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ポリペプチドからなる農薬組成物

阅读:193发布:2021-03-08

专利汇可以提供ポリペプチドからなる農薬組成物专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、 植物 病原体 のスフィンゴ脂質に特異的に結合する 抗体 の少なくとも1つの重鎖可変ドメインを含む、 有害 生物 、より具体的には植物の 有害生物 に対抗するための農薬および生物防除組成物に関する。本発明は、さらに、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための方法であって、植物病原体による感染または生物学的相互作用に対して植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法を提供する。さらに、このような農薬組成物および製剤を生成するための方法、農薬製剤内に含まれる特定の殺虫活性を有する重鎖可変ドメイン、このような重鎖可変ドメインをコードする核酸、およびこのような核酸を含むキメラ遺伝子を含む植物が提供される。,下面是ポリペプチドからなる農薬組成物专利的具体信息内容。

植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を含む農薬組成物。抗体の重鎖可変ドメインまたはその機能的断片が、重鎖抗体の重鎖可変ドメインまたはその機能的断片である、請求項1に記載の農薬組成物。スフィンゴ脂質がグルコシルセラミドである、請求項1または2のいずれか一項に記載の農薬組成物。植物病原体が植物病原性真菌である、請求項1から3のいずれか一項に記載の農薬組成物。植物病原性真菌の属が、アルテルナリア属(Alternaria)、アスコキタ属(Ascochyta)、ボトリチス属(Botrytis)、セルコスポラ属(Cercospora)、コレトトリクム属(Colletotrichum)、ジプロジア属(Diplodia)、エリシフェ属(Erysiphe)、フサリウム属(Fusarium)、レプトスファエリア属(Leptosphaeria)、ゴウマノマイセス属(Gaeumanomyces)、ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)、マクロホミナ属(Macrophomina)、ネクトリア属(Nectria)、ペニシリウム属(Penicillium)、ペロノスポラ属(Peronospora)、ホマ属(Phoma)、フィマトトリクム属(Phymatotrichum)、フィトフトラ属(Phytophthora)、プラスモパラ属(Plasmopara)、ポドスファエラ属(Podosphaera)、プッシニア属(Puccinia)、ピレノホラ属(Pyrenophora)、ピリクラリア属(Pyricularia)、ピシウム属(Pythium)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、スセロチウム属(Scerotium)、スクレロチニア属(Sclerotinia)、セプトリア属(Septoria)、チエラビオプシス属(Thielaviopsis)、ウンシヌラ属(Uncinula)、ベンツリア属(Venturia)、ベルチシリウム属(Verticillium)、マグナポルテ属(Magnaporthe)、ブルメリア属(Blumeria)、ミコスファエレラ属(Mycosphaerella)、ウスチラゴ属(Ustilago)、メラムプソラ属(Melampsora)、ファコスポラ属(Phakospora)、モニリニア属(Monilinia)、ムコール属(Mucor)、リゾプス属(Rhizopus)およびアスペルギルス属(Aspergillus)を含む群から選択される、請求項4に記載の農薬組成物。少なくとも1つの重鎖可変ドメインが、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な量で存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の農薬組成物。農薬組成物中の少なくとも1つの重鎖可変ドメインの濃度が0.0001重量%から50重量%の範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の農薬組成物。農薬的に適切な担体および/または1つ以上の適切なアジュバントをさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の農薬組成物。少なくとも1つのVHHが、 配列番号85を有するCDR1領域、配列番号169を有するCDR2領域および配列番号253を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号86を有するCDR1領域、配列番号170を有するCDR2領域および配列番号254を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号87を有するCDR1領域、配列番号171を有するCDR2領域および配列番号255を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号88を有するCDR1領域、配列番号172を有するCDR2領域および配列番号256を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号89を有するCDR1領域、配列番号173を有するCDR2領域および配列番号257を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号90を有するCDR1領域、配列番号174を有するCDR2領域および配列番号258を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号91を有するCDR1領域、配列番号175を有するCDR2領域および配列番号259を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号92を有するCDR1領域、配列番号176を有するCDR2領域および配列番号260を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号93を有するCDR1領域、配列番号177を有するCDR2領域および配列番号261を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号94を有するCDR1領域、配列番号178を有するCDR2領域および配列番号262を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号95を有するCDR1領域、配列番号179を有するCDR2領域および配列番号263を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号96を有するCDR1領域、配列番号180を有するCDR2領域および配列番号264を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号97を有するCDR1領域、配列番号181を有するCDR2領域および配列番号265を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号98を有するCDR1領域、配列番号182を有するCDR2領域および配列番号266を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号99を有するCDR1領域、配列番号183を有するCDR2領域および配列番号267を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号100を有するCDR1領域、配列番号184を有するCDR2領域および配列番号268を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号101を有するCDR1領域、配列番号185を有するCDR2領域および配列番号269を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号102を有するCDR1領域、配列番号186を有するCDR2領域および配列番号270を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号103を有するCDR1領域、配列番号187を有するCDR2領域および配列番号271を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号104を有するCDR1領域、配列番号188を有するCDR2領域および配列番号272を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号105を有するCDR1領域、配列番号189を有するCDR2領域および配列番号273を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号106を有するCDR1領域、配列番号190を有するCDR2領域および配列番号274を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号107を有するCDR1領域、配列番号191を有するCDR2領域および配列番号275を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号108を有するCDR1領域、配列番号192を有するCDR2領域および配列番号276を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号109を有するCDR1領域、配列番号193を有するCDR2領域および配列番号277を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号110を有するCDR1領域、配列番号194を有するCDR2領域および配列番号278を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号111を有するCDR1領域、配列番号195を有するCDR2領域および配列番号279を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号112を有するCDR1領域、配列番号196を有するCDR2領域および配列番号280を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号113を有するCDR1領域、配列番号197を有するCDR2領域および配列番号281を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号114を有するCDR1領域、配列番号198を有するCDR2領域および配列番号282を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号115を有するCDR1領域、配列番号199を有するCDR2領域および配列番号283を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号116を有するCDR1領域、配列番号200を有するCDR2領域および配列番号284を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号117を有するCDR1領域、配列番号201を有するCDR2領域および配列番号285を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号118を有するCDR1領域、配列番号202を有するCDR2領域および配列番号286を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号119を有するCDR1領域、配列番号203を有するCDR2領域および配列番号287を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号120を有するCDR1領域、配列番号204を有するCDR2領域および配列番号288を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号121を有するCDR1領域、配列番号205を有するCDR2領域および配列番号289を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号122を有するCDR1領域、配列番号206を有するCDR2領域および配列番号290を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号123を有するCDR1領域、配列番号207を有するCDR2領域および配列番号291を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号124を有するCDR1領域、配列番号208を有するCDR2領域および配列番号292を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号125を有するCDR1領域、配列番号209を有するCDR2領域および配列番号293を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号126を有するCDR1領域、配列番号210を有するCDR2領域および配列番号294を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号127を有するCDR1領域、配列番号211を有するCDR2領域および配列番号295を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号128を有するCDR1領域、配列番号212を有するCDR2領域および配列番号296を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号129を有するCDR1領域、配列番号213を有するCDR2領域および配列番号297を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号130を有するCDR1領域、配列番号214を有するCDR2領域および配列番号298を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号131を有するCDR1領域、配列番号215を有するCDR2領域および配列番号299を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号132を有するCDR1領域、配列番号216を有するCDR2領域および配列番号300を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号133を有するCDR1領域、配列番号217を有するCDR2領域および配列番号301を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号134を有するCDR1領域、配列番号218を有するCDR2領域および配列番号302を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号135を有するCDR1領域、配列番号219を有するCDR2領域および配列番号303を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号136を有するCDR1領域、配列番号220を有するCDR2領域および配列番号304を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号137を有するCDR1領域、配列番号221を有するCDR2領域および配列番号305を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号138を有するCDR1領域、配列番号222を有するCDR2領域およびアミノ酸配列NRYを有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号139を有するCDR1領域、配列番号223を有するCDR2領域および配列番号306を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号140を有するCDR1領域、配列番号224を有するCDR2領域および配列番号307を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号141を有するCDR1領域、配列番号225を有するCDR2領域および配列番号308を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号142を有するCDR1領域、配列番号226を有するCDR2領域および配列番号309を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号143を有するCDR1領域、配列番号227を有するCDR2領域および配列番号310を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号144を有するCDR1領域、配列番号228を有するCDR2領域および配列番号311を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号145を有するCDR1領域、配列番号229を有するCDR2領域および配列番号312を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号146を有するCDR1領域、配列番号230を有するCDR2領域および配列番号313を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号147を有するCDR1領域、配列番号231を有するCDR2領域および配列番号314を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号148を有するCDR1領域、配列番号232を有するCDR2領域および配列番号315を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号149を有するCDR1領域、配列番号233を有するCDR2領域および配列番号316を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号150を有するCDR1領域、配列番号234を有するCDR2領域および配列番号317を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号151を有するCDR1領域、配列番号235を有するCDR2領域および配列番号318を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号152を有するCDR1領域、配列番号236を有するCDR2領域および配列番号319を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号153を有するCDR1領域、配列番号237を有するCDR2領域および配列番号320を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号154を有するCDR1領域、配列番号238を有するCDR2領域および配列番号321を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号155を有するCDR1領域、配列番号239を有するCDR2領域および配列番号322を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号156を有するCDR1領域、配列番号240を有するCDR2領域および配列番号323を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号157を有するCDR1領域、配列番号241を有するCDR2領域および配列番号324を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号158を有するCDR1領域、配列番号242を有するCDR2領域および配列番号325を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号159を有するCDR1領域、配列番号243を有するCDR2領域および配列番号326を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号160を有するCDR1領域、配列番号244を有するCDR2領域および配列番号327を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号161を有するCDR1領域、配列番号245を有するCDR2領域および配列番号328を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号162を有するCDR1領域、配列番号246を有するCDR2領域および配列番号329を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号163を有するCDR1領域、配列番号247を有するCDR2領域および配列番号330を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号164を有するCDR1領域、配列番号248を有するCDR2領域および配列番号331を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号165を有するCDR1領域、配列番号249を有するCDR2領域および配列番号332を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号166を有するCDR1領域、配列番号250を有するCDR2領域および配列番号333を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号167を有するCDR1領域、配列番号251を有するCDR2領域および配列番号334を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号168を有するCDR1領域、配列番号252を有するCDR2領域および配列番号335を有するCDR3領域 を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の農薬組成物。少なくとも1つのVHHが、配列番号1から84からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の農薬組成物。植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための方法であって、植物病原体による感染または生物学的相互作用に対して植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、請求項1から10のいずれか一項に記載の農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法。農薬組成物が、噴霧(spraying)、散布、発泡、噴霧(fogging)、ハイドロカルチャーにおける培養、耕栽培における培養、塗布、浸漬(submerging)および/または被覆(encrusting)によって、植物または植物の一部に直接的または間接的に施用される、請求項11に記載の方法。植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するための収穫後の処置方法であって、植物病原体による感染または生物学的相互作用に対して収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、請求項1から10のいずれか一項に記載の農薬組成物を収穫した植物または収穫した植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法。抗有害生物剤としての、請求項1から10のいずれか一項に記載の農薬組成物の使用。植物病原体の増殖を阻害または死滅させるための方法であって、請求項1から10のいずれか一項に記載の農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法。

植物病原性真菌のグルコシルセラミドに特異的に結合する少なくとも1つのVHHを含む、植物病原性真菌による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための農薬組成物。植物病原性真菌の属が、アルテルナリア属(Alternaria)、アスコキタ属(Ascochyta)、ボトリチス属(Botrytis)、セルコスポラ属(Cercospora)、コレトトリクム属(Colletotrichum)、ジプロジア属(Diplodia)、エリシフェ属(Erysiphe)、フサリウム属(Fusarium)、レプトスファエリア属(Leptosphaeria)、ゴウマノマイセス属(Gaeumanomyces)、ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)、マクロホミナ属(Macrophomina)、ネクトリア属(Nectria)、ペニシリウム属(Penicillium)、ペロノスポラ属(Peronospora)、ホマ属(Phoma)、フィマトトリクム属(Phymatotrichum)、フィトフトラ属(Phytophthora)、プラスモパラ属(Plasmopara)、ポドスファエラ属(Podosphaera)、プッシニア属(Puccinia)、ピレノホラ属(Pyrenophora)、ピリクラリア属(Pyricularia)、ピシウム属(Pythium)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、スセロチウム属(Scerotium)、スクレロチニア属(Sclerotinia)、セプトリア属(Septoria)、チエラビオプシス属(Thielaviopsis)、ウンシヌラ属(Uncinula)、ベンツリア属(Venturia)、ベルチシリウム属(Verticillium)、マグナポルテ属(Magnaporthe)、ブルメリア属(Blumeria)、ミコスファエレラ属(Mycosphaerella)、ウスチラゴ属(Ustilago)、メラムプソラ属(Melampsora)、ファコスポラ属(Phakospora)、モニリニア属(Monilinia)、ムコール属(Mucor)、リゾプス属(Rhizopus)およびアスペルギルス属(Aspergillus)を含む群から選択される、請求項1に記載の農薬組成物。少なくとも1つのVHHが、植物病原性真菌による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な量で存在する、請求項1または2に記載の農薬組成物。農薬組成物中の少なくとも1つのVHHの濃度が0.0001重量%から50重量%の範囲である、請求項1から3のいずれか一項に記載の農薬組成物。農薬組成物中の少なくとも1つのVHHの濃度が0.1重量%から10重量%の範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載の農薬組成物。農薬的に適切な担体および/または1つ以上の適切なアジュバントをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の農薬組成物。少なくとも1つのVHHが、 配列番号86を有するCDR1領域、配列番号170を有するCDR2領域および配列番号254を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号146を有するCDR1領域、配列番号230を有するCDR2領域および配列番号313を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号85を有するCDR1領域、配列番号169を有するCDR2領域および配列番号253を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号87を有するCDR1領域、配列番号171を有するCDR2領域および配列番号255を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号88を有するCDR1領域、配列番号172を有するCDR2領域および配列番号256を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号89を有するCDR1領域、配列番号173を有するCDR2領域および配列番号257を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号90を有するCDR1領域、配列番号174を有するCDR2領域および配列番号258を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号91を有するCDR1領域、配列番号175を有するCDR2領域および配列番号259を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号92を有するCDR1領域、配列番号176を有するCDR2領域および配列番号260を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号93を有するCDR1領域、配列番号177を有するCDR2領域および配列番号261を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号94を有するCDR1領域、配列番号178を有するCDR2領域および配列番号262を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号95を有するCDR1領域、配列番号179を有するCDR2領域および配列番号263を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号96を有するCDR1領域、配列番号180を有するCDR2領域および配列番号264を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号97を有するCDR1領域、配列番号181を有するCDR2領域および配列番号265を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号98を有するCDR1領域、配列番号182を有するCDR2領域および配列番号266を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号99を有するCDR1領域、配列番号183を有するCDR2領域および配列番号267を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号100を有するCDR1領域、配列番号184を有するCDR2領域および配列番号268を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号101を有するCDR1領域、配列番号185を有するCDR2領域および配列番号269を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号102を有するCDR1領域、配列番号186を有するCDR2領域および配列番号270を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号103を有するCDR1領域、配列番号187を有するCDR2領域および配列番号271を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号104を有するCDR1領域、配列番号188を有するCDR2領域および配列番号272を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号105を有するCDR1領域、配列番号189を有するCDR2領域および配列番号273を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号106を有するCDR1領域、配列番号190を有するCDR2領域および配列番号274を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号107を有するCDR1領域、配列番号191を有するCDR2領域および配列番号275を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号108を有するCDR1領域、配列番号192を有するCDR2領域および配列番号276を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号109を有するCDR1領域、配列番号193を有するCDR2領域および配列番号277を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号110を有するCDR1領域、配列番号194を有するCDR2領域および配列番号278を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号111を有するCDR1領域、配列番号195を有するCDR2領域および配列番号279を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号112を有するCDR1領域、配列番号196を有するCDR2領域および配列番号280を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号113を有するCDR1領域、配列番号197を有するCDR2領域および配列番号281を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号114を有するCDR1領域、配列番号198を有するCDR2領域および配列番号282を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号115を有するCDR1領域、配列番号199を有するCDR2領域および配列番号283を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号116を有するCDR1領域、配列番号200を有するCDR2領域および配列番号284を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号117を有するCDR1領域、配列番号201を有するCDR2領域および配列番号285を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号118を有するCDR1領域、配列番号202を有するCDR2領域および配列番号286を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号119を有するCDR1領域、配列番号203を有するCDR2領域および配列番号287を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号120を有するCDR1領域、配列番号204を有するCDR2領域および配列番号288を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号121を有するCDR1領域、配列番号205を有するCDR2領域および配列番号289を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号122を有するCDR1領域、配列番号206を有するCDR2領域および配列番号290を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号123を有するCDR1領域、配列番号207を有するCDR2領域および配列番号291を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号124を有するCDR1領域、配列番号208を有するCDR2領域および配列番号292を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号125を有するCDR1領域、配列番号209を有するCDR2領域および配列番号293を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号126を有するCDR1領域、配列番号210を有するCDR2領域および配列番号294を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号127を有するCDR1領域、配列番号211を有するCDR2領域および配列番号295を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号128を有するCDR1領域、配列番号212を有するCDR2領域および配列番号296を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号129を有するCDR1領域、配列番号213を有するCDR2領域および配列番号297を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号130を有するCDR1領域、配列番号214を有するCDR2領域および配列番号298を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号131を有するCDR1領域、配列番号215を有するCDR2領域および配列番号299を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号132を有するCDR1領域、配列番号216を有するCDR2領域および配列番号300を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号133を有するCDR1領域、配列番号217を有するCDR2領域および配列番号301を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号134を有するCDR1領域、配列番号218を有するCDR2領域および配列番号302を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号135を有するCDR1領域、配列番号219を有するCDR2領域および配列番号303を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号136を有するCDR1領域、配列番号220を有するCDR2領域および配列番号304を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号137を有するCDR1領域、配列番号221を有するCDR2領域および配列番号305を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号138を有するCDR1領域、配列番号222を有するCDR2領域およびアミノ酸配列NRYを有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号139を有するCDR1領域、配列番号223を有するCDR2領域および配列番号306を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号140を有するCDR1領域、配列番号224を有するCDR2領域および配列番号307を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号141を有するCDR1領域、配列番号225を有するCDR2領域および配列番号308を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号142を有するCDR1領域、配列番号226を有するCDR2領域および配列番号309を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号143を有するCDR1領域、配列番号227を有するCDR2領域および配列番号310を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号144を有するCDR1領域、配列番号228を有するCDR2領域および配列番号311を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号145を有するCDR1領域、配列番号229を有するCDR2領域および配列番号312を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号147を有するCDR1領域、配列番号231を有するCDR2領域および配列番号314を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号148を有するCDR1領域、配列番号232を有するCDR2領域および配列番号315を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号149を有するCDR1領域、配列番号233を有するCDR2領域および配列番号316を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号150を有するCDR1領域、配列番号234を有するCDR2領域および配列番号317を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号151を有するCDR1領域、配列番号235を有するCDR2領域および配列番号318を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号152を有するCDR1領域、配列番号236を有するCDR2領域および配列番号319を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号153を有するCDR1領域、配列番号237を有するCDR2領域および配列番号320を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号154を有するCDR1領域、配列番号238を有するCDR2領域および配列番号321を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号155を有するCDR1領域、配列番号239を有するCDR2領域および配列番号322を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号156を有するCDR1領域、配列番号240を有するCDR2領域および配列番号323を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号157を有するCDR1領域、配列番号241を有するCDR2領域および配列番号324を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号158を有するCDR1領域、配列番号242を有するCDR2領域および配列番号325を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号159を有するCDR1領域、配列番号243を有するCDR2領域および配列番号326を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号160を有するCDR1領域、配列番号244を有するCDR2領域および配列番号327を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号161を有するCDR1領域、配列番号245を有するCDR2領域および配列番号328を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号162を有するCDR1領域、配列番号246を有するCDR2領域および配列番号329を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号163を有するCDR1領域、配列番号247を有するCDR2領域および配列番号330を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号164を有するCDR1領域、配列番号248を有するCDR2領域および配列番号331を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号165を有するCDR1領域、配列番号249を有するCDR2領域および配列番号332を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号166を有するCDR1領域、配列番号250を有するCDR2領域および配列番号333を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号167を有するCDR1領域、配列番号251を有するCDR2領域および配列番号334を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号168を有するCDR1領域、配列番号252を有するCDR2領域および配列番号335を有するCDR3領域 を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の農薬組成物。少なくとも1つのVHHが、配列番号1から84からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の農薬組成物。植物病原性真菌による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための方法であって、植物病原性真菌による感染または生物学的相互作用に対して植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、請求項1から8のいずれか一項に記載の農薬組成物を植物または植物の一部に施用するステップを少なくとも含む方法。農薬組成物が、噴霧(spraying)、散布、発泡、噴霧(fogging)、ハイドロカルチャーにおける培養、水耕栽培における培養、塗布、浸漬(submerging)および/または被覆(encrusting)によって、植物または植物の一部に施用される、請求項9に記載の方法。植物病原性真菌による感染または他の生物学的相互作用から収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するための収穫後の処置方法であって、植物病原性真菌による感染または生物学的相互作用に対して収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、請求項1から8のいずれか一項に記載の農薬組成物を収穫した植物または収穫した植物の一部に施用するステップを少なくとも含む方法。殺真菌剤および/または静真菌剤としての、請求項1から8のいずれか一項に記載の農薬組成物の使用。植物病原性真菌の増殖を阻害または死滅させるための方法であって、請求項1から8のいずれか一項に記載の農薬組成物を植物または植物の一部に施用するステップを少なくとも含む方法。

说明书全文

本発明は、植物有害生物の防除の実施に関する。より具体的には、本発明は、昆虫、真菌、線虫、細菌などの作物の有害生物に対抗するために有用な特定の長さと濃度を有するポリペプチド組成物を含む農薬組成物を提供する。

作物保護は、効果的な農業に必要とされ、農薬の使用に大きく依存し、農薬は、作物に農薬を噴霧し、作物への散中に施用しまたは土壌に農薬を組み込むことによって作物に施用される。農薬は、多くの場合、有機化学分子であり、作物への反復適用は、散布ドリフト、土壌への持続性または表面もしくは地下水への洗い流しに起因して、農業作業者と環境の両方に毒性の脅威をもたらす。ヒトおよび環境に対する毒性が低いが、同時に植物の有害生物の効果的な防除を提供する代替的な化合物を使用できることが有利である。

ある種の植物の有害生物標的に対して特異性を有するタンパク質性殺虫剤は、環境において短命であり、毒性の的外れ効果が少ないことが期待されるため、この点で非常に有利であり得る。しかしながら、ほんの僅かのタンパク質性またはペプチド性殺虫剤が知られている。いくつかの例としては、Bt毒素、レクチン、ディフェンシン、ファバチン、タキプレシン、マガイニン、ハルピン(WO2010019442を参照)、エンドウアルブミン1サブユニットb(PA1b)が挙げられる。しかしながら、これらのタンパク質性殺虫剤は、いくつかのジスルフィド架橋によって安定化された、コンパクトな構造を有する小ペプチドである、または結晶形態を生じるより大きなタンパク質(>300個のアミノ酸)(クリスタル毒素(cry toxin))である。実際に、農業の分野において、生物学的製剤、具体的にはタンパク質は、一般的に、非常に安定性が小さいため、農薬製剤において、特に該分野における適用に対して、それらの殺虫機能を維持することができないため、殺虫剤を開発するための構造に挑んでいる。

国際公開第2010/019442号

(発明の要旨) 本発明者らは、植物または作物の有害生物の標的、具体的には植物の病原性有害生物、例えば、限定されないが、植物の病原性真菌に対して、驚くほど高い特異性、親和性および効を有するポリペプチドの開発に成功した。さらに、これらのポリペプチドは、農薬組成物(本明細書においてさらに定義される。)においてそれらの完全性、安定性および活性を維持し、有効な有害生物または病原体の防除は、驚くべきことに、本出願において開示されているポリペプチドを含む農薬組成物を作物に適用することによって達成され得ることが示される。

本明細書に開示されているポリペプチドの有効性および効力は、低い処置投与量および/または同じ用量でより効果的な処置のいずれかについての可能性を示唆する。これは、望ましくない副作用の減少と毒性の低減を意味し得る。さらに、これは、1ヘクタールあたり、本明細書に開示されているポリペプチドまたは農薬組成物のより低い量の適用を可能にする。より具体的には、本発明者らは、植物または植物の1つ以上の部分に直接的または間接的に適用される場合、本明細書において想定されるポリペプチドを用いた、植物病原体の分子構造の標的化が、その病原体を効率的に防除し得ることを見出した。特に、本発明者らは、植物病原体による感染(発症)から、または植物病原体との任意の他の生物学的相互作用から植物を防止し、保護し、処置しまたは治癒することができるポリペプチドまたはアミノ酸配列を開発した。したがって、本発明は、初めて、ポリペプチドまたはアミノ酸配列などの生物学的分子が、例えば植物病原体感染を通じて、いずれかの方法で損傷されることから、または植物と植物病原体の生物学的相互作用を被ることから効果的に保護または処置するために使用することができる。

第一の態様において、本発明は、植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片を含む農薬組成物を提供する。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、天然では軽鎖およびその機能的断片を欠損している重鎖抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHH)を含み、例えば、限定されないが、ラクダ重鎖抗体の重鎖可変ドメイン(ラクダVHH)またはその機能的断片が挙げられる。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、従来の4本鎖抗体の少なくとも1つのラクダ重鎖可変ドメイン(ラクダVH)またはその機能的断片を含む。

ある種の特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、哺乳動物由来、特にヒト由来の天然に存在するVHドメインのアミノ酸配列などの天然に存在するVHドメインのアミノ酸と全く同一である(すなわち、100%の配列同一性の程度である。)アミノ酸配列を有しない、抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を含む。

さらなる特定の実施形態において、本出願において開示されている農薬組成物は、植物病原体のスフィンゴ脂質、例えば、限定されないが、グルコシルセラミドに特異的に結合する、抗体の重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を少なくとも含む。

ある種の特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、植物病原性真菌に特異的に結合する抗体の重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を少なくとも含み、例えば、限定されないが、アルテルナリア属(Alternaria)、アスコキタ属(Ascochyta)、ボトリチス属(Botrytis)、セルコスポラ属(Cercospora)、コレトトリクム属(Colletotrichum)、ジプロジア属(Diplodia)、エリシフェ属(Erysiphe)、フサリウム属(Fusarium)、レプトスファエリア属(Leptosphaeria)、ゴウマノマイセス属(Gaeumanomyces)、ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)、マクロホミナ属(Macrophomina)、ネクトリア属(Nectria)、ペニシリウム属(Penicillium)、ペロノスポラ属(Peronospora)、ホマ属(Phoma)、フィマトトリクム属(Phymatotrichum)、フィトフトラ属(Phytophthora)、プラスモパラ属(Plasmopara)、ポドスファエラ属(Podosphaera)、プッシニア属(Puccinia)、ピレノホラ属(Pyrenophora)、ピリクラリア属(Pyricularia)、ピシウム属(Pythium)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、スセロチウム属(Scerotium)、スクレロチニア属(Sclerotinia)、セプトリア属(Septoria)、チエラビオプシス属(Thielaviopsis)、ウンシヌラ属(Uncinula)、ベンツリア属(Venturia)、ベルチシリウム属(Verticillium)、マグナポルテ属(Magnaporthe)、ブルメリア属(Blumeria)、ミコスファエレラ属(Mycosphaerella)、ウスチラゴ属(Ustilago)、メラムプソラ属(Melampsora)、ファコスポラ属(Phakospora)、モニリニア属(Monilinia)、ムコール属(Mucor)、リゾプス属(Rhizopus)およびアスペルギルス属(Aspergillus)を含む群から選択される属の植物病原性真菌が挙げられる。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、植物病原体に特異的に結合する抗体の重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を少なくとも含み、該有害生物は、穀物、モロコシ、イネ、テンサイ、飼料用ビート、フルーツ、ナッツ、オオバコ科またはブドウの木、マメ科作物、油料作物、ウリ科植物、繊維植物、燃料作物、野菜、観賞植物、灌木、広葉樹、常緑樹、草、コーヒー、茶、タバコ、ホップ、コショウ、ゴムおよびラテックス植物を含む群から選択される植物に対する植物病原体である。

特定の具体的な実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物中の抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片は、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な量で存在し、例えば、限定されないが、農薬組成物中の少なくとも1つの重鎖可変ドメインの濃度は、0.0001重量%から50重量%の範囲である。

さらに特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物中の抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片は、水溶液に、場合により限定されないが、農薬的に適切な担体および/または1つ以上の適切なアジュバントとともに製剤化される。

なおさらなる特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物中の抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片は、以下: 配列番号85を有するCDR1領域、配列番号169を有するCDR2領域および配列番号253を有するCDR3領域、または 配列番号86を有するCDR1領域、配列番号170を有するCDR2領域および配列番号254を有するCDR3領域、または 配列番号87を有するCDR1領域、配列番号171を有するCDR2領域および配列番号255を有するCDR3領域、または 配列番号88を有するCDR1領域、配列番号172を有するCDR2領域および配列番号256を有するCDR3領域、または 配列番号89を有するCDR1領域、配列番号173を有するCDR2領域および配列番号257を有するCDR3領域、または 配列番号90を有するCDR1領域、配列番号174を有するCDR2領域および配列番号258を有するCDR3領域、または 配列番号91を有するCDR1領域、配列番号175を有するCDR2領域および配列番号259を有するCDR3領域、または 配列番号92を有するCDR1領域、配列番号176を有するCDR2領域および配列番号260を有するCDR3領域、または 配列番号93を有するCDR1領域、配列番号177を有するCDR2領域および配列番号261を有するCDR3領域、または 配列番号94を有するCDR1領域、配列番号178を有するCDR2領域および配列番号262を有するCDR3領域、または 配列番号95を有するCDR1領域、配列番号179を有するCDR2領域および配列番号263を有するCDR3領域、または 配列番号96を有するCDR1領域、配列番号180を有するCDR2領域および配列番号264を有するCDR3領域、または 配列番号97を有するCDR1領域、配列番号181を有するCDR2領域および配列番号265を有するCDR3領域、または 配列番号98を有するCDR1領域、配列番号182を有するCDR2領域および配列番号266を有するCDR3領域、または 配列番号99を有するCDR1領域、配列番号183を有するCDR2領域および配列番号267を有するCDR3領域、または 配列番号100を有するCDR1領域、配列番号184を有するCDR2領域および配列番号268を有するCDR3領域、または 配列番号101を有するCDR1領域、配列番号185を有するCDR2領域および配列番号269を有するCDR3領域、または 配列番号102を有するCDR1領域、配列番号186を有するCDR2領域および配列番号270を有するCDR3領域、または 配列番号103を有するCDR1領域、配列番号187を有するCDR2領域および配列番号271を有するCDR3領域、または 配列番号104を有するCDR1領域、配列番号188を有するCDR2領域および配列番号272を有するCDR3領域、または 配列番号105を有するCDR1領域、配列番号189を有するCDR2領域および配列番号273を有するCDR3領域、または 配列番号106を有するCDR1領域、配列番号190を有するCDR2領域および配列番号274を有するCDR3領域、または 配列番号107を有するCDR1領域、配列番号191を有するCDR2領域および配列番号275を有するCDR3領域、または 配列番号108を有するCDR1領域、配列番号192を有するCDR2領域および配列番号276を有するCDR3領域、または 配列番号109を有するCDR1領域、配列番号193を有するCDR2領域および配列番号277を有するCDR3領域、または 配列番号110を有するCDR1領域、配列番号194を有するCDR2領域および配列番号278を有するCDR3領域、または 配列番号111を有するCDR1領域、配列番号195を有するCDR2領域および配列番号279を有するCDR3領域、または 配列番号112を有するCDR1領域、配列番号196を有するCDR2領域および配列番号280を有するCDR3領域、または 配列番号113を有するCDR1領域、配列番号197を有するCDR2領域および配列番号281を有するCDR3領域、または 配列番号114を有するCDR1領域、配列番号198を有するCDR2領域および配列番号282を有するCDR3領域、または 配列番号115を有するCDR1領域、配列番号199を有するCDR2領域および配列番号283を有するCDR3領域、または 配列番号116を有するCDR1領域、配列番号200を有するCDR2領域および配列番号284を有するCDR3領域、または 配列番号117を有するCDR1領域、配列番号201を有するCDR2領域および配列番号285を有するCDR3領域、または 配列番号118を有するCDR1領域、配列番号202を有するCDR2領域および配列番号286を有するCDR3領域、または 配列番号119を有するCDR1領域、配列番号203を有するCDR2領域および配列番号287を有するCDR3領域、または 配列番号120を有するCDR1領域、配列番号204を有するCDR2領域および配列番号288を有するCDR3領域、または 配列番号121を有するCDR1領域、配列番号205を有するCDR2領域および配列番号289を有するCDR3領域、または 配列番号122を有するCDR1領域、配列番号206を有するCDR2領域および配列番号290を有するCDR3領域、または 配列番号123を有するCDR1領域、配列番号207を有するCDR2領域および配列番号291を有するCDR3領域、または 配列番号124を有するCDR1領域、配列番号208を有するCDR2領域および配列番号292を有するCDR3領域、または 配列番号125を有するCDR1領域、配列番号209を有するCDR2領域および配列番号293を有するCDR3領域、または 配列番号126を有するCDR1領域、配列番号210を有するCDR2領域および配列番号294を有するCDR3領域、または 配列番号127を有するCDR1領域、配列番号211を有するCDR2領域および配列番号295を有するCDR3領域、または 配列番号128を有するCDR1領域、配列番号212を有するCDR2領域および配列番号296を有するCDR3領域、または 配列番号129を有するCDR1領域、配列番号213を有するCDR2領域および配列番号297を有するCDR3領域、または 配列番号130を有するCDR1領域、配列番号214を有するCDR2領域および配列番号298を有するCDR3領域、または 配列番号131を有するCDR1領域、配列番号215を有するCDR2領域および配列番号299を有するCDR3領域、または 配列番号132を有するCDR1領域、配列番号216を有するCDR2領域および配列番号300を有するCDR3領域、または 配列番号133を有するCDR1領域、配列番号217を有するCDR2領域および配列番号301を有するCDR3領域、または 配列番号134を有するCDR1領域、配列番号218を有するCDR2領域および配列番号302を有するCDR3領域、または 配列番号135を有するCDR1領域、配列番号219を有するCDR2領域および配列番号303を有するCDR3領域、または 配列番号136を有するCDR1領域、配列番号220を有するCDR2領域および配列番号304を有するCDR3領域、または 配列番号137を有するCDR1領域、配列番号221を有するCDR2領域および配列番号305を有するCDR3領域、または 配列番号138を有するCDR1領域、配列番号222を有するCDR2領域およびアミノ酸配列NRYを有するCDR3領域、または 配列番号139を有するCDR1領域、配列番号223を有するCDR2領域および配列番号306を有するCDR3領域、または 配列番号140を有するCDR1領域、配列番号224を有するCDR2領域および配列番号307を有するCDR3領域、または 配列番号141を有するCDR1領域、配列番号225を有するCDR2領域および配列番号308を有するCDR3領域、または 配列番号142を有するCDR1領域、配列番号226を有するCDR2領域および配列番号309を有するCDR3領域、または 配列番号143を有するCDR1領域、配列番号227を有するCDR2領域および配列番号310を有するCDR3領域、または 配列番号144を有するCDR1領域、配列番号228を有するCDR2領域および配列番号311を有するCDR3領域、または 配列番号145を有するCDR1領域、配列番号229を有するCDR2領域および配列番号312を有するCDR3領域、または 配列番号146を有するCDR1領域、配列番号230を有するCDR2領域および配列番号313を有するCDR3領域、または 配列番号147を有するCDR1領域、配列番号231を有するCDR2領域および配列番号314を有するCDR3領域、または 配列番号148を有するCDR1領域、配列番号232を有するCDR2領域および配列番号315を有するCDR3領域、または 配列番号149を有するCDR1領域、配列番号233を有するCDR2領域および配列番号316を有するCDR3領域、または 配列番号150を有するCDR1領域、配列番号234を有するCDR2領域および配列番号317を有するCDR3領域、または 配列番号151を有するCDR1領域、配列番号235を有するCDR2領域および配列番号318を有するCDR3領域、または 配列番号152を有するCDR1領域、配列番号236を有するCDR2領域および配列番号319を有するCDR3領域、または 配列番号153を有するCDR1領域、配列番号237を有するCDR2領域および配列番号320を有するCDR3領域、または 配列番号154を有するCDR1領域、配列番号238を有するCDR2領域および配列番号321を有するCDR3領域、または 配列番号155を有するCDR1領域、配列番号239を有するCDR2領域および配列番号322を有するCDR3領域、または 配列番号156を有するCDR1領域、配列番号240を有するCDR2領域および配列番号323を有するCDR3領域、または 配列番号157を有するCDR1領域、配列番号241を有するCDR2領域および配列番号324を有するCDR3領域、または 配列番号158を有するCDR1領域、配列番号242を有するCDR2領域および配列番号325を有するCDR3領域、または 配列番号159を有するCDR1領域、配列番号243を有するCDR2領域および配列番号326を有するCDR3領域、または 配列番号160を有するCDR1領域、配列番号244を有するCDR2領域および配列番号327を有するCDR3領域、または 配列番号161を有するCDR1領域、配列番号245を有するCDR2領域および配列番号328を有するCDR3領域、または 配列番号162を有するCDR1領域、配列番号246を有するCDR2領域および配列番号329を有するCDR3領域、または 配列番号163を有するCDR1領域、配列番号247を有するCDR2領域および配列番号330を有するCDR3領域、または 配列番号164を有するCDR1領域、配列番号248を有するCDR2領域および配列番号331を有するCDR3領域、または 配列番号165を有するCDR1領域、配列番号249を有するCDR2領域および配列番号332を有するCDR3領域、または 配列番号166を有するCDR1領域、配列番号250を有するCDR2領域および配列番号333を有するCDR3領域、または 配列番号167を有するCDR1領域、配列番号251を有するCDR2領域および配列番号334を有するCDR3領域、または 配列番号168を有するCDR1領域、配列番号252を有するCDR2領域および配列番号335を有するCDR3領域 を少なくとも含む。

さらなる実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物中の抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片は、配列番号1から84のいずれか1つから選択される配列を有するアミノ酸配列を少なくとも含む。

さらなる態様において、本発明は、植物の病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための方法であって、植物病原体による感染または生物学的相互作用に対して植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、本明細書に開示されている農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法を提供する。

特定の実施形態において、これらの方法は、1ヘクタールあたり農薬組成物の50gより高い施用量、例えば、限定されないが、1ヘクタールあたり農薬組成物の75gより高い施用量、例えば、1ヘクタールあたり農薬組成物の100gより高い適用量、または具体的には1ヘクタールあたり農薬組成物の200gより高い施用量で、本明細書に開示されている農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用することを含む。

特定の実施形態において、これらの方法は、1ヘクタールあたり農薬組成物の50gから100gの間の施用量、例えば、限定されないが、1ヘクタールあたり農薬組成物の50gから200gの間の施用量、具体的には、1ヘクタールあたり農薬組成物の75gから175gの施用量、例えば、1ヘクタールあたり75gから150gの間の農薬組成物または1ヘクタールあたり75gから125gの間の農薬組成物の施用量で、本明細書に開示されている農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用することを含む。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、場合により収穫後に、噴霧すること(spraying)、粉末にすること、泡状にすること、噴霧すること(fogging)、ハイドロカルチャーにおいて培養すること、水耕栽培において培養すること、コーティングすること、浸漬することおよび/または被覆すること(encrusting)によって、植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用される。

なおさらなる態様において、本発明は、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するための収穫後の処置方法であって、植物病原体による感染または生物学的相互作用に対して収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、本明細書に開示されている農薬組成物を収穫した植物または収穫した植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法を提供する。

なおさらなる態様において、本発明は、抗有害生物剤として、本明細書に開示されている農薬組成物の使用を提供する。具体的な実施形態において、抗有害生物剤は、制生剤、静真菌剤、殺虫剤および/または殺真菌剤である。

なおさらなる態様において、本発明は、植物病原体の増殖を阻害するための方法または植物病原体を死滅させるための方法であって、本明細書に開示されている農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法を提供する。

これらの方法の特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、場合により収穫後に、噴霧すること(spraying)、粉末にすること、泡状にすること、噴霧すること(fogging)、ハイドロカルチャーにおいて培養すること、水耕栽培において培養すること、コーティングすること、浸漬することおよび/または被覆すること(encrusting)によって、植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用される。

なお別の態様において、本発明は、本明細書に開示されている農薬組成物を生成するための方法であって、 −植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片を入手するステップ、および −農薬組成物に重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を製剤化するステップ を少なくとも含む方法を提供する。

これらの方法の特定の実施形態において、植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片を入手するステップは (a)植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の重鎖可変ドメインまたはその機能的断片をコードするヌクレオチド配列を発現するステップ、および場合により (b)可変ドメインもしくはその機能的断片を単離するおよび/または精製するステップ を含む。

これらの方法の特定の実施形態において、植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片を入手するステップは a)VHH配列もしくはVH配列またはそれらの機能的断片の配列のセット、コレクションまたはライブラリーを用意するステップ; b)植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合するおよび/またはそれに対して親和性を有する配列について、VHH配列もしくはVH配列またはそれらの機能的断片の配列のセット、コレクションまたはライブラリーをスクリーニングするステップ、および場合により c)植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合するおよび/またはそれに対して親和性を有するVHH配列もしくはVH配列またはそれらの機能的断片の配列を単離するステップ を含む。

本発明は、特定の実施形態を参照して説明されるが、本発明はそれに限定されない。

本明細書に開示されているポリペプチド、組成物および方法の記述(特徴)ならびに実施形態は以下に記載される。そのように定義される発明によって開示される記述および実施形態のそれぞれは、明確に反対の指示がない限り、他の記述および/または実施形態と組み合わせられてもよい。具体的には、好ましいまたは有利であるとして指示される任意の特徴は、好ましいまたは有利であるとして指示される任意の他の特徴または複数の特徴と組み合わせられてもよい。

本出願において開示されている番号が付された記述は、以下の通りである: 1.活性物質として、80から200個のアミノ酸の少なくとも1つのポリペプチドを含む、植物の有害生物に対抗するための農薬組成物。 2.植物の有害生物に対抗するための農薬組成物であって、活性物質として、80から200個のアミノ酸の少なくとも1つのポリペプチドを含み、該ポリペプチドが、農薬組成物の全重量の0.01から50%(w/w)の濃度で存在する農薬組成物。 3.特定の植物の有害生物標的に対する親和性選択によって得られる、記述1または2に記載の農薬組成物。 4.ポリペプチドが、10−6Mを下回る解離定数で標的に対する親和性を有する、記述3に記載の農薬組成物。 5.ポリペプチドが3つのCDRと4つのFRを含む、記述1から4のいずれかに記載の農薬組成物。 6.ポリペプチドがラクダ抗体由来である、記述1から5のいずれかに記載の農薬組成物。 7.ポリペプチドがVHHである、記述1から6のいずれかに記載の農薬組成物。 8.植物の有害生物が真菌病原体である、記述1から7のいずれかに記載の農薬組成物。 9.1ヘクタールあたり、農薬組成物に含まれるポリペプチドの50gより高い施用量で作物に記述1から8のいずれかに記載の組成物を施用することを含む、植物の有害生物に対抗するための方法。 10.少なくとも1つの慣例の農薬助剤とともに、殺虫作用を有する80から200個のアミノ酸のポリペプチドを製剤化することを含む、記述1から8のいずれかに記載の農薬組成物を生成するための方法。 11.約0.00001から1μMの最小阻害濃度で作物有害生物の増殖および/または活性を阻害することができる、特定の植物の有害生物標的に対する親和性選択によって得られる、80から200個のアミノ酸のポリペプチド。 12.記述11に記載のポリペプチドをコードする核酸配列。 13.植物発現性プロモーター、記述12に記載の核酸配列および末端配列を含むキメラ遺伝子。 14.記述13のキメラ遺伝子を含む組換えベクター。 15.記述14に定義されるキメラ遺伝子を含む植物。 16.植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片を含む農薬組成物。 17.植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片を含む、記述1から8のいずれかに記載の農薬組成物。 18.植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する重鎖抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHH)またはその機能的断片を含む記述1から8および17のいずれかに記載の農薬組成物。 19.植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する、重鎖抗体の少なくとも1つのラクダ重鎖可変ドメイン(ラクダVHH)またはその機能的断片を含む、記述1から8、17および18のいずれかに記載の農薬組成物。 20.植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する、従来の4本鎖抗体の少なくとも1つのラクダ重鎖可変ドメイン(ラクダVH)またはその機能的断片を含む、記述1から8および17のいずれかに記載の農薬組成物。 21.スフィンゴ脂質がセラミドである、記述1から8および17から20のいずれかに記載の農薬組成物。 22.スフィンゴ脂質がグルコシルセラミドである、記述1から8および17から18のいずれかに記載の農薬組成物。 23.植物病原体が植物病原性真菌である、記述1から8および17から22のいずれかに記載の農薬組成物。 24.植物病原性真菌の属が、アルテルナリア属(Alternaria)、アスコキタ属(Ascochyta)、ボトリチス属(Botrytis)、セルコスポラ属(Cercospora)、コレトトリクム属(Colletotrichum)、ジプロジア属(Diplodia)、エリシフェ属(Erysiphe)、フサリウム属(Fusarium)、レプトスファエリア属(Leptosphaeria)、ゴウマノマイセス属(Gaeumanomyces)、ヘルミントスポリウム属(Helminthosporium)、マクロホミナ属(Macrophomina)、ネクトリア属(Nectria)、ペニシリウム属(Penicillium)、ペロノスポラ属(Peronospora)、ホマ属(Phoma)、フィマトトリクム属(Phymatotrichum)、フィトフトラ属(Phytophthora)、プラスモパラ属(Plasmopara)、ポドスファエラ属(Podosphaera)、プッシニア属(Puccinia)、ピレノホラ属(Pyrenophora)、ピリクラリア属(Pyricularia)、ピシウム属(Pythium)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、スセロチウム属(Scerotium)、スクレロチニア属(Sclerotinia)、セプトリア属(Septoria)、チエラビオプシス属(Thielaviopsis)、ウンシヌラ属(Uncinula)、ベンツリア属(Venturia)、ベルチシリウム属(Verticillium)、マグナポルテ属(Magnaporthe)、ブルメリア属(Blumeria)、ミコスファエレラ属(Mycosphaerella)、ウスチラゴ属(Ustilago)、メラムプソラ属(Melampsora)、ファコスポラ属(Phakospora)、モニリニア属(Monilinia)、ムコール属(Mucor)、リゾプス属(Rhizopus)およびアスペルギルス属(Aspergillus)を含む群から選択される、記述1から8および17から23のいずれかに記載の農薬組成物。 25.植物病原体が、穀物、モロコシ、イネ、テンサイ、飼料用ビート、フルーツ、ナッツ、オオバコ科またはブドウの木、マメ科作物、油料作物、ウリ科植物、繊維植物、燃料作物、野菜、観賞植物、灌木、広葉樹、常緑樹、草、コーヒー、茶、タバコ、ホップ、コショウ、ゴムおよびラテックス植物を含む群から選択される植物に対する植物病原体である、記述1から8および17から24のいずれかに記載の農薬組成物。 26.少なくとも1つの重鎖可変ドメインが、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護するまたは処置するのに有効な量で存在する、記述1から8および17から25のいずれかに記載の農薬組成物。 27.農薬組成物中の少なくとも1つの重鎖可変ドメインの濃度が0.0001重量%から50重量%の範囲である、記述1から8および17から26のいずれかに記載の農薬組成物。 28.少なくとも1つの重鎖可変ドメインが水溶液中に製剤化される、記述1から8および17から27のいずれかに記載の農薬組成物。 29.農薬的に適切な担体および/または1つ以上の適切なアジュバントをさらに含む、記述1から8および17から28のいずれかに記載の農薬組成物。 30.抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインが、 配列番号85を有するCDR1領域、配列番号169を有するCDR2領域および配列番号253を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号86を有するCDR1領域、配列番号170を有するCDR2領域および配列番号254を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号87を有するCDR1領域、配列番号171を有するCDR2領域および配列番号255を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号88を有するCDR1領域、配列番号172を有するCDR2領域および配列番号256を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号89を有するCDR1領域、配列番号173を有するCDR2領域および配列番号257を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号90を有するCDR1領域、配列番号174を有するCDR2領域および配列番号258を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号91を有するCDR1領域、配列番号175を有するCDR2領域および配列番号259を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号92を有するCDR1領域、配列番号176を有するCDR2領域および配列番号260を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号93を有するCDR1領域、配列番号177を有するCDR2領域および配列番号261を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号94を有するCDR1領域、配列番号178を有するCDR2領域および配列番号262を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号95を有するCDR1領域、配列番号179を有するCDR2領域および配列番号263を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号96を有するCDR1領域、配列番号180を有するCDR2領域および配列番号264を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号97を有するCDR1領域、配列番号181を有するCDR2領域および配列番号265を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号98を有するCDR1領域、配列番号182を有するCDR2領域および配列番号266を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号99を有するCDR1領域、配列番号183を有するCDR2領域および配列番号267を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号100を有するCDR1領域、配列番号184を有するCDR2領域および配列番号268を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号101を有するCDR1領域、配列番号185を有するCDR2領域および配列番号269を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号102を有するCDR1領域、配列番号186を有するCDR2領域および配列番号270を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号103を有するCDR1領域、配列番号187を有するCDR2領域および配列番号271を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号104を有するCDR1領域、配列番号188を有するCDR2領域および配列番号272を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号105を有するCDR1領域、配列番号189を有するCDR2領域および配列番号273を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号106を有するCDR1領域、配列番号190を有するCDR2領域および配列番号274を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号107を有するCDR1領域、配列番号191を有するCDR2領域および配列番号275を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号108を有するCDR1領域、配列番号192を有するCDR2領域および配列番号276を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号109を有するCDR1領域、配列番号193を有するCDR2領域および配列番号277を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号110を有するCDR1領域、配列番号194を有するCDR2領域および配列番号278を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号111を有するCDR1領域、配列番号195を有するCDR2領域および配列番号279を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号112を有するCDR1領域、配列番号196を有するCDR2領域および配列番号280を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号113を有するCDR1領域、配列番号197を有するCDR2領域および配列番号281を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号114を有するCDR1領域、配列番号198を有するCDR2領域および配列番号282を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号115を有するCDR1領域、配列番号199を有するCDR2領域および配列番号283を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号116を有するCDR1領域、配列番号200を有するCDR2領域および配列番号284を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号117を有するCDR1領域、配列番号201を有するCDR2領域および配列番号285を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号118を有するCDR1領域、配列番号202を有するCDR2領域および配列番号286を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号119を有するCDR1領域、配列番号203を有するCDR2領域および配列番号287を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号120を有するCDR1領域、配列番号204を有するCDR2領域および配列番号288を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号121を有するCDR1領域、配列番号205を有するCDR2領域および配列番号289を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号122を有するCDR1領域、配列番号206を有するCDR2領域および配列番号290を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号123を有するCDR1領域、配列番号207を有するCDR2領域および配列番号291を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号124を有するCDR1領域、配列番号208を有するCDR2領域および配列番号292を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号125を有するCDR1領域、配列番号209を有するCDR2領域および配列番号293を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号126を有するCDR1領域、配列番号210を有するCDR2領域および配列番号294を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号127を有するCDR1領域、配列番号211を有するCDR2領域および配列番号295を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号128を有するCDR1領域、配列番号212を有するCDR2領域および配列番号296を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号129を有するCDR1領域、配列番号213を有するCDR2領域および配列番号297を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号130を有するCDR1領域、配列番号214を有するCDR2領域および配列番号298を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号131を有するCDR1領域、配列番号215を有するCDR2領域および配列番号299を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号132を有するCDR1領域、配列番号216を有するCDR2領域および配列番号300を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号133を有するCDR1領域、配列番号217を有するCDR2領域および配列番号301を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号134を有するCDR1領域、配列番号218を有するCDR2領域および配列番号302を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号135を有するCDR1領域、配列番号219を有するCDR2領域および配列番号303を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号136を有するCDR1領域、配列番号220を有するCDR2領域および配列番号304を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号137を有するCDR1領域、配列番号221を有するCDR2領域および配列番号305を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号138を有するCDR1領域、配列番号222を有するCDR2領域およびアミノ酸配列NRYを有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号139を有するCDR1領域、配列番号223を有するCDR2領域および配列番号306を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号140を有するCDR1領域、配列番号224を有するCDR2領域および配列番号307を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号141を有するCDR1領域、配列番号225を有するCDR2領域および配列番号308を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号142を有するCDR1領域、配列番号226を有するCDR2領域および配列番号309を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号143を有するCDR1領域、配列番号227を有するCDR2領域および配列番号310を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号144を有するCDR1領域、配列番号228を有するCDR2領域および配列番号311を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号145を有するCDR1領域、配列番号229を有するCDR2領域および配列番号312を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号146を有するCDR1領域、配列番号230を有するCDR2領域および配列番号313を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号147を有するCDR1領域、配列番号231を有するCDR2領域および配列番号314を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号148を有するCDR1領域、配列番号232を有するCDR2領域および配列番号315を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号149を有するCDR1領域、配列番号233を有するCDR2領域および配列番号316を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号150を有するCDR1領域、配列番号234を有するCDR2領域および配列番号317を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号151を有するCDR1領域、配列番号235を有するCDR2領域および配列番号318を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号152を有するCDR1領域、配列番号236を有するCDR2領域および配列番号319を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号153を有するCDR1領域、配列番号237を有するCDR2領域および配列番号320を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号154を有するCDR1領域、配列番号238を有するCDR2領域および配列番号321を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号155を有するCDR1領域、配列番号239を有するCDR2領域および配列番号322を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号156を有するCDR1領域、配列番号240を有するCDR2領域および配列番号323を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号157を有するCDR1領域、配列番号241を有するCDR2領域および配列番号324を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号158を有するCDR1領域、配列番号242を有するCDR2領域および配列番号325を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号159を有するCDR1領域、配列番号243を有するCDR2領域および配列番号326を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号160を有するCDR1領域、配列番号244を有するCDR2領域および配列番号327を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号161を有するCDR1領域、配列番号245を有するCDR2領域および配列番号328を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号162を有するCDR1領域、配列番号246を有するCDR2領域および配列番号329を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号163を有するCDR1領域、配列番号247を有するCDR2領域および配列番号330を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号164を有するCDR1領域、配列番号248を有するCDR2領域および配列番号331を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号165を有するCDR1領域、配列番号249を有するCDR2領域および配列番号332を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号166を有するCDR1領域、配列番号250を有するCDR2領域および配列番号333を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号167を有するCDR1領域、配列番号251を有するCDR2領域および配列番号334を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号168を有するCDR1領域、配列番号252を有するCDR2領域および配列番号335を有するCDR3領域 を少なくとも含み、記述1から8および17から29のいずれかに記載の農薬組成物。 31.少なくとも1つの重鎖可変ドメインが、配列番号1から84を含む群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む、記述1から8および17から30のいずれかに記載の農薬組成物。 32.植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための方法であって、該方法は、植物病原体による感染または生物学的相互作用に対して植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、記述1から8および17から31のいずれかに記載の農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法。 33.植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための記述9に記載の方法であって、該方法は、植物病原体による感染または生物学的相互作用に対して植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、記述1から8および17から31のいずれかに記載の農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法。 34.1ヘクタールあたり農薬組成物の50gより高い敵用量で、記述1から8および17から31のいずれか1つに記載の農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用することを含む、記述9、32または33のいずれかに記載の方法。 35.農薬組成物が、噴霧すること(spraying)、粉末にすること、泡状にすること、噴霧すること(fogging)、ハイドロカルチャーにおいて培養すること、水耕栽培において培養すること、コーティングすること、浸漬することおよび/または被覆すること(encrusting)によって、植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用される、記述9または32から34のいずれかに記載の方法。 36.農薬組成物が、場合により収穫後に、植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用される、記述9または32から35のいずれかに記載の方法。 37.植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するための収穫後の処置方法であって、該方法は、植物病原体による感染または生物学的相互作用に対して収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、記述1から8および17から31のいずれかに記載の農薬組成物を収穫した植物または収穫した植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法。 38.抗有害生物剤としての記述1から8および17から31のいずれかに記載の農薬組成物の使用。 39.抗有害生物剤が制生剤である、記述38に記載の使用。 40.抗有害生物剤が静真菌剤である、記述38または39に記載の使用。 41.抗有害生物剤が殺虫剤である、記述38に記載の使用。 42.抗有害生物剤が殺真菌剤である、記述38または41に記載の使用。 43.記述1から8および17から31のいずれか1つに記載の農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む、植物病原体の増殖を阻害するための方法。 44.記述1から8および17から31のいずれか1つに記載の農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む、植物病原体を死滅させるための方法。 45.農薬組成物が、噴霧すること(spraying)し、粉末にすること、泡状にすること、噴霧すること(fogging)、ハイドロカルチャーにおいて培養すること、水耕栽培において培養すること、コーティングすること、浸漬することおよび/または被覆すること(encrusting)によって、植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用される、記述43または44に記載の方法。 46.農薬組成物が、場合により収穫後に、植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用される、記述43から45のいずれか1つに記載の方法。 47.記述1から8および17から31のいずれか1つに記載の農薬組成物を生成するための方法であって、該方法は、 −植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片を入手するステップ、および −記述1から8および17から31のいずれか1つに記載の農薬組成物に重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を製剤化するステップ を少なくとも含む方法。 48.記述1から8および17から31のいずれか1つに記載の農薬組成物を生成するための記述10に記載の方法であって、該方法は、 −植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片を入手するステップ、および −記述1から8および17から31のいずれか1つに記載の農薬組成物に重鎖可変ドメインまたはその機能的断を製剤化するステップ を少なくとも含む方法。 49.植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を入手するステップが (a)植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片をコードするヌクレオチド配列を発現するステップ、および場合により (b)重鎖ドメインもしくはその機能的断片を単離するおよび/または精製するステップ を含む、記述10、47または48に記載の方法。 50.植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を入手するステップが a)重鎖可変ドメイン配列もしくはその機能的断片の配列のセット、コレクションまたはライブラリーを用意するステップ; b)植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合しおよび/またはそれに対して親和性を有する配列について、重鎖可変ドメイン配列もしくはその機能的断片のセット、コレクションまたはライブラリーをスクリーニングするステップ、および場合により c)植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合するおよび/またはそれに対して親和性を有する重鎖可変ドメイン配列またはその機能的断片の配列を単離するステップ を含む、記述10、47または48に記載の方法。

[定義] 本発明は、特定の実施形態を参照して説明されるが、本発明は、これらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。特許請求の範囲におけるいずれの引用符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

用語「含む」が本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、この用語は、他の要素およびステップを除外しない。

単数名詞について言及する際に不定冠詞または定冠詞、例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」、「その(the)」が用いられている場合、特に他の事柄の記載がない限り、これは該名詞の複数を含む。

測定可能な値、例えば、パラメータ、量、時間的な期間に言及するとき、本明細書で使用される用語「約」は、特定された値からの±10%未満、好ましくは±5%未満、より好ましくは±1%未満、なおより好ましくは±0.1%未満の変動を包含することを意味し、これは、このような変動が、開示された発明を実施するのに適切であるためである。修飾語「約」が言及する値は、それ自体、具体的におよび好ましく開示されることを理解すべきである。

以下の用語および定義は、本発明の理解を助けるためにのみ提供される。本明細書において特に定義がなされていなければ、本明細書において使用される全ての用語は、当業者に理解されているものと同じ意味を有する。実施者は、具体的に、当該技術の定義および用語について、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Press,Plainsview,New York(1989年);およびAusubelら,Current Protocols in Molecular Biology(Supplement 47),John Wiley & Sons,New York(1999年)を参照する。本明細書において提供される定義は、当業者によって理解される範囲よりも小さい範囲を有することが意図されるべきではない。

他に指示がなければ、詳細には具体的に記載されていない全ての方法、ステップ、技術および操作は、当業者に明らかなように、それ自体が知られているように行うことができ、行われた。再度、例えば、標準的なハンドブック、上記に言及された一般的な背景技術およびそこに引用されたさらなる参考資料に言及する。

本明細書で使用するとき、用語「ポリペプチド」、「タンパク質」、「ペプチド」および「アミノ酸配列」は、互換的に用いられ、コードされたおよびコードされていないアミノ酸、化学的または生化学的に修飾または誘導体化されたアミノ酸、および修飾ペプチド骨格を有するポリペプチドを含むことができる、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を意味する。

本明細書で使用するとき、アミノ酸残基は、それらのフルネームによって、または標準的な3文字もしくは1文字アミノ酸コードに従って示される。

本明細書で使用するとき、用語「核酸分子」、「ポリヌクレオチド」、「ポリ核酸」、「核酸」は、互換的に用いられ、デオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドのいずれかまたはそれらのアナログである、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を意味する。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有してもよく、公知のまたは未知の任意の機能を果たし得る。ポリヌクレオチドの非限定的な例としては、遺伝子、遺伝子断片、エクソン、イントロン、伝令RNA(mRNA)、転移RNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、調節領域、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマーが挙げられる。核酸分子は、直鎖状または環状であってもよい。

本明細書において使用するとき、用語「相同性」は、同じまたは異なる分類群に由来する2つの巨大分子間、具体的には、2つのポリペプチド間または2つのポリヌクレオチド間の少なくとも二次構造の類似性を表し、該類似性は共通の祖先に起因する。したがって、用語「ホモログ」は、上記二次構造の類似性、および場合により三次構造の類似性を有する非常に関連性のある巨大分子を表す。2つ以上のヌクレオチド配列を比較するために、第1のヌクレオチド配列と第2のヌクレオチド配列との間の「配列同一性(のパーセンテージ)」は、当業者に公知の方法を使用することによって、例えば、第1のヌクレオチド中のヌクレオチドであって、第2のヌクレオチド配列における対応する位置のヌクレオチドと同一のヌクレオチドの数を、第1のヌクレオチド配列中のヌクレオチドの総数で割り、100%を乗じることによって、または配列アライメントのための公知のコンピュータアルゴリズム、例えば、NCBI Blastなどを使用することによって計算され得る。2つのアミノ酸配列間の配列同一性の程度を決定する際、当業者は、いわゆる「保存的」アミノ酸置換を考慮することができ、保存的アミノ酸置換は、一般に、あるアミノ酸残基が類似の化学構造の別のアミノ酸残基で置換されるアミノ酸置換であって、ポリペプチドの機能、活性または他の生物学的特性に対してほとんど影響を及ぼさない、または本質的に全く影響を及ぼさないアミノ酸置換として説明され得る。可能な保存的アミノ酸置換は、当業者には明らかである。アミノ酸配列および核酸配列は、これらが、それらの全長にわたって100%の配列同一性を有する場合、「全く同じもの」であると言われる。

本明細書において使用するとき、抗体との関連において用語「相補性決定領域」または「CDR」は、H(重)またはL(軽)鎖(それぞれVHおよびVLとも略される。)いずれかの可変領域を意味し、抗原標的に特異的に結合することができるアミノ酸配列を含む。これらのCDR領域は、特定の抗原決定基構造に対する抗体の基礎特異性の原因となる。このような領域はまた、「超可変領域」とも称される。CDRは、可変領域内のアミノ酸の非近接なストレッチを表すが、生物種にかかわらず、可変重鎖および軽鎖領域内のこれらの重要なアミノ酸配列の位置的配置は、可変鎖のアミノ酸配列内において同様の配置を有することが判明した。あらゆる標準的抗体の可変重鎖および軽鎖はそれぞれ、個々の軽(L)および重(H)鎖について、それぞれ互いに非近接である3つのCDR領域(L1、L2、L3、H1、H2、H3と称する。)を有する。

用語「親和性」は、本明細書で使用するとき、抗原およびポリペプチドの平衡状態をそれらの結合によって形成される複合体の存在に向かってシフトさせるような、ポリペプチド、特に抗体などの免疫グロブリン、またはVHHなどの免疫グロブリン断片が抗原に結合する程度を意味する。よって、例えば、相対的に等濃度の抗原および抗体(断片)が組み合わされる場合、高親和性の抗体(断片)は、利用できる抗原に結合して、その結果生じる高濃度の複合体に向けて平衡状態をシフトさせる。解離定数は、タンパク質結合ドメインおよび抗原標的の間の親和性を説明するために、一般に用いられる。典型的には、解離定数は10−5Mよりも低い。好ましくは、解離定数は10−6Mよりも低く、より好ましくは10−7Mよりも低い。最も好ましくは、解離定数は10−8Mよりも低い。

用語「特異的に結合する」および「特異的な結合」は、本明細書で使用するとき、ポリペプチド、特に抗体などの免疫グロブリン、またはVHHなどの免疫グロブリン断片の、異なる抗原の均一な混合物に存在する特定の抗原に優先的に結合する能力を一般的に意味する。ある種の実施形態において、特異的な結合相互作用は、試料中の望ましい抗原と望ましくない抗原の間を識別し、いくつかの実施形態において、約10倍から100倍以上(例えば、約1000倍超または10,000倍超)で識別する。

したがって、本明細書に開示されているアミノ酸配列は、アミノ酸配列が特定の標的(または少なくともその一部もしくは断片)に対する親和性、特異性を有する、および/または該標的に特異的に指向される場合、その標的「に特異的に結合する」と言われる。

本明細書に開示されているアミノ酸配列の「特異性」は、親和性および/または結合性(avidity)に基づいて決定され得る。

本明細書に開示されているアミノ酸配列は、本明細書に開示されているアミノ酸配列が目的の第2の標的抗原に結合する親和性よりも、少なくとも5倍、例えば、少なくとも10倍、例えば、少なくとも100倍、好ましくは少なくとも1000倍高い親和性で目的の第1の標的抗原に結合する場合、「目的の第2の標的抗原とは対照的に、目的の第1の標的抗原に対して特異的」であると言われる。したがって、ある種の実施形態において、本明細書の開示されている目的の第2の標的抗原とは対照的に、目的の第1の標的抗原「に対して特異的」であると言われる場合、それは、目的の第1の標的抗原に(本明細書において定義したように)特異的に結合するが、目的の第2の標的抗原には結合しない。

本明細書で使用するとき、用語「阻害すること」、「低減すること」および/または「妨げること」は、目的の標的抗原に特異的に結合し、目的のその標的抗原とその天然の結合パートナーの間の相互作用を阻害する、低減するおよび/または妨げる、本明細書に開示されているアミノ酸配列(の使用)を指し得る。また、用語「阻害すること」、「低減すること」および/または「妨げること」は、目的の標的抗原に特異的に結合し、適切なインビトロアッセイ、細胞アッセイまたはインビボアッセイを使用して測定した場合、目的のその標的抗原の生物学的活性を阻害する、低減するおよび/または妨げる、本明細書に開示されているアミノ酸配列(の使用)を指し得る。したがって、「阻害すること」、「低減すること」および/または「妨げること」はまた、目的の標的抗原に特異的に結合し、目的の標的タンパク質が関与する1つ以上の生物学的または生理学的な機構、効果、応答、機能経路または活性を阻害する、低減するおよび/または妨げる、本明細書に開示されているアミノ酸配列(の使用)を指し得る。アンタゴニストとしての本明細書に開示されているアミノ酸配列のこのような作用は、目的の標的抗原に応じて、任意の適切な様式でおよび/または任意の適切な(インビトロおよび通常は細胞またはインビボの)、当該技術分野において公知のアッセイを使用して決定することができる。

したがって、より具体的には、本明細書に開示されているアミノ酸配列を用いて「阻害すること」、「低減すること」および/または「妨げること」は、目的の標的抗原とその天然の結合パートナーの間の相互作用を阻害する、低減するおよび/もしくは妨げ、または目的の標的抗原の活性を阻害する、低減するおよび/もしくは妨げ、または目的の標的抗原が関与する1つ以上の生物学的または生理学的な機構、効果、応答、機能経路もしくは活性を阻害する、低減するおよび/もしくは妨げることのいずれかを意味することができ、例えば、適切なインビトロアッセイ、細胞アッセイまたはインビボアッセイを使用して測定した場合、同じアッセイにおいて、同じ条件であるが本明細書に開示されているアミノ酸配列を使用しない条件下で、目的の標的抗原の活性と比較して、例えば、少なくとも10%、しかしながら、好ましくは少なくとも20%、例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくはそれ以上を阻害する、低減するおよび/または妨げる。さらに、「阻害すること」、「低減すること」および/または「妨げること」は、同じ条件であるが、本明細書に開示されているアミノ酸配列が存在しない条件と比較して、目的の標的抗原の、1つ以上のその天然の結合パートナーに対する親和性、結合性、特異性および/または選択性の低減の誘導、および/または目的の標的抗原の、目的の標的抗原が存在する培地または周囲の1つ以上の条件(例えば、pH、イオン強度、補因子の存在)に対する感受性の低減の誘導もまた意味することができる。また、本発明との関連で、「阻害すること」、「低減すること」および/または「妨げること」は、目的の標的抗原の活性のアロステリックな阻害、低減および/または抑制を伴ってもよい。

本明細書に開示されているアミノ酸配列の阻害活性もしくはアンタゴニスト活性または増強活性もしくはアゴニスト活性は、可逆的でもよくまたは不可逆的であってもよいが、農薬用途に関しては、典型的には、可逆的に起こる。

本明細書に開示されているアミノ酸配列は、それが生成される宿主細胞および/または培地から抽出または精製されている場合、本明細書に使用されるとき、「本質的に単離された(形態)」であるとみなされる。

本明細書に開示されているアミノ酸配列に関して、本明細書に開示されているアミノ酸配列に存在する「結合領域」、「結合部位」または「相互作用部位」という用語は、本明細書において、標的分子に存在する特定の部位、領域、場所、部分またはドメインの意味を有するものであって、特定の部位、領域、場所、部分またはドメインはその標的分子への結合に関与する。したがって、このような結合領域は、標的分子に結合する場合、アミノ酸配列と接触する標的分子の特定の部位、領域、場所、部分またはドメインから本質的になる。

「植物」とは、本明細書で使用するとき、新鮮な果実、野菜および種子を含む生きた植物および生きた植物の部分を意味する。また、用語「植物」は、本明細書で使用するとき、全植物、植物の祖先および子孫、ならびに種子、芽、茎、葉、根(塊茎を含む。)、花および組織および器官を含む植物の一部を含み、上述の各々は目的の遺伝子/核酸を含む。用語「植物」はまた、植物細胞、浮遊培養物、カルス組織、胚、分裂組織部位、配偶体、胞子体、花粉および小胞子を包含し、再度、上述の各々は目的の遺伝子/核酸を含む。

適切な対照植物の選択は、実験設定のルーチン的な部分であり、対応する野生型植物または目的の遺伝子を含まない対照植物を含んでもよい。対照植物は、典型的には、評価されるべき植物と同じ植物種のものであり、または同じ亜種のものである。また、対照植物は、評価されるべき植物のヌル接合体(nullizygote)であってもよい。ヌル接合体は、分離によって導入遺伝子を欠損している個体である。「対照植物」は、本明細書で使用するとき、植物全体だけでなく、種子および種子部分を含む植物の部分もまた指す。

「作物」は、本明細書で使用するとき、生長して、食品、家畜飼料、燃料の原材料としてまたは任意の他の経済的目的で収穫される植物の種または亜種を意味する。非限定的な例として、作物は、トウモロコシ;穀類、例えば小麦、ライ麦、大麦および燕麦、モロコシ、米;サトウダイコンおよび飼料用ビート;果実、例えばナシ状果果実(例えば、リンゴおよびナシ)、柑橘類果実(例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツもしくはマンダリン)、核果(例えば、モモ、ネクタリンもしくはプラム);木の実(例えば、アーモンドもしくはクルミ)、柔らかい果実(例えば、サクランボ、イチゴ、ブラックベリーもしくはラズベリー);プランテーン科もしくはブドウ、マメ科の作物、例えばソラ豆、レンズマメ、エンドウおよび大豆;油料作物、例えばヒマワリ、ベニバナ、菜種、セイヨウアブラナ、ヒマシもしくはオリーブ;ウリ科の植物、例えばキュウリ、メロンもしくはカボチャ;繊維植物、例えば綿、亜麻もしくは麻;燃料作物、例えばサトウキビ、ススキもしくはスイッチグラス;野菜、例えばジャガイモ、トマト、トウガラシ、レタス、ホウレンソウ、タマネギ、ニンジン、ナス、アスパラガスもしくはキャベツ;観賞用植物、例えば花(例えば、ペチュニア、ペラルゴニウム、バラ、チューリップ、ユリもしくはキク);低木;広葉樹(例えば、ポプラもしくはヤナギ)および常緑樹(例えば、針葉樹);草、例として、芝生(lawn)、芝草(turf)もしくは飼料草;またはその他の有用な植物、例として、コーヒー、茶、タバコ、ホップ、コショウ、ゴムもしくはラテックス植物であり得る。

「有害生物」は、本明細書で使用するとき、植物、動物、ヒトまたはヒト関係に有害である生物であり、限定されないが、作物有害生物(後に定義される。)、家庭有害生物、例えば、ゴキブリ、アリなど、および病原媒介体、例えばマラリア蚊が含まれる。

「植物の有害生物」、「植物病原体」または「作物有害生物」は、本出願で使用するとき、互換的に、農業において使用される、植物、植物の一部または植物生成物、特に植物、植物、植物の一部または植物生成物に特に損傷を与える生物を指す。用語「植物の有害生物」または「作物有害生物」は、有害生物が植物を標的にし、害を与えるという意味において使用されることに留意されたい。有害生物は、特に無脊椎動物(例えば、昆虫(農業有害昆虫、観賞用植物の昆虫害虫、森林の昆虫害虫を含む。)に属する。関連作物有害生物の例としては、限定されないが、アブラムシ、毛虫、ハエ、スズメバチなど、線虫(土壌中で自由に生活しているまたは特に根瘤線虫、ダイズ嚢胞線虫およびジャガイモ嚢胞線虫などの植物の根に寄生する種)、ダニ(例えば、クモダニ、ホコリダニおよびフシダニ)および腹足類(デロセラス属種(Deroceras spp.)、ミラックス属種(Milax spp.)、タンドニア属種(Tandonia sp.)、リマックス属種(Limax spp.)、アリオン属種(Arion spp.)およびベロニセラ属種(Veronicella spp.)などのナメクジ、ならびにヘリックス属種(Helix spp.)、セルヌエラ属種(Cernuella spp.)、テバ属種(Theba spp.)、コチリセラ属種(Cochlicella spp.)、アカチナ属種(Achatina spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.)、オバクラミス属種(Ovachlamys spp.)、アンフィブリマ属種(Amphibulima spp.)、ザクリシア属種(Zachrysia spp.)、ブラディバエナ属種(Bradybaena spp.)およびポマセア属種(Pomacea spp.)などのカタツムリを含む)、病原性真菌(アスコミセテス(例えば、フサリウム属種(Fusarium spp.)、チエラビオプシス属種(Thielaviopsis spp.)、ベルチシリウム属種(Verticillium spp.)、マグナポルテ属種(Magnaporthe spp.))、バシディオミセテス(例えば、リゾクトニア属種(Rhizoctonia spp.)、ファコスポラ属種(Phakospora spp.)、プッシニア属種(Puccinia spp.))および真菌様オオミセテス(例えば、ピシウム属種(Pythium spp.)およびフィトフトラ属種(Phytophthora spp.)を含む)、細菌(例えば、バークホルデリア属種(Burkholderia spp.)ならびにザントモナス属種(Xanthomonas spp.)およびシュードモナス属種(Pseudomonas spp.)などのプロテオバクテリア)、フィトプラズマ、スピロプラズマ、ウイルス(例えば、タバコモザイクウイルスおよびカリフラワーモザイクウイルス)ならびに原生動物が含まれる。

微生物(microbe)」とは、本明細書で使用するとき、細菌、ウイルス、真菌、酵母などを意味し、「微生物の(microbial)」とは、微生物からの派生を意味する。

「真菌」とは、本明細書で使用するとき、真菌類のグループに属する真核生物を意味する。また、本発明において真菌なる用語は、卵菌門などの真菌様の生物を含む。卵菌門(または卵菌類)は、真菌様の真核微生物の明確な系統発生学上の系統を形成する。このグループは、もともと真菌の中で分類されていたが、現在の洞察は、不等毛のグループ内で、褐藻および珪藻などの光合成生物と比較的密接な関係を支持する。

「有害生物感染」または「有害生物病」は、本明細書で使用するとき、有害生物によって引き起こされる、植物、動物またはヒトなどの生きた生物における任意の炎症状態、疾患または障害を指す。

「真菌感染」または「真菌疾患」は、本明細書で使用するとき、真菌によって引き起こされる、植物、動物またはヒトなどの生きた生物における任意の炎症状態、疾患または障害を指す。

「活性物質」、「有効成分」または「活性成分(active principle)」は、本明細書で互換的に使用され、対象における、特に植物、植物の一部または植物生成物における、有害な生物に対して一般的または特異的な作用を有する、微生物を含む、任意の生物学的、生化学的または化学的要素およびそれに基づくその誘導体、断片または化合物を指し、それらは天然に存在しまたは製造によって生じるため、製造プロセスから必然的に得られる任意の不純物を含む。

「農薬化合物(agrochemical)」は、本明細書で使用するとき、農業産業における使用(例えば、農業、園芸、草花栽培ならびに家庭および庭園での使用、さらに非作物関連使用が意図された生成物、望ましくない昆虫およびげっ歯類を駆除するための公衆衛生/有害生物駆除作業者の使用が挙げられ、例えば、植物または植物の一部、作物、球根、塊茎、果実を(例えば、有害な生物、疾患または有害生物から)保護するための家庭用殺菌剤および殺虫剤ならびに薬剤が含まれる。);植物の生育の調節、好ましくは促進または増加;および/または収穫される植物の、作物または植物(例えばその果実、花、種子など)の一部の収量の促進に適したものを意味する。このような物質の例としては、当業者に明らかであり、例えば、殺虫剤(例えば家庭で使用するための殺虫剤を含む接触性殺虫剤または浸透殺虫剤)、除草剤(例えば家庭で使用するための除草剤を含む接触性除草剤または浸透除草剤)、殺菌剤(例えば家庭で使用するための殺菌剤を含む接触性殺菌剤または浸透殺菌剤)、殺線虫剤(例えば家庭で使用するための殺線虫剤を含む接触性殺線虫剤または浸透殺線虫剤)および他の農薬または殺線虫剤(例えば昆虫またはカタツムリを死滅させるための薬剤)ならびに肥料;植物ホルモンなどの生長調節剤;微量栄養素、安全化剤、誘引物質;忌避剤;昆虫餌として活性な化合物;標的化された植物(例えば、保護されるべき植物または調節されるべき植物)におけるまたはそれによる遺伝子発現(および/または他の生物学的もしくは生化学的プロセス)を調節(すなわち、増加、減少、阻害、増強および/または誘発)するために用いられる活性成分を含み得、例えば、核酸(例えば1本鎖または2本鎖RNA、例えばRNAi技術との関連で使用される)およびこの目的でそれ自体が公知の他の因子、タンパク質、化合物などが挙げられる。このような農薬の例は、当業者に明らかである;例えば、非限定的に:グリホサート、パラコート、メトラクロール、アセトクロール、メソトリオン、2,4−D,アトラジン、グルホシネート、スルホサート、フェノキサプロップ、ペンジメタリン、ピクロラム、トリフルラリン、ブロモキシニル、クロジナホップ、フルロキシピル、ニコスルフロン、ベンスルフロン、イマゼタピル、ジカンバ、イミダクロプリド、チアメトキサム、フィプロニル、クロルピリホス、デルタメトリン、ラムダ−シハロトリン、エンドスルファン、メタミドホス、カルボフラン、クロチアニジン、シペルメトリン、アバメクチン、ジフルフェニカン、スピノサド、インドキサカルブ、ビフェントリン、テフルトリン、アゾオキシストロビン、チアメトキサム、テブコナゾール、マンコゼブ、シアゾファミド、フルアジナム、ピラクロストロビン、エポキシコナゾール、クロロタロニル、銅殺菌剤、トリフロキシストロビン、プロチオコナゾール、ジフェノコナゾール、カルベンダジム、プロピコナゾール、チオファネート、硫黄、ボスカリドおよび他の公知の農薬またはこれらの任意の適切な組合せを含む。

「農薬組成物」は、さらに定義されるように、農薬的使用のための組成物を意味し、少なくとも1つの活性物質を含み、場合により、農薬の最適分散、微粒化、堆積、葉濡れ、分配、保存および/または取り込みを支持する1つ以上の添加剤を伴う。本明細書で使用される農薬組成物は、生物的防除剤または生物学的農薬(限定されないが、生物学的殺生剤、制生剤、静真菌剤および殺真菌剤を含む。)を含み、これらの用語は、本出願において互換的に使用されることは、本明細書におけるさらなる説明から明らかになる。したがって、農薬組成物は、本明細書で使用するとき、植物または他の農業関連設定(例えば、土壌)における有害生物を防除するための有効成分、活性物質または活性成分として少なくとも1つの生物学的分子を含む組成物を含む。本明細書に開示されている農薬組成物において活性成分として使用される生物学的分子の非制限的な例は、タンパク質(限定されないが、抗体およびその断片、例えば、VHHを含む抗体の重鎖可変ドメイン断片)、核酸配列、(多)糖、脂質、ビタミン、ホルモン、糖脂質、ステロールおよびグリセロ脂質である。

非制限的な例として、本明細書に開示されている農薬組成物における添加剤は、限定されないが、希釈剤、溶媒、アジュバント、界面活性剤、湿潤剤、分離剤、油、展着剤、増粘剤、浸透剤、緩衝剤、酸性化剤、抗沈降剤、凍結防止剤、光保護材、消泡剤、殺生物剤および/またはドリフト調節剤を含んでもよい。

「制生剤組成物」または「制生剤」は、本明細書で使用するとき、制生的使用(本明細書においてさらに定義される。)のための任意の有効成分、活性物質、活性成分または任意の有効成分、活性物質もしくは活性成分を含む組成物を意味し、少なくとも1つの活性な制生物質または成分を含み、場合により、活性物質または成分の最適分散、微粒化、堆積、葉濡れ、分配、保存および/または取り込みを支持する1つ以上の添加剤を伴う。非制限的な例として、このような添加剤は、希釈剤、溶媒、アジュバント、(イオン性)界面活性剤、湿潤剤、分離剤、油、展着剤、増粘剤、浸透剤、緩衝剤、酸性化剤、抗沈降剤、凍結防止剤、光保護材、消泡剤、殺生物剤、プロテアーゼ阻害剤および/またはドリフト調節剤である。

「殺生組成物」または「殺生剤」は、本明細書で使用するとき、殺生的使用(本明細書においてさらに定義される。)のための任意の有効成分、活性物質、活性成分または任意の有効成分、活性物質もしくは活性成分を含む組成物を意味し、少なくとも1つの活性な殺生物質または成分を含み、場合により、活性物質または成分の最適分散、微粒化、堆積、葉濡れ、分配、保存および/または取り込みを支持する1つ以上の添加剤を伴う。非制限的な例として、このような添加剤は、希釈剤、溶媒、アジュバント、(イオン性)界面活性剤、湿潤剤、分離剤、油、展着剤、増粘剤、浸透剤、緩衝剤、酸性化剤、抗沈降剤、凍結防止剤、光保護材、消泡剤、殺生物剤、プロテアーゼ阻害剤および/またはドリフト調節剤である。

「静真菌組成物」または「静真菌剤」は、本明細書で使用するとき、静真菌的使用(本明細書においてさらに定義される。)のための任意の有効成分、活性物質、活性成分または任意の有効成分、活性物質もしくは活性成分を含む組成物を意味し、少なくとも1つの活性な静真菌物質または成分を含み、場合により、活性物質または成分の最適分散、微粒化、堆積、葉濡れ、分配、保存および/または取り込みを支持する1つ以上の添加剤を伴う。非制限的な例として、このような添加剤は、希釈剤、溶媒、アジュバント、(イオン性)界面活性剤、湿潤剤、分離剤、油、展着剤、増粘剤、浸透剤、緩衝剤、酸性化剤、抗沈降剤、凍結防止剤、光保護材、消泡剤、殺生物剤、プロテアーゼ阻害剤および/またはドリフト調節剤である。

「殺真菌組成物」または「殺真菌剤」は、本明細書で使用するとき、殺真菌的使用(本明細書においてさらに定義される。)のための任意の有効成分、活性物質、活性成分または任意の有効成分、活性物質もしくは活性成分を含む組成物を意味し、少なくとも1つの活性な殺真菌物質または成分を含み、場合により、活性物質または成分の最適分散、微粒化、堆積、葉濡れ、分配、保存および/または取り込みを支持する1つ以上の添加剤を伴う。非制限的な例として、このような添加剤は、希釈剤、溶媒、アジュバント、(イオン性)界面活性剤、湿潤剤、分離剤、油、展着剤、増粘剤、浸透剤、緩衝剤、酸性化剤、抗沈降剤、凍結防止剤、光保護材、消泡剤、殺生物剤、プロテアーゼ阻害剤および/またはドリフト調節剤である。

「農薬的使用」は、本明細書で使用するとき、屋外で生育される作物における使用のために適するおよび/または使用を目的とする、上記で定義される農薬(例えば、殺虫剤、生長調節剤、栄養素/肥料、忌避剤、枯葉剤など)の使用だけでなく、温室で生育される作物(例えば園芸/草花栽培)または水耕栽培系における使用を意味する、上記で定義される農薬(例えば、殺虫剤、生長調節剤、栄養素/肥料、忌避剤、枯葉剤など)の使用、さらには、個人庭園における使用、家庭用(例えば、家庭用のための除草剤または殺虫剤)または有害生物駆除作業者による使用(例えば、雑草防除など)などの非作物使用に適したおよび/またはそれが意図された、上記で定義される農薬の使用もまた含まれる。

「制生的(効果)」または「制生的使用」は、本明細書で使用するとき、限定されないが、植物、植物の一部または他の農業関連設定、例えば家庭用または土壌における有害生物の増殖または活性の阻害、有害生物の挙動の変更および有害生物の拒絶または誘引を含む、植物の有害生物または植物病原体などの有害生物の有害活性を制御し、調節しまたは干渉するための活性物質(場合により、本明細書に定義される制生、殺生、殺真菌または静真菌組成物に含まれる。)の任意の効果または使用を含む。

「殺生的(効果)」または「殺生的使用」は、本明細書で使用するとき、限定されないが、植物、植物の一部または他の農業関連設定、例えば家庭用または土壌における有害生物の死滅、有害生物の増殖または活性の阻害、有害生物の挙動の変更および有害生物の拒絶または誘引を含む、植物の有害生物または植物病原体などの有害生物の有害活性を制御し、調節しまたは干渉するための活性物質(場合により、本明細書に定義される殺生または殺真菌組成物に含まれる。)の任意の効果または使用を含む。

「静真菌的(効果)」または「静真菌的使用」は、本明細書で使用するとき、限定されないが、植物、植物の一部または他の農業関連設定、例えば家庭用または土壌における真菌の増殖または活性の阻害、真菌の挙動の変更および真菌の拒絶または誘引を含む、真菌の有害活性を制御し、調節しまたは干渉するための活性物質(場合により、本明細書に定義される殺真菌または静真菌組成物に含まれる。)の任意の効果または使用を含む。

「殺真菌的(効果)」または「殺真菌的使用」は、本明細書で使用するとき、限定されないが、植物、植物の一部または他の農業関連設定、例えば家庭用または土壌における真菌の死滅、真菌の増殖または活性の阻害、真菌の挙動の変更および真菌の拒絶または誘引を含む、真菌の有害活性を制御し、調節しまたは干渉するための活性物質(場合により、本明細書に定義される殺真菌組成物に含まれる。)の任意の効果または使用を含む。

「殺虫活性」または「殺生活性」とは、本明細書で使用するとき、限定されないが、有害生物の死滅、有害生物の増殖または活性の阻害、有害生物の挙動の変更、有害生物の拒絶または誘引を含む、有害生物の有害活性を干渉することを意味する。

「制生活性」とは、本明細書で使用するとき、限定されないが、有害生物の増殖または活性の阻害、有害生物の挙動の変更、有害生物の拒絶または誘引を含む、有害生物の有害活性を干渉することを意味する。

有効成分、活性物質もしくは活性成分、または殺虫性、殺生性もしくは制生性の有効成分、活性物質もしくは活性成分を含む組成物または薬剤の殺虫、殺生または制生活性は、薬剤の最小阻害活性(MIC)(例えば、mg/mLなどの濃度の単位として表される。)として表すことができるが、それに限定されない。

「殺真菌活性」とは、本明細書で使用するとき、限定されないが、真菌の死滅、真菌の増殖または活性の阻害、真菌の挙動の変更、および真菌の拒絶または誘引を含む、真菌の有害活性を干渉することを意味する。

「静真菌活性」とは、本明細書で使用するとき、限定されないが、真菌の増殖または活性の阻害、真菌の挙動の変更、真菌の拒絶または誘引を含む、真菌の有害活性を干渉することを意味する。

有効成分、活性物質もしくは活性成分、または殺虫性、殺生性もしくは制生性の有効成分、活性物質もしくは活性成分を含む組成物または薬剤の殺真菌または静真菌活性は、薬剤の最小阻害活性(MIC)(例えば、mg/mLなどの濃度の単位として表される。)として表すことができるが、それに限定されない。

「担体」とは、本明細書で使用するとき、その中にまたは上に(上に)、活性物質が適切に、組み込まれること、含まれる(included)こと、固定化されること、吸着されること、吸収されること、結合されること、被包されること、包埋されること、つながれることまたは含まれる(comprised)ことが可能である任意の固体、半固体または液体の担体を意味する。このような担体の非限定的な例として、ナノカプセル、マイクロカプセル、ナノスフェア、マイクロスフェア、ナノ粒子、微小粒子、リポソーム、ベシクル、ビーズ、ゲル、弱いイオン性の樹脂製粒子、リポソーム、渦巻形の送達ビヒクル、小型の顆粒剤、顆粒化物質、ナノチューブ、バッキーボール、油中水型乳剤の一部である水の小滴、水中油型乳剤の一部である油の小滴、有機材料、例えば、コルク、木材もしくは他の植物由来の材料(例えば、種子の莢、木片、果肉、球体、ビーズ、シートもしくは任意の他の適切な形態)、紙もしくは段ボール、無機材料、例えば、タルク、粘土、結晶セルロース、シリカ、アルミナ、ケイ酸塩およびゼオライトが挙げられ、またはさらに微生物細胞(例えば、酵母細胞)もしくはこれらの適切な画分もしくは断片が挙げられる。

本明細書で使用するとき、用語「抗体」は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体、およびFab、F(ab)2、Fvなどのその断片、ならびに親抗体の抗原結合機能を保持する他の断片を指す。抗体はそれ自体、免疫グロブリンもしくは糖タンパク質、またはその断片もしくは一部、または修飾免疫グロブリン様フレームワーク内に含まれる抗原結合部分を含む構築物、または非免疫グロブリン様フレームワークまたはスキャフォールドを含む構築物内に含まれる抗原結合部分を指し得る。

本明細書で使用するとき、用語「モノクローナル抗体」は、均質な抗体集団を有する抗体組成物を指す。この用語は、抗体の種または供給源に関して制限されず、それが作製される方法によっても制限されるものではない。該用語は、完全免疫グロブリンならびにFab、F(ab)2、Fvおよび該抗体の抗原結合機能を保持する他のものなどの断片を包含する。全ての哺乳類種のモノクローナル抗体は本発明に使用可能である。しかしながら、実際には、抗体は、典型的にはラットまたはマウス起源のものであり、これはモノクローナル抗体を生成するために必要なハイブリッド細胞系統またはハイブリドーマの作製用におけるラットまたはマウス細胞系統の入手可能性のためである。

本明細書で使用するとき、用語「ポリクローナル抗体」は、ヘテロな抗体集団を有する抗体組成物を指す。ポリクローナル抗体は、多くの場合、免疫動物または選択されたヒトからのプールされた血清に由来する。

「抗体の重鎖可変ドメインまたはその機能的断片」は、本明細書で使用するとき、(i)限定されないが、ラクダもしくはサメの重鎖抗体の重鎖の可変ドメインを含む、天然では軽鎖を欠損している重鎖抗体の重鎖の可変ドメイン(以下、VHHとも示される。)、または(ii)限定されないが、従来の4本鎖抗体の重鎖のラクダ化(さらに本明細書において定義される。)可変ドメイン(以下、ラクダ化VHとも示される。)を含む、従来の4本鎖抗体の重鎖の可変ドメイン(以下、VHとも示される。)を意味する。以下においてさらに記載されるように、抗体の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列および構造は、限定されないが、4つのフレームワーク領域または「FR’」から構成されているとみなすことができ、それらは、当該技術分野および以下において、それぞれ、「フレームワーク領域1」または「FR1」;「フレームワーク領域2」または「FR2」;「フレームワーク領域3」または「FR3」;および「フレームワーク領域4」または「FR4」と呼ばれ、これらのフレームワーク領域は、3つの相補性決定領域または「CDR」によって中断され、これらは、当技術分野において、それぞれ、「相補性決定領域1」または「CDR1」;「相補性決定領域2」または「CDR2」;および「相補性決定領域3」または「CDR3」と呼ばれる。

以下でさらに記載されるように、抗体の重鎖可変ドメイン(VHHまたはVHを含む。)におけるアミノ酸残基の総数は110から130の範囲であり、好ましくは112から115、最も好ましくは113であり得る。しかしながら、抗体の重鎖可変ドメインの部分、断片またはアナログは、このような部分、断片またはアナログが殺虫活性、殺生活性、制生活性、殺真菌活性または静真菌活性(本明細書において定義される。)などの機能的活性を保持する、および/またはこれらの部分、断片またはアナログが由来する抗体の元の重鎖可変ドメインの結合特異性(少なくともその一部)を保持する限り、それらの長さおよび/またはサイズに特に限定されないことに留意すべきである。殺虫活性、殺生活性、制生活性、殺真菌活性または静真菌活性(本明細書において定義される。)などの機能的活性(少なくとも一部)を保持する、および/または部分、断片またはアナログが由来する抗体の元の重鎖可変ドメインの結合特異性(少なくとも一部)を保持しているこれらの部分、断片またはアナログはまた、本明細書において重鎖可変ドメインの「機能的断片」と呼ばれる。

抗体の重鎖可変ドメインの可変ドメイン(VHHまたはVHを含む。)のアミノ酸残基は、上記参照のRiechmannおよびMuyldermansの文献中でラクダのVHHドメインに適用されるように(例えば上記参考文献の図2参照)、Kabatら.(“Sequence of proteins of immunological interest”,US Public Health Services,NIH Bethesda,MD,Publication No.91)によって示された一般的な重鎖可変ドメインのナンバリング方法に従って番号を付す。このナンバリング方法によれば、重鎖可変ドメインのFR1は1から30位のアミノ酸残基を含み、重鎖可変ドメインのCDR1は31から36位のアミノ酸残基を含み、重鎖可変ドメインのFR2は36から49位のアミノ酸残基を含み、重鎖可変ドメインのCDR2は50から65位のアミノ酸残基を含み、重鎖可変ドメインのFR3は66から94位のアミノ酸残基を含み、重鎖可変ドメインのCDR3は95から102位のアミノ酸残基を含み、重鎖可変ドメインのFR4は103から113位のアミノ酸残基を含む[この点で、−VHHドメインの当該技術分野においては周知のように−それぞれのCDRにおけるアミノ酸残基の総数が変化し、Kabatナンバリングで示されたアミノ酸残基の総数と対応しないことに留意すべきである(すなわち、Kabatのナンバリングによる1つ以上の位置が実際の配列で占有されない場合があり、または実際の配列がKabatのナンバリングによる数より多くのアミノ酸残基を含む場合がある。)。これは、一般的に、Kabatによるナンバリングが、実際の配列における実際の数に対応するまたは対応しない場合があることを意味する。一般的に、しかしながら、Kabatのナンバリングに従い、およびCDRのアミノ酸残基の数にかかわらず、Kabatのナンバリングに従った1位はFR1の開始点に対応しその逆も同様であり、Kabatのナンバリングに従った36位はFR2の開始点に対応しその逆も同様であり、Kabatのナンバリングに従った66位はFR3の開始点に対応しその逆も同様であり、Kabatのナンバリングに従った103位はFR4の開始点に対応しその逆も同様でありと言うことができる。]。

重鎖可変ドメインのアミノ酸残基をナンバリングするための代替の方法は、Chothiaらによって報告された方法(Nature 342,877−883(1989))、いわゆる「AbM定義」およびいわゆる「接触定義(contact definition)」である。しかしながら、本明細書の記載、特許請求の範囲および図面において、他に指示がなければ、RiechmannおよびMuyldermansによってVHHドメインに適用されるようにKabatのナンバリングに従う。

重鎖抗体およびそれらの可変ドメインについての一般的な記述に関して、特に、一般的な背景技術として言及されている以下の参考文献を参照されたい:Vrije Universiteit BrusselのWO94/04678、WO95/04079およびWO96/34103;UnileverのWO94/25591、WO99/37681、WO00/40968、WO00/43507、WO00/65057、WO01/40310、WO01/44301、EP1134231およびWO02/48193;Vlaams Instituut voor Biotechnologie(VIB)のWO97/49805、WO01/21817、WO03/035694、WO03/054016およびWO03/055527;Algonomics N.V.およびAblynx NVのWO03/050531;National Research Council of CanadaによるWO01/90190;Institute of AntibodiesによるWO03/025020(=EP1433793);ならびにAblynx NVによるWO04/041867、WO04/041862、WO04/041865、WO04/041863、WO04/062551およびAblynx NVによるさらに公開された特許出願;Hamers−Castermanら、Nature 1993 Jun.3;363(6428):446−8;DaviesおよびRiechmann、FEBS Lett.1994 Feb.21;339(3):285−90;Muyldermansら、Protein Eng.1994 September;7(9):1129−3;DaviesおよびRiechmann、Biotechnology(NY)1995 May;13(5):475−9;Gharoudiら、9th Forum of Applied Biotechnology、Med.Fac.Landbouw Univ.Gent.1995;60/4a part I:2097−2100;DaviesおよびRiechmann,Protein Eng.1996 June;9(6):531−7;Desmyterら、Nat Struct Biol.1996 September;3(9):803−11;Sheriffら、Nat Struct Biol.1996 September;3(9):733−6;Spinelliら、Nat Struct Biol.1996 September;3(9):752−7;Arbabi Ghahroudi et al.,FEBS Lett.1997 Sep.15;414(3):521−6;Vuら、Mol.Immunol.1997 November−December;34(16−17):1121−31;Atarhouchら、Journal of Carnel Practice and Research 1997;4:177−182;Nguyenら、J.Mol.Biol.1998 Jan.23;275(3):413−8;Lauwereysら、EMBO J.1998 Jul.1;17(13):3512−20;Frenkenら、Res Immunol.1998 July−August;149(6):589−99;Transueら、Proteins 1998 Sep.1;32(4):515−22;MuyldermansおよびLauwereys、J.Mol.Recognit.1999 March−April;12(2):131−40;van der Lindenら、Biochim.Biophys.Acta 1999 Apr.12;1431(1):37−46;Decanniereら、Structure Fold.Des.1999 Apr.15;7(4):361−70;Ngyuenら、Mol.Immunol.1999 June;36(8):515−24;Woolvenら、Immunogenetics 1999 October;50(1−2):98−101;RiechmannおよびMuyldermans,J.Immunol.Methods 1999 Dec.10;231(1−2):25−38;Spinelliら、Biochemistry 2000 Feb.15;39(6):1217−22;Frenkenら、J.Biotechnol.2000 Feb.28;78(1):11−21;Nguyenら、EMBO J.2000 Mar.1;19(5):921−30;van der Lindenら、J.Immunol.Methods 2000 Jun.23;240(1−2):185−95;Decanniereら、J.Mol.Biol.2000 Jun.30;300(1):83−91;van der Lindenら、J.Biotechnol.2000 Jul.14;80(3):261−70;Harmsenら、Mol.Immunol.2000 August;37(10):579−90;Perezら、Biochemistry 2001 Jan.9;40(1):74−83;Conrathら、J.Biol.Chem.2001 Mar.9;276(10):7346−50;Muyldermansら、Trends Biochem Sci.2001 April;26(4):230−5;Muyldermans S.、J.Biotechnol.2001 June;74(4):277−302;Desmyterら、J.Biol.Chem.2001 Jul.13;276(28):26285−90;Spinelliら、J.Mol.Biol.2001 Aug.3;311(1):123−9;Conrathら、Antimicrob Agents Chemother.2001 October;45(10):2807−12;Decanniereら、J.Mol.Biol.2001 Oct.26;313(3):473−8;Nguyenら、Adv Immunol.2001;79:261−96;Muruganandamら、FASEB J.2002 February;16(2):240−2;Ewertら、Biochemistry 2002 Mar.19;41(11):3628−36;Dumoulinら、Protein Sci.2002 March;11(3):500−15;Cortez−Retamozoら、Int.J.Cancer.2002 Mar.20;98(3):456−62;Suら、Mol.Biol.Evol.2002 March;19(3):205−15;van der Vaart J M.,Methods Mol.Biol.2002;178:359−66;Vrankenら、Biochemistry 2002 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一般的に、用語「重鎖可変ドメイン」は、本明細書で最も広い意味において使用されるとき、特定の生物学的供給源または特定の調製方法に限定されないことに留意すべきである。例えば、以下でさらに詳細について検討されるように、本発明の重鎖可変ドメインは、(1)天然に存在する重鎖抗体のVHHドメインの単離によって;(2)天然に存在する4本鎖抗体VHドメインを単離することによって;(3)天然に存在するVHHドメインをコードするヌクレオチド配列の発現によって;(4)天然に存在するVHドメインをコードするヌクレオチド配列の発現によって;(5)任意の動物種、特に哺乳動物種由来の、例えばヒト由来の天然に存在するVHドメインの「ラクダ化」(以下に記載される。)によって、またはこのようなラクダ化VHドメインをコードする核酸の発現によって;(6)Wardら(上述)によって報告されている「ドメイン抗体」もしくは「Dab」の「ラクダ化」によって、またはこのようなラクダ化VHドメインをコードする核酸の発現によって;(7)タンパク質、ポリペプチドもしくは他のアミノ酸配列の調製に合成技術または半合成技術を用いて;(8)核酸合成に関する技術を使用してVHHまたはVHをコードする核酸を調製し、続いてこうして得られた核酸の発現によって、および/または(9)上記のいずれかの組み合わせによって、得ることができる。上記を行うための適切な方法および技術は、本明細書における開示に基づき、当業者に明らかであり、例えば、以下にさらに詳細に記載される方法および技術が含まれる。

しかしながら、特定の実施形態によれば、本明細書に開示されている重鎖可変ドメインは、哺乳動物、特にヒト由来の天然に存在するVHドメインのアミノ酸配列などの、天然に存在するVHドメインのアミノ酸配列と全く同じである(すなわち、それと100%の配列同一性の程度として)アミノ酸配列を有しない。

用語「有効量」および「有効用量」とは、本明細書で使用するとき、所望の結果または複数の結果を達成するために必要とされる量を意味する。

本明細書で使用するとき、用語「決定すること」、「測定すること」、「評価すること」、「監視すること」および「アッセイすること」は、互換的に使用され、定量的決定と定性的決定の両方を含む。

本明細書で引用された全ての書面は、参照により本明細書に全体として組み込まれる。他に定義しない限り、技術用語および科学用語を含む、本発明を開示する際に使用される全ての用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味を有する。さらなるガイダンスによって、用語の定義は、本発明の教示をより良く理解するために含まれる。

[抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインを含む組成物] 一態様において、本発明者らは、植物有害生物のスフィンゴ脂質に特異的に結合することができる、抗体の少なくとも1つの可変ドメインを含む農薬組成物を同定した。重要なことには、有害生物の特定の分子構造とのこの相互作用を介して、本明細書に開示されている組成物は、植物病原体の成長が制御され、調節され、阻害され、妨げられまたは低減されるように、植物病原体の1つ以上の生物学的活性を制御し、調節し、阻害し、妨げまたは低減することができる。ある種の実施形態において、本明細書に開示される農薬組成物は、植物有害生物のスフィンゴ脂質に特異的に結合することができ、組成物に含まれる抗体の少なくとも1つの可変ドメインポリペプチドの特定の相互作用を介して植物の有害生物を死滅させることができる。したがって、本明細書に開示される農薬組成物は、植物の有害生物のスフィンゴ脂質標的に存在する結合部位に結合することによって、その植物の有害生物の生物学的機能を調節、例えば、変化、減少または阻害するために使用され得、それによって、有害生物の自然な生物学的活性(例えば、限定されないが、増殖)および/またはその有害生物の構造標的が関与する1つ以上の生物学的経路に影響を及ぼすことができる。

さらに、本明細書に開示されている少なくとも1つの重鎖可変ドメインを含む組成物は、当該技術分野において公知の従来の免疫グロブリンおよび非免疫グロブリン結合剤と比較していくつかのさらなる利点を有する。実際に、ある種の実施形態において、本明細書に開示されているアミノ酸配列は、単離された重鎖免疫グロブリン可変ドメインであり、これらは、従来の4本鎖抗体よりも強力であり、および安定であり、(1)より低い投薬形態、より少ない頻度の用量およびしたがってより少ない副作用へと導き、(2)投与経路の幅広い選択をもたらす改善された安定性へと導く。それらのサイズが小さいため、重鎖免疫グロブリン可変ドメインは、膜を横切り、他の、より大きなポリペプチドおよびタンパク質に接近不可能な生理学的コンパートメント、組織および器官に浸透する能力を持っている。

具体的であるが、非制限的な実施形態において、本明細書に開示されている少なくとも1つの重鎖可変ドメインを含む組成物は、植物有害生物標的または植物有害生物抗原に(本明細書において定義されるように)特異的に結合することができ;より好ましくは、本明細書において定義されているように(さらに本明細書に記載されるような(実際または見掛けの)KD値、(実際または見掛けの)KA値、kon速度および/またはkoff速度、または代替的にIC50値として適切に測定されるおよび/または表される)親和性で有害生物または植物病原体標的または植物有害生物抗原または植物病原体抗原に結合することができる。

特定の実施形態において、本発明は、植物の有害生物、より具体的には植物真菌に対抗するための農薬組成物または生物学的殺虫組成物であって、活性物質として、少なくとも1つのポリペプチドまたは80から200個のアミノ酸のアミノ酸配列を含む、組成物を提供する。

ある種のさらなる実施形態において、本発明は、植物の有害生物に対抗するための農薬組成物であって、活性物質として、少なくとも2つのポリペプチドまたは80から200個のアミノ酸の少なくとも2つのアミノ酸配列を含む、組成物を提供する。

なおさらなる実施形態において、本発明は、植物の有害生物に対抗するための農薬組成物であって、少なくとも3つのポリペプチドまたは活性物質として80から200個のアミノ酸の少なくとも3つのアミノ酸配列を含む、組成物を提供する。

本発明に係る農薬組成物は、上記で定義されるように、植物の有害生物に対抗するための、本明細書において定義される農薬組成物であり、農薬組成物、より具体的には農薬組成物に含まれる上記で定義された活性物質は、1つ以上の植物、好ましくは作物における1つ以上の植物の有害生物の有害作用を干渉する、好ましくは低減するまたは阻むことができる。

こうして、一実施形態において、農薬組成物は、活性物質として、80から200個のアミノ酸のポリペプチドを含む。

より具体的な実施形態において、農薬組成物は、80から100個のアミノ酸、800から120個のアミノ酸、80から140個のアミノ酸、80−160個のアミノ酸または80から180個のアミノ酸のポリペプチドを含む。

なお別の実施形態において、農薬組成物は、100から200個のアミノ酸、100から180個のアミノ酸、100から160個のアミノ酸、100から150個のアミノ酸、100から140個のアミノ酸または100から120個のアミノ酸のポリペプチドを含む。

なお別の実施形態において、農薬組成物は、110から200個のアミノ酸、110から180個のアミノ酸、110から160個のアミノ酸、110から140個のアミノ酸または110から130個のアミノ酸のポリペプチドを含む。

なお別の実施形態において、農薬組成物は、120から200個のアミノ酸、120から180個のアミノ酸、120から160個のアミノ酸または120から140個のアミノ酸のポリペプチドを含む。なお別の実施形態において、農薬組成物は、140から200個のアミノ酸、140から180個のアミノ酸または140から160個のアミノ酸のポリペプチドを含む。

なお別の実施形態において、農薬組成物は、160から200個のアミノ酸または160から180個のアミノ酸のポリペプチドを含む。

本明細書に開示されている組成物に含まれる抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインは、天然に存在するポリペプチドに由来し得、あるいはそれらは完全に人工的に設計され得る。このような天然に存在するポリペプチドの非制限的な例としては、重鎖抗体(hcAb)が含まれる。

特に、本明細書に開示されている組成物に含まれる抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインは、単一ポリペプチド鎖からなり、翻訳後に修飾されない。より具体的には、本明細書に開示されている組成物に含まれる抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインは、自然免疫系または適応免疫系に由来し、好ましくは自然免疫系または適応免疫系のタンパク質に由来する。さらにより好ましくは、本明細書に開示されているように、本明細書に開示されている組成物に含まれる抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインは、免疫グロブリンに由来する。最も具体的には、本明細書に開示されている組成物に含まれる抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインは、4つのフレームワーク領域および3つの相補性決定領域またはそれらの任意の適切な断片(次に、これは、通常、少なくとも1つの相補性決定領域を形成する少なくともいくつかのアミノ酸残基を含有する。)を含む。具体的には、本明細書に開示されている組成物に含まれる抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインは、高収率で、好ましくは微生物の組換え発現系で産生するのが容易であり、その後に単離および/または精製するのに都合がよい。

特定の実施形態によれば、本発明は、限定されないが、真菌スフィンゴ脂質抗原または真菌スフィンゴ脂質標的などのスフィンゴ脂質抗原またはスフィンゴ脂質標的への結合に特に適している多数のアミノ酸残基のストレッチ(すなわち、小ペプチド)を提供する。

これらのアミノ酸残基のストレッチは、特に、本明細書に開示されている重鎖可変ドメインの抗原結合部位(の一部)を形成するように、その重鎖可変ドメインに存在し得、および/または組み込まれ得る。初めに、これらのアミノ酸残基のストレッチは、重鎖抗体などの抗体のCDR配列として、またはスフィンゴ脂質標的に対して生じたVHもしくはVHH配列のものである(または本明細書でさらに記載されるように、このようなCDR配列に基づき得、および/もしくはこれに由来し得る。)ので、これらはまた、概して、本明細書において「CDR配列」(すなわち、それぞれCDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列)と称される。しかしながら、本発明が最も広範な意味において、これらのアミノ酸残基のストレッチが、本明細書に開示されている重鎖可変ドメインをスフィンゴ脂質標的に特異的に結合させ得る限り、これらのアミノ酸残基のストレッチが明細書に開示されている重鎖可変ドメインにおいて有し得る特定の構造的役割または機能に限定されないことに留意すべきである。したがって、概して、本発明は最も広範な意味において、スフィンゴ脂質標的に結合することができ、本明細書に開示されているCDR配列の組み合わせを含む抗体の重鎖可変を含む農薬組成物に関する。

したがって、具体的ではあるが非限定的な実施形態において、本明細書に開示されている重鎖可変ドメイン配列は、本明細書に開示されているCDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインであり得る。特に、本明細書に開示されている重鎖可変ドメインは、少なくとも1つの抗原結合部位を含み得、該抗原結合部位は、本明細書に記載されているCDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列のうちの少なくとも1つの組み合わせを含む。

本明細書に開示されている農薬組成物に含まれ、これらのCDR配列の組み合わせの1つを有する任意の重鎖可変ドメインは、好ましくは、それがスフィンゴ脂質標的またはスフィンゴ脂質抗原に(本明細書において定義されるように)特異的に結合し得るようなものであり、より具体的には、それが、溶液中の該可変ドメインの解離定数(Kd)が10−8モル/リットル以下で、植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合するようなものである。

スフィンゴ脂質標的への重鎖可変ドメインの特異的な結合は、それ自体が公知の任意の適切な方法、例えば、バイオパニング、スキャッチャード解析および/または競合的結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)およびサンドイッチ競合アッセイ、ならびに当該技術分野において公知の様々なそれらの変法で決定され得る。

好ましい実施形態において、80から200個のアミノ酸のポリペプチドは、特定の有害生物標的分子に対する親和性選択によって得られ、該ポリペプチドは該有害生物標的分子に高親和性を有する:典型的には、ポリペプチドとその有害生物標的分子の間の結合の解離定数は10−5Mより低く、より好ましくは解離定数は10−6Mより低く、さらにより好ましくは解離定数は10−7Mより低く、最も好ましくは解離定数は10−8Mより低い。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている組成物中の抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメインは、溶液中の該可変ドメインの1.0μg/mL以下の該植物病原性真菌に対して最小阻害濃度(MIC)を有する。

特定の植物の有害生物標的に対する親和性選択によって得られる、80から200個のアミノ酸のポリペプチドまたは本明細書において先に開示された部分範囲のポリペプチドがまた本明細書に開示され、これは、約0.00001から1μMの最小阻害濃度で作物有害生物の増殖および/または活性を阻害することができる。具体的な実施形態において、最小阻害濃度は、0.0001から1μM、0.001から1μM、0.01から1μM、0.1から1μM、0.0001から0.1μM、0.001から0.1μM、0.01から0.1μM、0.00001から0.01μM、0.0001から0.01μM、0.001から0.01μMである。

最小阻害濃度値またはMIC値は、インキュベーション後の作物有害生物または植物の有害生物の視認できる増殖を阻害するポリペプチドなどの薬剤の最低濃度である。例えば、最小殺真菌濃度(MFC)は、24時間以内に99.90%まで増殖を妨げ、真菌接種を低減するポリペプチドの最低濃度としてみなされる。MFC(最小真菌濃度)は、寒天プレート上で決定され得るが、真菌の種類およびアッセイ条件に応じて、液体中(例えば、マイクロウェルプレート中)で都合よくは決定され得る。

さらなる特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、以下: 配列番号85を有するCDR1領域、配列番号169を有するCDR2領域および配列番号253を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号86を有するCDR1領域、配列番号170を有するCDR2領域および配列番号254を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号87を有するCDR1領域、配列番号171を有するCDR2領域および配列番号255を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号88を有するCDR1領域、配列番号172を有するCDR2領域および配列番号256を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号89を有するCDR1領域、配列番号173を有するCDR2領域および配列番号257を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号90を有するCDR1領域、配列番号174を有するCDR2領域および配列番号258を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号91を有するCDR1領域、配列番号175を有するCDR2領域および配列番号259を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号92を有するCDR1領域、配列番号176を有するCDR2領域および配列番号260を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号93を有するCDR1領域、配列番号177を有するCDR2領域および配列番号261を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号94を有するCDR1領域、配列番号178を有するCDR2領域および配列番号262を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号95を有するCDR1領域、配列番号179を有するCDR2領域および配列番号263を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号96を有するCDR1領域、配列番号180を有するCDR2領域および配列番号264を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号97を有するCDR1領域、配列番号181を有するCDR2領域および配列番号265を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号98を有するCDR1領域、配列番号182を有するCDR2領域および配列番号266を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号99を有するCDR1領域、配列番号183を有するCDR2領域および配列番号267を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号100を有するCDR1領域、配列番号184を有するCDR2領域および配列番号268を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号101を有するCDR1領域、配列番号185を有するCDR2領域および配列番号269を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号102を有するCDR1領域、配列番号186を有するCDR2領域および配列番号270を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号103を有するCDR1領域、配列番号187を有するCDR2領域および配列番号271を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号104を有するCDR1領域、配列番号188を有するCDR2領域および配列番号272を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号105を有するCDR1領域、配列番号189を有するCDR2領域および配列番号273を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号106を有するCDR1領域、配列番号190を有するCDR2領域および配列番号274を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号107を有するCDR1領域、配列番号191を有するCDR2領域および配列番号275を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号108を有するCDR1領域、配列番号192を有するCDR2領域および配列番号276を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号109を有するCDR1領域、配列番号193を有するCDR2領域および配列番号277を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号110を有するCDR1領域、配列番号194を有するCDR2領域および配列番号278を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号111を有するCDR1領域、配列番号195を有するCDR2領域および配列番号279を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号112を有するCDR1領域、配列番号196を有するCDR2領域および配列番号280を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号113を有するCDR1領域、配列番号197を有するCDR2領域および配列番号281を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号114を有するCDR1領域、配列番号198を有するCDR2領域および配列番号282を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号115を有するCDR1領域、配列番号199を有するCDR2領域および配列番号283を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号116を有するCDR1領域、配列番号200を有するCDR2領域および配列番号284を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号117を有するCDR1領域、配列番号201を有するCDR2領域および配列番号285を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号118を有するCDR1領域、配列番号202を有するCDR2領域および配列番号286を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号119を有するCDR1領域、配列番号203を有するCDR2領域および配列番号287を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号120を有するCDR1領域、配列番号204を有するCDR2領域および配列番号288を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号121を有するCDR1領域、配列番号205を有するCDR2領域および配列番号289を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号122を有するCDR1領域、配列番号206を有するCDR2領域および配列番号290を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号123を有するCDR1領域、配列番号207を有するCDR2領域および配列番号291を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号124を有するCDR1領域、配列番号208を有するCDR2領域および配列番号292を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号125を有するCDR1領域、配列番号209を有するCDR2領域および配列番号293を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号126を有するCDR1領域、配列番号210を有するCDR2領域および配列番号294を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号127を有するCDR1領域、配列番号211を有するCDR2領域および配列番号295を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号128を有するCDR1領域、配列番号212を有するCDR2領域および配列番号296を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号129を有するCDR1領域、配列番号213を有するCDR2領域および配列番号297を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号130を有するCDR1領域、配列番号214を有するCDR2領域および配列番号298を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号131を有するCDR1領域、配列番号215を有するCDR2領域および配列番号299を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号132を有するCDR1領域、配列番号216を有するCDR2領域および配列番号300を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号133を有するCDR1領域、配列番号217を有するCDR2領域および配列番号301を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号134を有するCDR1領域、配列番号218を有するCDR2領域および配列番号302を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号135を有するCDR1領域、配列番号219を有するCDR2領域および配列番号303を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号136を有するCDR1領域、配列番号220を有するCDR2領域および配列番号304を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号137を有するCDR1領域、配列番号221を有するCDR2領域および配列番号305を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号138を有するCDR1領域、配列番号222を有するCDR2領域およびアミノ酸配列NRYを有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号139を有するCDR1領域、配列番号223を有するCDR2領域および配列番号306を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号140を有するCDR1領域、配列番号224を有するCDR2領域および配列番号307を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号141を有するCDR1領域、配列番号225を有するCDR2領域および配列番号308を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号142を有するCDR1領域、配列番号226を有するCDR2領域および配列番号309を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号143を有するCDR1領域、配列番号227を有するCDR2領域および配列番号310を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号144を有するCDR1領域、配列番号228を有するCDR2領域および配列番号311を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号145を有するCDR1領域、配列番号229を有するCDR2領域および配列番号312を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号146を有するCDR1領域、配列番号230を有するCDR2領域および配列番号313を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号147を有するCDR1領域、配列番号231を有するCDR2領域および配列番号314を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号148を有するCDR1領域、配列番号232を有するCDR2領域および配列番号315を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号149を有するCDR1領域、配列番号233を有するCDR2領域および配列番号316を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号150を有するCDR1領域、配列番号234を有するCDR2領域および配列番号317を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号151を有するCDR1領域、配列番号235を有するCDR2領域および配列番号318を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号152を有するCDR1領域、配列番号236を有するCDR2領域および配列番号319を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号153を有するCDR1領域、配列番号237を有するCDR2領域および配列番号320を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号154を有するCDR1領域、配列番号238を有するCDR2領域および配列番号321を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号155を有するCDR1領域、配列番号239を有するCDR2領域および配列番号322を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号156を有するCDR1領域、配列番号240を有するCDR2領域および配列番号323を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号157を有するCDR1領域、配列番号241を有するCDR2領域および配列番号324を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号158を有するCDR1領域、配列番号242を有するCDR2領域および配列番号325を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号159を有するCDR1領域、配列番号243を有するCDR2領域および配列番号326を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号160を有するCDR1領域、配列番号244を有するCDR2領域および配列番号327を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号161を有するCDR1領域、配列番号245を有するCDR2領域および配列番号328を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号162を有するCDR1領域、配列番号246を有するCDR2領域および配列番号329を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号163を有するCDR1領域、配列番号247を有するCDR2領域および配列番号330を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号164を有するCDR1領域、配列番号248を有するCDR2領域および配列番号331を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号165を有するCDR1領域、配列番号249を有するCDR2領域および配列番号332を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号166を有するCDR1領域、配列番号250を有するCDR2領域および配列番号333を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号167を有するCDR1領域、配列番号251を有するCDR2領域および配列番号334を有するCDR3領域、ならびに/または 配列番号168を有するCDR1領域、配列番号252を有するCDR2領域および配列番号335を有するCDR3領域 の群から選択される少なくとも1つのCDR配列の組み合わせを含む抗体の重鎖可変ドメインを少なくとも含む。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている組成物中の抗体の重鎖可変ドメインは、本質的には4つのフレームワーク領域(それぞれFR1からFR4)および3つの相補性決定領域(それぞれCDR1からCDR3)からなる重鎖可変ドメイン;またはこのような重鎖可変ドメインの任意の適切な断片(次に、これは、通常、本明細書においてさらに記載される、CDRの少なくとも1つを形成する少なくともいくつかのアミノ酸残基を含有する。)である。

本明細書に開示されている重鎖可変ドメインは、特に、従来の4本鎖抗体由来の重鎖可変ドメイン配列(例えば、限定されないが、ヒト抗体由来のVH配列)であり得、またはいわゆる「重鎖抗体」(本明細書に定義される。)由来のいわゆるVHH配列(本明細書に定義される。)であり得る。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている組成物は、抗体の重鎖可変ドメイン配列またはその機能的断片、例えば、限定されないが、ラクダ化重鎖抗体またはその機能的断片を少なくとも含み、該可変ドメイン配列は、ラクダ化重鎖抗体の重鎖可変ドメイン(VHH)であり得る。

しかしながら、本発明は、本明細書に開示されている組成物に含まれる重鎖可変ドメイン(またはそれを発現させるために使用される本発明のヌクレオチド配列)の起源に限定されず、および該重鎖可変ドメインまたはそのヌクレオチド配列が生じ(もしくは生じた)または得られる(もしくは得られた)方法に限定されない。したがって、本明細書に開示されている重鎖可変ドメインは、(任意の適切な種由来の)天然に存在する重鎖可変ドメインまたは合成もしくは半合成の重鎖可変ドメインであってもよい。具体的であるが非限定的な本発明の実施形態において、重鎖可変ドメインは、(任意の適切な種由来の)天然に存在する免疫グロブリン配列または合成もしくは半合成の免疫グロブリン配列であり、例えば、限定されないが、「ラクダ化」免疫グロブリン配列、親和性成熟(例えば、合成、ランダムもしくは天然に存在する免疫グロブリン配列から開始する)、CDRグラフト化、ベニヤリング(veneering)、異なる免疫グロブリン配列由来の断片の組合せ、重複プライマーを使用したPCRアセンブリ、および当業者に周知の免疫グロブリン配列を遺伝子操作する同様の技術;または上記のいずれかの任意の適切な組み合わせなどの技術によって得られた免疫グロブリン配列が含まれる。

本明細書に開示されている組成物の重鎖可変ドメイン配列は、特に、ドメイン抗体(もしくはドメイン抗体としての使用に適している重鎖可変ドメイン)、単一ドメイン抗体(もしくは単一ドメイン抗体としての使用に適している重鎖可変ドメイン)、または「dAb」(dAbとしての使用に適した重鎖可変ドメイン);他の単一可変ドメイン、またはそれらのいずれか1つの任意の適切な断片であり得る。また、(単一)ドメイン抗体の一般的な説明に関して、上記で引用された従来技術ならびにEP0368684を参照されたい。用語「dAb」に関して、例えば、Wardら(Nature 1989 Oct 12;341(6242):544−6)、Holtら、Trends Biotechnol.,2003,21(11):484−490、ならびに、例えば、WO06/030220、WO06/003388およびDomantis Ltd.の他の公開された特許出願を参照されたい。

したがって、具体的な実施形態において、本発明は、(一般的な)構造: FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4 を有する重鎖可変ドメインを提供し、FR1からFR4はそれぞれフレームワーク領域1から4を指し、CDR1からCDR3はそれぞれ相補性決定領域1から3を指し、本明細書においてさらに定義される。

配列番号1から84(表1参照)は、スフィンゴ脂質標的に対して、特にグルコシルセラミドに対して生じた多数の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列を与える。

特に、いくつかの特定の実施形態における発明は、スフィンゴ脂質標的に対して指向され、配列番号1から84(表1参照)の重鎖可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、例えば、90%もしくは95%またはそれを超える配列同一性を有する少なくとも1つの重鎖可変ドメイン、およびこのような重鎖可変ドメインをコードする核酸配列を含む農薬組成物を提供する。

本明細書に開示されているいくつかの特に好ましい重鎖可変ドメイン配列は、有害生物に結合することができおよび/または植物病原体のスフィンゴ脂質に対して指向され、配列番号1から84(表1参照)の重鎖可変ドメインの少なくとも1つと少なくとも90%のアミノ酸同一性を有するものであって、アミノ酸同一性の程度を決定する目的では、CDR配列を形成するアミノ酸残基が無視される。

これらの重鎖可変ドメインにおいて、CDR配列(表2参照)は、概して、本明細書においてさらに定義される通りである。

再度、このような重鎖可変ドメインは、任意の適切な方法で任意の適切な供給源から誘導されてもよく、例えば、天然に存在するVHH配列(すなわち、ラクダの適切な種由来)または合成もしくは半合成の重鎖可変ドメインであってもよく、例えば、限定されないが、「ラクダ化」免疫グロブリン配列(特にラクダ化可変ドメイン配列)、ならびに、親和性成熟(例えば、合成、ランダムもしくは天然に存在する免疫グロブリン配列から開始する。)、CDRグラフト化、ベニヤリング、異なる免疫グロブリン配列由来の断片の組合せ、重複プライマーを使用したPCRアセンブリ、および当業者に周知の免疫グロブリン配列を遺伝子操作する同様の技術;または本明細書においてさらに記載される上記のいずれかの任意の適切な組み合わせなどの技術によって得られたものが含まれる。

本明細書に開示されている農薬組成物または生物防除組成物は、保存中と利用中の両方において安定であることが理解され、これは、農薬組成物の完全性が、温度上昇、凍結−融解サイクル、pH変化またはイオン強度、UV照射、有害な化学物質の存在などを含み得る、農薬組成物の保存条件および/または利用条件下で維持されることを意味する。より好ましくは、80から200個のアミノ酸のポリペプチドおよび本明細書に記載されている部分範囲のポリペプチドは、農薬組成物において安定な状態のままであり、これは、ポリペプチドの完全性および殺生活性が、温度上昇、凍結−融解サイクル、pH変化またはイオン強度、UV照射、有害な化学物質の存在などを含み得る、農薬組成物の保存条件および/または利用条件下で維持されることを意味する。最も好ましくは、80から200個のアミノ酸の該ポリペプチドおよび本明細書に記載されている様々な部分範囲のポリペプチドは、農薬組成物が周囲温度で2年間保存される場合、または農薬組成物が54℃で2週間保存される場合、農薬組成物において安定な状態のままである。好ましくは、本発明の農薬組成物は、少なくとも約70%活性、より好ましくは少なくとも約70%から80%活性、最も好ましくは約80%から90%活性またはそれを超える状態である。場合により、ポリペプチドは、農薬組成物における他の成分によって引き起こされる有害作用から、または保存中もしくは応用中の有害作用からポリペプチドを保護するために、定義されるように、担体中に含まれ得る。適切な担体の例としては、限定されないが、アルギン酸塩、粘剤、デンプン、6−シクロデキストリン、セルロース、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリエステル、微生物細胞または粘土が挙げられる。

農薬組成物は、製剤のいずれかのタイプで生じ得てもよく、好ましい製剤は、粉末、湿潤性粉末、湿潤性顆粒、水分散性顆粒、エマルション、乳剤、粉剤、懸濁剤、懸濁濃縮剤、サスポエマルション(懸濁剤とエマルションの混合物)、カプセル懸濁剤、水性分散剤、油性分散剤、エアロゾル、ペースト、フォーム、スラリーまたは流動性濃縮物である。

80から200個のアミノ酸のポリペプチド、および先に本明細書に記載されている様々な部分範囲のポリペプチドは、本発明による農薬または生物防除組成物における唯一の活性物質であってもよい;しかしながら、また、農薬組成物は、ポリペプチドまたはアミノ酸配列(または本明細書に開示されている少なくとも1つの少なくとも2つのもしくは少なくとも3つのポリペプチドまたはアミノ酸配列)に加えて、定義されるように、1つ以上のさらなる農薬を含むことが可能である。このような追加の農薬または生物防除組成物は、ポリペプチドまたはアミノ酸配列として植物の有害生物において異なる効果を有してもよく、それらは、ポリペプチドまたはアミノ酸配列と相乗効果を有してもよく、またはある種の植物におけるポリペプチドもしくはアミノ酸配列の活性をさらに修飾してもよい。適切な追加の農薬は、除草剤、殺虫剤(insecticide)、殺菌剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤(bactericide)、殺ウイルス剤、植物生長調節剤、薬害軽減剤などであり得、限定されないが、グリホサート、パラコート、メトラクロール、アセトクロール、メソトリオン、2,4−D,アトラジン、グルホシネート、スルホサート、フェノキサプロップ、ペンジメタリン、ピクロラム、トリフルラリン、ブロモキシニル、クロジナホップ、フルロキシピル、ニコスルフロン、ベンスルフロン、イマゼタピル、ジカンバ、イミダクロプリド、チアメトキサム、フィプロニル、クロルピリホス、デルタメトリン、ラムダ−シハロトリン、エンドスルファン、メタミドホス、カルボフラン、クロチアニジン、シペルメトリン、アバメクチン、ジフルフェニカン、スピノサド、インドキサカルブ、ビフェントリン、テフルトリン、アゾオキシストロビン、チアメトキサム、テブコナゾール、マンコゼブ、シアゾファミド、フルアジナム、ピラクロストロビン、エポキシコナゾール、クロロタロニル、銅殺菌剤、トリフロキシストロビン、プロチオコナゾール、ジフェノコナゾール、カルベンダジム、プロピコナゾール、チオファネート、硫黄、ボスカリドおよび他の公知の農薬またはこれらの任意の適切な組合せを含む。

[重鎖可変ドメイン配列の改変体を含む組成物] ある種の態様において、本明細書に開示されている農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインは、場合により、1つ以上のリンカーを介して1つ以上のさらなる基、部分または残基に連結されてもよい。これらの1つ以上のさらなる基、部分または残基は、目的の他の標的に結合するために役立ち得る。このようなさらなる基、残基、部分および/もしくは結合部位は、本明細書に開示されている重鎖可変ドメインに対して(および/もしくは重鎖可変ドメインが存在する組成物に対して)さらなる官能性を与えてもよくまたは与えなくてもよく、本明細書に開示されている重鎖可変ドメインの特性を修飾してもよくまたは修飾しなくてもよいことは明らかになるべきである。このような基、残基、部分または結合単位はまた、例えば、生物学的活性であり得る化学基であってもよい。

これらの基、部分または残基は、特定の実施形態において、本明細書に開示されている組成物中の重鎖可変ドメインにN末端またはC末端で連結される。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物中の重鎖可変ドメインはまた、化学的に修飾されていてもよい。例えば、このような修飾は、重鎖可変ドメイン中にまたはその上に1つ以上の官能基、残基もしくは部分の導入または連結を伴ってもよい。これらの基、残基または部分は、重鎖可変ドメインに対して1つ以上の所望の特性または官能性を付与し得る。このような官能基の例は当業者に明らかである。

例えば、重鎖可変ドメインへのこのような官能基の導入または連結は重鎖可変ドメインの溶解性および/または安定性の増加、重鎖可変ドメインの毒性の減少、もしくは重鎖可変ドメインの任意の望ましくない副作用の排除もしくは減衰、および/または他の有益な特性をもたらし得る。

特定の実施形態において、1つ以上の基、残基、部分は、1つ以上の適切なリンカーまたはスペーサーを介して重鎖可変ドメインに連結される。

さらなる特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物中の2つ以上の標的特異的重鎖可変ドメインは、互いに連結され得、または相互接続され得る。特定の実施形態において、2つ以上の重鎖可変ドメインは、1つ以上の適切なリンカーまたはスペーサーを介して互いに連結される。本明細書において開示されている異なる重鎖可変ドメインのカップリングにおいて使用するための適切なスペーサーまたはリンカーは、当業者に明らかであり、概して、ペプチドおよび/またはタンパク質に連結するための当該技術分野において使用される任意のリンカーまたはスペーサーであり得る。

いくつかの特に適切なリンカーまたはスペーサーとしては、例えば、限定されないが、ポリペプチドリンカー、例えば、グリシンリンカー、セリンリンカー、混合グリシン/セリンリンカー、グリシンおよびセリンリッチリンカーもしくは主として極性ポリペプチド断片で構成されるリンカー、またはホモもしくはヘテロの二機能性化学架橋化合物、例えばグルタルアルデヒド、または場合によりPEG間隔、マレイミドまたはNHSエステルが挙げられる。

例えば、ポリペプチドリンカーまたはスペーサーは、1から50個のアミノ酸、例えば、1から30個、特に1から10個のアミノ酸残基の長さを有する適切なアミノ酸配列であり得る。長さ、柔軟性の程度および/またはリンカー(単数もしくは複数)の他の特性は、重鎖可変ドメインの特性におけるいくらかの影響を有し得て、例えば、限定されないが、真菌標的の親和性、特異性または結合性が挙げられることは明らかになるべきである。2つ以上のリンカーが使用される場合、これらのリンカーは同一または異なっていてもよいことは明らかになるべきである。本発明の文脈および開示において、当業者は、何ら過度の実験上の負担なしに、本明細書に開示されている重鎖可変ドメインをカップリングさせる目的で、最適なリンカーを決定することができる。

[重鎖可変ドメインの断片を含む組成物] 本発明はまた、本明細書に開示されている組成物に含まれる重鎖可変ドメインの部分、断片、アナログ、変異体、改変体および/または誘導体を包含し、ならびに/またはこれらの部分、断片、アナログ、変異体、改変体および/または誘導体が本明細書において想定される目的に適切である限り、このような部分、断片、アナログ、変異体、改変体および/もしくは誘導体の1つ以上を含むまたはそれらから本質的になるポリペプチドを包含する。本発明に係るこのような部分、断片、アナログ、変異体、改変体および/または誘導体は、なおもスフィンゴ脂質標的に特異的に結合することができる。

[標的] 特定の実施形態において、本明細書に開示されている組成物に含まれる重鎖可変ドメインは、特定の有害生物標的に対する親和性選択によって得られる。特定の有害生物標的に対する親和性選択によって適切なポリペプチドを得ることは、例えば、有害生物標的分子が農薬に対する標的であることが当該技術分野において耕地である該分子に対する結合に対して、細胞の表面でポリペプチドを発現する細胞(例えば、バクテリオファージ)のセット、コレクションまたはライブラリーをスクリーニングすることによって行われてもよく;それらの全ては、それ自体で公知の方法で行われてもよく、本質的には、以下の非制限的なステップ:a)農薬に対する標的であることが公知である有害生物標的分子の単離された溶液または懸濁液を得るステップ;b)該標的分子に対するポリペプチドライブラリーからファージまたは他の細胞をバイオパニングするステップ;c)標的分子に結合するファージまたは他の細胞を単離するステップ;d)個々の結合ファージまたは他の細胞からポリペプチドインサートをコードするヌクレオチド配列を決定するステップ;e)組換えタンパク質発現を用いてこの配列に従ってある量のポリペプチドを生成するステップ、およびf)該有害生物標的について該ポリペプチドの親和性を決定するステップ;場合によりg)該有害生物に対するバイオアッセイにおいて該ポリペプチドの殺虫活性を試験することを含む。ポリペプチドと有害生物標的分子の間の親和性を決定するために様々な方法が用いられ得、例えば、酵素結合免疫吸着法(ELISA)または表面プラズミン共鳴(SPR)アッセイが挙げられ、これらは、例えば、Sambrookら(2001),Molecular Cloning,A Laboratory Manual.Third Edition.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NYに記載されるように、当該技術分野において一般的な方法である。解離定数は、通常、ポリペプチドとその有害生物標的分子の間の親和性を決定するために使用される。典型的には、ポリペプチドとその有害生物標的分子の間の結合の解離定数は10−5Mよりも低く、より好ましくは解離定数は10−6Mよりも低く、さらにより好ましくは10−7Mよりも低く、最も好ましくは解離定数は10−8Mよりも低い。

本明細書に開示されている有害生物標的分子は、有害生物中でまたはその上で生じる分子であり、それは、結合および/または阻害された場合、該有害生物を死滅させまたはその増殖もしくは殺虫活性を阻み、阻害しまたは低減させる。このような適切な標的分子は、当業者にとって既存の文献または特許データベースから容易に利用可能であり、限定されないが、分泌型寄生虫タンパク質を含み、例えば、根こぶ線虫に関して適切な有害生物標的分子としての16D10(Huangら(2006)PNAS 103:14302−14306)、甲虫目、半翅目、双翅目昆虫種および線虫に関して適切な有害生物標的分子としてのV−ATPaseプロトンポンプ(Knight AJ and Behm CA(2011)Ex.Parasitol.Sept 19)、B.シネレア(B.cinerea)およびM.グリセア(M.grisea)に関して適切な真菌有害生物標的分子としてテトラスパニンPLS1(Gourguesら(2002)Biochem.Biophys.Res.Commun.297:1197)または抗真菌性標的としてプロトン−ポンピング−ATPase(Manavathu EKら(1999)Antimicrob Agents and Chemotherapy,Dec p.2950)が挙げられる。好ましい有害生物標的分子は、細胞外空間(細胞内有害生物標的とは対照的である)に接近可能であることが理解される。

より具体的には、本明細書に開示されている農薬組成物の少なくとも1つの重鎖可変ドメインが結合するスフィンゴ脂質標的は、長鎖(単不飽和)のジヒドロキシアミン構造(スフィンゴシン)によって特徴付けられる膜脂質の特徴的な基を構成する。スフィンゴ脂質は、細胞の原形質膜の本質的成分であり、そこでは、典型的には外葉に見出される。それらは、いくつかの細菌群、特に嫌気性菌の膜構成成分である。これらの群には、バクテロイデス(Bacteroides)、プレボテラ(Prevotella)、ポルフィロモナス(Porphyromonas)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スフィンゴバクテリウム(Sphingobacterium)、ブデロビブリオ(Bdellovibrio)、キストバクター(Cystobacter)、マイコプラズマ(Mycoplasma)、フレクトバチルス(Flectobacillus)およびおそらくアセトバクター(Acetobacter)が含まれる。スフィンゴ脂質が発見された真菌には、サッカロミセス(Saccharomyces)、カンジダ(Candida)、ヒストプラズマ(Histoplasma)、フィトフトラ(Phytophthora)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、アスペルギルス(Aspergillus)、ニューロスポラ(Neurospora)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)、フシコッカム(Fusicoccum)、シゾフィラム(Shizophyllum)、アマニタ(Amanita)、ハンゼヌラ(Hansenula)、ラクタリウス(Lactarius)、レンチヌス(Lentinus)、ペニシリウム(Penicillium)、クリトシベ(Clitocybe)、パラコクシジオイデス(Paracoccidioides)、アガリクス(Agaricus)、スポロトリクス(Sporothrix)および卵菌類植物病原体が含まれる。

真菌スフィンゴ脂質の基本的な構成単位はスフィンガニンであり、これは、セラミド、最終的にはセラミドモノヘキソニド(CMH;セレブロシド)に変換され、またはフィトセラミド、最終的にはセラミドジヘキソニド(CDH)に変換され、またはグリコイノシトールホスホリルセラミド(GIPC)に変換され得る。本明細書に開示されている組成物の少なくとも1つの重鎖可変抗体ドメインが指向されるスフィンゴ脂質の非制限的な例としては、例えば、9−メチル 4,8−スフィンガジエニン、グリコシルセラミド、グルコシルセラミド、モノグルコシルセラミド、オリゴグルコシルセラミド、ガングリオシド、スルファチド、セラミド、スフィンゴシン−1−ホスフェート、セラミド−1−ホスフェート、ガラクトシルセラミド、イノシトール−ホスホリルセラミド(IPC)、マンノシル−イノシトール−ホスホリルセラミド(MIPC)、ガラクトシル−イノシトール−ホスホリルセラミド、マンノシル−(イノシトールホスホリル)2−セラミド(M(IP)2C)、ジマンノシル−イノシトール−ホスホリルセラミド(M2IPC)、ガラクトシル−ジマンノシル−イノシトール−ホスホリルセラミド(GalM2IPC)、マンノシル−ジ−イノシトール−ジホスホリルセラミド、ジ−イノシトール−ジホスホリルセラミド、トリガラクトシルグリコシルセラミドが挙げられる。

本明細書に開示されている組成物の少なくとも1つの重鎖可変ドメインが指向されるスフィゴ脂質の非制限的な例としては、例えば、グリコシルセラミド、グルコシルセラミド、スフィンゴミエリン、モノグリコシルセラミド、オリゴグリコシルセラミド、ガングリオシド、スルファチド、セラミド、スフィンゴシン−1−ホスフェートおよびセラミド−1−ホスフェートが挙げられる。

ある種の具体的な実施形態において、本発明の農薬組成物中の可変ドメインが結合する標的はキチンではない。

好ましい実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物または生物防除組成物によって対抗される植物の有害生物または複数の有害生物は、真菌であり、例えば、先に定義された植物病原性真菌である。真菌は、植物に非常に有害であり得て、作物にかなりの収穫損失を引き起こす可能性がある。植物病原性真菌には、壊死栄養性真菌および生体栄養性真菌が含まれ、子嚢菌類、担子菌類および卵菌類が挙げられる。

植物病原性真菌の例は、当該技術分野において公知であり、限定されないが、 アルテルナリア属;アスコキタ属;ボトリチス属;セルコスポラ属;コレトトリクム属;ジプロジア属;エリシフェ属;フサリウム属;レプトスファエリア属;ゴウマノマイセス属;ヘルミントスポリウム属;マクロホミナ属;ネクトリア属;ペロノスポラ属;ホマ属;フィマトトリクム属;フィトフトラ属;プラスモパラ属;ポドスファエラ属;プッシニア属;プチウム属(Puthium);ピレノホラ属;ピリクラリア属;ピシウム属;リゾクトニア属;スセロチウム属;スクレロチニア属;セプトリア属;チエラビオプシス属;ウンシヌラ属;ベンツリア属;およびベルチシリウム属からなる群から選択されるものが含まれる。本発明の農薬組成物を用いて対抗し得る植物真菌感染の具体的な例としては、穀物におけるエリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)、ウリ科植物におけるエリシフェ・シコラセアラム(Erysiphe cichoracearum)およびスファエロテカ・フリジネア(Sphaerotheca fuliginea)、リンゴにおけるポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha)、つる植物におけるウンシヌラ・ネカタトール(Uncinula necator)、穀物におけるプチニア属種(Puccinia sp.)、綿、ジャガイモ、コメおよびシバにおけるリゾクトニア属種(Rhizoctonia sp.)、穀物およびサトウキビにおけるウスチラゴ属種(Ustilago sp.)、リンゴにおけるベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)(黒星病)、穀物におけるヘルミントスポリウム属種(Helminthosporium sp.)、コムギにおけるセプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)、コムギにおけるセプトリア・トリチシ(Septoria tritici)、オオムギにおけるリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)、イチゴ、トマトおよびブドウにおけるボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色カビ病)、ラッカセイにおけるセルコスポラ・アラキジコラ(Cercospora arachidicola)、タバコにおけるペロノスポラ・タバシナ(Peronospora tabacina)または種々の農作物における他のペロノスポラ(Peronospora)、コムギおよびオオムギにおけるシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)、オオムギにおけるピレノフェラ・テレス(Pyrenophera teres)、コメにおけるピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)、ジャガイモおよびトマトにおけるフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)、種々の植物におけるフサリウム属種(Fusarium sp.)(フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)など)および種々の植物におけるベルチシリウム属種(Verticillium sp.)、ブドウにおけるプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)、果物および野菜におけるアルタナリア属種(Alternaria sp.)、キュウリにおけるシュードペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)、バナナにおけるマイコスファエレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)、ヒヨコマメにおけるアスコチタ属種(Ascochyta sp.)、アブラナにおけるレプトスファエリア属種(Leptosphaeria sp.)および種々の農作物におけるコレオトリカム属種(Colleotrichum sp.)が挙げられる。本発明による組成物は、通常に感受性があり耐性の種に対して活性があり、植物病原性真菌のライフサイクルにおける全てのまたはいくつかの段階に対して活性がある。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、アルテルナリア属、アスコキタ属、ボトリチス属、セルコスポラ属、コレトトリクム属、ジプロジア属、エリシフェ属、フサリウム属、レプトスファエリア属、ゴウマノマイセス属、ヘルミントスポリウム属、マクロホミナ属、ネクトリア属、ペニシリウム属、ペロノスポラ属、ホマ属、フィマトトリクム属、フィトフトラ属、プラスモパラ属、ポドスファエラ属、プッシニア属、ピレノホラ属、ピリクラリア属、ピシウム属、リゾクトニア属、スセロチウム属、スクレロチニア属、セプトリア属、チエラビオプシス属、ウンシヌラ属、ベンツリア属、ベルチシリウム属、マグナポルテ属、ブルメリア属、ミコスファエレラ属、ウスチラゴ属、メラムプソラ属、ファコスポラ属、モニリニア属、ムコール属、リゾプス属およびアスペルギルス属を含む群から選択される属の植物病原性真菌に対して指向される。

ある種の特定の実施形態において、本明細書に開示されている組成物は、真菌種のボトリチス(Botrytis)、フサリウム(Fusarium)またはペニシリウム(Penicillium)由来の真菌のスフィンゴ脂質に特異的に結合する重鎖可変ドメインを少なくとも含む。さらなる特定の実施形態において、真菌スフィンゴ脂質はセラミドであり、例えば、具体的にはグルコシルセラミドである。

実際に、特定の実施形態において、本発明は、真菌の構造分子成分、すなわち、真菌スフィンゴ脂質に対して特異的に指向される重鎖可変ドメインを含む農薬組成物を与える。本発明者らは、驚くことに、このような重鎖可変ドメインの同定に成功したが、一方、非タンパク質分子構造との特徴的および特異的相互作用を有するタンパク質またはアミノ酸配列を生じさせることは(技術的に)困難であることは一般的に当該技術分野において記載されている。

本技術に基づいて、適切な真菌有害生物標的分子のさらなる非制限的な例は、当業者によって想定され得、例えば、キチンシンターゼ、β−1,3−グルカンシンターゼ、コハク酸デヒドロゲナーゼ、真菌グリコシルセラミドまたはテトラスパニンPLS1を含む。

また本明細書には植物病原性細菌が開示され、例えば、限定されないが、アシドボラクス・アベナエ亜属種アベナエ(Acidovorax avenae subsp.avenae)(コメの褐縞細菌病(bacterial brown stripe)を生じる。)、アシドボラクス・アベナエ亜属種カトレイエ(Acidovorax avenae subsp.cattleyae)(カトレアの褐斑細菌病を生じる。)、アシドボラクス・コンジャシ・コンニャク(Acidovorax konjaci Konnyaku)(白葉枯病を生じる。)、アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)(メロンの毛根を生じる。)、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)(根頭癌腫病を生じる。)、ブルコルデリア・アンドロポゴニス(Burkholderia andropogonis)(カーネーションの斑点細菌病を生じる。)、ブルコルデリア・カリオフィリ(Burkholderia caryophylli)(カーネーションの青枯病を生じる。)、ブルコルデリア・カペシア(Burkholderia cepacia)(シンビジウムの褐斑細菌病を生じる。)、ブルコルデリア・グラジオリpv.グラジオリ(Burkholderia gladioli pv.gladioli)(グラジオラスのいもち病を生じる。)、ブルクホルデリア・グルマエ(Burkholderia glumae)(コメのモミ枯細菌病を生じる。)、ブルコルデリア・プランタリ(Burkholderia plantarii)(コメの細菌性種子枯病(bacterial seedling blight)を生じる。)、クラビバクター・ミシガネンシス亜属種ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis subsp.michiganensis)(トマトの潰瘍病を生じる。)、クラビバクター・ミシガネンシス亜属種セペドニカス(Clavibacter michiganensis subsp. sepedonicus)(ジャガイモの輪腐病を生じる。)、クロストリジウム属種(Clostridium spp.)(ジャガイモの粘液性腐敗(slimy rot)を生じる。)、クルトバクテリウム・フラクムファシエンス(Curtobacterium flaccumfaciens)(タマネギの潰瘍病を生じる。)、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)(西洋ナシの火傷病を生じる)、エルウィニア・アナナス(Erwinia ananas)(コメの細菌性内えい褐色化を生じる。)、エルウィニア・カロトボラ亜属種アトロセプティカ(Erwinia carotovora subsp.atroseptica)(ジャガイモの黒脚病を生じる。)、エルウィニア・カロトボラ亜属種カロトボラ(Erwinia carotovora subsp.carotovora)(野菜の細菌性軟腐病を生じる。)、エルウィニア・クリサンテミ(Erwinia chrysanthemi)(タロイモの細菌性種子枯病を生じる。)、エルウィニア・クリサンテミpv.ゼアエ(Erwinia chrysanthemi pv.zeae)(コメの細菌性腐症を生じる。)、エルウィニア・ヘルビコラpv.ミレティアエ(Erwinia herbicola pv. millettiae)(フジの細菌性瘤を生じる。)、シュードモナス・シコリー(Pseudomonas cichorii)(キクの斑点細菌病を生じる。)、シュードモナス・コルゲート・ピッチ(Pseudomonas corrugate Pith)(トマトの壊死を生じる。)、シュードモナス・フスコバギナエ(Pseudomonas fuscovaginae)(コメの鞘褐色腐敗病を生じる。)、シュードモナス・マルギナリスpv.マルギナリス(Pseudomonas marginalis pv. marginalis)(キャベツの軟腐病を生じる。)、シュードモナス・ルブリスバルビカンス(Pseudomonas rubrisubalbicans)(サトウキビの斑状縞を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.アプタタ(Pseudomonas syringae pv.aptata)(サトウダイコンの斑点細菌病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.アトロプルプレア(Pseudomonas syringae pv.atropurpurea)(ライグラスのかさ枯病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.カスタネアエ(Pseudomonas syringae pv.castaneae)(クリの潰瘍病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.グリシネア(Pseudomonas syringae pv.glycinea)(ダイズの斑点細菌病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv.lachrymans)(キュウリの斑点細菌病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.マクリコラ(Pseudomonas syringae pv.maculicola)(キャベツの細菌性黒斑病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.モリ(Pseudomonas syringae pv.mori)(クワの斑点細菌病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.モルスプルノラム(Pseudomonas syringae pv.morsprunorum)(プラムの潰瘍病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.オリザエ(Pseudomonas syringae pv.oryzae)(コメのかさ枯病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.ファセオリコラ(Pseudomonas syringae pv.phaseolicola)(インゲンマメのかさ枯病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.ピシ(Pseudomonas syringae pv. pisi)(エンドウの斑点細菌病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.セサミ(Pseudomonas syringae pv.sesame)(ゴマの斑点細菌病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.ストリアファシエンス(Pseudomonas syringae pv.striafaciens)(オートムギの細菌性縞枯病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.シリンゲ(Pseudomonas syringae pv. syringae)(小レッドビーズの細菌性褐斑病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.タバシ(Pseudomonas syringae pv. tabaci)(タバコの野火病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.テアエ(Pseudomonas syringae pv. theae)(茶の細菌性新芽枯病を生じる。)、シュードモナス・シリンゲpv.トマト(Pseudomonas syringae pv.tomato)(トマトの細菌性斑点病を生じる。)、シュードモナス・ビリジフラバ(Pseudomonas viridiflava)(インゲンマメの細菌性褐斑病を生じる。)、ラルストニア・ソラナセアラム(Ralstonia solanacearum)(青枯病を生じる。)、ラタイバクター・ラタイ(Rathayibacter rathayi)(オーチャードグラスの細菌性胴枯病を生じる。)、ストレプトマイセス・スカビエス(Streptomyces scabies)(ジャガイモのそうか病を生じる。)、ストレプトマイセス・イポモエア(Streptomyces ipomoea)(サツマイモの瘡痂病を生じる。)、キサントモナス・アルビリネアンス(Xanthomonas albilineans)(サトウキビの白い筋を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.セレアリス(Xanthomonas campestris pv. cerealis)(ライムギの細菌性の筋を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.カンペストリス(Xanthomonas campestris pv. campestris)(黒斑病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.シトリ(Xanthomonas campestris pv. citri)(柑橘類の癌腫病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.ククルビタエ(Xanthomonas campestris pv. cucurbitae)(キュウリの細菌性褐斑病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.グリシネス(Xanthomonas campestris pv. glycines)(ダイズの葉焼病(bacterial pastule)を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.インカナエ(Xanthomonas campestris pv. incanae)(幹の黒斑病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.(Xanthomonas campestris pv.)(綿マルバセアラム(cotton malvacearum)の斑病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.(Xanthomonas campestris pv.)(マンゴーの潰瘍病を生じる。)、マンギッフェラエインジカエ・キサントモナス・カンペストリスpv.メレア(Mangiferaeindicae Xanthomonas campestris pv.mellea)(タバコの細菌性斑点病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.(Xanthomonas campestris pv.)(グレートナイグロマキュランスゴボウ(great nigromaculans burdock)の斑点細菌病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.ファセオリ(Xanthomonas campestris pv.phaseoli)(インゲンマメの葉焼病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.ピシ(Xanthomonas campestris pv.pisi)(インゲンマメの細菌性菌核病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.プルニ(Xanthomonas campestris pv.pruni)(モモの細菌性穿孔病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.ラファニ(Xanthomonas campestris pv.raphani)(ダイコンの斑点細菌病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.リシニ(Xanthomonas campestris pv. ricini)(トウゴマの斑点細菌病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.テイコラ(Xanthomonas campestris pv.theicola)(茶の潰瘍病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.トランスルセンス(Xanthomonas campestris pv.translucens)(オーチャードグラスの斑点細菌病を生じる。)、キサントモナス・カンペストリスpv.ベシカトリア(Xanthomonas campestris pv.vesicatoria)(トマトの斑点細菌病を生じる。)、キサントモナス・オリザエpv.オリザエ(Xanthomonas oryzae pv.oryzae)(コメの細菌性黒葉枯病を生じる。)が挙げられる。

また本明細書には、植物の有害生物、例えば、農業、園芸、森林、庭園および余暇施設において遭遇する、昆虫、クモ、蠕虫、ウイルス、線虫および軟体動物が開示されている。本発明に係る組成物は、通常、感受性および耐性がある種に対してならびにすべてまたは一部の発育段階に対して活性がある。これらの植物の有害生物としては、門:節足動物門(Arthropoda):特にクモ類(arachnid)の綱から、例えばアカルス属種(Acarus spp.)、アケリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アムブリュオンマ属種(Amblyomma spp.)、アムピテトラニュクス・ウィエンネンシス(Amphitetranychus viennensis)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオピルス属種(Boophilus spp.)、ブレウィパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリュオビア・プラエティオサ(Bryobia praetiosa)、ケントルロイデス属種(Centruroides spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニュッスス・ガッリナエ(Dermanyssus gallinae)、デルマトパゴイデス・プテロニュッシウス(Dermatophagoides pteronyssius)、デルマトパゴイデス・ファリナエ(Dermatophagoides farinae)、デルマケントル属種(Dermacentor spp.)、エオテトラニュクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピュリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニュクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオピュエス属種(Eriophyes spp.)、ハロティデウス・デストルクトル(Halotydeus destructor)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、フュアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクトゥス属種(Latrodectus spp.)、ロクソスケレス属種(Loxosceles spp.)、メタテトラニュクス属種(Metatetranychus spp.)、ヌペルサ属種(Nuphersa spp.)、オリゴニュクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドルス属種(Ornithodorus spp.)、オルニトニュッスス属種(Ornithonyssus spp.)、パノニュクス属種(Panonychus spp.)、ピュッロコプトルタ・オレイウォラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリュパゴタルソネムス・ラトゥス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピケパルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリュプス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニュクス属種(Tetranychus spp.)、ワエヨウィス属種(Vaejovis spp.)、ワサテス・リュコペルシキ(Vasates lycopersici)が挙げられる。なおも他の例は、シラミ目(Anoplura)(プティラプテラ(Phthiraptera))の目から、例えばダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナトゥス属種(Linognathus spp.)、ペディクルス属種(Pediculus spp.)、プティルス・プビス(Ptirus pubis)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)である。さらに他の例は、唇脚目(Chilopoda)の目から、例えばゲオピルス属種(Geophilus spp.)、スクティゲラ属種(Scutigera spp.)である。さらに他の例は、唇脚目(Chilopoda)の目から、例えばゲオピルス属種(Geophilus spp.)、スクティゲラ属種(Scutigera spp.)である。

さらに他の例は、コウチュウ目(Coleoptera)の目から、例えばアカリュンマ・ウィッタトゥム(Acalymma vittatum)、アカントスケリデス・オブテクトゥス(Acanthoscelides obtectus)、アドレトゥス属種(Adoretus spp.)、アゲラスティカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アルピトビウス・ディアペリヌス(Alphitobius diaperinus)、アムピマッロン・ソルスティティアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタトゥム(Anobium punctatum)、アノプロポラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アピオン属種(Apion spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アッタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキディウス・オブテクトゥス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、カッシダ属種(Cassida spp.)、ケロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、ケウトルリュンクス属種(Ceutorrhynchus spp.)、カエトクネマ属種(Chaetocnema spp.)、クレオヌス・メンディクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリュトラ・ゼアランディカ(Costelytra zealandica)、クテニケラ属種(Ctenicera spp.)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリュプトリュンクス・ラパティ(Cryptorhynchus lapathi)、キュリンドロコプトュルス属種(Cylindrocopturus spp.)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ディアブロティカ属種(Diabrotica spp.)、ディコクロキス属種(Dichocrocis spp.)、ディロボデルス属種(Diloboderus spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、エピトリクス属種(Epitrix spp.)、ファウスティヌス属種(Faustinus spp.)、ギッビウム・プシュッロイデス(Gibbium psylloides)、ヘッルラ・ウンダリス(Hellula undalis)、ヘテロニュクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヘテロニュクス属種(Heteronyx spp.)、フュラモルパ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、フュロトルペス・バイユルス(Hylotrupes bajulus)、フュペラ・ポスティカ(Hypera postica)、フュポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レマ属種(Lema spp.)、レプティノタルサ・デケムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、レウコプテラ属種(Leucoptera spp.)、リッソロプトルス・オリュゾピルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リクスス属種(Lixus spp.)、ルペロデス属種(Luperodes spp.)、リュクトゥス属種(Lyctus spp.)、メガスケリス属種(Megascelis spp.)、メラノトゥス属種(Melanotus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ属種(Melolontha spp.)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクトゥス・クサントグラプス(Naupactus xanthographus)、ニプトゥス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリュクテス・リノケロス(Oryctes rhinoceros)、オリュザエピルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オリュザパグス・オリュザエ(Oryzaphagus oryzae)、オティオッリュンクス属種(Otiorrhynchus spp.)、オクシケトニア・ユクンダ(Oxycetonia jucunda)、パエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、ピュッロパガ属種(Phyllophaga spp.)、ピュッロトレタ属種(Phyllotreta spp.)、ポピッリア・ヤポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリュペス属種(Premnotrypes spp.)、プロステパヌス・トルンカトゥス(Prostephanus truncatus)、プシュッリオデス属種(Psylliodes spp.)、プティヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ウェントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトピルス属種(Sitophilus spp.)、スペノポルス属種(Sphenophorus spp.)、ステゴビウム・パニケウム(Stegobium paniceum)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シュムピュレテス属種(Symphyletes spp.)、タニュメクス属種(Tanymecus spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、テュキウス属種(Tychius spp.)、クシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.)である。

さらに他の例は、トビムシ目(Collembola)の目から、例えばオニュキウルス・アルマトゥス(Onychiurus armatus)である。さらに他の例は、倍脚目(Diplopoda)の目から、例えばブラニウルス・グットゥラトゥス(Blaniulus guttulatus)である。

さらに他の例は、双翅目(Diptera)の目から、例えばアエデス属種(Aedes spp.)、アグロミュザ属種(Agromyza spp.)、アナストレパ属種(Anastrepha spp.)、アノペレス属種(Anopheles spp.)、アスポンドュリア属種(Asphondylia spp.)、バクトロケラ属種(Bactrocera spp.)、ビビオ・ホルトゥラヌス(Bibio hortulanus)、カッリポラ・エリュトロケパラ(Calliphora erythrocephala)、ケラティティス・カピタタ(Ceratitis capitata)、キロノムス属種(Chironomus spp.)、クリュソミュイア属種(Chrysomyia spp.)、クリュソプス属種(Chrysops spp.)、コクリオミュイア属種(Cochliomyia spp.)、コンタリニア属種(Contarinia spp.)、コルドュロビア・アントロポパガ(Cordylobia anthropophaga)、クレクス属種(Culex spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリセタ属種(Culiseta spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、ダシュネウラ属種(Dasyneura spp.)、デリア属種(Delia spp.)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソピラ属種(Drosophila spp.)、エキノクネムス属種(Echinocnemus spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガステロピルス属種(Gasterophilus spp.)、グロッシナ属種(Glossina spp.)、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、フュドレッリア属種(Hydrellia spp.)、フュレミュイア属種(Hylemyia spp.)、フュッポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、フュポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミュザ属種(Liriomyza spp.)、ルキリア属種(Lucilia spp.)、ルトゾミア属種(Lutzomia spp.)、マンソニア属種(Mansonia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オスキネッラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミュイア属種(Pegomyia spp.)、プレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ポルビア属種(Phorbia spp.)、ポルミア属種(Phormia spp.)、プロディプロシス属種(Prodiplosis spp.)、プシラ・ロサエ(Psila rosae)、ラゴレティス属種(Rhagoletis spp.)、サルコパガ属種(Sarcophaga spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ストモクシス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、テタノプス属種(Tetanops spp.)、ティプラ属種(Tipula spp.)である。

さらに他の例は、異翅目(Heteroptera)の目から、例えばアナサ・トリスティス(Anasa tristis)、アンテスティオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ボイセア属種(Boisea spp.)、ブリッスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピュロンマ・リウィダ(Campylomma livida)、カウェレリウス属種(Cavelerius spp.)、キメクス属種(Cimex spp.)、コッラリア属種(Collaria spp.)、クレオンティアデス・ディルトゥス(Creontiades dilutus)、ダシュヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ディケロプス・フルカトゥス(Dichelops furcatus)、ディコノコリス・ヘウェッティ(Diconocoris hewetti)、ドュスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウスキストゥス属種(Euschistus spp.)、エウリュガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルティス属種(Heliopeltis spp.)、ホルキアス・ノビレッルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロッスス・ピュッロプス(Leptoglossus phyllopus)、リュグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エクスカワトゥス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、モナロニオン・アトラトゥム(Monalonion atratum)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサッルス属種(Psallus spp.)、プセウダキュスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サルベルゲッラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スカプトコリス・カスタネア(Scaptocoris castanea)、スコティノポラ属種(Scotinophora spp.)、ステパニティス・ナシ(Stephanitis nashi)、ティブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)である。

さらに他の例は、同翅目(Homoptera)の目から、例えばアキュルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アクロゴニア属種(Acrogonia spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノスケナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリクスス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラピス・カルドゥイ(Anuraphis cardui)、アオニディエッラ属種(Aonidiella spp.)、アパノスティグマ・ピン(Aphanostigma pin)、アピス属種(Aphis spp.)、アルボリディア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピディエッラ属種(Aspidiella spp.)、アスピディオトゥス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルトゥム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキュカウドゥス・ヘリクリュシイ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキュコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレウィコリュネ・ブラッシカエ(Brevicoryne brassicae)、カッリギュポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオケパラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、ケラトワクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、ケルコピダエ(Cercopidae)、ケロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシポン・フラガエフォリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、クロマピス・ユグランディコラ(Chromaphis juglandicola)、クリュソムパルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、キカドゥリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、コッコミュティルス・ハッリ(Coccomytilus halli)、コックス属種(Coccus spp.)、クリュプトミュズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ディアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ディアポリナ属種(Diaphorina spp.)、ディアスピス属種(Diaspis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ドュサピス属種(Dysaphis spp.)、ドュスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エムポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリュトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウスケリス・ビロバトゥス(Euscelis bilobatus)、フェッリシア属種(Ferrisia spp.)、ゲオコックス・コッフェアエ(Geococcus coffeae)、ヒエログリュプス属種(Hieroglyphus spp.)、ホマロディスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、フュアロプテルス・アルンディニス(Hyalopterus arundinis)、イケリュア属種(Icerya spp.)、イディオケルス属種(Idiocerus spp.)、イディオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルパクス・ストリアテッルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサペス属種(Lepidosaphes spp.)、リパピス・エリュシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシプム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルワ属種(Mahanarva spp.)、メラナピス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエッラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロピウム・ディロドゥム(Metopolophium dirhodum)、モネッリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネッリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミュズス属種(Myzus spp.)、ナソノウィア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネポテッティクス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルワタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベミシア・ミュリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムピグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイディス(Peregrinus maidis)、ペナコックス属種(Phenacoccus spp.)、プロエオミュズス・パッセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、ポロドン・フムリ(Phorodon humuli)、ピュッロクセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピディストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコックス属種(Planococcus spp.)、プロトプルウィナリア・ピュリフォルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、シュードコックス属種(Pseudococcus spp.)、プシュッラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピュリッラ属種(Pyrilla spp.)、クワドラスピディオトゥス属種(Quadraspidiotus spp.)、クウェサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコックス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシプム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイッセティア属種(Saissetia spp.)、スカポイデス・ティタヌス(Scaphoides titanus)、スキザピス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピドゥス・アルティクラトゥス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテッラ・フルキフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スティクトケパラ・フェスティナ(Stictocephala festina)、テナラパラ・マラユエンシス(Tenalaphara malayensis)、ティノカッリス・カリュアエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トクソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス属種(Trialeurodes spp.)、トリオザ属種(Trioza spp.)、テュプロキュバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ウィテウス・ウィティフォリイ(Viteus vitifolii)、ジギナ属種(Zygina spp.)である。

さらに他の例は、膜翅目(Hymenoptera)の目から、例えばアクロミュルメクス属種(Acromyrmex spp.)、アタリア属種(Athalia spp.)、アッタ属種(Atta spp.)、ディプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカムパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・パラオニス(Monomorium pharaonis)、ソレノプシス・インウィクタ(Solenopsis invicta)、タピノマ属種(Tapinoma spp.)、ウェスパ属種(Vespa spp.)である。

さらに他の例は、等脚目(Isopoda)の目から、例えばアルマディッリディウム・ウルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセッルス(Oniscus asellus)、ポルケッリオ・スカベル(Porcellio scaber)である。

さらに他の例は、シロアリ目(Isoptera)の目から、例えばコプトテルメス属種(Coptotermes spp.)、コルニテルメス・クムランス(Cornitermes cumulans)、クリュプトテルメス属種(Cryptotermes spp.)、インキシテルメス属種(Incisitermes spp.)、ミクロテルメス・オベシ(Microtermes obesi)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.)、レティクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)である。

さらに他の例は、鱗翅目(Lepidoptera)の目から、例えばアクロニクタ・マイヨル(Acronicta major)、アドクソピュエス属種(Adoxophyes spp.)、アエディア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロティス属種(Agrotis spp.)、アラバマ属種(Alabama spp.)、アミュエロイス・トランシテッラ(Amyelois transitella)、アナルシア属種(Anarsia spp.)、アンティカルシア属種(Anticarsia spp.)、アルギュロプロケ属種(Argyroploce spp.)、バラトラ・ブラッシカエ(Barathra brassicae)、ボルボ・キンナラ(Borbo cinnara)、ブックラトリクス・トゥルベリエッラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、ブッセオラ属種(Busseola spp.)、カコエキア属種(Cacoecia spp.)、カロプティリア・テイウォラ(Caloptilia theivora)、カプア・レティクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネッラ(Carpocapsa pomonella)、カルポシナ・ニポネンシス(Carposina niponensis)、ケマトビア・ブルマタ(Chematobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ属種(Choristoneura spp.)、クリュシア・アムビグエッラ(Clysia ambiguella)、クナパロケルス属種(Cnaphalocerus spp.)、クネパシア属種(Cnephasia spp.)、コノポモルパ属種(Conopomorpha spp.)、コノトラケルス属種(Conotrachelus spp.)、コピタルシア属種(Copitarsia spp.)、キュディア属種(Cydia spp.)、ダラカ・ノクトゥイデス(Dalaca noctuides)、ディアパニア属種(Diaphania spp.)、ディアトラエア・サッカラリス(Diatraea saccharalis)、エアリアス属種(Earias spp.)、エクドュトロパ・アウランティウム(Ecdytolopha aurantium)、エラスモパルプス・リグノセッルス(Elasmopalpus lignosellus)、エルダナ・サッカリナ(Eldana saccharina)、エピスティア属種(Ephestia spp.)、エピノティア属種(Epinotia spp.)、エピピュアス・ポストウィッタナ(Epiphyas postvittana)、エティエッラ属種(Etiella spp.)、エウリア属種(Eulia spp.)、エウポエキリア・アムビグエッラ(Eupoecilia ambiguella)、エウプロクティス属種(Euproctis spp.)、エウクソア属種(Euxoa spp.)、フェルティア属種(Feltia spp.)、ガッレリア・メッロネッラ(Galleria mellonella)、グラキッラリア属種(Gracillaria spp.)、グラポリタ属種(Grapholitha spp.)、ヘドュレプタ属種(Hedylepta spp.)、ヘリコウェルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオティス属種(Heliothis spp.)、ホフマンノピラ・シュードスプレテッラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモエオソマ属種(Homoeosoma spp.)、ホモナ属種(Homona spp.)、フュポノメウタ・パデッラ(Hyponomeuta padella)、カキウォリア・フラウォファスキアタ(Kakivoria flavofasciata)、ラピュグマ属種(Laphygma spp.)、ラスペイレシア・モレスタ(Laspeyresia molesta)、レウキノデス・オルボナリス(Leucinodes orbonalis)、レウコプテラ属種(Leucoptera spp.)、リトコッレティス属種(Lithocolletis spp.)、リトパネ・アンテンナタ(Lithophane antennata)、ロベシア属種(Lobesia spp.)、ロクサグロティス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リュマントリア属種(Lymantria spp.)、リュオネティア属種(Lyonetia spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マルカ・テストゥラリス(Maruca testulalis)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、モキス属種(Mocis spp.)、ミュティムナ・セパラタ(Mythimna separata)、ニュムプラ属種(Nymphula spp.)、オイケティクス属種(Oiketicus spp.)、オリア属種(Oria spp.)、オルタガ属種(Orthaga spp.)、オストリニア属種(Ostrinia spp.)、オウレマ・オリュザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、パルナラ属種(Parnara spp.)、ペクティノポラ属種(Pectinophora spp.)、ペリレウコプテラ属種(Perileucoptera spp.)、プトリマエア属種(Phthorimaea spp.)、ピュッロクニスティス・キトレッラ(Phyllocnistis citrella)、ピュッロノリュクテル属種(Phyllonorycter spp.)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プラテュノタ・ストゥルタナ(Platynota stultana)、プロディア・インテルプンクテッラ(Plodia interpunctella)、プルシア属種(Plusia spp.)、プルテッラ・クシロステッラ(Plutella xylostella)、プライス属種(Prays spp.)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プロトパルケ属種(Protoparce spp.)、プセウダレティア属種(Pseudaletia spp.)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピュラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、ラキプルシア・ヌ(Rachiplusia nu)、スコエノビウス属種(Schoenobius spp.)、スキルポパガ属種(Scirpophaga spp.)、スコティア・セゲトゥム(Scotia segetum)、セサミア属種(Sesamia spp.)、スパルガノティス属種(Sparganothis spp.)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、スタトモポダ属種(Stathmopoda spp.)、ストモプテリュクス・スブセキウェッラ(Stomopteryx subsecivella)、シュナンテドン属種(Synanthedon spp.)、テキア・ソラニウォラ(Tecia solanivora)、テルメシア・ゲンマタリス(Thermesia gemmatalis)、ティネア・ペッリオネッラ(Tinea pellionella)、ティネオラ・ビッセリエッラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス属種(Tortrix spp.)、トリコパガ・タペトゼッラ(Trichophaga tapetzella)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)、トゥタ・アブソルタ(Tuta absoluta)、ウィラコラ属種(Virachola spp.)である。

さらに他の例は、バッタ目(Orthoptera)の目から、例えばアケタ・ドメスティクス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテッラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ディクロプルス属種(Dichroplus spp.)、グリュッロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコパエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ属種(Periplaneta spp.)、プレクス・イッリタンス(Pulex irritans)、スキストケルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)、スペッラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)である。

さらに他の例は、ノミ目(Siphonaptera)の目から、例えばケラトピュッルス属種(Ceratophyllus spp.)、クテノケパリデス属種(Ctenocephalides spp.)、トゥンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、クセノプシュッラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)である。

さらに他の例は、コムカデ目(Symphyla)の目から、例えばスクティゲレッラ属種(Scutigerella spp.)である。

さらに他の例は、アザミウマ目(Thysanoptera)の目から、例えばアナポトリプス・オブスクルス(Anaphothrips obscurus)、バリオトリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、ドレパノトリス・レウテリ(Drepanothris reuteri)、エンネオトリプス・フラウェンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエッラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルキノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、リピポロトリプス・クルエンタトゥス(Rhipiphorothrips cruentatus)、スキルトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.)である。

さらに他の例は、シミ目(Zygentoma)(=シミ目(Thysanura))の目から、例えばレピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)、テルモビア・ドメスティカ(Thermobia domestica)である。別の実施形態において、特に二枚貝綱(Bivalvia)の綱から軟体動物門(Mollusca)の有害生物、例えばドレイッセナ属種(Dreissena spp.)もまた重要な植物の有害生物である。

別の実施形態において、マキガイ綱(Gastropoda)の綱の有害生物、例えばアニオン属種(Anion spp.)、ビオムパラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロケラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リュムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、ポマケア属種(Pomacea spp.)、スッキネア属種(Succinea spp.)が重要な植物の有害生物である。

さらに別の実施形態において、線形動物門(phylum Nematoda)からの植物の有害生物が重要な植物の有害生物、すなわち植物寄生性線虫であり、すなわち、植物に損傷を引き起こす植物寄生性線虫を意味する。植物線虫は、植物寄生性線虫および土壌に生存している線虫を包含する。植物寄生性線虫としては、限定されないが、クシフィネマ属種(Xiphinema spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)およびトリコドルス属種(Trichodorus spp.)などの外部寄生虫、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)などの半寄生虫、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、ラドフォルス属種(Radopholus spp.)およびスクテロネルナ属種(Scutellonerna. spp.)などの体内移行性内部寄生虫、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、グロボデラ属種(Globodera spp.)およびメロイドジネ属種(Meloidogyne spp.)などの定在性寄生虫ならびにジチレンクス属種(Ditylenchus spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)およびヒルシュマニエラ属種(Hirshmaniella spp.)などの茎および葉内部寄生虫が挙げられる。加えて、有害な根寄生性土壌線虫は、ヘテロデラまたはグロボデラ属のシスト−形成性線虫および/またはメロイドジネ属の根瘤線虫である。これらの属の有害な属種は、例えばメロイドジネ・インコグナタ(Meloidogyne incognata)、へテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines)(大豆シスト線虫)、グロボデラ・パリダ(Globodera pallida)およびグロボデラ・ロストチエンシス(Globodera rostochiensis)(ポテトシスト線虫)である。植物の有害生物として重要であるさらに他の重要な属は、ロチレンクルス属種(Rotylenchulus spp.)、パラトリクロドルス属種(Paratriclodorus spp.)、プラチレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans)、ラドロフス・シムリ(Radolophus simuli)、ジチレンクス・ジスパシ(Ditylenchus dispaci)、チレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、クシフィネマ属種(Xiphinema spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)など、特にアフェレンコイデス属種、ブルサフェレンクス属種、ジチレンクス属種、グロボデラ属種、ヘテロデラ属種、ロンギドルス属種、メロイドジネ属種、プラチレンクス属種、ラドフォラス・シミリス(Radopholus similis)、トリコドルス属種、チレンクルス・セミペネトランス、クシフィネマ属種を含む。

また、植物の有害生物として本明細書に開示されるのは、アルファモウイルス(alfamovirus)、アレキシウイルス(allexivirus)、アルファクリプトウイルス(alphacryptovirus)、アヌラウイルス(anulavirus)、アプスカウイロイド(apscaviroid)、アウレウスウイルス(aureusvirus)、アベナウイルス(avenavirus)、アイサンウイロイド(aysunviroid)、バドナウイルス(badnavirus)、ベゴモウイルス(begomovirus)、ベニウイルス(benyvirus)、ベタクリプトウイルス(betacryptovirus)、ベタフレキシウイリダエ(betaflexiviridae)、ブロモウイルス(bromovirus)、ビモウイルス(bymovirus)、カピロウイルス(capillovirus)、カルラウイルス(carlavirus)、カルモウイルス(carmovirus)、カウリモウイルス(caulimovirus)、カベモウイルス(cavemovirus)、チェラウイルス(cheravirus)、クロステロウイルス(closterovirus)、コカドウイロイド(cocadviroid)、コレウイロイド(coleviroid)、コモウイルス(comovirus)、クリニウイルス(crinivirus)、ククモウイルス(cucumovirus)、クルトウイルス(curtovirus)、シトルハブドウイルス(cytorhabdovirus)、ジアントウイルス(dianthovirus)、エナモウイルス(enamovirus)、ウムブラウイルス&B型サテライトウイルス(umbravirus & B−type satellite virus)、ファバウイルス(fabavirus)、フィジウイルス(fijivirus)、フロウイルス(furovirus)、ホルデイウイルス(hordeivirus)、ホスツウイロイド(hostuviroid)、イダエオウイルス(idaeovirus)、イラルウイルス(ilarvirus)、イポモウイルス(ipomovirus)、ルテオウイルス(luteovirus)、マクロモウイルス(machlomovirus)、マクルラウイルス(macluravirus)、マラフィウイルス(marafivirus)、マストレウイルス(mastrevirus)、ナノウイルス(nanovirus)、ネクロウイルス(necrovirus)、ネポウイルス(nepovirus)、ヌクレオルハブドウイルス(nucleorhabdovirus)、オレアウイルス(oleavirus)、オフィノウイルス(ophiovirus)、オリザウイルス(oryzavirus)、パニコウイルス(panicovirus)、ペクルウイルス(pecluvirus)、ペツウイルス(petuvirus)、フィトレオウイルス(phytoreovirus)、ポレロウイルス(polerovirus)、ポモウイルス(pomovirus)、ポスピウイロイド(pospiviroid)、ポテックスウイルス(potexvirus)、ポチウイルス(potyvirus)、レオウイルス(reovirus)、ラブドウイルス(rhabdovirus)、リモウイルス(rymovirus)、サドワウイルス(sadwavirus)、SbCMV様ウイルス(SbCMV−like virus)、セクイウイルス(sequivirus)、ソベモウイルス(sobemovirus)、テヌイウイルス(tenuivirus)、TNsatV様サテライトウイルス(TNsatV−like satellite virus)、トバモウイルス(tobamovirus)、トポクウイルス(topocuvirus)、トスポウイルス(tospovirus)、トリコウイルス(trichovirus)、トリチモウイルス(tritimovirus)、ツングロウイルス(tungrovirus)、チモウイルス(tymovirus)、ウムブラウイルス(umbravirus)、バリコサウイルス(varicosavirus)、ビチウイルス(vitivirus)またはワイカウイルス(waikavirus)から選択される植物のウイルスである。

[標的抗原の形態] 本明細書における開示に基づいて、農薬および生物学的対照応用に関して、本明細書に開示されている組成物の重鎖可変ドメインは、原則として、スフィンゴ脂質標的のいくつかの異なる形態に対して指向され、または特異的に結合することは承認される。また、本明細書に開示されている組成物の重鎖可変ドメインは、多数の天然に存在するまたは合成のアナログ、改変体、変異体、対立遺伝子、部分およびこれらのスフィンゴ脂質対象の断片に結合することが予期される。より具体的には、本明細書に開示されている組成物の重鎖可変ドメインは、それらの重鎖可変ドメインが結合する天然のスフィンゴ脂質標的の結合部位、部分またはドメインを(なおも)含有するそれらのアナログ、改変体、変異体、対立遺伝子、部分およびスフィンゴ脂質標的の断片に少なくとも結合することが予期される。

[製剤] 本明細書に開示されている農薬または生物防除組成物に含まれるポリペプチド含有量は広範囲内で変化し得、概して、弱毒化されるべき特定の作物有害生物に応じて、特定のポリペプチドの濃度範囲を変更することは製造業者次第であることは想定される。

特定の実施形態において、本発明は、少なくとも1つの重鎖可変ドメインを含む農薬組成物であって、該重鎖可変ドメインは、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護するまたは処置するのに有効な量で存在する、組成物を提供する。

具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.0001重量%から50重量%であってもよい。

特定の実施形態において、本発明は、少なくとも1つの重鎖可変ドメインを含む農薬組成物であって、農薬組成物中の少なくとも1つの可変ドメインの濃度は、0.001重量%から50重量%の範囲である、組成物を提供する。

なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は、0.001重量%から50重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は、0.01重量%から50重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は、0.1重量%から50重量%であり得る。

なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は、1重量%から50重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は、10重量%から50重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.0001重量%から40重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.001重量%から40重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.01重量%から40重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.1重量%から40重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は1重量%から40重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.0001重量%から30重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.001重量%から30重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.01重量%から30重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.1重量%から30重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は1重量%から30重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.0001重量%から10重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.001重量%から10重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.01重量%から10重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.1重量%から10重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は1重量%から10重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.0001重量%から1重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.001重量%から1重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.01重量%から1重量%であり得る。なお別の具体的な実施形態において、農薬組成物に含まれる重鎖可変ドメインまたはポリペプチドの濃度は0.1重量%から1重量%であり得る。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、水溶液中に製剤化される少なくとも1つの重鎖可変ドメインを含む。

さらなる特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、少なくとも1つの重鎖可変ドメインを含み、農薬的に適切な担体および/または1つ以上の適切なアジュバントをさらに含む。

本発明の組成物は、上記した抗有害生物可変ドメインに加えて、植物および/もしくは植物の部分の有害生物処置に許容される固体もしくは液体担体、ならびに/または植物および/もしくは植物の部分の有害生物処置に許容もされる界面活性剤を含んでもよい。特に、不活性であり、慣習的な担体および慣習的な界面活性剤が使用され得る。これらの組成物は、浸漬によってまたは適切なデバイスを用いて処置されるべき植物および/または植物の一部に施用される準備ができている組成物だけでなく、植物および/または植物の一部に施用する前に希釈される必要がある市販の濃縮組成物もまたカバーする。

本発明のこれらの農薬組成物はまた、どんな種類もの他の成分も含み得、例えば、保護コロイド、粘着剤、増粘剤、チキソトロープ剤、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤、テクスチャリング剤、香味剤、味覚増強剤、糖、甘味料、着色剤などが挙げられる。より一般的には、活性物質、すなわち、少なくとも1つの重鎖可変ドメインは、通常の製剤技術に対応する任意の固体または液体の添加剤と組み合わせることができる。

本開示において、用語「担体」は、植物および/または1つ以上の植物部分への施用を促進するために組み合わせられる抗有害生物活性物質とともに、天然もしくは合成の、有機または無機物質を示す。したがって、この担体は、一般的に不活性であり、農業的に許容されるべきである。担体は、固体(粘土、天然または合成のケイ酸塩、シリカ、樹脂、蝋、固形肥料など)または液体(水、アルコール、特にブタノールなど)であってもよい。

界面活性剤は、イオン性もしくは非イオン性タイプの乳化剤、分散剤または湿潤剤またはこのような界面活性剤の混合物であってもよい。例えば、ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩またはナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールとの、または脂肪酸との、または脂肪アミンとの重縮合物、置換フェノール(特に、アルキルフェノールもしくはアリールフェノール)、スルホコハク酸のエステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコールのリン酸エステルまたはポリオキシエチル化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、ならびに硫酸官能基、スルホン酸官能基およびリン酸官能基を含有する上記化合物の誘導体が言及され得る。少なくとも1つの界面活性剤の存在は、不活性担持体が水不溶性である場合、および施用のための媒介剤が水である場合、一般に不可欠である。

本明細書に開示されている農薬組成物自体は、極めて多様な固体または液体形態である。

固体組成物形態として、粉剤(dustable powder)(活性物資の含有量は最大100%であり得る。)および顆粒、特に、押出成形によって、圧縮によって、顆粒状担体の含浸によって、出発材料としての粉末を用いた造粒によって得られるものが言及され得る(これらの顆粒中の活性物質の含有量はこれらの後者の場合には0.5から80%である。)。このような固体組成物は、場合より、施用のタイプに応じて、例えば、水への希釈によって、より高いまたは低い程度で粘性のある液体の形態で使用され得る。

液体組成物の形態としてまたは適用中に液体組成物を構成することが意図された形態として、溶液、特に、水溶性濃縮物、エマルション、懸濁液濃縮物、湿潤性粉末(または噴霧粉末)、油およびワックスが言及され得る。

懸濁液は、噴霧によって施用され得て、堆積物を形成しない安定な流体生成物を得るように調製され、通常、10から75%の活性物質、0.5から15%の界面活性剤、0.1から10%のチキソトロープ剤、0から10%の適切な添加剤、例えば、消泡剤、腐食防止剤、安定剤、浸透剤および接着剤を含み、担体として、活性物質が溶解性でないまたは難溶性である水または有機液体:いくつかの有機固体または無機塩は、沈降の防止を手助けするためにまたは水に対するゲル化阻止として、担体に溶解されてもよい。

本明細書に開示されている農薬組成物は、例えば、それらの製剤の形態でおよびそれから調製される使用形態として使用され得、例えば、エアロゾルディスペンサー、カプセル懸濁液、冷煙霧濃縮剤、温煙霧濃縮剤、カプセル化顆粒剤、細粒剤、種子処理用のフロアブル剤、即時使用可能な溶液、粉剤(dustable powder)、乳剤、水中油型エマルション、油中水型エマルション、マクロ粒剤、マクロ粒剤、油分散性散剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、泡剤、ペースト、殺虫剤で被覆された種子、懸濁濃縮物(フロアブル濃縮物)、懸濁液−エマルション−濃縮物、可溶性濃縮物、懸濁液、可溶性粉剤、顆粒剤、水溶性顆粒剤または錠剤、種子処置用の可溶性粉剤、水和粉剤、活性化合物を含浸した天然および合成の材料、種子用のポリマー材料中および衣中のマイクロカプセル剤、ならびに、ULV冷および温煙霧製剤、ガス剤(加圧下)、ガス発生生成物、植物用棒状剤(plant rodlet)、乾燥種子処置用の粉剤、種子処置用の液剤、微量(ULV)液剤、微量(ULV)懸濁剤、水分散性顆粒剤または錠剤、スラリー処置用の水分散性粉剤が挙げられる。

これらの製剤は、公知の方法で、活性化合物または活性化合物組成物を、例えば、慣例的な増量剤およびさらに溶媒もしくは希釈剤、乳化剤、分散剤および/または結合剤もしくは固定剤、湿潤剤、撥水剤、適切な場合は乾燥剤およびUV安定化剤、着色剤、顔料、消泡剤、保存剤、二次的増粘剤、接着剤、ジベレリンおよび水ならびにさらなる加工助剤と混合することによって調製される。

これらの組成物は、噴霧デバイスまたは散布デバイスなどの適切なデバイスによって処置されるべき植物または種子に施用されるように準備ができている組成物だけでなく、作物への施用前に希釈する必要がある濃縮された市販の組成物もまた含む。

[植物を保護または処置する方法] ある種の態様において、本発明は、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための方法であって、植物病原体による感染または生物学的相互作用に対して植物または植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、本明細書に開示されている農薬組成物を植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に施用するステップを少なくとも含む方法を提供する。

特定の実施形態において、これらの方法は、本明細書で開示されているように、農薬組成物を植物または植物の一部に、1ヘクタールあたり50gより高い農薬組成物の施用量で、例えば、限定されないが、1ヘクタールあたり75gより高い農薬組成物の施用量で、例えば、1ヘクタールあたり100gより高い農薬組成物の施用量で、または特に1ヘクタールあたり200gより高い農薬組成物の施用量で直接的または間接的に施用することを含む。

特定の実施形態において、これらの方法は、本明細書で開示されているように、農薬組成物を植物または植物の一部に、1ヘクタールあたり50gから100gの農薬組成物の施用量で、例えば、限定されないが、1ヘクタールあたり50gから200gの農薬組成物の施用量で、特に1ヘクタールあたり75gから175gの農薬組成物の施用量で、例えば、1ヘクタールあたり75gから150gまたは1ヘクタールあたり75gから125gの農薬組成物の施用量で直接的または間接的に施用することを含む。

なお別の実施形態において、本発明は、植物の有害生物に対抗するための方法であって、植物、例えば作物、または植物もしくは作物の一部に、1ヘクタールあたり50g未満の該ポリペプチドの施用量で、本発明の農薬または生物防除組成物を施用することを含む方法を提供する。具体的な実施形態において、施用量は、45g/ha未満、40g/ha未満、35g/ha未満、30g/ha未満、25g/ha未満、20g/ha未満、15g/ha未満、10g/ha未満、5g/ha未満、1g/ha未満またはさらに低い量のポリペプチド/haである。

農業従事者は施用量を変更し得ることは、作物および植物の有害生物の環境圧に応じて理解される。これらの施用量は、特定の農薬組成物とともに送られるテクニカルシートに記述されている。

なお別の実施形態において、本発明は、植物の有害生物に対抗するための本発明の農薬または生物防除組成物の使用を提供する。

本発明の農薬または生物防除組成物の施用は、作物に農薬または生物防除組成物を施用するための任意の適切な方法を用いて行うことができ、例えば、限定されないが、噴霧(spraying)(高容量(HV)、低容量(LV)および超微量(ULV)噴霧を含む。)、ブラッシング、粉衣、滴下、塗布、浸漬(dipping)、浸漬(immersing)、拡散、噴霧(fogging)、小滴としての施用、ミストまたはエアロゾルが挙げられる。

したがって、特定の実施形態において、本明細書に開示されているように、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための方法は、噴霧(spraying)、散布、発泡、噴霧(fogging)、ハイドロカルチャーにおける培養、水耕栽培における培養、塗布、浸漬(submerging)および/または被覆(encrusting)によって、植物または植物の一部に直接的または間接的に農薬組成物を施用することを含む。

ある種の特定の実施形態において、本発明は、植物病原体の増殖を阻害、妨害、低減または制御する方法であって、本明細書に開示されている農薬組成物を該植物または植物の一部に直接的または間接的に施用するステップを少なくとも含む方法を提供する。

ある種の他の実施形態において、本発明は、植物病原体を死滅させるための方法であって、本明細書に開示されている農薬組成物を該植物または植物の一部に直接的または間接的に施用するステップを少なくとも含む方法を提供する。

本発明の農薬組成物の施用量は、作物に施用される農薬組成物の量を意味し、本発明の農薬または生物防除組成物に含まれる、50g、45g、40g、35g、30g、25g、20g、20g、15g、10g、5g、1gまたはさらに1gよりも低いポリペプチドが作物に1ヘクタールあたりで施用されるようなものである。

本明細書に開示されている方法によれば、農薬または生物防除組成物は、一度に作物に施用することができ、または2回ごとの施用間で間隔を空けて互いの後に2回以上施用することができる。本発明の方法によれば、本発明の農薬または生物防除組成物は、作物に、単独でまたは他の材料、好ましくは他の農薬もしくは生物防除組成物と混合して施用され得る;あるいは、本発明の農薬または生物防除組成物は、他の材料、好ましくは他の農薬または生物防除組成物を用いて作物に別々に施用することができ、同じ作物に異なった時間に施用され得る。本発明の方法によれば、本発明の農薬または生物防除組成物は、予防的に作物に施用されてもよく、あるいは、処置されるべき特定の作物において標的有害生物が同定された際に施用されてもよい。

本明細書に開示されている農薬組成物は、収穫前の段階または収穫後の段階のいずれかにおいて、例えば、植物全体に直接的にまたは植物の1つ以上の一部に直接的に、上述した方法によって植物、作物または植物の1つ以上の一部に直接的に施用され得る。ある種の特定の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、例えば、柄、葉、塊茎、茎、新芽、種子、果実、根、花、穀物、芽などに直接的に、上述した方法によって植物の1つ以上の一部に直接的に施用され得る。

本明細書に開示されている治療方法は、植物病原体の攻撃に対して貯蔵品を保護する分野において使用することができる。本発明によれば、用語「貯蔵品」は、植物(vegetable)または動物起源の天然物質およびそれらの加工形態を指すものと理解され、それらは、天然のライフサイクルから取り出され、そのため、長期の保護が望まれる。野菜起源、例えば植物またはその一部の貯蔵品、例えば、柄、葉、塊茎、種子、果実または穀物は、新たな収穫段価値または加工形態、例えば、予め乾燥され、湿らされ、粉砕され、粉にされ、圧縮されまたは焼かれた形態において保護され得る。また、貯蔵品の定義に該当するものは木材であり、構成木材、電柱および障壁などの加工されていない木材の形態、または木で作られた家具または物体などの完成品の形態であるかどうかにかかわらない。動物起源の貯蔵品は、皮革(hide)、皮革(leather)、毛皮、毛などである。本発明の組み合わせは、腐敗、変色またはカビなどの不利な影響を防ぐことができる。好ましくは「貯蔵品」は、植物起源の天然物質およりそれらの加工形態、より好ましくは果実およびそれらの加工形態、例えば、ナシ状果、核果、柔らかい果物および柑橘類およびそれらの加工形態を指すものと理解される。

本明細書に開示されている農薬組成物はまた、収穫前の段階または収穫後の段階のいずれかにおいて、例えば、植物全体に間接的にまたは植物の1つ以上の一部に間接的に、上述した方法によって植物、作物または植物の1つ以上の一部に間接的に施用され得る。したがって、ある種の実施形態において、本明細書に開示されている農薬組成物は、上述した方法によって、例えば、植物または植物の1つ以上の一部は増殖中でありまたは保存される周囲または培地に、例えば、限定されないが、空気、土壌、水耕栽培、ハイドロカルチャーまたは液体培地、例えば水性培地もしくは水に農薬組成物を施用することによって、植物、作物または植物の1つ以上の一部に間接的に施用することができ、ここでは、該植物または植物の1つ以上の一部は増殖中でありまたは保存される。

したがって、概して、本明細書との関係で、本明細書に開示されている農薬組成物を用いた植物および植物の一部の処置は、直接的にまたは通常の処置方法、例えば、散水(水浸し)、細流灌漑、噴霧、気化、散布(atomizing)、散布(broadcasting)、粉化、発泡、拡散によっておよび粉末として、それらの環境、生息地もしくは貯蔵場所への作用によって行われることは理解されるべきである。さらに、超微量法によって組成物を施用し、または活性化合物調製物もしくは活性化合物自体を土壌に注入することもできる。

特定の実施形態において、本明細書に開示されている植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から植物または植物の一部を保護または処置するための方法は、収穫前の段階または収穫後の段階のいずれかにおいて、植物または植物の一部に直接的にまたは間接的に農薬組成物を施用することを含む。

具体的な実施形態によれば、収穫される生成物は、フルーツ、花、木の実または野菜、食用に適さない皮を有する果物または野菜であり、好ましくはアボカド、バナナ、オオバコ、レモン、グレープフルーツ、メロン、オレンジ、パイナップル、キウイフルーツ、グアバ、マンダリン、マンゴーおよびカボチャから選択され、より好ましくはバナナ、オレンジ、レモンおよびピーチ、特にバナナである。さらなる具体的な実施形態によれば、収穫される生成物は、観賞植物の切花であり、好ましくはアルストロメリア、カーネーション、キク、フリージア、ガーベラ、グラジオラス、シュッコンカスミソウ(カスミソウ種)、ヒマワリ、アジサイ、ユリ、トルコギキョウ、バラ、夏の花から選択される。

本明細書に開示されている農薬組成物が施用され得る植物種は、例えば、限定されないが、トウモロコシ、ダイズ、アルファルファ、綿、ヒマワリ、ブラッシカ・ナプス(Brassica napus)(例えば、カノーラ、菜種)、ブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)、ブラッシカ・ジュンセア(B.juncea)(例えば、(ノハラ(field)ガラシ)およびブラッシカ・カリナタ(Brassica carinata)、アレカセア属種(Arecaceae sp.)(例えば、パーム油)などのの菜種油種子、イネ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、オートムギ、ライムギ、オオムギ、キビおよびソルガム、ライコムギ、亜麻、木の実、ブドウおよびワインおよび様々な植物分類群からの様々なフルーツおよび野菜、例えばロサセア属種(Rosaceae sp.)(例えばリンゴおよび西洋ナシなどの仁果類、さらにはアプリコット、チェリー、アーモンド、プラムおよびももなどの核果類、およびイチゴ、ラズベリー、レッドおよびブラックフサスグリならびにグーズベリーなどの液果類)、リベシオイダエ属種(Ribesioidae sp.)、ジュグランダセアエ属種(Juglandaceae sp.)、ベツラセアエ属種(Betulaceae sp.)、アナカルジアセアエ属種(Anacardiaceae sp.)、ファガセアエ属種(Fagaceae sp.)、モラセアエ属種(Moraceae sp.)、オレセアエ属種(Oleaceae sp.)(例えばオリーブの木)、アクチニダセアエ属種(Actinidaceae sp.)、ラウラセアエ属種(Lauraceae sp.)(例えばアボカド、シナモン、ショウノウ)、ムサセアエ属種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木およびバナナ園)、ルビアセアエ属種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、テアセアエ属種(Theaceae sp.)(例えば、茶)、ステルクリセアエ属種(Sterculiceae sp.)、ルタセアエ属種(Rutaceae sp.)(例えばレモン、オレンジ、マンダリンおよびグレープフルーツ);ソラナセアエ属種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト、ポテト、コショウ、トウガラシ、ナス、タバコ)、リリアセアエ属種(Liliaceae sp.)、コムポシティアエ属種(Compositae sp.)(例えば、レタス、アーティチョーク、根チコリー、エンダイブまたは一般のチコリーを含むチコリー)、ウンベリフェラエ属種(Umbelliferae sp.)(例えば、ニンジン、パセリ、セロリおよびセロリアック)、ククルビタセアエ属種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ、ガーキン、カボチャ、スイカ、ヒョウタンおよびメロンを含む)、アリアセアエ属種(Alliaceae sp.)(例えば、ニラおよびタマネギ)、クルシフェラエ属種(Cruciferae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリ、カリフラワー、芽キャベツ、パクチョイ、コールラビ、ハツカダイコン、ワサビダイコン、クレソンおよび白菜)、レグミノサエ属種(Leguminosae sp.)(例えば、ピーナッツ、エンドウ、ヒラマメおよび豆、例えば、一般の豆およびソラマメ)、ケノポジアセアエ属種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、フダンソウ、飼料用ビート、ホウレンソウ、ビートルート)、リナセア属種(例えば、大麻(hemp))、カンナバセア属種(例えば、大麻(cannabis))、マルバセア(Malvaceae)(例えば、オクラ、ココア)、パパベラセア(Papaveraceae)(例えば、ポピー)、アスパラガセア(Asparagaceae)(例えば、アスパラガス);庭および森林の有用植物および観賞植物、例えば、芝生(turf)、芝生(lawn)、草およびステビア・レバウジアナ(Stevia rebaudiana);ならびに各々場合に、遺伝子組換え的に修飾されたタイプのこれらの植物であり得る。

本明細書に開示されている処置方法の好ましい実施態様において、作物は、農作物、草、果物および野菜、芝生、樹木および観賞植物からなる群から選択される。

ある種の態様において、したがって、本発明はまた、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用から収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するための収穫後の処置方法であって、植物病原体による感染または他の生物学的相互作用に対して、収穫した植物または収穫した植物の一部を保護または処置するのに有効な条件下で、本明細書に開示されている農薬組成物を収穫した植物にまたは収穫した植物の一部に直接的または間接的に施用するステップを少なくとも含む方法を提供する。具体的な実施形態によれば、収穫される生成物は、フルーツ、花、木の実または野菜、食用に適さない皮を有する果物または野菜であり、好ましくはアボカド、バナナ、オオバコ、レモン、グレープフルーツ、メロン、オレンジ、パイナップル、キウイフルーツ、グアバ、マンダリン、マンゴーおよびカボチャから選択され、より好ましくはバナナ、オレンジ、レモンおよびピーチ、特にバナナである。さらなる具体的な実施形態によれば、収穫される生成物は、観賞植物の切花であり、好ましくはアルストロメリア、カーネーション、キク、フリージア、ガーベラ、グラジオラス、シュッコンカスミソウ(カスミソウ種)、ヒマワリ、アジサイ、ユリ、トルコギキョウ、バラ、夏の花から選択される。さらなる具体的な実施形態において、収穫される生成物は、サヤヌカグサまたは木である。

収穫後の障害は、例えば、皮目斑点、焼け、老化損傷、苦痘病、瘡痂病、みつ病、褐変、導管損傷、CO2損傷、CO2欠乏またはO2欠乏および軟化である。真菌疾患は、例えば、以下の真菌:ミコスファエレラ属種(Mycosphaerella spp.)、ミコスファエレラ・ムサエ(Mycosphaerella musae)、ミコスファエレラ・フラグエイアアエ(Mycosphaerella frag a ae)、ミコスファエレラ・シトリ(Mycosphaerella citri);ムコール属種(Mucor spp.)、例えば、ムコール・ピリホルミス(Mucor piriformis);モニリニア属種(Monilinia spp.)、例えば、モニリニア・フルクチゲナ(Monilinia fructigena)、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa);ホモプシス属種(Phomopsis spp.)、ホモプシス・ナタレンシス(Phomopsis natalensis);コレトトリクム属種(Colletotrichum spp.)、例えば、コレトトリクム・ムサエ(Colletotrichum musae)、コレトトリクム・グロエオスポリオイデス(Colletotrichum gloeosporioides)、コレトトリクム・コッコデス(Colletotrichum coccodes);ベルチシリウム属種(Verticillium spp.)、例えば、ベルチシリウム・テオブロマエ(VerticiHium theobromae);ニグロスポラ属種(Nigrospora spp.);ボトリチス属種(Botrytis spp.)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);ジプロジア属種(Diplodia spp.)、例えば、ジプロジア・シトリ(Diplodia citri);ペジクラ属種(Pezicula spp.)、アルタナリア属種(Alternaria spp.)、例えば、アルテルナリア・シトリ(Alternaria citri)、アルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria alternata);セプトリア属種(Septoria spp.)、例えば、セプトリア・デプレッサ(Septoria depressa);ベンツリア属種(Venturia spp.)、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、ベンツリア・ピリナ(Venturia pyrina);リゾプス属種(Rhizopus spp.)、例えば、リゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer,);リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae);グロメレラ属種(Glomerella spp.)、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata);スクレロチニア属種(Sclerotinia spp.)、例えば、スクレロチニア・フルイチコラ(Sclerotinia fruiticola);セラトシスチス属種(Ceratocystis spp.)、例えば、セラトシスチス・パラドキサ(Ceratocystis paradoxa);フザリウム属各種(Fusarium spp.)、例えば、フザリウム・セミテクツム(Fusarium semitectum)、フザリウム・モニリホルメ(Fusarium moniliforme)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum);クラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)、例えば、クラドスポリウ・フルバム(Cladosporium fulvum)、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)、クラドスポリウム・ククメリヌム(Cladosporium cucumerinum)、クラドスポリウム・ムサエ(Cladosporium musae);ペニシリウム属種(Penicillium spp.)、例えば、ペニシリウム・フニクロスム(Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)、ペニシリウム・ジギタツム(Penicillium digitatum)、ペニシリウム・イタリクム(Penicillium italicum);フィトフトラ属種(Phytophthora spp.)、例えば、フィトフトラ・シトロフトラ(Phytophthora citrophthora)、フィトフトラ・フラガリアエ(Phytophthora fragaria)、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)、フィトフトラ・パラシチカ(Phytophthora parasitica));ファシジオピクニス属種(Phacydiopycnis spp.)、例えば、ファシジオピクニス・マリルム(Phacydiopycnis malirum);グロエオスポリウム属種(Gloeosporium spp.)、例えば、グロエオスポリウム・アルブム(Gloeosporium album)、グロエオスポリウム・ペレナンス(Gloeosporium perennans)、グロエオスポリウム・フルクチゲヌム(Gloeosporium fructigenum)、グロエオスポリウム・シングラタ(Gloeosporium singulata);ゲオトリクム属種(Geotrichum spp.)、例えば、ゲオトリクム・カンジズム(Geotrichum candidum);フリクタエナ属種(Phlyctaena spp.)、例えば、フリクタエナ・バガブンダ(Phlyctaena vagabunda);シリンドロカルポン属種(Cylindrocarpon spp.)、例えば、シリンドロカルポン・マリ(Cylindrocarpon mail);ステムフィリウム属種(Stemphyllium spp.)、例えば、ステムフィリウム・ベシカリウム(Stemphyllium vesicaurn);チエラビオプシス属種(Thielaviopsis spp.)、例えば、チエラビオプシス・パラドキシ(Thielaviopsis paradoxy);アスペルギルス属種(Aspergillus spp.);例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・カルボナリウス(Aspergillus carbonarius);ネクトリア属種(Nectria spp.)、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena);セルコスポラ属種(Cercospora spp.)、例えば、セルコスポラ・アングレシ(Cercospora angreci)、セルコスポラ・アピイ(Cercospora apii)、セルコスポラ・アトロフィリフォルミス(Cercospora atrofiliformis)、セルコスポラ・ムサエ(Cercospora musae)、セルコスポラ・ゼアエマイジス(Cercospora zeae maydis)によって引き起こされ得る。

さらなる態様において、本発明は、抗有害生物剤として本明細書に開示されている農薬組成物の使用を提供し、抗有害生物剤には、例えば、制生剤または殺虫剤、例えば、静真菌剤または殺真菌剤が挙げられる。

特定の実施形態において、本発明の方法によって対抗される植物の有害生物は、先に定義されたように、植物病原性真菌である。真菌病原体の病変数、病巣サイズおよび胞子形成の程度は全て、本発明の方法の適用の結果として減少させることができる。

[重鎖可変ドメイン配列の生成および製造法] 本発明は、重鎖可変ドメイン配列を調製または生成するための方法、ならびにこれをコードする核酸を生成するための方法、これらの重鎖可変ドメイン配列を含む宿主細胞、生成物および組成物を提供する。いくつかの好ましいが限定されないこのような方法の例は、本明細書においてさらなる記述から明らかになる。

当業者に明確であるように、本明細書に開示されている重鎖可変ドメイン配列を調製するのに特に有益な方法の1つは、概して、 (a)本明細書に開示されている重鎖可変ドメイン配列をコードするヌクレオチド配列またはその重鎖可変ドメイン配列をコードするヌクレオチド配列を含むベクターもしくは遺伝子構築物を発現するステップ、および (b)場合により、該重鎖可変ドメイン配列を単離および/または精製するステップ を含む。

本明細書において想定される具体的な実施形態において、有害生物特異的な重鎖可変ドメイン配列は、アミノ酸配列のランダムライブラリーを生成し、スフィンゴ脂質標的に特異的に結合することができるアミノ酸配列についてこのライブラリーをスクリーニングすることを伴う方法によって得られ得る。

したがって、具体的な実施形態において、本明細書に開示されている重鎖可変ドメイン配列を調製するための方法は、 a)重鎖可変ドメイン配列のアミノ酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーを用意するステップ; b)有害生物標的に結合することができおよび/またはスフィンゴ脂質標的に対して親和性を有するアミノ酸配列のためのアミノ酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーをスクリーニングするステップ、および c)スフィンゴ脂質標的に結合することができおよび/またはスフィンゴ脂質標的に対して親和性を有するアミノ酸配列を単離するステップ を含む。

このような方法において、アミノ酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーは、アミノ酸配列の任意のセット、コレクションまたはライブラリーであってもよい。例えば、アミノ酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーは、免疫グロブリン断片配列(本明細書に記載される。)のセット、コレクションまたはライブラリー、例えば、免疫グロブリン断片配列のナイーブセット、コレクションまたはライブラリー;免疫グロブリン断片配列の合成もしくは半合成のセット、コレクションまたはライブラリー;および/または親和性成熟を受けている免疫グロブリン断片配列のセット、コレクションまたはライブラリーであり得る。

この方法の具体的な実施形態において、アミノ酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーは、例えば、スフィンゴ脂質標的もしくはそれに基づいたまたはそれに由来した適切な抗原決定基、例えば、その抗原の部分、断片、領域、ドメイン、ループまたは他のエピトープで適切に免疫された動物由来の免疫グロブリン断片配列の免疫セット、コレクションまたはライブラリーであってもよい。具体的な一態様において、上記抗原決定基は、細胞外の部分、領域、ドメイン、ループまたは他の細胞外エピトープ(単数もしくは複数)であり得る。

上記の方法において、アミノ酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーは、例えばスクリーニングを容易にするために、ファージ、ファージミド、リボソームまたは適切な微生物(例えば酵母)上に提示されてもよい。アミノ酸配列(のセット、コレクションまたはライブラリー)を提示およびスクリーニングするのに適した方法、技法および宿主生物は、例えば、本明細書におけるさらなる開示に基づいて当業者にとって明らかである。Nature Biotechnology, 23,9,1105−1116(2005)におけるHoogenboomによる総説も参照されたい。

他の実施形態において、本明細書に開示されている重鎖可変ドメイン配列を生成するための方法は、 a)重鎖可変ドメインアミノ酸配列を発現する細胞のコレクションまたは試料を用意するステップ、 b)有害生物標的に結合することができおよび/またはスフィンゴ脂質標的に対して親和性を有するアミノ酸配列を発現する細胞に対して、細胞のコレクションまたは試料をスクリーニングするステップ;および c)(i)該アミノ酸配列を単離し;または(ii)該細胞から該アミノ酸配列をコードする核酸配列を単離し、続いて、該アミノ酸配列を発現させるステップ を少なくとも含む。

細胞のコレクションまたは試料は、例えば、B細胞のコレクションまたは試料であり得る。また、この方法において、細胞の試料は、真菌標的またはこれに基づくもしくはこれに由来する適切な抗原決定基、例えば、その抗原の部分、断片、領域、ドメイン、ループまたは他のエピトープで適切に免疫化された哺乳動物に由来し得る。具体的な一実施形態において、抗原決定基は、細胞外の部分、領域、ドメイン、ループまたは他の細胞外エピトープ(単数もしくは複数)であり得る。

他の実施形態において、スフィンゴ脂質標的に指向される重鎖可変ドメイン配列を生成する方法は、 a)重鎖可変ドメインアミノ酸配列をコードする核酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーを用意するステップ; b)該スフィンゴ脂質標的に結合することができおよび/または有害生物標的に対して親和性を有するアミノ酸配列をコードする核酸配列に関して、上記核酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーをスクリーニングするステップ;および c)上記核酸配列を単離し、続いて、該アミノ酸配列を発現するステップ を少なくとも含み得る。

上記の方法において、アミノ酸配列をコードする核酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーは、例えば、免疫グロブリン断片配列のナイーブセット、ナイーブコレクションまたはナイーブライブラリーをコードする核酸配列のセット、コレクションまたはライブラリー;免疫グロブリン断片配列の合成または半合成のセット、コレクションまたはライブラリーをコードする核酸配列のセット、コレクションまたはライブラリー;および/または親和性成熟を受けている免疫グロブリン断片配列のセット、コレクションまたはライブラリーをコードする核酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーであり得る。

特に、このような方法において、核酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーは、重鎖可変ドメイン(例えば、VHドメインまたはVHHドメイン)のセット、コレクションまたはライブラリーをコードする。例えば、核酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーは、ドメイン抗体または単一ドメイン抗体のセット、コレクションまたはライブラリー、またはドメイン抗体または単一のドメイン抗体として機能し得るアミノ酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーをコードし得る。具体的な実施形態において、ヌクレオチド配列のセット、コレクションまたはライブラリーは、VHH配列のセット、コレクションまたはライブラリーをコードする。

上記の方法において、ヌクレオチド配列のセット、コレクションまたはライブラリーは、例えば、スクリーニングを容易にするために、ファージ、ファージミド、リボソームまたは適切な微生物(例えば酵母)上に提示されてもよい。アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列(のセット、コレクションまたはライブラリー)を提示およびスクリーニングするのに適切な方法、技法および宿主生物は、例えば、本明細書中のさらなる開示に基づいて当業者にとって明らかである。Nature Biotechnology,23,9,1105−1116(2005)におけるHoogenboomによるレビューも参照されたい。

本発明は、上記方法または代替的に上記の方法の1つと、さらに上記免疫グロブリン配列のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を決定するステップ;適切な宿主細胞もしくは宿主生物における発現または化学合成によるなどのそれ自体が公知の方法で上記アミノ酸配列を発現または合成するステップを少なくとも含む方法によって得られ得るまたは得られるアミノ酸配列にも関する。

[重鎖可変ドメインの単離] いくつかの場合において、本明細書において想定される真菌標的に特異的に結合するアミノ酸配列を生成するための方法は、有害生物標的に対する検出可能な結合親和性またはスフィンゴ脂質標的における検出可能なインビトロ効果を有する少なくとも1つの重鎖可変ドメインをアミノ酸配列ライブラリーから単離するステップをさらに含んでもよい。

これらの方法は、スフィンゴ脂質標的の活性に対する検出可能な結合親和性または有害生物標的の活性におけるインビトロ効果を有する少なくとも1つの重鎖可変ドメインをコードする配列を増幅するステップをさらに含んでもよい。例えば、本明細書に記載される方法の選択ステップから得られた特定のアミノ酸配列を提示するファージクローンは、宿主細菌の再感染および増殖培地中でのインキュベーションによって増幅され得る。

特定の実施形態において、これらの方法は、スフィンゴ脂質標的に結合することができる1つ以上のアミノ酸配列の配列を決定することを包含してもよい。

アミノ酸配列のセット、コレクションまたはライブラリーに含まれる重鎖可変ドメイン配列は適切な細胞またはファージもしくは粒子上に提示されている場合、該細胞またはファージもしくは粒子からそのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を単離することができる。こうして、選択されたアミノ酸配列ライブラリーメンバーのヌクレオチド配列は、日常的な配列決定法によって決定され得る。

さらなる特定の実施形態において、本明細書において想定される重鎖可変ドメインを生成するための方法は、実際に望まれるアミノ酸配列を得るために、適切な条件下で、宿主生物において該ヌクレオチド配列を発現させるステップを含む。このステップは、当業者に公知の方法によって行われ得る。

さらに、有害生物標的の活性に対して検出可能な結合親和性またはスフィンゴ脂質標的の活性における検出可能なインビトロ効果を有する、得られた重鎖可変ドメイン配列は、場合により、それらの配列が同定された後、可溶性タンパク質構築物として合成され得る。

例えば、上記方法によって得られる、得られ得るまたは選択される重鎖可変ドメイン配列は、当該技術分野において公知の組換えまたは化学合成法を用いて合成され得る。また、上記方法によって得られる、得られ得るまたは選択されるアミノ酸配列は、遺伝子工学技術によって生成され得る。したがって、上記方法によって得られる、得られ得るまたは選択される重鎖可変ドメインを合成するための方法は、有害生物標的の活性に対して検出可能な結合親和性またはスフィンゴ脂質標的の活性における検出可能なインビトロ効果を有するアミノ酸配列をコードする核酸またはベクターを用いて形質転換しまたは宿主細胞を感染することを含み得る。したがって、スフィンゴ脂質標的の活性に対して検出可能な結合親和性または有害生物標的の活性における検出可能なインビトロ効果を有するアミノ酸配列は、組換えDNA法によって作製され得る。アミノ酸配列をコードするDNAは、従来の手法を用いて容易に合成され得る。調製されると、そのDNAは発現ベクターに導入され得て、その後、組換え宿主細胞において、および/またはこれらの組換え宿主細胞がいる培地中において、アミノ酸配列の発現を得るために、E.コリなどの宿主細胞にまたは任意の適切な発現系に形質転換または形質移入され得る。

タンパク質発現および精製の分野における当業者によって公知であるように、適切な発現系を用いて発現ベクターから生成される重鎖可変ドメインは、容易な精製のために、例えば、Hisタグまたは他の配列タグを用いて、(典型的にはアミノ酸配列のN末端またはC末端で)タグ化され得ることは理解されるべきである。

宿主細胞への核酸またはベクターの形質転換または形質移入は、当業者に公知の様々な手段によって達成され手、例えば、リン酸カルシウム−DNA共沈殿、DEAE−デキストランを介した形質移入、ポリブレンを介した形質移入、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポソーム融合、リポフェクション、プロトプラスト融合、レトロウイルス感染およびバイオリスティック法が挙げられる。

所望の重鎖可変ドメイン配列を発現するのに適した宿主細胞は、インビトロまたはインビボに配置されるかどうかに関係なく、任意の真核細胞または原核細胞(例えば、細菌細胞、E.コリ、酵母斎尾部、哺乳動物細胞、鳥類細胞、両生類細胞、植物細胞、魚類細胞および昆虫細胞)であってもよい。例えば、宿主細胞は、トランスジェニック植物に配置されてもよい。

こうして、本出願はまた、有害生物標的の活性に対して検出可能な結合親和性またはスフィンゴ脂質標的の活性における検出可能なインビトロ効果を有する重鎖可変ドメイン配列を生成する方法であって、このようなアミノ酸配列をコードする核酸またはベクターを用いて宿主細胞を形質転換し、形質移入しまたは感染し、適切な条件下でアミノ酸配列を発現することを含む方法を提供する。

なお別の実施形態において、本発明は、本明細書に開示されている農薬または生物防除組成物の製造(「の生成」が同等の用語である。)についての方法を提供する。

具体的な実施形態において、本発明は、本明細書に開示されている農薬組成物を生成するための方法であって、 −植物の有害生物のスフィンゴ脂質に特異的に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変ドメイン(VHHもしくはVH)またはその機能的断片を得るステップ、および −農薬組成物に重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を製剤化するステップ を少なくとも含む方法を提供する。

これらの方法の具体的な実施形態において、植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を得るステップは、 (a)植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する重鎖可変ドメインまたはその機能的断片をコードするヌクレオチド配列を発現し、および、場合により (b)重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を単離および/精製する ことを含む。

これらの方法の他の具体的な実施形態において、植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合する少なくとも1つの重鎖可変ドメインまたはその機能的断片を得るステップは、 a)重鎖可変ドメイン配列または重鎖可変ドメインの機能的断片のセット、コレクションまたはライブラリーを用意するステップ; b)植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合しおよび/またはそれに対して親和性を有する配列について、重鎖可変ドメイン配列もしくはその機能的断片のセット、コレクションまたはライブラリーをスクリーニングするステップ;および場合により c)植物病原体のスフィンゴ脂質に特異的に結合するおよび/またはそれに対して親和性を有する重鎖可変ドメイン配列またはその機能的断片の配列を単離するステップ を含む。

本出願は、本明細書に開示されている農薬または生物防除組成物の製造(「の生成」が同等の用語である。)に関する方法であって、少なくとも1つの従来の農薬補助剤とともに、殺虫活性を有する、80から200個のアミノ酸、または先に本明細書に定義されている他の適切な部分配列のアミノ酸配列またはポリペプチドを製剤化することを含む方法をさらに開示する。

適切な製造方法は、当該技術分野において公知であり、限定されないが、高または低剪断混合、湿式または乾式粉砕、ドリップキャスティング、カプセル化、乳化、被覆、修飾(encrusting)、ピリング、押出造粒、流動層造粒法、共押出、噴霧乾燥、噴霧冷却、微粒子化、付加重合または縮合重合、界面重合、インサイチュ重合、コアセルベーション、噴霧カプセル化、冷却溶融分散剤、溶媒蒸発、相分離、溶媒抽出、ゾル−ゲル重合、流動床被覆、パンコーティング、溶融、受動的または能動的な吸収または吸着が挙げられる。

具体的には、80から200個のアミノ酸のアミノ酸配列もしくはポリペプチド、または先に本明細書に記載されている他の適した部分範囲のアミノ酸配列もしくはポリペプチドは、化学合成によって調製され得る。

さらに、80から200個のアミノ酸のアミノ酸配列もしくはポリペプチド、または先に本明細書に記載されている他の適した部分範囲のアミノ酸配列もしくはポリペプチドは、インビトロにおける組換え微生物発現系によって調製され、さらなる使用のために単離され得ることがさらに開示される。このようなアミノ酸配列またはポリペプチドは、粗製細胞溶解物、懸濁液、コロイドなどのいずれかであってもよく、または代わりに、精製され、純化され、緩衝化され、および/または従来の農薬補助剤とともに製剤化される前にさらに処理されてもよい。

具体的には、組換え法は、概して、DNA分子が異種である(すなわち、通常は宿主に存在しない。)発現系に目的のアミノ酸配列、タンパク質またはポリペプチドを発現するDNA分子を挿入することを伴う。異種DNA分子は、適切なセンス向きと正しいリーディングフレームで発現系またはベクターに挿入される。ベクターは、挿入されたタンパク質コード配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含有する。DNAの転写は、プロモーターの存在に依存する。同様に、原核生物内でのmRNAの翻訳は、真核生物とは異なる適当な原核生物のシグナルの存在に依存する。遺伝子発現の最大化に関する概説については、Roberts and Lauer、Methods in Enzymology 68:473(1979)を参照されたい。使用される特定の調節配列にかかわらず、DNA分子は、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Springs Laboratory,Cold Springs Harbor,N.Y.(1989)に記載されるように、当該技術分野において標準的なクローニング手法を用いてベクターにクローニングされる。タンパク質をコードする単離されたDNA分子が発現系にクローニングされると、宿主細胞に組み込むことは容易である。このような組み込みは、ベクター/宿主細胞系に依存して、様々な形態の形質転換によって行うことができる。適切な宿主細胞には、限定されないが、細菌、ウイルス、酵母、哺乳動物細胞、昆虫、植物などが挙げられる。場合により、組換え宿主細胞は、天然または組換えの機能的III型分泌系を発現する宿主細胞であり得る。これは、US6,596,509に詳細に説明されている。機能的III型分泌系を発現する結果として、細胞は、ポリペプチドを発現し、その後、細胞培地中にタンパク質を分泌する。これは、ポリペプチドの単離および精製を単純化し得る。組換え宿主細胞は、適切な発酵チャンバーにおいて、好ましくは宿主細胞の増殖およびポリペプチドの発現を最適化する温度条件および栄養条件下で増殖され得る。当業者は、特定の宿主細胞について最適な条件を特定することができる。発酵後、例えば、細菌懸濁液は、例えば、約2から5倍体積の緩衝液中に希釈され、pHを約5.5.から10、好ましくはpHを約7から9、さらにより好ましくはpHを約8.0に調整され得る。適切な緩衝液は、当該技術分野において周知であり、例えば、リン酸カリウム緩衝液またはTris−EDTA緩衝液を含み得る。緩衝液の濃度は、約0.001mMから約0.5Mであり得る。pH調整後、(細菌)懸濁溶液は、約60から130℃の温度に、好ましくは約95から125℃の温度に加熱処理される。加熱処理は、任意の適切な期間行ってもよい。一実施形態において、加熱処理は、約5分から約30分の期間行われる。次に、加熱された懸濁溶液は冷却される。適切な冷却された温度は限定されず、約35から55℃、好ましくは約45℃である。冷却後、細菌懸濁液中の細菌細胞は、必要に応じて溶解され、ポリペプチドを遊離させる。細胞溶解物は、例えば、細菌懸濁液をリソザイムに接触させることによって行ってもよい。リソザイムの濃度は、約2ppmから100ppmの範囲であってもよい。あるいは、細胞溶解物は、非化学的な方法を伴ってもよく、例えば高圧または超音波であり、これらの両者は当業者に周知である。細胞溶解後、細菌懸濁液をインキュベートすることが望ましい場合がある。適切なインキュベーション時間は変更し得る。例えば、細菌懸濁液を約30から45分の時間、約40から42℃の温度でインキュベートすることが望ましい場合がある。溶解後、所望のポリペプチドは、先の加熱処理ステップに起因する細胞残屑および変性タンパク質を除くことによってさらに抽出され得る。一実施形態において、抽出物は、細胞残屑のいくらかを除くために、約10から20分間遠心分離される。適切な遠心分離速度は、約4,000から20,000rpmであってもよく、スピンダウン時間は、約10から20分間であり得る。さらに、次に、細胞残屑は、懸濁液を加熱処理および遠心分離によって除かれ、約60%、70%、80%、90%または95%を超える全固形物を除くことによって細胞残屑を実質的に含まない液体抽出物を得ることができる。この続く加熱処理は、約60℃の温度で最大約2時間、約100℃で約10分間、または約121℃で15psiの圧力をかけて約5分間行われてもよい。これらの温度および時間は、他の条件に応じて変更し得る。本明細書に開示されているアミノ酸配列またはポリペプチドを含有する安定な液体組成物を作製する方法は、液体抽出物に殺生剤、および場合によりプロテアーゼ阻害剤と非イオン性界面活性剤のうちの1つまたはこれらの両方を導入し、それによってポリペプチドを含む液体組成物を得ることをさらに伴う。一実施形態において、プロテアーゼ阻害剤は、非イオン性界面活性剤なしに液体抽出物に導入される。別の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、プロテアーゼ阻害剤なしに液体抽出物に導入される。さらなる実施形態において、プロテアーゼ阻害剤と非イオン性界面活性剤の両方は、液体抽出物に導入される。なお別の実施形態において、プロテアーゼ阻害剤と非イオン性界面活性剤のいずれも液体抽出物に導入されない。あるいは、本明細書に開示されている液体組成物の安定性は、例えば、HPLC分析、または特定のタンパク質もしくはポリペプチドの量を同定し得る他の適切な手法を用いて評価され得る。本明細書に開示されている組成物におけるアミノ酸配列またはポリペプチドの安定性は、古い液体組成物中のタンパク質量を、最近に調製された液体組成物または同条件下で行われた先の定量と比較することによって決定され得る。タンパク質安定性の測定は、その活性の保持と強く相関する。

従来の農薬補助剤は当該技術分野において周知であり、限定されないが、水性溶媒または有機溶媒、緩衝剤、酸性化剤、界面活性剤、湿潤剤、散布剤、粘着付与剤、展着剤、担体、充填剤、増粘剤、乳化剤、分散剤、金属イオン封鎖剤、沈降防止剤、融合助剤、レオロジー調整剤、消泡剤、フォトプロテクター、凍結防止剤、殺生物剤、浸透剤、鉱油または植物油、顔料および飛散制御剤または任意の適切なこれらの組み合わせが含まれる。

なお別の実施形態において、本発明は、約0.00001から1μMの最小阻害濃度で植物の有害生物の増殖および/または活性を阻害することができる、ある種の植物の有害生物標的に対する親和性選択によって得られる、80から200個のアミノ酸または本明細書において先に開示された部分範囲のポリペプチドを提供する。

真菌による感染からまたは真菌との別の生物学的相互作用から植物を保護、防止、治癒または治療するための、本明細書に開示されている方法の特定の実施形態において、本明細書に開示されている重鎖可変ドメイン配列、ポリペプチドまたは組成物は、噴霧(spraying)、散布、発泡、噴霧(fogging)、ハイドロカルチャーにおける培養/水耕栽培における培養、塗布、浸漬(submerging)および/または被覆(encrusting)によって、植物に直接的または間接的に施用される。

[核酸配列] さらなる態様において、本発明は、本明細書に開示されている組成物中の重鎖可変ドメインアミノ酸配列をコードする核酸配列(または適切なその断片)を提供する。また、これらの核酸配列は、ベクターまたは構築物またはポリヌクレオチドの形態であってもよい。本明細書に開示されている核酸配列は、合成もしくは半合成の配列、ライブラリー(および特に発現ライブラリー)から単離されたヌクレオチド配列、重複プライマーを用いるPCRによって調製されたヌクレオチド配列、またはそれ自体が公知のDNA合成のための技術を用いて調製されたヌクレオチド配列であってもよい。

[構築物、ベクター、宿主細胞] 本明細書に開示されている遺伝子構築物は、DNAまたはRNAであり得、好ましくは二本鎖DNAである。本発明の遺伝子構築物はまた、意図される宿主細胞もしくは宿主生物の形質転換に適した形態、意図された宿主細胞のゲノムDNAへの組み込みに適した形態、または意図された宿主生物における独立した複製、維持および/または継承に適した形態であってもよい。例えば、本発明の遺伝子構築物は、ベクター、例えば、プラスミド、コスミド、YAC、ウイルスベクターまたはトランスポゾンの形態であってもよい。具体的には、ベクターは、発現ベクター、すなわち、インビトロおよび/またはインビボにおいて(例えば、適切な宿主細胞、宿主生物および/または発現系において)発現用に提供し得るベクターであり得る。

したがって、別のさらなる態様において、本発明はまた、本発明の1つ以上の核酸配列を含むベクターを提供する。

なおさらなる態様において、本発明は、本明細書に開示されている1つ以上のアミノ酸配列を発現するまたは発現し得る宿主または宿主細胞を提供する。本発明のアミノ酸配列、ポリペプチドの発現に適した宿主または宿主細胞の例は、当業者に明らかとなる。

本出願は、定義されるように、農薬または生物防除組成物において安定なままである、80から200個のアミノ酸または先に本明細書において検討された部分配列のポリペプチドを開示し、定義されるように、ポリペプチドの完全性および殺虫活性は、農薬組成物の保存条件および/または利用条件下で維持され、該条件には、温度上昇、凍結−融解サイクル、pHまたはイオン強度の変化、UV照射、有害な化合物の存在などが含まれ得ることを意味する。最も好ましくは、80から200個のアミノ酸のこれらのポリペプチドは、農薬組成物が周囲温度で2年間保存されたとき、または農薬組成物が54℃で2週間保存されたとき、農薬組成物中で安定のままである。特に、農薬組成物に含まれる80から200個のアミノ酸のポリペプチドは、周囲温度で2年間、農薬組成物中で保存された後、またはポリペプチドを含む農薬組成物が54℃の2週間保存されたとき、少なくとも約70%活性、より具体的には少なくとも約70%から80%活性、最も具体的には約80%から90%活性を保持する。

なお別の実施形態において、本明細書に開示されている方法における使用に関して、本出願は、80から200個のアミノ酸のポリペプチドをコードする核酸配列を開示し、ポリペプチドは、特定の植物病原性標的に対する親和性選択によって得られ、ポリペプチドは、約0.00001から1μMの最小阻害濃度で作物の有害生物の増殖および/またはその活性を阻害することができる。

以下の作動可能に連結されたDNAエレメント:a)植物の発現可能なプロモーター、b)転写されるとき、ポリペプチドに翻訳され得るmRNA分子を与えるDNA領域、およびc)該植物の細胞において機能する転写終結およびポリアデニル化シグナルを含む3’末端領域、を含むキメラ遺伝子もまた開示される。

「キメラ遺伝子」または「キメラ構築物」は、プロモーター(例えば、植物の発現可能なプロモーター)または調節核酸配列が、mRNAをコードする核酸配列に作動可能に連結されまたは関連付けられている組換え核酸配列であり、それにより、調節核酸配列は、植物細胞などの細胞に導入されると、関連付けられた核酸コーディング配列の転写または発現を調節することができる。キメラ遺伝子の調節核酸配列は、通常、天然にみられる関連付けられた核酸配列に作動可能に連結されていない。

本発明において、「植物プロモーター」は、植物細胞におけるコーディング配列セグメントの発現を媒介する調節エレメントを含む。植物における発現に関して、核酸分子は、適切なプロモーターに作動可能に連結されなければならないまたは適切なプロモーターを含まなければならず、このプロモーターは時間内に正確な点においておよび必要な空間的発現パターンにより遺伝子を発現する。

用語「作動可能に連結された」は、本明細書で使用するとき、プロモーター配列が目的の遺伝子の転写を開始できるように、プロモーター配列と目的の遺伝子の間の機能的連結を指す。

植物の発現可能なプロモーターは、植物における導入遺伝子の発現を指向することができる核酸配列を含む。植物の発現可能なプロモーターの例は構成的プロモーターであり、これは、必ずしも全体ではないが、増殖および発生の大部分の時期に、大部分の環境条件下で、少なくとも1つの細胞、組織または器官において転写的に活性であり、他のプロモーターは誘導性プロモーターであり、他の例は、組織特異的プロモーターであり、さらに他の例は非生物的ストレス誘導性プロモーターである。

植物において形質転換されたとき、キメラ遺伝子(または発現カセット)は、タンパク質の発現に至る核酸を発現する。

また、本明細書において先に記載された発現カセット(またはキメラ遺伝子)を含む組換えベクターが開示される。

用語「ターミネーター」は、一次転写産物の3’プロセシンングおよびポリアデニル化ならびに転写終結をシグナル伝達する転写単位の末端でDNA配列である制御配列を包含する。ターミネーターは、天然遺伝子由来、様々な他の植物遺伝子由来またはT−DNA由来であってもよい。加えられるターミネーターは、例えば、ノパリンシンターゼまたはオクトピンシンターゼ遺伝子由来、または代替として別の植物遺伝子由来またはあまり好ましくはないが任意の他の真核性遺伝子由来であってもよい。

「選択可能マーカー」、「選択可能マーカー遺伝子」または「レポーター遺伝子」は、それが本発明の核酸構築物で形質移入または形質転換される細胞の同定および/または選択を促進するように発現される細胞に表現型を与える任意の遺伝子を含む。これらのマーカー遺伝子は、一連の異なる原理によって核酸分子の成功した転移の同定を可能にする。適切なマーカーは、新規代謝的特性を導入するまたは視覚選択を可能にする抗生物質または除草剤抵抗性を与えるマーカーから選択されてもよい。選択可能なマーカー遺伝子の例は、抗生物質(例えば、ネオマイシンおよびカナマイシンをリン酸化するnptllまたはハイグロマイシンをリン酸化しているhptまたは例えばブレオマイシン、ストレプトマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、アンピシリン、ゲンタマイシン、ジェネテシン(G418)、スペクチノマイシンまたはブラストサイジンに対して抵抗性を与える遺伝子)に対して、除草剤(例えば、Basta(登録商標)に対して抵抗性を与えるbar、グリホサートに対して抵抗性を与えるaroAまたはgoxまたは例えばイミダゾリノン、ホスフィノトリシンまたはスルホニル尿素に対して抵抗性を与える遺伝子)に対して抵抗性を与える遺伝子または代謝産物特性を与える遺伝子(植物が唯一の炭素源としてマンノースもしくはキシロースの利用のためにキシロースイソメラーゼを使用することを可能にするmanAまたは2−デオキシグルコースに対する抵抗性などの非栄養性マーカーなど)を含む。視覚マーカー遺伝子の発現は、色(例えばβ−グルクロニダーゼ、GUSまたはその着色基質、例えばX−Galを有するβ−ガラクトシダーゼ)、発光(例えばルシフェリン/ルシフェラーゼ系)または蛍光(緑色蛍光タンパク質、GFPおよびその誘導体)の形成を生じる。このリストは、少数の可能なマーカーのみを表す。当業者はこのようなマーカーをよく知っている。生物および選択方法に応じて異なるマーカーが好ましい。

核酸の植物細胞内への安定的または一過的な組み込みの際、少数の細胞のみが外来DNAを受け入れ、所望の場合、使用した発現ベクターおよび使用した形質移入技術に応じて外来DNAをそのゲノム内に組み込むことが知られている。これらの成分を同定し、選択するために、選択可能なマーカー(上記のマーカーなど)をコードする遺伝子が、通常、目的の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。これらのマーカーは、例えば、変異体において使用されてもよく、これらの遺伝子は、例えば従来の方法による欠失によって機能しなくなる。さらに、選択可能なマーカーをコードする核酸分子は、本発明のポリペプチドをコードする配列を含む同じベクター上で宿主細胞内に導入されてもよいまたは本発明の方法において使用されてもよいまたは他には別のベクターにおいて使用されてもよい。導入された核酸で安定に形質移入された細胞は、例えば選択によって同定され得る(例えば、選択可能なマーカーを組み込こまれた細胞は生存するが、他の細胞は死滅する。)。

マーカー遺伝子、特に抗生物質または除草剤に対する抵抗性に関する遺伝子はもはや必要とされないまたは核酸が首尾良く導入されると、トランスジェニック宿主細胞において望まれないため、核酸を導入するための本発明のプロセスは、有益にはこれらのマーカー遺伝子の除去または切除を可能にする技術を利用する。1つのこのような方法は、同時形質転換として知られているものである。同時形質転換法は、同時に形質転換するための2つのベクターを利用し、第1のベクターは本発明の核酸を保有し、第2のベクターはマーカー遺伝子を保有する。大部分の形質転換細胞が両方のベクターを受け入れ、または植物の場合、両方のベクターを(形質転換細胞の40%以下またはそれ以上)含む。アグロバクテリウム(Agrobacteria)による形質転換の場合、形質転換細胞は、通常、ベクターの一部のみ、すなわち、通常、発現カセットを表す、T−DNAに隣接した配列を受け入れる。マーカー遺伝子は、続いて交配を実施することによって形質転換植物から除去されてもよい。別の方法において、トランスポゾン内に組み込まれたマーカー遺伝子が所望の核酸と一緒の形質転換のために使用される(Ac/Ds技術として知られている)。形質転換細胞は、トランスポーゼース源と交配されてもよいまたは形質転換細胞は一過的または安定的にトランスポーゼースの発現を与える核酸構築物で形質転換される。一部の場合(約10%)、形質転換が首尾良く行われると、トランスポゾンは宿主細胞のゲノムから飛び出し、損失する。さらにいくらかの場合、トランスポゾンは異なる位置に飛び出す。これらの場合、マーカー遺伝子は交配を実施することによって取り除かれなければならない。微生物学において、このような事象の検出を可能にするまたは容易にする技術が開発された。さらなる有益な方法は、組換え系として知られているものに依存し、この利点は交配による除去が施され得ることである。この種の最もよく知られた系は、Cre/Iox系として知られているものである。Cre1は、loxP配列間に位置する配列を除去するリコンビナーゼである。マーカー遺伝子がloxP配列間に組み込まれる場合、形質転換がリコンビナーゼの発現によって首尾良く行われると、このマーカー遺伝子は除去される。さらなる組換え系はHIN/HIX、FLP/FRTおよびREP/STB系である(Tribbleら、J.Biol.Chem.、275、2000:22255−22267;Velmuruganら、J.Cell Biol.、149、2000:553−566)。本発明に係る核酸配列の植物ゲノム内への部位特異的組み込みが可能である。

本発明の目的のために、「トランスジェニック」、「導入遺伝子」または「組換え体」とは、例えば、核酸配列、発現カセット、遺伝子構築物もしくは核酸配列を含むベクターまたは核酸配列で形質転換された生物に関して、本発明の発現カセットまたはベクターを意味する。

したがって、本発明の目的のためのトランスジェニック植物は、上記のように、本発明の方法に使用される核酸が、上記植物のゲノム内に存在しないもしくは上記植物のゲノムに由来しないまたは上記植物のゲノム内に存在するが、上記植物のゲノム内のそれらの天然の遺伝子座に存在せず、核酸が相同的または非相同的に発現されることを可能にすることを意味すると理解される。しかしながら、上述のように、トランスジェニックはまた、本発明の核酸または本発明の方法に使用される核酸が、植物のゲノム内のそれらの天然の位置に存在するが、配列は天然の配列に関して修飾され、および/または天然配列の調節配列が修飾されていることを意味する。トランスジェニックは、好ましくは、ゲノム内の非天然の遺伝子座における本発明の核酸の発現、すなわち、核酸の相同発現または非相同発現が起こることを意味すると理解される。好ましいトランスジェニック植物は本明細書において言及されている。用語「発現」または「遺伝子発現」とは、特異的遺伝子または特異的遺伝子構築物の転写を意味する。特に、用語「発現」または「遺伝子発現」とは、構造的RNA(rRNA、tRNA)またはmRNAのタンパク質への後の翻訳を有するか有さないかにかかわらず、遺伝子(単数もしくは複数)または遺伝子構築物の構造的RNA(rRNA、tRNA)またはmRNAへの転写を意味する。プロセスはDNAの転写および得られたmRNA産物のプロセシングを含む。

用語「高発現」または「過剰発現」とは、本明細書で使用するとき、元の野生型発現レベルに付加的である発現の任意の形態を意味する。本発明の目的のために、元の野生型発現レベルはまた、ゼロであってもよく、すなわち、発現が存在しなくてもよいまたは測定できない発現であってもよい。

遺伝子または遺伝子産物の発現を増加させるための方法は、当該技術分野において十分に立証されており、例えば、適切なプロモーター(本明細書において先に記載される。)によって駆動される過剰発現、転写エンハンサーまたは翻訳エンハンサーの使用が挙げられる。プロモーターまたはエンハンサーエレメントとして役立つ単離された核酸は、目的のポリペプチドをコードする核酸の発現を上方制御するように非相同でない形態のポリヌクレオチドの適切な位置(典型的には上流)に導入されてもよい。ポリペプチド発現が所望される場合、一般に、ポリヌクレオチドコーディング領域の3’末端にポリアデニル化領域を含むことが望まれる。ポリアデニル化領域は、天然遺伝子由来、様々な他の植物遺伝子由来またはT−DNA由来であってもよい。付加される3’末端配列は、例えば、ノパリンシンターゼもしくはオクトピンシンターゼ遺伝子由来であってもよく、または代替として別の植物遺伝子由来であってもよく、またはあまり好ましくないが任意の他の真核性遺伝子由来であってもよい。

イントロン配列もまた、サイトゾルに蓄積する成熟メッセージの量を増加させるために、5’非翻訳領域(UTR)または部分的コーディング配列のコーディング配列に付加されてもよい。植物と動物の両方の発現構築物における転写単位内へのスプライス可能なイントロンの包含は、mRNAとタンパク質の両方で1000倍までのレベルで遺伝子発現を増加させることが示されている(BuchmanおよびBerg(1988)Mol.Cell biol.8:4395−4405;Callisら(1987)Genes Dev 1:1183−1200)。遺伝子発現のこのようなイントロン増大は、典型的には、転写単位の5’末端に近接して配置される場合、最大になる。トウモロコシイントロンAdh1−Sイントロン1、2および6、ブロンズ(Bronze)−1イントロンの使用は当該技術分野において公知である。一般的な情報に関しては、The Maize Handbook、Chapter 1 16,FreelingおよびWalbot編、Springer、N.Y.(1994)を参照されたい。

用語「導入」または「形質転換」は、本明細書で述べられるとき、転移のために使用した方法に関係なく、外因性ポリヌクレオチドまたはキメラ遺伝子(もしくは発現カセット)の宿主細胞内への転移を包含する。器官形成によるか胚形成によるかにかかわらず、後でクローン増殖できる植物組織は、本発明の遺伝子構築物およびそこから再生された植物全体で形質転換され得る。選択された特定の組織は、形質転換される特定の種に利用可能であり、この形質転換される特定の種に最適であるクローン増殖系に応じて変化する。例示的な組織標的としては、葉、花盤、花粉、胚、子葉、胚軸、大配偶体、カルス組織、既存の分裂組織(例えば頂端分裂組織、腋芽および根分裂組織)、誘導性分裂組織(例えば子葉分裂組織および胚軸分裂組織)が挙げられる。ポリヌクレオチドは宿主細胞内に一過的または安定的に導入されてもよく、例えばプラスミドとして組み込まれずに維持されてもよい。代替として、ポリヌクレオチドは宿主ゲノム内に組み込まれてもよい。次に、得られた形質転換植物細胞は、当業者に公知の方法で形質転換植物を再生するために使用されてもよい。

外来遺伝子の植物のゲノム内への転移は形質転換と呼ばれる。植物種の形質転換は、現在、かなり慣用の技術である。有益には、いくつかの形質転換法のいずれかが目的の遺伝子を適切な原細胞内に導入するために使用されてもよい。植物組織または植物細胞からの植物の形質転換および再生について記載した方法は、一過的形質転換または安定的形質転換のために利用されてもよい。形質転換法は、リポソーム、エレクトロポレーション、遊離DNA取り込みを増加させる化学物質、植物内へのDNAの直接注入、粒子ガン衝撃、ウイルスまたは花粉を使用する形質転換およびマイクロプロジェクションの使用を含む。方法は、プロトプラストについてのカルシウム/ポリエチレングリコール法(Krens,F.A.ら、(1982)Nature 296、72−74;Negrutiu Iら(1987)Plant Mol Biol 8:363−373)、プロトプラストのエレクトロポレーション(Shillito R.D.ら(1985)Bio/Technol 3、1099−1102)、植物材料内へのマイクロインジェクション(Crossway Aら、(1986)Mol.Gen Genet 202:179−185)、DNAまたはRNA被覆粒子衝撃(Klein TMら、(1987)Nature 327:70)、(非組み込みの)ウイルスによる感染などから選択されてもよい。トランスジェニック作物を含むトランスジェニック植物は好ましくは、アグロバクテリウムにより媒介される形質転換により生成される。有益な形質転換法は、植物体における形質転換である。この目的を達成するために、例えば、アグロバクテリウムを植物種子に対して作用させるまたは植物分裂組織にアグロバクテリウムを接種することが可能である。本発明に従い、形質転換されたアグロバクテリウムの懸濁液をインタクトな植物または少なくとも花原基に作用させることが特に役立つことが証明されている。植物は、処理された植物の種子が得られるまで続けて成長させる(CloughおよびBent、Plant J.(1998)16、735−743)。コメのアグロバクテリウム属媒介形質転換の方法は、下記のいずれかに記載の方法などの、コメの形質転換の周知の方法を含む:欧州特許出願EP1198985、AldemitaおよびHodges(Planta 199:612−617、1996);Chanら(Plant Mol Biol 22(3):491−506、1993)、Hieiら(Plant J 6(2):271−282、1994)、これらの開示は完全に説明されたかのように参照により本明細書に組み込まれる。トウモロコシの形質転換の場合、好ましい方法は、Ishidaら(Nat.Biotechnol 14(6):745−50、1996)またはFrameら(Plant Physiol 129(1):13−22、2002)のいずれかに記載の方法であり、これらの開示は完全に説明されたかのように、参照により本明細書に組み込まれる。上記方法は、B.Jenesら、Techniques for Gene Transfer、Transgenic Plants、Vol.1、Engineering and Utilization、S.D.KungおよびR.Wu編、Academic Press(1993)128−143およびPotrykus Annu.Rev.Plant Physiol.Plant Molec.Biol.42(1991)205−225)に例としてさらに記載されている。発現される核酸または構築体は、好ましくは、アグロバクテリウム・ツメファシエンシス(Agrobacterium tumefaciens)の形質転換に適切なベクター、例えば、pBin19(Bevanら(1984)Nucl.Acids Res.12−8711)内にクローニングされる。次に、このようなベクターによって形質転換されたアグロバクテリアは、アラビドプシス(Arabidopsis)(アラビドプシス・タリアーナ(Arabidopsis thaliana)は本発明の範囲内であり、作物植物としてみなされない。)のようなモデルとして使用される植物などの植物、例としてタバコ植物などの作物の形質転換のための公知の様式に、例えば、傷ついた葉または刻んだ葉をアグロバクテリアの溶液に浸し(immersing)、その後、それらを適切な培地において培養することによって使用できる。アグロバクテリウム・ツメファシエンシスを用いた植物の形質転換が、例えば、HofgenおよびWillmitzerによるNucl.Acid Res.(1988)16、9877により記載され、または特に、F.F.White、Vectors for Gene Transfer in Higher Plants;Transgenic Plants、Vol.1、Engineering and Utilization、S.D.KungおよびR.Wu編、Academic Press、1993、15−38頁により公知である。

その後、無傷の植物に再生されなければならない体細胞の形質転換に加えて、植物分裂組織の細胞、特に配偶子に生育するそれらの細胞もまた形質転換し得る。この場合、形質転換された配偶子は、天然の植物の生育をたどり、トランスジェニック植物を生じる。こうして、例えば、アラビドプシスの種子をアグロバクテリアを用いて処理し、種子が、特定の部分が形質転換された、したがってトランスジェニックな生育中の植物から得られる[Feldman,KAおよびMarks MD(1987).Mol Gen Genet 208:1−9;Feldmann K(1992).C Koncz、N−H ChuaおよびJ Shell編、Methods in Arabidopsis Research.Word Scientific、Singapore、274−289頁]。代替の方法は、花序の反復除去およびロゼットの中心の切除部位と形質転換されたアグロバクテリアとのインキュベーションに基づき、それによって、形質転換された種子を同様にのちの時点で得ることができる(Chang(1994).Plant J.5:551−558;Katavic(1994).Mol Gen Genet、245:363−370)。しかしながら、特に有効な方法は、減圧浸潤法および「フローラルディップ」法などのその変形である。シロイヌナズナの減圧浸潤の場合、減圧下で無傷の植物をアグロバクテリアの懸濁液を用いて処理し[Bechthold,N(1993).CR Acad Sci Paris Life Sci、316:1194−1199]、一方、「フローラルディップ」法の場合、生育中の花の組織を、界面活性剤により処理されたアグロバクテリアの懸濁液と一緒に少しの間インキュベートする[Clough,SJおよびBent AF(1998)The Plant J.16、735−743]。両方の場合に、トランスジェニック種子の特定の集団を収穫し、これらの種子は、上記の選択的条件下で成長した非トランスジェニック種子とは識別可能である。加えて、母方から遺伝する色素体は、大部分の作物において導入遺伝子が花粉に流入する危険性を減少または排除するので、色素体の安定した形質転換が有利である。葉緑体ゲノムの形質転換は、概して、Klausら、2004[Nature Biotechnology 22(2)、225−229]に概略的に表示されている方法によって達成される。簡潔に言うと、形質転換される配列は、葉緑体ゲノムに相同な隣接配列の間に、選択可能なマーカー遺伝子と一緒にクローニングされる。これらの相同な隣接配列は、プラストーム内に部位特異的統合に指向する。色素体の形質転換は、多数の様々な植物種に関して記載されており、概要は、Bock(2001)Transgenic plastids in basic research and plant biotechnology.J Mol Biol.2001 Sep21;312(3):425−38またはMaliga,P(2003)Progress towards commercialization of plastid transformation technology.Trends Biotechnol.21、20−28に示されている。さらなるバイオテクノロジーの進歩が、無マーカー色素体形質転換体の形態で近年報告されており、これらは一時的に共組込みされたマーカー遺伝子により作製できる(Klausら、2004、Nature Biotechnology 22(2)、225−229)。

遺伝的に修飾された植物細胞は、技術者によく知られたすべての方法を介して再生できる。適切な方法は、S.D.KungおよびR.Wu、PotrykusまたはHofgenおよびWillmitzerによる上記の刊行物に見出すことができる。

概して、形質転換後、植物細胞または細胞のグループは、目的とする遺伝子とともに同時移入される、植物の発現可能な遺伝子によりコードされる、一種以上のマーカーの存在に関して選択され、その後、形質転換された材料を植物全体に再生する。形質転換植物の選択のために、形質転換により得られた植物材料は、一般に、形質転換された植物が、非形質転換植物と識別できるような選択条件に供される。例えば、上記の様式において得られた種子を植え付け、初期成長期間後、噴霧による適切な選択に供することができる。さらなる可能性は、滅菌後適切な場合、形質転換された種子だけが植物に成長できるように、適切な選択剤を使用して寒天プレート上で種子を成長させることにある。代替として、形質転換された植物を、上記の一種などの選択可能なマーカーの存在に関してスクリーニングする。DNAの転移および再生後、推定上形質転換された植物を、例えば、サザン分析を使用して、目的とする遺伝子の存在、コピー数および/またはゲノムの組織化に関してさらに評価することができる。代替的にはまたは追加的に、新しく導入されたDNAの発現レベルはノーザン分析および/またウエスタン分析を使用してモニターすることができ、これらはともに当業者に周知の技術である。

作製された形質転換植物は、クローン増殖または伝統的な育種技術などの様々な手段により繁殖させることができる。例えば、第1世代(またはT1)形質転換植物は自家受粉でき、ホモ接合性の第2世代(またはT2)形質転換体を選択し、T2植物は、その後、伝統的な育種技術を介してさらに繁殖させることができる。作製された形質転換生物は、様々な形態をとり得る。例えば、これらは、形質転換細胞および非形質転換細胞のキメラ、クローン性形質転換体(例えば、発現カセットを含有するように形質転換されたすべての細胞)、形質転換組織および非形質転換組織のグラフト(例えば、植物において、非形質転換の接ぎ穂にグラフトされた形質転換された根茎)であってもよい。

以下の非限定的な実施例は、本発明の方法および手段を記載する。実施例において特に記述がない限り、全ての技術は、当該技術分野において標準的なプロトコルに従って実施される。以下の実施例は、本発明の実施形態を例証するために含まれる。当業者は、本開示に照らして、開示され、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果をさらに得る具体的な実施形態において、多くの変更がなされることを理解すべきである。より具体的には、化学的および生理学的の両方に関連する特定の薬剤は、同じまたは類似の結果が達成されながら、本明細書に記載されている薬剤の代わりに使用され得ることは明らかである。当業者に明らかな全てのこのような類似の置換および修飾は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神、範囲および概念内にあるとみなされる。

したがって、図面、配列表および実験の部/実施例は、本発明をさらに例証するためのみ与えられ、明示的に別段の指示がない限り、いずれの方法によっても本発明の範囲および/または添付の特許請求の範囲を限定するものとして解釈および理解されてはならない。

ここで、上記の開示は、以下の非制限的な実施例および図面によってさらに説明され、図面は以下の通りである。

プレロトス・シトリノピレタス(Pleurotus citrinopileatus)由来の被覆真菌GlcCerへの粗製VHHを含有するペリプラズム抽出物としてのVHHの結合を示す図である。抗GlcCer VHHは真菌GlcCerに結合するが、無関係なVHHについては、結合は観察されない。

VHH41 D01の結合特異性を示す図である。フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)またはプレロトス・シトリノピレタス由来の被覆真菌GlcCer、および植物(大豆)または哺乳動物(ブタ)由来の非真菌GlcCerへの0.1μg/mlでの精製VHH 41D01の結合。バーは、平均OD405nm値を表し、誤差バーは、平均n=6の標準誤差を表す。抗GlcCer VHH 41D01は、真菌GlcCerに特異的に結合し、植物および哺乳動物のGlcCerに結合しない。

VHHの結合特異性を示す図である。フザリウム・オキシスポラムまたはプレロトス・シトリノピレタス由来の被覆真菌GlcCerへの1μg/mlでの精製VHHの結合。異なる抗GlcCer VHHは、異なる真菌GlcCerに特異的に結合する。

VHHの結合特異性を示す図である。植物(大豆)由来の被覆非真菌GlcCerへの1μg/mlでの精製VHHの結合。異なる抗GlcCer VHHは、植物GlcCerに結合しない。

VHHの結合特異性を示す図である。被覆非真菌哺乳動物GlcCer(ブタ)由来への1μg/mlでの精製VHHの結合。異なる抗GlcCer VHHは、哺乳動物GlcCerに結合しない。

VHH 41D01と真菌GlcCerの間の抗体−抗原相互作用のリアルタイム測定を示す図である。VHH 41 D01は真菌GlcCerに結合する。VHH 41 D01からのGlcCerの穏やかな解離が観察される。無関係なVHH_Aは真菌GlcCerに結合しない。

VHH 41 D01とVHH 56F11の交差反応性および特異性を示す図である。被覆真菌脂質抽出物、プレロトス・シトリノピレタス由来のGlcCer、および無関係な化合物:リンゴペクチン、柑橘類ペクチンまたはジャガイモレクチンへの0.1μg/mlでの精製VHH 41D01の結合および1μg/mlでのVHH 56F11の結合。バーは、平均OD405nm値を表し、誤差バーは、平均n=2の標準誤差を表す。抗GlcCer VHH 41D01およびVHH 56F11は、試験された真菌脂質抽出物のそれぞれに特異的に結合する。抗GlcCer VHH 41 D01およびVHH 56F11は、無関係な被覆化合物および非被覆ウェルに対する結合を示さない。

フザリウム・オキシスポラム由来の真菌GlcCerへの異なる組成物中のVHH 41 D01の結合を示す図である。0.1μg/mlの抗GlcCer VHH 41 D01およびプロテアーゼ阻害剤および/または非イオン性界面活性剤および/または保存剤を含有する水性組成物は、真菌GlcCerへの結合について試験された。GlcCer特異的VHH 41 D01は、いずれもの添加物による有害影響なしに、試験された全ての組成物において真菌GlcCerに結合する。

真菌増殖の視覚スコアを示す図である。VHH(抗GlcCer VHH 41D01、57E05、56F11および57A06ならびに無関係なVHH_Aまたは無関係なVHH_B)の連続希釈物は、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)胞子(1E+05/ml)で植菌され、室温でインキュベートされた。抗GlcCer VHH 41D01、57E05、56F11および57A06、無関係なVHH_Aまたは無関係なVHH_Bの真菌増殖における効果は、1セットの写真標準に基づいて定量された。バーは、増殖の平均%を表し、誤差バーは、少なくとも3つの複製の平均の標準誤差を表す。

真菌増殖の視覚スコアを示す図である。VHH(抗GlcCer VHH 56C09、56H07、57C09、57E07、57E11ならびに無関係なVHH_Aまたは無関係なVHH_B)の連続希釈物は、ボトリチス・シネレア胞子(1E+05/ml)で植菌され、室温でインキュベートされた。抗GlcCer VHH 56C09、56H07、57C09、57E07、57E11、無関係なVHH_Aまたは無関係なVHH_Bの真菌増殖における効果は、1セットの写真標準に基づいて定量された。バーは、増殖の平均%を表し、誤差バーは、少なくとも3つの複製の平均の標準誤差を表す。

真菌増殖の視覚スコアを示す図である。VHH(抗GlcCer VHH 54C08、54C11、56A05、56A09ならびに無関係なVHH_Aまたは無関係なVHH_B)の連続希釈物は、ボトリチス・シネレア胞子(1E+05/ml)で植菌され、室温でインキュベートされた。抗GlcCer VHH 54C08、54C11、56A05、56A09、無関係なVHH_Aまたは無関係なVHH_Bの真菌増殖における効果は、1セットの写真標準に基づいて定量された。バーは、増殖の平均%を表し、誤差バーは、少なくとも3つの複製の平均の標準誤差を表す。

異なる真菌種の真菌増殖の視覚スコアを示す図である。VHH(抗GlcCer VHHまたは無関係なVHH)の2倍連続希釈物は、アルテルナリア・ブラシキコラ(Alternaria brassicicola)胞子(1E+05/ml)で室温にてインキュベートされる。VHHおよび対照化合物の真菌増殖における効果は、1セットの写真標準に基づいた。バーは平均増殖%を表し、誤差バーは、n=2の平均の標準誤差を表す。

異なる真菌種の真菌増殖の視覚スコアを示す図である。VHH(抗GlcCer VHHまたは無関係なVHH)の2倍連続希釈物は、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)胞子(1E+05/ml)で室温にてインキュベートされる。VHHおよび対照化合物の真菌増殖における効果は、1セットの写真標準に基づいた。バーは平均増殖%を表し、誤差バーは、n=2の平均の標準誤差を表す。

異なる真菌種の真菌増殖の視覚スコアを示す図である。VHH(抗GlcCer VHHまたは無関係なVHH)の2倍連続希釈物は、フザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)胞子(1E+05/ml)で室温にてインキュベートされる。VHHおよび対照化合物の真菌増殖における効果は、1セットの写真標準に基づいた。バーは平均増殖%を表し、誤差バーは、n=2の平均の標準誤差を表す。

異なる真菌種の真菌増殖の視覚スコアを示す図である。VHH(抗GlcCer VHHまたは無関係なVHH)の2倍連続希釈物は、ベルチシリウム・ダヒリア(Verticillium dahliae)胞子(1E+05/ml)で室温にてインキュベートされる。VHHおよび対照化合物の真菌増殖における効果は、1セットの写真標準に基づいた。バーは平均増殖%を表し、誤差バーは、n=2の平均の標準誤差を表す。

ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)を用いたインビトロでの抗真菌アッセイを示す図である。VHHの2倍希釈物は、P.エキスパンスム胞子(1E+03/ml)で室温にて植菌された。抗GlcCer VHH 41D01、無関係なVHH_A、BSA、無関係な hlgG、抗GlcCerマウスモノクローナル抗体および水について試験した。発光(RLU)はインキュベートの24時間後に測定された。処理された胞子のRLU%は、未処理の胞子に対して示される。値は平均RLU%を表し、誤差バーはn=4の平均の標準誤差を表す。

疾患重症度は、抗GlcCer VHH 41 D01、未処理VHH_Aまたは水で防止的に処理されたトマトの葉において測定され、ボトリチス・シネレア胞子(6E+06胞子/ml)で植菌された。バーは感染6日後にスコアリングされた平均病変径(mm)を表し、誤差バーはn=5の平均の標準誤差を表す。

疾患重症度は、抗GlcCer VHH 41 D01、未処理VHH_AまたはBSAで治療的に処理されたトマトの葉において測定され、ボトリチス・シネレア胞子(6E+06胞子/ml)で植菌された。バーは感染5日後にスコアリングされた平均病変径(mm)を表し、誤差バーはn=5の平均の標準誤差を表す。

疾患重症度は、抗GlcCer VHH 41 D01、未処理VHH_Aまたは水で防止的に処理された西洋ナシにおいて測定され、ボトリチス・シネレア胞子(1E+04胞子/ml)で植菌された。バーは感染4日後にスコアリングされた平均病変径(mm)を表し、誤差バーはn=5の平均の標準誤差を表す。

実施例および材料と方法 実施例1 真菌グルコシルセラミドに対する親和性を有するペプチドをコードする核酸配列の単離 動物の免疫化:VHHは、真菌グルコシルセラミド(GlcCer)で免疫化されたラマから生じされた。ラマは、プレロトス・シトリノピレタス(Pleurotus citrinopileatus)由来の薄層クロマトグラフィー(TLC)精製された(99%)のグルコシルセラミド(GlcCer)(Nacalai Tesque)の6ブーストを用いて、標準的なプロトコルに従って免疫化された。精製されたGlcCerは水:メタノール:クロロホルム混合物に溶解され、TLCシリカガラスプレート上にスポットされた。吸着されたGlcCerを有するシリカはプレートから剥がされ、リン酸緩衝液中に懸濁された。懸濁液は超音波処理され、フロイント不完全アジュバントと混合され、皮下注射に使用された。VHHはまた、天然の発芽した真菌または卵菌胞子で免疫されたラマから生成された。ラマは、皮下注射によって、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)またはフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)の天然発芽胞子の6ブートを用いて標準的なプロトコルに従って免疫化された。すべてのラマは、免疫化プロセスを通じて健常のままであり、血液試料は、免疫化の前後に採取された。

ライブラリー構築:抗体のファージライブラリーは、個々のファージが、キメラピルタンパク質の一部として、その表面に固有の抗原結合抗体ドメインを曝露しているファージ集団である。末梢血単核細胞は、製造業者の説明書に従って、Ficoll−Hypaqueを用いて免疫されたラマの血液試料から調製された。総RNAはこれらの細胞から抽出され、VHHをコードする遺伝子断片を増幅するためにRT−PCR用の出発材料として使用された。これらの断片はファージミドベクターpASF20にクローニングされた。pASF20は、lacZプロモーター、合成リーダー配列、マルチクローニングサイト、大腸菌ファージピルタンパク質コーディング配列、アンピシリンに対する耐性遺伝子および一本鎖生成のためのM13ファージ起点を含有するpUC119に由来する発現ベクターである。VHHコーティング配列を有するフレームにおいて、ベクターは、C末端(His)6ペプチドタグおよびc−mycペプチドタグについてコードする。ファージは、標準的な方法(Phage Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual;Brian K.Kay,Jill Winter,Dr.John McCafferty)に従って調製された。それぞれ1E+08に等しいまたはそれを超えるクローン多様性を有する4つのライブラリーが得られ、ファージは抗体多様性の提示が確実であるファージが生成された。

ファージディスプレイによるVHH選択:特定の抗原に特異的な抗原結合抗体ドメインを発現するファージは、抗原に結合するライブラリーにおいてファージを選択することによって単離された。真菌GlcCerは、異なる濃度の水:メタノール:クロロホルム混合物またはメタノールに真菌GlcCerを溶解させ、マルチウェルプレートのウェルで真菌GlcCerを溶解させ、一晩室温にて乾燥させることによって、ポリスチレンMaxisorpマルチウェルプレート上に固定された。被覆された真菌GlcCerを含むウェルは洗浄され、ファージディスプレイによるVHH選択の調製において1%魚類ゼラチンでブロックされた。VHHライブラリーファージは、真菌GlcCerで被覆された96ウェルプレートのウェルに2時間室温で結合させた。真菌GlcCerに結合するファージについて特異的に選択するために、ファージは、1%の魚類ゼラチンおよび/またはBSAおよび/またはスキムミルクおよび/または植物GlcCerおよび/または哺乳動物GlcCerとともにプレインキュベートされた。非結合ファージは、徹底的に洗浄によって除去され、結合したファージは、RsAFP2(Osborn et al.,1995)またはトリプシンによる競合溶出によって溶出された。選択の1から3回の連続ラウンドが行われ、真菌GlcCer被覆ウェルからのファージの力価は、それぞれ、濃縮および特異性に関して、ブランクウェルおよび非標的病原体スフィンゴ脂質からのファージ力価と比較された。濃縮は、選択の初回およびその後のラウンドにおいて観察され、1回以上の選択ラウンド後のファージ集団は、ELISAにおいて、真菌GlcCerに対する特異性をすでに示した。個々のクローンは、配列分析および一次結合アッセイによるさらなる特徴付けのために、第1、第2および/または第3ラウンドの選択から拾われた。

配列決定および結合アッセイによるVHHの特徴付け:得られた抗体または抗体ドメイン集団の多様性は、ハイスループットDNAシークエンシングを用いて迅速に決定することができ、クローン多様性の正確な定量を可能にする。抗体または抗体ドメインの結合および抗原への結合特異性は、その抗原への結合に対するアッセイにおいて分析され、関係するまたは無関係な対照と比較することができる。それぞれの抗体または抗体ドメインは特異的抗原に対して結合することができ、おそらくその抗原の抗原改変体に結合することができる。特異性は、抗体または抗体ドメインの結合は抗原改変体を区別する程度である。第1、第2または第3ラウンドのファージディスプレイ選択から採取された個々のVHHクローンから、DNAはコロニーPCRにおいて増幅され、PCR産物はサンガーシークエンシングによって配列決定された。配列分析後、配列多様性に基づいて、VHHはさらなる特徴付けのために選択された。種特異性について調べるために、標的種および非標的種から由来の真菌および非真菌のGlcCerが結合アッセイに使用された。どのクローンがライブラリーから機能的に選択されたかを同定するための一次結合アッセイは、A.ブラシキコラ(A.brassicicola)、B.シネレア(B.cinerea)、C.ベチコラ(C.beticola)、F.クルモラム(F.culmorum)、F.グラミネアルム(F.graminearum)、F.オキシスポラム(F.oxysporum)、P.シトリノピレタス(P.citrinopileatus)、P.ジギタツム(P.digitatum)、P.エキスパンスム(P.expansum)またはV.ダヒリア(V.dahlia)由来のTLC精製された(99%)GlcCerまたはGlcCer富化グリコスフィンゴ脂質(GSL)画分(Ternes et al.,2011 JBC 286:11401−14)を用いて行われた。大豆由来のGlcCerおよびブタGlcCerは、Avanti Polar Lipidsから購入した。VHHは、96ウェルディープウェルプレート中に生成させ、希釈した粗製VHH含有ペリプラズム抽出物の結合プロフィールはELISAフォーマットにおいて評価された。同様に、結合アッセイは精製VHHを用いて行われた。

一次結合アッセイから、130個のVHH含有ペリプラズム抽出物が、無関係なVHH_A、無関係なVHH_Bおよびブランクよりも高いOD405nmで真菌GlcCerに結合することを示した。これらの真菌GlcCer結合VHHのいくつかの特異的結合を示すOD405nm値を図1に示す。配列分析は、抗GlcCer VHHの同定されたセットから84個の固有の配列を明らかにした。

示差的結合スクリーニングによるさらなる特徴付け:さらなる特徴付けのために、上記リードパネルに属するVHHは、標準的な手順に従って培養フラスコ中のE.コリにおいて生成された。ヘキサヒスチジンをタグ化されたVHHは、製造業者の指示に従って、TALON金属アフィニティー樹脂(Clontech)を用いたペリプラズム抽出物から精製された。精製VHHは濃縮され、PBSに対して透析された。VHHはまた、固定化されたニッケルIMACおよび脱塩カラムの組み合わせを用いた自動精製システムを使用して精製された。その後、一次結合アッセイにおいて正のスコアを示したリードパネルのVHHは、異なる真菌植物病原体由来のGlcCerまたは細胞壁画分に対するそれらの特異性について試験された。

図2、3A、3Bおよび3Cに示されるように、GlcCer特異的VHHは、真菌GlcCer(プレロトス・シトリノピレタス、フザリウム・オキシスポラム)に特異的結合を示したが、他の非真菌GlcCerおよびブランクの非被覆ウェルには結合しなかった。

表面プラズモン共鳴:真菌GlcCerへのVHHの結合は、Biacore 3000装置において表面プラズモン共鳴によって特徴付けられた。抗GlcCer VHH 41 D01または無関係なVHH_Aは、1000反応単位の増加が達成されるまで、アミンカップリングを介してCM5センサーチップ表面に共有結合された。残りの反応性基は不活性化された。Salioら、2013 PNAS 110,E4753−E4761に従って調製された、溶液中のある濃度範囲のフザリウム・オキシスポラムGlcCerは、チップに結合したVHHへの結合を可能にするために、30μl/分の流速で2分間注入された。GlcCerを含まない泳動緩衝液が、10分間、結合された真菌GlcCerの自発的な解離を可能にするために、同じ流速でチップ上に注入された。Koff値は、1:1のLangmuir解離グローバルフィッティングモデルを用いて、異なる真菌GlcCer濃度について観察されたセンサーグラムから計算された。

抗GlcCer VHHについて、4.86*1E−4/sのゆっくりした解離速度が計算された。図4に示すように、無関係なVHHは真菌GlcCerに結合しなかった。

溶液中の植物(大豆)、哺乳動物(ブタ)および真菌(フザリウム・オキシスポラム)GlcCerは、30μl/分の流速で2分間、連続して注入され、チップに結合したVHH(抗GlcCer VHH 41 D01または無関係なVHH_A)への結合を可能にした。GlcCerを含まない泳動緩衝液は、同じ流速で各注入間でチップ全体に注入され、結合したGlcCerの自発的な解離を可能にした。

抗GlcCer VHH 41 D01または無関係なVHH_Aへの植物および哺乳動物のGlcCer結合は観察されなかった。真菌GlcCerの特異的結合は、抗GlcCer VHH 41 D01について観察され、無関係なVHH_Aについては観察されなかった。

異なる真菌脂質抽出物への示差的結合:異なる真菌脂質抽出物への抗GlcCer VHH組成物の結合を無関係な化合物と比較した。

真菌抽出物は、Rodriguesら、2000 Infection and Immunity 68(12):7049−60に従って調製された。簡単に言えば、ボトリチス・シネレアB05−10、ボトリチス・シネレアMUCL401、ボトリチス・シネレアR16、ボトリチス・シネレア(特有の西洋ナシ分離株)、フザリウム・クルモラムMUCL555、フザリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)MUCL53451、ペニシリウム・ジギタツムMUCL43−410、ペニシリウム・ジギタツム(特有のレモン分離株)またはペニシリウム・エキスパンスムCBS146.45由来の菌糸体は寒天プレートで増殖させた真菌から回収し、脂質はクロロホルム/メタノールの2;1(体積/体積)と1:2(体積/体積)で抽出された;粗脂質抽出物は、Folchら、1957.Journal of Biological Chemistry 226(1):497−509に従って区分化された。真菌脂質抽出物は、Folchの下相から回収された。抗GlcCer VHH 41 D01(0.1μg/ml)および抗GlcCer VHH 56F11(1μg/ml)の結合は、抽出された真菌脂質(それぞれ1/20希釈)、精製フザリウム・オキシスポラムGlcCer、精製プレロトス・シトリノピレタスGlcCerおよび無関係な化合物:リンゴペクチン(リンゴペクチン高エステル化70から75%、Sigma、cat#:76282)、柑橘類ペクチン(柑橘類ペクチン低エステル化20から34%、Sigma、cat#P9311)もしくはポテトレクチン(ソラヌム・ツベロスム(Solanum Tuberosum)、Vector Labs、cat#:L−1160)で被覆されたウェルまたはブランクの被覆されていないウェルについて評価された。結合は、基質を添加し、405nmで吸収を測定する酵素をコンジュゲートした検出抗体とともにインキュベーション後に測定された。バーは、平均OD405nm値を表し、誤差バーは、n=2の平均の標準誤差を表す。

図5に示されるように、抗GlcCer VHH 41 D01および56F11は、試験された全ての真菌脂質抽出物を特異的に認識した。抗GlcCer VHH 41 D01および56F11は、無関係な被覆化合物または非被覆ウェルへの結合を示さなかった。真菌脂質抽出物の広範囲のアレイへの抗GlcCer VHH組成物の結合は、異なる真菌に対する、本明細書に開示されている抗GlcCer VHH組成物についての様々な応用を増強する。

異なる水性組成物における真菌GlcCerへの抗galVHHの結合: 抗GlcCer VHH 41 D01および/またはプロテアーゼ阻害剤および/または非イオン性界面活性剤および/または保存剤を含有する水性組成物が調製された。組成物A1(プロテアーゼ阻害剤:0.06μg/mlアプロチニン(Roche、cat#:10236624001)、0.5μg/mlロイペプチン(Roche、cat#:11017101001)、24μg/mlの4−ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩(Sigma、A8456)、1mMのEDTA(Carl−Roth、cat# 8040.1)および非イオン性界面活性剤:0.00001%ポリソルベート20(Tween20、Sigma、cat# P2287))、組成物A2(プロテアーゼ阻害剤:1μg/mlアプロチニン、2.5μg/mlロイペプチン、100μg/mlの4−ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩、1mMのEDTAおよび非イオン性界面活性剤:0.05%ポリソルベート20);組成物A3(プロテアーゼ阻害剤:2μg/mlアプロチニン、5μg/mlロイペプチン、240μg/mlの4−ベンゼンスルホニルフルオリド塩酸塩、1mMのEDTAおよび非イオン性界面活性剤:5%ポリソルベート20)、組成物B1(非イオン性界面活性剤:0.0001%ポリソルベート20)、組成物B2(非イオン性界面活性剤:0.05%ポリソルベート20)、組成物B3(非イオン性界面活性剤:5%ポリソルベート20)および組成物C1(保存剤:0.05%安息香酸ナトリウム(Sigma、cat# B3420))。異なる水性組成物における真菌GlcCerへの抗GlcCer VHH(0.1μg/ml)の結合は、F.オキシスポルム由来の被覆GlcCerを用いたELISAにおいて試験され、ブランクの非被覆ウェルと比較された。結合は、酵素をコンジュゲートした検出抗体とともに連続インキュベーション後、基質を添加して測定され、405nmで吸光度を測定した。

図6において、異なる組成物におけるGlcCer特異的なVHH 41 D01の値は、他の添加物を含まない溶液中の41 D01と比較された。GlcCer特異的なVHH 41 D01は、すべての試験された組成物における真菌GlcCerに特異的に結合することができることが図6に示されている。

実施例2 抗GlcCer VHH組成物の抗真菌活性のインビトロ評価 VHHの抗真菌活性のインビトロ評価:抗GlcCer VHHの抗真菌活性は、Thevissenら、2011,Bioorg.Med.Chem.Lett.21(12):3686−92;Frangoisら、2009,J.Biol.Chem.284(47):32680−5;Aertsら、2009,FEBS Lett.583(15):25143−6に記載されるように、液体培地中および寒天プレート上での抗真菌アッセイを用いて試験された。最小阻害濃度(MIC)は、ボトリチス・シネレアおよびフィトフトラ・インフェスタンスのインビトロ増殖におけるVHHに対して決定された。

96ウェルプレートにおける液体培地中での真菌増殖を試験するためのインビトロアッセイはまた、不可欠な真菌材料に対して生成され、抗真菌活性に対して、GlcCerとは異なる分子抗原に対して選択される、異なるVHHを直接スクリーニングするために使用され得る。このスクリーニングは、VHHが生成されるE.コリ細胞の粗製VHH含有ペリプラズム抽出物について、または精製VHHとともに行われる。

異なる植物病原性真菌に対する抗GlcCer VHH組成物の抗真菌活性のインビトロ評価:抗GlcCer VHH組成物の抗真菌活性は、多数の植物病原性真菌に対してインビトロで評価され、無関係なVHHの抗真菌活性と比較された。

水中の水性VHH組成物の2倍希釈物(1.5mg VHH/mlから開始する。)は、96ウェルマイクロタイタープレート中で調製された。これらの希釈物20μlと対照としての水20μlに、80μlの真菌胞子懸濁液(半強度のポテトデキストロースブロス(PDB)中の1E+05胞子/ml)が添加された。真菌試験株は、アルテルナリア・ブラシキコラMUCL20297、ボトリチス・シネレアR16、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)(特有のテンサイ分離株)、フザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)MUCL555とのベルチシリウム・ダヒリアMUCL6963であった。試験プレートは、室温で暗所にて72時間インキュベートされ、試験化合物の抗真菌活性は、顕微鏡下でスコアリングされ、写真標準に基づいて定量された。これにより、0または100のスコアはそれぞれ、真菌増殖なしまたは最大の真菌増殖を示す。すべての試験は、少なくとも2つの複製で実施された。

真菌活性アッセイの結果は、図7A、7B、7C、8A、8B、8Cおよび8Dにおいて示され、抗GlcCer VHH(41 D01、56F11、56E05または57A06を含む。)および無関係なVHH(VHH_AおよびVHH_B)の増殖阻害パターン間で明確な差異が示され、これは、VHH濃度(μg/ml)の関数における真菌増殖%として表される。この差異は、試験真菌の種とは関係なく明確であった。概して、100μg/mlの試験濃度で、全ての抗GlcCer VHHは、20%を超える真菌増殖を可能にしなかった。一方、100μg/mlでは、無関係なVHHは非常に弱いまたは全くない抗真菌活性(80%以上の真菌増殖)を示した。全ての異なる試験された抗GlcCer VHHから、41 D01は、いくつかの試験菌に対して最も顕著な抗真菌活性を示し、50μg/mlよりも低い濃度でさえ、真菌増殖は20%未満であった。

結果は、無関係なVHHと比較した抗GlcCer VHHの抗真菌効力を示す。さらに、結果は、少なくとも5つの異なる真菌植物病原体に対して、抗GlcCer VHH組成物の広域スペクトルの抗真菌活性を表し、選択された抗GlcCer VHHの抗真菌活性のスペクトルは他の植物病原性真菌に対して広げることができることを示す。

発光を用いたペニシリウム・エキスパンスムに対する抗GlcCer VHH組成物の抗真菌活性のインビトロ評価:抗GlcCer VHH 41 D01組成物のインビトロ抗真菌活性は、植物病原体真菌ペニシリウム・エキスパンスムCBS146.45に対して評価され、読み出しとして発光を用いて、対照として無関係なVHH_A、マウスモノクローナル抗GlcCer抗体(マウスMAb抗GlcCer)、ヒト免疫グロブリンG(hIgG)またはウシ血清アルブミン(BSA)の抗真菌活性と比較した。

水中のすべての試験組成物の2倍連続希釈物(1.5mg/mlから開始する。)は、96ウェルマイクロタイタープレート中で調製された。これらの希釈物20μlと対照としての水20μlに、80μlの真菌胞子懸濁液(4倍PDB中の1E+03胞子/ml)が添加された。試験プレートは、室温で暗所にて24時間インキュベートされ、胞子生存率は、供給業者(BacTiter Glo;Promega)の指示に従って、発光を用いて、植菌24時間後に決定された。相対的光単位(RLU)が決定され(Tecanルミノメータ)、抗GlcCer VHH 41 D01、無関係なVHH_A、hIgG、マウスMAb抗GlcCerまたはBSA処理された真菌胞子について測定されたRLUは、RLU%として、未処理の真菌胞子について決定されたRLUに対して表された。4つの複製が試験に含められた(n=4)。

図9に示されるように、抗GlcCer VHH 41 D01組成物処理により決定されたRLU%は、無関係なVHH_A、マウスMAb抗GlcCer、hIgGまたはBSA処理により記録されたRLU%と明確に相違する。特に、真菌胞子における41 D01処理の効果は、RLU%として表され、未処理の対照と比較して、41 D01の300μg/mlまたは150μg/mlで25%未満であり、75μg/ml、37.5μg/mlおよび19μg/mlで50%未完であった。対照的に、他の全ての試験組成物の効果は、未処理の対照に対するRLU%として表され、概して、試験された全ての濃度について100%であった。

これらの結果は、特定の抗GlcCer VHH 41 D01組成物が、19μg/mlに至るまで植物病原体真菌ペニシリウム・エキスパンスムにおける明確な抗真菌効果を有したことを示し、無関係なVHH_A、マウスMAb抗GlcCer、hIgGまたはBSAよりも優れていることを示す。このように、抗GlcCer VHH組成物は、植物病原性真菌に対して植物を保護するために使用することができる。

実施例3 農業用製剤へのVHHの製剤化 抗GlcCer VHHは、適切なE.コリ生成菌株において組換えタンパク質として生成された。抗GlcCer VHHは、培地および/もしくはペリプラズムから精製され、ならびに/またはE.コリ細胞は死滅され、発酵プロセスの終了時に溶解された。また、抗GlcCer VHHは、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)またはサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)において組換えタンパク質として生成され得て、発酵培地中に分泌され得る。次に、抗GlcCer VHHは、透析濾過によって培地成分と細胞構築物から精製される。

得られたタンパク質溶液は、リン酸緩衝生理食塩水などの適切な緩衝液中に希釈させ、pHを約7に調整される。場合により、殺生物剤、例えば、約0.0001%から0.1%の濃度のアジ化ナトリウム、および非イオン性界面活性剤、例えば、約0.0001%から5%の濃度のTween 20は、緩衝化されたタンパク質溶液に添加される。

あるいは、得られたタンパク質溶液は、湿潤性顆粒に噴霧乾燥される前に、慣用の充填材の存在下で適切な湿潤剤および分散剤と混合される。

実施例4 作物におけるVHHの抗真菌活性の評価 B.シネレアおよびP.インフェスタンスに対する強力なインビトロ抗真菌活性を有するVHHの有効性は、(i)トマトとポテト植物から切断葉、ならびに(ii)温室栽培されたトマトとポテト植物において、疾患バイオアッセイにおいてさらに評価される。

切断葉疾患アッセイは、モデル病原体応答系のトマト−B.シネレアおよびポテト−P.インフェスタンスを用いることによって行われる。温室栽培されたトマトおよびポテト植物は、1ヘクタールあたり300リットルに等しい体積の水性VHH溶液を用いて、1ヘクタールあたり50gを下回るVHHの施用速度で噴霧キャビネットにおいて噴霧される。噴霧後、噴霧堆積物は植物上で乾燥し、その後、複合葉(composite leaf)が植物から剥がれ、水寒天プレートに置かれる。水寒天プレート上の葉は、B.シネレアまたはP.インフェスタンスの胞子懸濁液(5×105胞子/ml)を用いた様々な時間点でドロップ植菌(drop−inoculate)される。疾患発症は、病変径の計測および画像解析ソフトウエアを介して、それぞれ視覚的におよび/またはデジタル的にモニタリングされる(Assess,Lamari 2002,St.Paul,Minnesota,USA:APS Press)。

実施例5 真菌感染に対して作物を保護するための抗GlcCer VHH組成物の抗真菌活性の植物体評価 ボトリチス・シネレアで植菌されたトマト葉における抗GlcCer VHH組成物の有効性:防止的処置:ボトリチス・シネレアB05−10が植菌されたトマト葉の疾患重症度における抗GlcCer VHH組成物を用いた防止的処置の効果が評価され、無関係なVHH、水または製剤化された市販の化学殺菌剤の効果と比較した。

温室栽培されたトマト植物からの切断葉は、10μlの水性VHH組成物(5mg/mlの抗GlcCerまたは無関係なVHH)、ならびに対照としての水およびスカラ(製造業者によって推奨される1mgピリメタニル/ml)を用いて処理された。施用される組成物の乾燥時に、10μlのボトリチス・シネレア胞子懸濁液(4倍希釈のPDB中の6E+06胞子/ml)は、処置された面に施用された。処理され、植菌された葉は、小さい植物繁殖器において相対的に高い湿度および室温でインキュベートされた。疾患の重症度は、植菌から6日後(DPI)、双方向の直径を測定し、スコアリングされた。

図10に示されるように、抗GlcCer VHH組成物を用いた防止的処置は、6mm(±1.4mm)の平均病変径をもたらし、一方、無関係なVHHまたは水を用いた処理は、それぞれ13.4mm(±4mm)または15mm(±4mm)の平均病変径を示した。製剤化された市販の化学殺菌剤の対照処置において、トマト葉は、ボトリチス・シネレア感染に対して効果的に保護された(目に見える病変なし)。

図10にさらに示されるように、抗GlcCer VHH組成物の施用によるトマト葉の防止的処置は、明確に、無関係なVHHまたは水による処置と比較して、疾患重症度の2倍の減少をもたらした。したがって、特定の抗GlcCer VHHは、5mg/mlで製剤化されていない水性組成物として施用されても、農業用途において真菌病原体に対して作物を保護するために抗真菌化合物として用いられるべき特定の抗GlcCer VHHの効力を示した。

ボトリチス・シネレアで植菌されたトマト葉における抗GlcCer VHH組成物の有効性:治療的処置:ボトリチス・シネレアB05−10を植菌されたトマト葉の疾患重症度における抗GlcCer VHH組成物を用いた治療的処置の効果は評価され、無関係なVHH、ウシ血清アルブミン(BSA)または製剤化された市販の化学殺菌剤の効果と比較した。

温室栽培されたトマト植物から切離葉は、10μlの液滴のボトリチス・シネレア胞子懸濁液(4倍希釈されたポテトデキストロースブロス中の(6E+06胞子/ml))で植菌された。植菌の1時間後、葉上の植菌された胞子は、10μlの水性VHH組成物(1.6mg/mlの抗GlcCerおよび無関係なVHH)、対照として1.6mg/mlのBSAおよびスカラ(製造業者によって推奨される1mgピリメタニル/ml)で処理された。植菌および処理された葉は、小さい植物繁殖器において相対的に高い湿度および室温でインキュベートされた。疾患の重症度は、5dpiで双方向の直径を測定し、スコアリングされた。

図11に示されるように、抗GlcCer VHH組成物を用いて治療的処置は、3mm(±0.8mm)の平均病変径をもたらし、一方、無関係なVHHまたはBSAを用いた処理は、それぞれ15mm(±3.5mm)または13mm(±3.5mm)の平均病変径を示した。製剤化された市販の化学殺菌剤の対照処置において、トマト葉は、ボトリチス・シネレア感染に対して効果的に保護された(目に見える病変なし)。

図11にさらに示されるように、抗GlcCer VHH組成物の施用によるトマト葉の治療的処置は、明確に、無関係なVHHまたはBSAによる処置と比較して、疾患重症度の4倍の減少をもたらした。したがって、特定の抗GlcCer VHHは、1.6mg/mlで製剤化されていない水性組成物として施用されても、農業用途において真菌病原体に対して作物を保護するために抗真菌化合物として用いられるべき特定の抗GlcCer VHHの効力を示した。

ボトリチス・シネレアで植菌された西洋ナシにおける抗GlcCer VHH組成物の有効性:防止的処置:ボトリチス・シネレア(西洋ナシ由来の特有の分離株)が植菌された西洋ナシの疾患重症度における抗GlcCer VHH組成物を用いた防止的処置の効果が評価され、無関係なVHH、水または製剤化された市販の化学殺菌剤の効果と比較した。

以前に未処理であることが確認されている生物学的農法からの西洋ナシ(variety Williams)は、10μlの水性VHH組成物(5mg/mlの抗GlcCerまたは無関係なVHH)、ならびに対照としての水およびスカラ(製造業者によって推奨される1mgピリメタニル/ml)を用いて処理された。施用される組成物の乾燥時に、10μlの液滴のボトリチス・シネレア胞子懸濁液(水中の1E+04胞子/ml)は、処置された面に施用された。処理され、植菌された西洋ナシは、小さい植物繁殖器において相対的に高い湿度および室温でインキュベートされた。疾患の重症度は、4dpiで、双方向の直径を測定し、スコアリングされた。

図12に示されるように、抗GlcCer VHH組成物を用いた防止的処置は、3mm(±2mm)の平均病変径をもたらし、一方、無関係なVHHまたは水を用いた処理は、それぞれ9.6mm(±0.8mm)または6.6mm(±1.6mm)の平均病変径を示した。製剤化された市販の化学殺菌剤の対照処置において、西洋ナシは、ボトリチス・シネレア感染に対して効果的に保護された(目に見える病変なし)。

図12にさらに示されるように、抗GlcCer VHH組成物の施用による西洋ナシの防止的処置は、明確に、無関係なVHHまたは水による処置と比較して、疾患重症度の少なくとも2倍の減少をもたらした。したがって、特定の抗GlcCer VHHは、5mg/mlで製剤化されていない水性組成物として施用されても、農業用途において真菌病原体に対して作物を保護するために抗真菌化合物として用いられるべき特定の抗GlcCer VHHの効力を示した。

真菌感染に対する植物種子を保護するための抗GlcCer VHH組成物:病原体真菌に対する植物種子の保護における抗GlcCer VHH組成物の効果は以下の通り評価することができる。表面を滅菌処理された植物種子は、抗GlcCer VHH、無関係なVHH、水または製剤化された市販の化学殺菌剤で処理され、1E+03胞子/mlの試験真菌フサリウム・グラミネアルムを含有するポテトデキストロース寒天プレートの上部に配置される。試験プレートは、室温でインキュベートされ、種子周囲の真菌増殖阻害区域(mm)が測定され、異なる処置の効果を比較することができる。

水細胞における真菌感染に対する植物の根を保護するための抗GlcCer VHH組成物:病原性真菌に対する植物の根の保護、および一般的に健康な植物における抗GlcCer VHH組成物の効果は、以下のように評価され得る。トマト植物は、抗GlcCer VHH組成物、無関係なVHH、水または製剤化された市販の化学殺菌剤が、それぞれ、捕捉されたまたは浸されたパーライトなどの無機栄養素溶液中またはイナート培地上でそれらの年で生育される。ベルチシリウム・ダヒリア(1E+03胞子/ml)は、植物の根に植菌するために使用され得て、異なる処置の効果は収穫時にスコアリングし、疾患分類の任意尺度:0=症状なし、1=僅かな葉の黄ばみ、成長阻害または萎れかけ、2=中程度の葉の黄ばみ、成長阻害または萎れかけ、3=重度の葉の黄ばみ、成長阻害または萎れかけ、4=葉の死(Fakhroら、2010によって記載される。)に基づいて疾患重症度を測定する。

真菌感染に対する植物の花を保護するための抗GlcCer VHH組成物:病原性真菌に対する植物の花の保護における抗GlcCer VHH組成物の効果は、穀物または試験真菌としてアラビドプシス・タリアーナおよびフサリウム・クルモラムもしくはフサリウム・グラミネアルムを用いて評価され得る(Urbanら、2002によって記載される。)。簡単には、開花植物は、1E+05胞子/mlのフサリウム・クルモラムまたはフサリウム・グラミネアルムが噴霧植菌され、続いて、抗GlcCer VHH組成物、無関係なVHH、水もしくは製剤化された市販の化学殺菌剤(治療的処置)またはその逆で処理される(防止的処置)。植物はインキュベートされ、疾患スコアリングは、Urbanら(2002)によって記載されるように行われ、異なる処置の効果を定量することができる。

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