、炭素酸化物COxの比率に比例しているという前提は、上記の仮定に基づいている。しかしながら、本方法を実施するために構成された、少なくとも1つの第1ポンプセルと、少なくとも1つの基準セルと、少なくとも1つのポンプセルとを有する装置において追加的に発生する影響により、検出すべき被測定ガス成分、特に窒素酸化物NOx、硫黄化合物SOx、及び/又は、炭素酸化物COxの比率の検出結果が歪曲される可能性があるということが判明した。

上述したように、被測定ガス成分の還元又は分解によって発生した酸素、好ましくは窒素酸化物NOx、硫黄化合物SOx、及び/又は、炭素酸化物COxの還元に由来する酸素は、第2ポンプ電流を用いて基準ガス室内に移動させられ、このようにして、この第2ポンプ電流の調節設定されたその値により、被測定ガス成分の比率が検出される。しかしながら、結合酸素を有する被測定ガス成分の還元に由来する酸素イオンを有するこの酸素イオン流の他にも、第1ポンプセル内にて分子状酸素から形成され、被測定ガス室を通って基準ガス室内に移動させられる酸素イオンからなる別の酸素イオン流が、同様にして基準ガス室に合流する。一般的に、当該これらの酸素イオン流の挙動は、以下のようになる。すなわち、結合酸素を有する被測定ガス成分の濃度が比較的低い場合には、第1ポンプセルに由来する酸素イオン流が優勢を占め、その一方で、結合酸素を有する被測定ガス成分の濃度が比較的高い場合には、被測定ガス成分の還元によって発生した酸素イオン流が、第1ポンプ電流に由来する酸素イオン流よりも約3倍上回る。

これら2つの酸素イオン流の組み合わせに応じて、基準ガス室内の酸素イオン濃度が変化し、これによって上記の仮定は、実際には完全には該当しなくなる。基準ガス室からの空気は電極端子に沿って脱出可能であるので、基準セルは、酸素イオン濃度の変化による影響を受けないままであり、つまり、特に基準セルの機能が阻害される危険性、又は、基準セル自体が故障する危険性は存在しない。しかしながら、基準ガス室内の酸素イオン濃度の上述した変化により、基準セルの動作点がシフトしてしまう。これにより、基準ガス室内に含まれる酸素の比率は、検出すべき被測定ガス成分の還元に完全に由来するものであるという、実際にはほぼ該当しない上記の仮定によって、基準ガス室内の酸素イオン濃度の上述した変化が、現在の検出の精度に影響を与える可能性が生じる。

従って、ガス混合物中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を検出するための方法が提案され、当該方法では、分子状酸素の存在下で、結合酸素を有する被測定ガス成分の還元によって発生した酸素の比率が求められる。結合酸素を有する被測定ガス成分として、主に、窒素酸化物NOx、硫黄酸化物SOx、及び/又は、炭素酸化物COxが使用され、これらの酸化物は、化学的結合酸素Oの他にさらに窒素N、硫黄S、及び/又は、炭素Cの比率を含む。しかしながら、本方法は、基本的に、結合酸素、好ましくは化学的結合酸素を有する全ての被測定ガス成分のために適している。但し、好ましくは少なくとも1つの駆動可能な電極に設けられた適切な触媒を用いた還元によって、被測定ガス成分から、当該被測定ガス成分の結合酸素の一部を分離して、別個の形態で検出できる場合に限られる。好ましい1つの実施形態では、結合酸素を有する被測定ガス成分は、特に自動車分野における内燃機関の排ガス中に含まれている。

しかしながら実際には、還元によって被測定ガス成分から分離される結合酸素を有する被測定ガス成分の他に、大気に接続された通常の雰囲気中にかなりの割合で存在する分子状酸素O2も、ガス混合物に含まれている。従って、上記の理由から、ガス混合物中に存在する分子状酸素をガス混合物から除去した後、被測定ガス成分の還元によってここからも酸素を発生させて、特にこのようにして、分子状酸素からなる追加的な成分による影響をできるだけ受けることなく、ガス混合物中の測定ガス成分の比率を検出することが可能となるように構成された装置において、本方法を実施する必要がある。

このために、少なくとも1つの第1ポンプセルと、少なくとも1つの基準セルと、少なくとも1つの第2ポンプセルとを有する装置が使用される。本明細書における「ポンプセル」なる用語は、少なくとも高温時に酸素イオンを伝導可能な固体電解質を有するチャンバであると理解され、この場合には、少なくとも2つの電極が設けられており、これらの電極によって固体電解質の両端間に電位差を発生させることが可能であり、及び/又は、ポンプ電流の印加によって固体電解質の両端間に酸素イオン流を引き起こすことが可能である。

本方法は、ステップa)乃至e)を含み、これらのステップのうちの少なくともいくつかを、順次に、及び/又は、少なくとも部分的に同時に実施することができる。さらには、本明細書に記載されている又は記載されていない別のステップを実施することも可能である。

ステップa)によれば、結合酸素を有する被測定ガス成分の他にガス混合物中に存在している分子状酸素から形成される第1比率の酸素イオンが、被測定ガス室と装置の周囲環境との間で移動させられるように、第1ポンプセル内で第1ポンプ電流が形成される。第1ポンプセルは特に上記の構造を有しているので、第1ポンプセルの固体電解質を介して所期の第1比率の酸素イオンを被測定ガス室に供給するために、第1ポンプ電流を第1値に設定することができる。

ステップb)によれば、被測定ガス室内又は装置の周囲環境内に存在している第2比率の酸素イオンが基準ガス室内に移動させられるように、「ネルンストセル」とも呼ばれる基準セルに基準ポンプ電流が印加される。この場合、特に基準ポンプ電流の値は、基準ガス室内に規定された比率の酸素イオンが発生するように設定される。さらには、第1ポンプセル内の第1比率の酸素イオンと、基準ガス室内の第2比率の酸素イオンとの間で規定された比率が得られるように、第1ポンプ電流の値を相応に設定することが可能である。

上記の方法ステップa)及びb)において使用されるポンプセル及び基準セルは、分子状酸素の存在下で結合酸素を有する被測定ガス成分の比率を検出するための装置の、いわゆる「酸素部分」を共同で形成しており、この「酸素部分」を使用して、特にガス混合物中の分子状酸素の比率を求めることが可能となっている。結合酸素を有する被測定ガス成分、特に窒素酸化物NOxの比率は、ステップa)及びb)の間に印加される第1ポンプ電流及び基準ポンプ電流による影響をほぼ受けないままであり、このようにして、結合酸素を有する被測定ガス成分の比率は、第2ポンプセルへと導き入れられる。そして、ステップc)によれば、この第2ポンプセル内にて、結合酸素を有する被測定ガス成分が触媒によって分解され、これにより、被測定ガス成分中のかつての結合酸素から別の酸素イオンが形成される。この場合、結合酸素を有する被測定ガス成分の分解は、好ましくは第2ポンプセルに当接する電極のうちの少なくとも一方の電極の触媒作用によって実施される。結合酸素を有する被測定ガス成分に窒素酸化物NOxが含まれる場合には、第2ポンプセルに当接する電極は、窒素酸化物NOxを分子状酸素O2と分子状窒素N2とにできるだけ完全に分解する。このようにして形成された分子状窒素N2は、実質的に阻害されることなく本装置から拡散して出る。その一方で、ステップd)によれば、第2ポンプセルに第2ポンプ電流を印加することにより、前記別の分子状酸素から形成される別の酸素イオンの比率が、基準ガス室内に移動させられる。結合酸素を有する被測定ガス成分に硫黄酸化物SOx及び/又は炭素酸化物COxが含まれる場合にもこの考察は同様に当てはまり、この硫黄酸化物SOx及び/又は炭素酸化物COxから、分子状酸素O2の他に、さらに分子状硫黄S及び/又は分子状炭素Cが形成され、これらは適切なデバイスを用いて本装置から除去される。従来技術では通常、第2ポンプ電流の値から、上記の仮定に基づいて、結合酸素を有する被測定ガス成分の比率が算出される。

特に、検出すべき被測定ガス成分、特に窒素酸化物NOx、硫黄酸化物SOx、及び/又は、炭素酸化物COxの比率の、上述したエラー原因に基づく歪曲を回避するために、ステップe)によれば、基準ポンプ電流と第2ポンプ電流とから形成される電流の合計が一定に維持される。この場合、電流の合計を一定に維持するとは、電流の合計の値が、規定された最小閾値よりも大きく規定された最大閾値よりも小さい規定された範囲内に留まるようにする手順のことであると理解される。このようにして好ましくは、これら2つの電流の合計が一定であるというステップe)の条件が満たされるように、基準ポンプ電流の値を制御することによって、このようにして今や、第2ポンプ電流の値から、結合酸素を有する被測定ガス成分の比率を特定することが可能となる。このようにすると、第1ポンプセルから基準ガス室内に流入してくる上記の酸素イオン流の影響を排除することができるので、特に、結合酸素を有する被測定ガス成分の比率の検出精度を高めることが可能となる。

別の1つの態様によれば、本発明は、上述した方法のステップを実施するために構成されたコンピュータプログラムを含む。

別の1つの態様によれば、本発明は、上述したように構成されたコンピュータプログラムを記憶するために構成された電子記憶媒体を含む。

別の1つの態様によれば、本発明は、第1ポンプ電流の値、基準ポンプ電流の値、及び/又は、第2ポンプ電流をそれぞれ、検出するため、設定するため、及び/又は、制御するための少なくとも1つのデバイスを有する電子制御装置を含む。好ましい1つの実施形態では、電子制御装置は、上述した方法のステップを実施するために構成されたコンピュータプログラムが記憶されている少なくとも1つの電子記憶媒体を有する。この場合、本発明に係る電子制御装置が1つの部分から構成されているか、又は、複数の部分から構成されているかは重要ではない。すなわち、電子記憶媒体と少なくとも1つのデバイスとが単一の装置の形態で存在するか、又は、1つ又は複数の別個の装置の形態で存在するかは重要ではない。

特に好ましい1つの実施形態では、前記少なくとも1つのデバイスを、3つの−実際に又は概念的にのみ−互いに分離された部分に分類すること、特に、 ・基準ポンプ電流の値を検出するための第1デバイスと、 ・基準ポンプ電流の値を設定するための第2デバイスと、 ・基準ポンプ電流の値を制御するための第3デバイスと、 に分類することが有利である。

この場合には特に、基準ポンプ電流の値を検出するための第1デバイスと、基準ポンプ電流の値を設定するための第2デバイスとを、別個のユニットとして構成することも、又は、単一のユニットの形態で統合することも可能である。

好ましい1つの実施形態では、基準ポンプ電流の値を検出するための第1デバイスは、基準ポンプ電流の値を検出するために設けられた少なくとも1つの測定抵抗を有する。このようにして第1デバイスを、基準ポンプ電流の大きさ又は基準ポンプ電流に比例する電気信号の大きさを測定するために使用することができる。実施例においてより詳細に説明するが、前記測定抵抗は、この場合に好ましくは、 ・基準ポンプ電流を特定するための抵抗、 ・第2ポンプ電流を特定するための抵抗、 ・電子制御装置によって基準セルの基準電極に導電的に接続される抵抗、又は、 ・電子制御装置内に設けられたアナログデジタル変換器の内部抵抗、 のうちから選択することができる。

好ましい1つの実施形態では、基準ポンプ電流の値を設定するための第2デバイスは、少なくとも1つの可変電流源を有する。本明細書における「電流源」とは、制御信号を受信するための少なくとも1つの入力部と、電流信号を生成するための少なくとも1つのユニットと、電流信号を出力するための少なくとも1つの出力部とを有する電子ユニットであると理解され、制御信号を用いて電流の大きさ及び/又は電流の方向を規定することができ、好ましくは、電流の大きさと電流の方向とを同時に規定することができる。この場合、可変電流源は、電圧制御式又は電流制御式に構成することができる。すなわち、電圧制御式の電流源の場合には、制御信号が電圧信号であり、電流制御式の電流源の場合には、制御信号が電流信号である。

特別な1つの実施形態では、基準ポンプ電流の値を設定するための第2デバイスは、それぞれ相互に独立して設定可能な2つの別個の可変電流源を有し、これら2つの別個の可変電流源は、互いに正反対の電位基準を有するように相互接続されている。このようにして第2デバイスは、基準ポンプ電流の値を反転させることが可能であり、さらに、基準ポンプ電流の値を第1電流方向に供給することも、第1電流方向とは正反対の正負符号を有する第2電流方向に供給することも可能である。

特に好ましい1つの実施形態では、基準ポンプ電流の値を制御するための第3デバイスは、少なくとも1つの可変電流源のための入力信号を供給するように構成されており、前記入力信号は、制御器の操作量として使用される。好ましくは、基準ポンプ電流の値を制御するための第3デバイスのための入力量として、基準ポンプ電流の値と、当該基準ポンプ電流の値に対する基準量及び/又は制御量とが使用される。基準ポンプ電流の値は、特に基準ポンプ電流の値を検出するための第2デバイスによって供給される。

本明細書に記載されているように構成された電子制御装置は、特に、ガス混合物中の被測定ガス成分、特に窒素酸化物を検出する精度が改善されるという点、及び、本装置の動的挙動が改善されるという点、及び、本装置が装備された自動車のオンボード診断(OBD)を実施するための手段が拡張されるという点で、数多くの利点を有している。

少なくとも1つの可変電流源の出力電流を正確に設定及び特定することができれば、場合によって発生し得る可変電流源のばらつきを補償することが可能となる。この場合、基準ポンプ電流の可変の値によって、基準セル内の酸素分圧を相応に制御することが可能である。このようにして、基準ポンプ電流の値を制御するための第3デバイスによって制御される制御パスの伝達関数に対して影響を与えることが可能となり、これを相応に適合させることが可能となる。さらにはこのようにして、ガス混合物中における結合酸素を有する被測定ガス成分の比率に依存している第2ポンプ電流が、基準セル内の酸素分圧に対して与える影響を、補償することも可能となる。さらには、基準ポンプ電流の値を正確に検出することにより、センサ素子のコンポーネントの機能エラーを正確にピンポインティングすることが可能となる。

別の1つの態様によれば、本発明は、ガス混合物中、特に内燃機関の排ガス中における結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を検出するための装置を含み、この際には、当該装置の被測定ガス室内に分子状酸素が存在する状態下で、結合酸素を有する被測定ガス成分の還元によって発生した酸素の比率が求められる。この場合、前記装置は、少なくとも1つのポンプセルと、少なくとも1つの基準セルと、少なくとも1つの第2ポンプセルと、本明細書で説明される少なくとも1つの制御装置とを含む。前記装置の列挙された各コンポーネントに関するさらなる詳細については、方法に関する説明、及び/又は、電子制御装置に関する説明が参照される。

図面の簡単な説明 本発明の好ましい実施例を図面に図示し、以下の記載においてより詳細に説明する。

結合酸素を有する被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を検出するための特に有利な装置を使用した、本発明の方法の好ましい1つの実施例を示す図である。

結合酸素を有する被測定ガス成分の比率を検出するための装置のための電子制御装置の特に好ましい1つの実施例を示す図である。

基準ポンプ電流の値を検出するための回路の第1実施例を示す図である。

基準ポンプ電流の値を検出するための回路の第2実施例を示す図である。

基準ポンプ電流の値を検出するための回路の第3実施例を示す図である。

基準ポンプ電流の値を検出するための回路の第4実施例を示す図である。

基準ポンプ電流の値を設定するための電圧制御式の電流源の1つの実施例を示す図である。

基準ポンプ電流の値を設定するための電流制御式の電流源の1つの実施例を示す図である。

基準ポンプ電流の、任意の正負符号を有する値を設定するための、電流制御式のバイポーラ電流源の1つの実施例を示す図である。

基準ポンプ電流の値を制御するための装置の1つの実施例を示す図である。

基準ポンプ電流の値の制御の実施方法に関する1つの実施例を示す図である。

発明を実施するための形態 図1には、本方法の好ましい1つの実施例が図示されており、本方法では、ガス混合物中、例えば内燃機関の排ガス中における結合酸素を有する被測定ガス成分、以下では例として窒素酸化物NOxと呼ばれる被測定ガス成分の少なくとも一種類の比率を検出するための特に有利な装置110が使用される。

装置110は、第1ポンプセル112を含む。第1ポンプセル112は、外側のポンプ電極114と、内側のポンプ電極116との間に形成されている。外側のポンプ電極114は、多孔性の酸化アルミニウム層118によって装置110の周囲環境から隔離されており、第1ポンプセル112内で第1ポンプ電流120を発生可能にするための第1導電接続部を有する。完全な電流回路を得るために、内側のポンプ電極116も、外部の電子制御装置124の共通端子122へと通じる導電接続部を有している。第1ポンプセル112内で第1ポンプ電流120を発生させることにより、ガス混合物の分子状酸素から形成される第1比率の酸素イオンを、被測定ガス室126と装置110の周囲環境との間で移動させることが可能となる。周囲環境から、本実施例では2つの離隔された中空室の形態で構成されている被測定ガス室126への通路には、2つの拡散障壁128が設けられている。

本装置はさらに、基準セル130を有しており、この基準セル130には、ネルンスト電極132と基準電極134とが当接している。ネルンスト電極132は、内側のポンプ電極116と共に共通端子122へと通じる導電性接続部を有しており、その一方で、基準電極134は、供給電圧へと通じる導電接続部を有している。被測定ガス室126及び/又は装置110の周囲環境からの第2比率の酸素イオンは、供給電圧と共通端子122との間に基準ポンプ電流138を印加することによって基準ガス室136内に移動させられる。この場合、基準ポンプ電流138の値は、基準ガス室136内に規定された比率の酸素イオンが発生するように設定される。好ましくはこの関連において、第1ポンプ電流120の値も、被測定ガス室126内の第1比率の酸素イオンと、基準ガス室136内の第2比率の酸素イオンとの間で規定された比率が得られるように設定される。

同じくガス混合物中に含まれる被測定ガス成分である、結合酸素を有する窒素酸化物NOxは、特に拡散によって、ほぼ影響を受けることなく「NOxポンプセル」とも呼ばれる第2ポンプセル140に到達する。第2ポンプセル140には、NOxポンプ電極142と、NOx対向電極144とが隣接している。これら2つの電極、すなわちNOxポンプ電極142及び/又はNOx対向電極144のうちの少なくとも一方は、電圧が印加されると触媒によって被測定ガス成分NOxから別の分子状酸素を発生させることができる。なお、この別の分子状酸素は、第2ポンプセル140内で形成される。

NOxポンプ電極142は、共通端子122へと通じる導電接続部を有し、その一方で、NOx対向電極144は、第2ポンプ電流146を第2ポンプセル140に印加可能にするための導電接続部を有する。第2ポンプセル140に第2ポンプ電流146が印加されると、前記別の分子状酸素から形成された別の酸素イオンの比率が、基準ガス室136内に移動させられる。

装置110はさらに、ヒータ線路150を備えるヒータ要素148を有し、ヒータ線路150を介してヒータ要素148に熱流を導入することが可能であり、ヒータ要素148は、加熱出力を形成することによって装置110を所期の温度にすることが可能である。

ガス混合物中における結合酸素を有する被測定ガス成分の比率を検出するための方法を実施するために、電子制御装置124は、第2ポンプ電流146の値を特定するための測定装置152と、基準ポンプ電流138と第2ポンプ電流146とから構成される電流の合計を一定に維持することを可能とするために、基準ポンプ電流138の値を制御するための制御装置154とを有する。電子制御装置124が有し得るその他の構成要素は、見やすさの理由から図1には図示されていない。

この場合、電流の合計を一定に維持するというのは、電流の合計の値が、規定された最小閾値よりも大きく規定された最大閾値よりも小さい規定された範囲内に留まるようにする手順のことであると理解される。このようにして、あらゆる技術的手段によっても完全には阻止することが不可能な、装置110内で発生する変動を、それでもなお共に考慮することが可能となる。

図2には、結合酸素を有する被測定ガス成分の比率を検出するための装置110にて使用するための電子制御装置124の、特に好ましい1つの実施例が図示されている。電子制御装置124は、基準ポンプ電流138の値を検出するための回路156と、可変電流源158と、基準ポンプ電流138の値を制御するための制御器160とを有する。

基準ポンプ電流138の値を検出するための回路156は、図2に図示された実施例では、アナログデジタル変換器162を有する。アナログデジタル変換器162は、内部抵抗164を有しており、スイッチ166の設定状態の選択に応じて、この内部抵抗164を検出することが可能である。アナログデジタル変換器162の内部抵抗164は、基準ポンプ電流138の値を検出するために使用可能な測定抵抗として使用される。さらなる別の実施形態も可能であり、以下に記載される実施例において説明される。

基準ポンプ電流138の値を設定するための可変電流源158は、図2による実施例では、反転可能な極性を有するコンフィギュレーション可能な電流源168として構成されている。この可変電流源158は、制御器160によって供給された操作量172を入力信号170として受信する。可変電流源158の出力信号174は、本実施例ではスイッチ166に供給され、スイッチ166の設定状態に応じて、基準ポンプ電流138として基準電極134に出力されるか、又は、アナログデジタル変換器162の内部抵抗164を特定するために使用される。

可変電流源158の入力信号170を制御するための操作量172を供給している制御器160は、回路156によって検出された基準ポンプ電流138の値を第1入力量176として受信する。制御器160の第2入力量178として、規定された基準値180が供給される。

図2に図示された例示的な電子制御装置124はさらに、第1ポンプ電流120の値を供給するための第2可変電流源182と、基準セル130のための共通電位を供給するための電圧源184と、ネルンスト電圧の値を検出するための第2アナログデジタル変換器186とを有する。

以降の図3乃至図6には、基準ポンプ電流138の値を検出するための回路156に関する複数の異なる実施形態が図示されている。図3乃至図6に関する以下の記載で言及していない点については、図2に関する上記の説明が参照される。

図3の実施例では、基準ポンプ電流138の値を検出するための回路156は、追加的な測定抵抗188を有する。図示された回路156によれば、この追加的な測定抵抗188は、基準ポンプ電流138の値を特定するために使用される。可変電流源158によって供給された電流は、まずスイッチ166へと導かれる。スイッチ166の設定状態に応じて、基準ポンプ電流138が基準電極134に導かれるか、又は、高オーミックの追加的な測定抵抗188(シャント)にさらに導かれる。後者は、有利には特に、基準ポンプ電流138をセンサ素子に印加する必要がない動作フェーズ中に、例えば始動フェーズの開始時に、実施することができる。基準ポンプ電流138の値は、追加的なアナログデジタル変換器190によって検出される。図3に図示された電子制御装置124はさらに、第2ポンプ電流146を形成するための第3可変電流源192を有する。

図4には、基準ポンプ電流138の値を検出するための回路156に関する別の1つの実施例が図示されている。本実施例では、電子制御装置124内に設けられている、第2ポンプ電流146の値を検出するための測定抵抗194が、基準ポンプ電流138の値を検出するための測定抵抗196として使用される。センサ素子が非アクティブ状態である動作状態、ひいては非常に高オーミックである動作状態においては、基準ポンプ電流138の値を、スイッチ166及び別のスイッチ198を介して、第2ポンプ電流146を特定するための測定抵抗194へとスイッチングすることができ、このようにすると、第2アナログデジタル変換器186によって基準ポンプ電流138の値を特定することができる。

図5の実施例では、可変電流源158から形成された電流の一部は、仮想アースCOMへと通じる別の経路を発見して例えば内部抵抗を有するアナログデジタル変換器162を通って流れるため、可変電流源158から形成された電流の全てがセンサ素子に到達するわけではないことがよくある、という実際の観察結果が考慮される。さらには、図5では抵抗200によって概略的に図示されているコンデンサの寄生抵抗も、基準ポンプ電流138の値を低減させる可能性がある。

従って、図6に概略的に図示されているように、電子制御装置124の、センサ素子に通じるVs線路に別の追加的な測定抵抗202を挿入して、この別の追加的な測定抵抗202で発生する電圧降下によって、センサ素子における基準電極134に到達する基準ポンプ電流138の値を特定することが提案される。このために特に別の1つのアナログデジタル変換器204を使用することができる。追加的な測定抵抗202での電圧降下によって電圧Vsの値が影響を受けるので、好ましくはこの電圧Vsの値の変化を補償するために、追加的な測定抵抗202で発生した電圧降下が、検出された電圧Vsの値に足し合わされる。

上述した図3からも、基準ポンプ電流138の値を検出するための別の1つの実施例を見て取ることができる。上述したように基準ポンプ電流138は、追加的な測定抵抗188の両端間での電圧降下によって特定することができる。一般的に、アナログデジタル変換器162の内部抵抗164は、検出されてアナログデジタル変換器162のための別の較正データと共にメモリに記憶されるので、アナログデジタル変換器162の内部抵抗164が既知の場合には、アナログデジタル変換器162を通って流れる実際の電流を計算することが可能である。なぜなら、アナログデジタル変換器162における電圧Vsも検出されるからである。アナログデジタル変換器162が特定のフェーズ中にしか測定を実施せず、従って、アナログデジタル変換器162の内部抵抗164を通る電流も、当該フェーズ中にしか流れないような動作方式の場合には、アナログデジタル変換器138を通って流れる電流が全体期間に比例していることにより、基準ポンプ電流138の比例損失を算出することができる。

以降の図7乃至図9には、可変電流源158の実施形態に関する複数の好ましい実施例が図示されており、電子制御装置124は、基準ポンプ電流138の値を設定するためにこれらの可変電流源158を使用することができる。

図7には、可変電流源158の第1実施例において、電圧制御式の電流源206が等価回路の形態で図示されている。例示的な本実施例では、nビットデジタルアナログ変換器208が、nビット制御ワード210から電圧信号212を形成する。これにより、電圧制御式の電流源206の入力部214,214’に印加された電圧制御信号212は、電圧制御式の電流源206の出力部216,216’において、電圧制御信号212によって可変の大きさを有する電流218を形成する。

図8には、別の1つの実施例として、電流制御式の電流源220が等価回路の形態で図示されている。本実施例では、基準電流源224からの入力電流を電圧に変換するいわゆる「カレントミラー」が使用される。この電圧自体は、内部電流源226を制御し、この内部電流源226は、電流制御式の電流源220の出力部228,228’における電流の値を規定する。この場合、カレントミラーのいわゆる「ゲイン」が、それぞれの入力電流の値に対する出力電流の値の比を表している。線路接続部230を通る各出力電流を足し合わせることができるので、カレントミラーをそれぞれ異なるゲインに接続することにより、特定の値を有する出力電流を設定することが可能となる。出力電流218の値は、スイッチ232によって規定することができ、スイッチ232の制御は、上述したようにこの場合にも、nビット制御ワード210によって制御されるnビットデジタルアナログ変換器208によって実施することができる。

図9は、2つの電流制御式の可変電流源220,220’を有するコンフィギュレーション可能な電流源168を、電流の流れ方向が反転可能となるように相互接続することができることを示している。この場合、2つのnビットデジタルアナログ変換器208,208’は、それぞれ受信したnビット制御ワード210,210’を、電流制御式の第1電流源220の入力部214,214’、又は、電流制御式の第2電流源220’の入力部214’’,214’’’への電圧制御信号212,212’,212’’に、それぞれ1つの電流源226,226’を駆動するそれぞれ1つの電圧に変換し、対応する電流源226,226’が、各出力部216,216’,216’’,216’’’における電流218,218’をそれぞれ決定する。スイッチ232により、2つの電流218,218’を足し合わせて、任意の方向を有し得る合計電流234を形成することが可能である。

図10は、基準セル130の基準ポンプ電流138のための制御回路236を概略的に示す。制御回路236は、制御可能な電流源158と、基準ポンプ電流138の値を検出するための回路156と、制御器160とから形成される。制御可能な電流源158のための入力信号170である操作量172は、第1入力量176である基準ポンプ電流138の値と、第2入力量178である基準値180又は制御量とから、デジタル回路又はアナログ回路によって形成することができる。

制御器160は、好ましくは制御アルゴリズム238を使用することができる。この制御アルゴリズムの実行は、図11に概略的に図示されている。第1入力量176として使用される基準ポンプ電流138の値と、第2入力量178として使用される基準値180とを、加算器240において比較することにより、エラー信号242が形成され、このエラー信号242は、デジタル回路246の入力部244に印加される。デジタル回路246は、出力部248において、制御可能な電流源158のための入力信号170として使用される操作量172を供給するように構成されている。

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