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Humid active air

阅读:453发布:2022-10-02

专利汇可以提供Humid active air专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE: To enable forming of an atmosphere with high bioactivity by applying external energy using water and air as material to produce humid active air having a mixing system comprising negative air ions and a neutral component.
CONSTITUTION: A pump 17 is started to draw water in a water tank 7 to be jetted out of a nozzle 9 into a water tearing part 2 while a blower is actuated to force outside air into the water tearing part 2 at a gas inlet port 5. The water jetted out of the nozzle 9 hits against a screen 11 and a diaphragm 10 and is torn into fine water drops to generate negative ions in air. The negative ions are transported pneumatically by a gas descending in the water tearing part 2 to be forced into an inversion part 4. The gas is inverted and turns to rise in the inversion part 4 and the most of fine water drops contained in the gas while rising in a gas/liquid separation part 3 are trapped on the surface of a separation plate 13. Thus, the negative ions cleared of the fine water drops are turned to a water thruster with the average number of component molecules of below 15 to be fed into the outside air at a gas outlet port 6.
COPYRIGHT: (C)1996,JPO,下面是Humid active air专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 水と空気とを原料とし、外部エネルギーを加えることによって製造された混合系を有する高湿度活性空気であって、 混合系は、負の空気イオンと中性成分とからなり、 負の空気イオンは、外部エネルギーを得て水が分裂するときに空気中に発生したものであり、 中性成分は、飽和水蒸気量,相対湿度,絶対湿度などとして表すことのできる水分であって、外部エネルギーを得て構造化が進んだ状態にあり、電荷を持たず、これを質量分析法によって分析したときに平均構成分子数が1
    5以下の水のクラスターが観測され、 混合系は、生物体に接触的に作用してその生理活性を発現するものであることを特徴とする高湿度活性空気。
  • 【請求項2】 外部エネルギーは、空気に運動エネルギーを生じさせ、空気中に噴出された水の分裂を促進させるものであることを特徴とする請求項1に記載の高湿度活性空気。
  • 【請求項3】 負イオンは空気中に均一に分布し、気体の流動に伴って空気力輸送されるものであることを特徴とする請求項1に記載の高湿度活性空気。
  • 【請求項4】 中性成分の水のクラスターの平均構成分子数は、原料として用いる水の温度が一定のときに相対湿度に無関係に一定に保たれるものであることを特徴とする請求項1に記載の高湿度活性空気。
  • 【請求項5】 負の空気イオンと、中性成分とを含む高湿度活性空気が発現する生理活性は、食品の吸湿活性および吸水活性の促進であることを特徴とする請求項1に記載の高湿度活性空気。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、生物体に接触的に作用して生理活性を発現する高湿度活性空気、特に食品に接触的に作用して生理活性を発現する高湿度活性空気に関する。

    【0002】

    【従来の技術】生物体の生命活動には空気とともにを欠かすことはできない。 また、生鮮食品,穀類などの保存などについても水は、重要な役割をなしている。 水の重要性に関する認識は古くからあったが、生物にとって水がどのような役割を果たしているかに関しては、曖昧なままであった。 最近の測定技術の進歩により、細胞内の水の状態についてより具体的な知識が得られるようになった。 その結果、細胞内の水は希薄溶液とは異なる状態にあることがわかった(上平 恒,逢坂 昭生体系の水 講談社サイエンティフィック 1989年)。 本文献には、水は、単一の分子としてだけ存在しているのではなく水素結合によって形成された集団として挙動していることが述べられているが、そのような集団はクラスターと呼ばれる。

    【0003】解け水に種子の発芽を高めたり、動植物の成長を促進したりするなどの作用があることが知られているが、この作用に関し、韓国科学院の全教授は、液体の水は5員体,6員環,5員環の3種のクラスターの混合物であり、常温近辺では5員環の水が主体であり、
    温度を下げてゆくと6員環の割合いが多くなると考え、
    雪解け水は6員環の割合が多く、この6員環の水は生体に馴染のよい、吸収されやすい、いわゆる生理活性の高い水として、雪解け水の特異な物性を説明している(久保田 昌治 おもしろい水のはなし(株)日刊工業新聞社 1994年p287〜288参照)。 しかしながらこのような雪解け水も、4〜5日を経過すると効果がなくなってしまうといわれ、これがどのような理由に基づくかはまだよく判っているわけではない。

    【0004】水が気体分子と反応して結晶化する現象が知られている。 これは、気体分子が水和して、周囲の水分子の構造に影響を与え水分子の集団に包接されたからである。 麻酔薬の作用メカニズムの議論に、薬物分子が水の中に溶けて包接化合物を形成して作用するのか、あるいは細胞膜の中に溶けて、膜の外の水の氷構造を発生させるのか議論があるが、いずれにしても、麻酔は水素結合ネットワークを発生させ電荷の輸送をブロツクすると考えられている(茅 幸二,西 信之 クラスター
    産業図書 1994年)。

    【0005】さらにまた、年代物のブランデーやウイスキーのまろやかさや飲料水のおいしさなどについて、クラスターの大きさやその分布という観点からも論じられている。 いずれも、おいしいものは、クラスターの大きさが異なるというものであり、 17 O−NMRにより観測されている。 水のクラスターの大きさを変える方法として、天然の涌き水のようにカルシウムなどの無機イオンの共存などの他、セラミックのフィルターや中空糸膜あるいは電気分解の利用、超音波を照射する方法などが用いられている(食品と開発 Vol.24 82−85
    (1989))。

    【0006】ところで、空気中に存在する負に帯電した空気イオン(以下、単に負イオンという)が注目を集めている。 負イオンには、自律神経系への作用をはじめとして、広く動植物の物質代謝に影響を与えていると言われている(森下 敬一 『水と生命』参照,美土里書房 1992年)。 特に、人,動物への効果に関しては、
    精神の鎮静作用,催眠作用,疲労防止,疲労回復作用,
    鎮痛作用,利尿作用,気管支喘息および慢性気管支炎,
    風邪の軽快化作用,壮快感効果,動物飼育向上作用があることが実証されており、負イオンのこのような作用を利用するために負イオン発生装置を空調設備に利用する試みが現在盛んに行われている。 さらに、負イオンには、脱臭,除塵,除菌促進効果,帯電防止効果があるとされる。 負イオンが大量に拡散された空気は本来の空気の組成とは異なるが、その結果本来の空気にはなかった作用が空気に付与されたことになり、このことを空気の活性化と言うならばこの様な空気は活性空気と言えるだろう。

    【0007】

    【発明が解決しようとする課題】上記の例のように、新たなる生理活性が付与された物質、すなわち活性物質とするために、水であればそのクラスター構造を制御すること、空気であれば本来存在する空気イオンのうち負イオンを大量に供給することにより、それぞれの活性物質が提供され、使用されている。

    【0008】しかしながら、活性化された水はあくまでバルクとしての水の作用であり、この水に生理活性が付与されていたとしても、その作用を利用して植物の育成や生鮮食品を保存するときには、植物や食品を水中に浸漬、灌水、あるいは水の散布によらなければならない。
    殊に食品の鮮度を維持しようとするときに必ずしもその食品を水中に浸漬しあるいは灌水できるとは限らない。
    しかも、雪解け水に前述のような活性化作用があるとしても、その作用が長続きするわけではなく、また水の活性化処理の手法が必ずしも確立されているわけでもない。

    【0009】さらに、活性化された空気、すなわち、負イオンが大量に拡散された空気は、コロナ放電によって得ることができるが、この方法を用いる場合は、不純物として人体に有害なオゾン,窒素酸化物が混在しているので、これらを完全に除去しなければならないが、これらの不純物を完全に除去することは困難であり、除去できるとしても高価となるであろう。

    【0010】レナード効果を利用して負イオンを発生させる方法は、例えば特開平4−141179号公報(陰イオン製造方法及びその装置)に記載されている。 この先行例に記載された方法は、要するに、微細水滴製造機にて水から微細水滴を発生させると同時に、この微細水滴に風速0.5〜50m/secで空気を吹き込み微細水滴混合空気とし、そのあと、この微細水滴混合空気を分離器に通して少なくとも粒径1μmより大きな微細水滴を分離して超微細水滴混合空気となし、該超微細水滴混合空気1m 3中に陰イオン(負イオン)を1.25×
    10 9以上発生させるというものである。 このとき発生させた負イオンには上記のような不純物は含まれていない。

    【0011】しかし、上記方法によって製造された負イオンを含む空気の生理活性に関しては、その作用が空気中に含まれる負イオンのみの作用によって得られるものであるかどうか、また、負イオンの発生方法によって生理活性に違いがあるかどうかといった点については未だ解明されぬままに残されている。

    【0012】本発明の目的は、生理活性の高い雰囲気を形成する高湿度活性空気を提供することにある。

    【0013】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明による高湿度活性空気においては、水と空気とを原料とし、外部エネルギーを加えることによって製造された混合系を有する高湿度活性空気であって、混合系は、負の空気イオンと中性成分とからなり、負の空気イオンは、外部エネルギーを得て水が分裂するときに空気中に発生したものであり、中性成分は、飽和水蒸気量,相対湿度,絶対湿度などとして表すことのできる水分であって、外部エネルギーを得て構造化が進んだ状態にあり、電荷を持たず、これを質量分析法によって分析したときに平均構成分子数が15以下の水のクラスターが観測され、混合系は、生物体に接触的に作用してその生理活性を発現するものである。

    【0014】また外部エネルギーは、空気に運動エネルギーを生じさせ、空気中に噴出された水の分裂を促進させるものである。

    【0015】また負イオンは空気中に均一に分布し、気体の流動に伴って空気輸送されるものである。

    【0016】また中性成分の水のクラスターの平均構成分子数は、原料として用いる水の温度が一定のときに相対湿度に無関係に一定に保たれるものである。

    【0017】また負の空気イオンと、中性成分とを含む高湿度活性空気が発現する生理活性は、食品の吸湿活性および吸水活性の促進である。

    【0018】

    【作用】

    (1)定義 本発明において「生理活性」とは、生命活動を促進し、
    あるいは抑制し通常予測される恒常性(ホメオスタシス)とは異なる現象をさし、そのような現象を起こす機能のある物質を「生理活性物質」という。

    【0019】本発明において「活性化」とは、水など通常は特別の生理活性を有しない物質の構造および組成を変えることによって、種子の発芽,動植物の成長,ブランデー,ウイスキーのまろやかさなど本来は顕著に示されない生理活性を付与することをいい、活性化された物質のことを「活性物質」と称する。 ただし、本発明においては単に「構造」と記した場合でも、構造および組成両方を指す場合がある。

    【0020】本発明の高湿度活性空気の空気を「真気」
    という。 「真気」の語源は、例えば中国の古書「黄帝内経」などに見られ、現在の中医学では、人間が生きる上で根本となるものの意味で用いられる用語である。 本発明に言う「真気」は中医学に言う「真気」を直接意味するものではない。

    【0021】(2)真気の製造方法 本発明にいう真気は、理想的には、水と空気に外部エネルギーを加え、水を空気中で分裂させ、分裂によって生じた微細水滴を完全に除去することにより得られる。 しかし、発生した水滴を完全に除去しなければ生理活性の効果を発現しないというものではない。

    【0022】原料として用いる水は、水道水や蒸留水、
    さらに井戸水などの天然水などいずれも用いることができるが、表面張力,粘度,溶質,溶存酸素濃度,水素イオン濃度などの水質を変えることにより、製造される真気の構造を変えることができる。 また、原料として用いる空気は、天然の空気や真気を用いることができるが、
    いずれの場合も、清浄度,酸素濃度,相対湿度等の組成に注意をすべきであり、逆にこれらの組成を変えることによって真気の構造を変えることができる。

    【0023】混合系への外部エネルギーの付与は、空気に運動エネルギーを与え、運動する空気中に水を噴射させることである。 高速で流動する空気中に噴射された水は分裂し、レナード効果(滝効果)又はシンプソン効果(水滴分裂説)によって空気中に負イオンを発生し、また、水の分裂によって中性成分を生ずる。 中性成分は、
    外部エネルギーを得て構造化が進んだ状態にあり、電荷をもたず、水の分子が有限個会合したクラスターといわれるものである。 空気中に残存する水滴は可及的これを除去する。 この際、膨張収縮平衡を考慮することにより、真気の構造を変えることができる。 すなわち、真気製造時における風速,噴射圧,接触温度,噴射水を衝突させる板の度,板間隔などは重要である。 また、その製造装置の材質によっても真気の構造を変えることができる。

    【0024】(3)真気の分析方法 真気中のイオン量は、イオン移動度を利用したイオン測定器(例えば神戸電波(株)製イオンクラスターKST
    −900)により求めることができる。

    【0025】真気中の湿度を示す水分の分析として、示差走査熱量計による熱測定,差誘電率測定装置,核磁気共鳴装置,等蒸気圧法による誘電緩和,音速計を用いた断熱圧縮率をはじめ、ラマン分光法,赤外分光法,核磁気共鳴法,質量分析法によって測定することができる。
    また、大型計算機による化学計算によるシミュレーションも可能であろう。 中でも、真気を気体の状態のまま水分を分析する方法としては質量分析法で行うのが望ましく、試料のイオン化を大気圧下で行うことができる液体イオン化法を用いれば、水クラスターとして観測することが可能となり、平均構成分子数を求めることができる(M.Tsuchiya et alInternat
    ional Journal of mass Spe
    ctrometry and lon Process
    es,90,55−70(1987))。

    【0026】(4)真気の保存 真気発生機により製造された真気は、適当な容器に保存することができる。 容器中の真気は静止状態でも、動的状態での保存でもよい。 また、容器内面の材質に制限はないが、金属であることが望ましい。

    【0027】(5)真気の構造 後に述べる実施例から、真気の構造を以下のように考えることができる。

    【0028】真気は、負イオンと、中性成分とから構成され、その大部分は中性成分である。 中性成分は、水分子が有限の個数で会合した水のクラスターであり、真気の水のクラスターは、質量分析計で測定して構成分子数15以下の水のクラスターが観測される。 これは、外部エネルギーが水滴に与えられ、あるいは水の分裂によって生じた静電気的なエネルギーであるとも考えられるが、いずれにしても空気の運動エネルギーに起因してエネルギーレベルが上がると、水は外部からエネルギーを獲得してその構造化が進み、蒸気圧が上昇し、表面張力,粘性率が減少する。 水の構造化が進むにつれて水のクラスターの構成分子数は小さくなり、さらに、生理活性が高まる。 真気中に含まれる水クラスターは実験によれば、長寿命であり、真気は高多湿であるにもかかわらず、湿気を殆ど感じさせることがない。 これは、スチーム加湿器などで知られている様な蒸気雰囲気とは大きな違いである。 また、負イオンの発生に伴って人体に有害な活性酸素などの不純物が真気中に含まれることはない。

    【0029】また、真気は負イオン(空気イオン表示方法では小イオンとも呼ばれている)を天然の空気よりも多く含んでいる。 負イオンは、真気が生成されるときに水滴の分裂等により生成すると考えられるが、中性成分の水のクラスターとの平衡によって安定化され、かつ空間に均一に分布することができる。 このことは、コロナ放電によって生成される負イオンが短寿命であり空間に均一に分布することができないことと全く対照的である。

    【0030】後述する実施例を検討することにより、真気の構造を以下のように説明することができる。 中性成分の水のクラスターの平均構成分子数は、その発生期においては15以下であるが、発生後の時間の経過とともに、 (H 2 O) n +(H 2 O) m →(H 2 O) n+mk +k(H 2 O) (eq1) のように変化していく。 この時の熱力学的安定性は (H 2 O) n ,(H 2 O) m <(H 2 O) n+mk (eq2) である。 基本的に、n<mであれば、マジックナンバーは例外として (H 2 O) n <(H 2 O) m (eq3) と思われる。 この性質を利用してエネルギーを取り出そうという思想もある(M.Arlf−uz−Zama
    n,M. R. Khan,A. K. M. S. lslam,
    and M. F. Khan,Renewable En
    ergy,941,3(1994))。

    【0031】また、負イオンの量も時間とともに減少することがわかったが、この減少の時間的スケールは、発生期の水クラスターが会合して大きくなっていくのと同レベルの時間であった。 このことは、負イオンと水クラスターとの間に構造上の関係があることを示唆している。

    【0032】水のクラスターの構造を、分子内の電子の偏りを表す双極子モーメントによって概観すると、(H
    2 O) 21はマジックナンバーとして知られている(S.
    Wei,Z. Shi and A. W. Castlem
    an,Jr. ,J. Chem. Phys,94,826
    8(1991))が、その篭状構造に注目すると、点対称の構造であり双極子モーメントはない。 一方、平均構成分子数が15よりも小さい水クラスターは篭状構造は取り得ず、平面的な構造を取らざるを得ない。 そして平面的な構造の水クラスターは、双極子モーメントを小さくする構造をとることは困難ではないだろうか。 このことは、水のクラスターの安定性について、双極子モーメントのみに限定して説明し得るものではないが、水のクラスターの安定性を考える上での1つの見方となるだろう。

    【0033】中性成分の水のクラスターの形状は、平均構成分子数が小さいことから、球状となり得ず、平面的な構造を取らざるを得ない。 そのため、双極子モーメントを考慮すれば構造の安定性という点では有利ではないだろう。 しかし、負イオンの構造が下に示したイオンクラスター複合体(1)の構造であれば、双極子モーメントの点では有利となる可能性もある。 イオンクラスター複合体(1)の構造の場合、nがマジックナンバーなど、水のクラスター自身で双極子モーメント的に安定になるほど、逆にイオンクラスター複合体(1)は双極子モーメント的に不安定な構造となってしまうことが考えられる。

    【0034】

    【式1】

    【0035】真気の負イオンはイオン・クラスター複合体(1)で示される構造であり、(eq4)のような裸の負イオン(2)とクラスター(3)との平衡関係にある。 負イオンとしての寿命は複合体(1)の方が裸の負イオン(2)よりも長い。 また、水のクラスター(3)
    は(eq5)のような平衡にあることは上述した通りであるが、水のクラスター(4)と再び裸の負イオン(2)との平衡でイオンクラスター複合体(5)が生成した時、イオン・クラスター複合体(5)が双極子モーメント的に不利な構造であれば、平衡は右に偏ることになり、結局負イオンの寿命に貢献しない構造であると言える。

    【0036】なお、コロナ放電により負イオンを発生させる電気式イオン発生器により得られる負イオンは裸の負イオン(2)で表わされるものと考えられる。

    【0037】(6)真気の生理活性 真気の生理活性は、様々な手法で評価することができるが、本発明においては、食品の活性化作用を指標として評価した。 特に、大豆を真気を含む評価空気中に暴露した場合に評価空気からの水分の吸収を吸湿率(これをM
    Aと略すことがある)とし、暴露した大豆を水に浸漬した時、水からの水分の吸収を水分率変化(WARと略すことがある)として、これらの指標を評価した。

    【0038】以上の生理活性の評価に関しては、後に述べる実施例で詳細に説明している。 実施例の結果を検討した結果、真気の大豆への生理活性について以下のように考えることができる。

    【0039】大豆は非常に硬い豆である。 水を加えて煮ても皮は破れず、指で圧しても潰れるようにはなかなか煮えない。 口あたりをよくし消化率を上げるためには大豆は穀類に比して勿論、他の豆類に比しても一層複雑な加工が必要となってくる(桜井 芳人 ほか著 食品の加工と貯蔵(株)光生館 1994年 p52)。 大豆の加工食品として代表的な豆腐,納豆,味噌,醤油などはいずれも、原料大豆を水浸処理によって膨張させるが、大豆が約2倍半に膨れるまでには、水温によっても異なるが、冬で15時間,夏で8時間ぐらいの時間を要すると言われている。 この膨潤時間を短縮することが大豆の加工効率を高める最大の決め手である。

    【0040】真気の生理活性を評価するために、今回の実験では大豆の雰囲気中(真気あるいは空気中)からの吸湿と水に浸漬したときの吸水活性を評価した。 真気が大豆に及ぼす影響の1つは、真気雰囲気中に大豆を放置すると大豆が膨らみ、その断面を走査型電子顕微鏡で観察すると表皮が盛り上がっていて断面で観察される細胞の境界線も鮮明であるという現象が見いだされている。
    この現象の本質については未だ解明されていないが、たとえば真気によって生命活動が活発化し、その結果放出される二酸化炭素によって表皮が盛り上がったり、あるいは細胞が安定化されるからではないか、と考えられたのでこの現象を真気の生理活性の1つであると理解した。

    【0041】この暴露処理の2つめの効果は、大豆の重量が増加することである。 それは、高湿度空間に放置しているために吸湿するからである。 しかし、大豆を水を張ったデシケーター中に放置してもあまり重量は増加しなかった。

    【0042】吸水速度とは、大豆を浸漬処理した時に大豆が水を吸収する速度のことである。 真気に暴露したものとそうでないものでは、浸漬初期の吸水速度に大きな差の出ることが分かり、これも真気の生理活性が発現した結果であると考え、その速度を評価に用いた。

    【0043】大豆の吸水メカニズムの詳細はわからないが、生理活性と考えたのは以下の理由による。 大豆組織に“水”が吸着すれば、吸水過程で、組織と浸漬水との間の抵抗が弱まり吸水速度は速くなるだろう。 しかし、
    それ以上に速くなっているとしたら、その分は能動的な水の吸水であると予想される。

    【0044】ここでは、大豆に吸水路とそこから水を汲み上げる吸水ポンプがあると仮想した。 水がそのような大豆の吸水路に選択的に分布し、さらに何らかの事情により吸水ポンプのスイッチが入れられれば、能動的吸水が起こるだろう。 真気雰囲気中で暴露処理した大豆は、
    MAから予想されるWARが他のものに比して大きければ、見かけ上能動的な吸水が起こっていることになる。

    【0045】さらに、真気は、古い大豆を若返らせ、能動的吸水活性を高める働きの可能性のあることも示している。

    【0046】そもそも、真気は、原料である水と空気に外部エネルギーを加えることにより製造される高湿度な空気であって、その水分の構造は構造化が進んだ、いわゆる乱雑さの少ない系であると言える。 真気が生理活性を示すのは、真気のエントロピーが増大する故に、仕事をすることができるためである。

    【0047】一方、生命活動には、成長し,成熟し,老いていくという独特の段階があって、一見、我々の物理法則には合わないように見える。 しかし、生体内であっても、特殊な法則があるわけではなく、熱力学の第2法則はそのまま適用される(シュレディンガー著『生命とは何か』岩波文庫)。 そして、食糧のために収穫された植物(穀物,野菜,果物など)は、収穫後も生きているので、保存期間中も生きている時と同様にゆっくりとではあるが老化、すなわちエントロピー増大反応が行われるが、保存期間が長くなればなるほど、生きている時の状況とは変わったものになる。

    【0048】エントロピー的に増大する能力を秘めた真気と、エントロピーの増大が進行しすぎた状態の生体が反応すれば、両者間において何らかの作用が期待されても不思議ではない。

    【0049】したがって、保存期間の異なる2つの大豆において、比較的新しい大豆は、真気の処理の有無にかかわらず、ある一定の吸水速度を示すのに、古くなると吸水速度が落ち、真気処理するとまた吸水速度が回復するという現象は、まさにこのことを示していると思われる。

    【0050】

    【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 図1,図2,
    図3は、本発明の真気を発生させる装置の一例を示す図である。 以下この装置を真気発生装置という。

    【0051】図1,図2,図3において、真気発生装置は、縦型のケーシング1内を隔壁10で水分裂部2と気液分離部3とに区画し、水分裂部2と気液分離部3とをケーシング1内の反転部4で互いに連通させたものである。 ケーシングの上部には、水分裂部1に通ずる気体送入口5と、気液分離部3に通ずる気体送出口6を開口し、ケーシング1の底部に水槽7を設置している。 気体送入口5には、送風機8を連結し、送風機8の運転により外気を吸引してこれを水分裂部2に圧入する。

    【0052】水分裂部2は、圧入された気体中に水を噴出し、これを微細水滴に分裂させる部分である。 水分裂部2には、水噴射装置としてノズル9を内蔵し、ノズル9の直下には、ケーシング1内を区画する隔壁10に向けて下傾させた衝立11を設置し、隔壁10の下縁は衝立の下方に向けて直角に折曲させて堰12を形成している。

    【0053】ノズル9は、隔壁10及び衝立11に向けて水を噴射するものである。 噴射された水は、隔壁10
    及び衝立11に衝突して分裂し、レナード効果によって空気中に負イオンを生じさせる。 水分裂部2内では、隔壁10が機能的には衝立を兼ねるものである。

    【0054】気液分離部3は、水分裂部2に生じさせた微細水滴を含む気体を受け入れ、気体中から水分を除去し、負イオンを含む気体を気体送出口6に送り出す部分である。 気液分離部3には、ケーシング1の内壁及び隔壁10の板面から分離板13を張り出している。

    【0055】各分離板13は、図2,図3のように気体の流路を横切り、且つ気体の流動方向に対し、傾斜状に張り出して気体の流路をジグザグ状に形成し、気体中に含まれた水分を板面に捕捉させるものである。 気体の流動方向に対する分離板13の傾斜方向は、気体の流れの方向に対し、隔壁10及びケーシングの内面から鈍角θ
    1の角度をなして張り出させるが、あるいは鈍角θ 2の角度をなして張り出したものを混じえてもよい。 鈍角の分離板13aに対して気体は滑らかに流動する。

    【0056】一方、鋭角の分離板13bは、気体の流動に対してはいわゆる「ポケット」を形成する。 さらに鈍角の分離板と鋭角の分離板とをその端部で接続した「く」型の分離板13cは、気体の流動に対しては、滑らかな流動面を形成する。 実施例では気体の上流側から順に鋭角分離板13a,く型分離板13c,鈍角の分離板13bを交互に配列してジグザグ状の流路を形成した例を示している。 気液分離部3内ではケーシングの内壁及び隔壁は分離板を兼ねるものである。

    【0057】反転部4は、水分裂部2と気液分離部3との下方に形成されたケーシング1内の空間である。 水分裂部2内より流出した気体は反転部4内で折返して気液分離部3内に導入される。 反転部4の内底部にはドレインパン14を設け、ドレインパン14の一部に開口した排水口15をもってドレインパン14の下方の水槽7内に連通させている。 水槽7は、図1のように配管16によってノズル9に連通し、水槽7内の水は、ポンプ17
    によって汲み上げられ、ノズル9より噴出させる。

    【0058】真気発生の際には、ポンプ17を起動し、
    水槽7内の水を汲み上げて水分裂部2内にノズル9から噴出させ、同時に送風機8を起動して外気を気体送入口5から水分裂部2内に圧入する。

    【0059】ノズル9から噴出した水は、衝立11及び隔壁10に衝突して微細水滴に分裂し、空気中に負イオンを生じ、負イオンは、水分裂部2内を下降する気体に空気力輸送され、反転部4内に圧送され、反転部4内で反転して上昇に転じ、気液分離部3内を上昇する間に気体中に含まれる大部分の微細水滴は、分離板13の板面に捕捉され、微細水滴が除かれた負イオンが引き続き空気力輸送され、真気となって気体送出口6から外気中に送気される。 真気中の水分の大部分は中性成分であり、
    水のクラスターである。

    【0060】衝立11に吹き付けられた水の大部分は、
    衝立11から隔壁10又はケーシング1を伝わり、ドレイン水となって、ドレインパン14上に落下し、水槽7
    内へ戻され、ポンプ17に汲み上げられて循環を繰り返す。

    【0061】ノズル9から噴出した水は、隔壁10及び衝立11に衝突して分裂し、水分裂部2内は分裂した水滴で満たされ、大部分は隔壁10を伝って落下する。 外気は、水分裂部2の上部に開口された気体送入口5から吹きおろし、ノズル9からの水は、気体の流れの中に噴出されることになり、気体の運動エネルギーを受けて水滴の分裂が促進され、水の構造化が進み、また、レナード効果,シンプソン効果に基づき、多量の負イオンが空気中に発生する。

    【0062】水分裂部2を気体が流出する際には、隔壁10の堰12に絞られて流速を増し、反転部4内に流出し、そのままドレインパン14上に激しく衝突し、気体中に含まれた水滴の一部は、ドレインパン14上に形成されるドレイン水の水膜に捕捉される。

    【0063】気液分離部3内では、気体は分離板13と隔壁10又はケーシング1の内壁に衝突を繰り返すたびに気体中の微細水滴が除去される。 もっとも、気体中の微細水滴を除去するだけであれば、気液分離部3の各所に分離板を張り出して気体の流路に迷路を形成すればよいが、気体の流路が複雑になればなる程圧力損失が高まるために好ましくない。 図2,図3に示すように気液分離部3内で実質的に2個所の折曲り路と1つのポケットを形成することで上昇する気体中に含まれた微細水滴は十分に除去できる。 分離板13に捕捉された水滴は、ケーシング1の内壁又は隔壁10を伝ってドレインパン1
    4上に落下し、水槽内に戻される。

    【0064】以下に真気発生装置の仕様の一例を示す。

    【0065】真気発生装置の仕様 1. ケーシング 寸法 奥行(L)275mm×幅(W)780mm×高さ(H)708mm (1)水分裂部 寸法 310(L)mm×100(W)mm×350
    (H)mm 入口空気流路 寸法 100mm×100mm 出口空気流路 寸法 60mm×310mm (2)気液分離部 寸法 310(L)mm×70(W)mm×350
    (H)mm 入口空気流路 寸法 70mm×310mm 出口空気流路 寸法 130mm×310mm (3)水槽 寸法 180(L)mm×140(W)mm×50
    (H)mm 入口空気流路 寸法 70mm×310mm 出口空気流路 寸法 130mm×310mm (4)ノズル 口径 0.8φm 個数 6個 ノズルは、ノズル配管22φmm×300mmの範囲内に分散して設置した。 (5)衝立 寸法:50.5(W)mm×310(L)mm 衝立は隔壁の方向に対し、傾斜角度(θ 1 )を129°
    とし、ノズル位置より69mm下方に設置する。 水分裂部に衝立として1個所 (6)堰 寸法:45(W)mm×310(L)mm 堰は隔壁に直角に設置する。 (7)分離板 気液分離部に平板分離板として2個所及びく型の分離板として1個所を設置する。 ◎平板分離板(2個所) 寸法:43(W)mm×310(L)mm 傾斜角度θ 2 :720°,θ 3 :60° ◎く型の分離板(1個所) 寸法:43(W)mm×310(L)mm 寸法:72(W)mm×310(L)mm 傾斜角度θ 4 :28° く型のなす角:90° 上記の組合せによるく型分離板。

    (9)ポンプ 流量 12.5 l/min 静圧 3mmAg 電力 1φ×100V×60Hz×30W

    【0066】上記仕様の真気発生装置によれば、風量5.2m 3 /min,温度21℃の条件の下で相対湿度85%RH,負イオン量80,000個/cc,正イオン量1,800個/ccの真気が得られた。 ちなみに、
    大気中の負イオン量は80個/cc,正イオン量は60
    個/ccである。 実施例に示す真気発生機から真気を発生させてその雰囲気中で生理活性の評価を行った。

    【0067】試験雰囲気下の温湿度は小型温湿度記録計(HN−U2A,チノー社製)を使用した。 試験雰囲気下のイオン測定器はイオンテスター(KST−900,
    神戸電波社製)を用いた。 活性空気に流れがある場合は、導管を用いて流れと垂直な方向から取り入れた。

    【0068】試験雰囲気下の中性成分の分析は、四重極質量分析装置(EXTREL社製)を用い、液体イオン化法により得られた真気をイオン化して行った。 イオン化にはコロナ放電によって得られる活性アルゴンガスを用いた。 測定が適性に行われている目安は測定時間全体のイオン信号強度を表す値をスキャン回数で割ったP/
    SCAN値を用い、クラスターの大きさを表す平均構成分子数Nはポリマーの数平均分子量に準じて計算した。

    【0069】生理活性の評価は大豆を用いた。 大豆は帯広川西農業協同組合で1993年秋と1994年秋に収穫されたものを用いた。

    【0070】なお、市販の電気式イオン発生器は、電子式空気清浄機 OASIS(KLYSTRON ELE
    CTRONICS PADOVA−PORTOLGRU
    ARO,ITALY社製),電子式空気清浄機 イオンクリスタ(IC−300,ティアック社製)を用いた。

    【0071】(実施例1)真気を分離してその構造を調べるために真気を適当な容器に密閉した。 容器の素材にはセキスイライトロン(積水化学)を用いた。 このシートを使用して図4のような袋20を作製して、封じ込め容器とした。 袋は、内面がアルミニウムとなるようにして加工した。 容器の大きさは、縦,横,高さがそれぞれ1m,1m,0.3mの第1の袋と1m,1m,0.5
    mの第2の袋を作製した。 4つの側面のうち1面はチャックのついた大きな口21とし、隣の側面には真気を導入する口22が、その隣の側面にはイオン測定用の口2
    3がさらにその隣の側面には真気を排出するための口2
    4を設けた。 真気発生機25と袋20とは銅製の導管で接続し、途中にバルブ26を設けた。

    【0072】封じ込め真気のイオン測定(連続):封じ込め真気のイオン測定は、封じ込め容器として第1の袋を用いた。 真気を通導させて十分に袋20内を真気で置換させた後、バルブ26を閉めて真気発生機25のスイッチを切り、袋20内の気体を封じ込め真気とした。 イオン測定器は、連続的に運転し、データを15秒おきに読み出した。 なお、イオン測定器は自己吸引式のため、
    この方法によると袋内の真気は次に示す間欠測定よりも速く減少した。

    【0073】封じ込め真気のイオン測定(間欠):封じ込め真気の間欠的イオン測定は、図5のように行った。
    まず、イオン測定器33に通ずるバルブ30を閉,外気及び真気発生機25に通ずるバルブ31および外気に通ずるバルブ32を開として真気発生機25により真気を送り込み、第1の袋の中を真気で完全に置換した。 次に、チャックや真気排出口を閉としてバルブ31を閉として、真気発生機25のスイッチを切った。 イオンを測定するときは、バルブ30を開、バルブ32を閉として、その時のイオン量を測定し、測定終了後、バルブ3
    0を閉,バルブ32を開として次の測定に備えた。 この測定は5分おきに15分間行った。

    【0074】封じ込め真気のイオン測定(連続):さらに、封じ込めた真気のイオン測定を、図6のようなA型真気保存庫を用いて実施した。 A型真気保存庫はナショナル製保存庫NS−821WA40と図1に示す真気発生機25とを接続し、庫内に真気が循環するようにしたものである。 ナショナル保存庫40はドアを閉めて低温にすると庫内が高湿度となる特徴があり、保存庫としては密閉性が良いということを利用した。

    【0075】測定に際しては、保存庫の棚を上からA,
    B,C,Dと命名した。 また、イオン測定用の導管が棚Bのほぼ中央に入れられるように穴を開けた。 イオンの取り入れ口は棚Bから高さ14.5cm,ドアから31
    cmのところに位置した。

    【0076】真気保存庫に外気を取り入れせずに風量4
    501/min,噴射圧1.1kgf/cm 2で定常運転中、噴射ポンプのスイッチを切った(噴射圧が0になるまで10秒要した)。 袋中の実験は真気が静止している系であるが、A型真気保存庫の場合ファンは回転している。 噴射ポンプを切った後、一定時間ごとにイオン測定器の値を読んだ。

    【0077】以上、3つの系における負イオン量の変化を図7に示した。 なお、この測定のバックグランドは1
    00以下であった。

    【0078】図中、(□)は連続測定した場合を、
    (◇)は間欠測定した場合の結果を示している。 連続測定した場合、最終300秒付近から急激に下がっているが、間欠測定すると3倍くらい長時間イオン量が保たれた。 また、図中(○)は真気保存庫内におけるイオン量の変化を示す。 袋中の真気との違いは最初30秒ほどのところと、200秒付近でイオン数の減らない時間帯がある。 前者は、噴射ポンプのスイッチを切ったのと同時には真気発生機の機能が停止しなかったことに由来すると考えられ、後者は袋と異なる真気保存庫の構造に由来すると考えられる。 このことは、今後何らかの化学工学的検討を付すことで、真気を封じ込めた場合の負イオンの寿命を延ばすことができることを示している。

    【0079】質量分析:第2の袋を用いて、真気の質量分析を行った。 袋の口をチャックの部分以外をすべて閉とし、チャックから真気発生機を用いて真気を送り込み密閉して封じ込め真気とした。 なお、封じ込めた真気の温度は22.0℃,相対湿度は95%であった。 チャックに管を挾み袋を押さえることで袋中の真気を押し出して質量分析計のサンプル取り入れ口が満たされるようにして測定した。 吹き出しの準備と質量分析計の準備をして測定を開始するまで約30秒要した。 質量分析計の走査は2秒に1回行われるが、100回走査を実施した。
    測定終了後、走査回数1回から10回,20回から40
    回,40回から70回,80回から100回をそれぞれ積分してスペクトルとし、それぞれ、封じ込め後、40
    秒,90秒,140秒,210秒後のデータとした。

    【0080】質量分析計の液体イオン化の条件は以下のように設定した。 アルゴン流量 :1.20l/min 針温度 :サンプルの温度(22.0℃) 針位置 :ピンホールから3mm 針電圧 :1350V ピンホール電圧 :25V スキマー(1)電圧:10V スキマー(2)電圧:0V

    【0081】平均構成分子数Nは、以下の計算により求めた。 N=ΣNiΙi/ΣΙi Ni;構成分子数iのクラスターを表す(スペクトラムは18間隔のものが得られ、クラスターの構成分子数は容易にわかった。) Ιi;構成分子数iの相対シグナル強度 この計算方法はポリマーの数平均分子量で用いられる計算法を類推している。

    【0082】図8は、封じ込めた時間と平均構成分子数Nの関係を示したものである。 Nは時間がたつにつれて(100秒後位から)横這いになるが、P/SCAN値はどんどん減少していることを示している。 この実験ではアルゴン流速が1.2l/minであるが針に温度をかけていないということおよびP/SCAN値を考慮すると、実験系にはもっと大きな水のクラスターが生成している可能性がある。

    【0083】図9は、真気を封じ込めた後の質量分析スペクトルの概形の変化を示したものである。 このことからも、時間がたつにつれて、水のクラスターの大きさが大きくなっていることがわかる。

    【0084】図10は、各水のクラスターの構成分子数と隣接する相対強度の差を求めたものである。 隣接する相対強度の差とは、相対強度(Ii−Ii +1 )の値を構成分子数Niにプロットしたものである。 この値の大きな場所は比較的安定なクラスターの存在するところなので、マジックナンバーを知ることができる。 液体の水のクラスターのマジックナンバーは21が有名であるが、
    このマジックナンバーのクラスターは、封じ込め直後の真気には見られず、時間がたつにつれて増加していることが観測された。

    【0085】大豆による封じ込め真気の評価;図4に示す第1の袋に真気で満たした後、封じ込め真気とした。
    真気を導入すると袋は膨らみ自重で中の真気が隙間から排出される。 この袋に大豆50gを入れ真気を5分間封じ込めた後、1分間、チャックを全開にして真気を通導させた。 3時間、および5時間の暴露処理の後に袋から大豆を取り出し、重量増加(吸湿率)と、大豆を5℃の水に浸漬して吸水させた時の水分率の変化の割合を求めた。

    【0086】水分率の変化は以下の吸水実験により求めた。 暴露処理した大豆を、ボールに入れて5℃の恒温槽で浸漬処理をした。 浸漬処理は静置で行い、15分後,
    30分後,45分後にざるにあけ、水分を拭き取り重量を測定した。 重量測定中の時間は、浸漬時間から除外した。 浸漬による重量増加を吸水量と見なし、水分の無水物に対する比である水分率w(%)を次の式により求めた。 w=(初期水分+暴露処理による重量増+浸漬による重量増)/無水物の重量×100 水分率の時間による平均変化率をWARと表現した。

    【0087】初期水分は、暴露処理に用いる大豆(無処理の大豆)の水分であり、この値は常圧105℃乾燥法を参考にして実測した。 試料10gを秤量し、ウィレー式粉砕器により粉砕し、粉砕物をガラス秤量ビンに正確に量り取った。 これを105℃,2時間で乾燥し、秤量ビンをデシケーター中で室温に放冷し、乾燥した粉砕物を秤量した。 この乾燥処理によって減量した分を暴露処理に用いる大豆の初期水分とした。 上式にこの値をあてはめると、初期の水分率は11.35%であった。

    【0088】図11に結果を示す。 横軸は吸湿率(M
    A),縦軸は浸漬15分間の水分率の変化(WAR)を表わしている。 図中(□)は対照実験としてB型真気保存庫に3,5,7時間暴露して処理したものであり、図中(◇)は第1の袋での結果、図中(○)は無処理の大豆である。 この結果は、第1の袋での真気処理は短時間であったものの、B型真気保存庫に保存した場合と同様の結果を示すものである。 B型真気保存庫は、真気発生機25の水滴の分離機能を低下させたものである。

    【0089】(比較例1)電子式空気清浄機OASIS
    の寿命も測定した。 OASISを実施例1の図6のA型真気保存庫の棚Bに置き、外気を取り入れずに噴射ポンプを停止させてファンだけでの運転をしたところ、負イオン量は220,000個/ccであったが、電源を切ったところ15秒後には400個/ccになった。 また、電気式空気清浄機イオンクリスタを、外気を取り入れて運転すると620,000個/ccの負イオンが検出されるが、これもスイッチを切ると15秒後には20
    0個/ccに落ちた。 この結果、電気式イオン発生器から発生する負イオンの寿命が極めて短いことがわかった。

    【0090】(実施例2)実施例1の図6のA型真気保存庫で真気の吹き出し口のイオン量と、棚AとBの中間のイオン観測点でのイオン量を調べた。 結果を表1に示す。

    【0091】

    【表1】

    【0092】(比較例2)実施例1の図6のA型真気保存庫の各棚に電子式空気清浄機OASISを置き、イオン観測点でのイオン量を調べた。 結果を表2に示す。

    【0093】

    【表2】

    【0094】(実施例3)実施例1の図6のA型真気保存庫の棚BにOASISを置き、真気のある場合とない場合を比較した。 結果を表1にあわせて示す。 ただし、
    外気を取り入れせずに運転した。

    【0095】(実施例4)実施例3で外気を取り入れて運転したその結果を表1にあわせて示す。

    【0096】(実施例5)OASISの使用又は不使用による大豆吸水活性(ただし、重量変化で評価)の真気中での影響を調べるために、B型真気保存庫を使用して、それぞれ13℃,16時間にわたり、平均気温1
    3.0℃,平均相対湿度100%で大豆を暴露処理、次いで吸水処理を行った。 浸漬後1,3,5,10,15
    分後の大豆の重量を測定し、暴露処理前の大豆重量を1
    00としたときの変化を図12に示す。 ただし、大豆は庫内の真気吹出し口から30cm離れた位置で、しかもOASISから50cm離れた位置の上方35cmの位置に置いた。

    【0097】以上の実施例から真気によって、コロナ放電式空気清浄機であるOASISが運転されていても、
    発生した負イオンによって、吸水活性が影響されないことがわかった。

    【0098】(比較例3)図13のような従来型冷蔵庫50内に、電子式空気清浄機OASIS51とA,B,
    Cの3カ所に各30gづつの大豆を配置し、平均気温2
    2.4℃,平均相対湿度74%で16時間暴露処理を行い、次いで吸水実験を実施した。 浸漬後、1,3,5,
    10,15分後の大豆の重量を測定し、放置処理前の大豆重量を100としたときの変化を図14に示した。

    【0099】OASISを用いずに、平均気温24.4
    ℃,平均相対湿度81%で処理したものについて同様な吸水実験により求めた大豆の重量の変化を図15に示した。

    【0100】以上の結果から、OASISより発せられる各種イオン類の大豆の吸水活性に与える影響は、真気とは異なるので、真気に含まれる負イオンとOASIS
    より発せられる各種イオン類とでは負イオンの構造が異なるものと考えられる。

    【0101】(実施例6〜20)発生期の真気の分析を行った。 真気発生機の吹き出し口からダクトを延長し、
    そのダクトを低密度ポリエチレン製の袋の底に穴を開けて挿入し、その中を真気で満たしながら測定した。 測定する真気の温湿度はサンプル取り入れ口に近い場所に記録計のプローブを入れて測定した。 ただし、原料水のイオン交換水を用い、原料の空気はHEPAフィルターで処理したものを用いた。

    【0102】質量分析を行うに当たり、液体イオン化の条件設定を変えることに伴うクラスターの挙動を表3にまとめた。

    【0103】

    【表3】

    【0104】(比較例4〜18)水に浸したティッシュペーパーを液体イオン化法のイオン化針の近傍に設置して、高湿度空気を作り出し、上と同様に液体イオン化法の設定を変えることに伴うクラスターの挙動を調べた。
    結果を表4に示す。

    【0105】

    【表4】

    【0106】上記の例に示したように、質量分析法による構造解析は、複雑かつ微妙な要因がからんでいるので、本法によって真気を評価するにあたっては、各種の設定を変更してその挙動から総合的に評価する必要がある場合もある。 したがって、信頼性のあるデータを得るためには、測定回数を増やすのみならず、平均構成分子数NだけでなくP/SCAN値も加味する必要がある。
    従って、表3,4のデータは以上の事柄を総合的に判断して得られたものである。

    【0107】(実施例21〜30)真気発生機25の水槽7に水温調節器を付加し、さらに気体送出口6上に再熱器を設置し、温度,相対湿度および絶対湿度を変化させた場合のクラスターの挙動を表5に示す。 ただし、質量分析の条件は実施例1に従った。 また、絶対湿度は試料の温度,相対湿度からウェクスラー・ハイランドの式をもとに計算した。

    【0108】

    【表5】

    以上の実施例21〜30により、中性成分の平均構成分子数Nが相対湿度に無関係に一定に保たれることがわかる。

    【0109】(比較例19〜21)絶対湿度の違いによる大気のクラスターの挙動を表6に示す。 ただし、質量分析の条件は実施例1に従った。

    【0110】

    【表6】

    【0111】(実施例31〜42)水のクラスターの平均構成分子数Nの違いによる大豆の吸湿率(MA)の違いを調べた。 大豆は1994年秋に北海道で収穫されたものを用いた。 水のクラスターの平均構成分子数Nの違いはA型真気保存庫,B型真気保存庫、および従来型冷蔵庫を用いて違いを出した。 吸湿実験に用いた空気の相対湿度はいずれも90%以上であり、24時間,48時間暴露した。 結果を表7および図16に示した。

    【0112】

    【表7】

    【0113】(実施例43〜46)本実施例では下記の大豆AおよびBを用いた。 大豆はいずれも、帯広川西農業協同組合で製造,販売されたものである。 大豆Aは、
    1993年10月に収穫され、1994年9月30日に包装されたものを1994年12月12日,千葉県内の小売店で購入して実験に用いたものである。 大豆Bは、
    1994年10月に収穫され、1995年1月23日に包装されたものを1995年2月7日に,千葉県内の小売店で購入して実験に用いたものである。 実験は、真気によって24時間処理をした大豆と無処理の大豆とを、
    実施例1の方法で吸水実験を行い、初期15分間の吸水速度を水分率変化により比較した。 その結果を表8に示す。

    【0114】

    【表8】

    【0115】以上実施例31〜46によれば、真気の雰囲気中で大豆の吸湿活性および吸水活性が促進されることがわかる。 実施例31〜42は、水のクラスターの平均構成分子数Nと大豆の吸湿活性との間に何らかの相関性を表わすものである。 実施例43〜46は、古い大豆の吸水活性を促進させることと、真気が大豆を若返らせる効果を表わすものである。

    【0116】

    【発明の効果】真気は、水と空気を原料として外部エネルギーを加えることによって得られる負イオンの空気を含む空気であり、空気中には外部からエネルギーを与えられた結果,飽和水蒸気量,相対湿度,絶対湿度として表される構造化が進んだ水分を含んでおり、液体イオン化質量分析法によって水のクラスターを観測することができ、生物体に接触することによって生物体に仕事をし、その結果として生理活性を発現することのできる高湿度活性空気である。

    【0117】真気は、空気中に均一に分布できるので、
    負イオンも空気中に均一に分布することができる。

    【0118】負イオンは、電気的中性の水のクラスターと複合体を形成し、その反応は平衡反応である。 水のクラスターと負イオンの複合体は、水のクラスターが篭状構造ができない程度の大きさの場合は寧ろ安定であり、
    その場合は負イオンの寿命が長く保たれる。

    【0119】真気のクラスターの大きさは、湿度にかかわらず一定であるので、特定のクラスターを濃縮することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】真気発生装置の一例を示す図である。

    【図2】真気発生装置の断面図である。

    【図3】気液分離部の構造を示す図である。

    【図4】封じ込め真気のイオン測定(連続)の要領を示す図である。

    【図5】封じ込め真気のイオン測定(間欠)の要領を示す図である。

    【図6】真気保存庫内での封じ込め真気のイオン測定(連続)の要領を示す図である。

    【図7】封じ込められた真気の負イオン量の経時変化を示す図である。

    【図8】真気の封じ込め時間と平均構成分子数NおよびP/SCAN値との関係を示す図である。

    【図9】真気を封じ込めた後の質量スペクトルの概形の変化を示す図である。

    【図10】水のクラスターの構成分子数と隣接する相対強度の差を求めたグラフを示す図である。

    【図11】真気を封入した袋中での大豆の吸湿率と浸漬初期15分間の水分率の変化の関係示す図である。

    【図12】B型真気保存庫において電気式イオン発生器の使用の有無による大豆の重量変化を示す図である。

    【図13】電気式イオン発生器をセットした従来型冷蔵庫内での大豆の処理要領を示す図である。

    【図14】従来型冷蔵庫において電気式イオン発生器の使用による大豆の重量変化を示す図である。

    【図15】従来型冷蔵庫内での大豆の重量変化を示す図である。

    【図16】水のクラスターの平均構成分子数Nと吸湿率との関係を示す図である。

    【符号の説明】

    1 ケーシング 2 水分裂部 3 気液分離部 4 反転部 5 気体送入口 6 気体送出口 7 水槽 8 送風機 9 ノズル 10 隔壁 11 衝立 12 堰 13 分離板 14 ドレイン板 15 排水口 16 配管 17 ポンプ

    フロントページの続き (72)発明者 浜 光太郎 東京都千代田区平河町2丁目2番1号 株 式会社ジオクト内

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