【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インターネット上の広告システムに関し、特に、広告を見て広告主のｗｅ
ｂサーバにアクセスするようになった利用者を、引き続き広告媒体を提供する提供者のｗｅｂサーバに引きとどめることが出来るインターネット上の広告システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】インターネット上においてｗｅｂサーバの広告を行なう場合には、複数のｗｅｂサーバに広告を掲載し、その広告画面上を利用者にマウスでクリックさせて誘導する方法が一般的である。 広告主のｗｅｂサーバに到達した利用者は、自身の使用している端末に広告主のｗｅｂサーバアドレス（ＵＲＬ）を登録し、次回からは広告主のｗｅｂサーバに直接にアクセスしようと試みる。 つまり、ユーザは、２回目からのアクセスからは、広告を掲載している広告媒体のｗｅｂサーバを経由することなく、目的の広告主のｗｅｂサーバに直接にアクセスすることとなる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】広告媒体の提供者のｗ
ｅｂサーバは、自身が掲載している多くの広告を利用者に閲覧させることによって、多数の広告主から一定の広告料金を得ている。 従って、多数の広告を掲載して自身の広告ビジネスを成功させるためには、多数の利用者が自身のｗｅｂサーバに対してアクセスするように仕向けることが重要となる。 しかし、広告媒体のサーバ自体に興味を有しないユーザは、一般に２回目からは、前記の通り直接に広告主のｗｅｂサーバに直接にアクセスする傾向があるので、広告媒体のサーバはその目的を達しないこととなる。

【０００４】本発明は、上記に鑑み、利用者が広告媒体のｗｅｂサーバにアクセスするように仕向けることができ、これによって広告媒体の提供ビジネスを成功させることができる、インタネット上の広告システムを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の広告システムは、広告主のｗｅｂサーバ、
広告媒体の提供者のｗｅｂサーバ、ユーザ端末、及び、
前記ｗｅｂサーバ及びユーザ端末を相互に接続する回線から成るインタネット上の広告システムにおいて、広告主のｗｅｂサーバは、ユーザ端末からのアクセス要求を、広告媒体の提供者のｗｅｂサーバを経由したアクセスに限って許可することを特徴とする。

【０００６】本発明の広告システムによると、広告媒体の提供者のｗｅｂサーバへのアクセス回数が増加するので、良好な広告媒体の提供ビジネスが可能となる。

【０００７】本発明の広告システムでは、前記広告主のｗｅｂサーバは、ユーザ端末からの直接のアクセス要求を拒否することができ、或いは、ユーザ端末からの直接のアクセス要求を受けると、前記ユーザ端末に対して、
前記広告媒体の提供者のｗｅｂサーバを経由したアクセス要求をさせるように誘導することもできる。 何れの場合にも、ユーザ端末は、広告媒体の提供者のｗｅｂサーバ以外からはアクセスができないので、広告媒体の提供者のｗｅｂサーバへのアクセス回数が増加する。

【０００８】本発明の広告システムの好ましい態様では、前記広告主のｗｅｂサーバは、所定のＩＤコードを有するアクセス要求のみを許可する。 広告媒体のｗｅｂ
サーバがこの所定のＩＤコードを送信することで、広告主のｗｅｂサーバへのアクセス許可が得られる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照し本発明の実施形態例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。

【００１０】図１を参照すると、本発明の一実施形態例に係る広告システムは、ユーザ端末４０と、広告主のｗ
ｅｂサーバ１０と、広告主のために正規の広告を掲載する広告媒体の提供者のｗｅｂサーバ２０と、それ以外の、広告を掲載することなく又は正規の広告ではなく広告主のｗｅｂサーバへのリンク情報を掲載しているｗｅ
ｂサーバ３０と、これらサーバ１０、２０、３０及び端末４０を相互に接続するインターネット１００とから構成されている。

【００１１】ユーザ端末４０は、インターネットアクセス機能を持つ据置き型又は携帯型の情報端末である。 ユーザ端末４０は、インターネット１００上にあるｗｅｂ
サーバにアクセスし、ｗｅｂサーバにあるｈｔｍｌ等で構成されたテキスト、画像、音声、動画データ等を画面に表示する機能を有している。

【００１２】ｗｅｂサーバ１０は、インターネットアクセス機能を持ち、自サーバに対するアクセス要求に応答し、インターネット１００を介して情報提供を行なう情報処理装置である。 ｗｅｂサーバ１０の所有者は、ｗｅ
ｂサーバ２０に自身のサーバ１０の広告を掲載しており、広告主となっている。

【００１３】ｗｅｂサーバ２０は、インターネットアクセス機能を持ち、自サーバに対するアクセス要求に応答し、インターネットを介して情報提供を行なう情報処理装置である。 ｗｅｂサーバ２０は、ｗｅｂサーバ１０の広告が有料で掲載された広告媒体を構成している。 つまり、ｗｅｂサーバ２０は、ｗｅｂサーバ１０の所有者である広告主から料金を得ることによって、１又は複数の広告主のｗｅｂサーバ１０のために広告を掲載している。

【００１４】ｗｅｂサーバ３０は、インターネットアクセス機能を持ち、自サーバに対するアクセス要求に応答し、インターネットを介して情報提供を行なう情報処理装置である。 ｗｅｂサーバ３０は、広告主でも、正規の広告媒体でもなく、かつ、ｗｅｂサーバ２０に対するリンク機能を有している。

【００１５】図２に示した画面Ａ１０は、ユーザ端末から広告媒体ｗｅｂサーバ２０にアクセスした際にユーザ端末上に表示される画面を示している。 画面Ａ１０下部に表示されている広告Ａ２０が、広告主のｗｅｂサーバ１０のための広告である。 広告は、通常は多数が表示される。 各広告は、テキストもしくは適当な大きさの画像データで構成される。 特定の広告の画像データをユーザがクリックすることで、ユーザは当該広告の広告主のｗ
ｅｂサーバ１０にアクセスすることができる。

【００１６】図１を更に参照し、ユーザ端末４０を使用するインターネット利用者が、広告主のｗｅｂサーバ１
０にアクセスする手順について説明する。 インターネット利用者は、まず、ｗｅｂサーバ１０の広告が掲載されているｗｅｂサーバ２０にアクセスする。 次に、ｗｅｂ
サーバ２０にある広告主の広告をマウスでクリックして、ｗｅｂサーバ１０にアクセスする。

【００１７】ここで、ユーザ端末４０が、直接に広告主のｗｅｂサーバ１０にアクセスしようとすると、ｗｅｂ
サーバ１０は、そのアクセス要求を受けつけない。 また、ｗｅｂサーバ１０は、正規の広告ではなくリンク情報を掲載しているに過ぎないｗｅｂサーバ３０からのアクセス要求も受けつけない。 以下、更に詳細に説明する。

【００１８】図３は、本発明の第１の実施形態例に係る広告システムにおける処理を示すフローチャートである。 システム構成は、図１に示した通りである。 先ず、
利用者は、ユーザ端末４０を使用してｗｅｂサーバ２０
にアクセスする（ステップＢ０１）。 ｗｅｂサーバ２０
は、端末４０に広告情報入りのｗｅｂページ情報を送信する（ステップＢ０２）。 ｗｅｂサーバ２０からのページ情報を受信した端末４０は、図２に示す画面を表示する（ステップＢ０３）。

【００１９】利用者が、ユーザ端末４０で、図２の広告Ａ２０をマウスでクリックすると、広告媒体であるｗｅ
ｂサーバ２０から、広告主のｗｅｂサーバ１０に向けて接続要求が送信される（ステップＢ０５）。 この接続要求時に、サーバ２０からサーバ１０に向けてアクセス承認を得るためのデータが送信される。 このデータは、各広告で固有のＩＤコードである。 広告のＩＤコードを受信した広告主のｗｅｂサーバ１０は、広告を提供中である正規の広告媒体のサーバか否かを受信したＩＤコードで確認する。 この確認は、広告主ｗｅｂサーバ１０内に保持されている広告ＩＤリストと、受信したＩＤコードとを比較することで行なわれる（ステップＢ０６）。

【００２０】広告主サーバ１０は、ＩＤコードによって正規の媒体サーバを経由したアクセス要求であることを確認すると、ユーザ端末４０に対して、広告主ｗｅｂサーバ１０のＵＲＬを送信し、情報ページのデータを送信する（ステップＢ０７）。 なお、このＵＲＬはワンタイム（１度限り）のＵＲＬであり、次回のアクセス時には消滅する。 ｗｅｂサーバ１０からのページ情報を受信した端末４０は、端末の画面にｗｅｂサーバ１０のページを表示する（ステップＢ０８）。

【００２１】図４は、ユーザ端末から直接に広告主のｗ
ｅｂサーバ１０に対してアクセス要求した場合の処理を示している。 利用者が、ユーザ端末４０を使用してｗｅ
ｂサーバ１０にアクセスする（ステップＣ０１）と、ｗ
ｅｂサーバ１０は、そのアクセスが正規の広告媒体の提供者のサーバ２０を経由したアクセス要求か否かを確認する（ステップＣ０２）。 この場合、広告媒体サーバ２
０の固有ＩＤコードが送信されないため、広告主のｗｅ
ｂサーバ１０は、正規の広告媒体経由によるアクセスではないと判断し、ユーザ端末４０のアクセスを拒否する。 アクセス拒否の事実は、ステップＣ０３によって端末４０に送信される。 ユーザ端末４０は、ｗｅｂサーバ１０から受信したページ情報、例えば図５に示した情報Ｄ１０を表示する（ステップＣ０４）。

【００２２】正規の広告媒体のｗｅｂサーバ２０ではない、例えばｗｅｂサーバ３０からのアクセス要求の場合にも、広告媒体のｗｅｂサーバ２０のＩＤコードが送信されないので、図４と同様の手順により、広告主サーバ１０へのアクセス要求は拒否される。

【００２３】図６は、本発明の第２の実施形態例に係る広告システムにおける処理を示すフローチャートである。 システム構成は図１に示したものと同様である。 本実施形態例は、ユーザが直接に広告主のｗｅｂサーバ１
０にアクセスした場合には、そのアクセスを拒否せずに、広告媒体のサーバに向けてそのアクセスを自動的に誘導する点において、第１の実施形態例と異なる。

【００２４】図６において、利用者はユーザ端末４０を使用して広告主のｗｅｂサーバ１０に直接にアクセスする（ステップＥ０１）。 ｗｅｂサーバ１０は、端末４０
からのアクセス要求が正規の広告媒体からのアクセスか否かの確認を行なう（ステップＥ０２）。 この場合、広告媒体のｗｅｂサーバ１０の固有ＩＤコードが送信されないため、広告主のｗｅｂサーバ１０は、正規の広告媒体経由によるアクセス要求ではないと判断する。 そこで、広告主のｗｅｂサーバ１０は、広告を掲載している媒体サーバ２０のＵＲＬをユーザ端末４０に送信する。
広告主が複数のｗｅｂサーバに広告を掲載している場合は、任意のアルゴリズムにより選択した1 つの広告媒体サーバのＵＲＬを送信する（ステップＥ０３）。

【００２５】ユーザ端末４０は、ｗｅｂサーバ１０から受信した、ｗｅｂサーバ２０のＵＲＬに自動的にアクセスする（ステップＥ０４）。 ｗｅｂサーバ２０は、広告主の広告情報が掲載されているページ情報をユーザ端末４０に送信する（ステップＥ０５）。 ユーザ端末 ４０
は、ｗｅｂサーバ２０から受信したページ情報を端末に表示する（ステップＥ０６）。 この後の処理は、図３のステップＢ０４以降と同様である。

【００２６】本発明は、インターネット利用者が目的のｗｅｂサーバ（広告主のｗｅｂサーバ）へアクセスする場合に、そのｗｅｂサーバの広告、つまり、広告媒体のｗｅｂサーバを経由しなければ、目的の広告主のｗｅｂ
サーバにアクセスできないとする制限を課すことにより、インターネット上における新たな広告モデルを提供するものである。 本発明の広告システムを適用することにより、広告媒体の提供者は、自身のｗｅｂサーバへのアクセス回数が増加するため、良好な広告ビジネスを提供できる。 広告主は、これを前提として広告媒体の提供者との間で有利な広告契約を締結可能であり、広告支出の削減が可能である。 また、広告主のｗｅｂサイトの人気の程度によっては、広告媒体に対するアクセス回数を増加させる報酬として、広告媒体の提供者から逆に広告収入を得る可能性もある。

【００２７】以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の広告モデルは、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の広告システムは、目的のｗｅｂサーバにアクセスするためには、
必ず広告媒体のｗｅｂサーバを経由させることとしたので、広告主のｗｅｂサーバにアクセスするようになった利用者を引き続き広告媒体サーバにアクセスさせることが出来る。 このため、広告媒体の提供者による広告ビジネスが良好に行われる一方、広告主の広告費用を低減し、或いは、広告主のｗｅｂサーバの人気によっては、
広告主がその広告媒体の提供者から収入を得られることもある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態例の広告システムのブロック図。

【図２】利用者の端末における画面表示の一例。

【図３】本発明の第１の実施形態例に係る広告システムにおける処理を示すフローチャート。

【図４】図１の広告システムにおける処理を示すフローチャート。

【図５】利用者における画面表示の一例。

【図６】本発明の第２の実施形態例に係る広告システムにおける処理を示すフローチャートの一部。

【符号の説明】

１０：広告主ｗｅｂサーバ ２０：広告媒体の提供者のｗｅｂサーバ ３０：その他のｗｅｂサーバ ４０：ユーザ端末。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. ⁷識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０６Ｆ 17/60 ５０２ Ｇ０６Ｆ 17/60 ５０２