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The methods and compositions produce the antigen response

阅读:355发布:2021-04-13

专利汇可以提供The methods and compositions produce the antigen response专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、 抗原 提示細胞に抗原を 接触 させて抗原応答を生じさせる方法に関するものであり、この改良形態は、抗原提示細胞に、抗原に対する抗原提示細胞の抗原応答を増大させるのに十分な量のアデノシンA
1 受容体活性化媒体を接触させることを含む。 本発明はさらに、癌患者、病原体に感染した患者、及び感染性若しくは非感染性の免疫不全患者の診断、予後、及び/又は生存率を改善することができる方法、組成物、併用療法、イメージング技術、及び診断キットを提供する。,下面是The methods and compositions produce the antigen response专利的具体信息内容。

  • 抗原応答を生じさせる方法であって、抗原提示細胞に、前記抗原に対する前記抗原提示細胞の抗原応答を増大させるのに十分な量のアデノシンA 受容体活性化因子を接触させることを含む方法。
  • 抗原応答が免疫応答である、請求項1に記載の方法。
  • 抗原応答が適応免疫応答又は先天性免疫応答である、請求項1に記載の方法。
  • 免疫応答の増大が、表現型又は遺伝子型として現れる、抗原に対する反応性の増大である、請求項1に記載の方法。
  • 免疫応答の増大が、抗体価の上昇、抗体親和性の増大、細胞障害性細胞の生成、又は寛容原性応答の増大である、請求項2に記載の方法。
  • 抗原提示細胞が、単球、マクロファージ、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、リンパ球、造血幹細胞、末梢血幹細胞、末梢血単核細胞、B細胞、ヴェール細胞、指状嵌入細胞及び卵胞細胞、脾細胞、胸腺細胞、小膠細胞、クッパー細胞、内皮細胞、線維芽細胞、並びに好酸球からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  • 抗原が生きている微生物である、請求項1に記載の方法。
  • 抗原が非生物の化合物又は組成物である、請求項1に記載の方法。
  • 抗原が、抗体を誘導する抗原決定基である、請求項1に記載の方法。
  • 抗原が、ペプチド、タンパク質、脂質、炭水化物、核酸、ムチン、プロテオグリカン、それらの組合せ、及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  • 抗原が、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−8(IL−8)、インターロイキン−9(IL−9)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−11(IL−11)、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−13(IL−13)、インターロイキン−15(IL−15)、インターロイキン−16(IL−16)、インターロイキン−17(IL−17)、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン、血小板活性化因子(PAF)、リピドA、ホスホリパーゼA2、エンドトキシン、ブドウ球菌エンテロトキシンB、I型インターフェロン、II型インターフェロン、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、トランスフォーミング成長因子−ベータ(TGF−β)、リンホカイン、リンホトキシン、遊走阻止因子、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(CSF)、単球−マクロファージCSF、顆粒球CSF、血管上皮増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング成長因子(TGF−α)、熱ショックタンパク質(HSP)、血液群の糖鎖部分、Rh因子、線維芽細胞増殖因子(FGF)、好酸球(EOS)陽イオンタンパク質、EOS顆粒タンパク質、RANTES(regulated on activation, normal T cell expressed and secreted発現及び分泌される正常T細胞中での活性化調節)、ヌクレオチド、ヌクレオシド、DNA、RNA、mRNA、MART、MAGE、BAGE、変異体p53、チロシナーゼ、アジドチミジン(AZT)、アンギオスタチン、エンドスタチン、腫瘍、癌、ウイルス感染、細菌感染、真菌感染、非定型細菌の感染、寄生虫感染、原虫感染、自己抗原、同種抗原、移植抗原、移植片抗原、癌胎児性抗原、腫瘍関連ムチン、腫瘍由来ペプチド、腫瘍細胞の溶解物、毒素、死細胞、壊死細胞、リポ多糖類(LPS)、外毒素、エンテロトキシン、1,3βグルカン、ペプチドグリカン、リポタイコ酸、マンノース、フラジェリン、ピリン、糖脂質、ザイモサン、サイトカイン、ケモカイン、免疫複合体、ハプテン、アルコール、薬物、単球遊走因子(MCP)、MCP−1、MCP−3、MCP−4、MIF、HMGB1、MIP−1α、MIP−1β、MIP−3α、MIP−5/ヒトccサイトカイン−2(HCC2)、CD40リガンド(CD40L)、TRANCE(TNF-related activation induced cytokineTNF関連活性化誘導サイトカイン)、Flt3リガンド(FL)、c−kit、C5a、補体、幹細胞因子(SCF)、肝細胞増殖因子(HGF)、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、ストロマ細胞由来因子−1α(SDF−1α)、プリオン、ウシ海綿状脳症タンパク質(BSE)、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺アルカリホスファターゼ(PAP)、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、アミロイドベータ(Abeta)、タウ、異種抗原、スーパー抗原、オボアルブミン、ブタクサ、ハウスダストマイト、植物の花粉、植物分子、昆虫毒素、化学物質、アデノシンA1受容体、P 2Xプリン受容体、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、及びそれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
  • 抗原提示細胞が少なくとも1種のアデノシンA 受容体を発現している、請求項1に記載の方法。
  • 接触させるステップをin vitroで実施する、請求項1に記載の方法。
  • 接触させるステップをin vivoで実施する、請求項1に記載の方法。
  • 抗原提示細胞に、前記抗原提示細胞を初回抗原刺激するのに十分な量の初回抗原刺激作用物質を接触させることにより、前記抗原提示細胞を初回抗原刺激するステップと、
    前記抗原提示細胞に、前記抗原提示細胞が抗原に対する免疫応答の増大を媒介するよう誘発するのに十分な量の活性化因子を接触させることにより、前記抗原提示細胞を活性化させるステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 抗原応答を生じさせる方法が、免疫不全障害、CNS障害、伝染病、自己免疫疾患、重症筋無力症、クローン病、限局性腸炎、血管炎、糖尿病、腫瘍、癌、物質乱用、多発性硬化症、喘息、接触アレルギー、移植拒絶反応、及びアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される疾患を治療するための既知の方法と組み合わされて実施される、請求項1に記載の方法。
  • 抗原応答を哺乳動物対象で生じさせる方法であって、抗原に対する前記対象の抗原応答を増大させるのに十分な量の前記抗原と併用して、前記対象にアデノシンA 受容体アゴニストを投与することを含む方法。
  • アデノシンA 受容体アゴニストを投与するステップが、抗原を投与するステップと同時に実施される、請求項17に記載の方法。
  • アデノシンA 受容体アゴニストを投与するステップが、抗原を投与するステップと順次に実施される、請求項17に記載の方法。
  • 抗原応答を生じさせる方法であって、樹状細胞に、抗原に対する前記樹状細胞の抗原応答を増大させるのに十分な量のアデノシンA 受容体アゴニストを接触させることを含む方法。
  • 抗原応答を生じさせる方法であって、抗原提示細胞に、抗原に対する前記抗原提示細胞の抗原応答を増大させるのに十分な形で、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列をトランスフェクトし、又は電気穿孔法で導入することを含む方法。
  • ヌクレオチド配列が、ヒトアデノシンA 受容体をコードするcDNAである、請求項21に記載の方法。
  • 細胞障害性細胞によって誘発される細胞障害性応答を増大させる方法であって、前記細胞障害性細胞に、前記細胞障害性細胞の細胞障害性応答を増大させるのに十分な量のアデノシンA 受容体活性化因子を接触させることを含む方法。
  • 活性化因子が、アデノシンA 受容体アゴニスト、シスプラチン、デキサメタゾン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、カルバマゼピン、アデノシン受容体アンタゴニスト、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列、アロステリックエンハンサー、及びプロテインキナーゼ阻害剤からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  • 細胞障害性応答が、細胞障害性細胞に活性化因子を接触させない場合の細胞障害性応答と比べての、殺腫瘍活性、腫瘍増殖抑制活性、食作用、溶解、及び生体応答調節物質の産生からなる群から選択される生体応答の増大によって示される、請求項23に記載の方法。
  • 細胞障害性細胞が、ナチュラルキラー細胞、細胞障害性リンパ球、リンホカイン活性化キラー細胞、マクロファージ、クッパー細胞、小膠細胞、樹状細胞、抗体分泌細胞、及びその他のエフェクター分子を分泌する細胞からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  • 細胞障害性細胞が少なくとも1種のアデノシンA 受容体を発現する、請求項23に記載の方法。
  • 細胞障害性細胞に、前記細胞障害性細胞を初回抗原刺激するのに十分な量の初回抗原刺激作用物質を接触させることにより前記細胞障害性細胞を初回抗原刺激すること、及び 前記細胞障害性細胞に、殺腫瘍活性、腫瘍増殖抑制活性、食作用、溶解、及び生体応答調節物質の産生からなる群から選択される、生体応答の増大を前記細胞障害性細胞が媒介するよう誘発するのに十分な量の活性化因子を接触させることにより、前記細胞障害性細胞を活性化させることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
  • 抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体シグナル伝達を増強する方法であって、前記抗原提示細胞に、前記抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体シグナル伝達を増強するのに十分な量の活性化因子を投与することを含む方法。
  • 抗原提示細胞が、単球、マクロファージ、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、リンパ球、造血幹細胞、末梢血幹細胞、末梢血単核細胞、B細胞、ヴェール細胞、指状嵌入及び卵胞細胞、脾細胞、胸腺細胞、小膠細胞、クッパー細胞、内皮細胞、線維芽細胞、並びに好酸球からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  • アデノシンA 受容体シグナル伝達を増強する方法であって、抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体欠損を是正することを含み、前記抗原提示細胞に、抗原提示細胞の原形質膜上のアデノシンA 受容体数を増加させるのに十分な量の活性化因子を投与することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  • 活性化因子が、アデノシンA 受容体アゴニスト、シスプラチン、デキサメタゾン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、カルバマゼピン、アデノシン受容体アンタゴニスト、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列、細胞を虚血状態にすること、アロステリックエンハンサー、及びプロテインキナーゼ阻害剤からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  • アデノシンA 受容体シグナル伝達を増強する方法であって、抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体欠損を是正することを含み、前記抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体の発現を遺伝的に改変することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  • アデノシンA 受容体シグナル伝達を増強する方法であって、抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体欠損を是正することを含み、前記抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体の発現を化学的に改変することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  • 抗原提示細胞とエフェクター細胞の間のシグナル伝達を増強する方法であって、前記抗原提示細胞と前記エフェクター細胞の間のシグナル伝達を増強するのに十分な量の活性化因子を投与することを含む方法。
  • 抗原提示細胞が、単球、マクロファージ、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、リンパ球、造血幹細胞、末梢血幹細胞、末梢血単核細胞、B細胞、ヴェール細胞、指状嵌入及び卵胞細胞、脾細胞、胸腺細胞、小膠細胞、クッパー細胞、内皮細胞、線維芽細胞、並びに好酸球からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
  • エフェクター細胞が、単球、マクロファージ、リンパ球、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好塩基球、好酸球、形質細胞、小膠細胞、クッパー細胞、顆粒球、線維芽細胞、及び内皮細胞からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
  • 活性化因子が、アデノシンA 受容体アゴニスト、シスプラチン、デキサメタゾン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、カルバマゼピン、アデノシン受容体アンタゴニスト、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列、アロステリックエンハンサー、及びプロテインキナーゼ阻害剤からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
  • 活性化因子が抗原の存在下で投与される、請求項35に記載の方法。
  • 活性化因子が抗原の非存在下で投与される、請求項35に記載の方法。
  • アデノシンA 受容体応答の脱感作を妨げる方法であって、(a)抗原提示細胞に、前記抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体応答の脱感作を妨げるのに十分な量の脱感作作用物質を投与すること、又は(b)前記抗原提示細胞に、アデノシンA 受容体応答の脱感作を妨げることができるタンパク質をコードするヌクレオチド配列をトランスフェクトし、又は電気穿孔法で導入することを含む方法。
  • 脱感作作用物質が、アデノシンデアミナーゼ、アロステリックエンハンサー、及びプロテインキナーゼ阻害剤からなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
  • アデノシンA 受容体応答の脱感作を妨げることができるタンパク質をコードするヌクレオチド配列が、スピノフィリン、アルカリホスファターゼ、プロテインホスファターゼ1(PP1)、又はプロテインホスファターゼ2A(PP2A)の発現の増大をもたらす、請求項41に記載の方法。
  • 抗原提示細胞が、単球、マクロファージ、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、リンパ球、造血幹細胞、末梢血幹細胞、末梢血単核細胞、B細胞、ヴェール細胞、指状嵌入及び卵胞細胞、脾細胞、胸腺細胞、小膠細胞、クッパー細胞、内皮細胞、線維芽細胞、並びに好酸球からなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
  • (i)抗原と、
    (ii)活性化因子とを含む組成物。
  • 免疫調節物質をさらに含む、請求項45に記載の組成物。
  • 初回抗原刺激作用物質をさらに含む、請求項45に記載の組成物。
  • 凍結乾燥される、請求項45に記載の組成物。
  • 製薬上許容される担体をさらに含む、請求項45に記載の組成物。
  • 製薬上許容される担体が、水性担体又は固体担体である、請求項45に記載の組成物。
  • アジュバントをさらに含む、請求項45に記載の組成物。
  • 免疫原性組成物である、請求項45に記載の組成物。
  • 請求項45に記載の組成物を含む薬剤組成物。
  • 哺乳動物を抗原で免疫感作する方法であって、請求項45に記載の組成物を投与することを含む方法。
  • 免疫不全障害、CNS障害、伝染病、自己免疫疾患、重症筋無力症、クローン病、限局性腸炎、血管炎、糖尿病、腫瘍、癌、物質乱用、多発性硬化症、喘息、接触アレルギー、移植拒絶反応、及びアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される病態を治療するための方法であって、対象に、前記病態を治療するのに十分な量の、請求項45に記載の組成物を対象に投与することを含む方法。
  • 病態が前立腺癌である、請求項55に記載の方法。
  • アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する対象の反応性を測定する方法であって、抗原提示細胞上でのアデノシンA 受容体の発現、親和性、又は機能を測定することを含む方法。
  • 対象の抗原提示細胞をin vivoでイメージングする方法であって、
    (a)対象から抗原提示細胞の試料を採取すること、及び (b)前記抗原提示細胞を、放射標識したアデノシンA 受容体リガンド、又はアデノシンA 受容体をコードする放射標識したヌクレオチド配列で標識すること、及び次いで (c)標識した前記抗原提示細胞を、放射線画像を提供するのに有効な量で前記対象に投与することを含む方法。
  • 抗原提示細胞を初回抗原刺激するのに十分な量の初回抗原刺激作用物質を接触させることにより、前記抗原提示細胞を初回抗原刺激することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
  • 抗原提示細胞を対象においてin vivoでイメージングする方法であって、
    (a)対象から抗原提示細胞の試料を採取すること、及び (b)前記抗原提示細胞に、バイオセンサーが放射標識されていないという条件で、前記抗原提示細胞上の特異的標的を認識する前記バイオセンサーを接触させることを含む方法。
  • 特異的標的がアデノシンA 受容体である、請求項60に記載の方法。
  • 特異的標的がアデノシンA 受容体の細胞外ドメインである、請求項60に記載の方法。
  • アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する対象の反応性を測定するための診断キットであって、前記対象の抗原提示細胞上でのアデノシンA 受容体の発現、親和性、又は機能を測定するための少なくとも1種の試薬と、アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する前記対象の反応性を評価するための説明書とを含み、少なくとも1種の試薬と説明書が容器に同封されている診断キット。
  • 说明书全文

    本出願は、2003年7月31日出願の「Methods and Compositions for Producing Antigenic Responses」という名称の米国特許仮出願第60/491,510号の利益を主張するものであり、その開示の全体を参照により本明細書に組み込む。

    本発明は、抗原応答を生じさせ、細胞障害性応答を増大させ、アデノシンA 受容体シグナル伝達を増強し、本明細書に記載の病態を治療する方法に関するものであり、さらにそれを実現するための組成物に関する。

    抗原提示細胞(APC)は、免疫系の複雑な応答においてある役割を果たしている。 例えば、病原体認識受容体は、APC上に存在しており、人体にとっての外来抗原を認識し、この抗原に結合し、この抗原をリンパ球に提示して、抗原特異的リンパ球が防御免疫を生じるよう誘発する働きをしている。 病原体認識受容体は、APCが抗原をリンパ球に提示して、抗原特異的リンパ球が適応免疫、つまり(a)抗体産生という形をとる体液性免疫、及び(b)例えば細胞障害性Tリンパ球、活性化マクロファージ、活性化ナチュラルキラー細胞、サイトカインなどを産生する細胞性免疫を生じるよう誘発するのに不可欠である。

    アデノシンA 受容体は病原体認識受容体である。 リポ多糖がアデノシンA 受容体に結合することが報告されている。 Wilson, CN and Batra VK, J Endotoxin Research 8:263-271, (2002)。 さらに、アデノシンA 受容体は、ヒトの樹状細胞、単球、マクロファージ、リンパ球、及び抹消血単核細胞上に存在する。 Panther, E, et al. FASEB J 15: 1963, (2001)、Salmon JE, J Immunol 151:2775, (1993)、Marone G, Int J Clin Lab Res 22:235, (1992)、Marone G, Int Arch Allergy Appl Immunol 77:259, 1985、Mayne M, Ann Neurol 45:633, 1999)。 さらに、アデノシンを用いてヒトの未熟樹状細胞をin vitroで処理すると、樹状細胞の機能にとって重要なものと考えられている細胞表面マーカーの発現が変化する。 Panther E, Blood 101:3985, (2003)。 Pantherらは、アデノシンが「DCの炎症誘発活性を制御し、標的部位でのDCの蓄積を調節する可能性がある」(Panther et al. (2001))ことを示唆する研究を発表していたが、アデノシンA 受容体が樹状細胞機能の表現型変化の原因であると結論づけた研究も発表した。 Panther et al. Blood 101(10): 3985-3990 (2003)。

    多発性硬化症の患者の血液中や脳内の単球/マクロファージ中でアデノシンA 受容体の発現が低減されると報告されているが、前記事項にもかかわらず、免疫不全と、欠陥のあるアデノシンA 受容体機能との潜在的な関係は、多発性硬化症の分野以外ではこれまで検討されてこなかった。 Johnston JB, Ann Neurol 49:650 (2001)、Mayne M, Ann Neurol 45:633 (1999)。

    米国特許仮出願第60/491,510号

    Wilson, CN and Batra VK, J Endotoxin Research 8:263-271, (2002) Panther, E, et al. FASEB J 15: 1963, (2001) Salmon JE, J Immunol 151:2775, (1993) Marone G, Int J Clin Lab Res 22:235, (1992) Marone G, Int Arch Allergy Appl Immunol 77:259, 1985 Mayne M, Ann Neurol 45:633, 1999) Panther E, Blood 101:3985, (2003) Panther et al. Blood 101(10): 3985-3990 (2003) Johnston JB, Ann Neurol 49:650 (2001) Mayne M, Ann Neurol 45:633 (1999)

    本発明は、癌患者、病原体に感染した患者、感染性又は非感染性の免疫不全患者、及び自己免疫疾患、移植片対宿主病、又は移植臓器の拒絶反応を有する患者の予後を改善することができる方法及び組成物を提供する。

    本発明の一態様は、抗原応答を生じさせる方法に関するものであり、この方法は、抗原提示細胞に、抗原に対する抗原提示細胞の抗原応答を増大させるのに十分な量のアデノシンA 受容体活性化因子(activating agent)を接触させることを含む。

    本発明の別の態様は、抗原応答を生じさせる方法に関するものであり、この方法は、抗原提示細胞に、抗原に対する抗原提示細胞の抗原応答を増大させるのに十分な形で、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列をトランスフェクトし、又は電気穿孔法で導入することを含む。

    本発明のさらなる態様は、細胞障害性細胞によって誘発される細胞障害性応答を増大させる方法に関するものであり、この方法は、この細胞障害性細胞に、細胞障害性細胞の細胞障害性応答を増大させるのに十分な量のアデノシンA 受容体アゴニストを接触させることを含む。

    本発明の追加の態様は、抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体シグナル伝達を増強する方法に関するものであり、この方法は、この抗原提示細胞に、抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体シグナル伝達を増強するのに十分な量の活性化因子を投与することを含む。

    本発明のさらなる態様は、アデノシンA 受容体応答の脱感作を妨げる方法に関するものであり、この方法は、(a)抗原提示細胞に、前記抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体応答の脱感作を妨げるのに十分な量の脱感作作用物質を投与すること、又は(b)前記抗原提示細胞に、アデノシンA 受容体応答の脱感作を妨げることができるタンパク質をコードするヌクレオチド配列をトランスフェクトし、又は電気穿孔法で導入することを含む。

    本発明の別の態様は、(i)抗原、及び(ii)活性化因子を含む、組成物及び薬剤組成物に関する。

    本発明のさらなる態様は、上記の組成物の使用に関するものであり、この組成物は、本明細書に記載の病態を治療するための医薬品を調製するための少なくとも抗原及び活性化因子を含む。

    本発明の追加の態様は、哺乳動物を抗原で免疫感作する方法に関するものであり、この方法は、少なくとも抗原及び活性化因子を含む上記の組成物を含む。

    本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の病態を治療する方法に関する。

    本発明の別の態様は、対象の抗原提示細胞をin vivoでイメージングする方法に関するものであり、この方法は、(a)対象から抗原提示細胞の試料を採取すること、(b)前記抗原提示細胞を、放射標識したアデノシンA 受容体リガンド、又はアデノシンA 受容体をコードする放射標識したヌクレオチド配列で標識すること、及び次いで(c)前記標識した抗原提示細胞を、放射線画像を提供するのに有効な量で対象に投与することを含む。

    本発明の追加の態様は、対象の抗原提示細胞をin vivoでイメージングする方法に関するものであり、この方法は、(a)対象から抗原提示細胞の試料を採取すること、(b)前記抗原提示細胞を、放射標識した抗原で標識すること、(c)抗原提示細胞に、前記抗原に対する前記抗原提示細胞の抗原応答を増大させるのに十分な量の、放射標識した抗原及びアデノシンA 受容体活性化因子を接触させること、及び次いで(d)前記標識した抗原提示細胞を、放射線画像を提供するのに有効な量で対象に投与することを含む。

    本発明のさらなる態様は、抗原提示細胞を対象においてin vivoでイメージングする方法に関するものであり、この方法は、(a)対象から抗原提示細胞の試料を採取すること、(b)抗原提示細胞に、バイオセンサーが放射標識されていないという条件で、抗原提示細胞上の特異的標的を認識するバイオセンサーを接触させることを含む。

    本発明の追加の態様は、アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する対象の潜在的な反応性を測定する方法に関するものであり、この方法は、抗原提示細胞上でのアデノシンA 受容体の発現、親和性、又は機能を測定することを含む。

    本発明の別の態様は、本明細書で開示される疾患を含めてアデノシンA 受容体欠損に関連する病態を治療するための併用療法及び治療法に関する。

    本発明のさらなる態様は、アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する対象の潜在的な反応性を測定するための診断キットに関するものであり、このキットは、対象の抗原提示細胞上でのアデノシンA 受容体の発現、親和性、又は機能を測定するための少なくとも1種の試薬と、アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する対象の反応性を評価するための、容器に同封されている説明書とを含む。

    本発明の上記及びその他の態様を、本明細書に記載の他の実施形態に即してさらに詳しく説明する。 本発明は、様々な形式で実施することができることは理解されるはずであり、本明細書に記載する実施形態のみに限定されるものと解釈すべきではない。 そうではなく、これらの実施形態は、この開示が徹底的且つ完璧なものとなるように、また本発明の範囲が当業者に十分に伝わるように提供するものである。

    本発明を本明細書で説明するのに使用する用語は、特定の実施形態を説明する目的のものにすぎず、本発明を限定するものではない。 本発明の説明及び添付の特許請求の範囲では、単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」、及び「the(その)」は、文脈上そうでないことが明確に示されない限り、複数形も含むものとする。

    別段の定義がない限り、本明細書で使用するすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の技術者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。

    本明細書で引用するNeelyの米国特許出願及びNeelyの米国特許はすべて参照によりその全体を組み込む。

    本発明の実施では、別段の指示がない限り、当分野の技術の範囲内である、ウイルス学、化学、生化学、組換え技術、免疫学、及び薬理学の従来の方法を使用する。 こうした技術は文献中で十分に説明されている。 例えば、Virology, 3rd Edition, vol. I & II (BN Fields and DM Knipe, eds., 1996)、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition (Easton, Pa.: Mack Publishing Company, 1990)、Methods In Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan, eds., Academic Press, Inc.)、Handbook of Experimental Immunology, Vols. I-IV (DM Weir and CC Blackwell, eds., 1986, Blackwell Scientific Publications)、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd ed. 1989)、及びDNA Cloning: A Practical Approach, vol. I & II (D. Glover, ed.)を参照されたい。

    本明細書では、用語「抗原」とは、抗原応答を誘発する任意の作用物質を指し、抗原応答は、物質の存在に応答する反応の開始を意味する。 抗原応答は免疫応答とすることもできる。

    本明細書では、用語「免疫応答」とは、抗原と接触した後の、特異的な細胞障害性T細胞の活性化及び増殖を含めた免疫系の働きを指す。 免疫は、組織や器官に損傷を与えることができる生物又は毒素に抵抗する身体能に関する。 適応免疫又は獲得免疫は、外来物質に暴露されることによって誘発又は刺激され、様々な高分子に特異的であり、特定の高分子に連続的に暴露されると規模及び防御能力がそれぞれ増大する防御機構である。 獲得免疫には基本的に(1)体液性免疫又はB細胞免疫、及び(2)細胞性免疫又はT細胞免疫の2つのタイプがある。 先天性免疫の構成要素には、物的障壁、血液や組織中の食細胞、ナチュラルキラー細胞、及び様々な血液によって運ばれる分子を含めて、微生物から宿主を保護するのに用いられる様々な防御機構が含まれる。 こうした機構により、多くの種類の微生物を追い払い、破壊し、又は食い止めることができる。 こうした防御機構には、(a)感染性の微生物又は外来の高分子に暴露される前から存在し、(b)大部分の外来物質を識別せず、また(c)しばしばこうした暴露によって十分に増強することができないものがある。

    本明細書では、用語「エフェクター細胞」とは、免疫応答経路において抗原に対する応答を誘発することができる諸細胞を指す。

    本明細書では、用語「免疫調節物質」とは、本明細書で定義した免疫応答を調節することができる作用物質を指す。

    本明細書では、用語「細胞障害性」とは、細胞の機能障害、損傷、及び/又は細胞死を指す。

    本明細書では、用語「アデノシンA 受容体シグナル伝達」とは、アデノシンA 受容体によって媒介される諸応答を指す。 こうした応答には、細胞障害性応答、殺腫瘍性応答、生体応答調節物質の産生、抗原の内部プロセッシング、及び免疫応答においてある役割を果たしているある種のたんぱく質の内部発現、例えば主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI若しくはクラスII又はヒト白血球抗原(HLA)タンパク質の発現、或いは免疫応答に関与するシグナル伝達経路においてある役割を果たしているその他のたんぱく質の発現、例えばNF−κβ、又はIL−6、IL−1β、TNF−αをコードするヒト遺伝子の発現、及び有効な免疫応答を容易にするその他の応答が含まれるが、これらに制限されるものではない。

    本明細書では、用語「活性化因子」とは、抗原提示細胞を活性化させることができる、任意の作用物質、方法、又は状態を表す。 本明細書では、「活性化」とは、アデノシンA 受容体を刺激すること、アデノシンA 受容体の発現を増大させること、シグナル伝達経路に関連している、例えばグアニンヌクレオチド結合タンパク質に結合しているアデノシンA 受容体を増加させること、及びアデノシンA 受容体応答の脱感作を妨害することを含むことができるが、これらに制限されるものではない。 本明細書では、「活性化」細胞とは、本明細書に記載の抗原応答を誘発している細胞である。 活性化因子は、アデノシンA 受容体アゴニストを含むが、これに制限されるものではない。 活性化因子にはまた、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列を導入するトランスフェクション又は電気穿孔法、シスプラチン、デキサメタゾン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、カルバマゼピン、アデノシン受容体アンタゴニスト、アロステリックエンハンサー、及びプロテインキナーゼ阻害剤の投与、並びに虚血再循環又は虚血のみなどの状態が含まれ得る。 活性化因子は、抗原の存在下であれ非存在下であれ投与又は実施することができる。

    本明細書では、用語「生体応答調節物質」とは、感染又は疾患に対する身体の応答を刺激することを含むが、これに制限されるものではない、生物学的応答、化学的応答、及び/又は生理的応答に影響を与えることができる任意の作用物質、方法、又は状態を表す。 生体応答調節物質の非限定的な例には、プロスタグランジン、トロンボキサン、及びロイコトリエンを含めたアラキドン酸代謝の代謝産物、脂質過酸化産物及び脂質メディエーター、血小板活性化因子、活性酸素種、IL−6及びTNF−αを含めたサイトカイン、ケモカイン、ATP、ADP、アデノシン、プロテアーゼ、エラスターゼ、セレクチン、接着分子、インテグリン、Gタンパク質を含めたシグナル伝達タンパク質、プロテインキナーゼ並びにNF−κβが含まれる。

    本明細書では、細胞にある物質を「接触させる」という用語は、(a)細胞の環境(例えば、溶液、in vitro培地、解剖学的体液、又は組織)に物質を提供し、又は(b)直接細胞の表面に物質を付与又は提供し、いずれの場合においてもそれにより細胞と物質の間で生物学的相互作用が生じる形で細胞の表面に物質を接触させることを意味する。 接触させるステップは、in vitroで実施してもin vivoで実施してもよい。 接触させるステップは、細胞に物質を導入するトランスフェクション、電気パルス法又は電気穿孔法をin vitroで使用し、或いはこれらの方法を組み合わせて細胞の抗原応答を増大させることを含むことができる。 例えば、Kim KW, et al. Cancer Immunol Immunother 53:315-322, 2004を参照されたい。 接触させるステップはさらに、磁気ビーズを使用して物質と細胞を十分に接触させることを含むことができる。

    本明細書では、用語「ワクチン」とは、例えばタンパク質、ペプチド、又は多糖を含めた抗原性調製物であり、これを投与して、ワクチン調製物中に存在する1種又は複数の抗原に対するレシピエントの体液性免疫系及び細胞性免疫系を刺激する。 「ワクチン接種」又は「免疫感作」とは、ワクチンを投与し、抗原に対する免疫応答を刺激する方法である。

    本明細書では、用語「併用」とは、複合作用を生じさせるのに十分に時間が接近していることを意味する(即ち、併用は、同時であってもよく、互いに短期間に前後して起こる2つ以上の事象であってもよい)。

    本明細書では、2種以上の化合物を「組み合わせて」投与することは、一方の化合物の存在が他方の化合物の生物学的作用を改変するのに十分なほど接近した時間内に2種の化合物を投与することを意味する。 2種の化合物は同時に(即ち併用)投与しても順次に投与してもよい。 さらに、同時投与は、化合物を混合してから投与することによって実施しても、或いは同時ではあるが異なる解剖学的部位で、又は異なる投与経路を使用して化合物を投与することによって実施してもよい。

    本明細書では、句「併用投与」、「組合せ投与」、「同時投与」、又は「同時に投与する」とは、化合物を同時に、又は一方の直後に投与することを意味し同義的に用いる。 後者の場合には、観察される結果が化合物を同じ時点で投与した場合に得られる結果と識別できないほど接近した時間内に2種の化合物を投与する。

    さらに、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載のその他の方法、又は所望の結果を得るための対象となる既知の方法若しくは治療と「組み合わせて」、又は「同時に」実施することもできる。

    本発明に従って治療するのに適した対象には、鳥類及び哺乳動物、好ましくは哺乳動物が含まれる。 本発明による哺乳動物には、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯類(例えば、ラットやマウス)、ウサギ、霊長類などが含まれるが、これらに制限されるものではない、子宮内の哺乳動物も包含される。 ヒトが好ましい。 両性のヒト対象、及びいずれの発育段階(即ち、新生児、幼児、若年、青年、成人)のヒト対象も本発明に従って治療することができる。

    本発明による鳥類の例には、ニワトリ、カモ、シチメンチョウ、ガチョウ、ウズラ、キジ、平胸類(例えばダチョウ)、及び飼い鳥(例えば、オウムやカナリア)が含まれ、また卵内の鳥類も含まれる。 ニワトリやシチメンチョウが好ましい。

    本発明に従って治療する必要があるいずれの哺乳動物対象も適当である。 本発明は主に、ヒト対象の治療に関するものであるが、本発明はまた、獣医学上の目的、並びに薬物スクリーニング及び薬物開発の目的で、動物対象、特にマウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜類、及びウマなどの哺乳動物対象に対して実施してもよい。

    上記に鑑み、本発明の諸実施形態は、抗原提示細胞に抗原を接触させて抗原応答を生じさせる方法に関するものであり、この改良形態は、抗原提示細胞に、抗原に対する前記抗原提示細胞の抗原応答を増大させるのに十分な量のアデノシンA 受容体アゴニストを接触させることを含む。

    抗原応答は、適応免疫応答又は先天性免疫応答などの免疫応答とすることができる。 免疫応答は、免疫を発達させることなく抗体形成を誘発しているものでも、免疫を発達させるものでもよい。 免疫応答は、抗体価の上昇、抗体親和性の増大、又は細胞障害性細胞の生成に関するものとすることもできる。 免疫応答は、表現型又は遺伝子型として現れる、抗原に対する反応性の増大とすることもでき、この応答では、当該細胞はエフェクター細胞に提示される抗原を内部に吸収しプロセッシングを行い、このエフェクター細胞が、細胞障害性応答、殺腫瘍性応答、寛容原性応答、又は生体応答調節物質の産生を含めるが、これらに制限されるものではない応答を生じさせる。 免疫応答は、未熟な樹状細胞が、自己抗原を含むがこれに限定されない抗原をT細胞に提示して、T細胞中での寛容状態を誘発することも含む得る。 寛容化T細胞は、抗原に対する寛容を獲得した後、抗原を提示されても抗原に対して効果的に応答することができない。 Spiotto MT, et al., Curr Opin Immunol 15:725-730, 2003。 さらに、抗原への暴露の後、抗原提示細胞を誘発してエフェクター細胞に依存しない直接的な免疫応答を生じさせることもできる。

    抗原は、抗原応答を誘発する任意の作用物質とすることができる。 抗原は、ペプチド、タンパク質、脂質、炭化物、核酸、ムチン、プロテオグリカン、それらの組合せ、及びそれらの誘導体、即ち、ムコタンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、又は糖脂質などそれらの改変体でもよい。 抗原の改変体は、抗原応答を生じさせる抗原のエピトープの変化も含むことができる。 抗原は、生きている微生物又は非生物の化合物又は組成物でもよい。 抗原は、活性のあるものであれないものであれ、既知のいくつかのウイルス、細菌、寄生生物、及び菌類のいずれに由来するものでもよい。 抗原は、細胞又は細胞表面分子などの細胞成分に由来するものでもよい。 抗原は、癌細胞、細胞表面分子、又は癌細胞上のその他のあらゆる分子、又は腫瘍細胞の溶解物を含めた癌に由来するものでもよい。 抗原は、抗体を誘導する抗原決定基でもよい。 抗原はさらに、以下の非限定的な構成成分、つまりIL−1α、IL−1βを含めたインターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−8(IL−8)、インターロイキン−9(IL−9)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−11(IL−11)、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−13(IL−13)、インターロイキン−15(IL−15)、インターロイキン−16(IL−16)、インターロイキン−17(IL−17)、プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン、血小板活性化因子(PAF)、リピドA、ホスホリパーゼA2、エンドトキシン、ブドウ球菌エンテロトキシンB、I型インターフェロン、II型インターフェロン、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、トランスフォーミング成長因子−ベータ(TGF−β)、リンホカイン、リンホトキシン、遊走阻止因子、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(CSF)、単球−マクロファージCSF、顆粒球CSF、血管上皮増殖因子(VEGF)、アンジオゲニン、トランスフォーミング成長因子(TGF−α)、熱ショックタンパク質(HSP)、血液群の糖鎖部分、Rh因子、線維芽細胞増殖因子(FGF)、好酸球(EOS)陽イオンタンパク質、EOS顆粒タンパク質、RANTES(regulated on activation, normal T cell expressed and secreted発現及び分泌される正常T細胞中での活性化調節)、ヌクレオチド、ヌクレオシド、DNA、RNA、mRNA、MART、MAGE、BAGE、変異体p53、チロシナーゼ、AZT、アンギオスタチン、エンドスタチン、腫瘍、癌、ウイルス感染、細菌感染、真菌感染、非定型細菌の感染、寄生虫感染、原虫感染、自己抗原、同種抗原、移植抗原、移植片抗原、癌胎児性抗原、腫瘍関連ムチン、腫瘍由来ペプチド、腫瘍細胞の溶解物、毒素、死細胞、壊死細胞、リポ多糖類(LPS)、外毒素、エンテロトキシン、1,3βグルカン、ペプチドグリカン、リポタイコ酸、マンノース、フラジェリン、ピリン、糖脂質、ザイモサン、サイトカイン、ケモカイン、免疫複合体、ハプテン、アルコール、薬物、単球遊走因子(MCP)、MCP−1、MCP−3、MCP−4、MIF、HMGB1、MIP−1α、MP−1β、MIP−3a、MIP−5/ヒトccサイトカイン−2(HCC2)、CD40リガンド(CD40L)、TRANCE(TNF-related activation induced cytokineTNF関連活性化誘導サイトカイン)、Flt3リガンド(FL)、c−kit、C5a、補体、幹細胞因子(SCF)、肝細胞増殖因子(HGF)、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、ストロマ細胞由来因子−1α(SDF−1α)、プリオン、ウシ海綿状脳症タンパク質(BSE)、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺アルカリ性ホスファターゼ(PAP)、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、アミロイドベータ(Abeta)、タウ、異種抗原、スーパー抗原、オボアルブミン、ブタクサ、ハウスダストマイト、植物の花粉及びその他の植物分子、昆虫毒素、アデノシンA 受容体、P 2Xプリン受容体、B細胞受容体、T細胞受容体、IgE及び自己抗体を含めた抗体、化学物質、並びにそれらの組合せを含むことができる。

    アデノシンA 受容体アゴニストの例としては、これに制限されないがアデノシン;シクロヘキシルアデノシン;N シクロペンチルアデノシン、N R−フェニルイソプロピルアデノシン、2−クロロN シクロペンチルアデノシン(CCPA)、N (p−スルホフェニル)アルキル、及び(N −(p−スルホフェニル)アデノシンのような)アデノシンのN スルホアルキル誘導体を含むが、これらに制限されるものではない、様々なN 置換アデノシンA アゴニスト;N シクロペンチル1−2−クロロ−1−デアザアデノシン(1−デアザ−2−Cl−CPA)を含むが、これに制限されるものではない、アデノシンの1−デアザ類似体;N シクロアルキルアデノシン;N ビシクロアルキルアデノシン;3'−デオキシ−R−PIAを含むが、これらに制限されるものではない、リボース修飾アデノシン受容体類似体が含まれる。 例えば、Conti, Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. 348:108 (1993)、Trivedi, J. Med. Chem. 32:8 (1989)、Jacobsen, J. Med. Chem. 35:4143 (1992)、Thedford, Expl. Cell. Biol. 57:53 (1989)、Trewyn, Exp. Pharmacol. 28:607 (1979)、Fleysher, J. Amer. Chem. Soc. (August 1968)、Fleysher, J. Amer. Chem. Soc. (Nov. 1969)、シクロアルキルアデノシン(例えば、Moos, J. Med. Chem. 28:1383 (1985)を参照)、R−PIAの類似体、CHA、及びCPA(例えば、Cristalli, J. Med. Chem. 31:1179 (1988)を参照)を参照されたい。 Van der Wenden, J. Med. Chem. 38:4000 (1995)、Jacobson, PJM Med. Res. Rev. 12:423 (1992)、Daly, J. Med. Chem. 25:197 (1982)。 これらのアデノシンA 受容体アゴニストのアデノシンA 受容体への結合及びその活性化は、P(2−アミノ−4,5−ジメチル1−3−チエニル)−[3−トリフルオロメチルフェニル]メタドンなどのアロステリックエンハンサーによって増強することもできる。 その他のアデノシンA 受容体アゴニストも当技術分野で知られている(例えば、Abstracts from Purines '96, Drug Dev. Res., March 1996: Knutsen et al. (p. 111); Franchetti et al. (p. 127); Di Francesco et al. (p. 127); van der Wenden et al. (p. 128); Kirkpatrick et al. (p. 128); van Schaick et al. (p. 128)を参照されたい)。 最適の投薬及び投与スケジュールは、当分野の技術者に知られている常法を使用して決定することができる。

    抗原提示細胞は、当分野の技術者に周知である。 抗原提示細胞は、末梢血単核球細胞、末梢血単球、血中幹細胞、幹細胞、又は骨髄、末梢血若しくは臍帯血に由来する前駆細胞などのいずれかの供給源から採取してもよく、或いは抗原提示細胞は、組織実質中で見出し、in vitroで生成し、市場で入手し、又はクローンを作成してもよい。 抗原提示細胞には、単球、マクロファージ、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、リンパ球、造血幹細胞、末梢血幹細胞、末梢血単核細胞、B細胞、ヴェール細胞、指状嵌入及び卵胞細胞、脾細胞、胸腺細胞、小膠細胞、クッパー細胞、内皮細胞、線維芽細胞、好酸球、並びにその細胞表面上にHLA−ペプチド複合体を提示するあらゆる細胞が含まれるが、これらに制限されるものではない。 いくつかの実施形態では、抗原提示細胞は、少なくとも1種のアデノシンA 受容体を発現する。

    本発明の他の実施形態によれば、上記の抗原応答を生じさせる方法はさらに、抗原提示細胞に、抗原提示細胞を初回抗原刺激するのに十分な量の初回抗原刺激作用物質を接触させることにより抗原提示細胞を初回抗原刺激すること、及び抗原提示細胞に、抗原提示細胞が抗原に対する免疫応答の増大を媒介するよう誘発するのに十分な量の活性化因子を接触させることにより抗原提示細胞を活性化させることを含むことができる。

    細胞を処理又は「初回抗原刺激」してアデノシンA 受容体活性を増強することができる。 細胞を初回抗原刺激してから活性化させることができる。 例えば、抗原提示細胞を当技術分野で知られている初回抗原刺激作用物質を使用して初回抗原刺激することが可能であり、当技術分野で知られている初回抗原刺激作用物質としては、PMA(例えば、Leaver, FEMS Microbiol. Immunol. 47:293 (1989)、White, J. Biol. Chem. 259:8605 (1984)を参照)、リポ多糖(LPS)(例えば、Glaser, J. Biol. Chem 265:8659 (1990)、Pace, J. Immunol. 126:1863 (1981)、Alexander, Nature New Biol. 232:76 (1971)を参照)、血小板活性化因子(PAF)(例えば、Stewart, Immunology 78:152 (1993)、Salzer, J. Clin. Invest. 85:1135 (1990)を参照)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF α )若しくはトロンビン(例えば、Stewart, Immunology 78:152 (1993)を参照)、f−met−leu−phe(FMLP)(例えば、Stewart, Immunology 78:152 (1993)を参照)、ザイモサン(Rankin, J. Clin. Invest. 86:1556 (1990)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)を含めたマクロファージ刺激因子、イオノマイシン(例えば1μMの量)、カルシウムイオノフォア(A23187など、例えば0.1〜10μMの量)、ガンマインターフェロン(IFNγ、例えば1〜150units/mlの量)(Flebbe, J. Immunol. 145:1505 (1990))、腫瘍細胞の上清(Hamilton and Adams, Immunology Today 8:151 (1987)、Marvin, J. Surg. Res. 63:248 (1996))、又はグラム陽性菌由来の産物を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。例えば、菌体内毒素であるリポ多糖、Morrison and Ryan (Eds.) CRC Press, Boca Raton, Florida, 1992、Hamilton and Adams, Immunology Today 8 :151 (1987)、Loppnow, Methods Enzymol. 236:3 (1994)を参照されたい。 細胞型を活性化させるのに好ましい初回抗原刺激の条件は、当分野の技術者に知られている常法を使用して決定することができる。 例えば、組織の常在マクロファージを、腫瘍、又は治療する腫瘍を取り囲む組織においてin vivoでPMAによって初回抗原刺激し、次いでアデノシンA 受容体アゴニストに暴露してこのマクロファージを活性化させることができる。

    アデノシンA 受容体活性を増大させるための、細胞の初回抗原刺激はさらに、細胞を低酸素及び再酸素負荷条件に供すること、例えば、細胞(例えばマクロファージ)を細胞チャンバー中に入れ、低酸素分圧(例えば0〜12%酸素)に適当な時間(例えば約5分〜約48時間、より好ましくは約2〜約4時間)供してから、上記の初回抗原刺激作用物質で処理することを含み得る。 Lum, Circ. Res. 70:991 (1992)、Ogawa, Am. J. Physiol 262:C546 (1992)、Milhoan, Am. J. Physiol. 263:H956 (1992)、Arya, J. Surg. Res. 59:13 (1995)を参照されたい。 最適の低酸素及び再酸素負荷条件は、当分野の技術者に明らかである常用の実験方法によって決定することができる。 細胞のこのような処理は、アデノシンA 受容体活性を増大させるように設計される。 アデノシンA 受容体活性の増大は、例えば、受容体数の増加、Gタンパク質(アデノシンA 受容体のシグナル伝達経路への結合を司るG タンパク質)の増加、又はシグナル伝達プロセスを司る酵素の増加に起因するものとすることができる。 初回抗原刺激の手順は、例えば受容体結合(飽和実験を用いたアデノシンA 結合)、フォルスコリンによって刺激されるcAMPの減少、Gタンパク質のレベル、又はスーパーオキシドイオン(O )、TXA (トロンボキサン)、PAF(血小板活性化因子)、又はサイトカイン(IL−1やTNFα)の放出、及びサイトカイン放出を司る酵素の細胞内レベル(例えばホスホリパーゼA2)を測定することによって評価することができる。 例えば、Stewart, Immunology 78:152 (1993)、Salzer, J. Clin. Invest. 85:1135 (1990)、Liang J. Pharmacol. Exp. Ther. 249:775 (1989)を参照されたい。 低酸素と初回抗原刺激作用物質の組合せを使用して、本方法で使用する細胞を初回抗原刺激することもできる。

    場合によっては、脂質を当技術分野で知られている手法により1種(複数)の初回抗原刺激作用物質及び/又は活性化因子と結合させて、細胞に対する初回抗原刺激作用物質又は活性化因子のバイオアベイラビリティ及び/又は親和性を増大させることができる。 例えば米国特許出願公開第20040121406号を参照されたい。

    適当な活性化因子には、抗原提示細胞を活性化させることができる作用物質、方法、及び状態が含まれる。 活性化因子には、選択性又は非選択性のアデノシンA 受容体アゴニストが含られるが、これに制限されるものではなく、さらに、これに制限されるものではないが、アデノシン;シクロヘキシルアデノシン;N シクロペンチルアデノシン、N R−フェニルイソプロピルアデノシン、2−クロロN シクロペンチルアデノシン(CCPA)、N (p−スルホフェニル)アルキル、及びN −(p−スルホフェニル)アデノシンなどのアデノシンのN スルホアルキル誘導体を含むが、これらに制限されるものではない、様々なN 置換アデノシンA アゴニスト;N シクロペンチル1−2−クロロ−1−デアザアデノシン(1−デアザ−2−Cl−CPA)を含むが、これに制限されるものではない、アデノシンの1−デアザ類似体;N シクロアルキルアデノシン;N ビシクロアルキルアデノシン;3'−デオキシ−R−PIAを含むが、これに制限されるものではない、リボース修飾アデノシン受容体類似体が含まれる。 例えば、Conti, Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. 348:108 (1993)、Trivedi, J. Med. Chem. 32:8 (1989)、Jacobsen, J. Med. Chem. 35:4143 (1992)、Thedford, Expl. Cell. Biol. 57:53 (1989)、Trewyn, Exp. Pharmacol. 28:607 (1979)、Fleysher, J. Amer. Chem. Soc. (August 1968)、Fleysher, J. Amer. Chem. Soc. (Nov. 1969)、シクロアルキルアデノシン(例えば、Moos, J. Med. Chem. 28:1383 (1985)を参照)、R−PIAの類似体、CHA、及びCPA(例えば、Cristalli, J. Med. Chem. 31:1179 (1988)を参照)を参照されたい。 Van der Wenden, J. Med. Chem. 38:4000 (1995)、Jacobson, PJM Med. Res. Rev. 12:423 (1992)、Daly, J. Med. Chem. 25:197 (1982)。

    活性化因子にはまた、アデノシンA 受容体をコードしているヌクレオチド配列を導入するトランスフェクション又は電気穿孔法、シスプラチン、デキサメタゾン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、カルバマゼピン、アロステリックエンハンサー、プロテインキナーゼ阻害剤、及びアデノシン受容体アンタゴニスト、好ましくは、トリアゾロキナゾリン(CGS15943)(Williams J. Pharmacol. Exp. Ther. 241:415)、7−2(フェニルエチル)−5−アミノ−2−(2−フリル)−ピラゾロ−[4,3−e]−1,2,4−トリゾロ[1,5−c]ピリミジンなどのピラゾロ[4,3−e]−1,2,4−トリゾロ[1,5−c]ピリミジン誘導体(Baraldi, J. Med. Chem. 39:1164 (1996)、Zocchi J. Pharmacol. Exp. Ther. 276:398 (1996))、8−(3−クロロスチリル)カフェイン(Mathot J. Pharmacol. Exp. Ther. 275:245 (1995))、8−(3−イソチオシアナトスチリル)カフェイン(Ji, Drug Dev. Res.. 29:292 (1993))、E−1,3−ジアルキル−7−メチル−8−(3,4,5−トリメソキシ−スチリル)キサンチン、(E)−1,3−ジプロピル−7−メチル−8−(3,4−ジメトキシスチリル)キサンチン(Shimada, J. Med. Chem. 35:2342 (1995)、Jackson J. Pharmacol. Exp. Ther. 267:1993)、4−(2−[7−アミノ−2−{2−フリル}{1.2,4}トリアゾロ{2,3−a}{1,3,5}トリアジン−5−イル−アミノ]エチル)フェノール(Palmer, J. Pharmacol. Exp. Ther. Mol. Pharmacol. 48:970 (1995))、7−デアザ−9フェニルアデニン(Daly, Biochem. Pharmacol. 37:3749 (1988)、またAbstracts from Purines '96, Drug Del,. Res., March 1996 at p. 113 (Vittori et al.), p. 130 (Dionisotti et al.), p. 174 (Suzuki et al.), and p. 179 (Suzuki et al. and Dionisotti et al.)も参照)などのアデノシンA 受容体アンタゴニストの投与、並びに虚血再循環又は虚血のみなどの状態が含まれ得る。

    初回抗原刺激作用物質及び活性化因子は、当技術分野で知られている手法に従って、リポソーム製剤中でいっしょに配合し(即ちカプセル化し)、次いで対象に併用投与する。 例えば、Allenらの米国特許第5,527,528号、Woodleらの米国特許第5,013,556号、Needhamの米国特許第5,882,679号、及びSamkaramらの米国特許第5,766,627号を参照し、その開示を参照により本明細書に組み込む。 初回抗原刺激作用物質及び活性化因子を含むこのリポソーム製剤は、初回抗原刺激作用物質を放出した後に活性化因子を放出するような持効性製剤中で調製してもよい。

    細胞を活性化させるための追加の処理には、細胞上の受容体数を増加させる処理(例えば、アデノシンA 受容体をコードするcDNAを含むプラスミドベクターを導入するトランスフェクション、又はアデノシンA 受容体をコードするcDNAを導入する電気穿孔法、或いはデキサメタゾンによる処理)、並びに(a)アデノシンA 受容体リガンド結合を増大させ、アデノシンA 受容体−Gタンパク質複合体を安定化させるためのアロステリックエンハンサーによる処理、(b)アデノシンA 受容体結合を増大させるためのアデノシンデアミナーゼによる処理、及び/又は(c)アデノシンA 受容体アゴニストに対する寛容を妨げるためのプロテインキナーゼ阻害剤や、LPSによって誘発されるTNFα放出を増強するためのチロシンホスファターゼ阻害剤による処理など脱感作作用物質による処理が、場合によっては含まれ得る。 Gタンパク質共役受容体(GPCR)は脱感作を受ける恐れがある。 アデノシンA 受容体アゴニストを用いたアデノシンA 受容体の持続活性により、アゴニスト投与によるその後の活性化に対する受容体の感受性の低減、つまり脱感作として知られる現象が起こる恐れがある。 Nie Z, et al., Mol Pharmacol 52:456-464, 1997。 GPCRキナーゼ(GRK)及びアレスチンは、GPCR脱感作においてある役割を果たしている。 Kohout TA and Lefkowitz RJ, Mol Pharmacol 63:9-18, 2003。 さらに、hsc73(熱ショック類似タンパク質)、GTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)、及びGタンパク質シグナル伝達系調節因子(RGS)タンパク質を含めてその他のいくつかのタンパク質も脱感作においてある役割を果たしている。 Sarrio S, et al., Mol Cell Biol 20:5164-5174, 2000、Clark RB and Rich TC, Mol Pharmacol 64:1015-1017, 2003、Sierra DA, et al., Genomics 79:177-185, 2002。 こうしたタンパク質は脱感作を促進させる恐れがある。 特定のタンパク質、つまりGRK、アレスチン、hsc73、GAP、RSGなど脱感作を促進させるタンパク質をノックアウトするように設計された1種又は複数のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて、活性化細胞を処理することができる。 このような1種又は複数のタンパク質に対するアンチセンスcDNA配列を活性化細胞中にトランスフェクトし、又は電気穿孔法で導入して、このタンパク質の発現を低下させ、脱感作に対するその作用を低減させることができる。 スピノフィリン、又はアルカリホスファターゼ、プロテインホスファターゼ1(PP1)若しくはプロテインホスファターゼ2A(PP2A)を含めたホスファターゼなどその他のタンパク質は、GPCRの脱感作を妨害することができる。 Wang Q, et al., Science 304:1940-1944, 2004、Nie Z, et al., Mol Pharmacol 52:456-464, 1997。 活性化細胞に対するその他の処理には、このような1種又は複数のタンパク質のcDNAを活性化細胞中にトランスフェクトし、又は電気穿孔法で導入して、スピノフィリン、又はアルカリホスファターゼPP1若しくはPP2Aの発現を増大させ、これにより脱感作を妨げ、したがって活性化細胞の活性を持続し、抗原応答を増大させることが含まれ得る。

    アデノシンA 受容体の発現を増加させ、アデノシンA 受容体の活性を増大させ、且つ/又はアデノシンA 受容体の脱感作を妨げるための上記の様々な処理を2種以上組み合わせて、本明細書に記載の通り活性化させる細胞に対して実施することもできる。

    本発明の諸実施形態はさらに、細胞障害性細胞に活性化因子を接触させて細胞障害性細胞によって誘発される細胞障害性応答を増大させる方法に関するものであり、この改良形態は、細胞障害性細胞に、細胞障害性細胞の細胞障害性応答を増大させるのに十分な量のアデノシンA 受容体アゴニストを接触させることを含む。

    細胞障害性応答は、殺腫瘍活性、腫瘍増殖抑制活性(tumoristatic activity)、食作用、溶解、及び生体応答調節物質の産生を含むが、これらに制限されるものではない、生体応答とすることができる。 細胞障害性細胞には、ナチュラルキラー細胞、細胞障害性リンパ球、リンホカイン活性化キラー細胞、マクロファージ、クッパー細胞、小膠細胞、樹状細胞、抗体分泌細胞、及びその他のエフェクター分子を分泌する細胞が含まれるが、これらに制限されるものではない、。 細胞障害性細胞は、少なくとも1種のアデノシンA 受容体を発現し、この細胞に、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列、例えばヒトアデノシンA 受容体をコードするcDNAをトランスフェクトし、又は電気穿孔法で導入することができる。

    本発明の他の実施形態によれば、前述のように抗原応答を生じさせる方法はさらに、細胞障害性細胞に、細胞障害性細胞を初回抗原刺激するのに十分な量の初回抗原刺激作用物質を接触させることにより細胞障害性細胞を初回抗原刺激すること、及び細胞障害性細胞に、細胞障害性細胞が生体応答の増大を媒介するよう誘発するのに十分な量の活性化因子を接触させることにより細胞障害性細胞を活性化させることを含むことができる。 この生体応答には、殺腫瘍性応答、腫瘍増殖抑制活性、食作用、溶解、生体応答調節物質の産生、抗原の内部プロセッシング、及び免疫応答においてある役割を果たしているある種のたんぱく質の内部発現、例えば主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI若しくはクラスII又はヒト白血球抗原(HLA)タンパク質の発現、或いは免疫応答に関与するシグナル伝達経路においてある役割を果たしているその他のたんぱく質の発現、例えばNF−κβ、又はIL−6、IL−1β、若しくはTNF−αをコードするヒト遺伝子の発現、及び有効な免疫応答を容易にするその他の応答が含まれ得るが、これらに制限されるものではない。

    本発明の方法での細胞障害性の測定は、細胞障害性の間接的な測定でよい。 細胞障害性の間接的な測定の例には、抗原提示細胞の細胞膜におけるアデノシンA 受容体数の測定、又はアデノシンA 受容体特異的リガンドに対する抗原提示細胞の親和性の測定(即ち、アデノシンA 受容体特異的リガンドに対する、抗原提示細胞の細胞膜に存在するアデノシンA 受容体の親和性の測定)が含まれる。 細胞障害性の測定はまた、本明細書で定義される通り細胞障害性の機能測定でもよく、この場合、抗原提示細胞を初回抗原刺激し活性化させた後に細胞障害性を試験する。

    標的癌細胞に対する抗原提示細胞の細胞障害性を測定するある間接的な方法は、当技術分野で知られている方法に従って(例えば、標識リガンド飽和結合法(labeled ligand saturation binding technique)を用いて、細胞の細胞膜に存在するアデノシンA 受容体の密度又は数を表すB maxを測定することにより)、抗原提示細胞の細胞膜にあるアデノシンA 受容体の数を評価するものである。 一般に、抗原提示細胞上のアデノシンA 受容体の数が多くなり、且つ/又はその密度が高くなればなるほど、標的癌細胞に対する抗原提示細胞の細胞障害性の程度は大きくなる。

    対象となる抗原提示細胞の細胞障害性を測定する、第2のより好ましい間接的な方法は、アデノシンA 受容体リガンドに対する抗原提示細胞の親和性を評価するものである。 こうした親和性の測定は、当技術分野で知られている標識リガンド結合測定法(labeled ligand binding measurement techniques)を用いて実施することができる。 リガンドは、放射性化合物、蛍光化合物、ビオチン化化合物、及び発光化合物などで標識することができる。 抗原提示細胞の親和性を評価するこうした方法は、飽和結合法又は競合結合法を用いて、アデノシンA 受容体リガンドに対する抗原提示細胞の親和性を測定することを含み、この親和性は、K (飽和結合実験)又はK (競合結合実験)によって表され、K 及びK の値に反比例する(即ち、K 又はK が低くなればなるほど、親和性が高くなる)。 一般に、抗原提示細胞のK 又はK の値が低くなればなるほど、抗原提示細胞の細胞障害性の程度は大きくなる。

    その代わりに、又はそれに加えて、抗原提示細胞の細胞障害性の測定は、細胞障害性の機能測定でもよい。 細胞障害性の機能測定は、少なくとも1つの指標である、抗原提示細胞が示す殺腫瘍活性(例えば、細胞による細胞毒素又はサイトカインの放出、或いは抗原提示細胞によって死滅した腫瘍細胞の割合)の程度を指す。 本発明の実施では、抗原提示細胞を初回抗原刺激し活性化させた後に細胞障害性の機能測定を行う。 Neelyの米国特許第6,680,052号及び第6,159,701号、並びにNeelyの米国特許出願公開第20030129678号を参照されたい。

    本発明の方法は、活性化された抗原提示細胞の細胞障害作用を利用して、腫瘍、癌、及びその他の新生物組織の増殖を抑制することができる。

    本発明の諸実施形態は、抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体シグナル伝達を増強する方法に関するものであり、この方法は、この抗原提示細胞に、抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体シグナル伝達を増強するのに十分な量の活性化因子を投与することを含む。 抗原提示細胞には、先に記載したものが含まれる。 アデノシン受容体シグナル伝達には、細胞障害性応答、殺腫瘍性応答、生体応答調節物質の産生、抗原の内部プロセッシング、及び免疫応答においてある役割を果たしているある種のたんぱく質の内部発現、例えば主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI若しくはクラスII又はヒト白血球抗原(HLA)タンパク質の発現、或いは免疫応答に関与するシグナル伝達経路においてある役割を果たしているその他のたんぱく質の発現、例えばNF−κβ、又はIL−6、IL−1β、若しくはTNF−αをコードするヒト遺伝子の発現、及び有効な免疫応答を容易にするその他の応答が含まれるが、これらに制限されるものではない、。

    いくつかの実施形態では、アデノシンA 受容体シグナル伝達を増強する方法は、アデノシンA 受容体の発現を遺伝的に改変すること、及び/又はアデノシンA 受容体の発現を化学的に改変することを含むことができる。 アデノシンA 受容体シグナル伝達を増強する方法はさらに、抗原提示細胞におけるアデノシンA 受容体欠損を是正することを含み、また抗原提示細胞に、抗原提示細胞の原形質膜上のアデノシンA 受容体数を増加させるのに十分な量の作用物質を投与することを含む。 抗原提示細胞の原形質膜上のアデノシンA 受容体数を増加させることができる作用物質には、これらに制限されるものではないが、シスプラチン、デキサメタゾン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、カルバマゼピン、アデノシン受容体アンタゴニスト、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列、例えばヒトアデノシンA 受容体をコードするcDNA、アデノシンA 受容体に対するアデノシンA 受容体リガンドの親和性や結合及びGタンパク質と受容体の結合を増大させるPD81,723などのアロステリックエンハンサー、細胞とマグネシウムやカルシウムを含めた二価陽イオンとを接触させること、及び/又は細胞とアデノシンデアミナーゼ、免疫調節物質、若しくはリンホカイン、MDP、MTP、MTP−PE、IFN−γ、PMA、GM−CSF、fMLPなどの初回抗原刺激作用物質とを接触させること、並びにプロテインキナーゼ阻害剤が含まれる。 アデノシンA 受容体数はまた、細胞を虚血状態にすることによって増加させることもできる。 Neelyの米国特許第5,786,360号、第6,117,998号及び第6,159,701号、Stilesらの米国特許第5,320,962号、Nie et al., Mol. Pharmacol. 53:663 (1998)、Gerwins and Fredholm, Mol. Pharmacol. 40:149 (1991)、Lupica et al. Synapse 9:95 (1991)、Ren and Stiles, Mol. Pharmacol. 55:309 (1999)、並びにBiber et al.,Neuropsych. Pharmacol. 20:271 (1999)を参照されたい。 アデノシンA 受容体数は、受容体の脱感作を妨げる上記の処理によって増加させることができる。 さらに、対象に、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列、例えばヒトアデノシンA 受容体をコードするcDNAを含むリポソームを、抗原を含め、若しくは含めず、或いは、免疫調節物質、初回抗原刺激作用物質、又は活性化因子、又は本明細書に記載の通りアデノシンA 受容体の脱感作を妨げる処理物質を含めて投与することができる。

    本発明の諸実施形態は、抗原提示細胞とエフェクター細胞の間のシグナル伝達を増強する方法に関するものであり、この方法は、抗原提示細胞とエフェクター細胞の間のシグナル伝達を増強するのに十分な量の活性化因子を投与することを含む。 抗原提示細胞には先に記載したものが含まれる。 本発明によるエフェクター細胞には、単球、マクロファージ、リンパ球、B細胞、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、肥満細胞、好塩基球、好酸球、形質細胞、小膠細胞、クッパー細胞、顆粒球、線維芽細胞、及び内皮細胞が含まれるが、これらに制限されるものではない。 活性化因子には、先に述べたように抗原提示細胞を活性化させることができる作用物質、方法、及び状態が含まれる。 活性化因子は、抗原の存在下であれ非存在下であれ投与することができる。

    本発明の諸実施形態はさらに、抗原を含む、組成物及び薬剤組成物に関する。 組成物及び薬剤組成物はさらに、活性化因子を含むことができる。 抗原には先に記載したものが含まれ得る。 活性化因子には先に記載したものが含まれ得る。

    この組成物はさらに、免疫調節物質を含むことができる。 免疫調節物質の非限定的な例には、リポ多糖類(LPS)、内毒素、リピドA、LPSやリピドAの類似体及び誘導体、ムラミルペプチド(類似体及び誘導体)、IFNα、IFNβ、IFNγ、GM−CSF、M−CSF、MCP−1、MCP−3、MCP−4、リンホカイン、PMA、fMLP、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−8(IL−8)、インターロイキン−9(IL−9)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−11(IL−11)、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−13(IL−13)、インターロイキン−15(IL−15)、インターロイキン−16(IL−16)、インターロイキン−17(IL−17)、TNF−α、IL−1ra、MIF、HMGB1、MIP−1α、MIP−1β、MIP−3α、MIP−5/ヒトccサイトカイン−2(HCC2)、PAF、プロスタグランジン、PGE 、ロイコトリエン、トロンボキサン、サイトカイン、ケモカイン、リンホカイン、ザイモサン、腫瘍細胞の上清、エンテロトキシン、1,3ベータグルカン、ペプチドグリカン、リポタイコ酸、RANTES、CD40リガンド(CD40L)、TRANCE(TNF-related activation induced cytokineTNF関連活性化誘導サイトカイン)、TGF−β、Flt3リガンド(FL)、c−kit、C5a、補体、幹細胞因子(SCF)、肝細胞増殖因子(HGF)、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、ストロマ細胞由来因子−1α(SDF−1α)、並びにそれらの組合せが含まれる。 この組成物はさらに、初回抗原刺激作用物質を含むことができる。 代表的な初回抗原刺激作用物質は先に記載した通りである。 この組成物は凍結乾燥してもよい。 この組成物はさらに、製薬上許容される担体を含むことができる。 この製薬上許容される担体は、水性担体でも固体担体でもよい。 この担体は、組成物を受け取る個体にとって有害な抗体の産生をそれ自体誘発しない分子である。 適当な担体は通常、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸共重合体、脂質集合体(油滴やリポソームなど)、高分子の粒子状担体、及び不活化ウイルス粒子などのゆっくり代謝される大きな高分子である。 さらに、こうした担体は追加の免疫賦活剤として機能することもできる。

    この組成物はさらに、アジュバントを含むことができる。 適当なアジュバントには、対象の応答を誘発し対象の病態を治療するのに適したものが含まれ、これを使用して本明細書に記載の組成物及び薬剤組成物の有効性を増強することができる。 このようなアジュバントには、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム塩、水中油型乳剤、場合によってはムラミルペプチドなどその他の特異的な免疫賦活剤、サポニンアジュバント、完全フロイントアジュバント(CFA)及び不完全フロイントアジュバント(IFA)、インターロイキン(IL−1、IL−2など)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカイン、コレラ毒素、百日咳毒素、又はE. coli易熱性毒素などの細菌ADPリボシル化毒素の解毒変異体、並びに免疫賦活剤として働いて組成物の有効性を増強するその他の物質が含まれるが、これらに制限されるものではない。

    上記の本発明の組成物は、既知の手法に従って、投与のため製剤用の担体に配合することができる。 例えば、Remington, The Science And Practice of Pharmacy (20th ed. 2000)を参照されたい。 本発明による製剤を製造する際には、本発明の組成物は通常、とりわけ許容される担体と混合される。 上記の通り、担体は、固体でも液体でも又はその両方でもよく、好ましくは、単回投与剤形、例えば0.01又は0.5〜95又は99質量%の有効組成物を含有する錠剤として組成物と配合される。 本発明の1種又は複数の組成物は、本発明の製剤中に含めることができ、基本的には、必要に応じて1種又は複数の補助成分を含む諸成分を混合することからなる、製薬学の分野で周知の手法のいずれかよって調製することもできる。

    本発明の製剤には、経口投与、直腸投与、局所投与、口腔粘膜(例えば舌下)投与、膣投与、非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内、又は静脈内)投与、局所(即ち、皮膚と、気道表面を含めた粘膜表面の両方)投与、関節内投与、経皮投与、経鼻投与、並びに吸入投与に適したものが含まれるが、所与のいずれの場合にも、最も適当な経路は、治療する疾患の性質や重篤度、及び使用する特定の組成物の性質に依存する。

    経口投与に適した製剤は、それぞれ所定の量の有効組成物を含有する、カプセル剤、カシェ剤、トローチ剤、又は錠剤など個別の投与単位で、散剤又は顆粒剤として、水性液若しくは非水性の液体中での液剤又は懸濁剤として、或いは水中油型又は油中水型乳剤として提供することができる。 このような製剤は、有効組成物と(上記の1種又は複数の補助成分を含有することができる)適当な担体を混合するステップを含む、適当なあらゆる製剤的方法によって調製することもできる。 一般に、本発明の製剤は、組成物を液体若しくは微粉固体担体と、又はその両方と均一によく混合し、次いで必要に応じて、生じた混合物を成型することによって調製する。 例えば、錠剤は、組成物を含有する散剤又は顆粒剤を、場合によっては1種又は複数の補助成分と共に圧縮又は成型することによって調製することができる。 圧縮成型錠剤は、場合によっては、結合剤、滑沢剤、不活性な希釈剤、及び/又は1種(複数)の表面活性/分散剤と混合した粉末又は顆粒など易流動性の形をとる組成物を適当な機械で圧縮することによって調製することができる。 湿製錠剤は、不活性の液体結合剤で湿潤させた粉末状組成物を適当な機械で成型することによって製造することができる。

    口腔粘膜(舌下)投与に適した製剤には、着香基剤、通常ショ糖、及びアカシアゴム又はトラガカントゴム中に有効組成物を含むトローチ剤、並びにゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシアゴムなどの不活性基剤中に組成物を含む香錠が含まれる。

    非経口投与に適した本発明の製剤は、有効組成物の無菌の水性及び非水性注射液を含み、その調製物は、好ましくは所期のレシピエントの血液と等張にする。 こうした調製物は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び所期のレシピエントの血液と等張な製剤を与える溶質を含むことができる。 無菌の水性及び非水性懸濁液は、懸濁化剤及び増粘剤を含むことができる。 当該製剤は、単回投与容器又は多回投与容器、例えば密封アンプルやバイアルに入れて提供することができ、無菌の液体担体、例えば生理食塩水又は注射用水を用時に添加するだけよい凍結乾燥状態で保存することもできる。 即時の注射液及び懸濁液は、先に記載した種類の無菌の散剤、顆粒剤、及び錠剤から調製することができる。

    直腸投与に適した製剤は、好ましくは、単位用量の坐剤として提供する。 このような製剤は、有効組成物を1種又は複数の従来の固体担体、例えばカカオ脂と混合し、次いで生じた混合物を成型することによって調製することができる。

    皮膚への局所適用に適した製剤は、好ましくは、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、パスタ剤、ゲル剤、スプレー剤、エアゾール剤、又は油剤の剤形をなす。 使用することができる担体には、石油ゼリー、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、経皮増強剤、及びそれらの2種以上の組合せが含まれる。

    経皮投与に適した製剤は、レシピエントの表皮との密接な接触を長時間維持するように適合させた個別の貼付剤、製剤を皮内に送達する注射器具、質層を剥脱させて、皮膚の輸入リンパ管より製剤の摂取を可能にする装置として提供することができる。

    経皮投与に適した製剤はまた、イオン浸透療法によって送達することができ(例えば、Pharmaceutical Research 3 (6):318 (1986)を参照)、通常、場合によっては、緩衝水溶液を添加した有効組成物の形をとる。 適当な製剤は、クエン酸若しくはビス/トリス緩衝液(pH6)、又はエタノール/水を含有し、0.1〜0.2Mの有効成分を含有する。

    さらに、本発明は、本明細書で開示される組成物及びその塩からなるリポソーム製剤を提供する。 リポソーム懸濁液を作製するための技術は当技術分野で周知である。 当該組成物又はその塩が水溶性塩である場合、従来のリポソーム技術を使用して、これを脂質小胞中に含めることができる。 このような場合、組成物又は塩は、水溶性であるため、リポソームの親水性の中心若しくはコア内に実質的に運ばれる。 使用する脂質層は、従来のいずれの組成物からなるものでもよく、コレステロールを含有するものでも、コレステロールフリーのものでもよい。 対象の組成物又は塩が不水溶性である場合も、従来のリポソーム形成技術を使用して、この塩はリポソームの構造を形成する疎水性の脂質二重層内に実質的に運ばれる。 いずれの場合でも、生成されるリポソームは、標準の超音波処理及び均質化技術を使用するのと同様に、そのサイズを小さくすることができる。

    上記の通り、本明細書で開示される組成物を含有するリポソーム製剤は、凍結乾燥して凍結乾燥物を生成することができ、これに水などの製薬上許容される担体を加え溶解して、リポソーム懸濁液を再生することができる。

    本発明の組成物は、有効薬剤をに運搬するための任意の手段によって投与することができ、それらの手段には経鼻投与、吸入、及び通気法が含まれるが、これらに制限されるものではない。 本明細書で開示される有効薬剤は、適当な任意の手段により患者の肺に投与することができるが、対象が呼吸によって吸入するのに適した、有効薬剤からなる粒子で構成されたエアゾール剤を生成することによって投与することが好ましい。 呼吸によって吸い込むのに適した粒子は液体でも固体でもよく、界面活性剤を含むがそれに限定されないその他の治療用成分を任意に含有することもできる。

    本発明を実施するための有効薬剤からなる粒子は、呼吸によって吸い込むのに適したサイズの粒子、即ち、吸入により鼻、口、及び喉頭を通し、肺の気管支及び肺胞中に入るほど小さな粒子を含む製剤として投与するべきである。 一般に、呼吸によって吸い込むのに適した粒子は、直径約0.5〜10ミクロンである。 エアゾール剤中に含まれる呼吸によって吸い込むのに適さない粒子は、喉に沈着し嚥下される傾向がある。 したがって、呼吸によって吸い込むのに適さないエアゾール剤中の粒子の量は最小限に抑えることが好ましい。 経鼻投与の場合、鼻腔内で確実に保持させるには、粒子サイズが10〜500μmの範囲内であることが好ましい。 或いは、液滴を投与してもよい。

    エアロゾール剤を生成するための有効薬剤の液体薬剤組成物は、有効薬剤を、パイロジェンを含まない滅菌水などの適当なビヒクルと配合することによって調製することができる。 場合によっては、その他の治療用化合物も含まれ得る。

    微粉化有効薬剤からなる呼吸によって吸い込むのに適した乾燥粒子を含有する固体粒子組成物は、乳鉢と乳棒を用いて乾燥アンチセンス化合物を粉砕し、次いでその微粉化組成物を400メッシュのスクリーンに通して、大きな凝集粉を分解又は分離させることによって調製することができる。 有効薬剤を含む固体粒子組成物は、場合によっては、エアゾール剤の形成を容易にする働きがある分散剤を含有することができる。 適当な分散剤はラクトースであり、これは有効薬剤と任意の適当な比、例えば1対1の質量比で混合することができる。

    有効薬剤を含む液体粒子のエアゾールは、ネブライザーなど任意の適当な手段によって生成することができる。 例えば、米国特許第4,501,729号を参照されたい。

    ネブライザーは、圧縮ガス、一般に空気や酸素を細いベンチュリオリフィスに通して加速させることにより、又は超音波撹拌により、有効成分の溶液又懸濁液を治療用エアゾールミストに変換する市販の装置である。 ネブライザーでの使用に適した製剤は、有効成分の担体溶液からなり、その有効成分は製剤の最大40%w/w、好ましくは20%w/w未満を占める。 担体は通常、水又は希薄水性アルコール溶液であり、好ましくは、例えば塩化ナトリウムの添加により体液と等張にする。 場合によっては、添加剤には、製剤を無菌で調製しない場合、防腐剤、例えばヒドロキシ安息香酸メチル、抗酸化剤、矯味矯臭剤、揮発油、緩衝剤、界面活性剤などが含まれる。

    有効薬剤を含む固体粒子のエアゾールは、同様に、固体粒子医薬品エアゾール発生装置で発生させることができる。 対象に固体粒子の医薬品を投与するためのエアゾール発生装置は、上述したように呼吸によって吸い込むのに適した粒子を発生させ、所定用量の医薬品を含有するある体積のエアゾール剤を、ヒトへの投与に適した速度で発生させる。 あるタイプの固体粒子エアゾール発生装置の例は、吸入器である。 通気法による投与に適した製剤には、吸入器によって送達することができ、又は鼻から吸い込んで鼻腔に取り込むことができる微粉砕された散剤が含まれる。 吸入器では、散剤、例えば本明細書に記載の治療を実施するのに有効な定用量の散剤は、体内で穴を開け、又は開口される、一般にゼラチン製又はプラスチック製のカプセル又はカートリッジに入れられており、吸入又は手動操作ポンプによって装置から吸い上げられた空気で送達される。 吸入器に使用される散剤は、有効成分のみ、又は有効成分と、ラクトースなどの適当な粉末希釈剤と、場合によっては界面活性剤とを含む散剤混合物からなる。

    有効成分は通常、製剤の0.1〜100%w/wを構成する。 第2のタイプのエアゾール発生装置の例は、定量吸入装置である。 定量吸入装置は、加圧エアゾールディスペンサーであり、通常、液化噴射剤中に有効成分の懸濁液又は溶液を含有する。 使用中には、これらの装置は、定量体積、一般に10〜150μlを送達するようになされたバルブを通して製剤を放出して、有効成分を含有する微粒子スプレーを生成する。 適当な噴射剤には、ある種のクロロフルオロ炭素化合物、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン及びそれらの混合物が含まれる。 製剤は、さらに、1種又は複数の共溶媒、例えば、エタノール、オレイン酸又はトリオレイン酸ソルビタンなどの界面活性剤、酸化防止剤、及び適当な矯味矯臭剤も含むことができる。

    エアゾールは、固体粒子から形成したものであれ液体粒子から形成したものであれ、エアゾール発生装置によって、約10〜150リットル/分、より好ましくは約30〜150リットル/分、最も好ましくは約60リットル/分で発生させることができる。 より多量の医薬品を含むエアゾール剤を、より迅速に投与することができる。

    本発明を実施する際に、クロロフルオロカーボンを含むものであれ含まないものであれ、いかなる噴射剤も使用することができる。 したがって、本発明を実施する際に、すべての水素がフッ素で置換されているフルオロカーボン噴射剤、すべての水素が塩素及び少なくとも1つのフッ素で置換されているクロロフルオロカーボン噴射剤、水素含有フルオロカーボン噴射剤、及び水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤を含めて、クロロフルオロカーボンエアゾール噴射剤を使用してよい。 このような噴射剤の例には、CF −CHF−CF H、CF −CH −CF H、CF −CHF−CF 、CF −CH −CF 、CF −CHCl−CF Cl、CF −CHCl−CF 、cy−C(CF −CHCl、CF −CHCl−CH Cl、CF −CHF−CF Cl、CF −CHCl−CFHCl、CF −CFCl−CFHCl、CF −CF −CF H、CF −CF −CH 、CF H−CF −CFH 、CF −CF −CFH 、CF −CF −CH Cl、CF H−CF −CH 、CF H−CF −CH Cl、CF −CF −CF −CH 、CF −CF −CF −CF H、CF −CHF−CHF−CF 、CF −O−CF 、CF −O−CF H、CF H−H−O−CF H、CF H−O−CFH 、CF −O−CH 、CF −O−CF −CF H、CF −O−CF −O−CF 、cy−CF −CF −O−CF −、cy−CHF−CF −O−CF −、cy−CH −CF −O−CF −、cy−CF −O−CF −O−CF −、CF −O−CF −Br、CF H−O−CF −Br、及びそれらの混合物が含まれているが、これらに制限されるものではなく、ここで「cy」は環状化合物を表し、示した構造の両端の共有結合は同じものであり、その両端の基は共有結合している。 特に好ましいのは、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(噴射剤134a)及びヘプタフルオロプロパン(噴射剤227)などのハイドロフルオロアルカンである。 フッ素重合体などの安定剤は、場合によっては、Johnsonの米国特許第5,376,359号に記載されているものなどフルオロカーボン噴射剤からなる製剤中に含めることができる。 その開示の全体を参照により本明細書に組み込む。

    当該の薬剤組成物はさらに、pHを調整する添加剤などその他の添加剤を含むことできる。 具体的には、pHを調整する有用な添加剤には、塩酸などの酸、塩基、又は乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、又はグルコン酸ナトリウムなどの緩衝液が含まれる。 さらに、組成物は、微生物に対する防腐剤を含めることができる。 微生物に対する有用な防腐剤には、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びベンジルアルコールが含まれる。 微生物に対する防腐剤は一般に、製剤を多回投与用に設計されたバイアルに入れる場合に使用する。 もちろん、本発明の薬剤組成物は、前述の通り当技術分野で周知の技法を使用して凍結乾燥することもできる。

    したがって、本発明は、経口投与、直腸投与、局所投与、口腔粘膜投与、非経口投与、筋肉内投与、皮内投与、又は静脈内投与、経皮投与、関節内投与、経鼻投与、及び吸入投与のための製薬上許容される担体中に組成物を含む製剤を提供する。

    本発明の方法はさらに、前述のように本発明の組成物を対象に有効な量で投与することを含む。 本発明の範囲内で使用する組成物の有効な量は、対象によって幾分異なり、対象の年齢及び状態、治療する疾患の性質、及び送達経路などの要因に依存する。 このような用量は、当技術分野で知られている常用の薬理学的手順に従って設定することができる。 例えば、本発明の組成物は、対象に、薬剤組成物の下限が約0.01、0.05、0.10、0.50、1.0、5.0、又は10質量%から上限が約10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98、99、又は100質量%までの範囲の量で投与することができる。 いくつかの実施形態では、当該組成物は、約0.05〜約95質量%の薬剤組成物を含む。 別の実施形態では、当該組成物は、約0.05〜約60質量%の組成物を含む。 さらに別の実施形態では、当該組成物は、約0.05〜約10質量%の組成物を含む。

    任意の特定組成物の治療有効用量は、組成物及び患者によって幾分異なり、患者の状態及び送達経路に依存する。 一般的な提案として、約0.1〜約50mg/kgの投与量が治療効果を有し、経口投与には用量をそれよりもさらに多く使用するが、エアゾール投与では通常、用量が経口投与や静脈内投与よりも少ない。 より高いレベルでは毒性となる懸念が生じるため、静脈内への投与量を約10mg/kg以下など低いレベルに制限することができる。 全質量は、塩を使用する場合を含めて活性塩の質量に基づいて算出されている。 一般に、静脈内投与や筋肉内投与には、約0.5mg/kg〜約5mg/kgの用量を使用することができる。 経口投与には、約10mg/kg〜約50mg/kgの用量を使用することができる。

    特定の実施形態では、ヒトなどの対象に投与する際、各有効薬剤について、約0.01、0.1、若しくは1mg/kg〜50、100、若しくは150mg/kg又はそれ以上の用量を使用することができる。 投与する有効組成物からなる特定の製剤の溶解度に応じて、1日の用量を1回又は数回の単位投与量に分けることができる。 有効組成物の投与は、治療(即ち救命治療)又は予防のために実施することができる。

    本発明の諸実施形態はさらに、哺乳動物を抗原で免疫感作する方法に関するものであり、この方法は、前述のように抗原を含む組成物及び薬剤組成物に投与することを含む。 本明細書に記載の抗原は、入手後、活性化因子、アジュバント、及び1種(複数)の追加の抗原を含む免疫原性若しくはワクチン組成物に含めることができる。 アジュバント及び追加の抗原は、組成物の投与と同時に、その直前に、又はそれに続いて、別々に投与することができる。 当該組成物は、感染の治療用及び/又は予防用に使用することができる。

    1種又は複数の選択した抗原は、投与された個体で免疫応答が生じるような「治療有効量」で投与することができる。 必要とされる正確な量は、治療対象、数ある要因の中でも特に、治療対象の年齢及び一般的な状態、対象の免疫系が抗体を合成し、且つ/又は細胞性免疫応答を生じる能力、所望の防御の程度、治療する疾患の重篤度、選択した特定の抗原及びその投与形態によって変わる。 適切な有効量は、当分野の技術者によって容易に決定することができる。 したがって、「治療有効量」は、常用の試験によって決定することができる比較的広い範囲になる。 一般に、抗原の「治療有効」量は、約0.1μg〜約1000μg、より好ましくは約1μg〜約100μgである。

    本発明の組成物は、処方すると、非経口的に、例えば、注射によって投与することができる。 当該組成物は、皮下、腹腔内、静脈内、又は筋肉内のいずれかに注射することができる。 その他の投与形態には、経口投与及び経肺投与、坐剤、粘膜及び経皮適用が含まれる。 投薬治療は、単回投与スケジュールでも多回投与スケジュールでもよい。 多回投与スケジュールでは、ワクチン接種の最初の過程は1〜10回の別々の用量を用い、続いて別の用量を、免疫応答を維持及び/又は強化するのに必要な間隔、例えば2回目の用量については1〜4カ月で投与し、必要ならばその後の1(複数)回の投与は数カ月後に行う。 この投与計画はまた、少なくとも一部は対象の必要性によって決まり、また医師の判断に依存する。 さらに、疾患の予防が所望される場合には、ワクチンは通常、対象の病原体による一次感染の前に投与される。 例えば、症状や再発の減少などの治療が所望される場合には、ワクチンは通常、一次感染の後に投与される。

    本発明の諸実施形態はさらに、アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する対象の潜在的な反応性を測定する方法に関するものであり、この方法は、抗原提示細胞上でのアデノシンA 受容体の発現、親和性、又は機能を測定することを含む。

    このような方法は、対象の抗原提示細胞上でのアデノシンA 受容体の発現、親和性、又は機能の測定が、本明細書に記載の、診断又は治療の方法、及び/又は本発明の組成物を投与する方法を含む、アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療のための候補を確実に予測する指標となるという独創的な前提に基づくものである。

    本発明の独創的な方法では、まず対象から先に記載した抗原提示細胞の試料を採取する。 対象からの抗原提示細胞の試料の採取は、当技術分野で知られているあらゆる方法(例えば、血液試料からの細胞の単離)によって実施することができる。

    対象から抗原提示細胞を採取した後、アデノシンA 受容体の発現、親和性、又は機能について試験を行い、その試験の結果から、本明細書に記載の治療及び組成物の投与を含む、アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する潜在的な反応性の指標が得られる。

    抗原提示細胞は、当技術分野で知られている方法に従って(例えば、標識リガンド飽和結合法を用いて、細胞の細胞膜に存在するアデノシンA 受容体の密度又は数を表すB maxを測定することにより)、抗原提示細胞の細胞膜にあるアデノシンA 受容体の数について評価することができる。 抗原提示細胞のアデノシンA 受容体の親和性は、アデノシンA 受容体リガンドに対するこの受容体の親和性を測定することによって評価することができる。 こうした親和性の測定は、当技術分野で知られている標識リガンド結合測定法を用いて実施することができる。 リガンドは、放射性化合物、蛍光化合物、ビオチン化化合物、及び発光化合物などで標識することができる。 抗原提示細胞の親和性を評価するこうした方法は、飽和結合法又は競合結合法を用いて、アデノシンA 受容体リガンドに対する抗原提示細胞の親和性を測定することを含み、この親和性は、K (飽和結合実験)又はK (競合結合実験)によって表され、K 及びK の値に反比例する(即ち、K 又はK が低くなればなるほど、親和性が高くなる)。

    本発明の諸実施形態はさらに、対象の抗原提示細胞をイメージングする方法に関するものであり、対象からこの抗原提示細胞の試料を採取し、次いで放射性標識したアデノシンA 受容体リガンド、放射性標識したアデノシンA 受容体タンパク質、又はアデノシンA 受容体タンパク質をコードする放射性標識したヌクレオチド配列で標識し、好ましくはヒトアデノシンA 受容体をコードするcDNAで直接標識する。 抗原提示細胞はまた、先に記載した抗原など放射性標識した抗原で標識することもできる。 いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、すなわち、アデノシンA 受容体タンパク質をコードするヌクレオチド配列の挿入又はシスプラチンの投与を含むがこれらに限定されない方法により、アデノシンA 受容体欠損を是正した後に、抗原提示細胞は標識した抗原を受け取る。 本発明の別の実施形態では、イメージング技術は、アデノシンA 受容体をコードするヌクレオチド配列及び標識した抗原を含むリポソームの使用を含む。 さらに別の実施形態では、イメージング技術は、抗原を含む、若しくは含まない、標識した初回抗原刺激作用物質、標識した活性化因子、及び/又はアデノシンA 受容体をコードする標識ヌクレオチド配列を有するリポソームの使用を含む。

    本発明はさらに、対象の抗原提示細胞をイメージングする方法に関するものであり、この抗原提示細胞の試料を、対象から採取し、抗原提示細胞に結合し抗原提示細胞上の特異的標的を認識するバイオセンサーと接触させる。 本明細書では、「バイオセンサー」とは、抗原提示細胞の生理的構造、細胞構造、又は分子構造、及び/又は抗原提示細胞内のプロセッシングを検出することができる作用物質、分子、化合物などを指す。 当該バイオセンサーは、放射性標識してもしなくてもよい。 抗原提示細胞上の特異的標的には、アデノシンA 受容体が含まれるが、これらに制限されるものではない。 いくつかの実施形態では、この特異的標的は、アデノシンA 受容体の細胞外ドメインである。

    イメージング法は、良性若しくは悪性腫瘍の有無の診断又はスクリーニング、増殖のサイズや範囲の変化の評価、並びに治療、バイオプシー、又は外科的切除のための腫瘍の位置決定の際に有用である。 本明細書で開示されるイメージング法は、腫瘍、癌、感染、(移植拒絶反応や自己免疫の場合のような)組織の拒絶反応をイメージングするために使用することができる。 対象は通常ヒトであるが、対象には、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、及びその他の仲間や家畜種を含めた家畜対象が含まれるが、これらに制限されるものではない。

    放射性標識したアデノシン受容体リガンドを調製し利用する技法は、当技術分野で知られている。 例えば、Williams and Jacobson, Radioligand Binding Assays for Adenosine Receptors, In: Adenosine and Adenosine Receptors, M. Williams (Ed.), Humana Press, Clifton, NJ (1990)、Patel et al., Molecular Pharmacology 33:585 (1988)、Williams et al., Receptor Pharmacology and Function, Marcel Dekker, New York (1988)を参照されたい。

    活性化された抗原提示細胞が腫瘍細胞と会合する能力はまた、腫瘍又は新生物の増殖をイメージング又は診断する方法に利用することができる。 本発明の診断又はイメージング法では、放射性標識した(好ましくはアデノシンA 受容体に選択的な)アデノシンA 受容体リガンド、及び/又はアデノシンA 受容体アンタゴニストリガンドを、細胞(マクロファージなど)を標識するために使用する。 A アゴニスト又はA アンタゴニストに関するPalmer, JPET Mol. Pharmacol. 48:970, 1995を参照されたい。 リガンドがアデノシンA 受容体アゴニストである場合、このアデノシンA 受容体アゴニストは、前述のように細胞をさらに活性化させ、イメージングにも治療目的にも役立つ。 放射性標識した活性化細胞を対象に投与した後、また活性化細胞と腫瘍細胞の会合が可能になるのに適した時間(その時間は標識した活性化細胞の投与形態及び腫瘍の部位によって変わる)が経過した後に、当技術分野で知られている標識シグナルの検出法をイメージング又は診断(又は治療)目的に使用する。

    本発明の諸実施形態はさらに、アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する対象の潜在的な反応性を測定するための診断キットに関するものであり、このキットは、対象の抗原提示細胞上でのアデノシンA 受容体の発現、親和性、又は機能を測定するための少なくとも1種の試薬と、アデノシンA 受容体欠損に関連する病態の治療に対する対象の反応性を評価するための説明書とを含み、少なくとも1種の試薬と説明書が容器に同封されている。

    本明細書で使用されるとき、用語「試薬」は、本発明のあらゆる方法を実施するのに有用な、本明細書に記載のあらゆる化合物、組成物、又は生体作用物質(即ち、試料、アリコート又は「ある用量」の細胞、cDNA、組換えDNA、単離した遺伝子、抗体など)を意味し、それらには、初回抗原刺激作用物質、活性化因子、(アデノシンA 受容体に対する、アゴニスト、アンタゴニスト、抗体を含めた)アデノシンA 受容体リガンド、サイトカイン及び細胞によって産生される細胞障害性化合物に対する抗体及びリガンド、アデノシンA 受容体や、細胞中にcDNAをトランスフェクトするのに有用な化合物をコードするcDNA、アデノシンA 受容体の発現を増加させるための薬物及びその他の化合物、アデノシンA 受容体に対する細胞の親和性を増大させるための薬物及びその他の化合物、抗原提示細胞の前駆体の産生を刺激するための薬物及びその他の化合物、幹細胞、抗原提示細胞、樹状細胞、末梢血単核細胞、単球、及びマクロファージ及び/又はそれらの最終分化細胞、分析や処理のため細胞及び/又は細胞膜を単離し調製する際に有用な緩衝液及び担体、飽和結合及び競合結合検定を実施する際に有用な緩衝液及び担体、アデノシンA 受容体のアロステリックエンハンサー、既知の抗癌治療用化合物、並びに放射性及び非放射性標識化合物が含まれるが、これらに制限されるものではない。

    本発明の診断キットには、抗原提示細胞の細胞障害性の測定を行うための試薬が含まれ得る(即ち、抗原提示細胞の細胞膜にあるアデノシンA 受容体数を測定する試験を実行するための試薬、及び/又は前述のようにアデノシンA 受容体リガンドに対する抗原提示細胞の親和性を測定する試験を実施する際に有用な試薬)。 このようなキットには、適切な試験を行うための説明書が含まれ、また対象から抗原提示細胞を単離するための説明書、この試験で使用するため抗原提示細胞を単離し、固体支持膜に固定するための説明書、この試験自体を行うための説明書も含まれる。 説明書にはまた、対象を評価するため試験結果を解釈するための説明書も含まれる。 この方法はまた、蛍光体に結合しているアデノシンA 受容体リガンドを使用することにより受容体発現を試験するフローサイトメトリー技術の使用も含む。

    本明細書で開示される治療の方法は、良性であれ悪性であれ、腫瘍増殖、癌、又はその他の新生物増殖(本明細書では、腫瘍(「tumor」又は「tumors」)とは、腫瘍、癌、播種性の新生細胞、及び限局性の新生物腫瘍を包含する)を有することが疑われるあらゆる対象に使用することができる。 このような増殖の例には、乳癌;骨肉腫、血管肉腫、線維肉腫及びその他の肉腫;白血病;洞腫瘍;卵巣癌、尿管癌、膀胱癌、前立腺癌及びその他の泌尿生殖器癌;結腸癌、食道癌及び胃癌及びその他の消化器癌;肺癌;リンパ腫;骨髄腫;膵癌;肝癌;腎癌;内分泌癌;皮膚癌;黒色腫;血管腫;脳若しくは中枢神経系(CNS)の癌が含まれるが、これらに制限されるものではない。 一般に、治療する腫瘍又は増殖は、原発性であれ二次性であれ、細胞障害性細胞(例えばマクロファージ)によって認識され、接触すると細胞の殺腫瘍作用を誘発するどんな腫瘍又は癌であってもよい。 例えば、Alexander and Evans, Nature New Biology 232:76 (1971)を参照されたい。 さらに、本発明は、病態の治療方法に関するものであり、この方法ではアデノシンA 受容体欠損の是正により病態が改善される。 本発明の方法はさらに、感染性の免疫不全障害、例えばヒト免疫不全症ウイルス(HIV);遺伝性免疫不全症、免疫抑制療法、及び新生児期などの非感染性の免疫不全障害;アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症を含めたCNS障害;伝染病;重症筋無力症、クローン病、限局性腸炎、血管炎、インスリン依存性糖尿病などの自己免疫疾患;腫瘍;癌;物質乱用;喘息;接触アレルギー;器官や組織の移植片などの移植拒絶反応;アテローム性動脈硬化症を含めた病態の治療に関する。

    抗原応答を生じさせる方法はまた、抗原応答を生じさせ、抗原提示細胞を初回抗原刺激し、及び/又は活性化させる先に述べた方法を含めて、対象の疾患を治療するための既知の治療法と組み合わせて使用することもできる。

    以下の実施例は本発明を例示するために提供するものであり、それを限定するものと解釈すべきではない。

    アデノシンA 受容体ベースの治療手法の恩恵を受ける前立腺癌患者の同定;単球、未熟樹状細胞、及び成熟樹状細胞上でのA1AR発現を測定するためのFACS及び/又は放射性リガンド結合の使用 抗原提示細胞(APC)は、腫瘍/癌を有する患者ではアデノシンA 受容体の発現が乏しく、又はその親和性が低い。 APCにおいてこのようにアデノシンA 受容体の発現が乏しく、且つ/又はその親和性が低いのは、癌患者の腫瘍量(tumor burden)と相関関係がある。 より具体的には、この研究は、前立腺癌患者でのアデノシンA 受容体の発現、又は樹状細胞(DC)の血中前駆体(単球)、成熟若しくは未熟樹状細胞上でのアデノシンA 受容体結合の親和性が、この癌患者の腫瘍量と相関関係があることを示すように設計されている。
    ロジスティック:
    0日目:
    単球の単離 単球及び全血のアデノシンA 受容体発現についてのFACS解析 放射性リガンド結合試験のための細胞膜の調製 未熟DCの産生のための細胞培養 6日目:
    成熟化カクテル(maturation cocktail)の未熟DCへの添加 アデノシンA 受容体の発現、及び未熟DCの表現型についてのFACSによる未熟DCの解析 7日目:
    成熟DCの採取 アデノシンA 受容体の発現、及び成熟DCの表現型についてのFACSによる成熟DCの解析

    単球の単離:
    前立腺癌患者から採取された末梢血は、治験審査委員会(Institutional Review Board)によって認められたプロトコルを使用して入手する。 100mlの血液を、ナトリウム−EDTA(Becton-Dickinson社製)を含むvacutainer(登録商標)チューブ中に収集し、カルシウム/マグネシウムを含まないダルベッコ(Dulbecco)リン酸緩衝生理食塩水(D-PBS)で2倍希釈(vol/vol)する。 Lymphoprep(登録商標)(Invitrogen, Life Technologies社製、メリーランド州ゲイサーズバーグ)を使用して、ワンステップ勾配遠心分離により末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、続いてPBMCをD-PBS中で400×g、4℃で遠心分離することにより血小板を除去する。 新鮮なヒト単球を単離するために、MACS(登録商標)ネガティブセレクションキットを、その製造元(Miltenyi Biotec社製、カリフォルニア州オーバーン)によって提供されるプロトコルに従って使用する。 この技法では、PBMC試料から単球以外のすべての細胞を除去し新鮮な単球を残すために、単球以外のすべてのPBMCで発現する細胞表面タンパク質に対するビオチン結合抗体と組み合わせてFc受容体遮断薬を使用する。 4℃で10分間インキュベートした後、0.5%BSA及び2mMのD-PBSからなる緩衝液を用いて、結合しなかった抗体をPBMCから洗浄除去する。 ストレプトアビジンでコートした磁気ビーズを細胞に添加し、4℃で15分間インキュベートする。 結合しなかったビーズを、大量の冷たい緩衝液で1回洗浄することにより細胞から除去する。 全細胞懸濁液を、単球以外のすべての細胞を捕捉する強力な磁場で囲まれた分離カラムに通す。 脱気した冷たい緩衝液を使用して、新鮮な単球をカラムに通し洗浄する。 フローサイトメトリー(FACS)により細胞純度を確認する。 MACS(登録商標)システムを使用すると、回収される単球の純度は通常98%より高くなる。

    フローサイトメトリー:
    FACSを、CD14及びCD16(BD Pharmingen社製)に対する標識抗体と組み合わせて、アデノシンA 受容体の発現を測定する手段として使用する。 或いは、ヒトアデノシンA 受容体に対する市販のポリクローナル抗体を、IgGを精製しこの抗体を適切な蛍光で標識した後に使用する。 全血の好中球を、CD16及びCD56に対するモノクローナル抗体を使用してFACSによって解析する。 分化した樹状細胞上でのA1ARの発現もFACSによって解析する。 アイソタイプコントロールを用いて得られるデータと比べて、CD14、CD11b、CD45の発現が陽性で、またCD1a、CD3、CD15、CD19、及びCD56(BD Pharmingen社製)が発現しないことにより単球の純度を測定する。 CD16に対するモノクローナル抗体を用いて好中球を同定する。 未熟及び成熟DCで、その成熟DCの表現型、CD3−、CD83−、CD86 low 、CD80 low 、CD40−、CD14−、CD19−、CD16−、CD56−、MHC I+、MHC II+の特徴を示す表面タンパク質が発現しているかどうかを解析する。 CD1、CD1a、CD1c、及びCD11cなど、樹状細胞と関連のあるその他の表面タンパク質の発現も測定する。

    アデノシンA 受容体の発現の測定は、飽和結合実験にも使用される蛍光標識A1ARリガンドBWA844Uの合成によって可能である。 標準化された蛍光定量は、BD QuantiBRITE(商標)システム及びCellQuest(商標)ソフトウェア(BD Biosciences社製)を用いると可能である。

    細胞(5×10 )を、HBSS(Life Technologies社製)、1.0%(w/v)BSA(fraction V、Sigma社製)、0.1%(w/v)NaN (Sigma社製)からなるFACS染色緩衝液中で最終量45μlとなるように再懸濁させる。 Fc受容体遮断薬(Miltenyi Biotec社製)を用いて非特異的結合を15分間ブロックした後、標識を行う。 製造元(BD Pharmingen社)によって推奨される抗体量を使用して、抗体及び標識BWA844U(最終濃度0.4nM)を細胞と混合し暗所、氷上で30分間インキュベートする。 標識された細胞を2回洗浄し、100μlの1.5%緩衝ホルマリン中で固定し、チューブをアルミホイルで覆いFACS施設に運ぶまで4℃で保存する。 全血の場合は、細胞を記載の通り標識し、続いてFACS Lysing Solution(登録商標)(Becton Dickinson社製)を用いて赤血球を溶解する。 残存する白血球を洗浄し固定する。 解析の際、前方散乱及び側方散乱パラメータにより適切なゲートを設定する。 試料と平行して、適切なアイソタイプコントロール並びに非標識BWA844Uを用いてインキュベートした細胞を分析することによりバックグラウンド蛍光を測定する。 試料を、各試料につき最低20,000事象をゲーティングし最低2連で解析する。 FACSデータの解析は、FloJo(登録商標)ソフトウェアを用いて行う。

    ヒト単球の培養及び細胞膜の調製 ヒト単球を前立腺癌患者から単離し、PBSで3回洗浄し、次いで細胞溶解緩衝液(10mMトリスHCl pH7.4、5mM EDTA、10μg/mlダイズトリプシンインヒビター、10μg/mlベンズアミジン、2μg/mlペプスタチン)中で再懸濁させる。 この細胞を超音波処理によってホモジナイズする。 このホモジネートを1000×g、4℃で10分間遠心分離する。 この上清を30000×gで30分間遠心分離する。 このペレットを溶解緩衝液(50mMトリスHCl pH7.4、5mM EDTA、10mM MgCl 、10μg/mlダイズトリプシンインヒビター、10μg/mlベンズアミジン、2μg/mlペプスタチン)中で溶解させる。 このタンパク質含量を、ウシ血清アルブミンを標準タンパク質として用いてブラッドフォード試薬によって測定する。 このアリコートを使用するまで−80℃で保存する。

    放射性リガンド飽和結合実験 飽和結合実験は、ヒト単球からの膜画分(約10〜20μgタンパク質)中で行う。 全量0.2mlの50mM トリスHCl緩衝液中の膜を用いて、BWA844U(濃度1.25〜20nM)の存在下、選択的なA1ARアンタゴニスト放射性リガンド[ 125 I] BWA844U(0.4nM)とともに、アデノシンデアミナーゼ0.2U/mlをpH7.4、37℃で1時間インキュベートすることにより結合実験を行う。 1mMテオフィリンの存在下で非特異的結合を測定する。 セルハーベスタを用いてGF/Cフィルターで濾過した後、インキュベートを終了する。 フィルターに付着した放射能をガンマカウンター(CliniGamma、LKB社製)で計数する。 GraphPad Prismソフトウェアを使用して、このデータを非直線回帰によって解析する。 Graph Pad Prismソフトウェアを使用して解析されたデータからB max及びK 値を計算する。 各試料に対して3回の実験を行い、各実験を2連で試験する。

    単球の未熟及び成熟樹状細胞へのEx vivoでの分化 先に記載の通り、単球を前立腺癌患者の末梢血から採取する。 単球を未熟樹状細胞に分化させる。 単球の樹状細胞への分化を誘発するプロトコルは以下の通りである。 精製した単球を培養するのに使用する培地は、20μg/mlゲンタマイシン(Invitrogen, Life Technologies社製)、1%加熱不活化ヒト血清若しくは1%加熱不活化自己原形質、及び2Units/mlのアデノシンデアミナーゼを補充した、25mM Hepes緩衝液及び2mM L−グルタミンを含むRPMI-1640である。

    単球を、6ウェルプレート(Nunc Nalgene社製)において、各ウェルで800U/mlのrhu GM-CSF、500U/mlのrhu 1L-4(Immunex社製、ワシントン州シアトル)、及び2Units/mlのアデノシンデアミナーゼを補充した培地3ml中に細胞0.5×10 個の密度で培養する(0日目)。 rhu GM-CSF、rhu-1L-4、及びアデノシンデアミナーゼをそれぞれ800U/ml、500U/ml、及び2Unit/ml補充した0.3mlの培地を2日毎に添加することにより培養物に栄養を供給する。 IL−1β(10ng/ml)、IL−6(1000U/ml)、TNF−α(10ng/ml)、及びPGE (1ug/ml)からなる、LPSを含まない成熟化カクテルを使用して、細胞を24時間成熟させる(6日目)。 7日目に、細胞をFACSによって解析して、DCが成熟表現型に分化したかどうかを確認する。

    未熟及び成熟DCを、成熟DC表現型、CD3−、CD83−、CD86 low 、CD80 low 、CD40−、CD14−、CD19−、CD16−、CD56−、MHC I+、MHC II+(BD Pharmingen社製、カリフォルニア州サンディエゴ)の特徴を示す表面タンパク質の発現、及びQuantiBRITE(商標)による標識BWA844Uを用いたA1AR発現について解析する。 A1AR発現及び放射性リガンド結合のデータを解析し、各患者の腫瘍量の分類と関連づける。

    腫瘍量の決定要因:
    以下の分類に基づき、患者を低、中、高程度の腫瘍量を有するものに分類する。 以下、程度の低い方から順に述べる。
    1.5年以上生化学的再発の形跡がない、根治的前立腺切除での低リスクの疾患(器官に限定され、グリーソンスコアが6以下)。
    2. 決定的治療後5年以内に生化学的進行の形跡がある、外科手術後PSA再発。
    3. 局所転移性又は遠隔転移性疾患(骨スキャン、CT、MRIで陽性)で、細胞障害性化学療法を受けていない。

    APCを用いて治療するためのA1ARベースの手法:樹状細胞ワクチン ロジスティック:
    0日目:
    単球の単離 単球のFACS解析 ヒトアデノシンA 受容体をコードするcDNAの単球へのリポフェクション 未熟DCを産生するための、リポフェクトした細胞の培養
    6日目:
    腫瘍抗原のmRNAの未熟DCへのリポフェクション 未熟DCへの成熟化カクテルの添加 アデノシンA 受容体の発現、及び未熟DCの表現型についてのFACSによる未熟DCの解析 7日目:
    成熟DCの採取 アデノシンA 受容体の発現、及び未熟DCの表現型についてのFACSによる成熟DCの解析 患者への注射

    単球の単離、及びヒトアデノシンA 受容体をコードするcDNAの単球へのトランスフェクション 患者に7リットルの白血球フェレーシス療法を実施して、白血球を生理食塩水(200ml)中に採取する(0日目)。 Lymphoprep(登録商標)(Invitrogen, Life Technologies社製、メリーランド州ゲイサーズバーグ)を使用して、ワンステップ勾配遠心分離により末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、大量の氷冷D-PBSで2回洗浄する。 単球を単離し、先に述べたように純度を確認する。 DCに分化させる前に、ヒトアデノシンA 受容体のcDNAをコードするプラスミド調製物を、ウイルスを用いない手段で単球にトランスフェクトする。

    未熟樹状細胞への単球の分化 単球をNunc cell factories(商標)中で培養し、以下のプロトコルに従ってこれを未熟DCに分化させる(0日目)。 単球を培養し、これに800U/mlのrhu GM-CSF、500U/mlのrhu 1L-4(Immunex社製、ワシントン州シアトル)、及び2Units/mlのアデノシンデアミナーゼを補充する。 rhu GM-CSF、rhu-1L-4、及びアデノシンデアミナーゼをそれぞれ800U/ml、500U/ml、及び2Unit/ml補充した0.3mlの培地を2日毎に添加することにより培養物に栄養を供給する。 細胞をFACSによって解析して、アデノシンA 受容体に陽性の未熟DCの割合を測定する。

    電気パルス法による未熟DCへの腫瘍抗原の導入、及びDCの成熟化のプロトコル 以下の方法に従って、未熟DCに1種又は複数の癌抗原をコードするmRNAをリポフェクションによって導入する(6日目)。 この方法では、脂質調製物、DMRIE-C(Invitrogen, Life Technologies社製)を使用する。 DCを血清不含培地中で2回洗浄し、Opti-MEM(Invitrogen社製)中で1〜2×10 細胞/mlの密度で再懸濁させる。 希釈した腫瘍抗原のmRNA(250ulの20ug/mlストック)(Opti-MEM)を、希釈したDMRIE-C(同様にOpti-MEM中で希釈)と混合して、脂質とmRNAの比が4:1になるようにする。 この混合物を室温で約15分間インキュベートした後、細胞に添加する。 リポフェクションを37℃で2時間行った後、この細胞に新鮮な培地を添加し、さらに前記のIL−1β(10ng/ml)、IL−6(1000U/ml)、TNF−α(10ng/ml)、及びPGE (1ug/ml)からなる、LPSを含まない成熟化カクテルを添加する。 細胞をもう24時間培養し、次いで死細胞を除去し、生存細胞を患者に注射する。 7日目に、細胞をFACSによって解析して、DCが成熟表現型に分化したかどうかを確認する。 細胞をFACSによって解析して、アデノシンA 受容体に陽性の成熟DCの割合を測定する。 すぐに使用しないDCは、50%ヒトAB血清、40%培地、及び10%ジメチルスルホキシド(DMSO)からなる溶液中で懸濁させた後、液体窒素中に保存する。

    患者に対するアデノシンA 受容体ベースのDCワクチン療法のプロトコル:
    患者に、抗原でパルスしたDCの静脈内注射を行う。 ワクチン接種プロトコルは、処置の連続する各段階でPBS中の抗原パルスDCを患者に注射するというスケジュールに従う。 ワクチン接種の間隔は様々であるが、通常2回の処置は2〜3週間の間隔を置く。 処置毎の細胞数は、患者が治療に耐え得るように増加させる。 例えば10 細胞、5×10 細胞、及び10 細胞とする。

    ELISPOTアッセイによる、ワクチン接種後の抗原特異的CD8+リンパ球の測定:
    DCワクチンの接種を受けた患者の腫瘍抗原特異的CD8+細胞の数もELISPOTアッセイに従って試験する。 簡単に言えば、末梢血単核細胞を各患者から採取し、単球(5×10 細胞/ウェル)を、マウス抗ヒトIFN−γでプレコートされ血清含有培地でブロックされたMultiScreen-Haプレート(Milipore社製、マサチューセッツ州ベッドフォード)のウェルに添加する。 精製した単球を1種(複数)の腫瘍ペプチド(100ug/ml)で最終量100ul中37℃で2時間パルスする。 1種(複数)の腫瘍ペプチドは、最初にワクチンのために未熟DC中に導入されたmRNAに相当する。 単球にペプチドを導入した後、同じ血液試料からの精製したCD8+細胞(2×10 細胞/ウェル)を培地中の単球とともにインキュベートする。 ELISPOTプレートを150gで3分間遠心分離し、100ulの新鮮なAIM V培地を各ウェルに添加する。 次いで、このプレートを標準の組織培養条件下で36時間インキュベートする。 このアッセイでの結果をELISPOTプレートリーダー上で読み取る。 データを、抗原でパルスし36時間インキュベートした際にPMA(1ng/ml)及びイオノマイシン(1uM)を加えたウェルのもの(陽性対照)と比較する。 抗原特異的CD8+細胞の頻度を1カ月の間隔で最低3カ月間測定する。

    アデノシンA 受容体欠損の是正 この研究では、DC前駆細胞にヒトA1ARをコードするcDNAをトランスフェクトすることによりA1AR欠損を是正し、続いて身体に「是正されたDC」が再増殖するように患者に注射で戻すことができる手段を例示する。 こうした「是正された前駆細胞」には、その是正された幹細胞治療と組み合わせて特異的な抗腫瘍治療として使用するためのDCにex vivoで成熟するものがある。

    患者においてより多くのアデノシンA 受容体タンパク質を発現するDCを再増殖させるための、DC前駆体(CD34+)へのヒトアデノシンA1受容体をコードするcDNAを含有するプラスミドのEx vivoトランスフェクション 患者に、精製用のCD34+細胞を採取する処置をする。 こうした細胞は末梢血前駆細胞としても知られている。 D34+前駆細胞の産生、及びこの細胞の骨髄から末梢血への放出を刺激するために、患者にG-CSF(10ug/kg/日)を4〜6日間皮下注射する。 サイトカインを処理した患者の白血球フェレーシスは、D34+細胞の数に依存するが、通常4日目から6日目の間に2回行う。

    CD34+細胞を磁気ビーズ法(Miltenyi Biotec社製)によって単離し、この細胞に、ヒトアデノシンA 受容体のcDNAをコードするプラスミドDNAをトランスフェクトする。 リポフェクション後、細胞を、10%FBS、20μg/mlゲンタマイシン(Invitrogen, Life Technologies社製)、及び2Units/mlのアデノシンデアミナーゼを含有するマクロファージ用培地中で一晩培養する。 これらの細胞を、Nunc cell factories(商標)中のStemSpan(商標)増殖培地(Stemcell Technologies社製、カナダバンクーバー)を使用し、100ng/mlの幹細胞因子(SCF)(Amgen社製、カリフォルニア州サウザンドオークス)、50ng/mlのFlt3リガンド(FL)(Peprotech社製)、20ng/mlのトロンボポエチン(Tpo)(Amgen社製、カリフォルニア州サウザンドオークス)、及び10ng/mlのIL−6/可溶性IL−6受容体融合タンパク質(Hyper-IL-6)を補充した培地中で増殖させる。 増殖因子を2日毎に添加しながらこれらの細胞を10 細胞/mlの密度で10〜14日間培養する。 Miltenyi社のdead cell removal kit(死細胞除去キット)を使用して培地から生存細胞を単離し、フローサイトメトリー(FACS)によりA1AR発現を解析する。 陽性の細胞だけを単離し、上記のDCワクチンについての記載と同様にして患者に静脈内注射を行って、A1AR発現に基づいて細胞をソーティングする。

    アデノシンA 受容体受容体に陽性である一部の細胞を、成熟DCに分化させるためさらに培養し、腫瘍抗原をコードするmRNAを、前記のプロトコルに従ってin vitroで導入し、またワクチン接種(癌)のために使用する。 こうしてトランスフェクトされ増殖した細胞を、GM-CSF及びrh IL-4(500Units/ml、R&D Systems社製)を補充したAIM V培地中でサイトカインを2日毎に添加しながら0.5×10 細胞/mlの密度で6日間培養することによりDCに分化させる。 先に述べたように、腫瘍抗原mRNAのリポフェクションはDCが成熟する前に行う。 細胞に外来のrh TNF-alpha(10ng/ml)を添加すると、この細胞を成熟DC表現型に誘導することができる

    患者に、DC前駆体(CD34+)である前駆細胞、特に処理前よりアデノシンA 受容体の発現量(これはFACS及びRT−PCRによって測定する)が増加した単球を戻す際、腫瘍ワクチンでの処置が最適となる。 このようなワクチンには、患者に注射(静脈内)し戻す前に、患者から採取し、培養し、放射性標識し、IL−4、GM−SCF、又は共刺激分子などの生体応答調節物質をコードする遺伝子をトランスフェクトした腫瘍細胞が必要である。 ワクチン接種スケジュールは、本研究で使用される先に述べたものと同様のものである。 先に述べたELISPOTアッセイを使用して、腫瘍特異的CD8+リンパ球を測定する。

    in vivoでのアデノシンA 受容体ベースの治療手法を用いた、B型肝炎ワクチンに対して増強した免疫の動物モデル シスプラチンは、アデノシンA 受容体の発現を増大させる化学療法剤である。 確立されたワクチンを使用して、数種類の用量のシスプラチン、又はビヒクルのみによって前処理を施した正常マウスを評価する。 各群のマウスを屠殺した後、ワクチンを試用し、そのアデノシンA 受容体の発現をFACS及びRT−PCRによって測定する。 最終的に、各動物検体を屠殺した時点でのA1AR発現を試験し、ワクチンに対する免疫応答性のパラメータに関連付ける。

    BALB/cマウス(メス、18〜22g)をこの研究に使用する。 15日目及び7日目に、マウスに様々な用量の薬物シスプラチン(Rxプロトコル)又はビヒクル(生理食塩水)を投与する。 マウスを麻酔薬で無意識の状態にしてから、後眼窩静脈叢採血法により各マウスから血液(約300ul)を採取する(1日目)。 各試料から血清を回収し、後の分析のために−80℃で保存する。 各検体の腹腔内に0.5ugのHBsAg(HB-VAX II;MSD社製、ニュージャージー州ホワイトハウスステーション)を用いてワクチン接種を行う(0日目)。 陽性対照として使用するために、シスプラチン処理の際にビヒクルのみを投与した1つの対照群に、HBsAgに加えて200ulのRAS(Ribi Ajuvant System)(Corixa Corporation社製、ワシントン州シアトル)を注射する。 実験群を要約すると以下のようになる。 各群は15の検体からなる。 各マウスにHBsAgを2次投与するが、陽性対照群にはHBsAg及びRibiアジュバントを投与する(21日目)。

    抗原特異的免疫グロブリンの検出及び測定 7日目、21日目、及び42日目に、マウスを交配し、市販のELISAキット(Biokit USA社製、マサチューセッツ州レキシントン)を製造元の説明書に従って使用して、その血清をHBsAg特異的抗原の産生について試験した。

    抗原特異的細胞障害性T細胞の検出及び測定 全動物検体から脾臓及びリンパ節を摘出し、1つの細胞懸濁液を作成する(42日目)。 ELISPOTアッセイを実施して、CD8+リンパ球を産生するIFN−γの数を、製造元(Becton Dickinson社)の説明書に従って定量する。 回収された細胞の試料を、FACS及びRT−PCRによりアデノシンA 受容体の発現について分析する。 HBsAg特異的抗体の量、HBsAg特異的CD8+細胞の数、及びアデノシンA 受容体の発現を各検体について比較して、アデノシンA 受容体の発現の増大が、体液性免疫及び細胞性免疫の規模と相関関係があるかどうかを判定する。

    前記事項は、本発明を例示するためのものであり、その限定的なものとする意図はない。 本発明は、以下の特許請求の範囲によって定義され、その均等物は特許請求の範囲に含まれるものとする。

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