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Transformation production of Ec-sod

阅读:687发布:2022-09-30

专利汇可以提供Transformation production of Ec-sod专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且(57)【要約】 本発明はヒトEC−SODの 生物 活性を有するSEQ ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列からなる哺乳動物発現システムに関する。 哺乳動物発現システムは好ましくはウサギ、マウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、豚、ラマ、ラクダとウシ種からなる群から選択される。 本発明は変異型が、変異型T216、T215、T213、T209、SAT216、SRT216、SA219、SA220とSA211−213のようなヒトEC−SODタイプCに比較して減少したヘパリン親和性を有する及び変異型が、変異型SA216、SA216/218とSA216/220のようなヒトEC−SODタイプCに比較して増加したヘパリンに親和性を有する発現システムを含む。 また本発明は、DNAフラグメント、ハイブリッド遺伝子、発現ベクター、細胞、上述したEC−SODを発現することができる形質転換非ヒト哺乳動物を産生する方法及び非哺乳類発現EC−SODである。,下面是Transformation production of Ec-sod专利的具体信息内容。

  • 【特許請求の範囲】 1. ヒトEC−SODの生物活性を有するSEQ ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列からなり、そのDNA配列は、ハイブリッド遺伝子を有する非ヒト哺乳動物の成人雌の乳腺で発現できるハイブリッド遺伝子を形成するように哺乳動物の乳蛋白をエンコードする遺伝子の調節要素と結合され、従ってそのDNA配列によってエンコードされたポリペプチドがハイブリッド遺伝子が発現されたとき生産される哺乳動物発現システム。 2. 乳蛋白をエンコードする遺伝子が、乳漿酸性蛋白(WAP)遺伝子、β−ラクトグロブリン遺伝子とカゼイン遺伝子からなる群より選択される請求項1による発現システム。 3. ポリペプチドの変異型が、SEQ ID No2に示したアミノ酸配列と少なくとも85%相同である請求項1による発現システム。 4. ポリペプチドをエンコードするDNA配列が、SEQ ID No1に示したDNA配列またはその一部でハイブリッド化のものである請求項1による発現システム。 5. ポリペプチドをエンコードするDNA配列が、少なくとも1つのイントロン配列を含有する請求項4による発現システム。 6. ポリペプチドをエンコードするDNA配列が、シグナルペプチドをエンコードするDNAで先行される請求項1による発現システム。 7. シグナルペプチドが、ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列と結合したシグナルペプチドと乳蛋白と結合したシグナルペプチドからなる群から選択される請求項6による発現システム。 8. 非ヒト哺乳動物が、ウサギ、マウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、豚、ラマ、ラクダとウシ種からなる群から選択される請求項1による発現システム。 9. 変異型が、ヒトEC−SODタイプCに比較して減少したヘパリン親和性を有する請求項1による発現システム。 10. 変異型が、変異型T216、T215、T213、T209、SAT21 6、SRT216、SA219、SA220とSA211−213からなる群より選択される請求項9による発現システム。 11. 変異型が、ヒトEC−SODタイプCに比較して増加したヘパリン親和性を有する請求項1による発現システム。 12. 変異型が、変異型SA216、SA216/218とSA216/220 からなる群から選択される請求項11による発現システム。 13. ヒトEC−SODの生物活性を有するSEQ ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列からなり、そのDNA配列が少なくとも1つのイントロン配列からなるDNAフラグメント。 14. DNA配列が、少なくとも1つのヌクレオチドが削除、 置換または修飾されているかまたは少なくとも1つの付加ヌクレオチドが挿入されていることで、SEQ ID No1で示したDNA配列から異なる請求項1 3によるDNAフラグメント。 15. DNA配列が1)好ましくは緊縮ハイブリッド形成条件下でSEQ IDNo1で示したDN A配列またはその特異部分とハイブリッド化する2)アミノ酸配列がSEQ ID No2に示したアミノ酸配列と少なくとも8 5%相同であるポリペプチドをエンコードする、または3)前記DNA配列の有効サブシーケンスからなる請求項14によるDNAフラグメント。 16. DNA配列が、変異型T216、T215、T213、T209、SAT 216、SRT216、SA219、SA220、SA211−213、SA2 16、SA216/218とSA216/220からなる群から選択された変異型をエンコードしている請求項14によるDNAフラグメント。 17. DNA配列が、cDNA、ゲノムDNA、混合のcDNAとゲノムDNA 、混合のcDNAと合成DNAまたは混合のゲノムDNAと合成DNAに由来している請求項14によるDNAフラグメント。 18. ヒトEC−SODの生物活性を有するSEQ ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたは変異型をエンコードするDNA配列からなりそのDNA配列が哺乳動物の乳蛋白をエンコードする遺伝子の調節要素と結合しているハイブリッド遺伝子。 19. 乳蛋白をエンコードする遺伝子が、乳漿酸性蛋白(WAP)遺伝子、β− ラクトグロブリン遺伝子またはカゼイン遺伝子からなる群から選択される請求項18によるハイブリッド遺伝子。 20. 変異型が、変異型T216、T215、T213、T209、SAT21 6、SRT216、SA219、SA220、SA211−213、SA216 、SA216/218とSA216/220からなる群から選択される請求項1 8によるハイブリッド遺伝子。 21. DNA配列が、少なくも1つのイントロン配列からなる請求項18によるハイブリッド遺伝子。 22. SEQ ID No1に示したDNA配列またはその変異型からなり、そのDNA配列は少なくとも1つのイントロン配列からなり前記DNA配列の発現を仲介しうるものである、ヒトEC−SODの生物活性を有するSEQ ID No1に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列を担持する複製発現ベクター。 23. DNA配列が、少なくとも1つのヌクレオチドが削除、置換または修飾されているかまたは少なくとも1つの付加ヌクレオチドが挿入されていることでS EQ ID No1に示したDNA配列と異なる請求項22による複製発現ベクター。 24. DNA配列か請求項13〜21の何れかに定義されたものである請求項2 2による複製発現ベクター。 25. ブタベスト条約の規定により受理番号DSM8335としてDSMのコレクションに1993年6月7日に寄託されたpS172と表示した請求項22による複製発現ベクターとその寄託発現ベクターのDNA配列と異なるDNA配列を発現する発現ベクター。 26. 発現されたDNA配列が、EC−SODの生物活性を有するポリペプチドをエンコードするDNA配列になるように少なくとも1つのヌクレオチドが削除、置換または修飾されるかまたは少なくとも1つの付加ヌクレオチドが挿入されていることで寄託ベクターのDNA配列から異なるものである請求項25による複製発現ベクター。 27. 請求項22〜26の何れかに定義されたベクターを有する細胞。 28. 単一細胞性真核細胞または多細胞性有機体からの細胞からの群から選択される請求項27による細胞。 29. 非ヒト哺乳動物由来である請求項28による細胞。 30. 請求項1〜12の何れかにクレームした少なくとも1つの発現システムを、非ヒト哺乳動物のゲノムに、下記ポリペプチドをエンコードするDNAが非ヒト哺乳動物の乳腺で発現されるように導入し、乳腺から分泌された乳を採取し、 乳から組換えポリペプチドを回収し、任意に精製することからなるヒトEC−S ODの生物活性を有するSEQ ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型を生産する方法。 31. 後記ポリペプチドをエンコードする少なくとも1つのDNA配列を非ヒト哺乳動物のゲノムに染色体的に導入することからなるヒトEC−SODの生物活性を有するアミノ酸配列SEQ ID No1を有するポリペプチドまたはその変異型を発現できる形質転換非ヒト哺乳動物を生産する方法。 32. 請求項1〜12の何れかに定義の少なくとも1つの発現システムまたはそのサブシーケンスをその発現システムを哺乳動物の生殖細胞系に導入するように、哺乳動物の受精卵または胚の細胞に注射し、得られる注射した受精卵または胚を成人雌哺乳動物に発育させることからなる請求項31による方法。 33. 発現システムまたはそのサブシーケンスの1〜10コピーが注射される請求項30〜32の何れかによる方法。 34. 発現システムまたはそのサブシーケンスの1〜7コピーが注射される請求項33による方法。 35. 注射される発現システムが、EC−SODの2つの異なる変異型をエンコードする少なくとも2つの異なるDNA配列からなる請求項33または34による方法。 36. 生殖細胞と体細胞が、非ヒト哺乳動物ゲノムまたはその非ヒト哺乳動物の祖先のゲノムに染色体導入の結果としてヒトEC−SODの生物活性を有するアミノ酸配列SEQ IDNo2を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列を含む形質転換非ヒト哺乳動物。 37. DNA配列が、請求項13〜21の何れかに定義のDNA配列である請求項36による形質転換非ヒト哺乳動物。 38. DNA配列が、哺乳動物の乳蛋白遺伝子に存在している請求項37による形質転換非ヒト哺乳動物。 39. 請求項31〜34の何れかに定義された方法で作られる請求項36による形質転換非ヒト哺乳動物。 40. ウサギ、マウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、豚、ラマ、ラクダと牛種からなる群から選択される請求項36〜39の何れかによる形質転換非ヒト哺乳動物。 41. ヒトEC−SODの生物活性を有するアミノ酸配列SEQ ID No2 を有するポリペプチドまたはその変異型と乳成分とからなる形質転換非ヒト哺乳動物の乳。 42. 乳が請求項36〜40の何れかに定義された形質転換哺乳動物から得られる請求項41による乳。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 EC−SODの形質転換生産 この発明は、ヒト細胞外スパーオキシドジスムターゼ(ECーSOD)をエンコードするか、形質転換(トランスジェニック)非ヒト哺乳動物の産生により天然の細胞外スパーオキシドジスムターゼのスパーオキシド不均化性を有する前記デスムターゼ蛋白の変異型をエンコードするDNA配列からなる哺乳動物発現システム、およびEC−SODまたはその変異型を表現しうる形質転換哺乳動物に関する。 さらに、この発明は組換えヒトEC−SODまたはその変異型の産生に有利に使用されるゲノムDNA配列に関する。 酸素の存在下での生体は、各種の生体酸化に関して形成されるスパーオキシドラジカルのような毒性の酸素還元代謝物に対する多数の防御機構の発生をしいられている。 防御因子には、スパーオキシドラジカルを不均化し、哺乳動物の細胞と組織に比較的一定量見出されるスパーオキシドジスムターゼ(SOD)がある。 分泌細胞外スパーオキシドジスムターゼ(EC−SOD)は哺乳動物に存在する3つの異なるSODイソエンチームの1つである〔1〕。 血漿、リンパ液または関節液には主要なイソ酵素があるが、主に組織の間隔に存在する〔6−8〕。 他の2つのイソ酵素は、細胞内サイトゾル酵素である二量CuZn−SODとミトコンドリヤマトリックスに見出される四量Mn−SODである〔9−11〕。 ヒトEC−SODcDNAが単離、シーケンス化されて〔12〕、その組換え蛋白が哺乳動物の細胞で産生されている(WO87/01378)。 SEQ ID No. 1で示したDNA配列はアミノ酸残基1−222に対応するcDNA配列の1部である。 EC−SODは分泌蛋白であり、また完全cD NAは成熟および組換えEC−SODにない18アミノ酸長のシグナル配列をエンコードしている〔12〕。 cDNA配列から演澤されるように、成熟酵素のサブユニットの分子量は、24,200である。 炭化素置換分の正確なサイズは未知であるが、ゲルクロマトグラフィでの見掛け分子量は140−150kDa である。 EC−SODは糖蛋白含有の四量CuとZnである。 SDS−ページ電気泳動上、サブユニットは30−32kDAの分子量を示す。 配列は1つのグリコシル化部位A sn −89を含む。 四量体は4つのCuと4つのZn原子を含み、 各サブユニットは1つの銅と1つの亜鉛原子を結合している。 金属原子を含む活性部位が、細胞内CuZnSOD sの活性部位に相同である。 アミノ酸配列1−96を構成するEC−SODの部分は、ポリペプチドのオリゴマーの形成に含まれると考えられ、一方アミノ酸配列97−193を構成するEC−SODの部分は酵素の活性部位からなると考えられる。 天然蛋白のグルカンは完全な研究がされていないが、成熟酵素は、レクチン類コンカナバリンA、小麦胚レクチンとレンチルレクチンに結合する。 EC−SO Dの基本的かつ顕著な性質は、ヘパリンやヘパリン硫酸塩のようなある種のグリコサミノグルカン類への親和性である〔1,3,4,16,17〕。 細胞表面の糖衣と結合組織マトリックスに存在する後者はEC−SODの重要な生理的リガンドである。 この親和性によって、EC−SODは導管内で、血漿相と内皮の糖衣との平衡を形成する〔3 ,4,15,16〕。 組織ては、全てのEC−SODは、実質的に間質スペースを細胞表面でヘパリン硫酸塩に固定されて存在する〔8〕。 静注で、EC−ODは急速に内皮の表面に結合し、導管内で長い半減期間(1 5〜20時間)を示す〔8,15〕。 経口投与すると、CuZn−SODは治療作用のホストを奏することか分っている〔21−25〕。 EC−SODでの実験は比較的少ない〔26−33〕が、このイソ酵素はより強いように思われる。 この高い効は、明らかに酵素の特異な薬力学的性質に関連している。 酵素のヘパリン結合ドメインは、陽荷電のカルボキシ末端にある〔19〕。 このドメインは容易に蛋白分解され、〔20〕生体内でヘパリン親和性が減少しかつ欠けたEC−SOD型となる〔8〕。 組織と血漿から単離したEC−SODはヘパリン親和性に関して異質であり、 ヘパリン−セファローズでのクロマトグラフィーで3つのサブクラスに分けることができる。 結合しないA、中間の親和性を有するBと比較的強いヘパリン親和性を有するC。 生体内で、ヘパリン親和性の相関は、細胞表面と間質結合組織で起こるヘパリン硫酸塩プロテオクルカンへの結合である。 ヘパリンの注射で、結合酵素は、ヘパリン硫酸塩の代りにヘパリンに結合するため血漿に放出される。 EC−SODCは、体内の殆どの細胞タイプの表面に結合するとみられるが、 主な例外は、赤血球と中性好性白血球である。 各種のE. コリとの結合は証明されていない。 この結合パターンは、EC−SODCが体内の殆どの正常細胞を保護するポテンシャルを有し、親和性を欠く生物を保護せずかつ活性化された中性好性白血球の表面で作られたスパーオキシド基とあまり干渉をしないとみられる。 血漿中で、EC−SOD AとEC−SOD Bはごく少量で組織中に存在するとみられることから、定量的に重要であるとみられる。 今日までの研究で、天然環境特に血漿中で、3つのタイプのEC−SODが存在することが示されている。 加えて、EC−SODは、血漿と内皮表面の間の平衡を形成している。 組換えEC−SODが、乳房細胞、酵母と細菌中で産生されている。 しかし、 組換えEC−SODをコスト面で有効で大規模に産生することはできていない。 組換え遺伝子の形質転換動物での発現と形質転換動物を一般に作ることが報告されている。 例えば、米国特許第4,736,866号は、c−mycガン遺伝子を持つ形質転換マウスを開示している。 Ouryら〔54〕は、ヒトβ−アクチンプロモータのコントロール下でEC−SOD cDNAを持つ形質転換マウスの発生を報告している。 これら2つの報告での形質転換動物は、動物疾患モデルとしてまた特異酵素の生理機能の研究用に使用するに発生されている。 形質転換動物での組換え蛋白の産生に関する報告には次のものがある。 PCT 公告 WO 82/04443号(マウス接合子の前核に注射したウサギβ−グロビン遺伝子DNAフラグメント);EPO公告0264166号(乳房組織特異表現用の乳漿酸性蛋白プロモータのコントロール下での肝炎B表面抗原と組織プラスミノーゲンアクチベータ遺伝子);EPO公告0247494号(各種の型のインシュリンをエンコードする異種DNA含有の形質転換マウス);PCT 公告WO 88/00239号(乳漿蛋白プロモータのコントロール下での因子IXをエンコードするDNAの組織特異発現);PCT公告W0 88/016 48号(乳房ラクトゲン誘因調節領域と異種蛋白をエンコードする構造領域とからなる組換え発現システムを含有する乳房分泌細胞を有する形質転換哺乳動物) ;EPO公告0279582号(形質転換マウスでのラットβ・カゼインプロモータのコントロールでのトクロラムフエニコールアセチルトランスフエラーゼの組織特異発現);WO 91/03551号(形質転換動物の乳での生長ホルモンの産生)とWO91/08216号(ウシ種と形質転換法による組換えポリペプチドの産生)。 異なった乳蛋白遺伝子からの遺伝子コントロール要素が、形質転換動物のミルクでの組換え蛋白の直接生産に用いられている〔34−36〕 。 農場動物でのこのような形質転換技術を用いることは、医薬的蛋白を乳で生産する可能性を示すものである。 多くのcDNAと形質転換フラグメントが今日まで形質転換動物での乳線発現系で評価されているにもかかわらず、発現のレベルに影響する因子を規定するのは困難である。 このルートで生産された組換え蛋白の事後翻訳修正の詳細な分析に関した定性的観点に限られた注目がなれさており、蛋白の機能が事後翻訳修正に密接に関連している形質転換動物からの乳での酵素的官能性マルチマー金属蛋白の生産は報告されていない。 発明の要約 この発明の目的は、組換えヒトEC−SODを高収率で、生産する手段を提供することにある。 従って、1つの観点で、この発明はヒトEC−SODの生物活性を有するSE Q ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列からなり、そのDNA配列は、ハイブリッド遺伝子を有する非ヒト哺乳動物の成人雌の乳腺で発現できるハイブリッド遺伝子を形成するように哺乳動物の乳蛋白をエンコードする遺伝子の調節要素と結合され、従ってそのDNA配列によってエンコードされたポリペプチドがハイブリッド遺伝子が発現されたとき生産される哺乳動物発現システムに関する。 他の観点において、この発明はSEQ ID No. 2に示したアミノ酸配列からなるポリペプチドをエンコードするDNA配列からなり、かつさらにそのD NA配列の少なくとも1つのイントロン配列または変異型で、 1)SEQ ID No. 1で示したDNA配列またはその特異部分で、好ましくは緊縮ハイブリッド形成条件下に、ハイブリッド化する、または 2)アミノ酸配列がSEQ ID No. 2で示したアミノ酸配列と少なくとも85%相同じであるポリペプチドをエンコードする、または 3)前記DNA配列の有効配列からなり、かつヒトEC−SODの生理活性を有するポリペプチドをエンコードするもの、からなるDNAフラグメントに関する。 上記の緊縮ハイブリッド形成条件は、通常の意味に理解されるべきである。 すなわち、下記の実施例の“定義”の箇所で特定した方法を使用し、ハイブリッド形成を67℃で2×SSCで行いかつ最終洗浄を67℃で1×SSCで行う。 用語“相同”とは、所定のポリペプチドのアミノ酸配列とSEQ ID No . 2に示したアミノ酸配列との同一性の程度を示すのに用いられる。 SEQ I D No. 2で示したアミノ酸配列と比較されるアミノ酸配列は、例えば上で定義したハイブリッド形成で得られたDNA配列から演繹でき、または通常のアミノ酸配列化法によって得ることができる。 相同の程度は、成熟ポリペプチドのアミノ酸配列で、すなわちリーダー配列を考慮することなく、決定するのが好ましい。 相同の程度は、SEQ ID No. 2に示したアミノ酸配列と、少なくとも90%、好ましくは少なくとも9 5%または98%に等しいような少なくとも85%であるのが好ましい。 上で用いた用語“有効サブシーケンス”とは、次に定義するようなヒトEC− SODの活性について官能的であるペプチドをエンコードするサブシーケンスに関する。 サブシーケンスは、DNA配列の何れかの末端での切除または、DNA 配列内の1以上のヌクレオチドの除去の結果であってもよい。 用語でヒトEC−SODの“生物活性”はEC−SODのスパーオキシド不均化活性(dismutating activity)と理解されるべきである。 サブシーケンスをエンコードしたペプチドは、ヒトEC−SODタイプCのヘパリン親和性と比較して、類似、増大または減少のヘパリン親和性を有してもよい。 この明細書で、用語“ヒトEC−SODタイプCのヘパリン親和性と比較して、類似、増大または減少のヘパリン親和性”とは、ペプチドが、組換えEC−S ODタイプCの結合(この結合は下記実施例で記載のように生体外でNaClでの溶離で評価)と、生理条件下でヘパリンに同じか、強くなくまたはより強い結合を有することを示す。 ヘパリン親和性は、ヘパリンに結合したときのポリペプチドを溶離するに要するNaClの濃度で決められる。 なお他の観点が、この発明は、上に定義した哺乳動物発現系を、哺乳動物の受精卵または胚の細胞に、前記発現系を哺乳動物の生殖系列に導入するように、注射し、かつ得られる注射した受精卵または胚をメス成人哺乳動物に発育させることからなる、この発明の組換えポリペプチドを発現しうる形質転換非ヒトの哺乳動物の生産方法に関する。 形質転換細胞または動物は、そのゲノム内に1以上の導入遺伝子を含む。 導入遺伝子はゲノムの遺伝子座で組込まれたDNA配列で、さもなくば形質転換DN A配列は、そのゲノムの遺伝子座が普通見出されない。 導入遺伝子は、異種DNA配列(他の種のゲノムに普通見出される配列)または相同DNA配列(同種のゲノムから誘導された配列)で作ることができる。 ここで使用した、“組換えポリペプチド(またはこれをエンコードする組換えDNA配列)は“異種ポリペプチド”である。異種ポリペプチドは、形質転換動物で通常生産されないポリペプチドである。 異種または相同ポリペプチドはそれぞれ、特異なアミノ酸・核酸配列で特性化される。しかし、このような配列は、天然に存在する対立遺伝子変異型および組換え法で生産した変異型を含むと理解されるべきで、そこでこのような核酸とポリペプチドの配列は、置換を生ずるように、その核酸配列中に1以上のヌクレオチドを置換、挿入及び/又は削除で修飾される。用語DNAを以下で使用するとき、DNAがRNAで置換できる多数の目的のために、用語DNAは、当業者に明らかなRNA具体例を含むと読まれるべきと理解すべきである。 更なる観点で、この発明は、このようなDNA配列を担持し表現できる複製しうる発現ベクター、このようなベクターを有する細胞、ポリペプチドの生産方法、形質転換動物それ自体とこのような形質転換動物からのミルクに関する。 発明の詳細な記述 この発明による哺乳動物発現系は、ヒトEC−SODの生物活性を有するSE Q ID No.2で示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列からなる発現系であることができ、そのDNA配列は、雑種遺伝子を宿る非ヒト哺乳動物の成人メスの乳腺で発現できる雑種遺伝子を形成し、DNA配列をコード化したポリペプチドが雑種遺伝子が発現されたとき生産させるように、哺乳動物の乳蛋白をエンコードする遺伝子の調節要素と結合されている。 以下で詳述するように、この発明による発現系は、多目的に、そのDNA配列が少なくとも1つのイントロン配列を含みかつ好ましくは少なくとも1つの許容RNAスプライスシグナルを含む発現系が好ましい。 例えば、乳蛋白をエンコードする遺伝子は、乳漿酸性蛋白(WAP)遺伝子、 β−ラクトグロブリン遺伝子またはカゼイン遺伝子から選択されたものであってよい。またこの発明は、このような雑種遺伝子からなる。 上記のように、発現系は、エンコードされたポリペプチドの変異型がSEQ ID No.2に示したアミノ酸配列と少なくとも85%相同であるものが好ましい。SEQ ID No.1に示したDNA配列と密接な構造関係を発現さす他の方法は、ハイブリッド化である。発現系は、そのポリペプチドをエンコードするDNA配列が、好ましくは実施例に記載のような緊縮ハイブリッド化条件下で、SEQ ID No1のDNA配列またはその一部でハイブリッド化するものであるようなものが好ましい。 興味なる具体例は、ヒトEC−SODの生物活性を有するポリペプチドをエンコードするDNA配列になるように、少なくとも1のつヌクレオチドが削除、置換または修飾され、または少なくとも1つの付加ヌクレオチドが挿入されている上記のDNA配列と異なる修飾DNA配列からなる。 他の観点で、この発明は、ヒトEC−SODの生物活性を有するSEQ ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列で、その配列が少なくとも1つのイントロン配列からなるD NAフラグメントに関する。 DNA配列は、次のものが好ましい。 1)SEQ ID No1で示したDNA配列またはその特異部分で、好ましくは緊縮ハイブリッド化条件下でハイブリッド化されたもの、または2)SEQ ID No2に示したアミノ酸配列と少なくとも85%相同であるアミノ酸配列のポリペプチドをエンコードするもの、または3)そのDNA配列の有効配列を構成するもの。 他の具体例で、DNAフラグメントは、少なくとも1つの許容RNAスプライスシグナルを含有する。 好ましい具体例で、DNAフラグメントは、SEQ IDNo1に示したDN A配列から実質的に構成される。 または、DNA配列は、上記したDNA配列と異なる修飾DNA配列でもよく、修飾DNA配列は少なくとも1つのヌクレオチドが削除、置換または修飾され、または、少なくとも1つの付加ヌクレオチドが挿入され、ヒトEC−SODのヘパリン親和性と比較して類似、増加あるいは減少しているヘパリン親和性を有するポリペプチドをエンコードするDNA配列になるものである。 例えば、変異型T216、T215、T213、T209、SHT216、SRT216、S A219、SA220、SA211−213、SA216、SA216/218 とSA216/220からなる群から選択された変異型である。 差異があるこれら変異型のC末端配列をFig1と配列リストに示す。 この明細書で、用語“遺伝子”は、ポリペプチド鎖の産生に含まれかつコード化部位の前と後の部位(5'−上流と3'−下流配列)を含むDNA配列ならびに介在配列、個々のコード化セグメント間(所謂エキソン)または5'−上流部位または3'−下流部位に配置される所謂イントロンを示すのに用いられる。 5 '上流部位は、遺伝子の発現をコントロールする調節配列、代表的にはプロモータからなる。 3'−下流部位は、遺伝子の転写の終結に含まれる配列と、任意に転写と3'−末翻訳部位のポリアゼニル化に応答の配列とからなる。 上記の調節または発現調節配列は、転写のコントロールに加え、RNA安定性とプロセシングに、少なくとも転写される程度に貢献する。 このような発現調節配列は、組換えDNAの組織特異またはセルタイプ特異発現を生産すべく選択される。 組織またはセルタイプが発現に選択されると、5' と任意3'発現調節配列が選択される。 一般に、このような発現調節配列は、主に選択された組織またはセルタイプで発現される遺伝子から誘導される。 これらの発現調節配列が得られる遺伝子は、実質的に、選択された組織またはセルタイプでのみで発現されるのが好ましく、このような組織またはセルタイプ中の導入遺伝子での組換えDNAの発現がトランスジエニック動物に有害でなければ他の組織および/またはセルタイプでの2次発現が許される。 特に好ましい発現調節配列は、扱われる動物の種に固有のものである。 しかし、ヒト遺伝子のもののような他の種の発現調節配列も使用できる。 ある場合には、発現調節配列と構造D NA配列(ゲノミックまたはcDNA)は、同一種からで、例えばそれぞれウシ種またはヒト源からである。 この場合に、発現調節配列とDNA配列は互いに相同である。 代わりに、発現調節配列とDNA配列(cDNAまたゲノミック)は、異なる種、例えばウシ種からの発現調節配列とヒト源からのDNAから得られる。 この場合に、発現調節配列とDNA配列は互に異種である。 次に内因性遺伝子からの発現調節配列を定義する。 この定義は、非内因性異種遺伝子からの発現調節配列にも適用できる。 一般に5'発現調節配列は複製開始配列の上流に内因性遺伝子の転写部分(5 '未翻訳部位または5'UTR)と官能性プロモータからなる上流でのフランキング配列を含む。 ここで用いた“官能性プロモータ”とは、転写を促進するためRNAポリメラーゼの内因性遺伝子への結合を支配する必要な未転写DNA配列のものを含む。 このような配列は、転写開始部位から一般に約25〜30ヌクレオチドにあるTATA配列またはボックスからなるのが代表的である。 TATA 配列は時々、近位シグナルとも呼ばれる。 多くの場合に、プロモータは、さらに、転写を開始するのに必要である近位シグナル(TATAボックス)の上流に位置する1以上の遠位シグナルからなる。 このようなプロモータ配列は、一般に転写開始部位の上流にある最始の100〜200ペプチド内に含まれるが、転写開始部位から500〜600ヌクレオチドまでまたはそれ以上延びることができる。 このような配列は、当業者にとって容易に明らかであるが標準法で容易に同定できる。 このようなプロモータ配列単独または5'未翻訳領域との組合せで、ここで“近位5'発現調節配列”と呼ぶ。 かかる近位5'発現調節配列に加えて、付加5'フランキング配列(ここで遠位5'発現調節配列と呼ぶ)も導入遺伝子に含まれるのが好ましい。 このような遠位5'発現調節配列は、 内因性遺伝子の発現を促進する1以上のエンハンサーおよび/または他の配列を含有し、結果として、遠位と近位5'発現調節配列に作動的に結合される構造D NA配列の発現を促進するとみられる。 5'発現調節配列は遺伝子発現の空間的かつ時間的分布を制御する。 遠位5'発現調節配列の量は、発現調節配列が誘導される内因性遺伝子による。 しかし、一般にこのような配列は、約1kbのフランキング領域、より好ましくは16kb最も好ましくは約30kbの5'フランキング配列からなる。 何れの特定の内因性遺伝子から使用される遠位5'発現調節配列の最適量の決定は、最適発現を得るのに遠位5'発現調節配列の量を変化させて容易に決められる。 一般に、遠位5'発現調節配列は、近位遺伝子に延びるほど大きくなく、導入遺伝子発現に逆効果をするDNA配列を含まないであろう。 加えて、3'発現調節配列は、組織または細胞タイプ特異発現を補うのにも含まれるのが好ましい。 このような3'発現調節配列は適切な内因性遺伝子からの3'近位と3'遠位発現調節配列を含む。 3'近位発現調節配列は組換えDNA 配列の翻訳停止シグナルの下流に位置する転写しかし末翻訳DNA(ここで3' 末翻訳領域または3'UTRと称す)を含む。 このような配列は、一般に、ポリアデニル化配列(内因性遺伝子またはSV40のような他の源からのもの)およびRNA安定性に影響しうる配列で終結する。 一般的に、3'UTRは3'調節配列が由来する遺伝子で翻訳停止シグナルの下流での約100〜1000ヌクレオチドからなる。 遠位3'発現調節配列は近位3'発現調節配列の下流のフランキングDNA配列を含む。 これらの遠位配列のいくつかは転写されるが、mRNAの部分も形成せず、一方この3'遠位発現調節配列中の他の配列は全く転写されない。 このような遠位3'発現調節配列は発現を増強するエンハンサーおよび/または他の配列を含むと思われる。 このような配列は効率的なポリアデニル化に必要で転写終結配列を含むと思われる。 このような配列は、約2kbより好ましくは8kb最も好ましくは約15kbの3 'フランキング配列からなるのが好ましい。 5'発現調節配列と3'発現調節配列の両方の使用が好ましいが、この発明のいくつかの具体例では、内因性3'調節配列は使用されない。 この場合、3'遠位発現調節配列を通常組換えDNA配列をエンコードしたゲノムDNAと結合して直接ポリアゼニ化に使用される。 加えて、組換えポリペプチドをエンコードするゲノムDNAからの遠位3'調節配列が、内生3'発現調節配列に用いられたと好ましくは同量で使用することもできる。 この場合に導入遺伝子をコードした組換えポリペプチドはゲノムDNAまたはcDNA由来の二本鎖DNAの何れかからなることがでてきると理解されるべきである。 5'発現調節配列でと同様に、3'発現調節配列の最適量を、組換えポリペプチドの最大発現を得るため3' フランキング配列の量を変えることによい容易に決定できる。 一般に、遠位3' 調節配列は内因性遺伝子あるいは異種遺伝子からのものでもそれが由来する隣近遺伝子に延びず、導入遺伝子発現のレベルに逆作用する何れの配列も除外されるであろう。 5'と3'発現調節配列と組換えDNA(ゲノミックまたはcDNAに由来の何れ)に加えて、この発明の導入遺伝子は、またその転写領域を切断するイントロン配列からなってもよい。 しかし、組換え切断配列は“ハイブリッド切断配列”からなってもよい。 このようなハイブリッド切断配列は、異種または相同源の切断配列からの5'RNAスプライスシグナルまたは3'RNAスプライスシグナルからなる。 許容RNAスプライスシグナル含有のこのようなハイブリッド切断配列は、組換えDNAがcDNA配列に相当するときに使用するのが好ましい。 上記に基づき、好ましい導入遺伝子は、5'と3'発現調節配列の大量を含むことが明白である。 さらに組換えDNAは長さ10位から100位のキロベースであるゲノムクローンに由来するのが好ましい。 DNAのクローン化と処理の現在の技術に基づいて、導入遺伝子の構築と微注入は、約50kbより大きくない長さの線状化DNAに実際上制限される。しかしながら、この発明の導入遺伝子、特に約50kb以上の長さを有するものは、所望の導入遺伝子の2以上の重複フラグメントを胚ターゲット細胞に導入することにより容易に発生できる。導入されると、重複フラグメントは相同組換を行い、ターゲット細胞のゲノムに完全に再構築された導入遺伝子の一体化をする。一般に、このような重複導入遺伝子は重複する領域で100%相同を有するのが好ましい。しかし、低い配列相同性も、効率的相同組換が起これば認容できる。相同配列部分に非相同性が存在すれば、非相同性が、相同配列部分全体に広がらず、むしろ区別された領域に局在するのが好ましい。 100%相同が14塩基体であるような少なくとも哺乳動物細胞での相同組換えが十分であるが〔55〕、より長い相同配列部分が、核相同配列部分に対し例えば200bpが好ましく、100bpがより好ましく、200bpが次位で最も好ましく、2000bpより大が最も好ましい。この発明の導入遺伝子がゲノムDNAに由来または対応する組換えDNAでエンコードされた組換えポリペチド(またはこのようなゲノム配列から実質的になる、例えばポリペプチドをエンコードするコドンの約50%以上、より好ましくは75%以上、最も好ましくは90%がゲノム配列から)をエンコードするとき、形質転換乳中のモル濃度と蛋白レベルは、cDNAと同じかまたは大である。一般に、このような形質転換乳中の組換えポリペプチドのモル濃度は、約50M M以上が好ましく、約150MM以上がより好ましく、約500MM以上が最も好ましい。ウシ形質転換乳中の前記モル濃度と蛋白レベルは、特定の組換えポリペプチドの分子量によって変動するであろう。形質転換乳中で組換えポリペプチドを生産する特別な利点は、比較的大きな分子量のポリペプチドが生産できることで、そうでないと原核生物の発現系のような他の系で大量に生産することは困難である。しかし、マウスは、乳のml当り50〜80mgの蛋白を生産し、ウサギは乳のml 当り約100mgを生産する。一方ウシは、通常ml当り30〜34mgの蛋白を生産する。組換えポリペプチド産生が例外的に高いレベルであると内生乳蛋白の生産に逆に作用するおよび/または乳分泌線に逆作用するので、組換えポリペプチド濃度は、ウシの乳で生産される蛋白の通常量に対し約1〜50%の間の通常乳蛋白濃度が好ましく、10〜20%の間がより好ましく、10〜15%の間が最も好ましい。このような好ましい範囲は、形質転換ウシ乳で生産される蛋白の上記レベルの好ましい最大限界ともなる。用語“遺伝子の有効サブシーケンス”はDNA配列に関しての上記の定義と同様に理解されるべきである。ハイブリッド化は、以下の実施例の“定義”の部分に記載のように、好ましくは、下記SEQ ID No1に示してDNA配列のコード部分からなるプローブに基づいて行うことができる。用語“相同”と“有効サブシーケンス”は上記の定義と同様に用いられる。 DNA配列の変異型をコード化したポリペプチドは、SEQ ID No2に示したアミノ酸配列と少なくとも90%相同で、例えは少なくとも95%または98%に等しい相同である。この発明のDNA配列の特別な変異型の例としては、特に形質転換動物での発現に適用されたSEQ ID No1に示した完全DNA配列または本質的部分からなるDNA配列である。このDNA配列は、適当な制御配列と共に発現系に挿入されると、SEQ ID No1のアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型あるいはサブシーケンスの発現となるものである。上記のように、SEQ ID No1のDNA配列は、ヒトEC−SODの官能性ドメイン/ドメイン類からなるポリペプチドをコード化している。殆どの場合にシグナルペプチドの存在は、DNA配列で発現されるポリペプチドを生産される細胞から輸送させる必須要件であるが、使用される特定のシグナルペプチドの性質と源は、変化してもよく天然でヒトEC−SODと結合したシグナルペプチドである必要はない。天然ヒトEC−SODは位置89のアスパラギンでグリコシル化される。天然EC−SODよりグリコシル化される多くの残基からなるEC−SOD変異型は、天然EC−SODより高いヘパリン親和性を有すると考えられる。組換えポリペプチドのグリコシル化は、選択した発現系による。異なる種および/または組織源の真核細胞がグリコシル化機械で変動を示すことがよく知られている。従って、興味のあるグリコシル化修飾を行うには、適当な事後翻訳グリコシル化修飾を行う能力を有する組換え分子の生産用の宿主生物を選択するのが必須である。しかし、宿主生物のグリコシル化機械の修正を可能にする入手しうる方法がある。これは、宿主生物、例えば宿主細胞または形質転換動物のゲノムを、組換え遺伝要素を導入により変更してなすことができる。この遺伝要素は、付加的または修飾グリコシルトランスフェラーゼまたは他の関連酵素をコード化でき、かつその発現を仲介するかまたは内生グリコシルトランスフェラーゼまたの他の関連酵素の機能を阻害する。阻害は、内生グリコシルトランスフェラーゼ遺伝子機能を破壊するか、または、内生グリコシルトランスフェラーゼmRNA種に相補的であるR NA配列をエンコードするベクターの導入により達することができ、これによりアンチセンスRNAとして機能する。修飾DNA配列をコード化したポリペプチドは通常、ヒトEC−SODのアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を持つ。 “置換”が行われると、完全ヌクレオチド配列の1以上のヌクレオチドが1以上の異なるヌクレオチドで置き換えられ、“付加”が行われると、1以上のヌクレオチドが、完全ヌクレオチド配列の何れかの末端に付加され、“挿入”が行われると完全ヌクレオチド配列内に1以上のヌクレオチドが挿入され、かつ“削除”が行われるとき、1以上のヌクレオチドが、完全ヌクレオチド配列からその何れかの末端または適切な点での何れかで除去される。修飾DNAは、周知の方法、例えば部位指向突然変異誘発によって得ることができる。この発明の重要な修飾DNA配列の例は、グリコシル化される残基の数が増加したペプチドをエンコードしている修飾DNA配列になるように、アスパラギン残基をエンコードしている付加コードンが挿入されたDNA配列である。付加残基は、この発明のDNA配列の末端またはその中の何れかに付加されるか、またはこの発明のDNA配列に存在する1以上の非アスパラギンコードンを置換することにより挿入しうる。このような修飾配列がコード化されたポリペプチドは高度のグリコシル化を有すると考えられる。興味ある修飾DNA配列の他の例は、組換えEC−SODタイプCに比して、 ヘパリン親和生が減少したEC−SODの変異型をコード化しているDNA配列である。この変異型は、変異型T216、T215、T213、T209、SA T216、SRT216、SA219、SA220とSA211−213からなる群より選択されたものである(Fig1と配列リスト参照その中でSEQ I D No8−15、18−23と28−31がこれら変異型のC−末端配列を示す)。興味ある修飾DNA配列の更なる例は、組換えEC−SODタイプCに比して、ヘパリン親和性が増大したEC−SODの変異型をエンコードするDNA配列である。この変異型は、変異型SA216、SA216/218とSA216/ 220からなる群より選択されたものである。これら変異型のC−末端配列は、 それぞれSEQ ID No. 16−17、24−25および26−27として示される。修飾DNA配列を作る目的に、部位指向突然変異誘発は、関連アミノ酸残基の変換/除去を与える特異オリゴヌクレオチドプローブを用いて行うことができる。ここで説明の発明の哺乳動物発現系で用いられるDNA配列は、天然DNA配列ならびに合成DNA配列であってもよく、 天然配列の代表的なものは、例えば下記のごとく、通常、哺乳動物源のcDNA またはゲノムDNAから直接誘導される。合成配列は、DNA分子を合成で作る常法で作ることができる。 DNA配列は、混合したcDNAとゲノムDNA、混合したCDNAと合成cDNA、混合したゲノムDNAと合成DNA源であってもよいことは勿論である。 RNA配列も上記のように使用できる。この発明により配列、サブシーケンス、変異型およびポリペプチドに関して使用した用語“配列”、“サブシーケンス”、“変異型”と“ポリペプチド”は、 これらの天然環境でのこれらの現象からなるものではなく、例えば分離した、精製した、生体内または組換えの形でのフラグメントとして勿論理解さるべきである。この発明のDNA配列に言及するとき、これらは、上で定義した“変異型” 、“サブシーケンス”と“修飾配列”を含むと解すべきである。用語“サブシーケンス”は、例えばSEQ ID No1または2に示した配列の1部として、 この明細書で、より長い配列の1部として理解すべきである。同様に、この発明の“ポリペプチド”に言及するとき、ここに定義のポリペプチドの何れも含むと理解すべきであろう。更なる観点で、この発明は、ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列の発現を担持しかつ仲介しうる複製性発現ベクターに関する。この明細書で、用語“複製性”とは、所定タイプの宿主細胞に導入されたとき複製しうることを意味する。ヒトEC−SODDNA配列のすぐ上流に、シグナルペプチドをコードする配列を与えることができ、この存在は、ベクターを有する宿主細胞で発現されるヒトEC−SODの分泌を保障する。シグナル配列は、ヒトEC−S OD DNA配列を天然に結合したものまたは他の源でもよい。ベクターは、組換えDNA法に簡便に付すことができる何れのベクターでもよく、ベクターの選択は、それを導入する宿主細胞によることが多い。かくして、 ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、染色体外物として存在するベクターでよく、その複製は、染色体複製と独立である。このようなベクターの例は、プラスミド、ファージ、コスミド、ミニ染色体あるいはウィルスである。代りに、 ベクターは、宿主細胞に導入されたとき、宿主細胞ゲノムに組込まれ、組込まれた染色体(類)と共に複製されるものでよい。この発明のベクターは、上で定義のこの発明のDNA配列の何れも担持でき、 上で定義のこの発明のポリペプチドの何れかの発現に使用できる。従ってこの発明はまた、ブタペスト条約の規定により受理番号DSM8335 として、DSM(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen G mbH)のコレクションに1993年6月7日に寄託されたps172として表示の複製性発現ベクター、およびその寄託した発現ベクターのDNA配列とは異なるが、ヒトEC−SODの生物学活性ならびに上で定義の複製性発現を有する同じポリペプチドまたはその変異型をコードしているDNA配列を発現する発現ベクターに関する。ここで、発現されたDNA配列は、寄託ベクターのDNA配列と異なり、EC− SODの生物学活性を有するポリペプチドをエンコードするDNA配列になるように、少なくとも1つのヌクレオチドが削除、置換または修飾され、または少なくとも1つのヌクレオチドが挿入されているものである。この発明はさらに、上で定義の複製性発現ベクターを宿す細胞に関する。この細胞は、原則的に、何れのタイプの細胞でもよく、すなわち、細菌例えばE.コリのような原核細胞、単細胞性真核生物、真菌または酵母例えばサッカロマイセス・セレビシエ、または多細胞性生物例えば哺乳動物からの細胞がある。哺乳動物細胞は、この発明の目的と特に適し、さらに以下で述べる。他の主要な観点において、この発明は、上でも規定したごとき少なくとも1つの発現系を非ヒト哺乳動物ゲノムに、そのポリペプチドをエンコードするDNA を非ヒト哺乳動物の乳腺で発現されるように導入し、乳腺から分泌された乳を採取し、乳から組換えポリペプチドを回収し、かつ任意に精製することからなる組換えヒトEC−SODの生産方法に関する。適当なベクターは、上記のベクターの何れでもよく、かつ適当な宿主細胞は、上でリストした細胞タイプの何れでもよい。ベクターを構築しそれを宿主細胞に導入させるのに用いる方法は、組換えDNAの分野でこのような目的に知られた何れの方法でもよい。 1つの具体例では、発現系またはそのサブシーケンスの1〜10コピーが注射され、他の具体例では発現系またはそのサブシーケンスの1〜7コピーが注射される。発現系またはそのサブシーケンスのコピーは、同一でも、また少なくとも2つの異なるEC−SODの変異型の発現になり乳中でEC−SODの異種テトラマーになる異なるDNA配列からなってもよい。変異型は、同じヘパリン親和性を有してもまたはヘパリン親和性を異にしてもよい。ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列が、分泌されるために、シグナルペプチドをエンコードする配列が先行されるべきで、その存在は細胞からのヒトEC−SODの分泌を保障し、従って少なくとも有意な割合のヒトEC−SO Dが分泌されかつ回収できる。発現の組織としての乳腺と乳蛋白をエンコードする遺伝子は、乳蛋白が元来乳腺で高い発現レベルで生産されるので、形質転換非ヒト哺乳動物で異種蛋白を生産するのに特に適するものと一般に考えられる。また乳は容易に採取でき、大量に入手しうる。この明細書で、用語“ハイブリッド遺伝子”は、一方で上で定義のヒトEC− SODをエンコードするDNA配列を他方、ハイブリッド遺伝子産物の発現を仲介しうる乳蛋白遺伝子のDNA配列からなるDNA配列を示す。用語“乳蛋白をエンコードする遺伝子”または“乳蛋白遺伝子”は、ハイブリッド遺伝子の発現を興味の組織、すなわち乳腺に仲介し標的しうる全遺伝子ならびにその有効サブシーケンスを示す。乳蛋白遺伝子は、β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミンまたはカゼインの遺伝子でもよく、しかし乳漿酸蛋白遺伝子が特に好ましい。通常、有効サブシーケンスは、プロモータ領域、転写開始部位、3'と5'非コード化領域と構造配列の1つまたはそれ以上を少なくとも有するものである。ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列は、例えばそのクローニング後にDNA配列と結合できるベクター配列のような、原核配列が実質的にないのが好ましい。ハイブリッド遺伝子は、生体内で、ヒトEC−SODをエンコードするDNA 配列を、当該分野で公知の技術を用いて、乳蛋白遺伝子に挿入して形成されるのが好ましい。または、ヒトEC−SODをエンコードするDNAは、相同組換えで生体外で挿入できる。ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列は、通常、選択の乳蛋白遺伝子の第1エクソンの1つ、または第1エクソンかつ好ましくは調節で重要であると思われる5'フランキング配列の実質的部分からなる有効配列に挿入されるであろう。ハイブリッド遺伝子は、ハイブリッド遺伝子産物が正しく乳腺に分泌されるようにシグナルペプチドからなるのが好ましい。シグナルペプチドは、問題の乳蛋白遺伝子またはヒトEC−SODをエンコードするDNA配列と結合したものに普通に見出されるものが代表的である。しかしハイブリッド遺伝子産物を乳腺への分泌を仲介しうる他のシグナル配列も関連する。勿論、ハイブリッド遺伝子の各種要素は、遺伝子産物の正しい発現とプロセシングをさせるように融合されるべきである。かくして、 普通、選択のシグナルペプチドをエンコードするDNA配列は、ヒトEC−SO DをエンコードするDNA配列のN−末端部に正確に融合されるべきである。ハイブリンド遺伝子で、ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列は、通常、 その停止コドンからなり、それ自身のメッセージクリアランスとポリアデニル化部位がない。ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列の下流に、乳蛋白遺伝子のmRNAプロセッシング配列が通常保持されるであろう。多くの因子が、特定のハイブリッド遺伝子の実際の発現レベルに感応するとみられる。プロモータならびに上記の他の調節配列の能力、哺乳動物のゲノムでの発現系の統合部位、ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列の統合部位、 ポスト転写調節をする要素や他の類の因子は、得られる発現レベルに致命的な重要であろう。ハイブリッド遺伝子の発現レベルに影響する各種の因子についての知識を基にし、当業者であれば、この目的に有用な発現系をどのようにデザインするか知れるところである。使用される乳蛋白遺伝子は、発現系が挿入されるものと同じ種から誘導でき、 また他の種から誘導できる。これに関連して、遺伝子発現を乳腺に標的する調節要素は種境界の全域(across)で官能的である(これは恐らく共通の祖先によるものであろう)〔35〕。この発明の発現系の構築に使用される乳蛋白またはその有効サブシーケンスをエンコードする適切な遺伝子の例は、ネズミ源が好ましい乳漿酸性蛋白(WAP)遺伝子、ヒツジ源が好ましいβ−ラクトグロブリン遺伝子のような各種哺乳動物源の乳漿蛋白から通常見出される。また、 各種の源からのカゼイン遺伝子は、ウシaSI−カゼインやウサギβ−カゼインのようなヒトEC−SODの形質転換生産に適当であることが見出される。現在好ましい遺伝子は、ネズミWAP遺伝子で、これは、異なる形質転換動物の乳で多数の外的ヒト蛋白の高いレベルの発現を与えうることが見出されているからである〔35〕。この発明の発現系に関連した好ましい他の配列は、高レベル発現を仲介しうる所謂発現安定化配列である。このような安定化配列は、乳蛋白遺伝子のあたりと上流に見出される強力な指摘がある。この発明の発現系に挿入されるヒトEC−SODをエンコードするDNA配列は、cDNA、ゲノムまたは合成源またはこれらの組合せのものでありうる。いくつかの発現系は、望ましい蛋白がをエンコードするcDNA用いられたとき最良に機能することが見出されている一方、他は、十分な発現を得るのはイントロンと他の調節領域の存在を必要とすることが分かっている〔35〕。ある場合には、cDNA要素と比較して、ゲノム構造をベクター構成物に導入するのが有利であろう〔56〕。イントロンとエクソン構造は、cDNAベースベクターが用いられたとき得られるものより高い定常状態のmRNAレベルとなる。この明細書で、用語“イントロン”は何れの天然イントロンの全部またはその部分を含むものである。さらなる観点において、この発明は、ハイブリッド遺伝子を宿す成人雌の非ヒト哺乳動物の乳腺で発現できるように乳蛋白遺伝子にDNA配列が挿入されている、哺乳動物の乳蛋白遺伝子をエンコードする遺伝子に挿入されたヒトEC−S ODをエンコードするDNA配列からなるハイブリッド遺伝子に関する。このハイブリッド遺伝子とその構成成分は上で詳述した。ハイブリッド遺伝子は、上記のようにこの発明の発現系の構築における重要な中間体である。他の観点によれば、この発明は、上で規定した発現系を宿す非ヒト哺乳動物細胞に関する。哺乳動物細胞は、胚細胞または前核であるのが好ましい。発現系は、以下に説明する方法を用いて哺乳動物細胞に適切に挿入される。さらに重要な観点によれば、この発明は、上で規定した発明の発現系を受精卵または哺乳動物の胚の細胞に、発現系を哺乳動物の生殖細胞系に導入するように注射し、得られる注射した受精卵または胚を成人雌哺乳動物に発育させることからなるヒトEC−SODを発現しうる形質転換非ヒト哺乳動物の生産方法に関する。この発明の“非ヒト哺乳動物”は“望ましい発現型”を有する形質転換非ヒト哺乳動物を生産できる全ての非ヒト哺乳動物からなる。これには、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ネズミ種、ウシ種、イヌ種などを含む。形質転換非ヒト哺乳動物の望ましい発現型は、雌形質転換非ヒト哺乳動物の乳での組換えポリペプチドの生産を含むがこれに限定されない。この発明の形質転換非ヒト哺乳動物は、“導入遺伝子”を選択の動物の胚性ターゲット細胞に導入することにより生産される。発明の1つの観点では、導入遺伝子は、形質転換非ヒト哺乳動物の細胞のゲノムに含有したとき所望の発現型を生産しうるDNA配列である。特別の具体例では、導入遺伝子は、“組換えポリペプチド”をエンコードする“組換えDNA配列”からなる。この場合に、導入遺伝子は、組換えポリペプチドを生産すべく発現されうるものである。哺乳動物の生殖細胞系への発現系の導入は、適当な技術、例えば〔41〕またはWO91/08216に記載に従って行うことができる。胚性ターゲット細胞への導入遺伝子の導入または導入遺伝子フラグメントの重複の方法には、非ヒト哺乳動物の生殖卵母細胞の前核またはES細胞の核に導入遺伝子をマイクロ注射するのが含まれる。ネズミ種へのこのような方法は、当業者に周知である。または、導入遺伝子は、接合子を、導入遺伝子含有のレトロウイルスで感染させて動物に導入できる〔57〕。好ましい方法は生殖卵母細胞のマイクロ注射である。この好ましい具体例で、生殖卵母細胞は、最初に、標準技術によってマイクロ注射される。その後、“前着床胚”が得られるまでインビトロで培養される。このような前着床胚は、約16〜150細胞を含むのが好ましい。胚の16〜32セル段階は通常桑実胚と称される。 32細胞以上を含有する前着床胚は通常胚盤胞と称せられる。これらは、代表的に64セル段階で胞胚腔の発達を示すものとして一般に特徴付けられる。生殖卵母細胞を前着床段階に培養する方法は、Gordonら〔58〕、H oganら〔41〕(マウス胚に対)、Hammerら〔59〕(ウサギとブタの胚に対し)、Gandolfiら〔60〕、Rexroadら〔61〕(ヒツジ胚に対)、Eyestoneら〔62〕、Camousら〔63〕とHeym anら〔64〕(ウシ胚に対し)に記載のものを含む。このような前着床胚は、 その後、標準法で適当なメスに着床され、導入遺伝子が導入されたとき発達の段階により形質転換またはキメラ動物の誕生となる。周知のように、モザイク動物は、真の生殖細胞系形質転換動物を作るのに飼育できる。導入遺伝子の導入の頻度は低いことが多いので、前着床胚での導入遺伝子組込みの検出が非常に望まれる。この発明の1つの観点で、トランスジェノシスが起こり、形質転換胚の移植を許容して、形質転換動物を形成する胚を同定する方法を提供する。この方法で、前着床胚から1以上の細胞が除去される。等分割が用いられたとき、胚は、桑実胚段階(32細胞)以上に培養されないのが好ましい。プレ移植胚の分割(Williamsら〔65〕により概説)は、2つの“半胚”(半桑実胚または半胚盤胞)になり、その内の1つは、適当なメスに内植後にさらに発育でき子宮で終末まで発達する。前着床胚の等分割が好ましいが、このような胚は、必ずしも等しいセル数ではない2つの半胚に意図的または非意図的に不均等に分割できる。本質的に、要求される全ては、以後に記載のように分析されない胚の1つが、子宮で完全な終末に発達するのに十分なセル数であることである。特殊な具体例では、トランスゲニックであると示されれば、以後に記載のように分析されない半胚は、形質転換非ヒト動物のクローン集団を発生するのに用いられる。前着床胚の分割で形成された半胚のそれぞれの1つは、導入遺伝子が生物のゲノムに組み込まれたかどうかを決定するために分析される。他の半胚の各々は、 種の受容雌への次いての着床用に保持される。組込み導入遺伝子を含む前着床胚は、半胚の各々の1つからのDNAを分析して早期同定がされる。このDNAは、半胚を融解し、放出DNAを分析するのが代表的である。ポリメラーゼ連鎮反応が導入遺伝子の全部または一部を増幅するのに行われる。全体の導入遺伝子が増幅されたとき、導入遺伝子の対向末端での対向ストランドを各々相補する2つのエックステンションプライマーが増幅に使用される。一般に、半胚からの増幅DNAは電気泳動に付し、2つのエックステンションプライマー間の導入遺伝子の領域を相補するラベル化プローブでハイブリッド化される。これは、増幅DNA配列があれはその大きさの測定を促進し、 導入遺伝子が前着床胚に組込まれ半胚が得られた(ここで“形質転換半胚”と称す)かどうかを示す。それがあれは、残る未処理形質転換半胚は受容親に着床される。子宮で発達後に、組込み導入遺伝子を授けられた所望の発現型を有する形質転換非ヒト動物は、子宮中または出生後に適当な方法で同定される。上記の前着床胚でのトランスジェノシスの検出方法は、形質転換非ヒト動物を作る経済的で時間節約となる方法である。これは、形質転換動物を作るのに必要とされる妊娠数を有意に減少し、着床胚が形質転換非ヒト動物で作る可能性を有意に増大するからである。このような方法は、トランスジェノシスのごく低いかまたは存在しない頻度が得られた動物、例えばウシ種に特に重要である。他の具体例では、前着床胚でトランスジェノシスを検出する上記の方法は、胚クロニング工程と組合させて形質転換胚のクローン集団を発生させ、その後これを受容雌に着床させて同じ遺伝子型をも有する形質転換非ヒト動物のクローン集団を作る。これに関して、同じ“遺伝子型”を有する形質転換胚および/または非ヒト形質転換動物は、ゲノムDNAか胚および/または形質転換動物集団の個体内で実質的に同一であることを意味すると理解さるべきである。しかし、有糸分裂の間に各種の体細胞突然変異が起って、1以上の細胞および/または動物の遺伝子型に変化を生ずることがある。かくして、同じ遺伝子型をする集団は、個体または副集団変動を例証できる。半胚が形質転換半胚として同定された後でクローン化される。このような胚クローニングは、いくつかの異なるアプローチで行うことができる。 1つのクローニング法では、形質転換半胚は、卵母細胞を前着床段階に培養するのに用いられたと同じか類似の培地で培養される。ここで精製した“形質転換胚”(好ましくは形質転換桑実胚)を次いで“形質転換半胚”に分別し、これを受容雌に着床させて2つの形質転換非ヒト動物のクローン集団を形成する。または、得られた2つの形質転換半胚を再び前着床段階に培養し、分別し次いで形質転換胚段階に再培養できる。この方法は、同じ遺伝子型を有する所望数のクローン形質転換胚が得られるまで繰り返される。次いで、この形質転換胚を受容雌に着床させ、形質転換非ヒト動物のクローン集団を作る。好ましいクローン化法では、形質転換胚をPratherら〔66〕、Rob leら〔67〕の技術による核移送てクローン化される。この方法によれば、形質転換胚の核は除去卵母細胞に着床され、その後各々を胚盤胞段階に培養する。この点で形質転換胚は核着床により他のラウンドのクローニングに再び付すか、 同じ遺伝子型を有する形質転換子孫の生産用の受容親に移送できる。上記の早期にトランスジェノシスを検出する方法に加えて、トランスジェノシスを検出する他の方法を使用できる。それには、組織の子宮内および分娩後分析がある。その1つは、羊水腔の経膣穿刺をエコースコープ案内下に行われる〔6 8,69〕。これは、妊娠の約35日と100日の間に羊水の約15〜15ml を回収するのが含まれる。この量の羊水は、尿生殖路、皮膚および恐らく発達胚のからのml当り約1,000〜12,000の細胞を含む。これらの細胞の殆どは死亡している。しかし、このような細胞は、ゲノムDNAを含み、これはトランスジェノシスが成功している指標として導入遺伝子のPCR分析に付される。または、胎児細胞を漿膜穿剌で回収できる。この方法は経膣的またはエコースコープ案内下でも行うことができる。上の方法で、針が受容動物の胎盤特に膣壁に固定されている膣構造に穿刺するのに用いられる。このサンプリングはウシ種の妊娠の60 日頃に行うことができる。漿膜細胞は必要により妊婦組織から分離し、トランスジェノシスの成功の指標として導入遺伝子のPCR分析に付される。トランスジェノシスはまた出生後に検出できる。この場合に、導入遺伝子の組込みは、推定形質転換動物のまたは尾からのように適当な組織の生体検査で検出できる。尾の約1〜2cmまたは耳の5〜10mm 2をとり、〔42〕の方法により導入遺伝子のプローブでサザンブロッティングを行う。通常、注射した卵の全ては、ヒトEC−SODを発現しうる形質転換動物に発達しない。形質転換ファウンダー動物は、例えば実施例2で記載のように同定できる。約半分の哺乳動物は統計学観点から雄であろう。同定した形質転換個体− 雄と雌に基づき、子孫を確立し、形質転換動物の安定系が確立できる。生殖系に一旦組込ませると、ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列は高レベルに発現でき正しくプロセスされ官能的なヒトEC−SODを生産する。組換えペプチドが採取できる形質転換雌は次の世代に飼育できる。さらなる観点で、この発明は上記のごとき方法により作られた形質転換非ヒト哺乳動物に関する。形質転換細胞と動物を作るのに用いられるDNAは、cDNAよりむしろゲノムDNAからなるのが好ましい。これは導入遺伝子の発現が組織特異発現ならびに一時特異発現に制限されるのが好ましいからである。導入遺伝子がゲノムDN Aから由来のとき、イントロンまたは構造遺伝子から離れた領域の何れかに位置するエンハンサーや他の調節要素のような重要なシス作用調節配列を含むことができる。このような調節配列は転写とRNAプロセッシング中消失し、従って一般にcDNA由来導入遺伝子が得られない。更なる観点で、この発明は、上記の方法によって作られる形質転換非ヒト哺乳動物に関する。最も広い観点での発明の形質転換非ヒト哺乳動物は特定のタイプの哺乳動物に限定されないが、哺乳動物は、ウサギ、マウス、ラット、羊、豚、山羊、ラマ、 ラクダとウシからなる群から通常選択される。ヒトEC−SODの大規模生産には、羊、山羊、豚、特にウシのような大きな動物は、乳生産が高いので通常好ましい。しかし、マウス、ウサギとラットは、これらの動物の操作がより簡単で、 例えはウシより、より早く形質転換動物となることから興味がある。ヒトEC− SODを生産できる上で定義した形質転換哺乳動物の子孫もこの発明の範囲内にある。上記の説明から、この発明が始めて、ヒトEC−SODからなる非ヒト哺乳動物から乳を生産することを可能し、その重要性と有用性が明細書で明らかになることが明白であろう。かくして、この発明の更なる観点では、組換えEC−SODからなる非ヒト哺乳動物からの乳を含む。特に興味があるのは、SEQ ID No2に示したアミノ酸配列からなるこの発明のポリペプチド、または上で定義のごときDNA配列またはその変異体もしくはサブシーケンスをエンコードしたポリペプチドからなる非ヒト哺乳動物の乳である。この発明の乳は、上で定義の発明の形質転換哺乳動物から得るのが代表的である。他の観点で、この発明は、上で定義の発明の形質転換非ヒト哺乳動物から乳を採取し、その乳からヒトEC−SODを回収することからなるヒトEC−SOD を得る方法に関する。この乳は、問題の哺乳動物から乳を採取するのに関して通常用いられる何れの適当なやり方で集めることができる。天然EC−SODのスーパーオキシド不均化性質を有する発明のポリペプチドは、スーパーオキシド基およびこの基から誘導された他の毒性の酸素中間体の存在または生成に関連した疾患または障害の診断、予防または治療に使用できる。このような疾患または障害の例は、レパーフュジョン(reperfusion)を併った虚血例えば心臓、腎臓、脳、脊椎の梗塞のような梗塞;心臓、肺、膵臓、肝臓、皮膚、骨組織、切断四肢、骨格筋のような器官の移植;リウマチ性関節炎、膵炎、特に急性膵炎、腎孟腎炎、他のタイプの腎炎のような炎症疾患、および肝炎、神経炎、葡萄膜炎、膀胱炎、ペーロニ病、自己免疫病、インシュリン依存糖尿病、散在性脈管凝固、脂肪塞栓症、出血性ショック、エンドトキシン誘因ショック、敗血症、重篤なウイルス感染症、成人呼吸困難、幼児呼吸困難、新生時の脳出血、火傷、移植に関連してのレンズと膜の保存、イオン照射の副作用、発癌現象、およびアロキサン、パラクアットのようなトキシン及び細胞増殖抑制化合物の副作用から選ばれる。かくしてこの発明のポリペプチドは治療活性が下記でより完全に述べられるC uZN SODと実質的に同じ適用を有する。しかし、この発明のEC−SOD とその変異型は、治療への適用に特にこれらが有用とみられる多数の特性を有することが見出されている。 CuZn SODは、腎臓の糸球体濾過で非常に速やかに除去される原因となる低分子量(33,000)であり、そのためゲッ歯動物で、10分以下の血漿半減期を有し、ヒトではその酵素は約20〜30分の半減期を有する。 EC−S OD−C〔15〕とEC−SOD変異型は、より長い半減期を有する。これは部分的に糸球体濾過での除去を防止するEC−SODの高い分子量によりかつ部分的にC−タイプのヘパリン親和性を有するEC−SODとEC−SOD変異型が内皮細胞表面に結合するとみられる事実によるものである。従って、この発明によるEC−SODとその変異型の治療的用途で、酵素は、少なくとも4時間できればもっと長いヒトでの半減期を有するのが好ましい。上記のように、EC−SODは、その天然環境下で分泌蛋白であり、そのため、細胞外腔中(細胞外液中または細胞表面上)での機能のために特に合成されたものとみられ、このものは、スーパーオキサイドラジカルまたは他の酵素基の毒性効果に対し血漿成分または細胞の外面を保護するのに特によく適応する性質を奏することになる、EC−SODC、および恐らく組換えEC−SODC、例えば変異型T216のヘパリン親和性に比較して僅かにヘパリン親和性が減少したポリペプチドの基本的性質とは、ヘパリン硫酸塩に対する親和性であり、これは生体内で細胞表面の多糖外皮と間在結合組織マトリクスでのヘパリン スルファート プロテオグリカンへの結合の相関現象を明らかに有する。この性質は、外部スーパーオキサイドラジカル源に対して細胞と組織を保護するのに特に効果的方法であるとみられる。 EC−SODおよびEC−SOD変異型と細胞膜との明白な会合の意義は、細胞膜に結合さすためポリジンで修飾されたCuZn SODが、負に電荷し、従って細胞膜で抵抗される傾向にある通常のCuZn SODより活性化(スーパーオキサイド基ラジカル生成)多形白血球を自己不活化(細胞死)からより良好に保持しうるという知見で更に支持される。ノカルディア アステロイド(Noca rdia asteroides)は、ノカルディアのPMNに対する感受性がこのSODに対する抗体を処理すると有意に増加することから、活性化ヒトPMNに対する有効な防御をするとみられる膜−会合SODを有する事実は、細胞表面に結合したS ODの細胞膜保護機能を示すものである。 EC−SODとEC−SOD変異型とは異なり、CuZn SO Dはすなわちスパーオキサイドラジカルの細胞外存在に誘因されて細胞外応用にあまり適さなくする細胞内機能を有する。その上、上記したEC−SODとEC −SOD変異型の半減期に比較して短い半減期が、この発明のEC−SOD変異型でのありそうな場合より、より短いインターバルでより多量を投与する必要があるとみられる。非経口的に投与したCuZn SODは、一連の炎症の動物モデルならびに動物での炎症で抗炎症効果を奏することが分った。ヒトでは、CuZn SODの陽性の効果が、リウマチ性関節炎と関節病、膀胱の炎症と他の泌尿状態で報告されている。非経口的に投与したCuZn SODは細胞で吸収されず、細胞外腔でその活性を奏する必要がある。リポゾームにカプセル化したCuZn SODは細胞に取込まれ、クローン病、ベーチェット病、疱疹状皮膚炎、潰瘍性大腸炎、川崎病や放射線治療の副作用に有効であることが報告されている。 CuZn SODの抗炎症活性の機序は全く明らかでない。活性化白血球で形成された酵素基に対する直接的な保護が示唆されている。化学走性物質で強く誘因されたスーパーオキサイドの生成の防止が他の可能性である。 SODの他の大きな潜在的な応用領域は、虚血に原因した組織障害に対する防御因子としてである。血液の組織への供給が止められると、組織は徐々に壊死となろう。肉眼的にかつ顕微鏡的にみて障害はゆっくり何時間もかけて発達するのが代表的である。組織が例えば1時間後に再還流されると、改善に代って組織障害が強く促進されるであろう。この所謂再還流パラドックにいくつかの理由がありそうであるが、先の虚血組織での酵素の再出現の結果として生成した酸素ラジカルが障害に寄与するとみられる。このラジカルは非常に短命であるため直接的に研究することはむつかしく、かつその生成と効果に関する情報の多くは、各種の酵素ラジカルスカベンジャーの保護作用から推論される。しかし、これらの生成は、心臓サンプルについてEPRの手段によってより直接的に例証されてきた。 CuZ n SODによる組織保護は、腎臓での虚血または無酸素再還流モデルで例証されている。 EC−SODとその変異型は、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチバーター、ウロキナーゼ及びその変異型及びこれらの因子の変異型のような血栓崩解剤に関連して使用できると考えられる。この情報での酵素ラジカル源は完全に明らかではないが、アロプリノールの効果は、虚血によってキサンチンオキシダーゼのキサンチンデヒドロゲナーゼ型からラジカル産生オキシダーゼ型に変換されるキサンチンオキシダーゼによって一部原因することを示すとみられる。キサンチンオキシダーゼの基質であるハイポキサンチンの大量が、虚血で誘因されたプリンヌクレオチド崩解によって形成される。他の源のスパーオキサイドラジカルは、虚血障害組織に誘因された活性化白血球、Q 2が副生物であるプロスタグランジン合成、虚血中に還元型で蓄積された各種化合物の自己酸化であろう。再還流に伴う虚血に関する知見は、潜在的に重要な臨床上の応用を示す。 EC−SODのようなSODまたはこの発明のポリペプチド及び/または酸素ラジカル対する他の保護因子と血栓崩解因子の例えば組織プラスミノーゲン活性因子の同時投与により、心臓梗塞に関連した組織の再還流によって優れた効果を得ることが可能であろう。 SOD実験の結果は、心臓手術及び心臓移植に関連しての応用が可能であることも示している。同様に、再還流を併った腎臓虚血に関してSODを使用した結果が、SODは、腎臓移植や皮膚、肺、肝臓、膵臓、骨組織の移植のような他の器官に関して使用しうることを示す。虚血性脳疾患は他の可能な症例である。火傷、免疫複合物形成や主要組織障害のような場合に、好中性白血球が肺に蓄積される。補体活性化(C5a)は、蓄積を仲介することが多いとみられる。白血球が活性化され酸素ラジカルを放出するとみられ、これによって、例えば脳管透過性の増大や肺浮腫(成人呼吸病)で特徴付けられる肺障害を生ずる。いくつかの動物モデルで、SODと他の酸素ラジカルスカベンジャーで肺障害の保護効果を示すことが分っている。中枢神経系に関して外傷脳浮腫についてCuZn SODの保護効果が分っている。エンドスリウム由来の脈管弛緩因子(EDRF)は、スーパーオキサイドに非常に鋭感であり、SODの投与はその作用を増加する。スーパーオキサイドラジカル産生は、生体の多くの環境下で起ることができ、血管収縮の組織還流減少の原因となりうる。 SOD の投与はこのような血管収縮を和らげることができ、血小板安定化のようなED RFの他の効果を増強できると思われる。血圧の急性でシビアーな上昇は、脳細動脈の機能的及び形態的異常を来す。プロスタグランジン合成阻害剤とスーパーオキサイドジスムターゼは、この異常を保護すると考えられる。スーパーオキサイド放出が検出できる。モデルの精密な分析により、スーパーオキサイドラジカルが、プロスタグランジン合成中に副生物として形成される結論に達している。この結果は、プロスタグランジン合成中に放出されたスーパーオキサイドラジカルによる組織障害が他の病理的状況で起ることがあり、かつSDDが保護作用を奏することができることを示唆している。全身系紅斑性狼傷、全身系硬化症、リウマチ性関節炎のような多くのタイプの自己免疫病で、リンパ球で染色体破壊の頻度の増加が例証されている。細胞の新生物転換は、通常2つのフェーズ、すなわち、プロモーションを併ったイニシエーションに分けられる、イニシエーションをイオン化照射、ブレオマイシン、ミゾニダゾール及び他のニトロイミダゾールで起した生体外モデルで、 培地にSODの存在することにより腫瘍転換が効果的に阻止されている。 SOD が開始物質への暴露中に存在することは必要でなく、これは酵素が続くプロモーション段階を阻止することを示すとみられる。キサンチン+キサンチンオキシダーゼの非毒性用量で細胞の発育を促進する。 SODまたはSOD+カタラーゼの添加はこの効果を阻止する。ホルボール(phorbol)エステルは、公知の促進物質である。皮膚腫瘍を、ベンズアントラセンで開始し、ホルボールエステル(TPA)の適用をして誘因させたモデルで、SOD活性を有する脂質親和性銅コンプレックスで局所処置すると腫瘍形成が強く減少した。その結果、少なくともある場合に、スーパーオキサイドラジカルが腫瘍形成の促進をし、SODがこの効果を防御しうることを示す。酸素ラジカルが、ブレオマイシン、アドリアマイシン、アロキサン、6−ヒドロキシドーパミン、パラクアート、ジヒドロキシフマル酸、ニトロフラントインヤストレプトゾトキシンのような多数の毒性物質の障害効果に寄与すると思われる理由がある。ラジカル形成が細胞外腔で行われる場合に、注射した保護酵素により防御することが可能である。かくして、SODは、生体外と生体内でアロキサンの糖尿病発生活性(膵臓でのβ−細胞を障害する)を保護できる。従って、 アロキサンの損傷効果は、スーパーオキサイドラジカルによるかまたはそれから誘導された他の酸素ラジカルに仲介されるとみられる。真性糖尿病の場合に、潜在的に酸素ラジカルを形成できる炎症細胞によるランゲルハンス島での浸潤がある。そのため、真性糖尿病の最初の徴候時に、EC−SODのようなSOD類をまたはこの発明のポリペプチドを注射してβ−細胞を保護することが考えられる。組換えEC−SODCは、CuZn SODより、これら2 つのSODを平行テストした疾患モデルでより有効であることが分った。かくして、組換えEC−SODは、再還流ラット心臓で酸素フリーラジカルの濃度を減少することが示唆された。 rEC−SODのフリーラジカル濃度の減少効果は、 少なくとも、CuZn SODと同程度と結論された。その上、組換えヒトEC −SODCは、虚血と24時間の再還流に付したラットでの心筋障害を減少することが分った。この発明の注射剤でのポリペプチドの投与量とタイミングは、ヒト血管中の酵素の半減期による。ウサギでは約15時間ほどである。しかし、ヒトでの半減期は恐らくより長い。一次動力学と36時間の半減期を想定すると、87mgの当初注射後に35mgの1日当り注射は、当初注射後と同じ濃度に達するであろう。この発明のポリペプチドの治療上の有用性は、治療される特定の病気によって変る。細胞表面への強い結合が有利であるとき、EC−SODCまたはより強いヘパリン親和性を有する発明のポリペプチドが、例えば、器官移植に、また発明のポリペプチドが炎症器官に注射されるならば最も有用であろう。他の症状では、僅かに減少した親和性を有するポリペプチド、例えばポリペプチドT216のもののように、より制限されたヘパリン親和性が有利であろう。再還流時間が正確に予測できない事情(例えば冠状動脈または他の器官の動脈の血栓崩解)では、再還流前に注射したEC−SODCのような強い結合剤は、身体の周りの内皮に堅く結合し、再還流で再還流した器官領域を直ちに保護するのに殆ど役立ないであろう。親和性が僅かに減少したポリペプチド、例えばここに記載のポリペプチドT2 16は、この状況で、血漿板に比較的高い濃度で存在し、なお内皮を結合し、器官の結合部位間に急速に再分布されるとみられる。 0.55Mまたはそれ以上のNaCl濃度でヘパリン−セファロースカラムから溶離液になる(実施例6で条件下)大きさのヘパリン親和性を有するEC−SOD変異型のみが、生体内で内皮に結合するであろう。このような変異型は、ある程度しかし変動する程度の細胞表面結合が価値する症状に有利であろう。最後に、生体内でヘパリンスルファートを明白に結合しない変異型、AタイプとBタイプは、血漿または間質液層での高いSOD活性が重要なとき有用であろう。局所治療は、上で記載したこの発明のポリペプチド組成物のはるかに少量が恐らく必要とされよう。現在では、4〜8mgのCuZn SODが、関節炎の治療に一週間に一度関節内に投与される。より高い分子量を有するEC−SODは長時間、関節に残存するとみられる。従って類似の治療プロトコールまたはできるならばより低い量が恐らく適当であろう。天然EC−SODのスーパーオキシド不均化性質を有するこの発明のポリペプチドは、さらに、化粧品で、例えば皮膚老化の防止、照射障害の防止に使用できる。そのポリペプチドは、リポゾーム組成物であってもよい。図の説明 図1は、天然EC−SODと12のEC−SOD変異体のC端末cDNA配列とアミノ酸配列。図2は、組換えWAP/BC−SOD遺伝子の構造と、EC−SOD形質転換マウスのサーザン分析による同定。 A. WAP/EC−SOD導入遺伝子の構造。組換えヒトEC−SODトランスジエニック動物の乳腺への直接発現に、ハイブリッドWAP/EC−SOD遺伝子、pS172が構築された。この組換え遺伝子は、ヒトEC−SODcDNAのフロントに転写しかし末翻訳WAP配列の最初の24dpを含有する約2.3bpの上流制御配列からなる。 cDNAの下流に、第3エキソンに局在するSA1I部位から最後のエクソンの約1.6kb 3'に局在するEcoRI部位に延びる約4kbのWAPゲノムフラグメントを挿入した。 B.組込みWAD/EC−SOD導入遺伝子のサーザンブロト分析。各動物からのテールDNA10μgをsamHIで制限し、1%アガロースデルで電気泳動し、膜に移送し、EC−SODの32P−ラベル化プローブにハイブリッド化する。 1.8kbのハイブリッド化バンドは、EC−SOD cDN Aと3'WAP配列を含有する。レーン1は、コントロールでレーン2〜15はそれぞれ動物を表わす。図3は、出産11日後の授乳メスのライン#68でのWAP/EC−SOD mRNA発現についての組織分布A)各種組織からの全RNAの10μgをアガロース−ホルムアルデヒドゲル上電気泳動し、ジーンスクリニングプラス膜(Gene Screen Plus membrances)(ニューイングランドヌクレアー)に移送し、32P−ラベルE C−SOD cDNAプローブでハイブリッド化した。 RNAハイブリッド結果は1kb重要EC−SOD mRNA種の授乳乳腺での発現を示す。非トランスジエニック動物から作ったRNAへのハイブリッド化は観察されなかった。組織は、乳腺(Mg)、肝臓(Li)、腎臓(Ki)脾臓(Sp)、心臓(H e)、肺(Lu)、唾腺(Sg)と脳(Rr)であった。 RNAラダーの共電気泳動で測定したkbでのRNAサイズを左に示す。 B)形質転換ライン#68とコントロールとの乳腺RNAのノーザンプロットをマウスWAPエキソン3とエキソン4プローブでハイブリッド化した。これは内因性WAP mRNAと組換えWAP/EC−SOD mRNAに共に同程度にハイブリッド化する。内因性WAP mRNAレベルは、組換えWAP/EC− SOD mRNAのレベルより有意に高いことが分かった。 β−ラクトグロブリン/EC−SOD形質転換ラインは、mRNA発現を分析されなかった。図4は、ライン#68の形質転換マウスからの乳で生産されたヒトEC−SO Dの免疫プロット。電気泳動、移送と展開は、材料と方法で記載のごとく行った。杓400mgのEC−SODを各レーンに用いた。レーン1と6:分子量マーカー(116.5 、80、49.5、32.5、 37.5と18.5kDa)。レーン2:CHOセルで生産した組換えEC−SOD。レーン3〜5:生産後4日、10日、18日にそれぞれ採取した乳の乳漿フラクション。図5はライン#68の形質転換マウスからの乳中でのEC−SOD生産を授乳中続けた。組換えEC−SODレベルをELSAとSOD活性分折で両者で測定した。これらのパラメータのスケールは、天然のCHO生産組換えヒトEC−S ODの比活性(8.6ng/U、参照13)と同じ比活性のEC−SODが、蛋白の量と等しい高さの酵素活性のカラムを形成するように選定された。このカラムはELISA濃度を点線カラムは活性を示す。乳サンプルは毎日指示のように採取させた。図6はヘパリン−セファロース上での乳由来組換えEC−SODの分離分析。約1800ngのEC−SODを含有するライン#68からの乳を、材料を方法の部に記載のごとき、ヘパリン−セファロースカラム(−0−0−)、(…… )NaClの傾斜に適用し分離した。図7はマウス乳からの組換えヒトEC−SODについてウサギ中での血漿クリアランス。図は、材料と方法で記載のごとく、ウサギに静注した形質転換マウスの乳で生産されたEC−SODの血漿での時間経緯。予期血漿濃度を、注射量と125エーアルブミンで測定した血漿容量から計算した。実験は、大量のヘパリンの静注1(△)、 5(■)または24(○)後に収量し、2、5及び15分後に血液サンプルを採取した。実施例 次の実施例はこの発明を例証するもので限定を意図しない。発明の発現系の構築とその分子生物学敵特性化には、組換えDNAの技術で一般に知られた標準法を使用する。特に断らない限り、使用した方法は、Sambrook ら1989〔70〕とAusubelら1991〔71〕に記載のものである。定義DNAのハイブリッド形成 DNA、例えばニトロセルロースフィルター上に存在を、2×SSC〔1×S SC=0.15MNaCl、0.0015MNa 3 −シトレート、pH7.0〕 に湿潤し、予め加温(67℃)の予備ハイブリッド溶液を有する熱シールプラスチック袋に入れ、袋をゆっくり振盪する。溶液を、予め加温した(67℃)ハイブリッド液と交換し、放射性プローブを、添加し、67℃で18時間ハイブリッド形成を行う。袋をゆっくり振盪して、液体のニトロセルロスフィルター上での一定の動きを保障する。ハイブリッド形成後、洗浄手順を行う。放射性プローブは、Sambrookら〔70〕に記載のような公知法を使用し、SE Q ID No1に示したDNA配列またはその一部、特にアミノ酸1−210 に相当するヌクレオチドのようなコード部分または上記のDNA配列の有動サブシーケンスに基づき作った。予備ハイブリッド形成液とハイブリッド形成液は、10×デンハード(Denhar dt)、4×SSC、0.1%SDS、10μg/mlポリA、分折される変性D NAの50μg/mlと変性(加熱)放射性プローブが用いられる。フィルターを予備加温(67℃)液(10×デンハード、2×SSC、0.1%SDS)で2×15分洗浄、同じく予備加温液(1×SSC、0.1%SDS)で4×15 分洗浄した。フィルターを空気乾燥し、ビターラップで覆い、X線をフィルターに強調スクリーンを用いるか用いずして3時間〜3週間露光した。実施例1 導入遺伝子(transgenes)の構築 3つのベクター(pS172、pS315及びpS387)を構築した。ヒトEC−SOD cDNA[12]を、1396bpのEcoRIフラグメントとしてpUC18中にサブクローン化した。 cDNAの5'末端を、出発コドンの32bp上流にHindIIIリンカーを挿入することによって修飾し、c DNAの3'末端を、翻訳終止点の下流にSalIリンカーを挿入することによって修飾した。 WAPプロモータの制御下でヒトEC−SOD cDNAを導入するのを促進するために、マウスのWAP遺伝子[39]を含む7.2kbのE coRIフラグメントを保有するプラスミドをKpnIで消化し、HindIII リンカーを挿入した。得られたプラスミドをHindIIIとSalIで消化し、 WAP遺伝子のエキソンIにおけるKpnIとW AP遺伝子のエキソンIIIに位置したSalIとの間の配列を除去した。次いで、このフラグメントをHindIII/SalIヒトEC−SOD cDNAフラグメントと結合させた。次いで、得られたベクターpS172をEcoRIで消化し、約5.9kbのフラグメント(図2)を単離し、マウスの胚に注入する前に電気溶出によって精製した。 pS172の変異体も生じた。このベクターpS315は、約4.5kbのより長い5'WAPを有している。 EC−SODの翻訳開始点を、マウスのWAP 遺伝子のエキソンIにおけるKpnI部位の下流に直接挿入した。このKpnI 部位は、WAPの翻訳開始点のちょうど上流に位置している。 WAP/EC−S OD組換え遺伝子を単離し、電気溶出によって精製し、下記のように注入した。ヒトEC−SOD cDNAの前に1.8kbのヒツジβ−ラクトグロブリンの上流調節配列を含む第三の発現ベクター変異体を構築した。ヒツジβ−ラクトグロブリンプロモーターフラグメント、BamHI/PvuIIフラグメントとしてBamHI/SmaI消化pUC19中にクローン化した。次いで、このプラスミドから、プロモーターフラグメントを1.8kbのHindIII/KpnI (部分消化)フラグメントとして単離した。次いで、このβ−ラクトグロブリンプロモーターフラグメントを、開始コドンの前にKpnI部位を挿入することによって修飾されたヒトEC−SOD cDNAに結合させた。 EC−SOD終止コドンの下流に、4.6kbのマウスWAP ゲノムフラグメントを挿入し、mRNAプロセシングシグナルを得た。この4. 6kbのWAPフラグメントは、最初のエキソン中のKpnI部位(この部位はSalIに変えられた)から最後のエキソンの約1.6kb下流に位置したEc oRI部位まで延びている。得られた発現ベクターpS387からβ−ラクトグロブリン/EC−SOD/WAPフラグメントを単離し、注入した。乳汁タンパク遺伝子配列は、親切にもLothar Hennighause n博士から提供された。 注入 EcoRIフラグメント(図2)をプラスミドpS172から単離し、注入に用いた。別に、pS315のWAP/EC−SODフラグメントもしくはpS3 87のβ−ラクトグロブリン/EC−SOD/WAPフラグメントを単離し、注入した。供与メスマウスをスーパー排卵(superovulation)させるために5IU の妊馬血清性性腺刺激ホルモンとその48時間後に51Uのヒト漿膜性腺刺激ホルモンで供与メスマウスを感作した後得られたC57B1/6JxCBA−f2 もしくはC57B1/6JxDBA/2J−f2胚の前核に、単離したフラグメントを注入した。 C57B1/6JxCBA−f1動物は、Bomholtga ard Breeding and Research Centre Ltd . (Ry.デンマーク)から得られた。注入は、ナリシギ(Narishigi)の水力マイクロマニピュレーターとニコン(Nikon)の倒立顕微鏡[41]を用いて行った。注入後、偽妊娠のC57B1/6JxCBA−f1受容体に胚を移植した。 結果トランスジェニックマウスの乳腺に組換えヒトEC−SODを直接発現させるために、ハイブリッドWAP/EC−SOD遺伝子、pS172を構築した。この組換え遺伝子は、ヒトEC−SOD cDNAの前に、転写されるけれども翻訳されないWAP配列の最初の24bpを含む約2.3kbの上流調節配列を含んでいる。 cDNAの下流に、第三のエキソンに位置したSalI部位から最後のエキソンの約1.6kb3'に位置したEcoRI部位まで延びている約4k bのWAPゲノムフラグメントを挿入した(図2A)。 WAP/EC−SOD形質転換動物を発生させるために、178個の1細胞期の注入卵を7匹の育て親に移植し、19匹の新生マウスを得た。 14匹の動物を分析し、5匹のマウスがW AP/EC−SOD配列を保有していることが、PCR分析により同定された( 創始動物)。注入DNAの存在と完全さをサザンブロット分析により確認した( 図2B)。創始動物のうちの3匹はメスで、2匹はオスであった。 1匹のメスの創始動物を除いた。創始動物を繁殖させた。乳を分泌するメスが、その系統の全てから発生した。 β−ラクトグロブリン/EC−SOD構築物を160個の卵に注入し、それらを16匹の育て親に移植した。それによって28匹のマウスが生まれ、その28 匹のマウスを分析した。これらのうちで、3匹のマウスが形質転換していることが同定され、その3匹のマウスにおける組換えタンパクの発現を分析した。 結論組込まれたWAP/EC−SOD遺伝子を有する5系統のトランスジェニックが同定された。そのような動物の乳汁中に、活性組換えEC−SODが得られた。組換え遺伝子の発現は、乳腺において優先的に見られた。 β−ラクトグロブリン/EC−SODハイブリッド遺伝子が、3系統のトランスジェニックマウスに組込まれた。この構築物は、乳腺において非常に低レベルのヒトEC−SODの発現を仲介することがわかった。 β−ラクトグロブリン/EC−SODトランスジェニックマウス由来の乳汁中の活性ヒトEC−SODのレベルは10ng/ml 以下であったが、WAP/EC−SODハイブリッド遺伝子によって仲介されたレベルは、0.7mg/mlに及んだ。組換えEC−SOD遺伝子の発現レベルとコピー数との間には、相関性は観察されなかった。このことは、他の試験と一致している[48、49]。実施例2 導入遺伝子の初期同定組込まれた導入遺伝子を有するマウスを、動物の生後3週間目に得られた尾部の生検材料からのDNAのPCR分析により同定した。生検物を、1Mの尿素、50mMのトリス塩酸塩pH8.0、0.1Mの塩化ナトリウム、0.5%のSDS、5mMのED TA及び200mg/mlのプロテイナーゼKを含む0.6mlの尿素溶菌バッファー中でインキュベートした。サンプルを37℃で1晩インキュベートした。 WAP 配列に相補的なプライマー(5 CTGTGTGGCCAAGAAGGAAGT TTGT3')(配列番号3)、β−ラクトグロブリン配列に相補的なプライマー(5'GCCTGAGGATGAGCCAAGTG−3')(配列番号4)及びEC−SOD配列に相補的なプライマー(5'GTCCAGCGTGGCCG ACGGCTGCACCTG−3')(配列番号5)を用いて、50mMの塩化カリウム、10mMのトリス塩酸塩pH8.4、1.5mMの塩化マグネシウム、0.25mMのdNTP、2.5UのTaqポリメラーゼ(BRL、Gait hersburg、MD)の中でRCR分析を行った。陽性の結果を、プローブとしてヒトEC−SOD cDNAを用いるサザンブロット分析により確認した[42]。実施例3 導入遺伝子の発現導入遺伝子の発現を、乳を分泌するメス(f 0動物もしくはf 0オスの形質転換したf 1子孫のどちらかである)由来のRNAと乳汁を分析することによって評価した。 RNAの単離と分析乳を分泌する形質転換メスマウスの種々の組織からの総RNAを単離した[4 2]。 10μgの総RNAサンプルを、MOPS/ホルムアルデヒドアガロースゲル上で分画し、ジンスクリーンプラスメンブラン(Gene Screen plus membranes)(New England Nuclea r、ボストン、MA)に移し、次いで供給者のプロトコールに従って32 Pでラベル化したプローブにハイブリッド形成させた(Amersham、イギリス)。 RNAハイブリッド形成の結果は、乳を分泌する乳腺において1kbの主要なEC−SOD mRNA種が発現していることを示している(図3A)。これは、予測したmRNAのサイズと一致している。形質転換していない動物から調製したRNAでは、ハイブリッド形成は観察されなかった。組換えWAP/EC−SOD発現の組織分布を、形質転換した系統の全く同じ2匹のマスウで調べた。種々の組織から調製したRNAの分析(図3A)により、組換えEC−SODの豊富な発現が乳を分泌する乳腺に限定されていることが示された。しかしながら、脳においても低レベルの組換えEC−SODの発現が検出された。同じWAP調節配列を他のヒトcDNAを直接発現させるために用いた追加の実験では、脳における組換え遺伝子の発現は検出されなかった。形質転換系統#68と対照の乳腺RNAのノーザンブロット物を、内因性WA PmRNAと組換えWAP/EC−SODmRNAの両方にハイブリッド形成しているマウスのWAPエキソン4プローブとハイブリッド形成させた。内因性のWAPmRNAレベルは、組換えWAP/EC−SODmRNAのレベルよりも有為に高いことがわかった(データは示されていない)。 β−ラクトグロブリン/EC−SOD形質転換系統については、mRNAの発現を分析しなかった。実施例4 乳汁収集マウスを1g体重当たり0.017mlのアベルチン(2.5%)で麻酔し[4 1]、乳汁を収集する10分前に0.2IEのオキシトシン(Partocon、Ferrin g、Lund、スウェーデン)を腹腔内に投与した。連続的な吸引によって冷却した1.5mlのエッペンドルフチューブに乳汁を集める乳汁装置を用いて、乳汁を収集した。収集後、すぐに乳汁を−70℃で凍結した。実施例5 マウス乳汁中のEC−SODの測定 トランスジェニックマウスにおいて産生されたEC−SODの部分精製マウスから収集した乳汁を精製水で10倍希釈し、その後800×gで5分間遠心分離した。表面の脂質相を注意深く除去し、上澄を集めた。脱脂乳を50m Mのリン酸ナトリウム、0.5Mの塩化ナトリウム、pH7.0(バッファーA )で1:1希釈し、その後天然のヒトEC−SODに特異的なモノクローナル抗体が結合したカラムにアプライした。カラムをバッファーAで洗浄し、50mM のAMP−HCl、1MのKSCN、pH9.0で溶出させた。溶出液を限外濾過し、精製水に移し、−20℃で凍結保存した。集めたフラクションのタンパク濃度を、Bradfordの方法を用いて測定した[43]。 ヒトEC−SODの酵素結合イムノソルベント検定法(ELI SA)二重の抗体によるサンドイッチELISA法を用いて、ヒトEC−SODの定量を行った。マイクロタイタプレート(Nunclon;Nunc,Roskilde、デンマーク) を、ウエル当たり100μlの溶液(50mMの炭酸ナトリウムpH9.6中に16μg/mlのポリクローナルウサギ抗EC−SODIgG抗体を含む溶液)でコートした。室温で2時間インキュベートした後、ウエルをブロッキングバッファー(10mMのリン酸ナトリウムpH7.4、140mMの塩化ナトリウム、 0.1%(w/v)のツィーン20及び0.5%のBSA)で洗浄し、次いで3 00μlのブロッキングバッファーで1晩ブロックした。分析のために、必要な場合にはブロッキングバッファーで希釈した50μlのサンプルを各ウエルに加え、2時間インキュベートした。次いでウエルをブロッキングバッファーで洗浄し、ブロッキングバッファー中に溶解している3μg/mlのモノクローナル抗E C−SOD抗体B6,H6(この抗体はWO87/01387の実施例15に記載されており、その実施例に従って作成されたものである)を50μlと、ブロッキングバッファー中に溶解しているペルオキシダーゼ結合ウサギ抗マウスIg G(DAKOPATTS,コペンハーゲン、デンマーク)を50μlこの順で加えた。さらに2時間後、ウエルをブロッキングバッファーで洗浄し、次いで100mMのクエン酸ナトリウムpH5.0中の3.7mMのo−フェニレンジアミン及び0 . 4mMの過酸化水素100μlで10分間展開させた。 0.5Mの硫酸を100μl加えた後、492nmの吸光度をエライザプロセッサーII(Hoechst Behring、Marburg、FRG)で測定した。この検定法は、ヒト臍帯EC−SOD Cについて標準化されたものであった。下は0.25ng/mlに至るまでのEC −SODの濃度を測定することができた。 ELISAにより測定したEC−SODの産生は、形質転換の系統間で大きく異なるが、総体的にはWAP導入遺伝子において最も高い(表1)。系統#68 が、非常に高い生産性(およそ0.7mg/ml)を示した。

    ヒトEC−SODの存在に関するSDS−PAGEとイムノブロッティング Laemmliによって記載された不連続バッファー系に基づいて、SDSゲルを超小型電気泳動ユニット(ファルマシア−LKB)で泳動させた[46]。 一定電圧(0.8mA/c m

    2 )下のトランスブロットユニット(バイオラッド、Richmond、CA )を用いて、48mMのトリス、39mMのグリシン、1.3mMのSDS、2 0%のメタノール中でゲルをブロッティングした。 免疫用の天然タンパクとアフィニティー精製用の固定化EC−SODを用いてウサギで作成したポリクローナル抗体を用いて、EC−SODを検出した。 アルカリホスファターゼ抗ウサギI gG(Dakopatts、コペンハーゲン、デンマーク)を二次抗体として用いた。 乳汁中のヒトEC−SOD存在を、SDS/PAGEとイムノブロッティングにより分析した(図4)。 この方法によって、WAP/EC−SOD系統#68 由来の乳汁中にはヒトEC−SODが検出されたが、他の系統由来の乳汁や形質転換していない動物由来の乳汁中にはヒトEC−SODは検出されなかった。 実施例6

    トランスジェニックマウスにおいて産生されたEC−SODの特徴付け天然のEC−SODとCHO細胞において発現した組換えEC−SODは、S ymbicom AB(Umea)スウェーデン)から得たものである。

    EC−SOD活性の定量サンプルのスーパーオキシドジスムターゼ活性を、〔45〕においてわずかに修正を加えたような、KO

    2を用いる直接分光光度法(direct spectrophotometr ic mechod)〔44〕により測定した。 簡単に言えば、その方法は、アルカリ水溶液中でO

    2

    -の不均化( 分解)を触媒するSODの能力を測定することに基づいている。 アルカリ性のp Hと低いO

    2

    -濃度下では、O

    2

    -ラジカルは、245−250nmで最大のブロードな吸光度を利用する一般の紫外分光光度計で試験を行うのに十分安定である。 従って、検定をpH9.5で行い、分光光度計で直接不均化を試験した。 その検定における1単位を、3mlバッファー中0.1秒の速度でO

    2

    -をほぼ不均化する活性として定義する。 これらの条件下で、酵素の1単位は、8.6ngの天然もしくは組換えヒトEC−SOD Cに対応する〔13〕。 この検定法は、最初のキサンチンオキシダーゼ−シトクロムC検定法〔9〕よりも40倍感度が良い(すなわち、その単位は、40倍低い酵素に対応する)。

    結 果対照の乳汁におけるSOD活性は、約100U/mlであった。 それが、EC− SOD産生の低い乳汁サンプルにおける活性の増加を確信もって見分けられなかった理由である。 しかしながら、系統#68においては、乳汁中のSOD活性は非常に高く(図5)、比活性(U/ngEC−SOD)は天然EC−SOD及びCHOによって産生される組換えEC−SODの比活性と明らかに同一であった〔13〕。 組換えEC−SODの産生は、泌乳の真中安定であった。

    サイズ排除クロマトグラフィーによる見かけの分子量の測定 EC−SODの見かけの分子量を、OKBのHPLC装置(ファルマシアLKBバイオテクノロジー社)を用いて4℃でゲルクロマトグラフィーにより測定した。 ヒトEC−SOD変異体を含むサンプルを、0.15M の塩化ナトリウムをふくむ10mMのリン酸カルシウムpH7.4(流速19. 8ml/hr)で平衡化させたセファリルS−300カラム(ファルマシアLKB バイオテクノロジー社)(1.6×89cm)にアプライし、0.15Mの塩化ナトリウムを含む10mMのリン酸カリウムpH7.4(流速19.8ml/hr )で溶出させた。 流出液を1.35mlずつのフラクションとして集め、EC−S OD含量を上記のようにELISAによって測定した。 カラムを、IgG156 (kDa)(シグマケミカルコーポレーション、St.Louls、アメリカ)、ウシ血清アルブミン(67kDa)(シグマケミカルコーポレーション、StLouis、 アメリカ)及び炭酸脱水酵素(29kDa)(シグマケミカルコーポレーション、StLouis、アメリカ)を用いて調整した。 溶出液の容量に対するキャリブレーターのlog分子量をプロットすることによって検量線を作成した。 トランスジェニックマウス由来の乳汁中に産生されたEC−SODは、155 kDaの分子質量に対応する位置で、セファクリルS−300サイズ排除クロマトグラフィーカラムから溶出した(データは示されていない)。 マウス乳汁由来の組換えEC−SODサブユニットの見かけの分子質量は、CHOによって産生される組換えEC−SODと同様であった。 いくつかのわずかな違いが観察された。 平衡してクロマトグラフィーにかけられたヒト血漿中の天然EC−SODとCHOによって産生される組換えEC−SODは、実質的に同じ溶出液量で溶出した。 トランスジェニックマウス由来の組換えEC−SODは、およそ5%の四量体よりも高い多量体(mers )タンパクを示した。 この値は、天然のヒトEC−SODの値には近いが、CH O細胞由来の組換えEC−SODの値よりもかなり低い〔47〕。 二量体の相対的な量は、乳汁由来のEC−SODにおいてより高い(図4)。 泌乳の後期からのサンプルにおいては、多量体の割合も増加した。

    グリコシル化のパターン CHO細胞によって産生された組換えEC−SODと、マウス乳腺によって産生された組換えEC−SODと、天然のヒトEC−SODをPAS染色したら、 それらが酸化可能な炭水化物成分を含んでいることがわかった。 レクチン結合特性を分析することにより、グリカン類の特徴付けを行った(表2)。 レクチンリンクキット(Gebzyme,Cambridge,MA)を用いて、異なるSODのレクチンへの結合を分析した。 これは、以下のビオチニル化(biotinylated)レクチンを含んでいた:コンカナバリンA(conA)、コムギ胚芽凝集素(WG A)、ヒマ凝集素(Ricinus communis agglutinin)(DSA)、ヨウシュチョウセンアサガオ凝集素(Datura stramonium agglutinin)(DSA)及びSambuc us nigra凝集素(SNA)。 まずタンパクをSDS−PAGEで泳動させ、その後電気ブロットし(electrobotted)、異なるレクチンを用いて展開した。 CHO由来の組換えEC−SODとマウス乳汁由来の組換えEC−SODはともに、天然のタンパクよりも少ないRCAを結合させた。 このことは、天然のタンパクが、末端のガラクトース(これは、組換えタンパクにおいては欠失しているかまたはシアル酸によってブロックされている)を含んでいる可能性があることを示している。 3種類のEC−SODは、SNA結合に関して異なっている。 乳汁由来の組換えEC−SODのみがこのレクチンに結合することがわかった。 このことは、トランスジェニックマウスにおいて産生されたEC−SODが、a 2,6(またはa2,3)部位のガラクトースに付加した末端シアル酸残基を有していることを示している。

    ウサギにおけるEC−SODの血漿クリアランスマウス乳汁由来の組換えEC−SODを、50mMのリン酸ナトリウムpH7 . 4で平衡化させたヘパリン−セファロースを用いるクロマトグラフィーによって部分的に精製した。 同じバッファー中の塩化ナトリウムグラジエントにより、 完全なEC−SODを溶出させた。 中央の2/3の高ヘパリンアフィニティーフラクション(図6参照)を集め、血漿クリアランス試験に用いた。 体重1kg当たり、0.2%ウシ血清アルブミンを含む50mMのリン酸カリウムpH7.4中に溶解させた約10μgののEC− SODを、チンチララムウサギ(chinchilla ram rabbits)(体重3〜4kg)の耳静脈に注射した。 血液サンプルを、図7に示した時間に抗凝固剤としてEDT Aを含むチューブ中に採取した。 ヘパリン(2500IU/kg体重)を静脈内注射し、その2、5及び15分後に血液サンプルを採取することによって、1、6 または24時間目に実験を終了した。 血漿容量は、34〜38ml/kg体重の間で様々であった。 ウサギは1回だけ使用した。 静脈内注射後、乳汁由来の組換えEC−SODは血漿から急速に消失(約97 %まで)した(図7)。 この消失は明らかに内皮細胞表面のグリコカリックス中のヘパラン硫酸プロテオグリカンへの結合に基づくものである〔3、4、15、 17、18〕。 その後の衰退はゆっくりであった。 1、5及び24時間目に大量のヘパリンを注射することによって、酵素は血漿中に急速に遊離した。 この挙動は、CHOによって産生される組換えEC−SODで先に見い出された挙動と非常に類似している。 しかしながら、CHOによって産生されるEC−SODは、幾分よりゆっくりした循環からの消失を示した。

    ヘパリン−セファロールによるEC−SODの分析的分離ファルマシアのFPLC装置を用いて、室温でのヘパリン−セファロースクロマトグラフィーによりEC−SODを分離した。 カラムは、平衡化バッファー及び溶出液として、15mMのカコジル酸ナトリウム/50mMの塩化ナトリウム、pH6. 50とともに1mlのヘパリン−セファロース(Pharmacia Laboratory Separatio n Division、Uppsala)スウェーデン)を含んでいた。 溶出液における280n mの吸光度をモニターした。 サンプル5ml/hrでアプライし、280nmの吸光度がベースラインに近くなったとき、バッファーにおける塩化ナトリウムの直線勾配(0−1mol/l)(9ml/h)により結合成分を溶出させた。 溶出液を0.65mlずつのフラクションとして集め、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)によってEC−SODを測定した。 この方法は、以下に記載のとおりである。 EC−SODの塩素含量を、標準塩素滴定器(American Instrumen t Co.Inc.,Md、アメリカ)を用いて測定した。 アプライする前にフィルトロンオメガ細胞膜濃度システム(Filtron Omega ce ll membrane concentration system)における培地の溶媒を、15mMのカコジル酸ナトリウム/50mMの塩化ナトリウム、pH6.50に交換した。 一般的に、1 た。 ヘパリンセファロースを用いるクロマトグラフィーでは、トランスジェニックマウスにおいて産生された乳汁由来の組換えEC−SODは、約0.54モルの塩化ナトリウム濃度で溶出する主要なピークを示す。 その濃度は、天然のEC− SODやCHOによって産生される組換えEC−SODで見られた濃度と同一である〔19〕(図7)。 しかしながら、減少した異常なヘパリン親和性を有する材料があった。 乳汁中に産生される組換えEC−SODは、先に試験した天然の血漿EC−S ODやCHOによって産生される組換えヒトEC−SODと構造上明らかに同一であった。 サブユニットはSDS/PAGE−イムノブロッティングによって区別がついたけれども、ゲル排除クロマトグラフィーによる見かけの分子質量は、 区別がつかなかった。 酵素の比活性は、事実上天然のEC−SODやCHOによって産生される組換えEC−SODの比活性と同一であった。 乳汁によって産生されるEC−SODの主要部分は、先に試験したEC−SODと同一のヘパリン親和性を示した。 EC−SODのヘパリン結合ドメインは、タンパク分解性の切断(truncation)の影響を非常にうけやすい〔20〕。 この調査により、マウス乳汁中にタンパク分解活性が存在しているにもかかわらず、そのような切断はほんの少ししかおこらなかったことが示された〔50〕。 レクチン親和性の調査から、全ての試験したヒトEC−SOD型、すなわち臍帯由来の天然酵素、CHO細胞によって産生された組換え体及びマウス乳腺によって産生された組換え体の間には、オリゴ糖成分に違いがあることがわかった。 しかしながらこの発見は、組換えEC−SODが人体中のEC−SODに結合して存在しないオリゴ糖成分を含んでいることを、必ずしも示すものではない。 オリゴ糖は、単一の細胞型によって産生されるように、異種であることが知られている〔51〕。 おそらく、試験した天然の臍帯EC−SODは、繊維芽細胞によって主に産生されるのであろう。 しかしながら、EC−SO Dは、グリア細胞〔52〕や平滑筋細胞(末発表)及びおそらくまだ同定されていない他の細胞型によっても分泌されるであろう。 タンパクが人体の異なる細胞型によって産生される場合に、そのタンパクのグリコシル化が大きく異なる場合があることは、公知である〔53〕。 最後に、マウス乳汁由来の組換えEC−SODは、ウサギに静脈内注射した後、天然EC−SODやCHOによって産生される組換えEC−SODと同様の挙動を示すことがわかった〔15、18〕。 血管内皮に急速に結合し、ヘパリンを注射した後急速に遊離した。 おそらく、 マウス乳汁によって産生されるEC−SODは、先に試験したEC−SODよりもわずかに早く循環から消失したように思われた。 実施例7

    ヒトEC−SODゲノムDNAのクローニング、配列決定及び体制ヒトEC−SOD遺伝子を、ヒトゲノムライブラリーから同定しかつ単離する。 EC−SODゲノム配列を含む組換えファージを

    32 Pでラベル化したEC−S ODcDNAフラグメントにハイブリッド形成させることにより同定する。 これらのラベル化したEC−SOD配列は、完全なEC−SODcDNAで、ECS −SODcDNAの5'末端と3'末端の両方から単離したフラグメントであり、プローブとして用いられる。 これらのプローブを種々組み合わせて用いることにより、完全な転写領域を含む組換えEC−SOD ファージの同定が可能となる。 組換えファージとEC−SOD遺伝子に関するこの分析は、ポリメラーゼ連鎖反応実験におけるプライマーとして合成オリゴヌクレオチドを種々組み合わせて用いる点で、まさに改良されたものである。 ヒトEC−SOD遺伝子の転写領域を含む同定された組換えファージは、精製されたプラークである。 DNAを精製ファージから調製し、制限酵素消化とアガロース電気泳動によってEC−SODゲノム配列を単離する。 より詳細な制限地図作成、PCR分析及び配列分析を行うために、EC−SODフラグメントをp UCプラスミド中にクローン化する。 結果は、EC−SODが、EC−SOD読み取り枠に先行する少なくとも1つのイントロンを有していることを示している。 EC−SOD読み取り枠は、1つのエキソン中で連続的なものである。 形質転換動物由来の乳汁における組換えヒトEC−SODの高い産生を得るために、ヒトEC−SOD遺伝子の転写されるイントロンを含む部分を、乳汁タンパク遺伝子由来の乳房上皮細胞特異的調節配列の転写制御下でベクターに挿入する。 この組換え遺伝子を保有する形質転換動物を、上記のように発生させて同定する。 実施例8

    ウシ卵母細胞の試験管内(In vitro)成熟、受精及び培養屠殺場で得られる卵巣の卵胞を吸引することによって、未熟な卵母細胞を大量に得る(400〜600/日)。 未熟な卵母細胞を、受精させる前に試験管内で一定時間培養する。 成熟したら、卵母細胞を、成熟した精子かもしくは受精できるようにした精子と試験管内で受精させる。 次いで、受精した卵母細胞の前核に、ヒトEC−SODの発現と分泌するコードする導入遺伝子を注入する。 次いで、この試験管内受精とマイクロインジェクションによって得られる受精卵を、卵管組織を用いて調製した培地かもしくは卵管組織を用いてならした培地中で、後期の桑実胚もしくは胚盤胞期まで培養する(5〜6日)。 次いで、この明細書に記載するように、妊娠の均衡を保つために胚盤胞を非外科的に受容ウシ種に移入するかまたは胚盤胞における導入遺伝子の組込みを分析する。 試験管内成熟(IVM) 地方の屠殺場で畜殺した後すぐに卵巣を得、卵母細胞を回収する。 別に、卵母細胞を、外科的、内視鏡検査的または経膣的超音波のアプローチによって、生きているウシ種から得る。 いずれの場合にも、卵母細胞を卵巣の卵胞から吸引する(2〜10mm直径)。 洗浄後、卵母細胞を、成熟培地(例えば10%ウシ胎児血清が補われたM199からなる培地)中に置き、39℃で24時間インキュベートする〔72〕。 試験管内受精(IVF) 成熟した卵母細胞を、新鮮な精子かまたは凍結品を解かした精子のどちらかと受精させる。 受精のために、まずスイムアップ分離法(Swim-up separation tec hnique)によって運動性を強化した精子の集団を得ることにより、精子を調製する〔73〕。 次いで、精子の受精能獲得を誘発するために、運動能力のある精子を、ヘパリンが補われた修正タイロード溶液〔73〕で構成されている受精培地に加える〔74〕。 受精能獲得は、受精に必要な最終の精子成熟過程である。 精子と卵母細胞を18時間共培養(co-culture)する。 このIVF法の有用な特徴は、(精子が凍結品の場合に、)特別な1回射精液のための最適受精条件が定義されれば、矛盾のない再現可能な結果が得られることである〔73〕。 試験管内培養(IVC) マウス、ウサギまたはヒトの卵子の発育を支持する従来の培養系は、8〜16 細胞期を過ぎたウシ胚の発育を支持しない。 この問題は、卵管組織で予めならした培地を用いることによって克服された。 卵管によるならし培地は、8〜16細胞期を過ぎたウシ胚の胚盤胞期までを試験管内で支持するであろう〔62〕。 Camousら〔63〕が、胚を栄養膜組織と共培養したときに216細胞まで分割したことを論証するまで、8〜16細胞のブロックを過ぎたウシ胚を試験管内で培養する試みはなされなかった。 共培養手順は、受精卵から胚盤胞までの発育を支持する同種もしくは異種の卵管の能力に基づいて、卵管組織に及んだ。 このようにして、卵管組織と共培養したウシ胚もしくは卵管組織によってならした培地で、共培養したウシ胚は、試験管内で受精卵から胚盤胞まで発育した〔62、75〕。 胚盤胞は、スーパー排卵及び人工受精後に、あるいは未熟な卵母細胞の試験管内成熟(IVM)及び受精(IVF )により、この系で産生した。 この方法で産生した胚盤胞は、受容動物に移入した後妊娠を引きおこし、生きている仔ウシが得られた。 得られた結果は以下のようであった。 従って、最初の日の500個の卵母細胞の収穫から、およそ55の妊娠が得られることが予測される。 卵管組織の調製共培養及びならし培地 1. 畜殺後または卵管切除術によって卵管を得る。 2. 完全な卵管をガラススライドで静かに削ることによって内腔組織を収穫する。 3.10mlの修正タイロード−ヘペス溶液〔74〕で組織を5回洗浄する。 4. 最終の組織ペレットを、M199+10%のウシ胎児血清中に、1容量の組織:50容量の培地の割合で再懸濁する。 5. 組織懸濁液は、胚の共培養に用いることができる。 6. 別に、培地を48時間ならしてもよい:懸濁液を遠心分離した後、その上澄を胚の培地として用いることができる。 ならし培地は、所望により−70℃で保存することができる。 ならし培地は、胚の培養に十分な強度で用いるべきである(希釈しない)〔75〕。 実施例9

    形質転換ウサギの発生スーパー排卵していないメスのウサギを卵の供与体とする。 交配の19.5時間後に、それらの卵管から卵を洗い流す。 1匹の供与体当たり平均8〜10個の卵を回収する。 卵を形態学的に完全であるかどうか分析し、受精させる。 卵は明らかに、肉眼で見える前核を示している。 約70〜80%が、マイクロインジェクションに有用であることがわかる。

    注 入次いで、ヒトEC−SODの発現と分泌をコードする1以上の導入遺伝子を、 受精した卵の前核に注入する。 前核の注入がうまくいったかどうかを、前核が膨らむことによりモニターする。 注入後、大部分が2細胞期に到るまで、卵を数時間培養する。 洗浄、培養及び注入を、仔ウシ血清が補われたリン酸塩緩衝化生理食塩液(P BS)からなる培地中で行う。

    形質転換卵の移入受容動物は、濾胞刺激ホルモン放出ホルモンを1回皮下注射することによって供与動物と同時性をもたせた処女の育て親である。 8〜10個の卵を、偽妊娠育て親の卵管に一般的な麻酔下で外科的に移入する。 腹部の空洞を両側の側腹部の切開によって開き、10μlの培地中の卵管の中に卵を移す。 処女の育て親は4〜12ヶ月である。 受容動物の偽妊娠の割合は、約60%であり、この値は自然交配で観察される妊娠の割合に相当する。 形質転換動物を、新生ウサギの耳のバイオプシーから抽出したDNAのサザンブロットハイブリッド形成により同定する。 新生ウサギ中に形質転換ウサギがあらわれる総体的な頻度は、約9.5%である。 繁殖力のある全ての形質転換動物を3.5カ月令で交配させると、メンデルの様式でそれらの子孫に導入遺伝子が遺伝することがわかる。

    【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年6月13日【補正内容】 請求の範囲1. ヒトEC−SODの生物活性を有するSEQ ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列からなり、そのDNA配列は、ハイブリッド遺伝子を有する非ヒト哺乳動物の成人雌の乳腺で発現できるハイブリッド遺伝子を形成するように哺乳動物の乳蛋白をエンコードする遺伝子の調節要素と結合され、従ってそのDNA配列によってエンコードされたポリペプチドがハイブリッド遺伝子が発現されたとき生産される哺乳動物発現システム。 2. 乳蛋白をエンコードする遺伝子が、乳漿酸性蛋白(WAP)遺伝子、β−ラクトグロブリン遺伝子とカゼイン遺伝子からなる群より選択される請求項1による発現システム。 3. ポリペプチドの変異型が、SEQ ID No2に示したアミノ酸配列と少なくとも85%相同である請求項1による発現システム。 4. ポリペプチドをエンコードするDNA配列が、SEQ ID No1に示したDNA配列またはその一部でハイブリッド化のものである請求項1による発現システム。 5. ポリペプチドをエンコードするDNA配列が、少なくとも1つのイントロン配列を含有する請求項4による発現システム。 6. ポリペプチドをエンコードするDNA配列が、シグナルペプチドをエンコードするDNAで先行される請求項1による発現システム。 7. シグナルペプチドが、ヒトEC−SODをエンコードするDNA配列と結合したシグナルペプチドと乳蛋白と結合したシグナルペプチドからなる群から選択される請求項6による発現システム。 8. 非ヒト哺乳動物が、ウサギ、マウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、豚、ラマ、ラクダとウシ種からなる群から選択される請求項1による発現システム。 9. 変異型が、ヒトEC−SODタイプCに比較して減少したヘパリン親和性を有する請求項1による発現システム。 10. 変異型が、変異型T216、T215、T213、T209、SAT21 6、SRT216、SA219、SA220とSA211−213からなる群より選択され、前記変異型のC−末端配列が図1に示されたものである請求項9による発現システム。 11. 変異型が、ヒトEC−SODタイプCに比較して増加したヘパリン親和性を有する請求項1による発現システム。 12. 変異型が、変異型SA216、SA216/218とSA216/220 からなる群から選択され、前記変異型のC−末端配列が図1に示されたものである請求項11による発現システム。 13. ブタベスト条約の規定により受理番号DSM8335としてDSMのコレクションに1993年6月7日に寄託されたpS172と表示した請求項1による発現システムとその寄託発現システムのDNA配列と異なるDNA配列を発現する発現システム。 14. 発現されたDNA配列が、EC−SODの生物活性を有するポリペプチドをエンコードするDNA配列になるように少なくとも1つのヌクレオチドが削除、置換または修飾されるかまたは少なくとも1つの付加ヌクレオチドが挿入されていることで寄託システムのDNA配列から異なるものである請求項13による発現システム。 15. ヒトEC−SODの生物活性を有するSEQ ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたは変異型をエンコードするDNA配列からなりそのDNA配列が哺乳動物の乳蛋白をエンコードする遺伝子の調節要素と結合しているハイブリッド遺伝子。 16. 乳蛋白をエンコードする遺伝子が、乳漿酸性蛋白(WAP)遺伝子、β− ラクトグロブリン遺伝子またはカゼイン遺伝子からなる群から選択される請求項15によるハイブリッド遺伝子。 17. 変異型が、変異型T216、T215、T213、T209、SAT21 6、SRT216、SA219、SA220、SA211−213、SA216 、SA216/218とSA216/220からなる群から選択され、前記変異型のC−末端配列が図1に示されたものである請求項15又は16によるハイブリッド遺伝子。 18. DNA配列が、少なくも1つのイントロン配列からなる請求項15によるハイブリッド遺伝子。 19. SEQ ID No1に示したDNA配列またはその変異型からなり、そのDNA配列は哺乳動物の乳蛋白をエンコードする遺伝子の調節因子と結合し、 前記DNA配列の発現を仲介しうるものである、ヒトEC−SODの生物活性を有するSEQ ID No1に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列を担持する複製発現ベクター。 20. DNA配列が、少なくとも1つのヌクレオチドが削除、置換または修飾されているかまたは少なくとも1つの付加ヌクレオチドが挿入されていることでS EQ ID No1に示したDNA配列と異なる請求項19による複製発現ベクター。 21. 請求項19又は20に定義されたベクターを有する細胞。 22. 単一細胞性真核細胞または多細胞性有機体からの細胞からの群から選択される請求項21による細胞。 23. 非ヒト哺乳動物由来てある請求項22による細胞。 24. 請求項1〜12の何れかにクレームした少なくとも1つの発現システムを、非ヒト哺乳動物のゲノムに、下記ポリペプチドをエンコードするDNAが非ヒト哺乳動物の乳腺で発現されるように導入し、乳腺から分泌された乳を採取し、 乳から組換えポリペプチドを回収し、任意に精製することからなるヒトEC−S ODの生物活性を有するSEQ ID No2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはその変異型を生産する方法。 25. 後記ポリペプチドをエンコードする少なくとも1つのDNA配列を非ヒト哺乳動物のゲノムに染色体的に導入することからなるヒトEC−SODの生物活性を有するアミノ酸配列SEQ ID No1を有するポリペプチドまたはその変異型を発現できる形質転換非ヒト哺乳動物を生産する方法。 26. 請求項1〜12の何れかに定義の少なくとも1つの発現システムまたはそのサブシーケンスをその発現システムを哺乳動物の生殖細胞系に導入するように、哺乳動物の受精卵または胚の細胞に注射し、得られる注射した受精卵または胚を成人雌哺乳動物に発育させることからなる請求項25による方法。 27. 発現システムまたはそのサブシーケンスの1〜10コピーが注射される請求項24〜26の何れかによる方法。 28. 発現システムまたはそのサブシーケンスの1〜7コピーが注射される請求項27による方法。 29. 注射される発現システムが、EC−SODの2つの異なる変異型をエンコードする少なくとも2つの異なるDNA配列からなる請求項27または28による方法。 30. 生殖細胞と体細胞が、非ヒト哺乳動物ゲノムまたはその非ヒト哺乳動物の祖先のゲノムに染色体導入の結果としてヒトEC−SODの生物活性を有するアミノ酸配列SEQ ID No2を有するポリペプチドまたはその変異型をエンコードするDNA配列を含む形質転換非ヒト哺乳動物。 31. 請求項25〜28の何れかに定義された方法で作られ、及び前記哺乳動物の子孫である請求項30による形質転換非ヒト哺乳動物。 32. ウサギ、マウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、豚、ラマ、ラクダと種からなる群から選択される請求項30又は31による形質転換非ヒト哺乳動物。 33. ヒトEC−SODの生物活性を有するアミノ酸配列SEQ ID No2 を有するポリペプチドまたはその変異型と乳成分とからなる形質転換非ヒト哺乳動物の乳。 34. 乳が請求項30〜32の何れかに定義された形質転換哺乳動物から得られる請求項33による乳。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AM,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CN,CZ,CZ,DE,DE,DK,DK,F I,FI,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LK,LV,MD,MG,MN,MW,NO, NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,SK,T J,TT,UA,US,UZ,VN

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