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未延伸多層フィルムおよび包装

阅读:370发布:2024-02-10

专利汇可以提供未延伸多層フィルムおよび包装专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】ガスバリア性および成形加工性に優れ、かつ、製造時および廃棄時の二 酸化 炭素の排出量を削減することができる多層フィルムを提供する。 【解決手段】 放射性 炭素( 14 C)を含む結晶性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nmである第1のフィルム2と、上記結晶性樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nmである第2のフィルム3と、を交互に繰り返し積層した繰り返し部4を備える多層フィルムを選択する。 【選択図】図1,下面是未延伸多層フィルムおよび包装专利的具体信息内容。

放射性炭素(14C)を含む結晶性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nmである第1のフィルムと、 前記結晶性樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nmである第2のフィルムと、 を交互に繰り返し積層した繰り返し部を備える多層フィルム。前記結晶性樹脂に含まれる全炭素原子中、1950年時点の循環炭素中の放射性炭素(14C)濃度を基準(100%)とした14C濃度の比率が、80〜100%である、請求項1に記載の多層フィルム。前記結晶性樹脂は、植物由来のポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1又は2に記載の多層フィルム。前記植物由来のポリオレフィン系樹脂は、植物由来の高密度ポリエチレン樹脂、または植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である、請求項3に記載の多層フィルム。前記結晶性樹脂の重量平均分子量が40,000〜200,000である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多層フィルム。前記結晶性樹脂の結晶成分に由来するX線回折像が、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧状のいずれか1種以上の形状に出現するものである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多層フィルム。前記結晶性樹脂の結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜または平方向に配向した異方性結晶を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の多層フィルム。請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多層フィルムを備える包装体。

放射性炭素(14C)を含む結晶性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nmである第1のフィルムと、 前記結晶性樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nmである第2のフィルムと、 を交互に繰り返し積層した繰り返し部を備える未延伸多層フィルムであって、 前記結晶性樹脂の結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜または水平方向に配向した異方性結晶を含み、 前記結晶性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であり、 前記熱可塑性樹脂は、植物由来のポリオレフィン系樹脂および石油由来のポリオレフィン系樹脂からなる群より選択される1種または2種以上であり、 前記結晶性樹脂の重量平均分子量が、40,000〜200,000であり、 前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量が、10,000〜400,000であり、 前記第1のフィルムの積層数が200以上であり、 前記第2のフィルムの積層数が200以上である、 未延伸多層フィルム。前記結晶性樹脂に含まれる全炭素原子中、1950年時点の循環炭素中の放射性炭素(14C)濃度を基準(100%)とした14C濃度の比率が、80〜100%である、請求項1に記載の未延伸多層フィルム。前記結晶性樹脂は、植物由来のポリオレフィン系樹脂である、請求項1又は2に記載の未延伸多層フィルム。前記植物由来のポリオレフィン系樹脂は、植物由来の高密度ポリエチレン樹脂、または植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である、請求項3に記載の未延伸多層フィルム。前記結晶性樹脂の結晶成分に由来するX線回折像が、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧状のいずれか1種以上の形状に出現するものである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の未延伸多層フィルム。請求項1乃至5のいずれか一項に記載の未延伸多層フィルムを備える包装体。

说明书全文

本発明は、多層フィルムおよび包装体に関する。

食品や医薬品などは、販売の際に、包装袋や包装容器などの包装体よって包装されるのが一般的である。このような包装体には、内容物の保護などのため、様々な性能が要求されている。そのため、一部の包装体では、複合化(多層化)された多層フィルムが用いられている。

包装体に用いられる多層フィルムには、耐衝撃性やガスバリア性が要求される。さらに、近年の環境問題への配慮から、フィルムの製造時および廃棄時の二酸化炭素排出量削減の要求も高まりつつある。

このような要求のなか、二酸化炭素排出量を削減することができる材料として、植物由来の材料が期待されており、植物由来の材料を用いた多層フィルムが提案されている。例えば、特許文献1には、ポリ乳酸樹脂からなる層を多数積層した多層フィルムが開示されている。

特許第5494484号公報

しかしながら、特許文献1に開示された多層フィルムでは、植物由来の材料を用いているものの、石油由来の材料を用いた従来の多層フィルムに比べ、ガスバリア性および成形加工性に劣るといった問題があった。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ガスバリア性および成形加工性に優れ、かつ、製造時および廃棄時の二酸化炭素の排出量を削減することができる多層フィルムおよび包装体を提供することを課題とする。

上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、 放射性炭素(14C)を含む結晶性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nmである第1のフィルムと、 前記結晶性樹脂とは異なる熱可塑性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nmである第2のフィルムと、 を交互に繰り返し積層した繰り返し部を備える多層フィルムである。

また、請求項2に係る発明は、 前記結晶性樹脂に含まれる全炭素原子中、1950年時点の循環炭素中の放射性炭素(14C)濃度を基準(100%)とした14C濃度の比率が、80〜100%である、請求項1に記載の多層フィルムである。

また、請求項3に係る発明は、 前記結晶性樹脂は、植物由来のポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1又は2に記載の多層フィルムである。

また、請求項4に係る発明は、 前記植物由来のポリオレフィン系樹脂は、植物由来の高密度ポリエチレン樹脂、または植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂である、請求項3に記載の多層フィルムである。

また、請求項5に係る発明は、 前記結晶性樹脂の重量平均分子量が40,000〜200,000である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多層フィルムである。

また、請求項6に係る発明は、 前記結晶性樹脂の結晶成分に由来するX線回折像が、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧状のいずれか1種以上の形状に出現するものである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多層フィルムである。

また、請求項7に係る発明は、 前記結晶性樹脂の結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜または平方向に配向した異方性結晶を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の多層フィルムである。

また、請求項8に係る発明は、 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多層フィルムを備える包装体である。

本発明の多層フィルムは、放射性炭素(14C)を含む結晶性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nm以下である第1のフィルムと、熱可塑性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nm以下である第2のフィルムと、を交互に繰り返し積層した繰り返し部を備えている。そのため、製造の際に延伸工程を伴わないで結晶を配向しているため、ガスバリア性および成形加工性に優れ、かつ、製造時および廃棄時の二酸化炭素の排出量を削減することができる。

また、本発明の包装体は、上記多層フィルムを備えるため、ガスバリア性および成形加工性に優れ、かつ、製造時および廃棄時の二酸化炭素の排出量を削減することができる。

本発明を適用した実施形態である多層フィルムの模式断面図である。

本発明を適用した実施形態である包装体の斜視図である。

図2の包装体のA−A線における模式断面図である。

多層フィルムの結晶性樹脂に由来するX線回折像を示す図である。

以下、本発明を適用した一実施形態である多層フィルムおよび包装体について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。

<多層フィルム> 先ず、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の構成について説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の多層フィルム1は、第1のフィルム2と、第2のフィルム3と、を備え、第1のフィルム2と第2のフィルム3とが交互に繰り返し積層されて概略構成されている。本実施形態の多層フィルム1は、食品や医薬品などを包装するために用いられる包装袋、包装容器のような包装体の材料として用いることができる。

(第1のフィルム) 第1のフィルム2は、後述する第2のフィルム3と交互に積層されており、多層フィルム1に優れたガスバリア性を付与する。 第1のフィルム2は、放射性炭素(14C)を含む結晶性樹脂を有す。放射性炭素(14C)を含む結晶性樹脂としては、植物由来の結晶性樹脂であってもよいし、植物由来の結晶性樹脂と石油由来の結晶性樹脂とを組み合わせたものであってもよい。

植物由来の結晶性樹脂としては、植物由来であり結晶性を有する熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、植物由来のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。また、植物由来のポリオレフィン系樹脂としては、具体的には、例えば、植物由来の高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE樹脂)のような植物由来のポリエチレン樹脂などが挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合せて用いることができる。

また、石油由来の結晶性樹脂としては、石油由来であり結晶性を有する熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂のようなオレフィン系樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂のようなポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリエチレン‐2,6‐ナフタレート樹脂のようなポリエステル系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリグリコール酸樹脂ポリカプロラクトン樹脂、および上記樹脂を形成するモノマーを含む共重合体樹脂などが挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合せて用いることができる。

上記植物由来および石油由来の結晶性樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂がより好ましく、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)がさらに好ましい。これにより、結晶性樹脂の結晶成分をより確実に配向制御することができる。

なお、ポリエチレン樹脂を用いる場合、ポリエチレン樹脂の結晶成分に由来する示唆熱分析法で求めた融解熱量(ΔH)は20J/g以上であることが好ましく、30J/g以上であることがより好ましい。ΔHが上記数値範囲にあることにより、ポリエチレン樹脂の結晶生長を十分に行うことができ、優れたガスバリア性を発揮することができる。

融解熱量は、市販の示差走査熱量計(Differential scanning calorimetry;DSC、例えば、セイコーインスツル社製、「DSC−6200」など)を用いて求めることができる。具体的には、示差走査熱量計による測定で得られたDSC曲線のピーク面積から求めることができる。

放射性炭素(14C)を含む結晶性樹脂に含まれる放射性炭素(14C)の数は、具体的には、例えば、結晶性樹脂に含まれる全炭素原子中、1950年時点の循環炭素中の放射性炭素(14C)濃度を基準(100%)とした14C濃度の比率が、80〜100%、好ましくは90〜100%である。放射性炭素(14C)濃度の比率が多いほど、植物由来の樹脂が多く含まれていることを示す。放射性炭素(14C)濃度の比率が上記範囲に含まれることにより、多層フィルム1の製造時および廃棄時に、二酸化炭素の排出量を削減することができる。

放射性炭素(14C)の計数は、市販の加速器質量分析装置(例えば、NEC社製、「ペレトロンAMS」など)により測定することができる。 なお、以下において、第1のフィルム2が有す結晶性樹脂を、「結晶性樹脂A」と記す。

結晶性樹脂Aの重量平均分子量の上限値としては、具体的には、例えば、200,000が好ましく、150,000がより好ましく、120,000がさらに好ましい。重量平均分子量が上限値以下であることにより、第1のフィルム2がナノメートル領域の厚みに成形される際に、ポリマーの分子運動が著しく阻害されるのを抑制することができる。

一方、結晶性樹脂Aの重量平均分子量の下限値としては、具体的には、例えば、40,000が好ましく、45,000がより好ましく、50,000がさらに好ましい。重量平均分子量が下限値以上であることにより、第1のフィルム2がナノメートル領域の厚みに成形される際に、結晶性樹脂Aに含まれる結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜方向に配向した状態または水平方向に配向した状態で、結晶性樹脂Aを結晶化することができる。

重量平均分子量は、市販のゲル浸透クロマトグラム(Gel Permeation Chromatography;GPC、例えば、東ソー社製、「HLC−8320」など)により測定することができる。以下同様にして重量平均分子量を測定することができる。

また、第1のフィルム2は、上述した結晶性樹脂の他に、添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、具体的には、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無期粒子、有機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。

第1のフィルム2の平均層厚みの上限値としては、具体的には、例えば、1000nmが好ましく、300nmがより好ましい。平均層厚みが上限値以下であることにより、第1のフィルム2において、結晶性樹脂Aに含まれる結晶を、その分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜方向に配向した異方性結晶、あるいは水平方向に配向した異方性結晶とすることができる。

一方、第1のフィルム2の平均層厚みの下限値としては、具体的には、例えば、10nmが好ましく、70nmがより好ましい。平均層厚みが下限値以上であることにより、層切れを発生させることなく成膜することが可能であり、第1のフィルム2において、傾斜方向に配向した異方性結晶、あるいは水平方向に配向した異方性結晶を確実に形成することができる。さらに、多層フィルム1を折り曲げた際に第1のフィルム2が破断するのを防止することができる。

なお、「第1のフィルム2の平均層厚み」とは、多層フィルム1が備える全ての第1のフィルム2の厚みの和を、多層フィルム1が備える第1のフィルム2の積層数で除したものをいう。

フィルムの積層数は、例えば、ミクロトームを用いて多層フィルムの断面を切り出した後、多層フィルムの断面を市販の電子顕微鏡(例えば、日本電子社製、「JSM‐7500FA」など)を用いて観察することにより求めることができる。以下同様にしてフィルムの積層数を求めることができる。

また、第1のフィルム2の平均層厚みの標準偏差の上限値としては、具体的には、例えば、100nmが好ましく、50nmがより好ましい。平均層厚みの標準偏差が上限値以下であることにより、多層フィルム1を折り曲げた際に第1のフィルム2が破断するのを防止することができる。さらに、第1のフィルム2において、傾斜方向に配向した異方性結晶、あるいは水平方向に配向した異方性結晶を確実に形成することができる。

このように、多層フィルム1において、第1のフィルム2は、結晶性樹脂Aを含有し、結晶性樹脂Aの結晶成分の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜方向に配向した異方性結晶、あるいは水平方向に配向した異方性結晶を有するものである。そのため、第1のフィルム2を水蒸気が透過すると仮定した場合、水蒸気が透過するのに通過する経路が長くなることから、かかる構成の第1のフィルム2を備える多層フィルム1は、延伸工程を伴うことなく、優れたガスバリア性を発揮する。多層フィルム1が優れたガスバリア性を発揮することにより、これを用いた包装体は、例えば、水蒸気の侵入を防ぐことができる。 なお、結晶成分の分子鎖軸の傾斜方向の測定については後述する。

(第2のフィルム) 第2のフィルム3は、上述した第1のフィルム2と交互に積層されている。第2のフィルム3で第1のフィルム2をはさむことにより、第1のフィルム2の厚みを維持し、第1のフィルム2中において、結晶性樹脂Aの結晶成分の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜方向に配向した状態または水平方向に配向した状態で、結晶性樹脂Aを結晶化することができる。すなわち、第2のフィルム3により、第1のフィルム2を延伸させることなく結晶化することができるため、第1のフィルム2の優れたガスバリア性を発揮させることができる。さらに、第1のフィルム2を延伸させる必要がないため、多層フィルム1に優れた成形加工性を付与することができる。

第2のフィルム3は、上述した結晶性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂を有す。熱可塑性樹脂としては、上述した結晶性樹脂Aとは異なる熱可塑性樹脂であれば、特に限定されないが、例えば、上述した第1のフィルム2に用いることができる植物由来および石油由来の結晶性樹脂として挙げたものの他、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、およびエチレン‐環状オレフィン共重合体樹脂のような上記樹脂を形成するモノマーを含む共重合体樹脂などが挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合せて用いることができる。

これらの中でも、ポリプロピレン樹脂、エチレン‐環状オレフィン共重合体樹脂のいずれか1つ以上を含むことが好ましい。これにより、上述した第2のフィルム3の機能をより顕著に発揮することができる。 なお、以下において、第2のフィルム3が有す熱可塑性樹脂を、「熱可塑性樹脂B」と記す。

熱可塑性樹脂Bは、第1のフィルム2における結晶性樹脂Aと同様に、結晶性を示すことが好ましく、熱可塑性樹脂Bの結晶成分の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜方向に配向した状態、または水平方向に配向した状態で存在していることがより好ましい。このように、第2のフィルム3において熱可塑性樹脂Bが結晶性を示し、さらに、第2のフィルム3における熱可塑性樹脂Bの結晶生長が制御されることで、第2のフィルム3におけるガスバリア性を向上させることができる。

熱可塑性樹脂Bの重量平均分子量の上限値としては、具体的には、例えば、400,000が好ましく、370,000がより好ましく、350,000がさらに好ましい。重量平均分子量が上限値以下であることにより、第2のフィルム3がナノメートル領域の厚みに成形される際に、ポリマーの分子運動が著しく阻害されるのを抑制することができる。

一方、熱可塑性樹脂Bの重量平均分子量の下限値としては、具体的には、例えば、10,000が好ましく、50,000がより好ましく、200,000がさらに好ましい。 重量平均分子量が下限値以上であることにより、第2のフィルム3がナノメートル領域の厚みに成形される際に、熱可塑性樹脂の結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜方向に配向した状態または水平方向に配向した状態で、結晶化することができる。

また、第2のフィルム3は、上述した熱可塑性樹脂の他に、添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、具体的には、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無期粒子、有機粒子、減粘剤、増粘剤、熱安定化剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。

第2のフィルム3の平均層厚みの上限値としては、具体的には、例えば、1000nmが好ましく、200nmがより好ましい。平均層厚みが上限値以下であることにより、第2のフィルム3において、熱可塑性樹脂Bに含まれる結晶を、その分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜方向に配向した異方性結晶、あるいは水平方向に配向した異方性結晶とすることができる。

一方、第2のフィルム3の平均層厚みの下限値としては、具体的には、例えば、10nmが好ましく、50nmがより好ましい。平均層厚みが下限値以上であることにより、層切れを発生させることなく成膜することが可能であり、第2のフィルム3において、傾斜方向に配向した異方性結晶、あるいは水平方向に配向した異方性結晶を確実に形成することができる。さらに、多層フィルム1を折り曲げた際に第2のフィルム3が破断するのを防止することができる。

なお、「第2のフィルム3の平均層厚み」とは、多層フィルム1が備える全ての第2のフィルム3の厚みの和を、多層フィルム1が備える第2のフィルム3の積層数で除したものをいう。

また、第2のフィルム3の平均層厚みの標準偏差の上限値としては、具体的には、例えば、100nmが好ましく、50nmがより好ましい。平均層厚みの標準偏差が上限値以下であることにより、多層フィルム1を折り曲げた際に第2のフィルム3が破断するのを防止することができる。さらに、第2のフィルム3において、傾斜方向に配向した異方性結晶、あるいは水平方向に配向した異方性結晶を確実に形成することができる。

(多層フィルム) 本実施形態の多層フィルム1は、上述の第1のフィルム2と第2のフィルム3とを交互に繰り返し積層した繰り返し部4を備える。繰り返し部4内に積層される第1のフィルム2および第2のフィルム3の積層数の上限値は、特に限定されないが、20000が好ましく、10000がより好ましい。積層数が上限値以下であることにより、優れたガスバリア性を維持しつつ、多層フィルム1を薄型化することができる。

一方、繰り返し部4内に積層される第1のフィルム2および第2のフィルム3の積層数の下限値は、特に限定されないが、20が好ましく、200がより好ましい。積層数が下限値以上であることにより、優れたガスバリア性を発揮することができる。

さらに具体的には、本実施形態の多層フィルム1は、厚みが100nm以下の第1のフィルム2を100層以上積層することにより形成されるのが好ましく、厚みが100nm以下の第1のフィルム2を1000層以上積層することにより形成されるのがより好ましい。このような多層フィルム1を選択することにより、多層フィルム1のガスバリア性を特に向上させることができる。

また、多層フィルム1の総厚の上限値は、特に限定されないが、具体的には、例えば、1000μmが好ましく、500μmがより好ましく、250μmがさらに好ましい。総厚が上限値以下であることにより、結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの種類によっては、成膜が困難であったり、層の数が多くなりすぎるため生産効率が悪くなったり、厚すぎるため加工時などに取り扱い性が悪くなるのを防止することができる。

一方、多層フィルム1の総厚の下限値は、特に限定されないが、具体的には、例えば、1μmが好ましく、50μmがより好ましく、100μmがさらに好ましい。総厚が下限値以上であることにより、結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの種類によっては、皺が入りやすいなど取り扱い性が悪くなるのを防止することができる。

(結晶構造) 本実施形態の多層フィルム1では、第1のフィルム2および第2のフィルム3において、それぞれ、結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bが結晶化することが好ましいが、これら結晶性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの結晶成分の配向状態は、X線回折により評価する。 また、配向結晶の傾きは広散乱測定(wide angle X−ray scattering;WAXS)や小角散乱測定(small angle X−ray scattering;SAXS)により評価する。 なお、X線回折は、市販のX線回折装置(例えば、リガク社製、「NANO Viewer」など)を用いて測定することができる。

例えば、多層フィルム1における、結晶性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの少なくともいずれかの結晶成分に由来するX線回折像が、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧上のいずれか1種類以上の形状に出現することにより、結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜方向に配向した異方性結晶、あるいは水平方向に配向した異方性結晶が形成されており、結晶成分が高い配向性を示していると言える。 したがって、主に、円周方向(Φ)に強度分布のある点状、円弧上のいずれか1種類以上の形状に出現することがより好ましい。これにより、多層フィルム1が、球晶を多く有する従来の高分子材料よりも優れたバリア性を発揮することができる。

また、上記結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜している場合には、分子鎖軸とフィルム平面の成す最少角度が10°以上、80°以下であることが好ましい。分子鎖軸とフィルム平面の成す最少角度が上記範囲内にあることで、分子鎖がフィルム平面に垂直である場合と同様に結晶ラメラ中の結晶面を、フィルム平面に対して広範囲に分布することができる。このように、結晶面を、広範囲に分布させることができるため、多層フィルム1のガスバリア性を向上させることができる。

なお、配向結晶の傾きは、例えば、WAXSやSAXS測定から得られた結晶性樹脂の結晶ラメラ由来の1次元データから角度を読み取ることで確認できる。

また、第1のフィルム2および第2のフィルム3において、傾斜方向および平行方向に結晶性樹脂Aまたは熱可塑性樹脂Bが配向した異方性結晶の配向度は、0.80以上、1.00未満であることが好ましく、0.90以上、1.00未満であることがより好ましい。配向度が上記範囲内となることで、多層フィルム1は、より優れたガスバリア性を発揮する。

なお、この配向度(Π)は、結晶性樹脂Aまたは熱可塑性樹脂Bのうち、結晶の分子鎖軸が、多層フィルム1の平面に対して傾斜方向または水平方向に配向したものについて、X線回折像を一次元化して得られる回折ピークの半値幅(H)を用いて下記式(1)で求めた値を言う。 Π=(180−H)/180 ・・・(1)

<多層フィルムの製造方法> 次に、上述した多層フィルム1の製造方法について説明する。 多層フィルム1の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、数台の押出機により、原料となる樹脂などを溶融押出するフィードブロック法や、マルチマニホールド法などの共押出Tダイ法、空冷式または水冷式共押出インフレーション法が挙げられ、なかでも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚み制御に優れる点で特に好ましい。

具体的には、先ず、数台の押出機により、溶融状態の樹脂をフィードブロックに溶融押出する。その後、フィードブロックにより、樹脂を積層してフィルムを成形する。 次に、マルチプライヤーにより、フィルムの切断と積層を繰り返して、樹脂を交互に積層し、多層フィルムを成形する。

次に、冷却ロールにより多層フィルムを冷却固化することで、多層フィルムの結晶配向を制御する。 以上により、多層フィルム1を作製することができる。本実施形態により作製した多層フィルム1は、フィルムを延伸していないため、成形加工性に優れる。

<包装体> 次に、本発明を適用した一実施形態である包装体11の構成について、図2および図3を参照して説明する。図2は、本発明を適用した実施形態である包装体11の斜視図である。また、図3は、図2の包装体11のA−A線における模式断面図である。図3に示すように、本実施形態の包装体11は、第1のフィルム2と、第2のフィルム3と、を交互に繰り返し備え、さらにカバーフィルム12と、収納部13と、を備え概略構成されている。すなわち、本実施形態の包装体11は、上述した多層フィルム1と、カバーフィルム12と、収納部13と、を備えて概略構成されている。よって、重複する部分については説明を省略する。本実施形態の包装体11は、ブリスターパックとしてのPTPフィルム(包装容器)であり、収納部13に錠剤14を密封収納することができる。

多層フィルム1は、カバーフィルム12に接着している。多層フィルム1には、カバーフィルム12の反対側の面を突き出すようにして複数の収納部13が形成されている。 多層フィルム1は、ガスバリア層として機能することにより、収納部13内に水蒸気などのガスが透過するのを防止することができる。

カバーフィルム12の材質としては、具体的には、例えば、アルミニウムなどが挙げられる。

上述した多層フィルム1およびカバーフィルム12には、スリット15を入れてもよい。これにより、収納部13に収容された錠剤14を必要な数毎に切り分けることが容易となり、包装体11に優れた利便性を付与することができる。

本実施形態の包装体11は、多層フィルム1を備えることにより、収納部13に水蒸気などのガスが透過するのを防ぐことができる。この多層フィルム1によるガスバリア性(水蒸気バリア性)は、例えば、収納部13を水蒸気が透過するときの水蒸気透過度を測定することにより評価することができる。多層フィルム1の水蒸気透過度は、内壁面が内径φ10.0mm×高さ4.5mmの大きさの収納部13を形成した場合、40℃、90%RHの雰囲気下において24時間放置する条件で、1.8mg/10pockets−day以下であることが好ましく、1.5mg/10pockets−day以下であることがより好ましく、1.2mg/10pockets−day以下であることがさらに好ましい。

<包装体の製造方法> 次に、上述した包装体11の製造方法について説明する。 包装体11の製造方法としては、特に限定されないが、一般的に使用されるPTP包装機が用いられる。 具体的には、先ず、真空成形、圧空成形、またはプラグ成形などにより、多層フィルム1に収納部13を成形する。

次に、多層フィルム1の収納部13に内容物である錠剤14を充填した後、カバーフィルム12を重ね合せ、多層フィルム1とカバーフィルム12とを接着させる。 次に、多層フィルム1およびカバーフィルム12に、ミシン刃やハーフカット刃を用いてスリット15を入れる。 以上の工程により、包装体11が製造される。

以上、説明したように、本実施形態の多層フィルム1によれば、放射性炭素(14C)を含む結晶性樹脂を有し、平均層厚みが10〜1000nm以下である第1のフィルムと、平均層厚みが10〜1000nm以下である第2のフィルムと、を交互に繰り返し積層した繰り返し部を備えており、製造の際に延伸工程を伴わないで結晶を配向しているため、ガスバリア性および成形加工性に優れ、かつ、製造時および廃棄時の二酸化炭素の排出量を削減することができる。

また、本実施形態の包装体11によれば、多層フィルム1を備えるため、ガスバリア性および成形加工性に優れ、かつ、製造時および廃棄時の二酸化炭素の排出量を削減することができる。

以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。例えば、上述した多層フィルム1では、繰り返し部4は、第1のフィルム2と、第2のフィルム3とを交互に繰り返し積層してなるものとして説明したが、繰り返し部4は、本発明の効果を阻害しない範囲で、結晶性樹脂Aを有する第1のフィルム2、熱可塑性樹脂Bを有する第2のフィルム3以外の層として、例えば、熱可塑性樹脂Cを含有する第3のフィルムを有しても良い。

例えば、結晶性樹脂Aを含有する第1のフィルム2(A)、熱可塑性樹脂Bを含有する第2のフィルム3(B)、熱可塑性樹脂Cを含有する第3のフィルム(C)の3種類の層を有する場合、繰り返し部4は、(A)、(B)および(C)がそれぞれ少なくとも1つ含まれるものであればよい。例えば、繰り返し部4は、(BAC)nおよびB(ACAB)nなどの様に規則的順列で積層されているものであってもよい。ここで、nは繰り返しの単位数である。

また、上述した包装体11は、収納部13の全体形状が円錐台状、平面視形状が円形状の例について説明したが、収納部13の形状はこれに限定されず、収納すべき錠剤14のワークの形状に対応して、例えば、その平面視形状が、三角形、四角形、五角形、六角形のような多角形状や、長円形状などをなしていてもよい。

また、上述した包装体11は、収納部13を8つ備える例について説明したが、収納部13の数はこれに限定されず、1つ以上であればよい。

また、上述した包装体11は、収納部13を備える多層フィルム1にカバーフィルム12を重ね合わせることで包装体11とした例について説明したが、これに限定されず、包装体11は、例えば、2つの多層フィルム1を重ね合わせた状態で縁部を熱圧着することで袋体とし、この袋体の内部に、ワークとして食肉、加工肉および青果物などの食材、または、注射針、シリンジ、検査キットおよびカテーテルなどの医療器具を収納する包装袋などであってもよい。

<多層フィルムの作製> (実施例1) 結晶性樹脂Aとして植物由来の高密度ポリエチレン樹脂(HDPE樹脂)(ブラスケム社製、「SHC7260」、密度:959kg/m3、重量平均分子量:33,100)を用意した。 また、熱可塑性樹脂Bとしてポリプロピレン樹脂(PP樹脂)(プライムポリマー社製、「J106G」、密度:910kg/m3、重量平均分子量:214,000)を用意した。

ここで、結晶性樹脂Aに含まれる全炭素原子中、1950年時点の循環炭素中の放射性炭素(14C)濃度を基準(100%)とした14C濃度の比率を測定した。具体的には、結晶性樹脂Aを燃焼して二酸化炭素を発生させ、真空ラインで精製した二酸化炭素を、鉄を触媒として水素で還元し、グラファイトを生成させた。そして、このグラファイトを、加速器質量分析装置(NEC社製、「ペレトロンAMS」)に装着して、12C、13C、および14Cの計数の測定を行い、この測定値から標準現代炭素に対する試料炭素の全炭素原子数に対する放射性炭素(14C)濃度の比率を算出した。なお、標準試料として、シュウ酸(菱江化学株式会社社製)を用いた。以下同様にして、結晶性樹脂Aに含まれる全炭素原子中、1950年時点の循環炭素中の放射性炭素(14C)濃度を基準(100%)とした14C濃度の比率を測定した。 結晶性樹脂Aに含まれる全炭素原子中、1950年時点の循環炭素中の放射性炭素(14C)濃度を基準(100%)とした14C濃度の比率が、94.0%であった。

上記高密度ポリエチレン樹脂およびポリプロピレン樹脂を、それぞれ押出機(株式会社サン・エヌ・ティー社製、「SNT40−28型番」)で、240℃の溶融状態とし、フィードブロックおよびダイを用いて共押出しして、2053層の多層フィルムを作製した。ここで、積層厚み比が結晶性樹脂A:熱可塑性樹脂B=3:2になるように吐出量を調整した。 なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。

(実施例2) 積層厚み比が結晶性樹脂A:熱可塑性樹脂B=1:1になるように吐出量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。 なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。

(実施例3) 積層厚み比が結晶性樹脂A:熱可塑性樹脂B=7:3になるように吐出量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。 なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。

(実施例4) 積層厚み比が結晶性樹脂A:熱可塑性樹脂B=4:1になるように吐出量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。 なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。

(実施例5) 積層厚み比が結晶性樹脂A:熱可塑性樹脂B=3:7になるように吐出量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。 なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。

(実施例6) 積層厚み比が結晶性樹脂A:熱可塑性樹脂B=1:4になるように吐出量を調整したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。 なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。

(比較例1) 結晶性樹脂Aとして石油由来の高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)(プライムポリマー社製、「2100J」、密度:953kg/m3、重量平均分子量:63000)を用意したこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。 結晶性樹脂Aに含まれる全炭素原子中、1950年時点の循環炭素中の放射性炭素(14C)濃度を基準(100%)とした14C濃度の比率が、0.0%であった。 なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。

(比較例2) 積層厚み比が結晶性樹脂A:熱可塑性樹脂B=3:2になるように吐出量を調整し、第1のフィルムおよび第2のフィルムの平均層厚みを厚くし、積層数を129層としたこと以外は、実施例1と同様にして多層フィルムを作製した。 なお、多層フィルムの厚みは300μmであった。

<積層数の評価および結晶構造の観察> 各実施例および各比較例で作製した多層フィルムの積層数は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡(日本電子社製、「JSM‐7500FA」)を用いて観察することにより求めた。また、各層の結晶構造について、上記電子顕微鏡を用いて観察することで、第1のフィルム、第2のフィルムにおける傾斜方向におよび水平方向に配向した異方性結晶の有無を観察した。具体的には、フィルム断面を1000〜100000倍に拡大観察した。

<配向度の評価> 各実施例および各比較例で作製した多層フィルムの第1のフィルムおよび第2のフィルムにおける配向度(Π)を、X線回折像を一次元化して得られる回折ピークの半値幅(H)を用いて下記式(1)により求めた。 Π=(180−H)/180 ・・・(1)

<水蒸気バリア性の評価(多層フィルム)> 各実施例および各比較例で作製した多層フィルムの水蒸気バリア性は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製、「PERMATRAN‐W(登録商標)3/33」)を用いて、JIS K7126(B法、等圧法)に記載の方法に準拠して評価した。

<水蒸気バリア性の評価(包装体)> 各実施例および各比較例で作製した多層フィルムを備えた包装体の水蒸気バリア性を評価した。具体的には、先ず、各実施例および各比較例の多層フィルムについて、それぞれ、ブリスタ包装機(CKD社製、「FBP−300E」)を用いて、長手方向に沿って5つ、短手方向に沿って2つずつ並ぶように計10つの収納部(φ10.0mm×4.5mm)を形成した。次に、10つの収納部にそれぞれゼオライト(φ7.0mm×7.0mm)を充填した状態で、アルミ製のカバーフィルムを用いて収納部の開口を密封することで包装体を作製した。

この状態で40℃、90%RHの雰囲気下に24時間放置した後のゼオライトの重量変化を測定した。そして、この測定結果に基づいて収納部を透過した水蒸気量を求めることで評価した。 以上の各実施例および各比較例の評価結果を表1に示す。

表1に示されるように、各多層フィルムの水蒸気バリア性について、実施例1〜6および比較例1の多層フィルムの水蒸気透過量は、0.6g(m2−day)−1(100μm換算)以下であり、優れた水蒸気バリア性を有することを確認した。

また、各包装体の水蒸気バリア性について、実施例1〜6および比較例1の多層フィルムの水蒸気透過量は、1.8mg(10pockets−day)−1以下であり、優れた水蒸気バリア性を有することを確認した。

以上の結果より、植物由来のHDPE、L−LDPEを結晶性樹脂Aとして用いた場合であっても、石油由来のHDPEを結晶性樹脂Aとして用いた場合と同等の水蒸気バリア性を有することを確認した。

また、実施例1に対して、比較例2では多層フィルムの水蒸気バリア性および包装体の水蒸気バリア性が低下した。この結果から、第1のフィルムまたは第2のフィルムの平均層厚みを厚くすると、水蒸気バリア性が低下することを確認した。

各実施例および各比較例で作製した多層フィルムを、X線回折装置(リガク社製、「NANO Viewer」)を用いて評価した。

図4(a)、(b)に、それぞれ、実施例1および比較例1の多層フィルムのX線回折像を示す。実施例1および比較例1のX線回折像の両方に、ポリエチレン樹脂の結晶面(200)に由来するX線回折像が円弧を示した。この結果から、結晶の分子鎖軸が、フィルム平面に対して傾斜または水平方向に配向していることを確認することができた。

本発明の多層フィルムは、包装体などの材料として利用可能性がある。また、本発明の包装体は、食品、医薬品、医療器具などを包装するための包装袋、包装容器などへの利用可能性がある。

1…多層フィルム 2…第1のフィルム 3…第2のフィルム 4…繰り返し部 11…包装体 12…カバーフィルム 13…収納部 14…錠剤 15…スリット

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