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Etching system

阅读:869发布:2021-04-13

专利汇可以提供Etching system专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a wet etching system which has a recycle system for effectively treating the impurities produced by an etching reaction and is excellent in reliability, by which the object to be treated is inexpensively etched with high quality, and which contributes to effective use of resources and environmental preservation. SOLUTION: The wet etching system is used for etching the object to be treated such as a LCD glass substrate 50. A waste etching liquid 21 containing the impurities generated by the etching reaction is treated according to such a recycle flow chart that the waste etching liquid is subjected to precipitation/separation treatment, chemical treatment, filtration treatment and reverse osmosis membrane treatment in this order so that the unwanted material-removed or unwanted material-volume-reduced etching liquid is recycled to an etching step. The precipitation/separation treatment is performed in a precipitation tank 2. The chemical treatment is performed in an agitated reaction tank 3. The filtration treatment is performed by using an MF (microfiltration) membrane or a UF (ultrafiltration) membrane 10. The reverse osmosis membrane treatment is performed by using a reverse osmosis membrane 11. The etchant in a suspension 4 is treated with a chemical in a neutralization tank 5 and a part of the treated etchant is recovered. COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT,下面是Etching system专利的具体信息内容。

  • 湿式エッチング法によって被処理体をエッチングし、エッチング排液から不要物を除去若しくは減量したエッチング液をエッチング工程へリサイクルするエッチングシステムにおいて、
    前記エッチング排液に対し、少なくとも薬剤処理又は/及び逆浸透膜処理を施し、得 られたエッチング液をリサイクルすることを特徴とする、エッチングシステム。
  • 前記エッチング排液に対して沈降分離処理及び濾過処理を施す、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記沈降分離処理、前記薬剤処理、前記濾過処理、及び前記逆浸透膜処理をこの順で行う、請求項2に記載したエッチングシステム。
  • 前記沈降分離処理、前記薬剤処理、及び前記濾過処理をこの順で行う、請求項2に記載したエッチングシステム。
  • 前記沈降分離処理、前記濾過処理、及び前記逆浸透膜処理をこの順で行う、請求項2に記載したエッチングシステム。
  • 前記薬剤処理、前記濾過処理、及び前記逆浸透膜処理をこの順で行う、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記濾過処理、前記薬剤処理、及び前記逆浸透膜処理をこの順で行う、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記薬剤処理及び前記濾過処理をこの順で行う、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記濾過処理及び前記薬剤処理をこの順で行う、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記濾過処理及び前記逆浸透膜処理をこの順で行う、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記沈降分離処理では、前記エッチング排液を静置して不溶物を沈降させ、上澄み液と、沈降物を含む懸濁液とに分離した後、この上澄み液を前記の処理に供する、請求項2に記載したエッチングシステム。
  • 前記懸濁液中のエッチャントを中和し、この中和されたエッチャントの一部を前記上澄み液に加え、前記上澄み液中の不要物の沈殿生成を誘起するとともに、前記懸濁液中のエッチャントを再生してリサイクルフローに加える、請求項11に記載したエッチングシステム。
  • 前記エッチャントがフッ化水素であり、前記不要物がヘキサフルオロケイ酸である、請求項12に記載したエッチングシステム。
  • 前記薬剤処理では、前記エッチング排液に沈殿生成を誘起する薬剤を加え、生じた不溶物が沈降した後の上澄み液を前記リサイクルフロー中で導く、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記エッチング排液を冷却することによって、前記不要物を不溶物として析出させる、請求項11または14に記載したエッチングシステム。
  • 浮上手段を備えた上澄み液採取口と、採取した上澄み液を輸送する伸縮可能なな輸送管からなる、上澄み液採取装置を備えた、請求項11または14に記載したエッチングシステム。
  • 前記濾過処理では、前記エッチング排液をフィルタによって濾過し、前記フィルタを通過した濾液を前記リサイクルフロー中で導く、請求項2に記載したエッチングシステム。
  • 前記フィルタとして精密濾過膜又は限外濾過膜を用いる、請求項17に記載したエッチングシステム。
  • 前記逆浸透膜処理では、前記エッチング排液を逆浸透膜に接した状態で加圧し、浸透圧に抗して前記逆浸透膜を通過した浸透液を前記リサイクルフロー中で導く、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記リサイクルにおける前記エッチング排液の管理を比重測定によって行う、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記エッチング排液から前記不要物が除去された後の上澄み液と、新しく追加するエッチング液とを混合して、エッチャント濃度を調整する調合槽を有し、この濃度調整されたエッチング液が前記エッチング槽へリサイクルされる、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記エッチャント濃度を調整する際に、前記エッチング液又は添加溶媒を予冷又は予熱しておき、前記混合によって生じる希釈熱と相殺させる、請求項21に記載したエッチングシステム。
  • 前記エッチング液としてフッ酸又はフッ化水素を含有するエッチング液を用いる、請求項1に記載したエッチングシステム。
  • 前記被処理体としてのガラス基板をエッチングして、その厚さを減少させる、請求項23に記載したエッチングシステム。
  • 说明书全文

    本発明は、エッチング反応によって生じた不純物を含むエッチング排液を処理して、エッチング液として再使用する湿式エッチングシステムに関するものである。

    例えば、近年の液晶ディスプレイ(LCD)などの表示パネルの薄型化および軽量化に対応するためには、ガラス基板の薄型化が必要である。 これは、表示パネルの厚さと重さにおいて、ガラス基板の厚さと重さが、それぞれ、大きな割合を占めているからである。

    通常、表示パネルは、複数個分が一枚の大きなガラス基板に形成され、その後、各表示パネルに切り分けられて、製造される。

    このとき用いられるガラス基板は、縦と横の大きさが550mm×650mm以上ある場合、厚さが0.6mm以下になると半導体プロセス等を適用することが困難となる。 このため、従来、薄型化の目標として考えられている、厚さが0.4〜0.5mmのガラス基板を用いることができなかった。

    そこで、縦と横の大きさが400mm×500mm以下のガラス基板を用いて薄型化を実現する方法が実施されたが、この方法には、ガラス基板1枚から得られる表示パネルの個数(理論個数)が少なくなるため、生産性が低くなるという問題点がある。

    これらの問題を解決するために、後述の特許文献1では、縦と横の大きさが550mm×650mm以上あり、0.6mmを超える厚さをもつガラス基板を用い、1方のガラス基板に半導体プロセスなどを適用して画素アレイを形成し、もう一方のガラス基板にカラーフィルタなどを形成し、両者を貼り合わせてLCDパネルの大部分の構造を形成した後に、湿式エッチングによってガラス基板の表面をエッチングし、ガラス基板を薄型化する方法が提案され、実施されている。 この方法によれば、大きなサイズの厚いガラス基板に対して半導体プロセスによる加工を行うことができるので、現状の表示パネル製造プロセスにガラス基板エッチングプロセスを加えるだけで、薄型かつ軽量のLCDパネルを生産性よく製造することができる。

    特開2003−273342号公報(第9及び10頁、図7及び11)

    図16は、上記のLCDガラス基板などのエッチングに用いられる、従来のエッチングシステムの構成の一例を示す概略図である。

    図16に示すエッチングシステムにおいて、LCDガラス基板50などの被エッチング物は、エッチング槽1内でエッチング液に浸漬され、エッチングされる。 被エッチング物がLCDガラス基板50である場合には、エッチング液として、例えば20質量%程度のフッ酸が用いられる。

    エッチング終了後、エッチング反応で生じた不純物を含むエッチング排液21は、エッチング槽1から沈殿槽101へ導かれる。 エッチング排液21は沈澱槽101に所定の時間滞留し、この間に不純物の一部が不溶物として沈降する。 沈降物を多く含む懸濁液23は、沈澱槽101の下部から取り出され、廃液処理部102へ送られる。 不純物が除去または減量されたエッチング排液21の上澄み液22は、送液ポンプ103によってミキシング槽104へ送られる。

    ミキシング槽104には、リサイクルされたエッチング液である上澄み液22のほかに、新たに追加される未使用のエッチング液25および純26が供給され、撹拌ポンプ105によって混合され、エッチング液20が形成される。 この際、未使用のエッチング液25の供給量は、(図示省略した)濃度計によって検知したエッチャント濃度に基づいて(図示省略した)バルブによって調節され、所定のエッチャント濃度をもつエッチング液20が形成される。 このエッチング液20は送り出しポンプ106によってエッチング槽1に送られ、エッチング液20として用いられる。 なお、未使用のエッチング液25と上澄み液22および純水26とを混合すると、希釈熱が発生するので、混合後のエッチング液20は、チラー(冷却機)110を用いて好適な温度になるまで冷却する。

    図17は、従来のエッチング排液のリサイクル処理フローにおける種々の方式を示す説明図である。 図16に示したエッチングシステムは、図17(1)に示した沈降分離処理によるリサイクル処理のみを行うエッチングシステムの一例である。

    図18は、図17(2)に示した、沈降分離処理と濾過処理とからなるリサイクル処理を行うエッチングシステムの一例を示すフロー図である。 図18に示すシステムでは、図16に示したシステムと同様、まず、エッチング排液21を沈殿槽101へ導き、上澄み液22と懸濁液23とに分離し、上澄み液22はそのままリサイクルする。 一方、懸濁液23はMF膜(精密濾過膜)またはUF膜(限外濾過膜)10を用いた濾過処理を行い、得られた濾液をリサイクルする。 なお、図18でミキシング槽104は簡略に示されているが、図16に示したものと同様の構成をもつものである(以下、同様。)。

    図19は、図17(3)に示した濾過処理によるリサイクル処理のみを行うエッチングシステムの一例を示すフロー図である。 図19に示すシステムでは、エッチング排液21を全量濾過処理して、得られた濾液をリサイクル液としてミキシング槽104へ導く。

    図20は、エッチングの進行によって変化する、エッチング槽1内のLCDガラス基板50とエッチング液20の状態を示す概略説明図である。

    ガラス基板50は、縦と横の大きさが600mm×720mm程度であり、材質は、例えばコーニング社製の7059(商品名)などである。 図20(a)に示すように、ガラス基板50は、2枚のガラス基板50aと50bとが、シール剤51によって接着されて形成されている。 ガラス基板50aの内側の面には薄膜トランジスタ(TFT)が形成され、ガラス基板50bの内側の面にはカラーフィルタ(CR)が形成されている。

    シール剤51は、ガラス基板50aと50bの周囲に被着されるほか、貼り合わされる各ガラス基板の内側の面にも格子状に被着される。 この格子によって囲まれた個々の領域が、1個のLCDパネルの表示領域となる。 貼り合わされたガラス基板50は、エッチング処理によって所定の厚さまで薄型化された後、シール剤51が格子状に被着された領域で切断され、複数のLCDパネルに切り分けられる。

    シール剤51の塗布はディスペンサなどによって行われる。 シール剤51には、エポキシ樹脂など熱硬化性樹脂が用いられる。 エポキシ樹脂は、フッ酸への耐エッチング性があるので、ガラス基板50をフッ酸系エッチング液に浸漬した場合でも、貼り合わせた2枚のガラス基板50aと50bとの内面に形成された画素アレイなど、ガラス基板50内部をエッチング液から保護することができる。

    図20に示すように、初め、例えば厚さ1.4mmのLCDガラス基板50を上記のようにエッチングして、所定の厚さ、例えば1.0mmまで薄型化するには、30分間〜120分間エッチングを続けることが必要である。 この間、エッチング液20には、エッチングの進行によって生じた不純物が、イオン、コロイド粒子、ゾル状またはゲル状の状態で蓄積される。 不純物は、主として、ケイ素、アルミニウム、ホウ素、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、またはバリウムなどのフッ化物である。

    これらの不純物は、図20(b)に示すように、不純物濃度が小さい間はイオンやコロイド粒子やゾルの状態でエッチング液中に溶解または分散していることが多いが、図20(c)に示すように、不純物濃度が大きくなり、飽和状態になると、微粒子状の浮遊物52あるいはゲル状の浮遊物53になって、沈殿したりガラス基板50に付着したりしやすくなる。

    図16〜図19に示した従来のエッチングシステムでは、エッチング排液21をリサイクルする時、これらの不純物のうち、固体として析出している不溶物だけを沈降や濾過などの処理で除去するだけで再利用している。 しかしこのような方法では、何回も再利用を繰り返すと、エッチング液20に溶解し、沈降や濾過では除去できない不純物が大量にエッチング液20内に蓄積され、これがエッチング工程中に微粒子状の浮遊物52あるいはゲル状の浮遊物53を形成し、ガラス基板50の表面などに付着し、ガラス表面の面荒れの最大の原因となる。 そして、ついには不良品の大量発生を招き、歩留まりが著しく低下する。

    図21は、従来のエッチングシステムにおいてリサイクルによって形成されたエッチング液における、エッチング品質に影響を及ぼす不純物の構成一例を示す円グラフである。 図21に示されているように、ヘキサフルオロケイ酸H 2 SiF 6やテトラフルオロホウ酸HBF 4など、水に対する溶解度の大きい不純物の濃度が高いことがわかる。

    以上に述べたように、LCDガラス基板の製造において、2枚のガラス基板を貼り合わせた後、エッチングによって薄型化し、LCDガラス基板を均一かつ所定の厚さに形成することは重要である。 しかしながら、従来のガラス基板のエッチングシステムでは、エッチング工程にて発生する不純物のうち、エッチング排液のリサイクル工程において除去されるのは、主として粒径が1μm以上の不溶性微粒子に限られ、エッチング排液に溶解している物質は除去できず、粒径が1μm以下のコロイド粒子として分散しているケイ素系の粒子状物質なども除去するのは難しい。

    このため、従来のガラス基板のエッチングシステムには、主として下記の4つの問題点がある。

    1つ目は、配管、タンク、バルブ等に不溶性の不純物(スラッジ)が付着して、機器に重大な故障が生じるおそれがあり、信頼性や安全性に欠けることである。 故障が発生すると、装置の修理期間が長くなり、稼働率が低下する。 故障回数が多くなると、稼働率が低下するばかりでなく、交換部品が多くなり、費用もかさむ。

    2つ目は、スラッジがゲル状にエッチング液に混在し、ガラス基板に付着するなど、良好なエッチングを妨げ、面荒れなどの原因になり、エッチング品質の低下や製造歩留まりの低下を引き起こす。

    3つ目は、エッチング液のリサイクル回数が制限され、リサイクル率が低くなることである。 このため、エッチング液の消費量が多くなり、エッチング液当たりの生産性が低下し、生産コストが高くなる。

    4つ目は、工程内廃棄物であるスラッジは廃棄されていて、廃棄物の有効利用ができないため、資源を浪費するとともに、環境汚染につながりやすい。

    本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、エッチング反応によって生じた不純物を効果的に処理するリサイクルシステムを有し、信頼性に優れ、エッチング品質が高く、低コストで、資源の有効利用や環境保全にも貢献する湿式エッチングシステムを提供することにある。

    即ち、本発明は、湿式エッチング法によって被処理体をエッチングし、エッチング排液から不要物を除去若しくは減量したエッチング液をエッチング工程へリサイクルするエッチングシステムにおいて、
    前記エッチング排液に対し、少なくとも薬剤処理又は/及び逆浸透膜処理を施し、得 られたエッチング液をリサイクルすることを特徴とする、エッチングシステムに係わるものである。

    本発明のエッチングシステムによれば、前記エッチング排液に対し、少なくとも薬剤処理又は/及び逆浸透膜処理を施すので、エッチング工程にて発生する不純物のうち、従来の方法では除くことのできなかった、前記エッチング排液に溶解している物質や、粒径が1μm以下のコロイド粒子として前記エッチング排液に分散している粒子状物質などを除去することができる。 このため、前記エッチング排液から前記不要物を効果的に除去又は減量させることができ、リサイクルされる前記エッチング液の清澄度を向上させることができる。

    すなわち、前記薬剤処理では、前記エッチング排液に溶解している前記不要物の化学反応を薬剤によって誘起して、この反応生成物を沈殿させることができる。 特に、前記不要物と難溶性の化合物を生成する前記薬剤を用いることができれば、極めて有効に前記不要物を沈殿として除去することができる。 また、前記逆浸透膜処理では、前記エッチング排液を逆浸透膜に接した状態で加圧し、浸透圧に抗して逆浸透膜を通過した浸透液をリサイクル液として得るので、水やフッ化水素は通すが、イオンや低分子を通しにくい性質を有する半透膜を用いると、水に溶けているイオンや低分子性の前記不要物、例えば、水に溶解しているヘキサフルオロケイ酸やテトラフルオロホウ酸、およびこれらのナトリウム塩を分子レベルで分離することができる。 このため、逆浸透膜処理後の前記リサイクル液は、不純物含有量が未使用のエッチング液と大差ないレベルに達する。

    このため、エッチングの均一性など、エッチング品質を向上させ、エッチング不良の発生を減少させ、生産歩留まりを向上させることができる。 また、配菅のつまりなどのトラブルが減少し、修理期間を短縮し、保守回数を減らし、部品の交換時期などが延びるため、安全で効率的な運転が可能になり、設備の稼働率が向上し、保守費用を削減することができる。

    また、前記エッチング排液のリサイクル回数を多くし、リサイクル率を向上させることができるので、前記エッチング液の使用量が減少し、製品のコスト低下と省資源化に寄与できる。 また、廃液が減量化されるので、廃液処理のための機構を簡素化することができる。

    また、前記薬剤処理を行う場合には、前記不要物を再利用しやすい物質として除去すれば、前記不要物を廃棄せずに有効利用することができる。

    本発明において、前記エッチング排液に対して沈降分離処理及び濾過処理を施すのがよい。 この場合、例えば、
    前記沈降分離処理、前記薬剤処理、前記濾過処理、及び前記逆浸透膜処理をこの順で 行うか、
    前記沈降分離処理、前記薬剤処理、及び前記濾過処理をこの順で行うか、
    又は、前記沈降分離処理、前記濾過処理、及び前記逆浸透膜処理をこの順で行うのがよい。

    前記沈降分離処理を行わないで、前記薬剤処理を行う場合には、例えば、
    前記薬剤処理、前記濾過処理、及び前記逆浸透膜処理をこの順で行うか、
    前記濾過処理、前記薬剤処理、及び前記逆浸透膜処理をこの順で行うか、
    前記薬剤処理及び前記濾過処理をこの順で行うか、
    又は、前記濾過処理及び前記薬剤処理をこの順で行うのがよい。

    前記沈降分離処理と前記薬剤処理のどちらも行わない場合には、例えば、
    前記濾過処理及び前記逆浸透膜処理をこの順で行うのがよい。

    前記沈降分離処理では、前記エッチング排液を静置して不溶物を沈降させ、上澄み液と、沈降物を含む懸濁液とに分離した後、この上澄み液を前記の処理に供するのがよい。

    この場合、前記懸濁液中のエッチャントを中和し、この中和されたエッチャントの一部を前記上澄み液に加え、前記上澄み液中の不要物の沈殿生成を誘起するとともに、前記懸濁液中の前記エッチャントを再生してリサイクルフローに加えるのがよい。 例えば、フッ酸系エッチング液では、前記エッチャントがフッ化水素であり、前記不要物がヘキサフルオロケイ酸である。

    前記薬剤処理では、前記エッチング排液に沈殿生成を誘起する薬剤を加え、生じた不溶物が沈降した後の上澄み液を前記リサイクルフロー中で導くのがよい。

    前記沈降分離処理や前記薬剤処理では、前記エッチング排液を冷却することによって、前記不要物を不溶物として析出させるのがよい。 ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムや、ガラスをフッ酸でエッチングするときの反応で生じた化合物は、カルシウム化合物を除き、温度が低いほど溶解度が小さい。 この温度低下による溶解度の減少を利用して、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムなどの不純物の溶解度を所定の大きさまで減少させ、不純物をできるだけ多く沈殿として析出させるようにすることができる。 このように、工程の温度などを管理することによって、生産性を向上させ、季節変動などに影響されないシステムを構築することができる。

    また、上澄み液採取浮上手段を備えた上澄み液採取口と、採取した上澄み液を輸送する伸縮可能な輸送管からなる上澄み液採取装置を備えるのがよい。

    前記濾過処理では、前記エッチング排液をフィルタによって濾過し、前記フィルタを通過した濾液を前記リサイクルフロー中で導くのがよい。 この場合、前記フィルタとして精密濾過膜又は限外濾過膜を用いるのがよい。

    前記逆浸透膜処理では、前記エッチング排液を逆浸透膜に接した状態で加圧し、浸透圧に抗して前記逆浸透膜を通過した浸透液を前記リサイクルフロー中で導くのがよい。

    前記リサイクルにおける前記エッチング排液の管理を比重測定によって行うのがよい。 比重測定によれば、簡易にリサイクル液の性状、例えば劣化の程度を知ることができ、トラブル発生を未然に防止することができる。 これにより、リサイクル液の管理方法を確立できる。

    前記エッチング排液から前記不要物が除去された後の上澄み液と、新しく追加するエッチング液とを混合して、エッチャント濃度を調整する調合槽を有し、この濃度調整されたエッチング液が前記エッチング槽へリサイクルされるのがよい。

    前記エッチャント濃度を調整する際に、前記エッチング液又は添加溶媒を予冷又は予熱しておき、前記混合によって生じる希釈熱と相殺させるのがよい。 従来は、前記エッチング液と前記添加溶媒とを混合した後、形成された混合溶液の温度を所定のエッチングスタート温度まで冷却するのに、長いタクトタイムを要していた。 上記の方法では予め出入りする熱量を予測しておいて、その熱量に応じて前記エッチング液又は/及び前記添加溶媒の初期温度を調整しておくので、混合後ただちにエッチングを開始することができ、タクトタイムを大きく短縮することができる。

    また、前記被処理体としてガラス基板をエッチングして、その厚さを減少させるのがよい。 これは、既述したように、LCDなどの表示パネルを薄型化する重要な方法である。 この例のように、ガラス基板をエッチングする場合には、前記エッチング液としてフッ酸又はフッ化水素を含有するフッ酸系エッチング液を用いるのがよい。 そして、前記不要物としてヘキサフルオロケイ酸やテトラフルオロホウ酸、およびこれらのナトリウム塩を除去または減量して、前記エッチング液をリサイクルするのがよい。

    次に、本発明の好ましい実施の形態を図面参照下に具体的かつ詳細に説明する。

    図2は、本発明の実施の形態に基づくエッチングシステムにおける物質の流れの概略を示す説明図である。 例えば、LCDガラス基板50(指示番号は、図1などで用いられている番号である。以下、同様。)をエッチングすると、ヘキサフルオロケイ酸H 2 SiF 6 、テトラフルオロホウ酸HBF 4 、およびアルミニウムやマグネシウム等のフッ化物などが生成する。

    既述したように、これらの不純物がエッチング液中に蓄積されると、エッチング面の荒れなどの原因になるので、本実施の形態のリサイクル処理システムでは、エッチング排液21からこれらの不純物を除去する。 その結果、不純物が除去または減量されたエッチング液を、再びエッチング槽1へ導き、リサイクルする。

    除去した物質のうち、スラッジなどとして回収したフッ素系化合物は、有用なフッ素含有原料として利用する。 エッチング排液21のリサイクル処理工程の中で生じた濃厚なフッ化水素含有廃液は、化学処理してフッ化水素を回収し、リサイクル液に加える。 濃度の低いフッ化水素含有廃液は、水酸化カルシウムなどを用いて通常の排水処理を行った後、廃棄する。 本実施の形態に基づくリサイクル方法では、一部の廃棄物を除き、大半の物質が有用な資源として利用される。

    図3は、本発明の実施の形態に基づく、エッチング排液21のリサイクル処理フローの種々の方式(1)〜(8)を示す説明図である。 各フローは、沈降分離処理、薬剤処理、濾過処理、及び逆浸透膜処理を組み合わせて構成されており、それぞれ、請求項3〜10に対応している。 以下、各フローについて説明する。

    実施の形態1
    実施の形態1では、請求項1〜3に対応し、図3(1)に示した前記沈降分離処理、前記薬剤処理、前記濾過処理、および前記逆浸透膜処理をこの順で行う処理フローからなるリサイクル処理システムを有するエッチングシステムの例について説明し、前記被処理体としての液晶表示装置(LCD)ガラス基板50の薄型化にこのエッチングシステムを適用する例について説明する。 このLCDガラス基板50は、既述したように、2枚のガラス基板を貼り合わせて作製したガラス基板である。

    図1は、実施の形態1に基づくエッチングシステムの構成を示すフロー図である。

    このエッチングシステムにおいて、LCDガラス基板50などの被エッチング物は、エッチング槽1内でエッチング液20に浸漬し、所定の厚さにエッチングする。 被エッチング物がLCDガラス基板50である場合には、エッチング液20として、例えば20質量%程度のフッ酸を用いる。

    エッチング終了後、エッチング反応で生じた不純物を含むエッチング排液21を再びエッチング液20として利用できるようにするために、エッチング排液21を沈澱槽2〜ミキシング槽15からなるリサイクル処理システムへ導く。 なお、ここでの「〜槽」の名称は、その槽で行われる処理を表す概念的な名称であって、実際には1つの槽で複数の処理が行われる場合にも、各処理ごとに個別の名称を付している。 例えば、図1に点線で囲んで示した懸濁液槽4〜スラッジ処理槽6で行う処理は、1つの槽で行うことが可能である。

    まず、沈澱槽2では、エッチング排液21を所定の時間静置滞留させ、不溶物(スラッジ)を沈降させ、上澄み液22と、沈降物がエッチング液中に濃縮された懸濁液23とに分離する。 通常、上澄み液22は次のリサイクル工程(前記リサイクルフロー;以下、このリサイクルフローをたどるエッチング液をリサイクル液24と呼ぶことにする。)中に導かれるが、懸濁液23は廃液処理工程に導かれる。 従って、懸濁液23に比べて上澄み液22の割合が大きいほど、エッチング液のリサイクル率は高くなる。

    図4は、静置時間と懸濁液23の高さとの関係を示すグラフである。 図4から、静置時間を長くとるほど、懸濁液23の高さが低くなること、従って上澄み液22の割合が増加してリサイクル率が向上することがわかる。 しかし、静置時間を長くとりすぎると、静置時間の増加で得られるリサイクル率の向上効果は次第に小さくなり、その一方、作業能率は低下する。 従って、ここでは、リサイクル率向上と作業能率維持との相反する2つの要求に応え得るように、適切な静置時間を設定することが重要である。 この後、上澄み液22は攪拌反応槽3へ導き、懸濁液23は懸濁液槽4へ導く。

    次に、本実施の形態では、図5および図6に示す薬剤処理工程で、懸濁液23中のエッチャントであるフッ化水素HFを水酸化ナトリウムNaOHで中和し、この反応で生成したフッ化ナトリウム(フッ化ソーダ)NaFの一部を上澄み液22に加え、上澄み液中の不要物であるヘキサフルオロケイ酸H 2 SiF 6またはテトラフルオロホウ酸HBF 4と反応させる。 この反応で、ヘキサフルオロケイ酸をヘキサフルオロケイ酸ナトリウムNa 2 SiF 6として沈殿させるとともに、加えたフッ化ナトリウムからフッ化水素を再生する。

    上記の方法によれば、単純に上澄み液22に水酸化ナトリウムを加える通常の方法に比べて、懸濁液23中に含まれていて、通常の処理では廃液処理工程に導かれてしまうフッ化水素を前記リサイクルフローのリサイクル液24に加えることができるメリットがある。 以下、この薬剤処理工程について詳述する。

    まず、図5に示すように、中和槽5の懸濁液23に所定の量の水酸化ナトリウムNaOHを添加する。 このとき、懸濁液23中のフッ化水素HFと水酸化ナトリウムNaOHとの中和反応(1)が起こり、フッ化ナトリウムNaFと水H 2 Oとが生成する。
    HF + NaOH → NaF↓ + H 2 O ・・・・・(1)
    反応(1)によって生じるNaFの溶解度は、HFに比べて小さいので、この反応の結果、懸濁液23からはNaFの沈殿が析出する。

    次に、図6に示すように、反応(1)で生じたフッ化ナトリウムを、フッ化マグネシウムMgF 2 、フッ化カルシウムCaF 2 、フッ化ストロンチウムSrF 2 、フッ化アルミニウムAlF 3などのエッチング反応生成物と共に、攪拌反応槽3の上澄み液22に所定の量だけ加える。 攪拌反応槽3における攪拌条件は、攪拌回転数:20〜100rpm、攪拌時間:20〜60分、攪拌後の静置沈澱形成時間:20〜60分である。 また、上澄み液22の温度は25℃〜45℃(攪拌温度)、pHは0〜2である。 本法ではフッ化ナトリウムとエッチング反応生成物とを分離せずに加えるので、分離設備が不要になる利点がある。 NaFの純度は50%以上で、MgF 2 :0〜5%、CaF 2 :0〜5%、SrF 2 :0〜10%、AlF 3 :0〜20%およびホウ酸H 3 BO 3 :0〜10%(単位は、質量%)である。

    このとき、上澄み液22中に溶解しているヘキサフルオロケイ酸H 2 SiF 6が、次の反応式(2)のようにフッ化ナトリウムと反応して、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムNa 2 SiF 6を生じる。
    2 SiF 6 + 2NaF → Na 2 SiF 6 ↓ + 2HF ・・・・・(2)
    この反応が進むのは、H 2 SiF 6がHFより強い酸で、HFより水素イオンH +を失いやすいからである。 反応(2)によって生じるNa 2 SiF 6の溶解度は、H 2 SiF 6に比べて小さいので、反応(2)の結果、上澄み液22から不純物がNa 2 SiF 6として析出し、沈殿として除去される。

    また、上澄み液22中のテトラフルオロホウ酸HBF 4が、次の反応式(3)のようにフッ化ナトリウムと反応して、テトラフルオロホウ酸ナトリウムNaBF 4を生じる。
    HBF 4 + NaF → NaBF 4 + HF ・・・・・(3)
    この反応が進むのも、HBF 4がHFより強い酸で、HFより水素イオンH +を失いやすいからである。 しかし、NaBF 4の溶解度は大きいので、NaBF 4が沈殿することはない。

    一方、反応(2)または反応(3)では、フッ化ナトリウムNaFはフッ化水素HFに変化している。 このフッ化ナトリウムNaFは、もともと懸濁液23に含まれていたフッ化水素から生成したものであることを考え合わせると、図5および図6に示した一連の、やや手の込んだ工程を行う利点として、通常の処理では廃液処理工程に導かれてしまう、懸濁液23中に含まれていたフッ化水素が、上澄み液22がたどるリサイクルフローのリサイクル液24中に回収されたことがわかる。

    図7は、冷却沈殿槽7の概略説明図(a)、およびホウ酸を例として温度と溶解度との関係を示すグラフ(b)である。 攪拌反応槽3でヘキサフルオロケイ酸ナトリウムが生成したリサイクル液24は、この冷却沈澱槽7に導入する。 図7(a)に示すように、冷却沈澱槽7では、冷却管31を流れる冷却液32によってリサイクル液24の温度を、例えば30〜35℃から20〜25℃へ下げることができる。 図7(b)に例示するように、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムや、ガラスをフッ酸でエッチングするときの反応で生じた化合物は、カルシウム化合物を除き、温度が低いほど溶解度が小さい。 この温度低下による溶解度の減少を利用して、これらの不純物の溶解度を減少させ、不要物を沈殿として析出させるようにすることができる。 ここでできるだけ多くの不要物を沈殿として取り除いておくことは、後続の工程で濾過処理や逆浸透膜処理を行う際に、濾過膜や逆浸透膜に加わる負荷を低減するためにも重要である。

    析出沈澱したスラッジ25はスラッジ槽9に送り、ガラス乳濁剤、殺虫剤、殺菌剤、または透明ガラス品質向上剤などのフッ素含有原料として利用する。 冷却沈澱槽7のように冷却可能な沈殿槽は、沈殿槽2として用いても効果的である。

    図8は、沈殿槽2の上澄み液22を、沈降物を混ざり込ませることなく取得するための上澄み液採取装置33の説明図である。 上澄み液採取装置33は、冷却沈殿槽7においてリサイクル液24の上澄み液を採取するのに用いてもよい。 上澄み液採取装置33は、上澄み液採取口34と、採取した上澄み液を輸送するフレキシブルな輸送管35(例えば、コイル状のPFAチューブ)と、液面から一定の深さだけ離れた高さ方向位置に上澄み液採取口34を浮上させる浮上手段(例えば、フロート)36を備えている。

    このため、上澄み液22の液面の高さが変化しても、上澄み液採取口34は、浮上手段36の働きによって液面とともに自動的に上下し、液面から一定の深さに保たれ、沈降物を混ざり込ませることなく、液面近くの最も良質な上澄み液を採取することができる。 従来は、単に採取管を差し込んでいるだけであるので、沈降したスラッジの一部を吸い込んでしまうことがあった。 なお、上澄み液採取口34とバルブ37やポンプ38との間はフレキシブルな輸送管35で結ばれているので、これらによって上澄み液採取口34の移動が妨げられることはない。

    図9は、比重測定槽8の概略説明図(a)、およびリサイクル回数と上澄み液の比重との関係を示すグラフ(b)である。 冷却沈澱槽7のリサイクル液24の上澄み液は、比重測定器39を設けた比重測定槽8へ導き、比重を測定する。 図9(b)に示すように、リサイクル回数の増加につれて上澄み液の比重は増加し、比重の増加は上澄み液中での不純物の増加を示している。 従って、上澄み液の比重を測定することによって簡易にリサイクル液24の劣化の程度を知ることができる。 劣化が著しいときにはそのリサイクル液は廃棄するが、リサイクル液24の状態を常に監視することによって、そのような事態になる前に一部の液を入れ替えるなど、リサイクル液24の適切な管理を行うことができる。

    次に、リサイクル液24の上澄み液は、MF膜(精密濾過膜)またはUF膜(限外濾過膜)10を用いた濾過処理を行う。 MF膜を用いた濾過処理によれば、懸濁した微細な粒子やコロイド粒子を精度よく分離することができる。 UF膜(限外濾過膜)を用いた濾過処理によれば、膜に形成されている孔の孔径に応じて、比較的大きな分子を分子レベルで分離することができる。 濾過処理でMF膜またはUF膜10を通過した濾液をリサイクル液24として、リサイクルフロー中の次の工程へ導く。

    次に、リサイクル液を逆浸透膜11に接した状態で加圧し、浸透圧に抗して逆浸透膜11を通過した浸透液をリサイクル液24として得る逆浸透膜処理を行う。 逆浸透膜処理では、水やフッ化水素は通すが、イオンや低分子を通しにくい性質を有する半透膜を用いて、水に溶けているイオンや低分子を分子レベルで分離することができる。 従って、逆浸透膜処理によれば、従来の方法では除くことのできなかった、水に溶解しているヘキサフルオロケイ酸やテトラフルオロホウ酸、およびこれらのナトリウム塩を分離して除くことができる。 このため、逆浸透膜処理後のリサイクル液24は、不純物含有量が未使用のエッチング液とあまり変わらないレベルに達している。

    図10は、フォ−ミング槽14とその周辺装置の概略説明図である。 逆浸透膜処理後のリサイクル液24は、サージタンク13を経て、フォーミング槽14に導く。 リサイクル液24中のフッ化水素濃度はエッチング反応で消費されて減少しているので、これを補うために、フッ化水素濃度の高い、未使用のエッチング液25と、濃度調整用の純水26とをフォーミング槽14に加え、リサイクル液24と混合する。

    温度が室温程度の未使用エッチング液と純水とリサイクル液24とを混合すると、下記の反応式(4)で示す反応で発生するフッ化水素の希釈熱によって、混合溶液の温度が5〜10℃上昇する。
    HF + aq → HF(aq) + Q kJ ・・・・・(4)
    この結果、混合溶液の温度は所定のエッチングスタート温度よりかなり高くなってしまうので、従来は、エッチングスタート温度までチラー(冷却機)を用いて冷却するのに、1時間程度のタクトタイムを要していた。

    本実施の形態ではこの点を改善するために、例えば、純水供給装置の純水槽18に冷却管41を設け、冷却管41を流れる冷却液によって純水槽18中の純水26の温度を予め冷却しておき、この冷却で奪った熱量と、混合によって生じる希釈熱とが相殺するようにし、混合後の混合溶液の温度が所定のエッチングスタート温度にほぼ等しくなるようにする。 このようにして本実施の形態では、大幅なタクトタイムの短縮を可能とする。 原理から明らかなように、冷却するのは、純水26であっても、未使用のエッチング溶液25であっても、リサイクル液24であってもよく、これらの複数であってもよい。

    図11は、本実施の形態に基づくエッチングシステムの構成を、フォーミング槽14およびミキシング槽15とその周辺装置に重点をおいて示す概略説明図である。

    図11において、LCDガラス基板50は、エッチング槽1内でエッチング液1に浸漬され、エッチングされる。 エッチング終了後、LCDガラス基板50は、LCDガラス基板搬送装置54によってリンス工程および乾燥工程へ送る。 エッチング反応で生じた不純物を含むエッチング排液21は、エッチング槽1から沈殿槽2へ導く。 沈殿槽2〜サージタンク13では、前述したようにエッチング排液21から不要物を除去または減量し、リサイクル液24を形成し、フォーミング槽14へ導く。

    図11に示すシステムでは、前記調合槽を、フォーミング槽14とミキシング槽15との2槽で構成しており、フォーミング槽14でプレ調合を行い、ミキシング槽15でファイナル調合を行う。 このような2槽構造にするのは、前述したように、未使用エッチング液25をリサイクル液24および純水26と混合すると、フッ化水素の希釈熱によって混合溶液の温度が上昇するからである。 温度補償のないフッ化水素濃度計では、指定温度以外の温度で測定すると、フッ化水素濃度で1〜3質量%の誤差が生じる。 従って、調合直後の温度が一定しない溶液では、フッ化水素濃度を正確に測定することができず、このため正確に調合することができない。

    そこで、2槽構造の調合槽では、フォーミング槽14に、リサイクル液24のほかに、新たに追加される未使用のエッチング液25および純水26を供給し、おおまかにエッチング液を形成し、ミキシング槽15に導く。 ミキシング槽15では、このエッチング液を撹拌ポンプ44で均一に撹拌しながら、その温度を所定の温度に保ち、図示省略したフッ化水素濃度計でフッ化水素濃度を測定しながら、未使用のエッチング液25または純水26を適量追加供給して、所定の濃度のエッチング液20を調製する。 このようにして温度および濃度を調整したエッチング液20は、送り出しポンプ43によってエッチング槽1に送り、エッチング液として用いる。

    図12は、本実施の形態に基づくリサイクルによって形成されたエッチング液20における、エッチング品質に影響を及ぼす不純物の構成を示す円グラフである。 図21に示した従来例と比べると、エッチング液に溶解しやすいヘキサフルオロケイ酸H 2 SiF 6やテトラフルオロホウ酸HBF 4の濃度が著しく減少していることがわかる。

    実施の形態2
    実施の形態2は、請求項1、2および4に対応し、図3(2)に示した前記沈降分離処理、前記薬剤処理、および前記濾過処理をこの順で行う処理フローからなるリサイクル処理システムを有するエッチングシステムの例である。

    図13は、実施の形態2に基づくエッチングシステムの構成を示すフロー図である。 このエッチングシステムは、図1に示した実施の形態1に基づくエッチングシステムと比べて、前記逆浸透膜処理を行わない点のみが異なっている。 その他の点では実施の形態1と同様であるので、本実施の形態に基づくリサイクルによっても、エッチング品質に影響を及ぼす不純物の構成が図12の円グラフと同様であるエッチング液20が得られる。

    実施の形態3
    実施の形態3は、請求項1、2および5に対応し、図3(3)に示した前記沈降分離処理、前記濾過処理、および前記逆浸透膜処理をこの順で行う処理フローからなるリサイクル処理システムを有するエッチングシステムの例である。

    図14は、実施の形態3に基づくエッチングシステムの構成を示すフロー図である。 このエッチングシステムは、図1に示した実施の形態1に基づくエッチングシステムと比べて、前記薬剤処理を行わない点のみが異なっている。 その他の点では実施の形態1と同様であるので、本実施の形態に基づくリサイクルによっても、エッチング品質に影響を及ぼす不純物の構成が図12の円グラフと同様であるエッチング液20が得られる。

    実施の形態4
    実施の形態4は、請求項1および10に対応し、図3(8)に示した前記濾過処理および前記逆浸透膜処理をこの順で行う処理フローからなるリサイクル処理システムを有するエッチングシステムの例である。

    図15は、実施の形態4に基づくエッチングシステムの構成を示すフロー図である。 このエッチングシステムは、図14に示した実施の形態3に基づくエッチングシステムと比べて、前記沈降分離処理を行わない点のみが異なっている。 その他の点では実施の形態1と同様であるので、本実施の形態に基づくリサイクルによっても、エッチング品質に影響を及ぼす不純物の構成が図12の円グラフと同様であるエッチング液20が得られる。

    以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。

    本発明のエッチング処理方法及びエッチングシステムは、液晶ディスプレイなどの表示パネルの製造などに応用され、その薄型化および軽量化、表示画面の高品質化、および低コスト化に寄与できる。

    本発明の実施の形態1に基づくエッチングシステムのフロー図である。

    本発明の実施の形態に基づくエッチングシステムにおける物質の流れを示す概略説明図である。

    同、エッチング排液のリサイクル処理フローを示す説明図である。

    本発明の実施の形態1に基づく、静置時間と懸濁液23の高さとの関係を示すグラフである。

    同、中和槽における薬剤処理を示す説明図である。

    同、撹拌反応槽における薬剤処理を示す説明図である。

    同、冷却沈殿槽8の概略説明図(a)、およびホウ酸を例として温度と溶解度との関係を示すグラフ(b)である。

    同、上澄み液採取装置の概略説明図である。

    同、比重測定槽8の概略説明図(a)、およびリサイクル回数と上澄み液の比重との関係を示すグラフ(b)である。

    同、フォ−ミング槽とその周辺装置の概略説明図である。

    同、エッチングシステムの構成をフォーミング槽およびミキシング槽とその周辺装置に重点をおいて示す概略説明図である。

    同、リサイクルによって形成されたエッチング液における、エッチング品質に影響を及ぼす不純物の構成を示す円グラフである。

    本発明の実施の形態2に基づくエッチングシステムのフロー図である。

    本発明の実施の形態3に基づくエッチングシステムのフロー図である。

    本発明の実施の形態4に基づくエッチングシステムのフロー図である。

    従来のエッチングシステムの構成の一例を示す概略説明図である。

    同、エッチング排液のリサイクル処理フローにおける種々の方式を示す説明図である。

    同、エッチングシステムの別の例を示すフロー図である。

    同、エッチングシステムのさらに別の例を示すフロー図である。

    同、エッチングの進行によるLCDガラス基板とエッチング液の変化を示す概略説明図である。

    同、リサイクルによって形成されたエッチング液における、エッチング品質に影響を及ぼす不純物の構成を示す円グラフである。

    符号の説明

    1…エッチング槽、2…沈澱槽、3…攪拌反応槽、4…懸濁液槽、5…中和槽、
    6…スラッジ処理槽、7…冷却沈殿槽、8…上澄み液槽、9…スラッジ槽、
    10…MF膜(精密濾過膜)またはUF膜(限外濾過膜)、11…逆浸透膜、
    12…不純物濃縮水槽、13…サージタンク、14…フォーミング槽、
    15…ミキシング槽、16…余剰リサイクル液槽、17…未使用エッチング液槽、
    18…純水槽、20…エッチング液、21…エッチング排液、22…上澄み液、
    23…懸濁液、24…リサイクル液、31…冷却管、32…冷却液、
    33…上澄み液採取装置、34…上澄み液採取口、35…フレキシブルな輸送管、
    36…浮上手段(例えば、フロート)、37…バルブ、38…ポンプ、
    39…比重測定器、41、42…冷却管、43…送り出しポンプ、44…撹拌ポンプ、
    45…送液ポンプ、50…LCDガラス基板、50a、50b…ガラス基板、
    51…シール剤、52…微細な粒子状浮遊物、53…ゲル状の浮遊物、
    54…LCDガラス基板搬送装置、101…沈殿槽、102…廃液処理部、
    103…送液ポンプ、104…ミキシング槽、105…撹拌ポンプ、
    106…送り出しポンプ、107…未使用エッチング液槽、108…純水槽、
    109…送液ポンプ、110…チラー(冷却機)

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