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黒鉛材料及びその製造方法

阅读:892发布:2024-02-17

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表面処理用化合物を含む溶液と原料黒鉛粒子を混合する工程、不活性雰囲気中で熱処理を行う工程を含有する黒鉛材料の製造方法であって、前記黒鉛材料は、アルゴンレーザーを用いたラマン分光分析で測定した黒鉛エッジ面のR値(RE)及び黒鉛ベーサル面のR値(RB)が以下の要件(c)及び(d)を満たす黒鉛材料の製造方法。 (c)(黒鉛材料のRE/原料黒鉛粒子のRE)が1.1〜4.0 (d)(黒鉛材料のRB/原料黒鉛粒子のRB)が1.2〜2.0表面処理用化合物と原料黒鉛粒子の混合モル比が、1:1000〜1:100である請求項1に記載の黒鉛材料の製造方法。熱処理温度が、400℃以上1300℃以下である請求項1または請求項2に記載の黒鉛材料の製造方法。表面処理用化合物が、遷移金属塩化物、遷移金属硝酸塩、遷移金属硫酸塩、遷移金属リン酸塩、硝酸、硫酸、リン酸、またはそれらの混合物(但し、硝酸と硫酸の混合物は除く。)である請求項1〜3のいずれかに記載の黒鉛材料の製造方法。

说明书全文

本発明は、大電流負荷特性、直流抵抗特性に優れたリチウムイオン二次電池の負極用に好適な黒鉛材料、及びその製造方法に関する。

リチウムイオン二次電池では、一般に、正極活物質にコバルト酸リチウムなどのリチウム塩が使用され、負極活物質に黒鉛などの炭素質材料が使用されている。黒鉛には、天然黒鉛と人造黒鉛がある。

これらのうち天然黒鉛は安価に入手できるという利点がある。しかし、天然黒鉛の表面がアクティブであるために初回充電時にガスが多量に発生し、初期効率が低く、サイクル特性も良くなかった。これらを解決するため、特許文献1では、球状に加工した天然黒鉛の表面に、人造カーボンをコーティングする方法が開示されている。 一方、人造黒鉛については、特許文献2にメソカーボン小球体の黒鉛化品が開示されている。

石油ピッチ、石炭ピッチ、石油コークス、石炭コークスの黒鉛化品に代表される人造黒鉛は比較的安価に入手できる。しかし、結晶性のよい針状コークスは鱗片状になり配向しやすい。この問題を解決するため、特許文献3では、複数の扁平状黒鉛粒子を、配向面が非平行となるように集合または結合させた黒鉛材料が開示されている。 また、特許文献4には、いわゆるハードカーボンや非結晶質カーボンを用いた負極材料が開示されている。

特許文献5には、強酸化剤で真空加熱した炭素繊維が開示されている。 特許文献6には、予めLi化合物と混合した後、加熱焼成処理を行った黒鉛材料が開示されている。 特許文献7には、非金属有機化合物を含む溶液に黒鉛材料を浸漬することが開示されている。

特許第3534391号公報(US6632569 B1)

特開平4−190555号公報

特許第3361510号公報(US6344296 B1)

特開平7−320740号公報(US5587255 A)

特開平5−299074号公報

特開平5−135802号公報

特開平10−270045号公報(CA2230948 A1)

特許文献1〜特許文献3に記載の方法で製造された材料は、モバイル用途で電池を使用する場合の低電流密度での電気容量や中期サイクル特性については対応可能であるが、大型電池用途で使用する場合の大電流密度での電気容量や、長期サイクル特性に対応することは非常に難しい。 特許文献4に記載の負極材料は、体積エネルギー密度があまりにも低く、価格も非常に高価なため、一部の特殊な大型電池にしか使用されていない。 特許文献5に記載の方法では、強力な酸化剤を使用し、高温で加熱するので、生産過程において危険を伴う。 特許文献6に記載の方法では、大量のLiを含む化合物を使用するため、コストが高い。また、処理した黒鉛材料は電気容量が低く、サイクル性能も良くないので、二次電池に用いるには不十分である。 特許文献7に記載の方法では、電気容量が不十分である。

本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、大電流負荷特性、直流抵抗特性に優れたリチウムイオン二次電池の負極製造用に好適な黒鉛材料及びその製造方法を見出し、本発明を完成した。

すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)の黒鉛材料、(8)〜(10)の黒鉛材料の製造方法に関する。 (1)X線光電子分光法(XPS)により測定した表面炭素原子比濃度が98.3%以上であり、アルゴンレーザーを用いたラマン分光分析で測定した黒鉛エッジ面のR値(RE)及び黒鉛ベーサル面のR値(RB)が以下の要件(a)及び(b)を満たす黒鉛材料。 (a)0.19≦RE≦0.54 (b)0.10≦RB≦0.14 (2)X線回折法で測定される(002)面の平均面間隔d002が0.3356nm〜0.3375nmである前項1に記載の黒鉛材料。 (3)BET比表面積が1.0m2/g以上8.0m2/g以下である前項1または2に記載の黒鉛材料。 (4)体積基準の累積粒度分布における50%粒子径D50が2μm〜55μmである前項1〜3のいずれかに記載の黒鉛材料。 (5)前項1〜4のいずれかに記載の黒鉛材料を含む電池電極用炭素材料。 (6)前項5に記載の電池電極用炭素材料を含む二次電池。 (7)表面処理用化合物を含む溶液と原料黒鉛粒子を混合する工程、不活性雰囲気中で熱処理を行う工程を含有する黒鉛材料の製造方法であって、前記黒鉛材料は、アルゴンレーザーを用いたラマン分光分析で測定した黒鉛エッジ面のR値(RE)及び黒鉛ベーサル面のR値(RB)が以下の要件(c)及び(d)を満たす黒鉛材料の製造方法。 (c)(黒鉛材料のRE/原料黒鉛粒子のRE)が1.1〜4.0 (d)(黒鉛材料のRB/原料黒鉛粒子のRB)が1.2〜2.0 (8)表面処理用化合物と原料黒鉛粒子の混合モル比が、1:1000〜1:100である前項7に記載の黒鉛材料の製造方法。 (9)熱処理温度が、400℃以上1300℃以下である前項7または8に記載の黒鉛材料の製造方法。 (10)表面処理用化合物が、遷移金属塩化物、遷移金属硝酸塩、遷移金属硫酸塩、遷移金属リン酸塩、硝酸、硫酸、リン酸、またはそれらの混合物(但し、硝酸と硫酸の混合物は除く。)であるである前項7〜9のいずれかに記載の黒鉛材料の製造方法。

本発明の黒鉛材料をリチウムイオン二次電池の負極材料として用いると、電気容量、クーロン効率、サイクル特性、エネルギー密度に優れ、特に、大電流負荷特性及び直流抵抗値の低い電池を得ることができる。 また、本発明の黒鉛材料は経済性、量産性に優れ、安全な方法により製造することができる。

本発明の一実施態様にかかる黒鉛材料は、X線光電子分光法(XPS)により測定した表面炭素原子比濃度が98.3%以上であることが好ましい。さらに好ましくは98.7%以上、より好ましくは99.1%以上である。表面炭素原子比濃度が98.3%以上であると、黒鉛材料表面の異質な元素が少ないため、電気化学副反応が低減する。

本発明の一実施態様にかかる黒鉛材料は、アルゴンレーザーを用いたラマン分光分析で測定した黒鉛エッジ面のR値(RE)及び黒鉛ベーサル面のR値(RB)が以下の要件(a)及び(b)を満たす。 (a)0.19≦RE≦0.54 (b)0.10≦RB≦0.14 R値は、中心波数1574〜1576cm-1に現れるGピークの強度(IG)に対する中心波数1344〜1348cm-1に現れるDピークの強度(ID)の比率(ID/IG)を示したものである。

ラマン分光分析において、多点測定を行い、エッジ面、ベーサル面それぞれの5点平均化スペクトルのGピーク強度、Dピーク強度より、強度比(ID/IG)を計算することにより、エッジ面のR値であるRE、ベーサル面のR値であるRBを算出することができる。本発明の一実施態様にかかる黒鉛材料は、エッジ面のR値であるRE及びベーサル面のR値であるRBについて、0.19≦RE≦0.54かつ0.10≦RB≦0.14であることが好ましく、0.20≦RE≦0.54かつ0.11≦RB≦0.14であることがより好ましく、0.25≦RE≦0.54かつ0.12≦RB≦0.14であることがさらに好ましい。 RE及びRBがこのような範囲であると、Liイオンの挿入位置が多くなり、電気化学反応スピードが高くなる。

本発明の好ましい実施態様における黒鉛材料は、レーザー回折型粒度分布測定装置を用いて溶媒中で測定した体積基準の累積粒度分布における50%累積径(D50)が2μm以上55μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることがさらに好ましく、5μm以上35μm以下であることが最も好ましい。 レーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えばマルバーン製マスターサイザー(登録商標)が利用できる。

また、本発明の好ましい実施態様における黒鉛材料には、粒径が0.5μm以下の粒子を実質的に含まないことが好ましい。0.5μm以下の粒子は、表面の活性ポイントが大きく、電池の初期効率を低下させる。ここで実質的に含まないとは粒径が0.5μm以下の粒子が0.1質量%以下であることを意味する。0.5μm以下の粒子の含有量は前記したようなレーザー回折式粒度分布測定装置により測定できる。

BET比表面積(SBET)については、単位質量あたりのガスの吸着脱離量の計測という一般的な手法によって測定する。測定装置としては、例えばNOVA−1200を用いることができる。BET比表面積(SBET)が、1.0m2/g以上8.0m2/g以下が好ましく、1.2m2/g以上7.0m2/g以下がより好ましく、1.5m2/g以上4.5m2/g以下が最も好ましい。SBETがこの範囲にあることにより、結着剤を過剰に使用することなく、かつ、電解液と接触する面積を大きく確保し、リチウムがスムーズに挿入脱離され、電池の反応抵抗を小さくすることができる。

黒鉛材料は、X線回折法による(002)面の平均面間隔d002が0.3356nm以上0.3375nm以下であることが好ましい。結晶のC軸方向の厚さLcは30nm以上1000nm以下であることが好ましく、100nm以下がさらに好ましく、50nm以上100nm以下が特に好ましい。また、a軸方向の結晶子の厚みLaは、100nm以上が好ましい。このような範囲とすることで活物質がドープされるサイトが十分に得られ、かつ結晶子のエッジ部が多すぎないので、電解液の分解がさらに抑制される。

d002、La及びLcは、既知の方法により粉末X線回折(XRD)法を用いて測定することができる(稲垣道夫,「炭素」,1963,No.36,25−34頁、Iwashita et al.,Carbon vol.42(2004),p.701−714参照)。 平均面間隔d002が0.3356nm〜0.3375nmにあることにより黒鉛の結晶性が高く、リチウムイオンがインターカレーション可能な空間が増す。

[黒鉛材料の製造方法] 本発明の一実施態様にかかる黒鉛材料の製造方法は、原料黒鉛粒子の表面に欠陥を導入するための化合物(「表面処理用化合物」と略記する。)を含む溶液と原料黒鉛粒子を混合する工程、不活性雰囲気中で熱処理を行う工程を含有する黒鉛材料の製造方法である。このような工程を採用することにより、原料黒鉛粒子の表面に欠陥を導入する。 原料黒鉛粒子の表面に欠陥を導入する場合、黒鉛のエッジ面、ベーサル面に導入する欠陥量を一定の範囲内にコントロールすることが好ましい。

黒鉛のエッジ面、ベーサル面に導入する欠陥量を測定する指標として、ラマン分光分析を使用する。原料黒鉛粒子及び黒鉛材料について、ラマン分光分析の多点測定を行い、エッジ面、ベーサル面それぞれの5点平均化スペクトルのGピーク強度、Dピーク強度より、強度比(ID/IG)を計算することで、エッジ面のR値であるRE、ベーサル面のR値であるRBを算出することができる。 R値は、中心波数1574〜1576cm-1に現れるGピークの強度(IG)に対する中心波数1344〜1348cm-1に現れるDピークの強度(ID)の比率(ID/IG)を示したものである。

エッジ面のR値であるREについて、(黒鉛材料のRE/原料黒鉛粒子のRE)が、1.1〜4.0となるのが好ましく、1.5〜4.0がより好ましく、1.8〜4.0がさらに好ましい。 ベーサル面のR値であるRBについて、(黒鉛材料のRB/原料黒鉛粒子のRB)が1.2〜2.0となるのが好ましく、1.4〜2.0がより好ましく、1.6〜2.0がさらに好ましい。

好ましくは、(黒鉛材料のRB/原料黒鉛粒子のRB)が1.2〜2.0であって、(黒鉛材料のRE/原料黒鉛粒子のRE)が1.1〜4.0である。 より好ましくは、(黒鉛材料のRB/原料黒鉛粒子のRB)が1.4〜2.0であって、(黒鉛材料のRE/原料黒鉛粒子のRE)が1.5〜4.0である。 さらに好ましくは、(黒鉛材料のRB/原料黒鉛粒子のRB)が1.6〜2.0であって、(黒鉛材料のRE/原料黒鉛粒子のRE)が1.8〜4.0である。

各R値が上記範囲になるようにコントロールすると、黒鉛の表面に適度な欠陥が導入されて、Liイオンの挿入位置が多くなり、電気化学反応スピードが高くなる一方で、炭素材料の安定性に対する影響もなく、長期サイクル特性も良好である。

黒鉛表面処理用化合物としては、遷移金属塩化物、遷移金属硝酸塩、遷移金属硫酸塩、遷移金属リン酸塩、硝酸、硫酸、リン酸から選択することが可能である。これらの化合物は1種類を使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。但し、硝酸と硫酸を混合した混酸の使用は除く。これは、硝酸と硫酸の混酸は酸化性が強すぎ、本発明の表面処理用には適さないためである。また、遷移金属としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛が使用可能である。

黒鉛表面処理用化合物と原料黒鉛粒子とを混合する場合のモル比は、化合物:黒鉛が1:1000〜1:100となるのが好ましい。より好ましくは、1:800〜1:100であり、さらに好ましくは、1:500〜1:100である。 溶液の溶媒は、と揮発性有機溶媒を含むことが好ましい。揮発性有機溶媒の沸点は、50〜85℃が好ましい。さらに好ましくは、55〜80℃であり、60〜80℃が最も好ましい。

化合物を含む溶液と原料黒鉛粒子とを混合した後に、乾燥することが好ましい。乾燥温度は70〜120℃が好ましく、80〜110℃がより好ましく、90〜110℃がさらに好ましい。

混合物は、不活性雰囲気中で熱処理を行う。熱処理温度は400〜1300℃が好ましく、500〜1100℃がより好ましく、500〜1000℃がさらに好ましい。 熱処理時間は0.5〜5時間が好ましく、1〜4時間がより好ましく、1.5〜3時間がさらに好ましい。 熱処理後に得られた黒鉛材料は、洗浄、ろ過、乾燥することが好ましい。

[電池電極用炭素材料] 本発明の好ましい実施態様における電池電極用炭素材料は、上記黒鉛材料を含んでなる。上記黒鉛材料を電池電極用炭素材料として用いると、高容量、高クーロン効率、高サイクル特性を維持したまま、直流抵抗が低減され、充放電レートが向上した電池用電極を得ることができる。 電池電極用炭素材料としては、例えば、リチウムイオン二次電池の負極活物質や負極導電付与材として用いることができる。 本発明の好ましい実施態様における電池電極用炭素材料は、他の黒鉛材料と上記黒鉛材料とを混合して用いてもよいし、上記黒鉛材料のみを使用してもよい。

[電極用ペースト] 本発明の好ましい実施態様における電極用ペーストは、前記電池電極用炭素材料とバインダーとを含んでなる。この電極用ペーストは、前記電池電極用炭素材料とバインダーとを混練することによって得られる。混錬には、リボンミキサー、スクリュー型ニーダー、スパルタンリューザー、レディゲミキサー、プラネタリーミキサー、万能ミキサー等公知の装置が使用できる。電極用ペーストは、シート状、ペレット状等の形状に成形することができる。

電極用ペーストに用いるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、SBR(スチレンブタジエンラバー)等のゴム系等公知のバインダーが挙げられる。 バインダーの使用量は、電池電極用炭素材料100質量部に対して1〜30質量部が適当であるが、特に3〜20質量部が好ましい。

混練する際に溶媒を用いることができる。溶媒としては、各々のバインダーに適した公知のもの、例えばフッ素系ポリマーの場合はトルエン、N−メチルピロリドン等;SBRの場合は水等;その他にジメチルホルムアミド、イソプロパノール等が挙げられる。溶媒として水を使用するバインダーの場合は、増粘剤を併用することが好ましい。溶媒の量は集電体に塗布しやすい粘度となるように調整される。

[電極] 本発明の好ましい実施態様における電極は前記電極用ペーストの成形体からなるものである。電極は例えば前記電極用ペーストを集電体上に塗布し、乾燥し、加圧成形することによって得られる。

集電体としては、例えばアルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の箔、メッシュなどが挙げられる。ペーストの塗布厚は、通常50〜200μmである。塗布厚が大きくなりすぎると、規格化された電池容器に負極を収容できなくなることがある。ペーストの塗布方法は特に制限されず、例えばドクターブレードやバーコーターなどで塗布後、ロールプレス等で成形する方法等が挙げられる。

加圧成形法としては、ロール加圧、プレス加圧等の成形法を挙げることができる。加圧成形するときの圧力は100〜300MPa(約1〜3t/cm2)程度が好ましい。電極の電極密度が高くなるほど体積あたりの電池容量が通常大きくなる。しかし電極密度を高くしすぎるとサイクル特性が通常低下する。本発明の好ましい実施態様における電極用ペーストを用いると電極密度を高くしてもサイクル特性の低下が小さいので、高い電極密度の電極を得ることができる。この電極用ペーストを用いて得られる電極の電極密度の最大値は、通常1.7〜1.9g/cm3である。このようにして得られた電極は、電池の負極、特に二次電池の負極に好適である。

[電池、二次電池] 前記電極を構成要素(好ましくは負極)として、電池または二次電池とすることができる。 リチウムイオン二次電池を具体例に挙げて本発明の好ましい実施態様における電池または二次電池を説明する。リチウムイオン二次電池は、正極と負極とが電解液または電解質の中に浸漬された構造をしたものである。負極には本発明の好ましい実施態様における電極が用いられる。

リチウムイオン二次電池の正極には、公知の正極活物質が採用可能である。例えば、リチウム含有遷移金属酸化物が採用可能であり、好ましくはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo及びWから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化物であって、リチウムと遷移金属元素のモル比が0.3〜2.2の化合物が採用可能である。

リチウムイオン二次電池では正極と負極との間にセパレーターを設けることがある。セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルムまたはそれらを組み合わせたものなどを挙げることができる。 電解液及び電解質としては公知の有機電解液、無機固体電解質、高分子固体電解質が使用可能である。

以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。

実施例及び比較例における物性値測定及び電池評価は以下のように行った。 (1)表面炭素原子濃度(atomic%) QuanteraII(登録商標)(アルバック・ファイ社製)を使用したX線光電子分光法(XPS)測定により表面領域における炭素原子濃度(atomic %)(「表面炭素原子濃度」と略記する。)を求めることができる。測定条件は、X線源:Alモノクロ(25W、15kV)、分析面積:100μm(Spot)、電子・イオン中和銃:ON、光電子取出し:45度とした。結合エネルギーのスキャン範囲は、0−1100eVとした。測定で得られたXPSスペクトルをXPS用のデータ解析ソフトウェア(アルバック・ファイ社製、PHI MultiPak(登録商標))を用いてデータ処理することにより、表面領域における全元素(原子)の総量に対する炭素原子の量の相対比(atomic %)として表面炭素濃度を算出した。

(2)ラマン分光分析 日本分光株式会社製JASCO NRS−5100を使用し、中心波数2082.24cm-1、励起波長532.36nm、レーザー強度0.8mWで測定した。IGは中心波数1574〜1576cm-1に現れるGピークの強度である。IDは中心波数1344〜1348cm-1に現れるDピークの強度である。試料において多点測定を行い、エッジ面、ベーサル面それぞれ5点平均化スペクトルのG、Dピーク強度より、R値(強度比ID/IG)を計算した。 (3)D50 レーザー回折式粒度分布測定装置として、マルバーン製マスターサイザー(登録商標)を用いて、体積基準の累積粒度分布における50%粒子径であるD50を求めた。 (4)BET比表面積(SBET) BET比表面積(SBET)は、比表面積測定装置NOVA−1200(ユアサアイオニクス(株)製)を使用し、窒素ガスの吸着脱離量から算出した。

(5)コインセルによる電池評価 a)ペースト作製: 黒鉛材料1質量部にJSR社製SBRを2質量%含有した水溶液0.1質量部を加え、プラネタリーミキサーにて混練し、主剤原液とした。 b)電極作製: 主剤原液に水を加え、粘度を調整した後、高純度銅箔上でドクターブレードを用いて150μm厚に塗布した。これを70℃で1時間真空乾燥し、16mmφに打ち抜いた。打ち抜いた電極を超鋼製プレス板で挟み、プレス圧が電極に対して約100〜300MPa(約1〜3t/cm2)となるようにプレスした。その後、真空乾燥器で120℃、12時間乾燥して、評価用電極とした。

c)電池作製: 下記のようにしてコインセル(対極リチウムセル)を作製した。なお以下の操作は露点−80℃以下の乾燥アルゴン雰囲気下で実施した。 ポリプロピレン製のねじ込み式フタ付きのセル(内径約18mm)内において、上記b)で作製した銅箔付き炭素電極と金属リチウム箔でセパレーター(ポリプロピレン製マイクロポーラスフィルム(セルガード2400))を挟み込んで積層した。これに電解液を加えて試験用セルとした。 d)電解液: EC(エチレンカーボネート)8質量部及びDEC(ジエチルカーボネート)12質量部の混合液に、電解質としてLiPF6を1モル/リットル溶解する。

e)放電容量及び初期効率の測定試験: コインセルを用いて試験を行った。充電(炭素へのリチウムの挿入)はレストポテンシャルから0.002Vまで0.2mA(0.05C)でCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行った。次に0.002VでCV(コンスタントボルト:定電圧)充電に切り替え、電流値が25.4μAに低下した時点で停止させた。電流密度0.2mA(0.05C相当)で定電流放電試験を行った。試験は25℃に設定した恒温槽内で行った。放電容量は、0.2mA(0.05C)での放電電気量を活物質の質量で除して算出した。また、初回充放電サイクルにおける放電容量と充電容量を測定し、放電容量/充電容量の比から初期効率を算出した。

f)充電レート試験 コインセルを用いて試験を行った。0.2mA(0.05C)での放電を行い、放電容量を測定した後、上記手法により充電を行い、さらに、2.0mA(0.5C)及び4.0mA(1.0C)での充電容量をそれぞれ測定し、これらを0.2mA(0.05C)での充電容量で除して、0.5C時及び1.0C時の充電容量維持率を求めた。

g)充放電サイクル容量維持率の測定試験 コインセルを用いて試験を行った。300サイクル容量維持率は、0.5CのCC充電と0.5CのCC放電の充放電サイクルを300サイクル繰り返し、2回目の放電容量に対する300回目の放電容量の比として算出した。

(6)ラミネートセルによる電池評価 (a)負極のプレス (5)と同様の手順で作製した負極極板を、プレスを行って約18時間後の電極密度が1.70g/cm3になるように、一軸プレス機によるプレスを実施して負極を作製した。プレス後の負極は真空中70℃で1時間再乾燥を行った。電極密度が上がりにくい場合は圧力を増加させてプレスを行ったが、圧力を最大300MPa(約3t/cm2)まで上げて10秒間加圧してもプレス直後の電極密度が1.70g/cm3に到達しない場合については、実質的に電極密度が1.70g/cm3に到達不可能であるとみなした。

(b)正極の作製 正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径5μm)97.5質量%と、気相法炭素繊維(昭和電工株式会社製、VGCF(登録商標)−H)0.5質量%、カーボンブラック(イメリス・ジーシー・ジャパン製、C45)2.0質量%、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.0質量%をN−メチルピロリドンに分散し、塗布量が19.2mg/cm2となるようにアルミニウム箔上に塗工して正極極板を作製した。その後正極極板は真空中70℃で1時間乾燥を行った。次に、作製した正極極板をロールプレス機でプレスすることにより、電極密度を3.55g/cm3に高め、正極を得た。

(c)電池の作製 作製した負極、正極と、セパレーターにポリプロピレン製セパレーターを用い、単層ラミネートセルを作製した。電解液には炭酸エチル、炭酸エチルメチル、炭酸ビニレンを30:70:1の体積比率で混合した溶媒にLiPF6を1mol/L溶解したものを使用した。負極には(5)で作製したものを使用した。 (d)直流抵抗値の測定 ラミネートセルを用いて測定を行った。50%充電状態において、異なる電流値の電流を流し、その電圧変化をオームの法則にプロットし計算することにより、直流抵抗値(ohm)を算出した。

実施例1: 人造黒鉛A20.00gと、塩化亜鉛0.757gを含む水−エタノール混合溶液(水とエタノールの体積比1:1)10mlを混合し(黒鉛(炭素)と塩化亜鉛のモル比が300:1)、90℃のオーブンで7時間乾燥した。混合物は、窒素雰囲気中で、500℃、3時間熱処理した。熱処理されたサンプルを0.1MのHCl水溶液と蒸留水で洗浄し、ろ過、乾燥した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

実施例2: 人造黒鉛A20.00gと、塩化ニッケル0.540gを含む水−エタノール混合溶液(水とエタノールの体積比1:1)10mlを混合し(黒鉛(炭素)と塩化ニッケルのモル比が400:1)、90℃のオーブンで7時間乾燥した。混合物は、窒素雰囲気中で、700℃、3時間熱処理した。熱処理されたサンプルは0.1MのHCl水溶液と蒸留水で洗浄し、ろ過、乾燥した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

実施例3: 人造黒鉛A20.00gと、硫酸コバルト1.292gを含む水−エタノール混合溶液(水とエタノールの体積比1:1)10mlを混合し(黒鉛(炭素)と硫酸コバルトのモル比が200:1)、90℃のオーブンで7時間乾燥した。混合物は、窒素雰囲気中で、800℃、3時間熱処理した。熱処理されたサンプルは0.1MのHCl水溶液と蒸留水で洗浄し、ろ過、乾燥した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

実施例4: 人造黒鉛A20.00gと、リン酸0.817gを含む水−エタノール混合溶液(水とエタノールの体積比1:1)10mlを混合(黒鉛(炭素)とリン酸のモル比が200:1)した以外は実施例3と同様に処理した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

実施例5: 人造黒鉛A20.00gと、リン酸1.633gを含む水−エタノール混合溶液(水とエタノールの体積比1:1)10mlを混合(黒鉛(炭素)とリン酸のモル比が100:1)した以外は実施例3と同様に処理した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

実施例6: 人造黒鉛B20.00gと、リン酸0.181gを含む水−エタノール混合溶液(水とエタノールの体積比1:1)10mlを混合(黒鉛(炭素)とリン酸のモル比が900:1)した以外は実施例3と同様に処理した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

実施例7: 人造黒鉛C20.00gと、リン酸0.327gを含む水−エタノール混合溶液(水とエタノールの体積比1:1)10mlを混合(黒鉛(炭素)とリン酸のモル比が500:1)した以外は実施例3と同様に処理した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

比較例1: 無処理の人造黒鉛Aについて、物性値測定及び電池評価を実施した。

比較例2: 無処理の人造黒鉛Bについて、物性値測定及び電池評価を実施した。

比較例3: 人造黒鉛A10.00gを硫酸と硝酸の混酸(2M硫酸:2M硝酸=1:1、体積比率)50mlに30分間浸漬し、純水でろ過し、洗浄した後、30分間真空加熱(800℃、10-3torr)を行った。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

比較例4: 人造黒鉛A10.00gを0.1Mの水酸化リチウム水溶液15mlに加え(黒鉛(炭素)と水酸化リチウムのモル比=560:1)、室温で1時間撹拌した後、水を減圧ろ過した。残渣をアルゴンガス雰囲気下、400℃で5時間焼成した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

比較例5: 人造黒鉛A10.00gを、0.5M五塩化リンの塩化メチレン溶液50mlに混合し(黒鉛(炭素)と五塩化リンのモル比=33:1)、12時間接触させた。次に40度で溶媒を蒸発により除去した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

比較例6: 黒鉛A20.00gと、塩化亜鉛4.54gを含む水−エタノール混合溶液(水とエタノールの体積比1:1)10mlを混合(黒鉛と塩化亜鉛のモル比が50:1)した以外は、実施例1と同様に処理した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

比較例7: 黒鉛B20.00gとリン酸0.136gを含む水とエタノールの溶液(水とエタノールの体積比1:1)を混合(黒鉛とリン酸のモル比が1200:1)した以外は実施例3と同様に処理した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

比較例8: 人造黒鉛Aと塩化亜鉛の混合物を、窒素雰囲気中で、300℃、3時間熱処理した以外は実施例1と同様に処理した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

比較例9: 人造黒鉛Aと塩化亜鉛の混合物を、窒素雰囲気中で、1500℃、3時間熱処理した以外は実施例1と同様に処理した。その後、物性値測定及び電池評価を実施した。

実施例1〜7及び比較例1〜9において、使用した原料黒鉛粒子の物性値を表1に、処理条件を表2に、得られた黒鉛材料の物性評価結果を表3に、電池評価の結果を表4に示す。

表4に示す結果より、黒鉛材料のエッジ面及びベーサル面のラマンR値が請求項1に記載の範囲内である場合には、これらの少なくとも一方が前記の範囲外である比較例1〜4及び比較例6〜9に較べて、高い充電容量維持率(0.5C及び1.0C時)及び低い直流抵抗値が得られることがわかる。なお、対極リチウムセルにおいては、1C程度の電流でも大電流の領域になる。 また、黒鉛材料のエッジ面及びベーサル面のラマンR値が請求項1に記載の範囲内であっても、表面炭素原子濃度が98.3%より低い比較例5の場合には、直流抵抗が高くなることがわかる。

黒鉛表面の欠陥を制御することにより、充電性能と直流抵抗値が改善される。本発明の黒鉛材料を電極活物質に用いたリチウムイオン二次電池は、小型軽量であり高い放電容量及び高いサイクル特性をもつため、携帯電話から電動工具、またハイブリッド自動車まで多岐にわたる範囲において好適に用いることができる。

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