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耐久的な潤滑性を有する親性ポリマーコーティング

阅读:1047发布:2020-07-02

专利汇可以提供耐久的な潤滑性を有する親性ポリマーコーティング专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、新規の親 水 性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物およびその組成物、ならびに耐久的な潤滑性を有する親水性および可撓性コーティングを形成するための、様々な器具(例えば予防器具および医療器具)におけるそれらの使用を提供する。,下面是耐久的な潤滑性を有する親性ポリマーコーティング专利的具体信息内容。

性ポリマー; ラテックスポリマー微粒子の懸濁液; および 任意で、加硫剤または促進剤の1つまたは複数 を含む水性組成物であって、 該親水性ポリマーが、約1kDa〜約10,000kDaの範囲の平均分子量を有し、かつ該組成物中に約2w/v%〜約10w/v%の濃度で存在し; 該ラテックスポリマー微粒子が、該組成物中に約20w/v%〜約65w/v%の濃度で存在し; かつ 該親水性ポリマー対該ラテックスポリマー微粒子の重量比が約1:1〜約10:1の範囲である、該水性組成物。前記親水性ポリマーが、約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。前記親水性ポリマーが、約1kDa〜約100kDaの範囲の平均分子量を有する、請求項2に記載の組成物。前記親水性ポリマーが、前記組成物中に約2w/v%〜約7w/v%の濃度で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。前記ラテックスポリマー微粒子が、前記組成物中に約35w/v%〜約65w/v%の濃度で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。前記親水性ポリマー対前記ラテックスポリマー微粒子の重量比が約1:1〜約1:3の範囲である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。均一に混合されかつ安定な懸濁液である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。約10cP〜約1010cPの範囲の粘度を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。約1w/v%〜約20w/v%の範囲の濃度を有する親水性ポリマーの第1の水溶液と; 約20w/v%〜約70w/v%の範囲の濃度を有するラテックスポリマー微粒子の第2の水性懸濁液と を混合することによって形成される組成物であって、 該親水性ポリマーが、約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有し;かつ 該第1の水溶液対該第2の水性懸濁液の体積比が約1:1〜約1:3の範囲である、該組成物。約2w/v%〜約7w/v%の濃度の前記親水性ポリマーおよび約20w/v%〜約60w/v%の濃度の前記ラテックスポリマー微粒子を有する、請求項9に記載の組成物。前記親水性ポリマーが、ビニルピロリドン、エチレングリコール、および/またはビニルアルコールのホモポリマーまたは共重合体からなる群より選択される1つまたは複数の親水性ポリマーを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。前記親水性ポリマーが、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、およびポリ(ビニルアルコール)(PVA)の1つを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。前記親水性ポリマーがPVPを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。前記親水性ポリマーが第2の親水性ポリマーを含む、請求項12または13に記載の組成物。加硫剤の1つまたは複数をさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。促進剤の1つまたは複数をさらに含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。加硫剤の1つもしくは複数または前記促進剤の1つもしくは複数が、親水性ポリマーの前記第1の水溶液中に存在する、請求項9、15、または16のいずれか一項に記載の組成物。前記加硫剤の1つもしくは複数または前記促進剤の1つもしくは複数が、前記ラテックスポリマー微粒子の第2の水性懸濁液中に存在する、請求項9、15、または16のいずれか一項に記載の組成物。前記加硫剤が、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド、硫黄、アンモニアからなる群より選択される、請求項15〜18のいずれか一項に記載の組成物。前記促進剤が、亜鉛-N-ジエチル-ジチオ-カルバメート、亜鉛-N-ジブチル-ジチオ-カルバメート、アンモニアからなる群より選択される、請求項16〜19のいずれか一項に記載の組成物。抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、ビタミン、着色料、または抗生物質の1つまたは複数をさらに含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の組成物。前記ラテックスポリマーが天然である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の組成物。前記ラテックスポリマーが合成である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物。前記合成ゴムラテックスが、イソプレン、ニトリル、ブタジエン、スチレンブタジエン、クロロプレン、イソブチレン、またはそれらの共重合体から合成される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の組成物。架橋された親水性ポリマーおよびラテックスポリマーの相互侵入高分子網目構造を形成するのに十分な時間請求項1〜24のいずれか一項に記載の組成物を加熱することによって形成される、硬化材料。製品の表面を形成するコーティングである、請求項25に記載の硬化材料。前記製品が、コンドーム、性具、手術器具、医療用インプラント、または手袋からなる群より選択される、請求項25または26に記載の硬化材料。非コーティングラテックス材料のみに比べて細胞毒性が低い、請求項25〜27のいずれか一項に記載の硬化材料。外面および内面を有する、天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスより選択されるエラストマー材料のシース; ならびに 該シースの外面の少なくとも一部分に配置および接着される第1の層または基層と、該第1の層または基層の少なくとも一部分に配置および接着される第2の層または上層とを含む、積層コーティング を含むラテックスコンドームであって、 該第1の層または基層が硬化ラテックスポリマーであり;かつ 該第2の層または上層が、ラテックスポリマーと約1kDa〜約1,000Daの範囲の平均分子量を有する親水性ポリマーとの硬化ブレンドであり、該親水性ポリマー対該ラテックスポリマーの重量比が約10:1〜約1:10の範囲である、該ラテックスコンドーム。前記積層コーティングが、前記第2の層に配置および接着される第3の層または上層を含み、該第3の層または上層が、ラテックスポリマーと約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有する親水性ポリマーとの硬化ブレンドであり、該親水性ポリマー対該ラテックスポリマーの重量比が約1:1〜約10:1の範囲である、請求項29に記載のラテックスコンドーム。前記積層コーティングが、前記第3の層に配置および接着されるさらなる層または上層を含み、該さらなる層または上層が、ラテックスポリマーと約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有する親水性ポリマーとの硬化ブレンドであり、該親水性ポリマー対該ラテックスポリマーの重量比が約1:1〜約10:1の範囲である、請求項30に記載のラテックスコンドーム。前記外面、前記第1の層、前記第2の層、または前記第3の層の少なくとも一部分がそれぞれ該外面、該第1の層、該第2の層、または該第3の層の実質的に全体である、請求項29〜31のいずれか一項に記載のラテックスコンドーム。前記エラストマー材料が天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスより選択される、請求項29〜32のいずれか一項に記載のラテックスコンドーム。前記合成ゴムラテックスが、イソプレン、ニトリル、ブタジエン、スチレンブタジエン、クロロプレン、イソブチレン、またはそれらの共重合体から合成される、請求項33に記載のラテックスコンドーム。前記親水性ポリマー対前記ラテックスポリマーの重量比が約1:1〜約10:1の範囲である、請求項29〜34のいずれか一項に記載のラテックスコンドーム。前記親水性ポリマー対前記ラテックスポリマーの重量比が約1:1〜約10:1の範囲である、請求項35に記載のラテックスコンドーム。前記親水性ポリマーが、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、およびポリ(ビニルアルコール)(PVA)の1つを含む、請求項29〜36のいずれか一項に記載のラテックスコンドーム。前記親水性ポリマーがPVPを含む、請求項29〜37のいずれか一項に記載のラテックスコンドーム。前記親水性ポリマーが第2の親水性ポリマーを含む、請求項37または38に記載のラテックスコンドーム。前記上層に塗布されるシリコーン系潤滑剤または水性潤滑剤をさらに含む、請求項29〜39のいずれか一項に記載のラテックスコンドーム。コーンスターチ、ベビーパウダー、またはタルクより選択される粉末または打ち粉のコーティングをさらに含み、該コーティングが前記上層に塗布される、請求項29〜40のいずれか一項に記載のラテックスコンドーム。水分または水と接触すると、前記上層が耐久的な潤滑性を有してすべりやすくなる、請求項29〜41のいずれか一項に記載のラテックスコンドーム。請求項29〜42のいずれか一項に記載の1つまたは複数のラテックスコンドームを含む、包装されたコンドーム製品。前記コンドームおよび潤滑剤が一緒に存在する、請求項43に記載の包装されたコンドーム製品。前記コンドームおよび潤滑剤が別々の区画に存在する、請求項43に記載の包装されたコンドーム製品。天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスより選択されるエラストマー材料のシースを提供する工程であって、該シースが外面および内面を有する、該工程; 該シースの外面の少なくとも一部分に、ラテックスポリマーの水性懸濁液の第1の層を堆積させる工程; 硬化ラテックスポリマーの第1の層または基層を形成するのに十分な時間熱に曝露することによって該ラテックスポリマーを硬化させる工程; 該第1の層または基層の少なくとも一部分に、親水性ポリマーとラテックスポリマー懸濁液とを含む組成物の第2の層を堆積させる工程; ならびに 第2の層または上層を形成するのに十分な時間熱に曝露することによって親水性ポリマーおよびラテックスポリマーの該第2の層を硬化させる工程 を含む、コンドームを製造するための方法であって、 該親水性ポリマーが、約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有し、かつ該組成物中に約2w/v%〜約10w/v%の濃度で存在し; ラテックスポリマー微粒子が、該組成物中に約20w/v%〜約60w/v%の濃度で存在し; かつ 該親水性ポリマー対該ラテックスポリマー微粒子の重量比が約1:1〜約10:1の範囲である、該方法。前記第2の層の少なくとも一部分に、親水性ポリマーとラテックスポリマー懸濁液とを含む組成物の第3の層または上層を堆積させる工程; ならびに 第3の層または上層を形成するのに十分な時間熱に曝露することによって親水性ポリマーおよびラテックスポリマーの該第3の層を硬化させる工程 をさらに含む、請求項46に記載の方法。前記外面、前記第1の層または基層、あるいは前記第2の層の少なくとも一部分がそれぞれ該外面、該第1の層または基層、あるいは該第2の層の実質的に全体である、請求項46または47に記載の方法。前記ラテックスポリマーを硬化させる工程が、約25℃〜約70℃の温度で約5分間〜約60分間行われる、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。前記親水性ポリマーおよびラテックスポリマー懸濁液を硬化させる工程が、約25℃〜約70℃の温度で約5分間〜約60分間行われる、請求項46〜49のいずれか一項に記載の方法。前記第1の層または基層が約0.01mm〜約1.0mmの範囲の厚さを有する、請求項46〜50のいずれか一項に記載の方法。前記第1の層または基層が約1.0mm未満の厚さを有する、請求項46〜50のいずれか一項に記載の方法。前記第2の層もしくは存在する場合は前記第3の層、または上層が、約0.01mm〜約1.0mmの範囲の厚さを有する、請求項46〜52のいずれか一項に記載の方法。前記第2の層もしくは存在する場合は前記第3の層、または上層が、約1.0mm未満の厚さを有する、請求項46〜52のいずれか一項に記載の方法。請求項64〜54のいずれか一項に記載の方法により製造される、コンドーム。

说明书全文

連邦政府の資金提供による研究または開発に関する記載 本発明は、米国国立衛生研究所のユニス・ケネディ・シュライバー国立小児保健人間発達研究所により授与された助成金番号R43HD089856-01A1に基づく政府支援により行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。

優先権主張および関連特許出願 本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる、2016年10月14日出願の米国特許仮出願第62/408,625号の優先権の恩典を主張する。

発明の技術分野 本発明は一般に、ポリマー調合物、および様々な製品の表面コーティングにおけるその使用に関する。より具体的には、本発明は、新規の親性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物およびその組成物、ならびに耐久的な潤滑性を有する親水性および可撓性コーティングを形成するための、様々な器具(例えば予防器具および医療器具)におけるそれらの使用に関する。

発明の背景 天然または合成ラテックスは、軟弾性による好ましい物理特性およびレオロジー特性、ならびに機械的応および熱に対する高い耐性を有する。これらの望ましい特性が理由で、ラテックスはいくつかの消費財および医療器具(例えばコンドーム)に広く組み込まれている。しかし、疎水性が理由で、ラテックスは血液に適合性がなく、また、生物製剤と接触した場合にタンパク質および血小板を表面に不可逆的に吸着させることがある。さらに、ラテックス系医療器具界面と組織界面との間で高い摩擦力および摩耗力が生じることで、ユーザーの不快感、感染症の危険性増加、組織損傷、および疼痛が生じることがある。

世界保健機関によれば、十分な潤滑液の欠如が、依然として、適切かつ継続的なコンドーム使用に関する大きな障害である。包装時にコンドームと共に含まれる最小量の潤滑液では、通常、性交全体を通じてコンドームの潤滑性を維持するには不十分である。したがって、パートナーは(1) コンドームを使用せず、望まない妊娠および性行為感染症(STI)の伝播の危険性を増加させるか、または(2) 潤滑が不十分なコンドームを使用することで粘膜微小外傷、疼痛、およびパートナー間の満足感減少を生じさせる。性交中、潤滑液が不十分である場合に、この微小外傷および疼痛が、劇的に増加する貫通力により生じうる。通常の健康な膣潤滑液が貫通力0.5kgを必要とすると報告されている一方で、通常の閉経後または少量の膣潤滑液は3倍多い貫通力1.5kgを必要とする。また、特に、膣乾燥に冒される閉経期および閉経後期間の高齢女性のための、コンドームと共に使用される潤滑製品および潤滑戦略の改善が著しく要求されている。

シリコーン系潤滑剤は、今日最も一般的に使用されている潤滑剤であり、包装前の製造プロセス中に男性用コンドームおよび女性用コンドームの両方に塗布される。これにもかかわらず、コンドームの潤滑性に対するコンドーム消費者の満足度は依然として低い。残念ながら、これらの満たされない要求は、コンドームが不快であり性交中の快楽を減少させるという社会的汚名および否定的認識を悪化させるものであり、このことが適切なコンドーム使用の継続性に悪影響を与えている。

親水特性および潤滑特性を有するように天然または合成ラテックスを化学的または物理的に改質するための様々な方法が開発されたが、いずれも限定的にしか成功していない。現在、重合反応に適合性のある親水性ポリマーの種類は限られている。ラテックス系基材の表面への親水性コーティングの塗布を包含する表面改質戦略は、例えばコーティングとラテックスとの間の持続的な層間剥離が理由で、困難であることがわかっている。

したがって、天然および合成ラテックス系の表面および医療器具に、特にコンドームに適合性のある、新規の耐久的で可撓性で無毒でかつ低コストの親水性コーティングおよび塗布戦略を開発することが、依然として決定的に必要である。

本発明は、部分的には、耐久的な潤滑性を有する親水性および可撓性コーティングを形成するための、様々な器具(例えばコンドームならびに他の予防器具および医療器具)における使用に好適な、新規の親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物およびその組成物の予想外の発見に基づく。

本発明の主要な特徴は、親水性コーティングが、水または水溶液と接触した場合に、耐久的な潤滑性を有してすべりやすくなり、これにより組織界面または他の界面と接触した場合の摩擦力が低下するということである。この薄い親水性コーティングは、水の存在下で表面と接触した場合に、コーティングされた器具の機械特性および物理特性に影響することなく潤滑性を持続的に維持することができる。

一局面では、本発明は一般に、親水性ポリマー; ラテックスポリマー微粒子の懸濁液; および任意で、加硫剤または促進剤の1つまたは複数を含む、水性組成物に関する。親水性ポリマーは、約1kDa〜約10,000kDaの範囲の平均分子量を有し、かつ組成物中に約2w/v%〜約10w/v%の濃度で存在する。ラテックスポリマー微粒子は、組成物中に約20w/v%〜約60w/v%の濃度で存在する。親水性ポリマー対ラテックスポリマー微粒子の重量比は約1:1〜約10:1の範囲である。

別の局面では、本発明は一般に、約1w/v%〜約20w/v%の範囲の濃度を有する親水性ポリマーの第1の水溶液と; 約20w/v%〜約65w/v%の範囲の濃度を有するラテックスポリマー微粒子の第2の水性懸濁液とを混合することによって形成される、組成物に関する。親水性ポリマーは約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有する。第1の水溶液対第2の水性懸濁液の体積比は約1:1〜約1:3の範囲である。

さらに別の局面では、本発明は一般に、架橋された親水性ポリマーおよびラテックスポリマーの相互侵入高分子網目構造を形成するのに十分な時間本明細書に開示される組成物を加熱することによって形成される、硬化材料に関する。このプロセスによって、熱硬化プロセス時にラテックス表面に親水性ポリマーが物理的に捕捉される。相互侵入高分子網目構造は、得られるポリマーマトリックスの特性を強化および改善することができる。この硬化プロセスは、化学試薬を使用してポリマー網目構造を形成することを含んでもよいが、それに限定されない。

さらに別の局面では、本発明は一般にラテックスコンドームに関する。ラテックスコンドームは、外面および内面を有する、天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスより選択されるエラストマー材料のシース; ならびにシースの外面の少なくとも一部分に配置および接着される第1の層または基層と、第1の層または基層の少なくとも一部分に配置および接着される第2の層または上層とを含む、積層コーティングを含む。第1の層または基層は硬化ラテックスポリマーである。第2の層または上層は、ラテックスポリマーと約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有する親水性ポリマーとの硬化ブレンドであり、親水性ポリマー対ラテックスポリマーの重量比が約10:1〜約1:10の範囲である。

さらに別の局面では、本発明は一般に、本明細書に開示される1つまたは複数のラテックスコンドームを含む、包装されたコンドーム製品に関する。

さらに別の局面では、本発明は一般に、コンドームを製造するための方法に関する。本方法は、天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスより選択されるエラストマー材料のシースを提供する工程であって、該シースが外面および内面を有する、工程; シースの外面の少なくとも一部分に、ラテックスポリマーの水性懸濁液の第1の層を堆積させる工程; 硬化ラテックスポリマーの第1の層または基層を形成するのに十分な時間熱に曝露することによってラテックスポリマーを硬化させる工程; 第1の層または基層の少なくとも一部分に、親水性ポリマーとラテックスポリマー懸濁液とを含む組成物の第2の層を堆積させる工程; ならびに第2の層または上層を形成するのに十分な時間熱に曝露することによって親水性ポリマーおよびラテックスポリマーの第2の層を硬化させる工程を含む。親水性ポリマーは、約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有し、組成物中に約2w/v%〜約10w/v%の濃度で存在する。ラテックスポリマー微粒子は、組成物中に約20w/v%〜約65w/v%の濃度で存在する。親水性ポリマー対ラテックスポリマー微粒子の重量比は約1:1〜約10:1の範囲である。

さらに別の局面では、本発明は一般に、本明細書に開示される方法により製造される、コンドームに関する。

ディップコーティングアプローチを使用する、コンドームに対するコーティング塗布。ガラスマンドレルをラテックスバレルの中に浸漬して第1の層または基層を形成し、これを熱で硬化させる。これに続いて、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドバレルへの2回目の浸漬を行った後、熱で基層上に硬化させてコーティングコンドームを形成する。

GMP様条件下でラテックスコンドームに対する親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング塗布に標準的ディップコーティング装置を適応させるために取り付けた改造物および固定設備。(左) 自動機器上の1つのディップコーティング固定設備の模式図。(右) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド調合物を容器中で調製した。

デジタルマイクロメーターを使用してISO 4074に従って測定したところ、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームは標準的な潤滑コンドームに比べて同様の厚さを示した。(右) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームは、空気破裂試験において最低18Lおよび1kPaの空気に耐えることができる。

摩擦試験のために男性用自慰器具を使用する挿入装置。(右) 水の存在下でのLifestyles、Durex、およびTrojan潤滑コンドームとの比較による親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームのコーティング耐久性試験。親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームが最大500回の挿入でも一貫して低い摩擦力を示した(青色)一方で、すべての市販のシリコーン潤滑コンドームは100回の挿入前でも破損した。

個人用水性潤滑剤0.5mL、個人用シリコーン系潤滑剤0.5mL、および水0.5mLを用いた、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドーム(緑色)対非潤滑コンドーム(灰色)のコーティング耐久性試験。

(A) 非コーティングラテックス表面および(B) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングラテックス表面の分解能10μmでの走査型電子顕微鏡(SEM)画像(左)および原子間力顕微鏡(AFM)画像(右)。

巻き上げられ(左)、箔に包装された(右)、ベビーパウダー付きの親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの例。

定義 別途記載がない限り、または文脈から暗示されない限り、以下の用語および語句は以下に示される意味を含む。定義は、特定の態様を記述することに役立つように示されるものであり、本発明の範囲が特許請求によってのみ限定されることから、特許請求される本発明を限定するようには意図されていない。さらに、文脈により別途必要とされない限り、単数形は複数形を含むものとし、複数形は単数形を含むものとする。したがって、文脈上別途明らかな指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される単数形は複数への言及を含み、その逆も成り立つ。

実施例以外において、または別途指示される場合以外において、本明細書において使用される成分または反応条件の量を表すすべての数字は、すべての場合で「約」という用語によって修正されるものと理解すべきである。値に関して使用される場合の「約」という用語は、言及される値の5%を意味しうる。例えば、約100とは95〜105を意味する。

本明細書において使用される「ラテックス」という用語は、加硫または非加硫を含む天然または合成ラテックスを意味する。「ラテックスポリマー」という用語は、ラテックスがそれから形成されるポリマーを意味する。通常、ラテックス基材は疎水性である。いくつかの態様では、ラテックスは、ユーザーがラテックスと接触した場合に有害反応またはアレルギー反応を示さないという条件で、生体適合性である。合成ラテックスとしては、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、エチレン-プロピレンゴム、フルオロカーボンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、ポリアクリレートゴム、エチレンアクリルゴム、アクリルポリマーゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニルゴム、またはポリウレタンゴムを含むがそれに限定されない合成ゴム材料を挙げることができる。

本明細書において使用される「親水性ポリマー」という用語は、親水性を示し、すなわち水に対する強い親和性を示す、ホモポリマーまたは共重合体を意味する。親水性ポリマーの非限定的な例としては、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリアクリルアミド、ポリ(2-オキサゾリン)、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸)、ポリメタクリレート、ポリ(2-エチルアクリル酸)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(スルホプロピルアクリレート)カリウム塩、ポリ(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリル塩素)、ポリ(2-プロピルアクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(2-ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリ(オキサノルボルネン)、高分子電解質、およびそれらの共重合体が挙げられる。

本明細書において使用される「親水性ラテックスブレンド」または「親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド」という用語は、水溶液に溶解した親水性ポリマーおよびラテックスで構成される、均一に混合されかつ粘稠性の溶液混合物を意味する。

本明細書において使用される「細胞毒性のない」という用語は、哺乳動物細胞との生体適合性を意味する。

本明細書において使用される「生体適合性の」という用語は、インプラントまたはコーティングに対する急性、慢性、または漸増性の悪性生体応答の非存在を意味するものであり、手術または生体への異物の埋め込みに通常伴う軽度で一過性の炎症とは区別される。

本明細書において使用される「粘稠性の」という用語は、数百センチポアズ〜数百万センチポアズの粘度を有する液体材料、例えば溶液を意味する。例えば、粘度の測定値は約102cP〜約107cPの範囲でありうる。

発明の詳細な説明 本発明は、新規の親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物およびその組成物を提供する。これらの組成物は、例えば、耐久的な潤滑性を有する親水性および可撓性コーティングを形成するための、様々な器具、例えばコンドームおよび他の予防器具または医療器具における親水性コーティングとしての使用に好適である。親水性コーティングは、水または水溶液と接触した場合に、耐久的に潤滑になる。この薄い親水性コーティングは、水の存在下で表面と接触した場合に、コーティングされた器具の機械特性および物理特性に影響することなく潤滑性を持続的に維持することができる。したがって、組織界面または他の界面と接触した場合に摩擦力が低下する。耐久的でかつ潤滑性のあるラテックスコンドームに対する親水性コーティングは、ユーザーのコンドーム破損、疼痛、不快感、および粘膜微小外傷を減少させうる。当該コーティングの利点を享受しうる他の器具としては、例えば、予防用および医用のラテックス系の器具または道具の非可撓性および可撓性の固体表面が挙げられる。

親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物は、水性環境中で2つの主成分、すなわち親水性ポリマー(例えばポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、またはポリ(ビニルアルコール)(PVA)と、天然または合成ラテックス懸濁液(例えばコーティングされる基材と同じ組成を有する)とを含む。これら2つの成分は、事前に選択された比で存在し、よく混合された粘稠溶液(懸濁液)を生じさせるように混合される。例えばラテックスコンドームに対する通常のコーティング塗布では、ラテックスブレンドコーティング調合物の薄い均一の層をディップコーティングによってラテックスコンドームの表面に塗布し(基層が形成された後に、またはラテックスコンドームに直接)、続いて直ちに熱に曝露して溶媒を蒸発させ、硬化コーティングを形成する。

本明細書に初めて開示されるように、本発明の親水性コーティングは(1) ラテックス界面および組織界面における摩擦力を減少させ、(2) 器具破損の危険性、ならびに皮膚および組織に対するラテックスの長期曝露に関連する感染症の危険性を減少させ、(3) 汚染のない表面を与えることを通じてラテックスの生体適合性を改善し、(4) ラテックス器具に関連するユーザーの満足感、快適感、および安全性を改善する。

一局面では、本発明は一般に、親水性ポリマー; ラテックスポリマー微粒子の懸濁液; および任意で、加硫剤または促進剤の1つまたは複数を含む、水性組成物に関する。親水性ポリマーは、約1kDa〜約10,000kDaの範囲の平均分子量を有し、かつ組成物中に約2w/v%〜約10w/v%の濃度で存在する。ラテックスポリマー微粒子は組成物中に約20w/v%〜約60w/v%の濃度で存在する。親水性ポリマー対ラテックスポリマー微粒子の重量比は約1:1〜約10:1の範囲である。

任意の好適な親水性ポリマーを使用することができる。特定の態様では、親水性ポリマーは、ビニルピロリドン、エチレングリコール、および/またはビニルアルコールのホモポリマーまたは共重合体からなる群より選択される1つまたは複数の親水性ポリマーを含む。特定の態様では、親水性ポリマーは第2の親水性ポリマーを含む。

特定の態様では、親水性ポリマーはポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、およびポリ(ビニルアルコール)(PVA)の1つを含む。特定の態様では、親水性ポリマーはPVPを含む。

親水性ポリマーは、任意の好適な分子量、例えば約1kDa〜約10,000kDa(例えば約1kDa〜約5,000kDa、約1kDa〜約1,000kDa、約1kDa〜約500kDa、約1kDa〜約100kDa、約1kDa〜約50kDa、約1kDa〜約10kDa、約5kDa〜約10,000kDa、約10kDa〜約10,000kDa、約50kDa〜約10,000kDa、約100kDa〜約10,000kDa、約500kDa〜約10,000kDa、約1,000kDa〜約10,000kDa、約5,000kDa〜約10,000kDa、約10kDa〜約5,000kDa、約50kDa〜約1,000kDa、約100kDa〜約500kDa)の範囲の平均分子量を有しうる。

特定の態様では、親水性ポリマーは、約1kDa〜約1,000kDa(例えば約1kDa〜約50kDa、約50kDa〜約500kDa、約500kDa〜約1,000kDa)の範囲の平均分子量を有する。

特定の態様では、親水性ポリマーは、約1kDa〜約100kDa(例えば約1kDa〜約10kDa、約10kDa〜約50kDa、約50kDa〜約100kDa)の範囲の平均分子量を有する。

親水性ポリマーは、組成物中に、水性組成物中の任意の好適な濃度、例えば約2w/v%〜約10 w/v%(例えば約2w/v%〜約9w/v%、約2w/v%〜約8w/v%、約2w/v%〜約7w/v%、約2w/v%〜約6w/v%、約2w/v%〜約5w/v%、約3w/v%〜約10w/v%、約4w/v%〜約10w/v%、約5w/v%〜約10w/v%、約6w/v%〜約10w/v%、約3w/v%〜約8w/v%、約4w/v%〜約9w/v%)で存在しうる。

特定の態様では、親水性ポリマーは、組成物中に約2w/v%〜約7w/v%(例えば約2w/v%〜約3.5w/v%、約3.5w/v%〜約5w/v%、約5w/v%〜約7w/v%)の濃度で存在する。

ラテックスポリマー微粒子は天然ラテックスまたは合成ラテックスでありうる。合成ゴムラテックスは、例えばニトリル、ブタジエン、スチレンブタジエン、クロロプレン、イソブチレン、またはそれらの共重合体から合成可能である。

ラテックスポリマー微粒子は、組成物中に、水性組成物中の任意の好適な濃度、例えば約20w/v%〜約65w/v%(例えば約30w/v%〜約65w/v%、約40w/v%〜約65w/v%、約50w/v%〜約65w/v%、約20w/v%〜約50w/v%、約20w/v%〜約40w/v%、約20w/v%〜約30w/v%)で存在しうる。

特定の態様では、ラテックスポリマー微粒子は、組成物中に約35w/v%〜約55w/v%(例えば約35w/v%〜約40w/v%、約40w/v%〜約45w/v%、約45w/v%〜約50w/v%、約50w/v%〜約55w/v%)の濃度で存在する。

水性組成物中の親水性ポリマー対ラテックスポリマー微粒子の重量比は、任意の好適な値、例えば約1:1〜約1:3(例えば約1:1〜約1:2.5、約1:1〜約1:2、約1:1〜約1:1.5、約1:1.5〜約1:3、約1:2〜約1:3、約1:2.5〜約1:3)の範囲でありうる。

水性組成物は、十分に混合されかつ安定な懸濁液であることが好ましい。

水性組成物は、例えば約10 cP〜約1010cP(例えば約10cP〜約102cP、約10cP〜約104cP、約10cP〜約106cP、約10cP〜約108cP、約102cP〜約1010cP、約104cP〜約1010cP、約106cP〜約1010cP、約108cP〜約1010cP、約102cP〜約106cP、約104cP〜約108cP)の範囲の粘度を有する粘稠水性組成物であることが好ましい。

本明細書に開示される組成物は、組成物の化学特性および/または物理特性に影響する添加剤、例えば加硫剤および/または促進剤をさらに含みうる。任意の好適な加硫剤(例えばジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド、硫黄、またはアンモニア)を使用することができる。任意の好適な促進剤(例えば亜鉛-N-ジエチル-ジチオ-カルバメート、亜鉛-N-ジブチル-ジチオ-カルバメート、またはアンモニア)を使用することができる。

本明細書に開示される組成物は、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、ビタミン、着色料、および抗生物質の1つまたは複数をさらに含みうる。

別の局面では、本発明は一般に、約1w/v%〜約20w/v%の範囲の濃度を有する親水性ポリマーの第1の水溶液と; 約20w/v%〜約65w/v%の範囲の濃度を有するラテックスポリマー微粒子の第2の水性懸濁液とを混合することによって形成される、組成物に関する。親水性ポリマーは約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有する。第1の水溶液対第2の水性懸濁液の体積比は約1:1〜約1:3の範囲である。

特定の態様では、親水性ポリマーは、組成物中に約2w/v%〜約7w/v%(例えば約2w/v%〜約3.5w/v%、約3.5w/v%〜約5w/v%、約5w/v%〜約7w/v%)の濃度であり、かつラテックスポリマー微粒子は、約20w/v%〜約65w/v%(例えば約30w/v%〜約65w/v%、約40w/v%〜約65w/v%、約50w/v%〜約65w/v%、約20w/v%〜約50w/v%、約20w/v%〜約40w/v%、約20w/v%〜約30w/v%)の濃度である。

特定の態様では、本組成物は加硫剤の1つまたは複数を含む。特定の態様では、本組成物は促進剤の1つまたは複数を含む。

特定の態様では、加硫剤の1つもしくは複数または促進剤の1つもしくは複数は、親水性ポリマーの第1の水溶液中に存在する。

特定の態様では、加硫剤の1つもしくは複数または促進剤の1つもしくは複数は、ラテックスポリマー微粒子の第2の水性懸濁液中に存在する。

特定の態様では、加硫剤は、ジイソプロピルキサントゲンポリスルフィド、硫黄、およびアンモニアからなる群より選択される。

特定の態様では、促進剤は、亜鉛-N-ジエチル-ジチオ-カルバメート、亜鉛-N-ジブチル-ジチオ-カルバメート、およびアンモニアからなる群より選択される。

特定の態様では、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、ビタミン、着色料、または抗生物質の1つまたは複数は、親水性ポリマーの第1の水溶液中に存在しうる。

特定の態様では、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、ビタミン、着色料、または抗生物質の1つまたは複数は、ラテックスポリマー微粒子の第2の水性懸濁液中に存在しうる。

さらに別の局面では、本発明は一般に、架橋された親水性ポリマーおよびラテックスポリマーの相互侵入高分子網目構造を形成するのに十分な時間本明細書に開示される組成物を加熱することによって形成される、硬化材料に関する。

特定の態様では、材料は、製品の表面を形成するコーティングである。特定の態様では、材料は、製品の部分的表面を形成するコーティングである。特定の態様では、材料は、製品の完全な表面を形成するコーティングである。

硬化材料は、コンドーム、性具、手術器具、医療用インプラント、または手袋からなる群より例えば選択される任意の好適な製品で使用されうる。

特定の態様では、硬化材料は未硬化コーティング材料よりも毒性が低い。

さらに別の局面では、本発明は一般にラテックスコンドームに関する。ラテックスコンドームは、外面および内面を有する、天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスより選択されるエラストマー材料のシース; ならびにシースの外面の少なくとも一部分に配置および接着される第1の層または基層と、第1の層または基層の少なくとも一部分に配置および接着される第2の層または上層とを含む、積層コーティングを含む。第1の層または基層は硬化ラテックスポリマーである。第2の層または上層は、ラテックスポリマーと約1kDa〜約1,000Daの範囲の平均分子量を有する親水性ポリマーとの硬化ブレンドであり、親水性ポリマー対ラテックスポリマーの重量比は約10:1〜約1:10の範囲である。

特定の態様では、積層コーティングは、第2の層に配置および接着される第3の層または上層を含み、第3の層または上層は、ラテックスポリマーと約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有する親水性ポリマーとの硬化ブレンドであり、親水性ポリマー対ラテックスポリマーの重量比は約1:1〜約10:1の範囲である。

特定の態様では、積層コーティングは、第3の層に配置および接着されるさらなる層または上層を含み、さらなる層または上層は、ラテックスポリマーと約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有する親水性ポリマーとの硬化ブレンドであり、親水性ポリマー対ラテックスポリマーの重量比は約1:1〜約10:1の範囲である。

特定の態様では、第1の層はラテックスコンドームの実質的に外面全体を覆い、第2の層は第1の層の実質的に全体を覆い、存在する場合、第3の層などはそれぞれ第2の層の表面の実質的に全体などを覆う。

特定の態様では、エラストマー材料は天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスより選択される。特定の態様では、合成ゴムラテックスは、ニトリル、ブタジエン、スチレンブタジエン、クロロプレン、イソブチレン、またはそれらの共重合体から合成される。

特定の態様では、親水性ポリマー対ラテックスポリマーの重量比は、約1:1〜約10:1(例えば約1:1〜約7:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約3:1、約3:1〜約10:1、約5:1〜約10:1、約7:1〜約10:1)の範囲である。

特定の態様では、親水性ポリマー対ラテックスポリマーの重量比は、約1:1〜約5:1(例えば約1:1〜約3:1、約1:1〜約3:1、約5:1〜約5:1、約3:1〜約5:1)の範囲である。

特定の態様では、親水性ポリマーは、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、およびポリ(ビニルアルコール)(PVA)の1つを含む。特定の態様では、親水性ポリマーはPVPを含む。

特定の態様では、親水性ポリマーは第2の親水性ポリマーを含む。

特定の態様では、ラテックスコンドームは、上層に塗布されるシリコーン系潤滑剤または水性潤滑剤をさらに含む。

特定の態様では、ラテックスコンドームは、コーンスターチ、ベビーパウダー、またはタルクより選択される粉末または打ち粉のコーティングをさらに含み、該コーティングが上層に塗布される。

特定の態様では、ラテックスコンドームが水分または水と接触した場合に、上層は耐久的な潤滑性を有してすべりやすくなる。

さらに別の局面では、本発明は一般に、本明細書に開示される1つまたは複数のラテックスコンドームを含む、包装されたコンドーム製品に関する。

さらに別の局面では、本発明は一般に、コンドームを製造するための方法に関する。本方法は、天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスより選択されるエラストマー材料のシースを提供する工程であって、該シースが外面および内面を有する、工程; シースの外面の少なくとも一部分に、ラテックスポリマーの水性懸濁液の第1の層を堆積させる工程; 硬化ラテックスポリマーの第1の層または基層を形成するのに十分な時間熱に曝露することによってラテックスポリマーを硬化させる工程; 第1の層または基層の少なくとも一部分に、親水性ポリマーとラテックスポリマー懸濁液とを含む組成物の第2の層を堆積させる工程; ならびに第2の層または上層を形成するのに十分な時間熱に曝露することによって親水性ポリマーおよびラテックスポリマーの第2の層を硬化させる工程を含む。親水性ポリマーは、約1kDa〜約1,000kDaの範囲の平均分子量を有し、かつ組成物中に約2w/v%〜約10w/v%の濃度で存在する。ラテックスポリマー微粒子は組成物中に約20w/v%〜約65w/v%の濃度で存在する。親水性ポリマー対ラテックスポリマー微粒子の重量比は約1:1〜約10:1の範囲である。

特定の態様では、本方法は、第2の層の少なくとも一部分に、親水性ポリマーとラテックスポリマー懸濁液とを含む組成物の第3の層または上層を堆積させる工程; ならびに第3の層または上層を形成するのに十分な時間熱に曝露することによって親水性ポリマーおよびラテックスポリマーの第3の層を硬化させる工程をさらに含む。

特定の態様では、第1の層は、ラテックスコンドームの外面の実質的に全体を覆い、第2の層は、第1の層の実質的に全体を覆い、存在する場合、第3の層などは、それぞれ第2の層の表面の実質的に全体などを覆う。

特定の態様では、ラテックスポリマーを硬化させる工程は、約25℃〜約70℃(例えば約35℃〜約70℃、約40℃〜約70℃、約50℃〜約70℃、約60℃〜約70℃、約25℃〜約60℃、約25℃〜約50℃、約25℃〜約40℃、約30℃〜約60℃)の温度で約5分間〜約60分間(例えば約5分間〜約45分間、約5分間〜約30分間、約5分間〜約15分間、約5分間〜約10分間、約10分間〜約30分間、約15分間〜約30分間、約20分間〜約30分間、約10分間〜約25分間、約10分間〜約20分間)行われる。

特定の態様では、親水性ポリマーおよびラテックスポリマー懸濁液を硬化させる工程は、約25℃〜約70℃(例えば約35℃〜約70℃、約40℃〜約70℃、約50℃〜約70℃、約60℃〜約70℃、約25℃〜約60℃、約25℃〜約50℃、約25℃〜約40℃、約30℃〜約60℃)の温度で約5分間〜約60分間(例えば約5分間〜約45分間、約5分間〜約30分間、約5分間〜約15分間、約5分間〜約10分間、約10分間〜約30分間、約15分間〜約30分間、約20分間〜約30分間、約10分間〜約25分間、約10分間〜約20分間)行われる。

特定の態様では、硬化工程の直後に、基層がなお高温(すなわち25℃超)である間に、後続のコーティング層(例えば第2の層または第3の層)を基層に塗布する。他の態様では、基層が完全に室温(すなわち25℃)に冷却された後に、後続のコーティング層を塗布する。

特定の態様では、第1の層または基層は、約0.01mm〜約1.0mm(例えば約0.02mm〜約1.0mm、約0.05mm〜約1.0mm、約0.1mm〜約1.0mm、約0.2mm〜約1.0mm、約0.4mm〜約1.0mm、約0.6mm〜約1.0mm、約0.01mm〜約0.8mm、約0.01mm〜約0.5mm、約0.01mm〜約0.2mm、約0.01mm〜約0.1mm、約0.01mm〜約0.08mm、約0.01mm〜約0.05mm、約0.05mm〜約0.1mm)の範囲の厚さを有する。

特定の態様では、第1の層または基層は、約1.0mm未満(例えば約0.8mm未満、約0.5mm未満、約0.4mm未満、約0.2mm未満、約0.1mm未満、約0.05mm未満)の厚さを有する。

特定の態様では、第2の層もしくは存在する場合は第3の層、または上層は、約0.01mm〜約1.0mm(例えば約0.02mm〜約1.0mm、約0.05mm〜約1.0mm、約0.1mm〜約1.0mm、約0.2mm〜約1.0mm、約0.4mm〜約1.0mm、約0.6mm〜約1.0mm、約0.01mm〜約0.8mm、約0.01mm〜約0.5mm、約0.01mm〜約0.2mm、約0.01mm〜約0.1mm、約0.01mm〜約0.08mm、約0.01mm〜約0.05mm、約0.05mm〜約0.1mm)の範囲の厚さを有する。

特定の態様では、第2の層もしくは存在する場合は第3の層、または上層は、約1.0mm未満(例えば約0.8mm未満、約0.5mm未満、約0.4mm未満、約0.2mm未満、約0.1mm未満、約0.05mm未満)の厚さを有する。

本明細書において言及されるように、特定の好ましい態様では、コーティング塗布は、ラテックス製品表面に塗布されるラテックス基層に対して親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物の層を塗布することからなる。いくつかの態様では、連続的な親水性コーティング塗布および硬化プロセスを複数回繰り返してもよい。例えば、親水性ポリマーおよびラテックスポリマーのコーティングをラテックス基材に塗布し、続いて親水性ポリマーおよびラテックスポリマーのラテックスの層を塗布する。別の態様では、第1の層または基層の役割を果たす親水性ポリマーとラテックスポリマーのコーティングブレンドに後続の親水性およびラテックスポリマーを塗布する。いくつかの態様では、実現すべき所望の特性に応じて複数のコーティングを塗布してもよい。例示的なコーティング戦略を表1に列挙する。

(表1)様々なコーティングプロセス態様におけるコーティング層の順序

さらに別の局面では、本発明は一般に、本明細書に開示される方法により製造される、コンドームに関する。

本明細書に開示されるように、好適な添加剤を加えることで、本発明の組成物または製品において1つまたは複数の所望の特性または強化を実現することを支援することができる。

特定の態様では、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物、およびコーティング製品は、1つまたは複数の抗菌剤、例えば抗真菌剤、抗細菌剤、ならびに微生物増殖を防止する金属ナノ粒子および/または微粒子を含む。抗真菌剤の例としてはアムホテリシンB、乳酸、ソルビン酸、クロトリマゾール、シクロピロクス、カルボール-フクシン、エコナゾール、エニルコナゾール、フルコナゾール、グリセオフルビン、ハロトロピン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、マフェニド、ナフチフィン、ニスタチン、オキシコナゾール、チアベンダゾール、スルコナゾール、トルナフタート、ウンデシレン酸、テルビナフィン、およびスルファジアジン銀が挙げられるがそれに限定されない。さらに、抗生物質および他の抗菌剤はバシトラシン; セファロスポリン(例えばセファゾリン、セファドロキシル、セファロチン、セファレキシン、セフタジジム、セフトリアキソン、セフチゾキシム、およびメロペネム); シクロセリン; ホスホマイシン、ペニシリン(例えばアムジノシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、ベンザチンペニシリンG、バカンピシリン、カルベニシリン、シクラシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、オキサシリン、ナフシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、およびチカルシリン); バンコマイシン; リストセチン; コリスチン; ノボビオシン; ポリミキシン(例えばコリスチン、コリスチメタート、およびポリミキシンB); アミノグリコシド(例えばネオマイシン、アミカシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン、およびトブラマイシン)、テトラサイクリン(例えばデメクロサイクリン、ド+-キシサイクリン、ミノサイクリン、メタサイクリン、およびオキシテトラサイクリン); カルバペネム(例えばイミペネム); モノバクタム(例えばアズトレオナム); クリンダマイシン; クロラムフェニコール; シクロヘキシミド; フシジン; リンコマイシン; リファンピシン; ピューロマイシン; 他のストレプトマイシン; マクロライド(例えばエリスロマイシンおよびオレアンドマイシン); フルオロキノロン; アクチノマイシン; エタンブトール; 5-フルオロシトシン; グリセオフルビン; リファマイシン; スルホンアミド(例えばスルファシチン、スルファジアジン、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾール、スルファメチゾール、およびスルファピリジン); ならびにトリメトプリムからなる群より選択可能である。他の抗細菌剤としてはビスマス含有化合物(例えばアルミン酸ビスマス、次クエン酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、および次サリチル酸ビスマス); ニトロフラン(例えばニトロフラゾン、ニトロフラントイン、およびフラゾリドン); メトロニダゾール; チニダゾール; ニモラゾール; 亜鉛系、銅系、または銀系化合物、粒子(微粒子またはナノ粒子)、ならびに安息香酸が挙げられるがそれに限定されない。

特定の態様では、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物、およびコーティング製品は、1つまたは複数の抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、またはウイルスの伝播を防止する任意の同様の化合物を含む。抗ウイルス剤の例としてはアマンタジン抗ウイルス剤、抗ウイルスブースター、抗ウイルス組み合わせ、抗ウイルスインターフェロン、ケモカイン受容体アンタゴニスト、インテグラーゼ鎖転移阻害剤、種々の抗ウイルス剤、ノイラミニダーゼ阻害剤、NNRTI、NS5A阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、およびプリンヌクレオシドを挙げることができるがそれに限定されない。また、他の剤および薬物としてはアバカビル、アシクロビル(Aciclovir)、アシクロビル(Acyclovir)、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル、アンプリジェン(Ampligen)、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ(Atripla)、バラビル(Balavir)、シドホビル、コンビビル(Combivir)、ドルテグラビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、エコリエベル(Ecoliever)、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、融合阻害剤、ガンシクロビル、イバシタビン、イムノビル(Imunovir)、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、III型インターフェロン、II型インターフェロン、I型インターフェロン、インターフェロン、ラミブジン、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、モロキシジン、メチサゾン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネキサビル(Nexavir)、ニタゾキサニド、ヌクレオシド類似体、ノビル(Novir)、オセルタミビル(タミフル(Tamiflu))、ペグインターフェロンα-2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、プロテアーゼ阻害剤(薬理学)、ラルテグラビル、逆転写酵素阻害剤、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、ピラミジン(Pyramidine)、サキナビル、ソフォスブビル、スタブジン、相乗的増強剤(抗レトロウイルス)、テラプレビル、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル(Trizivir)、トロマンタジン、ツルバダ(Truvada)、バラシクロビル(バルトレックス(Valtrex))、バルガンシクロビル、ビクリビロック、ビダラビン、ビラミジン(Viramidine)、ザルシタビン、ザナミビル(リレンザ(Relenza))、およびジドブジンを挙げることができる。

特定の態様では、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物、およびコーティング製品は、1つまたは複数のビタミン、例えばビタミンA、C、D、E、K、およびB、ならびにチアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、ピロキシジン(pyroxidine)(B6)、ビオチン(B7)、葉酸(B9)、およびコバラミン(B12)を含む。

特定の態様では、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物、およびコーティング製品は、1つまたは複数の色素または着色剤、例えばC.I.ピグメントレッド48:2パーマネントカルミン、C.I.ピグメントブルー15:2/銅フタロシアニンブルー、C.I.ピグメントグリーン7/ポリクロロ銅フタロシアニングリーン、C.I.ピグメントイエロー74アゾイエローを含む。

特定の態様では、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物、およびコーティング製品は、コンドーム製品での使用に好適な他の添加剤、例えば可塑剤、加硫促進剤、安定剤、凝固防止剤、保存料の1つまたは複数、あるいは、加硫プロセスを支援もしくは促進するためにまたは機械特性を改善するために天然または合成ラテックス溶液に加えることができる他の化合物を含む。いくつかの態様では、これらの添加剤としてアンモニア、タンパク質、ニトロソアミン、塩化亜鉛、酸化亜鉛、ステアリン酸、劣化防止剤、可塑剤、硫黄、過酸化物、酢酸、クエン酸、ギ酸、金属酸化物、ラウリン酸カリウム、アセトキシシラン、ウレタン架橋剤、ポリクロロプレン、エチレンチオ尿素、または他の同等の加硫促進剤、触媒、もしくは硬化剤を挙げることができるが、それに限定されない。別の態様では、2つ以上のこれらの添加剤または化合物をラテックス溶液中に加えることができる。

以下の実施例は本発明の実施を例示するように意図されており、限定的であるようには決して意図されていない。

親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド調合物およびコーティングコンドーム 異なる(1) 水中親水性ポリマー濃度(例えば20w/v%〜0.5w/v%の範囲); (2) 親水性ポリマー(例えばPEG、PVP、およびPVA); (3) 溶液中ラテックスポリマー固形分濃度(例えば40〜60w/v%); (4) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドを生産するために親水性ポリマー水溶液およびラテックスポリマー懸濁液をブレンドする溶液比; ならびに(5) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドの粘度、ならびにコンドームコーティング塗布の均質性および厚さに対するその影響を調査することによって、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド調合物を試験した。

2つの成分が溶液全体を通じて均一に分布した、よく混合された溶液を使用した。様々な調合物を、ガラススライド上のラテックス基材をコーティングするために使用し(紫外線曝露を排除するために60℃で加熱しながら塗布した)、以下の要件に対する適合を点検した: (1) 試料を指および水で前後に20回摩擦した後でコーティング表面がすべりやすい感触を示した; (2) インストロン上で延伸した際に破損せずに天然ゴムの弾性および可撓性を維持した; (3) 摩擦および延伸後に親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングが層間剥離、剥離、または亀裂しなかった。

特定の好ましい親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド調合物は、約40w/v%ラテックス溶液とブレンドされた約5%w/vポリビニルピロリドン(PVP)水溶液を有すると同定された。よく混合された親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物を、ディップコーティングアプローチを使用してラテックスコンドームに再現可能に塗布し、約60℃で約15分間熱を使用してラテックス表面で硬化させた。このプロトタイプにより、薄く可撓性であり、ラテックスと同様の機械特性および物理特性を有し、かつラテックス基材に対する良好な接着性(例えば亀裂、層間剥離、剥離がない)を示す、コーティングが得られた。

(表2)PEG、PVP、およびPVAを用いたラテックスブレンドコーティング調合物の調製

非潤滑ラテックスコンドームを広げ、水で洗浄し、軽く叩いて乾燥させて包装による澱粉質の粉末を取り除いた。ラテックスコンドームストリップ(2×6cm)をラテックスコンドームから切り取り、ガラススライドに取り付けた。新たに購入した液体ラテックス(天然ゴム)とポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、またはポリ(ビニルアルコール)(PVA)の水中ストック溶液とを混合することによってラテックスブレンドコーティング調合物5mLを調製した。表2によれば、総重量対ストック溶液量に関して測定される様々な水対ストック溶液の比で最初に親水性ポリマーを水に溶解させることによって、各親水性ポリマーとテックスポリマーのブレンドコーティング調合物を調製した。次に、この溶液とラテックス懸濁液とを、表2に記載の様々なラテックス対親水性ポリマー溶液比で混合した。各溶液の薄く均一な層をラテックスストリップに載せ、これを直ちに約60℃のオーブンに入れて約15分間乾燥させた。試料をオーブンから取り出し、室温に冷却した後、コーティングを評価した。

各親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物および各コーティングラテックス試料を、乾燥皮膚との接触によって水ありおよび水なしの感触を通じて評価し、以下のパラメータに従って評価した: (A) 混合時によく混合された粘稠溶液を得ることの実行可能性; (B) 水なしで延伸する際に非潤滑非コーティングラテックスコンドームと同様の可撓性を維持する能力; (C) 湿潤時にすべりやすく潤滑していること; 最後に(D) 湿潤時に約20回の摩擦後に潤滑性を維持する能力。

パラメータ(C)のすべりやすさおよび潤滑性の程度を非コーティングラテックスコンドームストリップとの比較で以下の評定によって主観的にさらに評価した: (1) 普通のラテックスと同様、(2) すべりやすい、(3) 非常にすべりやすい。

表3〜表5は、PEG、PVP、およびPVAをそれぞれ用いて調製した場合の、ラテックスブレンドコーティング調合物、およびラテックスストリップ上のそれらの結果的なコーティングの評価を要約する。PEG調合物について表3に示される結果を参照すると、PEG調合物はいずれも従来の非コーティングコンドームに比べてすべりやすさ、すなわちパラメータ(C)の改善を示さなかった。

PVP調合物について表4に示される結果を参照すると、約10.0〜約12.5w/v%の範囲で約1:1、2:1、および1:2比のPVP調合物、ならびに約5.0w/v%で約1:1比のPVP調合物がそれぞれ以下を示すことが明示される: (A) 混合時によく混合された粘稠溶液を得ることの実行可能性; (B) 水なしで延伸する際に非潤滑非コーティングラテックスコンドームと同様の可撓性を維持する能力; (C) 湿潤時に従来の非コーティングコンドームに比べて非常にすべりやすく、またはすべりやすく、かつ潤滑していること。以下の評定システムによる: (1) 普通のラテックスと同様、(2) すべりやすい、(3) 非常にすべりやすい; ならびに(D) 湿潤時に約20回の摩擦後に潤滑性を維持する能力。

PVA調合物について表5を参照すると、約5.0w/v%で約1:5比のPVA調合物は以下を示すことが明示される: (A) 混合時によく混合された粘稠溶液を得ることの実行可能性; (B) 水なしで延伸する際に非潤滑非コーティングラテックスコンドームと同様の可撓性を維持する能力; (C) 湿潤時に従来の非コーティングコンドームに比べて非常にすべりやすく、またはすべりやすく、かつ潤滑していること; および(D) 湿潤時に約20回の摩擦後に潤滑性を維持する能力。

したがって、表3〜表5を参照すると、好ましいコーティングは、約10w/v%〜約12w/v% PVP水溶液と液体ラテックス溶液との約1:1または1:2比の混合物により調製される親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物から得られた。表5に記載のように、好ましい親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド調合物は約2w/v%〜約8w/v%の最終PVP濃度を有する。

適切な親水性ポリマーを同定すること、ならびに最終溶液を開発するために調合物調製の濃度範囲および方法を最適化することは、水に対して長持ちする潤滑面を有する頑丈で可撓性でかつ弾性のある硬化基材コーティングを開発するために決定的に重要であった。PEGおよびPVAがいずれも、最大20w/v%の高濃度であってもラテックス表面上で所望の潤滑特性を実現せず、また、水の存在下で指を使用して20回摩擦するまでにそのすべりやすさ特性が一貫して続かなかったことから、PVPが特に選択された。PVAポリマーは剛性であることが知られており、これによりラテックス基材の可撓性が減少し、したがって延伸しかつ弾性を示すその能力が阻害される。様々な比のPVPの水溶液を液体ラテックス懸濁液と混合した際に、最終溶液中のPVP濃度が低いことで(例えば2w/v%未満)、最終硬化基材中に存在するPVPが不十分になったことから、コーティングの潤滑特性の耐久性が限定的なものになった。しかし、最終濃度において液体ラテックスに対するPVP濃度を高くしたところ(例えば8w/v%超)、このことにより、ラテックスが硬化して耐久的な可撓性基材を形成する能力が妨げられた一方で、PVPとの相互侵入網目構造の形成が阻害された。結果として、硬化基材は脆弱になり、屈曲および延伸の際に容易に破損した。溶液中に低濃度のラテックス(例えば20w/v%超)を含む溶液でも同様の観察結果が認められた。最終調合物中のラテックス濃度を高めても(例えば30w/v%超)、溶液中のラテックスの濃度および存在が大きいことで相互侵入網目構造内のPVPが遮蔽されたことから、溶液中PVPの潤滑特性が阻害された。

(表3)PEGを用いたラテックスブレンドコーティング調合物および得られたコーティングの評価

(表4)PVPを用いた親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物および得られたコーティングの評価

(表5)PVAを用いた親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング調合物および得られたコーティングの評価

親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの物理特性および潤滑特性を、表6に列挙されるパラメータに従って分析した。結果は、(1) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド調合物がラテックス基材に対するより速やかなディップコーティング塗布によって再現可能に規模拡大できた(例えばリットル規模および複数キロリットル規模で)こと、(2) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングによって、ラテックスに対する熱による接着が改善され(延伸時に剥離、亀裂、または層間剥離が認められなかった)、材料の損傷もなかったこと(引張試験)、(3) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングが水あり(なし)での延伸時に機械特性および可撓性の改善を示したこと、(4) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームが男性用自慰器具による摩擦試験を通じて水の存在下で長持ちする潤滑耐久性を示したことを明らかにした。親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングは、水および水溶液ですべりやすい感触で、薄く、均質であり(デジタルマイクロメーター/SEMおよびAFM試験で測定)、細胞毒性がなく、かつ可撓性であった。また、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームは、市販の潤滑剤および標準的な潤滑コンドームに比べて一貫して低い摩擦力を維持した。

(表6)親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの試験パラメータ

親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの大規模GMP製造用のコーティングプロセス 以下を試験した: (1) 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド調合物の大規模生産(例えば複数リットル規模)、(2) GMP基準に基づくコーティング塗布に対するディップコーティング用のプロセスおよび装置の適用、(3) ラテックスコンドームに対するディップコーティング塗布プロセスの自動化、(4) 様々なディップコーティング速度範囲、ならびにコーティングの厚さおよび塗布均質性に対するその影響、ならびに(5) 様々な速度での異なる単位およびバッチを通じたコンドームに対するコーティング塗布の再現性および均一性。

実験室評価用に500mL規模で調製された調合プロトタイプおよびGMP基準に基づいて2〜3L規模で調製された調合プロトタイプは、再現性があり、3つの異なるバッチ間で一致していた。図2は、手動浸漬による親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング塗布手順(図1C)を自動プロセスに変換するためにディップコーティング機器構成に加えた微小な調整を示す。この設定により調製された親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームは、単位間およびバッチ間で一致していた。結論として、これらの結果は、大規模製造における親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド調合物の規模拡大が実行可能であることを示した。

均質で薄いコーティングを生じさせる目的で第1の基層および第2の親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド層を形成するために好ましいディップコーティング速度の範囲を同定した。バッチ1つ当たり単位2〜26個の範囲である親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの小さなバッチを生産し、表6のパラメータに基づいて分析した。

図1Cに示すように、18mmガラスマンドレルをラテックス溶液中に入れて、約0.1mL/分〜約0.4mL/分の範囲のディップコーティング速度を使用して第1のベースコート層を形成した。バレルから取り出した後は、ガラスマンドレルを溶液の上に保持して過剰量の材料を約5秒間滴り落とし、その間、マンドレル上のラテックス溶液の均一層を観察した。不均一層が認められた場合は浸漬を繰り返した。試料をオーブン中にて約60℃で約10分間硬化させた後、直ちに、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンド調合物入りの第2のバレルの中に約0.2mL/分〜約1.0mL/分のディップコーティング速度で浸漬した。同様に、ガラスマンドレルを取り出した後は、過剰量の材料を5秒間滴り落とし、その間、ラテックス表面上の均一コーティングを調査した。試料を約60℃で約15分間熱硬化後、試料を室温に冷却し、アルミ箔に覆い、さらなる評価のために気密袋に包装した。調査した試運転数およびディップコーティング速度に関する詳細を表7に要約する。

(表7)様々な浸漬速度での試験バッチの結果 * ISO 4074に基づいて記載される要件および基準に従って試験を行った。 ν 生産されたバッチ中で無作為に選択されたn=3において試験を行った。示した測定値は平均値である。 W 自慰器具に水ありで20回挿入した後にコーティングが存在する。

単位間およびバッチ間の均一性についてすべての試料の目視検査を行って、表面上の均一で均質なコーティングを確認した。試料を水で湿潤させて、指で摩擦することで、コーティングの潤滑特性を確認した。また、バッチ1つ当たり3個の無作為に選択された試料を男性用自慰器具に水約1.0mLありで20回挿入して、コーティングが表面になお存在することを確認することによって、コーティングの耐久性を試験した。

バッチ1つ当たり3個の選択された単位(すなわち本体、リザーバ先端、基部)に対するデジタルマイクロメーターを使用する厚さ測定をISO 4074に従って行った。これらの試料を空気破裂試験のためにAkron Rubber Development Laboratory(オハイオ州アクロン)に送って、ISO要件に基づいて記載されるようにコンドームが最低18Lの1kPaの空気を保持可能であることを確認した。結果を表7に要約する。

試験は、好ましいディップコーティング速度が基層で約0.3mL/分〜約0.4mL/分、第2の層またはトップコート層で約0.6mL/分〜約1.0mL/分であることを示した。これらの速度範囲で調製された親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームは、表7のパラメータを満たしており、以下の特性評価試験に使用された。

男性用自慰器具を使用する摩擦試験を通じて、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームは、市販の潤滑剤および個人用潤滑製品に比べて改善された耐久性および長持ちする潤滑特性を示した。親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの細胞毒性を、ISO 10993に従って上皮線維芽細胞株を使用して評価したところ、コーティングラテックス試料が非コーティングラテックス試料に比べて最小化された細胞毒性を示すことが示された。

親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの機械的試験をAkron Rubber Development Laboratory(オハイオ州アクロン)においてISO 4074に従って行った。穴開きについて試験するために、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームを水300mLで満たし、開口部を結び、わずかに圧力を加えて色吸収性紙の上でコンドームを手で回転させることで、漏水試験を行った。コンドームを最低18Lの1kPaの空気で満たすことで空気破裂試験を行った(図3)。定規を使用してコンドームの長さを測定する一方で、標準的デジタルマイクロメーターを使用してコンドームの開口部、中央部、および先端部の近傍のコンドームの厚さを測定することで、寸法解析を行った(図3)。コーティングがラテックスを弱めなかったことを確認するために、細片をコンドームから切り取って速度500mm/分で延伸することで引張試験を行った。市販の潤滑コンドームが対照として試験に含まれた。

ディップコーティング速度 約0.3mL/分〜約0.4mL/分(基層)および約0.6mL/分〜約1.0mL/分(第2の層またはトップコート層)を使用して調製された親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームは、ISO空気破裂試験および漏水試験に基づく要件を満たした(表7)。親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの引張試験は、標準的なTrojan、Durex、およびLifestyles潤滑コンドームに比べて同様の結果を明らかにした。このことは、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングがラテックス材料を弱めなかったことを示す。寸法解析データは、コンドームの長さおよび厚さが市販のコンドームと同等であることを示した(図3)。

GMP製造において親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの均一な厚さを実現するために、ガラスマンドレルを同時に浸漬しかつガラスバレル中へと回転させ、直ちに取り出し、フリップすることで、ガラスマンドレル上でラテックス溶液の均質および均一な層を生成することができる。

親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの潤滑性 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドーム表面を潤滑させるために必要な水の最小量、および水性潤滑剤(KY液)の効果に関して試験を行った。完全に広げた親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドーム(標準で長さ16mm; 直径4mm)について、コーティングコンドーム表面全体を潤滑させるために必要な水の最小量が0.50mLであると確定された。より少ない量の水(例えば0.25mL)はコンドーム表面を部分的にしか湿潤させず、一方、0.50mL超の水(例えば0.75mLおよび1.0mL)はさらなる潤滑特性を付与せず、コーティングのすべりやすさを高めることもなかった。KY液およびKYゼリーを使用して試験を繰り返すことで、これらの個人用水性潤滑剤の粘度が親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングの潤滑特性に影響を与えたか否かを理解した。

KY液の粘度が水に比べて高く、したがってコンドーム表面に均一に分布させることがより困難であることから、コーティングの表面全体を湿潤させるには約1.0mLのKY液が必要であると認められた。すべりやすさについてKY液約0.5mL付きの親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームとKY液約0.5mL付きの非潤滑コンドームとを感触により比較したところ、10〜15回の摩擦後に同様のすべりやすさおよび潤滑特性が見られた。KY液付きの非潤滑コンドームのすべりやすさは15回の摩擦後に摩耗し始め、これにより摩擦力が大きくなり、一方、KY液付きの親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームは最大約40〜50回の摩擦であっても同様のすべりやすさを維持した。水によるコンドームの潤滑とKY液によるコンドームの潤滑との間ですべりやすさの差が観察されなかったことから、本発明者らは、KY液の水性特性が水と同様にHGCoat_2を活性化しうると推量した。以下に記載のように、個人用シリコーン系潤滑剤の効果を分析することに加えて、男性用自慰器具を使用してさらなる摩擦試験および調査を続行した。

親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングの潤滑耐久性を市販の個人用潤滑剤および潤滑コンドームと比較するために、男性用自慰器具(Fleshlight)を挿入器具として使用した。押し力/引き力ばね秤に取り付けたガラスマンドレル上にコンドームを置き、そこで摩擦力を10回毎の挿入後に記録した(図4)。器具に500回挿入し、水0.5mLを50回毎の挿入後に加えることで、すべての試験を行った。コンドームが破損したときに試験を終了した。

親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングの潤滑特性およびコーティング耐久性を標準的Durex、Lifestyles、およびTrojanシリコーン潤滑コンドームと比較した。対照として、水約0.5mL付きの非潤滑コンドームは、ラテックス界面と器具界面との間の高い摩擦力により、約10回以内の挿入で破損した(図5; 灰色三形(1))。図4に見られるように、3つすべてのシリコーン潤滑コンドーム(紫色、赤色、橙色)は、摩擦力の増加を示し、100回の挿入前に破損した。対照的に、HGCoat_2コンドーム(青色)は、最大500回の挿入であっても器具中への一貫して低い摩擦力を維持した。これらの結果は、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームが市販のシリコーン潤滑コンドームに比べて長持ちするコンドーム潤滑性を実現することを示す。

次に、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドーム(緑色)の性能を約0.5mLのシリコーン潤滑剤(Astroglide)、水性潤滑剤(KY液)、および水付きの非潤滑(灰色)コンドームと比較する試験を行った。シリコーン潤滑剤付きの非潤滑コンドーム(図5; 「シリコーン潤滑コンドーム」とラベリング)は120回の挿入後に破損し、一方、水性潤滑剤付きの非潤滑コンドーム(図5; 「水性潤滑コンドーム」とラベリング)は170回の挿入後に破損した。水の添加によりコンドーム表面上でこれらの潤滑剤が希釈されたと推定された。これは、体液に曝露される際の生理的条件下の個人用潤滑剤でも同様に生じる。予想通り、50回毎の挿入後に試料を再び湿潤させずに試験を繰り返した場合、いっそう高い摩擦力が測定された。対照的に、KY液0.5mLで潤滑された親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドーム(図5; 「水性潤滑HGコーティングコンドーム」とラベリング; 緑色囲み)は、水で潤滑された親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドーム(図5; 「HGコーティングコンドーム」とラベリング; 緑色)と同様に、低い摩擦力を維持することができた。両方とも、改善された性能、および長持ちするコンドームの潤滑性を実現する能力を示した。親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームを50回毎の挿入後に再湿潤させることなく試験を繰り返した際には、その性能はシリコーン潤滑コンドームのそれと同等であった。さらに、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームにシリコーン潤滑剤を加えることで、市販のシリコーン潤滑コンドーム、および個人用シリコーン潤滑剤を補充した非潤滑コンドームと同様の潤滑特性および性能が得られることが認められた。

図6に記載のように、非コーティングラテックス試料のSEM画像(図6A)は平滑な表面を示し、一方、ラテックスに対するHGCoat_2コーティングはわずかに粗い表面を生じさせると観察された(図6B)。この観察は、乾燥試料および水付きの試料を画像化した際にAFM画像によって確認された。1つのコンドームの異なる部分および異なるコンドーム間の異なる部分を通じてSEMにより表面を画像化した際に、均一なコーティングが認められた。これは親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングの一貫性および再現性を示すものである。親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング試料を水ありで数回摩擦した後、コーティングはなお表面に残っていた。

これらの結果は、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームが最小量の水または水性流体の存在下で市販の個人用潤滑剤に比べて耐久的でかつ長持ちするコンドーム潤滑性を実現することを示した。

親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングは細胞毒性がない 親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングが細胞毒性浸出物を示したか否かを判定するために、線維芽細胞株(L細胞、L-929; ATTC CCL-1)を使用してISO 10993-5(Microchem Laboratory; テキサス州ラウンドロック)に従って標準的細胞毒性アッセイを行った。要するに、細胞株を24ウェルトレー中で培養した。親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングおよび非コーティングのラテックス試験試料(n=4)に加えて陽性対照および陰性対照を調製し、これらをすべてオートクレーブ処理により滅菌した。すべての試料を直接曝露し、細胞単層に37℃で24時間接触させた。インキュベーション後、試験試料を取り出し、次に培地からのアリコートを培養容器に入れ、さらに24時間培養した。細胞を分析して単層の形態変化、細胞溶解、または破壊を評価し、細胞毒性なし(0; 陰性対照)〜重度の細胞毒性(4; 陽性対照)に関連する0〜4スケールで段階分けした。

ラテックスがその疎水性および表面汚染性により細胞毒性であることから、非コーティングラテックス対照および陽性対照の両方を、重度の細胞毒性に関連する4と評定した。親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング試料を、対照に比べて軽度の細胞毒性に関連する2と評定した。このことは、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングが非コーティングラテックスに比べて表面の細胞毒性を減少させることを示唆している。

巻き上げられた親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの包装戦略 標準的なGMP製造プロセスにおいて、通常、コンドームは軽く粉末をかけられ(包装時にラテックスがそれ自体に付着しないことを確実にするために)、巻き上げられ、シリコーン潤滑剤約0.5mLと共に包装され、その後、最終製品が気密箔に密封される。親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの包装を確実にするための、潤滑剤および粉末または打ち粉ありおよびなしの様々な包装戦略が、これらの条件に適合性がある。

異なる粉末または打ち粉(例えばコーンスターチ、ベビーパウダー/タルク)または個人用潤滑剤(例えばシリコーン系製品もしくは水性製品)を表面に加えた後、試料をガラスマンドレルから巻き上げた。(1) 潤滑剤/粉末なし(対照); (2) シリコーン潤滑剤0.5mL(標準); (3) 水性潤滑剤0.5mL; (4) 水; (5) 表面に対するコーンスターチ; および(6) 表面に対するベビーパウダーを含む、6つの包装用試料を調査した。コンドームの内側および/または外側に対する潤滑および粉末または打ち粉の塗布も調査した。すべての試験試料(n=3)を箔に包み、室温で気密袋に包装した。図7は、巻き上げられかつ包装されたベビーパウダー付きコンドームの一例を示す。7日後、試料を分析するために、コンドームを広げ、広げた後にコンドーム表面に残留する潤滑剤/粉末または打ち粉を目視検査によって確認した。試料を水0.5mLで湿潤させて指で摩擦することで、潤滑剤、粉末、または打ち粉がコーティングの潤滑特性を変化させたか否かを確認した。

予想通り、潤滑剤または粉末なしで包装されたコンドーム(対照)は、ラテックスがそれ自体に付着したことから、広げることが困難であった。コーンスターチおよびベビーパウダーの両方がコンドームの内側および外側にある、粉末付きで包装された試料は、広げることが容易であり、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング表面は水ですべりやすかった。水または水性潤滑剤付きで包装された試料は、コンドームを広げたときに粘着性表面を生じさせた。このことは、これらの潤滑剤がコンドーム包装に適合性がないことを示唆している。この観察は、細菌増殖を促進しうる水性潤滑剤が通常は包装に関して回避されることから、現行のコンドーム包装基準と矛盾がなかった。

シリコーン潤滑親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームは、潤滑剤がすべりやすいことから、包装用に巻き上げることが困難であった。試料を広げた後、シリコーン潤滑剤は可視的に表面に存在した。しかし、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティング表面を水で湿潤させた場合に、親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングの潤滑特性のわずかな減少が観察された。疎水性シリコーン潤滑剤は、水および水性潤滑剤がコンドーム表面と接触することを防止したようであった。シリコーン潤滑剤を清潔な指でコンドームから擦り取ることで性交中のシリコーン潤滑剤の摩滅を模倣した後、コーティングは完全に潤滑し、水ですべりやすかった。したがって、これは包装に関して実行可能な選択肢である。さらに、本発明者らが、標準的包装プロセスと同様にシリコーン潤滑剤の添加前に表面に粉末をかけられた親水性ポリマーとラテックスポリマーのブレンドコーティングコンドームの包装を調査したところ、同様の知見が得られた。

本明細書において、本出願人の開示は、好ましい態様において図面を参照して説明され、図面中で、同様の数字は同じまたは同様の要素を表す。本明細書全体を通じた「1つの態様」、「一態様」、または同様の用語に対する言及は、該態様に関して記載される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じた「1つの態様では」、「一態様では」という語句、および同様の用語の出現は、いずれも同じ態様を意味しうるが、必ずしも同じ態様を意味するわけではない。

本出願人の開示に記載される特徴、構造、または特性を1つまたは複数の態様において任意の好適な様式で組み合わせることができる。本明細書中の説明では、本発明の態様の完全な理解を実現するために、数多くの具体的詳細が記載される。しかし、当業者は、具体的詳細の1つもしくは複数なしで、または他の方法、構成要素、材料などによって、本出願人の組成物および/または方法を実施することができると認識するであろう。他の場合では、本開示の局面を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造、材料、または操作を詳細に図示または記載しない。

本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上別途明らかな断りがない限り、複数に対する言及を含む。

別途定義がない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等である任意の方法および材料も本開示の実施および試験において使用することができるが、好ましい方法および材料をここに記載する。本明細書に記載の方法を、開示される特定の順序以外にも、論理的に可能な任意の順序で行うことができる。

参照による組み入れ 特許、特許出願、特許公報、雑誌、書籍、論文、ウェブコンテンツなどの他の文献の参照および引用を本開示において行った。すべてのそのような文献は、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み入れられる。参照により本明細書に組み入れられると言われるが、本明細書に明確に記載される既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾する、任意の資料またはその一部は、組み込まれる当該資料と本開示資料との間に矛盾が生じない程度にのみ組み入れられる。矛盾がある場合は、本開示を好ましい開示として優先させて矛盾を解消しなければならない。

等価物 代表例は、本発明を例示することに役立つように意図されており、本発明の範囲を限定するようには意図されておらず、またそのように構成されるべきではない。実際、本発明の様々な修正、ならびに本明細書に図示および記載される態様以外のその多くのさらなる態様は、実施例ならびに本明細書に含まれる科学文献および特許文献の参照を含む本文献の内容全体から、当業者に明らかになるであろう。実施例は重要なさらなる情報、例示、および指針を含んでおり、それらを本発明の様々な態様およびその等価物における本発明の実施に適応させることができる。

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