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Antiallergic agent

阅读:166发布:2020-09-22

专利汇可以提供Antiallergic agent专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain an antiallergic agent having antimicrobial activities against fish diseases and antimicroalgal and antiallergic activities by make the agent include thiotropocin as an active ingredient.
SOLUTION: This antiallergic agent comprises thiotropocin, separated and collected from a cultured product prepared by culturing, e.g. a microorganism belonging to the genus Caulobacter (FERM BP-5080) in a culture medium under conditions of a pH within the range of 7.4-7.6, 10-35°C temperature, 5-7 days, aeration spinner culture, etc., as an active ingredient. The method for administering the objective antiallergic agent is carried out by including 5-10% thiotoropocin in, e.g. lactose which is a formulation substrate, providing a powdery or a granular form, mixing the prepared formulation in a daily dose of 0.1-0.5g/kg body weight of fishes with a formula feed and administering the resultant formula feed to the fishes for 5-7 days.
COPYRIGHT: (C)1998,JPO,下面是Antiallergic agent专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 チオトロポシンを有効成分として含む抗アレルギー剤。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、生物を用いたチオトロポシンの製造方法およびチオトロポシンの用途に関する。 詳しくは、カウロバクター( Caulobacter )属に属する微生物を培養し、得られる培養物からチオトロポシンを分離、採取するチオトロポシンの製造方法、およびチオトロポシンを有効成分として含む魚病抗菌剤、
    抗微細藻剤または抗アレルギー剤に関する。

    【0002】

    【従来の技術】チオトロポシンは、硫黄元素を含有する7員環ヘテロ化合物であり、微生物の産生する様々な抗生物質の中でも非常に珍しく、抗菌活性以外にも種々の生物活性が期待できる物質である。 従来より、チオトロポシンを生産する微生物は、土壌細菌シュードモナス・
    トロポスルフェニイ( Pseudomonas troposulfenii PB-5
    020)(特開昭59-205994号公報)、シュードモナス属細菌
    ( Pseudomonas sp. CB-104) (K.Kintani,H.Ono, S.Tsub
    otai, S.Harada, H.Okazaki: J.Antibiotics, 37 , 1294
    -1300(1984) およびS.Tsubotani, Y.Wada, K.Kamiya,
    H.Okazaki, S.Harada: Tetrahedron Letters, 25 , 419-4
    22(1984))が知られている。

    【0003】しかし、その他の細菌、放線菌、かび等においてチオトロポシンが生成されるか否かについては全く知られておらず、また、抗菌活性以外のチオトロポシンの生物活性についても全く知られていない。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】本発明は、カウロバクター( Caulobacter ) 属に属し、チオトロポシン生産能を有する微生物を用いたチオトロポシンの製造方法およびチオトロポシンの新規用途を提供することを目的とする。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】発明者らは新たな微生物資源として海洋微生物、なかでも未開拓な海産微細藻類と共存する微生物に着目し、日本沿岸海域から多くの微細藻類を分離し、さらにその微細藻類に共存する多数の細菌を分離し、チオトロポシン生産能を有する新たな微生物の探索・開発研究を鋭意重ねた。 その結果、これら微細藻類と共存する細菌の中からチオトロポシン生産能を有する新規微生物を見出し、該微生物を培養することによりチオトロポシンを採取することに成功した。 さらに、該チオトロポシンの珍しい化学構造に着目し、チオトロポシンが新規な生物活性である魚病抗菌活性、抗微細藻活性および抗アレルギー活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。

    【0006】すなわち、本発明は、カウロバクター属に属し、チオトロポシン生産能を有する微生物を培地中で培養し、得られる培養物からチオトロポシンを採取することを特徴とするチオトロポシンの製造方法である。 ここで、カウロバクター属に属するチオトロポシン生産能を有する微生物としては、カウロバクター・エスピーP
    K654菌株が挙げられる。

    【0007】さらに、本発明は、チオトロポシン生産能を有するカウロバクター・エスピーPK654菌株である。 さらに、本発明は、チオトロポシンを有効成分として含む魚病抗菌剤、抗微細藻剤または抗アレルギー剤である。 以下、本発明を詳細に説明する。

    【0008】本発明のチオトロポシンは、カウロバクター( Caulobacter ) 属に属する微生物を培地中で培養し、得られる培養物から採取することにより得ることができる。 本発明の製造方法に用いる微生物は、カウロバクター( Caulobacter ) 属に属し、チオトロポシン生産能を有する微生物であればいずれの菌株でもよいが、例えば、本発明者らが天然界から分離したPK654菌株を例示することができる。

    【0009】PK654菌株は、本発明者らが大分県佐伯市の沿岸海域の中から、微細藻類との共存細菌として分離した微生物である。 チオトロポシン生産能を有する海洋細菌PK654菌株の菌学的性質は下記の通りである。

    【0010】1. 形態的性質 (1) 細胞形態(図1参照) 桿菌 (2) グラム染色性 − (3) 柄(stalk)(図2参照) + 形成位置 極 本数 1 (4) 胞子 − (5) 運動性 + (6) 鞭毛(図3参照) 極単毛 2. 生理的性質 (1) 酸素に対する態度 好気性 (2) オキシダーゼ + (3) カタラーゼ + (4) OFテスト − (5) NaCl要求性 NaCl無添加培地での生育 − 0.05%NaCl添加培地での生育 − 2%NaCl添加培地での生育 + 4%NaCl添加培地での生育 + (6) 硝酸塩の還元 − (7) デンプン分解 − (8) 水溶性色素の生成 +(黒茶色) (9) 炭素化合物の資化性 L−アラビノース − リボース + グルコース + ガラクトース + マンノース + ラクトース − L−プロリン + アセテート 微弱 ブチレート + ピルビン酸ナトリウム + カザミノ酸 + (10) キノン系 Q-10 3. 菌体内DNAのGC含量(モル%) 58 4. 分離源 大分県佐伯市沿岸の海水から分離した微細藻類と共存する細菌の中から海洋性細菌PK654菌株を選択・分離した。

    【0011】なお、上記形態的性質および生理学的性質の試験は次の方法により行った。 (1) 細胞形態、胞子、グラム染色性、運動性、鞭毛、柄
    (stalk) 等の形態的性質および酸素に対する態度、オキシダーゼ、カタラーゼ、水溶性色素の生成等の生理的性質の試験は Marine Agar 2216 (Difco製) を用い、25℃
    にて一定時間培養し、常法により行った(主として駒形和男:微生物の分類と同定(下)、(改編版、長谷川武治編著),学会出版センター,P.99-161(1985)を参考にした)。

    【0012】(2) OF試験はMOF(E.Leifson: J.Bact
    eriol., 85 , 1183(1963)) に準じて試験した。 (3) NaCl要求性は JSPoindexter: Bacteriol. Rev.,
    28 , 231(1964) に準じて試験した。 但し、培地はHutne
    r's mineral base(Coen-Bazire G.,WRSistrom, RYS
    tanier: J.Cell. Comp. Physiol., 49 , 25(1957)) 20ml
    を添加したものを用いた。

    【0013】(4) 硝酸塩還元は JSPoindexter: Bacte
    riol. Rev., 28 , 231(1964) に準じて試験した。 但し、
    培地は Hutner's mineral base 20mlを添加したものを用いた。 (5) デンプンの分解は、被検菌を1%可溶性デンプンを添加したMarine Agar2216(Difco製) 平板培地に画線して25℃、5〜7日間培養し、ルゴール液を平板全面に注ぎ、菌苔の真下または周辺に透明帯を生じたものを陽性と判定した。

    【0014】(6) 炭素化合物の資化性は JSPoindexte
    r: Bacteriol. Rev., 28 , 231(1964) に準じて下記の改変培地を用いて行った。 資化性試験培地 Peptone(Difco) 0.05g Yeast extract 0.05g Agar 10.0 g Hutner's mineral base * 20ml 100 %人工海水 980ml pH無調整(8.2) 培養条件:25℃, 14日間* Hutner's mineral baseの組成 Nitrilotriacetic acid 10.0 g MgSO 4・7H 2 O 14.45g CaCl 2・2H 2 O 3.335g (NH 4 ) 6 Mo 7 O 24・4H 2 O 9.25mg FeSO 4・7H 2 O 99.0mg Metals "44" 50.0ml (7) キノン系および菌体内DNAのGC含量 藪内英子他:新しい分類学に伴走する細菌同定法(1987
    年)(菜根出版)に準じて試験した。

    【0015】以上の菌学的性質を Bergey's Manual of
    Systematic Bacteriology, Vol.1(NRKieg, JG Holt
    編, Willams & Wilkins, Baltimor(1984))およびBerge
    y'sManual of Determinative Bacteriology(第9版,
    JGHolt, NR Kieg, PHA Sneath, JTStaley, S.
    T. Williams 編, Williams & Wilkins, Baltimor(199
    4))と対比した結果、本海洋細菌PK654菌株はカウロバクター( Caulobacter ) 属に属する細菌と同定された。 さらにカウロバクター ( Caulobacter )属細菌の種に至る同定を試みた。 その結果、海洋細菌PK654菌株は、NaCl要求性および4%NaCl耐性からはカウロバクター・マリス( Caulobacter maris ) に近いが、糖およびアミノ酸、ブチレート、ピルビン酸ナトリウムの資化性、色素の生成等が異なり、また菌体内DNAのGC含量は58モル%とカウロバクター( Caulobacter ) 属の62
    〜67モル%の値より小さいことなどから、本PK654
    菌株はカウロバクター属細菌の新しい種であると考え、
    カウロバクター・エスピー( Caulobacter sp.) PK6
    54とした。

    【0016】なお、この海洋細菌カウロバクター・エスピー( Caulobacter sp.) PK654菌株は、工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM BP-5080 (平成7年4月19日)として寄託されている。 また、本発明のチオトロポシンの製造法に用いる微生物は前記カウロバクター・エスピーPK654菌株(FERM BP-5080)に限らず、カウロバクター( Caulobacter ) 属に属し、生物活性物質チオトロポシンを生産する能を有するものであれば、すべて本発明に使用できる。

    【0017】上記微生物の培養方法は、原則的には微生物の培養法に準じて行うことができる。 培養に用いられる培地としては、カウロバクター属に属する微生物が利用できる栄養源を含有する培地であれば良く、各種の合成培地、半合成培地および天然培地などいずれも用いることができる。 培養に用いられる培地としては、まず公知のものがいずれも使用できる。 例えば、炭素源としてグルコース、ガラクトース、マンノース、リボース、ピルビン酸塩、ペプトン、カザミノ酸、有機酸等を単独または組み合わせて用いることができる。 窒素源としては、イーストエキス、ペプトン、肉エキス、カゼイン、
    酵母エキス、アミノ酸溶液、尿素等の有機窒素源または硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム等の無機窒素源を単独または組み合わせて用いることができる。 無機塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等を適宜組み合わせて使用できる。 上記培地の pHは7.4〜7.6の範囲が好ましいが、中性付近であれば良い。 微生物の培養温度は10〜35℃、好ましくは15〜25℃にて5〜7日間、
    通気攪拌、振とう培養または静置培養で行われる。 上記培養によって目的とするチオトロポシンが生成蓄積される。 上記の各種の培養条件は、使用する微生物の種類や特性、外部の条件などに応じて適宜変更でき、またそれぞれに応じて上記範囲から最適条件を選択し、調節される。

    【0018】上記培養によって生産されるチオトロポシンの単離は、当該物質の蓄積が最大になる時に、発酵生産物を採取する一般的な方法に準じて、チオトロポシンと他の不純物との溶解度の差、吸着親和力の差、分子量の差などを利用する手段のいずれも使用でき、それぞれの方法を単独または適宜組み合わせて、場合によっては反復使用することによって行うことができる。

    【0019】例えば、培養によって得られた培養物から培養液と菌体を分離する方法としては、従来から行われている遠心分離や濾過等の方法が使用できるが、遠心分離が好適である。 遠心分離で得られた培養液をガラスフィルターで濾過後、ゲル濾過、吸着クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて分離を繰り返し行い、メタノール等の有機溶媒から再結することによって、チオトロポシンを単離することができる。

    【0020】また、物質の溶解度に基づく分離法、すなわち物質の pHによる溶解度の差を利用して有機溶媒で抽出する方法も好適である。 遠心分離した培養液を酸にて酸性にし、クロロホルム等の有機溶媒で抽出する。 この抽出液を塩基性の緩衝液で抽出を行った後、この塩基性抽出液を再び酸にて酸性にしてクロロホルム等の有機溶媒で抽出する。 その抽出液を減圧下で濃縮乾固するとチオトロポシンの粗結晶が得られる。 前記と同様さらにメタノール等の有機溶媒から再結すれば精製されたチオトロポシンが得られる。

    【0021】一般に、チオトロポシンの生物活性についてはグラム陽性細菌、グラム陰性細菌、酵母、糸状菌類に抗菌活性を示すことが知られている(前記 J.Antibio
    ics, 37 , 1294-1300,(1984)および特開昭59-205994号公報) 。 しかしそれ以外の生物活性については全く知られていない。 本発明者らは、チオトロポシンの珍しい化学構造に着目し、上記以外のチオトロポシンの新しい生理活性について鋭意検討した結果、表1、表2および図4
    に示したように魚病抗菌活性、抗微細藻活性および抗アレルギー活性等を有することを見出した。

    【0022】魚病抗菌活性、抗微細藻活性については、
    被検菌として例えばスタフィロコッカス・オーレウス( Staphylococcus aureus )、エシェリヒア・コリ( Esche
    richiacoli )、シュードモナス・エルギノーザ( Pseudo
    monas aeruginosa )等の他、ハマチやウナギ等の魚類病原性細菌(エンテロコッカス・セエリオリイシイダ( En
    terococcus seriolicida ))、赤潮形成微細藻類である珪藻( Skeletonema costatum )、ラフィド藻( Heterosigma
    akashiho ) 、渦鞭毛藻( Gymnodinium nagasakiense
    などを用い、これらの微生物に対し、チオトロポシンの最小発育阻止濃度(MIC)を測定することにより調べることができる。 MICの測定は公知方法を使用すればよい。

    【0023】また、チオトロポシンの抗アレルギー活性については、肥満細胞脱顆粒阻害活性を測定することにより調べることができる。 すなわち、IgE感作肥満細胞懸濁液に被検液を加えインキュベートした後、さらに脱顆粒誘発剤を添加し、試料溶液中に含まれるヒスタミン量を定量し、これをヒスタミン遊離阻害率に換算することにより求めることができる。

    【0024】チオトロポシンを魚病抗菌剤として投与する場合は、各種魚病菌による疾病を予防または治療し、
    斃死率の低下を目的とすることができる。 例えば、養殖ハマチ、ブリおよびうなぎなどの病原菌ストレプトコッカス( Streptococcus )属細菌やエンテロコッカス・セエリオリイシイダ( Enterococcus seriolicida )に起因する連鎖球菌症(楠田理一,川合研児,豊嶋利雄,小松功:日水誌, 42 ,1345-1352 (1976), R.Kusuda, K.Kawa
    i, F.Salati, CRBanner, JLFryer: Int. J. Syst.
    Bacteriol., 41 ,406-409 (1991))などを適用の対象とすることができる。

    【0025】また、投与する方法は、製剤基材の乳糖などにチオトロポシンを5〜10%含有させ、粉末または顆粒状とし、これらの製剤を0.1〜0.5 g/魚体重kg/日を配合飼料、練餌等の飼料に均一に混合して通常5〜7日間投与する。 チオトロポシンを抗微細藻剤として使用する場合は、チオトロポシンをそのまま直接使用してもよいが、一般には、適当な液体担体に溶解若しくは分散させ、または適当な粉末担体と混合若しくは吸着させ、所要の場合はさらにこれらに乳化剤、分散剤、安定剤、懸濁剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、安定剤などを添加し、
    乳剤、油剤、水和剤、粉剤などの製剤として使用される。

    【0026】有効成分の濃度は、一般に乳剤、水和剤、
    油剤では0.01〜10%が適当であり、また、粒剤、粉剤では0.1〜10%が適当であるが、使用目的によってこれらの濃度は適宜調節してよい。 製剤に使用する液体担体としては、例えば、通常は水がベースとして用いられるが、メタノール、エタノールのようなアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、ジオキサン、エチレングリコールのようなエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルナフタレンのような芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミドのような酸アミド類などの溶媒も用いることができ、これらの1種または2種以上を混合して使用する。

    【0027】また、粉末担体としては、タルク、カオリン、ベントナイト、ゼオライト、消石灰、珪藻土、酸性白土のような鉱物質粉末、さらにアルミナ、シリカゲルなども用いられ、これらの1種または2種以上を混合して使用する。 展着剤、乳化剤、浸透剤、分散剤、可溶化剤などとして使用される界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキレンオキシド系界面活性剤などが用いられる。

    【0028】チオトロポシンを抗アレルギー剤として投与する場合は、投与する対象を特に限定しない。 例えば、各アレルギー疾患(例えば、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性皮膚炎等)を予防または治療することを目的として用いることができる。 また、投与する方法は経口または非経口でもよく、経口投与には舌下投与を含む。 非経口投与には、
    注射(例えば静脈注射、皮下注射、筋肉注射、点滴等)、坐剤、クリーム剤、パップ剤等を含む。 また、その投与量は、動物かヒトかによって、さらに年齢、投与経路、投与回数により異なり、広範囲に変えることができる。 この場合、チオトロポシンの有効量と適切な希釈剤および薬理学的に使用し得る担体の組成物として投与される有効量は0.1μg〜50mg/day/kg であり、1日1回から数回に分けて投与される。

    【0029】本発明の抗アレルギー剤を経口投与する場合、それに適用される錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤等は、通常それらの組成物中に製剤上一般に使用される結合剤、包含剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、湿潤剤のような添加剤を含有する。 また、経口用液体製剤としては、内用水剤、懸濁剤、乳剤シロップ剤等いずれの状態であってもよく、また、使用する際に再溶解させる乾燥生成物であってもよい。 さらに、その組成物は、
    添加剤、保存剤のいずれを含有してもよい。

    【0030】本発明の抗アレルギー剤を非経口投与する場合、安定剤、緩衝剤、保存剤、等張化剤等の添加剤を含有し、通常、単位投与量アンプル若しくは多投与量容器またはチューブの状態で提供される。 上記組成物は、
    使用する際に適当な担体、例えば発熱不含の滅菌水で再溶解させる粉体であってもよい。

    【0031】

    【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する。 但し、本発明はこれら実施例に限定されない。 〔実施例1〕チオトロポシンの製造(1) カウロバクター・エスピーPK654菌株の斜面培養培地(Marine Agar 2216,Difco製) から Marine Broth (Di
    fco製) 3.74%、グルコース1%、蒸留水の組成よりなる培地(pH7.4) 20ml を含むL字型試験管(外径18mm,
    長さ180mm,高さ95mm) に1白金接種し、毎分45回転で、20℃、5日間振とう培養して種培養液を得た。 この種培養液0.1mlを上記の培地 100mlを含む 500ml容三フラスコに接種し、20℃で5〜7日間培養を行った。

    【0032】上記の方法により培養したフラスコの培養液52Lを集め、それを4℃、8000rpm で遠心分離を行い、この培養液上澄みをWhatman GF/C(孔径0.45m,直径4.7cm)で濾過後、濾液を Sephadex LH-20(充填剤 5
    00g,ファルマシア製)によるカラムクロマトグラフィーに付し、蒸留水で溶出後、黒褐色の溶出液部分を分画した。 さらにこの溶出液を1N-HCl 水溶液で pH2に調整した後、上記と同様に Sephadex LH-20(充填剤 500
    g,ファルマシア製)によるカラムクロマトグラフィーを行い、黄色の溶出液部分54Lを得た。 黄色の溶出液はセップパック・バックC 18 (充填剤 5g,ウォーターズ製)に付し、メタノールで溶出後、減圧下濃縮乾固することにより、赤色析出物0.42gを得た。 再度、この析出物を蒸留水で溶解、 pH2に調整した後、 Sephadex LH
    -20 (200g,ファルマシア製)およびセップパック・バックC 18 (充填剤 5g,ウォーターズ製)を行い、さらにメタノールによる再結晶化を行うことにより、黄色針状結晶 351mgを単離した。

    【0033】〔実施例2〕チオトロポシンの製造(2) 実施例1と同様に遠心分離で得られた培養上澄20Lを酢酸エチル10Lで分配し、水相部分を1N-HCl 水溶液で p
    H2に調整後、酢酸エチルで抽出した。 さらに酢酸エチル抽出液を2%炭酸ナトリウム水溶液で分配した後、水相部分を再度1N-HCl 水溶液で pH2に調整、酢酸エチルで抽出した。 この酢酸エチル抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下濃縮乾固後、メタノールから再結することにより、黄色針状結晶 112mgを得た。

    【0034】以上のようにして得られた黄色針状結晶の物理化学的性質を以下に示す。 マススペクトル(m/z):212[M] + , 184[M-CO] + , 168[M-
    CO 2 ], 140[M-CO 2 -CO] + ,96[M-CO 2 -CO-CS] +元素分析:C, 45.33 ; H, 1.96 ; O, 22.64 ; S,
    30.02 融 点:222〜224℃ 紫外吸収スペクトル:λ(MeOH)216(ε25400), 245(11
    300), 307(16300),356(6200), 452(2100)nm 赤外吸収スペクトル:IR(KBr)3061, 2926, 2857, 163
    3, 1597, 1537, 1460,1373, 1313, 1242, 1109, 1072,
    1014, 889, 827, 692, 652, 578,470cm -1 1 HNMR核磁気共鳴スペクトル(270MHz, 外部標準 TMS,
    溶媒CHCl 3 ) : δ7.12(1H, d, 9Hz), 7.44(1H, d, 12H
    z), 7.45(1H, dd, 9, 12), 16.7(1H, s)ppm 13 CNMR核磁気共鳴スペクトル(67.5MHz, 外部標準 TM
    S, 溶媒 DMSO):δ182.5,170.6, 167.7, 150.1, 137.6,
    137.5, 133.7, 120.0ppm 呈色反応:2%塩化第二鉄およびヨウ素−アジド化物反応試験で陽性を示す。

    【0035】以上の理化学的性質から構造式を決定した結果、シュードモナス属細菌の産生するチオトロポシンと一致した(S.Tsubotani, Y.Wada, K.Kamiya, H.Okaza
    ki,S.Harada:Tetrahedron Letters, 25 , 419-422(198
    4) ) 。 以上の結果から、カウロバクター・エスピーP
    K654菌株の生産する実施例1および2の黄色針状結晶はチオトロポシンと同定された。

    【0036】〔実施例3〕魚病抗菌活性 最小発育阻止濃度(MIC)の測定は、日本化学療法学会の Chemotherapy, 29 , 76-79(1981) に準じて行った。
    被検菌スタフィロコッカス・オーレウス( Staphylococcu
    s aureus )IFO 12732 、エシェリヒア・コリ( Escheric
    hia coli ) IFO14237、シュードモナス・エルギノーザ( Pseudomonas aeruginosa )IFO 12582の培養は Muller
    -Hinton Broth(Difco製)に、1.7%の寒天を加えた培地(pH6.0)、またエンテロコッカス・セエリオリイシイダ( Enterococcus seriolicida ;YT-3株:ATCC 49456と同一株)は Brain Heart Infusion Broth (Difco製)
    に、1.5%の寒天を加えた培地(pH 6.0) をそれぞれ用いた。

    【0037】チオトロポシン濃度の調製は次のようにして行った。 チオトロポシン 5.0mgをジメチルスルオキシド(Dimethylsulfoxide)6mlに溶解した後、ディメックス25(孔径0.2μm,直径25mm,ミリポア製)のメンブレンフィルターでろ過滅菌した後、滅菌蒸留水5mlを加えたものを薬剤原液とし、さらにそれを滅菌蒸留水にて2倍希釈法により薬剤希釈液を調製した。

    【0038】MICの判定はスタフィロコッカス・オーレウス( Staphylococcus aureus )IFO12732、エシェリヒア・コリ( Escherichia coli ) IFO 14237、シュードモナス・エルギノーザ( Pseudomonas aeruginosa ) IFO
    12582では培養温度37℃、18時間後に、またエンテロコッカス・セエリオリイシイダ( Enterococcus seriolici
    da )YT-3株(ATCC 49456)では培養温度25℃、3日後に行った。

    【0039】上記の方法でチオトロポシンの抗菌活性を調べた結果を表1に示した。 表1に示したように、チオトロポシンは強い抗菌活性を示した。 これらの中でチオトロポシンの新しい生物活性として魚類病原性細菌エンテロコッカス・セエリオリイシイダ( Enterococcus ser
    iolicida ; YT-3株:ATCC 49456と同一株)に強い抗菌活性を有することを初めて見出した。

    【0040】

    【表1】

    【0041】〔実施例4〕抗微細藻活性 被検微細藻類(表2参照)の接種量は微細藻類培地中に
    30cells/mlになるように調製した。 微細藻類の培地は f
    /2培地(RRLGuillard and JHRyther: Can.J.Micro
    biol., , 229-239(1962))を使用し、チオトロポシン 1
    00μg/ml培地の薬剤濃度を上限濃度として10倍希釈で5
    段階の薬剤濃度の f/2培地を調製した。 MICの判定は
    20℃、12時間明−12時間暗で7日間培養後に行った。 判定には微細藻類の増殖を蛍光光度計(サイトフロー2300
    蛍光光度計,日本パーセプティブ・リミテッド製)を使用し、励起波長は460nm で、微細藻類のクロロフィルa
    に基づく波長 645nm の蛍光強度を測定して行った。

    【0042】上記の方法でチオトロポシンの抗微細藻活性を調べた結果を表2に示した。 表2に示したように、
    チオトロポシンの新しい生物活性として抗微細藻活性を見出した。

    【0043】

    【表2】

    【0044】〔実施例5〕抗アレルギー活性 ラット腹腔肥満細胞の調製は、中込らの方法(Nakagomi
    et al.:J.Antibiotics, 43 , 5, 462-469(1990)) に準じて行った。 ウイスター系ラット腹腔内に、Tyrode液20ml
    を注入し、ピペットで腹水を取り出した。 採取した腹水は4℃、100×g、12分間遠心分離し、沈殿する細胞を集めた。 この細胞をTyrode液2mlに懸濁させ、比重1.06
    8 に調製した血清アルブミン(BSA)生理食塩水4
    mlに重層し、4℃、100×g、12分間遠心分離後、沈殿する肥満細胞を集めた。 抗DNPマウスモノクローナルIgE抗体を37℃、1時間反応することによりIgEを肥満細胞に結合させ、感作状態とした。 Tyrode液で数回洗浄した後、0.2%BSAを含むTyrode液に肥満細胞が
    10 6 /ml となるように懸濁し、IgE感作肥満細胞懸濁液を得た。

    【0045】肥満細胞脱顆粒阻害活性の測定は、1×10
    6 cells/mlに調製したIgE感作肥満細胞懸濁液に被検液を加え、37℃、5分間インキュベートした後、脱顆粒誘発剤として抗原(DNP−BSA)(200ng/ml)+ホスファチジルセリン(10μg/ml) PBS(-) を添加し、再度37℃、10分間インキュベートした。 1500×g、5分間の遠心上清中に含まれるヒスタミン量を、オルトフタルアルデヒド(OPA)でポストカラムラベルすることにより、HPLCで定量した。

    【0046】ヒスタミン遊離阻害活性は脱顆粒誘発剤により遊離されるヒスタミン量に対する阻害率として表し、式(1)により求めた。 ヒスタミン遊離阻害率(%)= {1−(Hs−Hb)/(Hi−Hb)}×100 (1) Hb;細胞をPBSとのみインキュベートした時に遊離されるヒスタミン量 Hi;細胞を被検液非存在下に脱顆粒誘発剤とインキュベートした時に遊離されるヒスタミン量 Hs;細胞を被検液存在下に脱顆粒誘発剤とインキュベートした時に遊離されるヒスタミン量

    【0047】上記の方法でチオトロポシンの肥満細胞脱顆粒阻害活性を調べた結果を図4に示した。 チオトロポシンには強い肥満細胞脱顆粒阻害活性があることが明らかになった。 図4に示したように、チオトロポシンの新しい生物活性として抗アレルギー活性を見出した。

    【0048】

    【発明の効果】本発明により、チオトロポシンが得られる。 チオトロポシンは、魚類病原性細菌に対して抗菌活性を、微細藻類に対して極めて強い抗藻活性を有し、さらにチオトロポシンは抗アレルギー活性も有する。 従って、チオトロポシンは医薬品、水産用医薬品、赤潮防止剤またはそれらの変換素材として利用でき、産業上極めて有用である。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】カウロバクター・エスピーPK654の細胞形態を示した光学顕微鏡写真(生物の形態)。 (倍率:2,
    000 倍,1目盛は約1μm)

    【図2】付着柄(stalk) を有するカウロバクター・エスピーPK654の細胞形態を示した光学顕微鏡写真(生物の形態)。 上段および下段の写真はそれぞれ異なる視野のものである。

    【図3】極鞭毛を有するカウロバクター・エスピーPK
    654の細胞形態を示した光学顕微鏡写真(生物の形態)。 (倍率:2,000 倍,1目盛は約1μm)

    【図4】チオトロポシンの肥満細胞脱顆粒阻害活性を示す図。

    ─────────────────────────────────────────────────────

    【手続補正書】

    【提出日】平成10年1月29日

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図1

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図1】

    【手続補正2】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図2

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図2】

    【手続補正3】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図3

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【図3】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 FI C12P 17/14 C12P 17/14 (C12N 1/20 C12R 1:01) (C12P 17/14 C12R 1:01) (72)発明者 名川 吉信 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 岡 修一 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 浅田 真弘 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 井上 真美 茨城県牛久市岡見町960−144 (72)発明者 中込 和哉 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院 生命工学工業技術研究所内

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