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外科手術用組成物

阅读:3发布:2020-12-03

专利汇可以提供外科手術用組成物专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且,下面是外科手術用組成物专利的具体信息内容。

コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される天然成分を含む、第一のヒドロゲル前駆体;ならびに N−ヒドロキシスクシンイミド、コハク酸スクシンイミジル、プロピオン酸スクシンイミジル、スルホスクシンイミド、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される求電子性官能基を含む、第二のヒドロゲル前駆体、 を備える、組織足場であって、該第一のヒドロゲル前駆体と該第二のヒドロゲル前駆体とが反応して、該組織足場を形成する、組織足場。前記天然成分が、求核性官能基を含む、請求項1に記載の組織足場。前記第一のヒドロゲル前駆体が、外因的に適用される、請求項1に記載の組織足場。前記第一のヒドロゲル前駆体が内因性であり、そして前記組織足場が半自己由来である、請求項1に記載の組織足場。前記第二のヒドロゲル前駆体が、N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールを含む、請求項1に記載の組織足場。前記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが複数のアームを有する、請求項5に記載の組織足場。前記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが4つのアームを有する、請求項6に記載の組織足場。前記第一のヒドロゲル前駆体が、前記組織足場の1.5重量%〜20重量%の量で存在し、そして前記第二のヒドロゲル前駆体が、該組織足場の0.5重量%〜20重量%の量で存在する、請求項1に記載の組織足場。前記組織足場が、幹細胞、DNA、RNA、酵素、増殖因子、成長因子、ペプチド、ポリペプチド、抗体、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの生物活性薬剤をさらに含有する、請求項1に記載の組織足場。前記組織足場が、少なくとも1つの分岐ポリエチレングリコールをさらに含み、該分岐ポリエチレングリコールには、生物活性薬剤、抗体、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される成分が組み込まれている、請求項1に記載の組織足場。軟骨欠損を識別するための手段; 該軟骨欠損をきれいにするための手段; 該軟骨欠損に導入されるように処方された第一のヒドロゲル前駆体であって、該第一のヒドロゲル前駆体が、コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、天然成分を含む、第一のヒドロゲル前駆体;ならびに N−ヒドロキシスクシンイミド求電子性官能基を含む、該軟骨欠損に導入されるように処方された第二のヒドロゲル前駆体であって、該第二のヒドロゲル前駆体が、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−co−ポリプロピレンオキシド、co−ポリエチレンオキシドブロックコポリマーまたはランダムコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アミノ酸)、デキストラン、キトサン、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、酸化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒアルロン酸、アルブミン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、第二の前駆体; を備える、システムであって、 該第一のヒドロゲル前駆体と該第二のヒドロゲル前駆体とが反応してヒドロゲルを形成し、そして 該ヒドロゲルが、該軟骨欠損の部位において組織足場を形成する、システム。前記第一のヒドロゲル前駆体が外因的に適用されるように処方されている、請求項11に記載のシステム。前記第一のヒドロゲル前駆体が内因性であり、そして前記ヒドロゲルが半自己由来である、請求項11に記載のシステム。前記天然成分が全血清である、請求項11に記載のシステム。前記第二のヒドロゲル前駆体が、N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールを含む、請求項11に記載のシステム。前記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが複数のアームを有する、請求項15に記載のシステム。前記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが4つのアームを有する、請求項16に記載のシステム。前記第一のヒドロゲル前駆体が、前記ヒドロゲルの1.5重量%〜20重量%の量で存在し、そして前記第二のヒドロゲル前駆体が、該ヒドロゲルの0.5重量%〜20重量%の量で存在する、請求項11に記載のシステム。前記ヒドロゲルが、少なくとも1つの分岐ポリエチレングリコールを含み、該分岐ポリエチレングリコールには、生物活性薬剤、抗体、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される成分が組み込まれている、請求項11に記載のシステム。前記ヒドロゲルが、幹細胞、DNA、RNA、酵素、増殖因子、成長因子、ペプチド、ポリペプチド、抗体、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの生物活性薬剤をさらに含有する、請求項11に記載のシステム。コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される天然成分を含む、第一のヒドロゲル前駆体;ならびに N−ヒドロキシスクシンイミド、コハク酸スクシンイミジル、プロピオン酸スクシンイミジル、スルホスクシンイミド、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される求電子性官能基を含む、第二のヒドロゲル前駆体、 を備える、組織欠損を修復するためのキット。前記組織足場が、生物活性薬剤、抗体、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される成分で官能基化された少なくとも一つのマルチアームポリエチレングリコールをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組織足場。前記組織足場が、生物活性薬剤、抗体、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される成分で官能基化された少なくとも一つのマルチアームポリエチレングリコールをさらに含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載のシステム。前記組織足場が、生物活性薬剤、抗体、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される成分で官能基化された少なくとも一つのマルチアームポリエチレングリコールをさらに含む、請求項21に記載のキット。

说明书全文

(関連出願の引用) 本願は、2009年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/247,998の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の開示は、その全体が本明細書中に参考として援用される。

(背景) 本開示は、ヒドロゲルに関する。特定すると、本開示は、生物活性薬剤を含有し得る多成分ヒドロゲルに関する。

求電子性官能基および求核性官能基を有する生体適合性架橋ポリマーは、そのヒドロゲルの形成における使用について公知である。これらのヒドロゲルは、種々の外科手術用途において使用され得る。ヒドロゲルは、例えば、創傷のための封止剤として、外科手術用移植物を組織に接着するための接着剤として、薬物送達デバイスとして、コーティングとして、これらの組み合わせとしてなどで、使用され得る。

細胞に増殖成分および発育成分を提供し得る組織足場として使用され得る生体適合性ポリマーが、依然として望ましい。

上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する: (項目1) コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される天然成分を含む、第一のヒドロゲル前駆体;ならびに N−ヒドロキシスクシンイミド、コハク酸スクシンイミジル、プロピオン酸スクシンイミジル、スルホスクシンイミド、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される求電子性官能基を含む、第二のヒドロゲル前駆体、 を備える、組織足場であって、該第一のヒドロゲル前駆体と該第二のヒドロゲル前駆体とが反応して、該組織足場を形成する、組織足場。 (項目2) 上記天然成分が、求核性官能基を含む、上記項目に記載の組織足場。 (項目3) 上記第一のヒドロゲル前駆体が、外因的に適用される、上記項目のいずれかに記載の組織足場。 (項目4) 上記第一のヒドロゲルが内因性であり、そして上記組織足場が半自己由来である、上記項目のいずれかに記載の組織足場。 (項目5) 上記第二のヒドロゲル前駆体が、N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールを含む、上記項目のいずれかに記載の組織足場。 (項目6) 上記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが複数のアームを有する、上記項目のいずれかに記載の組織足場。 (項目7) 上記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが4つのアームを有する、上記項目のいずれかに記載の組織足場。 (項目8) 上記第一のヒドロゲル前駆体が、上記組織足場の約1.5重量%〜約20重量%の量で存在し、そして上記第二のヒドロゲル前駆体が、該組織足場の約0.5重量%〜約20重量%の量で存在する、上記項目のいずれかに記載の組織足場。 (項目9) 上記組織足場が、幹細胞、DNA、RNA、酵素、増殖因子、成長因子、ペプチド、ポリペプチド、抗体、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの生物活性薬剤をさらに含有する、上記項目のいずれかに記載の組織足場。 (項目10) 上記組織足場が、少なくとも1つの分岐ポリエチレングリコールを含み、該分岐ポリエチレングリコールには、生物活性薬剤、抗体、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される成分が組み込まれている、上記項目のいずれかに記載の組織足場。 (項目11) 軟骨欠損を識別するための手段; 該軟骨欠損をきれいにするための手段; 該軟骨欠損に導入されるように処方された第一のヒドロゲル前駆体であって、該第一のヒドロゲル前駆体が、コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される、天然成分を含む、第一のヒドロゲル前駆体;ならびに N−ヒドロキシスクシンイミド求電子性官能基を含む、該軟骨欠損に導入されるように処方された第二のヒドロゲル前駆体であって、該第二のヒドロゲル前駆体が、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−co−ポリプロピレンオキシド、co−ポリエチレンオキシドブロックコポリマーまたはランダムコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アミノ酸)、デキストラン、キトサン、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、酸化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒアルロン酸、アルブミン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、第二の前駆体; を備える、システムであって、 該第一のヒドロゲル前駆体と該第二のヒドロゲル前駆体とが反応してヒドロゲルを形成し、そして 該ヒドロゲルが、該軟骨欠損の部位において組織足場を形成する、システム。 (項目12) 上記第一のヒドロゲル前駆体が外因的に適用されるように処方されている、上記項目に記載のシステム。 (項目13) 上記第一のヒドロゲル前駆体が内因性であり、そして上記ヒドロゲルが半自己由来である、上記項目のいずれかに記載のシステム。 (項目14) 上記天然成分が全血清である、上記項目のいずれかに記載のシステム。 (項目15) 上記第二のヒドロゲル前駆体が、N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。 (項目16) 上記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが複数のアームを有する、上記項目のいずれかに記載のシステム。 (項目17) 上記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが4つのアームを有する、上記項目のいずれかに記載のシステム。 (項目18) 上記第一のヒドロゲル前駆体が、上記ヒドロゲルの約1.5重量%〜約20重量%の量で存在し、そして上記第二のヒドロゲル前駆体が、該ヒドロゲルの約0.5重量%〜約20重量%の量で存在する、上記項目のいずれかに記載のシステム。 (項目19) 上記ヒドロゲルが、少なくとも1つの分岐ポリエチレングリコールを含み、該分岐ポリエチレングリコールには、生物活性薬剤、抗体、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される成分が組み込まれている、上記項目のいずれかに記載のシステム。 (項目20) 上記ヒドロゲルが、幹細胞、DNA、RNA、酵素、増殖因子、成長因子、ペプチド、ポリペプチド、抗体、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの生物活性薬剤をさらに含有する、上記項目のいずれかに記載のシステム。 (項目21) コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される天然成分を含む、第一のヒドロゲル前駆体;ならびに N−ヒドロキシスクシンイミド、コハク酸スクシンイミジル、プロピオン酸スクシンイミジル、スルホスクシンイミド、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される求電子性官能基を含む、第二のヒドロゲル前駆体、 を備える、組織欠損を修復するためのキット。 (項目11a) 軟骨欠損を識別する工程; 該軟骨欠損をきれいにする工程; 該軟骨欠損に、天然成分を含む第一のヒドロゲル前駆体、およびN−ヒドロキシスクシンイミド求電子性官能基を含む第二のヒドロゲル前駆体を導入する工程であって、該天然成分が、コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され、そして該第二のヒドロゲル前駆体が、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−co−ポリプロピレンオキシド、co−ポリエチレンオキシドブロックコポリマーまたはランダムコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アミノ酸)、デキストラン、キトサン、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、酸化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒアルロン酸、アルブミン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、工程;ならびに 該第一のヒドロゲル前駆体および該第二のヒドロゲル前駆体を反応させてヒドロゲルを形成する工程、 を包含する、方法であって、該ヒドロゲルが、該軟骨欠損の部位において組織足場を形成する、方法。 (項目12a) 上記第一のヒドロゲル前駆体が内因的に適用される、上記項目に記載の方法。 (項目13a) 上記第一のヒドロゲル前駆体が内因性であり、そして上記ヒドロゲルが半自己由来である、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目14a) 上記天然成分が全血清である、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目15a) 上記第二のヒドロゲル前駆体が、N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールを含む、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目16a) 上記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが複数のアームを有する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目17a) 上記N−ヒドロキシスクシンイミド基を有するポリエチレングリコールが4つのアームを有する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目18a) 上記第一のヒドロゲル前駆体が、上記ヒドロゲルの約1.5重量%〜約20重量%の量で存在し、そして上記第二のヒドロゲル前駆体が、該ヒドロゲルの約0.5重量%〜約20重量%の量で存在する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目19a) 上記ヒドロゲルが、少なくとも1つの分岐ポリエチレングリコールを含み、該分岐ポリエチレングリコールには、生物活性薬剤、抗体、酵素、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される成分が組み込まれている、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目20a) 上記ヒドロゲルが、幹細胞、DNA、RNA、酵素、増殖因子、成長因子、ペプチド、ポリペプチド、抗体、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの生物活性薬剤をさらに含有する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目21a) 上記第一のヒドロゲル前駆体と上記第二のヒドロゲル前駆体とが、上記欠損に同時に適用される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目22a) 上記第一のヒドロゲル前駆体と上記第二のヒドロゲル前駆体とが、上記欠損に別々に適用される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。 (項目23a) 上記第一のヒドロゲル前駆体と上記第二のヒドロゲル前駆体とが、上記欠損に連続的に適用される、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。

(摘要) 本開示は、多成分ヒドロゲルに関する。これらのヒドロゲルは、求核性官能基を有する天然成分、および求電子性成分を含有し得る。ある実施形態において、これらの成分のうちの少なくとも1つは、分岐し得、内部に組み込まれた薬物、抗体、酵素などを有し、これらはこのヒドロゲルの他の成分のうちの少なくとも1つと反応し得る。

(要旨) 本開示は、組織足場、この組織足場を作製する方法、および組織欠損を修復するためにこの組織足場を使用する方法を提供する。ある実施形態において、本開示の組織足場は、天然成分(例えば、コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせ)を含む第一のヒドロゲル前駆体;ならびに求電子性官能基(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、コハク酸スクシンイミジル、プロピオン酸スクシンイミジル、スルホスクシンイミド、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、およびこれらの組み合わせ)を含む第二のヒドロゲル前駆体を含有し得、この第一のヒドロゲル前駆体とこの第二のヒドロゲル前駆体とは、反応して組織足場を形成する。

本開示の方法は、ある実施形態において、軟骨欠損を識別する工程;この軟骨欠損をきれいにする工程;この欠損に、天然成分(例えば、コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせ)を含む第一のヒドロゲル前駆体を、N−ヒドロキシスクシンイミド求電子性官能基を含む第二のヒドロゲル前駆体と一緒に導入する工程であって、この第二のヒドロゲル前駆体は、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−co−ポリプロピレンオキシド、co−ポリエチレンオキシドブロックコポリマーまたはランダムコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アミノ酸)、デキストラン、キトサン、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、酸化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒアルロン酸、アルブミン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチンおよびこれらの組み合わせであり得る、工程;ならびにこの第一のヒドロゲル前駆体とこの第二のヒドロゲル前駆体とを反応させてヒドロゲルを形成する工程であって、このヒドロゲルが、この軟骨欠損の部位において組織足場を形成する、工程を包含し得る。

さらなる局面において、本開示は、組織欠損(特に、軟骨欠損)を修復する際に使用するための、天然成分(例えば、コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせ)を含む第一のヒドロゲル前駆体、ならびに求電子性官能基(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、コハク酸スクシンイミジル、プロピオン酸スクシンイミジル、スルホスクシンイミド、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、およびこれらの組み合わせ)を含む第二のヒドロゲル前駆体を提供し、この第一のヒドロゲル前駆体とこの第二のヒドロゲル前駆体とが反応して、本明細書中に記載されるような組織足場を形成する。

本開示の上記局面によれば、有利には、軟骨欠損は、第一のヒドロゲル前駆体および/または第二のヒドロゲル前駆体の導入前にきれいにされる。

さらなる局面において、本開示は、組織欠損(特に、軟骨欠損)を修復する際の、同時投与、別々の投与、または連続的投与のための、天然成分(例えば、コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせ)を含む第一のヒドロゲル前駆体、ならびに求電子性官能基(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、コハク酸スクシンイミジル、プロピオン酸スクシンイミジル、スルホスクシンイミド、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、およびこれらの組み合わせ)を含む第二のヒドロゲル前駆体を提供する。

なおさらなる局面において、本開示は、組織欠損(特に、軟骨欠損)の修復のためのキットを提供し、このキットは、天然成分(例えば、コラーゲン、血清、ゼラチン、ヒアルロン酸、およびこれらの組み合わせ)を含む第一のヒドロゲル前駆体、ならびに求電子性官能基(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、コハク酸スクシンイミジル、プロピオン酸スクシンイミジル、スルホスクシンイミド、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、およびこれらの組み合わせ)を含む第二のヒドロゲル前駆体を備える。ある実施形態において、本開示によるキットはまた、適切なパッケージ、および/または組織欠損(特に、軟骨欠損)の修復において使用するための指示書を備える。

本開示は、求電子性前駆体(本明細書中で時々、求電子性架橋剤と称される)および求核性成分を含有する、ヒドロゲルを提供する。ある実施形態において、この求核性成分は、天然成分であり、この天然成分は、求電子性架橋剤により架橋されてヒドロゲルを形成し得る。ある実施形態において、このヒドロゲルは、生分解性であり得る。用語「生分解性」とは、本明細書中で使用される場合、生体吸収性材料と生体再吸収性材料との両方を包含するように定義される。生分解性とは、その材料が、身体条件下(例えば、酵素分解または加分解)で分解するかまたは構造的一体性を失うか、あるいは身体内の生理学的条件下で(物理的または化学的に)分解し、その結果、その分解生成物が身体により排出可能または吸収可能であることを意味する。

このヒドロゲルは、インサイチュで形成され得、そして薬物送達デバイスまたは組織足場、これらの組み合わせなどとして利用され得る。ある実施形態において、このヒドロゲルは、生物学的因子/分子および/または細胞を、移植の部位で送達および/または放出し得る。従って、本開示のヒドロゲルが組織足場として利用される場合、このヒドロゲルは、周囲の組織に必要とされる栄養および生物活性薬剤を提供することによって、天然の組織の再増殖を補助し得る。いくつかの実施形態において、以下でさらに議論されるように、このヒドロゲル自体は、天然成分(例えば、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン酸、これらの組み合わせなど)を含有し得るので、この天然成分は、このヒドロゲルが分解するにつれて、移植部位で放出され得る。用語「天然成分」とは、本明細書中で使用される場合、天然に見出され得るか、または天然に見出される組成物/生物から誘導され得る、ポリマー、組成物、材料、これらの組み合わせなどを包含する。天然成分はまた、天然に見出されるが(例えば、天然/合成/生物学的組換え材料を作製する方法、および天然に見出されるものと同じ配列を有するタンパク質を産生し得る方法、ならびに/または天然材料と同じ構造および成分を有する材料を生成し得る方法を使用して)人工的に合成され得る組成物(例えば、合成ヒアルロン酸(例えば、Sigma Aldrichから市販されている))を包含し得る。

組織上または組織内にヒドロゲルを形成するための成分としては、例えば、インサイチュ形成材料が挙げられる。インサイチュ形成材料は、「インサイチュ」で形成する1つの前駆体または複数の前駆体を含み得る。「インサイチュ」とは、形成が生存している動物またはヒトの身体内の組織で起こることを意味する。一般に、これは、適用の時点で活性化されて、ある実施形態においてはヒドロゲルを生じ得る、前駆体を有することによって、達成され得る。活性化は、種々の方法(環境変化(例えば、pH、イオン性、温度など)が挙げられるが、これらに限定されない)を介し得る。他の実施形態において、ヒドロゲルを形成する成分は、身体外で接触され得、次いで、移植物(例えば、(予め形成された)組織足場として)患者に導入され得る。

上記のように、インサイチュ形成材料は、1つ以上の前駆体から作製され得る。この前駆体は、例えば、モノマーまたはマクロマーであり得る。1つの型の前駆体は、求電子性または求核性である官能基を有し得る。求電子試薬は、求核試薬と反応して、共有結合を形成する。共有架橋または共有結合とは、互いに異なるポリマーを共有結合するように働く、異なるポリマー上の官能基の反応により形成される化学基をいう。特定の実施形態において、第一の前駆体上の第一のセットの求電子性官能基は、第二の前駆体上の第二のセットの求核性官能基と反応し得る。これらの前駆体が反応を可能にする環境中(例えば、pHまたは溶媒に関連して)で混合されると、これらの官能基が互いに反応して、共有結合を形成する。これらの前駆体は、これらの前駆体のうちの少なくともいくつかが1つより多くの他の前駆体と反応し得る場合に、架橋する。例えば、第一の型の2つの官能基を有する前駆体は、この第一の型の官能基と反応し得る第二の型の少なくとも3つの官能基を有する架橋前駆体と反応し得る。

ある実施形態において、ヒドロゲルは、1つの前駆体または複数の前駆体から形成され得る。例えば、ヒドロゲルが複数の前駆体(例えば、2つの前駆体)から形成される場合、これらの前駆体は、第一のヒドロゲル前駆体および第二のヒドロゲル前駆体と称され得る。用語「第一のヒドロゲル前駆体」および「第二のヒドロゲル前駆体」は、各々、反応に関与して架橋分子(例えば、ヒドロゲル)の網目構造を形成し得るポリマー、官能性ポリマー、高分子、低分子、または架橋剤を意味する。

用語「官能基」とは、本明細書中で使用される場合、互いに反応して結合を形成し得る、求電子性基または求核性基をいう。求電子性官能基としては、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)、スルホスクシンイミド、カルボニルジイミダゾール、塩化スルホニル、アリールハロゲン化物、スルホスクシンイミジルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、スクシンイミジルエステル(例えば、コハク酸スクシンイミジルおよび/またはプロピオン酸スクシンイミジル)、イソシアネート、チオシアネート、カルボジイミド、ベンゾトリアゾールカーボネート、エポキシド、アルデヒド、マレイミド、イミドエステル、これらの組み合わせなどが挙げられる。ある実施形態において、求電子性官能基は、スクシンイミジルエステルである。

求電子性ヒドロゲル前駆体は、生物学的に不活性かつ水溶性のコア、および非水溶性コアを有し得る。このコアが水溶性であるポリマー領域である場合、使用され得る適切なポリマーとしては、ポリエーテル(例えば、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリエチレンオキシド(「PEO」)、ポリエチレンオキシド−co−ポリプロピレンオキシド(「PPO」)co−ポリエチレンオキシドブロックコポリマーまたはランダムコポリマー、およびポリビニルアルコール(「PVA」));ポリ(ビニルピロリドン)(「PVP」);ポリ(アミノ酸);ポリ(サッカリド)(例えば、デキストラン、キトサン、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、酸化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース);ヒアルロン酸;ならびにタンパク質(例えば、アルブミン、コラーゲン、カゼイン、およびゼラチン)が挙げられる。ある実施形態において、上記ポリマーの組み合わせが利用され得る。

ポリエーテル、より特定すると、ポリ(オキシアルキレン)またはポリ(エチレングリコール)またはポリエチレングリコールが、いくつかの実施形態において利用され得る。このコアの分子の性質が小さい場合、種々の親水性官能基の任意のものが、第一のヒドロゲル前駆体および第二のヒドロゲル前駆体を水溶性にするために使用され得る。例えば、ヒドロキシル、アミン、スルホネートおよびカルボキシレートなどの官能基(これらは、水溶性である)は、前駆体を水溶性にするために使用され得る。例えば、スベリン酸のN−ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)エステルは、水に不溶性であるが、スルホネート基をそのスクシンイミド環に付加することによって、スベリン酸のNHSエステルは、そのアミン基に対する反応性に影響を与えることなく、水溶性にされ得る。

第一のヒドロゲル前駆体および第二のヒドロゲル前駆体の各々は、多官能性であり得る。すなわち、2つ以上の求電子性官能基または求核性官能基を含み得、その結果、例えば、第一のヒドロゲル前駆体上の求核性官能基が第二のヒドロゲル前駆体上の求電子性官能基と反応して、共有結合を形成し得る。第一のヒドロゲル前駆体および第二のヒドロゲル前駆体のうちの少なくとも1つは、2つより多くの官能基を含み、その結果、求電子−求核反応の結果として、これらの前駆体が化合して、架橋ポリマー生成物を形成する。

求電子性官能基を有する高分子は、マルチアームであり得る。例えば、この高分子は、コアから延びる4つ、6つ、8つ、またはそれより多くのアームを有するマルチアームPEGであり得る。このコアは、これらのアームを形成する高分子と同じであっても異なっていてもよい。例えば、このコアはPEGであり得、そしてこれらの複数のアームもまたPEGであり得る。ある実施形態において、このコアは、天然ポリマーであり得る。

求電子性架橋剤の分子量(MW)は、約2,000ダルトン(Da)〜約100,000Da;ある実施形態においては、約10,000Da〜約40,000Daであり得る。マルチアーム前駆体は、アームの数に依存して変動する分子量を有し得る。例えば、1000MWのPEGを有するアームは、少なくとも合計1000MWになるために充分なCH2CH2O基を有する。個々のアームの合わせた分子量は、約250Da〜約5,000Da;ある実施形態においては、約1,000Da〜約3,000Da;ある実施形態においては、約1,250Da〜約2,500Daであり得る。ある実施形態において、求電子性架橋剤は、例えば、4つ、6つまたは8つのアームを有し、そして約5,000Da〜約25,000Daの分子量を有する、複数のNHS基で官能基化されたマルチアームPEGであり得る。適切な前駆体の他の例は、米国特許第6,152,943号;同第6,165,201号;同第6,179,862号;同第6,514,534号;同第6,566,406号;同第6,605,294号;同第6,673,093号;同第6,703,047号;同第6,818,018号;同第7,009,034号;および同第7,347,850号に記載されており、これらの各々の全開示は、本明細書中に参考として援用される。

求電子性前駆体は、別の成分(ある実施形態においては、天然成分)上の求核試薬と結合し得る、求電子性官能基を提供する架橋剤であり得る。この天然成分は、この求電子性架橋剤が適用される患者に対して内因性のものであっても、外因的に適用されてもよい。

ある実施形態において、これらの前駆体のうちの1つは、求核性基を有する天然成分であり得る。存在し得る求核性基としては、例えば、−NH2、−SH、−OH、−PH2、および−CO−NH−NH2が挙げられる。

この天然成分は、例えば、コラーゲン、ゼラチン、血液(血清(全血清であってもその抽出物であってもよい)が挙げられる)、ヒアルロン酸、タンパク質、アルブミン、他の血清タンパク質、血清濃縮物、血小板に富む血漿(prp)、これらの組み合わせなどであり得る。利用され得るかまたは別の天然成分に添加され得るさらなる適切な天然成分(本明細書中で時々、生物活性薬剤と称される)としては、例えば、幹細胞、DNA、RNA、酵素、増殖因子、成長因子、ペプチド、ポリペプチド、抗体、他の窒素性天然分子、これらの組み合わせなどが挙げられる。他の天然成分としては、上記のものの誘導体(例えば、修飾ヒアルロン酸、デキストラン、他の多糖類、ポリマーおよび/またはポリペプチド(天然に誘導され得るか、合成的にかもしくは生物学的に誘導され得る、アミノ化多糖類が挙げられる))が挙げられ得る。例えば、ある実施形態において、ヒアルロン酸は、求核性にするように修飾され得る。

ある実施形態において、上記天然成分のうちの任意のものは、当業者の知識の範囲内である方法を利用して、合成的に調製され得る(例えば、合成ヒアルロン酸)。同様に、ある実施形態において、天然成分は、天然または合成の長鎖アミノ化ポリマーであり得る。天然成分はまた、修飾(すなわち、アミノ化)されて、求核性ポリマーを作製し得る。

天然成分は、インサイチュで接触する組織に、細胞構築ブロックまたは細胞栄養を提供し得る。例えば、血清は、タンパク質、グルコース、凝固因子、鉱物イオン、およびホルモンを含有し、これらは、組織の形成または再生において有用であり得る。

ある実施形態において、天然成分は、全血清を含む。ある実施形態において、天然成分は、このヒドロゲルが形成される(または形成されるべきである)身体由来の自己由来(すなわち、コラーゲン、血清、血液など)である。この様式で、このヒドロゲルが使用されるべきヒトまたは動物は、このヒドロゲルの形成において使用するための天然成分を提供し得る。このような実施形態において、得られるヒドロゲルは、合成求電子性前駆体と、自己由来/内因性の求核性前駆体とを含む、半自己由来である。

ある実施形態において、多官能性求核性ポリマー(例えば、複数のアミン基を有する天然成分)が、第一のヒドロゲル前駆体として使用され得、そして多官能性求電子性ポリマー(例えば、複数のNHS基で官能基化されたマルチアームPEG)が、第二のヒドロゲル前駆体として使用され得る。ある実施形態において、これらの前駆体は、溶液にあり得、これらの溶液が、このヒドロゲルの形成を許容するように組み合わせられ得る。インサイチュ形成材料系の一部として利用される任意の溶液は、有害な溶媒または毒性の溶媒を含有するべきではない。ある実施形態において、前駆体は、生理学的に適合性の溶液(例えば、緩衝化等張生理食塩水)における適用を可能にするために、水などの溶媒に実質的に可溶性であり得る。

ある実施形態において、ヒドロゲルは、天然成分としてのコラーゲンおよびゼラチンと、架橋剤として利用される多官能性PEGとの組み合わせから形成され得る。ある実施形態において、コラーゲンまたはゼラチンは、適切な溶媒を利用して、溶液に入れられ得る。このような緩衝液は、約8〜約12、ある実施形態においては、約8.2〜約9のpHを有し得る。このような緩衝液の例としては、ホウ酸緩衝液などが挙げられるが、これらに限定されない。

第二の溶液中で、求電子性架橋剤(ある実施形態においては、求電子性基(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド)で官能基化されたマルチアームPEG)は、ハンクス平衡塩類溶液、ダルベッコ改変イーグル培地、リン酸緩衝化生理食塩水、水、リン酸緩衝液、これらの組み合わせなどの緩衝液中で調製され得る。求電子性架橋剤(ある実施形態においては、N−ヒドロキシスクシンイミド基で官能基化されたマルチアームPEG)は、上記緩衝剤を含有する溶液中に、約0.02グラム/ml〜約0.5グラム/ml、ある実施形態においては、約0.05グラム/ml〜約0.3グラム/mlの濃度で存在し得る。

これらの2つの成分は、インサイチュに導入され得、ここで、マルチアームPEG上の求電子性基は、コラーゲンおよび/またはゼラチンのアミン求核性成分を架橋させる。天然成分対求電子性成分の比(すなわち、コラーゲン:PEG)は、約0.1:1〜約100:1、ある実施形態においては、約1:1〜約10:1であり得る。

天然成分(例えば、コラーゲン、ゼラチン、および/またはヒアルロン酸)は、一緒になって、ヒドロゲルの少なくとも約1.5重量%、ある実施形態においては、ヒドロゲルの約1.5重量%〜約20重量%、他の実施形態においては、ヒドロゲルの約2重量%〜約10重量%の濃度で存在し得る。特定の実施形態において、コラーゲンは、ヒドロゲルの約0.5重量%〜約7重量%、さらなる実施形態においては、ヒドロゲルの約1重量%〜約4重量%で存在し得る。別の実施形態において、ゼラチンは、ヒドロゲルの約1重量%〜約20重量%、さらなる実施形態においては、ヒドロゲルの約2重量%〜約10重量%で存在し得る。なお別の実施形態において、天然成分として組み合わせられたヒアルロン酸およびコラーゲンは、ヒドロゲルの約0.5重量%〜約8重量%、さらなる実施形態においては、ヒドロゲルの約1重量%〜約5重量%で存在し得る。ヒアルロン酸は、「構造的」成分としては存在しないかもしれず、むしろ生物活性薬剤として存在し得ることもまた想定される。例えば、ヒアルロン酸は、溶液/ゲル中に、この溶液/ゲルのほんの0.001重量%の濃度で存在し得、そして生物学的活性を有し得る。

求電子性架橋剤は、ヒドロゲルの約0.5重量%〜約20重量%、ある実施形態においては、ヒドロゲルの約1.5重量%〜約15重量%の量で存在し得る。

インサイチュ形成材料は、共有結合、イオン結合または疎水性結合のいずれかを介して形成され得る。物理的(非共有)架橋は、錯化、水素結合、脱溶媒和、ファンデルワールス相互作用、イオン結合、これらの組み合わせなどから生じ得、そしてインサイチュで合わせられるまで物理的に離れている2つの前駆体を混合することによってか、または生理学的環境の主要な条件(温度、pH、イオン強度、これらの組み合わせなどが挙げられる)の結果として、開始され得る。化学的(共有)架橋は、多数の機構(フリーラジカル重合、縮合重合、アニオン重合、カチオン重合、段階成長重合、求電子試薬−求核試薬反応、これらの組み合わせなどが挙げられる)のうちのいずれかによって、達成され得る。

いくつかの実施形態において、インサイチュ形成材料系は、前駆体が混合される際に自発的に架橋するが、2つ以上の前駆体は堆積プロセスの過程にわたって個々に安定である、生体適合性多前駆体系を含み得る。他の実施形態において、インサイチュ形成材料は、内因性の材料および/または組織と架橋する1つの前駆体を含有し得る。

得られる生体適合性架橋ポリマーの架橋密度は、架橋剤および天然成分の全体の分子量、ならびに1分子あたりで利用可能な官能基の数によって、制御され得る。架橋の間のより低い分子量(例えば、600Da)は、より高い分子量(例えば、10,000Da)と比較して、ずっと高い架橋密度を与える。弾性ゲルは、3000Daを超える分子量を有する、より高い分子量の天然成分を用いて得られ得る。

架橋密度はまた、架橋剤および天然成分の溶液の全体的な固形分の百分率により制御され得る。固形分の百分率を増加させると、求電子性基が加水分解による不活性化の前に求核性基と化合する可能性が増大する。架橋密度を制御するなお別の方法は、求電子性基に対する求核性基の化学量論を調節することによる。1:1の比は、最も高い架橋密度をもたらし得るが、反応性官能基の他の比(例えば、求電子試薬:求核試薬)が、所望の処方物に合うことが想定される。

求核性官能基を含有する天然成分と求電子性官能性前駆体とは、反応してヒドロゲルを形成する。この反応は、インサイチュで起こり得るか、または身体内もしくは身体表面上への将来の移植のために身体の外側で起こり得る。ある実施形態において、本開示のヒドロゲルは、表面(例えば、患者の組織)への適用後に迅速に架橋してインサイチュ形成材料を形成する前駆体を化合させることによって、生成され得る。

このように生成されたヒドロゲルは、生体吸収性であり得、その結果、このヒドロゲルは、身体から回収される必要がない。吸収性材料は、所定の期間の終了時に、生物学的組織により吸収されてインビボで消失する。この所定の期間は、その材料の化学的性質に依存して、例えば、1日から数ヶ月までで変動し得る。吸収性材料は、天然生分解性ポリマーと合成生分解性ポリマーとの両方、および生体腐食性ポリマーを包含する。

ある実施形態において、官能基の間に存在する生分解性結合を有する1つ以上の前駆体は、ヒドロゲルを生分解性または生体吸収性にするために導入され得る。いくつかの実施形態において、これらの結合は、例えば、エステルであり得、これらは、生理学的溶液中で加水分解により分解し得る。このような結合の使用は、タンパク質分解作用により分解し得るタンパク質結合とは対照を成すものである。生分解性結合はまた、必要に応じて、前駆体のうちの1つ以上の水溶性コアの一部を形成し得る。あるいは、またはさらに、前駆体の官能基は、これらの前駆体間の反応の生成物が生分解性結合を生じるように選択され得る。各アプローチについて、生分解性結合は、得られる生分解性生体適合性架橋ポリマーが、所望の期間で分解するかまたは吸収されるように、選択され得る。一般に、ヒドロゲルを生理学的条件下で非毒性生成物または低毒性生成物に分解する、生分解性結合が選択され得る。

本開示のゲルは、生分解性領域(天然成分の一部であれ、合成求電子性架橋剤に導入されたものであれ)の加水分解または酵素分解に起因して分解し得る。合成ペプチド配列を含むゲルの分解は、特定の酵素およびその濃度に依存する。いくつかの場合において、特定の酵素は、架橋反応中に添加されて、分解プロセスを加速し得る。いずれの分解酵素も存在しない場合、架橋ポリマーは、単に、生分解性セグメントの加水分解によって分解し得る。ポリグリコレートが生分解性セグメントとして使用される実施形態において、架橋ポリマーは、その網目構造の架橋密度に依存して、約1日〜約30日で分解し得る。同様に、ポリカプロラクトンベースの架橋網目構造が使用される実施形態において、分解は、約1ヶ月〜約8ヶ月の期間にわたって起こり得る。この分解時間は、一般に、使用される分解性セグメントの型に従って、以下の順序で変動する:ポリグリコレート<ポリラクテート<ポリトリメチレンカーボネート<ポリカプロラクトン。従って、適切な分解性セグメントを使用して、所望の分解プロフィール(数日〜数ヶ月)を有するヒドロゲルを構築することが可能である。

利用される場合、求電子性架橋剤を形成するために利用される、生分解性ブロック(例えば、オリゴヒドロキシ酸ブロック)により生じる疎水性、またはPLURONICTMポリマーもしくはTETRONICTMポリマーのPPOブロックの疎水性は、小さい有機薬物分子を溶解する際に有用であり得る。生分解性ブロックまたは疎水性ブロックの組み込みにより影響を受ける他の特性としては、水吸収、機械的特性および感熱性が挙げられる。

インサイチュ形成材料系の特性は、意図される用途に従って選択され得る。例えば、このインサイチュ形成材料が生殖器官(例えば、ファローピウス管)を一時的に閉塞させるために使用されるべきである場合、このインサイチュ形成材料系は、充分な膨潤を起こし、そして生分解性であることが望ましい。あるいは、インサイチュ形成材料は、血栓特性を有し得るか、またはその前駆体が血液もしくは他の体液と反応して凝塊を形成し得る。ある実施形態において、これらの前駆体は、内因性であり得るかまたは外因的に適用され得る血液または体液と反応し、これによって、組織足場を形成する。

他の用途は、インサイチュ形成材料系の異なる特徴を必要とし得る。一般に、材料は、示される生体適合性、および毒性がないことに基づいて選択されるべきである。

インサイチュ形成材料の特定の特性(種々の組織への接着、外科医がインサイチュ形成材料を正確かつ好都合に配置することを可能にするために望ましい硬化時間、生体適合性のための高い含水量(これは、ヒドロゲルに関連し得る)、封止剤において使用するための機械的強度、および/または配置後の破壊に抵抗する靭性が挙げられる)は、有用であり得る。従って、すでに滅菌されており、そして天然材料の使用に関与する疾患伝達の危険性を回避している合成材料が、使用され得る。実際に、合成前駆体を使用して作製された特定のインサイチュ重合性ヒドロゲルは、例えば、FOCALSEAL(登録商標)(Genzyme,Inc.)、COSEAL(登録商標)(Angiotech Pharmaceuticals)、およびDURASEAL(登録商標)(Confluent Surgical,Inc.)などの市販の製品において使用されているように、当業者の知識の範囲内である。他の公知のヒドロゲルとしては、例えば、米国特許第6,656,200号;同第5,874,500号;同第5,543,441号;同第5,514,379号;同第5,410,016号;同第5,162,430号;同第5,324,775号;同第5,752,974号;および同第5,550,187号に開示されているヒドロゲルが挙げられる。

上記のように、ある実施形態において、分岐マルチアームPEG(本明細書中で時々、PGEスターと称される)が、本開示のヒドロゲルを形成するために含有され得る。PEGスターは、そのアームが生物機能性基(biofunctional group)(例えば、アミノ酸、ペプチド、抗体、酵素、薬物、これらの組み合わせ)を含むように、または他の部分(例えば、生物活性薬剤)をそのコア、そのアーム、もしくはそのアームの端部に含むように、官能基化され得る。生物機能性基はまた、PEGの骨格に組み込まれ得るか、またはPEG骨格内に含まれる反応性基に付着され得る。この結合は、共有結合であっても非共有結合(静電結合、チオール媒介結合、ペプチド媒介結合が挙げられる)であってもよく、または公知の反応性化学物質(例えば、ビオチンとアビジン)を使用してもよい。

PEGスターに組み込まれるアミノ酸は、天然であっても合成であってもよく、そして単一で使用されても、ペプチドの一部として使用されてもよい。配列は、細胞接着、細胞分化、これらの組み合わせなどのために利用され得、そして他の生物学的分子(例えば、増殖因子、成長因子、薬物、サイトカイン、DNA、抗体、酵素、これらの組み合わせなど)を結合するために有用であり得る。このようなアミノ酸は、PEGスターの酵素分解の際に放出され得る。

これらのPEGスターはまた、これらのヒドロゲルへの組み込みを可能にするように、上記のような官能基を含み得る。PEGスターは、求電子性架橋剤として利用され得るか、またはある実施形態においては、上記求電子性架橋剤に加えての別の成分として利用され得る。ある実施形態において、PEGスターは、求核性基に結合する求電子性基を含み得る。上記のように、求核性基は、本開示のヒドロゲルを形成するために利用される天然成分の一部であり得る。

いくつかの実施形態において、生物機能性基は、分解性結合(PEGカルボン酸または活性化PEGカルボン酸と、生物機能性基上のアルコール基との反応により形成される、エステル結合が挙げられる)によって、PEGスターに含まれ得る。この場合、これらのエステル基は、生理学的条件下で加水分解して、生物機能性基を放出し得る。

ある実施形態において、インサイチュ形成材料はまた、開始剤を含み得る。開始剤は、インサイチュ形成材料の形成のための重合反応を開始し得る任意の前駆体または基であり得る。

(インサイチュ重合) 前駆体は、使用前に溶解して溶液を形成し得、この溶液が、患者に送達される。本明細書中で使用される場合、溶液は、均質なもの、不均質なもの、相分離したものなどであり得る。他の実施形態において、前駆体は、エマルジョン中に存在し得る。本開示に従って使用するために適切な溶液としては、移植物を管腔内または空隙内に形成するために使用され得る溶液が挙げられる。2つの溶液が使用される場合、各溶液が、接触すると形成するインサイチュ形成材料の前駆体を1つずつ含有し得る。これらの溶液は別々に貯蔵され得、そして組織に送達されるときに混合され得る。

上記のような求電子性架橋剤は、天然成分と反応して、架橋ポリマー網目構造を生成し得る。一般に、架橋剤の水溶液は、天然成分と混合されて、架橋ヒドロゲルを生成し得る。架橋ポリマーヒドロゲルを形成するための反応条件は、官能基の性質に依存する。ある実施形態において、反応は、約5〜約12のpHの緩衝化水溶液中で行われる。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、ハンクス平衡塩類溶液、ダルベッコ改変イーグル培地、水、リン酸緩衝液、ホウ酸ナトリウム緩衝液、トリエタノールアミン緩衝液、これらの組み合わせなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、有機溶媒(例えば、エタノールまたはイソプロパノール)が、反応速度を改善するため、または与えられる処方物の粘度を調整するために、添加され得る。

求電子性架橋剤が合成物質(例えば、ポリアルキレンオキシドベースのもの)である場合、モル当量の反応物質を使用することが望ましくあり得る。いくつかの場合において、モル過剰の求電子性架橋剤が、副反応(例えば、官能基の加水分解に起因する反応)を補償するために添加され得る。

求電子性架橋剤および天然成分を選択する場合、これらの前駆体のうちの少なくとも1つは、1分子あたり2つより多くの官能基および少なくとも1つの分解性領域(得られる生体適合性架橋ポリマーが生分解性であることが望ましい場合)を有し得る。

前駆体架橋反応をインサイチュで起こすために適切な処方物が調製され得る。一般に、このことは、組織への適用の時点で活性化されて架橋ヒドロゲルを形成し得る前駆体を有することによって、達成され得る。活性化は、組織への前駆体の適用前、適用中、または適用後に行われ得るが、ただし、この前駆体は、架橋する前にその組織の形状に一致させられ、そして関連するゲル化は、その他の点では非常に速く進行する。活性化は、例えば、互いに反応する官能基を有する前駆体を混合することを包含する。従って、インサイチュ重合は、化学部分を活性化させて共有結合を形成し、不溶性材料(例えば、ヒドロゲル)を、この材料が配置されるべき位置(患者の表面、内部、または表面と内部との両方)に作製することを包含する。インサイチュ重合性ポリマーは、患者内でポリマーを形成するように反応し得る前駆体から調製され得る。従って、求電子性官能基を有する前駆体は、求核性官能基を有する前駆体の存在下で混合され得るか、または他の様式で活性化され得る。

組織をコーティングすることに関して、本開示を特定の操作の理論に限定しないが、組織表面と接触した後に迅速に架橋する反応性前駆体種は、コーティングされる組織と機械的に相互に噛み合う三次元構造を形成し得ると考えられる。この相互の噛み合いは、組織のコーティングされる領域の接着性、密接な接触、および連続的な被覆に寄与する。他の実施形態において、求電子性前駆体が使用される場合、このような前駆体は、組織内の遊離アミンと反応し得、これによってヒドロゲルを組織に付着させるための手段として働く。

ゲル化をもたらす架橋反応は、いくつかの実施形態においては、約1秒〜約5分、いくつかの実施形態においては、約3秒〜約1分以内の時間で起こり得る。当業者は、これらの例示的に記載される範囲内の全ての範囲および値が想定されることを即座に理解する。例えば、ある実施形態において、本開示によるヒドロゲルのインサイチュゲル化時間は、約20秒未満、いくつかの実施形態においては、約10秒未満、そしてなお他の実施形態においては、約5秒未満である。

(投与) 上記のように、求電子性架橋剤は、単独で導入され得、これによって、内因性の天然成分と架橋する。あるいは、天然成分は、患者から取り出され得るか、または他の供給源から得られ得、次いで、求電子性架橋剤と一緒に導入されて、本開示のヒドロゲルを形成し得る(例えば、血漿)。前駆体は、使用前に溶液に入れられ得、この溶液が患者に送達される。単一の前駆体(すなわち、求電子性架橋剤)の送達のために注射器を使用し得るか、あるいは1つより多くの前駆体溶液を適用するために二重注射器または類似のデバイス(例えば、米国特許第4,874,368号;同第4,631,055号;同第4,735,616号;同第4,359,049号;同第4,978,336号;同第5,116,315号;同第4,902,281号;同第4,932,942号;同第6,179,862号;同第6,673,093号;および同第6,152,943号に記載されるもの)を使用し得る。

他の実施形態において、前駆体は、フィルムまたは発泡剤を作製するように組み合わせられ得、次いで、これらのフィルムまたは発泡剤が、患者に移植され得る。フィルムおよび発泡剤を作製する方法は、当業者の知識の範囲内であり、スプレー、フィルムキャスティング、凍結乾燥技術などが挙げられるが、これらに限定されない。

(使用) 上記のように、本開示のヒドロゲルは、組織接着剤または封止剤として利用され得る。このヒドロゲルはまた、組織欠損を補正するために使用され得る。本明細書中で使用される場合、「組織欠損」は、正常な健常な状態からの組織の任意の破損を包含し得る。この破損は、内部要因(例えば、変性疾患)または外部要因(例えば、傷害)に起因し得る。組織の正常な構造からの任意の変化が、「組織欠損」であり得る。いくつかの実施形態において、組織欠損を補正するために利用される場合、本開示のヒドロゲルは、組織足場と称され得る。

ヒドロゲル組成物は、軟骨修復、修復、靭帯修復、変形性関節症の処置、骨充填材、軟部組織欠損を修復するため、軟部/硬部組織界面のための充填材として、および/あるいは一般的な器官または組織の修復のために利用され得る。一般的な器官または組織の修復としては、例えば、胃腸、胸部、心臓、神経、または他の器官の修復が挙げられ得る。

ある実施形態において、軟骨修復のために利用される場合、本開示のヒドロゲルを使用する方法は、軟骨欠損を識別する工程、および次いで、この軟骨欠損をきれいにする工程を包含し得る。一旦、欠損がきれいにされたら、本開示のヒドロゲル組成物がこの欠損に導入され得る。上記のように、ある実施形態において、少なくとも1つのヒドロゲル前駆体がその内部に導入され得る。ある実施形態において、これらの前駆体のうちの1つ(時々、第一のヒドロゲル前駆体と称される)は、求核性基を有する天然成分であり得る。上記のように、この天然成分は、内因性であっても外因的に適用されてもよい。求電子性官能基を有する第二の前駆体もまた、上記または当業者の知識の範囲内である任意の方法または装置を利用して、欠損に適用され得る。次いで、第一のヒドロゲル前駆体および第二のヒドロゲル前駆体は、反応してヒドロゲルを形成し得、このヒドロゲルは、軟骨欠損の部位で組織足場として働き得る。

ヒドロゲルは、多孔性であっても滑らかであってもよい。特定の実施形態において、ヒドロゲルは、多孔性であり得る。用語「多孔性」とは、本明細書中で使用される場合、このヒドロゲルが規定された開口部および/または空間を有し得、これらの開口部および/または空間が、このヒドロゲルに部分的にかまたは完全に貫入する、表面特徴またはバルク材料特性として存在することを意味する。細孔は、当業者の知識の範囲内である方法(焼結、塩、糖またはデンプン結晶のリーチングなどのプロセスが挙げられるが、これらに限定されない)を使用して作製され得る。多孔性材料は、連続気泡構造を有し得、この構造において、これらの細孔は、互いに接続して、相互接続した網目構造を形成する。逆に、ヒドロゲルは、不連続気泡であり得、この構造において、細孔は相互接続していない。

ヒドロゲルは、さらなる生物活性薬剤でコーティングされ得るか、またはさらなる生物活性薬剤を含有し得る。用語「生物活性薬剤」とは、本明細書中で使用される場合、その最も広い意味で使用され、そして臨床用途を有する任意の物質または物質混合物を包含する。その結果、生物活性薬剤は、それ自体が薬理活性を有しても有さなくてもよい(例えば、色素)。

あるいは、生物活性薬剤は、治療効果または予防効果を提供する任意の薬剤、組織成長、細胞増殖、細胞分化に影響を与えるかまたは関与する化合物、抗接着化合物、生物学的作用(例えば、免疫応答)を惹起すことが可能であり得る化合物、あるいは1つ以上の生物学的プロセスにおいて他の任意の役割を果たし得る化合物であり得る。生物活性薬剤は、任意の適切な形態(例えば、フィルム、粉末、液体、ゲルなど)で、ヒドロゲルに適用され得ることが想定される。

上記のように、マルチアームPEGまたはPEGスターを含む実施形態において、生物活性薬剤は、PEGのコア、PEGのアーム、またはこれらの組み合わせに組み込まれ得る。ある実施形態において、生物活性薬剤は、PEG鎖中の反応性基に付着され得る。生物活性薬剤は、共有結合しても非共有結合(すなわち、静電結合、チオール媒介結合またはペプチド媒介結合を介する)してもよく、またはビオチン−アビジン化学などを使用してもよい。

本開示により利用され得る生物活性薬剤のクラスの例としては、例えば、接着防止薬剤、抗菌薬、鎮痛薬、解熱薬、麻酔薬、鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、心臓血管薬剤、診断剤、交感神経様作用薬、コリン様作用薬、抗ムスカリン薬、鎮痙薬、ホルモン、増殖因子、成長因子、筋弛緩薬、アドレナリン作用性ニューロン遮断薬、抗腫瘍薬、免疫原性薬剤、免疫抑制薬、胃腸薬、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖類、多糖類、血小板活性化薬物、凝固因子および酵素が挙げられる。生物活性薬剤の組み合わせが使用され得ることもまた意図される。

接着防止薬剤は、ヒドロゲルと、標的組織に対向する周囲組織との間で接着が形成されることを防止するために利用され得る。さらに、接着防止薬剤は、コーティングされた移植可能医療デバイスと、包装材料との間で接着が形成されることを防止するために使用され得る。これらの薬剤のいくつかの例としては、親水性ポリマー(例えば、ポリ(ビニルピロリドン)、カルボキシメチルセルロース、ヒアルロン酸、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコールおよびこれらの組み合わせ)が挙げられるが、これらに限定されない。

生物活性薬剤として含有され得る適切な抗菌剤としては、例えば、トリクロサン(triclosan)(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルとしてもまた公知)、クロルヘキシジンおよびその塩(酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、および硫酸クロルヘキシジンが挙げられる)、銀およびその塩(酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、クエン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、銀タンパク、および銀スルファジアジンが挙げられる)、ポリミキシン、テトラサイクリン、アミノグリコシド(例えば、トブラマイシンおよびゲンタマイシン)、リファンピシン、バシトラシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール、ミコナゾール、キノロン(例えば、オキソリン酸、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン(pefloxacin)、エノキサシンおよびシプロフロキサシン)、ペニシリン(例えば、オキサシリンおよびピプラシル(pipracil))、ノンオキシノール9、フシジン酸、セファロスポリン、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。さらに、抗菌タンパク質およびペプチド(例えば、ウシラクトフェリンおよびラクトフェリシン(lactoferricin)B)が、生物活性薬剤として含有され得る。

生物活性薬剤として含有され得る他の生物活性薬剤としては、局所麻酔薬;非ステロイド性避妊薬;副交感神経様作用剤;精神療法剤;トランキライザ;うっ血除去薬;鎮静催眠薬;ステロイド;スルホンアミド;交感神経様作用剤;ワクチン;ビタミン;抗マラリア薬;抗片頭痛薬;抗パーキンソン剤(例えば、L−ドパ);鎮痙薬;抗コリン作用性剤(例えば、オキシブチニン);鎮咳薬;気管支拡張薬;心臓血管薬剤(例えば、冠状血管拡張薬およびニトログリセリン);アルカロイド;鎮痛薬;麻酔薬(例えば、コデイン、ジヒドロコデイノン、メペリジン、モルヒネなど);非麻酔薬(例えば、サリチレート、アスピリン、アセトアミノフェン、d−プロポキシフェンなど);オピオイドレセプターアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソンおよびナロキソン);抗癌剤;鎮痙薬;制吐薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤(例えば、ホルモン剤、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、非ホルモン剤、アロプリノール、インドメタシン、フェニルブタゾンなど);プロスタグランジンおよび細胞傷害性薬剤;化学療法剤、エストロゲン;抗菌剤;抗生物質;抗真菌剤;抗ウイルス剤;抗凝固薬;鎮痙薬;抗うつ薬;抗ヒスタミン薬;ならびに免疫学的薬剤が挙げられる。

ヒドロゲルに含有され得る適切な生物活性薬剤の他の例としては、例えば、ウイルスおよび細胞(幹細胞が挙げられる);ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質、ならびにアナログ、ムテイン、およびその活性フラグメント;免疫グロブリン;抗体;サイトカイン(例えば、リンホカイン、モノカイン、ケモカイン);血液凝固因子;造血因子;インターロイキン(IL−2、IL−3、IL−4、IL−6);インターフェロン(β−IFN、α−IFNおよびγ−IFN);エリスロポイエチン;ヌクレアーゼ;腫瘍壊死因子;コロニー刺激因子(例えば、GCSF、GM−CSF、MCSF);インスリン;抗腫瘍剤および癌抑制因子;血液タンパク質(例えば、フィブリン、トロンビン、フィブリノゲン、合成トロンビン、合成フィブリン、合成フィブリノゲン);性腺刺激ホルモン(例えば、FSH、LH、CGなど);ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン);ワクチン(例えば、腫瘍抗原、細菌抗原およびウイルス抗原);ソマトスタチン;抗原;血液凝固因子;増殖因子または成長因子(例えば、神経発育因子、インスリン様成長因子);骨形成タンパク質;TGF−β;タンパク質インヒビター;タンパク質アンタゴニスト;タンパク質アゴニスト;核酸(例えば、アンチセンス分子、DNA、RNA、RNAi);オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;ならびにリボザイムが挙げられる。

前駆体および/または前駆体から形成されるヒドロゲルは、それらの外科手術手順中の可視性を改善するために、可視化剤を含有し得る。可視化剤は、移植可能な医療デバイスにおいて使用するために適切な、種々の非毒性有色物質(例えば、色素)から選択され得る。適切な色素は、当業者の知識の範囲内であり、そして例えば、ヒドロゲルがインサイチュで形成される際にこのヒドロゲルの厚さを可視化するための色素(例えば、米国特許第7,009,034号に記載されるような)が挙げられ得る。いくつかの実施形態において、適切な色素としては、例えば、FD&C Blue#1、FD&C Blue#2、FD&C Blue#3、FD&C Blue#6、D&C Green#6、メチレンブルー、インドシアニングリーン、他の有色色素、これらの組み合わせなどが挙げられ得る。さらなる可視化剤(例えば、蛍光性化合物(例えば、フルオレセインまたはエオシン)、X線造影剤(例えば、ヨウ素化化合物)、超音波造影剤、およびMRI造影剤(例えば、ガドリニウム含有化合物)が使用され得ることが、想定される。

可視化剤は、架橋剤または天然成分の溶液のいずれに存在してもよい。有色物質は、生じるヒドロゲルに組み込まれても組み込まれなくてもよい。しかし、ある実施形態において、可視化剤は、架橋剤または天然成分と反応し得る官能基を有さない。

可視化剤は、少量で使用され得、ある実施形態においては、1%(重量/体積)未満、他の実施形態においては、0.01%(重量/体積)未満、そしてなお他の実施形態においては、0.001%(重量/体積)未満の濃度で使用され得る。

ある実施形態において、生物活性薬剤は、ヒドロゲルによりカプセル化され得る。例えば、ヒドロゲルは、ポリマー微小球を生物活性薬剤の周囲に形成し得る。

ヒドロゲルが組織足場として利用される場合、創傷治癒および/または組織増殖を促進する生物活性薬剤(コロニー刺激因子、血液タンパク質、フィブリン、トロンビン、フィブリノゲン、ホルモンおよびホルモンアナログ、血液凝固因子、増殖因子、成長因子、骨形成タンパク質、TGF−β、IGF、これらの組み合わせなどが挙げられる)を含めることが望ましくあり得る。

ヒドロゲルがインサイチュで加水分解するにつれて、生物活性成分および任意の添加された生物活性薬剤が放出される。このことは、天然成分からの栄養、および生物活性薬剤を、周囲の組織に提供し得、これによって、組織の増殖および/または再生を促進する。

以下の実施例は、本開示の実施形態を説明するために与えられる。これらの実施例は、説明のみであることが意図され、そして本開示の範囲を限定することは意図されない。また、部および百分率は、他に示されない限り、重量に基づく。

(実施例1) ヒドロゲルを、以下のように調製する。コラーゲンをホウ酸緩衝液(pH8.75)に、超音波処理機を使用して、約37℃で約5分間溶解し、約3重量%〜約6重量%の最終濃度を得る。次いで、このコラーゲン溶液を遠心分離して、気体/気泡を除去する。これとは別に、マルチアームPEGをハンクス緩衝液(中性のpH)に溶解して、約4重量%〜約40重量%の最終濃度を得る。次いで、これらの2つの溶液を同時に、インサイチュで1:1の比でスプレーして、約1.5重量%〜約3重量%のコラーゲン、および約2.5重量%〜約20重量%のPEGの最終ゲル濃度を得る。

(実施例2) ヒドロゲルを、10:1の比のコラーゲン:PEG以外には実施例1に記載されたように調製して、約0.5重量%〜約4重量%のマルチアームPEG、および約3重量%〜約6重量%のコラーゲンの最終ゲル濃度を得る。

(実施例3) ヒドロゲルを、以下のように調製する。ゼラチンを、約5重量%〜約15重量%の濃度で、約8.25のpHのホウ酸緩衝液に溶解する。これとは別に、マルチアームPEGをハンクス緩衝液に、約5重量%〜約20重量%の濃度で溶解する。溶液を同時に、インサイチュで1:1の比でスプレーして、約2.5重量%〜約7.5重量%のゼラチン、および約2.5重量%〜約10重量%のマルチアームPEGの最終ゲル濃度を得る。

(実施例4) ヒドロゲルを、以下のように調製する。ヒアルロン酸を、中性のpHのハンクス緩衝液に、約2重量%までで溶解する。次に、マルチアームPEGをこのヒアルロン酸溶液に、約5重量%〜約20重量%の濃度で添加する。別の容器内で、コラーゲンをホウ酸緩衝液(pH8.75)に、約3重量%〜約6重量%の最終溶液濃度で溶解する。次いで、これらの2つの溶液を1:1の比でインサイチュでスプレーする。最終ゲル濃度は、約1重量%のヒアルロン酸、約1.5重量%〜約3重量%のコラーゲン、および約2.5重量%〜約10重量%のマルチアームPEGである。

実施例1、3、および4のゲルの成分を、以下の表1に要約する。

4a10kSS:4アームPEG;分子量(Mw)10kDa;SS(コハク酸スクシンイミジル)リンカー 4a20kSG:4アームPEG;Mw20kDa;SG(グルタル酸スクシンイミジル)リンカー 8a15kSG:8アームPEG;Mw15kDa;SGリンカー *注記:濃度は、1:1で混合する前の各成分についてである。

上に列挙された実施例はインサイチュで形成されたが、これらの材料は、エキソビボで形成され得、次いでインサイチュで移植物として利用され得ることに留意するべきである。

上記説明は、多数の詳細を含むが、これらの詳細は、本開示の範囲の限定であると解釈されるべきではなく、単に、本開示の好ましい実施形態の説明であると解釈されるべきである。当業者は、本開示の範囲および趣旨内で、他の多くの可能なバリエーションを予測する。

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