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New bacillus thuringiensis microbes active against nematodes, and genes encoding novel nematode-active toxin cloned from bacillus thuringiensis isolates

阅读:931发布:2021-04-13

专利汇可以提供New bacillus thuringiensis microbes active against nematodes, and genes encoding novel nematode-active toxin cloned from bacillus thuringiensis isolates专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide microbes expressing nematicidal toxins because the use of biopharmaceuticals is advantageous as means for controlling various nematoda and flukes which impart substantial damage on host easy to be infected. SOLUTION: The invention provides a new isolate of Bacillus thuringiensis expressing the toxin having the nematicidal activity, the amino acid sequence of the toxin, a nucleotide sequence encoding the toxin, a DNA carrier vector and transformed host cells including the same. Animal infecting nematodas such as Haemonchus, Nematodirus, and soil nematodas and vegetable parasites are controlled by using them. COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT,下面是New bacillus thuringiensis microbes active against nematodes, and genes encoding novel nematode-active toxin cloned from bacillus thuringiensis isolates专利的具体信息内容。

  • 線虫類に対して活性のあるバシラス・スリンギエンシス分離体であって、
    (a) バシラス・スリンギエンシス菌株PS80JJ1;
    (b) バシラス・スリンギエンシス菌株PS158D5;
    (d) バシラス・スリンギエンシス菌株PS169E;
    (e) バシラス・スリンギエンシス菌株PS177F1;
    (f) バシラス・スリンギエンシス菌株PS177G;
    (g) バシラス・スリンギエンシス菌株PS204G4;及び
    (h) バシラス・スリンギエンシス菌株PS204G6;
    からなる群から選ばれる分離体。
  • 以下の群、すなわち
    (a) 殺線虫毒素をコードした配列1に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (b) 殺線虫毒素をコードした配列3に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (c) 殺線虫毒素をコードした配列5に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (d) 殺線虫毒素をコードした配列7に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (e) 殺線虫毒素をコードした配列9に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (f) BtPS63Bと命名される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、4.4kb Xba ハイブリッド形成帯、QLQAQPLIPYNVLAを包含するN-末端アミノ酸配列、及びVQRILDEKLSFQLIKを包含する内部アミノ酸配列をもったもの;
    (g) BtPS17dと命名される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、5.0kb EcoRIハイブリッド形成帯をもつもの;
    (h) BtPS17eと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、1.8kb EcoR Iハイブリッド形成帯をもつもの;及び (i) DNAが以下の分離体、すなわちバシラス・スリンギエンシス(Bt)菌株PS80JJ1、Bt菌株PS158D5、Bt菌株PS169E、Bt菌株PS177F1、Bt菌株PS177G、Bt菌株PS204G4、及びBt菌株PS204G6の一つから得られる遺伝子のヌクレオチド配列を含めてなる場合の、殺線虫毒素をコードしたDNA;
    からなる群から選ばれるDNA。
  • 配列2、配列4、配列6、配列8、及び配列10に示す配列からなる群から選ばれるアミノ酸配列をもった殺線虫毒素をコード化したDNA。
  • BtPS33F2、BtPS63B、BtPS52A1、BtPS69D1、BtPS17a、BtPS17b、BtPS17d、及びBtPS17eと指定された遺伝子からなる群から選ばれる遺伝子を含めてなる組替えDNA運搬ベクター。
  • pMYC2316、pMYC2321、pMYC2317、pMYC1627、pMYC1628、pMYC2309、及びPMYC2311からなる群から選ばれる、請求項4による組替えDNA運搬ベクター。
  • 線虫に対して活性のある毒素であって、以下の配列、
    (a) 配列2に示すアミノ酸配列、又は配列2に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分;
    (b) 配列4に示すアミノ酸配列、又は配列4に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分;
    (c) 配列6に示すアミノ酸配列、又は配列6に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分;
    (d) 配列8に示すアミノ酸配列、又は配列8に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分;及び
    (e) 配列10に示すアミノ酸配列、又は配列10に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分;
    の一つを含めてなるアミノ酸配列をもった毒素。
  • バシラス・スリンギエンシス殺線虫毒素を発現させるために形質転換されるホスト細胞であって、上記毒素が以下の群、すなわち
    (a) 配列2に示すアミノ酸配列、又は配列2に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分を有する毒素;
    (b) 配列4に示すアミノ酸配列、又は配列4に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分を有する毒素;
    (c) 配列6に示すアミノ酸配列、又は配列6に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分を有する毒素;
    (d) 配列8に示すアミノ酸配列、又は配列8に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分を有する毒素;及び
    (e) 配列10に示すアミノ酸配列、又は配列10に示す配列の殺線虫活性の実質的に全部を保持している上記配列の任意の部分を有する毒素;
    から選ばれる場合のホスト細胞。
  • (a) NRRL B-18785の確認殺線虫特性をもった大腸菌(NM522)(pMYC2316)、
    (b) NRRL B-18770の確認殺線虫特性をもった大腸菌(NM522)(pMYC2321)、
    (c) NRRL B-18816の確認殺線虫特性をもった大腸菌(NM522)(pMYC2317)、
    (d) NRRL B-18651の確認特性をもった大腸菌(NM522)(pMYC1627)、
    (e) NRRL B-18652の確認特性をもった大腸菌(NM522)(pMYC1628)、
    (f) 大腸菌(NM522)(pMYC2311)、及び(g) 大腸菌(NM522)(pMYC2309)からなる群から選ばれる、請求項7による形質転換された細菌ホスト。
  • 少なくとも一つの細胞内殺線虫毒素を含めてなる実質的に不活性の組替え細胞であって、上記毒素が
    (a) 殺線虫毒素をコードした配列1に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (b) 殺線虫毒素をコードした配列3に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (c) 殺線虫毒素をコードした配列5に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (d) 殺線虫毒素をコードした配列7に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (e) 殺線虫毒素をコードした配列9に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (f) BtPS63Bと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、4.4kb Xba ハイブリッド形成帯、QLQAQPLIPYNVLAを包含するN-末端アミノ酸配列、及びVQRILDEKLSFQLIKを包含する内部アミノ酸配列をもつもの;
    (g) BtPS17dと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、5.0kb EcoR Iハイブリッド形成帯をもつもの;
    (h) BtPS17eと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、1.8kb EcoR Iハイブリッド形成帯をもつもの;及び
    (i) DNAが以下の分離体、すなわちバシラス・スリンギエンシス(Bt)菌株PS80JJ1、Bt菌株PS158D5、Bt菌株PS167P、Bt菌株PS169E、Bt菌株PS177F1、Bt菌株PS177G、Bt菌株PS204G4、及びBt菌株PS204G6の一つから得られる遺伝子のヌクレオチド配列を含めてなる場合の、殺線虫毒素をコードしたDNA;
    からなる群から選ばれるDNAによってコード化されたδ-エンドトキシンポリペプチド毒素をコードしたバシラス・スリンギエンシス毒素遺伝子の発現結果である場合の組替え細胞。
  • 請求項9の組替え細胞を含めてなる殺線虫組成物。
  • (a) 殺線虫毒素をコードした配列1に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (b) 殺線虫毒素をコードした配列3に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (c) 殺線虫毒素をコードした配列5に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (d) 殺線虫毒素をコードした配列7に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (e) 殺線虫毒素をコードした配列9に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (f) BtPS63Bと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、4.4kb Xba ハイブリッド形成帯、QLQAQPLIPYNVLAを包含するN-末端アミノ酸配列、及びVQRILDEKLSFQLIKを包含する内部アミノ酸配列をもつもの;
    (g) BtPS17dと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、5.0kb EcoRIハイブリッド形成帯をもつもの;
    (h) BtPS17eと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、1.8kb EcoR Iハイブリッド形成帯をもつもの;及び
    (i) DNAが以下の分離体、すなわちバシラス・スリンギエンシス(Bt)菌株PS80JJ1、Bt菌株PS158D5、Bt菌株PS167P、Bt菌株PS169E、Bt菌株PS177F1、Bt菌株PS177G、Bt菌株PS204G4、及びBt菌株PS204G6の一つから得られる遺伝子のヌクレオチド配列を含めてなる場合の、殺線虫毒素をコードしたDNA;
    からなる群から選ばれるDNAを含めてなる植物。
  • (a) 殺線虫毒素をコードした配列1に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (b) 殺線虫毒素をコードした配列3に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (c) 殺線虫毒素をコードした配列5に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (d) 殺線虫毒素をコードした配列7に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (e) 殺線虫毒素をコードした配列9に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (f) BtPS63Bと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、4.4kb Xba ハイブリッド形成帯、QLQAQPLIPYNVLAを包含するN-末端アミノ酸配列、及びVQRILDEKLSFQLIKを包含する内部アミノ酸配列をもったもの;
    (g) BtPS17dと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、5.0kb EcoRIハイブリッド形成帯をもつもの;
    (h) BtPS17eと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、1.8kb EcoRIハイブリッド形成帯をもつもの;及び
    (i) DNAが以下の分離体、すなわちバシラス・スリンギエンシス(Bt)菌株PS80JJ1、Bt菌株PS158D5、Bt菌株PS169E、Bt菌株PS177F1、Bt菌株PS177G、Bt菌株PS204G4、及びBt菌株PS204G6の一つから得られる遺伝子のヌクレオチド配列を含めてなる場合の、殺線虫毒素をコードしたDNA;
    からなる群から選ばれるDNAによってコード化された毒素の線虫防除有効量に上記の線虫を接触させることを含めてなる線虫防除法であって、上記のDNAが植物その他のホスト細胞に形質転換された場合の線虫防除法。
  • 線虫を宿した動物の処置法であって、
    (a) 殺線虫毒素をコードした配列1に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (b) 殺線虫毒素をコードした配列3に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (c) 殺線虫毒素をコードした配列5に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (d) 殺線虫毒素をコードした配列7に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (e) 殺線虫毒素をコードした配列9に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (f) BtPS63Bと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、4.4kb Xba ハイブリッド形成帯、QLQAQPLIPYNVLAを包含するN-末端アミノ酸配列、及びVQRILDEKLSFQLIKを包含する内部アミノ酸配列をもつもの;
    (g) BtPS17dと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、5.0kb EcoR Iハイブリッド形成帯をもつもの;
    (h) BtPS17eと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、1.8kb EcoR Iハイブリッド形成帯をもつもの;及び
    (i) DNAが以下の分離体、すなわちバシラス・スリンギエンシス(Bt)菌株PS80JJ1、Bt菌株PS158D5、Bt菌株PS167P、Bt菌株PS169E、Bt菌株PS177F1、Bt菌株PS177G、Bt菌株PS204G4、及びBt菌株PS204G6の一つから得られる遺伝子のヌクレオチド配列を含めてなる場合の、殺線虫毒素をコードしたDNA;
    からなる群から選ばれるDNAによってコード化された毒素の線虫防除有効量を上記の動物に投与することを含めてなる方法。
  • 殺線虫毒素がバシラス・スリンギエンシス分離体から得られるバシラス・スリンギエンシス遺伝子によって発現され、この遺伝子が植物の根の領域や葉の領域を占有し、そこで生存、繁殖できるような植物又は異なる微生物中に遺伝的に工学処理される、請求項13による方法。
  • 吸虫を宿したホストに、又は上記吸虫に直接に、又は上記吸虫の場所に、野性型バシラス・スリンギエンシスからの毒素、又は組替えホスト中に形質転換され発現せしめたバシラス・スリンギエンシスDNAによってコード化された毒素の殺吸虫量を投与することを含めてなる、吸虫の防除法。
  • 上記のバシラス・スリンギエンシスが、バシラス・スリンギエンシス(Bt)PS17、BtPS33F2、BtPS52A1、BtPS63B、BtPS69D1、BtPS80JJ1、BtPS158D5、Bt菌株PS167P、BtPS169E、BtPS177F1、BtPS177G、BtPS204G4、及びBtPS204G6からなる群から選ばれる、請求項15による方法。
  • 上記のDNAが、
    (a) 殺線虫毒素をコードした配列1に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (b) 殺線虫毒素をコードした配列3に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (c) 殺線虫毒素をコードした配列5に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (d) 殺線虫毒素をコードした配列7に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (e) 殺線虫毒素をコードした配列9に示す配列、又はその断片、を含めてなるヌクレオチド配列;
    (f) BtPS63Bと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、4.4kb Xba ハイブリッド形成帯、QLQAQPLIPYNVLAを包含するN-末端アミノ酸配列、及びVQRILDEKLSFQLIKを包含する内部アミノ酸配列をもつもの;
    (g) BtPS17dと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、5.0kb EcoR Iハイブリッド形成帯をもつもの;
    (h) BtPS17eと指定される殺線虫活性バシラス・スリンギエンシス分離体のB・スリンギエンシスPS17から得られる、殺線虫毒素をコードした遺伝子のヌクレオチド配列、又はその断片、を含めてなるDNAであって、制限断片長の多型性分析により、1.8kb EcoRIハイブリッド形成帯をもつもの;及び
    (i) DNAが以下の分離体、すなわちバシラス・スリンギエンシス(Bt)菌株PS80JJ1、Bt菌株PS158D5、Bt菌株PS167P、Bt菌株PS169E、Bt菌株PS177F1、Bt菌株PS177G、Bt菌株PS204G4、及びBt菌株PS204G6の一つから得られる遺伝子のヌクレオチド配列を含めてなる場合の、殺線虫毒素をコードしたDNA;
    からなる群から選ばれる、請求項15による方法。
  • 組替えホスト中に形質転換され発現せしめられたバシラス・スリンギエンシス遺伝子によってコード化された毒素、又は野性型バシラス・スリンギエンシスを含み、更に殺吸虫剤の施用に適した担体を含む、吸虫防除用組成物。
  • 说明书全文

    本発明は、線虫類に対して活性のある新規なバシラス・スリンギエンシス生物、及びバシラス・スリンギエンシス分離体からクローン化された新規な線虫類活性毒素をコード化した遺伝子に関する。

    望んでいない生物の防除に化学薬品を定期的に使用すると、薬剤耐性種ができてくる。 これは経済的に重要な昆虫の多くの種で起きており、また羊、やぎ、馬の線虫類にも起きている。 薬剤耐性の発達により、異なる作用方式をもった新しい防除剤を絶えず探求する必要がある。

    最近、線虫類の防除について認められた方法は、ベンズイミダゾールという薬剤とその同類を中心としている。 これらの薬剤を大規模に使用したことで、線虫類に多くの耐性種がもたらされた[非特許文献1;非特許文献2]。 線虫類の記述された種は10万種以上ある。

    細菌バシラス・スリンギエンシス(Bt)は、δ-エンドトキシンポリペプチドを生産し、これは急増する数の昆虫種に対して活性をもつことが示された。 初期には鱗翅目昆虫に対してのみ毒性が観察されたが、双翅目及び鞘翅目昆虫に対して毒性をもったBt分離体が記述されて範囲が拡大した。 これらの毒素は生物体内に結晶性封入体として蓄積される。 多くのBt菌株は、試験された昆虫に対して毒性を示さない結晶性封入体を生産する。

    B・スリンギエンシス種からのδ-エンドトキシンの線虫卵の生育に対する効果について、少数の研究論文が発表されている。 ボッジャー(Bottjer)、ボーン(Bone)及びギル(Gill)(非特許文献3)は、Btカースタキ及びBtイスラエレンシスが生体外で線虫トリコストロンギルス・コルブリフォルミス(Trichostrongylus colubriformis)の卵に対して有毒であることを報告した。 更に、その他の28B.t.菌株が試験されて、多様な毒性をもっていた。 最も効のあるものは、ナノグラムの範囲のLD 50をもっていた。 イグノフォ及びドロプキン[非特許文献4]は、B・スリンギエンシスからの熱安定な毒素(β-エキソトキシン)が自由生活の線虫であるパナグレルス・レジビブス(Panagrellus redivivus)グッデイ(Goodey);植物寄生線虫であるメロイドギネ・インコグニタ(Meloidogine incognita)チトウッド(Chitwood);及びカビを食べる線虫のアフェレンクス・アベナ(Aphelenchus avena)バスチアン(Bastien)に対して活性があることを報告した。 β-エキソトキシンは、特異性のほとんどない一般化された細胞毒剤である。 また、エッチ・シオーディア(H. Ciordia)及びダブリュー・イー・ビゼル(WE Bizzell)[非特許文献5]は、幾つかの線虫類に対するB・スリンギエンシスの効果について予備的な報告をしている。

    吸虫類は扁形動物門(Platyhelminthes)の吸虫綱(Trematoda)、二生類亜綱(Digenea)に属している。 これらの二生類は、いずれも中間ホストをもち、ヒトを含めた脊椎動物に排他的に見出される。 獣医学的にかなり重要な吸虫を含む科は、ファスキオリダエ(Fasciolidae)科、ジクロコエリダエ(Dicrocoeliidae)科、パラムフィストマチダエ(Paramphisutomatidae)、及びスキストソマチダエ(Schistosomatidae)科である。 成虫となった吸虫は、主に胆管、消化管、及び血管系に出現する。 好みの場所にもよるが、卵は、通常糞便や尿中の最終ホストから抜け出し、幼虫段階は軟体動物の中間ホスト中で発育する。

    寄生虫の数及び発育段階と、ある種の細菌(クロストリジウム・ノビ Clostri-dium novyi)の存在ないし不在にもよるが、幾つかの臨床症侯群は肝臓吸虫(ファスキオラ種 Fasciola sp.)の感染に関係している。 急性の吸虫病は摂取されたばかりのメタケルカリア科(metacercariae)による肝臓への侵入によって起こる。 羊は、局在性肝臓壊死及び多量の皮下出血のため、急速に死に至る。

    合衆国における駆虫剤は、現在、基本的にはアルベンダゾールからなり、これはファスキオラ・ヘパチカ(Fasciola hepatica 肝蛭)が重大問題となっている少数の州でのみ利用できる。 合衆国の他の州では、アルベンダゾールで羊を処置するには、特別な認可が必要である。 その他の有効な殺吸虫剤のジアンフェネサイド、ニトロキシニル、オキシクロザナイド、ラフォキサナイド、及びトリクラベンダゾールは、合衆国では利用できない。
    プリチャード・アール・ケイ(Prichard, RK)ら(1980年)「線虫類における駆虫耐性の問題」Austr. Vet. J. 56巻239-251頁 コールズ・ジー・シー(Coles, GC)(1986年)「羊の駆虫耐性」北米獣医学診療:食用動物診療の実際、2巻423-432頁(ハード・アール・ピー編)ダブリュー・ビー・ソーンダース社、ニューヨーク州 ボッジャー(Bottjer)、ボーン(Bone)及びギル(Gill)(Experimental Parasitology 60巻239-244頁、1985年) イグノフォ・シー・エム(Ignoffo, CM)及びドロプキン・ヴィー・エッチ(Dropkin, VH)(1977年) J. Kans. Entomol. Soc. 50巻394-398頁 エッチ・シオーディア(H. Ciordia)及びダブリュー・イー・ビゼル(WE Bizzell)[Jour. of Parasitology 47巻41頁[アブストラクト]1961年]

    現在、感染しやすいホストに相当な被害をもたらす多くの線虫類と吸虫類を防除するための、より有効な手段をもつ必要がある。 このような手段が生物薬剤を使用するのが有利である。

    本発明は、生物学的に活性な毒素をつくりだすバシラス・スリンギエンシスの分離体、遺伝子、及び遺伝子断片に関する。 これらの毒素は、線虫類に対して活性のあることが示された。 特定的に例示されるものは、カエノルハブジチス・エレガンス(Caenorhabditis elegance)、プラチレンクス(Pratylenchus)種、及びパナグレルス・レジビブス(Panagrellus redivivus)に対する活性である。 ビールマット線虫とも呼ばれるパナグレルス・レジビブスは、一般的な自由生活の線虫であって、実験室で維持するのが比較的容易である。 これは、しばしば線虫活性の指示薬(モデル)として使用される。 本発明の毒素は、肝臓吸虫のファスキオラ・ヘパチカを含めた吸虫類の防除にも使用できる。

    本発明の新規なBt分離体はBt菌株PS80JJ1、Bt菌株PS158D5、Bt菌株PS167P、Bt菌株PS169E、Bt菌株PS177F1、Bt菌株PS177G、Bt菌株PS204G4、及びBt菌株PS204G6である。

    本発明に従って使用されるBt分離体は、標準手順により、本明細書に記述のとおりに生育され、生産されるδ-エンドトキシンを回収できる。 殺線虫剤又は殺吸虫剤製品の使用に関する標準手順を用いて、回収された毒素又はBt分離体自体を処方できる。

    更に、本発明はBtPS17、BtPS33F2、PS63B、PS52A1、及びPS69D1と指定されるバシラス・スリンギエンシス分離体からクローン化された遺伝子又は遺伝子断片に関する。 本発明はBtPS17と指定されたバシラス・スリンギエンシス分離体からクローン化された4遺伝子に関する。 これらの遺伝子は、PS17a、PS17b、PS17d、及びPS17eと指定された。 PS17からの遺伝子、並びにBtPS33F2、BtPS63B、BtPS52A1、BtPS69D1と指定されたBt分離体の各々からの特異な遺伝子は、殺線虫活性をもったバシラス・スリンギエンシスδ-エンドトキシンをコード化している。 本発明の遺伝子又は遺伝子断片は、組替えDNAベクターを経て適当なホストに運搬できる。

    本明細書でそれぞれ配列1〜10とはそれぞれ図面に記載された配列1〜10をさす。

    本発明に従って使用できるBt分離体には、BtPS17、BtPS33F2、BtPS52A1、BtPS63B、BtPS69D1、BtPS80JJ1、BtPS158D5、BtPS167P、BtPS169E、BtPS177F1、BtPS177G、BtPS204G4、及びBtPS204G6がある。

    本発明の新規な毒素遺伝子又は遺伝子断片は、PS17、PS33F2、PS63B、PS52A1、及びPS69D1と指定された線虫活性B・スリンギエンシス(Bt)分離体から得られる。 殺線虫毒素をコードした遺伝子は、BtPS80JJ1、BtPS158D5、BtPS167P、BtPS169E、BtPS177F1、BtPS177G、BtPS204G4、及びBtPS204G6からも得られる。 本発明の毒素遺伝子を宿したB・スリンギエンシス分離体及び大腸菌ホストの二次培養基は、合衆国イリノイ州ピオリア、農務省北部研究センターの永久保存施設に寄託された。 呼出番号は以下のとおりである。
    培養基 受託番号 寄託期日
    Bt分離体PS17 NRRL B-18243 1987年7月28日
    Bt分離体PS33F2 NRRL B-18244 1987年7月28日
    Bt分離体PS63B NRRL B-18246 1987年7月28日
    Bt分離体PS52A1 NRRL B-18245 1987年7月28日
    Bt分離体PS69D1 NRRL B-18247 1987年7月28日大腸菌NM522(pMYC1627) NRRL B-18651 1990年5月11日大腸菌NM522(pMYC1628) NRRL B-18652 1990年5月11日
    BtPS80JJ1 NRRL B-18679 1990年7月17日
    BtPS158D5 NRRL B-18680 1990年7月17日
    BtPS167P NRRL B-18681 1990年7月17日
    BtPS169E NRRL B-18682 1990年7月17日
    BtPS177F1 NRRL B-18683 1990年7月17日
    BtPS177G NRRL B-18684 1990年7月17日
    BtPS204G4 NRRL B-18685 1990年7月17日
    BtPS204G6 NRRL B-18686 1990年7月17日大腸菌NM522(pMYC2321) NRRL B-18770 1991年2月14日大腸菌NM522(pMYC2316) NRRL B-18785 1991年5月15日大腸菌NM522(pMYC2317) NRRL B-18816 1991年4月24日

    本発明に従って使用される毒素遺伝子は、例えばPS17と指定されるB・スリンギエンシス分離体から得られる。 上に示すように、本発明の毒素遺伝子を宿したBtPS17の二次培養基は寄託されている。 本発明の毒素遺伝子を宿したBt分離体のBtPS33F2、BtPS63B、BtPS52A1、BtPS69D1、及び大腸菌ホストも寄託されている。

    本培養基は37 CFR1.14及び35 USC 122の下に特許庁長官に権利ありと認められた者は、本特許出願の係属中に、培養基を入手できることを保証されるという条件下に寄託された。 また、本出願又はその子孫の対応特許出願が提出されている国々の外国特許法で要求されるならば、寄託物は入手できる。 しかし、寄託物が入手できるからといって、行政行為によって付与された特許権を損わしめて本発明を実施する権利を構成するものではないことを理解すべきである。

    更に、本培養基寄託物は、ブタペスト微生物寄託条約の規定に従って保存され、一般の人々に入手可能とされる。 すなわち、寄託物の試料提供に対する最も最近の請求後少なくとも5年間、かつどんな場合も、寄託期日から少なくとも30年間か、又は培養基を開示して発行される特許の権利行使可能な期間中、これらの寄託物は、生育可能で汚染されていない状態に保つために必要なあらゆる配慮をもって保存される。 要求を受けた受託施設が、寄託物の状態のために試料を供給できない場合には、寄託者は寄託物を補充する義務を認めるものである。 本培養基寄託物の一般への入手可能性に関するすべての制限は、これらを開示した特許の付与に際して永久に取り除かれる。

    本発明の新規なBt遺伝子は、試験された線虫類に対して活性を示す毒素をコード化している。 一般に蠕虫病として記述される疾病群は、蠕虫として知られる寄生虫による動物ホストの感染による。 蠕虫病は豚、羊、馬、牛、やぎ、犬、猫、及び家禽のような家畜において優勢かつ重大な経済問題である。 蠕虫のうち、線虫として記述される群の虫類は、種々の動物種において広範囲の、しばしば重大な感染をひき起こす。 上述の動物に感染する線虫類の最も一般的な属は、ヘモンクス(Haemonchus)、トリコストロンギルス(Trichostrongilus)、オステルタギア(Ostertagia)、ネマトジルス(Nematodirus)、コウオペリア(Cooperia)、アスカリス(Ascaris)、ブノストマム(Bunostomum)、エソファゴストマム(Oesophagostomum)、カベルチア(Chabertia)、トリクリス(Trichuris)、ストロンギルス(Strongylus)、トリコネマ(Trichonema)、ジクチオカウルス(Dictyocaulus)、カピラリア(Capillaria)、ヘテラキス(Heterakis)、トキソカラ(Toxocara)、アスカリジア(Ascaridia)、オキシウリス(Oxyuris)、アンシロストーマ(Ancylostoma)、ウンシナリア(Uncinaria)、トキサスカリス(Toxascaris)、カエノルハブジチス(Caenorhabditis)、及びパラスカリス(Parascaris)である。 ネマトジルス、コウオペリア、及びエソファゴストマムのようなある線虫類は、主に腸管を攻撃するが、ジクチオカウルスのような他のものはに見出される。 またその他の寄生虫は、その他の身体組織や器官にいる。

    本発明の新規なBt遺伝子によってコード化された毒素は、ブルサファレンクス(Bursaphalenchus)、クリコネメラ(Criconemella)、ジチレンクス(Ditylen-chus)、グロボデラ(Globodera)、ヘリコチレンクス(Helicotylenchus)、ヘテロデラ(Heterodera)、メロジオギネ(Melodiogyne)、プラチレンクス(Pratylenchus)、ラドルフォルス(Radolpholus)、ロテリンクス(Rotelynchus)又はチレンクス(Tylenchus)の属から選ばれる土壌線虫類と植物寄生虫類の防除用殺線虫剤として有用である。

    本発明方法及び組成物は、脊椎動物に寄生する肝臓吸虫類の防除にも使用できる。 特定的には、本発明はヒト、家畜、愛玩動物その他の動物における吸虫の防除に使用できる。 本明細書で使用される用語の「家畜」は、例えば羊、牛、豚、及びやぎを包含する。 本発明方法及び組成物は未成熟及び成熟した吸虫類を防除するのに使用できる。 防除法は牧草地処理(脊椎動物及び中間ホスト用)、毒素を肝臓又は胆管へ運ぶためのリポソームその他の担体、及び脊椎動物ホストの胃腸管にいる自由生活型の吸虫類の処置を包含するが、これらに限定はされない。 本明細書に記載の殺吸虫性Bt毒素は、単独で、又は例えばアルベンダゾールのような他の殺吸虫剤とローテーションにして、又は組み合わせて使用できる。

    本明細書に記述のように、発明のBt分離体は、肝臓吸虫類に対して活性をもっている。 これらの分離体は、本明細書に明らかにされているように、その他の吸虫類に対して活性をもつことが予想される。

    本発明のBt毒素は、カプセル剤、丸塊、又は錠剤のような単位適量形式で、又は哺乳類の駆虫薬として使用する時は液体飲薬として経口投与でき、かつ植物線虫類の防除のため土中で使用できる。 飲薬は通常、ベントナイトのような懸濁剤や湿潤剤等の助剤を伴った中における活性成分の溶液、懸濁液又は分散液である。 概して、飲薬は消泡剤をも含有する。 飲薬処方剤は一般に活性化合物約0.001ないし0.5重量%を含有する。 好ましい飲薬処方剤は0.01ないし0.1重量%を含有している。 カプセル剤と丸塊は澱粉、滑石、ステアリン酸マグネシウム又は燐酸二カルシウムのような担体賦形剤と混和した活性成分を含めてなる。

    乾燥固体適量形式の毒素化合物を投与したい場合は、活性成分の所望量を含有するカプセル剤、丸塊又は錠剤が普通に使用される。 これらの適量形式は、澱粉、乳糖、滑石、ステアリン酸マグネシウム、植物ゴム等のような適当な微粉砕増量剤、充填剤、崩壊剤及び/又は結合剤に活性成分を密接均一に混合することによって調製される。 このような適当な単位適量処方剤は、処置される宿主動物の種類、感染程度及び種類、宿主重量のような因子に応じて、活性薬剤の全重量及び含有量が大幅に変わる。

    動物飼料経由で活性化合物を投与する時は、これを餌によく分散させるか、トップドレッシングとして使用するか、又はペレットの形にして、これを最終飼料に添加するか、又は任意に別個に摂取させる。 その代わりに、毒素化合物を非経口的に、例えば反すう胃内、筋肉内、気管内、又は皮下注射によって動物に投与でき、その場合活性成分は液体担体賦形剤に溶解又は分散される。 非経口投与には、活性成分を好ましくは落花生油、綿実油等のような植物油種の受け入れられる賦形剤と適当に混和する。 ゾルケタール、グリセロール、ホルマルを使用する有機調製剤や水性非経口処方剤のような他の非経口賦形剤も使用される。 活性化合物は投与のため非経口処方剤に溶解又は懸濁される。 このような処方剤は一般に0.005ないし5重量%の活性化合物を含有する。

    動物飼料の一成分として毒素を投与するか、又は飲み水に溶解又は懸濁させるかすると、活性化合物が不活性担体又は増量剤中に密接に分散された組成物類が提供される。 不活性担体とは、活性薬剤と反応しないもの、及び動物に安全に投与できるものを意味している。 飼料投与用担体が動物飼料の一成分である(又はありうる)ような担体であるのが好ましい。

    適当な組成物は、活性成分を比較的多量に存在させた飼料プレミックス又は補充物を包含し、これらは動物への直接給餌に適したもの、又は飼料への直接添加又は中間的な希釈又は配合段階後の添加に適したものである。 このような組成物に適した典型的な担体又は増量剤は、例えば蒸留酒製造業者の乾燥穀類、コーンミール、カンキツ類穀粉、発酵残留物、粉砕かき殼、小麦くず、糖蜜ソリュブル、トウモロコシ穂軸粉、食用豆粉飼料、大豆かす、粉砕石灰石等を包含する。

    哺乳類の消化管内の殺線虫及び殺吸虫活性のほか、Bt分離体からの胞子は動物の消化管を通過して糞便中で増殖し、それによって糞便中で孵化、増殖する幼虫の追加的防除を提供する。

    本発明の新規なBt分離体からの遺伝子は、欧州特許出願第0 200 344号の手順に従って、植物の植物領域を占有し、そこで生存、繁殖できるような微生物中に導入することができる。 線虫や吸虫を宿した動物が、このような植物を摂取すると、毒素が動物ホスト中で利用可能となり、線虫や吸虫の出没を防除する。

    本発明の毒素遺伝子又は遺伝子断片は、広範囲の微生物ホストへ導入できる。 毒素遺伝子の発現は、直接又は間接に殺虫剤の細胞内生産と保持をもたらす。 適当なホスト、例えばシュードモナスの場合、微生物は線虫類の発生位置に施用されると、そこで増殖し、線虫に摂取される。 その結果、望んでいない線虫を防除できる。 その代わりに、毒素遺伝子をもった微生物を、細胞内でつくられる毒素の活性を持続させるような条件下に処理できる。 次に処理細胞を目標害虫環境に施用できる。 生ずる生成物はBt毒素の毒性を保持している。

    遺伝子の安定な維持及び発現を可能とするような条件下に、毒素発現するBt遺伝子を微生物ホストに導入するには、広範囲の方法が利用できる。 毒素遺伝子発現用の転写翻訳調節信号とその調節制御下の毒素遺伝子、及び組込みを行なうためのホスト生物内の配列と相同のDNA配列、また組込みや安定な保持が起こるための、ホスト内で機能的な複製系などを含んだDNA構造体を用意することができる。

    転写開始信号はプロモータと転写開始出発位置を包含しよう。 ある場合には、毒素の調節的発現を提供して、毒素の発現が環境への放出後にのみ生ずるようにするのが望ましいこともある。 これはオペレータ、又はアクチベータやエンハンサに結合する領域、によって達成でき、これらは微生物の物理的又は化学的環境の変化によって誘発できる。 例えば、温度感受性調節領域を使用すると、生物は毒素を発現せずに実験室で生育でき、環境へ放出されると発現が始まる。 他の手法は、実験室で毒素の発現を抑制する特定的な栄養培地を使用し、一方環境中での栄養培地は毒素発現を可能とするものを使用できる。 翻訳開始には、リボソーム結合位置と開始コドンが存在しよう。

    メッセンジャーRNAの安定性を強化する配列を使用すると共に、特に活性プロモータを使用してメッセンジャーの発現を強化するために種々の操作を使用できる。 開始及び翻訳終結領域は停止コドン、終結領域、及び任意にポリアデニル化信号を包含しよう。

    転写の方向、すなわちコーディング又はセンス配列の5'から3'への方向で、構造体は転写調節領域(これがある場合)とプロモータ(制御領域はプロモータの5'又は3'のいずれかにある)、リボゾーム結合位置、開始コドン、開始コドンと同調する開放読取り枠をもった構造遺伝子、停止コドン、ポリアデニル化信号配列(使用する場合)、及び終結領域を包含しよう。 二本鎖としてのこの配列はそれ自体微生物ホストの形質転換に使用できるが、通常マーカーを含めたDNA配列を伴っており、この第二のDNA配列をホストへのDNA導入中に毒素発現構造体に結合させることができる。

    マーカーとは、変更又は形質転換されたホストの選定を行なうための構造遺伝子のことである。 マーカーは通常、選択的利点を提供するもので、例えば抗生物質や重金属への耐性などの殺生物耐性や、栄養素要求ホストに原栄養性を与える相補性等を提供する。 変更されたホストが選定されるだけでなく、野外で競合的であるように、相補性を使用するのが好ましい。 構造体の開発に、またホストの変更に、一つ以上のマーカーを使用できる。 野外で他の野性型微生物に対する競合的利点を提供することによって、生物を更に変更できる。 例えば、金属キレート剤、例えばシデロフォア類の発現用遺伝子を、毒素発現用の構造遺伝子と一緒にホストへ導入できる。 この方法で、シデロフォアの強化された発現が毒素生産ホストに競合的利点を提供するため、ホストは野性型微生物と効果的に競合し、環境中で安定した生態的地位を占めるようになる。

    機能的な複製系が存在しない場合、構造体はホスト内の配列と相同な、少なくとも50塩基対(bp)、好ましくは約100 bp、及び通常約1,000 bpまでの配列を包含しよう。 こうして合法的な組換えの可能性が強化されるため、遺伝子はホストへ組み込まれ、ホストによって安定に保持される。 毒素遺伝子が相補性を提供する遺伝子並びに競合的利点を提供する遺伝子に近接しているのが望ましい。 従って、毒素遺伝子が失われる場合、生ずる生物は相補性遺伝子及び/又は競合的利点を提供する遺伝子も失う可能性が強く、このため無傷の構造体を保持している遺伝子と環境中で競合できなくなる。

    細菌、バクテリオファージ、シアノバクテリア、藻類、カビ等のような広範囲の微生物ホストから多数の転写調節領域が入手できる。 種々の転写調節領域は、trp遺伝子、lac遺伝子、gal遺伝子、ラムダ左及び右プロモータ、Tacプロモータ、及びホスト中で機能的な場合は毒素遺伝子と関連して天然に生ずるプロモータを包含する。 例として合衆国特許第4,332,898号、第4,342,832号、及び第4,356,270号を参照のこと。 終結領域は、普通は転写開始領域と関連する終結領域か、又は異なる転写開始領域(二つの領域がホスト内で適合的で機能的である限りにおいて)でありうる。

    安定なエピゾーム保持又は組込みを所望する場合は、ホスト中で機能的な複製系をもったプラスミドが使用されよう。 複製系は染色体、ホストや別のホスト内に通常存在するエピゾーム要素、又はホスト内で安定なウイルスの複製系から誘導される。 pBR322、pACYC184、RSF1010、pRO1614等のような多数のプラスミドが入手できる。 例として、オルソン(Olson)ら、(1982年) J.Bacteriol. 150巻6069頁、及びバグダサリアン(Bagdasarian)ら、(1981年) Gene 16巻237頁、並びに合衆国特許第4,356,270号、第4,362,817号、及び第4,371,625号を参照のこと。

    Bt遺伝子は開始領域の調節制御下にあるように、転写翻訳開始領域と転写翻訳終結領域との間に導入できる。 この構造体はプラスミドに含有され、プラスミドは少なくとも一つの複製系を包含するが、一つ以上を包含でき、その場合一つの複製系はプラスミドの開発中にクローニング用に使用され、第二の複製系は最終ホストでの機能発揮に必要である。 更に、すでに述べた一つ以上のマーカーが存在できる。 組込みを望む場合は、プラスミドはホストゲノムと相同の配列を含むのが望ましい。

    形質転換体は、通常、未変更生物や運搬生物が存在する時は、それらに対して所望生物を選定できるように、慣用の方法に従って選定手法を使用して単離できる。 次に形質転換体を殺線虫又は殺吸虫活性のために試験できる。

    Bt毒素遺伝子が適当なベクターを経て微生物ホストへ導入されて、このホストが生きている状態で環境へ施用される場合に、あるホスト微生物を使用することが必須である。 微生物ホストは、一つ以上の重要作物の「植物領域」(葉面、葉領域、根領域、及び/又は根表面)を占有することが知られたものを選択する。 これらの微生物は、特定環境(作物及び他の昆虫生息地)中で野性型微生物と順調に競合できるように選ばれ、ポリペプチド殺虫剤を発現させる遺伝子の安定な維持と発現を提供し、望ましくは殺虫剤に対して環境的劣化と不活性化からの改良された保護を提供する。

    広範囲の重要作物の葉面(植物の葉の表面)と根の領域(植物の根の周囲の土壌)に生息する多数の微生物が知られている。 これらの微生物は細菌、藻類及びカビを包含している。 特に興味あるものは、細菌、例えばシュードモナス(Pseudomo-nas)、エルウィニア(Erwinia)、セラティア(Serratia)、クレブシェラ(Klebsiel-la)、キサントモナス(Xanthomonas)、ストレプトミセス(Streptomyces)、リゾビウム(Rhizobium)、ロードシュードモナス(Rhodopseudomonas)、メチロフィリウス(Methylophilius)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、アセトバクター(Acetobacter)、乳酸杆菌(Lactobacillus)、アースロバクター(Arthrobacter)、アゾトバクター(Azotobacter)、リューコノストック(Leuconost-oc)、及びアルカリゲネス(Alcaligenes)属の細菌;カビ類、特に酵母、例えばサッカロミセス(Saccharomyces)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、スポロボロミセス(Sporobolomyces)、ロードトルラ(Rhodotorula)、及びオーレオバシジウム(Aureobasidium)属などの微生物である。 特に重要なものは、シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、シュードモナス・フルオレッセンス、セラティア・マルケスケンス(Serratia marcescens)、アセトバクター・キシリヌム(Acetobacter xylinum)、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、ロードシュードモナス・スフェロイデス(Rhodopseudomonas spheroides)、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonascampestris)、リゾビウム・メリオチ(Rhizobium melioti)、アルカリゲネス・エントロフス(Alcaligenes entrophus)、及びアゾトバクター・ヴィンランディ(Azotobacter vinlandii)のような植物領域の細菌種;及びロードトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)、R.グルチニス(R. glutinis)、R.マリーナ(R. marina)、R.オーランティアカ(R.aurantiaca)、クリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albidus)、C.ジフルエンス(C. diffluens)、C.ローレンティ(C. laurentii)、サッカロミセス・ロゼイ(S. rosei)、S.プレトリエンシス(S. pretoriensis)、S.セレビシエ(S. cerevisiae)、スポロボロミセス・ロゼウス(Sporobolomyces roseus)、S.オドルス(S. odorus)、クルイベロミセス・ヴェローナエ(Kluyveromyces veronae)及びオーレオバシジウム・ポルランス(Aureobasidium pollulans)のような植物領域の酵母種である。 特に重要なのは有色素微生物である。

    処理細胞を目標害虫環境に施用する時に細胞内毒素の活性を持続させるために、殺線虫剤又は殺吸虫剤含有細胞を処理するのに適したホスト細胞は、原核生物か真核生物を包含するが、通常、哺乳類のような高等動物に有毒な物質を生じない細胞に限定される。 しかし、毒素が不安定か、哺乳類ホストへの毒性の可能性を回避するのに十分な低い施用水準である場合には、高等生物に有毒な物質をつくる生物も使用できる。 ホストとして特に興味あるものは、原核生物と、カビのような低級真核生物である。 グラム陰性・陽性双方の原核生物の例はエシェリキア(Escherichia)、エルウィニア(Erwinia)、シゲラ(Shigella)、サルモネラ(Salmonella)及びプロテウス(Proteus)のような腸内細菌科(Enterobacteriaceae);バシラス科(Bacillaceae);リゾビウム(Rhizobium)のようなリゾビウム科(Rhizobiaceae);発光細菌、ジモモナス(Zymomonas)、セラティア(Serratia)、アエロモナス(Aeromonas)、ビブリオ(Vibrio)、デスルホビブリオ(Desulfovibrio)、スピリルム(Spirillum)のようならせん菌科;乳酸かん菌科;シュードモナス(Pseudomonas)及びアセトバクター(Acetobacter)のようなシュードモナス科;アゾトバクター科及びニトロバクター科を包含する。 真核生物には藻菌類(Phycomycetes)と子のう菌類(Ascomycetes)のようなカビがあり、これはサッカロミセス(Saccharomyces)とシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)のような酵母、ロードトルラ(Rhodotorula)、オーレオバシジウム(Aureobasidium)、スポロボロミセス(Sporobolomyces)のような担子菌類(Basidiomycetes)酵母を包含する。

    生産目的のためにホスト細胞を選択する上で特に重要な特性は、Bt遺伝子のホストへの導入の容易さ、発現系の入手性、発現効率、ホスト中の殺線虫剤又は殺吸虫剤の安定性、及び補助的遺伝能力の存在を包含する。 殺線虫剤又は殺吸虫剤ミクロカプセルとして使用するのに重要な特性は厚い細胞壁、色素形成、及び細胞内パッケージング又は封入体の形成のような殺虫剤保護性;葉親和性;対哺乳類毒性の欠如;害虫に摂取させるための誘引力;毒素に損害を与えない殺菌固定の容易さ等を包含する。 他の考慮としては、処方と取扱いの容易さ、経済性、保存安定性等がある。

    特に重要なホスト生物は、ロードトルラ種、オーレオバシジウム種、サッカロミセス種、スポロボロミセス種のような酵母;シュードモナス種、エルウィニア種、及びフラボバクテリウム種のような葉面に生息する生物;又はエシェリキア、乳酸杆菌種、バシラス種等の他の生物を包含する。 特定的な生物は、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・フルオレッセンス(P.fluorescens)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、バシラス・スリンギエンシス、大腸菌、枯草菌(B.subtilis)等を包含する。

    細胞は通常、無傷であって、処理時に胞子型よりも実質的に増殖型にあるが、ある場合には胞子も使用できる。

    微生物細胞、例えばBt毒素遺伝子又は遺伝子断片を含有する微生物の処理は、毒素の性状に悪影響を及ぼさないか、又は毒素を保護する細胞能力を消滅させない限り、化学的又は物理的手段によるか、又は化学的及び物理的手段の組合わせによる。 化学的試薬の例はハロゲン化剤、特に原子番号17-80のハロゲンである。 もっと特定的には、ヨウ素を温和な条件下に、所望の結果を達成するのに十分な時間に使用できる。 他の適当な手法は、ホルムアルデヒドとグルタルアルデヒドのようなアルデヒド類;塩化ゼフィランと塩化セチルピリジニウムのような抗感染剤;イソプロピルアルコールとエタノールのようなアルコール類;ブアン固定剤、及びヘリー固定剤[フマソン(Humason)、グレッチェン・エル(Gretchen, L.)「動物組織手法」ダブリュー・エッチ・フリーマン社、1967年、を参照]のような種々の組織学的固定剤等での処理;又はホスト動物に細胞を投与する時に細胞中につくられる毒素の活性を保存し、持続させるような物理的処理(加熱)と化学薬剤処理との組合わせを包含する。 物理的手段の例は、ガンマ放射線とX線のような短波長放射線、凍結、UV照射、凍結乾燥等である。

    一般に細胞は、環境条件に対する耐性を強化するような、強化された構造安定性をもつであろう。 殺虫剤がプロ型の場合は、目標害虫病原体による殺虫剤のプロ型から成熟型への加工を抑制しないように、不活性化方法を選定すべきである。 例えばホルムアルデヒドはタンパクを架橋し、プロ型ポリペプチド殺虫剤の加工を抑制しうる。 不活性化ないし殺菌方法は、毒素の少なくとも実質量の生物学的利用率又は生物活性を保持する。

    Bt毒素遺伝子を含有する細胞ホストは任意慣用の栄養培地で生育できるが、DNA構造体は選択的利点を提供するため、細胞の全量又は実質的全量がBt遺伝子を保持するように選択培地となる。 次にこれらの細胞を慣用方法に従って取り入れる。 その代わりに、細胞を取り入れる前に処理することもできる。

    Bt細胞を種々の方法で処方できる。 これらを無機鉱物(フィロ珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩、燐酸塩等)又は植物材料(粉末トウモロコシ穂軸、もみ殻、クルミ殻等)と混合することにより、水和剤、粒剤又は粉剤として使用できる。 処方剤は展粘着助剤、安定化剤、その他殺虫添加物、又は表面活性剤を包含できる。 液体処方剤は水性基盤又は非水性基盤のもので、フォーム、ゲル、懸濁液、乳剤等として使用できる。 成分は流動剤、表面活性剤、乳化剤、分散剤又は重合体を包含できる。

    毒素濃度は特定処方剤の性質、特に濃縮液か直接使用されるかによって、広範囲にわたる。 毒素は少なくとも1重量%で存在し、100重量%でありうる。 乾燥処方剤は約1-95重量%の毒素をもつが、液体処方剤は一般に約1-60重量%の固体を液相中にもつであろう。 処方剤は概してmg当たり約10 2ないし約10 4個の細胞をもつであろう。 これらの処方剤はヘクタール当たり約50 mg(液体又は乾燥)ないし1 kg以上の率で投与されよう。

    処方剤は線虫類又は吸虫類の環境、例えば植物、土壌、又は水に噴霧、散布、散水等によって施用できる。

    その代わりに、幾つかの植物寄生線虫類は強制寄生虫であるから、殺線虫Bt毒素をコードした遺伝子は、線虫耐性植物を生じさせるために植物へ工学処理できる。 植物細胞を工学処理する方法は、十分に確立されている[ネスター・イー・ダブリュー(Nester, EW)、ゴードン・エム・ピー(Gordon, MP)、アマジノ・アール・エム(Amasino, RM)、及びヤノフスキ・エム・エフ(Yanofsky, MF)Ann. Rev. Physiol. 35巻387-399頁、1984年を参照]。

    この技術で周知のように、タンパクのアミノ酸配列は、DNAのヌクレオチド配列によって決定される。 遺伝暗号の重剰性のため、すなわちタンパクをつくるのに使用されるアミノ酸のほとんどに対して一つ以上の暗号化ヌクレオチドトリプレット(コドン)を使用できるため、一つの特定アミノ酸に対して異なるヌクレオチド配列がコードできる。 このため、遺伝暗号を次のように描くことができる。

    フェニルアラニン(Phe) TTK ヒスチジン(His) CAK
    ロイシン(Leu) XTY グルタミン(Gln) CAJ
    イソロイシン(Ile) ATM アスパラギン(Asn) AAK
    メチオニン(Met) ATG リジン(Lys) AAJ
    バリン(Val) GTL アスパラギン酸(Asp) GAK
    セリン(Ser) QRS グルタミン酸(Glu) GAJ
    プロリン(Pro) CCL システイン(Cys) TGK
    スレオニン(Thr) ACL トリプトファン(Trp) TGG
    アラニン(Ala) GCL アルギニン(Arg) WGZ
    チロシン(Tyr) TAK グリシン(Gly) GGL
    終結信号 TAJ

    解読法:各三文字のデオキシヌクレオチドの三つ組は、左側に5'末端、右側に3'末端をもつ伝令RNAのトリヌクレオチドに対応する。 本明細書に記載のDNAはすべて、ウラシルにはチミンを置き換えた、mRNAの配列に対応する配列のDNA鎖のものである。 文字はデオキシヌクレオチド配列を形成するプリン又はピリミジン塩基を示す。
    A=アデニン
    G=グアニン
    C=シトシン
    T=チミン
    YがAまたはGの場合は、X=T又はC.
    YがCまたはTの場合は、X=C.
    XがCの場合は、Y=A, G, C又はT.
    XがTの場合は、Y=A又はG.
    ZがA又はGの場合は、W=C又はA.
    ZがC又はTの場合は、W=C.
    WがCの場合は、Z=A, G, C又はT.
    WがAの場合は、Z=A又はG.
    SがA, G, C又はTの場合は、QR=TC.又はその代わりにSがT又はCの場合は、QR=AG.
    J=A又はG
    K=T又はC
    L=A, T, C又はG.
    M=A, C又はT.

    上記は、Bt毒素の新規なアミノ酸配列が、このタンパクの同じアミノ酸配列をコードした同等なヌクレオチド配列によって調製できることを示す。 従って、本発明はこのような同等なヌクレオチド配列を包含する。 更に、アミノ酸配列の変更がタンパクの二次構造を変更しないならば、確認された構造及び機能のタンパクが、このような変更によって構築できることが示された[カイザー・イー・ティー(Kaiser, ET)及びケズディ・エフ・ジェイ(Kezdy, FJ)(1984年)Science 223巻249-255頁]。 このように、本発明はタンパクの二次構造を変更しないような本明細書に記載のアミノ酸配列の突然変異株、又は構造が変更される場合、生物活性がある程度保持されるような突然変異株を包含する。 更に、本発明は、発明遺伝子をコード化した毒素の全部又は一部をもった生物の突然変異種も包含する。 このような微生物の突然変異種は、当業者に周知の手法によってつくることができる。 例えば、UV照射を用いてホスト生物の変異株をつくることができる。 同様に、このような変異株は胞子非形成ホスト細胞を包含し、これもこの技術に周知の手順によって調製できる。

    プラスミドの調製とホスト生物の形質転換に使用される種々の方法はこの技術で周知である。 これらの手順はすべて、マニアチス・ティー(Maniatis, T.)、フリッシュ・イー・エフ(Fritsch, EF)及びサムブロック・ジェイ(Sambrook, J.)(1982年)、「分子クローニング:実験マニュアル」(コールド・スプリング・ハーバー研究所、ニューヨーク州)に記述されている。 このように、微生物細胞からDNAを抽出し、制限酵素での消化を行ない、DNA断片を電気泳動にかけ、プラスミドのテーリングとアニーリングを行ない、DNAを挿入、再結合し、細胞を形質転換し、プラスミドDNAを調製し、タンパクを電気泳動にかけ、DNAの配列を決定するのは、遺伝子工学の当業者の技術範囲にある。

    本明細書で明らかにされている制限酵素は、ベセスダ研究所(メリーランド州ゲイサーズバーグ)、ニューイングランド・バイオラブ(マサチューセッツ州ビバリー)、及びベーリンガー・マンハイム(インディアナ州インディアナポリス)から購入できる。 酵素は、供給側から提供される指示に従って使用される。

    以下は本発明実施の最善の態様を含めた手順を例示した実施例である。 これらの例は限定的に考えられてはならない。 他に注意がなければ、百分率はすべて重量、溶媒混合物割合はすべて容量による。

    実施例1 Bt分離体類の培養
    Bt分離体の二次培養基を使用して次の培地、すなわちペプトン・ブドウ糖・塩培地に接種した。
    バクト・ペプトン 7.5 g/l
    ブドウ糖 1.0 g/l
    KH 2 PO 4 3.4 g/l
    K 2 HPO 4 4.35 g/l
    塩溶液 5.0 ml/l
    CaCl 2溶液 5.0 ml/l

    塩溶液(100 ml)
    MgSO 4・7H 2 O 2.46 g
    MnSO 4・H 2 O 0.04 g
    ZnSO 4・7H 2 0 0.28 g
    FeSO 4・7H 2 O 0.40 g

    CaCl 2溶液(100 ml)
    CaCl 2・2H 2 O 3.66 g
    pH 7.2
    塩溶液とCaCl 2溶液を濾過滅菌し、オートクレーブ処理し調理したブロスに、
    接種時に添加する。 200 rpmで操作される回転振とう機で、フラスコを30℃、64時間培養する。
    上の手順は、この技術で周知の手順により、大発酵装置まで容易に規模拡大できる。
    上の発酵で得られるBt胞子及び結晶は、この技術で周知の手順により単離できる。 しばしば用いられる手順は、取り入れた発酵液を分離手順、例えば遠心分離にかけることである。

    実施例2 精製及びアミノ酸配列決定 本発明の毒素タンパクの給源として使用できるバシラス・スリンギエンシス(Bt)分離体は、例えばBtPS17、BtPS52A1、BtPS33F2、BtPS63B、BtPS69D1、BtPS80JJ1、BtPS158D5、BtPS167P、BtPS169E、BtPS177F1、BtPS177G、BtPS204G4、及びBtPS204G6でありうる。 分離体を実施例1に記述されたとおりに、又はこの技術で知られたその他の標準的な培地及び発酵手法を用いて培養できる。 毒素タンパク封入体は標準的な沈降遠心分離によって取り入れられる。 回収されたタンパク封入体は、臭化ナトリウム(28-38%)密度勾配平衡遠心によって部分的に精製できる。 [ファネンスチール・エム・エイ(Pfannenstiel, MA)、イー・ジェイ・ロス(EJ Ross)、ヴィー・シー・クレーマー(VC Kramer)、及びケイ・ダブリュー・ニッカーソン(KW Nickerson)(1984年)FEMS Microbiol. Lett. 21巻39頁]。 次に、個々の毒素タンパクは、結晶性タンパク錯体をアルカリ緩衝液に可溶化し、DEAE-セファロースCL-6B(シグマケミカル社、ミズーリ州セントルイス)クロマトグラフィにより、NaCl含有緩衝液の濃度を増大させる段階的増量によって個々のタンパクを分画することによって分割できる[レイチェンバーグ・ディー(Reichenberg, D.)、「有機・生化学におけるイオン交換体」[シー・カルモン(C. Calmon)及びティー・アール・イー・クレスマン(TRE Kresman)編、インターサイエンス社、ニューヨーク州、1957年]。 線虫カエノルハブジチス・エレガンス(CE)に対して有毒なタンパクを含有するフラクションは、ウエスタン・ブロット手法[トウビン・エッチ(Towbin, H.)、ティー・ステーヘリン(T. Staehelin)及びケイ・ゴードン(K. Gordon)(1979年)、Proc.Natl. Acad. Sci. USA 76巻4350頁]によってPVDF膜(ミリポア社、マサチューセッツ州ベドフォード)に結合され、N末端アミノ酸は自動化気相配列決定装置での標準的なエドマン反応によって決定された[ハンカピラー・エム・ダブリュー(Hunkapiller, MW)、アール・エム・ヘウィック(RM Hewick)、ダブリュー・エル・ドライヤー(WL Dreyer)、及びエル・イー・フッド(LE Hood)(1983年)、Meth. Enzymol. 91巻399頁]。 得られた配列は以下を包含する。
    PS17a AILNELYPSVPYNV
    PS17b AILNELYPSVPYNV
    PS33F2 ATLNEVYPVN
    PS52A1 MIIDSKTTLPRHSLINT
    PS63B QLQAQPLIPYNVLA
    PS69D1 MILGNGKTLPKHIRLAHIFATQNS

    更に、内部アミノ酸配列データはPS63Bから誘導された。 毒素タンパクは本質的に既述のとおりに[クリーブランド・ディー・ダブリュー(Cleveland, DW)、エス・ジー・フィッシャー(SG Fischer)、エム・ダブリュー・カーシュナー(MW Kirschner)、及びユウ・ケイ・レムリ(1977年) J. Biol. Chem. 252巻1102頁]スタフィロコッカス・オーレウスV8プロテアーゼ(シグマケミカル社、ミズーリ州セントルイス)で部分的に消化された。 消化された材料をPVDF膜でブロット処理し、約28 kDa限界ペプチドを上記のようにN-末端配列決定用に選定した。 得られた配列は次のものであった。
    63B(2) VQRILDEKLSFQLIK
    これらの配列データからオリゴヌクレオチドプローブが、他のBt毒素遺伝子の入手可能な配列から組立てられたコドン頻度表を用いて設計された。 プローブは、アプライド・バイオシステムズ社のDNA合成機で合成された。

    実施例3 新規な毒素遺伝子のクローニングと大腸菌への形質転換A. BtPS17
    BtPS17細胞を低光学密度(OD 600 =1.0)に生育させ、細胞を遠心分離によって回収して、全細胞DNAを調製した。 20%庶糖と50 mg/mlリゾチームを含有するTES緩衝液(30 mMトリス-Cl、10 mM エチレンジアミン四酢酸[EDTA]、50 mM NaCl、pH=8.0)中で細胞をプロトプラスト化させた。 プロトプラストを4%の最終濃度までドデシル硫酸ナトリウム(SDS)添加によって溶菌化した。 細胞材料を最終濃度100 mMの中性塩化カリウム中、4℃で一夜沈殿させた。 上澄み液をフェノール/クロロホルム(1:1)で2回抽出した。 DNAをエタノール中で沈殿させ、塩化セシウム/臭化エチジウム勾配上の密度平衡バンディングによって精製した。

    PS17からの全細胞DNAをEcoR Iで消化させ、0.8%アガロースゲル-TAE(50 mMトリス-Cl、20 mM NaOAc、0.25 mM EDTA、pH=8.0)緩衝化ゲル上の電気泳動によって分離した。 ゲルのサザンブロットを、PS17からの精製された130 kDaタンパクのN末端アミノ酸配列から誘導される[ 32 P]-放射性標識つきオリゴヌクレオチドプローブとハイブリッド形成させた。 合成されたオリゴヌクレオチドの配列は(GCAATTTTAAATGAATTATATCC)であった。 結果は、PS17のハイブリッド化EcoR I断片が5.0kb、4.5 kb、2.7 kb及び1.8 kbの大きさにあることを示し、それぞれ少なくとも四つの新しい線虫活性毒素遺伝子のPS17d、PS17b、PS17a、及びPS17eを推定的に確認した。

    Sau3Aで部分消化されたPS17全細胞DNAからライブラリーを構築し、電気泳動によってサイズ分画した。 ゲルの9-23 kb領域を切り出し、DNAを電気溶離し、ELUTIP TM -dイオン交換カラム(シュライヒャー・エンド・シュエル社、ニューハンプシャー州キーン)を用いて濃縮した。 単離されたSau3A断片をラムダGEM-11 TM (PROMEGA)に連結した。 パッケージにしたファージをKW251大腸菌細胞(PROMEGA)上に高滴定価でプレートし、核酸ハイブリッド形成プローブとして上の放射性標識つき合成オリゴヌクレオチドを用いて選定した。 ハイブリッド化プラークを精製し、低プラーク密度で再選定した。 プローブとハイブリッド形成させた単離精製プラークを用いて、DNA単離用のファージ調製のため、液体培養基中でKW251大腸菌細胞に感染させた。 DNAを標準手順によって単離した。

    回収された組替えファージDNAをEcoRIで消化させ、0.8%アガロース-TAEゲル上の電気泳動によって分離した。 ゲルをサザンブロット処理し、ラムダライブラリーから単離された毒素遺伝子を特性化するために、オリゴヌクレオチドプローブとハイブリッド形成させた。 二つのパターンがあり、4.5 kb(PS17b)又は2.7 kb(PS17a)EcoR I断片を含有するクローンであった。 ファージDNAの分離量をSal で消化させ(挿入DNAをラムダアームから放出させるため)、0.6%アガロース-TAEゲル上の電気泳動によって分離した。 大断片(上記のように電気溶離し濃縮したもの)を、Sal Iで消化させ脱ホスホリル化処理したpBClacに連結させた。 連結体をNM522コンピテント大腸菌細胞へ形質転換によって導入し、アンピシリン、イソプロピル-(β)-D-チオガラクトシド(IPTG)及び5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-(β)-D-ガラクトシド(XGAL)を含有するLB寒天上にプレートした。 所望のプラスミド類を単離するために、白色集落(pBClacの(β)-ガラクトシダーゼ遺伝子中に推定挿入体をもつもの)を標準的な急速プラスミド精製手順にかけた。 2.7 kbEcoR I断片を含有する選定プラスミドをpMYC1627と名付け、また4.5 kbEcoRI断片を含有するプラスミドをpMYC1628と名付けた。

    毒素遺伝子は、上記の合成オリゴヌクレオチドプローブを用いた標準的なサンガージデオキシ連鎖終結法によって、また新しい毒素遺伝子の配列に対してつくられたプライマーとの“ウォーキング”によって配列決定された。

    標準的なBt発現法を用いて、PS17毒素遺伝子をシャトルベクターpHT3101に二次クローン化した[レレクルス・ディー(Lereclus, D.)ら、(1989年)FEMSMicrobiol. Lett. 60巻211-218頁]。 要約すると、分離用アガロースゲル電気泳動、電気溶離によってPS17a及びPS17b毒素遺伝子を含有するSal 断片を、それぞれpMYC1629及びpMYC1627から単離し、上記のように濃縮した。 これらの濃縮断片をSal で切断され脱ホスホリル化されたpHT3101へ連結した。 連結混合物を別個に使用して、凍結コンピテント大腸菌NM522を形質転換させた。 各組替え大腸菌菌株からのプラスミドをアルカリ溶菌によって調製し、アガロースゲル電気泳動によって分析した。 生ずる二次クローンのpMYC2311とpMYC2309は、それぞれPS17aとPS17b毒素遺伝子を保持していた。 標準的なエレクトロポレーション手法(指示マニュアル、バイオラド社、カリフォルニア州リッチモンド)により、これらのプラスミドを結晶非生産性のBt菌株HD-1 cryB[アロンソン・エイ(Aronson, A.)、パーデュー大学、インディアナ州ウェストラファイエット]に形質転換した。

    組替えBt菌株HD-1 cryB[pMYC2311]及び[pMYC2309]を胞子形成まで生育させ、タンパクを野性型Btタンパクについて上述されたとおりに、NaBr勾配遠心分離によって精製した。

    B. BtPS52A1
    600 nmで1.0の光学密度まで生育させたバシラス・スリンギエンシスPS52A1細胞から全細胞DNAを調製した。 細胞を遠心分離によってペレット化し、プロトプラスト緩衝液(0.3M庶糖、25 mM トリス-Cl[pH8.0]、25 mM EDTA中リゾチーム20 mg/ml)中に再懸濁させた。 37℃で1時間培養後、2回の冷凍/解凍サイクルでプロトプラストを溶菌させた。 溶菌を終了させるため、0.1M NaCl、0.1%SDS、0.1Mトリス-Clの溶液9倍量を加えた。 透明になった溶菌液をフェノール:クロロホルム(1:1)で2回抽出した。 核酸を2倍量のエタノールで沈殿させ、遠心分離によってペレット化した。 ペレットをTE中で再懸濁させ、RNアーゼを50μg/mlの最終濃度に添加した。 37℃で1時間培養後、フェノール:クロロホルム(1:1)とTE-飽和クロロホルムでそれぞれ1回ずつ抽出した。 1/10量の3M NaOAcと2倍量のエタノールの添加によって、DNAを水相から沈殿させた。 DNAを遠心分離によってペレット化し、70%エタノールで洗い、乾燥し、TE中で再懸濁した。

    制限断片長多型性(RFLP)分析は、 32 P-標識つきオリゴヌクレオチドプローブのプローブ52A1-CとBtPS52A1DNAサザンブロットとの標準的なハイブリッド形成によって行なわれた。 このプローブの配列は次のとおりである。
    5' ATG ATT ATT GAT TCT AAA ACA ACA TTA CCA
    AGA CAT TCA/T TTA ATA/T AAT ACA/T ATA/T
    AA 3'
    ハイブリッド形成帯は、約3.6 kbp HindIII断片と約8.6 kbpEcoRV断片を包含した。

    Sau3Aで部分消化させたBtPS52A1DNAから遺伝子ライブラリーを構築した。 部分制限消化物をアガロースゲル電気泳動で分画した。 6.6-23 kbpの大きさのDNA断片をゲルから切り出し、ゲルスライスから電気溶離し、Elutip-Dイオン交換カラムでの精製後、エタノール沈殿によって回収した。 Sau3A挿入物をBamH Iで消化させたラムダGem-11(プロメガ)へ連結した。 組替えファージをパッケージし、大腸菌KW251細胞(プロメガ)にプレートした。 放射性標識つきプローブ52A1-Cとのハイブリッド形成によってプラークを選定した。 ハイブリッド化ファージをプラーク精製し、標準手順(マニアティスら)によってファージDNAの単離用大腸菌KW251細胞の液体培養基の感染に使用した。 二次クローン化には、分離量のDNAをEcoR IとSal で消化させ、アガロースゲル上で電気泳動にかけた。 毒素遺伝子を含有する約3.1 kbp帯をゲルから切り出し、ゲルスライスから電気溶離し、上のようにイオン交換クロマトグラフィによって精製した。 精製されたDNA挿入物をEcoR I +Sal で消化させたpHTBlue II (pBluescriptS/K[ストラタジーン]と、レジデントBtプラスミドからの複製開始点とからなる大腸菌/B・スリンギエンシスシャトルベクター[ディー・レレクルスら(1989年)FEMS Microbiology Letters 60巻211-218頁])へ連結した。 連結混合物を使用して、凍結コンピテント大腸菌NM522(ATCC 47000)に形質転換した。 形質転換体をアンピシリン、イソプロピル-(β)-D-チオガラクトシド(IPTG)及び5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-(β)-D-ガラクトシド(XGAL)を含有するLB寒天上にプレートした。 プラスミドをアルカリ溶菌(マニアチスら)によって推定組替え体から精製し、アガロースゲル上のEcoR I及びSal 消化物の電気泳動によって分析した。 所望のプラスミド構造体pMYC2321は、殺線虫タンパクをコード化したその他の毒素遺伝子の地図に較べて新規な毒素遺伝子を含有する。

    プラスミドpMYC2321をエレクトロポレーションにより、結晶非生産性Bt菌株cryBに導入した。 約55-60 kDaの結晶タンパクの発現は、SDS-PAGE分析及び殺線虫活性によって検証された。 プラチレンクス・スクリブネリ(Platylenchus scribneri)(植物寄生性)及びパナグレルス・レジビブス(Panagrellus redivivus)(自由生活性)に対するクローン化遺伝子生成物の毒性決定のため、NaBr精製された結晶を調製した(前掲ファンネンスチールら)。 クローン化遺伝子生成物はこれらの線虫類に対して活性であった。
    C. BtPS33F2

    600 nmで1.0の光学密度まで生育させたBtPS33F2細胞から全細胞DNAを調製した。 細胞を遠心分離によってペレット化し、プロトプラスト緩衝液(0.3Mショ糖、25 mM トリス-Cl[pH8.0]、25 mM EDTA中リゾチーム20 mg/ml)中に再懸濁させた。 37℃で1時間培養後、0.1M NaCl、0.1%SDS、0.1M トリス-Clの溶液9倍量の添加に続いて2回の冷凍/解凍サイクルによってプロトプラストを溶菌させた。 透明になった溶菌液をフェノール:クロロホルム(1:1)で2回抽出した。 核酸を2倍量のエタノールで沈殿させ、遠心分離によってペレット化した。 ペレットを10 mM トリス-Cl、1 mM EDTA(TE)中で再懸濁させ、RNアーゼ(リボヌクレア−ゼ)を50μg/mlの最終濃度に添加した。 37℃で1時間培養後、溶液をフェノール:クロロホルム(1:1)とTE-飽和クロロホルムでそれぞれ1回ずつ抽出した。 1/10量の3M NaOAcと2倍量のエタノールの添加によって、DNAを水相から沈殿させた。 DNAを遠心分離によってペレット化し、70%エタノールで洗い、乾燥し、TE中に再懸濁した。

    上記のように調製されたプロトプラストからプラスミドDNAを抽出した。 10 mMトリス-Cl、1 mM EDTA、0.085N NaOH、0.1%SDSの溶液(pH=8.0)9倍量の添加によって、プロトプラストを溶菌した。 溶菌を終了させるため、1%の最終濃度までSDSを添加した。 次に3M KOAc2分の1容量を加え、細胞材料を4℃で一夜沈殿させた。 遠心分離後、DNAをエタノールで沈殿させ、塩化セシウム-臭化エチジウム勾配上の密度匂配平衡遠心によってプラスミドを精製した。

    PS33F2プラスミド及び全細胞DNAのサザンブロットと、実施例2に既述されたN-末端アミノ酸配列用に設計された32 P標識つきオリゴヌクレオチドプローブとの標準的なハイブリッド形成によってRFLP分析を行なった。
    プローブ33F2A:
    5'GCA/T ACA/T TTA AAT GAA GTA/T TAT 3'
    プローブ33F2B:
    5'AAT GAA GTA/T TAT CCA/T GTA/T AAT 3'
    ハイブリッド形成帯は約5.85 kbpEcoRI断片を包含した。 プローブ33F2Aと逆PCRプライマーは、PS33F2毒素遺伝子のクローン化用のハイブリッド形成プローブとして使用される約1.8 kbpのDNA断片を増幅するために使用された。 逆プライマーの配列は以下のとおりであった。
    5'GCAAGCGGCCGCTTATGGAATAAATTCAATT
    C/T T/G A/G TC T/A A 3'

    EcoRIで消化させたPS33F2プラスミドDNAから遺伝子ライブラリーを構築した。 制限消化物をアガロースゲル電気泳動で分画した。 DNA断片4.3-6.6 kbpをゲルから切り出し、ゲルスライスから電気溶離し、Elutip-Dイオン交換カラム(シュライチャー・エンド・シュエル社、ニューハンプシャー州キーン)上で精製後、エタノール沈殿によって回収した。 EcoR I挿入物をEcoRIで消化させたpHTBlue II (pBluescriptS/K[ストラタジーン]と、レジデントBtプラスミドからの複製開始点とからなる大腸菌/B・スリンギエンシスシャトルベクター[ディー・レレクルスら(1989年)FEMS Microbiology Letters 60巻211-218頁])へ連結した。 連結混合物を使用して、凍結コンピテントNM522(ATCC 47000)に形質転換した。 形質転換体をアンピシリン、イソプロピル-(β)-D-チオガラクトシド(IPTG)及び5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-(β)-D-ガラクトシド(XGAL)を含有するLB寒天上にプレートした。 上記の放射性標識つきPCR増幅されたプローブとのハイブリッド形成によって、集落を選定した。 プラスミドをアルカリ溶菌によって想定上の毒素遺伝子クローンから精製し、制限消化物のアガロースゲル電気泳動によって分析した。 所望のプラスミド構造体pMYC2316は、約5.85 kbpEcoR I挿入物を含有する。 このDNA断片(33F2a)上にある毒素遺伝子は、殺線虫タンパクをコード化したその他の毒素遺伝子のDNA配列に比べて新規である。

    プラスミドpMYC2316をエレクトロポレーションにより、結晶非生産性の(Cry-)BtホストHD-1 CryBに導入した。 約120-140 kDaの結晶タンパクの発現は、SDS-PAGE分析によって検証された。 プラチレンクス(Platylenchus)種に対するクローン化遺伝子生成物の毒性決定のため、NaBr勾配(前掲エム・エイ・ファンネンスチールら、1984年)上で結晶を精製した。

    D. BtPS69D1
    他の分離体について上に記述されたとおりに、全細胞DNAをBtPS69D1から調製した。 RFLP分析は、69D1-Dと指定された32 P標識つきオリゴヌクレオチドプローブとPS69D1DNAのサザンブロットとの標準的なハイブリッド形成によって行なわれた。 69D1-Dプローブの配列は以下のとおりである。
    5'AAA CAT ATT AGA TTA GCA CAT ATT TTT
    GCA ACA CAA AA 3'
    ハイブリッド形成帯は約2.0 kbp HindIII断片を含有した。

    Sau3Aで部分消化させたPS69D1DNAから遺伝子ライブラリーを構築した。 部分的制限消化物をアガロースゲル電気泳動によって分画した。 6.6-23 kbpの大きさのDNA断片をゲルから切り出し、ゲルスライスから電気溶離し、Elutip-Dイオン交換カラムでの精製後、エタノール沈殿によって回収した。 Sau3A挿入物をBamH Iで消化させたラムダGem-11(プロメガ、ウィスコンシン州マディソン)へ連結した。 組替ファ−ジは大腸菌kw251細胞上でパッケ−ジし、プレ−トにした(ウィスコンシン州マディソンのプロメガ)。 放射性標識つき69D1-Dオリゴヌクレオチドとのハイブリッド形成によってプラークを選定した。 ハイブリッド化ファージをプラーク精製し、標準手順[マニアティスら、(1982年)「分子クローニング: 実験マニュアル」ニューヨーク州コールドスプリングハーバー]によってファージDNAの単離用大腸菌KW251細胞の液体培養基を感染するのに使用した。 二次クローン化には、分離量のDNAをHind IIIで消化させ、アガロースゲル上で電気泳動にかけた。 毒素遺伝子を含有する約2.0 kbp帯をゲルから切り出し、ゲルスライスから電気溶離し、上のようにイオン交換クロマトグラフィによって精製した。 精製されたDNA挿入物を、Hind IIIで消化させたpHTBlue II (pBluescriptS/K[ストラタジーン、カリフォルニア州サンディエゴ]と、レジデントBtプラスミドからの複製開始点とからなる大腸菌/Btシャトルベクター[ディー・レレクルスら(1989年)FEMS Microbiology Letters 60巻211-218頁])へ連結した。 連結混合物を使用して、凍結コンピテント大腸菌NM522細胞(ATCC 47000)に形質転換した。 形質転換体を5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-(β)-D-ガラクトシド(XGAL)を含有するLB寒天上にプレートした。 プラスミドをアルカリ溶菌(前掲マニアチスら)によって推定組替え体から精製し、アガロースゲル上のHind III消化物の電気泳動によって分析した。 所望のプラスミド構造体pMYC2317は、殺線虫タンパクをコード化したその他の毒素遺伝子の地図に較べて新規な毒素遺伝子を含有する。

    E. BtPS63B
    実施例2は、標準エドマンタンパク配列決定法によって決定されるとおりに、PS63B毒素タンパクのアミノ末端及び内部ポリペプチド配列を示す。 これらの配列から、δ-エンドトキシンをコード化したBt遺伝子から組立てられたコドン頻度表を用いて、二つのオリゴヌクレオチドプライマーが設計された。 順プライマー(63B-A)の配列は、遺伝子の5'末端で推定されるDNA配列と相補的であった。
    63B-A - 5' CAA T/CTA CAA GCA/T CAA CC 3'
    逆プライマー(63B-INT)の配列は、内部推定されたDNA配列の逆配列と相補的であった。
    63B-INT - 5' TTC ATC TAA AAT TCT TTG A/TAC 3'
    これらのプライマーは、DNAクローニングプローブとして使用される63B毒素遺伝子の約460 bp断片を増幅するために、標準的なポリメラーゼ連鎖反応(シータス・コーポレーション)で使用された。 PS63Bからの全細胞DNAのサザンブロットを放射性標識つきPCRプローブとハイブリッド形成させた。 ハイブリッド形成帯は約4.4 kbpXba 断片、約2.0 kbpHind III断片、及び約6.4 kbpSpe 断片を含んでいた。

    実施例4 Bt毒素タンパク及び遺伝子生成物のカエノルハブジチス・エレガンスに対する活性
    S-基本培地1 ml、アンピシリン0.5 mg、及びコレステロール0.01 mgを含有するコーニング(コーニング・ガラス・ワークス、ニューヨーク州コーニング)の24穴組織培養基プレート中で、シンプキン及びコールズ(J. Chem. Tech. Biotechnol. 31巻66-69頁、1981年)に記述のとおりにカエノルハブジチス・エレガンス(CE)を培養した。 各穴は、大腸菌菌株OP-50(ウラシル栄養要求株)の細胞約10 8個も含有した。 各穴当たり100-200個のCEを穴に接種し、20℃で培養した。 タンパク試料(野性型Bt又は組替えBtから得られたもの)を連続希釈によって穴に添加した。 水は、対照として、またタンパクを穴に導入するビヒクルとしての役目を果たした。

    各穴を毎日検査し、代表的な結果は以下のとおりである。
    %致死率
    μg毒素 pMYC2309 pMYC2311 PS17
    100 25 50 75
    32 25 50 75
    10 50 25 50
    1 0 0 0

    実施例5 植物線虫プラチレンクス種に対する活性
    BtPS17aによってコード化された毒素は、プラチレンクス種に対して活性があることがわかった。 活性は、実施例4でC・エレガンスに対して明らかにされたものとほぼ同水準にある

    プラチレンクス種、例えばP・スクリブネリとP・レジビブスは、トウモロコシ、落花生、大豆、アルファルファ、ビーン、トマト、かんきつ類を含めた多くの経済的に重要な作物の知られた病原体である。 これらの「根病変性」線虫類は、第二の経済的に最も被害を与える属の植物寄生線虫類(メリオドギネ − すなわち「根こぶ線虫」にちなむ)であり、移動性内部寄生虫を典型的に代表している。

    ガンバーグB5培地(GIBCO Rラボラトリーズ、ニューヨーク州グランドアイランド)中で、切り取ったトウモロコシ根でプラチレンクス種を無菌的に生育させた。 ツァイ(Tsai)及びバン・ガンディ(van Gundy)[J. Nematol. 22巻(3号)327-332頁]に記述されたとおりに、第3-4齢幼虫を使用して、24穴検定プレート(コーニング#25820)中で生物検定を行なった。 各穴に約20匹の線虫を入れた。 計80-160匹の線虫を各処理に使用した。 手で支えるダウンスホモジナイザーを使用して、水溶液中にタンパク試料を懸濁させた。

    致死率は処置の3日又は7日後に肉眼で評価された。 幼虫がほぼまっすぐになっていて、先の尖っていない探り針でつついても動かず、反応しないものは、死にかかっていると考えられた。 代表的な結果は以下のとおりである。
    毒素 率(ppm) 処置後日数 致死率%
    PS33F2 75 3 78
    0 3 12

    PS52A1 200 7 75
    0 7 5

    実施例6 パナグレルス・レジビブスに対するB・スリンギエンシス分離体の活性 ぜん虫を管に集め、約15分落着かせ、水を傾斜させ、水が澄んでくるまで、3回か4回新しい水と取り替える。 250μlのリンスした線虫(20-30匹)と胞子/結晶懸濁液100μlをトレーの各穴の中の650μlの水に添加する。 線虫類を数え、数を記録する。 4日後、生きている虫を数え、致死率を計算する。
    〔生物検定結果〕
    先行技術(USSN 084,653、1987年8月12日出願)
    Bt菌株番号 致死率
    PS17 90%
    PS33F2 30%
    PS52A1 100%
    PS63B 92%
    PS69D1 100%
    新規なBt菌株番号
    PS80JJ1 99%
    PS158D5 99%
    PS167P 96%
    PS169E 100%
    PS177F1 96%
    PS177G 100%
    PS204G4 100%
    PS204G6 100%
    対照 0%
    次の表は、先行技術のBt菌株と比較した、各々の新規な線虫活性菌株におけるアルカリ可溶性タンパク分子の長さを示す。
    先行技術の線虫活性菌株
    Bt菌株 タンパク分子の大体の長さ(kDa)
    PS17 155, 145, 135
    PS33F2 140, 94, 86, 68, 65, 62
    PS52A1 57, 45
    PS63B 84, 82, 78
    PS69D1 135, 46, 32
    新規な線虫活性菌株
    Bt菌株 タンパク分子の大体の長さ(kDa)
    PS80JJ1 130, 90, 47, 37
    PS158D5 80
    PS167P 120
    PS169E 150, 128, 33
    PS177F1 140, 116, 103, 62
    PS177G 135, 125, 107, 98, 62
    PS204G4 105, 98, 90, 60, 44, 37
    PS204G6 23, 21

    実施例7 ファスキオラ・ヘパチカに対する活性
    Btタンパクを発現する野性型Bt分離体及び組替え微生物が生産する毒素を、その殺吸虫活性について試験した。
    生体外培養基(37℃、5%CO 2 )は、イバラ(Ibarra)及びジェンキンズ(Jenkins)[Z. Parasitenkd. 70巻655-661頁、1984年]の変法によった。 培養基培地は、50%v/vうさぎ血清及び2%v/vうさぎRBCを加えたRPMI(pH 7.5)からなっていた。
    〔試験化合物〕 下記の実験で、肝臓吸虫への種々の物質の影響を試験し、比較した。 本明細書で使用される化合物PS17は、上記のように、BtPS17の培養基から回収精製される毒素のことである。 化合物PS17aは、BtPS17aと指定されるBt遺伝子で形質転換された組替え微生物の培養基から回収精製された毒素のことである。 化合物Cは、陰性対照として使用された処方剤ブランクである。 ABZは、スミスクリン・ビーチャム社(ネブラスカ州リンカーン)から得られる薬剤アルベンダゾールのことである。 化合物PS17、PS17a、及びCは100 ppmで培地に直接添加され、ABZは培地添加に先立って、無水エタノール100μlに溶解された。
    〔効力の基準〕 倒立顕微鏡を40Xで使用し、吸虫を未処理対照吸虫と比較して、死亡、致死率の乱れ、又は形態的変化によって証拠づけられる薬剤処理の効果について、3-8時間に毎時間、次いで1日1回又は2回の検査を行なった。
    実験的に感染させたうさぎの肝臓から取り出した生後3週間のファスキオラ・ヘパチカを、1.6 cmのリンボ培養基プレート穴(培地2 ml、各穴に4-6匹)中で5日間、生体外で培養した。 5日間の培養後、化合物PS17a(100 ppm、5匹)、化合物PS17(100 ppm、6匹)を含有する培地と未処理対照培地(4匹)に吸虫を移した。 化合物PS17a中では、18時間までに全吸虫が死亡した。 化合物PS17中では、培地対照中の生存吸虫3匹に比べ、24時間に1匹のみ生存した(動きはにぶい)。 形態的検査のため全吸虫を固定し、染色した。 死亡吸虫の分析に起因するものを除いて、明白な形態的変化は観察されなかった。 5日の培養前期間中、吸虫は活発な状態にあり、明らかに活発な消化機能をもって培地からRBCを摂取するのが見られた。

    表1. 未成熟F・ヘパチカ(生後3週、うさぎ起源)の生存数
    化合物PS17a 化合物PS17
    観察時間 100 ppm 100 ppm 培地対照
    0 5 6 4
    5分 5 6 4
    1時間 5 6 4
    2時間 5 6 4
    3時間 5 6 4
    6時間 5 6 4
    8時間 5 6 4
    18時間 0 4(動きにぶい) 3
    24時間 1(動きにぶい) 3

    自然感染の子牛から回収された成熟吸虫4匹を、培地5 mlの入った25 cm 2組織培養基フラスコ中で、別個に24時間生体外培養し、次に化合物PS17a(100 ppm)、化合物PS17(100 ppm)、ABZ(10 ppm)又は未処理培地を含有する同様なフラスコに移した(表2)。 化合物PS17a中の吸虫は、10時間と18時間のあいだに死亡し、化合物PS17中では18時間と20時間のあいだ、またABZ中では64時間までに死亡した。 培地対照吸虫は、混濁と黄色の培地着色で証拠立てられるように、汚染との関連で、72時間に死亡した。

    これらの吸虫は、試験開始に先立って5日間、RPMI 49% + うさぎ血清49% +うさぎRBC2%中で培養された。 実験は24時間後に終り、形態的検査のため全吸虫を固定した。 致死に先立つ吸虫の行動は、動きの不活発と培地表面へ口の吸盤を向けることを伴っていた。 死亡時に体は収縮し、分解に先立って弛緩する。

    表2. 成熟吸虫生存数
    化合物PS17a 化合物PS17 アルベンダ
    観察時間 100 ppm 100 ppm ゾール10 ppm 培地対照
    0 1 1 1 1
    5分 1 1 1 1
    1時間 1 1 1 1
    2時間 1 1 1 1
    3時間 1 1 1 1
    6時間 1 1 1 1
    8時間 1 1 1 1
    10時間 1 1 1 1
    18時間 0 1 * 1 1
    20時間 0 1 1
    31時間 1 1
    60時間 1 1
    64時間 0 1
    72時間 0 **
    * にぶい動き
    ** 体が収縮し、くねっている。 培地は混濁。

    実施例8
    既知の効力をもった薬剤アルベンダゾール(ABZ)及び未処理培地対照とに対する化合物PS17とPS17aの効力を試験するために、追加実験を行なった。 試験は、1) 自然感染の子牛から取り出された成熟吸虫、及び2) うさぎ起源の生後5週間の未成熟吸虫、に対して行なった。

    〔未成熟吸虫〕 生後5週間の未成熟F・ヘパチカを、実験的に感染させたうさぎ肝臓から取り出し、三重試験で培養基培地(1.6 cmリンボ培養プレート、穴当たり2-3匹)に入れた。 次に化合物PS17a(100 ppm)、化合物PS17(100 ppm)、アルベンダゾール(ABZ, 10 ppm)、又は未処理培地(表3)各2 mlを含有する同様なリンボプレートに吸虫を移した。 化合物PS17aでは、7匹中全部が20時間までに死亡した。 暴露後8時間で、にぶい動きが認められた。 化合物PS17では、致死率(7匹中2匹)と生存吸虫のにぶい動きが20時間で認められ、31時間で7匹中5匹が死亡した。 48時間では、全吸虫が死亡した。 ABZ陽性対照では、7匹中1匹が20時間で死亡し、31時間までに4匹が死亡し、残りの吸虫は60時間までに死亡した。 未処理対照培地では、31時間に7匹中2匹、48時間に3匹、55時間に4匹、60時間に5匹、及び72時間に7匹全部が死亡した。 (注:暴露後35時間で、幾つかの穴の表層が混濁したきた。全吸虫をRPMI中で洗い、元の薬剤濃度で新しい培地を含有する穴に移した。)

    〔成熟吸虫〕 肝蛭症のため廃棄処分にされた子牛肝臓3個(ロウチャー・ミートパッキング社、ルイジアナ州プラークマイン)から取り出した成熟吸虫を、無菌食塩水で洗い、食塩水中に保持し(2-3時間)、化合物PS17a(100 ppm)、化合物PS17(100 ppm)、アルベンダゾール(ABZ, 10 ppm)、又は未処理培地(表4)を含有する25 mlの組織培養フラスコ2個の各々に4匹の吸虫を入れた。 化合物PS17aでは10-11時間に、化合物PS17では20時間に全吸虫が死亡した。 ABZ中では、48-54時間に吸虫が死亡した。 対照培地では2匹が48時間に死亡し、66時間までに全吸虫が死亡した。 (注: 31-48時間にフラスコの汚染が認められた。)

    表3. 未成熟吸虫(うさぎ起源、生後5週間)の生存数
    化合物PS17a 化合物PS17 アルベンダ
    観察時間 100 ppm 100 ppm ゾール10 ppm 培地対照
    W1 W2 W3 W1 W2 W3 W1 W2 W3 W1 W2 W3
    0 2 2 3 2 2 3 2 2 2 2 2 3
    5分 2 2 3 2 2 3 2 2 2 2 2 3
    1時間 2 2 3 2 2 3 2 2 2 2 2 3
    2時間 2 2 3 2 2 3 2 2 2 2 2 3
    3時間 2 2 3 2 2 3 2 2 2 2 2 3
    6時間 2 2 3 2 2 3 2 2 2 2 2 3
    8時間 2 * 2 * 3 * 2 2 3 2 2 2 2 2 3
    20時間 0 0 0 2 * 2 * 1 * 2 2 2 2 2 3
    31時間 1 * 0 1 * 1 1 1 2 2 1
    35時間 注:幾つかの穴の表層は混濁していた。 培地を代え、吸虫をRPMIの
    みで洗った。 洗った生存吸虫を、元の濃度の薬剤を加えた新し
    い培地に移した。
    48時間 0 0 0 1 1 1 1 2 1
    55時間 1 1 1 1 2
    60時間 0 0 0 1 * 1 * 0
    72時間 0 0 0
    * 動きのにぶい吸虫。

    表4. 成熟吸虫(牛起源)に対する効果
    化合物PS17a 化合物PS17 アルベンダ
    観察時間 100 ppm 100 ppm ゾール10 ppm 培地対照
    フラスコ 1 2 1 2 1 2 1 2
    0 4 4 4 4 4 4 4 4
    5分 4 4 4 4 4 4 4 4
    1時間 4 4 4 4 4 4 4 4
    2時間 4 4 4 4 4 4 4 4
    3時間 4 4 4 4 4 4 4 4
    8時間 4 4 4 4 4 4 4 4
    10-11時間 0 0 4 4 4 4 4 4
    18時間 4 * 4 * 4 4 4 4
    20時間 0 0 4 4 4 4
    31時間 4 4 4 4
    48時間 2 3 4 2
    注: 31-48時間に明白なフラスコ内の汚染
    54時間 0 0 3 1
    66時間 0 0
    * にぶい動き

    実施例9
    廃棄処分の子牛肝臓の胆管から吸虫を回収し、無菌のRPMI中で10-20匹ずつの群で2-3時間洗った。 6穴リンブロ組織培養基プレート(サイズ10 ml)の、処理又は未処理培地4 mlを含有する各穴で、1匹ずつの吸虫を培養した。 知られた殺吸虫活性をもたない処方ブランク(化合物C)も試験した。 潜在的汚染源を確認するために、2%RBCを加えた培地対照と2%RBCなしの培地対照を包含する追加の対照を加えた。 ABZ濃度を25 ppmに高めた。 汚染源の制御のため、薬剤又は培地のみを含有する対照穴も含まれた。

    この実験は、12のレプリカを包含した(表5)。 これらレプリカのうち6は処理又は未処理培地のみの穴に対応した。 化合物PS17aについては、12匹全部が12時間までに死亡し、弱い動きが10時間の早い時期に観察された。 化合物PS17の吸虫全部は19時間又は24時間の観察期までに死亡した。 化合物Cの吸虫致死率は、36-58時間に観察された。 2%RBCを加えた培地と2%RBCを加えない対照培地では、1匹が36時間に、2匹が58時間に、及び3匹が72時間に死亡した。 1匹は、2%RBCを加えた培地で115時間生存した。
    12レプリカのうち8匹、及び対応培地対照の6匹のうち2匹については、暴露後24時間で、吸虫を入れた穴と吸虫を入れない穴とも、培地を選択的に変更した。 この余分の取扱い手順で、培地の混濁と黄変から証拠づけられるように、明らかに汚染のため、8レプリカのうち6匹が58時間までに死亡する結果となった。 24時間で培地を変えた2レプリカは、汚染されなかった。 6培地対照(吸虫なし)レプリカは、115時間の培養中、汚染されなかった。

    表5. 成熟ファスキオラ・ヘパチカ(牛起源)に対する生体外効力
    化合物 化合物 化合物 ABZ 培地 培地時間 PS17a PS17 C RBC RBC
    100 ppm 100 ppm 100 ppm 25 ppm なし あり
    1 12 12 12 12 12 12
    2 12 12 12 12 12 12
    3 12 12 12 12 12 12
    10 12 * 12 12 12 12 12
    14 0 12 12 12 12 12
    19 10 12 12 12 12
    24 0 12 11 12 12
    36 8(5) 1 7(4) 11(5) 11(5)
    44 4(3) 5(2) 11(5) 11(5)
    58 ** 0(0) 2(0) 5(0) 5(0)
    74 1 4 4
    98 0 1 2
    115 0 1
    * 弱い動きのみ。

    1 (24時間に培地変更を受けたレプリカ中の吸虫生存数)
    ** 24時間に培地変更を受けた8レプリカ中6で、恐らく追加取扱いに関連する汚染のため、全吸虫が58時間に死亡した。 24時間に変更を受けた培地対照の2レプリカは、汚染されなかった。

    実施例10 毒素遺伝子の植物への挿入 本明細書で明らかにされている新規な殺虫剤毒素をコードした新規な遺伝子は、アグロバクター・ツメファシエンス(Agrobacter tumefaciens)からのTiプラスミドを使用して、植物細胞へ挿入できる。 次に植物細胞を植物へ再生させる[ザンブリスキ・ピー(Zambryski, P.)、ジョース・エッチ(Joos, H.)、ジェンテロ・シー(Gentello, C.)、リーマンス、ジェイ(Leemans, J.)、バン・モンタギュー・エム(Van Montague, M.)、及びシェル・ジェイ(Schell, J.)(1983年)Cell 32巻1033-1043頁]。 この点で、特に有用なベクターはpEND4Kである[クリー・エッチ・ジェイ(Klee, HJ)、ヤノフスキー・エム・エフ(Yanofsky, MF)及びネスター・イー・ダブリュー(Nester, EW)(1985年)Bio/Technology 3巻637-642頁]。 このプラスミドは、植物細胞と細菌中で複製でき、パッセンジャー遺伝子に対して複数のクローニング位置をもっている。 例えば毒素遺伝子はpEND4KのBamHI位置へ挿入され、大腸菌中で増殖し、適当な植物細胞へ形質転換される。

    実施例11 新規なB.スリンギエンシス遺伝子のバクロウイルスへのクローニング 本発明の新規な遺伝子を、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核ポリヘドロシスウイルス(AcNPV)のようなバクロウイルスへクローン化できる。 pUC8のような市販のクローニングベクターにクローン化されたAcNPVゲノムを含有するプラスミドを構築できる。 AcNPVゲノムを変更し、ポリヘドリン遺伝子のコード領域が除かれて、パッセンジャー遺伝子の特異なクローニング位置がポリヘドリンプロモータの真後ろに置かれるようにする。 このようなベクターの例はペノックら[ペノック・ジー・ディー(Pennock,GD)、シューメーカー・シー(Shoemaker, C.)及びミラー・エル・ケイ(Miller,LK)(1984年)Mol.Cell Biol.4巻399-406頁]に記述されたpGP-B6874、及びスミスら[スミス・ジー・イー(Smith,GE)、サマーズ・エム・ディー(Summers, MD)及びフレーザー・エム・ジェイ(1983年)Mol. Cell Biol.3巻2156-2165頁]に記述されたpAC380である。 本発明の新規なタンパク毒素をコードした遺伝子は、コード領域から上流及び下流の適当な領域で、BamHIリンカーによって変更でき、AcNPVベクター類の一つのもののパッセンジャー位置に挿入できる。

    本明細書に記載の実施例及び態様は、例示目的だけのものであり、これらに関する種々の変更が当業者に示唆され、かつ本出願の精神と目的、及び添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解されよう。

    連続して配列1即ち、PS17aのDNAを明らかにしている。

    連続して配列1即ち、PS17aのDNAを明らかにしている。

    連続して配列2即ち、PS17aによってコード化された毒素のアミノ酸配列を明らかにしている。

    連続して配列2即ち、PS17aによってコード化された毒素のアミノ酸配列を明らかにしている。

    連続して配列3即ち、PS17bのDNAを明らかにしている。

    連続して配列3即ち、PS17bのDNAを明らかにしている。

    連続して配列4即ち、PS17bによってコード化された毒素のアミノ酸配列を明らかにしている。

    連続して配列4即ち、PS17bによってコード化された毒素のアミノ酸配列を明らかにしている。

    連続して配列5即ち、PS33F2からの遺伝子のヌクレオチド配列である。

    連続して配列5即ち、PS33F2からの遺伝子のヌクレオチド配列である。

    連続して配列6即ち、PS33F2からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

    連続して配列6即ち、PS33F2からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

    連続して配列6即ち、PS33F2からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

    連続して配列6即ち、PS33F2からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

    連続して配列6即ち、PS33F2からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

    連続して配列6即ち、PS33F2からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

    配列7即ち、PS52A1からの遺伝子のヌクレオチド配列である。

    連続して配列8即ち、PS52A1からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

    連続して配列8即ち、PS52A1からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

    配列9即ち、PS69D1からの遺伝子のヌクレオチド配列である。

    連続して配列10即ち、PS69D1からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

    連続して配列10即ち、PS69D1からの遺伝子によって発現されるタンパクのアミノ酸配列である。

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