【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、広告・宣伝媒体提供用具及び提供方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、新聞の折込や、寸法もＢ５、Ａ
４、その他大きさが雑多で不定形の広告・宣伝紙等の媒体が多く、掲示するビラなどでも、ピンや、画鋲や、紐など、雑多な方法や、不規則な形態で掲示されていたり、駅前や、サラリーマンやその他の人々が大勢通る場所などで不定形のチラシなどの媒体を一々手渡しで配ったりして、人々の要求すると否とに拘わらず提供されているのが通例である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然しながら上述の従来例では、時、場所、状況を選ばず、人々の要望に無関係に欲しない情報も含めて提供される為、捨てられてしまうなどの無駄が多く、不経済であり、人々が望む時に望む情報をタイムリーに提供出来る態様が望まれ、インターネット等のＩＴ（情報技術）関連機器を利用しなくても、扱い易い態様で、随時手に入るようにしたいという課題がある。

【０００４】この発明は、上述の事情に鑑みて成されたもので、広告・宣伝用の媒体を名刺大から葉書大程度までの所望の大きさに定形化し、人々が通常の状態で取り扱い易い態様で供給でき、利用者が必要な時に必要に応じてタイムリーに情報を享受できる広告・宣伝媒体提供用具及び提供方法を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、下記構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。

【０００６】（１）名刺大から葉書大程度までの手に取り易く、衣服等のポケットや財布に、または、セカンドバック等にしまい易いサイズの広告文、宣伝文、案内文、または案内図等を記載した媒体を複数種類、視認し易い状態で収容可能な状差しに似た形の複数の収容区分を有する縦横所望寸法の板体に、掲示するための掛止部を備え、前記複数の収容区分を前記媒体が手で取り易い状態に配列して成ることを特徴とする広告・宣伝媒体提供用具。

【０００７】（２）名刺大から葉書大程度までの手に取り易く、衣服等のポケットや財布に、または、セカンドバック等にしまい易いサイズの広告文、宣伝文、案内文、または案内図等を記載した媒体を出し入れする為の穴を有し、前記媒体を複数枚重ねて収容できる左右側面抜きの筐体に、常時上方に押圧付勢する中底を有し、この中底の上面に前記媒体を複数枚重ねて載置収容し、前記穴を介して媒体を上から順に取り出す時に、媒体自体が適度に湾曲し、重なって収容された媒体相互間に適宜隙間が生じ、前記媒体が一枚づつ上から順に取り出し易い構造としたことを特徴とする広告・宣伝媒体提供用具。

【０００８】（３）広告・宣伝媒体提供用具は、その素材を透明、または半透明の合成樹脂等で構成したことを特徴とする前項（１）または（２）の何れかに記載の広告・宣伝媒体提供用具。

【０００９】（４）前項（１）または（２）に記載の広告・宣伝媒体提供用具を掲示する所望の場所を、タクシー内等のプライバシーが守れ、且つ人々の出入の多い、
または、人々の目につき易い場所としたことを特徴とする広告・宣伝媒体提供用具の提供方法。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を説明する。

【００１１】図１は、この発明の実施の形態を示す広告・宣伝媒体提供用具の例の斜視図であり、（ａ）は、請求項１に記載の実施例を示す斜視図、（ｂ）は、請求項２に記載の実施例を示す斜視図、（ｃ）は、（ｂ）の側面及び作用を示す説明図、図２は、広告・宣伝内容例を示し、（ａ）は、営業案内の例であり、（ｂ）は、案内図の例、図３は、広告・宣伝媒体提供用具をタクシー等の車内に設けた場合の例である。

【００１２】図面について説明すれば、１は、請求項１
に示した広告・宣伝媒体提供用具を構成する基板となる板体であり、名刺大から葉書大程度までの手に取り易く、衣服等のポケットや財布に、または、セカンドバック等にしまい易いサイズの広告文、宣伝文、案内文、または案内図等（図２（ｂ）参照）を記載した媒体Ｐを複数種類、視認し易い状態で収容可能な状差しに似た形の複数の収容区分１−１〜１−６を有する縦横所望寸法の板体１に、掲示するための掛止部Ｋを備え、前記複数の収容区分１−１〜１−６を前記媒体Ｐが手で取り易い状態に配列した構成としてある。

【００１３】また、請求項２に記載の実施例では、媒体Ｐを出し入れする為の媒体通過穴２ａを有し、前記媒体Ｐを複数枚重ねて収容できる左右側面抜きの筐体２であって、常時上方に押圧付勢する中底２ｂを有し、この中底２ｂの上面に前記媒体Ｐを複数枚重ねて収容し、前記媒体通過穴２ａを介して媒体Ｐを上から順に取り出す時に、媒体Ｐ自体が適度に湾曲し、重なって収容された媒体Ｐ相互間に適宜隙間が生じ、前記媒体Ｐが一枚づつ上から順に取り出し易い構造としてある。 その為の工夫として、図１（ｃ）に示すように、左右側面抜き筐体２の底部寸法をＬ１とすれば、上面の寸法Ｌ２は、大きくし、Ｌ２＞Ｌ１の関係が成立するように構成し、更に媒体Ｐの寸法をＬ２よりも、やや大き目とすることによって良い結果が得られた。

【００１４】符号２ｃは、重ねて収容した媒体Ｐがはみ出して落下するのを防ぐ為のはみ出し防止部材である。

【００１５】符号２ｄは、媒体提供者が意図する内容の文字、記号、絵図等を表示する表示部である。

【００１６】また、掛止部Ｋは、図１（ａ）、及び図３
に示すように、１ａは、横に張られた紐や、鎖や、ロープ等の紐状体に簡単に引っ掛けて掲示できるフックであり、１ｂは、螺子止めができるようにした螺子挿通用穴であり、１ｃは、掲示場所に貼着可能とする為のマジックテープ（登録商標）、または、両面テープ等の貼着部材である。 この貼着部材は、広告・宣伝媒体提供用具１
の背面の所望の部位と、掲示場所の相対位置に係合可能に設ければよい。 図３では、運転手または助手席等の座席の背面に掛止した例を示してある。

【００１７】１ｄは、広告・宣伝用の媒体を個別に、各社単位で収容した場合の、例えば、対象となる各社の名称等を表示できる表示部であり、１ｅは、総合表示部であって、例えば、「ご自由にお持ち下さい」など、利用者に呼びかける言葉を表示できる。

【００１８】また、上述の広告・宣伝媒体提供用具を構成する板体１、及び収容区分１−１〜１−６や左右側面抜きの筐体２は、その素材を透明、または半透明の合成樹脂等で構成し、媒体全体の様子が分るようにし、利用者が視認し易い構成としてある。

【００１９】また、媒体は、紙またはその他の繊維質のもの等を基材とし、表面の加工は自由であるが、媒体相互間では摩擦の程度は大きくなく、且つ指先との接触の際に適度に摩擦が生じ、取り扱い易いものが望まれる。

【００２０】上述の構成に基づいて作用を説明する。

【００２１】請求項１、または２に記載の広告・宣伝媒体提供用具を掲示する所望の場所は、タクシー内等の人々の出入の多い、または、人々の目につき易い場所が望まれるが、例えば、広告・宣伝用の媒体Ｐを名刺大程度の大きさとした場合、収容区分を１−１〜１−６のように６つに分けることができ、１つの区分を１社で利用するとすれば、６社分の広告・宣伝用の媒体Ｐを纏めて掲示することが出来る。

【００２２】図１（ｂ）、（ｃ）に示した請求項２の場合では、２ａは、媒体通過穴であり、広告・宣伝用の媒体Ｐの幅よりも大き目の幅の穴であり、媒体Ｐをこの左右側面抜きの筐体２に収容する場合には、前記媒体通過穴２ａを介して挿入するようにして収容することとなり、収容された複数枚の媒体Ｐは実際上の底部となる中底２ｂのやや湾曲した上面に密着した状態となる。

【００２３】そして前記底部２ｂは板バネのような機能を有し、Ｕの矢印方向へ、即ち図１（ｃ）の紙面上、上方へ前記広告・宣伝用の媒体Ｐを常時付勢して押圧状態を維持している。

【００２４】また、掲示する所望の場所をタクシー内とした場合では、通常個人のプライバシーが守られる場所でもあり、他人の目を余り気にせずに享受できるので非常に有効である。 例えば、図２（ａ）に示した営業案内の例は、或る探偵事務所の場合であるが、関係資料を調べたり、他人に聞いたりしないで事を進めることが出来るので、無駄なく、また余計な苦労をせずに済ますことが出来る。

【００２５】尚、実施例では、媒体を名刺大の大きさとした場合では、収容区分を６（１−１〜１−６）に分けて、基板となる板体１の寸法を３０ｃｍ×２０ｃｍとした。

【００２６】また、プライバシーに無関係に広く呼びかけをしたいものであれば、所望の掲示場所としては、バスの車内であり、ターミナル駅内であり、タクシーやバスの停車場であり、駅構内や病院内やその他の電話が配置された場所の側であり、銀行内であり、コンビニの店内であり、旅行会社内であり、スーパーの店内であり、
スポーツ倶楽部の屋内外であり、その他の、人が集り易い場所であり、これらの場所を利用して、利用者のその時点での状況に応じてタイムリーに必要な情報を提供できることとなる。

【００２７】また、請求項２で示した広告・宣伝媒体提供用具を左右側面抜きの筐体２とした場合では、利用者が取りたい時に媒体自体が適度に湾曲し、重なって収容された媒体相互間に適宜隙間が生じ、媒体が一枚づつ取り出し易い構造となっており、単独で扱えるようにしても良く、また前述の実施例で示した板体１の収容区分１
−１〜１−６の中に夫々仕分けして前記左右側面抜きの筐体２毎収容して提供しても良い。

【００２８】尚また、駅等に掲示する場合では、その駅が所在する地域に密着した情報、例えば、その地域にどのような店が在るか、などの情報を提供することにより、その地域の活性化に繋がる効果がある。 この場合は、掲示板の種類を増やすなどして出来るだけ多くの人々に対応可能な態様とすれば良い。

【００２９】以上説明したように、プライバシーに関するような情報であれば、扱い易い大きさと相俟ってタクシー内に掲示する提供方法が望まれ、また、広く呼びかける為の情報であれば、病院や、役所や、郵便局や、警察などへ出かける人々が途中で「ついでに手軽に」享受できるような場所を選べばよい。

【００３０】何れにしても、利用者に提供する媒体の大きさを名刺大から葉書大程度までの大きさに定形化することが大事であり、これにより統一した形態の広告・宣伝媒体提供用具を提供することが出来ることとなる。

【００３１】

【発明の効果】この発明によれば、広告・宣伝用の媒体を名刺大から葉書大程度までの所望の大きさに定形化し、人々が通常の状態で取り扱い易い態様で供給できるようにしたことにより、タクシー内等では、プライバシーを守り易い態様で提供出来、また媒体の内容に応じて、広く掲示して利用者が必要な時に必要に応じてタイムリーに情報を享受出来るという効果を呈する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態を示す広告・宣伝媒体提供用具の例の斜視図、（ａ）は、請求項１に記載の実施例を示す斜視図、（ｂ）は、請求項２に記載の実施例を示す斜視図、（ｃ）は、（ｂ）の側面及び作用を示す説明図

【図２】 広告・宣伝内容例を示し、（ａ）は、営業案内の例、（ｂ）は、案内図の例を示す説明図

【図３】 広告・宣伝媒体提供用具をタクシー等の車内に設けた場合の例を示す説明図

【符号の説明】

１ 板体 １ａ フック １ｂ 螺子挿通用穴 １ｃ 貼着部材 １ｄ、２ｄ 表示部 １ｅ 総合表示部 ２ 左右側面抜きの筐体 ２ａ 媒体通過穴 ２ｂ 中底 ２ｃ はみ出し防止部材 Ｋ 掛止部 Ｐ 媒体

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