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Dealing system, dealing terminals, and computer-readable medium storing dealing program

阅读:121发布:2020-12-23

专利汇可以提供Dealing system, dealing terminals, and computer-readable medium storing dealing program专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a dealing system capable of adjusting a parameter of a logic computing model while freely incorporating a user's market feeling and taste via a dealing terminal and flexibly providing a logical price and a risk index useful for the user in real time. SOLUTION: In the dealing terminal, performance HV, logical HV, performance IV, logical IV, a performance daily rate of return distribution 314, a normal distribution of a daily rate of return distribution 315, and a logical daily rate of return distribution 316 are displayed contrastively on the same screen 105, while at least the logical IV is represented by a smile curve 308. A parameter value 320 of a model reproducing both of the performance HV and the performance daily rate of return distribution is adjusted by the user through trial-and-error while referring to the performance HV 310 and the performance daily rate of return distribution 314 displayed on the same screen.,下面是Dealing system, dealing terminals, and computer-readable medium storing dealing program专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 周期的にマーケットデータを取り込み、
    市場実勢から得られた実績ヒストリカル・ボラティリティ、実績インプライド・ボラティリティ及び正規分布の日次収益率分布を演算する市場実勢系演算手段と、 周期的にマーケットデータを取り込み、金融工学理論計算モデル(以下、「理論計算モデル」と称する)を用いて理論ヒストリカル・ボラティリティ、理論インプライド・ボラティリティ及び理論日次収益率分布を演算する理論計算手段と、 前記実績ヒストリカル・ボラティリティと理論ヒストリカル・ボラティリティ、前記実績インプライド・ボラティリティと理論インプライド・ボラティリティ、及び前記実績日次収益率分布と正規分布の日次収益率分布と理論日次収益率分布を、少なくとも前記理論インプライド・ボラティリティについてはスマイルカーブによって表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置それぞれの画面上に同時に対比表示し、かつ、ユーザに対して、実績ヒストリカル・ボラティリティと実績日次収益率分布との両者を再現する前記理論計算モデルのパラメータ値を、1つの表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置の画面に同時に表示される実績ヒストリカル・ボラティリティ又は実績日次収益率分布を参照しながら調整させるためのディーリング端末とを備えて成るディーリングシステム。
  • 【請求項2】 前記理論計算手段は、前記理論計算モデルのパラメータ値を、変化する市場実勢に見合うようにリアルタイムに導出するパラメータ推定演算機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載のディーリングシステム。
  • 【請求項3】 前記理論計算手段は、前記理論計算モデルのパラメータ値を、変化する市場実勢に見合うようにリアルタイムに導出するパラメータ推定演算機能と、当該パラメータ推定演算機能により導出されたパラメータ値を用いてオプション価格評価を行うオプション価格評価処理機能とを備え、市場実勢に自動追従した理論価格及び理論リスク指標を前記ディーリング端末にリアルタイムに表示させることを特徴とする請求項1に記載のディーリングシステム。
  • 【請求項4】 前記ディーリング端末は、その画面に表示されているスマイルカーブの形状を変更するための操作手段を備え、 前記理論計算手段は、前記理論計算モデルのパラメータ値を、前記操作手段によって変更された形状のスマイルカーブに見合った仮想日次収益率を再現するように調整し、前記ディーリング端末に前記仮想日次収益率と実績日次収益率とを対比表示させるパラメータ調整手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のディーリングシステム。
  • 【請求項5】 前記理論計算手段は、前記理論計算モデルによって前記理論日次収益率分布を再計算する際に必要としない因子の変動に対して、オプション価格、スマイルカーブを再評価し表示する処理機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載のディーリングシステム。
  • 【請求項6】 前記ディーリング端末は、ユーザに対して、実績日次収益率の元となるヒストリカルデータを任意の期間を指定して取り込ませるための操作手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のディーリングシステム。
  • 【請求項7】 前記ディーリング端末による日次収益率分布の片対数表示・通常表示を切り替える表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のディーリングシステム。
  • 【請求項8】 前記理論計算モデルはボルツマンモデルであり、前記理論計算手段はモンテカルロ法によって前記理論ヒストリカル・ボラティリティ、理論インプライド・ボラティリティ及び理論日次収益率分布を演算することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のディーリングシステム。
  • 【請求項9】 市場実勢から得られた実績ヒストリカル・ボラティリティと金融工学理論計算モデル(以下、
    「理論計算モデル」と称する)から得られる理論ヒストリカル・ボラティリティ、市場実勢から得られた実績インプライド・ボラティリティと理論計算モデルから得られる理論インプライド・ボラティリティ、及び市場実勢から得られた実績日次収益率分布と正規分布の日次収益率分布と理論計算モデルから得られる理論日次収益率分布を、少なくとも前記理論インプライド・ボラティリティについてはスマイルカーブによって1つの表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置それぞれの画面上に同時に対比表示させる表示手段と、 ユーザに対して、実績ヒストリカル・ボラティリティと実績日次収益率分布との両者を再現する前記理論計算モデルのパラメータ値を、前記表示手段に表示される実績ヒストリカル・ボラティリティ又は実績日次収益率分布を参照しながら調整させるための操作手段とを備えて成るディーリング端末。
  • 【請求項10】 市場実勢に自動追従した理論価格及び理論リスク指標をリアルタイムに表示することを特徴とする請求項9に記載のディーリング端末。
  • 【請求項11】 ユーザに対して、前記画面に表示されているスマイルカーブの形状を前記操作手段により変更させ、変更された形状のスマイルカーブに見合った仮想日次収益率と実績日次収益率とを前記表示手段により対比表示することを特徴とする請求項9に記載のディーリング端末。
  • 【請求項12】 日次収益率分布の片対数表示・通常表示を切り替えて表示することを特徴とする請求項9に記載のディーリング端末。
  • 【請求項13】 周期的にマーケットデータを取り込み、市場実勢から得られた実績ヒストリカル・ボラティリティ、実績インプライド・ボラティリティ及び正規分布の日次収益率分布を演算する処理と、 周期的にマーケットデータを取り込み、金融工学理論計算モデル(以下、「理論計算モデル」と称する)を用いて理論ヒストリカル・ボラティリティ、理論インプライド・ボラティリティ及び理論日次収益率分布を演算する処理と、 前記実績ヒストリカル・ボラティリティと理論ヒストリカル・ボラティリティ、前記実績インプライド・ボラティリティと理論インプライド・ボラティリティ、及び前記実績日次収益率分布と正規分布の日次収益率分布と理論日次収益率分布を、少なくとも前記理論インプライド・ボラティリティについてはスマイルカーブによって表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置それぞれの画面上に同時に対比表示する処理と、 ユーザに対して、実績ヒストリカル・ボラティリティと実績日次収益率分布との両者を再現する前記理論計算モデルのパラメータ値を、1つの表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置の画面に同時に表示される実績ヒストリカル・ボラティリティ又は実績日次収益率分布を参照しながら調整させる処理とを行うディーリングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、金融分野におけるディーリングシステム、ディーリング端末及びディーリングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。

    【0002】

    【従来の技術】銀行や証券会社などにおけるディーラーやトレーダーの業務をサポートするディーリングシステムにおいて、従来は、株価などの任意の将来時点における確率分布が正規性であることを仮定した、ブラックショールズモデル(Black, F. &M. Sholes, ”The Pricin
    g of Options and Corporate Liabilities,” Journalo
    f Political Economy, 81(May-June 1973), pp637-65
    9.)やそれを拡張したモデルなどの一般的な理論をもとに、金融商品あるいはその派生商品(以下、「オプション」と称する)の理論価格を算出したり、リスク評価・
    ポジション変更をシミュレーションすることが一般的である。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法には以下の問題点があった。 いわゆるファットテール問題(例えば、Alan Greenspan, ”Financial derivative
    s,” March 19,1999, http://www.federalreserve.gov/
    boarddocs/speeches/1999/19990319.htm)が金融分野においては深刻であり、従来、汎用されてきたモデルの前提である正規性の仮定は、金融商品あるいはオプションの理論価格を算出したり、リスク評価・ポジション変更をシミュレーションしたりする際、金融工学の理論展開とコンピュータシステムへの実装をシンプルに実現する。 一方、大きな価格変動がある場合や取引がさほど活発でない場合等の、より現実の金融市場の挙動に近い非正規性を一旦導入すると、こうした理論展開とコンピュータシステムへの実装は実際には難しい課題であった。

    【0004】こうしたファットテール問題にも適応し、
    ディーラーやトレーダーにとって有意なスマイルカーブや、理論日次収益率分布などの情報を、時々刻々と変化する市場に合わせてリアルタイムにディーラーやトレーダーに対して、コンピュータシステムのディスプレイ画面を通じて提供すると同時に、インタラクティブに彼らからの要求に応じて、計算に所要なデータを自動で取り込み、適切なモデルパラメータ値を自動導出することで、柔軟に市場実勢に追従した精緻な情報をリアルタイムに提供し、分析の深掘りを行うことは、困難であった。

    【0005】本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、さらに、コンピュータシステムのインタラクティブな画面インタフェースを通じて、ディーラーやトレーダーが自身のマーケット感や嗜好を自在に取り込みながら理論計算モデルのパラメータを調整し、ディーラーやトレーダーにとって有意な理論価格およびリスク指標を、柔軟にリアルタイムで提供できるディーリングシステム、ディーリング端末及びディーリングプログラムを記録した媒体を提供することを目的とする。

    【0006】本発明はまた、ディーラーやトレーダーが、彼らのマーケット感や嗜好を反映する仮想スマイルカーブをコンピュータ上で任意に作成でき、それに見合った原資産の日次収益率を、自動的に逆算評価し表示することで、マーケットメイクを支援することができるディーリングシステム、ディーリング端末及びディーリングプログラムを記録した媒体を提供することを目的とする。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】請求項1の発明のディーリングシステムは、周期的にマーケットデータを取り込み、市場実勢から得られた実績ヒストリカル・ボラティリティ、実績インプライド・ボラティリティ及び正規分布の日次収益率分布を演算する市場実勢系演算手段と、
    周期的にマーケットデータを取り込み、理論計算モデルを用いて理論ヒストリカル・ボラティリティ、理論インプライド・ボラティリティ及び理論日次収益率分布を演算する理論計算手段と、前記実績ヒストリカル・ボラティリティと理論ヒストリカル・ボラティリティ、前記実績インプライド・ボラティリティと理論インプライド・
    ボラティリティ、及び前記実績日次収益率分布と正規分布の日次収益率分布と理論日次収益率分布を、少なくとも前記理論インプライド・ボラティリティについてはスマイルカーブによって表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置それぞれの画面上に同時に対比表示し、かつ、ユーザに対して、実績ヒストリカル・ボラティリティと実績日次収益率分布との両者を再現する前記理論計算モデルのパラメータ値を、1つの表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置の画面に同時に表示される実績ヒストリカル・ボラティリティ又は実績日次収益率分布を参照しながら調整させるためのディーリング端末とを備えたものである。

    【0008】請求項1の発明のディーリングシステムでは、ディーリング端末において、実績ヒストリカル・ボラティリティと理論ヒストリカル・ボラティリティ、実績インプライド・ボラティリティと理論インプライド・
    ボラティリティ、及び実績日次収益率分布と正規分布の日次収益率分布と理論日次収益率分布を、少なくとも理論インプライド・ボラティリティについてはスマイルカーブによって表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置それぞれの画面上に同時に対比表示する。 そして、
    実績ヒストリカル・ボラティリティと実績日次収益率分布の両者を再現する当該モデルのパラメータ値を、同一画面上に又は複数の表示装置の画面上に同時に表示される実績ヒストリカル・ボラティリティや実績日次収益率分布を参照しながら、試行錯誤によりユーザに調整させる。

    【0009】請求項2の発明は、請求項1のディーリングシステムにおいて、前記理論計算手段が、前記理論計算モデルのパラメータ値を、変化する市場実勢に見合うようにリアルタイムに導出するパラメータ推定演算機能を備えたことを特徴とし、理論計算モデルのパラメータ値を、変化する市場実勢に見合うように、リアルタイムに導出する。

    【0010】請求項3の発明は、請求項1のディーリングシステムにおいて、前記理論計算手段が、前記理論計算モデルのパラメータ値を、変化する市場実勢に見合うようにリアルタイムに導出するパラメータ推定演算機能と、当該パラメータ推定演算機能により導出されたパラメータ値を用いてオプション価格評価を行うオプション価格評価処理機能とを備え、市場実勢に自動追従した理論価格及び理論リスク指標を前記ディーリング端末にリアルタイムに表示させることを特徴とし、理論計算モデルによるパラメータ値の自動導出処理と、導出されたパラメータ値を用いたオプション価格評価処理とを並列化することにより、市場実勢に自動追従した理論価格及び理論リスク指標をユーザにリアルタイムに提供する。

    【0011】請求項4の発明は、請求項1のディーリングシステムにおいて、前記ディーリング端末がその画面に表示されているスマイルカーブの形状を変更するための操作手段を備え、前記理論計算手段が前記理論計算モデルのパラメータ値を、前記操作手段によって変更された形状のスマイルカーブに見合った仮想日次収益率を再現するように調整し、前記ディーリング端末に前記仮想日次収益率と実績日次収益率とを対比表示させるパラメータ調整手段を備えたことを特徴とし、ユーザがディーリング端末の操作手段により、例えば、曲率・縦軸方向を上下シフトするように、スマイルカーブの形状をその嗜好やマーケット感により変更すれば、その結果に見合った仮想日次収益率を、ユーザの嗜好やマーケット感に応じたパラメータ値のもとに逆算し、自動的に実績日次収益率とディーリング端末の画面に対比表示させる。

    【0012】請求項5の発明は、請求項1のディーリングシステムにおいて、前記理論計算手段が、前記理論計算モデルによって前記理論日次収益率分布を再計算する際に必要としない因子の変動に対して、オプション価格、スマイルカーブを再評価し表示する処理機能を備えたことを特徴とし、例えば、金利・配当率・残存期間といった理論計算手段が理論計算モデルによって理論日次収益率分布を再計算する際に必要としない因子の変動に対して、瞬時にオプション価格、スマイルカーブを評価し表示する。

    【0013】請求項6の発明は、請求項1のディーリングシステムにおいて、前記ディーリング端末が、ユーザに対して、実績日次収益率の元となるヒストリカルデータを任意の期間を指定して取り込ませるための操作手段を備えたことを特徴とし、ユーザに操作手段を用いて、
    ユーザの嗜好やマーケット感に応じて実績日次収益率の元となるヒストリカルデータを任意に取り込ませる。

    【0014】請求項7の発明は、請求項1のディーリングシステムにおいて、前記ディーリング端末による日次収益率分布の片対数表示・通常表示を切り替える表示制御手段を備えたことを特徴とし、日次収益率分布の片対数表示・通常表示をユーザの好みに応じて自由に切り替える。

    【0015】請求項8の発明は、請求項1〜7のディーリングシステムにおいて、前記理論計算モデルがボルツマンモデルであり、前記理論計算手段がモンテカルロ法によって前記理論ヒストリカル・ボラティリティ、理論インプライド・ボラティリティ及び理論日次収益率分布を演算することを特徴とするものであり、ファットテールを考慮したリスク中立で一意的なオプション価格評価を可能にする。

    【0016】請求項9の発明のディーリング端末は、市場実勢から得られた実績ヒストリカル・ボラティリティと理論計算モデルから得られる理論ヒストリカル・ボラティリティ、市場実勢から得られた実績インプライド・
    ボラティリティと理論計算モデルから得られる理論インプライド・ボラティリティ、及び市場実勢から得られた実績日次収益率分布と正規分布の日次収益率分布と理論計算モデルから得られる理論日次収益率分布を、少なくとも前記理論インプライド・ボラティリティについてはスマイルカーブによって表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置それぞれの画面上に同時に対比表示する表示手段と、ユーザに対して、実績ヒストリカル・ボラティリティと実績日次収益率分布との両者を再現する前記理論計算モデルのパラメータ値を、前記表示手段に表示される実績ヒストリカル・ボラティリティ又は実績日次収益率分布を参照しながら調整させる操作手段とを備えたものである。

    【0017】請求項9の発明のディーリング端末では、
    実績ヒストリカル・ボラティリティと理論ヒストリカル・ボラティリティ、実績インプライド・ボラティリティと理論インプライド・ボラティリティ、及び実績日次収益率分布と正規分布の日次収益率分布と理論日次収益率分布を、少なくとも理論インプライド・ボラティリティについてはスマイルカーブによって表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置それぞれの画面上に同時に対比表示し、また、実績ヒストリカル・ボラティリティと実績日次収益率分布の両者を再現する理論計算モデルのパラメータ値を、同一画面上に又は複数の表示装置の画面上に同時に表示される実績ヒストリカル・ボラティリティや実績日次収益率分布を参照しながら、試行錯誤によりユーザに調整操作させる。

    【0018】請求項10の発明は、請求項9のディーリング端末において、市場実勢に自動追従した理論価格及び理論リスク指標をリアルタイムに表示することを特徴とし、変化する市場実勢に見合うように自動追従した理論価格及び理論リスク指標をリアルタイムに表示する。

    【0019】請求項11の発明は、請求項9のディーリング端末において、操作手段により前記画面に表示されているスマイルカーブの形状を変更させ、変更された形状のスマイルカーブに見合った仮想日次収益率と実績日次収益率とを表示手段により対比表示することを特徴とし、ユーザが操作手段を用いて、例えば、曲率・縦軸方向を上下シフトするように、スマイルカーブの形状をその嗜好やマーケット感により変更すれば、その結果に見合った仮想日次収益率を自動的に実績日次収益率と対比表示する。

    【0020】請求項12の発明は、請求項9のディーリング端末において、日次収益率分布の片対数表示・通常表示を切り替えて表示することを特徴とし、日次収益率分布の片対数表示・通常表示をユーザの好みに応じて切り替える。

    【0021】請求項13の発明のディーリングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体は、これに記録されているディーリングプログラムをコンピュータシステムに読み取らせ、実行させることにより、周期的にマーケットデータを取り込み、市場実勢から得られた実績ヒストリカル・ボラティリティ、実績インプライド・ボラティリティ及び正規分布の日次収益率分布を演算する処理と、周期的にマーケットデータを取り込み、
    理論計算モデルを用いて理論ヒストリカル・ボラティリティ、理論インプライド・ボラティリティ及び理論日次収益率分布を演算する処理と、前記実績ヒストリカル・
    ボラティリティと理論ヒストリカル・ボラティリティ、
    前記実績インプライド・ボラティリティと理論インプライド・ボラティリティ、及び前記実績日次収益率分布と正規分布の日次収益率分布と理論日次収益率分布を、少なくとも前記理論インプライド・ボラティリティについてはスマイルカーブによって表示装置の同一画面上に、
    又は複数の表示装置それぞれの画面上に同時に対比表示する処理と、ユーザに対して、実績ヒストリカル・ボラティリティと実績日次収益率分布との両者を再現する前記理論計算モデルのパラメータ値を、1つの表示装置の同一画面上に、又は複数の表示装置の画面に同時に表示される実績ヒストリカル・ボラティリティ又は実績日次収益率分布を参照しながら調整させる処理とを行うディーリングシステムを構築することができる。

    【0022】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。 図1は、本発明の第1の実施の形態のディーリングシステム100の全体構成を示している。 このシステム100は、外部のマーケットデータベース101と通信してマーケットデータを取り込み、実績ヒストリカル・ボラティリティ(実績HV)、実績インプライド・ボラティリティ(実績IV)及び正規分布の日次収益率分布を演算する市場実勢系演算部102
    と、マーケットデータベース101からマーケットデータを取り込み、後述する金融工学理論計算モデル(理論計算モデル)を用いて理論日次収益率分布、理論ヒストリカル・ボラティリティ(理論HV)の演算、オプション価格評価の実施、および理論インプライド・ボラティリティ(理論IV)を演算する理論計算部103と、必要な情報を表示し、プリントアウトし、またデータ入・選択を行うためのグラフィカルインタフェース(GU
    I)としてのディーリング端末105から構成されている。

    【0023】なお、本ディーリングシステムには高性能コンピュータシステムに対して本発明の演算処理を実行するディーリングプログラムを組み込んで使用される。
    したがって、諸データ、パラメータ群、演算処理結果などを保存するために、ハードディスクのような大容量記憶媒体が備えられていて、以下に説明する諸データはこの大容量記憶媒体に保存され、またそこから必要に応じて読み出されるものとする。 これは、以下のすべての実施の形態において同様である。

    【0024】図2は、上記のディーリングシステム10
    0による演算処理機能を示すフローチャートである。 また、図3は本実施の形態における図1のディーリング端末105の具体的なGUI画面を示している。 なお、ここではディーリング端末105は、1つの表示装置の1
    つの画面に全情報を表示するようにしているが、これに限らず、後述する各要素を1つの画面上にマルチウィンドウ形式で同時に表示し、あるいは、各要素を複数の表示装置の画面各々に個別に、かつ同時に表示してもよい。 また、マーケットデータの取り込みと演算処理は、
    ほとんどリアルタイムとみなせる一定周期で、また必要に応じて任意のタイミングで行う。 また取引対象商品に応じてユーザが可変設定できるものとする。

    【0025】図2のマーケットデータ取り込み処理S2
    00おいて、ディーリングシステム100内に取り込まれたマーケットデータ101は、実績HV計算処理S2
    04にて、図3のデータエリア310の「Quot
    e:」のテキストボックスに表示されている対象銘柄の実績HVを、「From Date:」と「To Da
    te:」それぞれのテキストボックスに表示されている対象期間分について計算し、その結果を実績HV値画面表示S205にて、図3のデータエリア310の「H
    V:」のテキストボックスに表示する。

    【0026】一方、図1の理論計算部103が実行する理論計算モデルから得られる理論HVについては、図2
    のモンテカルロシミュレーション計算S302において、理論計算モデルとしてボルツマンモデルを採用し、
    実績HVと同じ対象銘柄・対象期間に対してモンテカルロシミュレーションを実施し、対象銘柄の価格推移をシミュレートする。 なお、このボルツマンモデルによるモンテカルロシミュレーションの方法は、本願発明者らの出願である特願平11−242152号及び特願200
    0−219655号に詳しく説明されている。

    【0027】このシミュレーションの結果は、図2の理論HV値計算処理S304に入力し、計算した結果を図2理論HV値表示S305にて、図3のデータエリア3
    10の「BHV:」のテキストボックスに画面表示する。 ユーザはこれら「HV:」(実績HV)と「BH
    V:」(理論HV)の両者を対比する。

    【0028】次に、インプライド・ボラティリティ(I
    V)の対比表示について説明する。 図1の市場実勢系演算部102は、実績IV計算処理S206をn秒間隔(nは任意に定め得る。また変更設定も可能である)で計算し、図2の実績IVプロット表示S207にて、図3のスマイルグラフ306に実績IVを菱印307としてプロット表示する。

    【0029】一方、図1の理論計算部103から得られる理論IV値については、最初に理論計算部103にて、モンテカルロシミュレーションされた対象銘柄、ここではオプションの原資産に相当する銘柄の価格推移を用いて、理論日次収益率分布を図2の理論日次収益率分布計算処理S303にて計算する。 この理論日次収益率分布を用いて、オプション価格の理論値を図2の理論オプション価格計算S306にて評価し、続いてこの結果とスポットの原資産価格をもとに、IVの理論値を図2
    の理論IV値計算S307にて算出する。 そしてこの結果を、実績IVプロット表示S207と同じく、図3のスマイルグラフ306に、図2のスマイルカーブ描画処理S308にて理論IV値曲線308として線形補完表示し、ユーザはこれら両者を対比する。

    【0030】さらに、収益率分布の対比表示エリア31
    3の形態について説明する。 図2の実績日次収益率分布計算処理S208にて、マーケットデータ取り込み処理S200で取り込んだ対象銘柄・対象期間のヒストリカルデータからその収益率分布を計算し、その結果は図2
    の実績日次収益率分布描画処理S209にて、図3の分布グラフエリア313に「H」のヒストグラム314として表示する。 図3では一例としてヒストグラム表示3
    14としたが、データの表示スタイルについては、ほかに、例えば散布図表示などの統計手法で用いられる他の方法を用いてもかまわない。

    【0031】続いて、正規分布日次収益率については、
    図2の実績HV計算処理S204にて計算した実績HV
    値を入力値として、図2の正規分布日次収益率描画表示S210にて、図3の分布グラフエリア313の「N」
    の曲線315として表示する。 さらに、理論計算モデルにおけるモンテカルロシミュレーション計算S302から得られる理論日次収益率分布については、図2の理論日次収益率分布計算処理S303にて計算された分布を入力値として、理論日次収益率分布描画処理S309にて、図3の分布グラフエリア313の「B」の曲線31
    6として表示する。 これにより、ユーザに対して、分布グラフエリア313において、実績日次収益率分布31
    4と正規分布日次収益率315と理論日次収益率分布3
    16を対比する。

    【0032】このようにして、本実施の形態によれば、
    実績HVと理論計算モデルから得られる理論HV、実績IVと理論計算モデルから得られる理論IV、そして実績日次収益率分布と正規分布日次収益率分布と理論計算モデルから得られる理論日次収益率分布を、理論IVの表示形式についてはいわゆるスマイルカーブ308によって、ディーリング端末105の1つの表示装置の同一画面上に同時に対比表示できる。

    【0033】なお、ディーリング端末105としては、
    複数台の表示装置を備え、1台が実績HVと理論計算モデルから得られる理論HVを対比表示し、別の1台の表示装置が実績IVと理論計算モデルから得られる理論I
    Vを対比表示し、さらに別の1台の表示装置が実績日次収益率分布と正規分布日次収益率分布と理論計算モデルから得られる理論日次収益率分布を対比表示する形式であってもよい。 また、1台の表示装置に1つの画面上において、これらの各対比ごとにウィンドウを設け、マルチウィンドウ形式で同時に表示する形式であってもよい。 つまり、本発明は、これらの諸情報を同時に対比表示し、パラメータその他の調整による再計算結果が同期的に反映する表示手段であれば、表示態様が限定されるものではない。 以下の各実施の形態においても同様である。

    【0034】次に、本発明の第2の実施の形態のディーリングシステムについて説明する。 図4及び図5は、本発明の第2の実施の形態のディーリングシステムの演算処理のフローチャートである。 第2の実施の形態のディーリングシステムにあっても、ハードウェア構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様であるが、演算処理機能が図4及び図5のフローチャートに示すものである点が異なる。

    【0035】図4のフローチャートにおいて、図2のフローチャートと共通する処理ステップについては、同一のステップ番号を用いて説明する。 また、図6及び図7
    は第2の実施の形態を説明するための、図1のディーリング端末105の具体的なGUI画面を示している。

    【0036】ユーザが調整する図1の理論計算部103
    の理論計算モデルで用いるパラメータ値は、前述した図3のGUI画面で、パラメータ設定欄320における「t0:」、「c0:」、「g0:」、「NMAX:」
    のテキストボックスで表示されている部分である。 この欄の右側にある矢印のついたボタン330をユーザが押下することにより、各パラメータ値が増減する。 図6と図7の例では、「t0:0.00331」、「c0:4
    7.000」、「g0:990.00」、「NMAX:
    5000」となっている値を増減させて、「t0:0.
    00314」、「c0:54.500」、「g0:65
    0.00」、「NMAX:2000」に変更している。

    【0037】このように図6のGUI画面105において、上述したようにパラメータ値の変更操作があれば、
    図4及び図5のフローチャートにおいて、ステップS3
    11でYESに分岐し、理論計算モデルのパラメータ値を補正して保存する(ステップS312、S310)。

    【0038】この後、図6のGUI画面105において、操作指令ボタン群340のうちの「Recalc」
    ボタンを押下すると、図4、図5のフローチャートにおけるステップS313の「ユーザ割込み、Recalc
    ボタン押下」判断がYESとなり、理論計算モデルが変更後のパラメータ群を新たな入力として、モンテカルロシミュレーションを再実行する(ステップS314)。

    【0039】この再シミュレーションにより、図4のステップS303を実行して理論日次収益率分布が更新され、これに続いてステップS304、S305によって理論HV値表示が更新され、ステップS306〜S30
    8によってスマイルカーブ308の描画処理が更新され、さらにステップS309によって理論日次収益率分布316の描画処理が更新される。

    【0040】図6及び図7の例では、パラメータ値の増減操作により、実績HV値「HV:0.2953」に対して、理論HV値を「BHV:0.4019」から「B
    HV:0.2631」に調整し、また日次収益率分布を図6の曲線316におけるa部を、図7の曲線316におけるc部のようにファットテールを抑える形態に調整することができている。 この日次収益率分布316のa
    部からc部への更新を反映して、さらにスマイルカーブの形状についても、図6のスマイルカーブ308を、図7に示されるスマイルカーブ308の形状へ更新して再描画することができている。

    【0041】一般的にユーザは、このようにして、図1
    の理論計算部103が用いる理論計算モデルのパラメータ値の調整操作を、図6のデータエリア310における実績ヒストリカル・ボラティリティ「HV:」と調整後の理論HV「BHV:」、また収益率分布グラフエリア313における実績収益率分布314と調整後の理論日次収益率分布316とを対比比較しながら実施することができるのである。

    【0042】なお、本説明では、理論計算モデルのパラメータ値を、表記上「t0:」、「c0:」、「g
    0:」、「NMAX:」の4種類を例に説明したが、この例に限定されるものではない。 すなわち、理論計算モデルのパラメータ群の調整方法について、市場実勢と対比しながら調整することができるあらゆる理論計算モデルのパラメータが対象となる。

    【0043】こうして、第2の実施の形態によれば、理論計算モデルにおいて、実績HVと実績日次収益率分布の両者を再現する同モデルのパラメータ値を、ディーリング端末105の画面上に表示される実績HVや実績日次収益率分布を参照しながら、試行錯誤によりユーザが調整できる。

    【0044】次に、本発明の第3の実施の形態のディーリングシステムについて説明する。 図8及び図9は、本発明の第3の実施の形態のディーリングシステムの演算処理のフローチャートである。 第3の実施の形態のディーリングシステムにあっても、ハードウェア構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様であるが、演算処理機能が図8及び図9のフローチャートに示すものである点が異なる。 この図8及び図9のフローチャートにおいて、図2のフローチャートと共通する処理ステップについては、同一のステップ番号を用いて説明する。

    【0045】ユーザは最初、ディーリング端末105において、図6に示したGUI画面を参照しているとする。 ここで、データエリア310の理論HV「BH
    V:」と実績HV「HV:」を比較すると、それぞれ「0.4019」、「0.2953」で乖離が生じている。 また収益率分布グラフ表示エリア313において、
    正規分布日次収益率分布グラフ(N)315と実績日次収益率分布グラフであるヒストグラム(H)314と理論日次収益率分布グラフ(B)316を比較すると、理論日次収益率分布グラフ316の曲線の方がやや裾が厚いファットテールを呈している。 そこでユーザは、市場実勢に見合うようモデルパラメータ値を修正する必要があると判断する。 なお、この判断は、ユーザ各々のマーケット感や嗜好によって、自由に諮られてよい。

    【0046】修正が必要と判断したユーザは、ディーリング端末105の図6に示すGUI画面において、操作指令ボタン群340の「Fitting」ボタンを押下する。 押下により、図8及び図9のフローチャートにおけるステップS331の「ユーザ割込み発生:Fitt
    ingボタン押下」判断がYESとなり、「実績HV」
    と「実績日次収益率分布」を新たな入力として(ステップS320、S321)、ベイズ推定法を用いたパラメータ値自動導出が実行される(ステップS332)。 なお、このベイズ推定法を用いたパラメータ値自動導出方法については後述する。

    【0047】この導出処理により、パラメータ群は更新され(ステップS310)、更新されたパラメータ群を新たな入力として、理論計算モデルのモンテカルロシミュレーションが実行される(ステップS333)。

    【0048】この実行結果は、第2の実施の形態の処理と同じように、理論日次収益率分布の更新に反映され(ステップS303)、理論HV値表示処理(ステップS304、S305)、スマイルカーブ描画処理(ステップS306〜S308)そして理論日次収益率分布描画処理(ステップS309)まですべて更新される。

    【0049】パラメータ値導出前のGUI画面である図6とパラメータ値導出後のGUI画面である図10との例では、ディーリング端末105のGUI画面上で、
    「ユーザ割込み発生:Fittingボタン押下」によって、元のパラメータ値である図6のパラメータ値「t
    0:0.00331」、「c0:47.0000」、
    「g0:990.00」が、図10のGUI画面に示すように新たなパラメータ値として「t0:0.0033
    2」、「c0:43.465」、「g0:879.9
    8」に更新されている。

    【0050】そしてこの更新された新たなパラメータ値によって、モンテカルロシミュレーションが実行されるため、パラメータ値変更前では、図6に示したように理論HV「BHV:0.4019」と実績HV「HV:
    0.2953」との乖離が、パラメータ値変更後には、
    図10に示したように理論HV「BHV:0.299
    7」と実績HV「HV:0.2953」と縮小し、また日次収益率分布グラフエリア313における実績日次収益率分布のヒストグラム314と理論日次収益率分布グラフ316との乖離も、図6と図10との比較から分かるように縮小する。 さらに、スマイルカーブ308についても、図6と図10の比較に示したように、理論収益率分布の裾の厚さが抑えられた分、曲率が縮小している。

    【0051】ここで、ベイズ推定法を用いたボルツマンパラメータ自動導出方法について説明する。 ボルツマンパラメータの決定は、多種類のデータを基に最適解を求める問題で、一般的にはベイズ(Bayes)推定に基づく最適解探索問題になる。

    【0052】ベイズ推定では、探索するパラメータをP
    とすると、数1式の汎関数Sを最小にするパラメータP
    を求める問題となる。

    【0053】

    【数1】

    ここで、Yはあてはめるべき原資産データで、FはYとPの関係を表す関数である。 WはYの共分散行列である。 P

    0は求めるべきパラメータの事前値で、M

    0はその共分散行列である。 上添字のTは行列とベクトルの転置を意味する。 上添字の−1は逆行列を意味する。

    【0054】本問題は、非線形最小2乗法と全く同じ問題となる。 ここでは、ニュートン(Newton)法を基にした最適解の探索について述べる。 ニュートン法では、探索するときに最初に初期値を仮定する。 初期値は任意でよいが、事前値としてP 0が判っているので、これを初期値とするのが尤らしい。 なお、ここでは、P 0が最適解に十分近く、1回の反復計算で最適解に至ると仮定する。

    【0055】初期値をP 0とすると、最適解Pハットとその共分散行列Mハットとは、数2式及び数3式で与えられる。

    【0056】

    【数2】

    【数3】

    ここで、感度行列A

    0は、次の数4式である。

    【0057】

    【数4】

    以上の理論を実際に適用した場合について、次に説明する。

    【0058】(1)パラメータの事前情報が与えられていない場合:ここでは、試行錯誤なり他の手段でパラメータの真値に近いパラメータPprimが与えられたものとする。

    【0059】

    【数5】

    ここで、通常はパラメータの数よりもデータ数が大きい問題となる。 事前情報が全く無いということは、ベイズ推定においてP

    0が未知で、その確率密度が一様分布であることと同じである。 このとき、数1式のM

    0の逆行列M

    0

    -1は0となる。 したがって、これら数1式〜数3


    式は、数6式〜数8式のように書きなおすことができる。

    【0060】

    【数6】

    【数7】

    【数8】

    ここで、P

    0は、事前値ではなくパラメータ探索のための任意値となる。 P

    0が真値に近ければ、数7式に示す1回の反復計算で十分である。

    【0061】(2)原資産情報が追加された場合:原資産情報として新たにYnewとWnewが追加され、この追加によりパラメータの変動が小さい場合には、数2式と数3式で示したベイズ推定のロジックで最適なパラメータを求めることができる。

    【0062】この場合、数7式と数8式の最適なパラメータPハットとその共分散行列Mハットを、事前情報としてこれらを新たにP 0とM 0にすると、数2式と数3
    式から、次のように新たに修正された最適なパラメータPハットとMハットが求まる。

    【0063】

    【数9】

    【数10】

    (3)原資産データYの例:原資産データYに日次収益率とHVを用いた場合について説明する。 図11の40


    1は原資産の日次収益率分布で、ここでは1%刻みで日次収益率分布が与えられていて、その内容は、次の表1


    のように12個与えられている。

    【0064】

    【表1】

    Yは、数11式となる。

    【0065】

    【数11】

    これらの誤差と相関から共分散行列Wを決めることができる。 ここで、Fは、ボルツマンモデルのモンテカルロプログラムに相当する。 ボルツマンモデルのプログラムでは、パラメータとしてt

    0 ,c

    0 ,g

    0を入力すると、日次収益率とHVを求めることができる。 このモンテカルロプログラムの入力を、P=(t

    0

    0

    0

    T


    とし、そのときに出力されるHVと日次収益率がFとなる。

    【0066】A 0は、数3式と数5式に示すように、F
    に関するパラメータの感度である。 数4式の定義に従うと、数12式のようになる。

    【0067】

    【数12】

    ただし、これらの偏微分を解析的に求めることはできないので、実際には、例えば、t

    0の場合には、t

    0を微小変動させてモンテカルロコードでHVからYnを求め、変動させる前の結果との差をt

    0の変動分で除算すると近似的に求めることができる。

    【0068】まず試行錯誤や他の手段で、日次収益率やHVをほどほどに再現できるパラメータPprimを見出す。 本例では、Pprimで評価した日次収益率が図11の曲線402となる。 ここで、Pprimで評価したHVは3
    8.3%となっている。 図11中の曲線401で示した実績値から求めたHVは40.34%である。 したがって、図11中の曲線402は、横軸の収益率が大きいところで確率密度を若干過小評価する。

    【0069】Pprimを初期値とし数7式を適用して求めた最適なパラメータPハットで評価した日次収益率が図11中の曲線403である。 最適なパラメータPハットを用いるとHVは40.59%となり、実績のHV:4
    0.34%に近づき、収益率が大きい部分の確率密度も実績と一致してくる。

    【0070】以上のようにして、第3の実施の形態によれば、理論計算部103が用いる理論計算モデルのパラメータ値を変化する市場実勢に見合うようにリアルタイムに導出できる。

    【0071】なお、第3の実施の形態のディーリングシステムにおいては、理論計算モデルによるパラメータ値の自動導出処理機能と、導出されたパラメータ値を用いたオプション価格評価処理機能とを並列化することにより、市場実勢に自動追従した理論価格、および理論リスク指標を、ユーザにリアルタイムに提供できることになる。

    【0072】次に、本発明の第4の実施の形態のディーリングシステムについて説明する。 図12及び図13
    は、本発明の第4の実施の形態のディーリングシステムの演算処理のフローチャートである。 第4の実施の形態のディーリングシステムにあっても、ハードウェア構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様であるが、演算処理機能が図12及び図13のフローチャートに示すものである点が異なる。

    【0073】なお、図12及び図13のフローチャートにおいて、図2のフローチャートと共通する処理ステップについては、同一のステップ番号を用いて説明する。
    また、本実施の形態でも、第2の実施の形態と共通の図6と新たな図17のGUI画面を用いて説明する。

    【0074】ユーザがスマイルカーブ308の形状を変更するためのGUI画面が図14〜図16である。 ここで形状の変更とは、図14〜図16に示す3種類を指す。

    【0075】(i)図14は曲率変更であり、GUI画面上のパラメータ群320における「h0:」のパラメータ値をそれに対応する増減ボタン330によって増減操作することにより、曲線の曲率が数13式にしたがって変更され描画される。

    【0076】

    【数13】

    (ii)図15は垂直移動であり、GUI画面上のパラメータ群320における「v0:」のパラメータ値をそれに対応する増減ボタン330により増減させることにより、曲線全体が垂直上下方向に移動して描画される。

    【0077】(iii)図16はリスク選好度調整であり、GUI画面上のパラメータ群320における「h
    R:」、「hL:」の各々パラメータ値をそれぞれに対応する増減ボタン330により増減させることにより、
    左右非対称に(i)の曲率変更を実施する。

    【0078】このGUI画面を介して変更された操作は、図13のフローチャートにおけるステップS351
    のスマイルカーブ編集処理により、図6のスマイルグラフ308(変更前)が、図17のスマイルグラフ308
    (変更後)のようにGUI画面上で反映される。 またこの際に仮想IV値が得られる(ステップS352)。

    【0079】変更された仮想IV値は、図6の操作指令ボタン群340における「Reverse」ボタンが押下されたタイミングで、ステップS341の「ユーザ割込み発生:Reverseボタン押下」判断がYESとなり、ステップS342の仮想日次収益率分布計算処理に入力され、またマーケットデータ101からオプションのマーケットデータ、原資産のスポット価格もこの処理に同じく入力され(ステップS353)、仮想日次収益率分布を数14式及び数15式をモンテカルロシミュレーションにて評価する(ステップS342)。

    【0080】

    【数14】

    【数15】

    評価した結果は、ステップS309の理論日次収益率分布描画処理で図6の理論日次収益率分布曲線316(変更前)が、図17の日次収益率分布曲線316(変更後)のように反映される。 ここではリスク選好度が左右非対称に調整されたので、日次収益率分布曲線も左右非対称で描画されている。

    【0081】以上のようにして、第4の実施の形態によれば、スマイルカーブ308の形状(例えば、曲率・縦軸方向の上下シフト)を、ユーザインタフェースであるディーリング端末105のGUI画面からユーザがその嗜好やマーケット感により変更操作することにより、その結果に見合った仮想日次収益率を、ユーザの嗜好やマーケット感に応じたパラメータ値のもとに逆算し、自動的に実績日次収益率と対比表示できる。

    【0082】次に、本発明の第5の実施の形態のディーリングシステムについて説明する。 図18及び図19
    は、本発明の第5の実施の形態のディーリングシステムの演算処理のフローチャートである。 第5の実施の形態のディーリングシステムにあっても、ハードウェア構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様であるが、演算処理機能が図18及び図19のフローチャートに示すものである点が異なる。 この図18及び図19のフローチャートにおいて、図2のフローチャートと共通する処理ステップについては、同一のステップ番号を用いて説明する。 また、図20及び図21は第4の実施の形態を説明するための、図1のディーリング端末105の具体的なGUI画面を示している。

    【0083】ユーザは最初、図20で示されるディーリング端末105のGUI画面を参照しているとする。 ここで、金利・配当率・残存期間を変更したいとする。 その場合、金利については図20のデータエリア310における「Rate:」のテキストボックスの数値を、配当率については「Div:」のテキストボックスの数値を、残存期間についてはデータエリア350のテキストボックスの数値を、それぞれGUI画面から変更入力する。

    【0084】この変更入力により、図18及び図19のフローチャートにおけるステップS361の「ユーザ割込み発生:金利・配当率・残存期間変更」の判断がYE
    Sとなり、更新された金利・配当・残存期間データを新たな入力データとして(ステップS370)、「理論オプション価格計算」、「理論IV値計算」、「スマイルカーブ描画処理」が実行される(ステップS363,S
    307,S308)。

    【0085】図20のGUI画面(変更前)と図21のGUI画面(変更後)の例では、図20における残存期間「nn:29日」を、図21の「nn:15日」に変更したことにより、スマイルカーブ308の曲率が変化した結果を示している。

    【0086】上記の金利・配当率・残存期間の変動に際しては、図18のフローチャートにおけるステップS3
    02の「モンテカルロシミュレーション計算」、ステップS303の「理論日次収益率分布計算処理」の各処理をスキップし、図19のフローチャートにおけるステップS363の「理論オプション価格計算」(これは、図18のフローチャートにおけるステップS306の「理論オプション価格計算」と同じものであるが、用いるデータが変更後のS370である点が異なる)を実行するため、計算負荷を削減できる。

    【0087】以上のように、第5の実施の形態によれば、金利・配当率・残存期間といったモンテカルロ再計算に不必要な因子の変動に際して、瞬時にオプション価格を評価し、スマイルカーブ308を更新表示できる。

    【0088】次に、本発明の第6の実施の形態のディーリングシステムについて説明する。 図22は第7の実施の形態の処理機能のフローチャートを示している。 なお、本実施の形態のハードウェア構成は図1に示した第1の実施の形態と同様である。 また本実施の形態のディーリング端末105のGUI画面は、第1の実施の形態と共通する図3を用いて説明する。

    【0089】ユーザが参照しているディーリング端末1
    05のGUI画面が図3であるとする。 このGUI画面において、分布グラフエリア313の実績日次収益率ヒストグラム314は、ユーザが図3のデータエリア31
    0における「Quote:」で選択した対象銘柄について、対象期間については、「From Date:」と「To Date:」でそれぞれ選択した範囲のデータに対して求めたものである。 この図3の例では、銘柄コード「0018」を、1999年8月31日から200
    0年8月31日まで日次で選択していることを示している。

    【0090】実績日次収益率分布314の表示については、過去のどの期間範囲をどの期間単位で、またどの銘柄について取得するかは、ユーザのマーケット感や嗜好を自由に反映できることが重要である。

    【0091】そのため本実施の形態では、ユーザは、図3の操作指令ボタン群340から「Query」ボタンを押下することにより、図23に示すサブ画面350をディーリング端末105のGUI画面上に展開表示するようにしている。 このサブ画面350に対して、「銘柄コード」、「開始日」、「終了日」、「期間単位」を選択できる。 期間単位については、日次・週次・月次・年次の中から選択できる。 図24は、それぞれ日の終値、
    週末の終値、月末の終値、年末の終値の関係を示している。

    【0092】選択した結果は、図22のステップS20
    3の「銘柄コード変更」、ステップS202の「日次収益率取出し期間変更」にて更新され、ステップS204
    の「実績HV計算処理」、ステップS206の「実績I
    V計算処理」、ステップS208の「実績日次収益率分布計算処理」に反映され、ステップS205の「実績H
    V値画面表示」、ステップS207の「実績IVプロット表示」、ステップS209の「実績日次収益率分布描画処理」、ステップS210の「正規分布日次収益率描画表示」まですべて更新される。

    【0093】これにより、第6の実施の形態によれば、
    実績日次収益率の元となるヒストリカルデータを、ユーザの嗜好やマーケット感に応じて変化させて取り込める。

    【0094】次に、本発明の第7の実施の形態のディーリングシステムについて説明する。 図25及び図26
    は、本発明の第7の実施の形態のディーリングシステムの演算処理のフローチャートである。 第7の実施の形態のディーリングシステムにあっても、ハードウェア構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様であるが、演算処理機能が図25及び図26のフローチャートに示すものである点が異なる。

    【0095】図25のフローチャートにおいて、図2のフローチャートと共通する処理ステップについては、同一のステップ番号を用いて説明する。 また、本実施の形態では、第1の実施の形態と共通する図3のGUI画面と新たに図27に示すGUI画面とが切り替え表示されることになる。

    【0096】ユーザはまず最初、図3における分布グラフエリア313で、縦軸が片対数の日次収益率分布を参照している。 次に図3の操作指令ボタン群340から「Toggle」ボタンを押下することで、図25及び図26のフローチャートにおいて、ステップS381の「ユーザ割込み発生:Toggleボタン押下」判断がYESとなり、ステップS382の「分布座標縦軸モード設定」が実行される。

    【0097】この処理では、日次収益率分布の座標縦軸について、片対数と通常の2種類の設定モードが「To
    ggle」ボタン押下の都度、交互に適用される(S3
    83)。 あわせて、ステップS391の「収益率分布座標縦軸対数スケール切り替え」が実行され、分布グラフエリア313における縦軸が片対数スケールかあるいは通常のスケールなのかがステップS382の「分布座標縦軸モード設定」に合わせて反映され、ステップS20
    9の「実績日次収益率分布描画処理」、ステップS21
    0の「正規分布日次収益率描画表示」、ステップS30
    9の「理論日次収益率分布描画処理」でグラフエリア3
    13が図3の表示形態と図27の表示形態との間で更新される。 なお、上記の図3の片対数表示と図27の通常表示の例では、同じ対象銘柄0018の、同じ対象期間1999年8月31日から2000年8月31日までのヒストリカルデータに対して、収益率分布を片対数表示と通常表示で切り替えたものである。

    【0098】以上のように、第7の実施の形態によれば、日次収益率分布の片対数表示・通常表示が自由に切り替えられ、片対数表示では裾の部分を、通常表示では分布の中心部を見易くできる。

    【0099】なお、上記の各実施の形態では、理論計算部103が用いる理論計算モデルの例としてボルツマンモデルを採用したが、特にこれに限定されるもではなく、金融市場実勢に見合ったプライシング、リスク指標評価を司るモデルはすべて、本発明の対象となる。

    【0100】また、上記機能を備えたシステム及びディーリング端末のみならず、上述した各実施の形態の機能をコンピュータシステムに対して実行させることができるディーリングプログラムを記録した媒体も本発明の対象となる。

    【0101】

    【発明の効果】以上のように本発明によれば、コンピュータシステムのインタラクティブな画面インタフェースを通じて、ユーザであるディーラーやトレーダーが自身のマーケット感や嗜好を自在に取り込みながら理論計算モデルのパラメータを調整し、ディーラーやトレーダーにとって有意な理論価格およびリスク指標を、柔軟にリアルタイムで提供することができる。

    【0102】また、ディーラーやトレーダーが、彼らのマーケット感や嗜好を反映する仮想スマイルカーブをコンピュータ上で任意に作成でき、それに見合った原資産の日次収益率を自動的に逆算評価し表示することで、マーケットメイクを支援することができる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の第1の実施の形態のディーリングシステムのハードウェアの説明図。

    【図2】本発明の第1の実施の形態による演算処理のフローチャート。

    【図3】上記の実施の形態によるディーリング端末のG
    UI画面の説明図。

    【図4】本発明の第2の実施の形態による演算処理のフローチャート。

    【図5】図4のフローチャートの続き。

    【図6】上記の実施の形態によるディーリング端末のG
    UI画面の説明図。

    【図7】上記の実施の形態によるディーリング端末のG
    UI画面の説明図。

    【図8】本発明の第3の実施の形態による演算処理のフローチャート。

    【図9】図8のフローチャートの続き。

    【図10】上記の実施の形態によるディーリング端末のGUI画面の説明図。

    【図11】上記の実施の形態におけるベイズ推定結果を示すグラフ。

    【図12】本発明の第4の実施の形態による演算処理のフローチャート。

    【図13】図12のフローチャートの続き。

    【図14】上記の実施の形態におけるスマイルカーブの曲率変更操作を示す説明図。

    【図15】上記の実施の形態におけるスマイルカーブの垂直移動操作を示す説明図。

    【図16】上記の実施の形態におけるスマイルカーブのリスク選好度調整操作を示す説明図。

    【図17】上記の実施の形態によるディーリング端末の変更後のGUI画面の説明図。

    【図18】本発明の第5の実施の形態による演算処理のフローチャート。

    【図19】図18のフローチャートの続き。

    【図20】上記の実施の形態によるディーリング端末のGUI画面の説明図。

    【図21】上記の実施の形態によるディーリング端末の変更後のGUI画面の説明図。

    【図22】本発明の第6の実施の形態による演算処理のフローチャート。

    【図23】上記の実施の形態においてQueryボタンを操作した場合に展開されるサブ画面を示す説明図。

    【図24】上記の実施の形態において、日次、週次、月次、年次の関係を示す説明図。

    【図25】本発明の第7の実施の形態による演算処理のフローチャート。

    【図26】図25のフローチャートの続き。

    【図27】上記の実施の形態によるディーリング端末のGUI画面の説明図。

    【符号の説明】

    100 ディーリングシステム 101 マーケットデータベース 102 市場実勢系演算部 103 理論計算部 105 ディーリング端末

    フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 3/00 651 G06F 3/00 651A (72)発明者 立見 高浩 東京都港区海岸一丁目9番11号 株式会社 アール・アイ・シー内 (72)発明者 大橋 忠弘 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 川島 正俊 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 奥田 裕明 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 5E501 AA09 AC07 AC33 AC35 BA05 CA02 CB02 DA14 EB05 FA24 FA44 FA45 FB03 FB25 FB43

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